JP2014189111A - 車両の側部車体構造 - Google Patents

車両の側部車体構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ピラーの補強パネルに形成された補強用の凸ビードが押し潰されることなく、側突に対する曲げ強度を確保できる車両の側部車体構造を提供する。
【解決手段】互いに接合され閉断面構造を構成している断面略ハット状のアウタパネル10及びインナパネル20と、アウタパネル10とインナパネル20との間に配設された補強パネル30とを備えてなるセンタピラー2において、補強パネル30は、アウタパネル10に沿った断面略ハット状であり、車体上下方向に延びる外面部31に、車体外方に突出する突出部39が、所定の上下範囲に設けられており、
前側充填部材50及び後側充填部材51が、アウタパネル10と補強パネル30の外面部31とに当接するとともに、突出部39を除く部位に設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の側部車体構造に関し、特に、ピラーがアウタパネルとインナパネルとを備えると共にアウタパネルとインナパネルとの間に配設された補強パネルを備えてなる車両の側部車体構造に関する。
自動車等の車両における車体側部には、ピラーが車体上下方向に延びるように配設されており、該ピラーは一般に、車体外側を構成するアウタパネルと車体内側を構成するインナパネルとによって閉断面構造に形成されている。
ピラーとして、アウタパネルとインナパネルとによって閉断面状に形成した閉断面部内に、アウタパネルに沿った断面略ハット形状の補強パネルを配設して側突に対する曲げ強度を高めるようにしたものも広く使用されている。このような補強パネルに加えて、アウタパネルと補強パネルとで形成された空間に充填部材を配設したものも知られている。
例えば特許文献1と特許文献2には、アウタパネルと補強パネル(レインフォースメントまたはセンタピラースチフナ)とで形成された空間に充填部材(充填材)を配設したセンタピラーが開示されている。
特開2001−48055号公報 特開2009−120161号公報
特許文献2には、アウタパネルと補強パネルとで形成された空間の角部近傍に充填部材が設けられるとともに、補強パネルに充填部材の位置決め段差が形成されることにより、補強パネルのアウタパネル側の面部に凸ビードが形成されることが開示されている(特許文献2の図5(b))。この凸ビードにより、曲げ強度向上効果が得られるようにも思われる。しかし、特許文献2の凸ビードは、位置決め目的であることからも分かるように充填部材と当接するように構成されているため、側突の衝突初期において、初期荷重がアウタパネルから充填部材を介して凸ビードに伝達され、凸ビードが押し潰されて略平坦に変形する、つまり凸ビードの角部がなくなるため、該角部によってもたらされる曲げ強度向上効果が十分に得られないという可能性があった。
そこで、本発明は、ピラーの補強パネルに形成された補強用の凸ビードが押し潰されることなく、側突に対する曲げ強度を確保できる車両の側部車体構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に係る発明は、車体側部に設けられ車体上下方向に延びるピラーが、互いに接合され閉断面構造を構成しているアウタパネル及びインナパネルと、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間に配設された補強パネルとを備えてなる車両の側部車体構造であって、前記補強パネルは、前記アウタパネルに沿った断面略ハット状であり、車体上下方向に延びる外面部に、車体外方に突出する突出部が、所定の上下範囲に設けられており、荷重伝達部材が、前記アウタパネルと前記補強パネルの外面部とに当接するとともに、前記突出部を除く部位に設けられていることを特徴とする。ここで、アウタパネルは、2つ以上のパネル部材からなるものであってもよい。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に係る発明において、前記突出部は、前記ピラーに取り付けられるドアのドアヒンジを前記補強パネルに取り付けるために形成されたヒンジ取付部の上方に設けられるとともに、その下端が前記ヒンジ取付部に連続して形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記補強パネルの長手方向に直交する断面において、前記補強パネル外面部と前記アウタパネル外面部の内壁との距離をL、前記突出部の高さをHとしたとき、H/Lが0.5以上であることを特徴とする。
以上の構成により、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、荷重伝達部材が突出部を除く部位に設けられている、つまり荷重伝達部材が突出部に当接していないので、側突の衝突初期において、初期荷重は、荷重伝達部材及び補強パネルを介してインナパネルに伝達されるが、突出部には伝達されず、衝突初期の次の段階で、アウタパネルから補強パネルの突出部に衝突初期に比して低下した荷重が伝達される。すなわち、衝突初期から所定時間経過後に補強パネルの突出部に荷重を伝達することにより、突出部が押し潰されることなく角部の形状が維持され、曲げ強度向上効果が得られるので、ピラーの曲げ強度を向上させることが可能となる。
また、請求項2に記載の発明によれば、突出部の突出方向がドアヒンジ取付部の膨出方向と同じ方向となるため、上側ヒンジ取付部の上方における補強パネルの絞り深さの変化を緩やかとすることができ、成形不良を生じにくくすることができる。さらに、補強パネルの突出部を上側ヒンジ取付部と連続して形成することにより、突出部と上側ヒンジ取付部との間に段差等が形成されないので、ドアから入力される荷重に対して変形起点となることがないため、補強パネルの板厚を厚くする等の対策をとることなく、つまり軽量な構造でありながら荷重を確実に受け止めることが可能となる。
更に、請求項3に記載の発明によれば、補強パネル外面部と前記アウタパネル外面部の内壁との距離をL、前記突出部の高さをHとしたとき、H/Lを0.5以上とすることにより、突出部の角部を有効に活用できるのでセンタピラーの曲げ強度を良好に向上させることができる。
本発明の実施形態に係る車体側部の側面図。 センタピラーの要部拡大図。 図2におけるA−A線に沿った断面図。 図2におけるB−B線に沿った断面図。 センタピラーの曲げ変形挙動を解析するためのシミュレーションについて説明するための説明図。 H/Lの値と曲げ強度向上率との関係を示すグラフ。 他の実施形態を示す図3相当図。 比較例を示す断面図。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車体側部の側面図、図2は、図1に示す車体のセンタピラーの要部拡大図、図3は、図2におけるA−A線に沿ったセンタピラーの断面図、図4は、図2におけるB−B線に沿ったセンタピラーの断面図である。なお、図1、図2において、アウタパネル10は図示を省略している。
図1に示すように、車体側部1は、車体上部において車体前後方向に延びるルーフレール5と、車体下部において車体前後方向に延びるサイドシル6と、前後のドア開口部3,4の間に位置して車体上下方向に延びるセンタピラー2とを備えている。センタピラー2は、上端がルーフレール5に結合され、下端がサイドシル6に結合されている。
図3に示すように、センタピラー2は、車体外側を構成するアウタパネル10と、車体内側を構成するインナパネル20とによって閉断面状に形成されている。アウタパネル10は、車体前後方向に延びる外面部11と、外面部11の車体前後方向における両端部から車幅方向内方に延びる前側縦面部12及び後側縦面部13と、両側の縦面部12,13の車幅方向内方端部からそれぞれ車体前方向及び車体後方向に延びる前側フランジ部14及び後側フランジ部15と、外面部11と両側の縦面部12,13とで形成される両側の角部16,17とを備えて断面略ハット状に形成されている。
インナパネル20は、車体前後方向に延びる内面部21と、内面部21の車体前後方向における両端部から車幅方向外方に延びる前側縦面部22及び後側縦面部23と、両側の縦壁部22,23の車幅方向外方端部からそれぞれ車体前方向及び車体後方向に延びる前側フランジ部24及び後側フランジ部25とを備えて断面略ハット状に形成されている。
そして、アウタパネル10とインナパネル20とは、前側フランジ部14,24同士が接合されると共に後側フランジ部15,25同士が接合され、これにより、センタピラー2は、閉断面状に形成されている。
センタピラー2にはまた、アウタパネル10とインナパネル20との間にセンタピラー2を補強するための補強パネル30が配設されている。図4に示すように、補強パネル30は、アウタパネル10及びインナパネル20と同様に車体上下方向に延びるように形成されている。
補強パネル30は、アウタパネル10に略沿って配設され、図3に示すように、車体前後方向に延びる外面部31と、外面部31の車体前後方向における両端部から車幅方向内方に延びる前側縦面部32及び後側縦面部33と、両側の縦壁部32,33の車幅方向内方端部からそれぞれ車体前方向及び車体後方向に延びる前側フランジ部34及び後側フランジ部35と、外面部31と両側の縦面部32,33とで形成される両側の角部36,37とを備えて断面略ハット状に形成されている。
また、補強パネル30の外面部31には、図3に示すように、突出部39が形成されている。突出部39は、アウタパネル10に略沿って車体前後方向に延びる突出面部40と、突出面部40の車体前後方向における両端部から車幅方向内方に延び、外面部31の基本面部38,38につながる前後の連結面部41,41とを備えて断面略コ字状に形成されている。
補強パネル30は、前側フランジ部34及び後側フランジ部35がそれぞれ、アウタパネル10及びインナパネル20の前側フランジ部14,24及び後側フランジ部15,25の間に挟まれた状態で共に接合され、アウタパネル10とインナパネル20との間に配設されている。
荷重伝達部材としての前側充填部材50及び後側充填部材51は、図3に示すように、アウタパネル10と補強パネル30とで形成される空間の前側角部16,36と後側角部17,37の近傍において、アウタパネル10の外面部11と補強パネル30の外面部31、アウタパネル10の両側の角部16,17と補強パネル30の両側の角部36,37、およびアウタパネル10の両側の縦面部12,13と補強パネル30の両側の縦面部32,33、のそれぞれに当接するとともに、突出部を除く部位に、つまり突出部39(突出面部40、連結面部41)には当接しないよう設けられている。また、図2に示すように、前側充填部材50及び後側充填部材51の車体上下方向の下端は、突出部39と傾斜部44とが連続する部分(突出部39と傾斜部44との境界)と略同位置まで延びている。
前記充填部材50,51は、例えば加熱発泡材とすればよい。この加熱発泡材は、未発泡の状態でシート状をなしていて、接着剤により、補強パネル30の両側の角部36,37近傍の面における、充填部材50,51を配設する箇所に貼られる。そして、このシート状の加熱発泡材は、車体の電着塗装工程における車体全体が電着液に浸漬された後の乾燥工程で加熱発泡して、前記空間に充填されることになる。
前側充填部材50及び後側充填部材51は、加熱発泡材の発泡倍率や発泡による膨張方向を考慮して、加熱発泡材の形状や貼り付け部位を調節することにより、加熱発泡後に突出部39(突出面部40、連結面部41)に当接しないよう配設されている。両側の充填部材50,51が加熱発泡後に突出部39に当接しないようにする方法としては、上記以外に、補強パネル30の両側の角部36,37と両側の連結面部41,41との中間部に、両側の角部36,37側がインナパネル21側に位置するような段差部を設けて、加熱発泡材の膨張を規制するようにしてもよい。また、補強パネル30の両側の角部36,37と両側の連結面部41,41との中間部に、位置規制部材を配設して加熱発泡材の膨張を規制するようにしてもよい。
センタピラー2の補強パネル30の外面部31における上下方向中央部には、リヤドア(不図示)をセンタピラー2に取り付けるための上側ドアヒンジ(不図示)が、アウタパネル11を介して取り付けられる上側ヒンジ取付部42が形成されている。上側ヒンジ取付部42は、車体前後方向に延びる取付面部43と、取付面部43の上端から車体上方に延びる傾斜部44と、不図示のボルト及びナットが取り付けられる上側ヒンジ取付孔部45,45とを備えてアウタパネル11側に膨出する膨出形状に形成されている。
突出部39は、図1に示すように、上側ヒンジ取付部42の上方に設けられるとともに、図2に示すように、その下端が上側ヒンジ取付部42の傾斜部44に連続するように形成されている。すなわち、図4に示すように、傾斜部44と突出部39とが連続して形成されているために、補強パネル30の上側ヒンジ取付部42からその上方にかけての車幅方向の長さの変化が緩やかになっている。ここで、補強パネル30は、鋼板などの金属製の板状素材を断面略ハット形状にプレス成形加工することにより得られる。その場合、プレス成形の加工方向は、補強パネル30の車内側から車外側となるが、補強パネル30の車幅方向の長さの変化が緩やかであれば、絞り深さの変化が緩やかとなるので、プレス成形時のしわ発生等の成形不良を生じにくくなる。
両側の充填部材50,51は、図2に示すように、突出部39の前後両側に設けられるが、突出部39の長手方向の全範囲にわたって設ける必要はなく、センタピラー2の形状等に応じて、曲げ強度の向上が特に求められる部位にのみ設けてもよい。
次に、車両側突時における作用について説明する。車両の側突により、車幅方向外側から衝突荷重がセンタピラー2のアウタパネル10に加わると、アウタパネル10は、衝突初期の初期荷重を両側の充填部材50,51及び補強パネル30の両側の縦面部32,33を介してインナパネル20に伝達する。このとき、補強パネル30の長手方向の大部分において、図8(比較例)に示すように、両側の充填部材50,51が突出部39に当接していると、初期荷重が両側の充填部材50,51を介して突出部39にも伝達され、突出部39が押し潰されて、突出面部40と両側の連結面部41,41とで形成される角部が略平坦となり、曲げ強度向上効果が得られず、センタピラー2の曲げ強度が低下する。この場合、補強パネル30の板厚を厚くする等の車体の重量が増加する対策が必要となり、軽量化の観点からは不利となる。
上記に対して、本実施形態では、初期荷重は、両側の充填部材50,51及び補強パネル30の両側の縦面部32,33を介してインナパネル20に伝達されるが、突出部39には伝達されない。そして、衝突初期の次の段階で、アウタパネル10が補強パネル30に向けて変形してアウタパネル10が補強パネル30の突出部39と当接し、荷重がアウタパネル10から補強パネル30の突出部39に伝達される。この段階では、初期荷重がインナパネル20に伝達された後であるため、アウタパネル10から突出部39に伝達される荷重は低下しており、突出面部40と両側の連結面部41,41とで形成される角部の形状は維持され、曲げ強度向上効果が得られる。すなわち、本実施形態では、衝突初期から所定時間経過後に補強パネル30の突出部39に荷重を伝達することにより、突出部39の形状を維持し、本来の曲げ強度向上効果を得ることができる。
車両側突時に、上側ヒンジ取付部42にはリヤドアからの荷重が直接入力するため、その上方はセンタピラー2の中で特に荷重が集中する部位であるが、該部位に突出部39を設けることにより、より一層効果的に曲げ強度を向上させることができる。そして、突出部39の突出方向は、ドアヒンジ取付部の膨出方向と同じ方向であるため、上側ヒンジ取付部42の上方における補強パネル30の絞り深さの変化を緩やかとすることができ、成形不良を生じにくくすることができる。さらに、補強パネル30の突出部39を上側ヒンジ取付部42と連続して形成することにより、突出部39と上側ヒンジ取付部42との間に段差等が形成されないので、リヤドアから入力される荷重に対して変形起点となることがないため、補強パネル30の板厚を厚くする等の対策をとることなく、つまり軽量な構造でありながら荷重を確実に受け止めることが可能となる。
図5は、センタピラーの曲げ変形挙動を解析するためのシミュレーションについて説明するための説明図であり、センタピラーの曲げ変形挙動を解析するのに用いたモデルを示す図である。
具体的には、図5に示すように、所定長さX1を有するセンタピラー200の下面部200bを、この長さX1より短い所定距離X2だけ離間させた2つの固定点201で支持させ、2つの固定点201の中間位置に対応するセンタピラー200の上面部200aの長手方向における中央部分P1に上方から圧子202を一定速度で下降させ、圧子202を介して、車両の衝突時に外部から作用される荷重を模擬した荷重Fをセンタピラー200に付加して、センタピラーの曲げ変形挙動を調べた。そして、荷重Fを付加した時に、センタピラー200にて折れ曲がりが生じるまでに加えることができる最大荷重を算出し、この最大荷重を曲げ強度特性の優劣を評価する目安とした。
図3に示すように、補強パネル30の外面部31とアウタパネル10の外面部11の内壁11aとの距離をL、外面部31の基本面部38からの突出部30の高さをHとして、Hの値を変化させたセンタピラー200に対して上記曲げ試験を行い、補強パネル30に突出部39がない場合(H=0である場合)を基準にした曲げ強度向上率を算出した。その結果、図6に示すように、H/Lが0.5以上を満たすようにすることが好ましいことが分かった。つまり、突出部39がない場合(H/L=0)に対して、突出部39があれば(H/Lが0より大)、曲げ強度は向上するが、H/Lが0.5以上を満たすようにすることで、曲げ強度向上率が大きく向上することから、センタピラー2の曲げ強度をより一層良好に向上させることができる。
ここで、突出部39とアウタパネル10との間隔(L−H)は、生産性の観点や、通常走行時の両者の当接による異音発生の観点から、所定間隔を確保する必要がある。従って、H/Lの上限は1.0未満となる。上記の所定間隔は、センタピラー2の形状や大きさ等によって異なるが、補強パネル30の外面部31の基本面部38とアウタパネル10の外面部11の内壁11aとの距離Lが5〜10mm程度である場合には、所定間隔は1〜2mm程度である。従って、突出部39の高さHは、上記の生産性維持や異音抑制が可能な範囲でできるだけ高くすることが好ましい。
図7は、他の実施形態を示す図3相当図である。図7に示す本実施形態は、第1アウタパネル60と第2アウタパネル70とでアウタパネル10を形成したものである。
第1アウタパネル60は、図7に示すように、車体前後方向に延びる外面部61と、外面部61の車体前後方向における両端部から車幅方向内方に延びる前側縦面部62及び後側縦面部63と、両側の縦面部62,63の車幅方向内方端部からそれぞれ車体前方向及び車体後方向に延びる前側フランジ部64及び後側フランジ部65と、外面部61と両側の縦面部62,63とで形成される両側の角部66,67とを備えて断面略ハット状に形成されている。
そして、第1アウタパネル60とインナパネル20とは、前側フランジ部64,24同士が接合されると共に後側フランジ部65,25同士が接合され、これにより、センタピラー2は、閉断面状に形成されている。
センタピラー2にはまた、第1アウタパネル60とインナパネル20との間に第2アウタパネル70が配設されている。図7に示すように、第2アウタパネル70は、第1アウタパネル60及びインナパネル20と同様に車体上下方向に延びるように形成されている。
第2アウタパネル70は、第1アウタパネル60に略沿って形成され、図7に示すように、車体前後方向に延びる外面部71と、外面部71の車体前後方向における両端部から車幅方向内方に延びる前側縦面部72及び後側縦面部73と、両側の縦面部72,73の車幅方向内方端部からそれぞれ車体前方向及び車体後方向に延びる前側フランジ部74及び後側フランジ部75と、外面部71と両側の縦面部72,73とで形成される両側の角部76,77とを備えて断面略ハット状に形成されている。
センタピラー2にはさらに、第2アウタパネル70とインナパネル20との間に補強パネル30が配設されている。図7に示すように、補強パネル30は、第2アウタパネル70及びインナパネル20と同様に車体上下方向に延びるように形成されている。
補強パネル30は、第2アウタパネル70に略沿って配設され、図7に示すように、車体前後方向に延びる外面部31と、外面部31の車体前後方向における両端部から車幅方向内方に延びる前側縦面部32及び後側縦面部33と、外面部31と両側の縦面部32,33とで形成される両側の角部36,37とを備えて断面略コ字状に形成されている。また、補強パネル30の外面部31には、図7に示すように、突出部39が形成されている。突出部39は、第2アウタパネル70に略沿って車体前後方向に延びる突出面部40と、突出面部40の車体前後方向における両端部から車幅方向内方に延び、外面部31の基本面部38,38につながる前後の連結面部41,41とを備えて断面略コ字状に形成されている。
補強パネル30は、後述する充填部材50,51が配設されていない位置に、第2アウタパネル70と当接するように縦面部32,33に形成された接合用の座面(不図示)において、第2アウタパネル70の縦面部72,73と接合され、第2アウタパネル70とインナパネル20との間に配設されている。
荷重伝達部材としての前側充填部材50及び後側充填部材51は、図7に示すように、第2アウタパネル70と補強パネル30とで形成される空間の前側角部76,36と後側角部77,37の近傍において、第2アウタパネル70の外面部71と補強パネル30の外面部31、第2アウタパネル70の両側の角部76,77と補強パネル30の両側の角部36,37、および第2アウタパネル70の両側の縦面部72,73と補強パネル30の両側の縦面部32,33、のそれぞれに当接するとともに、突出部を除く部位に、つまり突出部39(突出面部40、連結面部41)には当接しないよう設けられている。このように構成しても、その他の構成、作用、効果については先の実施形態と同様であるから、図7において図3と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、インナパネル20を断面略ハット形状の部材で構成したが、パネル部材、つまり平板状の部材から構成してもよい。
また、上記実施形態では、本発明の車両の側部車体構造をセンタピラーに適用したが、フロントピラーやリヤピラー等に適用することも可能である。
また、上記実施形態では、荷重伝達部材としての前側充填部材50及び後側充填部材51を加熱発泡性の充填材で構成したが、非発泡性の充填材をアウタパネル10と補強パネル30との間に介在させることにより構成してもよい。
また、上記他の実施形態では、荷重伝達部材としての前側充填部材50及び後側充填部材51は、第2アウタパネル70と補強パネル30とで形成される空間に配設するよう構成したが、これらに加えて、第1アウタパネル60と第2アウタパネル70とで形成される空間にも荷重伝達部材としての前側充填部材及び後側充填部材を配設するよう構成してもよい。
以上説明したように、本発明は、ピラーがアウタパネルとインナパネルとを備えると共にアウタパネルとインナパネルとの間に配設された補強パネルを備えてなる車両の側部車体構造について有用である。
1…車体側部
2…センタピラー
5…ルーフレール
6…サイドシル
10…アウタパネル
11…アウタパネルの外面部
20…インナパネル
30…補強パネル
31…補強パネルの外面部
38…基本面部
39…突出部
40…突出面部
41…連結面部
42…上側ヒンジ取付部
50…前側充填部材(荷重伝達部材)
51…後側充填部材(荷重伝達部材)
60…第1アウタパネル
70…第2アウタパネル

Claims (3)

  1. 車体側部に設けられ車体上下方向に延びるピラーが、互いに接合され閉断面構造を構成しているアウタパネル及びインナパネルと、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間に配設された補強パネルとを備えてなる車両の側部車体構造であって、
    前記補強パネルは、前記アウタパネルに沿った断面略ハット状であり、車体上下方向に延びる外面部に、車体外方に突出する突出部が、所定の上下範囲に設けられており、
    荷重伝達部材が、前記アウタパネルと前記補強パネルの外面部とに当接するとともに、前記突出部を除く部位に設けられていることを特徴とする車両の側部車体構造。
  2. 請求項1記載の車両の側部車体構造において、
    前記突出部は、前記ピラーに取り付けられるドアのドアヒンジを前記補強パネルに取り付けるために形成されたヒンジ取付部の上方に設けられるとともに、その下端が前記ヒンジ取付部に連続して形成されていることを特徴とする車両の側部車体構造。
  3. 請求項1又は2記載の車両の側部車体構造において、
    前記補強パネルの長手方向に直交する断面において、前記補強パネル外面部と前記アウタパネル外面部の内壁との距離をL、前記突出部の高さをHとしたとき、H/Lが0.5以上であることを特徴とする車両の側部車体構造。
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