JP2014185039A - 高結晶化粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的低い温度で結晶粒の成長を生じる材料であっても、粒径が小さな高結晶化粒子を製造可能とする。
【解決手段】実施形態の高結晶化粒子の製造方法は、比表面積が5m2/g以上である高結晶化粒子を製造する方法である。この方法は、樹脂と、樹脂中に分散し、少なくとも部分的に非晶質である前駆体粒子とを含んだ原料組成物を加熱処理することにより、樹脂を炭化すると共に、前駆体粒子の結晶性を高めて、高結晶化粒子と炭素との混合物を得ることと、酸を含んだ処理液と高結晶化粒子及び炭素の混合物とを接触させることにより、酸と炭素とを反応させて、炭素が除去された高結晶化粒子を含んだスラリーを得ることとを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、高結晶化粒子及びその製造方法に関する。
粒径が小さな粒子は、比表面積が大きく、少量であっても高い性能を発揮することがある。そのため、そのような粒子は、従来より様々な分野で利用されている。
そのような粒子は、多くの場合、結晶性を高めると、性能が顕著に向上する。この高結晶化粒子は、例えば、以下の方法によって得られる。
まず、結晶性が比較的低い前駆体粒子を炭素で被覆する。次いで、低酸素濃度の雰囲気中、炭素で被覆した前駆体粒子を、その結晶化温度以上に加熱して、粒子の結晶性を高める。その後、酸素含有雰囲気中での熱処理によって、炭素を酸化する。
この方法では、炭素被覆は、結晶粒の成長を、炭素被覆によって囲まれた領域内に制限する役割を果たす。従って、前駆体粒子として粒径が小さなものを使用すれば、粒径が小さな高結晶化粒子を得ることができる。また、この方法では、酸化した炭素は二酸化炭素ガスとして高結晶化粒子から除去されるため、高結晶化粒子の製造が容易である。
特開2012−67167号公報
本発明の目的は、比較的低い温度で結晶粒の成長を生じる材料であっても、粒径が小さな高結晶化粒子を製造可能とすることにある。
実施形態の高結晶化粒子の製造方法は、比表面積が5m2/g以上である高結晶化粒子を製造する方法である。この方法は、樹脂と、樹脂中に分散し、少なくとも部分的に非晶質である前駆体粒子とを含んだ原料組成物を加熱処理することにより、樹脂を炭化すると共に、前駆体粒子の結晶性を高めて、高結晶化粒子と炭素との混合物を得ることと、酸を含んだ処理液と高結晶化粒子及び炭素の混合物とを接触させることにより、酸と炭素とを反応させて、炭素が除去された高結晶化粒子を含んだスラリーを得ることとを含む。
焼成温度及び焼成時間が粒子の結晶性に及ぼす影響の一例を示すグラフ。 処理液のpHが高結晶化粒子の回収率に及ぼす影響の一例を示すグラフ。 径が大きな高結晶化粒子の走査電子顕微鏡(SEM)写真。 前駆体粒子のSEM写真。 酸による炭素除去後の高結晶化粒子のSEM写真。 高結晶化粒子に対するX線回折(XRD)測定によって得られたX線回折スペクトルを示すグラフ。 気相中での酸化によって炭素を除去した高結晶化粒子のSEM写真。
以下、実施形態の高結晶化粒子の製造方法を説明する。
(原料組成物の準備)
先ず、高結晶化粒子の原料組成物を準備する。
原料組成物は、樹脂と高結晶化粒子の前駆体粒子とを含んでいる。原料組成物において、前駆体粒子と樹脂とは均一に混ざり合っている。
前駆体粒子は、典型的には、金属化合物などの無機物からなる。前駆体粒子に使用可能な無機物としては、例えば、酸化タングステン(WO3)が挙げられる。WO3のように結晶化温度が低い材料からなる前駆体粒子から、平均粒径の小さな高結晶化粒子を得ることは困難であったが、ここで説明する技術によれば、そのような前駆体粒子から平均粒径の小さな高結晶化粒子を容易に得ることができる。
前駆体粒子は、典型的には、高結晶化粒子と同一又はほぼ同一の組成を有している。前駆体粒子は、高結晶化粒子と比較して結晶性が低い。従って、前駆体粒子は、少なくとも部分的に非晶質である。
前駆体粒子の平均粒径は、典型的には、高結晶化粒子の平均粒径とほぼ等しい。前駆体粒子の平均粒径は、例えば、3乃至20nmの範囲内である。但し、炭素被覆を除去した後に高結晶化粒子を成長させれば、前駆体粒子の平均粒径は、高結晶化粒子の平均粒径よりも小さくなる。また、炭素被覆を除去した後に高結晶化粒子から粗大粒子を除去すれば、前駆体粒子の平均粒径は、高結晶化粒子の平均粒径よりも大きくなる。
なお、前駆体粒子及び高結晶化粒子の平均粒径は、以下の方法によって得られる値である。先ず、前駆体粒子又は高結晶化粒子を、SEMを用いて撮影する。次いで、これによって得られたSEM写真に写っている粒子の中から、全体が見えている粒子を選び、各々の面積を測定する。選択した粒子の各々は真球であると仮定して、測定した面積から各々の粒子の直径を求め、それら直径の平均値を平均粒径とする。
原料組成物に使用する樹脂は、低酸素濃度雰囲気中で、典型的には不活性ガス雰囲気中で加熱した場合に、炭化するものを選ぶ。即ち、エチルセルロースのように、熱分解させたときに、炭素以外の元素が気体分子を生成するものを選ぶ。
上記の前駆体粒子と樹脂とを、例えば、分散剤を添加した溶媒に分散させ、攪拌混合することにより、ペースト状の原料組成物を得る。原料組成物の形態は、ペースト状に限定されない。例えば、原料組成物は、スラリーであってもよく、ペースト又はスラリーを乾燥させてなる固体であってもよい。
(炭化及び高結晶化)
次に、原料組成物を低酸素濃度雰囲気中で加熱処理することにより、樹脂を炭化すると共に前駆体粒子の結晶性を向上させて、高結晶化粒子と炭素との混合物を得る。樹脂の炭化により、各前駆体粒子は炭素で被覆される。例えば、前駆体粒子が炭素からなるマトリクス中に分散した構造、又は、前駆体粒子が炭素からなる被覆層で覆われた構造が得られる。そのような構造においては、前駆体粒子内での結晶粒の成長は生じ得るが、この成長は、炭素被覆によって囲まれた領域、即ち、炭素被覆と高結晶化粒子との界面によって囲まれた領域内に制限される。それ故、前駆体粒子とほぼ等しい粒径の高結晶化粒子が得られる。
樹脂を炭化するための加熱処理は、原料組成物中の樹脂から生じる炭素が、原料組成物中に残留するように、酸素含有量が例えば10体積%以下の雰囲気中で、典型的には不活性ガス雰囲気中にて行う。
高結晶化のための加熱処理は、前駆体粒子の結晶化温度より高い温度で行う必要がある。前駆体粒子がWO3からなる場合、高結晶化のための加熱処理の温度は、例えば、500℃以上である。
炭化と高結晶化とはほぼ同時に進行させてもよく、炭化後に高結晶化を行ってもよい。前者の場合、炭化と高結晶化との双方が進行し得る温度で加熱処理を行えばよい。後者の場合、前駆体粒子の結晶化温度が樹脂が炭化する最低温度よりも高くなるように材料を選択するとともに、炭化のための加熱処理を前駆体粒子の結晶化温度よりも低温で十分な時間に亘って行い、高結晶化のための加熱処理を結晶化温度以上で十分な時間に亘って行えばよい。
なお、多くの樹脂は、前駆体粒子を構成している材料の結晶粒が殆ど成長しない温度で炭化させることができる。従って、炭化後に高結晶化を行う場合、前駆体粒子を構成している材料の結晶粒の成長を十分に抑制できれば、炭化のための加熱処理を前駆体粒子の結晶化温度よりも低温で行わなくても構わない。
図1には、加熱温度及び加熱時間がWO3からなる前駆体粒子の結晶性に及ぼす影響の一例を示している。図1において、横軸は加熱時間を示し、縦軸は粒子の結晶性を示している。なお、この結晶性は、XRD測定を行い、それによって得られる回折角2θが24.38°における強度と回折角2θが23.92°における強度との比を利用して定量化したものである。
図1に示すように、加熱温度が400℃以下の場合には、加熱時間が如何様であろうと、前駆体粒子の結晶性は向上しない。加熱温度を500℃とすると、前駆体粒子の結晶性は向上するものの、その進行は非常に遅い。そして、加熱温度を600℃以上にすると、前駆体粒子の結晶性を十分に速い速度で向上させることができる。
従って、例えば、窒素雰囲気中、500℃で30分間に亘って原料組成物を加熱処理し、続いて、窒素雰囲気中、800℃で30分間に亘って原料組成物を更に加熱処理すると、WO3からなる結晶粒を殆ど成長させることなしに樹脂を速やかに炭化させること、及び、WO3からなる前駆体粒子の結晶性を十分に速い速度で向上させることができる。
(炭素被覆の除去)
上述した方法によって得られた高結晶化粒子は、炭素によって被覆されている。この炭素被覆は、酸素含有雰囲気中で熱処理して酸化させることによって除去することができる。しかしながら、高結晶化粒子が比較的低い温度で結晶粒の成長を生じる材料からなる場合、炭素被覆の除去に気相中での酸化を利用すると、結晶粒の成長を生じて、高結晶化粒子の粒径が大きくなる。
そこで、本実施形態では、炭素被覆を、酸と反応させることによって除去する。具体的には、酸を含んだ処理液を調製し、高結晶化粒子と炭素被覆との混合物に処理液を接触させる。例えば、必要に応じて混合物を粉砕し、これを処理液中に分散させる。そして、炭素被覆と酸とを十分に反応させる。
炭素と酸との反応に際しては、処理液を加熱してもよい。酸の沸点よりも高い温度で加熱を行う場合などは、処理液を還流下で加熱して、酸と炭素とを反応させてもよい。
酸としては、高結晶化粒子から炭素を除去できるものであれば、どのようなものを使用しても構わない。酸は、無機酸であってもよく、有機酸であってもよい。典型的には、酸としては、酸化剤としての役割を果たすものを使用する。そのような酸としては、例えば、硝酸及び硫酸が挙げられる。なお、硝酸のように沸点が低い酸は、高結晶化粒子から炭素を除去した後に処理液を加熱することによって、少なくとも部分的に除去することができる。
処理液は、酸に加えて、水などの液体媒体を更に含んでいてもよい。但し、処理液のpH値は、1以下であることが好ましい。
図2に、処理液のpH値が高結晶化粒子の回収率に及ぼす影響の一例を示す。図2において、横軸は処理液のpH値を示し、縦軸は粒子の回収率を示している。
図2に示すデータは、炭素被覆したWO3粒子から炭素を除去するための処理液として、硝酸水溶液を使用した場合に得られたものである。ここでは、還流冷却器を取り付けた反応容器に、炭素被覆したWO3粒子と硝酸水溶液とを投入し、これを180℃に加熱しながら5時間に亘って反応させた。反応後の液を遠心分離に供して、上澄み液と沈殿物とに分離した。この沈殿物に基づいて、高結晶化粒子の回収率を求めた。
図2に示すように、処理液のpH値を1以下とすると、高結晶化粒子の回収率が向上する。これは、処理液のpH値が小さい場合、高結晶化粒子が凝集しやすく、処理液中の沈殿層に、より多くの高結晶化粒子が含まれることによる。
(精製)
以上の処理によって得られるスラリーは、炭素が除去された高結晶化粒子を含んでいる。スラリーは、高結晶化粒子の一部として、粗大粒子を含んでいる可能性がある。例えば、スラリー中には、図3に示すように、粒径が100nmオーダーの高結晶化粒子が含まれていることがある。そのような粗大粒子を除去する必要がある場合や、平均粒径がより小さな高結晶化粒子を得る必要がある場合には、以下に説明する遠心分離を利用した精製を行う。
先ず、上記のスラリーを遠心分離に供して、上澄み液と沈殿とに分離する。なお、上澄み液には、沈殿が含んでいる高結晶化粒子と比較して粒径がより小さな高結晶化粒子を含んでいる可能性がある。また、沈殿は、比重がより大きな層と比重がより小さな層とを含んだ多層構造となる可能性がある。ここでは、一例として、遠心分離によって、スラリーは、比重がより大きな層及び比重がより小さな層からなる2層構造の沈殿と、高結晶化粒子のうち粒径が小さなものを含んだ上澄み液とに分離されることとする。また、比重がより大きな層と、比重がより小さな層とは、色が異なっていることとする。
なお、酸として硝酸を使用した場合、比重がより大きな層は白色に見え、比重がより小さな層は青色に見えることがある。また、この場合、上澄み液は黒褐色に見えることがある。
次に、上澄み液と沈殿とに分離したスラリーから、沈殿の少なくとも一部を除去する。例えば、比重がより大きな層、又は、比重がより大きな層と比重がより小さな層との2つの層を除去する。これにより、粒径の大きな高結晶化粒子をスラリーから除去する。
その後、必要に応じて、このスラリーを電気分解に供する。これにより、スラリー中に残留している酸と、炭素を除去するための反応に伴って生じ且つスラリー中に残留している生成物とを除去する。
また、上記のスラリーは、典型的には、炭素との反応に消費されなかった酸とを、この反応に伴って生じた生成物とを更に含んでいる。これらを取り除く必要がある場合には、スラリーを以下の電気分解に供する。
先ず、必要に応じて、導電性を向上させるべくスラリーに酸を添加して、そのpH値を1.5程度に調整する。導電性が向上することにより、分散粒子の一部は沈降することがある。
次に、スラリーを電気分解に供する。この電気分解では、陽極及び陰極に、例えば白金電極を使用する。酸として硝酸を使用した場合、このスラリーには窒素酸化物(NOx)が残留している。そのようなスラリーを電気分解に供すると、スラリー中のNOxは窒素分子(N2)又は硝酸イオン(NO3 -)へと転化する。このようにして、スラリーからNOxを除去する。
なお、スラリー中のN2及びNO3 -は、例えば、スラリーを加熱することによって除去することができる。
(乾燥)
高結晶化粒子を粉体の形態で使用する場合は、上記のスラリーを乾燥させる。例えば、スラリーを減圧乾燥処理するか、又は、スラリーを凍結させ、凍結したスラリーを減圧乾燥処理する。なお、この乾燥に先立って、上記のスラリーを遠心分離に供し、上澄み液の少なくとも一部を除去してもよい。
スラリーを凍結させて減圧乾燥させる代わりに、例えば、加熱したホットプレート上で分散媒の蒸発除去を行うと、高結晶化粒子の凝集を生じることがある。それ故、分散液を加熱乾燥させた場合、例えば、製造した高結晶化粒子をペースト状に分散させて使用することは困難となる。高結晶化粒子を粉末状で得る必要がない場合は、減圧乾燥する際、無色化した分散液を凍結する必要はない。
以上説明した方法によると、比較的低い温度で結晶粒の成長を生じる材料であっても、粒径が小さな高結晶化粒子、具体的には比表面積が5m2/g以上である高結晶化粒子を製造することが可能である。
なお、上記の方法によって製造したWO3からなる高結晶化粒子についてXRD測定を行うと、典型的には、24.38°の回折角2θにおける強度I24.38と23.92°の回折角2θにおける強度I23.92との比I24.38/I23.92は2以上である。
(実施例1)
(原料組成物の準備)
WO3粉末(比表面積100m2/g)5.0質量部、エチルセルロース10.0質量部、分散剤2.5質量部、ブチルカルビトールアセテート61.9質量部及びα−ターピネオール20.6質量部を攪拌混合してなるスラリーを準備した。なお、図4は、ここで使用したWO3粉末のSEM写真である。
(高結晶化)
原料組成物を、窒素雰囲気中、500℃で30分間に亘り、マッフル炉において加熱処理した。これにより、WO3粒子の周りに存在するエチルセルロースをアモルファスカーボンへ変化させた。続いて、窒素雰囲気中、800℃で30分間に亘り、更に加熱処理した。これにより、WO3粒子の結晶性を向上させた。以上のようにして、WO3粒子と炭素被覆とからなる黒色粉末を得た。
(炭素被覆の除去)
得られた黒色粉末を、96質量%の濃度で硝酸を含んだ硝酸水溶液中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを、還流下、180℃で5時間に亘る熱処理に供し、続いて、硝酸ガスを系から放出させた。
(精製)
その後、スラリーを遠心分離に供して、黒褐色の上澄み液と沈殿とに分離した。なお、上澄み液の着色は、スラリー中に残留していたNOxに起因している。
この上澄み液を沈殿から分離し、これに、pH値が1程度となるように塩酸を添加した。なお、塩酸の添加により、黒褐色の沈殿を生じた。その後、この液を、電気分解に供した。ここでは、陽極及び陰極に白金電極を使用した。電気分解を開始してから1.5時間後、沈殿は黒褐色から青色に変化し、上澄み液は薄褐色へと変化した。そして、電気分解を開始してから6時間後に、上澄み液は無色化した。
(乾燥)
続いて、青色沈殿物を含み、上澄み液が無色化したスラリーを、凍結乾燥機へ入れた。そして、これを−20℃で凍結させ、続いて、凍結乾燥機内を20Paまで減圧するとともに、水が昇華するのに要する熱を補いながら、水を除去した。これによって、高結晶化粒子としてのWO3粒子を粉末の形態で得た。
(平均粒径の測定)
得られたWO3粒子の平均粒径を、SEMを用いた観察により測定した。また、図5に、この測定に利用したSEM写真を示す。
図4及び5からわかるように、本例では、WO3粒子の粒成長を防止できた。また、高結晶化粒子は、前駆体粒子の形状を維持していた。
(比表面積の測定)
得られたWO3粒子の比表面積を、気相吸着法によって測定した。具体的には、Macsorb(登録商標) HM Model−1200(マウンテック社製)を使用して、BET法によりWO3粒子の比表面積を測定した。得られたWO3粒子の比表面積は60m2/gであった。
(結晶性の評価)
得られたWO3粒子の結晶性を、XRD測定によって評価した。XRD測定の結果を図6に示す。
図6に示すように、X線の回折角2θが22°以上25°未満の範囲において、X線強度のピークが3つ存在していた。この結果から、高結晶化粒子としてのWO3粒子では、単斜晶系、斜方晶系及び三斜晶系の3つの結晶系が共存していることを確認した。また、結晶性の指標として、2θが24.38°となるピークと2θが23.92°となるボトムとの強度比(I24.38°/I23.92°)を求めたところ、値は2.57となった。
(実施例2)
原料組成物の組成において、エチルセルロースの量を15.0質量部、ブチルカルビトールアセテートの量を58.1質量部及びα−ターピネオールの量を19.4質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、高結晶化粒子としてのWO3粒子を粉末の形態で得た。実施例2で得られた高結晶化粒子の比表面積及び結晶性も実施例1と同様の結果が得られた。
(比較例)
炭素を硝酸によって除去する代わりに、酸素含有雰囲気中での熱処理により除去したこと以外は、実施例1と同様にして、高結晶化粒子としてのWO3粒子を粉末の形態で得た。図7に、比較例で得られた高結晶化粒子のSEM写真を示す。
比較例で得られたWO3の高結晶化粒子についても、実施例1と同様にして、結晶性の評価及び比表面積の測定を行った。比較例で得られたWO3の高結晶化粒子の比表面積は、熱処理前の比表面積100m2/gが炭素除去後に20m2/gへと変化した。また、結晶性については、I24.38°/I23.92°の値が2.50となった。
上記の通り、実施例1及び2で得られたWO3粒子は、高結晶化されているだけでなく、WO3粒子の粒成長を防止できていることが確認できた。比較例で得られたWO3粒子は、高結晶化されているものの、比表面積が小さくなっていることから、粒径が増大したことが分かった。
以上、本発明の実施形態の1つを説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (8)

  1. 比表面積が5m2/g以上である高結晶化粒子を製造する方法であって、
    樹脂と、前記樹脂中に分散し、少なくとも部分的に非晶質である前駆体粒子とを含んだ原料組成物を加熱処理することにより、前記樹脂を炭化すると共に、前記前駆体粒子の結晶性を高めて、高結晶化粒子と炭素との混合物を得ることと、
    酸を含んだ処理液と前記混合物とを接触させることにより、前記酸と前記炭素とを反応させて、前記炭素が除去された前記高結晶化粒子を含んだスラリーを得ることと
    を含む方法。
  2. 前記処理液はpH1以下である請求項1に記載の方法。
  3. 前記スラリーを電気分解に供して、前記反応に伴って生じ且つ前記スラリー中に残留している生成物を除去することを更に含んだ請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記スラリーを前記電気分解に供した後、前記スラリーを減圧乾燥処理するか、又は、前記スラリーを凍結させ、凍結した前記スラリーを減圧乾燥処理することを更に含んだ請求項3に記載の方法。
  5. 前記スラリーを前記電気分解に供するのに先立って、
    前記スラリーを遠心分離に供して、前記高結晶化粒子のうち粒径がより小さなものが分散した上澄み液と、前記高結晶化粒子のうち粒径がより大きなものを含んだ沈殿とに分離することと、
    前記上澄み液と前記沈殿とに分離した前記スラリーから前記沈殿の少なくとも一部を除去することと
    を更に含み、
    前記沈殿の前記少なくとも一部を除去した前記スラリーを前記電気分解に供する請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記前駆体粒子はWO3を含んだ請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
  7. 前記酸は硝酸である請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
  8. 比表面積が5m2/g以上である高結晶化粒子。
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