以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明で参照する図においては、走査線、データ線、信号線等の配線等については、それらの数を少なく表してある。
[実施の形態1]
図1は、本発明を適用した電気光学装置の液晶パネルの説明図であり、図1(a)には、液晶パネルを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面構成が示され、図1(b)には、そのH−H′断面が示されている。
図1(a)、(b)に示すように、本形態の電気光学装置100(液晶装置)に用いた液晶パネル100pでは、素子基板10(電気光学装置用基板)と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバーあるいはガラスビーズ等のギャップ材107aが配合されている。液晶パネル100pにおいて、素子基板10と対向基板20との間のうち、シール材107によって囲まれた領域内には電気光学層50(液晶層)が設けられている。シール材107には、液晶注入口107cとして利用される途切れ部分が形成されており、かかる液晶注入口107cは、液晶材料の注入後、封止材107dによって封止されている。
かかる構成の液晶パネル100pにおいて、素子基板10および対向基板20はいずれも四角形であり、素子基板10は、Y方向(第2方向)で対向する2つの辺10e、10f(端部)と、X方向(第1方向)で対向する2つの辺10g、10h(端部)とを備えている。液晶パネル100pの略中央には、表示領域10aが四角形の領域として設けられており、かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられている。表示領域10aの外側は、四角枠状の外周領域10cになっている。
素子基板10において、外周領域10cでは、素子基板10においてY軸方向の一方側に位置する辺10eに沿ってデータ線駆動回路101および複数の接続端子102が形成されており、この辺10eに隣接する他の辺10g、10hの各々に沿って走査線駆動回路104が形成されている。接続端子102には、フレキシブル配線基板310(図1(b)参照)が接続されており、素子基板10には、フレキシブル配線基板を介して外部制御回路から各種電位や各種信号が入力される。
図3等を参照して詳しくは後述するが、素子基板10の一方面10sおよび他方面10tのうち、対向基板20と対向する一方面10sの側には、表示領域10aに画素電極9aや、図2等を参照して後述する画素スイッチング素子30等がマトリクス状に配列されている。従って、表示領域10aは、画素電極9aがマトリクス状に配列された画素電極配列領域10pとして構成されている。かかる構成の素子基板10において、画素電極9aの電気光学層50側には配向膜16が形成されている。
素子基板10の一方面10sの側において、表示領域10aより外側の外周領域10cのうち、表示領域10aとシール材107とに挟まれた四角枠状の周辺領域10bには、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9bが形成されている。ダミー画素電極9bは、隣り合うダミー画素電極9b同士が細幅の連結部(図示せず)で繋がっている。また、ダミー画素電極9bは、共通電位Vcomが印加されており、表示領域10aの外周側端部での液晶分子の配向の乱れを防止する。
対向基板20の一方面20sおよび他方面20tのうち、素子基板10と対向する一方面20sの側には共通電極21が形成されている。共通電極21は、対向基板20の全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素100aに跨って形成されている。本形態において、共通電極21は、対向基板20の全面に形成されている。
対向基板20の一方面20sの側には、共通電極21に対して電気光学層50とは反対側に遮光層29が形成され、共通電極21に対して電気光学層50の側には配向膜26が形成されている。遮光層29は、表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁部分29aとして形成されており、遮光層29の内周縁によって表示領域10aが規定されている。また、遮光層29は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域に重なるブラックマトリクス部29bとしても形成されている。額縁部分29aはダミー画素電極9bと重なる位置に形成されており、額縁部分29aの外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にある。従って、額縁部分29aとシール材107とは重なっていない。
また、対向基板20の一方面20sの側には、共通電極21に対して電気光学層50とは反対側に画素電極9aと平面視で重なるマイクロレンズ27が形成されることもある。かかるマイクロレンズ27は、対向基板20の一方面20sに形成した半球状の凹部内に透光性材料270を充填することにより形成される。なお、対向基板20においてマイクロレンズ27と共通電極21との間に保護層(図示せず)が形成されることもある。
液晶パネル100pにおいて、シール材107より外側には、対向基板20の一方面20sの側の4つの角部分に基板間導通用電極25が形成されており、素子基板10の一方面10sの側には、対向基板20の4つの角部分(基板間導通用電極25)と対向する位置に基板間導通用電極19が形成されている。本形態において、基板間導通用電極25は、共通電極21の一部からなる。基板間導通用電極19には、共通電位Vcomが印加されている。基板間導通用電極19と基板間導通用電極25との間には、導電粒子を含んだ基板間導通材19aが配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通用電極19、基板間導通材19aおよび基板間導通用電極25を介して、素子基板10側と電気的に接続されている。このため、共通電極21は、素子基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。シール材107は、略同一の幅寸法をもって対向基板20の外周縁に沿って設けられているが、対向基板20の角部分と重なる領域では基板間導通用電極19、25を避けて内側を通るように設けられている。
本形態において、電気光学装置100は透過型の液晶装置であり、画素電極9aおよび共通電極21は、ITO(Indium Tin Oxide)膜やIZO(Indium Zinc Oxide)膜等の透光性導電膜により形成されている。かかる透過型の液晶装置(電気光学装置100)では、例えば、対向基板20の側から入射した光が素子基板10の側から出射される間に変調されて画像を表示する。また、電気光学装置100が反射型の液晶装置である場合、共通電極21は、ITO膜やIZO膜等の透光性導電膜により形成され、画素電極9aは、アルミニウム膜等の反射性導電膜により形成される。かかる反射型の液晶装置(電気光学装置100)では、対向基板20の側から入射した光が素子基板10で反射して出射される間に変調されて画像を表示する。
電気光学装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20には、カラーフィルター(図示せず)が形成される。また、電気光学装置100は、電子ペーパーとして用いることできる。また、電気光学装置100では、使用する電気光学層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が液晶パネル100pに対して所定の向きに配置される。さらに、電気光学装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各電気光学装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
(素子基板10の電気的構成)
図2は、本発明を適用した電気光学装置100の素子基板10の電気的構成を示す説明図であり、図2(a)には、素子基板10の回路や配線の平面的なレイアウトが示され、図2(b)には、画素100aの電気的構成が示されている。なお、以下の説明において、接続端子102を介して素子基板10に入力される信号名称と信号用の配線とは、同一のアルファベット記号を信号および配線Lの後に各々付与する。例えば、信号名称である「クロック信号CLX」に対して、対応する信号用の配線について「クロック信号線LCLX」とする。また、以下の説明において、接続端子102を介して素子基板10に入力される信号名称と信号用の端子とは、同一のアルファベット記号を信号および端子Tの後に各々付与する。例えば、信号名称である「クロック信号CLX」に対して、対応する接続端子102については「端子TCLX」とする。
図2(a)、(b)に示すように、電気光学装置100において、素子基板10の中央領域には複数の画素100aがマトリクス状に配列された画素電極配列領域10pが設けられており、かかる画素電極配列領域10pのうち、図1(b)に示す額縁部分29aの内縁で囲まれた領域が表示領域10aである。素子基板10では、画素電極配列領域10pの内側に、X方向に延在する複数本の走査線3aと、Y方向に延在する複数本のデータ線6aとが形成されており、それらの交点に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、TFT等からなる画素スイッチング素子30(画素トランジスター)、および画素電極9aが形成されている。画素スイッチング素子30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素スイッチング素子30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素スイッチング素子30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。
素子基板10において、画素電極配列領域10pより外側の外周領域10cには、走査線駆動回路104、データ線駆動回路101、サンプリング回路103、基板間導通用電極19、接続端子102等が構成されており、接続端子102から走査線駆動回路104、データ線駆動回路101、サンプリング回路103、および基板間導通用電極19に向けて複数の配線105が延在している。サンプリング回路103は複数本のデータ線6aと電気的に接続しており、走査線駆動回路104は、複数本の走査線3aと電気的に接続している。
各画素100aにおいて、画素電極9aは、図1を参照して説明した対向基板20に形成された共通電極21と電気光学層50を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に保持容量55が付加されている。本形態では、保持容量55を構成するために、複数の画素100aに跨って延びた容量線8aが形成され、かかる容量線8aには共通電位Vcomが印加されている。
なお、図2(b)においては、容量線8aが走査線3aと並列して延在しているものとして表されているが、容量線8aがデータ線6aと並列して延在していてもよい。本形態では、後述する理由から、容量線8aがデータ線6aと並列して延在する構成が採用されている。
素子基板10の辺10eに沿って設けられた接続端子102は、共通電位線用、走査線駆動回路用、画像信号用、およびデータ線駆動回路用の4つの用途に大きく分類される複数の端子群により構成されている。具体的には、接続端子102は、共通電位線LVcom用として端子TVcomを備え、走査線駆動回路104用として端子TSPY、端子TVSSY、端子TVDDY、端子TCLYおよび端子TCLYINVを備えている。また、接続端子102は、画像信号VID1〜VID6用として端子TVID1〜TVID6を備え、データ線駆動回路101用として、端子TVSSX、端子TSPX、端子TVDDX、端子TCLX、端子TCLXINV、端子TENB1〜TENB4、および端子TVSSXを備えている。
データ線駆動回路101は、シフトレジスタ回路101c、波形整形回路101b、およびバッファー回路101aを備えている。データ線駆動回路101において、シフトレジスタ回路101cは、外部制御回路から接続端子102(端子TVSSX、TVDDX)および配線105(配線LVSSX、LVDDX)を介して供給される負電源VSSXおよび正電源VDDXを電源として用い、外部制御回路から接続端子102(端子TSPX)および配線105(配線LSPX)を介して供給されるスタート信号SPXに基づいて転送動作を開始する。シフトレジスタ回路101cは、接続端子102(端子TCLX、TCLXINV)、および配線105(配線LCLX、LCLXINV)を介して供給されるクロック信号CLXおよび逆位相クロック信号CLXINVに基づき、転送信号を波形整形回路101bへ出力する。波形整形回路101bは、「イネーブル回路」とも称され、シフトレジスタ回路101cから順次出力される転送信号のパルス幅を、外部制御回路から接続端子102(端子TENB1〜TENB4)および配線105(配線LENB1〜LENB4)を介して供給されるイネーブル信号ENB1〜ENB4のパルス幅に制限することにより、後述のサンプリング回路103における各サンプリング期間を規定する。より具体的には、波形整形回路101bは、シフトレジスタ回路101cの各段に対応して設けられたNAND回路およびインバーター等により構成されており、シフトレジスタ回路101cより順次出力される転送信号がハイレベルとされており、かつ、イネーブル信号ENB1〜ENB4のいずれかがハイレベルとされているときにのみデータ線6aが駆動されるように時間軸上における波形の選択制御を行う。バッファー回路101aは、このように波形の選択が行われた転送信号をバッファリングした後、サンプリング回路駆動信号として、選択信号線109を介してサンプリング回路103に供給する。
サンプリング回路103は、画像信号をサンプリングするためのスイッチング素子108を複数備えて構成されている。本形態において、スイッチング素子108は、TFT等の電界効果型トランジスターからなる。スイッチング素子108のドレインには、データ線6aが電気的に接続され、スイッチング素子108のソースには、配線106を介して配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)が接続されるとともに、スイッチング素子108のゲートには、データ線駆動回路101に接続された選択信号線109が接続されている。そして、接続端子102(端子TVID1〜VID6)を介して配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)に供給された画像信号VID1〜VID6は、データ線駆動回路101から選択信号線109を通じて選択信号(サンプリング回路駆動信号)が供給されるのに応じ、サンプリング回路103によりサンプリングされ、各データ線6aに画像信号S1、S2、S3、・・Snとして供給される。本形態において、画像信号S1、S2、S3、・・Snは、6相にシリアル−パラレル展開された画像信号VID1〜VID6の各々に対応して、6本のデータ線6aの組に対してグループ毎に供給される。なお、画像信号の相展開数に関しては、6相に限られるものでなく、例えば、9相、12相、24相、48相等、複数相に展開された画像信号が、その展開数に対応した数を一組としたデータ線6aの組に対して供給される。
走査線駆動回路104は、構成要素としてシフトレジスタ回路およびバッファー回路を備えている。走査線駆動回路104は、外部制御回路から接続端子102(端子TVSSY、TVDDY)および配線105(配線LVSSY、LVDDY)を介して供給される負電源VSSYおよび正電源VDDYを電源として用い、同じく外部制御回路から接続端子102(端子TSPY)および配線105(端子TSPY)を介して供給されるスタート信号SPYに応じて、その内蔵シフトレジスタ回路の転送動作を開始する。また、走査線駆動回路104は、接続端子102(端子TCLY、TCLYINV)および配線105(配線LCLY、LCLYINV)を介して供給されるクロック信号CLYおよび逆位相クロック信号CLYINVに基づいて、所定のタイミングで走査線3aに走査信号をパルス的に線順次で印加する。
素子基板10には、4つの基板間導通用電極19を通過するように配線105(共通電位線LVcom)が形成されており、基板間導通用電極19には、接続端子102(端子TVcom)および配線105(共通電位線LVcom)を介して共通電位Vcomが供給される。
(接続端子102の構成)
このように構成した電気光学装置100において、複数の接続端子102には、上記の信号や定電位を供給するための接続端子102(第1接続端子102f)と、信号や定電位の供給に寄与しない接続端子102(第2接続端子102g)とが含まれている。第2接続端子102gは、図4および図5を参照して詳述するように、第1接続端子102fとフレキシブル配線基板310との接続状態を検査するためのダミー端子である。
本形態では、複数の接続端子102の配列方向の端に第2接続端子102gが配置されており、第2接続端子102gと隣り合う第1接続端子102fは、定電位供給用である。本形態では、第2接続端子102gと隣り合う第1接続端子102fは、共通電位Vvomの供給用である。
(画素100aの具体的構成)
図3は、本発明を適用した電気光学装置100において素子基板10に形成された膜の構成を示す断面図である。なお、図3では、対向基板20側の構成として共通電極21や配向膜26のみを示してあり、遮光層29やマイクロレンズ27の図示を省略してある。
図3に示すように、素子基板10では、石英基板やガラス基板等の透光性基板10wの電気光学層50側の面(対向基板20と対向する一方面10s側)に画素電極9a、画素スイッチング素子30、および配向膜16等が形成されている。対向基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性基板20wの電気光学層50側の面(素子基板10と対向する一方面20s)に共通電極21および配向膜26等が形成されている。
また、素子基板10において、透光性基板10wの一方面10s側(透光性基板10wと電気光学層50との間)には、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる走査線3aが形成されている。本形態において、走査線3aは、タングステンシリサイド(WSi)からなり、遮光膜としても機能する。このため、電気光学装置100を透過した後の光が他の部材で反射した際、走査線3aは、かかる反射光が半導体層1aに入射して画素スイッチング素子30で光電流に起因する誤動作が発生することを防止する。
走査線3aの上層側(走査線3aと電気光学層50との間)には、シリコン酸化膜等の透光性の層間絶縁膜12が形成されており、かかる層間絶縁膜12の表面側(層間絶縁膜12と電気光学層50との間)に半導体層1aを備えた画素スイッチング素子30が形成されている。画素スイッチング素子30は、薄膜トランジスターであり、半導体層1aと、半導体層1aと直交する方向に延在して半導体層1aに重なるゲート電極3bとを備えている。ゲート電極3bと走査線3aとは、層間絶縁膜12を貫通するコンタクトホール(図示せず)を介して電気的に接続している。
画素スイッチング素子30は、半導体層1aとゲート電極3bとの間に透光性のゲート絶縁層2を有している。半導体層1aは、ゲート電極3bに対してゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1gを備えているとともに、チャネル領域1gの一方の側にソース領域1bおよびチャネル領域1gの他方の側にドレイン領域1cを備えている。本形態において、画素スイッチング素子30は、LDD構造を有している。従って、ソース領域1bおよびドレイン領域1cは各々、チャネル領域1gに隣接して低濃度領域を備え、低濃度領域に対してチャネル領域1gとは反対側で隣接する領域に高濃度領域を備えている。
半導体層1aは、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)によって構成されている。ゲート絶縁層2は、半導体層1aを熱酸化したシリコン酸化膜からなる第1ゲート絶縁層と、温度が700〜900℃の高温条件での減圧CVD法により形成されたシリコン酸化膜からなる第2ゲート絶縁層との2層構造からなる。ゲート電極3bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ゲート電極3bは、導電性のポリシリコン膜からなる。
ゲート電極3bの上層側(ゲート電極3bと電気光学層50との間)には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリコン酸化膜からなる透光性の層間絶縁膜41が形成され、層間絶縁膜41の上層側(層間絶縁膜41と電気光学層50との間)にはデータ線6a、および中継電極6bが同層に形成されている。データ線6aおよび中継電極6bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、データ線6aおよび中継電極6bは、アルミニウム膜等の金属膜の単層膜あるいは積層膜からなる。データ線6aは、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール41aを介してソース領域1bに電気的に接続し、中継電極6bは、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール41bを介してドレイン領域1cに電気的に接続している。
データ線6aおよび中継電極6bの上層側(データ線6aと電気光学層50との間)には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリコン酸化膜からなる透光性の層間絶縁膜42が形成され、層間絶縁膜42の上層側(層間絶縁膜42と電気光学層50との間)には、容量線8aおよび中継電極8bが同層に形成されている。容量線8aおよび中継電極8bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、容量線8aおよび中継電極8bは、アルミニウム膜等の金属膜の単層膜あるいは積層膜からなる。中継電極8bは、層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール42bを介して中継電極6bに電気的に接続している。
容量線8aおよび中継電極8bの上層側(容量線8aと電気光学層50との間)には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリコン酸化膜からなる透光性の層間絶縁膜43が形成され、層間絶縁膜43の上層側(層間絶縁膜43と電気光学層50との間)には容量電極4aが形成されている。容量電極4aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、容量電極4aは、アルミニウム膜等の金属膜の単層膜あるいは積層膜からなる。容量電極4aは、層間絶縁膜43を貫通するコンタクトホール43cを介して容量線8aに電気的に接続している。
容量電極4aの上層側(容量電極4aと電気光学層50との間)には透光性の誘電体層40が形成されており、かかる誘電体層40の上層側(誘電体層40と電気光学層50との間)には容量電極5aが形成されている。容量電極5aは、層間絶縁膜43を貫通するコンタクトホール43bを介して中継電極8b電気的に接続している。誘電体層40としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率の誘電体層を用いることができる。容量電極5aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、容量電極5aは、アルミニウム膜等の金属膜の単層膜あるいは積層膜からなる。このようにして、容量電極5aは、誘電体層40を介して容量電極4aと平面視で重なる領域において保持容量55を構成している。
容量電極5aの上層側(容量電極5aと電気光学層50との間)には層間絶縁膜44が形成されており、かかる層間絶縁膜44の上層側(絶縁層45と電気光学層50との間)には、ITO膜等の透光性導電膜からなる画素電極9aが形成されている。画素電極9aは、層間絶縁膜44を貫通するコンタクトホール45bを介して容量電極5aと電気的に接続している。その結果、画素電極9aは、容量電極5a、中継電極8b、中継電極6bを介してドレイン領域1cと電気的に接続している。層間絶縁膜44および絶縁層45は、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリコン酸化膜からなり、層間絶縁膜44の表面、および絶縁層45の表面はいずれも平坦化されている。
画素電極9aの上層側(画素電極9aと電気光学層50との間)には、ポリイミドや無機配向膜からなる配向膜16が形成されている。本形態において、配向膜16は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al2O3、In2O3、Sb2O3、Ta2O5等の斜方蒸着膜(無機配向膜)からなる。なお、対向基板20の側に形成された配向膜26も、配向膜16と同様、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al2O3、In2O3、Sb2O3、Ta2O5等の斜方蒸着膜(無機配向膜)である。かかる配向膜16、26は、電気光学層50に用いた誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を傾斜垂直配向させ、液晶パネル100pは、ノーマリブラックのVAモードとして動作する。本形態では、配向膜16、26として、各種無機配向膜のうち、シリコン酸化膜(SiOX)の斜方蒸着膜が用いられている。
(接続端子102の構成)
図4は、本発明を適用した電気光学装置100の接続端子102の説明図であり、図4(a)、(b)、(c)には、その平面図、A1−A1′断面図、A2−A2′断面図、およびA3−A3′断面図が示されている。
本形態では、透光性基板10wの辺10eに沿って並ぶように複数の接続端子102が配置されている。複数の接続端子102の各々は、図4を参照して以下に説明するように、画素100aに形成された層間絶縁膜や導電膜(第1導電膜9f、第3導電膜9g、第2導電膜8f、第4導電膜8g、第5導電膜6f、第6導電膜6g、第7導電膜3f、および第8導電膜3g)で構成されている。本形態において、接続端子102のピッチは150μm以上である。ここでいうピッチとは、隣り合う2つの接続端子102のX方向の一方側の端部同士の距離をいい、本形態では、後述する第1接続端子102fおよび第2接続端子102gを含む複数の接続端子102の全部において、ピッチが150μm以上である。なお、図3および図4に示す層間絶縁膜43、44が本発明の「第1層間絶縁膜」に相当し、層間絶縁膜42が本発明の「第2層間絶縁膜」に相当し、層間絶縁膜41が本発明の「第3層間絶縁膜」に相当する。
また、本形態では、以下に説明するように、第1接続端子102fおよび第2接続端子102gを構成するために第1導電膜9f、第2導電膜8f、第3導電膜9g、第4導電膜8g、第5導電膜6f、第6導電膜6g、第7導電膜3f、および第8導電膜3gが用いられている。これらの導電膜のうち、第1導電膜9fおよび第3導電膜9gは透光性導電膜であり、第2導電膜8f、第4導電膜8g、第5導電膜6f、第6導電膜6g、第7導電膜3f、および第8導電膜3gは遮光性導電膜である。
図3および図4に示すように、本形態の電気光学装置100において、接続端子102のうち、各種信号や定電位を供給するための第1接続端子102fは、層間絶縁膜45の上層(層間絶縁膜45と電気光学層50との間/層間絶縁膜45の透光性基板10wとは反対側)に画素電極9aと同層に形成されたITO膜からなる透光性の第1導電膜9fを有している。また、第1接続端子102fは、透光性基板10wと第1導電膜9fとの間(層間絶縁膜42と層間絶縁膜45との間)に容量線8aと同層に設けられた遮光性の第2導電膜8fを有しており、第2導電膜8fは、第1導電膜9fと平面視で重なっている。第2導電膜8fと第1導電膜9fとは、層間絶縁膜45に形成された第1コンタクトホール45fを介して電気的に接続されている。第1導電膜9fは、第1接続端子102fの最上層を構成する導電膜であり、第1コンタクトホール45fの内側面(層間絶縁膜45の側壁)、底部(第2導電膜8fの露出面)、および開口縁の周囲(層間絶縁膜45の縁部近傍)を覆うように形成されている。このため、第1接続端子102fには、第1コンタクトホール45fに起因する凹部が形成されている。
また、第1接続端子102fは、透光性基板10wと第2導電膜8fとの間(層間絶縁膜41と層間絶縁膜42との間)にデータ線6aと同層に設けられた遮光性の第5導電膜6fを有しており、第2導電膜8fと第5導電膜6fとは、平面視で重なっている。第2導電膜8fと第5導電膜6fとは、層間絶縁膜42に形成された複数の第2コンタクトホール42fを介して電気的に接続されている。本形態では、第5導電膜6fは、第1接続端子102fから延在する配線としても形成されている。また、第1接続端子102fは、透光性基板10wと第5導電膜6fとの間(ゲート絶縁層2と層間絶縁膜41との間)にゲート電極3bと同層に設けられた遮光性の第7導電膜3fを有しており、第7導電膜3fは、第5導電膜6fと平面視で重なっている。かかる第7導電膜3fは、第2コンタクトホール42fが形成される領域を平坦面とするためのパッドとして形成されている。ここで、複数の第2コンタクトホール42fは、平面視において、第1コンタクトホール45fの外側に、第1コンタクトホール45fの外縁に沿って形成されている。
図4に示すように、第2接続端子102gは、層間絶縁膜45の上層(層間絶縁膜45と電気光学層50との間、言い換えると層間絶縁膜45の透光性基板10wとは反対側)に形成された透光性の第3導電膜9gを有している。第3導電膜9gは、第1導電膜9fと同層に形成されたITO膜からなる。第3導電膜9gは、第2接続端子102gの最上層を構成する導電膜である。ここで、層間絶縁膜45には凹部45gが形成されており、かかる凹部45gに平面視で重なる領域に第3導電膜9gが形成されている。第3導電膜9gは、凹部45gの内側面、底部および開口縁の周囲を覆うように形成されている。このため、第2接続端子102gには、凹部45gに起因する凹部が形成されている。
また、第2接続端子102gは、遮光性の第4導電膜8gを有している。第4導電膜8gは、透光性基板10wと第3導電膜9gとの間(層間絶縁膜42と層間絶縁膜45との間)に設けられ、第2導電膜8fと同層に設けられている。本形態において、第4導電膜8gは、平面視で凹部45gから離間した位置で凹部45gの少なくとも一部と平面視で重なる透光領域10hを指定するように構成されている。より具体的には、平面視で第4導電膜8gが凹部45gと重ならないように第4導電膜8gの内縁が凹部45gの縁に沿って形成されることにより、第4導電膜8gは、凹部45gの周りを囲む枠状に形成されている。従って、平面視で第4導電膜8gによって囲まれた領域が透光領域102hになっている。
また、第2接続端子102gは、透光性基板10wと第4導電膜8gとの間(層間絶縁膜42と層間絶縁膜43との間)に第5導電膜6fと同層に設けられた遮光性の第6導電膜6gを有しており、第4導電膜8gと第6導電膜6gとは、平面視で重なっている。すなわち、第6導電膜6gも、第4導電膜8gと同様、平面視で凹部45gの周りを囲む枠状に形成されている。また、第2接続端子102gは、透光性基板10wと第6導電膜6gとの間(ゲート絶縁層2と層間絶縁膜41との間)に第7導電膜3fと同層に設けられた遮光性の第8導電膜3gを有しており、第8導電膜3gと第4導電膜8gとは、平面視で重なっている。すなわち、第8導電膜3gも、第4導電膜8gや第6導電膜6gと同様、平面視で凹部45gの周りを囲む枠状に形成されている。
ここで、凹部45gの開口面積は、第1コンタクトホール45fの開口面積より狭い。より具体的には、凹部45gおよび第1コンタクトホール45fは、長方形の平面形状を備えており、平面視において、凹部45gの長辺方向の寸法は、第1コンタクトホール45fの長辺方向の寸法と等しく、凹部45gの短辺方向の寸法が第1コンタクトホール45fの短辺方向の寸法より短い。例えば、凹部45gの短辺方向の寸法が第1コンタクトホール45fの短辺方向の寸法より、5%〜6%(15μm程度)狭い。
(フレキシブル配線基板310と接続端子102との接続構造)
図5は、本発明を適用した電気光学装置100におけるフレキシブル配線基板310と接続端子102との接続構造を模式的に示す説明図であり、図5(a)には、素子基板10にフレキシブル配線基板310を圧着する前の様子が示され、図5(b)には、素子基板10にフレキシブル配線基板310を圧着した後の様子が示されている。
本形態の電気光学装置100において、素子基板10にフレキシブル配線基板310を接続するにあたっては、図5(a)に示すように、素子基板10の接続端子102とフレキシブル配線基板310の電極311との間に、導電粒子7aを含む異方性導電材7を配置した状態でフレキシブル配線基板310を素子基板10に向けて加圧しながら加熱する。その結果、異方性導電材7の樹脂成分によってフレキシブル配線基板310と素子基板10とが接続される。ここで、導電粒子7aは、樹脂製ビーズの表面にニッケル層等の金属層を被覆したものである。また、フレキシブル配線基板310の電極311は、第1接続端子102fにおいて第1コンタクトホール45fに起因して生じた凹部や、第2接続端子102gにおいて凹部45gに起因して生じた凹部より平面サイズが小さいため、電極311は、第1接続端子102fの凹部や、第2接続端子102gの凹部に入り込む。従って、図5(b)に示すように、第1接続端子102fの側では、第1コンタクトホール45fの底部で、フレキシブル配線基板310の電極311と第1接続端子102fの第1導電膜9fとの間で導電粒子7aが潰れ、電極311と第1接続端子102fとが導電粒子7aを介して電気的に接続される。また、第2接続端子102gの側でも、第1接続端子102fの側と同様、凹部45gの底部で、フレキシブル配線基板310の電極311と第2接続端子102gの第3導電膜9gとの間で導電粒子7aが潰れる。
ここで、素子基板10に用いた透光性基板10wの裏面側(透光性基板10wに対して第2接続端子102gとは反対側)から接続端子102を観察すると、第1接続端子102fでは、導電粒子7aの数や潰れ具合が観察できないが、第2接続端子102gでは、矢印Lで示すように、透光領域102hから導電粒子7aの数や潰れ具合を観察することができる。従って、第2接続端子102gの透光領域102hから導電粒子7aの数や潰れ具合を観察した結果、その数等が適正であれば、フレキシブル配線基板310の電極311と第1接続端子102fの第1導電膜9fとが適正に電気的に接続されたことがわかる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の電気光学装置100において、各種信号や定電位を供給するための第1接続端子102fについては、第1導電膜8fが層間絶縁膜45(第1層間絶縁膜)の第1コンタクトホール45fを介して第2導電膜8fと電気的に接続している。このため、第1導電膜9gには第1コンタクトホール45fに起因する凹部が形成されるため、ダミー用に第2接続端子102gについては、層間絶縁膜45に凹部45gを設け、かかる凹部45gを覆うように、第1導電膜9fと同層の第3導電膜9gを設けてある。このため、第1接続端子102fおよび第2接続端子102gに対してフレキシブル配線基板310の電極311が同等の条件で接続する。
また、第2接続端子102gでは、凹部45gの少なくとも一部と平面視で重なる透光領域102hを規定する第4導電膜8gが設けられている。このため、第1接続端子102fおよび第2接続端子102gに対してフレキシブル配線基板310の電極311を、導電粒子7aを介して電気的に接続した後、透光性基板10wの裏面側から第4導電膜8gによって規定された透光領域102h内で潰れた導電粒子7aの数等を検査すれば、第1接続端子102fとフレキシブル配線基板310の電極311との接続構造を検査することができる。
ここで、第4導電膜8gは、平面視で凹部45gから離間した位置に設けられているため、凹部45gの底部には、第4導電膜8gに起因する段差が発生しない。それ故、第1接続端子102fおよび第2接続端子102gに対してフレキシブル配線基板310の電極311が同等の条件で接続するので、第2接続端子102gとフレキシブル配線基板310の電極311との接続状態を検査すれば、第1接続端子102fとフレキシブル配線基板310の電極311との接続状態を正確に検査することができる。特に本形態では、接続端子102のピッチが150μm以上であって、接続端子102の数が多い。このため、接続端子102が長い領域にわたって配置されているため、接続端子102とフレキシブル配線基板310の電極311との接続に不具合が発生しやすいが、本形態によれば、このような場合でも、第1接続端子102fとフレキシブル配線基板310の電極311との接続状態を正確に検査することができる。
また、本形態では、透光領域102hを規定するにあたって、第3導電膜8gは、凹部45gの周りを囲む枠状に形成されている。このため、透光領域102hを明確に規定することができるので、透光性基板10wの裏面側から透光領域102h内で潰れた導電粒子の数等を検査しやすい。
また、第2接続端子102g側の凹部45gの開口面積は、第2接続端子102g側の第1コンタクトホール45fの開口面積より狭い。従って、凹部45gおよび第1コンタクトホール45fを形成する際、エッチングマスクでは、凹部45gを形成するための開口部の面積が第1コンタクトホール45fを形成するための開口部の面積より狭い。ここで、深さ方向のエッチング速度は、エッチングマスクの開口部の面積に依存し、狭い開口部でのエッチング速度は、広い開口部でのエッチング速度より遅くなる。このため、第1コンタクトホール45fと凹部45gとを同一のエッチング工程で形成する際、凹部45g側でのエッチング速度は、第1コンタクトホール45f側でのエッチング速度より遅い。従って、第1コンタクトホール45fの底部で第2導電膜8fが完全に露出するようにオーバーエッチングを行った時点で、凹部45gは第1コンタクトホール45fと同等の深さとすることができる。従って、凹部45gの底部では、第1コンタクトホール45fの底部と同様に導電粒子7aが潰れることになるので、第2接続端子102gとフレキシブル配線基板310の電極311との接続状態を検査すれば、第1接続端子102fとフレキシブル配線基板310の電極311との接続状態を正確に検査することができる。
しかも、凹部45gは第1コンタクトホール45fと同等の深さであるため、第2接続端子102gでも、第1接続端子102fと同等の圧着強度が得られる、従って、複数の第1接続端子102fのうち、第2接続端子102gに近い第1接続端子102fで接続抵抗が大きくなってしまうという事態の発生を抑制することができる。
また、平面視において、凹部45gの長辺方向の寸法は、第1コンタクトホール45fの長辺方向の寸法と等しく、凹部45gの短辺方向の寸法が第1コンタクトホール45fの短辺方向の寸法より短い。このため、第1接続端子102fおよび第2接続端子102gに対してフレキシブル配線基板310の電極311が同等の条件で接続する。また、凹部45g側でのエッチング速度を第1コンタクトホール45f側でのエッチング速度より確実に遅くすることができるので、凹部45gは第1コンタクトホール45fと同等の深さとなる。
また、第2接続端子102gは、複数の接続端子102の端に配置されているため、第2接続端子102gでの圧着強度が第1接続端子102fと相違している場合でも、その影響が及ぶ第1接続端子102fの数を最小限とすることができる。しかも、第2接続端子102gに隣り合う第1接続端子102fは、定電位供給用(共通電位Vcom供給用)の端子(図2に示す端子TVcom)である。このため、第2接続端子102gでの圧着強度が第1接続端子102fと相違し、その影響が隣りの第1接続端子102fに及んで接続抵抗が高くなった場合でも、定電位供給用であれば、その影響が電気光学装置100の動作に及びにくい。また、本形態において、第2接続端子102gが複数の接続端子102の端に配置されており、2つの第2接続端子102gに隣り合う2つの第1接続端子102fは、いずれも、共通電位Vcom供給用の端子(図2に示す端子TVcom)である。このため、2つの第2接続端子102gに隣り合う2つの第1接続端子102fにおいて接触抵抗が高い場合でも、接触抵抗の影響が電気光学装置100の動作に及びにくい。
また、平面視で、第2導電膜8fと第5導電膜6fとを電気的に接続する第2コンタクトホール42fは、第1コンタクトホール45aの外側に配置されているため、第1コンタクトホール45fの底部には第2コンタクトホール42fに起因する凹凸が発生しない。それ故、第1接続端子102fに対してフレキシブル配線基板310の電極311を確実に電気的に接続することができる。
また、第2接続端子102gでは、第5導電膜6fと同層の第6導電膜6gや、第7導電膜3fと同層の第8導電膜3gが設けられている。このため、第2接続端子102g付近の構成を第1接続端子102fと同様とすることができるので、第1接続端子102fおよび第2接続端子102gに対してフレキシブル配線基板310の電極311が同等の条件で接続することになる。それ故、第2接続端子102gとフレキシブル配線基板310の電極311との接続状態を検査すれば、第1接続端子102fとフレキシブル配線基板310の電極311との接続状態を正確に検査することができる。
[他の実施の形態]
図6は、本発明を適用した電気光学装置100の第2接続端子102gの変形例を示す説明図である。上記実施の形態では、透光領域102hを規定するにあたって、第3導電膜8gを、凹部45gの周りを囲む枠状に形成したが、図6(a)に示すように、第3導電膜8gを、凹部45gの外側で凹部45gの4つの角に対応する4個所のみに設けてもよい。かかる構成でも、4つの第3導電膜8gを直線的に結ぶと四角形の透光領域102hを規定することができるので、透光性基板10wの裏面側から透光領域102h内で潰れた導電粒子の数等を検査することができる。
また、図6(b)に示すように、第3導電膜8gを、凹部45gを相対向する位置で挟む2個所のみに設けてもよい。かかる構成でも、4つの第3導電膜8gによって挟まれた領域によって四角形の透光領域102hを規定することができる。それ故、透光性基板10wの裏面側から透光領域102h内で潰れた導電粒子の数等を検査することができる。
なお、上記実施の形態では、第2接続端子102gに隣り合う第1接続端子102fが、定電位供給用(共通電位Vcom供給用)の端子(図2に示す端子TVcom)であったが、他の定電位供給用の端子、例えば、図2に示す端子TVDDX、TVDDY、TVSSX、TVSSY)を第2接続端子102gに隣り合う第1接続端子102fとしてもよい。
また、上記実施の形態では、第1導電膜9fが第3導電膜9gと同層の透光性導電膜である構成であったが、第1導電膜9fが遮光性導電膜の場合に本発明を適用してもよい。
[他の電気光学装置]
上記実施の形態では、電気光学装置として液晶装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマディスプレイ、FED(Field Emission Display)、SED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)、LED(発光ダイオード)表示装置、電気泳動表示装置等の電気光学装置に本発明を適用してもよい。
[電子機器への搭載例]
(投射型表示装置および光学ユニットの構成例)
図7は、本発明を適用した投射型表示装置(電子機器)および光学ユニットの概略構成図である。
図7に示す投射型表示装置110は、観察者側に設けられたスクリーン111に光を照射し、このスクリーン111で反射した光を観察する、いわゆる投影型の投射型表示装置である。投射型表示装置110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー113、114と、液晶ライトバルブ115〜117と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119(合成光学系)と、リレー系120とを備えており、電気光学装置100およびクロスダイクロイックプリズム119は、光学ユニット200を構成している。
光源112は、赤色光R、緑色光G、および青色光Bを含む光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー113は、光源112からの赤色光Rを透過させるとともに、緑色光G、および青色光Bを反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー114は、ダイクロイックミラー113で反射された緑色光Gおよび青色光Bのうち青色光Bを透過させるとともに緑色光Gを反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー113、114は、光源112から出射した光を赤色光Rと緑色光Gと青色光Bとに分離する色分離光学系を構成する。
ここで、ダイクロイックミラー113と光源112との間には、インテグレーター121および偏光変換素子122が光源112から順に配置されている。インテグレーター121は、光源112から照射された光の照度分布を均一化する構成となっている。また、偏光変換素子122は、光源112からの光を、例えばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光にする構成となっている。
液晶ライトバルブ115は、ダイクロイックミラー113を透過して反射ミラー123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。液晶ライトバルブ115は、λ/2位相差板115a、第1偏光板115b、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)、および第2偏光板115dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ115に入射する赤色光Rは、ダイクロイックミラー113を透過しても光の偏光は変化しないことから、s偏光のままである。
λ/2位相差板115aは、液晶ライトバルブ115に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板115bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)は、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板115dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ115は、画像信号に応じて赤色光Rを変調し、変調した赤色光Rをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
なお、λ/2位相差板115a、および第1偏光板115bは、偏光を変換させない透光性のガラス板115eに接した状態で配置されており、λ/2位相差板115a、および第1偏光板115bが発熱によって歪むのを回避することができる。
液晶ライトバルブ116は、ダイクロイックミラー113で反射した後にダイクロイックミラー114で反射した緑色光Gを画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。かかる液晶ライトバルブ116は、液晶ライトバルブ115と同様に、第1偏光板116b、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)、および第2偏光板116dを備えている。液晶ライトバルブ116に入射する緑色光Gは、ダイクロイックミラー113、114で反射されて入射するs偏光である。第1偏光板116bは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。また、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)は、s偏光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。そして、第2偏光板116dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ116は、画像信号に応じて緑色光Gを変調し、変調した緑色光Gをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
液晶ライトバルブ117は、ダイクロイックミラー113で反射し、ダイクロイックミラー114を透過した後でリレー系120を経た青色光Bを画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。かかる液晶ライトバルブ117は、液晶ライトバルブ115、116と同様に、λ/2位相差板117a、第1偏光板117b、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)、および第2偏光板117dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ117に入射する青色光Bは、ダイクロイックミラー113で反射してダイクロイックミラー114を透過した後にリレー系120の後述する2つの反射ミラー125a、125bで反射することから、s偏光となっている。
λ/2位相差板117aは、液晶ライトバルブ117に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板117bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)は、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板117dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ117は、画像信号に応じて青色光Bを変調し、変調した青色光Bをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。なお、λ/2位相差板117a、および第1偏光板117bは、ガラス板117eに接した状態で配置されている。
リレー系120は、リレーレンズ124a、124bと反射ミラー125a、125bとを備えている。リレーレンズ124a、124bは、青色光Bの光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。ここで、リレーレンズ124aは、ダイクロイックミラー114と反射ミラー125aとの間に配置されている。また、リレーレンズ124bは、反射ミラー125a、125bの間に配置されている。反射ミラー125aは、ダイクロイックミラー114を透過してリレーレンズ124aから出射した青色光Bをリレーレンズ124bに向けて反射するように配置されている。また、反射ミラー125bは、リレーレンズ124bから出射した青色光Bを液晶ライトバルブ117に向けて反射するように配置されている。
クロスダイクロイックプリズム119は、2つのダイクロイック膜119a、119bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜119aは青色光Bを反射して緑色光Gを透過する膜であり、ダイクロイック膜119bは赤色光Rを反射して緑色光Gを透過する膜である。従って、クロスダイクロイックプリズム119は、液晶ライトバルブ115〜117の各々で変調された赤色光Rと緑色光Gと青色光Bとを合成し、投射光学系118に向けて出射するように構成されている。
なお、液晶ライトバルブ115、117からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はs偏光であり、液晶ライトバルブ116からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はp偏光である。このようにクロスダイクロイックプリズム119に入射する光を異なる種類の偏光としていることで、クロスダイクロイックプリズム119において各液晶ライトバルブ115〜117から入射する光を合成できる。ここで、一般に、ダイクロイック膜119a、119bはs偏光の反射トランジスター特性に優れている。このため、ダイクロイック膜119a、119bで反射される赤色光R、および青色光Bをs偏光とし、ダイクロイック膜119a、119bを透過する緑色光Gをp偏光としている。投射光学系118は、投影レンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム119で合成された光をスクリーン111に投射するように構成されている。
(他の投射型表示装置)
投射型表示装置においては、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
(他の電子機器)
本発明を適用した電気光学装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
[本発明の参考例]
図8は、本発明の参考例に係る電気光学装置の接続端子の説明図である。図9は、本発明の参考例に係る電気光学装置の問題点を示す説明図である。なお、接続端子の構成等を説明するにあたっては、図1〜図5を参照して説明した構成との対応が分かりやすいように、対応する部分には同一の符号を付して説明する。
本発明の参考例に係る電気光学装置では、図8に示すように、接続端子102のうち、各種信号や定電位を供給するための第1接続端子102fについては、第1導電膜9fが層間絶縁膜45(第1層間絶縁膜)の第1コンタクトホール45fを介して第2導電膜8fと電気的に接続した構造を有している。かかる構成の場合、第1導電膜9fには第1コンタクトホール45fに起因する凹部が形成される。このため、ダミー用の第2接続端子102gについては、層間絶縁膜45に形成した凹部45gを覆うように、第1導電膜9fと同層の第3導電膜9gを設けるとともに、平面視で凹部45gの外縁と重なる位置に、第2導電膜8fと同層の第4導電膜8gを枠状に形成した構造にしてある。ここで、凹部45gの開口面積は第1コンタクトホール45fの開口面積と同一である。
また、第1接続端子102fの側では、透光性基板と層間絶縁膜42(第2層間絶縁膜)との間に設けられた第5導電膜6fを層間絶縁膜42に形成された第2コンタクトホール42fを介して第2導電膜8fと電気的に接続するとともに、第2接続端子102gの側では、第5導電膜6fと同層の第6導電膜6gを平面視で第4導電膜8gと重なるように枠状に設けてある。
さらに、第1接続端子102fの側では、透光性基板と層間絶縁膜41(第3層間絶縁膜)との間に第7導電膜3fを第5導電膜6fと平面視で重なるように設けるとともに、第2接続端子102gの側では、第7導電膜3fと同層の第8導電膜3gを平面視で第6導電膜6gと重なるように枠状に設けてある。
かかる構成の場合、第1接続端子102fおよび第2接続端子102gに対してフレキシブル配線基板の電極が同等の条件で接続するので、第2接続端子102gにおいて、透光性基板の裏面側から枠状の第4導電膜8gで囲まれた透光領域102h内で潰れた導電粒子の数を検査すれば、第1接続端子102fとフレキシブル配線基板の電極との接続構造を検査することができる。
しかしながら、図8に示す構成では、以下の問題点がある。まず、第2接続端子102gの側では、平面視で凹部45gの外縁と重なる位置に枠状の第4導電膜8gが設けられているため、凹部45gの底部には、第4導電膜8gに起因する段差が発生しやすい。このため、凹部45gの底部と第1コンタクトホール45fの底部とでは、導電粒子の潰れ具合が異なってしまい、第1接続端子102fとフレキシブル配線基板の電極との接続構造を正確に検査することができなくなってしまう。
また、図8に示す構成では、第1コンタクトホール45fと凹部45gとを同一のエッチング工程で形成することになるが、エッチングの際、第1コンタクトホール45fの底部では第2導電膜8fがエッチングストッパーとして存在するのに対して、凹部45gの底部にはエッチングストッパーが存在しない。このため、第1コンタクトホール45fの底部で第2導電膜8fが完全に露出するようにオーバーエッチングを行うと、図9(a)に示すように、凹部45gが第1コンタクトホール45fより最大で70nm程度深くなってしまう。このため、フレキシブル配線基板310を均等に加圧した場合でも、凹部45gの底部では導電粒子7aに加わる圧力が小さくなってしまう。従って、凹部45gの底部では、第1コンタクトホール45fの底部よりも導電粒子7aが潰れにくいので、第1接続端子102fとフレキシブル配線基板310の電極311との接続構造を正確に検査することができなくなってしまう。また、フレキシブル配線基板310を均等に加圧した場合でも、図9(b)に示すように、凹部45gが第1コンタクトホール45fより深いと、第2接続端子102g、および第2接続端子102gと隣り合う第1接続端子102fでは、導電粒子7aに加わる圧力が小さくなってしまい、図9(c)に示すように、複数の第1接続端子102fのうち、第2接続端子102gに近い第1接続端子102fでは圧着強度が低くなってしまう。その結果、複数の第1接続端子102fのうち、第2接続端子102gに近い第1接続端子102fでは接続抵抗が大きくなってしまうという問題点もある。