JP2014184400A - 汚水処理装置の稼動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性汚泥法を採用する汚水処理装置において、何らかの原因で好気槽への散気が停止し、早期の復旧が見込めない場合に、排水の処理水質(BOD)を所定レベルに維持するための、緊急時の稼動方法を提供する。
【解決手段】少なくとも散気装置と単一または複数の処理槽2,3,4とを備え、前記処理槽2,3,4に流入する被処理水を微生物で分解処理する活性汚泥法を採用する汚水処理装置の緊急時の稼動方法であって、前記散気装置の停止時に、何れかの処理槽2,3,4に嫌気性の種汚泥とともに微生物固定化用の複数の担体8を投入し、各担体8に担持された微生物により被処理水を嫌気性処理する。
【選択図】図2

Description

本発明は、少なくとも散気装置と単一または複数の処理槽とを備え、前記処理槽に流入する被処理水を微生物で分解処理する活性汚泥法を採用する汚水処理装置の緊急時の稼動方法に関する。
図1に示すように、一般的な汚水の処理方法として、未処理の原水を最初沈殿池に流入させ、浮遊物質(SS)を沈殿させた後、活性汚泥を利用して好気槽で好気性処理し、最終沈殿池で活性汚泥を沈降させて上澄み液を消毒過程へ送る、標準活性汚泥法が広く用いられている。
また、活性汚泥を用いた高度な処理として、嫌気槽と好気槽を順に通水させてリンを除去するAO法、嫌気槽と無酸素槽及び好気槽を組み合わせてリンと窒素の除去を行うA2O法などが挙げられる。
しかし、好気性処理を行う汚水処理装置は好気槽への定常的な散気が必要であり、何らかの理由で散気装置が停止した場合には汚水処理能力が失われるという問題があるため、そのような状況に対応できる、緊急時のための汚水処理方法が必要とされる。
特に、地震等の大きな災害の発生時に電源喪失という事態に到ると、定常的に電力を必要とする散気装置を含む装置全てが長期間にわたって停止する虞があり、そのような状況下においては、流入してくる原水を未処理のままで放流せざるを得ず、悪臭の発生などの衛生状態の悪化を来たすばかりか、河川や海洋の汚染を招くという問題が生じるため、迅速な汚水処理機能の復旧が求められる。従って、上述した緊急時の汚水処理方法は電力を必要としないものであることが望ましい。
電力を必要としない汚水処理装置として、特許文献1には土壌生物(ミミズ、トビムシ等)を利用する装置が提案されている。軽石を用いた処理槽で被処理水を濾過し、軽石上に堆積した汚泥を、槽に用意された格子部から侵入した土壌生物に捕食分解させるものである。
また、特許文献2には、太陽光のみで作動する水浄化装置が提案されている。当該水浄化装置は、太陽電池を電力源とする電気分解と、光触媒による分解処理を組み合わせることで、外部からの電力供給を必要としない構成となっている。
特開2012−254434号公報 特開2010−64045号公報
しかし、特許文献1,2はいずれも都市から排出される大量の排水を処理する能力を有するものではなく、また特許文献1は装置を設置する土壌に存在する土壌生物に処理能力が依存し、特許文献2は日照時間に処理能力が依存する不安定な装置であるため、大量の排水を安定的に処理すると言う観点で更なる改良の余地があった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、活性汚泥法を採用する汚水処理装置において、何らかの原因で好気槽への散気が停止し、早期の復旧が見込めない場合に、排水の処理水質(BOD)を所定レベルに維持するための、緊急時の稼動方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による汚水処理装置の稼動方法の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、少なくとも散気装置と単一または複数の処理槽とを備え、前記処理槽に流入する被処理水を微生物で分解処理する活性汚泥法を採用する汚水処理装置の緊急時の稼動方法であって、前記散気装置の停止時に、何れかの処理槽に微生物固定化用の担体を投入し、各担体に担持された微生物により被処理水を嫌気性処理する点にある。
散気装置が停止すると処理槽内で汚泥が攪拌されずに沈殿して、被処理水と汚泥との接触機会が減少するため、被処理水は浄化処理されないまま処理槽から流出する。しかし、そのような場合でも、何れかの処理槽に微生物固定化用の担体を投入すると、処理槽内の嫌気性微生物が担体に担持されることにより被処理水との接触機会を増大させることができ、生物膜法を用いた嫌気性処理へ速やかに切り替えることが可能となる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記散気装置の停止時に、何れかの処理槽に前記担体とともに嫌気性の種汚泥を投入する点にある。
嫌気性の種汚泥とは、好気槽のような曝気処理がされていなかった槽内の汚泥をいう。例えば担体を投入する処理槽が好気槽などのように嫌気性の微生物が少ない処理槽である場合、担体とともに嫌気性微生物の種汚泥を投入すれば、その種汚泥が担体上に付着して生育し、速やかに所定量の嫌気性処理が行えるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二特徴構成に加えて、前記嫌気性の種汚泥として、最初沈殿池、最終沈殿池または嫌気性消化処理する消化槽の汚泥が投入される点にある。
処理槽に投入される種汚泥として、最初沈殿池、最終沈殿池または消化槽の汚泥を好適に用いることができる。特に、消化槽には、良質の嫌気性微生物が多く繁殖しており、最終沈殿池の沈殿汚泥には未処理の有機物が殆どないため、良質の種汚泥として好適に用いることができる。また、種汚泥は、他の処理施設から搬入してもよい。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記処理槽での被処理水の通流経路に各担体が常在するように各担体の比重が調整されている点にある。
処理槽を通流する被処理水の経路は、槽内に形成された隔壁を溢流させる態様や、槽内に形成された隔壁の底部側に開口が形成された態様等、処理装置の構造に依存している。被処理水が隔壁を溢流するような構成であれば、担体が槽内の水面近くに常在するように比重が水よりも小さい担体を投入すればよく、隔壁の底部側に形成された開口から被処理液が流れるような構成であれば、担体が槽内の底面近くに常在するように比重が水よりも大きい担体を投入すればよい。このように、担体の比重を調整することにより通流経路上に常在させることで、担体と被処理水中の有機物との接触機会を増やし、処理効率を向上させることができる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、被処理水が処理槽から流出する流出部に、担体の流出を阻止する担体流出防止機構を設置する点にある。
担体が被処理水とともに処理槽から流出すると、流出した担体を処理槽に返送するのは困難であり、安定的に嫌気性処理を行なうことができなくなる。そこで、担体流出防止機構を設置して処理槽から担体の流出を防止することにより、処理槽での汚水処理能力を維持して安定的に嫌気性処理を行うことができるようになる。
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第五の特徴構成に加えて、前記担体流出防止機構は、複数の担体が網状の被覆体で被覆された担体群で構成されている点にある。
個々の小さな担体であれば、被処理水の僅かな流れに同伴して容易に槽外に流出するが、複数の担体を網状の被覆体で被覆した担体郡であれば、被処理水の流れに容易に同伴することがなく、処理槽の流出部からの流出が阻止できるようになる。例えば、流出部が開口で構成されていれば、その開口よりも大きな担体郡に構成することができ、或いは複数の担体群を投入して、互いに干渉し合うことで処理槽の流出部からの流出が阻止できるようになる。
同第七の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第五の特徴構成に加えて、前記担体流出防止機構は、槽内で被処理水を下方から上昇させて前記流出部に導き、または槽内で被処理水を上方から下降させて前記流出部に導く反転流路を形成する案内板で構成されている点にある。
流出部の高さと処理槽内での被処理水の一部の通流経路の高さを異ならせることで、通流経路上に常在する比重の担体が流出部へ到達することが回避できるようになる。例えば、担体の比重が水よりも小さい場合には、被処理水を下方から上昇させて流出部に導く案内板を設置しておけば、担体が沈降して反転流路を通過するようなことが回避でき、例えば、担体の比重が水よりも大きい場合には、被処理水を上方から下降させて流出部に導く案内板を設置しておけば、担体が浮上して反転流路を通過するようなことが回避できるのである。
同第八の特徴構成は、同請求項8に記載した通り、上述の第五の特徴構成に加えて、前記担体流出防止機構は、各担体の通過を阻止するメッシュ機構またはスクリーン機構で構成されている点にある。
被処理水のみ通過させ、担体を通過させないメッシュ機構またはスクリーン機構を流出口に設置することで、担体の流出を防ぐことができる。
同第九の特徴構成は、同請求項9に記載した通り、上述の第一から第八の何れかの特徴構成に加えて、担体の投入後、処理槽内における被処理水の流量が低下したときに、担体を追加投入する点にある。
担体にSSが付着することなどにより、被処理水の通流が阻害され、流量が低下した場合には、担体の追加投入、及び場合によっては古い担体を取り除くことで流量の正常化を図ることができる。
同第十の特徴構成は、同請求項10に記載した通り、上述の第一から第九の何れかの特徴構成に加えて、前記処理槽が被処理水の流れ方向に複数段設置されている場合に、上流側の処理槽に下流側の処理槽よりも担体の充填率が高くなるように担体を投入する点にある。
特定の処理槽に担体を密に投入することで、その槽をSS成分濾過槽として機能させることができるようになる。上流側の処理槽に下流側の処理槽よりも担体の充填率が高くなるように担体を投入することにより、そのようなSS成分濾過槽を処理槽の上流側に存在させることができるようになる。
同第十一の特徴構成は、同請求項11に記載した通り、上述の第一から第九の何れかの特徴構成に加えて、前記処理槽が被処理水の流れ方向に複数段設置されている場合に、最上流側の処理槽に担体を投入することなく、沈殿池として機能させる点にある。
汚水処理装置に最初沈殿池が存在しない場合や、SS濃度が高い原水が流入する場合において、最上段の処理槽を沈殿池として機能させることで、未処理の原水中に含まれる大きなSSが担体と接触することのないようにして、嫌気性処理の効率かを図ることができるようになる。
同第十二の特徴構成は、同請求項12に記載した通り、上述の第一から第九の何れかの特徴構成に加えて、前記処理槽に無酸素槽と好気槽とを備えている場合に、前記担体を好気槽より優先して無酸素槽に投入する点にある。
無酸素槽は好気槽と比較してDOが低く、予め嫌気性微生物が育成しているため、そのような無酸素槽に担体を投入すれば、汚水処理装置を嫌気性処理へ速やかに切り替えることが可能となり、迅速な汚水処理が可能になる点で好ましい。
同第十三の特徴構成は、同請求項13に記載した通り、上述の第十二の特徴構成に加えて、前記処理槽に嫌気槽と無酸素槽と好気槽とを備えている場合に、前記担体を好気槽及び無酸素槽より優先して嫌気槽に投入する点にある。
嫌気槽は通常稼動時から嫌気状態であり、上記の無酸素槽よりもさらに嫌気微生物の生育に適しているため、汚水処理装置を嫌気性処理へより速やかに切り替えることが可能となり、より迅速な汚水処理が可能になる
以上説明した通り、本発明によれば、活性汚泥法を採用する汚水処理装置において、何らかの原因で好気槽への散気が停止し、早期の復旧が見込めない場合に、排水の処理水質(BOD)を所定レベルに維持するための、緊急時の稼動方法を提供することができるようになった。
標準活性汚泥法を採用した汚水処理装置の説明図 本発明による汚水処理装置の稼動方法の第一の説明図 本発明による汚水処理装置の稼動方法の第二の説明図 本発明による汚水処理装置の稼動方法の第三の説明図 本発明による汚水処理装置の稼動方法の第四の説明図 本発明による汚水処理装置の稼動方法の第五の説明図 本発明による汚水処理装置の稼動方法の第六の説明図 処理槽の底を転動しない形状の担体の説明図 (a),(b)は反転流路を形成する案内板の説明図
以下、本発明による汚水処理装置の稼動方法を説明する。
図1には、標準活性汚泥法を採用した汚水処理装置が示されている。原水は、最初沈殿池1に取り込まれて固形成分が沈殿除去された後に、処理槽の一例である3槽の好気槽2〜4に順次通流して、各槽に備えた散気装置6によって供給される空気で活性汚泥が浮遊しながら被処理水と接触し、好気性処理によって被処理水に含まれる有機性物質が分解される。浄化された被処理水は最終沈殿池5に流入し、汚泥が沈殿除去されるようにその上澄みが処理水として取り出される。
このような汚水処理装置が設置されている地域で地震等の大規模な災害が発生して給電が停止されると、散気装置6に給気するブロワーファンBやコンプレッサを作動させることができなくなる。このような状態が長期間継続すると、悪臭の発生などの衛生状態の悪化を来たすばかりか、河川や海洋の汚染を招くという問題が生じる虞がある。大電力を要するブロワーファンやコンプレッサは非常用の発電機により長期連続運転させるのは困難である。
このような非常事態は地震に限らず、発電所の故障や送電線の切断事故等によっても発生し、また停電でなくてもブロワーファンBが故障し、復旧に時間を要する場合も同様である。
そこで、図2に示すように、本発明の汚水処理装置の稼動方法では、このような場合に非常用ポンプを用いて最終沈殿池5から汚泥7を汲み上げて、嫌気性の種汚泥として好気槽2〜4に微生物固定化用の担体8とともに投入するように処理される。
好気槽2〜4に嫌気性の種汚泥及び微生物固定化用の担体を投入すると、投入された嫌気性微生物が担体に担持されて、被処理水との接触機会が増大し、標準活性汚泥処理から、嫌気性処理へ速やかに切り替えることが可能となる。
図2に示した汚水処理装置では、処理槽となる好気槽2〜4が隔壁で区分され、その上端から被処理水が溢流するように被処理水の通流経路が構成されている。そのような被処理水と嫌気性微生物との接触が促進されるように、担体8は比重が1.0またはそれよりやや小さい値になるような素材で構成されている。
担体8は、球形状や筒形状など、担体としての機能を十全に発揮する形状であれば特に制限されることはなく、またその大きさも特に制限されるものではない。
担体8は樹脂製の網状の被覆体9によって被覆され、被処理水の流出口つまり隔壁の上端を通過できない規模の担体群とすることで、後段の処理槽への移動を防止している。このような被覆体9によって担体8を被覆すると、後々に電力が復旧したような場合に、極めて容易に担体8を回収することも可能になる。
最上段の処理槽である好気槽2には、SS濾過槽としての機能も持たせるために、下流側の好気槽3,4よりも担体が密になるよう投入されることが好ましい。その担体をフィルターとして機能させることにより、SS成分の下流側への流出を回避することができるようになる。その結果、処理水の流量が低下すると、担体を追加投入して嫌気性の処理能力を上げるように対処すればよい。またその際に必要に応じてSS成分が固着した担体を取り出してもよい。
このように汚水処理装置を稼動させることにより、散気装置が長期間停止するような場合でも、嫌気性処理で代替して排水のBODを低く保ち、河川や海洋の汚染を未然に回避するとともに、臭気の発生を抑制して衛生環境の悪化を回避することができるようになる。
嫌気性処理によって発生する硫化水素が水槽からリークすることは、安全上好ましくないので、このような状況が想定される場合は、槽内に鉄塩(塩化鉄やポリ硫酸鉄)を添加することにより、硫化水素の発生を抑制することができる。
以下、別実施形態を説明する。
処理槽に投入される種汚泥として、外部から搬入する必要はなく、最終沈殿池以外に、最初沈殿池や消化槽の汚泥を用いることも可能である。特に、消化槽を備えている汚水処理装置では、嫌気性微生物が多く繁殖している消化槽の汚泥は良質の種汚泥として好適に用いることができる。
上述した実施形態では、複数の好気槽2,3,4の全てに担体と種汚泥を投入して嫌気処理を行う稼動方法を説明したが、最初沈殿池を備えていない汚水処理装置の場合、図3に示すように、最上段の好気槽2には担体を投入せずに沈殿池として利用し、2段目以降の好気槽3,4に種汚泥を担体を投入して嫌気性処理を行うように構成してもよい。
また、図4には、処理槽となる好気槽2〜4が隔壁で区分され、隔壁の底部側に形成された開口から被処理水が下流側に流下するように被処理水の通流経路が構成された汚水処理装置が示されている。
このような通流経路を備えた汚水処理装置では、比重が1.0より大きい物質を素材とする担体8を好気槽2〜4に投入することが好ましい。これにより、好気槽2〜4の底部に担体8が沈降し、底部を流れる被処理水と担体8に担持された嫌気性微生物との接触の機会を十分に確保することができる。
好気槽2〜4の底に沈降させるような担体8を採用する場合、被処理水の流下に伴なって担体8が底部を転動して下流側に流出することがないように、底部との接触面積が大きな形状の担体や容易に転動しない形状の担体を用いることが好ましい。図8(a),(b),(c)には、このような担体の形状の例が示されている。即ち、底面と接触する面積が大きな四角錐形状、容易に転動しない筒状多足形状等である。
図5には、好気槽2と無酸素槽10をこの順に備えた汚水処理装置が示されている。このような汚水処理装置では、無酸素槽10に予め嫌気性微生物が生育しているため、無酸素槽10に担体8のみ投入すれば、比較的短期間で嫌気性処理が可能になる。勿論、当該無酸素槽10に担体8とともに種汚泥を投入してもよい。つまり、処理槽に無酸素槽と好気槽とを備えている場合に、担体を好気槽より優先して無酸素槽に投入することが好ましい。
図6に示すように、嫌気槽11と好気槽2を順に通水させてリンを除去するAO法を採用する汚水処理装置であれば、好気槽2に優先して嫌気槽11に担体を投入することが好ましい。
図7に示すように、嫌気槽11と無酸素槽10及び好気槽2を組み合わせてリンと窒素の除去を行うA2O法を採用する汚水処理装置であれば、無酸素槽10及び好気槽2に優先して嫌気槽11に担体を投入することが好ましい。
勿論、図5から図7の何れの場合にも、好気槽2に担体と種汚泥を投入することを排除するものではない。つまり、担体を投入する処理槽に優先度を設定するのは、使用できる担体の量が限られている場合に、速やかに処理を進める際に有効な手立てとなるためであり、全ての処理槽に十分な量の担体を投入できるのであれば、優先度が低い槽に投入する担体を意図的に減らす必要はない。
また、担体流出防止機構として、担体を網状被覆材で被覆するのではなく、被処理水の流出部にメッシュ機構やスクリーン機構、あるいは水流を上方から下方もしくは下方から上方へ導く案内板を設置することも可能である。
図9(a)には、担体流出防止機構の一例として、水流を上方から下方へ導く案内板20が示され、図9(b)には、水流を下方から上方へ導く案内板22が示されている。担体の比重が水よりも小さい場合には、案内板20を設けて被処理水を下方から上昇させて流出部に導くように構成すれば、担体が沈降して反転流路20を通過するようなことが回避でき、担体の比重が水よりも大きい場合には、案内板22を設けて被処理水を上方から下降させて流出部に導くように構成すれば、担体が浮上して反転流路を通過するようなことが回避できるのである。
上述した実施形態は、何れも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
1:最初沈殿池
2:好気槽
5:最終沈殿池
6:散気装置
7:汚泥
8:担体
9:担体被覆体
10:無酸素槽
11:嫌気槽

Claims (13)

  1. 少なくとも散気装置と単一または複数の処理槽とを備え、前記処理槽に流入する被処理水を微生物で分解処理する活性汚泥法を採用する汚水処理装置の緊急時の稼動方法であって、
    前記散気装置の停止時に、何れかの処理槽に微生物固定化用の担体を投入し、各担体に担持された微生物により被処理水を嫌気性処理する汚水処理装置の稼動方法。
  2. 前記散気装置の停止時に、何れかの処理槽に前記担体とともに嫌気性の種汚泥を投入する請求項1記載の汚水処理装置の稼動方法。
  3. 前記嫌気性の種汚泥として、最初沈殿池、最終沈殿池または嫌気性消化処理する消化槽の汚泥が投入される請求項2記載の汚水処理装置の稼動方法。
  4. 前記処理槽での被処理水の通流経路に各担体が常在するように各担体の比重が調整されている請求項1から3の何れかに記載の汚水処理装置の稼動方法。
  5. 被処理水が処理槽から流出する流出部に、担体の流出を阻止する担体流出防止機構を設置する請求項1から4の何れかに記載の汚水処理装置の稼動方法。
  6. 前記担体流出防止機構は、複数の担体が網状の被覆体で被覆された担体群で構成されている請求項5記載の汚水処理装置の稼動方法。
  7. 前記担体流出防止機構は、槽内で被処理水を下方から上昇させて前記流出部に導き、または槽内で被処理水を上方から下降させて前記流出部に導く反転流路を形成する案内板で構成されている請求項5記載の汚水処理装置の稼動方法。
  8. 前記担体流出防止機構は、各担体の通過を阻止するメッシュ機構またはスクリーン機構で構成されている請求項5記載の汚水処理装置の稼動方法。
  9. 担体の投入後、処理槽内における被処理水の流量が低下したときに、担体を追加投入する請求項1から8の何れかに記載の汚水処理装置の稼動方法。
  10. 前記処理槽が被処理水の流れ方向に複数段設置されている場合に、上流側の処理槽に下流側の処理槽よりも担体の充填率が高くなるように担体を投入する請求項1から9の何れかに記載の汚水処理装置の稼動方法。
  11. 前記処理槽が被処理水の流れ方向に複数段設置されている場合に、最上流側の処理槽に担体を投入することなく、沈殿池として機能させる請求項1から9の何れかに記載の汚水処理装置の稼動方法。
  12. 前記処理槽に無酸素槽と好気槽とを備えている場合に、前記担体を好気槽より優先して無酸素槽に投入する請求項1から9の何れかに記載の汚水処理装置の稼動方法。
  13. 前記処理槽に嫌気槽と無酸素槽と好気槽とを備えている場合に、前記担体を好気槽及び無酸素槽より優先して嫌気槽に投入する請求項12記載の汚水処理装置の稼動方法。
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