JP2014184718A - 延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造において、フィルムを熱処理した際に発生するオリゴマやコーティング剤昇華物などの析出による工程汚染を抑制し、フィルム付着異物の低減と、長手方向および幅方向の厚みや熱収縮分布の均一性を両立させたフィルムを製造する。
【解決手段】予熱工程、延伸工程、熱処理工程、及び冷却工程をこの順に有し、延伸工程の出口の静圧は、熱処理工程の入口の静圧よりも1〜8Pa高く、冷却工程の入口の静圧は、熱処理工程の出口の静圧よりも1〜8Pa高いことを特徴とする。予熱工程:フィルムをそのガラス転移温度以上で加熱する。延伸工程:フィルムを少なくとも一軸方向に延伸する。熱処理工程:フィルムを延伸工程中の最高温度よりも高い温度で加熱しながら、フィルムを把持及び/または弛緩する。冷却工程:フィルムを熱処理工程中の最低温度よりも低い温度で冷却しながら、フィルムを把持及び/または弛緩する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂フィルムを延伸し製造する方法に関し、特にフィルムを熱処理した際に発生するオリゴマやコーティング剤昇華物などの析出による工程汚染を抑制し、フィルム付着異物の低減と、厚みや熱収縮分布の均一性を両立させたフィルムの製造方法に関する。
近年はIT分野の伸びに伴い、ディスプレイ用の反射防止フィルム、タッチパネル用などの基材や光ディスプレイ及び液晶位相差板など光学用部材の工程紙など、光学用途のフィルムが増えてきている。光学用途のフィルムとしては、優れた透明性を有し、かつ、光学欠点が極力少ないこととが望まれる。製品の高性能化や高品質化に伴って、光学欠点の低減に対する要求も一段と高く、特に、厚みムラや付着欠点については、基材フィルムのコーティング加工の際に光学的干渉ムラやコーティング欠点を発生する原因の一つになっている。さらに、ハードコート加工や蒸着加工において熱処理した際の寸法安定性などから、フィルムの熱収縮安定性と均一性が求められている。
一般に、一軸または二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムは、未延伸フィルムまたは長手方向に一軸延伸したフィルムの両端を連続走行するクリップなどで把持しながら熱風等で加熱し、幅方向及び/または長手方向に延伸した後に高温で熱処理することにより製造される。
工程として大きく予熱工程、延伸工程、熱処理工程、冷却工程に分けられ、各工程においては、熱風循環経路が設けられ、循環熱風の温度がコントロールできるように設計されている。この中でも熱処理工程は、熱可塑性樹脂の結晶化やフィルムの配向・厚みの安定化のためにフィルムを高温で加熱するため、フィルム基材中の低重合体や揮発性有機化合物などのいわゆるオリゴマや、コーティング剤等に含まれる揮発性有機化合物が昇華あるいは揮発し易く、これらを含んだ熱風が延伸工程や冷却工程などの熱風温度が熱処理工程より低い工程に流れ込んだり、工程内あるいは循環熱風経路で温度が低い部位に接触したりすることでオリゴマなどの昇華物が固体となって析出し、工程内の壁面や配管に沈積して汚れや閉塞の原因になり、また、フィルム表面に付着すると品質問題を引き起こす課題がある。
そこで、特許文献1の如く、熱風循環経路にアルミナおよび酸化ジルコニウムの少なくとも1種の無機酸化物と白金とを含んでなる触媒を導入することで、オリゴマなどの昇華物を系外に排出することなく分解処理する方法が提案されている。
一方で、特許文献2の如く、ステンター(あるいは、テンター、オーブンとも言う。)の塵埃度を、0.3μm以下の塵埃が5000個/ft以下と制御するために、ステンターの各部屋に給排気口を各1つずつ設置する方法が提案されている。この方法により、各部屋における塵埃度を低減させる効果がある。
さらに、発生源である熱処理工程から下流工程及び/または上流工程への流れ込みを防ぐべく、特許文献3や4の如く、エアノズルやエアナイフにより、加熱空気をフィルム面に対してフィルム幅方向に渡って吹きつけてエアーカーテンを構成させる方法が提案されている。この方法により、ノズルを傾斜させることで、熱処理工程から下流工程及び/または上流工程への流れ込みを防ぐことが可能となる。
WO2009/125829号パンフレット 特開2009−12242号公報 特公平6−4275号公報 特開2012−143893号公報
特許文献1に記載の方法においては、使用する触媒は、オリゴマに対し一時的に高い分解活性を示すものの、一度に全てのオリゴマを分解することはできない問題がある。また、その分解物等が触媒に堆積することで不活化し、効率が低下したり圧損が高くなり気流に影響を与えたりする問題があり、その度に再生処理や交換を行うと生産コスト上がってしまう。また、コーティング剤などに含まれるメラミン等の揮発性有機化合物に対する触媒の分解性能は、一般的な熱処理温度200〜300℃において低く、効果がない。
一方で、特許文献2に記載の方法は、オリゴマなどが発生する熱処理工程から下流工程及び/または上流工程への流れ込みがあるため、下流工程及び/または上流工程で昇華物が固体となって析出する課題がある。
さらに特許文献3や4に記載の方法は、下流工程全体及び/または上流工程全体から熱処理工程への強い流れが生じるため、フィルムの物性を決定する延伸や熱処理、弛緩においてフィルム幅方向での加熱ムラや冷却ムラが生じ、厚みが不均一となったり熱収縮分布にムラが生じたりする。加えて、既存のステンター設備に対して追加導入する場合は、設置するスペースの確保が困難であり、コストも高い。
本発明の課題は、上記問題点を解決することであり、延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造において、フィルムを熱処理した際に発生するオリゴマやコーティング剤昇華物などの析出による工程汚染を抑制し、フィルム付着異物の低減と、長手方向および幅方向の厚みや熱収縮分布の均一性を両立させたフィルムを製造する方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、コストと品質そして物性の両立を検討した結果、本発明は以下の構成を有している。
(1) 予熱工程、延伸工程、熱処理工程、及び冷却工程をこの順に有し、
延伸工程の出口の静圧は、熱処理工程の入口の静圧よりも1〜8Pa高く、
冷却工程の入口の静圧は、熱処理工程の出口の静圧よりも1〜8Pa高いことを特徴とする、延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
予熱工程:延伸工程より前の工程であって、フィルムをそのガラス転移温度以上で加熱する工程。
延伸工程:フィルムを少なくとも一軸方向に延伸する工程。
熱処理工程:フィルムを延伸工程中の最高温度よりも高い温度で加熱しながら、フィルムを把持及び/または弛緩する工程。
冷却工程:フィルムを熱処理工程中の最低温度よりも低い温度で冷却しながら、フィルムを把持及び/または弛緩する工程。
(2) 予熱工程、延伸工程、中間工程1、熱処理工程、中間工程2、及び冷却工程をこの順に有することを特徴とする、(1)に記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
中間工程1:延伸工程と熱処理工程の間の全区間に相当する工程であって、給気量よりも排気量の方が多い工程。
中間工程2:熱処理工程と冷却工程の間の全区間に相当する工程であって、給気量よりも排気量の方が多い工程。
(3) 予熱工程、延伸工程、中間工程1、熱処理工程、中間工程2、及び冷却工程が、ステンターの中で行われ、
前記中間工程1及び/または中間工程2において、フィルムの上側及び下側に、フィルム幅方向に亘る排気口をステンターが有し、フィルム面から排気口までの垂直方向の距離が100〜500mmであることを特徴とする、(2)に記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(4) 前記延伸工程の出口の静圧が、延伸工程の静圧の中で最も高いことを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(5) 前記冷却工程の入口の静圧が、冷却工程の静圧の中で最も高いことを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(6) 予熱工程、延伸工程、中間工程1、熱処理工程、中間工程2、及び冷却工程が、ステンターの中で行われ、各工程の換気回数が10回以上/時間であることを特徴とする、(2)〜(5)のいずれかに記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(7) 予熱工程の前に、フィルムの片面または両面にコーティング剤を塗布する工程(塗布工程)を有することを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(8) 前記熱処理工程の入口の静圧および出口の静圧が、−1Pa以上であることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
本発明によれば、延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造において、フィルムを熱処理した際に発生するオリゴマやコーティング剤昇華物などの析出による工程汚染を抑制し、フィルム付着異物の低減と、長手方向および幅方向の厚みや熱収縮分布の均一性を両立させたフィルムを製造する方法を提供することができる。
本発明の一実施態様に係るステンターの全体構成を示す概略平面図である。 図1における各工程を構成する部屋の概略断面図である。
本発明の適用が可能な、フィルムを構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略すことがある。以下の括弧内は同様。)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PPT)、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)などのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、および、ポリエチレンテレフタレートなどに、共重合成分として、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分などを共重合したポリエステル樹脂、その他、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などがある。また、位相差や厚みムラの制御が厳密に要求される光学用途好適にも適用することができ、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアクリル樹脂などの非晶性の樹脂を構成成分としているものの延伸にも効果がある。
また、これらの熱可塑性樹脂の中に、目的に応じて各種の添加剤を含有する事ができる。例えば、易滑性付与のためにコロイダルシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、有機シリコーン及びポリジビニルベンゼンスルホン酸などの不活性粒子を含有させることができる。また熱可塑性樹脂で構成されるフィルム中には、帯電防止剤や酸化防止剤などが含有されていてもかまわない。
フィルムを構成する熱可塑性樹脂として好適な、PETの重合法としては、テレフタル酸とエチレングリコール、および必要に応じて他のジカルボン酸成分およびジオール成分を直接反応させる直接重合法、およびテレフタル酸のジメチルエステル(必要に応じて他のジカルボン酸のメチルエステルを含む)とエチレングリコール(必要に応じて他のジオール成分を含む)とをエステル交換反応させるエステル交換法等の任意の製造方法が利用されうる。
本発明の製造方法において、延伸処理を施す前の未延伸フィルムは、公知の方法で得ることができるが、コストや生産性の観点から溶融製膜法が好適に適用され得る。溶融製膜法は、用いるダイの形状によりストレートダイ法、クロスヘッドダイ法、フラットダイ法、特殊ダイ法に分類することができるが、本発明の延伸方法はフラットダイ法による製膜法に用いることが好ましい。原料となる熱可塑性樹脂(以下、原料となる熱可塑性樹脂を、単に樹脂原料という)を溶融押し出しする際には、樹脂原料をホッパードライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥するのが好ましい。そのように樹脂原料を乾燥させた後に、溶融押出装置等により溶融した樹脂はギヤポンプで計量され、ダイに連続的に送られる。ダイはその内部での溶融樹脂の滞留が少ない設計であればよく、フラットダイ法では、一般的に用いられるマニホールドダイ、コートハンガーダイ、フィッシュテールダイの何れのタイプでもよい。ダイからシート状に押し出された溶融樹脂をドラムなどの冷却媒体上で冷却固化することで未延伸フィルムを得ることができる。フラットダイ法による溶融製膜では、押出温度、引き取り時の引き取り速度およびダイのリップ間隙を調整することで、所定のフィルム厚みとなる。
このようにして得られたシート状の未延伸フィルムは、本発明の製造方法(延伸方法)を行う前に、長手方向に一軸延伸してもよい。一軸延伸する方法としては、温度制御された数本のロールに接触させる方法や、赤外線ヒーターなどのヒーターの輻射熱により加熱させる方法などにより、熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱し、前後するロールの周速差などを用いて長手方向に一軸延伸される。この場合の一軸延伸倍率は、目的に応じて適宜選択されるが、一般に靱性や可撓性の向上の目的としては1.2倍以上、強度や位相差発現の目的には1.5倍〜5倍の範囲が選択される。一軸延伸は、1段階で行っても2段階以上で段階的に行ってもかまわないが、フィルムの表面のキズやロールへ粘着痕などの欠点が発生しにくい延伸方法を選択することが好ましい。
本発明の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、延伸対象となるフィルム(未延伸フィルム、又は、一軸延伸フィルムのことを、以下、延伸対象となるフィルムという)の厚みは目的に応じて適宜選択されるが、一般的には本発明の製造方法の前のフィルム厚みが5〜1500μmの範囲内であることが好ましく、本発明の製造方法の前のフィルム厚みが5μm未満の場合には、延伸した際に破断が生じ易くなるなど歩留まりを悪化させることがあり、1500μmを超える場合には透明性が低下したり部材としての厚みが大きくなり過ぎたりすることがある。
本発明の製造方法が適用される前のフィルム(延伸対象となるフィルム)の任意の方向における厚みムラは、フィルム厚みの0%以上2.5%以下であることが好ましく、例えばフィルム厚みが1000μmの場合は、厚みムラがフィルム長手方向および幅方向ともに0μm以上25μm以下であることが望ましい。これは、厚みムラの形状・箇所によっては、延伸を行った際に厚みが薄い箇所が局所的に延伸されることで幅方向や長手方向の物性にムラが生じるためである。
本発明の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を以下に説明する。本発明は、予熱工程、延伸工程、熱処理工程、及び冷却工程をこの順に有し、延伸工程の出口の静圧は、熱処理工程の入口の静圧よりも1〜8Pa高く、冷却工程の入口の静圧は、熱処理工程の出口の静圧よりも1〜8Pa高いことを特徴とする。そしてより好ましい態様の本発明は、予熱工程、延伸工程、中間工程1、熱処理工程、中間工程2、及び冷却工程をこの順に有し、延伸工程の出口の静圧は、熱処理工程の入口の静圧よりも1〜8Pa高く、冷却工程の入口の静圧は、熱処理工程の出口の静圧よりも1〜8Pa高いことを特徴とする。
そしてこの本発明の製造方法を、図1〜2を用いて説明する。
図1は一般的なステンターの全体構成を示す概略平面図である。ステンターは、延伸対象となるフィルム1(未延伸フィルムまたは未延伸フィルムを長手方向に一軸延伸したフィルム)の両端を連続走行するクリップ等で把持し、該フィルムをそのガラス転移温度以上に加熱する予熱工程3、クリップが走行するレールの広がり及び/または連続走行するクリップの速度を変化させることによってフィルムを少なくとも一軸方向に延伸する延伸工程4、延伸工程4と熱処理工程6の間の工程であって、給気量よりも排気量の方が多い中間工程1(5)、フィルムを延伸工程中の最高温度よりも高い温度で加熱しながら、フィルムを把持及び/または弛緩する熱処理工程6、熱処理工程6と冷却工程8の間の工程であって、給気量よりも排気量の方が多い中間工程2(7)、フィルムを熱処理工程中の最低温度よりも低い温度に冷却しながら、フィルムを把持及び/または弛緩する冷却工程8を順にフィルムが流れて、延伸熱可塑性樹脂フィルム2が得られる。
予熱工程とは、延伸工程より前の工程であって、フィルムをそのガラス転移温度以上で加熱する工程を意味する。熱可塑性樹脂フィルムがPETフィルムの場合、そのガラス転移温度は70〜90℃程度、結晶化温度は140〜170℃程度であり、そのため予熱工程の熱伝達効率や長手方向の長さにも依るが、予熱工程では80℃以上140℃以下で加熱することが好ましい。予熱工程における加熱温度が140℃を超えるとPETの結晶化が一部進み、延伸工程でフィルムが破れることがある。
延伸工程とは、フィルムを少なくとも一軸方向に延伸する工程を意味する。この延伸工程では、少なくとも幅方向に延伸することが一般的であるが、幅方向および長手方向を同時に延伸してもよい。幅方向及び/または長手方向の延伸倍率は、目的に応じて適宜選択されるが、一般に靱性や可撓性の向上の目的としては1.2倍以上、強度や位相差発現の目的には1.5倍〜5倍の範囲が選択される。また、熱可塑性樹脂フィルムがPETフィルムの場合、延伸工程では、予熱工程と同様に、80℃以上140℃以下で加熱することが好ましい。加熱温度が140℃以上になるとPETの結晶化が一部進み、フィルムが延伸できずに破れることがある。
中間工程1とは任意で設けられる工程である。そして中間工程1とは、延伸工程と熱処理工程の間の全区間に相当する工程であって、給気量よりも排気量の方が多い工程を意味する。また、中間工程2も任意で設けられる工程である。そして中間工程2とは、熱処理工程と冷却工程の間の全区間に相当する工程であって、給気量よりも排気量の方が多い工程を意味する。中間工程1や2が複数の部屋で構成されている場合において、給気量よりも排気量の方が多い工程とは、該工程を構成する全ての部屋の合計の給気量が、該工程を構成する全ての部屋の合計の排気量よりも多いことを意味する。つまり、中間工程1や2が1つの部屋で構成されている場合であれば、その1つの部屋に設置された全ての排気口につながるダクト内の排気量と全ての給気口につながるダクト内の給気量とを測定することで、給気量よりも排気量の方が多いか否かを確認することができる。そして、中間工程1や2が複数の部屋で構成されている場合であれば、その複数の部屋に設置された全ての排気口につながるダクト内の排気量を合計した排気量と、その複数の部屋に設置された全ての給気口につながるダクト内の給気量を合計した給気量とを測定することで、給気量よりも排気量の方が多いか否かを確認することができる。
なお、本発明の製造方法をステンターを用いて行う際には、予熱工程、延伸工程、中間工程1、熱処理工程、中間工程2、及び冷却工程は、ステンター内の部屋にて行われることになるが、隣り合う部屋は、フィルムを隣りの部屋へ搬送する部分においてつながっている(連結している)。そのため、該フィルムを搬送する部分からもエアーの出入りがされるが、中間工程1において給気量や排気量を求める際には、中間工程1内のフィルムを搬送する部分からのエアーの出入りは考慮しないこととする。つまり、中間工程1において、給気量よりも排気量の方が多いことを確認する際には、該中間工程1内の給気口からの給気量と排気口からの排気量とを考慮するのであって、中間工程1内のフィルムを搬送する部分からのエアーの出入り(給気量や排気量)は考慮しないこととする。中間工程2についても同様である。これら中間工程1及び2の給排気量については後述する。
中間工程1における給気温度は、フィルムに急激な変化を与えないよう、隣接する延伸工程の出口の循環温度と同等であることが好ましい。同様に中間工程2における給気温度は、フィルムに急激な変化を与えないよう、隣接する冷却工程の入口の循環温度と同等であることが好ましい。
なお、中間工程1や2と同様に、給気量よりも排気量の方が多い工程は、必要に応じて適宜設置可能である。例えば、冷却工程の中に給気量よりも排気量を多くした工程を設ける、つまり、冷却工程の一部において、給気量よりも排気量を多くした部分が存在しても構わない。
熱処理工程とは、フィルムを延伸工程中の最高温度よりも高い温度で加熱しながら、フィルムを把持及び/または弛緩する工程を意味する。この熱処理工程の温度は、熱可塑性樹脂フィルムがPETフィルムの場合、180℃以上250℃以下の比較的高温であることが好ましい。熱処理工程を設ける事により、その後の加工工程や最終製品として使用時に高温下に晒された時の寸法安定性が向上する。また、熱処理工程において、フィルム幅方向や長手方向のクリップ間隙を狭めることが可能であり、これにより、フィルムが弛緩され熱収縮し、更に寸法安定性や厚み均一性を向上させることができる。
冷却工程とは、フィルムを熱処理工程中の最低温度よりも低い温度で冷却しながら、フィルムを把持及び/または弛緩する工程を意味する。そして熱処理工程と同様に、冷却工程においても、フィルム幅方向や長手方向のクリップ間隙を狭めることが可能であり、これにより、フィルムが弛緩され熱収縮し、更に寸法安定性や厚み均一性を向上させることができる。冷却工程の温度は、熱可塑性樹脂フィルムがPETフィルムの場合、50℃以上180℃未満の温度で行うことが好ましい。
図1に示す各工程は、中間工程1や2を除いて、それぞれ少なくとも一つの部屋からなり、図2は一般的な部屋の構成を示す概略断面図である。なお、中間工程1や2は、一つの部屋からなることが一般的である。加熱蒸気を通した熱交換器9で一定の温度に保たれた熱風を循環させる循環ファン10によりノズル11に送られた熱風が、クリップ12に把持されたフィルム13の上下方向から吹きつけられる。ノズル11の形状は、スリット状でも角状でも円状であってもよく、フィルム幅方向に対して、風速ムラや温度ムラができないよう内部構造で工夫される。フィルム13を加熱または冷却した熱風はフィルム上下位置にあるリターン口14から熱風循環ライン15に戻り、再び熱交換器9で一定の温度に保たれて、循環ファン10により系内を循環する。その際、フィルム13を加熱または冷却した熱風には、フィルム中の低重合体や揮発性有機化合物などのいわゆるオリゴマや、コーティング剤等に含まれる揮発性有機化合物が昇華あるいは揮発した成分などが含まれる。循環熱風の清浄性を保つため、熱交換器9や循環ファン10の出口に粗塵フィルタなどを設置して一定サイズの塵埃を除去することは可能であるが、飽和濃度以下の析出していない成分の除去はできず、また析出した場合は短期間でフィルタ閉塞による循環風量の低下や清浄度の悪化を招く。そこで、循環熱風の清浄性を維持するため、給気ライン16からHEPAフィルタ等を通して塵埃をカットした清浄なエアーを循環ライン15に給気することで、熱風に含まれる昇華物濃度を低減させ、排気ライン17から給気量に応じた排気を行うことで部屋内の換気を行う。このとき、給気ライン16から給気されるエアーは、可能な限り熱風循環温度と同等であることが好ましい。給気されるエアーの温度が低いと、熱風中に含まれるオリゴマなどの昇華物が析出してしまうためである。また、給気ラインからエアーが供給される給気口や排気ライン17から排気される排気口は、1つの部屋に対し複数箇所あってもよく、特に排気口は部屋内における気流の流れに配慮して、設置することが望ましい。
本発明の製造方法においては、延伸工程の出口の静圧は、熱処理工程の入口の静圧よりも1〜8Pa高く、冷却工程の入口の静圧は、熱処理工程の出口の静圧よりも1〜8Pa高いことが重要であるため、各工程の静圧を確認することが重要である。各工程の入口の静圧とは、各工程を構成する最も上流側の部屋の静圧であり、各工程の出口の静圧とは各工程を構成する最も下流側の部屋の静圧をいう。そしてステンター内の各部屋の静圧を確認する方法としては、後述する。
各工程を構成する部屋毎の給気量及び排気量(以下、単に給排気量という)の調整方法について説明する。図2に示す給気ライン16からの給気量よりも排気ライン17からの排気量を多くすることで、部屋の静圧がマイナス(陰圧ともいう)となり、隣接する部屋や工程からエアーが流入する。逆に、給気量よりも排気量を少なくすることで、部屋の静圧がプラス(陽圧ともいう)となり、隣接する部屋や工程にエアーが流出する。そのため、各部屋における給気量と排気量は、一般的に等しくなるように調整される。しかしながら、本発明においては、延伸工程の出口の静圧を、熱処理工程の入口の静圧よりも1〜8Pa高く(、つまり、「延伸工程の出口の静圧」−「熱処理工程の入口の静圧」=1〜8Pa、を満たし)、冷却工程の入口の静圧を、熱処理工程の出口の静圧よりも1〜8Pa高くする(、つまり、「冷却工程の入口の静圧」−「熱処理工程の出口の静圧」=1〜8Pa、を満たす)ことが重要であり、これによって、オリゴマなどが発生する熱処理工程から上流工程および下流工程への流れ込みを防ぐことができる。延伸工程の出口の静圧は、熱処理工程の入口の静圧よりも1Pa以上高く(、つまり、「延伸工程の出口の静圧」−「熱処理工程の入口の静圧」≧1Pa、を満たし)、冷却工程の入口の静圧は、熱処理工程の出口の静圧よりも1Pa以上高い(、つまり、「冷却工程の入口の静圧」−「熱処理工程の出口の静圧」≧1Pa、を満たす)ことが重要であり、これを満たさないと、熱処理工程から他の工程へのエアーの流れ込みが大きく発生するようになる問題がある。また、延伸工程の出口の静圧は、熱処理工程の入口の静圧よりも8Pa以下高く(、つまり、「延伸工程の出口の静圧」−「熱処理工程の入口の静圧」≦8Pa、を満たし)、冷却工程の入口の静圧は、熱処理工程の出口の静圧よりも8Pa以下高い(、つまり、「冷却工程の入口の静圧」−「熱処理工程の出口の静圧」≦8Pa、を満たす)ことが重要であり、これを満たさないと、熱処理工程へのエアーの流れ込み量が増えることで、長手方向および幅方向の厚みや熱収縮分布にムラが生じるようになる問題がある。
前述の熱処理工程の部屋の静圧が陰圧である場合、延伸工程や冷却工程から熱処理工程より温度の低いエアーが熱処理工程に流れ込むことで、オリゴマなどがフィルム表面や周辺の壁面に局所的に析出することがある。そのため、熱処理工程の入口の静圧および出口の静圧は、−1Pa以上であることが好ましく、熱処理工程の入口の静圧および出口の静圧が−1Pa以上となるように、熱処理工程の各部屋の給気量と排気量を制御することが好ましい。熱処理工程の入口の静圧および出口の静圧は、0Pa以上であることがさらに好ましい。また、延伸工程の出口の静圧は、熱処理工程の入口の静圧よりも1〜8Pa高く、冷却工程の入口の静圧は、熱処理工程の出口の静圧よりも1〜8Pa高いため、熱処理工程の入口の静圧および出口の静圧は、10Pa程度が現実的な上限と考えられる。熱処理工程の入口の静圧および出口の静圧は、5Pa以下であることがさらに好ましい。
静圧の高い箇所から低い箇所へのエアーの流れ込みは、連続する工程間だけでなく、各工程を構成する部屋間でも発生する。工程途中に静圧の高い部屋があると、長手方向のエアーの流れ(MD流ともいう)が安定しないため、延伸工程であれば延伸ムラによる厚みムラ、冷却工程であれば冷却分布ムラによる熱収縮ムラが生じ易くなる。そのため本発明の製造方法においては、工程内に安定した流れを作るべく、延伸工程の出口の静圧は、延伸工程の静圧の中で最も高いことが好ましい。つまり、延伸工程が複数の部屋から構成される場合には、延伸工程を構成する最も下流側の部屋の静圧が、延伸工程の他の部屋の静圧よりも高いことが好ましい。また、冷却工程の入口の静圧は、冷却工程の静圧の中で最も高いことが好ましい。つまり、冷却工程が複数の部屋から構成される場合には、冷却工程を構成する最も上流側の部屋の静圧が、冷却工程の他の部屋の静圧よりも高いことが好ましい。
延伸工程と熱処処理工程の間にある中間工程1や熱処理工程と冷却工程の間にある中間工程2では、次の関係式を満たすように給気量と排気量を制御することが好ましい。つまり中間工程1の排気量は、
[中間工程1の排気量]≒[中間工程1の給気量]+[延伸工程出口の部屋の給気量]−[延伸工程出口の部屋の排気量]+[熱処理工程入口の部屋の給気量]−[熱処理工程入口の部屋の排気量]
となるように調整することが好ましい。同様に中間工程2の排気量は、
[中間工程2の排気量]≒[中間工程2の給気量]+[熱処理工程出口の部屋の給気量]−[熱処理工程出口の部屋の排気量]+[冷却工程入口の部屋の給気量]−[冷却工程入口の部屋の排気量]
となるように調整することが好ましい。その結果、本発明における中間工程の排気量は、中間工程の給気量よりも多くなる。
中間工程1や2における排気は、フィルム面に随伴するエアーをより効率的に排気できるよう、中間工程1及び/または中間工程2において、フィルムの上側及び下側に、フィルム幅方向に亘る排気口をステンターが有することが望ましく、フィルム面から排気口までの垂直方向の距離が100〜500mmであることが好ましい。フィルム面から排気口までの垂直方向の距離が100mmよりも近い場合、フィルム幅方向での排気のムラが生じ易くなるため、上流及び/または下流工程へのエアーの流れ込みが発生し易くなる。また、フィルムのバタツキによる排気口との接触によるスリキズや破れが発生し易くなり、さらに、フィルム通しなどを行うためには、フィルム面から排気口を垂直方向に退避させる機構が別途必要になる。フィルム面から排気口までの垂直方向の距離が500mmよりも遠い場合は、フィルム面から離れた排気口近傍のエアーを排気し易くなるため、フィルム面に随伴するエアーを排気することが難しくなる。
中間工程1及び/または中間工程2におけるフィルムの上側及び下側の排気口の排気量は、それぞれの上流工程及び下流工程からのエアーの流れ込み方により適宜調整されるが、好ましくは等しいことである。また、フィルムの上側及び下側のフィルム幅方向に亘る排気口は1つの部屋の中に複数箇所あってもよい。さらに、排気口の形状は、スリット状でも角状でも円状であってもよく、フィルム幅方向で排気風速が異なっていてもよい。ただし、各排気口のフィルム幅方向の排気ムラは、[排気口の排気量]を[排気口の幅]で割った[平均排気量]に対して−30%以上30%以内であることが好ましい。これは、排気ムラが大きくなると上流及び/または下流工程へのエアーの流れ込みが発生し易くなるためである。この排気ムラを小さくするための調整は、排気口内部の構造で行ってもよいが、排気口の開口部の面積をフィルム幅方向で変化させてもよい。
中間工程1や2における給気は、フィルム面に随伴するエアーをより効率的に遮断できるよう、中間工程1及び/または中間工程2における給気口は、排気口同様にフィルムの上側及び下側に設置することが望ましく、さらに好ましくはフィルムの上側及び下側に、フィルム幅方向に亘る給気口をステンターが有することである。フィルム面から給気口までの垂直方向の距離は、排気口よりも離れていることが好ましく、さらに好ましくは、排気口よりも300mm以上1500mm以下離れていることである。300mmよりも近い場合、給気されたエアーが局所的な陽圧化や中間工程の換気をなす前に排気口に直接吸引され易くなる。また、1500mmより遠いことはステンターの高さを考慮すると現実的ではない。
上述の本発明の製造方法によって、延伸熱可塑性樹脂フィルムを製造することができるが、延伸熱可塑性樹脂フィルムの接着性や絶縁性または導電性等の機能性付与を目的として、予熱工程の前に、延伸対象フィルムの片面または両面にコーティング剤を塗布する工程(塗布工程)を有することができる。延伸対象フィルムの表面に塗布するコーティング剤としては特に限定されないが、例えば延伸対象フィルムがPETフィルムの場合、コーティング剤としてはポリエステル、アクリルポリマー、ポリアミドおよびポリウレタンなどの水溶液または水分散液が好適に用いられる。コーティング剤の塗布方法としては、ロールコーター、グラビアコーターおよびバーコーターなどの方法を用いることができる。
換気回数とは、1時間当たりに部屋の容積(床面積×天井高さ)に対して空気が何回入れ替わったかを示す指数のことであり、一般的に空気の流入量は排気量で計算される。しかし、本発明においては、中間工程においても積極的に排気を行うため、各工程における空気の流入量は給気量で計算するものとする。つまり、本発明における換気回数とは、予熱工程、延伸工程、中間工程1、熱処理工程、中間工程2、及び冷却工程が、ステンターの中で行われた場合において、それぞれの工程の容積(各工程を構成する全ての部屋の床面積×天井高さ)における1時間当たりの給気量を意味する。本発明における換気回数は、フィルムを構成する熱可塑性樹脂の組成や、予熱工程の前に塗布するコーティング剤の成分、単位時間あたりの樹脂通過量等により適宜設定されるが、給気量と排気量による静圧分布を各工程でつくるため、少なくとも各工程の換気回数が10回以上/時間であることが望ましく、各工程における清浄度を維持するためには20回以上/時間であることが好ましい。また換気回数は、20回以上/時間でありさえすれば、その上限は特に限定されないが、給気エアーを循環温度にまで加熱するエネルギーロスを考慮すると、80回以下/時間であることが好ましく、40回以下/時間であることがさらに好ましい。ただし、冷却工程においては、循環熱風の温度コンロールを目的として、換気回数80回/時間よりも多い量の給気を行う場合がある。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。各実施例の記述に先立ち、実施例で採用した各種物性等の測定方法を記載する。
(1)ガラス転移温度(Tg)
試料(フィルム)を約5mgとり、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製RDC220型)を用いて、窒素雰囲気下、25℃から200℃の範囲にて、20℃/分の昇温速度で測定し、1stRunの測定結果に基づき決定した。ガラス転移温度の求め方は、JIS−K−7121(1987)の中間点ガラス転移温度の求め方に従い、測定チャートの各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線とガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度とした。なお、複数の階段状変化部分がある場合は、測定範囲の内で低い方の値を採用する。
(2)ステンターの各工程を構成する部屋の静圧
それぞれの部屋において、図2に示されるような配管18(内径φ2mmの銅管)を、ノズルから吹き出す熱風やリターン口及び排気ダクトに吸引されるエアーの流れの影響を直接受けないように向きに配慮して、部屋の長手方向中央部のクリップ外側の両側2点に、それぞれ静圧測定点19を設置し、ステンターの外壁まで配管を延ばしてステンター外側に出し、マノスターゲージ(山本電機製作所製WO81型)につなげ、静圧測定点とステンター外側との差圧をそれぞれ測定した。測定位置における誤差を少なくするため、この2点の静圧測定点の平均値を各部屋における静圧値とした。
(3)ステンター内の低分子量物濃度
ステンターにフィルムが通ってから24時間後に、ステンター外側にある静圧測定用の配管に、ガラスサンプラーの一端をつなげ、もう一端を吸引ポンプで一定時間吸引することで、ガラスサンプラーの内壁にオリゴマや塗剤昇華物などの低分子量物を付着させる。これを、一定量のメタノールで洗い流し、洗い流したメタノールをUV分光光度計(島津製作所製UV−2450型)にかけ吸光度を測定し、吸光度を検量線により低分子量物の濃度に換算する。予熱工程の出口と冷却工程の入口の低分子量物の濃度がそれぞれ0.80mg以下/mの場合に、ステンター内の清浄度が良好と判断した。
(4)フィルムの付着異物数
ステンターによる延伸後のフィルムを暗室の中で、強力な光源であるビデオライト(LPL社製“VL−G301”)を用いて長手方向に10m目視観察して付着異物を検出し、エアーを吹き付けて取れない付着異物を顕微鏡(Nikon製ECLIPSE−LV100D型)で観察し、フィルム内部ではなく表面に付着している異物の個数を数えた。これは、樹脂原料起因の内部異物とフィルムにした際に付着した付着異物の切り分けを行うためである。付着異物数が0.5個以下/mの場合に良好と判断した。
(5)フィルムの平均厚み
デジタルマイクロメータ(Mitsutoyo製MDC−25MJ型)を用い、フィルムエッジ部の影響を排除するためフィルム幅方向の両端200mmずつを除く幅方向の範囲において、ステンターによる延伸前あるいはステンターによる延伸後のフィルムの幅方向10点の厚みを測定し、その平均値を[フィルムの平均厚み]とした。
(6)フィルムの厚みムラR
ステンターによる延伸前またはステンターによる延伸後のフィルムを、長手方向および幅方向についてそれぞれ50mmの幅で切り出し、フィルムシネックス(アンリツ株式会社製)にて測定圧0.15gの荷重にて1.5m/minの速度にて走行させながら、厚みを連続的に測定した。そして、長手方向はフィルム中央部の長さ1mの範囲において、幅方向は両端200mmを除く幅方向の範囲において、その厚みチャートの[最大値と最小値の差]を求め、[最大値と最小値の差]を上記[フィルムの平均厚み]で割ることで、厚みムラR(%)を長手方向と幅方向で求めた。延伸後の厚みムラが長手方向および幅方向ともに2.0%以下の場合に、厚みムラが良好と判断した。
(7)フィルムの熱収縮ムラR
一般的にステンターで延伸したフィルムは、ボーイング等の影響を受け、幅方向において中心位置を対称に物性分布が異なる。そのため、フィルム幅方向の中心位置および端部から200mmの位置の3点について熱収縮率を求めるため、これらの点をそれぞれ含むように、フィルムを長手方向に対して平行にそれぞれ3枚切り出し、ASTM D1204(1984)に従い、150℃30分の熱収縮率を小数点以下2桁まで測定し、長手方向および幅方向の熱収縮率をそれぞれ求めた。得られたフィルム幅方向3点の長手方向の熱収縮率の[最大値と最小値の差]を長手方向の熱収縮ムラR(%)とした。同様にして、3点の幅方向の熱収縮率の[最大値と最小値の差]から幅方向の熱収縮ムラR(%)を求めた。延伸後の熱収縮ムラRが長手方向および幅方向ともに0.15%以下の場合に、熱収縮ムラが良好と判断した。

各実施例の記述に先立ち、実施例で採用したフィルムの製造方法や、塗液の処方について記載する。
(長手方向に一軸延伸したフィルムの製造方法)
熱可塑性樹脂として、重合触媒残査等に基づく内部粒子ならびに不活性粒子をできる限り含まない極限粘度0.65dl/g、Tg80℃のポリエチレンテレフタレート(PET)ペレットを用いた。このペレットを180℃の温度で5時間、3torrの減圧下で十分に真空乾燥した後、添加粒子を入れずに単一原料で一軸押出機を使用して285℃で溶融押出して、ギヤポンプにより吐出量を一定とし、濾過精度5μmのフィルタで濾過後、幅1200mmのフラットダイよりシート状に吐出させて、平均厚み1125μm、密度1.34g/cm、長手方向および幅方向の厚みムラ:2.4〜2.5%のフィルムを得た。続いて、本フィルムを搬送速度10m/minで、金属製ロール群においてロール温度70℃で予備加熱した後に、波長1.1μmの赤外線ヒーター(600V、24kW/m)を間に備えた一対のロール間の速度差で3.0倍に延伸した後、搬送速度30m/minで、金属製ロール群においてロール温度25℃で冷却することで、平均厚み375μm、長手方向および幅方向の厚みムラ:1.9〜2.1%の長手方向に一軸延伸したフィルムを得た。
(塗液(コーティング剤)の処方)
下記のポリエステル樹脂エマルジョン100質量部に対し、下記のメラミン系架橋剤液を5質量部と、平均粒径が0.1μmのコロイダルシリカ粒子を1質量部添加したものを塗液とした。
〔ポリエステル樹脂〕
下記組成の酸成分とジオール成分を共重合して得られたポリエステル共重合体のエマルジョン。
<酸成分>
・テレフタル酸 50モル%
・イソフタル酸 40モル%
・5−ナトリウムスルホイソフタル酸 10モル%
<ジオール成分>
・エチレングリコール 96モル%
・ネオペンチルグリコール 3モル%
・ジエチレングリコール 1モル%。
〔メラミン系架橋剤〕
イミノ基型メチル化メラミンを、イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(10/90(質量比))で希釈した液。
(実施例1)
図1および図2に記載されるようなステンターの各工程を構成する部屋として、予熱工程が2部屋(それぞれ上流側から予熱工程の入口、出口と呼ぶ。)、延伸工程が3部屋(それぞれ上流側から延伸工程の入口、中央、出口と呼ぶ。以下、同様。)、熱処理工程が3部屋、冷却工程が3部屋あり、中間工程1および中間工程2には、フィルムの上側及び下側にフィルム幅方向に亘る排気口および給気口を設置し、フィルム面から排気口までの垂直方向の距離が300mm、フィルム面から給気口までの垂直方向の距離が1000mmとなるよう調整した。
延伸工程の出口の静圧は延伸工程中で最も高く、かつ、熱処理工程の入口の静圧よりも3Pa高く、また、冷却工程入口の静圧は冷却工程の中で最も高く、かつ、熱処理工程の出口の静圧よりも4Pa高くなるよう、各部屋および中間工程の給排気量を調整し、各工程における換気回数が20〜40回となるようにした。このとき、中間工程1の排気量は、
[中間工程1の排気量]≒[中間工程1の給気量]+[延伸工程出口の部屋の給気量]−[延伸工程出口の部屋の排気量]+[熱処理工程入口の部屋の給気量]−[熱処理工程入口の部屋の排気量]
を満たすよう調整し、中間工程1の排気量は50Nm/min、給気量は25Nm/minであった。同様に、中間工程2の排気量は、
[中間工程2の排気量]≒[中間工程2の給気量]+[熱処理工程出口の部屋の給気量]−[熱処理工程出口の部屋の排気量]+[冷却工程入口の部屋の給気量]−[冷却工程入口の部屋の排気量]
を満たすよう調整し、中間工程2の排気量は60Nm/min、給気量は30Nm/minであった。
続いて、上記のTg80℃のPETからなるフィルムを長手方向に一軸延伸したフィルムの両面にバーコーターを用いて、上記の組成からなる塗液を塗工した後、フィルムの両端を連続走行するクリップで把持し、予熱工程において120℃のエアーをノズルから吹き付けることで予備加熱および塗液を乾燥させ、予熱工程出口に設置した非接触赤外線温度センサ(センテック製CT−SF22)でフィルム温度が90〜95℃であることを確認し、延伸工程において120〜130℃のエアーを吹き付けながら幅方向に3.0倍に延伸した後、中間工程1を通り、続いて、熱処理工程において210〜230℃のエアーを吹き付けることで熱処理し、熱処理工程の中央〜冷却工程の入口で延伸後のフィルム幅に対して4%のフィルム幅方向の弛緩(リラックスともいう。)をかけながら中間工程2を通り、続いて、冷却工程において60℃〜160℃のエアーでフィルムを冷却した後、ステンターを出たフィルムはクリップから離間され、クリップが把持していた部分を含むフィルム両端部150mmをカットすることで、平均厚み125μm、密度1.40g/cmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
各種条件を表1に示す。ステンター内の延伸工程出口および冷却工程入口における低分子量物の濃度、および、得られたフィルムの付着異物数、厚みムラ、熱収縮ムラをそれぞれ測定した結果を表2に示す。ステンター内の各工程における低分子量物の濃度は0.80mg/m以下で、付着異物数は0.5個以下/mと少なく、厚みムラは長手方向および幅方向ともに2.0%以下、熱収縮ムラは長手方向および幅方向ともに0.15%以下の物性分布に優れたフィルムを得ることができた。
(実施例2〜3)
延伸工程の出口の静圧は熱処理工程の入口の静圧よりも1〜8Pa高く、冷却工程入口の静圧は熱処理工程の出口の静圧よりも1〜8Pa高くなるよう、各部屋および中間工程の給排気量を調整した以外は、実施例1と同様にして延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。各種条件を表1に、各種測定結果を表2に示す。ステンター内の各工程における低分子量物の濃度は0.80mg/m以下で、付着異物数は0.5個以下/mと少なく、厚みムラは長手方向および幅方向ともに2.0%以下、熱収縮ムラは長手方向および幅方向ともに0.15%以下の物性分布に優れたフィルムを得ることができた。
(比較例1〜3)
延伸工程の出口の静圧は熱処理工程の入口の静圧よりも9Pa高く、及び/または、冷却工程入口の静圧は熱処理工程の出口の静圧よりも9Pa高くなるよう、各部屋および中間工程の給排気量を調整し、各工程における換気回数が15〜45回となるようにした以外は、実施例1と同様にして延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。各種条件を表1に、各種測定結果を表2に示す。ステンター内の各工程における低分子量物の濃度は0.80mg/m以下で、付着異物数は0.5個以下/mと少なかったものの、延伸工程及び/または冷却工程から熱処理工程へのエアーの流れ込み量が増えることで、熱処理ムラによる厚みムラや、弛緩ムラによる熱収縮ムラが発生した。
(比較例4〜6)
延伸工程の出口の静圧は熱処理工程の入口の静圧と等しく、及び/または、冷却工程入口の静圧は熱処理工程の出口の静圧と等しくなるよう、各部屋および中間工程の給排気量を調整した以外は、実施例1と同様にして延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。特に比較例4は、可能な限り各工程を構成する各部屋の給気量と排気量が等しくなるように調整している。各種条件を表1に、各種測定結果を表2に示す。ステンター内の各工程における低分子量物の濃度は、熱処理工程から低分子量物濃度の高いエアーが流れ込むことで、延伸入口及び/または冷却工程で悪化し、付着異物数も増加した。また、熱処理工程から温度の高いエアーが延伸工程及び/または冷却工程に流れ込むことで、厚みムラや熱収縮ムラが発生した。
(比較例7)
熱処理工程の入口および出口の静圧が工程中で最も高くなるよう、各部屋および中間工程の給排気量を調整した以外は、実施例1と同様にして延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。各種条件を表1に、各種測定結果を表2に示す。ステンター内の各工程における低分子量物の濃度は、熱処理工程から低分子量物濃度の高いエアーが流れ込むことで、延伸入口及び冷却工程で悪化し、付着異物数も増加した。また、熱処理工程から温度の高いエアーが延伸工程及び冷却工程に大きく流れ込むことで、厚みムラや熱収縮ムラが発生した。
(実施例4〜7)
中間工程1および中間工程2のフィルム面から排気口までの垂直方向の距離が50〜600mmとなるよう調整した以外は、実施例1と同様にして延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。ステンター内の各工程における低分子量物の濃度は0.80mg/m以下で、付着異物数は0.5個以下/mと少なく、厚みムラは長手方向および幅方向ともに2.0%以下、熱収縮ムラは長手方向および幅方向ともに0.15%以下の物性分布に優れたフィルムを得ることができた。
(実施例8〜10)
延伸工程の中央の静圧が延伸工程中で最も高く、及び/または、冷却工程の中央の静圧が冷却工程中で最も高くなるよう給排気量を調整した以外は、実施例1と同様にして延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。各種条件を表1に、各種測定結果を表2に示す。実施例1に比べ、延伸工程及び/または冷却工程における長手方向のエアーの流れ(MD流ともいう)が安定せず、厚みムラ及び/または熱収縮ムラが悪化したものの、厚みムラは長手方向および幅方向ともに2.0%以下、熱収縮ムラは長手方向および幅方向ともに0.15%以下の物性分布に優れたフィルムを得ることができた。
(実施例11〜13)
各工程における換気回数が10〜80回となり、延伸工程の出口の静圧は熱処理工程の入口の静圧よりも2〜4Pa高く、冷却工程入口の静圧は熱処理工程の出口の静圧よりも2〜4Pa高くなるように給排気量を調整した以外は、実施例1と同様にして延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。ステンター内の各工程における低分子量物の濃度やフィルムの付着異物数は換気回数に応じて変化するが、厚みムラや熱収縮ムラへの影響は小さく、厚みムラは長手方向および幅方向ともに2.0%以下、熱収縮ムラは長手方向および幅方向ともに0.15%以下の物性分布に優れたフィルムを得ることができた。
(実施例14)
予熱工程の前に塗液を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にして延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。各種条件を表1に、各種測定結果を表2に示す。ステンター内の各工程における低分子量物の濃度は延伸工程出口で0.03mg/mと極めて低く、付着異物も検出されず、厚みムラは長手方向および幅方向ともに2.0%以下、熱収縮ムラは長手方向および幅方向ともに0.15%以下の物性分布に優れたフィルムを得ることができた。
(実施例15、16)
熱処理工程の静圧が−3〜−1Paとなるように給排気量を調整した以外は、実施例1と同様にして、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。各種条件を表1に、各種測定結果を表2に示す。付着異物数が実施例1に比べて増えたものの、これは0.5個以下/mと十分に少なく、ステンター内の各工程における低分子量物の濃度は0.80mg/m以下で、厚みムラは長手方向および幅方向ともに2.0%以下、熱収縮ムラは長手方向および幅方向ともに0.15%以下の物性分布に優れたフィルムを得ることができた。
Figure 2014184718
Figure 2014184718
上記の実施例、比較例より以下のことが明らかである。
すなわち本発明の製造方法は、フィルムを熱処理した際に発生するオリゴマやコーティング剤昇華物などが上流の延伸工程および下流の冷却工程に流れ込むことを防ぐことができ、熱処理工程よりも温度が低い延伸工程および冷却工程においてオリゴマ等が析出することによる工程汚染を抑制することで、得られる熱可塑性樹脂フィルムの付着異物数が少なく、更に、延伸工程や冷却工程に熱処理工程の温度の高いエアーが流れ込まないことによって、厚み均一性や熱収縮分布に優れたフィルムを得ることができる。
上記した本発明の延伸方法により得られた熱可塑性樹脂フィルムは、付着異物が少なく、かつ長手方向および幅方向の厚みムラや熱収縮分布に優れ、特に光学用途に好適に用いることができる。また、フィルムの表面に易接着層を設けたりすることで、プリズムシート、反射防止フィルムやハードコートフィルム、光拡散板等のベースフィルム、プラズマディスプレイの前面板に使用する近赤外線吸収フィルムや電磁波吸収フィルムのベースフィルム、タッチパネルや透明導電性フィルムのベースフィルムに好適に用いることができる。
1:延伸対象フィルム(未延伸フィルムまたは未延伸フィルムを長手方向に一軸延伸したフィルム)
2:延伸熱可塑性樹脂フィルム
3:予熱工程
4:延伸工程
5:中間工程1
6:熱処理工程
7:中間工程2
8:冷却工程
9:熱交換器
10:循環ファン
11:ノズル
12:クリップ
13:フィルム
14:リターン口
15:循環ライン
16:給気ライン
17:排気ライン
18:配管
19:静圧測定点
20:静圧測定点とステンター外側との差圧測定箇所

Claims (8)

  1. 予熱工程、延伸工程、熱処理工程、及び冷却工程をこの順に有し、
    延伸工程の出口の静圧は、熱処理工程の入口の静圧よりも1〜8Pa高く、
    冷却工程の入口の静圧は、熱処理工程の出口の静圧よりも1〜8Pa高いことを特徴とする、延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
    予熱工程:延伸工程より前の工程であって、フィルムをそのガラス転移温度以上で加熱する工程。
    延伸工程:フィルムを少なくとも一軸方向に延伸する工程。
    熱処理工程:フィルムを延伸工程中の最高温度よりも高い温度で加熱しながら、フィルムを把持及び/または弛緩する工程。
    冷却工程:フィルムを熱処理工程中の最低温度よりも低い温度で冷却しながら、フィルムを把持及び/または弛緩する工程。
  2. 予熱工程、延伸工程、中間工程1、熱処理工程、中間工程2、及び冷却工程をこの順に有することを特徴とする、請求項1に記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
    中間工程1:延伸工程と熱処理工程の間の全区間に相当する工程であって、給気量よりも排気量の方が多い工程。
    中間工程2:熱処理工程と冷却工程の間の全区間に相当する工程であって、給気量よりも排気量の方が多い工程。
  3. 予熱工程、延伸工程、中間工程1、熱処理工程、中間工程2、及び冷却工程が、ステンターの中で行われ、
    前記中間工程1及び/または中間工程2において、フィルムの上側及び下側に、フィルム幅方向に亘る排気口をステンターが有し、フィルム面から排気口までの垂直方向の距離が100〜500mmであることを特徴とする、請求項2に記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  4. 前記延伸工程の出口の静圧が、延伸工程の静圧の中で最も高いことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  5. 前記冷却工程の入口の静圧が、冷却工程の静圧の中で最も高いことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  6. 予熱工程、延伸工程、中間工程1、熱処理工程、中間工程2、及び冷却工程が、ステンターの中で行われ、各工程の換気回数が10回以上/時間であることを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  7. 予熱工程の前に、フィルムの片面または両面にコーティング剤を塗布する工程(塗布工程)を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  8. 前記熱処理工程の入口の静圧および出口の静圧が、−1Pa以上であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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