JP2014185838A - 冷却システム - Google Patents

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直樹 長谷川
Hiroya Nakaji
宏弥 中路
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Abstract

【課題】耐酸化性性能に優れたイオン交換樹脂を採用することにより、長期の使用においても冷却液が酸化せず、過酸化物存在下でも低電気導電率が維持できる冷却システムを提供すること。
【解決手段】本発明に係る冷却システムは、冷却液と、前記冷却液を循環させる冷却液循環手段と、前記冷却液循環手段内に導入されたイオン交換樹脂とを備えている。前記イオン交換樹脂は、アルキルアンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、セリウムイオン、及び、マンガンイオンからなる群から選ばれるいずれか1以上のイオンでイオン交換されている。前記冷却液循環手段内には、さらに、ビスマス化合物、ジルコニウム化合物、マンガン化合物、及び、希土類化合物からなる群から選ばれるいずれか1以上の難溶性化合物が導入されていても良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷却システムに関し、さらに詳しくは、過酸化水素等の過酸化物が共存する可能性のある冷却系(特に燃料電池、その中でも自動車用燃料電池)に使用される冷却液中のイオン成分除去、及びイオン成分に起因する漏れ電流腐食の低減が可能な冷却システムに関する。詳細には、長期の使用においても冷却液が酸化劣化せず、冷却液の導電率を上昇させることのない冷却システムに関する。
一般的に、燃料電池のスタックは、複数の単電池の積層体であり、数層の単電池から構成されるサブスタック毎にスタック(単電池)を冷却するための冷却板が介装されている。冷却板内部には、冷却液通路が形成されており、その冷却液通路を冷却液が流れることによってスタックが冷却される。このように、燃料電池の冷却液は、発電を実行しているスタック内、すなわちサブスタック間を循環するため、スタック外部への漏電及び冷却液の抵抗に起因する発電効率の低下(エネルギーロス)を防止するために高い絶縁性能が要求される。これら絶縁性能の確保、冷却効率の確保等の要求を満たすため、従来技術では純水に、凍結を防止するエチレングリコールやプロピレングリコール等のグリコール類を混合した液、及びこれらに酸化防止剤を添加したものが冷却液として用いられている。
ところが、燃料電池作動中に冷却液の導電率が増加し、絶縁不足となる、いわゆる漏洩電流による金属材料の腐食が問題となっている。ここで言う「高電位部分」とは、冷却液が構造上接する可能性があるバイポーラプレート、ターミナルプレート、エンドプレート等の金属材料に存在し、冷却液側から見た漏れ電流の流入場所(液への電子放出場所;アノード電気化学反応が起きている箇所)である。そのため、燃料電池スタックにおいて金属材料が冷却液と接する箇所の絶縁体策は十分に行う必要にせまられていた。また、冷却液の導電率が許容水準に収まる様に冷却液中のイオン成分をイオン交換樹脂やキレート樹脂(以下、両者を合わせて広義の意味で「イオン交換樹脂」ともいう)で吸着除去する取り組みがなされている。
例えば、特許文献1には、イオン交換樹脂を装填したカートリッジを冷却経路に装着し、冷却液の導電率が増加しないようにする試みが成されている。これにより冷却液の初期導電率は低く抑えられるものの、過酷な運転を行うと比較的短期間でカートリッジ内のイオン交換樹脂を新品と取り替えざるを得ない場合があった。
また、特許文献2には、金属材料の腐食抑制剤、例えばベンゾトリアゾール(BTA)等のアゾール化合物を担持したイオン交換樹脂が開示されている。同文献には、冷却液に直接、腐食抑制剤を溶解させた場合よりも冷却液の導電率を小さくできる点が記載されている。
しかしながら、これらアゾール化合物を担持したイオン交換樹脂を用いても、使用中に冷却液の導電率は徐々に増加する問題があった。即ち、これら腐食抑制剤は、あくまでも金属材料の腐食抑制を目的としたものであり、冷却液中のグリコールの酸化防止或いはイオン交換樹脂の酸化防止には、必ずしも満足のいくものではなかった。
上記冷却液の導電率が増加する機構としては、従来は冷却液及び冷却系材料から眺めたもの、例えば、
(1)冷却液の成分であるグリコール類の酸化、及び熱による分解(ギ酸やグリコール酸、シュウ酸等の有機酸と炭酸の生成)、
(2)冷却液と接している材料からのイオン(セパレータ、マニホールド、熱交換器等からの金属イオン、及びろう付けフラックス残渣のイオンや樹脂材料からの不純物イオン)溶出
の2つが主要なものと考えられていた。
ところが、最近の検討によれば、これら(1)と(2)とは別に、本来低い導電率を維持する目的で使用されているイオン交換樹脂そのものが、冷却液に含まれる不純物金属イオンが持つ酸化触媒作用により酸化分解を受けてイオン成分が増加すると共に、イオン交換容量が低下して冷却液の導電率が増加している可能性が指摘され始めている。
例えば、特許文献3の段落番号「0011」〜「0015」によれば、「溶存酸素や微量過酸化水素の存在下でイオン交換樹脂はまず、陽イオン交換樹脂が鉄イオンや銅イオン等の重金属イオンの触媒作用により分解を受け、陽イオン交換樹脂の劣化生成物が陰イオン交換樹脂に吸着し陰イオン交換樹脂の反応性を低下させ、結果的に両イオン交換樹脂の交換容量が低下する」というイオン交換樹脂の劣化メカニズムが提示されている。
燃料電池用冷却経路には一般に補充用のリザーブタンクが備え付けられており、そこは微小開口部ではあるが大気開放されている。すなわち、酸素と冷却液は不可避的に接触している。また冷却系の配管材料やポンプの金属材料にはステンレスや真鍮が普通に用いられている。すなわち、これら金属材料から酸化触媒能のある鉄、クロム、銅等の金属イオンが溶け出し、大気中の酸素及び溶存酸素によりイオン交換樹脂の酸化劣化が引き起こされうる状態となっている。
更にこれはまだ未解明の点が多いが、上記冷却液中では過酸化水素等の過酸化物が生成するため、有機材料の酸化劣化が促進されると共に金属材料の腐食も増して「負のループ」が生じ、冷却液の導電率が増加していると考えられる。上記過酸化物が冷却水中で生成(溶出)する原因は、以下が考えられる。
(1)冷却系で用いられる樹脂材料(シール材等)の架橋に用いられている未反応過酸化物の溶出。
(2)イオン交換樹脂や冷却液が気相或いは液相で酸素と反応(酸化)することによる過酸化物の生成(漏れ電流箇所以外でも進行)。
(3)電極で副生成する過酸化水素の、シール不良によるアノード又はカソード気体流路から冷却水流路への浸出。
(4)漏れ電流箇所での電気化学的酸化・還元反応による過酸化物の生成(漏れ電流箇所でのみ進行)。
これらの中で、特に(3)、(4)は、燃料電池用冷却液に特有の課題である。以下では、(4)の積層スタック特有の課題である「漏れ電流」と関係する過酸化物生成現象について更に詳しく説明する。過酸化物の例として、過酸化水素を取り上げてみる。
過酸化水素は、下記(1)式及び(2)式のように還元反応、酸化反応のいずれでも生成(分解)することが知られている。
(a)酸素の二電子還元反応
2+2e-+2H+→H22 E0=0.68V-0.08pH vs NHE ・・・(1)
(b)水の酸化反応
22+2H++2e-→2H2O E0=1.77V-0.068pH vs NHE ・・・(2)
例えば、pH=7の水溶液中では、
(1)式から0.27Vより低い電位、又は、
(2)式から1.36Vよりも高い電位
においては、過酸化水素の生成が熱力学的に起き得ることがわかる。通常の冷却液中では、溶存酸素が十分に存在するため、冷却水路で用いられているTiやSUS等の金属材料の表面は酸化物で覆われ、平衡電位は0.27V〜1.36Vの間にある。従って、電圧が印加されていない金属材料表面では過酸化水素の生成は起き得ない。
ところが、複数セルが直列に積層しているスタックにおいては電圧が印加されており、漏れ電流が流入又は流出する箇所の金属材料の表面電位は、高電圧部位(陽極側)では1.36Vよりも貴に、低電圧(陰極側)の部位では0.27Vよりも卑になり得る。従って、漏れ電流が発生している冷却水路内で過酸化水素の生成が起きることになる。注意すべき点は、固体高分子型燃料電池のセル電圧は通常1セル当たり1.0V以下であるので、この過酸化水素が生成する現象はあくまでも複数セルを直列に積層した場合に顕著になるという点にある。この冷却系における過酸化物の生成及びこれによる冷却液の導電率の増加については、これまでほとんど未検討であった。即ち、冷却液の導電率増加は、従来は一般的に有機物、特に冷却液のグリコール類の酸化劣化現象として捉えられ、上記酸化防止を克服する方法としては、冷却液に有機系或いは無機系の酸化防止剤を添加する施策が一般的であった。
しかしながら、上記酸化防止剤は冷却液成分であるグリコール類の酸化防止には有効であっても、イオン交換樹脂の酸化安定性の改善には必ずしも有効でないことも多い。これを改善するために、酸化防止剤を冷却液に添加するのではなく、これらイオン交換樹脂に直接添加(担持)する施策(特許文献2)も考えられている。但し、これら酸化防止剤は、イオン交換性能を阻害し易く、また有機系酸化防止剤は通常過酸化物やその分解生成物であるラジカルに脆弱である。更に有機系酸化防止剤の多くは可溶性であるため、イオン交換樹脂に固定することが難しい。即ち、有機系酸化防止剤を用いて長期間にわたってイオン交換樹脂の酸化劣化を抑制することは極めて困難であった。
一方、無機系添加剤を用いてイオン交換樹脂の耐酸化性を改善する方法としては、酸化鉄等の遷移金属酸化物固体(特許文献3)や酸化アルミニウムや酸化銅、酸化チタン微粒子(特許文献4)をイオン交換樹脂に添加する方法が知られている。但し、我々の検討によれば酸化鉄や酸化銅等の遷移金属酸化物は酸化触媒活性が過剰であるため、逆にイオン交換樹脂やグリコール類の酸化を促す恐れがあることが分かってきた。また、酸化アルミニウム等の酸化物微粒子を添加してもイオン交換樹脂の酸化抑制作用はほとんど見られないことも判明した。これらのことからすると、上記イオン交換樹脂の酸化安定性を従来の方法以外で改善するべきであると理解される。しかしながら、一般的にこれらのイオン交換樹脂は比較的耐酸化性に劣る芳香族骨格を持つため、陽イオン交換性能を阻害せずに高分子骨格を安定化して耐酸化性を向上させることは容易でなかった。
例えば、芳香族骨格を持つ固体高分子型燃料電池用炭化水素系陽イオン交換膜の耐酸化性を上げるために、Mg2+、Ca2+、Al3+、La3+等で酸基部分を一部イオン交換することが有効であることが知られている(特許文献5)。しかしながら、これらはあくまでも陽イオン交換樹脂が燃料電池用電解質膜として用いられた場合の「プロトン伝導性高分子電解質膜」の安定性改善に限った話である。即ち、特定のイオンをイオン交換したイオン交換樹脂を冷却系に適用したものではなく、それらのイオンが冷却液及びイオン交換樹脂の過酸化水素による酸化劣化を共に抑制できることを述べているものではない。実際にこれらのイオンをイオン交換した樹脂の酸化安定性をグリコール類を含む過酸化水素添加冷却液中で調べても、その多くは効果が無いか、あるいは逆に導電率を増加させるものがほとんどであった。この理由は不明であるが、単に水のみを溶媒とした場合に比べ、冷却液にはグリコール類が多量に含まれることが関係していると思われる。
即ち、求められる対策とは、「イオン交換樹脂自身の安定性」と「グリコール類の安定性」の両者を改善できるものでなくてはならない。また、上記酸化物固体を冷却水路へ添加すると金属材料やイオン交換樹脂をエロージョンにより損傷しやすいことが問題となる。また、酸化物固体や酸化防止剤を冷却液へ添加することは回収した廃冷却液の分別や再処理工程が煩雑となり環境負荷が過大となる問題も存在する。即ち、もしも可能であるならば酸化物固体や酸化防止剤の添加に頼ることなく、従来のイオン交換樹脂をそのままに近い形で用いて冷却液を長期間にわたって低導電率に保つ経済的な施策が求められていた。
また、上記燃料電池用冷却液ではないが、沸騰水型原子力発電所の冷却水には原子炉近傍での放射線分解により過酸化水素が発生し、これが冷却系に装填してあるイオン交換樹脂を酸化劣化して低い電気伝導率を維持できなくなる問題があった。そのため、過酸化水素分解塔を設置し、比較的短期間にイオン交換樹脂を入れ替える必要があった。それを防ぐためにFe23等の酸化物を添加する試み(特許文献3)がなされているが、必ずしもその効果は十分とは言えない状況である。
特開2008−004451号公報 国際公開第2007/002558号 特開平11−216372号公報 国際公開第2004/091028号 特開2004−018573号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐酸化性能に優れたイオン交換樹脂を採用することにより、長期の使用においても冷却液が酸化せず、過酸化物存在下でも低電気導電率が維持できる冷却システムを提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、燃料電池スタックの冷却に用いた場合において、漏洩電流による冷却系の金属材料の腐食を抑制することが可能な冷却システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る冷却システムは、
冷却液と、
前記冷却液を循環させる冷却液循環手段と、
前記冷却液循環手段内に導入されたイオン交換樹脂と
を備え、
前記イオン交換樹脂は、アルキルアンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、セリウムイオン、及び、マンガンイオンからなる群から選ばれるいずれか1以上のイオンでイオン交換されていることを要旨とする。
冷却液循環手段内に、特定のイオンでイオン交換したイオン交換樹脂を導入すると、長期間の使用においても冷却液の酸化劣化を抑制することができる。また、これによって冷却液を低導電率に維持すること、及び漏れ電流による金属材料の腐食を抑制することができる。これは、イオン交換樹脂内に存在する特定のイオンが、過酸化物又は過酸化物ラジカルを無害化するためと考えられる。
固体高分子型燃料電池システムの概略図である。 燃料電池スタックの概略図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 冷却システム]
本発明に係る冷却システムは、
冷却液と、
前記冷却液を循環させる冷却液循環手段と、
前記冷却液循環手段内に導入されたイオン交換樹脂と
を備えている。
前記冷却液循環手段内には、さらに添加剤(例えば、ビスマス化合物、ジルコニウム化合物、マンガン化合物、及び、希土類化合物からなる群から選ばれるいずれか1以上の難溶性化合物)が導入されていても良い。
[1.1. 冷却液]
冷却液は、冷却循環手段内を循環する。冷却液の組成は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な組成を選択することができる。
冷却液としては、具体的には、
(1)水、
(2)不凍性を与えるために、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール、グリコールエーテル等のグリコール類を水に添加した混合液(いわゆる、不凍液)、
などがある。
後述するように、イオン交換樹脂は、冷却液循環手段内に導入される。イオン交換樹脂は、水中であっても、不凍液中であっても過酸化水素による導電率の増加を抑制できる。これは、イオン交換樹脂が部分イオン交換されることにより、イオン交換樹脂の耐酸化性が向上するとともに、冷却液成分のグリコール類の酸化安定性も改善できるためと考えられる。
[1.2. 冷却液循環手段]
冷却液循環手段は、熱源と熱交換器との間で冷却液を循環させるための手段である。本発明に係る冷却システムが適用される装置(すなわち、熱源の種類)は特に限定されるものではなく、あらゆる装置(熱源)に対して、本発明を適用することができる。
特に、本発明に係る冷却システムは、単電池の積層体(スタック)を備えた燃料電池の積層体を冷却するための冷却手段として用いるのが好ましい。本発明に係る冷却システムを燃料電池の冷却手段として用いると、過酸化物に起因する漏洩電流を抑制することができる。なお、燃料電池に対して本発明を適用した具体例については、後述する。
[1.3. イオン交換樹脂]
イオン交換樹脂は、冷却液循環手段内に導入される。本発明において、イオン交換樹脂は、アルキルアンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、セリウムイオン、及び、マンガンイオンからなる群から選ばれるいずれか1以上のイオンでイオン交換されている。
[1.3.1. イオン交換の効果]
上述したイオンは、いずれもイオン交換樹脂に導入されると、イオン交換樹脂自身の耐酸化性を向上させ、また樹脂を劣化させる鉄イオンの触媒活性を減じる働きがある。
この詳しい作用は不明であるが、上記のイオンはイオン交換樹脂に吸着された状態で過酸化水素H22で代表される過酸化物を次の(3)式のような接触分解反応により無害化し、ヒドロキシラジカルの生成を防止する作用が大きいと考えられる。
2H22→2H2O+O2 ・・・(3)
また、セリウムイオンやマンガンイオンについては、活性なヒドロキシラジカル・OHを無害なヒドロキシイオンOH-に還元(クエンチ)して、イオン交換樹脂の低分子化及び有機酸の生成を防止する作用があるためと考えられる。次の(4)式に、Ce3+イオンによるヒドロキシラジカルの還元反応の一例を示す。
Ce3++・OH→Ce4++OH- ・・・(4)
[1.3.2. イオン交換樹脂の種類]
イオン交換樹脂は、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、キレート樹脂、両性イオン交換樹脂に大別される。また、陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂を適当な割合で混合した純水製造用の精製イオン交換樹脂もある。本発明は、いずれの樹脂に対しても適用できる。
これらの中でも、陽イオン交換樹脂及びキレート樹脂は、耐酸化性に改善効果のあるイオンを導入しやすいので、本発明において用いられるイオン交換樹脂として好適である。
一方、陰イオン交換樹脂においては多量の陽イオンを保持させることは困難であるが、いわゆるドナン吸着したレベルの微量陽イオンでも樹脂の耐酸化性を向上できる場合がある。
なお、イオン交換処理の際に陰イオン交換樹脂の最表面には、添加した化合物に由来した水酸化物がコロイド状に沈着する場合がある。これは、冷却系で生成した過酸化物を上述した(3)式により無害化する接触分解触媒として働くとともに、後述するイオン交換樹脂相互の「絡み」を防止する作用も有することから好ましい形態である。
ここで、イオン交換基の対イオンについては、イオン交換のし易さと、対イオンを容易に後処理できる観点及びハロゲンイオンの残留による腐食防止の観点とから、陽イオン交換樹脂はNa体よりもH体が好ましい。同様の理由から、陰イオン交換樹脂はCl体よりもOH体となっていることが好ましい。
一方、低導電率を維持する観点からは、イオン交換樹脂の中でも特に塩基性陰イオン交換樹脂、その中でも四級アンモニウム基を交換基とする樹脂で、塩基性の強いトリメチルアンモニウム、ジメチルエタノールアンモニウム基を持つ強塩基性陰イオン交換樹脂は、(3)式に示す過酸化物の非ラジカル分解(自己分解−接触分解反応)を塩基性官能基が促進するため特に好ましい。
また、この理由で強塩基性陰イオン交換樹脂の対イオン(アニオン)は、ハロゲンイオンや酸素酸イオン(炭酸水素、炭酸、硫酸、酢酸、硝酸、リン酸等)や有機酸イオン(ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸等)よりも塩基性が強い水酸化物イオン(OH-)となっていることが好ましい。
上記理由と、冷却水中ではアニオン及びカチオンのいずれのイオン成分の溶出がありうることから、通常は、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とを適量混合して用いることが一般的である。本発明においては、陽イオン交換樹脂又は陰イオン交換樹脂のいずれか片方のイオン交換容量の一部のみをイオン交換しても良く、あるいは、両樹脂ともイオン交換しても良い。
(A)陽イオン交換樹脂の具体例:
陽イオン交換樹脂としては、具体的には、以下のようなものがある。
(1)三菱樹脂化学(株)製のポリスチレンスルホン酸型SK104、SK104H、SK1B、SK1BH、SK110、SK112、SK1BL、SK110L、SK112L、PK208、PK212、PK216、PK218、PK220、PK228。
(2)DOW社のIR120B、IR124B、200CT、252。
(3)ピュロライト社製のC100、C100E、C120E、C150、C160。
(4)三菱樹脂化学(株)製のポリメタクリル型WK10、WK11、WK100、ポリアクリル型WK40L。
(5)ダウケミカル社製FPC3500、IRC76。
(B)キレート樹脂の具体例:
キレート樹脂としては、具体的には、以下のようなものがある。
(1)三菱樹脂化学(株)製のイミノ二酢酸型CR11。
(2)ダウケミカル社製IRC748、アミノリン酸型IRC747UPS。
(3)三菱樹脂化学(株)製ポリアミン型CR20、グルカミン型CRB03、CRB05。
(C)陰イオン交換樹脂の具体例:
陰イオン交換樹脂としては、具体的には、以下のようなものがある。
(1)三菱樹脂化学(株)製のポリスチレン四級アンモニウム型SA10A、SA10AOH、SA12A、SA11A、SA100、一級〜二級アミノ基を官能基として持つ弱塩基性イオン交換樹脂WA10、WA20、WA30。
[1.3.3. イオン交換用のイオン種]
上述したように、イオン交換樹脂は、アルキルアンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、セリウムイオン、及び、マンガンイオンからなる群から選ばれるいずれか1以上のイオンでイオン交換されている。このようなイオンを含む化合物としては、以下のようなものがある。
(A)アルキルアンモニウムイオンを含む化合物の具体例:
アルキルアンモニウムイオンを含む化合物としては、以下のようなものがある。
(1)ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド。
(2)無水ベタイン、L−カルニチン、重酒石酸コリン、安息香酸デナトニウム、ラウリルスルホベタイン、パルミチルスルホベタイン、ミリスチルスルホベタイン。
(3)テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩。
(4)テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルホナート、テトラエチルアンモニウムp−トルエンスルホナート、テトラメチルアンモニウムスルファート、テトラブチルアンモニウムサリチラート、テトラメチルアンモニウムアセタート、テトラブチルアンモニウムp−ニトロフェノキシド、テトラブチルアンモニウムアセタート。
(B)ホスホニウムイオンを含む化合物の具体例:
ホスホニウムイオンを含む化合物とは、P原子の周りに4つのアルキル基が結合した1価のホスホニウムイオンと対になる陰イオンBとのイオン結合を持った化合物:[P(R1)(R2)(R3)(R4)]+-をいう。
ホスホニウム化合物の陽イオン部分としては、具体的には、以下のようなものがある。
テトラエチルホスホニウム、トリエチルベンジルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラオクチルホスホニウム、トリメチルデシルホスホニウム、トリメチルドデシルホスホニウム、トリメチルヘキサデシルホスホニウム、トリメチルオクタデシルホスホニウム、トリブチルメチルホスホニウム、トリブチルドデシルホスホニウム、トリブチルオクタデシルホスホニウム、トリオクチルエチルホスホニウム、トリブチルヘキサデシルホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、ジフェニルジオクチルホスホニウム、トリフェニルオクタデシルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、トリブチルアリルホスホニウム、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム。
これらの陽イオン部分と対になる陰イオンとしては、具体的には、以下のようなものがある。
(1)水酸イオン、炭酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン。
(2)プロピオン酸イオン、シュウ酸イオン、マレイン酸イオン、アジピン酸イオン、サリチル酸イオン、酒石酸イオン、クエン酸イオン、メタスルホン酸イオン、スルファミン酸イオン、トシル酸イオン。
(3)テトラフェニルほう酸イオン、ホウ酸イオン。
(4)硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、ジブチルりん酸イオン。
(5)ベンゾトリアゾラートイオン、デカン酸イオン、メチルカーボネートイオン。
(6)塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン。
(C)セリウムイオン又はマンガンイオンを含む化合物の具体例:
セリウムイオン又はマンガンイオンを含む化合物としては、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、炭酸塩、水酸化物、シュウ酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、及びこれらの水和物等が挙げられる。
セリウムイオンの価数は、Ce3+(III)、Ce4+(IV)のどちらでも良い。水への溶解度が大きいことから、セリウム化合物は、硝酸塩(III)、硫酸塩(III、IV)、又は、硫酸セリウムアンモニウム(IV)が好ましい。
(D)イオン交換用化合物の対イオン:
上記のイオン交換用化合物の対イオン(陰イオン)としては、水酸基、ギ酸、酢酸、シュウ酸、ハロゲン、硝酸、硫酸等、特に限定されない。化合物の溶解度が高く、イオン交換が容易で、残留陰イオンによる金属材料の腐食の恐れが小さいことから、対イオンは、ハロゲンイオン以外のイオンが好ましい。対イオンは、特に、水酸基(水酸化物)、酢酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、硫酸イオンが好ましい。
[1.3.5. イオン交換の方法]
これらのイオンをイオン交換樹脂に導入(イオン交換)するには、目的とするイオンを含む化合物を溶解させた水溶液とイオン交換樹脂とを接触させれば良い。このようなイオン交換の方法としては、例えば、特開2009−238560号公報に示すようなプロトン伝導性イオン交換膜へのイオンの導入を参考にして行えばよい。これによれば、導入したイオンは、イオン交換樹脂に強固に固定されるため、長期間にわたってイオン交換樹脂とグリコール類の両者の酸化安定性を強化できる。
具体的には、上記の化合物を溶解した溶液にイオン交換樹脂を浸漬した後、ろ過或いはデカンテーションして水洗すれば良い。あるいは、イオン交換樹脂を充填した充填筒に所望のイオン交換用の溶液を流通させた後、水洗すれば良い。
浸漬時間は1〜24時間、温度は40〜80℃で加温してイオン交換することが、時間短縮の観点からは好ましい。また、冷却液の導電率を上げないために、対イオンを十分に除去することが好ましい。目安として、ろ液の導電率が1μS/cm以下になるまで水洗を行うか、陰イオン交換樹脂を共存させて対イオンを吸着除去することが好ましい。
また、イオン交換の別態様としては、上述したイオンを含む可溶性化合物を陽イオン交換樹脂のイオン交換容量以内、好ましくは20%以内に収まるように、冷却液に適量添加すれば良い。その際、陰イオン交換樹脂を適量加えておけば、添加した可溶性化合物の対アニオンが陰イオン交換樹脂に捕捉され、冷却液の導電率が上がることがない。陽イオン交換樹脂がH体、陰イオン交換樹脂がOH体であれば、両イオン交換樹脂から放出されたH+とOH-により水が生成する。
[1.3.6. イオン交換率]
イオン交換樹脂への目的とするイオンの交換割合は、樹脂の総イオン交換容量の0.1%〜20%程度となるようにするのが良い。交換割合が0.1%未満では耐酸化性向上に乏しい。一方、交換割合が20%を超えると、イオン交換容量の著しい低下を招く。
なお、この場合、イオン交換樹脂全体で平均して上記範囲にあれば良く、樹脂の一部をイオン交換し、新品樹脂と混合しても良い。例えば、酸基の100%(全量)を所望のイオンで交換した樹脂を、新品樹脂に1%混入すれば、全体で1%の酸基が交換されることになる。この方法によれば、大量の樹脂をイオン交換する必要がなく、経済的である。
セリウムイオンとマンガンイオンについては、酸化触媒作用をある程度持つため、過大に加えると樹脂やグリコールの酸化分解を助長する。即ち、これらの添加量は、均質にイオン交換容量の20%以下とすべきである。言い換えると、これらのイオンについては、アルキルアンモニウムイオンやホスホニウムイオンのように、全酸基をイオン交換した樹脂を新品樹脂に一部添加してイオン添加量を調節することは勧められない。
[1.3.7. 不純物]
これらの化合物を用いたイオン交換で注意すべき点は、不純物にある。共沈、或いは吸着による不純物の含有量が多いと、冷却液の導電率を過度に上昇させやすい。また、不純物の中でも、ハロゲン、特にClの含有量は出来るだけ少ないことが好ましい。
一つの目安としては、エチレングリコール/超純水が重量比で50/50の液に、所望のイオンでイオン交換したイオン交換樹脂を所定量添加した際の導電率が50μS/cm以下、特に好ましくは10μS/cm以下であることである。また、その際の冷却液中のCl濃度は、0.1ppm以下であることが好ましい。
また、Al系材料の腐食及び冷却液と樹脂の酸化劣化を防ぐ観点から、冷却液中へのFeとCuとCrのイオン溶出量は、0.1ppm以下であることが好ましい。従って、添加する化合物の構成元素として、ハロゲン元素と、鉄と、銅と、クロムとは極力含まないこと(化合物中の重量濃度として10ppm以下)が好ましい。
[1.3.8. イオン交換樹脂の導入形態]
本発明において、「冷却液循環手段内にイオン交換樹脂が導入されている」とは、
(1)イオン交換樹脂が冷却液内に分散されていること、又は、
(2)イオン交換樹脂が冷却液循環手段内のいずれかの部位に設置(固定)されていること、
をいう。
イオン交換樹脂を冷却液内に分散させる場合、例えば、適度な大きさを持つ樹脂ビーズをイオン交換し、これを冷却液に直接分散させれば良い。
一方、イオン交換樹脂を冷却液循環手段内に設置する場合、イオン交換した樹脂を被覆した繊維や球状体を、金属又は樹脂製メッシュの容器(カートリッジ)に入れ、冷却液と接する箇所(例えば、配管内)に置けば良い。また、容器内面や配管内面へイオン交換した樹脂を被覆しても良い。
冷却系に添加されたイオン交換樹脂は、冷却液の酸化分解を防ぎ、液中に溶出したイオン成分を吸着除去する。そのため、冷却液の導電率が上がることが無い。また、イオン交換樹脂に、樹脂の耐酸化性を改善できるイオンが保持されているため、イオン交換樹脂自身が酸化劣化して、冷却液の導電率が増加することを抑えられる。
イオン交換樹脂の添加量は、0.01wt%〜1wt%が好ましい。添加量が0.01wt%未満では、イオン成分の除去が不十分となる恐れがある。一方、添加量が1wt%を超えると、重量及び容量が過大となったり、送液の圧力損失が大きくなる。
なお、「イオン交換樹脂の添加量」とは、冷却系に存在するイオン交換樹脂の重量(W1)と冷却液の重量(W2)の和に対するイオン交換樹脂の重量(W1)の割合(=W1×100/(W1+W2))をいう。
また、上述したイオン交換樹脂の好適な添加量は、イオン交換樹脂を冷却液に分散させる場合だけでなく、冷却液循環手段内にイオン交換樹脂を配置する場合にも当てはまる。
[1.4. 添加剤]
冷却液循環手段内には、上述したイオン交換樹脂以外の添加剤がさらに導入されていても良い。
添加剤としては、例えば、
(1)BTA等の金属腐食抑制剤、
(2)有機系酸化防止剤、
(3)ビスマス化合物、ジルコニウム化合物、マンガン化合物、及び、希土類化合物からなる群から選ばれるいずれか1以上の難溶性化合物
などがある。
特定のイオンでイオン交換したイオン交換樹脂を冷却系に導入するだけでも、冷却液の電気導電率増加抑制作用は極めて大きい。そのため、イオン交換樹脂以外の添加剤は、必ずしも必要ではない。また、導入する場合であっても、従来の冷却システムに比べて、その添加量や種類を減らすことができる。そのため、冷却液の新品状態における電気導電率の増加を抑えることがきる。
また、特定のイオンでイオン交換したイオン交換樹脂と、難溶性化合物とを併用すると、グリコール類の酸化を大幅に抑制することができる。また、難溶性化合物は、金属材料の腐食を助長するフッ化物イオン(ろう付けフラックス残渣由来)を吸着して固定することができる。従って、イオン交換樹脂と難溶性無機化合物とを併用して冷却液に添加することは、冷却液の低電気導電率維持にいっそう好ましい使用形態である。
本発明において、「難溶性」とは、エチレングリコールと超純水とを重量比1:1で混合した混合液に500ppmの無機化合物を添加し、80℃に8hr加温し、室温まで冷却した後の導電率が50μS/cm以下であることをいう。加温後の導電率は、さらに好ましくは、10μS/cm以下、さらに好ましくは、5μS/cm以下である。
なお、エチレングリコール/超純水のみからなる混合液の室温での導電率は、作製直後で約0.1μS/cm、80℃×8hr加温後で約1.4μS/cmである。
[1.4.1. 難溶性化合物の具体例]
(A)難溶性ビスマス化合物:
難溶性ビスマス化合物としては、例えば、酸化ビスマス、フッ化ビスマス、硫化ビスマス、酢酸ビスマス、硝酸ビスマス、水酸化ビスマス、硫酸ビスマス、リン酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、塩化酸化ビスマス、次サリチル酸ビスマス、炭酸酸化ビスマスなどがある。
(B)難溶性ジルコニウム化合物:
難溶性ジルコニウム化合物としては、例えば、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウムなどがある。
(C)難溶性マンガン化合物:
難溶性マンガン化合物としては、例えば、酸化マンガン(I)、四酸化三マンガン、酸化マンガン(III)、二酸化マンガン(IV)、酸化マンガン(VII)、フッ化マンガン、水酸化マンガン、りん酸マンガン、炭酸マンガン、シュウ酸マンガンなどがある。
特に、酸化マンガン(IV)−二酸化マンガンは、難溶性で、かつイオン交換樹脂及びグリコールの酸化を抑制する働きが大きいので、添加剤として好適である。
(D)難溶性希土類化合物:
難溶性希土類化合物の内、セリウムを含むものとしては、例えば、リン酸第一セリウム、リン酸第二セリウム、酸化セリウム、水酸化第一セリウム、水酸化第二セリウム、炭酸セリウム、フッ化セリウム、シュウ酸セリウム、タングステン酸セリウムなどがある。
特に、酸化セリウムは、難溶性で、かつイオン交換樹脂及びグリコールの酸化を抑制する働きが大きいので、添加剤として好適である。
その他の難溶性希土類化合物としては、希土類元素を持つ酸化物、水酸化物、リン酸塩、フッ化物、シュウ酸塩、炭酸塩などがある。
[1.4.2. 難溶性化合物の粒径]
難溶性化合物を粒子の状態で用いる場合(特に、冷却液に直接分散させる場合)、難溶性化合物の粒子の粒径は、5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。粒径が0.1μm以下のナノオーダーの難沈降性コロイド(ゾル)は、冷却液の酸化防止作用に優れているので、特に好ましい。
難溶性化合物の粒径が5μmを超えると、冷却液への分散性が低下し、冷却水路内で局部的に沈降してしまう恐れがある。また、粒径が5μmを超える難溶性化合物は、冷却水路の金属材料を損傷(エロージョン)する作用が大きくなり、好ましくない。
例えば、セリウム化合物の粒径が0.1μm以下のナノオーダーの難沈降性コロイドの例としては、多木化学(株)製「ニードラール」(P−10、U−15、B−10)や、日産化学(株)製ナノユース(CE−40BL、CE−20B、CE−20A、CE−T20B、CE−T20A、CZ−30B)等が挙げられる。
これらのコロイド分散液の導電率が高すぎる場合には、夾雑イオンを純水で透析して導電率を低下させるか、イオン交換樹脂と混合して不要イオンを吸着させてから加熱し、溶媒を蒸発させて担持して用いれば良い。
[1.4.3. 添加剤の導入形態]
本発明において、「冷却液循環手段内に添加剤が導入されている」とは、
(1)添加剤が冷却液内に直接分散されていること、又は、
(2)添加剤が直接分散以外の形態で冷却液循環手段内に分散又は設置されていること、
をいう。
直接分散以外の形態としては、水酸化セリウム、水酸化ジルコニウム等の難溶性ナノ粒子を樹脂ビーズに分散させた有機−無機複合粒子(例えば、(株)日本海水製「リードエフ」)が挙げられる。このような複合粒子を、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂と共に「混床」して、これをイオン交換器内に充填しても良い。あるいは、このような混合物を別途設けた専用冷却液フィルター部に充填しても良い。
あるいは、冷却系に装填されているイオン交換樹脂に、イオン交換反応を利用して難溶性化合物を直接担持させても良い。これは、カチオン交換樹脂にあってはマンガン、ジルコニウム、ビスマス、希土類元素の内のいずれか1以上のカチオンを含む溶液と、カチオン交換樹脂とを接触させた後に、リン酸、シュウ酸、ヘテロポリ酸、フィチン酸等の上記イオンと難溶性の塩を形成する酸とを接触させ、イオン交換樹脂に難溶性塩を担持させたものである。
Ce3+イオンとシュウ酸とを例に取れば、結果的に難溶性のシュウ酸セリウムをカチオン交換樹脂に担持させることができる。
また、アニオン交換樹脂にあっては、前記カチオン交換樹脂で行った操作とは逆に、難溶性の塩を形成する酸と接触させた後、ジルコニウム、ビスマス、希土類元素の内のいずれか1以上のカチオンを含む溶液と接触させればよい。その後、十分水洗することにより、導電率を上げない状態でイオン交換樹脂上にこれらの難溶性塩を担持させることができる。
陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とは、混合(混床)して用いることがスペース上は有利である。しかしながら、逆符号に帯電した両樹脂が結着してイオン交換容量及び再生効率の低下(いわゆる、「絡み」)が起きることが問題とされている。
本発明においては、上記難溶性化合物や有機−無機複合粒子が絡み防止剤として働き、両イオン交換樹脂の絡みが分断される。従って、絡み防止剤(ポリマー)を必要としない。それゆえ、絡み防止剤とその酸化性生物による導電率増加の恐れがない。
[1.4.4. 難溶性化合物の添加量]
難溶性化合物の添加量は、冷却液の重量に対して0.001wt%〜0.1wt%(10ppm〜1000ppm)が好ましい。添加量が0.001wt%以下では添加物による腐食防止効果が小さくなる。
一方、添加量が0.1wt%を超えると、添加剤から微量溶出したイオンにより冷却液の導電率が上がり易い。また、添加剤が冷却水路内面に付着して厚い被膜を形成し、伝熱特性を低下させたり、冷却系金属材料やイオン交換樹脂をエロージョン作用により損傷させる恐れがあるため好ましくない。
[2. 固体高分子型燃料電池システムへの適用例]
本発明に係る冷却システムは、種々の装置に適用することができる。以下に、固体高分子型燃料電池システムへの適用例について説明する。
[2.1. 燃料電池システムの構成]
図1に、固体高分子型燃料電池システム(以下、単に「燃料電池システム」ともいう)の概略図を示す。図1において、燃料電池システム10は、固体高分子型燃料電池20と、冷却手段30とを備えている。
固体高分子型燃料電池(以下、単に「燃料電池」ともいう)20は、一般に、単電池の積層体(スタック)からなる。燃料電池20は、その発電に伴って発熱する一方、その運転に適した温度が予め定められている。そのため、発電が適切な温度で行われるよう、燃料電池20は、冷却手段30により冷却されている。
冷却手段30は、ラジエータ(熱交換器)32と、三方弁34と、リザーブタンク36と、ポンプ38と、イオン交換器40とを備えている。
ラジエータ32は、冷却液通路42、44を介して燃料電池20に接続されている。冷却液通路42には、ラジエータ32から燃料電池20に向かって、三方弁34、リザーブタンク36、及びポンプ38がこの順で設けられている。
冷却液は、ポンプ38により燃料電池20とラジエータ32との間を循環しながら、ラジエータ32により冷却されるようになっている。リザーブタンク36には、冷却液が蓄えられており、必要に応じて、冷却液を冷却液通路42に補給するようになっている。
ラジエータ32は、フッ化物系フラックスを用いたろう付け法により製造されたAl製ラジエータでも良く、あるいは、真空ろう付け法や機械的接合法のみで製造されたAl製ラジエータでも良い。本発明は、特に、ラジエータ32として、フッ化物系フラックスを用いたろう付け法により製造されたAl製ラジエータを用いた燃料電池システムに対して好適である。
冷却液通路44は、バイパス通路46を介して三方弁34に接続されている。さらに、イオン交換器40の両端は、バイパス通路48を介して、それぞれ、冷却液通路44及びバイパス通路46に接続されている。
三方弁34は、バイパス通路46、48を流れる冷却液の流量を調節するためのものである。イオン交換器40は、通常、圧力損失が大きいので、適切な量の冷却液がイオン交換器40を流れるように、三方弁34を介して流量が調節される。
燃料電池20には、負荷50と絶縁抵抗検出器52が接続されている。さらに、絶縁抵抗検出器52は、ECU(Electric Control Unit)54に接続されている。ECU54は、負荷(例えば、車両)50の制御を司ると共に、三方弁34も制御する。
高電圧回路を形成する燃料電池20と負荷50とは、それらからの漏電を防止すべく導電体(例えば、車両のボディ)から絶縁されている。しかし、燃料電池20の冷却液中のイオンが冷却液の導電率を上昇させることで、燃料電池20と負荷50との絶縁抵抗が低下する可能性がある。そこで、絶縁抵抗を検出する絶縁抵抗検出器52で検出した抵抗値に基づいて、ECU54が三方弁34を制御する。これにより、イオン交換器40に流れる冷却液が調整され、冷却液の導電率が制御される。
[2.2. スタックの構成]
図2に、燃料電池スタックの概略図を示す。燃料電池20は、単電池20aの積層体(スタック)からなる。単電池20aは、膜電極接合体22と、その両面に配置されたセパレータ(バイポーラプレート)24a、24aからなる。膜電極接合体22は、固体高分子電解質膜と、その両面に接合された電極(触媒層、又は、触媒層+拡散層)とを備えている。この単電池20aが数層積み上げられる毎に、冷却セパレータ(バイポーラプレート)24bが配置される。
セパレータ24a及び冷却セパレータ24bには、それぞれ、燃料ガスを膜電極接合体22に供給するための一対の燃料ガス孔56a、56aと、酸化ガスを膜電極接合体22に供給するための一対の酸化ガス孔56b、56bと、冷却液を流すための冷却液孔58、58が設けられている。
冷却セパレータ24bは、冷却液通路42、44を介して冷却手段30に接続されており、冷却手段30(冷却液の循環経路)の一部を構成する。
冷却セパレータ24bの片面(図2中、裏面側)には、対向する酸化ガス孔56b、56b間を連結する複数の平行な溝状のリブが形成されている。リブは、スタックを形成した際には、隣接する空気極との間に酸化ガス流路を形成する。
また、冷却セパレータ24bの他面(図2中、正面側)には、冷却液孔58、58間を連結する葛折状の溝が形成されている。スタックを形成する際には、冷却セパレータ24bは、対向するセパレータ24aのフラットな面との間で冷却流路を形成する。
これらの単電池22aが直列に接合されたスタックは、負荷50に通電するためのターミナルプレート26、26で挟まれ、さらに両端のエンドプレート28、28でボルト等の締結治具(図示せず)で締結される。なお、エンドプレート28、28と、ターミナルプレート26、26とは、一体成形される場合もある。
ターミナルプレート26、26は、良好な接触抵抗と耐食性を維持するために、Ti系材料やステンレス系材料にAuめっきを形成したものが用いられている。但し、めっき欠陥部からの下地金属材料の腐食を抑えるために、従来は数μm以上の厚いAuめっきが必要であった。
本発明においては、冷却液に添加された正、あるいは負に帯電した難溶性化合物粒子が冷却液と接する低電位部(例えば、負極側のターミナルプレート)、あるいは高電位部(例えば、正極側ターミナルプレート)に電気泳動電着され、絶縁性の被膜を形成するため、従来のような厚いAuめっきが不要になる利点を有する。
[2.3. イオン交換樹脂等の導入]
上述したように、特定のイオンでイオン交換されたイオン交換樹脂は、冷却通路42、44内を循環する冷却液内に直接分散させても良く、あるいは、イオン交換器40内に充填しても良い。また、特定のイオンでイオン交換されたイオン交換樹脂をメッシュ容器に入れ、これを冷却通路42、44のいずれかの部位に設置しても良い。
難溶性化合物等の添加材を冷却手段30に導入する場合も同様である。
[3. 作用]
冷却液循環手段内に、特定のイオンでイオン交換したイオン交換樹脂を導入すると、長期間の使用においても冷却液の酸化劣化を抑制することができる。また、これによって冷却液を低導電率に維持すること、及び漏れ電流による金属材料の腐食を抑制することができる。これは、イオン交換樹脂内に存在する特定のイオンが、過酸化物又は過酸化物ラジカルを無害化するためと考えられる。
さらに、イオン交換樹脂とその他の添加剤(特に、難溶性化合物)を併用すると、冷却液の酸化劣化がさらに抑制される。
(実施例1〜6、比較例1〜8)
[1. 試験方法]
[1.1. イオン交換]
超純水を満たした時のイオンの溶出が出来るだけ小さくなる様に(伝導率:1μS/cm以下)、ガラス製容器を前処理した。
次に、上記の清浄化したガラス製容器を用いてポリスチレンスルホン酸系強酸性陽イオン交換樹脂(H体)10gを超純水:100mLに分散させ、80℃に加温し、樹脂分散液の導電率が1μS/cm以下になるまで繰り返し水洗し、デカンテーションした。
その後、イオン交換容量の10%又は100%をイオン交換する量に相当する各種化合物を加えた100mLの分散液を作製した。これを恒温槽で80℃×8hr加熱+一晩静置して、イオン交換処理を施した。その後、樹脂分散液の導電率が1μS/cm以下になるまで、80℃に加温してデカンテーションと水洗処理を繰り返した。樹脂中の水分量を一定に揃えるため、70℃×4hrの真空乾燥処理を行い、試料とした。
[1.2. 冷却液]
内容積100mLのPFA容器に、Fe2+濃度で1ppmとなる硫酸第一鉄を溶かした水溶液:50mL(pH=5.5)と、上記イオン交換処理を施した樹脂:0.25gとを加えた。これを80℃×8hr+一晩静置して、Fe2+イオンが均一に吸着しているイオン交換樹脂が分散している冷却液を調製した(実施例1〜5)。
また、Ce3+イオンでイオン交換した樹脂に、更にCeO2コロイド(平均粒径:0.05μm)を固形分濃度で0.025g添加したもの(実施例6)についても、実施例1と同様にして冷却液を調製した。
比較として、未処理のイオン交換樹脂(比較例1)、その他のイオンでイオン交換したイオン交換樹脂(比較例2〜7)、及び、未処理のイオン交換樹脂に酸化アルミニウム微粉末(平均粒径:0.05μm)0.025gを添加したもの(比較例8)を用意した。これらの冷却液の導電率は、過酸化水素添加試験を行う前は、いずれも10μS/cm以下であった。
[2. 試験方法]
樹脂分散冷却液に濃度30wt%の過酸化水素水溶液:1.6mLを加え、軽く蓋をかぶせ、80℃×8hr+室温一晩静置の酸化試験を行った。酸化程度は、分散液の電気伝導度を電気伝導度計(B−173:堀場(株)製コンパクト導電率計)で計測して評価した。
また、試験後の冷却液を濃度:1g/L炭酸水素ナトリウム溶液で1/25に希釈して、過酸化水素濃度を(株)共立理化学研究所製パックテストWAK−H2O2(C)を用いて測定した。
[3. 結果]
表1に、結果を示す。表1より、以下のことがわかる。
(1)実施例1〜6においては、いずれも未添加(比較例1)よりも小さな電気伝導度を示した。また、過酸化水素の濃度も未添加に比べて低くなっていた。
(2)Ce3+イオンを交換した樹脂に更にCeO2コロイド(平均粒径:0.05μm)を固形分濃度で0.025g添加したもの(実施例6)は、導電率の増加が大幅に抑えられ、過酸化水素は検出限界レベル(3ppm)以下だった。
(3)芳香族系ポリスルホン酸系電解質膜において過酸化水素による攻撃に効果があるとされているZn2+(比較例4)、La3+(比較例5)、Al3+(比較例6)、Y3+(比較例2)、又は、Cr3+(比較例3)によるイオン交換では、導電率の低下と過酸化水素の分解に対し効果が見られなかった。
(4)アンモニウムイオンNH4+での置換(比較例7)は、アルキルアンモニウムイオン(実施例3)に比べ、効果が乏しかった。
(5)不凍液の低伝導率維持に効果があるとされているAl23微粉末(平均粒径:0.05μm)をイオン交換樹脂に加えても(比較例8)、過酸化水素はほとんど分解されず、導電率の増加の抑制はできなかった。
(6)実施例1〜6の冷却水における試験後のpHは、2.5〜3.5の範囲にあり、比較例1のpH=2.4に比べて高く、酸性成分の増加が抑制されていた。また、比較例6、8の試験後のpHは、いずれも2.2であり、Al3+イオン又はAl23微粒子粉末には、酸性成分の増加を抑える作用はないと判断された。
Figure 2014185838
(実施例7〜14、比較例9〜10)
[1. 試料の作製]
[1.1. イオン交換]
ポリアミン系弱塩基性陰イオン交換樹脂(OH体)5gを超純水で十分にすすぎ、80℃に加温し、デカンテーションと水洗処理を繰り返し、樹脂分散液の導電率が1μS/cm以下になるまで洗浄した。その後、陰イオン交換容量の0.05%〜20%をイオン交換する量に相当する各種イオン交換用化合物を加えた100mLの分散液を作製した。この分散液を恒温槽で80℃×8hr加熱+一晩静置してイオン交換処理を施した。
その後、樹脂分散液の導電率が1μS/cm以下になるまで80℃に加温してデカンテーションと水洗を繰り返した。樹脂中の水分量を一定に揃えるため、70℃×4hrの真空乾燥処理を行い、試料とした(実施例7〜14)。
また、実施例13、14については、イオン交換した樹脂に更に平均粒径1μmのCeO2(酸化セリウム)微粒子、あるいは、1.5μmのMnO2(二酸化マンガン)微粒子を添加した。
比較のために、イオン交換未処理のイオン交換樹脂のみを添加したもの(比較例9)、又は、未処理のイオン交換樹脂に金属防錆剤であるベンゾトリアゾール(BTA)を添加したもの(比較例10)も用意した。
[1.2. 冷却液]
上記の樹脂0.25gを添加した水溶液50mLを用いた以外は、実施例1と同様にして、Fe2+イオンが均一に吸着しているイオン交換樹脂が分散している冷却液を調製した(実施例7〜14)。
[2. 試験方法]
実施例1と同様にして、過酸化水素存在下の酸化安定性と過酸化水素濃度を調べた。
[3. 結果]
表2に、結果を示す。表2より、以下のことがわかる。
(1)実施例7〜14は、イオン交換未処理の試料(比較例9)と比べて導電率が小さく、過酸化水素濃度も低いことが示された。
(2)金属材料の防錆剤であるBTAをイオン交換樹脂に加えても(比較例10)、導電率の抑制及び過酸化水素濃度の低下はほとんど見られなかった。
(3)Ce3+イオンでイオン交換した樹脂に更にCeO2微粉末を添加したもの(実施例13)、あるいは、Mn2+イオンでイオン交換した樹脂に更にMnO2微粉末を添加したもの(実施例14)は、いずれも比較例9より導電率が大幅に抑えられ、過酸化水素濃度は検出限界以下であった。
Figure 2014185838
(実施例15〜16、比較例13〜20)
[1. 試料の作製]
[1.1. イオン交換]
ポリスチレンスルホン酸系強酸性陽イオン交換樹脂(H体)5gを超純水:50mLに分散させ、80℃に加温し、樹脂分散液の導電率が1μS/cm以下になるまで繰り返し水洗し、デカンテーションした。その後、イオン交換容量の10%をイオン交換する量に相当するMn2+イオン又はCe3+イオン(硝酸塩を使用)を加えた50mLの分散液を作製した。この分散液を恒温槽で80℃×8hr加熱+一晩静置して、イオン交換処理を施した。
その後、樹脂分散液の導電率が1μS/cm以下になるまで、80℃に加温してデカンテーションと水洗処理を繰り返した。樹脂中の水分量を一定に揃えるため、70℃×4hrの真空乾燥処理を行い、試料とした(実施例15、16)。
実施例16は、上記イオン交換処理をした樹脂に、更にCeO2−ZrO2コロイド(平均粒径:0.06μm)を固形分濃度で0.025g加えたものである。
[1.2. 不凍液]
内容積100mLのPFA容器に、Fe2+濃度で1ppmとなる硫酸第一鉄を溶かした水溶液:25gと、エチレングリコール:25gと、上記イオン交換処理を施した樹脂:0.25gとを加え、80℃×8hr+一晩静置して、Fe2+イオンが均一に吸着しているイオン交換樹脂が分散している不凍液を調製した。
比較として、イオン交換樹脂未添加のエチレングリコール水溶液(比較例13)、未処理のイオン交換樹脂をエチレングリコール水溶液に添加したもの(比較例14)を用意した。また、各種イオンでイオン交換した試料(比較例15、16)、各種酸化物(平均粒径:1μm)を新品のイオン交換樹脂とともに添加した試料(比較例17〜19)、燃料電池用不凍液の酸化安定性改善に効果があるとされているソルビトールを新品のイオン交換樹脂とともに0.025g添加したものも用意した(比較例20)。
[2. 試験方法]
実施例1と同様にして、過酸化水素存在下の酸化安定性と過酸化水素濃度を調べた。
[3. 結果]
表3に、結果を示す。表3より、以下のことがわかる。
(1)本発明の樹脂分散不凍液(実施例15、16)は、イオン交換樹脂が未添加の不凍液(比較例13)や、新品(イオン交換未実施)のイオン交換樹脂を添加した場合(比較例14)に比べ、導電率が低く抑えられた。
(2)La3+及びAl3+でイオン交換した場合(比較例15、16)、導電率の抑制は見られなかった。
(3)Cu2O、Al23又はFe23を添加した場合(比較例17〜19)、あるいは、ソルビトールを新品の樹脂とともに添加した場合(比較例20)、導電率の抑制はほとんど見られなかった。
(4)実施例15、16の不凍液の試験後のpHは、それぞれ、2.49、3.08であり、比較例13のpH=2.35より大きく、酸性成分の生成が抑制されていた。
Figure 2014185838
(実施例17〜20、比較例21〜26)
[1. 試料の作製]
イミノ二酢酸型キレート樹脂(Na体)5gを濃度1Mの硫酸を用いてH体化した。その後、樹脂分散液の導電率が1μS/cm以下になるまで繰り返し水洗し、デカンテーションした。このH体化したキレート樹脂にイオン交換容量の10%をイオン交換する量に相当する各イオンを加えた50mLの分散液を作製した。この分散液を恒温槽で80℃×8hr加熱+一晩静置して、イオン交換処理を施した。その後、樹脂分散液の導電率が1μS/cm以下になるまで、80℃に加温して、デカンテーションと水洗処理を繰り返した。樹脂中の水分量を一定に揃えるため、70℃×4hrの真空乾燥処理を行い、試料とした(実施例17〜20)。
[1.2. 不凍液]
内容積100mLのPFA容器に、Fe2+濃度で1ppmとなる硫酸第一鉄を溶かした水溶液:25gと、エチレングリコール:25gと、上記イオン交換処理を施した樹脂:0.25gとを加え、80℃×8hr+一晩静置して、Fe2+イオンが均一に吸着しているイオン交換樹脂が分散している不凍液を調製した。
なお、実施例20では、平均粒径1ミクロンのCeO2微粒子0.025gを、Ce3+イオンでイオン交換された樹脂と共に添加した。
比較として、イオン交換前のH体化した樹脂だけを添加した場合(比較例21)、Al3+でイオン交換した場合(比較例22)、H体化した樹脂に各種の酸化物を添加した場合(比較例23〜26)についても同様にして、不凍液を調製した。
[2. 試験方法]
実施例1と同様にして、過酸化水素存在下の酸化安定性と過酸化水素濃度を調べた。
[3. 結果]
表4に、結果を示す。表4より、以下のことがわかる。
(1)イオン交換していないH体化したキレート樹脂を添加した場合(比較例21)や、Al3+でイオン交換した場合(比較例22)、及びH体化したキレート樹脂と、TiO2、Cu2O、Al23又はFe23とを添加した場合(比較例23〜26)、導電率が大きい。
(2)実施例17〜20は、比較例21〜26に比べて、導電率が小さい。その中でも、Ce3+でイオン交換した樹脂に、更にCeO2微粉末(平均粒径:1.0μm)を添加した場合(実施例20)は、特に導電率が低く抑えられた。
Figure 2014185838
(実施例21〜24、比較例27〜30)
[1. 試料の作製]
[1.1. イオン交換]
実施例7で用いたイオン交換樹脂:5gを超純水:50mLに分散させ、80℃に加温し、樹脂分散液の導電率が1μS/cm以下になるまで繰り返し水洗し、デカンテーションした。その後、イオン交換容量の10%をイオン交換する量に相当する各種化合物を加えた100mLの分散液を作製した。この分散液を恒温槽で80℃×8hr加熱+一晩静置して、イオン交換処理を施した。その後、樹脂分散液の導電率が1μS/cm以下になるまで80℃に加温して、デカンテーションと水洗処理を繰り返した。樹脂中の水分量を一定に揃えるため、70℃×4hrの真空乾燥処理を行い、試料とした。
[1.2. 不凍液]
実施例15と同様にして、不凍液を作製した。なお、実施例22は、実施例21の不凍液にさらに平均粒径1μmの酸化セリウム:0.025gを添加したものである。
また、比較として、未処理のイオン交換樹脂(比較例27)、Al3+でイオン交換したイオン交換樹脂(比較例28)、未処理のイオン交換樹脂にCu2O又はAl23を0.025g添加したもの(比較例29、30)も用意した。
[2. 試験方法]
実施例1と同様にして、過酸化水素存在下の酸化安定性と過酸化水素濃度を調べた。
[3. 結果]
表5に、結果を示す。表5より、以下のことがわかる。
(1)イオン交換樹脂未添加の場合(比較例13、σ=340μS/cm)、イオン交換していない陰イオン交換樹脂を添加しただけの場合(比較例27)、Al3+でイオン交換した場合(比較例28)、あるいは、陰イオン交換樹脂にCu2O又はAl23を添加した場合(比較例29〜30)、導電率が高い。
(2)実施例21〜24は、比較例27〜30に比べて導電率が低い。特に、CeO2微粒子を添加すると、導電率は大幅に低下した。
Figure 2014185838
(実施例25〜26、比較例13、31〜33)
[1. 試料の作製]
[1.1. イオン交換]
強塩基性陰イオン交換樹脂(OH体)5gを超純水50mLに分散させ、80℃に加温し、樹脂分散液の導電率が1μS/cm以下になるまで繰り返し水洗し、デカンテーションした。その後、イオン交換容量の10%をイオン交換する量に相当する各種化合物を加えた100mLの分散液を調製した。この分散液を恒温槽で80℃×8hr加熱+一晩静置してイオン交換処理を施した。その後、樹脂分散液の導電率が1μS/cm以下になるまで80℃に加温して、デカンテーションと水洗処理を繰り返した。樹脂中の水分量を一定に揃えるため、70℃×4hrの真空乾燥処理を行い、試料とした。
[1.2. 不凍液]
実施例15と同様にして、不凍液を作製した。なお、実施例25、26においては、二酸化マンガン粒子(平均粒径:1.5μm、実施例14参照)又は酸化セリウム粒子(平均粒径:1μm、実施例13参照)を更に添加してある。
比較として、イオン交換樹脂未添加のもの(比較例13)、イオン交換未処理のイオン交換樹脂のみを添加したもの(比較例31)、イオン交換樹脂未添加で上記酸化物のみを0.025g添加したもの(比較例32、33)も用意した。
[2. 試験方法]
実施例1と同様にして、過酸化水素存在下の酸化安定性と過酸化水素濃度を調べた。
[3. 結果]
表6に、結果を示す。表6より、以下のことがわかる。
(1)イオン交換樹脂未添加の場合(比較例13)、新品のイオン交換樹脂のみを添加した場合(比較例31)、酸化物のみを添加した場合(比較例32、33)、導電率が高い。
(2)実施例25、26は、比較例13、32〜33に比べて、導電率が低く抑えられた。
Figure 2014185838
(実施例27〜28、比較例34)
[1. 試料の作製]
実施例1、2のCe3+又はMn2+でイオン交換された強酸性陽イオン交換樹脂と、二酸化マンガン粒子(平均粒径:1.5μm、実施例14参照)、又は酸化セリウム粒子(平均粒径:1μm、実施例13参照)0.025gと、強塩基性陰イオン交換樹脂(OH体)0.25gとを添加した以外は、実施例15と同様にして不凍液を作製した。
比較のため、未処理のイオン交換樹脂を添加し、かつ、上記微粒子を添加していない場合(比較例34)も試験に供した。
[2. 試験方法]
実施例1と同様にして、過酸化水素存在下の酸化安定性と過酸化水素濃度を調べた。
また、絡みの有無は、目視により評価した。
[3. 結果]
表7に、結果を示す。表7より、以下のことがわかる。
(1) 実施例27、28においては、イオン交換処理を施さずに酸化物が無添加の不凍液(比較例34)より、導電率が小さかった。
(2)不凍液中における陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との絡み状態を目視で確認したところ、比較例34では複数個の樹脂ビーズが団子状に一体化していた。一方、実施例27、28では、絡みは全く認められず、両イオン交換樹脂は、不凍液中に均一に分散していた。
Figure 2014185838
(実施例29)
[1. 試料の作製]
強酸性陽イオン交換樹脂(H体)0.25gと、強塩基性陰イオン交換樹脂(OH体)0.25gとを、エチレングリコール:25gと水:25gからなる不凍液に分散させた。これに、更に上記強酸性イオン交換樹脂のイオン交換容量の1%置換量に相当する可溶性マンガン化合物(硝酸マンガン六水和物)を添加した。
[2. 試験方法及び結果]
この分散液(実施例29)に、実施例15と同様にして、Fe2+イオンと過酸化水素を添加し、樹脂分散不凍液の耐酸化試験を実施した。
試験後の不凍液の導電率は0.7μS/cmであり、可溶性マンガン化合物未添加の不凍液での試験値(比較例34)に比べ、小さかった。また、試験後の樹脂分散不凍液のpHは、実施例29では4.70であるのに対し、比較例34では4.39であった。
これらより、マンガンイオンが強酸性イオン交換樹脂、あるいは強塩基性イオン交換樹脂にイオン交換され、酸性成分の増加を抑制したものと推察された。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る冷却システムは、固体高分子型燃料電池システム、沸騰水型原子炉などに適用することができる。

Claims (6)

  1. 冷却液と、
    前記冷却液を循環させる冷却液循環手段と、
    前記冷却液循環手段内に導入されたイオン交換樹脂と
    を備え、
    前記イオン交換樹脂は、アルキルアンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、セリウムイオン、及び、マンガンイオンからなる群から選ばれるいずれか1以上のイオンでイオン交換されている冷却システム。
  2. 前記冷却システムは、単電池の積層体(スタック)を備えた燃料電池の前記積層体を冷却するための冷却手段として用いられる請求項1に記載の冷却システム。
  3. 前記冷却液循環手段内には、さらに、ビスマス化合物、ジルコニウム化合物、マンガン化合物、及び、希土類化合物からなる群から選ばれるいずれか1以上の難溶性化合物が導入されている請求項1又は2に記載の冷却システム。
  4. 前記希土類化合物は、セリウム化合物である請求項3に記載の冷却システム。
  5. 前記イオンによるイオン交換率は、0.1〜20%である請求項1から4までのいずれか1項に記載の冷却システム。
  6. 前記冷却液は、グリコール類を含む請求項1から5までのいずれか1項に記載の冷却システム。
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