JP2014183454A - 検波回路および高周波増幅回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の検波電圧特性を損なうことなく、検波電流の電力に対する変動を調整し、高周波増幅回路の歪み特性を改善する。
【解決手段】検波回路4は、高周波増幅回路に含まれる。検波回路4は、RF信号を受ける入力端子T11と、RF信号を検波して検波電圧を出力する検波素子12と、検波電圧を増幅する増幅部14と、増幅部14によって増幅された検波電圧を出力する出力端子T12と、検波電圧の伝達される経路から分岐されて分岐信号を伝達する分岐経路18と、分岐経路に接続された電流発生回路16と、検波素子12、増幅部14および電流発生回路16に接続された制御電圧源端子T3とを備える。電流発生回路16は、分岐信号に応じた電流を、制御電圧源端子T3から接地端子へと流すように構成される。
【選択図】図2
【解決手段】検波回路4は、高周波増幅回路に含まれる。検波回路4は、RF信号を受ける入力端子T11と、RF信号を検波して検波電圧を出力する検波素子12と、検波電圧を増幅する増幅部14と、増幅部14によって増幅された検波電圧を出力する出力端子T12と、検波電圧の伝達される経路から分岐されて分岐信号を伝達する分岐経路18と、分岐経路に接続された電流発生回路16と、検波素子12、増幅部14および電流発生回路16に接続された制御電圧源端子T3とを備える。電流発生回路16は、分岐信号に応じた電流を、制御電圧源端子T3から接地端子へと流すように構成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、検波回路、及びそれを備える高周波増幅回路に関する。特に本発明は、バイアス回路に供給される制御電流の高周波入力電力に対する依存性を補償または調整する機能を備えた検波回路、及び、その検波回路を備える高周波増幅回路に関する。
無線通信装置に搭載される送信用パワーアンプは、しばしば、その出力信号(高周波信号)の強度に応じた直流電圧を生成する検波回路と併用される。これは、検波出力(検波回路により生成された直流電圧)に応じて、送信用パワーアンプに入力される送信信号のレベルを調整するためである。たとえば、特開2011−103524号公報(特許文献1)は、検波特性の温度依存性を抑制することを目的とした検波回路を開示する。
現在、無線LAN(Local Area Network)によるデータ通信が普及しており、電子機器間の通信に広く利用されている。無線LANの通信規格であるIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11規格には、IEEE802.11a/11b/11g/11n/11acなどがある。
IEEE.11acは、IEEE.11nの後継となる規格である。IEEE.11acでは、80MHzのチャネル幅および256QAM変調方式の採用により、規格上では最大3.6Gbpsの伝送速度を可能としている。このため、IEEE.11acは、次世代の無線LAN通信規格として注目されている。
256QAMとはQAM(Quadrature Amplitude Modulation)の一種である。256QAMでは、キャリヤの振幅と位相とによって多値化したシンボルの数が256個となる。64QAMなどといったこれまでのQAMに比べて、256QAMでは、隣り合うシンボル同士の間での振幅及び位相の差が小さい。このために256QAMの場合、変調波を送信するパワーアンプには、これまで以上の低歪み特性が要求されている。
たとえばIEEE.11aあるいはIEEE.11gの場合には、パワーアンプでの信号の送信時に加わる歪みの上限が、EVM(Error Vector Magnitude)で4.6%程度と設定されている。これに対してIEEE.11acの場合、該上限は、EVMで2.0%程度に設定されていることが多い。
そこでIEEE.11acでは、一般的に、デジタルプリディストーション(以下DPD(Digital Pre−Distortion))と呼ばれる技術が用いられる。DPDは、パワーアンプの出力端で生じている振幅歪み成分と位相歪み成分とを検知して、その歪みを打ち消す歪み、すなわち逆方向の歪みを当該パワーアンプの入力信号に重畳するという技術である。パワーアンプが本来有している歪み特性が規格上許される歪みの上限を超えていたとしても、DPDを用いることでそのパワーアンプを使用することができる。
DPD機能を利用することによって、高周波増幅回路全体で、要求される低歪み特性を実現できる。しかしながらDPD機能素子に電力消費が生じるという課題、および回路規模の増大といった課題がある。
このため、発明者らは、DPDを用いずにIEEE.11acでの要求特性を満たす低歪み高周波増幅回路(パワーアンプ)の実現を検討した。多くの場合、高周波増幅回路は、その出力電力の強度に応じた検波電圧を生成する検波回路を有する。高周波増幅回路は、生成された検波電圧の値に応じて、高周波増幅回路に入力される電力レベルを調整して送信電力を最適化している。
図9は、従来の高周波増幅回路の概略的ブロック図である。図9を参照して、高周波増幅回路200は、電力入力端子T1と、電力出力端子T2と、制御電圧源端子T3と、Vdd電源端子T4と、入力側コンデンサC1と、電力増幅部201と、バイアス回路202と、検波回路204と、出力側コンデンサC2とを備える。
電力入力端子T1は、入力側コンデンサC1の一方端に接続される。入力側コンデンサC1の他方端は、電力増幅部201の入力端に接続される。出力側コンデンサC2の一方端は、電力増幅部201の出力端に接続される。出力側コンデンサC2の他方端は、電力出力端子T2に接続される。
電力増幅部201は、トランジスタ(図示せず)を含む。このトランジスタのコレクタもしくはドレインには、Vdd電源端子T4から電圧が供給される。一方、そのトランジスタのベースもしくはゲートには、バイアス回路202を介して、制御電圧源端子T3から電圧が供給される。検波回路204は、電力増幅部201と同時にオンオフする。このため、検波回路204は、制御電圧源を電源として動作させるように構成される。したがって、検波回路204は、電力増幅部201の動作をオンオフさせるためのバイアス回路202とともに制御電圧源端子T3に接続される。
一般的に、検波回路には、ダイオード型、およびダイオードプラストランジスタ型がある。図10は、一般的なダイオード型の検波回路を示す図である。図10を参照して、検波回路204Aは、入力端子TA1と、出力端子TA2と、制御電圧源端子T3と、コンデンサCA1,CA2と、抵抗R11,R12と、ダイオードD11とを備える。
入力端子TA1には、高周波(RF)信号が入力される。コンデンサCA1は、入力端子TA1とダイオードD11のアノード端子との間に接続される。抵抗R11は、制御電圧源端子T3とダイオードD11のアノード端子との間に接続される。ダイオードD11のカソード端子は、出力端子TA2に接続される。コンデンサCA2および抵抗R12は、ダイオードD11のカソード端子(出力端子TA2と等価である)と接地端子との間に並列接続される。
図11は、一般的なダイオードプラストランジスタ型の検波回路を示す図である。図11を参照して、検波回路204Bは、コンデンサCA2に代えてトランジスタTr11を含む点で検波回路204Aと異なる。ダイオードD11のカソード端子は、接地端子に接続される。トランジスタTr11のコレクタ端子は、抵抗R12を介して制御電圧源端子T3に接続される。また、トランジスタTr11のコレクタ端子は、出力端子TA2に接続される。トランジスタTr11のベース端子は、ダイオードD11のアノード端子に接続される。トランジスタTr11のエミッタは接地端子に接続される。
制御電圧源は、検波電流にとって無視できない程度の内部インピーダンスを持っている。検波電流が高周波増幅回路200の出力電力に応じて変化する場合、その内部インピーダンスによる電圧降下のため、バイアス回路202に供給される電圧の値は、高周波増幅回路200の出力電力に対して変化する。発明者らは、バイアス回路に供給される電圧の変動が、高周波増幅回路の歪み特性の劣化を引き起こす原因であることを見出した。
変調波は、その変調速度に応じた周期でエンベロープを有するため、検波電流もその周期に応じて変動する。例えば80MHzのチャネル幅を持つ変調波の場合、エンベロープ周波数は数百kHzから最大160MHz程度の成分を持っている。そのため制御電圧源は、広い周波数範囲を有する電流を供給する必要がある。一方、制御電圧源の内部インピーダンスは、周波数が上がるに従い増加する特性を持つ。このために、制御電圧源が安定した電流を供給することが困難になる。
広い周波数範囲、たとえば数百kHzから数十MHzまでに亘る範囲において、十分に接地とみなせるインピーダンスを実現するには、uFオーダー(uは1×10-6を意味する)オーダーの容量が必要である。入力信号の強度に対するパワーアンプの利得の平坦度(線形性)を、正弦波形を持つ入力信号に関していくら改善しても、実際の変調波をパワーアンプに入力した場合に、必ずしも良い線形性が得られない場合がある。発明者らは、パワーアンプのバイアス回路に電圧を供給する電圧源と、そのバイアス回路との間にuF(uは1×10-6を意味する)オーダーの容量値を有する容量を付与することで、高効率を得ることができるとともにIEEE.11acで要求される歪み上限以下となる低歪み特性が実現できることを確認した。これは、容量値の大きい容量によって検波電流のエンベロープの変動が緩和されたことを意味する。
しかしながら、パワーアンプのダイナミック動作では、高周波信号の送信時にのみパワーアンプへのバイアスがオンされ、パワーアンプのアイドル期間にはバイアスはオフにされる。大きな容量値を有する容量を回路に付与した場合、パワーアンプをダイナミック動作させる際に容量を充電するための余分な時間が必要となる。このため、電圧オンと同時に、パワーアンプをただちに機能させることができない。このような理由により、電圧源とバイアス回路との間に、容量値の大きい容量を接続することができない。
このような問題を防ぐためには、制御電圧源から供給される制御電流は、高周波増幅回路の入力電力に対して変化が小さく、変調速度に応じた周期の変動の最大値と最小値の差が小さいものであることが望ましい。
図12は、特開2011−103524号公報(特許文献1)に係る構成の変形例を示した図である。図12を参照して、検波回路214は、入力端子TA1と、制御電圧源端子T3と、出力端子TA2と、コンデンサCA1と、ダイオードD11と、抵抗R11〜R14と、トランジスタTr11,Tr12とを備える。
入力端子TA1は、図示しないコンデンサを介して、たとえば増幅トランジスタ(図示せず)の後段、あるいは、複数段増幅トランジスタ(図示せず)の段間のRF信号経路の途中に接続される。この接続点での電圧振幅の大きさに応じて、検波回路214内の素子は、次のように動作する。
まず、ダイオードD11はノードN11から接地への方向が順方向となるように配置されている。このため、アノード端(ノードN11)での電圧の上限は、ダイオードD11の閾値電圧(順方向電圧)程度に制限される。ノードN11の電圧がダイオードD11の閾値電圧以下に振れた際は、その値が保たれる。この電圧の変化が、トランジスタTr11のベース電圧に反映される。したがって、電圧振幅が大きくなるに従って、トランジスタTr11に流れる電流I12が小さくなる。
電流I12によって、抵抗R13において電圧降下が生じる。抵抗R13における電圧降下がトランジスタTr12のベース電圧に反映される。したがって、電圧振幅が大きくなるに従って、トランジスタTr12に流れる電流I13が大きくなる。
出力端子TA2には検波電圧が生じる。出力端子TA2はトランジスタTr12のエミッタに接続される。出力端子TA2と接地端子との間に抵抗R14が接続される。電圧振幅が大きくなるに従って電流I13が大きくなるため検波電圧も大きくなる。検波電圧の電圧値に基づいて、高周波増幅回路の出力電圧を推定することができる。
ダイオードD11に流れる電流I11は高周波増幅回路の出力電力の増加にともなって増加する。トランジスタTr11のコレクタに流れる電流I12は、高周波増幅回路の出力電力の増加にともなって減少する。トランジスタTr12のコレクタに流れる電流I13は、高周波増幅回路の出力電力の増加にともなって減少する。
各経路に設けられた受動素子及び能動素子のサイズ、あるいは回路定数は、検波電圧対出力電力の所望の特性を得る目的で調整されている。したがって各電流の変化についての相対的な関係は、上記目的において全く考慮されていない。そのため、高周波増幅回路の出力電力の増加に応じて検波電流が変動する。上述のように、制御電圧源の内部インピーダンスのために、バイアス回路に供給される電圧は、高周波増幅回路の出力電力の増加に応じて変動する。これが高周波増幅回路の歪み特性を劣化させる原因となる。
ここで検波電流の調整のため、たとえば抵抗R14の抵抗値を増減させる方法が考えられる。しかしながら抵抗R14の抵抗値が変化すると検波電圧も変化する。このため、所望の検波電圧対出力電力の特性を得ることができなくなる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、所望の検波電圧特性を損なうことなく、検波電流の電力に対する変動を調整し、高周波増幅回路の歪み特性を改善することである。
本発明のある局面に係る検波回路は、高周波信号を受ける入力端子と、高周波信号を検波して、検波電圧を出力する検波素子と、検波電圧を増幅する増幅部と、増幅部によって増幅された検波電圧を出力する出力端子と、検波電圧の伝達される経路から分岐されて分岐信号を伝達する分岐経路と、分岐経路に接続された電流発生回路と、検波素子、増幅部および電流発生回路に接続された制御電圧源端子とを備える。電流発生回路は、分岐信号に応じた電流を、制御電圧源端子から接地端子へと流すように構成される。
好ましくは、増幅部は、コレクタ端子、ベース端子およびエミッタ端子を有する増幅トランジスタを含む。増幅トランジスタのコレクタ端子は、制御電圧源端子に結合される。分岐経路は、増幅トランジスタのベース端子またはコレクタ端子に結合される。電流発生回路は、コレクタ端子、ベース端子およびエミッタ端子を有する電流発生トランジスタを含む。電流発生トランジスタのコレクタ端子は、制御電圧源端子に結合される。電流発生トランジスタのベース端子は、分岐信号を受ける。電流発生トランジスタのエミッタ端子は、接地端子に結合される。
好ましくは、検波素子は、入力端子に結合されたアノード端子を有するダイオードと、ダイオードのカソード端子と接地端子とを接続する第1の経路と、ダイオードのアノード端子と制御電圧源端子とを接続する第1の抵抗と、コレクタ端子、ベース端子およびエミッタ端子を有する第1のNPNトランジスタと、第1のNPNトランジスタのベース端子とダイオードのアノード端子とを接続する第2の抵抗と、第1のNPNトランジスタのコレクタ端子と制御電圧源端子とを接続する第3の抵抗と、第1のNPNトランジスタのエミッタ端子と接地端子とを接続する第2の経路とを含む。増幅トランジスタは、第2のNPNトランジスタである。電流発生トランジスタは、第3のNPNトランジスタである。第2のNPNトランジスタのベース端子は、第1のNPNトランジスタのコレクタ端子に接続される。第2のNPNトランジスタのエミッタ端子は、出力端子に接続される。検波回路は、さらに、第2のNPNトランジスタのエミッタ端子と接地端子とを接続する第4の抵抗と、第3のNPNトランジスタのエミッタ端子と接地端子とを接続する第5の抵抗と、第2のNPNトランジスタのコレクタ端子と制御電圧源端子とを接続する第3の経路と、第3のNPNトランジスタのコレクタ端子と制御電圧源端子とを接続する第4の経路とを備える。分岐経路は、第2のNPNトランジスタのベース端子に接続される。
好ましくは、検波素子は、入力端子に結合されたアノード端子を有するダイオードと、ダイオードのカソード端子と接地端子とを接続する第1の経路と、ダイオードのアノード端子と制御電圧源端子とを接続する第1の抵抗と、コレクタ端子、ベース端子およびエミッタ端子を有する第1のNPNトランジスタと、第1のNPNトランジスタのベース端子と、ダイオードのアノード端子とを接続する第2の抵抗と、第1のNPNトランジスタのコレクタ端子と制御電圧源端子とを接続する第3の抵抗と、第1のNPNトランジスタのエミッタ端子と接地端子とを接続する第2の経路とを含む。増幅トランジスタは、第2のNPNトランジスタである。電流発生トランジスタは、第3のNPNトランジスタである。第2のNPNトランジスタのベース端子は、第1のNPNトランジスタのコレクタ端子に接続される。第2のNPNトランジスタのエミッタ端子は、出力端子に接続される。検波回路は、さらに、第2のNPNトランジスタのエミッタ端子と接地端子とを接続する第4の抵抗と、第3のNPNトランジスタのコレクタ端子と接地端子とを接続する第5の抵抗と、第2のNPNトランジスタのコレクタ端子と制御電圧源端子とを接続する第3の経路と、第3のNPNトランジスタのエミッタ端子と接地端子とを接続する第4の経路とを備える。分岐経路は、第1のNPNトランジスタのベース端子に接続される。
本発明の他の局面に係る高周波増幅回路は、上記のいずれか1項に記載の検波回路を備える。
本発明によれば、入力パワーに対して電流変動の少ない検波回路を実現することができる。したがって本発明によれば、高周波増幅回路の低歪み特性を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
なお、この明細書において「結合」とは、2つの要素が直接的に接続される場合に限定されず、それら2つの要素が他の要素を介在して接続される場合も含む。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る高周波増幅回路の構成を示したブロック図である。図1を参照して、実施の形態1に係る高周波増幅回路100は、電力入力端子T1と、電力出力端子T2と、制御電圧源端子T3と、Vdd電源端子T4と、入力側コンデンサC1と、電力増幅部1と、バイアス回路2と、検波回路4と、出力側コンデンサC2とを備える。
図1は、本発明の実施の形態1に係る高周波増幅回路の構成を示したブロック図である。図1を参照して、実施の形態1に係る高周波増幅回路100は、電力入力端子T1と、電力出力端子T2と、制御電圧源端子T3と、Vdd電源端子T4と、入力側コンデンサC1と、電力増幅部1と、バイアス回路2と、検波回路4と、出力側コンデンサC2とを備える。
電力入力端子T1は、入力側コンデンサC1の一方端に接続される。入力側コンデンサC1の他方端は、電力増幅部1の入力端に接続される。出力側コンデンサC2の一方端は、電力増幅部1の出力端に接続される。出力側コンデンサC2の他方端は、電力出力端子T2に接続される。バイアス回路2および検波回路4は、制御電圧源端子T3に接続される。
電力増幅部1は、トランジスタ(図示せず)を含む。このトランジスタのコレクタもしくはドレインに、Vdd電源端子T4から電圧が供給される。一方、そのトランジスタのベースもしくはゲートには、バイアス回路2を介して、制御電圧源端子T3から電圧が供給される。
図2は、本発明の実施の形態1に係る検波回路の構成を示したブロック図である。図2を参照して、検波回路4は、入力端子T11と、出力端子T12と、制御電圧源端子T3と、検波素子12と、増幅部14と、電流発生回路16と、分岐経路18とを含む。
検波素子12は、入力端子T11に入力される高周波信号(RF信号)を検波して、検波電圧を出力する。具体的には、検波素子12は、高周波信号のエンベロープを検出する。この実施の形態では、検波素子12の構成は特に限定されず、たとえば図12に示した構成を採用することができる。
増幅部14は、増幅トランジスタ(図示せず)を含み、検波素子12から出力された検波電圧を増幅する。この増幅トランジスタは、たとえばバイポーラトランジスタである。増幅された検波電圧は、出力端子T12を介して出力される。
検波電圧の伝達される経路は、検波素子12から、増幅部14を経由して出力端子T12に至る経路である。分岐経路18は、この経路から検波電圧を分岐する。分岐経路18は、電流発生回路16に接続される。電流発生回路16は、分岐経路18を介して分岐信号を受ける。電流発生回路16は、この分岐信号に応じた電流を、制御電圧源端子T3から接地端子へと流す。
上述の通り、従来の検波回路では、検波回路の構成、あるいは検波回路を構成する受動素子および能動素子の回路定数は、所望の検波電圧を得るために選ばれる。したがって、検波回路に流れ込む電流の特性については考慮されていなかった。検波回路に流れる電流を調整するために回路定数を調整すると、その調整のために高周波増幅回路の出力電圧に対する検波電圧の特性に影響が生じる。この結果、検波電圧対出力電力の実際の特性が所望の特性からずれるという課題が生じる。
これに対して実施の形態1では、検波電圧の伝達される経路に分岐経路が設けられる。さらに、電流発生回路16は、その分岐信号(検波電圧)に応じた電流を制御電圧源端子T3から接地端子へと流す。この構成によれば、検波回路単体で、高周波増幅回路の出力電圧に対して検波電流が変動する場合にも、電流発生回路16が、その変動を相殺するように電流を流す。これにより、制御電圧源の内部インピーダンスによる電圧降下が高周波増幅回路100の歪み特性を劣化させることを防止できる。
たとえば検波電圧を検出する外部チップの内部インピーダンスが未知であり、実際にパワーアンプと組み合わせた時に所望の検波電圧が得られないという場合が考えられる。実施の形態1によれば、検波電圧と検波電流を独立して所望の特性に修正することができるという工業的な利点も得ることができる。
ここで、検波電流の変化が高周波増幅回路100の歪み特性に影響を与えないための方法として、たとえばバイアス回路のための制御電圧源以外に電源を用意するといった方法、制御電圧をVdd電源から供給する等といった方法が考えられる。しかしながら、これらの方法では、たとえば電源の追加による回路規模の増大といった問題、あるいはオフ時の消費電力の増大といった問題がある。しかしながら、この実施の形態によれば、それらの問題を生じさせることなく高周波増幅回路の歪み特性を改善することができる。
以下に、実施の形態1によって得られる効果を具体的に説明する。図3は、検波電流の調整前と調整後とにおける検波電流対出力電力の特性を示す図である。図4は、高周波増幅回路のバイアス回路に供給される電圧(バイアス端子電圧)の、高周波増幅回路の出力電力に対する特性(検波電流の調整前および調整後)を示した図である。図5は、検波電流のエンベロープ特性(検波電流の調整前と調整後)を示した図である。なお、図3および図4に示した特性は、高周波回路シミュレータのハーモニックバランス解析により得られた結果である。図5に示したエンベロープ特性はエンベロープ解析により得られた結果である。ハーモニックバランス解析は、5.5GHzの正弦波をパワーアンプに入力して得られたものである。エンベロープ解析は、5.5GHzの中心周波数に対し上下に20MHz離れた2波の正弦波(−25dBm,−20dBm,−15dBm,−10dBm)をパワーアンプに入力して得られたものである。
図3から、検波電流の調整後には、高周波増幅回路の出力電力に対する検波電流の変動が小さくなっていることがわかる。図4から、検波電流の調整後には、高周波増幅回路の出力電力に対するバイアス端子電圧の変動が小さくなっていることが分かる。図5から、検波電流の調整後には、エンベロープの変動が小さくなっていることが分かる。
このように実施の形態1によれば、制御電圧源の内部インピーダンスでの電圧降下に起因する、高周波増幅回路の歪み特性の劣化を抑えることができる。したがってたとえばIEEE.11acの規格を満たす低歪み特性を高周波増幅回路単体で実現することができる。
さらに、実施の形態1によれば、高周波増幅回路の出力端で生じている振幅歪み成分と位相歪み成分とを検知する必要なく、高周波増幅回路の低歪み特性を達成することができる。したがって、たとえば、DPD機能を使用せず、あるいはDPD機能の使用を最小限に抑えながら、高周波増幅回路の低歪み特性を実現することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る高周波増幅回路の構成は図1に示した構成と同様である。図6は、本発明の実施の形態2に係る検波回路の構成を示したブロック図である。
実施の形態2に係る高周波増幅回路の構成は図1に示した構成と同様である。図6は、本発明の実施の形態2に係る検波回路の構成を示したブロック図である。
図6を参照して、増幅部14は、バイポーラトランジスタ(NPNトランジスタTr2)を増幅トランジスタとして含む。分岐経路18は、NPNトランジスタTr2のベース端子から分岐された経路であり電流発生回路16に接続される。ただし、分岐経路は、NPNトランジスタTr2のコレクタ端子から分岐していてもよい。
電流発生回路16は、バイポーラトランジスタ(NPNトランジスタTr3)を電流発生用トランジスタとして含む。NPNトランジスタTr3のコレクタ端子は、制御電圧源端子T3に結合される。NPNトランジスタTr3のエミッタ端子は、接地端子に結合される。NPNトランジスタTr3のベース端子に分岐信号が入力される。NPNトランジスタTr3は、分岐信号に応じたコレクタ電流を流す。これにより、電流発生回路16は、制御電圧源端子T3から接地端子へと、分岐信号に応じた電流を流す。
実施の形態1と同じく、実施の形態2によれば、検波回路単体で、高周波増幅回路の出力電圧に対して検波電流が変動する場合にも、電流発生回路16が、その変動を相殺するように電流を流す。これにより、制御電圧源の内部インピーダンスによる電圧降下に起因する、高周波増幅回路100の歪み特性を劣化させることを防止できる。したがってたとえばIEEE.11acの規格を満たす低歪み特性を高周波増幅回路単体で実現することができる。
さらに、実施の形態2によれば、高周波増幅回路の出力端で生じている振幅歪み成分と位相歪み成分とを検知する必要なく、高周波増幅回路の低歪み特性を達成することができる。したがって、たとえば、DPD機能を使用せず、あるいはDPD機能の使用を最小限に抑えながら、高周波増幅回路の低歪み特性を実現することができる。
さらに実施の形態1と同じく、実施の形態2によれば、たとえば検波電圧を検出する外部チップの内部インピーダンスが未知であり、実際にパワーアンプと組み合わせた時に所望の検波電圧が得られないという場合に、検波電圧と検波電流を独立して所望の特性に修正することができるという工業的な利点も得ることができる。
さらに実施の形態2によれば、電源の追加による回路規模の増大といった問題、あるいはオフ時の消費電力の増大といった問題を生じさせることなく高周波増幅回路の歪み特性を改善することができる。
[実施の形態3]
実施の形態3に係る高周波増幅回路の構成は図1に示した構成と同様である。図7は、本発明の実施の形態3に係る検波回路4Aの構成を示した回路図である。
実施の形態3に係る高周波増幅回路の構成は図1に示した構成と同様である。図7は、本発明の実施の形態3に係る検波回路4Aの構成を示した回路図である。
図7を参照して、検波回路4Aは、入力端子T11と、コンデンサC11と、出力端子T12と、制御電圧源端子T3と、抵抗R1〜R5と、ダイオードD1(検波ダイオード)と、NPNトランジスタTr1〜Tr3と、第1〜第4の経路21〜24とを含む。コンデンサC11と、ダイオードD1と、NPNトランジスタTr1と、抵抗R1〜R3と、第1の経路21と、第2の経路22とは、検波素子12を構成する。
入力端子T11は、コンデンサC11の一方端に接続される。コンデンサC11の他方端は、ダイオードD1のアノード端子に接続される。抵抗R1は、制御電圧源端子T3とダイオードD1のアノード端子とを接続する。ダイオードD1のカソード端子は第1の経路21を介して接地端子に接続される。
NPNトランジスタTr1のベース端子は、抵抗R2を介してダイオードD1のアノード端子に接続される。NPNトランジスタTr1のコレクタ端子は、抵抗R3を介して制御電圧源端子T3に接続される。NPNトランジスタTr1のエミッタ端子は、第2の経路22を介して接地端子に接続される。
NPNトランジスタTr2のベース端子は、NPNトランジスタTr1のコレクタ端子に接続される。NPNトランジスタTr2のコレクタ端子は、第3の経路23を介して制御電圧源端子T3に接続される。NPNトランジスタTr2のエミッタ端子は、出力端子T12に接続されるとともに、抵抗R4を介して接地端子に接続される。
NPNトランジスタTr3のベース端子は、NPNトランジスタTr1のコレクタ端子およびNPNトランジスタTr2のベース端子に接続される。抵抗R5は、NPNトランジスタTr3のエミッタ端子と接地端子との間に接続される。NPNトランジスタTr3のコレクタ端子は、第4の経路24を介して制御電圧源端子T3に接続される。
ダイオードD1は接地に対し順方向で接続されているので、ダイオードD1のアノード端(ノードN1)での電圧上限はダイオードD1の閾値電圧程度に制限される。ノードN1の電圧がダイオードD1の閾値電圧以下に振れた際は、その値が保たれる。この電圧の変化が、NPNトランジスタTr1のベース電圧に反映される。このため、電圧振幅が大きくなるに従ってNPNトランジスタTr1に流れる電流I2が小さくなる。
電流I2によって、抵抗R3において電圧降下が生じる。抵抗R3における電圧降下がNPNトランジスタTr2のベース電圧に反映される。このため、電圧振幅が大きくなるに従って、NPNトランジスタTr2に流れる電流I3が大きくなる。
出力端子T12には検波電圧が生じる。出力端子T12はNPNトランジスタTr2のエミッタに接続される。出力端子T12と接地との間に抵抗R4が接続される。電圧振幅が大きくなるに従って電流I3が大きくなるため検波電圧も大きくなる。検波電圧の電圧値に基づいて、高周波増幅回路の出力電圧を推定することができる。
実施の形態3によれば、検波電圧の出力特性を、抵抗R5とトランジスタTr3以外の受動素子および能動素子により調整することができる。一方、検波電流の出力特性を、抵抗R5とトランジスタTr3とで調整することができる。すなわち、この実施の形態によれば、検波電流の出力特性および検波電圧の出力特性を互いにほとんど影響を与えずに独立して調整することができる。
高周波増幅回路の出力電力の増加にともなって、第1〜3の経路の電流の合計が減少するように、能動素子および受動素子のサイズあるいは回路定数が調整されている。第4の経路(トランジスタTr3のコレクタ端子と制御電圧源端子T3との間の経路)に流れる電流は、高周波増幅回路の出力電力の増加にともなって、増加するという特性を持つ。これにより、高周波増幅回路の出力電力に対する検波回路4の合計電流の変動を小さくすることができる。
さらに、ダイオードD1に流れる電流とトランジスタTr2に流れる電流のエンベロープの位相は同相である。一方、トランジスタTr1に流れる電流のエンベロープは、逆相である。したがって、エンベロープの振幅同士が打ち消しあうので、検波電流のエンベロープの変動の最大値と最小値の差が小さくなる。すなわちエンベロープの変動が緩和される。
なおNPNトランジスタTr2は、図2に示す増幅部14を実現する。NPNトランジスタTr3は、図2に示す電流発生回路16を実現する。
実施の形態1,2と同様に、実施の形態3によれば、たとえば検波電圧を検出する外部チップの内部インピーダンスが未知であり、実際にパワーアンプと組み合わせた時に所望の検波電圧が得られないという場合に、検波電圧と検波電流を独立して所望の特性に修正することができるという工業的な利点を得ることができる。
さらに、実施の形態3によれば、検波電流対出力電力の変動を小さくするとともに、検波電流のエンベロープの振幅を小さくすることができる。これにより、制御電圧源の内部インピーダンスでの電圧降下に起因する歪み特性の劣化を防止できる。したがってたとえばIEEE.11acの規格を満たす低歪み特性を高周波増幅回路単体で実現することができる。
さらに実施の形態3によれば、高周波増幅回路の出力端で生じている振幅歪み成分と位相歪み成分とを検知する必要なく、高周波増幅回路の低歪み特性を達成することができる。したがって、たとえば、DPD機能を使用せず、あるいはDPD機能の使用を最小限に抑えながら、高周波増幅回路の低歪み特性を実現することができる。
さらに実施の形態3によれば、電源の追加による回路規模の増大といった問題、あるいはオフ時の消費電力の増大といった問題を生じさせることなく高周波増幅回路の歪み特性を改善することができる。
[実施の形態4]
実施の形態3に係る高周波増幅回路の構成は図1に示した構成と同様である。図8は、本発明の実施の形態4に係る検波回路の回路図である。
実施の形態3に係る高周波増幅回路の構成は図1に示した構成と同様である。図8は、本発明の実施の形態4に係る検波回路の回路図である。
図8を参照して、実施の形態4に係る検波回路4Bは、トランジスタTr3のベース端子が、トランジスタTr1のベース端子に接続される点において、実施の形態3に係る検波回路4Aと異なる。さらに、抵抗R5が、制御電圧源端子T3とトランジスタTr3のコレクタ端子との間に接続され、第4の経路24がトランジスタTr3のエミッタ端子と接地端子との間に設けられる。これらの点において、実施の形態4に係る検波回路4Bは、実施の形態3に係る検波回路4Aと異なる。
実施の形態4によれば、検波電圧の出力特性を、抵抗R5とトランジスタTr3以外の受動素子および能動素子により調整することができる。一方、検波電流の出力特性を、抵抗R5とトランジスタTr3とで調整することができる。すなわち、この実施の形態によれば、実施の形態3と同様に、検波電流の出力特性および検波電圧の出力特性を互いにほとんど影響を与えずに独立して調整することができる。
ここで実施の形態4では、高周波増幅回路の出力電力の増加にともなって、第1〜3の経路の電流の合計が増加するように、受動素子および能動素子のサイズあるいは回路定数が調整される。第4の経路の電流は、高周波増幅回路の出力電力の増加にともなって、減少するという特性を持つ。これにより、高周波増幅回路の出力電力に対する検波回路4の合計電流の変動を小さくすることができる。
さらに、ダイオードD1に流れる電流とトランジスタTr2に流れる電流のエンベロープの位相は同相である。一方、トランジスタTr1に流れる電流のエンベロープは、逆相である。したがって、エンベロープの振幅同士が打ち消しあうので、検波電流のエンベロープの変動の最大値と最小値の差が小さくなる。すなわちエンベロープの変動が緩和される。
なお、実施の形態4では、実施の形態3と同じく、トランジスタTr2が、図2に示す増幅部14を実現し、トランジスタTr3が図2に示す電流発生回路16を実現する。
実施の形態1〜3と同様に、実施の形態4によれば、たとえば検波電圧を検出する外部チップの内部インピーダンスが未知であり、実際にパワーアンプと組み合わせた時に所望の検波電圧が得られないという場合に、検波電圧と検波電流を独立して所望の特性に修正することができるという工業的な利点も得ることができる。
さらに実施の形態1〜3と同様に、実施の形態4によれば、検波電流対出力電力の変動を小さくするとともに、検波電流のエンベロープの振幅を小さくすることができる。これにより、制御電圧源の内部インピーダンスでの電圧降下に起因する歪み特性の劣化を防止できる。したがってたとえばIEEE.11acの規格を満たす低歪み特性を高周波増幅回路単体で実現することができる。
なお、検波電流の変化が高周波増幅回路100の歪み特性に影響を与えないための方法として、たとえばバイアス回路のための制御電圧源以外に電源を用意するといった方法、制御電圧をVdd電源から供給する等といった方法が考えられる。しかしながら、これらの方法では、たとえば電源の追加による回路規模の増大といった問題、あるいはオフ時の消費電力の増大といった問題がある。しかしながら、この実施の形態によれば、それらの問題を生じさせることなく高周波増幅回路の歪み特性を改善することができる。
本発明の実施の形態は、以下のように表わすことができる。
1.高周波信号を受ける入力端子(T11)と、高周波信号を検波して、検波電圧を出力する検波素子(12)と、検波電圧を増幅する増幅部(14)と、増幅部(14)によって増幅された検波電圧を出力する出力端子(T12)と、検波電圧の伝達される経路から分岐されて分岐信号を伝達する分岐経路(18)と、分岐経路(18)に接続された電流発生回路(16)と、検波素子(12)、増幅部(14)および電流発生回路(16)に接続された制御電圧源端子(T3)とを備え、電流発生回路(16)は、分岐信号に応じた電流を、制御電圧源端子(T3)から接地端子へと流すように構成される、検波回路(4,4A,4B)。
1.高周波信号を受ける入力端子(T11)と、高周波信号を検波して、検波電圧を出力する検波素子(12)と、検波電圧を増幅する増幅部(14)と、増幅部(14)によって増幅された検波電圧を出力する出力端子(T12)と、検波電圧の伝達される経路から分岐されて分岐信号を伝達する分岐経路(18)と、分岐経路(18)に接続された電流発生回路(16)と、検波素子(12)、増幅部(14)および電流発生回路(16)に接続された制御電圧源端子(T3)とを備え、電流発生回路(16)は、分岐信号に応じた電流を、制御電圧源端子(T3)から接地端子へと流すように構成される、検波回路(4,4A,4B)。
この構成によれば、制御電圧源の内部インピーダンスでの電圧降下に起因する、高周波増幅回路の歪み特性の劣化を抑えることができる。したがってたとえばIEEE.11acの規格を満たす低歪み特性を高周波増幅回路単体で実現することができる。さらに、高周波増幅回路の出力端で生じている振幅歪み成分と位相歪み成分とを検知する必要なく、高周波増幅回路の低歪み特性を達成することができる。したがって、たとえば、DPD機能を使用せず、あるいはDPD機能の使用を最小限に抑えながら、高周波増幅回路の低歪み特性を実現することができる。さらに検波電圧と検波電流を独立して所望の特性に修正することができる。
2.増幅部(14)は、コレクタ端子、ベース端子およびエミッタ端子を有する増幅トランジスタ(Tr2)を含み、増幅トランジスタ(Tr2)のコレクタ端子は、制御電圧源端子(T3)に結合され、分岐経路(18)は、増幅トランジスタ(Tr2)のベース端子またはコレクタ端子に結合され、電流発生回路(16)は、コレクタ端子、ベース端子およびエミッタ端子を有する電流発生トランジスタ(Tr3)を含み、電流発生トランジスタ(Tr3)のコレクタ端子は、制御電圧源端子(T3)に結合され、電流発生トランジスタ(Tr3)のベース端子は、分岐信号を受け、電流発生トランジスタ(Tr3)のエミッタ端子は、接地端子に結合される、上記の項目1.に記載の検波回路(4,4A,4B)。
この構成によれば、制御電圧源の内部インピーダンスでの電圧降下に起因する、高周波増幅回路の歪み特性の劣化を抑えることができる。
3.検波素子(12)は、入力端子(T11)に結合されたアノード端子を有するダイオード(D1)と、ダイオード(D1)のカソード端子と接地端子とを接続する第1の経路(21)と、ダイオード(D1)のアノード端子と制御電圧源端子(T3)とを接続する第1の抵抗(R1)と、コレクタ端子、ベース端子およびエミッタ端子を有する第1のNPNトランジスタ(Tr1)と、第1のNPNトランジスタ(Tr1)のベース端子とダイオード(D1)のアノード端子とを接続する第2の抵抗(R2)と、第1のNPNトランジスタ(Tr1)のコレクタ端子と制御電圧源端子(T3)とを接続する第3の抵抗(R3)と、第1のNPNトランジスタ(Tr1)のエミッタ端子と接地端子とを接続する第2の経路(22)とを含み、増幅トランジスタ(Tr2)は、第2のNPNトランジスタであり、電流発生トランジスタ(Tr3)は、第3のNPNトランジスタであり、第2のNPNトランジスタ(Tr2)のベース端子は、第1のNPNトランジスタ(Tr1)のコレクタ端子に接続され、第2のNPNトランジスタ(Tr2)のエミッタ端子は、出力端子(T12)に接続され、検波回路(4A)は、さらに、第2のNPNトランジスタ(Tr2)のエミッタ端子と接地端子とを接続する第4の抵抗(R4)と、第3のNPNトランジスタのエミッタ端子と接地端子とを接続する第5の抵抗(R5)と、第2のNPNトランジスタ(Tr2)のコレクタ端子と制御電圧源端子(T3)とを接続する第3の経路(23)と、第3のNPNトランジスタ(Tr3)のコレクタ端子と制御電圧源端子(T3)とを接続する第4の経路(24)とを備え、分岐経路(18)は、第2のNPNトランジスタ(Tr2)のベース端子に接続される、上記2.に記載の検波回路(4A)。
この構成によれば、制御電圧源の内部インピーダンスでの電圧降下に起因する、高周波増幅回路の歪み特性の劣化を抑えることができる。さらに、検波電流の出力特性および検波電圧の出力特性を互いにほとんど影響を与えずに独立して調整することができる。
4.検波素子(12)は、入力端子(T11)に結合されたアノード端子を有するダイオード(D1)と、ダイオード(D1)のカソード端子と接地端子とを接続する第1の経路(21)と、ダイオード(D1)のアノード端子と制御電圧源端子(T3)とを接続する第1の抵抗(R1)と、コレクタ端子、ベース端子およびエミッタ端子を有する第1のNPNトランジスタ(Tr1)と、第1のNPNトランジスタ(Tr1)のベース端子と、ダイオード(D1)のアノード端子とを接続する第2の抵抗(R2)と、第1のNPNトランジスタ(Tr1)のコレクタ端子と制御電圧源端子(T3)とを接続する第3の抵抗(R3)と、第1のNPNトランジスタ(Tr1)のエミッタ端子と接地端子とを接続する第2の経路(22)とを含み、増幅トランジスタ(Tr2)は、第2のNPNトランジスタ(Tr2)であり、電流発生トランジスタ(Tr3)は、第3のNPNトランジスタであり、第2のNPNトランジスタ(Tr2)のベース端子は、第1のNPNトランジスタ(Tr1)のコレクタ端子に接続され、第2のNPNトランジスタ(Tr2)のエミッタ端子は、出力端子(T12)に接続され、検波回路(4B)は、さらに、第2のNPNトランジスタ(Tr2)のエミッタ端子と接地端子とを接続する第4の抵抗(R4)と、第3のNPNトランジスタのコレクタ端子と接地端子とを接続する第5の抵抗(R5)と、第2のNPNトランジスタ(Tr2)のコレクタ端子と制御電圧源端子(T3)とを接続する第3の経路(23)と、第3のNPNトランジスタ(Tr3)のエミッタ端子と接地端子とを接続する第4の経路(24)とを備え、分岐経路(18)は、第1のNPNトランジスタ(Tr1)のベース端子に接続される、上記2.に記載の検波回路(4B)。
この構成によれば、制御電圧源の内部インピーダンスでの電圧降下に起因する、高周波増幅回路の歪み特性の劣化を抑えることができる。さらに、検波電流の出力特性および検波電圧の出力特性を互いにほとんど影響を与えずに独立して調整することができる。
5.上記の1.〜4.のいずれか1項に記載の検波回路を備える、高周波増幅回路(100)。
この構成によれば、制御電圧源の内部インピーダンスでの電圧降下に起因する、高周波増幅回路の歪み特性の劣化を抑えることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電力増幅部、2,202 バイアス回路、4,4A,4B,204,204A,204B,214 検波回路、R1〜R5,R11〜R14 抵抗、12 検波素子、14 増幅部、16 電流発生回路、18 分岐経路、21 第1の経路、22 第2の経路、23 第3の経路、24 第4の経路、100,200 高周波増幅回路、C1 入力側コンデンサ、C2 出力側コンデンサ、D1,D11 ダイオード、N1,N11 ノード、T1 電力入力端子、T2 電力出力端子、T3 制御電圧源端子、T4 Vdd電源端子、T11,TA1 入力端子、T12,TA2 出力端子、Tr1〜Tr3,Tr11,Tr12 トランジスタ。
Claims (5)
- 高周波信号を受ける入力端子と、
前記高周波信号を検波して、検波電圧を出力する検波素子と、
前記検波電圧を増幅する増幅部と、
前記増幅部によって増幅された検波電圧を出力する出力端子と、
前記検波電圧の伝達される経路から分岐されて分岐信号を伝達する分岐経路と、
前記分岐経路に接続された電流発生回路と、
前記検波素子、前記増幅部および前記電流発生回路に接続された制御電圧源端子とを備え、
前記電流発生回路は、前記分岐信号に応じた電流を、前記制御電圧源端子から接地端子へと流すように構成される、検波回路。 - 前記増幅部は、コレクタ端子、ベース端子およびエミッタ端子を有する増幅トランジスタを含み、
前記増幅トランジスタの前記コレクタ端子は、前記制御電圧源端子に結合され、
前記分岐経路は、前記増幅トランジスタの前記ベース端子または前記コレクタ端子に結合され、
前記電流発生回路は、コレクタ端子、ベース端子およびエミッタ端子を有する電流発生トランジスタを含み、
前記電流発生トランジスタの前記コレクタ端子は、前記制御電圧源端子に結合され、
前記電流発生トランジスタの前記ベース端子は、前記分岐信号を受け、
前記電流発生トランジスタの前記エミッタ端子は、前記接地端子に結合される、請求項1に記載の検波回路。 - 前記検波素子は、
前記入力端子に結合されたアノード端子を有するダイオードと、
前記ダイオードのカソード端子と、前記接地端子とを接続する第1の経路と、
前記ダイオードの前記アノード端子と前記制御電圧源端子とを接続する第1の抵抗と、
コレクタ端子、ベース端子およびエミッタ端子を有する第1のNPNトランジスタと、
前記第1のNPNトランジスタの前記ベース端子と、前記ダイオードの前記アノード端子とを接続する第2の抵抗と、
前記第1のNPNトランジスタの前記コレクタ端子と前記制御電圧源端子とを接続する第3の抵抗と、
前記第1のNPNトランジスタの前記エミッタ端子と前記接地端子とを接続する第2の経路とを含み、
前記増幅トランジスタは、第2のNPNトランジスタであり、
前記電流発生トランジスタは、第3のNPNトランジスタであり、
前記第2のNPNトランジスタの前記ベース端子は、前記第1のNPNトランジスタの前記コレクタ端子に接続され、
前記第2のNPNトランジスタの前記エミッタ端子は、前記出力端子に接続され、
前記検波回路は、さらに、
前記第2のNPNトランジスタの前記エミッタ端子と前記接地端子とを接続する第4の抵抗と、
前記第3のNPNトランジスタの前記エミッタ端子と前記接地端子とを接続する第5の抵抗と、
前記第2のNPNトランジスタの前記コレクタ端子と前記制御電圧源端子とを接続する第3の経路と、
前記第3のNPNトランジスタの前記コレクタ端子と前記制御電圧源端子とを接続する第4の経路とを備え、
前記分岐経路は、前記第2のNPNトランジスタの前記ベース端子に接続される、請求項2に記載の検波回路。 - 前記検波素子は、
前記入力端子に結合されたアノード端子を有するダイオードと、
前記ダイオードのカソード端子と、前記接地端子とを接続する第1の経路と、
前記ダイオードの前記アノード端子と前記制御電圧源端子とを接続する第1の抵抗と、
コレクタ端子、ベース端子およびエミッタ端子を有する第1のNPNトランジスタと、
前記第1のNPNトランジスタの前記ベース端子と、前記ダイオードの前記アノード端子とを接続する第2の抵抗と、
前記第1のNPNトランジスタの前記コレクタ端子と前記制御電圧源端子とを接続する第3の抵抗と、
前記第1のNPNトランジスタの前記エミッタ端子と前記接地端子とを接続する第2の経路とを含み、
前記増幅トランジスタは、第2のNPNトランジスタであり、
前記電流発生トランジスタは、第3のNPNトランジスタであり、
前記第2のNPNトランジスタの前記ベース端子は、前記第1のNPNトランジスタの前記コレクタ端子に接続され、
前記第2のNPNトランジスタの前記エミッタ端子は、前記出力端子に接続され、
前記検波回路は、さらに、
前記第2のNPNトランジスタの前記エミッタ端子と前記接地端子とを接続する第4の抵抗と、
前記第3のNPNトランジスタの前記コレクタ端子と前記接地端子とを接続する第5の抵抗と、
前記第2のNPNトランジスタの前記コレクタ端子と前記制御電圧源端子とを接続する第3の経路と、
前記第3のNPNトランジスタの前記エミッタ端子と前記接地端子とを接続する第4の経路とを備え、
前記分岐経路は、前記第1のNPNトランジスタの前記ベース端子に接続される、請求項2に記載の検波回路。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の検波回路を備える、高周波増幅回路。
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