JP2014187982A - 発酵茶の製造方法及び発酵茶 - Google Patents

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Abstract

【課題】茶の使用時の利便性、品質の均一化、香りの発揚・保持、冷水易溶性、工程の簡素化などを高める。
【解決手段】少なくとも酵素活性残存茶葉と水とを合わせ、浸漬液またはジュースとし、該浸漬液等と緑茶葉とを混合し、該混合物を容器または袋に密封して、一定温度で保持し発酵させた後に、酵素失活処理を施す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、緑茶(特に低品位茶、典型的には、二番茶、三番茶、秋冬番茶)由来の発酵茶の製造方法に関する。
茶の効用についての科学的解明が進み脂肪分の体内への取り込みを阻害し中性脂肪の上昇を抑え成人病に効果を持つことや、脂肪の燃焼を促進させ肥満が防げることや、抗酸化により活性酸素の発生を抑えがんの予防になることや、ウイルス増殖を抑え風邪の予防になること等の人の健康に寄与する機能性が明らかにされている。このようなことから、茶は積極的に摂取してもらいたい食品の代表的なものである。
一方、緑茶の嗜好性に関しては、アンケート調査が実施され、非特許文献1に示すように、「好き」は旨味のある緑茶と香りのよい緑茶に集中し、次が色のきれいな緑茶であったが、春に摘採加工される新茶やかぶせ茶はこの緑茶の嗜好性に合致し、香りと旨味が良く、苦渋味が少ないので美味しく喫飲できるが、全体から見たら限られた量であり、価格も高い。一方、残りの初夏から秋季に摘採加工される二、三番茶や秋冬番茶は香りと旨味に欠け、苦渋味が強いので、価格は安いが、消費者需要が少ないのが現状である。その結果として、荒茶価格が低迷し、農家の生産意欲の衰えという悪循環に陥っている。
しかしながら、二、三番茶や秋冬番茶であっても、上記した健康機能を有するカテキン類の含有量は多い。
それ故、上記した品質をコスト的に見合う形で改善できれば、消費者の健康意識も高まっていることからも、緑茶の需要の拡大が期待できる。
而して、従来は、上記した品質をコスト的に見合う形でバランス良く改善できたものはなく、断片的に改善されたものしか報告されていない。
特許文献の概要は下記の通りであり、特許文献1〜9は、品質の改善を意図し、特許文献10〜16は、取扱いの便宜から形態のペースト化等が意図されている。
例えば、特許文献1には、ブランチング処理した茶葉に卵白、アスコルビン酸塩、マグネシウム塩を添加して、緑色の優れた、渋味の少ない茶葉摩砕物を得ることが開示されている。
特許文献2には、アスコルビン酸またはアスコルビン酸ナトリウムに粉末茶を浸漬させ、インスタント緑茶の退色や変質臭の発生を抑制することが開示されている。
特許文献3には、酵母抽出物を味質改善剤として含有する茶飲料が開示されている。
特許文献4には、生茶葉に水を加えて破砕し、苦渋味が少なく、クリームダウンがなく、香り・甘味に優れた発酵茶飲料の製造方法が開示されている。
特許文献5には、乾燥緑茶葉と酵素溶液とを反応させ、香味の優れた緑茶抽出液の製造法が開示されている。
特許文献6には、凍結生茶葉と水と混合し粉砕搾汁から香気に優れ、苦味の抑えられた緑茶飲料原料液の製造方法が開示されている。
特許文献7には、生茶葉破砕物のスラリーを緑茶又は荒茶に散布して得られた発酵茶葉に、アスペルギルス属等の菌を植菌して花の香りが豊かな再発酵茶葉を生産する方法が開示されている。
特許文献8には、原料茶葉から抽出した茶成分にβーグリコシダーゼ活性を有する酵素を作用させてフルーティ感を与える茶エキスの製造方法が開示されている。
特許文献9は、本発明者らの発明であり、酵素活性残存茶葉、アスコルビン酸ナトリウム、塩化マグネシウムにより低品位茶の嗜好性に係る品質改善をなしたものである。
特許文献10には、粉末茶を湿式粉砕して得られた超微粉末茶懸濁液を凍結脱水するペースト茶の製造方法が開示されている。
特許文献11には、茶生葉を弱アルカリ性温水に浸漬させた後に、所定の大きさにカットしてペースト状にし、ビタミンCを含ませた後に、真空凍結する緑茶ペーストの製造方法が記載されている。
特許文献12には、茶生葉を蒸熱し、水を加えて低温粉砕を行い、篩等で葉と茎を分離して得るペースト茶の製造方法が記載されている。
特許文献13には、茶葉を過熱水蒸気で加熱処理した後、ストレーナーを通過させて破砕加工を行うピューレ状もしくはペースト状の茶葉加工品の製造方法が記載されている。
特許文献14には、生茶葉を磨砕して得られる茶葉ジュースが記載されている。
特許文献15には緑茶ペーストをチューブ状、カップ状、袋状、スティック状容器に注入し、小出し若しくは1回毎の使い切り使用することが開示されている。
特許文献16には、生茶葉を(ティーバッグ用袋に収め)容器に密閉し、加熱して酵素失活させて青葉由来香気成分を残留させた茶パック体が開示されている。
特開平3−80045号公報 特開2006−254819号公報 特開2005−278475号公報 再公表特許 WO2009/119112号 再公表特許 WO2008/001848号 特開2007−110990号公報 特開2012−80812号公報 特開2011−250736号公報 特願2012−284215号(未公開) 特開平9−121770号公報 特開2007−135534号公報 特開平9−163930号公報 特開2011−217641号公報 特開2000−125824号公報 特開平11-127782号公報 特開2009−5602号公報
平成17年第8回宇治茶健康フォーラム「緑茶と健康」講演要旨3−20頁
それ故、本発明は、上記課題を解決するために、緑茶(特に低品位茶、典型的には、二番茶、三番茶、秋冬番茶)の品質をコスト的に見合う形でバランス良く改善できる方法を提供することを、その目的とする。
特に、本発明は、本発明者らのなした先の方法を発展させ、香りが長時間保持できる点が改善された方法を提供することを、その目的とする。
発酵食品(例えば味噌や醤油)は、大量の原料を大容量の容器で発酵させたバルク製品を小分けして最終製品とすることがほとんどである。
食品原料を小容器中で発酵させて発酵食品としそのまま製品とする例として納豆があるが、納豆は通気性のある容器中で大豆を大粒状で空気存在下で発酵を行っている。従って、食品原料を小容器中に密封して通気させない状態で発酵させて発酵食品とする例はない。茶葉の発酵においても開放された空気存在下で行うのが現在の技術常識である。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究し、酵素の作用(発酵)には酸素が必要である、という上記の技術常識を覆し、茶葉中の酵素が低酸素状態でも作用することを見出し、この知見を利用して、香りが長時間保持できる形態で製造することに成功して、前記課題を解決する新規な発酵茶の製造方法を完成するに至った。
具体的な発明は、以下の通りである。
請求項1の発明は、少なくとも酵素活性残存茶葉と水とを合わせ、浸漬液またはジュースとし、該浸漬液等と緑茶葉とを混合し、該混合物を容器または袋に密封して、一定温度で保持し発酵させた後に、酵素失活処理を施すことを特徴とする発酵茶の製造方法である。
請求項2の発明は、粉末状の緑茶葉と混合してペースト状としたものを使用することを特徴とする請求項1に記載の発酵茶の製造方法である。
請求項3の発明は、アスコルビン酸化合物、マグネシウム塩及び酵母エキスの少なくとも1種を併用することを特徴とする請求項1または2に記載の発酵茶の製造方法である。
請求項4の発明は、緑茶葉として低品位茶を使用することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の発酵茶の製造方法である。
請求項5の発明は、香り成分としてリナロール、ベンジルアルコール、青葉アルコール、フェニルエチルアルコール及びサリチル酸メチルを含有することを特徴とする請求項1から3のいずれかの方法により得られた発酵茶である。
本発明の方法によれば、緑茶(特に低品位茶、典型的には、二番茶、三番茶、秋冬番茶)の品質をコスト的に見合う形でバランス良く改善できる。
特に、本発明の方法によれば、製造した発酵茶がそのまま容器等に密封されているので、香りを長時間保持できる。
本発明の方法により得られる発酵茶ペーストは、急須を使わず、茶ガラが出ず、また冷水にも容易に溶けるなどの利点があり使用時の利便性に優れる。
本発明の実施の形態に係る発酵緑茶ペーストの製造方法の工程のフロー図の一例である。
A.材料
<処理対象とする茶葉>
(茶葉の種類)
本発明においてグリコシド分解酵素の作用を受ける茶葉は、酵素反応を受けるグリコシドが残存しているものであればよく、生茶葉、不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(ウーロン茶)、発酵茶(紅茶)を問わない。しかし、発明の効果を大きくするには発酵が進んでいず、基質が多く存在する茶葉が好ましく、その点、緑茶葉が好ましい。
なお、生茶葉は、基質が多く存在しており、その点から言えば緑茶葉と同様に好ましい候補となるが、保管や運送にコストがかかり、また雑味が出るとか緑色が失われ易い点があり、使用のネックとなっている。しかし、一方、本発明の実施には大きな設備投資を必要としないので、茶産地で生茶葉を使用するのであればコストダウンが図れ、かつ1次産業との関わりが密になるので農家の生産意欲の亢進につながるという利点があり、その利点が多大であれば、使用は推奨されるであろう。
本発明の効果の一つである嗜好性に係る高付加価値の付与という点では、緑茶葉は低品位茶、典型的には二番茶、三番茶、秋冬番茶などが好ましい。なお、低品位茶の「低品位」は狭義に解されるべきではなく、品質を改善したいものであればいずれも該当する。
また、緑茶葉は、酵素原との間には特に関係が限定されておらず、品種や摘採時期が異なってもよい。
(茶葉の大きさ)
大きさは、特に限定されないが、最終形態をペーストにする場合、茶葉として最初から粉末を使用すると作業し易いが、非粉砕物(例えば荒茶)を使用しても、混合時に破砕すればよい。
粉末を使用する場合には、茶葉粉末の粒子径は、数平均粒子径(メジアン径、以下同じ)15〜75μmが好ましく、20〜60μmがより好ましい。15μm未満ではジュースが浸みにくくペースト化にやや難点があり、また溶解性も若干劣る。しかし、出来たペーストの粘度が高くなりクリーム化し舌触りが良好となり、食品用素材としての用途が期待される。75μmを超えると舌触りがざらつく傾向となるが飲料として使用する場合はさほど問題ない。
要は用途に応じた粒子径を選択すればよい。
また、粗大粒子(例えば茎や葉脈等)は存在しないことが好ましい。粒子径120μm以上の粒子は存在しないことがより好ましい。粗大粒子が存在すると飲料の場合でも舌触りが悪い等の問題が生じる。これを防ぐには粉砕後、篩で粗大粒子を除去すればよい。また、喫飲時に茶漉しなどで除去してもよい。さらには、茶ペーストを濾過用袋(例えばティーバッグの袋)に入れて小容器に収納してもよい。
なお、上記好適範囲は、粒子径をレーザ回析/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製PARTICA LA−950V2)を用いて測定することで見出したものである。
茶葉粉末を作製するには湿式法と乾式法とがあるが浸漬液またはジュースとの混和性の点で乾式法が好ましい。
使用する粉砕機は通常用いるものであれば特に限定されない。代表的にはミキサー、グラインダー、ハンマーミル、サイレントカッター、フードスライサー、CTC、マスコロイダー、気流式粉砕機、奈良式粉砕機、石臼機などが挙げられる。
微粉末を作製するには粉砕機(例えば寺田製作所社製美砕FPS-1)が好ましい。
一方、ペーストにせず、茶葉を抽出して喫飲(ティーバックを含む)する場合は、抽出液から粗大粒子は除かれるので、粒子径はさほど問題にならない。しかし、計量や封入のし易さの点で平均粒子径は5000μm以下が好ましい。5000μmを超えると封入工程で計量や投入がしにくくなる。また、5000μmを超えると浸漬液またはジュースと基質となる茶葉との接触が少なくなり、反応性が低下する。
<酵素原>
本発明では、茶葉に含まれる香りの基質であるグルコシドを利用して、香りを生成させるので、酵素原としてグリコシド分解酵素を含むものを使用する。グリコシド分解酵素の代表例はβープリメベロシダーゼである。
カテキン類は酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ)により酸化されテアフラビン類等を生成し紅茶風の色となる。本発明においては酵素原は酸化酵素を含んでいてもよい。
グリコシド分解酵素には、微生物由来の市販品(例えば天野エンザイム社製アロマーゼ)があるが、本発明においては酵素原には酵素活性残存茶葉を使用する。
酵素活性残存茶葉はβープリメベロシダーゼ等の複数のグリコシド分解酵素以外にも酸化酵素、加水分解酵素等も含んでいて総合的に味、香り、抽出性等を向上させるからである。酵素活性残存茶葉とは、酵素の失活処理、通常は殺青処理と呼ばれるものを受けていない茶葉、典型的には生茶葉を意味する。品種も限定されず、低品位茶となるようなもので十分である。
<併用物>
酵素活性残存茶葉を使用する本発明においては、以下のものを併用するのが好ましい。
(アスコルビン酸化合物)
本発明においては、アスコルビン酸化合物は、アスコルビン酸ナトリウムが好ましい。アスコルビン酸はpHを下げ、茶葉を変色させることがあるので長期に緑色を保ちたい場合は好ましくない。アスコルビン酸化合物は、酵素活性残存茶葉に不可避的に含まれるポリフェノールオキシダーゼの作用を抑制して、カテキンの酸化による褐変を防ぐ作用がある。従って、紅茶風の色の発酵茶を得たい場合は使用する必要はない。
酵素活性残存茶葉(乾物相当)に対するアスコルビン酸化合物の使用量は、アスコルビン酸ナトリウムの場合1.5〜4.5質量%が好ましい。この範囲であれば、香味に影響を及ぼさずに、十分な呈色を確実に実現できるからである。2.0〜3.5質量%がより好ましい。
(マグネシウム塩)
マグネシウム塩は、塩化マグネシウムが好ましい。
マグネシウム塩は、緑色のクロロフィルの退色を防ぐために加えている。従って緑色を維持する必要がない場合は使用する必要はない。
酵素活性残存茶葉に対するマグネシウム塩の使用量は、塩化マグネシウム水和物の場合、1.0〜5.0質量%が好ましい。この範囲であれば、苦味を強くせずに、十分な呈色を確実に実現できるからである。
(酵母エキス)
酵母エキスは、旨味を出すために加えている。
従って、酵母エキスはグルタミン酸を多く含むものが好ましい。なお、酵母エキスには蛋白ペプチドも含まれており、それはアスコルビン酸化合物と同じように、カテキンの酸化による褐変を防ぐ方向で作用している。
酵母エキスの適正量の目安として、得られた発酵茶中の総遊離アミノ酸量で判断することができる。総遊離アミノ酸量としては、5〜50mg/gが好ましい。5mg/g未満では効果が不十分な場合があり、一方50mg/gを越えると酵母エキス臭が強くなり香味に影響を及ぼし易いからである。
総遊離アミノ酸量は、島津製作所社のポストカラム蛍光検出法やWaters社のAccQ・Tag法で測定できる。
酵母エキスの形態としては、浸漬液状、ペースト状、粉末状(デキストリン等を加え乾燥したものを含む)等があり、いずれでも使用できるが、ペースト状が取扱い上好ましい。
但し、酵母エキスの組成にもよるが、エキス分以外の量が多くなり過ぎると、相溶性などに影響を与える。酵素活性残存茶葉に対する酵母エキスの使用量は流動性があるペースト状でエキス分65質量%の場合には、好ましくは20〜60質量%であり、より好ましくは35〜45質量%である。20質量%未満では効果が不十分な場合があり、一方60質量%を越えると酵母エキス臭が強くなり香味に悪影響を及ぼしやすくなる。
酵母エキスの商品としては、ペースト状では、アサヒフードアンドヘルスケア社製「ハイパーミーストHG−Ps」、キリン協和フーズ社製「酵母エキスU」、「酵母エキスL」、興人社製「アジトップ」、等が挙げられる。
グルタミン酸が多いものとしては、「ハイパーミーストHG−Ps」、「アジトップ」等が挙げられる。
なお、本発明に於いては、上記した成分の機能や所望の最終的な製品形態を損なわない限りにおいて、その他の成分を併用することができる。何を併用するかは用途等により変わるが、例えば酸類、糖類、甘味料、調味料、香料、着色料、保存料などがある。
B.製造方法
<浸漬液またはジュースの作製>
酵素原である酵素活性残存茶葉と水とを、更に上記した併用物を必要に応じて合わせ、浸漬液またはジュースとする。
本発明においては、緑茶葉との混合のし易さからジュース状であることが好ましい。特に緑茶葉が粉砕されたものである場合は、ジュース状であると均一に混合しやすい。
ジュース状にする破砕装置には特に限定はなく、一般的なミキサー、ブレンダー、ホモゲナイザー、マスコロイダー、フードスライサー、ウルトラマイザー、ヒストコロン、ハンマーミル、フードプロセッサー、グラインダー、ボールミル、石臼機等を使用できる。
酵素活性残存茶葉を使用する場合の粒子径は、混合物に使用する茶葉の基準に同様である。
これらは、凍結保存しておき、使用時に解凍してもよい。この場合、作製時の水の使用量は少量でよく、緑茶葉と混合する際、水を追加すればよい。
<混合>
浸漬液等と緑茶葉とを混合する。
酵素活性残存茶葉を使用した場合には、その大きさにもよるが、概ね使用量は、好ましくは酵素活性残存茶葉の重量に対し、5〜50倍で、より好ましくは10〜20倍である。5倍未満では茶葉に均一に含浸し難く、50倍を超えると酵素の活性が低下し易くなるからである。
混合物は、最終形態に対応して茶葉状またはペースト状にする。
ペースト化すると、発酵が均一に進み易い。
ペースト状にする場合には、この段階で未粉砕の酵素活性残存茶葉や緑茶葉を湿式粉砕してもよい。この粉砕によりこの段階で実質的にジュースや緑茶葉粉末を用いるのと同等の混合物となる。
混合物の含水率(水分)は60〜80%が好ましく、70〜75%がより好ましい。60%未満では香りが少なくなり、80%超えると製品に雑味が出る場合があり好ましくない。
<密封>
混合物を容器または袋に密封する。
密封とは気体・液体の流入を阻止し、低酸素状態に維持できる状態を意味する。
容器または袋は上記状態を維持できるものであり、液体は勿論、ガス不透過性である。
容器の形態としては、特に限定されず袋、チューブ、スティック、カップ、トレイ、箱、ポーションパック、ディスペンパック、瓶などが挙げられる。
保持及び酵素失活・殺菌の際の品温の均一性という点では扁平であることが好ましい。
容器は厚さ3cm以下であることが好ましい。3cmを超えると保持及び酵素失活・殺菌時の品温がバラツくため品質が不均一となる。また、混合物から容器外壁までの最短長さは1.5cm以下が好ましい。
容器の寸法は作業性を考慮する、小型で、最大で縦・横1m×1.5m程度が現実的である。好ましくは縦・横30×50cm以下であり、効率を考えれば、この容器内に、少なくとも茶葉(乾物換算)1g以上(飲料100ml相当以上)を収容することができることが好ましい。
袋の形態としては、外から内容物を薄く平坦に延ばすことができるという点で、平袋が好ましい。また、小型で、寸法は縦・横150cm以下が好ましく、50cm以下がより好ましく、30cm以下がさらに好ましい。150cmを超えると作業性が悪くなる。
袋の材質はプラスチック単層フィルム、プラスチック複層フィルム、プラスチック/金属複合体等がある。特に内層にヒートシールできるプラスチック層を有するガス不透過性平袋(例えばアルミニウムとプラスチックとの複合体)であることが好ましい。
密封は、容器等への充填作業後に行う。
この充填作業は、上記した混合作業と同時に行う場合と、混合物としてから行う場合とがある。
充填機は特に限定されない。例としては紛体充填機、液体充填機、ピストン充填機等がある。
ペーストの充填機としては、ナオミ社製小型ロータリー充填機RX−01型などが挙げられる。
粒子径が大きい茶葉粒子が存在する場合(秋冬番茶は茎や幹があり微粉砕しにくい)は、ろ過用袋に入れてから容器に入れると好都合である。ろ過用袋とはろ過することができる材質でできた袋状のものであり、例えばティーバッグ用の袋である。
緑茶風を指向する場合は、空気を出来るだけ追い出して密封する。
真空パックや窒素封入をしてもよい。
紅茶風を指向する場合は、ある程度、空気を残して密封してもよい。
<保持・発酵>
保持は混合物を25〜50℃、好ましくは30〜45℃に保持しながら、30〜100分、好ましくは40〜80分にわたって発酵させる。
温度は、低いと香りの発現に時間がかかり、高いと香りの発現が弱くなるからである。時間は、短いと香りの発現が弱く、長いと旨みに影響を及ぼすからである。
保持には、恒温槽を用いる。恒温槽には気流式、水流式があるが、温度の伝達速度や均一性の点で水流式である恒温水槽が好ましい。
<酵素失活>
混合物を酵素失活させ、反応を終了させる。
酵素失活する手段は加熱できるものであれば特に限定されず、後述する殺菌と兼ねて行うことが可能である。電子レンジや、恒温水槽を使用してもよい。
加熱して酵素失活(殺菌)した場合には、冷却する。容器または袋に付着した水分が多い場合には水切りする。
冷却と水切りは、送風ネットコンベア等を使用すれば、同時にできる。
得られた容器または袋の中の発酵茶はそのまま含水状態で使用するが、長期に保管する場合は冷凍保存することが望ましい。
なお、本発明を応用して、大量生産を行う場合は、容器または袋を使用せず、混合物の作製から保持、酵素失活(殺菌)の一連の工程を温度管理装置を具備した密閉タンク(撹拌装置付き)やライン中で進め最後に充填するという連続工程とすることも可能である。
<殺菌>
上記作業に加えて、殺菌することが推奨される。殺菌は、酵素失活を兼ねて行うことができる。
殺菌は通常、加熱方式で行われる。
加熱殺菌には加圧殺菌方式や、常圧殺菌方式がある。
加圧殺菌方式には、レトルト殺菌(100℃以上の加熱殺菌、例えば、120℃、4分間)、UHT殺菌(130℃以上の加熱殺菌)がある。
香味への影響という点では常圧殺菌方式が好ましい。常圧殺菌方式には恒温槽や電子レンジを使用できる。
常圧殺菌方式は、100℃未満の加熱殺菌であり、pH4.6以下又はaw(水分活性値)0.94以下にて実施する。
pHを4.6以下としたい場合は酸類を使用すればよい。食品に使用できる酸類としてはクエン酸、アスコルビン酸、乳酸等が挙げられるが、風味の点でクエン酸が好ましい。
pH4.6以下とすると経時で緑色が退化する場合がある。この現象が好ましくない場合は酸類を使わず、awを規定内に調整することが推奨される。
aw(水分活性値)を0.94以下としたい場合は、水溶性物質の添加により可能であり、例えば食塩や糖類を添加する。本発明においては香味に影響が少ない物質、例えば還元水飴が好ましい。
常圧殺菌は特別の装置を必要としないので好ましい。例えば、保持に使用した恒温水槽を使用することが可能である。
常圧殺菌方式を採用する場合には、酸類や糖類などの添加は、浸漬液またはジュースを作製する時点、混合物を作製する時点、及び混合物を作製後などに行い、酸素失活処理の後または同時に、加熱することになる。
C.発酵茶
密封された容器または袋内で発酵茶が完成する。
この発酵茶は、香り、色、味が上手い具合に増強され、密封時の工夫により、香りも緑茶様にも紅茶様にもなっている。
また、密封状態でそのまま保存できるので、乾燥させる必要もなく、香りも長時間持続させることができる。
さらに、密封状態でそのまま保存できるので、ペーストのまま保存できる。ペーストであれば、冷水でも抽出し易い。
茶の形態としてはリーフ茶が最も一般的であった。しかし、リーフ茶は急須を使って淹れるのに手間がかかるとか、茶ガラの廃棄処理が面倒といった問題があり、需要が減少の一途であった。特に冷茶は冷水で抽出すると時間がかかるし、熱湯で抽出すると冷却しなければならない。よって特に冷たい飲料が好まれる夏季は茶葉の需要が減少するという問題があった。ティーバッグでも同様である。
一方、容器詰め茶飲料の主流であるペットボトルは利便性に優れているが原価構成からみると石油製品の占める率が原料茶葉の数倍にあたり、環境保全上好ましくない。また、成分のほとんどが水であることから、流通コストの割合が大きい。
それ故、本発明の茶ペーストは、発酵が均一になされ、品質が向上しただけでなく、使用時の利便性に優れ、茶の需要を拡大できる有望なものと期待できる。
本発明は、発酵終了後詰め替えることなく加熱して酵素失活及び殺菌を行えるので微生物の2次汚染を防げる。味噌などのペースト食品の殺菌には特殊な押し出し加熱装置を必要とするが、本発明は、小型の容器などに詰めることで熱水中に一定時間漬けることで容易に殺菌できる。
また、小型の容器などを使用することで、使い切りが可能となる。
また、小型の容器などに詰めたままの搬送となり、搬送することで生じるロスが皆無となる。工程が簡素化する。
一般的に発酵食品の製造においては、発酵室は温度と湿度を管理できる特別な部屋を必要とするが、本発明は小型の容器などに詰めることで例えば恒温水槽中に一定時間漬けることで容易に発酵管理ができ設備が簡単になる。また恒温水槽は酵素失活(殺菌)にも兼用できる。
図1は、ペースト化する場合のフロー図である。
本発明の発酵茶は、香り成分としてリナロール、ベンジルアルコール、青葉アルコール、フェニルエチルアルコール、サリチル酸メチル、ネロール、βーオシメン、1−ヘキサノール、ヘキサナール及び2−ヘプテナールが増強されている。
リナロール(ラベンダーの香り)、フェニルエチルアルコール(バラの香り)、ベンジルアルコール(アーモンドの香り)、ネロール(バラの香り)及びβーオシメンは紅茶に多く含まれ、紅茶を感じさせるフローラルな香り成分である。
青葉アルコール(緑の香り)、1−ヘキサノール、ヘキサナール、2−ヘプテナールは緑茶を感じさせるグリーンな香り成分である。サリチル酸メチルは冷涼感を供する香り成分である。
一般の緑茶(新茶)には上記成分の内、ベンジルアルコール、青葉アルコール、2−ヘプテナールが少量含まれるに過ぎない。秋冬番茶にはほとんど含まれない。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明の範囲は、以下の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
[実施例1]
[ジュースの作製]
凍結二番茶酵素活性残存茶葉5g(乾燥茶葉1g相当)、塩化マグネシウム(六水和物)(和光一級、和光純薬工業株式会社製)125mg、L−アスコルビン酸ナトリウム(BASFジャパン社製)125mg、酵母エキスペースト(アサヒフードアンドヘルスケア社製、商品名:ハイパーミーストHG−Ps、エキス分65%)2g、クエン酸100mg、水道水80mlとをミキサー(岩谷産業株式会社製 Iwatani MILLSER IFM−600D)に入れ30秒間破砕・混合しジュース化した。茶漉しで漉してジュースとした。
[茶葉粉末の作製]
乾燥秋冬番茶葉(喜作園社製、平成23年牧之原市産)30gをミキサー(岩谷産業株式会社製 MILLSER IFM−600D)で1分間粉砕し茶葉粉末とした。
100メッシュの金網(目開き0.150mm)で篩って通過物を乾燥茶葉粉末とした。
[混合物及び発酵茶ペーストの作製]
下記順序で発酵茶ペーストを作製した。
1)前記ジュースを耐熱性のプラスチック平袋(生産日本社製、ラミジップ、材質ポリエチレン、寸法180×120mm)に注入した後、前記茶葉粉末を添加した。
2)前記プラスチック平袋を外側から繰り返し圧して茶葉粉末にジュースを均一にいきわたらせ、混合物(茶ペースト原料)とした。
pHは4.6であった(東亜DKK社製pH/ION/EC/DO METER MM−60Rで測定した。温度20℃)。
3)プラスチック平袋をヒートシールし密封した。(ヒートシーラー:富士インパルス社製、電動シーラーM−300−4)。ヒートシール後の平袋の厚さは約1cm未満であった。
4)上記平袋を、40℃の恒温水槽(TAITEC社製THERMOMINDER EX)に入れ、攪拌しつつ1時間保持し発酵させた。
5)発酵終了後、酵素失活と殺菌を兼ねて上記平袋を80℃の温水に入れ30分保持した。
6)上記平袋を5℃の流水中で5分間冷却し、緑茶色の発酵茶ペーストを得た。
[発酵茶ペーストの官能評価]
上記平袋を開封し、乾燥茶葉1g相当の発酵茶ペースト(この場合3.8g)を20℃の冷水100ml中に投入した。マドラーで軽く攪拌したら直ちに均一に溶けた。
水色は黄緑色を呈し、香りは爽やかで、味も良かった。
[実施例2] 茶葉を粉砕せず
乾燥茶葉を粉砕しないで使用したこと以外は実施例1と同様にして発酵茶を作製し、官能評価をした。
水色は黄緑色を呈し、香りは爽やかで、味もよかった。
[実施例3] 茶葉を粉砕せず、保持、酵素失活・殺菌に恒温水槽不使用
保持(40℃、60分)を恒温機(ヤマト科学株式会社製、DKM600)で行い、酵素失活・殺菌に電子レンジ(750W、20秒、パナソニック株式会社製、NE−EH211)を使用した以外は実施例2と同様にして発酵茶を作製し、官能評価した。
水色は黄緑色を呈し、香りは爽やかで、味もよかった。
[実施例4]
酵母エキスを使用しないこと以外は実施例1と同様にして発酵茶ペーストを作製し官能評価した。
水色は黄緑色、香りは良好で、味はやや旨味が不足するものの、すっきりしていて良好だった。
[実施例5]
アスコルビン酸ナトリウムを使用しないこと以外は実施例1と同様にして発酵茶ペーストを作製し、官能評価した。
水色はややくすんだ黄緑色、香りは良好であったが、味はやや苦みが強かった。
[実施例6]
塩化マグネシウムを使用しないこと以外は実施例1と同様にして発酵茶ペーストを作製し、官能評価した。
水色はややくすんだ黄緑色、香りは良好であったが、味はやや苦みが強かった。
[実施例7]ジュースの水を多くした
ジュース作製時の水を100mlとした以外は実施例1と同様にして、発酵茶ペーストを作製し、官能評価した。
水色は黄緑色を呈し、香りは爽やかであったが、雑味が出ていた。
[実施例8] 茶葉にも酵素活性残存茶葉を使用
茶葉にも酵素活性残存茶葉150g(乾物30g相当)を使用した以外は実施例1と同様にして発酵茶ペーストを作製し、官能評価した。
水色は黄緑色ではなく茶褐色であった、香りは爽やかさがなくなったが萎凋香りが強く紅茶に近くなった。味は雑味が強かった。
[実施例9]クエン酸不使用、awを還元水飴で調整
実施例1において、クエン酸を使用しないで、水道水を50mlとしawを0.90とし、還元糖(三菱商事フードテック株式会社製 還元澱粉糖化物=還元水飴PO−60)30gを加え、酵素失活・殺菌を80℃で5分としたこと以外は実施例1と同様にして発酵茶ペーストを作製し、官能評価した。なお、実施例1のawは0.92であった。また、awの測定には水分活性測定装置(novasina社製 themoconstanterRTD−200)を使用した。
水色は黄緑色(実施例1より緑が濃い)、香りは爽やか、味は良好であった。
[実施例10]茶葉に市販の緑茶粉末を使用
乾燥秋冬番茶の粉末の代わりに市販の緑茶(新茶)(喜作園社製、平成24年牧之原市産)を粉末にして使用した以外は実施例1と同様にして、発酵茶ペーストを作製し官能評価した。
水色は黄緑色、香りは爽やかで、味も嗜好性が高かった。
[実施例11] 茶葉微粉末を使用
乾燥秋冬番茶の粉末の代わりに市販の茶葉微粉末(喜作園社製 粉末緑茶)を使用した以外は実施例1と同様にして、発酵茶ペーストを作製し官能評価した。なお、茶葉微粉末の平均粒子径は20μm、実施例1の茶葉粉末の数平均粒子径は68μm、ジュース中の酵素活性残存茶葉の数平均粒子径は84μmであった。
このペーストは粘度が大きくクリーム状であり形状を保持し、直接の舌触りは良好であったが、冷水への溶解には60秒程度を要した。なお、実施例1のペーストの直接の舌触りはややザラツキを感じた。
[実施例12] 異なる粒子径の粉末を混合して使用
乾燥秋冬番茶の粉末に実施例11の茶葉微粉末を等量ずつ混合した茶葉を使用した以外は実施例1と同様にして、発酵茶ペーストを作製し官能評価した。茶葉粉末の数平均粒子径は44μmであった。
このペーストは粘度は実施例1と実施例11の中間で、直接の舌触りも中間であった。冷水には直ちに溶解した。
[実施例13] 容器にチューブを使用
容器としてプラスチック製チューブ(関西器材社製、ブローチューブK−007)を使用した以外は実施例1と同様にして本発明の茶葉ペーストを得た。
[比較例1] 実施例1で容器に密封せず
ジュースと茶葉粉末の混合物を、アルミトレイに入れ延ばしてアルミ箔で覆って保持(40℃、60分)を恒温機(ヤマト科学株式会社製、DKM600)で行い、酵素失活・殺菌に電子レンジ(750W、20秒、パナソニック株式会社製、NE−EH211)を使用した以外は実施例1と同様にして発酵茶を作製し、官能評価した。
水色は黄緑色を呈し、香りは爽やかさがやや弱く、やや酸化臭がするが、味は良かった。
[比較例2] 実施例3で容器に密封せず
実施例3において、ジュースと茶葉の混合物を、アルミトレイに入れ延ばしてアルミ箔で覆って保持(40℃、60分)を恒温機(ヤマト科学株式会社製、DKM600)で行い、酵素失活・殺菌に電子レンジ(750W、20秒、パナソニック株式会社製、NE−EH211)を使用した以外は実施例3と同様にして発酵茶を作製し、官能評価した。
水色は黄緑色を呈し、香りは爽やかさがやや弱く、やや酸化臭がするが、味は良かった。
[比較例3] 角底袋を使用
プラスチック平袋を、角底袋(生産日本社製、アルミラミジップAL−F(底開きタイプ)、材質ポリエチレン、寸法170×120mm底寸法50mm×100mm)とした以外は実施例1と同様にして発酵茶ペーストを作製した。ヒートシール後の厚さは5cmであった。
官能評価で、中心部と表面部とを比較した。表面部は実施例1と同等であったが、中心部は水色は黄緑色、香りは弱く番茶様で、味は番茶様で表面部に比べ嗜好性が劣っていた。
[比較例4] 酵素原を使用せず
酵素活性残存茶葉を使用しないこと以外は実施例1と同様にして発酵茶ペーストを作製し、官能評価した。
水色は緑色、香りは番茶様、味も番茶様であった。
[参考例1]
実施例1と同様に作製した秋冬番茶粉末31gを水道水80mlとミキサー(岩谷産業株式会社製 Iwatani MILLSER IFM−600D)に入れ30秒間混合しペースト化した。
[参考例2]
実施例10と同様に作製した緑茶粉末31gを参考例1と同様にしてペースト化した。
[参考例3]
紅茶(平成22年度ダージリン産、三井農林社製)を実施例1と同様にして作製した紅茶粉末31gを参考例1と同様にしてペースト化した。
以上までの結果を下表にまとめた。
Figure 2014187982
[実施例14] 複数個の平袋入りを作製した。
実施例1において5倍量の原材料を使用してペースト原料を作製した。
平袋(70mm×50mm、生産日本社製ユニパックA−8)20個に各々乾燥茶葉2g相当量(7.6g)を入れ、実施例1と同様にして発酵茶ペーストを作製した。
5袋を無作為に抽出し各々内容物を200mlの20℃冷水に溶解し官能評価した。品質にバラツキがなかった。
[実施例15] 香り成分の分析
実施例1、実施例3、比較例1、比較例2、参考例1の官能評価試料の香り成分を分析した。

試料作製方法 熱水抽出
分析方法 上記含水茶葉(ペースト)7.6g(乾燥茶葉換算2g)を沸騰水200mlで2分間抽出した。
抽出液をガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)(Agilent社 GC7890A/5975C)を用い下記条件で分析した。
・分析条件 それぞれ100μlをLVFET法で全量揮発させ、GC分析
キャリアガス ヘリウム 1.8ml/min
カラム DB-WAX(0.25mm×60m、膜厚0.25μm)
昇温条件 40℃で5分保持、その後5℃/minで250℃まで昇温

結果を以下の表2に示した。
Figure 2014187982
実施例1と比較例1とを、及び実施例3と比較例2とを対比すると密封した効果が出ている。
実施例1と実施例3とを、及び比較例1と比較例2とを対比するとペースト化した効果が出ている。
また、秋冬番茶の香りが大幅に改善されたことが示されている。
なお、比較例2は特願2012−284215の発明に該当する。
発酵茶の新しい簡素な製造方法を提供する。連続的大量生産も可能である。
飲料として多様な嗜好性に対応できる。
食品素材として茶ペーストの新規用途が期待できる。
低品位茶の付加価値を向上させることで、農家の生産意欲を亢進させ、茶産業の振興を促進できる。

Claims (5)

  1. 少なくとも酵素活性残存茶葉と水とを合わせ、浸漬液またはジュースとし、該浸漬液等と緑茶葉とを混合し、該混合物を容器または袋に密封して、一定温度で保持し発酵させた後に、酵素失活処理を施すことを特徴とする発酵茶の製造方法。
  2. 粉末状の緑茶葉と混合してペースト状としたものを使用することを特徴とする請求項1に記載の発酵茶の製造方法。
  3. アスコルビン酸化合物、マグネシウム塩及び酵母エキスの少なくとも1種を併用することを特徴とする請求項1または2に記載の発酵茶の製造方法。
  4. 緑茶葉として低品位茶を使用することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の発酵茶の製造方法。
  5. 香り成分としてリナロール、ベンジルアルコール、青葉アルコール、フェニルエチルアルコール及びサリチル酸メチルを含有することを特徴とする請求項1から4のいずれかの方法により得られた発酵茶。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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