JP2014187801A - 電動モータ装置、ワイパ駆動用電動モータ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動モータ装置1は、電動モータ部と、電動モータ部の回転力を伝達する伝達機構50と、伝達機構50に連結された出力軸60と、出力軸60を回転可能に支持するスリーブ30と、を備え、スリーブ30は、出力軸60を滑り接触により支持する第一軸受32と、第一軸受32よりも機械強度が低い部材により出力軸60を支持する第二軸受40と、を有する。
【選択図】図2
Description
電動モータ装置は、車両に搭載されたバッテリなどの電源により作動する電動モータと、電動モータ部の回転運動を伝達する伝達機構と、伝達機構に接続された出力軸と、を備える。伝達機構には、例えばウォーム減速機構が採用される。
また、電動モータ装置は、伝達機構を収容するハウジングと、ハウジングから突設させて出力軸を回転可能に支持するスリーブと、を備える。スリーブの内周には、出力軸を滑り接触により回転可能に支持する滑り軸受が形成される。
しかし、スリーブが長くなるほど、スリーブを成型する金型の型抜き作業や滑り軸受の切削加工が困難になる。このため、電動モータ装置の製造効率の低下、コスト上昇を招いている。
本発明に係るワイパ駆動用電動モータ装置は、車種毎にスリーブの長さを異ならせる必要がないので、製造効率の向上やコスト低減を図ることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る電動モータ装置1を示す平面図である。図1は、後述するハウジングカバーを取り外した状態を示す。
電動モータ部10は、リヤワイパを揺動させる駆動源である。ハウジング20は、伝達機構50を収容すると共に、電動モータ部10及び出力軸60を支持する。伝達機構50は、電動モータ部10に接続されて、電動モータ部10の回転力を伝達する。出力軸60は、伝達機構50に連結されて、電動モータ部10の回転力をリヤワイパに伝達する。
電動モータ部10は、ブラシを用いて電力を給電する、いわゆるブラシ付モータである。
電動モータ部10は、有底筒状のモータハウジング11、モータハウジング11の内側に回転自在に配置されたアーマチュア(不図示)等を備える。
モータハウジング11は、鉄等の金属からなる部材であって、例えば深絞りによるプレス加工等により成型される。モータハウジング11の内周面には、複数のマグネットが接着剤等により取り付けられる。
ハウジング20は、例えばアルミニウム等からなる部材である。ハウジング20は、アルミダイキャストにより形成される。ハウジング20は、モータ取付部21、伝達機構収納部23、スリーブ30を有し、これらが一体的に形成される。
モータ取付部21には、電動モータ部10に給電するためのコネクタ部材70が組み付けられる。コネクタ部材70には、バッテリ等の電源(不図示)から延出されたハーネス(不図示)が接続される。これにより、電動モータ部10に給電される。
スリーブ30は、伝達機構収納部23の外面から立設する円筒形の部位である。スリーブ30は、出力軸60の基端部62を回転可能に支持する。
伝達機構50は、モータシャフト13の先端に形成されたウォームシャフト52、ウォームシャフト52に噛み合うウォームホイール54、ウォームホイール54に接続された第一連結プレート56、第一連結プレート56に接続された第二連結プレート58により構成される。
ウォームシャフト52の基端は、ハウジング20に取り付けられた滑り軸受22を介してハウジング20に対して回転可能に支持される。
電動モータ部10のモータシャフト13の回転速度は、ウォームシャフト52とウォームホイール54とにより減速される。ウォームシャフト52とウォームホイール54とにより、大きな減速比が得られる。また、他の歯車機構に比べてバックラッシュも小さい。ウォームシャフト52の回転によりウォームホイール54が回転するが、その逆は不可能である。
第一連結プレート56の他端側は、第二連結プレート58の一端側に回動可能に接続(支持)される。
出力軸60が後述する滑り軸受(第一軸受)32を介して、ハウジング20(スリーブ30)に対して回転可能に支持されることにより、第二連結プレート58の他端側もハウジング20に対して回転可能に支持される。
連結軸55は、ウォームホイール54の回転により、ウォームホイール54の周方向に沿って回転移動する。この連結軸55の回転移動により、連結軸55に連結された第一連結プレート56が、第二連結プレート58を揺動させる。これにより、第二連結プレート58に固定された出力軸60が回動(往復回動)する。
出力軸60は、例えば鉄等の金属により形成された棒状部材である。出力軸60は、ハウジング20(伝達機構収納部23)の外側に向かって突設される。
出力軸60の全長は、電動モータ装置1が搭載される車種によって適宜設定されるため、車種毎に異なる。
出力軸60の基端は、伝達機構50に連結される。出力軸60の基端は、第二連結プレート58に接続される。出力軸60と第二連結プレート58は、例えばセレーションにより嵌合されており、相対回転が規制される。
出力軸60の先端には、ネジ部(不図示)が形成される。このネジ部には、リヤワイパがナット等により固定される。
出力軸60は、第二連結プレート58の揺動に対応して、往復回動する。出力軸60は、ウォームホイール54が一回転するごとに、一往復回動する。出力軸60の往復回動により、出力軸60に取り付けられたリヤワイパが揺動する。
図2は、スリーブ30を示す図である。(a)は断面図、(b)は裏面図である。
図3は、樹脂製ブッシュ40の斜視図である。
図4は、樹脂製ブッシュ40の回り止め機構を示す図である。(a)は収容部33の窪部34、(b)は樹脂製ブッシュ40の突部43を示す。
中心穴31のうち、スリーブ30の先端側の部位には、出力軸60の基端部62を滑り接触により支持する滑り軸受32が形成される。つまり、中心穴31の内周面の一部が出力軸60の外周面に直接接触して、出力軸60を回転可能に支持する。滑り軸受32は、中心穴31を切削加工することにより形成される。
収容部33には、樹脂製ブッシュ40が収容される。スリーブ30の裏面(伝達機構収納部23の底面23s)から収容部33に向けて樹脂製ブッシュ40を押し込むことにより、収容部33に樹脂製ブッシュ40が収容(装着)される。
樹脂製ブッシュ40は、滑り軸受32と同様に、出力軸60の基端部62を滑り接触により支持する。樹脂製ブッシュ40の中心穴41の内周面が出力軸60の外周面に直接接触して、出力軸60を回転可能に支持する。
このため、リヤワイパに想定以上の強い外力が加わって、出力軸60の先端に軸方向に交差する力が作用する場合には、樹脂製ブッシュ40が変形する。
想定以上の強い外力は、車両の運転者等がリヤワイパを揺動方向とは逆方向に押し付けたり、リヤワイパに付着した水分が凍ってリアウインドウに張り付いたりした場合に発生する。
このように、出力軸60の基端部62の最も基端側を、脆弱性を有する樹脂製ブッシュ40で支持することにより、出力軸60に想定以上の強い外力が加わった際に出力軸60が滑り軸受32にかじりつくという不具合を防止できる。かじりとは、出力軸60と滑り軸受32が摩擦熱によって溶着することをいう。
出力軸60は、強い曲げモーメントが作用して傾いたとしても、樹脂製ブッシュ40を変形させながら、滑り軸受32にかじりつくことなく回転し続けることができる。
しかし、スリーブが長くなるほど、スリーブを成型する金型の型抜き作業や滑り軸受の切削加工が困難になる。また、車種毎に、長さの異なるスリーブを用いる必要がある。つまり、車種毎に異なるハウジングを用意する必要があるので、製造効率の低下、コスト上昇を招いている。
したがって、スリーブ30を成型する金型の型抜き作業や滑り軸受32の切削加工を容易にすることができる。また、車種毎に出力軸60の長さが異なったとしても、スリーブ30の長さが同一であるため、複数種類のハウジング20を用意する必要はない。よって、製造効率の向上、コスト低減が図られる。
収容部33に樹脂製ブッシュ40に収容したとき、4つの突部43が4つの窪部34に一体一に嵌まり込む。これにより、樹脂製ブッシュ40は、スリーブ30に対して軸方向周りに回転できなくなる。つまり、樹脂製ブッシュ40の4つ突部43と収容部33の4つの窪部34とにより、樹脂製ブッシュ40の回り止め機構が構成される。
図5は、シャフト当接部25を示す図である。(a)は平面図、(b)は断面図である。
ハウジング20の伝達機構収納部23には、電動モータ部10に接続されたウォームシャフト52が収容される。ウォームシャフト52の基端(モータシャフト13の先端)は、ハウジング20に取り付けられた滑り軸受22により支持される。一方、ウォームシャフト52の先端52tは、軸受等に支持されない自由端である。
つまり、ウォームシャフト52は、滑り軸受22のみにより支持される片持ち支持構造である。
このシャフト当接部25は、ウォームシャフト52の先端52tに対して、数ミリメートル程度離間した位置に配置される。シャフト当接部25は、ウォームシャフト52の先端52tに対して近接するが、非接触である。
このように、ウォームシャフト52が撓んだときに、ウォームシャフト52の先端52tがシャフト当接部25に当接する。これにより、ウォームシャフト52が撓んだ際に、塑性変形したり、亀裂が発生したりすることが防止される。
しかし、ウォームシャフト52の先端52tを支持する軸受(すべり軸受)をハウジング20に形成するためには、手間のかかる機械加工が必要になる。
滑り軸受22は、モータ取付部21に形成されるため、その穴加工は容易である。
一方、ウォームシャフト52の先端52tを支持する軸受を形成する穴加工は、モータ取付部21と伝達機構収納部23を連通する貫通孔から切削工具を挿入して、さらに先にある壁面等を加工するものである。このように、細長い切削工具で狭くて奥にある部位を加工する必要があるため、難易度が高く、手間がかかる機械加工となる。
ウォームシャフト52は、滑り軸受22により十分に支持されるので、ウォームシャフト52が撓む頻度は少ない。このため、シャフト当接部25を設けることにより、ウォームシャフト52の塑性変形や亀裂発生等の不具合を防止できる。
このため、スリーブ30を成型する金型の型抜き作業や滑り軸受32の切削加工を容易にすることができる。また、スリーブ30の長さが同一であるため、複数種類のハウジング20を用意する必要はなく、製造効率の向上、コスト低減が図られる。
図6は、シャフト当接部の第一変形例(シャフト当接部26)を示す図である。図7は、シャフト当接部の第二変形例(シャフト当接部27)を示す図である。図8は、シャフト当接部の第三変形例(シャフト当接部28)を示す図である。
シャフト当接部25に代えて、シャフト当接部26〜28のいずれか一つを用いてもよい。
ウォームシャフト52が滑り軸受22により支持された部位を起点にしてウォームホイール54に近づくように撓むときがある。シャフト当接部26は、このような場合に備えるものである。
ウォームシャフト52は、滑り軸受22により支持された部位を起点にしてウォームホイール54に近づく方向及び離れる方向にそれぞれに撓むときがある。シャフト当接部27は、このような場合に備えるものである。
ウォームシャフト52は、滑り軸受22により支持された部位を起点にしてウォームホイール54に近づく方向及び離れる方向、さらに上下方向にも撓むときがある。シャフト当接部27は、このような場合に備えるものである。
図9は、伝達機構の変形例(伝達機構150)を示す図である。
伝達機構50に代えて、伝達機構150を用いてもよい。
プレート部156bの端部156eは、ウォームホイール54の側面(上面)に設けられた連結軸55に回動可能に接続(支持)される。
動力伝達部材156の第一セクタギヤ部156cは、第二セクタギヤ158に噛合される。
セクタギヤ軸156dと出力軸60との間に連結プレート157が配置されることにより、セクタギヤ軸156dと出力軸60との距離が一定に保たれる。
出力軸60は、ウォームホイール54(連結軸55)が一回転することにより一往復回動する。
第二軸受は、第一軸受よりも機械的強度が弱い材料により形成されていればよい。したがって、第一軸受が鉄で形成される場合には、第二軸受として、銅、アルミニウム、金、銀及び樹脂等により形成したブッシュ(軸受)を用いることができる。
Claims (8)
- 電動モータ部と、
前記電動モータ部の回転力を伝達する伝達機構と、
前記伝達機構に連結された出力軸と、
前記出力軸を回転可能に支持するスリーブと、
を備える電動モータ装置において、
前記スリーブは、前記出力軸を滑り接触により支持する第一軸受と、
前記第一軸受よりも機械強度が低い部材により前記出力軸を支持する第二軸受と、
を有することを特徴とする電動モータ装置。 - 前記第二軸受は、前記スリーブの基端側に配置され、
前記第一軸受は、前記スリーブの先端側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ装置。 - 前記第二軸受は、合成樹脂から形成され、
前記第一軸受は、前記スリーブの内周面を機械加工して形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動モータ装置。 - 前記第二軸受は、一方の端部から径方向に突出する突部を有し、
前記スリーブは、前記突部が嵌まり込む窪部を有し、
前記突部と前記窪部により、前記前記スリーブに対する前記第二軸受の回転が規制されることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の電動モータ装置。 - 前記第二軸受は、内周面に潤滑材を保持する潤滑溝を有することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の電動モータ装置。
- 前記伝達機構が収容されるハウジングを備え、
前記伝達機構は、一端が前記電動モータ部に接続されると共に前記ハウジングに対して第三軸受を介して支持され、他端が自由端である軸部を有し、
前記ハウジングは、前記軸部の他端の径方向において近接配置されて、前記軸部が撓んだ際に当接する軸当接部を有することを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の電動モータ装置。 - 前記軸当接部は、前記ハウジングを成型するときの型抜き方向に沿って立設形成されることを特徴とする請求項6に記載の電動モータ装置。
- 車両のウインドウを拭くワイパアームを駆動する電動モータ部を有するワイパ駆動用電動モータ装置において、
前記電動モータ部として、請求項1から7のいずれか一項に記載の電動モータ装置を用いることを特徴とするワイパ駆動用電動モータ装置。
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