JP5024011B2 - 光拡散性フィルム、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系フィルムの少なくとも一方の面に、内部に光拡散成分を有する光拡散層を有すること
(2)前記光拡散層が、実質的にボイドを含有しないこと
(3)前記光拡散層が、少なくとも光透過性樹脂と光拡散成分としての微粒子からなること
(4)前記各切り出し部において、フィルムの幅方向における片端縁から50mm以内の位置および他端縁から50mm以内の位置からそれぞれ試料を切り出し、その2つの試料について、150℃で30分間加熱したときのフィルム巻き取り方向の熱収縮率であるHS150を求め、それらのHS150の差である熱収縮率差を求めたときに、すべての切り出し部における熱収縮率差が、いずれも0.1%以下であること
(5)前記各切り出し部において、フィルムの幅方向における片端縁から50mm以内の位置および他端縁から50mm以内の位置からそれぞれ試料を切り出し、それぞれの試料についてHS150を求めたときに、すべての切り出し部における両端縁の試料のHS150が、いずれも0.7%以上2.0%以下であること
(6)前記各切り出し部において求めたフィルムの幅方向における片端縁側のHS150の変動量、および、前記各切り出し部において求めたフィルムの幅方向における他端縁側のHS150の変動量が、いずれも0.25%以下であること
第2の発明は、全光線透過率が80%以上であり、かつヘーズが60%以上である前記光拡散性フィルムである。
第3の発明は、前記光拡散性フィルムの厚みが80μm以上450μm以下であることにある。
第4の発明は、前記光拡散性フィルムを製造するための製造方法であって、押出機から原料樹脂を溶融押し出しすることにより未延伸シートを形成するフィルム化工程と、そのフィルム化工程で得られる未延伸シートを縦方向および横方向に二軸延伸する二軸延伸工程と、二軸延伸後のフィルムを熱固定する熱固定工程とを含んでおり、その熱固定工程が、下記要件(7)〜(9)を満たす熱固定装置において行われることにある。
(7)熱風を吹き出す幅広な複数のプレナムダクトが、フィルムの進行方向に対して上下に対向して配置されていること
(8)前記複数のプレナムダクトに熱風の吹き出し口を遮蔽するための遮蔽板が取り付けられていること
(9)前記各遮蔽板のフィルムの進行方向における寸法が、フィルムの進行方向における各プレナムダクトの吹き出し口の寸法と略同一に調整されており、前記各遮蔽板のフィルムの幅方向における寸法が、フィルムの進行方向に対して次第に長くなるように調整されていること
第5の発明は、前記発明において、二軸延伸工程がフィルムを縦方向に延伸した後に横方向に延伸するものであるとともに、その横延伸を行うゾーンと熱固定装置との間に、風の吹き付けを実行しない中間ゾーンを設けたことにある。
第6の発明は、前記発明において、熱固定装置が、複数の熱固定ゾーンに分割されているとともに、隣接し合う熱固定ゾーン間における温度差と風速差との積が、いずれも、250℃・m/s以下となるように設定されていることにある。
これら微粒子の形状は、実質的に球状または真球状であることが望ましい。ここでいう実質的に球状とは、微粒子の表面において少なくとも球面となる部分を有する形状であればよい。さらに、これら微粒子の凝集体が存在していてもよい。実質的に微粒子が球状または真球状であることにより、方向性のない均一な拡散効果が得られる。この点において、微粒子は真球状である方がより好ましい。これらの平均粒子径は、通常0.1〜50μmであり、0.1〜30μmが更に好ましく、0.1〜20μmが最も好ましい。微粒子の粒径を0.1μmより大きくすることにより、フィルムの全光線透過率を高く、また、50μmより小さくすることによりフィルム強度を低下させることがなく良好な光拡散効果を得ることができる。
PETの粉砕試料を乾燥後、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)の混合溶媒に溶解し、オストワルド粘度計を用いて、30℃で0.4(g/dl)の濃度の溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定する。それらの時間比率から、Hugginsの式を用い、Hugginsの定数が0.38であると仮定してIVを算出する。なお、極限粘度は〔η〕とも表される。
(1)フィルムの巻き終わりから2m以内に最初の試料切り出し部を設ける。
(2)巻き取ったフィルムの長さを9で除した値(以下、「切り出し部間隔」という)を算出する。
(3)フィルムの巻き終わりから各「切り出し部間隔」の前後10m以内の位置に試料切り出し部を設ける。
(4)フィルムの巻き始めから2m以内に最終の切り出し部を設ける。
(1)熱固定装置におけるプレナムダクトの温度・風量の調節
(2)熱固定装置におけるプレナムダクトの熱風吹き出し口の遮断条件の調整
(3)延伸ゾーンと熱固定装置との間における加熱の遮断
(4)熱固定温度の調整
以下、上記した各手段について順次説明する。
熱固定工程では加温・冷却を段階的に行うために、一般に、熱固定装置は温度の異なるいくつかの区分(熱固定ゾーン)に分かれている。本発明のフィルムの製造においては、熱固定装置の隣接し合う熱固定ゾーン間における温度差と風速差との積が、いずれも、250℃・m/s以下となるように、各プレナムダクトから吹き出される熱風の温度、風量を調節することが不可欠である。たとえば、熱固定装置が第1〜3の熱固定ゾーンに分割されている場合には、第1ゾーン−第2ゾーン間における温度差と風速差との積、第2ゾーン−第3ゾーン間における温度差と風速差との積のいずれもが、250℃・m/s以下となるように調節される。このように、熱風の温度、風量を調節することによって、「熱風の循環」がスムーズになる。後述する不連続な遮蔽板を熱風吹き出し口に取り付る方法と組み合わせると、「温度のハンチング現象」が効果的に抑制される。これにより初めて、後加工における熱固定処理を高温にて行った場合の通過性が良好な長尺のフィルムを得ることが可能となる。
本発明のフィルムの製造においては、複数のプレナムダクトに跨る大きな遮蔽板を取り付けるのではなく、図2に示すように、個々のプレナムダクト3,3・・の熱風吹き出し口(ノズル)2,2・・を一つずつ遮蔽するように棒状の遮蔽板S,S・・を取り付ける必要がある。このような不連続な遮蔽板を用いることで、「熱風の循環」がスムーズに行われる。また、同一の長さの遮蔽板を各プレナムダクトに取り付けるのではなく、熱固定装置の入口から出口(フィルムの通過方向)にかけて遮蔽板の長さを次第に長くするのが好ましい(図4参照)。このように、長さを調整することで、フィルム端縁部に曝される熱風温度が調整され、フィルム端縁部の歪みの解消が促される。なお、遮蔽板の材質は、熱固定装置の温度に耐えることができ、かつ、フィルムを汚したり、フィルムを粘着させたりしないものであればよいが、熱膨張の点からプレナムダクトと同一の材料を用いるのが好ましい。また、遮蔽板によるフィルム端縁部の熱収縮率差を本発明の程度に抑えるためには、遮蔽板の数は多い方が好ましく、15枚以上にすることが望ましい。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系フィルムを基材とする光拡散性フィルムは、通常、縦−横延伸された後に、熱固定処理される。本発明のフィルムの製造においては、縦−横延伸されるゾーンと熱固定処理される熱固定装置との間に、積極的な熱風の吹き付けを行わない中間ゾーンを設置することが望ましい。これにより、延伸ゾーンと熱固定装置との間で、完全に加熱の遮断が行われる。より具体的には、延伸ゾーンおよび熱固定装置をフィルム製造時と同一条件にした状態で、延伸ゾーンと熱固定装置との間に短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように、延伸ゾーンおよび熱固定装置の熱風を遮断するのが好ましい。なお、そのような中間ゾーンは、ハウジングによって囲われていても良いし、連続的に製造されるフィルムが露出するように設けられていても良い。かかる中間ゾーンにおける熱風の遮断が十分になされると、熱固定装置中における遮蔽板による遮蔽効果が発揮され、後加工時における良好なフィルムの通過性が得られるようになり好ましい。
本発明の光拡散性フィルムは、上記のようにしてポリエチレンテレフタレート系フィルムの少なくとも片面に光拡散層を積層してなり、表層側のポリエチレンテレフタレート系フィルムの融点をTm1、ガラス転移温度をTg1、光拡散層に用いられる熱可塑性樹脂のうち最も融点の高い熱可塑性樹脂の融点をTm2とするとき、Tm1>Ts>Tm2かつTs>Tg1を満たす温度Tsで熱固定する工程を含むことを特徴とするものである。Tm1より低い温度で熱固定することにより、処理工程中の粘着等の作業上の問題を起こすことがなく、Tm2より高い温度で熱処理することにより内部の積層ムラ等の欠陥を解消して表面の平坦化が可能となる。また、Tg1より高い温度で熱固定することにより、表層の熱可塑性樹脂の流動性が増加し、表層の平坦化処理が容易となる。ここで、Tm2とTg1の大小関係については特に限定されない。
また、本発明の光拡散性フィルムのうち、光拡散層が占める割合は、特に限定されないが、通常は1〜50μmの範囲で選択され、好ましくは1〜30μmである。
得られたスリットロールのフィルム巻取方向に平行な両端縁から50mm以内の位置および中央の位置からそれぞれ試料フィルムを採取した。切り出された試料フィルムを23℃、65%RHの環境下で2時間以上放置した。各試料サンプルについて、アタゴ社製の「アッベ屈折計4T型」を用い、フィルムの巻取方向と45度の角度をなす方向の基材フィルム側の屈折率(na)と、フィルムの巻取方向と135度の角度をなす方向(すなわち、上記した45度の角度をなす方向と90度の角度をなす方向)の基材フィルム側の屈折率(nb)とを測定した。これら2つの屈折率の差異の絶対値をΔnabとし、Δnab=│na―nb│により算出した。フィルムロールの両端縁部および中央部のΔnabがいずれも0.015以上0.060以下であることを確認し、最も大きい値を表中のΔnabとした。
熱処理後のフィルムの平面性を下記方法により評価した。熱処理工程として、2本のロールの間隔が1,900mmであるコーターを用い、温度を100℃あるいは160℃、炉内張力を100Nに設定した。次いで、ロール間隔が2,000mmになるよう2本のロールを水平に配置し、さらに2本のロールの中央位置に、ロール上面の共通接線から30mm下の位置に上面が位置されるように鉄棒を配置した。熱処理工程を通過させたフィルムを98Nの張力下で2本のロール間を通過させた。フィルムを通過させた際に、鉄棒にフィルムが接触しない場合は○とし、鉄棒に接触した場合には×とした。これらの工程は連続して行ない、フィルムが鉄棒に接触したか否かの確認は目視にて行った。
[塗布液(M1)の調製]
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%および5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%の組成の水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。
上記熱固定処理は、図2に示す構造を有する熱固定装置で行った。熱固定装置は第1〜4ゾーンという4個の熱固定ゾーンに区切られている。第1〜3ゾーンには、それぞれ、8個ずつのプレナムダクトa〜xが設けられている。第4ゾーンにも、8個のプレナムダクトが設けられている。各プレナムダクトは、フィルムの進行方向に対して垂直となるように、フィルムの進行方向に対して400mm間隔で上下に設置されている。プレナムダクトの熱風吹き出し口(ノズル)から、延伸されたフィルムに熱風が吹き付けられるようになっている。
主押出し機に、ポリエチレンテレフタレート(PET)にイソフタル酸成分を23mol%共重合させたポリエステル樹脂(屈折率1.61)に、球状で平均粒径4.5μmの真球状シリカ微粒子(屈折率1.46)を体積比率で10%になるように配合したペレットを供給し、また別に副押出し機に微粒子を含有しない屈折率1.61のPETを供給して、溶融した樹脂をT型ダイスより微粒子含有PETの表面を無粒子PETで溶融3層共押出しを行ない、静電印可法により鏡面のキャストドラム上で冷却して3層積層シートを作製した。この3層シートは、粒子含有PETの両表面を無粒子PETで被覆した構造である。このとき、押出機の押出量を増加させて、未延伸シートの幅を増加させた。
[実施例4] ポリエチレンテレフタレート(PET)にイソフタル酸成分を23mol%共重合させたポリエステル樹脂(屈折率1.61)100重量部に、球状で平均粒子径約8μmの架橋アクリル樹脂微粒子(屈折率1.47)20重量部配合したペレットを用い、また、熱固定装置の各プレナムダクトの熱風吹き出し口に取り付ける遮蔽板を表2に示す遮蔽率となるように変更し、熱固定装置の第1〜4ゾーンの温度、風速を表3に示す各調整値に変更した以外は、実施例2と同様にして10本のスリットロールを得た。なお、実施例4における第1〜4ゾーンの温度、風速条件を「III条件」とする。そして、実施例2と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを1,030μmに変更するとともに、横緩和処理の比率を2.3%に変更し、熱固定装置の第1〜4ゾーンの温度、風速を表3に示す各調整値に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ75μmで幅3,300mmのフィルムを12,300m巻き取ったミルロールを得た。ミルロールを巻き返しながら、両端部を150mmずつ除去し、残りの部分を幅方向に等間隔に3つにスリットする工程を繰り返し、ミルロールの表層から凡そ150mを除外することによって、幅1,000mmで巻長6,010mの6本のスリットロールを得た。なお、実施例5における第1〜4ゾーンの温度、風速条件を「VIII条件」とする。そして、実施例1と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを1,720μmに変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ125μmで幅3,300mmのフィルムを6,500m巻き取ったミルロールを得た。そのミルロールを巻き返しながら、両端部を150mmずつ除去し、残りの部分を幅方向に等間隔に3つにスリットする工程を繰り返し、ミルロールの表層から凡そ300mを除外することによって、幅1,000mmで巻長3,010mの6本のスリットロールを得た。そして、実施例1と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを3,250μmに変更すると共に、キャスティングドラムでの冷却の際に16℃の冷却風を併用し、長手方向への延伸倍率を3.3倍に変更し、熱固定装置の第1〜4ゾーンの温度、風速をVIII条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ250μmで幅3,300mmのフィルムを2,500m巻き取ったミルロールを得た。そのミルロールを巻き返しながら、両端部を150mmずつ除去し、残りの部分を幅方向に等間隔に3つにスリットする工程を繰り返し、ミルロールの表層から凡そ200mを除外することによって、幅1,000mmで巻長1,010mの6本のスリットロールを得た。そして、実施例1と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを1,030μmに変更するとともに、横緩和処理の比率を2.3%に変更し、熱固定装置の第1〜4ゾーンの温度、風速を表3に示す各調整値に変更した以外は、実施例2と同様にして、厚さ75μmで幅5,200mmのフィルムを12,300m巻き取ったミルロールを得た。しかる後、そのミルロールを巻き返しながら、両端部を100mmずつ除去しながら残りの部分を幅方向に等間隔に5つにスリットする工程を繰り返し、ミルロールの表層(巻き終わり部分)から凡そ200mを除外することによって、幅1,000mmで巻長6,010mの10本のスリットロールを得た。なお、実施例4における第1〜4ゾーンの温度、風速条件を「IX条件」とする。そして、実施例2と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを1,720μmに変更した以外は実施例8と同様にして、厚さ125μmで幅5,200mmのフィルムを6,500m巻き取ったミルロールを得た。そのミルロールを巻き返しながら、両端部を100mmずつ除去し、残りの部分を幅方向に等間隔に5つにスリットする工程を繰り返し、ミルロールの表層から凡そ300mを除外することによって、幅1,000mmで巻長3,010mの10本のスリットロールを得た。そして、実施例2と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを2,440μmに変更すると共に、キャスティングドラムでの冷却の際に16℃の冷却風を併用し、長手方向への延伸倍率を3.3倍に変更した以外は、実施例8と同様にして、厚さ188μmで幅5,200mmのフィルムを4,500m巻き取ったミルロールを得た。そのミルロールを巻き返しながら、両端部を100mmずつ除去し、残りの部分を幅方向に等間隔に5つにスリットする工程を繰り返し、ミルロールの表層から凡そ200mを除外することによって、幅1,000mmで巻長2,010mの10本のスリットロールを得た。そして、実施例2と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを3,250μmに変更すると共に、キャスティングドラムでの冷却の際に16℃の冷却風を併用した以外は、実施例10と同様にして、厚さ250μmで幅5,200mmのフィルムを2,500m巻き取ったミルロールを得た。そのミルロールを巻き返しながら、両端部を100mmずつ除去し、残りの部分を幅方向に等間隔に5つにスリットする工程を繰り返し、ミルロールの表層から凡そ200mを除外することによって、幅1,000mmで巻長1,010mの10本のスリットロールを得た。そして、実施例2と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[比較例1]
熱固定装置のa〜oの各プレナムダクトの熱風吹き出し口に、一体となった大型の遮蔽板を取り付けた以外は、実施例1と同様にして、6本のスリットロールを得た。大型の遮蔽板の形状は各遮蔽率が実施例1と同じになるように調整した。実施例1と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
熱固定装置の第1〜4ゾーンの温度、風速を表3に示す各調整値に変更し、熱固定装置のa〜vの各プレナムダクトの熱風吹き出し口に、一体となった大型の遮蔽板を取り付けた以外は、実施例2と同様にして、10本のスリットロールを得た。大型の遮蔽板の形状は各遮蔽率が実施例2と同じになるように調整した。比較例2における第1〜4ゾーンの温度、風速条件を「IV条件」とする。実施例2と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
熱固定装置の第1〜4ゾーンの温度、風速を表3に示す各調整値に変更し、熱固定装置のa〜vの各プレナムダクトの熱風吹き出し口に、一体となった大型の遮蔽板を取り付けた以外は、実施例2と同様にして、10本のスリットロールを得た。大型の遮蔽板の形状は各遮蔽率が実施例2と同じになるように調整した。実施例2と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
熱固定装置のa〜oの各プレナムダクトの熱風吹き出し口に取り付ける棒状の遮蔽板による遮蔽態様を表2に示すように変更するとともに、熱固定装置の第1〜4ゾーンの温度、風速を表3に示す各調整値に変更した以外は、実施例1と同様にして6本のスリットロールを得た。なお、比較例4における各遮蔽板のフィルム幅方向の長さは、熱固定装置の入口から出口にかけて次第に幅狭になるように調整されている。また、比較例4における遮蔽板による遮蔽態様を「C態様」とし、比較例4における第1〜4ゾーンの温度、風速条件を「V条件」とする。そして、実施例1と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
各プレナムダクトの熱風吹き出し口に遮蔽板を取り付けることなく熱固定を実施するとともに、熱固定装置の第1〜4ゾーンの温度、風速を表3に示す各調整値に変更した以外は、実施例1と同様にして6本のスリットロールを得た。なお、比較例5における第1〜4ゾーンの温度、風速条件を「VI条件」とする。そして、実施例1と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
各プレナムダクトの熱風吹き出し口に遮蔽板を取り付けることなく熱固定を実施するとともに、熱固定装置の第1〜4ゾーンの温度、風速を表3に示す各調整値に変更した以外は、実施例2と同様にして10本のスリットロールを得た。なお、比較例6における第1〜4ゾーンの温度、風速条件を「VII条件」とする。そして、実施例2と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例1と同様の原料種で未延伸シートの引取速度を調整するとともに、不連続な遮蔽板を取り付けた5つのプレナムダクトを有する熱固定装置により熱固定を行うとともに、遮蔽板を取り付けた各プレナムダクトの熱風量を一定にしてプレナムダクトから吹き出す風速をプレナムダクト毎に変更させ、熱固定装置の条件を表1、2、3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、6本のスリットロールを得た。なお、表3に示した風速は最初のプレナムダクトの風速と最後のプレナムダクトの風速を示している。また、比較例7における遮蔽板による遮蔽態様を「D態様」とし、熱固定装置の温度、風速条件を「X条件」とする。実施例1と同位置にあるスリットロールを用いて、フィルムの特性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
表4から、実施例のフィルムは、いずれも、光透過性、光拡散性に優れている上、ロール全幅に亘る熱収縮率の差(すなわち、熱収縮率差)が小さく、さらに、長手方向における熱収縮率の変動量も小さく、後加工時における通過性が良好であり、後加工に適している。これに対して、比較例のフィルムロールは、ロール全幅に亘る熱収縮率差が大きい上、長手方向における熱収縮率の変動量も大きく、後加工時における通過性が不良である。
2:熱風吹き出し口
3,a〜x:プレナムダクト
F:フィルム
S:遮蔽板
A:フィルムの巻き取り方向
Z1:第1ゾーン
Z2:第2ゾーン
Z3:第3ゾーン
Z4:第4ゾーン
Claims (6)
- フィルムの巻取方向と45度の角度をなす方向の屈折率とフィルムの巻取方向と135度の角度をなす方向の屈折率との差異であるΔnabが0.015以上0.060以下である、下記要件(1)〜(3)を満たす光拡散性フィルムであって、
フィルムの巻き終わりから2m以内に最初の試料切り出し部を設け、フィルムの巻き始めから2m以内に最終の切り出し部を設け、それらの最初と最終の切り出し部との間を9等分した長さ毎に試料切り出し部を設けることによって、合計10個の試料切り出し部を設けたとき、下記要件(4)〜(6)を満たすことを特徴とする光拡散性フィルム。
(1)二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系フィルムの少なくとも一方の面に、内部に光拡散成分を有する光拡散層を有すること
(2)前記光拡散層が、実質的にボイドを含有しないこと
(3)前記光拡散層が、少なくとも光透過性樹脂と光拡散成分としての微粒子からなること
(4)前記各切り出し部において、フィルムの幅方向における片端縁から50mm以内の位置および他端縁から50mm以内の位置からそれぞれ試料を切り出し、その2つの試料について、150℃で30分間加熱したときのフィルム巻き取り方向の熱収縮率であるHS150を求め、それらのHS150の差である熱収縮率差を求めたときに、すべての切り出し部における熱収縮率差が、いずれも0.1%以下であること
(5)前記各切り出し部において、フィルムの幅方向における片端縁から50mm以内の位置および他端縁から50mm以内の位置からそれぞれ試料を切り出し、それぞれの試料についてHS150を求めたときに、すべての切り出し部における両端縁の試料のHS150が、いずれも0.7%以上2.0%以下であること
(6)前記各切り出し部において求めたフィルムの幅方向における片端縁側のHS150の変動量、および、前記各切り出し部において求めたフィルムの幅方向における他端縁側のHS150の変動量が、いずれも0.25%以下であること - 光拡散性フィルムの全光線透過率が80%以上であり、かつヘーズが60%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光拡散性フィルム。
- 光拡散性フィルムの厚みが80μm以上450μm以下であることを特徴とする請求項1、または請求項2のいずれかに記載の光拡散性フィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載された光拡散性フィルムを製造するための製造方法であって、
押出機から原料樹脂を溶融押し出しすることにより未延伸シートを形成するフィルム化工程と、そのフィルム化工程で得られる未延伸シートを縦方向および横方向に二軸延伸する二軸延伸工程と、二軸延伸後のフィルムを熱固定する熱固定工程とを含んでおり、
その熱固定工程が、下記要件(7)〜(9)を満たす熱固定装置において行われることを特徴とする光拡散性フィルムの製造方法。
(7)熱風を吹き出す幅広な複数のプレナムダクトが、フィルムの進行方向に対して上下に対向して配置されていること
(8)前記複数のプレナムダクトに熱風の吹き出し口を遮蔽するための遮蔽板が取り付けられていること
(9)前記各遮蔽板のフィルムの進行方向における寸法が、フィルムの進行方向における各プレナムダクトの吹き出し口の寸法と略同一に調整されており、前記各遮蔽板のフィルムの幅方向における寸法が、フィルムの進行方向に対して次第に長くなるように調整されていること - 二軸延伸工程がフィルムを縦方向に延伸した後に横方向に延伸するものであるとともに、その横延伸を行うゾーンと熱固定装置との間に、風の吹き付けを実行しない中間ゾーンを設けたことを特徴とする請求項4に記載の光拡散性フィルムの製造方法。
- 熱固定装置が、複数の熱固定ゾーンに分割されているとともに、隣接し合う熱固定ゾーン間における温度差と風速差との積が、いずれも、250℃・m/s以下となるように設定されていることを特徴とする請求項4、または請求項5のいずれかに記載の光拡散性フィルムの製造方法。
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