JP2014183470A - 無線通信装置および無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】消費電力を低く抑えた無線通信装置を得ること。
【解決手段】本発明は、親機および子機を含み、マルチホップネットワークを形成する無線通信システムにおいて、親機または子機として動作し、データの送受信が終了するとスリープ状態へ移行し、送信データが発生していない状態では一定時間が経過するごとにスリープ状態を一時的に解除してスリープ状態へ再移行するか否かを判断する無線通信装置であって、親機までのホップ数、および自身を介して親機と通信する配下の無線通信装置の数を示す配下装置数が登録された中継テーブル管理部45と、ホップ数および配下装置数に基づいて、一定時間である間欠周期を決定する間欠周期決定部47と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信装置および無線通信システムに関する。
ECMA368/369に基づいたWiMedia UWB、IEEE802.15.4に基づいたZigBee(登録商標)などの従来の無線通信システムでは、システムを構成している無線通信装置の消費電力を低減するために、間欠的に無線フレームの送信、または受信を行う間欠動作を行っている。これらの無線通信システムでは、所定のスーパーフレーム周期にビーコン期間が決められており、そのビーコン期間内で各無線通信装置がビーコン信号を交換し合うことが記載され、各無線通信装置間の相互接続関係を確認するとともに、ある周期に基づき、無線フレームの送信、または受信を間欠的に繰り返す構成が開示されている。
しかしながら、上記従来の無線通信システムでは、長時間に渡って間欠動作を定義することが難しく、消費電力の低減に限界があった。また、従来の無線通信システムでは、接続関係を確認するためのビーコン信号を使用して間欠動作の情報を無線通信装置間で交換していたため、各無線通信装置は所定の周期で送信されるビーコン信号に同期した動作をする必要がある。しかしながら、無線通信システム内に多数の無線通信装置が存在する場合には無線通信装置間で同期を取ることが困難である。
無線通信装置の消費電力を低減するための技術として、上記間欠動作の休止期間を長周期化することにより消費電力を低減する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1には、ビーコン信号の交換によって無線通信装置間で接続関係を結ぶ接続管理の方法、接続関係を結んだ無線通信装置との間で所定の休止期間に関する情報を交換し、所定の時刻から所定の休止時間が経過するまで自らの動作を休止させる方法について記載されている。
また、多数の無線通信装置が存在する場合に無線通信装置間で同期を取ることが困難な問題を解決する技術が非特許文献1で開示されている。非特許文献1においては、各無線通信装置が、周期的かつ間欠的に自身のIDを送信するとともに、IDを送信した直後の一定時間だけ無線フレームの受信を待機し(受信動作を行い)、その他の期間は休止すること、および、無線通信装置は、無線フレームを送信する場合、宛先無線通信装置からのIDの受信を待ち、IDを受信した直後に無線フレームを送信することが開示されている。
さらに、上記間欠的に無線フレームの受信を待機、または無線フレームの送信を待機する無線通信装置を複数接続したマルチホップネットワークを構成する無線通信システムにおいて消費電力を低減する技術が特許文献2に開示されている。具体的には、各無線通信装置が、単位時間当たりの消費電力量に応じて無線通信装置の間欠周期(スリープ期間)を変更する方法が記載されている。また、無線通信システムにおける時間帯別の通信頻度に応じて間欠周期を決定する方法が記載されている。
特開2010−161741号公報 特開2009−010703号公報
T.Hatauchi,Y.Fukuyama,M.Ishii,and T.Shikura:"A Power Efficient Access Method by Polling for Wireless Mesh Networks," IEEJ Trans. On Electronics, Information and Systems, vol.128, no.12, pp.1761.1766(2008)
上記従来の技術では、複数存在している無線通信装置が間欠動作を行う周期(間欠周期)は全ての無線通信装置で同じ値とされている。しかしながら、通信を行う頻度が大きく異なる無線通信装置が存在する場合、ある無線通信装置では間欠周期が最適なものとはいえず、十分な省電力化が図れていないという問題があった。たとえば、自身のIDを周期的に送信するとともにIDを送信した後の一定時間において受信動作を行うシステムの場合、通信頻度(データ等を載せた無線フレームを送信する頻度)が低い無線通信装置においては、間欠周期が長いほど消費電力を低減できる。一方、通信頻度が高い無線通信装置においては、間欠周期が長くなると、通信相手からIDが送信されてくるのを待ち続ける時間、すなわち、IDの受信動作を継続する時間が長くなり、受信動作の継続時間が長くなる分だけ余計に電力を消費してしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、消費電力を低く抑えた無線通信装置および無線通信システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、親機および子機を含み、マルチホップネットワークを形成する無線通信システムにおいて、前記親機または子機として動作し、データの送受信が終了するとスリープ状態へ移行し、送信データが発生していない状態では一定時間が経過するごとにスリープ状態を一時的に解除してスリープ状態へ再移行するか否かを判断する無線通信装置であって、親機までのホップ数、および自身を介して親機と通信する配下の無線通信装置の数を示す配下装置数が登録された中継テーブルと、前記ホップ数および前記配下装置数に基づいて、前記一定時間である間欠周期を決定する間欠周期決定部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、無線通信装置が送信する無線フレームが不必要に多くなることを回避できると共に、無線通信装置が無線フレームを受信するまでの待機時間が不必要に長くなることを回避できる。その結果、無線通信装置の消費電力を低減でき、なおかつ、各無線通信装置が送信するデータの転送遅延が不必要に増加するのを回避できる、という効果を奏する。
また、消費電力削減によりバッテリの小型化が可能となる、という効果を奏する。また、同じ容量のバッテリを使用した場合、従来(本発明を適用しない場合)と比較してバッテリ(機器の動作継続時間)の長寿命化が可能となる、という効果を奏する。さらに、バッテリの消耗に伴いバッテリの交換が必要な構成の機器においては交換回数の削減が可能となる、という効果を奏する。
図1は、本発明にかかる無線通信装置の実施の形態1の要部構成例を示す図である。 図2は、実施の形態1の無線通信装置が使用する閾値テーブルの一例を示す図である。 図3は、実施の形態1の間欠周期決定方法を適用した無線通信システムと従来の無線通信システムの一例を示す図である。 図4は、実施の形態1の無線通信装置が使用する閾値テーブルの具体例を示す図である。 図5は、本発明にかかる無線通信装置の実施の形態2の要部構成例を示す図である。 図6は、実施の形態2の無線通信装置が使用する閾値テーブルの一例を示す図である。 図7は、本発明にかかる無線通信装置の実施の形態3の要部構成例を示す図である。 図8は、実施の形態3の無線通信装置が使用する閾値テーブルの一例を示す図である。 図9は、実施の形態3の無線通信装置が使用する閾値テーブルの具体例を示す図である。 図10は、実施の形態3の無線通信システムにおける間欠周期決定結果の一例を示す図である。 図11は、本発明にかかる無線通信装置の実施の形態4の要部構成例を示す図である。 図12は、実施の形態4の無線通信装置が使用する閾値テーブルの一例を示す図である。 図13は、実施の形態4の無線通信装置が使用する閾値テーブルの具体例を示す図である。 図14は、実施の形態4の無線通信システムにおける間欠周期決定結果の一例を示す図である。 図15は、本発明にかかる無線通信装置の実施の形態5の要部構成例を示す図である。 図16は、実施の形態5の無線通信装置が使用する閾値テーブルの一例を示す図である。 図17は、実施の形態5の無線通信装置が使用する閾値テーブルの具体例を示す図である。 図18は、実施の形態5の無線通信システムにおける間欠周期決定結果の一例を示す図である。 図19は、無線通信装置が使用する無線フレームフォーマットの一例を示す図である。 図20は、従来の無線通信システムにおける無線通信装置の動作を示す図である。 図21は、無線通信システムの構成例を示す図である。 図22は、無線通信装置のデータ送信回数に対する電池寿命を間欠周期毎にグラフ化した図である。 図23は、従来の間欠送受信方式の課題の一例を示す図である。 図24は、従来の間欠送受信方式の課題の他の例を示す図である。
以下に、本発明にかかる無線通信装置および無線通信システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
ここで、まず、従来の無線通信システムおよびその問題点について図20〜図24を用いて説明する。
図20は、従来の無線通信システムにおける無線通信装置の動作を示す図である。図20では、2台の無線通信装置が間欠的に無線フレームを送受信する様子を示すタイミングチャートとして示している。無線フレーム(データ)を送信する側を発信元無線通信装置(以下、発信元装置)、無線フレームを受信する側を宛先無線通信装置(以下、宛先装置)とする。
無線通信装置は、無線フレームを送信する必要がない状態では、間欠周期ごとに、無線機起動状態とスリープ状態を繰り返す(間欠動作を行う)。具体的には、間欠周期タイマが満了すると、無線機(無線通信回路)を起動し、自装置のIDを送信するとともに(T101)、一定時間にわたって、自装置宛無線フレームの送信要求(図ではSREQとしている)の受信待ちを行う(T102)。一定時間においてSREQを受信しなければ無線機の動作を停止してスリープ状態に移行し、間欠周期が経過した後、T101(IDの送信)を再度実行する(宛先装置の動作を参照)。なお、一定時間においてSREQを受信した場合、スリープ状態には移行せずに、無線フレーム受信のための動作(詳細は後述する)を行う。無線通信装置は、スリープ状態においては、送信動作および受信動作を停止する。
間欠動作を行っている状態において送信データが発生すると、発信元装置は、直ちに無線機を起動し、宛先装置からのID受信待ち状態となる(T103)。この状態は、宛先装置から送信されるIDを受信するまで継続する。その後、発信元装置は、間欠動作を行っている宛先装置から送信されたIDを受信すると、無線フレームの送信を要求するためにSREQを送信する(T104)。
宛先装置は、IDを送信した後にSREQを受信すると、スリープ状態には移行せずに、フレームの送信を許可するRACKを返送する(T105)。
発信元装置が宛先装置からRACKを受信すると、発信元装置と宛先装置はリンク確立状態に遷移し、発信元装置はデータを載せた無線フレーム(DATA)を送信する(T106)。宛先装置は、DATAを正常に受信すると、正常受信を示すDACKを送信する(T107)。
発信元装置および宛先装置は、DACKの送受信が完了後、所定時間が経過すると(具体的には、リンク継続時間タイマが満了すると)、再び間欠動作に移行する(T108)。
図21は、マルチホップネットワークを適用する無線通信システムの構成例である。図21に示した無線通信システムは、無線通信装置として、無線親機、無線中継機および無線子機を備えて構成されている。無線親機と無線子機は、直接通信することができない場合、無線中継機を介して通信する。
図20に示した動作(間欠方法)を図21のようなマルチホップネットワークに適用し、無線親機と無線子機が必要に応じて無線中継機を介しながら通信する場合、無線中継機は、配下に接続される無線子機の数に応じて、送信されてくるIDのフレーム数が変わるため、IDを受信するまでの受信待ち時間に過不足が生じ、機器間で消費電力にバラつきが生じるという問題がある。消費電力にバラつきが生じると、例えば電池駆動で動作する無線通信装置の場合、電池交換時期が各装置で異なる等の問題が生じる。
図22は、無線通信装置のデータ送信回数に対する電池寿命を間欠周期毎にグラフ化した図である。例えば、ID(ID通知用のフレーム)の送信周期(間欠周期)が短いと、IDを受信するまでの受信待ち時間が短くなる。送信機会が多い無線通信装置にとっては、IDの送信周期が短くなる(送信回数が多くなる)ことによる消費電力の増加よりも、IDを受信するまでの受信待ち時間が短くなることによる消費電力の低減の方が、総合的に消費電力を低減することが可能な場合がある。反対に、送信機会が少ない無線通信装置にとっては、送信機会にIDを受信するまでの受信待ち時間が長くなることによる消費電力の増加よりも、IDの送信周期(間欠周期)が長くなる(送信回数が少なくなる)ことによる消費電力の低減の方が、総合的に消費電力を低減することが可能な場合がある。
図23は、従来の間欠送受信方式の課題の一例を示す図である。(1)は、IDを通知するための無線機番号フレームを送信する動作を示している。(2)は、データの送信要求を示すフレームの受信待ち(受信動作)を示している。(3)は、無線機番号フレームの受信待ち(受信動作)を示している。(4)は、無線機番号フレームを受信し、データ送信を要求するフレームを送信する動作を示している。(5)は、データ送信動作を示している。(6)は、データ送信が終了後、スリープ状態へ移行する動作を示している。図23から明らかなように、送信機会が多い無線通信装置(送信機)は、宛先無線通信装置(受信機)からの無線機番号フレーム(ID)を送信するまでの受信待ち時間が長くなり、その分だけスリープ期間(スリープ状態の期間)が短くなるので、消費電力が増加する。
図24は、従来の間欠送受信方式の課題の他の例を示す図である。(1)〜(6)は図23の(1)〜(6)と同じ動作を示している。図24に示したように、送信機会が少ない無線通信装置(送信機)は、無線機番号フレームを送信する回数が多い(間欠周期が短い)と、消費電力が不必要に増加してしまう。送信機会が少ない無線通信装置においては間欠周期を長く設定するのが望ましい。
以上のように、間欠周期(間欠動作を行う周期)の最適値は、送信機会が多い装置と少ない装置で異なる。そのため、本発明では、間欠周期が最適となるように制御を行い、無線通信装置の省電力化を実現する。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる無線通信装置の実施の形態1の要部構成例を示す図である。本実施の形態の無線通信装置は、主要な構成要素として、アンテナ10と、無線送受信部20と、送信信号処理部31および受信信号処理部32を含んだベースバンド部30と、送信制御部41、受信制御部42、中継テーブル管理部45および間欠周期決定部47を含んだアクセス制御部40と、を備えている。
本実施の形態の無線通信装置は、たとえば図21に示した構成の無線通信システムを形成している。無線通信装置は、図21に示した無線親機、無線中継機および無線子機のいずれにも該当し得る。すなわち、図1に示した構成要素は、無線親機、無線中継機および無線子機に共通するものである。なお、無線中継機は他の装置から受信したデータフレーム(DATA)を送信するだけではなく、自らデータフレームを生成して送信することも可能とする。
また、本実施の形態にかかる無線通信装置は、上述した従来の無線通信装置と同様に、間欠動作を行う(間欠的に無線フレームの送信または受信を行う)ものとする。ただし、間欠動作を行う際の周期(間欠周期)を状況に応じて適宜変更する機能を有している。
アンテナ10は、RF信号を受信して無線送受信部20へ出力するとともに、無線送受信部20からRF送信信号を受け取るとこれを送信する。
無線送受信部20は、アンテナ10からRF信号を受け取った場合、受け取ったRF信号であるRF受信信号をIF信号にダウンコンバートし、デジタル変換したベースバンド受信信号をベースバンド部30へ出力する。また、ベースバンド部30からベースバンド送信信号を受け取った場合には、受け取った信号をアナログ変換し、さらにIF信号からRF信号にアップコンバートし、RF送信信号として、アンテナ10へ出力する。
ベースバンド部30は、デジタル無線信号処理を行う。ベースバンド部30の受信信号処理部32は、無線送受信部20から入力されたベースバンド受信信号に対して復調処理および誤り訂正復号処理を実行し、その結果得られた受信無線フレーム(DATA)をアクセス制御部40へ出力する。送信信号処理部31は、アクセス制御部40から送信無線フレーム(DATA)を受け取り、受け取った送信無線フレームに対して誤り訂正符号化処理および変調処理を行い、ベースバンド送信信号として無線送受信部20へ出力する。
アクセス制御部40は、図示を省略したネットワーク部またはアプリケーション部から送信データを受け取ると、受け取った送信データを加工して送信無線フレーム(DATA)を生成し、ベースバンド部30へ出力する。また、ベースバンド部30から受信無線フレーム(DATA)を受け取ると、受信データを抽出してネットワーク部またはアプリケーション部へ出力する。
アクセス制御部40において、送信制御部41は、送信データに対してヘッダ情報および誤り検出符号を付与し送信無線フレーム(DATA)を生成する。生成した送信無線フレーム(DATA)はベースバンド部30へ出力する。一方、受信制御部42は、ベースバンド部30から受信した受信データフレーム(DATA)をヘッダ情報および誤り検出符号に基づいて解析し、受信データを抽出する。抽出した受信データはネットワーク部またはアプリケーション部へ出力する。
また、送信制御部41は、自身が送信したDATAに対するデータ肯定応答フレーム(DACK)を受信制御部42が送信先無線通信装置から受信できたか否かを確認し、受信できなかった場合にはDATA(無線フレーム)を再送する再送制御を行う。また、送信制御部41は、自身の無線機番号(識別情報)を周辺無線通信装置に報知する無線機番号フレーム(ID)を生成し、周期的かつ間欠的にベースバンド部30に出力する。また、送信制御部41は、送信DATAを生成しても直ちにベースバンド部30に出力することはしない。すなわち、送信制御部41は、送信DATAを生成すると、送信先無線通信装置(生成した送信DATAの送信先)からのIDが受信されたことを受信制御部42から通知された直後に、この送信先無線通信装置宛てのデータ送信要求フレーム(SREQ)を生成し、ベースバンド部30に出力する。送信制御部41は、SREQ出力後、送信先無線通信装置から送信要求肯定応答フレーム(RACK)を受信したことを受信制御部42から通知されると、出力を待機していた送信DATAをベースバンド部30に出力する。反対に、送信制御部41は、送信元無線通信装置からSREQを受信したことを受信制御部42から通知されると、RACKを送信元無線通信装置に対して送信するか否かを、図示しないネットワーク部等から得られる情報である自身と送信元無線通信装置との接続関係情報等に基づき判定し、接続関係にある場合にはRACKを生成してベースバンド部30に出力する。また、送信制御部41は、送信元無線通信装置からのDATAが正常に受信されたことを受信制御部42から通知されると、送信元無線通信装置宛のDACKを生成してベースバンド部30に出力する。
中継テーブル管理部45は、送信制御部41が他の無線通信装置から受信した無線フレームを中継する際などに参照される情報としての中継テーブルを保持しており、たとえば、他の無線通信装置から受信したDATAを中継する場合に、受信制御部42から入力されるMACデータに含まれる最終的な送信相手先である宛先無線装置番号を参照し、自無線通信装置が次に送信すべき宛先を表す宛先無線装置番号を決定し、決定結果を送信制御部41に送出する。さらに、中継テーブル管理部45は、保持している無線親機からのホップ数、および配下ノードとして登録されている配下無線機数を間欠周期決定部47に通知する。なお、自装置が無線親機の場合もありうる(その場合、ホップ数は0となる)。中継テーブルの詳細構成については特に規定しないが、たとえば、無線通信システムが図21に示したような構成の場合には、少なくとも、無線フレームを送信する(他の装置から受信したものを中継する場合を含む)際の送信先(直接送信が可能な他の無線通信装置の中の1つ)を特定するための情報と、無線親機からのホップ数と、配下無線機数とを含むものとする。中継テーブル管理部45は、中継テーブルの内容に変更が生じた場合は、その都度、無線親機からのホップ数および配下無線機数を間欠周期決定部47に通知する。ここで、配下無線機数とは、自装置と、自装置が直接無線通信する宛先無線通信装置だけではなく、無線中継を介して通信する宛先無線通信装置を含む。
間欠周期決定部47は、中継テーブル管理部45から通知された、無線親機からのホップ数および配下無線機数に基づいて間欠周期を決定する。また、送信制御部41および受信制御部42に対して、決定した間欠周期、具体的には、自無線通信装置の無線フレームの送信および受信を停止する時刻、ならびに、送信および受信を再開する時刻、をそれぞれ通知する。間欠周期は、無線親機からのホップ数および配下無線機数が中継テーブル管理部45から通知される度に決定してもよいし、予め定められた周期毎または時刻毎に、その時点で通知されている最新の情報に基づいて決定するようにしてもよい。
送信制御部41は、間欠周期決定部47から通知された自無線通信装置の無線フレームの送信を停止する時刻、および再開する時刻に基づき、無線フレームの送信を停止するか否か、再開するか否かを判定する。すなわち、送信制御部41は、通知された「無線フレームの送信を停止する時刻」になると無線フレームの送信動作を停止してスリープ状態に移行し、「再開する時刻」になるとスリープ状態から起動状態に移行して無線フレームの送信動作を再開する。
受信制御部42は、間欠周期決定部47から通知された自無線通信装置の無線フレームの受信を停止する時刻、および再開する時刻に基づき、無線フレームの受信を停止するか否か、再開するか否かを判定する。すなわち、受信制御部42は、通知された「無線フレームの受信を停止する時刻」になると無線フレームの受信動作を停止してスリープ状態に移行し、「再開する時刻」になるとスリープ状態から起動状態に移行して無線フレームの受信動作を再開する。受信制御部42は、また、送信制御部41が送信した各種フレーム(DATA、SREQなど)に対する応答フレーム(肯定応答フレーム、否定応答フレーム)を受信した場合、応答内容を送信制御部41へ通知する。さらに、通信相手の無線通信装置からフレーム(DATA、SREQなど)が送信されてきた場合、受信結果等を送信制御部41へ通知する。
次に、図2を用いて、本実施の形態の間欠周期決定部47が間欠周期を決定する方法の一例を説明する。間欠周期決定部47は、間欠周期を決定する場合、中継テーブル管理部45より通知された無線親機からのホップ数および配下無線機数を、図2で示す閾値テーブルと比較し、間欠周期を決定する。例えば、「b≦n<c」かつ「C<m≦B」の場合には間欠周期を4秒に決定する。
なお、ホップ数nに対応する間欠周期(ホップ数nから決定される間欠周期)と配下無線機数mに対応する間欠周期(配下無線機数mから決定される間欠周期)が異なる場合、ホップ数nに対応する間欠周期と配下無線機数mに対応する間欠周期の何れを優先しても構わない。例えば、「a≦n<b」かつ「D<m≦C」の場合、ホップ数nを優先させるのであれば間欠周期を2秒に決定し、配下無線機数mを優先させるのであれば間欠周期を8秒に決定する。ホップ数nに対応する間欠周期と配下無線機数mに対応する間欠周期の何れを優先するかを予め定めておいてもよい。また、間欠周期が長い方と間欠周期が短い方の何れを優先するかを予め定めておいてもよい。また、ホップ数nに対応する間欠周期と配下無線機数mに対応する間欠周期の中間の間欠周期に決定してもよい。すなわち、例えば、「a≦n<b」かつ「D<m≦C」の場合、間欠周期を4秒に決定する。さらに、ホップ数nに対応する間欠周期および配下無線機数mに対応する間欠周期に対してそれぞれ重み付けをして、間欠周期を決定してもよい。但し、同一中継路にある無線通信装置の間欠周期は、無線親機に近い無線通信装置より、無線親機に遠い無線通信装置の方が、短くならないようにする。
図3は、マルチホップネットワークに本実施の形態の間欠周期決定方法を適用した無線通信システムの構成例(a)と従来のマルチホップネットワーク無線通信システムの構成例(b)を示す図である。一例として、図4の閾値テーブルに基づき、ホップ数nに対応する間欠周期と配下無線機数mに対応する間欠周期の中間の間欠周期を参照して間欠周期を決定する方法について説明する。無線通信装置である各無線機(#1〜#17)は、ホップ数nおよび配下無線機数mに基づき、予め保持している図4の閾値テーブルを参照して間欠周期を決定する。なお、配下無線機数mは自装置および自装置を中継して無線親機と通信する無線機(無線中継機,無線子機)の合計数であり、例えば、図3に示した無線機#4の場合には配下無線機数m=4となる。各無線機において、ホップ数nから決定される第1の間欠周期と配下無線機数mから決定される第2の間欠周期が異なる場合、第1の間欠周期と第2の間欠周期の中間にある何れかの間欠周期のうち、長い方の間欠周期を選択する。中間の間欠周期が存在しない場合は、第1の間欠周期と第2の間欠周期のうち、長い方の間欠周期を選択決定する。例えば、無線機#2は、ホップ数n=1、配下無線機数m=5であり、ホップ数に基づいて決定する第1の間欠周期は2秒、配下無線機数に基づいて決定する第2の間欠周期は4秒であるが、長い方の第2の間欠周期(=4秒)を選択する。
このように本実施の形態にかかる無線通信システムでは、無線親機からのホップ数および配下無線機数に応じて、各無線通信装置が間欠周期を決定する。そのため、無線通信装置ごとに、その状態に応じた最適な間欠周期の設定が可能となる。すなわち、相対的に通信頻度が高い無線通信装置の間欠周期を短く設定し、また、相対的に通信頻度が低い無線通信装置の間欠周期を長く設定することが可能となり、無線通信装置が送信する無線フレームが不必要に多くなることを回避できると共に、無線通信装置が無線フレームを受信するまでの待機時間が不必要に長くなることを回避できる。その結果、各無線通信装置の消費電力を低減でき、なおかつ、各無線通信装置が送信するデータの転送遅延が不必要に増加するのを回避できる。
実施の形態2.
図5は、本発明にかかる無線通信装置の実施の形態2の要部構成例を示す図である。本実施の形態の無線通信装置は、実施の形態1の無線通信装置(図1参照)のアクセス制御部40をアクセス制御部40aに置き換えたものである。本実施の形態では、実施の形態1で説明した無線通信装置と共通の構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
図示したように、アクセス制御部40aは、送信制御部41a、受信制御部42a、送信フレーム数計測部43、受信フレーム数計測部46および間欠周期決定部47aを備えている。
送信制御部41aは、ベースバンド部30へ送信データ(フレーム)を出力する毎に、送信データを出力したことを示す送信データ出力情報を送信フレーム計測部43に通知する。
送信フレーム数計測部43は、送信制御部41aから通知された送信データ出力情報に基づき、単位時間あたりの送信フレーム数を累積し、単位時間毎に間欠周期決定部47aに送信フレーム数を通知する。また、送信フレーム数は、予め定められた閾値を超えた時点で間欠周期決定部47aに通知しても構わない。
受信制御部42aは、ベースバンド部30から受信データが入力される毎に受信データを出力したことを示す受信データ入力情報を受信フレーム数計測部に46に通知する。
受信フレーム数計測部46は、受信制御部42aから通知された受信データ出力情報に基づき、単位時間あたりの受信フレーム数を累積し、単位時間毎に間欠周期決定部47aに受信フレーム数を通知する。また、受信フレーム数は、予め定められた閾値を超えた時点で間欠周期決定部47aに通知しても構わない。
間欠周期決定部47aは、通知された送信フレーム数および受信フレーム数に基づいて間欠周期を決定する。また、送信制御部41aおよび受信制御部42aに対して、決定した間欠周期、具体的には、自無線通信装置の無線フレームの送信および受信を停止する時刻、ならびに、送信および受信を再開する時刻、をそれぞれ通知する。間欠周期は、送信フレーム数および受信フレーム数が送信フレーム数計測部43および受信フレーム数計測部46から通知される度に決定してもよいし、予め定められた周期毎または時刻毎に、その時点で通知されている最新の情報に基づいて決定するようにしてもよい。
次に、図6を用いて、本実施の形態の間欠周期決定部47aが間欠周期を決定する方法の一例を説明する。間欠周期決定部47aは、送信フレーム数計測部43および受信フレーム数計測部46からそれぞれ通知された送信フレーム数pおよび受信フレーム数qを、図6で示す閾値テーブルと比較し、間欠周期を決定する。例えば、「b2≦p<a2」かつ「B2<q≦A2」の場合には間欠周期を2秒に決定する。
なお、送信フレーム数pに対応する間欠周期(送信フレーム数pから決定される間欠周期)と受信フレーム数qに対応する間欠周期(受信フレーム数qから決定される間欠周期)が異なる場合、送信フレーム数pに対応する間欠周期と配下無線機数mに対応する間欠周期の何れを優先しても構わない。例えば、「a2<p」かつ「C2<q≦B2」の場合、送信フレーム数pを優先させるのであれば間欠周期を1秒に決定し、受信フレーム数qを優先させるのであれば間欠周期を4秒に決定する。送信フレーム数pに対応する間欠周期と受信フレーム数qに対応する間欠周期の何れを優先するかを予め定めておいてもよい。また、間欠周期が長い方と間欠周期が短い方の何れを優先するかを予め定めておいてもよい。また、送信フレーム数pに対応する間欠周期と受信フレーム数qに対応する間欠周期の中間の間欠周期に決定してもよい。すなわち、例えば、「b2<p≦a2」かつ「D2<q≦C2」の場合、間欠周期を4秒に決定する。さらに、送信フレーム数pに対応する間欠周期および受信フレーム数qに対応する間欠周期に対してそれぞれ重み付けをして、間欠周期を決定してもよい。但し、同一中継路にある無線通信装置の間欠周期は、無線親機に近い無線通信装置より、無線親機に遠い無線通信装置の方が、短くならないようにする。
このように本実施の形態にかかる無線通信システムでは、送信フレーム数および受信フレーム数に応じて、各無線通信装置が間欠周期を決定するため、正確、且つ最新な通信頻度の計測結果に基づき、通信頻度が高い無線通信装置の間欠周期を短く設定し、また、通信頻度が低い無線通信装置の間欠周期を長く設定することが可能となり、無線通信装置が送信する無線フレームが不必要に多くなることを回避できると共に、無線通信装置が無線フレームを受信するまでの待機時間が不必要に長くなることを回避できる。その結果、各無線通信装置の消費電力を低減でき、なおかつ、各無線通信装置が送信するデータの転送遅延が不必要に増加するのを回避できる。
実施の形態3.
図7は、本発明にかかる無線通信装置の実施の形態3の要部構成例を示す図である。本実施の形態の無線通信装置は、実施の形態2の無線通信装置(図5参照)のアクセス制御部40aをアクセス制御部40bに置き換えたものである。本実施の形態では、実施の形態1または2で説明した無線通信装置と共通の構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
図示したように、アクセス制御部40bは、実施の形態2の無線通信装置が備えていたアクセス制御部40aに対して中継テーブル管理部45を追加し、さらに、間欠周期決定部47aを間欠周期決定部47bに置き換えたものである。なお、中継テーブル管理部45は、実施の形態1の無線通信装置(図1参照)が備えていた中継テーブル管理部45と同一である。
間欠周期決定部47bは、無線親機からのホップ数、配下無線機数、送信フレーム数および受信フレーム数に基づいて間欠周期を決定する。また、送信制御部41aおよび受信制御部42aに対して、決定した間欠周期、具体的には、自無線通信装置の無線フレームの送信および受信を停止する時刻、ならびに、送信および受信を再開する時刻、をそれぞれ通知する。間欠周期は、無線親機からのホップ数および配下無線機数が中継テーブル管理部45から通知される度に決定してもよいし、送信フレーム数および受信フレーム数が送信フレーム数計測部43および受信フレーム数計測部46から通知される度に決定してもよい。また、予め定められた周期毎または時刻毎に、その時点で通知されている最新の情報に基づいて決定するようにしてもよい。
次に、図8を用いて、本実施の形態の間欠周期決定部47bが間欠周期を決定する方法の一例を説明する。間欠周期決定部47bは、中継テーブル管理部45から通知された無線親機からのホップ数および配下無線機数と、送信フレーム数計測部43および受信フレーム数計測部46からそれぞれ通知された送信フレーム数pおよび受信フレーム数qとを、図8で示す閾値テーブルと比較し、間欠周期を決定する。例えば、「b≦n<c」、「C<m≦B」、「c2<p≦b2」、かつ「C2<q≦B2」の場合には間欠周期を4秒に決定する。
なお、ホップ数n、配下無線機数m、送信フレーム数pおよび受信フレーム数qのそれぞれに対応する間欠周期が異なる場合、ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数m、送信フレーム数pに対応する間欠周期、受信フレーム数qに対応する間欠周期の何れを優先しても構わない。例えば、「a≦n<b」、「D<m≦C」、「c2<p≦b2」、かつ「B2<q≦A2」の場合、ホップ数nを優先させるのであれば間欠周期を2秒に決定し、配下無線機数mを優先させるのであれば間欠周期を8秒に決定し、送信フレーム数pを優先させるのであれば間欠周期を4秒に決定し、受信フレーム数qを優先させるのであれば間欠周期を2秒に決定する。ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数mに対応する間欠周期、送信フレーム数pに対応する間欠周期、受信フレーム数qに対応する間欠周期の何れを優先するかを予め定めておいてもよい。また、間欠周期が長いものと間欠周期が短いものの何れを優先するかを予め定めておいてもよい。また、多数決判定を行ってもよい。例えば、ホップ数nに対応する間欠周期が2秒、配下無線機数mに対応する間欠周期が4秒、送信フレーム数pに対応する間欠周期が2秒、受信フレーム数qに対応する間欠周期が8秒の場合、間欠周期を2秒に決定する。また、ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数mに対応する間欠周期、送信フレーム数pに対応する間欠周期、および受信フレーム数qに対応する間欠周期の中間の間欠周期の何れかを参照してもよい。さらに、ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数mに対応する間欠周期、送信フレーム数pに対応する間欠周期、および受信フレーム数qに対応する間欠周期に対して、それぞれ重み付けをして、間欠周期を決定してもよい。但し、同一中継路にある無線通信装置の間欠周期は、無線親機に近い無線通信装置より、無線親機に遠い無線通信装置の方が、短くならないようにする。
一例として、図9および図10を用いて、ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数mに対応する間欠周期、送信フレーム数pに対応する間欠周期および受信フレーム数qに対応する間欠周期のそれぞれに対して重み付けをして、間欠周期を決定する方法について説明する。図10に示した各無線機(#1〜#17)は、予め保持している図9に示す閾値テーブルを参照し、ホップ数n、配下無線機数m、送信フレーム数pおよび受信フレーム数qの4つのパラメータに基づいて間欠周期を決定する。具体的には、各無線機は、ホップ数n、配下無線機数m、送信フレーム数pおよび受信フレーム数qにそれぞれ対応する間欠周期を図9の閾値テーブルを参照して特定し、さらに、特定した各間欠周期に対し、4つのパラメータ(n,m,p,q)それぞれに予め定めている重み付け係数(α,β,γ,δ)をかけて、間欠周期を求める。例えば、無線機#10においては、ホップ数n、配下無線機数m、送信フレーム数pおよび受信フレーム数qのそれぞれに基づき特定した間欠周期は、4秒、32秒、4秒および8秒となる。4つのパラメータそれぞれに予め定めている重み付け係数がそれぞれ、α=0.1、β=0.2、γ=0.4、δ=0.3の場合、無線機#10の間欠周期は、4×α+32×β+4×γ+8×δ=10.8秒となる。4つのパラメータに基づいて選択可能な間欠周期は1秒、2秒、4秒、8秒、16秒または32秒のため(図9参照)、選択可能な間欠周期のうち、上記の算出値10.8秒に最も近い間欠周期8秒を選択する。
このように本実施の形態にかかる無線通信システムでは、無線親機からのホップ数、配下無線機数、送信フレーム数および受信フレーム数に応じて、各無線通信装置が間欠周期を決定するため、マルチホップネットワークの経路再構築および通信頻度の変動に対応して、通信頻度が高い無線通信装置は間欠周期が短く、また、通信頻度が低い無線通信装置は間欠周期が長くなるように設定することが可能となり、無線通信装置が送信する無線フレームが不必要に多くなることを回避できると共に、無線通信装置が無線フレームを受信するまでの待機時間が不必要に長くなることを回避できる。その結果、各無線通信装置の消費電力を低減でき、なおかつ、各無線通信装置が送信するデータの転送遅延が不必要に増加するのを回避できる。
実施の形態4.
図11は、本発明にかかる無線通信装置の実施の形態4の要部構成例を示す図である。本実施の形態の無線通信装置は、実施の形態3の無線通信装置(図7参照)のアクセス制御部40bをアクセス制御部40cに置き換えたものである。本実施の形態では、実施の形態1〜3で説明した無線通信装置と共通の構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
図示したように、アクセス制御部40cは、実施の形態3の無線通信装置が備えていたアクセス制御部40bに対して送信誤り率算出部51および伝送遅延時間算出部52を追加し、さらに、送信制御部41aおよび間欠周期決定部47bを送信制御部41cおよび間欠周期決定部47cに置き換えたものである。
送信制御部41cは、ベースバンド部30へ送信データ(フレーム)を出力する毎に、送信フレーム計測部43に対しては送信データを出力したことを示す送信データ出力情報を通知し、送信誤り率算出部51に対してはベースバンド部30への出力送信データが初送データか再送データかを通知する。また、伝送遅延時間算出部52に対しては、ベースバンド部30へ送信フレームを出力した時刻の情報およびこの送信フレームに対する応答フレームの受信時刻(応答フレームの受信を受信制御部42aが通知してきた時刻)の情報を通知する。
送信誤り率算出部51は、送信制御部41cがベースバンド部30へ出力した送信データ数および再送データ数をカウントし、カウント結果に基づいて送信フレームの誤り率を算出するとともに、算出した送信誤り率を、例えば単位時間毎に間欠周期決定部47cに通知する。なお、送信誤り率は、予め定められた閾値を超えた時点で間欠周期決定部47cに通知しても構わない。
伝送遅延時間算出部52は、送信制御部40から通知される送信フレーム毎の送信時刻およびこの送信フレームに対する肯定応答フレーム受信時刻に基づき、送信フレーム毎の伝送遅延時間を算出する。算出した伝送遅延時間は、単位時間毎に平均化し、平均化後の伝送遅延時間を、例えば単位時間毎に間欠周期決定部47cに通知する。なお、伝送遅延時間は、予め定められた閾値を超えた時点で間欠周期決定部47cに通知するようにしても構わない。また、伝送遅延時間は、ポーリング型通信において、送信制御部41がデータ要求を示す送信フレームを送信する際にMACデータに含める最終的な送信相手先である宛先無線機番号を含む送信フレームを出力した時刻、および、データ要求に対するデータ応答を示す受信フレームを受信する際に受信制御部42aを経由して、MACデータに含まれる最初の発信元であることを示す発信元無線機番号を含む受信フレームが入力された時刻に基づいて算出してもよい。
間欠周期決定部47cは、無線親機からのホップ数、配下無線機数、送信フレーム数、受信フレーム数、送信誤り率および伝送遅延時間に基づいて間欠周期を決定する。また、送信制御部41cおよび受信制御部42aに対して、決定した間欠周期、具体的には、自無線通信装置の無線フレームの送信および受信を停止する時刻、ならびに、送信および受信を再開する時刻、をそれぞれ通知する。間欠周期は、無線親機からのホップ数および配下無線機数が中継テーブル管理部45から通知される度に決定してもよいし、送信フレーム数および受信フレーム数が送信フレーム数計測部43および受信フレーム数計測部46から通知される度に決定してもよい。また、送信誤り率および伝送遅延時間が送信誤り率算出部51および伝送遅延時間算出部52から通知される度に決定してもよい。また、予め定められた周期毎または時刻毎に、その時点で通知されている最新の情報に基づいて決定するようにしてもよい。
次に、図12を用いて、本実施の形態の間欠周期決定部47cが間欠周期を決定する方法の一例を説明する。間欠周期決定部47cは、中継テーブル管理部45から通知された無線親機からのホップ数および配下無線機数と、送信フレーム数計測部43および受信フレーム数計測部46からそれぞれ通知された送信フレーム数pおよび受信フレーム数qと、送信誤り率算出部51および伝送遅延時間算出部52からそれぞれ通知された送信誤り率xおよび伝送遅延時間yとを、図12で示す閾値テーブルと比較し、間欠周期を決定する。例えば、「b≦n<c」、「C<m≦B」、「c2<p≦b2」、「C2<q≦B2」、「b3≦x<c3」、かつ「B3≦y<C3」の場合には間欠周期を4秒に決定する。
なお、ホップ数n、配下無線機数m、送信フレーム数p、受信フレーム数q、送信誤り率xおよび伝送遅延時間yのそれぞれに対応する間欠周期が異なる場合、ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数m、送信フレーム数pに対応する間欠周期、受信フレーム数qに対応する間欠周期、送信誤り率xに対応する間欠周期、伝送遅延時間yに対応する間欠周期の何れを優先しても構わない。例えば、「a≦n<b」、「D<m≦C」、「c2<p≦b2」、「B2<q≦A2」、「b3≦x<c3」、かつ「y<A3」の場合、ホップ数nを優先させるのであれば間欠周期を2秒に決定し、配下無線機数mを優先させるのであれば間欠周期を8秒に決定し、送信フレーム数pを優先させるのであれば間欠周期を4秒に決定し、受信フレーム数qを優先させるのであれば間欠周期を2秒に決定し、送信誤り率xを優先させるのであれば間欠周期を4秒に決定し、伝送遅延時間yを優先させるのであれば間欠周期を1秒に決定する。ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数mに対応する間欠周期、送信フレーム数pに対応する間欠周期、受信フレーム数qに対応する間欠周期、送信誤り率xに対応する間欠周期、伝送遅延時間yに対応する間欠周期の何れを優先するかを予め定めておいてもよい。また、間欠周期が長いものと間欠周期が短いものの何れを優先するかを予め定めておいてもよい。また、多数決判定を行ってもよい。例えば、ホップ数nに対応する間欠周期が2秒、配下無線機数mに対応する間欠周期が4秒、送信フレーム数pに対応する間欠周期が2秒、受信フレーム数qに対応する間欠周期が8秒、送信誤り率xに対応する間欠周期が8秒、伝送遅延時間yに対応する間欠周期が8秒の場合、間欠周期を8秒に決定する。また、ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数mに対応する間欠周期、送信フレーム数pに対応する間欠周期、受信フレーム数qに対応する間欠周期、送信誤り率xに対応する間欠周期、および伝送遅延時間yに対応する間欠周期の中間の間欠周期の何れかを参照してもよい。さらに、ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数mに対応する間欠周期、送信フレーム数pに対応する間欠周期、受信フレーム数qに対応する間欠周期、送信誤り率xに対応する間欠周期、および伝送遅延時間yに対応する間欠周期に対して、それぞれ重み付けをして、間欠周期を決定してもよい。但し、同一中継路にある無線通信装置の間欠周期は、無線親機に近い無線通信装置より、無線親機に遠い無線通信装置の方が、短くならないようにする。
一例として、図13および図14を用いて、ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数mに対応する間欠周期、送信フレーム数pに対応する間欠周期、受信フレーム数qに対応する間欠周期、送信誤り率xに対応する間欠周期、および伝送遅延時間yに対応する間欠周期のそれぞれに対して重み付けをして、間欠周期を決定する方法について説明する。図14に示した各無線機(#1〜#17)は、予め保持している図13に示す閾値テーブルを参照し、ホップ数n、配下無線機数m、送信フレーム数p、受信フレーム数q、送信誤り率xおよび伝送遅延時間yの6つのパラメータに基づいて間欠周期を決定する。具体的には、各無線機は、ホップ数n、配下無線機数m、送信フレーム数p、受信フレーム数q、送信誤り率xおよび伝送遅延時間yにそれぞれ対応する間欠周期を図13の閾値テーブルを参照して特定し、さらに、特定した各間欠周期に対し、6つのパラメータ(n,m,p,q,x,y)それぞれに予め定めている重み付け係数(α,β,γ,δ,ε,ζ)をかけて、間欠周期を求める。例えば、無線機#10においては、ホップ数n、配下無線機数m、送信フレーム数p、受信フレーム数q、送信誤り率xおよび伝送遅延時間yのそれぞれに基づき特定した間欠周期は、4秒、32秒、4秒、8秒、32秒および8秒となる。6つのパラメータそれぞれに予め定めている重み付け係数がそれぞれ、α=0.1、β=0.15、γ=0.35、δ=0.2、ε=0.1、ζ=0.1の場合、無線機#10の間欠周期は、4×α+32×β+4×γ+8×δ+32×ε+8×ζ=12.2秒となる。6つのパラメータに基づいて選択可能な間欠周期は1秒、2秒、4秒、8秒、16秒または32秒のため(図13参照)、選択可能な間欠周期のうち、上記の算出値12.2秒に最も近い間欠周期16秒を選択する。
このように本実施の形態にかかる無線通信システムでは、無線親機からのホップ数、配下無線機数、送信フレーム数、受信フレーム数、送信誤り率および伝送遅延時間に応じて、各無線通信装置が間欠周期を決定するため、無線親機からのホップ数、配下無線機数の経路情報、送信フレーム数および受信フレーム数の統計情報に加え、送信誤り率および伝送遅延時間の通信品質を考慮することが可能となり、経路情報により得られる経路の規模が大規模または簡潔である場合、統計情報の数が十分に得られない場合にも対応して、通信頻度が高い無線通信装置は間欠周期が短く、また、通信頻度が低い無線通信装置は間欠周期が長くなるように設定することが可能となり、無線通信装置が送信する無線フレームが不必要に多くなることを回避できると共に、無線通信装置が無線フレームを受信するまでの待機時間が不必要に長くなることを回避できる。その結果、各無線通信装置の消費電力を低減でき、なおかつ、各無線通信装置が送信するデータの転送遅延が不必要に増加するのを回避できる。
実施の形態5.
図15は、本発明にかかる無線通信装置の実施の形態5の要部構成例を示す図である。本実施の形態の無線通信装置は、実施の形態4の無線通信装置(図11参照)のアクセス制御部40cをアクセス制御部40dに置き換えたものである。本実施の形態では、実施の形態1〜4で説明した無線通信装置と共通の構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
図示したように、アクセス制御部40dは、実施の形態4の無線通信装置が備えていたアクセス制御部40cに対してキャリアセンス数計測部61を追加し、さらに、受信制御部42aおよび間欠周期決定部47cを受信制御部42dおよび間欠周期決定部47dに置き換えたものである。
キャリアセンス数計測部61は、受信制御部42dを経由して受信信号処理部32から通知されるキャリアセンス出力情報に基づき、単位時間あたりのキャリアセンス数を累積し、単位時間毎に間欠周期決定部47dにキャリアセンス数を通知する。なお、キャリアセンス数は、予め定められた閾値を超えた時点で間欠周期決定部47dに通知しても構わない。キャリアセンス数とは、受信待ち状態において閾値を超えたキャリアの受信回数を示し、自無線通信装置宛か否か、または受信成功か否かに因らない。すなわち、自無線通信システム内の周辺無線通信装置からの干渉キャリアまたは他無線通信システムからの干渉キャリアも含めた回数となる。
キャリアセンス数計測部61は、上記のキャリアセンス数の代わりに、キャリアセンス数と自無線通信装置宛の信号の受信回数との差、またはキャリアセンス数と自無線通信装置宛の信号の受信回数との比を通知しても良い。
受信制御部42は、受信信号処理部32から通知されるキャリアセンス出力情報をキャリアセンス数計測部61へ中継する。
間欠周期決定部47dは、無線親機からのホップ数、配下無線機数、送信フレーム数、受信フレーム数、送信誤り率、伝送遅延時間およびキャリアセンス数に基づいて間欠周期を決定する。また、送信制御部41cおよび受信制御部42dに対して、決定した間欠周期、具体的には、自無線通信装置の無線フレームの送信および受信を停止する時刻、ならびに、送信および受信を再開する時刻、をそれぞれ通知する。間欠周期は、無線親機からのホップ数および配下無線機数が中継テーブル管理部45から通知される度に決定してもよいし、送信フレーム数および受信フレーム数が送信フレーム数計測部43および受信フレーム数計測部46から通知される度に決定してもよい。また、送信誤り率および伝送遅延時間が送信誤り率算出部51および伝送遅延時間算出部52から通知される度に決定してもよいし、キャリアセンス数がキャリアセンス数計測部61から通知される度に決定してもよい。また、予め定められた周期毎または時刻毎に、その時点で通知されている最新の情報に基づいて決定するようにしてもよい。
次に、図16を用いて、本実施の形態の間欠周期決定部47dが間欠周期を決定する方法の一例を説明する。間欠周期決定部47dは、中継テーブル管理部45から通知された無線親機からのホップ数および配下無線機数と、送信フレーム数計測部43および受信フレーム数計測部46からそれぞれ通知された送信フレーム数pおよび受信フレーム数qと、送信誤り率算出部51および伝送遅延時間算出部52からそれぞれ通知された送信誤り率xおよび伝送遅延時間yと、キャリアセンス数計測部61から通知されたキャリアセンス数zとを、図16で示す閾値テーブルと比較し、間欠周期を決定する。例えば、「b≦n<c」、「C<m≦B」、「c2<p≦b2」、「C2<q≦B2」、「b3≦x<c3」、「B3≦y<C3」、かつ「B4≦z<C4」の場合には間欠周期を4秒に決定する。
なお、ホップ数n、配下無線機数m、送信フレーム数p、受信フレーム数q、送信誤り率x、伝送遅延時間yおよびキャリアセンス数zのそれぞれに対応する間欠周期が異なる場合、ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数m、送信フレーム数pに対応する間欠周期、受信フレーム数qに対応する間欠周期、送信誤り率xに対応する間欠周期、伝送遅延時間yに対応する間欠周期、キャリアセンス数zに対応する間欠周期の何れを優先しても構わない。例えば、「a≦n<b」、「D<m≦C」、「c2<p≦b2」、「B2<q≦A2」、「b3≦x<c3」、「y<A3」、かつ「A4≦z<B4」の場合、ホップ数nを優先させるのであれば間欠周期を2秒に決定し、配下無線機数mを優先させるのであれば間欠周期を8秒に決定し、送信フレーム数pを優先させるのであれば間欠周期を4秒に決定し、受信フレーム数qを優先させるのであれば間欠周期を2秒に決定し、送信誤り率xを優先させるのであれば間欠周期を4秒に決定し、伝送遅延時間yを優先させるのであれば間欠周期を1秒に決定し、キャリアセンス数zを優先させるのであれば間欠周期を2秒に決定する。ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数mに対応する間欠周期、送信フレーム数pに対応する間欠周期、受信フレーム数qに対応する間欠周期、送信誤り率xに対応する間欠周期、伝送遅延時間yに対応する間欠周期、キャリアセンス数zに対応する間欠周期の何れを優先するかを予め定めておいてもよい。また、間欠周期が長いものと間欠周期が短いものの何れを優先するかを予め定めておいてもよい。また、多数決判定を行ってもよい。例えば、ホップ数nに対応する間欠周期が2秒、配下無線機数mに対応する間欠周期が4秒、送信フレーム数pに対応する間欠周期が2秒、受信フレーム数qに対応する間欠周期が8秒、送信誤り率xに対応する間欠周期が4秒、伝送遅延時間yに対応する間欠周期が8秒、キャリアセンス数zに対応する間欠周期が2秒の場合、間欠周期を2秒に決定する。また、ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数mに対応する間欠周期、送信フレーム数pに対応する間欠周期、受信フレーム数qに対応する間欠周期、送信誤り率xに対応する間欠周期、伝送遅延時間yに対応する間欠周期、およびキャリアセンス数zに対応する間欠周期の中間の間欠周期の何れかを参照してもよい。さらに、ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数mに対応する間欠周期、送信フレーム数pに対応する間欠周期、受信フレーム数qに対応する間欠周期、送信誤り率xに対応する間欠周期、伝送遅延時間yに対応する間欠周期、およびキャリアセンス数zに対応する間欠周期に対して、それぞれ重み付けをして、間欠周期を決定してもよい。但し、同一中継路にある無線通信装置の間欠周期は、無線親機に近い無線通信装置より、無線親機に遠い無線通信装置の方が、短くならないようにする。
一例として、図17および図18を用いて、ホップ数nに対応する間欠周期、配下無線機数mに対応する間欠周期、送信フレーム数pに対応する間欠周期、受信フレーム数qに対応する間欠周期、送信誤り率xに対応する間欠周期、伝送遅延時間y、およびキャリアセンス数zに対応する間欠周期のそれぞれに対して重み付けをして、間欠周期を決定する方法について説明する。図18に示した各無線機(#1〜#17)は、予め保持している図17に示す閾値テーブルを参照し、ホップ数n、配下無線機数m、送信フレーム数p、受信フレーム数q、送信誤り率x、伝送遅延時間yおよびキャリアセンス数zの7つのパラメータに基づいて間欠周期を決定する。具体的には、各無線機は、ホップ数n、配下無線機数m、送信フレーム数p、受信フレーム数q、送信誤り率x、伝送遅延時間yおよびキャリアセンス数zにそれぞれ対応する間欠周期を図17の閾値テーブルを参照して特定し、さらに、特定した各間欠周期に対し、7つのパラメータ(n,m,p,q,x,y,z)それぞれに予め定めている重み付け係数(α,β,γ,δ,ε,ζ,η)をかけて、間欠周期を求める。例えば、無線機#17においては、ホップ数n、配下無線機数m、送信フレーム数p、受信フレーム数q、送信誤り率x、伝送遅延時間yおよびキャリアセンス数のそれぞれに基づき特定した間欠周期は、8秒、32秒、16秒、32秒、32秒、8秒および32秒となる。7つのパラメータそれぞれに予め定めている重み付け係数がそれぞれ、α=0.1、β=0.15、γ=0.2、δ=0.2、ε=0.1、ζ=0.1、η=0.15の場合、無線機#17の間欠周期は、8×α+32×β+16×γ+32×δ+32×ε+8×ζ+32×η=24秒となる。7つのパラメータに基づいて選択可能な間欠周期は1秒、2秒、4秒、8秒、16秒または32秒のため(図17参照)、選択可能な間欠周期のうち、上記の算出値24秒に最も近い間欠周期は16秒および32秒
となるが、例えば長い方の32秒を選択する。
このように本実施の形態にかかる無線通信システムでは、無線親機からのホップ数、配下無線機数、送信フレーム数、受信フレーム数、送信誤り率、伝送遅延時間およびキャリアセンス数に応じて、各無線通信装置が間欠周期を決定するため、無線親機からのホップ数、配下無線機数の経路情報、送信フレーム数、受信フレーム数、送信誤り率および伝送遅延時間の通信品質に加え、キャリアセンス数が示す干渉キャリアを含むキャリア受信回数を考慮することが可能となり、周辺からの干渉キャリアが多い場合にも対応して、通信頻度が高い無線通信装置は間欠周期が短く、また、通信頻度が低い無線通信装置は間欠周期が長くなるように設定することが可能となる。また、無線機番号フレームの受信を待っている状態において、不必要な干渉パケットの復調のために消費電力が増加するのを回避できる。
実施の形態6.
図19は、本発明にかかる無線通信装置(実施の形態1〜5で説明した無線通信装置)が使用する無線フレームフォーマットの一例を示す図である。
図19に示した無線フレームは、ヘッダ、データおよび誤り検出符号より構成されている。ヘッダは、各無線フレーム共通となっており、シーケンス番号、宛先無線通信装置番号、ネットワーク番号、発信元無線通信装置番号、間欠周期情報および無線フレーム種別により構成されている。無線フレームの識別は無線フレーム種別で行う。データは、SREQ、RACKおよびDACKでは使用されない。無線フレーム種別がIDの場合、データには無線機番号が格納され、無線フレーム種別がDATAの場合、データには、送信データまたは受信データが格納される。
間欠周期情報には、実施の形態1〜5で説明した間欠周期決定部(間欠周期決定部47、47a、47b、47cおよび47d)で決定される自無線通信装置の間欠周期が格納される。図19に示したフレームフォーマットを用いることにより、各無線通信装置は、自無線通信装置が決定した間欠周期を宛先無線通信装置に通知することが可能であると共に、隣接する無線通信装置が決定した間欠周期を受信することが可能となる。
各無線通信装置は、自無線通信装置が決定した間欠周期と隣接無線通信装置が決定した間欠周期を比較し、その差が予め定めた閾値以上の場合、間欠周期を1段階下げる、または、1段階上げることにより、隣接無線通信装置の間欠周期に大きな差が生じないように制御する。また、上記の間欠周期の差が予め定めた閾値以上の場合に、自無線通信装置の間欠周期と隣接無線通信装置の間欠周期の平均値を新たな自無線通信装置の間欠周期とすることにより、隣接無線通信装置の間欠周期に大きな差が生じないように制御してもよい。間欠周期を変更するのは、隣接無線通信装置から間欠周期情報を受信する度に実施しても良いし、予め定められた周期毎、または時刻毎に実施してもよい。
このように、本実施の形態の無線通信装置は、決定した間欠周期の情報を隣接無線通信装置との間で交換するようにしたので、自身が決定した間欠周期と隣接無線通信装置が決定した間欠周期の差が大きい場合に、差が小さくなるように間欠周期を調整することができる。
実施の形態1〜5においては、複数の情報(ホップ数、配下無線機数、送信フレーム数、…)に基づいて間欠周期を決定する方法について説明したが、使用する情報の組み合わせは各実施の形態で説明したものに限定されない。実施の形態で説明していない組み合わせの複数情報を使用して間欠周期を決定しても構わない。例えば、ホップ数と送信誤り率に基づいて間欠周期を決定しても構わない。また、複数の情報のうち、いずれか一つに基づいて間欠周期を決定してもよい。
以上のように、本発明にかかる無線通信装置は、送信データが存在しない状態ではスリープ状態に移行し、周期的にスリープ状態を解除して自身の存在を周囲の装置に通知するための信号を送信する無線通信装置に適している。
10 アンテナ、20 無線送受信部、30 ベースバンド部、31 送信信号処理部、32 受信信号処理部、40,40a,40b,40c,40d アクセス制御部、41,41a,41c 送信制御部、42,42a,42d 受信制御部、43 送信フレーム数計測部、45 中継テーブル管理部、46 受信フレーム数計測部、47,47a,47b,47c,47d 間欠周期決定部、51 送信誤り率算出部、52 伝送遅延時間算出部、61 キャリアセンス数計測部。

Claims (13)

  1. 親機および子機を含み、マルチホップネットワークを形成する無線通信システムにおいて、前記親機または子機として動作し、データの送受信が終了するとスリープ状態へ移行し、送信データが発生していない状態では一定時間が経過するごとにスリープ状態を一時的に解除してスリープ状態へ再移行するか否かを判断する無線通信装置であって、
    親機までのホップ数、および自身を介して親機と通信する配下の無線通信装置の数を示す配下装置数が登録された中継テーブルと、
    前記ホップ数および前記配下装置数に基づいて、前記一定時間である間欠周期を決定する間欠周期決定部と、
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記間欠周期決定部は、前記ホップ数に基づいて第1の間欠周期を決定するとともに、前記配下装置数に基づいて第2の間欠周期を決定し、第1の間欠周期と第2の間欠周期が一致しない場合、第1の間欠周期および第2の間欠周期に基づいて最終的な間欠周期を決定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 単位時間あたりの送信フレーム数を計測する送信フレーム数計測部と、
    単位時間あたりの受信フレーム数を計測する受信フレーム数計測部と、
    をさらに備え、
    前記間欠周期決定部は、前記ホップ数、前記配下装置数、前記送信フレーム数計測部による計測結果である送信フレーム数、および前記受信フレーム数計測部による計測結果である受信フレーム数に基づいて前記間欠周期を決定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記間欠周期決定部は、前記ホップ数に基づいて第1の間欠周期を決定するとともに、前記配下装置数に基づいて第2の間欠周期を決定し、さらに、前記送信フレーム数に基づいて第3の間欠周期を決定するとともに、前記受信フレーム数に基づいて第4の間欠周期を決定し、第1の間欠周期、第2の間欠周期、第3の間欠周期および第4の間欠周期が一致しない場合、第1の間欠周期、第2の間欠周期、第3の間欠周期および第4の間欠周期に基づいて最終的な間欠周期を決定することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  5. 親機および子機を含み、マルチホップネットワークを形成する無線通信システムにおいて、前記親機または子機として動作し、データの送受信が終了するとスリープ状態へ移行し、送信データが発生していない状態では一定時間が経過するごとにスリープ状態を一時的に解除してスリープ状態へ再移行するか否かを判断する無線通信装置であって、
    単位時間あたりの送信フレーム数を計測する送信フレーム数計測部と、
    単位時間あたりの受信フレーム数を計測する受信フレーム数計測部と、
    前記単位時間あたりの送信フレーム数および前記単位時間あたりの受信フレーム数に基づいて、前記一定時間である間欠周期を決定する間欠周期決定部と、
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  6. 前記間欠周期決定部は、前記単位時間あたりの送信フレーム数に基づいて第1の間欠周期を決定するとともに、前記単位時間あたりの受信フレーム数に基づいて第2の間欠周期を決定し、第1の間欠周期と第2の間欠周期が一致しない場合、第1の間欠周期および第2の間欠周期に基づいて最終的な間欠周期を決定することを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
  7. 送信誤り率を算出する送信誤り率算出部と、
    送信フレームの伝送遅延時間を算出する伝送遅延時間算出部と、
    をさらに備え、
    前記間欠周期決定部は、前記ホップ数、前記配下装置数、前記送信フレーム数、前記受信フレーム数、前記送信誤り率および前記伝送遅延時間に基づいて前記間欠周期を決定することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  8. 前記間欠周期決定部は、前記ホップ数に基づいて第1の間欠周期を決定するとともに、前記配下装置数に基づいて第2の間欠周期を決定し、また、前記送信フレーム数に基づいて第3の間欠周期を決定するとともに、前記受信フレーム数に基づいて第4の間欠周期を決定し、さらに、前記送信誤り率に基づいて第5の間欠周期を決定するとともに前記伝送遅延時間に基づいて第6の間欠周期を決定し、第1の間欠周期、第2の間欠周期、第3の間欠周期、第4の間欠周期、第5の間欠周期および第6の間欠周期が一致しない場合、第1の間欠周期、第2の間欠周期、第3の間欠周期、第4の間欠周期、第5の間欠周期および第6の間欠周期に基づいて最終的な間欠周期を決定することを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。
  9. 信号レベルが所定のしきい値を超えている信号を単位時間あたりに受信した回数を示すキャリアセンス数を計測するキャリアセンス数計測部、
    をさらに備え、
    前記間欠周期決定部は、前記ホップ数、前記配下装置数、前記送信フレーム数、前記受信フレーム数、前記送信誤り率、前記伝送遅延時間および前記キャリアセンス数に基づいて前記間欠周期を決定することを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。
  10. 前記間欠周期決定部は、前記ホップ数に基づいて第1の間欠周期を決定するとともに、前記配下装置数に基づいて第2の間欠周期を決定し、また、前記送信フレーム数に基づいて第3の間欠周期を決定するとともに、前記受信フレーム数に基づいて第4の間欠周期を決定し、さらに、前記送信誤り率に基づいて第5の間欠周期を決定するとともに前記伝送遅延時間に基づいて第6の間欠周期を決定し、さらに、前記キャリアセンス数に基づいて第7の間欠周期を決定し、第1の間欠周期、第2の間欠周期、第3の間欠周期、第4の間欠周期、第5の間欠周期、第6の間欠周期および第7の間欠周期が一致しない場合、第1の間欠周期、第2の間欠周期、第3の間欠周期、第4の間欠周期、第5の間欠周期、第6の間欠周期および第7の間欠周期に基づいて最終的な間欠周期を決定することを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。
  11. 隣接している他の無線通信装置で決定された間欠周期の情報を取得し、取得した間欠周期の情報に基づいて、前記間欠周期決定部で決定した間欠周期を調整することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の無線通信装置。
  12. 親機または子機として動作し、データの送受信が終了するとスリープ状態へ移行し、送信データが発生していない状態では一定時間が経過するごとにスリープ状態を一時的に解除してスリープ状態へ再移行するか否かを判断する無線通信装置により形成されたマルチホップネットワークを含んだ無線通信システムであって、
    前記無線通信装置は、
    親機までのホップ数、および自身を介して親機と通信する配下の無線通信装置の数を示す配下装置数が登録された中継テーブルと、
    前記ホップ数および前記配下装置数に基づいて、前記一定時間である間欠周期を決定する間欠周期決定部と、
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
  13. 親機または子機として動作し、データの送受信が終了するとスリープ状態へ移行し、送信データが発生していない状態では一定時間が経過するごとにスリープ状態を一時的に解除してスリープ状態へ再移行するか否かを判断する無線通信装置により形成されたマルチホップネットワークを含んだ無線通信システムであって、
    前記無線通信装置は、
    単位時間あたりの送信フレーム数を計測する送信フレーム数計測部と、
    単位時間あたりの受信フレーム数を計測する受信フレーム数計測部と、
    前記単位時間あたりの送信フレーム数および前記単位時間あたりの受信フレーム数に基づいて、前記一定時間である間欠周期を決定する間欠周期決定部と、
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
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