JP6331150B2 - 車両用フレーム構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用フレーム構造に関し、特にアウタパネルとインナパネルとが構成した閉断面内に充填材を備えた車両用フレーム構造に関する。
従来より、車両用フレームであるセンタピラーには、車体外側のアウタパネルと車体内側のインナパネルとによって上下方向に延びる略矩形状の主閉断面が形成され、この主閉断面内にインナパネルと協働して副閉断面を構成するピラーレインフォースメント(以下、ピラーレインと略す)が配設されている。
車両の側突時において入力荷重が大きい場合、センタピラーは車幅方向内側に変形することがあることから、乗員の安全性確保を目的として、センタピラーの車幅方向内側への変形を抑制する構造が種々提案されている。
特許文献1のフレーム構造は、断面略ハット状のアウタパネルと、このアウタパネルと協働して主閉断面を構成するインナパネルと、車体外側に突出した突出部を有し且つ主閉断面内にインナパネルと協働して副閉断面を構成する断面略ハット状のピラーレインと、このピラーレインの前後の角部外面とアウタパネルの前後の角部内面との間に両者に当接した前後1対の充填材とを備えている。これにより、車両の側突時、アウタパネルに入力した初期荷重を充填材からピラーレイン及びインナパネルに伝達することができ、入力初期から所定時間経過後において、低下した荷重が突出部に伝達されるため、ピラーレインの突出部形状を維持することにより断面崩れを抑制し、フレームの曲げ強度を向上している。
特開2014−189111号公報
前述した閉断面状フレームの座屈メカニズムは以下のように認識されている。
アウタパネルを介してピラーレインの左右方向に直交する横壁部に許容限界を越えた荷重が入力された場合、ピラーレインの横壁部に弾性座屈波が生じ、この弾性座屈波が横壁部の前後に形成された1対の側壁部に夫々伝播される。そして、横壁部に生じた弾性座屈波の谷領域に対応した前後1対の側壁部の山領域に面外変形が夫々発生する。
その結果、1対の側壁部が夫々面外方向に膨出することにより横壁部が二つ折りに折り畳まれて閉断面状フレームが座屈する。
特許文献1のフレーム構造は、ピラーレインの角部外面とアウタパネルの角部内面との間に両者に夫々当接した充填材を設けているため、所定の荷重まではピラーレイン及びアウタパネルの強度を充填材を介して擬似的に一体化することができ、アウタパネルの側壁部に支持された充填材によってピラーレインの側壁部の面外変形を押さえ込むこと(所謂、充填材の体積効果)により断面崩れを抑制している。
しかし、許容限界を越えた荷重がアウタパネルの横壁部に対して入力された場合、その構造上、充填材の体積効果を十分に発揮できない虞がある。
以下、充填材の体積を利用して対象部材(ピラーレインの側壁部)の面外変形を抑制する作用を充填材の体積効果とし、充填材の接着力を利用して充填材が対象部材(アウタパネルやピラーレインの側壁部)に接着する作用を充填材の接着効果とする。
特許文献1のフレーム構造では、荷重がアウタパネルの横壁部に入力した場合、入力した荷重は充填材を介してピラーレインに伝達されると同時に、アウタパネルの側壁部に対して面外方向に向かう応力が発生する。このとき、アウタパネルの側壁部は、充填材の接着効果によって充填材に対して接着されている。
入力した荷重が大きく、アウタパネルの側壁部に対して面外方向に向かう応力が充填材の接着力を越えた場合、側壁部から充填材が剥離されて充填材の接着効果が解除される。
そして、充填材の接着効果解除後には、充填材の性能上、継続して充填材の体積効果が期待できるにも拘らず、充填材がアウタパネルの側壁部に支持されていないため、ピラーレインの側壁部による面外変形を充填材の体積を利用して押さえ込むことができなくなり、充填材の体積効果によってピラーレインの側壁部の面外変形を抑制することが困難になる。
本発明の目的は、充填材が有する接着効果及び体積効果を使い切ることによりフレームの曲げ強度を向上可能な車両用フレーム構造等を提供することである。
請求項1の車両用フレーム構造は、車体外側のアウタパネルと、このアウタパネルと協働して主閉断面を構成する車体内側のインナパネルと、このインナパネルから離隔して前記アウタパネルと略平行に延びる第1横壁部とこの第1横壁部の前後方向両端部から前記インナパネル側に延びる前後1対の第1側壁部とを備え且つ前記主閉断面内に前記インナパネルと協働して第1副閉断面を構成する第1補強部材とを備えた車両用フレーム構造において、前記第1副閉断面内に前記第1補強部材と協働して第2副閉断面を構成する第2補強部材と、前記第2副閉断面内に充填されると共に前記第1,第2補強部材に接着された充填材とを有し、前記第2補強部材が前記第1横壁部と第1側壁部とに夫々対向する第2横壁部と第2側壁部とを備え、前記第2副閉断面が前記第1横壁部の一部と一方の第1側壁部の一部とが形成する角部と前記第2補強部材とで形成されたことを特徴としている。
この車両用フレーム構造では、第1,第2補強部材が協働して構成した第2副閉断面内に充填材を充填すると共に第1,第2補強部材に充填材が接着されているため、充填材の体積効果によって第1側壁部の面外変形を抑制することができ、第2副閉断面に変形を促す力が作用した場合であっても、充填材を第2副閉断面の変形に追従させて第2副閉断面の断面崩れを抑制することができる。しかも、充填材が接着された第2補強部材に第1横壁部と第1側壁部とに夫々対向する第2横壁部と第2側壁部とを設けているため、第2補強部材に対する充填材の接着面積を増加して充填材の接着効果を高くすることができ、充填材の体積効果を高い入力荷重に対して発揮させることができる。これにより、充填材の接着効果及び体積効果を十分に発揮して曲げ強度の高い車両用フレームを得ることができる。そして、第1横壁部の一部と他方の第1側壁部の一部とが形成する角部から第2副閉断面を省略することができ、コスト及び重量低減を図ることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第2横壁部と第2側壁部が前記第1横壁部と第1側壁部に夫々略平行に配設され、前記第2副閉断面が断面略矩形状に形成されたことを特徴としている。
この構成によれば、第1補強部材が変形した場合であっても、第1横壁部及び第1側壁部が第2横壁部及び第2側壁部と協働して平行リンク機構を構成することにより、第2補強部材が第1補強部材の変形に容易に追従でき、簡単な構成で充填材の接着効果を維持することができる。
請求項の発明は、請求項1又は2の発明において、前記第2補強部材は前記第1補強部材よりも高強度材料で構成されたことを特徴としている。
この構成によれば、コストが高く重量が重い第2補強部材の使用量を抑えながら、フレームの曲げ強度を向上することができる。
請求項の発明は、請求項1〜の何れか1項の発明において、前記車両用フレーム構造はセンタピラーであることを特徴としている。
この構成によれば、センタピラーの曲げ強度を向上することができ、乗員を適正に保護することができる。
本発明の車両用フレーム構造によれば、充填材が有する接着効果及び体積効果を使い切ることによりフレームの曲げ強度を向上することができる。
実施例1に係る車両の左側側部車体構造の斜視図である。 センタピラーの分解斜視図である。 図1のIII−III線断面図である。 解析用フレームモデルの説明図であって、(a)は実施例1に相当するフレームモデルMAの斜視図、(b),(c)は比較例としてのフレームモデルMB,MCの斜視図を夫々示している。 各フレームモデルのFS特性を示すグラフである。 フレームモデルMAの要部拡大図であって、(a)は荷重入力前の状態、(b)は荷重入力後の状態を示している。 フレームモデルMBの要部拡大図であって、(a)は荷重入力前の状態、(b)は荷重入力後の状態を示している。 フレームモデルMCの要部拡大図であって、(a)は荷重入力前の状態、(b)は荷重入力後の状態を示している。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を車両の側部車体構造におけるセンタピラーに適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
尚、図1〜図3において、矢印F方向を前方とし、矢印L方向を左方とし、矢印U方向を上方として説明する。
以下、本発明の実施例1について図1〜図8に基づいて説明する。
まず、側部車体構造1について簡潔に説明する。
図1に示すように、車両の側部車体構造1は、乗降用の前後1対の開口部2が形成され、これら開口部2が前後1対のサイドドア(図示略)によって開閉可能に構成されている。
この車両の側部車体構造1は、ルーフサイドレール3と、サイドシル4と、ヒンジピラー5と、フロントピラー6と、リヤピラー7と、センタピラー10等を備えている。
尚、右側側部車体構造は、左側側側部車体構造と左右対称の構造であるため、以下、左側側側部車体構造について主に説明する。
ルーフサイドレール3は、前後方向に延びる閉断面構造を形成し、1対の開口部2の上辺部を構成している。サイドシル4は、前後方向に延びる閉断面構造を形成し、1対の開口部2の下辺部を構成している。
ヒンジピラー5は、サイドシル4の前端部から上方に延びる閉断面構造を形成し、前側のサイドドアを装着可能に構成されている。フロントピラー6は、ヒンジピラー5の上端部分からルーフサイドレール3の前端部に亙って前方下がり傾斜状の閉断面構造に形成されている。リヤピラー7は、リヤホイールハウスの上端部分からルーフサイドレール3の後端部に亙って後方下がり傾斜状の閉断面構造に形成されている。
次に、センタピラー10について詳細に説明する。
図1に示すように、センタピラー10は、前後1対の開口部2を仕切るように、ルーフサイドレール3の中間部とサイドシル4の中間部とを上下方向に連結する閉断面構造に形成されている。このセンタピラー10は、後側のサイドドアを装着可能に構成されている。
図2,図3に示すように、センタピラー10は、車体外側のアウタパネル11と、車体内側のインナパネル12と、第1レインフォースメント(以下、第1レインと略す)13(第1補強部材)と、第2レインフォースメント(以下、第2レインと略す)14(第2補強部材)と、充填材15等を備えている。
アウタパネル11は、例えば厚さ0.75mmの軟鋼をプレス成形することにより断面略ハット状に形成されている。このアウタパネル11は、左右方向に対して略直交する横壁部11aと、この横壁部11aの前後両端部から夫々右方に延びる前後1対の側壁部11bと、これら1対の側壁部11bの右端部から夫々前方及び後方に延びる前後1対のフランジ部11c等を備えている。インナパネル12は、例えば厚さ0.75mmの軟鋼をプレス成形することにより形成されている。このインナパネル12は、左右方向に対して略直交する横壁部12aと、この横壁部12aの前後両端部から夫々前方及び後方に延びる前後1対のフランジ部12c等を備えている。
アウタパネル11とインナパネル12は、1対のフランジ部11cと1対のフランジ部12cを夫々溶接接合することによって上下方向に延びる断面矩形状の主閉断面Cを構成している。
第1レイン13は、例えば厚さ1.40mmの高張力鋼板(例えば、1180MPa)を熱間プレス成形(ホットスタンプ)によって断面略ハット状に形成されている。
第1レイン13は、左右方向に対して略直交する第1横壁部13aと、この第1横壁部13aの前後両端部から夫々右方に延びる前後1対の第1側壁部13bと、これら1対の第1側壁部13bの右端部から夫々前方及び後方に延びる前後1対のフランジ部13c等を備えている。第1横壁部13aは、横壁部11aから所定距離離隔して配設され、その前後方向中間部分が右方に凹入するように形成されている。1対のフランジ部13cは、フランジ部11cとフランジ部12cの間において夫々三重接合されている。
第1レイン13とインナパネル12は、1対のフランジ部13cと1対のフランジ部12cを夫々溶接接合することによって上下方向に延びる断面矩形状の第1副閉断面C1を主閉断面C内に構成している。
図3に示すように、第2レイン14は、例えば厚さ1.40〜2.30mmの高張力鋼板(例えば、1800MPa)を熱間プレス成形によって断面略M字状に形成されている。この第2レイン14は、第1レイン13の中段部分に対応する位置において、横壁部13aの前端側部分と前側の第1側壁部13bの左端側部分とが形成する前側角部に配設されている。第2レイン14は、左右方向に対して略直交する第2横壁部14aと、この第2横壁部14aの後端部から左方に延びる第2側壁部14bと、第2横壁部14aの前端部から右方に延びるフランジ部14cと、第2側壁部14bの左端から後方に延びるフランジ部14d等を備えている。第2横壁部14aと第2側壁部14bは、平行リンク機能を発揮するように第1横壁部13aと第1側壁部13bに夫々略平行に配設されている。
第2レイン14と第1レイン13は、フランジ部14cを前側の第1側壁部13bに溶接接合すると共にフランジ部14dを第1横壁部13aの凹入部分右面部に溶接接合することによって上下方向に延びる断面矩形状の第2副閉断面C2を第1副閉断面C1内に構成している。この第2副閉断面C2は、後側のサイドドアのヒンジブラケット(図示略)の取り付け部分を含むように配設位置が規定されている。
第1副閉断面C1は、4辺からなる平行リンク機構を構成しているため、単一の角部の変形挙動を規制することで、断面崩れを防止される。
第2副閉断面C2内には、エポキシ系合成樹脂材料からなる充填材15が充填されている。充填材15は、金属に接着可能な接着性を備えている。それ故、充填材15が第2副閉断面C2内に充填されたとき、充填材15は当接した第1横壁部13aの一部、前側の第1側壁部13bの一部、第2横壁部14a及び第2側壁部14bに対して所定の接着力で接着している。以下、この充填材15による接着作用を接着効果とする。
また、充填材15は、第1横壁部13aに右方に向かう圧縮荷重が入力したとき、前方に膨出する第1側壁部13bの面外変形を抑制している。以下、この充填材15自体の体積を利用して第1側壁部13bの面外変形を抑制する作用を体積効果とする。
次に、本実施例の車両用フレーム構造における作用、効果を説明する。
図4(a)〜図4(c)に示すように、所定長さを有するフレームモデルMA〜MCを準備し、CAE(Computer Aided Engineering)によって各々のフレームモデルMA〜MCのFS特性を解析した。
フレームモデルMAは、実施例1と同様の構成であり、第2レイン24を設置すると共に第2副閉断面C2内に充填材25を充填したモデルである。フレームモデルMBは、フレームモデルMAの構成から充填材25を省略したモデルである。フレームモデルMCは、フレームモデルMBの構成から第2レイン24を省略し且つ第1レイン23の前後両角部外面とアウタパネル21の前後両角部内面との間に両者に夫々当接した1対の充填材26を設けたモデルである。尚、これら充填材25,26は充填材15と同じ材料成分である。
これらのフレームモデルMA〜MCの両端部を固定した状態でフレームモデルMA〜MCの軸心を曲げるために矢印で示す荷重Fを付与し、荷重点の変位と荷重(反力)とを解析した。
図5に、CAEによる解析結果を示す。
尚、フレームモデルMAのFS特性LAを実線、フレームモデルMBのFS特性LBを破線、フレームモデルMCのFS特性LCを2点鎖線で示している。
図5に示すように、座屈を生じる許容限界荷重は、フレームモデルMAが最も高く、フレームモデルMBの許容限界荷重が最も低い値であった。
また、許容限界荷重を維持する耐久時間についても、フレームモデルMAが最も長時間であった。
図6(a)に示すように、荷重Fの入力前において、フレームモデルMAの第2副閉断面C2は、充填材25によって中実の状態である。それ故、荷重Fが入力されても、第2副閉断面C2は荷重入力方向に縮み難いことから、充填材25の体積効果によって第1側壁部23bの面外変形が抑制され、断面崩れが発生し難い構造になっている。
また、図6(b)に示すように、荷重Fの入力後において、フレームモデルMAでは、第1側壁部23bに荷重入力直交方向に向かう応力fが発生しても、第2レイン24が第1レイン23に固定されているため、第2側壁部24bが第1側壁部23bと略同様の変形挙動になる。それ故、第1側壁部23bは充填材25から剥離されることがなく、接着効果が維持され、充填材25の体積効果を十分に発揮している。これにより、許容限界荷重を高くすることができ、許容限界荷重の状態を長時間維持するものと推測される。
図7(a)に示すように、荷重Fの入力前において、フレームモデルMBの第2副閉断面C2は、中空の状態である。
図7(b)に示すように、荷重Fの入力後において、フレームモデルMBでは、アウタパネル21の横壁部21aが第1レイン23の第1横壁部23aに当接すると、第1側壁部23bに荷重入力直交方向に向かう応力fが発生する。この応力fによって第1側壁部23bが面外変形し、フレームモデルMBはフレームモデルMAよりも低い許容限界荷重で座屈が発生する。
図8(a)に示すように、荷重Fの入力前において、フレームモデルMCでは、横壁部21a、側壁部21b、第1横壁部23a及び第1側壁部23bが充填材26に接着されている。
図8(b)に示すように、荷重Fの入力後において、アウタパネル21の側壁部21bに荷重入力直交方向に向かう応力gが発生した場合、アウタパネル21と第1レイン23との変形挙動が異なることから、応力gが充填材26の接着力を越えた場合、側壁部21bから充填材26が剥離される。それ故、第1側壁部23bに荷重入力直交方向に向かう応力fが発生すると、充填材26が側壁部21bに支持(接着)されていないため、充填材26によって第1側壁部23bの面外変形を押さえ込むことができず、第1レイン23に座屈が発生する。
本車両用フレーム構造によれば、第1,第2レイン13,14が協働して構成した第2副閉断面C2内に充填材15を充填すると共に第1,第2レイン13,14に充填材15が接着されているため、充填材15の体積効果によって第1側壁部13bの面外変形を抑制することができ、第2副閉断面C2に変形を促す力が作用した場合であっても、充填材15を第2副閉断面C2の変形に追従させて第2副閉断面C2の断面崩れを抑制することができる。
しかも、充填材15が接着された第2レイン14に第1横壁部13aと第1側壁部13bとに夫々対向する第2横壁部14aと第2側壁部14bとを設けているため、第2レイン14に対する充填材15の接着面積を増加して充填材15の接着効果を高くすることができ、充填材15の体積効果を高い入力荷重に対して発揮させることができる。これにより、充填材15の接着効果及び体積効果を十分に発揮して曲げ強度の高い車両用フレームを得ることができる。
第2横壁部14aと第2側壁部14bが第1横壁部13aと第1側壁部13bに夫々略平行に配設され、第2副閉断面C2が断面略矩形状に形成されている。
これによれば、第1レイン13が変形した場合であっても、第1横壁部13a及び第1側壁部13bが第2横壁部14a及び第2側壁部14bと協働して平行リンク機構を構成することにより、第2レイン14が第1レイン13の変形に容易に追従でき、簡単な構成で充填材15の接着効果を維持することができる。
第2副閉断面C2が第1横壁部13aの一部と前側の第1側壁部13bの一部とが形成する角部と第2レイン14とで形成されているため、第1横壁部13aの一部と後側の第1側壁部13bの一部とが形成する角部から第2副閉断面C2を省略することができ、コスト及び重量低減を図ることができる。
第2レイン14は第1レイン13よりも高強度材料で構成されているため、コストが高く重量が重い第2レイン14の使用量を抑えながら、フレームの曲げ強度を向上することができる。
車両用フレーム構造はセンタピラーであるため、センタピラー10の曲げ強度を向上することができ、乗員を適正に保護することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、センタピラーの例を説明したが、高い許容限界荷重の状態が長時間要求される車両用フレームであれば、フロントピラー、リヤピラー、その他何れのフレームに適用しても良い。
2〕前記実施形態においては、第2副閉断面を第1レインの第1横壁部の一部と前側の第1側壁部の一部とが形成する角部と第2レインとで形成した例を説明したが、第2副閉断面を第1レインの第1横壁部の一部と後側の第1側壁部の一部とが形成する角部と第2レインとで形成しても良い。また、第2副閉断面を第1レインの前後両側の角部に形成しても良い。
3〕前記実施形態においては、第1レインの前後方向中間部分に車室側に凹入し且つ上下に延びる凹部を設けた例を説明したが、少なくとも第1副閉断面の断面崩れを防止するための稜線を形成できれば良く、車外側に突出した上下に延びる凸部を設けても良い。
また、第1レインの横壁部に上下に延びる複数のビードやリブを形成しても良い。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
C 主閉断面
C1 第1副閉断面
C2 第2副閉断面
10 センタピラー
11 アウタパネル
11a 横壁部
11b 側壁部
12 インナパネル
13 第1レイン
13a 第1横壁部
13b 第1側壁部
14 第2レイン
14a 第2横壁部
14b 第2側壁部
15 充填材

Claims (4)

  1. 車体外側のアウタパネルと、このアウタパネルと協働して主閉断面を構成する車体内側のインナパネルと、このインナパネルから離隔して前記アウタパネルと略平行に延びる第1横壁部とこの第1横壁部の前後方向両端部から前記インナパネル側に延びる前後1対の第1側壁部とを備え且つ前記主閉断面内に前記インナパネルと協働して第1副閉断面を構成する第1補強部材とを備えた車両用フレーム構造において、
    前記第1副閉断面内に前記第1補強部材と協働して第2副閉断面を構成する第2補強部材と、
    前記第2副閉断面内に充填されると共に前記第1,第2補強部材に接着された充填材とを有し、
    前記第2補強部材が前記第1横壁部と第1側壁部とに夫々対向する第2横壁部と第2側壁部とを備え
    前記第2副閉断面が前記第1横壁部の一部と一方の第1側壁部の一部とが形成する角部と前記第2補強部材とで形成されたことを特徴とする車両用フレーム構造。
  2. 前記第2横壁部と第2側壁部が前記第1横壁部と第1側壁部に夫々略平行に配設され、前記第2副閉断面が断面略矩形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用フレーム構造。
  3. 前記第2補強部材は前記第1補強部材よりも高強度材料で構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用フレーム構造。
  4. 前記車両用フレーム構造はセンタピラーであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用フレーム構造。
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