JP6331150B2 - 車両用フレーム構造 - Google Patents
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Description
車両の側突時において入力荷重が大きい場合、センタピラーは車幅方向内側に変形することがあることから、乗員の安全性確保を目的として、センタピラーの車幅方向内側への変形を抑制する構造が種々提案されている。
アウタパネルを介してピラーレインの左右方向に直交する横壁部に許容限界を越えた荷重が入力された場合、ピラーレインの横壁部に弾性座屈波が生じ、この弾性座屈波が横壁部の前後に形成された1対の側壁部に夫々伝播される。そして、横壁部に生じた弾性座屈波の谷領域に対応した前後1対の側壁部の山領域に面外変形が夫々発生する。
その結果、1対の側壁部が夫々面外方向に膨出することにより横壁部が二つ折りに折り畳まれて閉断面状フレームが座屈する。
しかし、許容限界を越えた荷重がアウタパネルの横壁部に対して入力された場合、その構造上、充填材の体積効果を十分に発揮できない虞がある。
以下、充填材の体積を利用して対象部材(ピラーレインの側壁部)の面外変形を抑制する作用を充填材の体積効果とし、充填材の接着力を利用して充填材が対象部材(アウタパネルやピラーレインの側壁部)に接着する作用を充填材の接着効果とする。
入力した荷重が大きく、アウタパネルの側壁部に対して面外方向に向かう応力が充填材の接着力を越えた場合、側壁部から充填材が剥離されて充填材の接着効果が解除される。
そして、充填材の接着効果解除後には、充填材の性能上、継続して充填材の体積効果が期待できるにも拘らず、充填材がアウタパネルの側壁部に支持されていないため、ピラーレインの側壁部による面外変形を充填材の体積を利用して押さえ込むことができなくなり、充填材の体積効果によってピラーレインの側壁部の面外変形を抑制することが困難になる。
この構成によれば、第1補強部材が変形した場合であっても、第1横壁部及び第1側壁部が第2横壁部及び第2側壁部と協働して平行リンク機構を構成することにより、第2補強部材が第1補強部材の変形に容易に追従でき、簡単な構成で充填材の接着効果を維持することができる。
この構成によれば、コストが高く重量が重い第2補強部材の使用量を抑えながら、フレームの曲げ強度を向上することができる。
この構成によれば、センタピラーの曲げ強度を向上することができ、乗員を適正に保護することができる。
以下の説明は、本発明を車両の側部車体構造におけるセンタピラーに適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
尚、図1〜図3において、矢印F方向を前方とし、矢印L方向を左方とし、矢印U方向を上方として説明する。
まず、側部車体構造1について簡潔に説明する。
図1に示すように、車両の側部車体構造1は、乗降用の前後1対の開口部2が形成され、これら開口部2が前後1対のサイドドア(図示略)によって開閉可能に構成されている。
この車両の側部車体構造1は、ルーフサイドレール3と、サイドシル4と、ヒンジピラー5と、フロントピラー6と、リヤピラー7と、センタピラー10等を備えている。
尚、右側側部車体構造は、左側側側部車体構造と左右対称の構造であるため、以下、左側側側部車体構造について主に説明する。
ヒンジピラー5は、サイドシル4の前端部から上方に延びる閉断面構造を形成し、前側のサイドドアを装着可能に構成されている。フロントピラー6は、ヒンジピラー5の上端部分からルーフサイドレール3の前端部に亙って前方下がり傾斜状の閉断面構造に形成されている。リヤピラー7は、リヤホイールハウスの上端部分からルーフサイドレール3の後端部に亙って後方下がり傾斜状の閉断面構造に形成されている。
図1に示すように、センタピラー10は、前後1対の開口部2を仕切るように、ルーフサイドレール3の中間部とサイドシル4の中間部とを上下方向に連結する閉断面構造に形成されている。このセンタピラー10は、後側のサイドドアを装着可能に構成されている。
図2,図3に示すように、センタピラー10は、車体外側のアウタパネル11と、車体内側のインナパネル12と、第1レインフォースメント(以下、第1レインと略す)13(第1補強部材)と、第2レインフォースメント(以下、第2レインと略す)14(第2補強部材)と、充填材15等を備えている。
アウタパネル11とインナパネル12は、1対のフランジ部11cと1対のフランジ部12cを夫々溶接接合することによって上下方向に延びる断面矩形状の主閉断面Cを構成している。
第1レイン13は、左右方向に対して略直交する第1横壁部13aと、この第1横壁部13aの前後両端部から夫々右方に延びる前後1対の第1側壁部13bと、これら1対の第1側壁部13bの右端部から夫々前方及び後方に延びる前後1対のフランジ部13c等を備えている。第1横壁部13aは、横壁部11aから所定距離離隔して配設され、その前後方向中間部分が右方に凹入するように形成されている。1対のフランジ部13cは、フランジ部11cとフランジ部12cの間において夫々三重接合されている。
第1レイン13とインナパネル12は、1対のフランジ部13cと1対のフランジ部12cを夫々溶接接合することによって上下方向に延びる断面矩形状の第1副閉断面C1を主閉断面C内に構成している。
第2レイン14と第1レイン13は、フランジ部14cを前側の第1側壁部13bに溶接接合すると共にフランジ部14dを第1横壁部13aの凹入部分右面部に溶接接合することによって上下方向に延びる断面矩形状の第2副閉断面C2を第1副閉断面C1内に構成している。この第2副閉断面C2は、後側のサイドドアのヒンジブラケット(図示略)の取り付け部分を含むように配設位置が規定されている。
第1副閉断面C1は、4辺からなる平行リンク機構を構成しているため、単一の角部の変形挙動を規制することで、断面崩れを防止される。
また、充填材15は、第1横壁部13aに右方に向かう圧縮荷重が入力したとき、前方に膨出する第1側壁部13bの面外変形を抑制している。以下、この充填材15自体の体積を利用して第1側壁部13bの面外変形を抑制する作用を体積効果とする。
図4(a)〜図4(c)に示すように、所定長さを有するフレームモデルMA〜MCを準備し、CAE(Computer Aided Engineering)によって各々のフレームモデルMA〜MCのFS特性を解析した。
フレームモデルMAは、実施例1と同様の構成であり、第2レイン24を設置すると共に第2副閉断面C2内に充填材25を充填したモデルである。フレームモデルMBは、フレームモデルMAの構成から充填材25を省略したモデルである。フレームモデルMCは、フレームモデルMBの構成から第2レイン24を省略し且つ第1レイン23の前後両角部外面とアウタパネル21の前後両角部内面との間に両者に夫々当接した1対の充填材26を設けたモデルである。尚、これら充填材25,26は充填材15と同じ材料成分である。
これらのフレームモデルMA〜MCの両端部を固定した状態でフレームモデルMA〜MCの軸心を曲げるために矢印で示す荷重Fを付与し、荷重点の変位と荷重(反力)とを解析した。
尚、フレームモデルMAのFS特性LAを実線、フレームモデルMBのFS特性LBを破線、フレームモデルMCのFS特性LCを2点鎖線で示している。
図5に示すように、座屈を生じる許容限界荷重は、フレームモデルMAが最も高く、フレームモデルMBの許容限界荷重が最も低い値であった。
また、許容限界荷重を維持する耐久時間についても、フレームモデルMAが最も長時間であった。
また、図6(b)に示すように、荷重Fの入力後において、フレームモデルMAでは、第1側壁部23bに荷重入力直交方向に向かう応力fが発生しても、第2レイン24が第1レイン23に固定されているため、第2側壁部24bが第1側壁部23bと略同様の変形挙動になる。それ故、第1側壁部23bは充填材25から剥離されることがなく、接着効果が維持され、充填材25の体積効果を十分に発揮している。これにより、許容限界荷重を高くすることができ、許容限界荷重の状態を長時間維持するものと推測される。
図7(b)に示すように、荷重Fの入力後において、フレームモデルMBでは、アウタパネル21の横壁部21aが第1レイン23の第1横壁部23aに当接すると、第1側壁部23bに荷重入力直交方向に向かう応力fが発生する。この応力fによって第1側壁部23bが面外変形し、フレームモデルMBはフレームモデルMAよりも低い許容限界荷重で座屈が発生する。
図8(b)に示すように、荷重Fの入力後において、アウタパネル21の側壁部21bに荷重入力直交方向に向かう応力gが発生した場合、アウタパネル21と第1レイン23との変形挙動が異なることから、応力gが充填材26の接着力を越えた場合、側壁部21bから充填材26が剥離される。それ故、第1側壁部23bに荷重入力直交方向に向かう応力fが発生すると、充填材26が側壁部21bに支持(接着)されていないため、充填材26によって第1側壁部23bの面外変形を押さえ込むことができず、第1レイン23に座屈が発生する。
しかも、充填材15が接着された第2レイン14に第1横壁部13aと第1側壁部13bとに夫々対向する第2横壁部14aと第2側壁部14bとを設けているため、第2レイン14に対する充填材15の接着面積を増加して充填材15の接着効果を高くすることができ、充填材15の体積効果を高い入力荷重に対して発揮させることができる。これにより、充填材15の接着効果及び体積効果を十分に発揮して曲げ強度の高い車両用フレームを得ることができる。
これによれば、第1レイン13が変形した場合であっても、第1横壁部13a及び第1側壁部13bが第2横壁部14a及び第2側壁部14bと協働して平行リンク機構を構成することにより、第2レイン14が第1レイン13の変形に容易に追従でき、簡単な構成で充填材15の接着効果を維持することができる。
1〕前記実施形態においては、センタピラーの例を説明したが、高い許容限界荷重の状態が長時間要求される車両用フレームであれば、フロントピラー、リヤピラー、その他何れのフレームに適用しても良い。
また、第1レインの横壁部に上下に延びる複数のビードやリブを形成しても良い。
C1 第1副閉断面
C2 第2副閉断面
10 センタピラー
11 アウタパネル
11a 横壁部
11b 側壁部
12 インナパネル
13 第1レイン
13a 第1横壁部
13b 第1側壁部
14 第2レイン
14a 第2横壁部
14b 第2側壁部
15 充填材
Claims (4)
- 車体外側のアウタパネルと、このアウタパネルと協働して主閉断面を構成する車体内側のインナパネルと、このインナパネルから離隔して前記アウタパネルと略平行に延びる第1横壁部とこの第1横壁部の前後方向両端部から前記インナパネル側に延びる前後1対の第1側壁部とを備え且つ前記主閉断面内に前記インナパネルと協働して第1副閉断面を構成する第1補強部材とを備えた車両用フレーム構造において、
前記第1副閉断面内に前記第1補強部材と協働して第2副閉断面を構成する第2補強部材と、
前記第2副閉断面内に充填されると共に前記第1,第2補強部材に接着された充填材とを有し、
前記第2補強部材が前記第1横壁部と第1側壁部とに夫々対向する第2横壁部と第2側壁部とを備え、
前記第2副閉断面が前記第1横壁部の一部と一方の第1側壁部の一部とが形成する角部と前記第2補強部材とで形成されたことを特徴とする車両用フレーム構造。 - 前記第2横壁部と第2側壁部が前記第1横壁部と第1側壁部に夫々略平行に配設され、前記第2副閉断面が断面略矩形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用フレーム構造。
- 前記第2補強部材は前記第1補強部材よりも高強度材料で構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用フレーム構造。
- 前記車両用フレーム構造はセンタピラーであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用フレーム構造。
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