JP2014183349A - 半導体装置及び半導体チップ - Google Patents

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靖久 島崎
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Abstract

【課題】誘導結合方式を用いて精度よくデータを伝達すること
【解決手段】一実施形態によれば、半導体装置は、第一の半導体チップ及び前記第一の半導体チップと積層された第二の半導体チップを備える。前記第一の半導体チップは、送信データに応じて異なる周波数のクロック信号を生成するクロック生成回路と、生成された前記クロック信号を誘導結合方式により前記第二の半導体チップへ送信する送信回路を有する。前記第二の半導体チップは、前記第一の半導体チップから誘導結合方式により送信された前記クロック信号を受信する受信回路と、受信した前記クロック信号の所定期間内のクロック数に応じて前記送信データを再生する再生回路を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置及び半導体チップに関し、例えば誘導結合によって信号の送受信を実行する半導体装置及び半導体チップに好適に利用できるものである。
従来、複数のチップ(半導体チップ)を一つのパッケージに封止するいわゆるSiP(System In Package)では、チップ間の信号伝達はワイヤーボンディングやTSV(Thorough Si Via)等の導電体の接続により行なわれていた。
これに対し、チップ間の信号伝達を高速かつ低電力に実現する方式として、誘導結合方式によるチップ間通信技術が検討されている。これは、送信データを送信コイルに流す電流の変化に変換し、それに伴い誘起される磁界変化を受信側コイルで誘導起電力に変換することによって、データの送受信を行なう方式である。従来は導電体の機械的接続により信号通信を行なっていたのに対し、本方式では電磁界的にチップ間を接続するため機械的な接続が不要となる。従って、製造工程の簡単化が実現できる。また、本方式は、プロセス微細化に伴い回路実装面積を縮小できる点で、従来の機械的接続を伴う通信方式に対して有利である。
更に、三次元的にチップを積層する場合にも、コストや電気的特性の面で本方式は有利となる。従来の方式では、上下方向に積層される2つのチップを接続する場合、基板に向けて一方のチップをワイヤで接続し、そこから更に一方のチップから他方のチップに向けてワイヤ接続を行なうか、チップに穴を開けてチップ間を導電体で接続する(TSV)必要があった。この従来の方式は、いずれもコストや電気的特性の面で不利であった。これに対し本方式では、二つのチップを上下方向に重ねて送受信コイルの位置を合わせるだけで接続が完了する。また、磁界の強度を強めれば、3チップ以上の三次元積層にも対応できる。従って、本方式はコストや電気的特性の面で有利となる。
例えば、誘導結合方式によりチップ間通信を行う半導体装置が、非特許文献1や2、特許文献1や2に記載されている。なお、電磁波を送受信するRFタグ用の半導体装置として特許文献3も知られている。
国際公開第2007/086285号 特開2010−147557号公報 特開2008−160817号公報
N. Miura, D. Mizoguchi, M. Inoue, K. Niitsu, Y. Nakagawa, M. Tago, M. Fukaishi, T. Sakurai, and T. Kuroda,"A 1Tb/s 3W Inductive-Coupling Transceiver for Inter-Chip Clock and Data Link," IEEE International Solid-State Circuits Conference (ISSCC'06), Dig. Tech. Papers, pp. 424-425, Feb. 2006. Y. Yoshida, et al.,"Wireless DC Voltage Transmission Using Inductive-Coupling Channel for Highly-Parallel Wafer-Level Testing,"IEEE International Solid-State Circuits Conference (ISSCC'09), Dig. Tech. Papers, pp.470-472, Feb. 2009.
上記のように、特許文献1〜2及び非特許文献1〜2に記載のような従来の半導体装置では、誘導結合方式によりチップ間通信を行うことができる。この誘導結合方式は、送信データのH/L(ハイレベル/ローレベル)の変化に伴ってコイルに生じる誘導起電力を利用してデータを伝達する方式である。このため、従来の半導体装置では、変化の多いデータを伝達することは可能であるものの、長時間データが変化しないような変化の少ないデータでは誘導起電力が生じないためデータを伝達することが困難である。したがって、従来の半導体装置では、誘導結合方式を用いて精度よくデータを伝達することができないという問題がある。
なお、その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
一実施形態によれば、半導体装置は、第一の半導体チップと第二の半導体チップを備える。第一の半導体チップにおいて、クロック生成回路は送信データに応じて異なる周波数のクロック信号を生成し、送信回路は生成されたクロック信号を誘導結合方式により第二の半導体チップへ送信する。第二の半導体チップにおいて、受信回路は誘導結合方式により送信されたクロック信号を受信し、再生回路は受信したクロック信号の所定期間内のクロック数に応じて前記送信データを再生する。
前記一実施の形態によれば、誘導結合方式を用いて精度よくデータを伝達することができる。
実施の形態1にかかる半導体装置の例を示す構成図である。 実施の形態2にかかる半導体装置の具体例を示す構成図である。 実施の形態2にかかる送信回路及び受信回路の具体例を示す構成図である。 実施の形態2にかかる送信回路及び受信回路における具体的な信号波形の例を示すタイミングチャートである。 実施の形態2にかかるカウンタ及び判定機の具体例を示す構成図である。 実施の形態2において、入力信号の論理レベルが「H」である際の送信側チップ及び受信側チップにおける具体的な信号波形の例を示すタイミングチャートである。 実施の形態2において、入力信号の論理レベルが「L」である際の送信側チップ及び受信側チップにおける具体的な信号波形の例を示すタイミングチャートである。 実施の形態3にかかる半導体装置の具体例を示す構成図である。 実施の形態4にかかる半導体装置の具体例を示す構成図である。 実施の形態5にかかるマイコンチップとメモリチップの具体例を示す全体構成図である。 実施の形態5にかかるマイコンチップとメモリチップの他の具体例を示す全体構成図である。 実施の形態5にかかるマイコンチップとメモリチップの立体的な位置関係の具体例を示す立体図である。 実施の形態6にかかる半導体装置のSip構造の例を示す断面図である。 実施の形態6にかかる半導体装置のSip構造の他の例を示す断面図である。 実施の形態6にかかる3層チップ構造の例を示す断面図である。 実施の形態7にかかる非接触コネクタにおける送受信回路の例を示す構成図である。 実施の形態7にかかる送受信回路を適用したワイヤーハーネスのコネクタ部分の例を示す立体図である。 実施の形態8にかかる非接触コネクタにおける送受信回路の例を示す構成図である。 実施の形態8にかかる送受信回路を適用したワイヤーハーネスのコネクタ部分の例を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。なお、図面は簡略的なものであるから、この図面の記載を根拠として実施の形態の技術的範囲を狭く解釈してはならない。また、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
実施の形態1
図1は、実施の形態1にかかる半導体装置の例を示す構成図である。半導体装置1は、半導体チップ11(第1の半導体チップ)及び半導体チップ14(第2の半導体チップ)を備える。なお、半導体チップ11と半導体チップ14は半導体装置1内に積層されて設けられている。
半導体チップ11は、送信データINに応じたクロック信号を生成し、そのクロック信号を半導体チップ14に送信する回路である。半導体チップ11は、クロック生成回路12及び送信回路13を少なくとも有する。送信データINは、半導体チップ11内の回路によって生成されてもよいし、半導体チップ11外の回路によって生成されてもよい。
クロック生成回路12は、送信データINに応じて異なる周波数を有するクロック信号を生成する。例えば、クロック生成回路12は、送信データINの論理レベルが「H」と「L」のときとで、生成するクロック信号の周波数を変更する。
送信回路13は、クロック生成回路12が生成したクロック信号を誘導結合方式により半導体チップ14の受信回路15へ送信する。
半導体チップ14は、半導体チップ11から送信されたクロック信号を受信し、そのクロック信号に基づいて送信データINを生成して出力する回路である。半導体チップ14は、受信回路15及び再生回路16を少なくとも有する。
受信回路15は、送信回路13から誘導結合方式により送信されたクロック信号を受信する。
再生回路16は、受信回路15が受信したクロック信号の所定期間内のクロック数(クロック信号の1周期の波が繰り返される回数)に応じて送信データINを再生する。例えば、再生回路16は、所定期間内のクロック数をカウントし、そのカウント値が所定の閾値と一致しているか、あるいは所定の閾値よりも高いか低いか、といった判定を行うことによって送信データINを再生する。
以上の構成より、送信データINが長時間データの変化がないような信号(半導体装置1の電源投入後ずっと変化しない信号も含む)である場合でも、誘導結合方式を用いて精度よくデータを伝達することができる。これは、送信側の半導体チップで送信データINに応じて異なる周波数を有するクロック信号を生成し、そのクロック信号を受信側の半導体チップで受信する構成をとっているからである。例えば、送信データINの論理レベルが、入力信号が入力された時点から「H」又は「L」のままで長時間変化しないような場合であっても、送信回路13には交流信号であるクロック信号が流れるため、受信回路15はそのクロック信号を受信することができる。ここで、長時間とは、例えば秒程度のオーダーをいう。この場合、再生回路16はそのクロック信号の所定期間内のクロック数に応じて送信データINの論理レベルが「H」であるか「L」であるかを判定することにより、送信データINを再生する。
半導体装置1はこのような構成をとることにより、直流的な信号を通信する際にボンディングワイヤを用いる必要がなくなる。そのため、半導体装置1における回路実装面積の削減、又は組み立てコストの削減が可能となる。半導体チップ11、半導体チップ14においても同様の効果を奏する。
前述の通り、誘導結合方式は、磁界の変化による誘導起電力を伝達手段に用いている。そのため、周期的に変化するクロック信号や頻繁にH/Lが変化するようなデータ信号といった、いわゆる交流信号の伝達は比較的簡単に実現できる。一方、長時間データが変化しない(データがほとんど変化しない)ような、いわゆる直流的な信号の伝達は難しかった。直流的な信号を伝達するためには送受信機に特別な設計が必要であり、例えば非特許文献2のように非対称パルス信号の送受信を実行する複雑な回路が用いられていた(ただし、非特許文献2に開示された半導体装置の回路はDCレベルを誘導結合方式で伝達するものであり、単純に「H」と「L」の2値を伝達する回路ではない。)。
特に、従来において、電源投入後から一度も変化しないような直流信号を伝達することは難しかった。信号の変化が起こらないため、最初の信号の論理レベルが「L」なのか「H」なのかを受信側で判別できないからである。この場合は誘導結合方式による通信ではなく、ボンディングワイヤ等の導体による通信が用いられていた。
なお、直流的な信号の送受信に際し、信号の初期状態が「H」であるか「L」であるかを受信側のチップに判断させるために、初期状態において送信側のチップから受信側のチップに対してダミープロトコルを送信する技術も想定される。このダミープロトコルを受信側のチップが判定することにより、受信側のチップは初期状態の信号の論理レベルが「H」であるか「L」であるかを判定する。しかし、半導体装置にダミープロトコルを生成する機器及びダミープロトコルを判定する機器を設けるのは、回路実装面積が拡大してしまうため、望ましくなかった。そして、信号の変化が非常に少ない場合には、受信側チップにおけるノイズによる誤判定を防ぐため、受信側チップにおいてノイズ耐性のある素子又は機器を使用する必要があった。
その反面、実施の形態1における半導体装置では、伝達に際してノイズが発生しても、再生回路16で送信データINが誤って再生される可能性は低い。これは、ノイズが発生しても送信されるクロック信号の周波数の変化は起こりにくいためである。そのため、特許文献1、2に開示された信号伝送を実行する半導体装置と比較して、よりノイズに強い半導体装置を提供することができる。また、実施の形態1における半導体装置では、ノイズ耐性の厳しくないコイル等の素子又は機器を使用することができるため、半導体装置の設計に余裕を持たせることができる。半導体チップ11、半導体チップ14においても同様の効果を奏する。
実施の形態2
以下、実施の形態1に記載した半導体装置の具体的な構成例について述べる。図2は、実施の形態2にかかる半導体装置の具体例を示す構成図である。半導体装置2は、送信側チップ21及び受信側チップ25を備える。送信側チップ21と受信側チップ25は、適当な間隔をおいて隣接してもよいし、間に他のチップが設けられていてもよい。半導体装置の基板側に設けられるのは、送信側チップ21と受信側チップ25のいずれのチップでもよい。
送信側チップ21は、図1の半導体チップ11に対応するチップであり、1ビットのデータである送信データIN(第一の送信データ)及び入力クロックCLKが入力される。送信側チップ21は、送信データINの論理レベルに応じて異なる周波数を有するクロック信号を生成し、そのクロック信号を受信側チップ25に送信する。送信側チップ21は、分周回路22、2入力セレクタ23、送信回路24(第一の送信回路)を少なくとも有する。分周回路22及び2入力セレクタ23は図1におけるクロック生成回路12に対応し、送信回路24は図1における送信回路13に対応する。
入力クロックCLKを発振する発振回路は送信側チップ21に設けられていてもよいし、他のチップに設けられていてもよい。また、入力クロックCLKは、半導体装置2において、2入力セレクタ23に出力される以外にも他の素子に入力される(即ち他の用途に使用される)クロック信号でもよい。なお、図2において、入力クロックCLKは10MHzのクロック信号である。
分周回路22は、入力クロックCLKを2分周して、クロックH_CLK(周波数が5MHzのクロック信号)を生成し、2入力セレクタ23の一方の入力端子に出力する回路である。分周回路22は、D−フリップフロップ221及びインバータ222を有する。
D−フリップフロップ221のCK端子(クロック入力端子)には入力クロックCLKが入力され、D端子(入力端子)には、インバータ222により反転されたD−フリップフロップ221の出力信号が入力される。そして、D−フリップフロップ221はQ端子から、2入力セレクタ23の一方の入力端子に出力信号を出力する。この構成により、分周回路22は、入力クロックCLKの周波数を半分にしたクロックH_CLKを、2入力セレクタ23の一方の入力端子に出力することができる。
2入力セレクタ23は、入力クロックCLK及びクロックH_CLKが入力されるマルチプレクサ(2MUX)である。ここで入力クロックCLKは入力端子23a(図2において「1」と記載された入力端子)に入力され、クロックH_CLKは入力端子23b(図2において「0」と記載された入力端子)に入力される。なお、2入力セレクタ23の構成は、公知の2入力セレクタの構成であればいかなるものでもよい。
2入力セレクタ23は、送信データINの論理レベルに応じて出力するクロック信号を切り替え、送信クロックTX_CLKとして出力する。具体的には、2入力セレクタ23は、送信データINの論理レベルが「H」であった場合には、入力端子23aに入力された信号を出力する。2入力セレクタ23は、送信データINの論理レベルが「L」であった場合には、入力端子23bに入力された信号を出力する。つまり、2入力セレクタ23は、送信データINの論理レベルが「H」であった場合には入力クロックCLKを選択して送信クロックTX_CLKとして出力し、送信データINの論理レベルが「L」であった場合にはクロックH_CLKを選択して送信クロックTX_CLKとして出力する。
送信回路24は、2入力セレクタ23からの送信クロックTX_CLKを、誘導結合方式により受信側チップ25内の受信回路26に送信する。送信回路24は電流出力回路241及び送信コイル242(第一の送信コイル)を有している。電流出力回路241は、送信コイル242に送信クロックTX_CLKに応じた電流を出力する。送信クロックTX_CLKが変化することにより、送信コイル242に流れる電流が変化するため、送信コイル242に生ずる磁界が変化する。そしてその磁界変化が受信コイル261に伝達される。これにより、送信コイル242は受信コイル261に対して送信クロックTX_CLKを送信することができる。
受信側チップ25は、送信コイル242が発生する磁界の変化に基づいて送信データINを再生して、出力信号OUTとして出力する。受信側チップ25は、受信回路26(第一の受信回路)、カウンタ27、判定機28を少なくとも有する。受信回路26は図1における受信回路15に対応し、カウンタ27及び判定機28は図1における再生回路16に対応する。
受信回路26は、送信回路24の送信コイル242が発生する磁界の変化に応じて受信クロックRX_CLKを出力する。受信回路26は、送信コイル242が発生する磁界の変化に応じて(すなわち送信コイル242に流れた電流に応じて)、電流が流れ、その電流により電圧が誘起される受信コイル261(第一の受信コイル)を有する。この受信コイル261により受信回路26は受信クロックRX_CLKを受信する。
図3は、送信回路24、受信回路26の具体例を示す構成図である。電流出力回路241は、インバータ243、244及び245を有する。なお、前述の通り、送信回路24と受信回路26とは異なるチップに生成される。
インバータ243は、PMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であるトランジスタP1と、NMOSFETであるトランジスタN1とを有し、トランジスタP1とトランジスタN1とが接続されることにより構成されている。なお、電源電圧側にトランジスタP1が接続され、接地側にトランジスタN1が接続されているため、トランジスタP1及びトランジスタN1はCMOS回路を構成している。具体的には、トランジスタP1のソースには電源電圧が接続されており、ゲートには送信クロックTX_CLKが出力され、ドレインにはトランジスタN1のドレインが接続されている。そして、トランジスタN1のゲートには送信クロックTX_CLKが出力され、ソースには接地電圧が接続されている。さらに、トランジスタP1のドレインとトランジスタN1のドレインとの間(端子243a)には送信コイル242の一端が接続されている。
インバータ244、245も、インバータ243と同様にPMOSFETとNMOSFETを1個ずつ有している。また、インバータ244、245におけるPMOSFETとNMOSFETの接続関係もインバータ243と同様である。トランジスタP2のゲート及びトランジスタN2のゲートには送信クロックTX_CLKが出力され、トランジスタP1のドレインとトランジスタN1のドレインとの間にはトランジスタP3のゲート及びトランジスタN3のゲートが接続されている。さらに、トランジスタP3のドレインとトランジスタN3のドレインとの間(端子245a)には送信コイル242の他端が接続されている。
電流出力回路241において送信クロックTX_CLKは2分割されて、一方がインバータ243に出力され、他方がインバータ244に出力される。インバータ243は、送信クロックTX_CLKに応じて、電流を送信コイル242の一端に出力する。インバータ244も、送信クロックTX_CLKに応じて電流を出力する。さらにインバータ245は、インバータ244の出力した電流に応じて、電流を送信コイル242の他端に出力する。以上の送信回路24の構成により、送信コイル242に流れる送信電流I(送信電流Iの流れる向きは、インバータ243からインバータ244への方向である)は、送信クロックTX_CLKの値に応じて変化する。
受信回路26は、受信コイル261及び差動増幅回路262(クロック出力回路)を備える。受信コイル261においては、送信コイル242に流れる送信電流Iの変化によって生じる磁界変化に応じて、誘導起電力が発生する。受信コイル261には、バイアス電圧Vが与えられている。そのため、誘導起電力にバイアス電圧Vを付加した信号電圧Vが、後述するトランジスタP4のゲート及びトランジスタN4のゲートに出力される。
差動増幅回路262は、PMOSFETであるトランジスタP4、P5、P6、P7と、NMOSFETであるトランジスタN4、N5を有する。
トランジスタP4のソースとP5のソースには共通の電源電圧が接続されている。トランジスタP4のゲートには受信コイル261の一端から出力された信号電圧Vが入力され、トランジスタP4のドレインはトランジスタN4のドレインと接続されている。トランジスタP5のゲートには、トランジスタP6のドレイン及びP7のドレインが接続され、トランジスタP5のドレインはトランジスタN4のドレインと接続されている。なお、トランジスタP4のドレイン及びP5のドレインからは、受信クロックRX_CLKが出力される。
トランジスタN4のドレインには、トランジスタP4のドレイン及びトランジスタP5のドレインが接続されている。トランジスタN4のゲートには受信コイル261の一端から出力された信号電圧Vが入力されており、トランジスタN4のソースには接地電圧が接続されている。さらに、トランジスタP4のドレイン及びトランジスタP5のドレインから出力される信号は、受信クロックRX_CLKとして受信回路26から出力されるほか、トランジスタP7のゲートに入力される。なお、トランジスタP4及びトランジスタN4は端子262aによって受信コイル261と接続されている。
トランジスタP6のソースとP7のソースには共通の電源電圧が接続されている。トランジスタP6のゲートには受信コイル261の他端から出力されたバイアス電圧Vが入力されており、トランジスタP6のドレインはトランジスタN5のドレインと接続されている。トランジスタP7のゲートには、受信クロックRX_CLKが入力され、トランジスタP7のドレインはトランジスタN5のドレインと接続されている。
トランジスタN5のドレインには、トランジスタP6のドレイン及びトランジスタP7のドレインが接続されている。トランジスタN5のゲートには受信コイル261の他端から出力されたバイアス電圧Vが入力されており、トランジスタN5のソースには接地電圧が接続されている。なお、トランジスタP6及びトランジスタN5は端子262bによって受信コイル261と接続されている。
図4は、送信回路24及び受信回路26における具体的な信号波形の例を示すタイミングチャートである。図4(a)、(b)はそれぞれ、送信回路24における送信クロックTX_CLK、送信電流Iの波形を示している。図4(c)、(d)はそれぞれ、受信回路26における信号電圧V、受信クロックRX_CLKの波形を示している。以下、図4を用いて、送信回路24及び受信回路26の具体的な動作について説明する。
図4の初期時刻t0において、送信クロックTX_CLKは「L」の状態である。このとき、インバータ243のトランジスタP1はオンの状態に、トランジスタN1はオフの状態になるため、インバータ243は電流を出力する。また、インバータ244のトランジスタP2もオンの状態に、トランジスタN2もオフの状態になるため、インバータ244は電流を出力する。それにより、インバータ245のトランジスタP3のゲート及びトランジスタN3のゲートには「H」の電圧が入力されるため、トランジスタP3はオフの状態に、トランジスタN3はオンの状態になる。そのため、インバータ245は電流を出力しない。従って、インバータ243は電流を出力し、インバータ245は電流を出力しないため、送信電流Iは「H」の状態になる。ここで、送信コイル242には端子243aから端子245aへの向き(図3における下方向)に磁界が発生する。なお、トランジスタP1が出力した電流はトランジスタN3のドレインからソースへと出力される。
なお、時刻t0において、信号電圧Vはバイアス電圧Vと同じ値であり、受信クロックRX_CLKは「L」の状態である。受信クロックRX_CLKが「L」の状態であるため、トランジスタP7はオンの状態、トランジスタP5はオフの状態である。また、受信コイル261には、送信コイル242に発生する磁界により、端子262bから端子262aへの向き(図3における上方向)に磁界が生ずる。
時刻t1において、送信クロックTX_CLKは「L」の状態から立ち上がりを開始する。これにより、インバータ243から出力される電流が減少し、インバータ245から電流が出力され始める。なお、インバータ243、244及び245において、入力電圧の変化に応じて出力電流が変化するのには所定の時間がかかる。そのため、送信電流Iは、送信クロックTX_CLKの立ち上がり開始から時間差をおいて(図4では時刻t2で)立下りを開始する。
送信電流Iが立下るということは、送信コイル242に流れる電流の方向が、端子243aから端子245aへの向きから、端子245aから端子243aへの向きへ変化することを意味する。そのため、送信コイル242内に発生する磁界は、端子243aから端子245aへの向きから、端子245aから端子243aへの向き(図3における上方向)に変化する。
送信コイル242内に発生する磁界がこのように変化することにより、受信コイル261内に生ずる磁界は、端子262aから端子262bへの向き(図3における下方向)への磁界に変化する。そのため、受信コイル261には、端子262bから端子262aへの向きに誘導電流と誘導起電力が生ずる(電圧が誘起する)。このようにして、時刻t2において、信号電圧Vがバイアス電圧Vから立下り始める。
信号電圧Vの立下りにより、差動増幅回路262のトランジスタP4のゲート及びトランジスタN4のゲートに入力される電圧は「L」に、トランジスタP6のゲート及びトランジスタN5のゲートに入力される電圧は「H」になる。このため、トランジスタP4はオン、トランジスタN4はオフの状態に移行し、トランジスタP6はオフ、トランジスタN5はオンの状態に移行する。
トランジスタP4がオンの状態になることにより、差動増幅回路262は時刻t3において、出力する受信クロックRX_CLKを「L」から「H」に変化させ始める。これにより、トランジスタP7のゲートに入力される電圧が「L」から「H」になるため、トランジスタP7はオンからオフの状態に移行する。それにより、トランジスタP6及びP7が出力する電圧は「L」となるため、トランジスタP5はオンの状態になる。
なお、差動増幅回路262において、以上のように信号電圧Vの変化に応じて出力電圧が変化するのには所定の時間がかかる。そのため、受信クロックRX_CLKは、信号電圧Vの立下りの開始から時間差をおいて(図4では時刻t3で)立ち上がりを開始する。
送信クロックTX_CLKは時刻t2において、立ち上がりを終えて「H」の状態になり、時刻t5まで値は変化しない。送信クロックTX_CLKの値が変化しなくなるため、送信電流Iは時刻t3で立下りを止める。送信電流Iは、時刻t2までは正の値であったが、時刻t3では負の値となる。ここで、インバータ243からは電流が出力されず、電流はインバータ245から出力される。前述と同様、送信クロックTX_CLKの立ち上がりの停止と、送信電流Iの立下りの停止には時間差が存在する。
時刻t3において送信電流Iの値が変化しなくなるため、送信コイル242内から発生する磁界の向きは変化しなくなる。つまり、受信コイル261内に生ずる磁界の向きも変化しなくなる。そのため、時刻t2で立下り始めた信号電圧Vの値は、時刻t3でバイアス電圧Vに戻る。
時刻t3で信号電圧Vの値がバイアス電圧Vに戻ることに応じて、受信クロックRX_CLKは時刻t4で立ち上がりを停止する。
なお、時刻t4以降でも(信号電圧Vの値がバイアス電圧Vに戻っても)、差動増幅回路262においてトランジスタP7はオフの状態を、トランジスタP5はオンの状態を維持する。そのため、受信クロックRX_CLKは立ち下がることなく、「H」の値を保持する(ラッチする)。ここで、受信クロックRX_CLKの立ち上がりの値は、送信クロックTX_CLKの変化に応じた信号電圧Vの立下りの値から増幅されている。
次に時刻t5において、送信クロックTX_CLKは「H」の状態から立下りを開始する。これにより、インバータ245から出力される電流が減少し、インバータ243から電流が出力され始めるため、送信電流Iは、送信クロックTX_CLKの立下り開始から時間差をおいて(時刻t6において)立ち上がりを開始する。これにより、送信コイル242に流れる電流の方向が端子243aから端子245aへの向きに変化するため、送信コイル242内に発生する磁界は端子243aから端子245aへの向きに変化する。これにより、受信コイル261内に生ずる磁界が、端子262aから端子262bへの向きに変化する。
受信コイル261には、端子262aから端子262bへの向きに誘導電流と誘導起電力が生ずる。このようにして、時刻t6において、信号電圧Vはバイアス電圧Vの値から立ち上がる。
信号電圧Vの立ち上がりにより、差動増幅回路262は、前述した信号電圧Vの立下りの際の動作とは逆の動作をする。これにより、差動増幅回路262は時刻t6から時間をおいた時刻t7において、受信クロックRX_CLKを「H」から「L」に立ち上げて出力する。
時刻t6において、送信クロックTX_CLKは立下りを終えて「L」の状態になる。送信クロックTX_CLKの値が変化しなくなるため、送信電流Iは時刻t7において立ち上がりを止める。送信電流Iは、時刻t6までは負の値であったが、時刻t7では正の値となる。前述と同様、送信クロックTX_CLKの立下りの停止と、送信電流Iの立ち上がりの停止には時間差が存在する。
時刻t7において送信電流Iの値が変化しなくなるため、送信コイル242内から発生する磁界の向きは変化しなくなる。つまり、受信コイル261内に生ずる磁界の向きも変化しなくなる。そのため、時刻t7で信号電圧Vの値はバイアス電圧Vに戻る。時刻t7で信号電圧Vの値がバイアス電圧Vに戻ることに応じて、受信クロックRX_CLKは時刻t8で立下りを停止する。
なお、信号電圧Vの値がバイアス電圧Vに戻っても、差動増幅回路262においてトランジスタP7はオンの状態を、トランジスタP5はオフの状態を維持する。そのため、受信クロックRX_CLKは立ち上がることなく、「L」の値を保持する(ラッチする)。ここで、受信クロックRX_CLKの立下りの値は、送信クロックTX_CLKの変化に応じた信号電圧Vの立ち上がりの値から増幅されている。
以上のようにして、送信回路24は送信クロックTX_CLKを送信し、受信回路26(差動増幅回路262)は受信コイル261に誘起された信号電圧Vに基づいて受信クロックRX_CLKを出力する。この受信クロックRX_CLKは、送信クロックTX_CLKと同じ波形を有する。
図2に戻り、半導体装置2の構成の説明を続ける。カウンタ27には、受信回路26が出力した受信クロックRX_CLKと、周波数計測用参照クロックCLKX(以下、参照クロックCLKXと記載)とが入力される。カウンタ27は、参照クロックCLKXの1サイクル間における受信クロックRX_CLKのクロック数をカウントして、判定機28にそのカウント値C_VALUEを出力する。なお、参照クロックCLKXを発振する発振器は、受信側チップ25に設けられていてもよいし、他のチップに設けられていてもよい。ここで、参照クロックCLKXの1サイクルは1マイクロ秒である。
判定機28は、カウンタ27の出力値が、あらかじめ決められた閾値よりも大きな値か、それとも小さな値かを判定する。判定機28は、この判定結果に基づいて、論理レベルが「H」の出力信号OUT、又は論理レベルが「L」の出力信号OUTを出力する。
図5を用いて、カウンタ27、判定機28の具体的な構成を示す。カウンタ27は、インバータ271、272、273、ANDゲート274、非同期リセット付きD−フリップフロップ275、276、277、278、D−フリップフロップ279を有する。
インバータ271、272、273は直列に接続されている。インバータ271は、入力された参照クロックCLKXの反転信号をインバータ272に出力する。インバータ272は、入力された信号を反転してインバータ273に出力する。インバータ273は入力された信号を反転してANDゲート274の一方の端子に出力する。つまり、インバータ273は参照クロックCLKXの反転信号をANDゲート274の一方の端子に出力する。ANDゲート274の他方の端子には、参照クロックCLKXが入力される。ANDゲート274は、インバータ273が出力する信号と参照クロックCLKXとの論理和をとり、非同期リセット信号として非同期リセット付きD−フリップフロップ275、276、277、278に出力する。
非同期リセット付きD−フリップフロップ275のCK端子には受信クロックRX_CLKが入力され、R端子にはANDゲート274が出力した非同期リセット信号が入力される。非同期リセット付きD−フリップフロップ275のQB端子とD端子とは接続されており、Q端子からの出力は非同期リセット付きD−フリップフロップ276のCK端子及びD−フリップフロップ279のD端子に入力される。
非同期リセット付きD−フリップフロップ276のCK端子には非同期リセット付きD−フリップフロップ275のQ端子からの出力信号が入力され、R端子にはANDゲート274が出力した非同期リセット信号が入力される。非同期リセット付きD−フリップフロップ276のQB端子とD端子とは接続されており、Q端子からの出力は非同期リセット付きD−フリップフロップ277のCK端子及びD−フリップフロップ279のD端子に入力される。
非同期リセット付きD−フリップフロップ277、278は、非同期リセット付きD−フリップフロップ275、276と直列に接続されており、非同期リセット付きD−フリップフロップ275、276と同様の接続関係を有している。なお、非同期リセット付きD−フリップフロップ278のQ端子からの出力はD−フリップフロップ279のD端子のみに入力される。
D−フリップフロップ279のCK端子には参照クロックCLKXが入力され、D端子には非同期リセット付きD−フリップフロップ275〜278の出力信号4つが入力される。D−フリップフロップ279はこれらの入力信号に基づいて、Q端子からカウント値C_VALUEを出力する。
判定機28は、レジスタ281及び比較器282を有する。レジスタ281は、判定機28が判定に用いる閾値を保持し、比較器282にその保持する値を出力する。なお、レジスタ281は保持する値が固定されていてもよいし、保持する値が後から書き換え可能であってもよい。後者の場合、レジスタ281は例えばD−フリップフロップで構成されてもよいし、ヒューズメモリ素子で構成されてもよい。
比較器282は、D−フリップフロップ279が出力した受信クロックRX_CLKのカウント値C_VALUEと、レジスタ281が出力した閾値との大小を比較して、論理レベルが「H」又は「L」のデジタル信号を出力する。
図6を用いて、送信データINの論理レベルが「H」である際の送信側チップ21及び受信側チップ25における具体的な信号波形の例について説明する。図6は、各信号の波形を示すタイミングチャートである。図6の(a)、(b)、(c)は、それぞれ送信側チップ21における入力クロックCLK、送信データIN及び送信クロックTX_CLKの具体例を示している。
図6において送信側チップ21から受信側チップ25に伝達すべき送信データINは、論理レベルが「H」の直流信号である。2入力セレクタ23は、送信データINの論理レベルが「H」であることに応じて、入力クロックCLKを選択し、送信クロックTX_CLKとして出力する。従って、送信クロックTX_CLKは入力クロックCLKと同じ周波数のクロック信号となる。送信回路24内の送信コイル242は、この送信クロックTX_CLKの立ち上がり及び立下りに応じて、発生する磁界を変化する。なお、図6の送信クロックTX_CLKの周波数は10MHzである。
図6の(d)、(e)、(f)、(g)、(h)は、それぞれ受信側チップ25における電源電圧、受信クロックRX_CLK、参照クロックCLKX、カウント値C_VALUE、出力信号OUTの具体例を示している。なお、図4で示した通り、送信クロックTX_CLKと受信クロックRX_CLKとの間には若干の時間差があるが、図6ではその時間差についての図示は省略している。図7でも、時間差についての図示は同様に省略している。
初期時刻t10において、送信側チップ21は既に電源電圧が「H」の状態となって動作中であり、2入力セレクタ23は送信クロックTX_CLKを出力している。しかし、受信側チップ25の電源電圧はまだ「L」の状態のままである。そのため、受信回路26は動作しておらず、受信回路26は受信クロックRX_CLKを受信していない。
時刻t11において、受信側チップ25における電源電圧が「L」から「H」の状態に立ち上がり始める。時刻t12は、電源電圧が完全に「H」になる途中の状態を示している。
時刻t13は、電源電圧が完全に「H」となった時刻を示している。しかし、時刻t13では電源電圧が安定して受信側チップ25に供給されていないため、受信回路26等はまだ動作していない。
時刻t14は、電源投入後、電源電圧が安定して供給された時刻を示している。このときに、受信回路26が動作を始め、受信クロックRX_CLKが受信回路26から出力される。この受信クロックRX_CLKは送信クロックTX_CLKと、誤差又は許容範囲内の数値においてのみ位相、振幅等が変化する信号であり、図6中では送信クロックTX_CLKと同じ信号として図示している。以下、受信クロックRX_CLKは送信クロックTX_CLKと「ほぼ同じ信号」と記載する。これは図7においても同様である。
時刻t15において、参照クロックCLKXがカウンタ27に入力される。ここで、ANDゲート274の一方の端子には、「H」である参照クロックCLKXが入力される。ANDゲート274の他方の端子には、直前の参照クロックCLKXの値であった「L」を反転した「H」の値を有する信号が入力される。そのため、ANDゲート274が出力する非同期リセット信号は「L」から「H」に変化する。この非同期リセット信号の変化により、非同期リセット付きD−フリップフロップ275〜278は、R端子に出力される非同期リセット信号が「H」になるため、リセット状態になる。
非同期リセット付きD−フリップフロップ275〜278がリセットされた直後、インバータ273は参照クロックCLKXを反転した信号(論理レベルが「L」の信号)を出力する。そのため、ANDゲート274が出力する非同期リセット信号は「H」から「L」に変化する。これにより、非同期リセット付きD−フリップフロップ275〜278はリセット状態から解除され、カウントを行うことが可能な状態になる。
カウンタ27は参照クロックCLKXの1サイクル内(時刻t15〜t16)において、受信クロックRX_CLKのクロック数をカウントする。
参照クロックCLKXの2サイクル目が開始された時刻t16において、参照クロックCLKXは「L」から「H」に立ち上がるため、カウンタ27はD端子に出力された値(クロック数)をカウント値C_VALUEとしてQ端子から出力する。この場合、カウンタ27は、クロック数「10」をカウント値C_VALUEとして出力する。前述の通り、受信クロックRX_CLKの周波数が10MHz、参照クロックCLKXの1サイクルが1マイクロ秒であるため、参照クロックCLKXの1サイクル内におけるRX_CLKのクロック数が10回となるからである。
なお、時刻t15のときと同様、非同期リセット付きD−フリップフロップ275〜278は、R端子に出力される非同期リセット信号が「H」になるため、リセット状態になる。そしてその直後、ANDゲート274が出力する非同期リセット信号は「H」から「L」に変化するため、非同期リセット付きD−フリップフロップ275〜278はリセット状態から解除され、カウントを行うことが可能な状態になる。ここで、クロック数「10」をカウント値C_VALUEとして確実に出力するためには、カウンタ27がクロック数「10」をカウント値C_VALUEとして出力した後に、非同期リセット付きD−フリップフロップ275〜278がリセット状態となるようにカウンタ27が構成されるのがより望ましい。
カウンタ27が出力したクロック数が判定機28に入力されることにより、判定機28は、出力されたクロック数と、あらかじめ決めておいた閾値(この例では「7」)とを比較する。この例ではクロック数「10」は「7」よりも大きいため、判定機28は出力信号OUTとして「H」を出力する。なお、閾値は、前述の通りレジスタ281に保持されている。
カウンタ27は、参照クロックCLKXの2サイクル目(時刻t16〜t17)においても、受信クロックRX_CLKのクロック数をカウントする。そして、時刻t17〜t18においても、カウンタ27はクロック数「10」をカウント値C_VALUEとして出力する。判定機28はそのクロック数に応じて、出力信号OUTとして「H」を出力する。この一連の動作により、電源投入後、送信側チップ21から受信側チップ25に論理レベル「H」の直流信号が伝達される。
次に図7を用いて、送信データINの論理レベルが「L」である際の送信側チップ21及び受信側チップ25における具体的な信号波形の例について説明する。図7の(a)、(b)、(c)は、それぞれ送信側チップ21における入力クロックCLK、送信データIN及び送信クロックTX_CLKの具体例を示している。
図7において送信側チップ21から受信側チップ25に伝達すべき送信データINは、論理レベルが「L」の直流信号である。2入力セレクタ23は、送信データINの論理レベルが「L」であることに応じて、分周回路22が出力するクロックH_CLKを選択し、送信クロックTX_CLKとして出力する。従って、送信クロックTX_CLKの周波数はCLKの周波数の半分となる。送信回路24内の送信コイル242は、この送信クロックTX_CLKの立ち上がり及び立下りに応じて発生する磁界を変化させる。なお、図7の送信クロックTX_CLK(すなわち、分周回路22が出力するクロックH_CLK)の周波数は5MHzである。
図7の(d)、(e)、(f)、(g)、(h)は、それぞれ受信側チップ25における電源電圧、受信クロックRX_CLK、参照クロックCLKX、カウント値C_VALUE、出力信号OUTの具体例を示している。
図6と同様、図7では受信側チップ25が電源投入直後の状態が示されている。時刻t10〜t14の状況については、図6と同様である。電源投入後、電源電圧が安定して供給されると(時刻t14以降)、受信回路26が動作を始め、受信クロックRX_CLKが出力される。この受信クロックRX_CLKは、前述の通り送信クロックTX_CLKとほぼ同じ信号である。
カウンタ27は、参照クロックCLKXの1サイクル内における受信クロックRX_CLKのクロック数をカウントする。時刻t16において、カウンタ27は、クロック数「5」を出力値として出力する。これは、受信クロックRX_CLKの周波数が5MHzであり、参照クロックCLKXの1サイクルは1マイクロ秒であるため、参照クロックCLKXの1サイクル内におけるRX_CLKのクロック数が5回となるからである。クロック数「5」が判定機28に入力されることにより、判定機28は、出力されたクロック数と、あらかじめ決めておいた閾値(この例では「7」)とを比較する。
この例ではクロック数「5」は「7」よりも小さいため、判定機28は出力信号OUTとして「L」を出力する。この一連の動作により、電源投入後、送信側チップ21から受信側チップ25に論理レベル「L」の直流信号が伝達される。
以上の構成では、セレクタ23が、1ビットの送信データINの論理レベルに応じて異なるクロック周波数のクロック信号を選択し、送信回路24に出力している。そのため、送信データINの論理レベルを、誘導結合方式を用いて精度良く伝達することが可能となる。また、信号通信の際にボンディングワイヤを用いる必要がないため、半導体装置2における回路実装面積の削減、又は組みたてコストの削減が可能となる。さらに、特許文献1、2に開示された信号伝送を実行する半導体装置と比較して、よりノイズに強い半導体装置(半導体チップ)を提供することができる。
送信側チップ21は、分周回路22及びセレクタ23を備えることにより、送信データINに応じて異なる周波数のクロック信号を生成することを簡易な回路構成で実現することができる。特に、図2の分周回路22のように入力されたクロック信号を2分周して出力する場合には、分周回路の構成をより簡易にすることができる。
受信側チップ25は、カウンタ27及び判定機28を備えることにより、送信データINの再生を簡易な回路構成で実現することができる。
送信回路24、受信回路26は送信コイル242及び受信コイル261によりクロック信号を送受信することにより、クロック信号の送受信を簡易な回路構成で実現することができる。
送信データINは、受信側チップ25の動作モードを決定するモード信号や、受信側チップ25の動作をリセットするリセット信号、受信側チップ25で用いられる周波数を変換する周波数変換信号がその一例である。換言すれば、送信側チップ21が受信側チップ25の動作を制御する制御信号が送信データINの例として挙げられる。
なお、以上に示した実施の形態2にかかる半導体装置は、適宜構成又は動作の変更が可能である。図6、図7では、図の簡単化のため、参照クロックCLKXの1サイクル内に受信クロックRX_CLKの立ち上がり・立下りが10回又は5回変化する例を説明した。しかし、入力クロックCLKの周波数をより高くすることにより、カウンタ27の出力値をより大きなクロック数にすることが可能である。例えば、入力クロックCLKの周波数を100MHzとすることにより、2入力セレクタ23は送信データINが「H」である場合に100MHzのクロック信号、送信データINが「L」である場合に50MHzのクロック信号を出力してもよい。このように、送信データINが「H」である場合の送信クロックTX_CLKの周波数と、送信データINが「L」である場合の送信クロックTX_CLKの周波数との差をより大きくすることによって、半導体装置2をノイズに対してより信頼性の高い構成とすることができる。
送信データINが「H」の際の送信クロックTX_CLKの周波数は、送信データINが「L」の際の送信クロックTX_CLKの周波数よりも大きいとしたが、周波数の大小関係はこの逆でもよい。
閾値は、参照クロックCLKXの1サイクル内における入力クロックCLKのクロック数(第1の回数)と、参照クロックCLKXの1サイクル内におけるクロックH_CLKのクロック数(つまり前述の第1の回数の半分)の間の値であれば、いかなる値でもよい。ただし、閾値を第1の回数と第2の回数の中間(又は中間付近)の値にすれば、判定の精度が向上する。つまり、外部からの擾乱によりカウント数が多少前後しても、正しく判定できる確からしさがより高まる。
さらに、クロック数が所定の範囲内であった場合に、送信データINの論理レベルが「H」又は「L」であると判定してもよい。この「所定の範囲」は、所定の閾値により設定される。例えば、判定機28は、カウントされたトグル数が9〜11回である場合に送信データINの論理レベルが「H」であると判定し、カウントされたトグル数が4〜6回である場合に送信データINの論理レベルが「L」であると判定してもよい。このような判定機28において設定される閾値については、送信データINの論理レベルが「H」及び「L」の場合において2入力セレクタ23が出力するクロック信号のクロック周波数に基づいて決定される。閾値のデータは、判定機28内にあるレジスタ又はメモリに格納されていてもよいし、判定機28とは別に設けられたレジスタ又はメモリに格納されていてもよい。判定機28は、そのレジスタ又はメモリから閾値のデータを取得して、カウンタ27から出力されたクロック数のデータと比較することにより、送信データINの論理レベルを判定する。
図6、図7において、送信側チップ21は、受信側チップ25の電源電圧が安定して「H」の状態になる前に、受信側チップ25に対して送信データINに応じた送信クロックTX_CLKを送信している。つまり、送信側チップ21の電源電圧は、受信側チップ25の電源電圧よりも先に「H」の状態になっている。ここで送信側チップ21の電源電圧は、受信側チップ25の電源電圧が「H」の状態になるのと同時に、又はその後に「H」の状態になってもよい。
ただし、以下の理由から、受信側チップ25の電源電圧が安定して「H」の状態になる前に、送信側チップ21の電源電圧が安定して「H」の状態になって、送信データINに応じた送信クロックTX_CLKが送信されることがより望ましい。受信側チップ25において、電源電圧が立ち上がってから安定して「H」の状態になるまでに、受信側チップ25では電源電圧が立ち上がったことを受けてリセットがなされる。その後、受信側チップ25の電源電圧が安定して「H」の状態になったときに、受信回路26は信号の受信を開始する。ここで、受信側チップ25の電源電圧が安定して「H」の状態になっても送信クロックTX_CLKが送信されない場合には、受信側チップ25で受信する信号は不定になってしまう。それを避けるためには、受信側チップ25の電源電圧が安定して「H」の状態になるまでに、送信データINに応じた送信クロックTX_CLKが送信されるのがよい。
なお、送信側チップ21の電源と受信側チップ25の電源は別個であってもよいし、共通の電源を使用してもよい。
送信回路24、受信回路26の具体的な構成は、図3に示した構成に限らない。例えば送信回路24は、送信クロックTX_CLKの値が「H」又は「L」に変化する度に、パルス電流を送信コイル242に流すようにしてもよい。ここでパルス電流の向きは、送信クロックTX_CLKの値が「H」又は「L」に変化することに応じて異なる向きとなる。受信回路26は、受信コイル261に誘起された電圧に応じて、受信クロックRX_CLKを出力する。このようにして、送信回路24が送信クロックTX_CLKに応じた電流を送信コイル242に流し、受信コイル261には送信コイル242に流れた電流に応じて電圧が誘起されるようにしても、送信回路24及び受信回路26は送信クロックTX_CLKを送受信することができる。
カウンタ27、判定機28の具体的な構成は、図5に示した構成に限らない。例えば、カウンタ27は、カウンタ27内部に時間を計測するタイマを備えてもよい。その場合、カウンタ27は、外部から入力される参照クロックCLKXではなくタイマが計測した所定の時間に基づいて、受信クロックRX_CLKのクロック数をカウントする。またカウンタ27は、非同期リセット付きD−フリップフロップを4個ではなく、3個以下、又は5個以上備えていてもよい。つまり、カウンタ27が計測できるクロック数は4ビットに限られない。
分周回路22の回路構成は、図2に示した構成には限らない。例えば、D−フリップフロップでなく、他の回路素子により構成されていてもよい。
分周回路22は入力クロックCLKの周波数を半分にしたクロックH_CLKを出力するが、出力する信号の周波数はこの値に限らず、他の値(例えば入力クロックCLKの周波数の1/3倍、1/4倍など)に変更してもよい。さらに、入力クロックCLKの周波数を変えて2入力セレクタ23に出力する回路は、分周回路でなくてもよい。例えば、入力クロックCLKに基づいて入力クロックCLKよりも低周波数又は高周波数の1つのクロック信号を生成する周波数変換回路が、分周回路22の代わりに設けられてもよい。
さらに、分周回路22の代わりに、異なる周波数を有する2つのクロック信号を生成し、その1つを2入力セレクタ23に出力するクロック信号出力回路が設けられてもよい。
実施の形態3
実施の形態2における分周回路22は半導体装置2において必須ではなく、設けなくてもよい。図8は、半導体装置2の他のバリエーションを示す構成図である。
図2と図8とを比較すると、図8では分周回路22がない代わりに、2入力セレクタ23に入力される入力クロックがCLK0、CLK1と2系統になっている。入力クロックCLK1は入力端子23aに入力され、クロックH_CLKは入力端子23bに入力される。ここで入力クロックCLK0の周波数は入力クロックCLK1の周波数の半分である。その他の構成については図2と同様であるため、説明を省略する。
入力クロックCLK1及び入力クロックCLK0を生成するクロック信号生成回路は、送信側チップ21以外のチップに設けられている。ここで、つまり、入力クロックCLK1及び入力クロックCLK0は、送信側チップ21又は半導体装置2内の他のチップにおいて使用される(2入力セレクタ23以外の素子に入力される)クロック信号であってもよい。
半導体装置2を図8に示した構成にしても、図6、図7に示した動作と同様の動作が実行される。そのため、実施の形態2に記載した半導体装置2と同様の効果を奏する。さらに、図2において送信データINの送信のためだけに必要であった分周回路22は、図8では設ける必要はないため、半導体装置2(送信側チップ21)の回路面積を削減することができる。
なお、入力クロックCLK0の周波数は入力クロックCLK1の周波数の半分に限らず、他の値をとることもできる。その他、図8に示した半導体装置2は、実施の形態2に示した構成又は処理の変更が可能である。
実施の形態4
以下、実施の形態1に記載した半導体装置の具体的な構成例についてさらに述べる。図9は、実施の形態4にかかる半導体装置の例を示す全体構成図である。
図9の半導体装置3では、図8の半導体装置2と比較して、セレクタに入力される入力クロックがCLK0、1の2系統からCLK0〜CLK3の4系統になっている。さらに、送信データINも2ビット(IN[1:0])になっている。4入力セレクタ29は、4入力対応のセレクタである。
ここで、入力クロックCLK0〜CLK3にはそれぞれ異なった周波数のクロック信号が割り当てられる。4入力セレクタ29は、2ビットの送信データIN[1:0]の値に応じて、送信クロックTX_CLKを切り替えて出力する。例えば、4入力セレクタ29は、送信データINが「11」の場合に入力クロックCLK3を、送信データINが「10」の場合に入力クロックCLK2を、送信データINが「01」の場合に入力クロックCLK1を、送信データINが「00」の場合に入力クロックCLK0を選択して出力する。送信データINのデータと、4入力セレクタ29が選択して出力するクロック信号の対応関係はこれにとどまらず、他の組み合わせでもよい。このように、4入力セレクタ29は送信データIN(複数ビットのデータ)に応じて、クロック信号を選択して出力する。
受信側チップ25のカウンタ27は、受信回路26が出力した受信クロックRX_CLKにおける参照クロックCLKXの1サイクル内でのクロック数をカウントして、判定機28に出力する。4入力セレクタ29が出力する送信クロックTX_CLKは4種類あるため、カウンタ27が出力するクロック数は4種類あることになる。判定機28は、クロック数同士の中間値にあたる3種類の閾値を用いて、この4種類のクロック数を判別する。そして、判別結果に応じて、2ビットの出力信号OUT[1:0]を出力する。この出力信号OUT[1:0]は、送信データIN[1:0]と同じデータである。
例えば、入力クロックCLK3の周波数が400MHz、入力クロックCLK2の周波数が200MHz、入力クロックCLK1の周波数が100MHz、入力クロックCLK0の周波数が50MHzとする。このとき、参照クロックCLKXの1サイクル内のクロック数は、入力クロックCLK3では400回、入力クロックCLK2では200回、入力クロックCLK1では100回、入力クロックCLK0では50回である。この場合の4種類のクロック数を判別するための閾値は、入力クロックCLK3と入力クロックCLK2を判別するための閾値が300回、入力クロックCLK2と入力クロックCLK1を判別するための閾値が150回、入力クロックCLK1と入力クロックCLK0を判別するための閾値が75回となるのが一例である。閾値は、参照クロックCLKXの1サイクル内における各クロック信号のクロック数の間をとる値であれば、他の値でもよい。ただし、前述の通り、閾値は、各クロック数の中間の値をとることがより望ましい。
以上の構成により、1組の誘導結合回路によって、2ビットの情報を有するデジタル信号を精度よく伝達することができる。また、信号通信の際にボンディングワイヤを用いる必要がないため、半導体装置2における回路実装面積の削減、又は組みたてコストの削減が可能となる。さらに、特許文献1、2に開示された信号伝送を実行する半導体装置と比較して、よりノイズに強い半導体装置を提供することができる。半導体チップについても同様の効果を奏する。
なお、入力クロックCLK0〜CLK3は、例えば図2に記載した分周回路22を用いて生成されてもよい。例えば入力クロックCLK0の周波数を400MHz、入力クロックCLK2の周波数を100MHzとする。このときに、半導体装置3の送信側チップ21に第1の分周回路及び第2の分周回路を設ける。ここで第1の分周回路は、入力クロックCLK0の周波数を半分にした入力クロックCLK2を生成し、第2の分周回路は入力クロックCLK1の周波数を半分にした入力クロックCLK3を生成する。これにより、周波数が200MHzの入力クロックCLK2、周波数が50MHzの入力クロックCLK0を生成することができる。これらのクロック信号の周波数は、入力クロックCLK0、入力クロックCLK3のいずれの周波数とも異なる。このようにして、異なる周波数を有する入力クロックCLK0〜CLK3が生成されてもよい。
さらに、送信データINは2ビットのデータとしたが、実際は2ビットに限らず、任意の複数ビットのデータでもよい。例えば、送信データINが3ビットのデータである場合には、セレクタには8種類のそれぞれ異なった周波数のクロック信号が入力される。カウンタ27は、セレクタが出力したそのクロック信号をカウントし、判定機28は、カウンタ結果から、送信データINが8通りのうちどれであるかを判定して出力する。このようにして、n(nは任意の自然数)ビットのデータも、同様に精度よく伝達することができる。
以上の通り、送信データINは2ビット以上のデータである。そのため、送信データINは、例えば受信側チップ25で用いられる周波数が3セット以上ある場合に、送信側チップ21が受信側チップ25での周波数を指定するための信号(つまり周波数変換を行う際の信号)として用いることができる。
入力クロックCLK0〜CLK3は、その少なくとも一部が、送信データINの送信の用途以外に用いられる信号(即ち半導体装置3において、4入力セレクタ29以外の素子に入力される信号)であってもよい。その他、図9に示した半導体装置3は、実施の形態2に示した構成又は処理の変更が可能である。
実施の形態5
実施の形態5では、図8に説明した信号の送受信に係る回路の他に、他の部品を搭載したチップについて説明する。図10は、図2における送受信に係る回路を搭載した、マイコンチップ(マイクロプロセッサ)とメモリチップの具体例を示す全体構成図である。マイコンチップ100は、CPU(Central Processing Unit)コア101、オンチップメモリ(ON_MEM)102、論理IPコア(IPコア)103、外部メモリコントローラ(MEMC)104、バスステートコントローラ(BSC)105、システムコントローラ(SYSC)106、アドレス・データバス107、周辺モジュール用アドレス・データバス108、アドレス・データ・コマンドバッファ(BUF)109、コントローラ(CTRL)110、コンパレータ(CMP)111、コントローラ(CTRL)112、誘導結合送信回路113、115、117、119、誘導結合受信回路114、116、118を備える。マイコンチップ100(マスタ側)は、メモリチップ200(スレーブ側)の動作を後述の通り制御する。
メモリチップ200は、誘導結合受信回路201、203、205、207、誘導結合送信回路202、204、206、バッファ(BUF)208、コンパレータ(CMP)209、コントローラ(CTRL)210、コンパレータ(CMP)211、メモリコア(MEM)215、メモリ制御回路(MEM_CTRL)216を備える。なお、誘導結合送信回路202、204、誘導結合受信回路201、203は従来から用いられてきた誘導結合送信回路又は誘導結合受信回路である。
まず、マイコンチップ100の詳細について説明する。CPUコア101は、マイコンチップ100において情報処理等を実行する処理装置である。オンチップメモリ102は、マイコンチップ100において搭載されているメモリである。論理IPコア103は、マイコンチップ100において、任意の単一機能を実行するための部分的な回路情報のモジュールである。
外部メモリコントローラ104は、マイコンチップ100外部のメモリ(この場合はメモリチップ200に搭載されたメモリコア215)に対してCPUコア101が実行するデータの読み出し、書き込み等のインタフェースを統括するコントローラである。外部メモリコントローラ104は、データ等をアドレス・データ・コマンドバッファ109に出力するほか、メモリチップ200の動作モードを制御するモード信号(制御信号)をコントローラ110に出力する。バスステートコントローラ105は、システムコントローラ106と実行するデータの転送を制御する(即ち、周辺モジュール用アドレス・データバス108の状態を制御する)コントローラである。システムコントローラ106は、CPUコア101と送信部122との間に接続されている集積回路であり、CPUコア101と送信部122間におけるシステム制御信号(モード信号やリセット信号)の入出力ポートとしての役割を果たす。
アドレス・データバス107は、CPUコア101と、オンチップメモリ102〜バスステートコントローラ105との間でアドレス又はデータを転送するのに用いられるバスである。周辺モジュール用アドレス・データバス108は、バスステートコントローラ105と周辺モジュール(この場合はメモリチップ200)との間でアドレス又はデータを転送するのに用いられるバスであり、バスステートコントローラ105とシステムコントローラ106との間に設けられている。
アドレス・データ・コマンドバッファ109は、CPUコア101とメモリチップ200との間でアドレス、データ又はコマンドの送受信を行うのに用いられるバッファである。アドレス・データ・コマンドバッファ109は、外部メモリコントローラ104と誘導結合送信回路113、115、誘導結合受信回路114、116との間に設けられている。
コントローラ110は、図2にかかる分周回路22及び2入力セレクタ23を備える制御論理回路である。コントローラ110は、外部メモリコントローラ104が出力したモード信号(制御信号)に応じて、周波数が異なる2つのクロック信号のうち1つを選択して誘導結合送信回路117に出力する。コンパレータ111は、図2にかかるカウンタ27及び判定機28を備える。コンパレータ111は、誘導結合受信回路118から出力されたクロック信号の所定期間内のクロック数をカウントし、カウントしたクロック数に応じて、論理レベルが「H」か「L」の信号を出力する。コントローラ112はコントローラ110と同様の構成を有し、システムコントローラ106からの制御信号に応じて、周波数が異なる2つのクロック信号のうち1つを選択して誘導結合送信回路119に出力する。
誘導結合送信回路113、115(第二の送信回路又は第三の送信回路)は、アドレス・データ・コマンドバッファ109から出力されたアドレス、データ、コマンド等の信号(第二の送信データ又は第三の送信データ)を、誘導結合方式により誘導結合受信回路201、203(第二の受信回路又は第三の受信回路)に送信する。誘導結合受信回路114、116は、それぞれ誘導結合送信回路202、204から誘導結合方式により受信したアドレス、データ、コマンド等の信号を、アドレス・データ・コマンドバッファ109に出力する。
誘導結合送信回路113、115、誘導結合受信回路114、116は従来の方式によってデータを送受信する誘導結合送信回路又は誘導結合受信回路である。具体的に言えば、誘導結合送信回路113は、アドレス、データ、コマンド等の信号に応じた電流を流す送信コイル(第二の送信コイル又は第三の送信コイル)を有する。そして、後述する誘導結合受信回路201は、誘導結合送信回路113の送信コイルに流れた電流に応じて電圧が誘起されることにより、誘導結合送信回路113からのデータを受信する受信コイル(第二の受信コイル又は第三の受信コイル)を有する。誘導結合受信回路201はその誘起された電圧に基づいて、誘導結合送信回路113に入力されたデータを再生する。
誘導結合送信回路113は、「入力されたデータに応じて異なる周波数のクロック信号を送信コイルに流す」という動作を実行していない。誘導結合送信回路113は、例えば入力されたデータの値の変化があった際に、誘導結合送信回路113の送信コイルにパルス電流を流すことにより、データを誘導結合によって誘導結合受信回路201の送信コイルに送信している。この場合、誘導結合送信回路113に入力されたデータの論理レベルが変化しない際には、誘導結合受信回路201の受信コイルに電圧は誘起されない。
誘導結合受信回路114の受信コイルには、後述する誘導結合送信回路202の送信コイルから誘導結合方式により送信されたデータにより、電圧が誘起される。誘導結合受信回路114はこの誘起された電圧に基づいて、誘導結合送信回路202に入力されたデータを再生する。このようにして、誘導結合受信回路114は誘導結合送信回路202から送信されたデータを受信する。誘導結合送信回路115、誘導結合受信回路116も同様の動作を行う。
なお、図10において、誘導結合送信回路113及び誘導結合受信回路114はアドレス・データ・コマンドバッファ109とそれぞれ独立に接続され、誘導結合送信回路115及び誘導結合受信回路116はアドレス・データ・コマンドバッファ109とそれぞれ独立に接続されている。
誘導結合送信回路117、119は図8にかかる送信回路24に対応し、送信回路24と同様の処理を実行する。誘導結合受信回路118は、図8にかかる受信回路26に対応し、受信回路26と同様の処理を実行する。具体的には、誘導結合送信回路117は、コントローラ110が出力したクロック信号を誘導結合方式によって誘導結合受信回路205に送信する。誘導結合受信回路118は、誘導結合送信回路206が出力したクロック信号を受信し、コンパレータ111に出力する。誘導結合送信回路119は、コントローラ112が出力したクロック信号を誘導結合方式によって誘導結合受信回路207に送信する。
送信部120は、コントローラ110及び誘導結合送信回路117を含む回路であり、図2の送信側チップ21に設けられた全ての構成要素を含むデータ送信用の回路である。受信部121は、コンパレータ111及び誘導結合受信回路118を含む回路であり、図2の受信側チップ25に設けられた全ての構成要素を含むデータ受信用の回路である。送信部122は、コントローラ112及び誘導結合送信回路119を含む回路であり、送信部120と同様、図2の送信側チップ21に含まれる全ての構成要素を含むデータ送信用の回路である。
次に、メモリチップ200の詳細について説明する。誘導結合受信回路201、203は、誘導結合送信回路113、115から受信したアドレス、データ、コマンド等の信号をバッファ208に出力する。誘導結合送信回路202、204は、バッファ208から出力されたアドレス、データ、コマンド等の信号を、誘導結合方式により誘導結合受信回路114、116に送信する。なお、図10において、誘導結合受信回路201及び誘導結合送信回路202はそれぞれバッファ208と独立に接続され、誘導結合受信回路203及び誘導結合送信回路204はそれぞれバッファ208と独立に接続されている。
誘導結合受信回路201、203、誘導結合送信回路202、204も、誘導結合送信回路113、115、誘導結合受信回路114、116と同様に、従来の方式による誘導結合送信回路又は誘導結合受信回路である。具体的に言えば、誘導結合受信回路201の受信コイルには、誘導結合送信回路113の送信コイルに流れた電流により、電圧が誘起される。誘導結合受信回路201はこの誘起された電圧に基づいて、誘導結合送信回路202に入力されたデータを再生する。
誘導結合送信回路202の送信コイルには、誘導結合送信回路202に入力されたデータに応じて電流が流れる。そして、誘導結合受信回路114の受信コイルには、誘導結合送信回路202の送信コイルに流れた電流によって電圧が誘起される。誘導結合受信回路114はその誘起された電圧に基づいて、誘導結合送信回路202に入力されたデータを再生する。誘導結合受信回路203、誘導結合送信回路204も同様の動作を行う。
誘導結合送信回路206は、図2にかかる送信回路24に対応し、送信回路24と同様の処理を実行する。誘導結合受信回路205、207は、図2にかかる受信回路26に対応し、受信回路26と同様の処理を実行する。具体的には、誘導結合受信回路205は、誘導結合送信回路117から受信したクロック信号をコンパレータ209に出力する。誘導結合送信回路206は、コントローラ(制御装置)210が出力したクロック信号を誘導結合受信回路118に送信する。誘導結合受信回路207は、誘導結合送信回路119から受信したクロック信号をコンパレータ211に出力する。
バッファ208は、誘導結合受信回路201、203を介してマイコンチップ100から取得したアドレス、データ、コマンドを、メモリコア215に保管する前に一時格納するバッファである。さらに、メモリコア215からマイコンチップ100に送信するアドレス、データ、コマンドを、誘導結合送信回路202、204に送信する前に一時格納することも行う。
コンパレータ209、211は、図2にかかるカウンタ27及び判定機28を備える制御論理回路である。コンパレータ209、211は、誘導結合受信回路205、207から出力されたクロック信号のクロック数をカウントし、カウントしたクロック数に応じて、論理レベルが「H」か「L」の信号を出力する。コントローラ210は、図2にかかる分周回路22及び2入力セレクタ23に対応する制御論理回路である。コントローラ210は、メモリ制御回路216が出力したモード信号に応じて、周波数の異なる2つのクロック信号のうち1つを選択して誘導結合送信回路206に出力する。
受信回路212は、誘導結合受信回路205及びコンパレータ209を含む回路であり、図2の受信側チップ25に設けられた全ての構成要素を含むデータ受信用の回路である。送信部213は、誘導結合送信回路206及びコントローラ210を含む回路であり、図2の送信側チップ21に設けられた全ての構成要素を含む、データ送信用の回路である。受信回路214は、誘導結合受信回路207及びコンパレータ211を含む回路であり、受信回路212と同様、図2の受信側チップ25に含まれる全ての構成要素を含むデータ送信用の回路である。
メモリコア215はメモリチップ200の記憶部であり、バッファ208に対してアドレス、データ、コマンドを入出力することによって、マイコンチップ100とのデータ等の送受信を実行する。メモリ制御回路216は、受信回路214から取得したシステム制御信号に基づいて、メモリチップ200の動作モード等を制御する。また、メモリ制御回路216は、例えば現在のメモリチップ200の動作状態を示す動作モードを、送信信号として送信部213を介してマイコンチップ100に出力する。この「動作状態」は、例えばメモリチップ200が高消費電力又は低消費電力で動作している状態をいう。他には、CPUコア101からメモリチップ200に対するアクセスのレイテンシが遅い状態であるか、早い状態であるかでもよい。
以上に説明したマイコンチップ100及びメモリチップ200におけるデータ通信は、以下のように行われる。CPUコア101は、アドレス・データバス107、外部メモリコントローラ104を介して、アドレス・データ・コマンドバッファ109に、アドレス、データ又はコマンドの信号を出力する。アドレス・データ・コマンドバッファ109は、誘導結合送信回路113、115に対してその信号を出力する。誘導結合送信回路113、115は、それぞれ誘導結合受信回路201、203に対して出力されたデータ等を送信し、誘導結合受信回路201、203はそれぞれ受信したデータをバッファ208に出力する。バッファ208は、入力されたデータ等をメモリコア215に出力する。例えばCPUコア101がメモリコア215にデータを書き込む場合には、書き込まれるデータはこのようにして送受信される。
メモリコア215は、CPUコア101からのコマンドに応じてバッファ208にデータ等を出力し、バッファ208は入力されたデータ等を誘導結合送信回路202、204に出力する。誘導結合送信回路202、204は、それぞれ誘導結合受信回路114、116に対してデータを送信し、誘導結合受信回路114、116はそれぞれ受信したデータ等をアドレス・データ・コマンドバッファ109に出力する。アドレス・データ・コマンドバッファ109に出力されたデータ等は、外部メモリコントローラ104、アドレス・データ・コマンドバッファ109を介してCPUコア101に入力される。例えばCPUコア101がメモリコア215からデータを読み出す場合には、読み出されたデータはこのようにして送受信される。
以上の方法によって、アドレス、データ、コマンドが伝送される。ここで、アドレス、データ、コマンドの各信号は頻繁に論理レベルが変化する交流信号であるため、従来の誘導結合方式を用いて送受信を実行することができる。
送信部120は、受信回路212に対して、CPUコア101からのモード信号に応じたクロック信号を送信する。このモード信号は、図2における送信データINに対応する信号であり、アドレス・データバス107、外部メモリコントローラ104を介して送信部120に出力される。受信回路212は、受信したクロック信号に基づいてモード信号を再生し、そのモード信号をメモリ制御回路216に出力する。このモード信号はメモリチップ200の動作モードを切り替える信号であり、メモリチップ200を高消費電力で動作させるモードと低消費電力で動作させるモードとを切り替えるモード信号や、CPUコア101からメモリチップ200に対するアクセスのレイテンシの遅早を切り替えるモード信号がその例である。
例えばメモリチップ200を高消費電力モードで動作させる場合にモード信号の論理レベルが「H」に、メモリチップ200を低消費電力モードで動作させる場合にモード信号の論理レベルは「L」になるとする。ここで、消費電力の抑制のため、通常状態ではメモリチップ200を低消費電力モードで動作させ、少ない期間だけメモリチップ200を高消費電力モードで動作させるようにすることが考えられる。その場合、モード信号の論理レベルは殆どの期間「L」に、少ない期間だけ「H」になるため、モード信号は前述の直流的な信号になる。
一方、送信部213は、受信部121に対してメモリ制御回路216からの信号を送信し、受信部121は受信した信号を外部メモリコントローラ104に出力する。この信号は、例えば現在のメモリチップ200の動作モードを示す動作モード信号である。CPUコア101は、外部メモリコントローラ104からこの信号を取得することにより、メモリチップ200の動作モードを決定する。
送信部122には、CPUコア101から出力されるモード信号やリセット信号、マイコンチップ100の割り込み信号のようなシステム制御信号が、バスステートコントローラ105、システムコントローラ106を介して出力される。このシステム制御信号は、図2における送信データINに対応する信号である。送信部122は、システム制御信号に応じたクロック信号を受信回路214に対して送信する。受信回路214は、受信したクロック信号に基づいてシステム制御信号を再生し、そのシステム制御信号をメモリ制御回路216に出力する。メモリ制御回路216は、取得したシステム制御信号に応じて、メモリチップ200の動作を制御する。例えば、システム制御信号としてメモリチップ200のリセット信号がメモリ制御回路216に入力された場合、メモリ制御回路216はメモリチップ200のリセット動作を実行する。
例えばシステム制御信号がメモリチップ200のリセット信号であって、リセットが生じていない場合にシステム制御信号の論理レベルが「L」に、メモリチップ200のリセット動作を実行させる場合にシステム制御信号の論理レベルが「H」になるとする。この場合にも、システム制御信号の論理レベルは殆どの期間「L」に、わずかな期間だけ「H」になるため、システム制御信号は前述の直流的な信号になる。
送信部120、122で送信される信号は、前述の直流的な信号である。換言すれば、システム制御信号やモード信号(制御信号)は、アドレス信号、データ信号、コマンド信号に比較して単位時間当たりに値が変化する割合(変化率)が少ない。そのため、システム制御信号やモード信号(制御信号)は、従来の誘導結合方式による通信方法では送受信ができない。しかし、実施の形態2に記載した方法を使用することにより、システム制御信号やモード信号(制御信号)といったマイコンチップ100及びメモリチップ200にとって重要な信号を精度良く通信することができる。そのため、マイコンチップ100は、メモリチップ200の制御を精度良く実行することができる。送信部213で送信される信号についても、同様に精度良く通信を実行することができる。そのため、マイコンチップ100は、メモリチップ200の動作状態をより正確に把握することができる。
マイコンチップ100及びメモリチップ200における誘導結合送信回路はデータに応じた電流を流す送信コイルを有し、誘導結合受信回路はその送信コイルに流れた電流に応じて電圧が誘起されることにより誘導結合送信回路に出力されたデータを受信する受信コイルを有する。これにより、誘導結合送信回路及び誘導結合受信回路はデータの送受信を簡易な構成で行うことができる。
マイコンチップ100及びメモリチップ200において、従来から用いられてきた誘導結合送信回路又は誘導結合受信回路を設けることにより、アドレス信号、データ信号、コマンド信号といった変化率が多いデータの送受信を実行することができる。さらに、アドレス信号、データ信号、コマンド信号を従来のコストが少ない誘導結合方式によって送受信し、システム制御信号やモード信号(制御信号)を実施の形態2に記載した誘導結合方式で送受信する。このように、信号の性質に応じて使用する回路の構成を変更することにより、マイコンチップ100及びメモリチップ200のコスト削減を図ることができる。
なお、マイコンチップ100及びメモリチップ200の構成は、図11のように変更することもできる。図11において、誘導結合送信回路113及び誘導結合受信回路114は共通の信号線によりアドレス・データ・コマンドバッファ109と接続されている。誘導結合受信回路115及び誘導結合送信回路116はそれぞれアドレス・データ・コマンドバッファ109と独立に接続されている。誘導結合送信回路113及び誘導結合受信回路114は、CPUコア101により時分割方式で動作が制御されている。具体的には、誘導結合送信回路113が動作して(データを送信して)誘導結合受信回路114は動作しない状態と、誘導結合送信回路113が動作せずに誘導結合受信回路114が動作する(データを受信する)状態とが、制御により切り替わる。誘導結合送信回路115及び誘導結合受信回路116は、メモリコア215のアドレス情報や、RAS(Row Address Strobe)信号やCAS(Column Address Strobe)信号といったアドレスを指定するための信号についての送受信を実行する。
図11において、誘導結合受信回路201及び誘導結合送信回路202は共通の信号線によりバッファ208と接続されている。誘導結合受信回路203及び誘導結合送信回路204はそれぞれバッファ208と独立に接続されている。誘導結合受信回路201及び誘導結合送信回路202、誘導結合受信回路203及び誘導結合送信回路204も、メモリ制御回路216によって時分割方式で動作が制御されている。
図12は、図10にかかるマイコンチップ100及びメモリチップ200が半導体装置に実装された際の、両者の立体的な位置関係の具体例を示す立体図である。マイコンチップ100は、メモリチップ200の下方に設けられている。なお、図の簡単化のため誘導結合送信回路及び誘導結合受信回路はチップサイズに対して大きめに描き、マイコンチップ100及びメモリチップ200の他の回路の記載は省略している。なお、図10のマイコンチップ100及びメモリチップ200においては、誘導結合送信回路及び誘導結合受信回路は便宜上一列しか記載されていないものの、図12のように二列の誘導結合送信回路及び誘導結合受信回路が設けられてもよい。あるいは、マイコンチップ100及びメモリチップ200は、誘導結合送信回路及び誘導結合受信回路を三列以上備えても良い。
図12において、マイコンチップ100の誘導結合送信回路119の略真上に、メモリチップ200の誘導結合受信回路207が配置されている。なお、図12においては、実装基板に実装される側を「下」とし、その反対側を「上」としている。誘導結合送信回路119及び誘導結合受信回路207は、データの送受信においてペアとなる回路である。他の誘導結合送信回路及び誘導結合受信回路についても、同様の位置関係が成り立つ。換言すれば、マイコンチップ100及びメモリチップ200において、誘導結合方式を用いた通信に使用する送信コイル(誘導結合送信回路)と、当該送信コイルからの送信信号を受信する受信コイル(誘導結合受信回路)とは、上下に重なり合う位置(対向する位置)に配置されている。これにより、送信コイルと受信コイルとの相互インダクタンスが大きくなるため、送信コイル及び受信コイルに強い磁界を発生させることができるようになり、誘導結合通信を安定的に行うことが出来る。
以上に説明した通り、マイコンチップ100は、実施の形態3にかかる送信側チップ21及び受信側チップ25の両方の役割を果たしている。メモリチップ200についても、同様に、送信側チップ21及び受信側チップ25の両方の役割を果たしている。そのため、マイコンチップ100及びメモリチップ200は、「H」又は「L」のデジタル値をとるモード信号やリセット信号のようなシステム制御信号を誘導結合方式により送受信することができる。そして、実施の形態2において説明した通り、誘導結合方式による信号の送受信を簡易な構成により実現することができる。
なお、マイコンチップ100及びメモリチップ200のコントローラは、分周回路22を備えなくてもよい。コントローラは、図8に記載した通り、2つの入力クロックCLK1及びCLK0が入力された2入力セレクタ29を備えた制御論理回路でもよい。あるいは、コントローラは、図9に記載した通り、4つの入力クロックCLK3〜CLK0が入力される4入力セレクタ29に対応する制御論理回路でもよい。この場合、コンパレータ209は、誘導結合受信回路205が受信したクロック信号に応じて、コントローラ110に入力された入力信号を出力する。コントローラ112、210についても、同様の変更ができる。
図10、図11では、メモリチップ200を制御するためのモード信号及びシステム制御信号がマイコンチップ100から誘導結合方式により送信されるとともに、メモリチップ200からはメモリチップ200の動作状態を示す動作モード信号がマイコンチップ100に送信された。しかし、モード信号、システム制御信号、動作モード信号の一部は誘導結合方式ではなく有線接続により伝達されてもよい。
マイコンチップ100において、従来の誘導結合送信回路及び誘導結合受信回路は、いずれか一方のみが設けられてもよい。メモリチップ200においても同様である。さらに、従来の誘導結合送信回路は、前述の方法以外の方法で、入力されたデータを送信してもよい。例えば、誘導結合送信回路113は、送信コイルに対して、入力されたデータのクロック1周期毎の値に応じて異なる向きのパルス電流を出力してもよい。ここで、誘導結合送信回路113は、「入力されたデータに応じて異なる周波数のクロック信号を送信コイルに流す」という動作を実行せずに、入力されたデータを誘導結合受信回路201に送信している。
マイコンチップ100においては、CPUコア101の代わりに、データの入出力やメモリチップ200の制御を実行する他の種類の制御装置(プロセッサ)が備えられていても良い。マイコンチップ100において、オンチップメモリ(ON_MEM)102〜アドレス・データ・コマンドバッファ109の構成要素は、必要でなければ設けなくともよい。
マイコンチップ100から制御信号が出力されるのはメモリチップ200でなくともよく、マイコンチップ100により制御される他の種類の周辺回路であってもよい。この場合でも、マイコンチップ100は同様にして周辺回路を制御することができる。また、メモリチップ200が動作モードを出力するチップは、マイコンチップ100ではなく、他のチップ(例えばマイコンチップ100とメモリチップ200の間に挟まれたチップ)であってもよい。この場合でも、メモリチップ200は他のチップに対して動作状態を示す動作モード信号を伝達することができる。
送信部120は、図2にかかる送信側チップ21の代わりに、図8にかかる送信側チップ21の構成要素を備えていてもよい。この場合、コントローラ110は分周回路22を備えない。あるいは、送信部120は、図9にかかる送信側チップ21の構成要素を備え、受信回路212は、図9にかかる受信側チップ25の構成要素を備えていてもよい。同様に、送信部120は、図1にかかる半導体チップ11の構成要素を備え、受信回路212は、図1にかかる半導体チップ14の構成要素を備えていてもよい。
実施の形態6
実施の形態6では、半導体装置のSiP構造について示す。図13は、図12にかかるマイコンチップ100、メモリチップ200を搭載した半導体装置のSiP構造の例を示す断面図である。半導体装置4は、BGA(Ball grid array)による表面実装タイプのパッケージがなされた半導体装置である。
半導体装置4においては、パッケージ基板40上においてマイコンチップ100、メモリチップ200が、パッケージ基板40側から順に積層されている。マイコンチップ100、メモリチップ200は、パッケージ41により覆われている。このようにして、マイコンチップ100及びメモリチップ200が1つのパッケージに封止されている。パッケージ基板40においては、マイコンチップ100、メモリチップ200が搭載された面の反対側の面において、ハンダで構成された電極(バンプ)43が設けられている。
マイコンチップ100は、主面123(配線層)と主面123と反対側の裏面124を備える。裏面124は図13の上方(パッケージ基板40と反対側)を向いており、主面123は図13の下方(パッケージ基板40側)を向いている。つまり、マイコンチップ100はface−downでパッケージ基板40に対して接続されている。マイコンチップ100とパッケージ基板40は、電極43により接続されている。マイコンチップ100の電源電圧は、電極43を介してパッケージ基板40から供給される。パッケージ基板40からマイコンチップ100に送受信される信号も、電極43を介して伝達される。
マイコンチップ100の主面123にはCPUコア101、オンチップメモリ102等が設けられている(図13では便宜上図示されていない)。主面123に設けられた誘導結合送信回路119は、実施の形態2に記載した通り、誘導結合方式によってメモリチップ200の誘導結合受信回路207に信号を伝達する。前述の通り、誘導結合送信回路119(送信コイル)と誘導結合受信回路207(受信コイル)とは、上下に重なり合う位置(対向する位置)に配置されている。
メモリチップ200は、主面217と反対側の裏面218とを備える。主面217は図13の下方(パッケージ基板40側)を向いており、裏面218は図13の上方(パッケージ基板40と反対側)を向いている。つまり、メモリチップ200はface−upでパッケージ基板40の上に積層されている。
メモリチップ200の主面217にはバッファ208、コンパレータ209等が設けられている(図13では便宜上図示されていない)。主面217に設けられた誘導結合受信回路207には、誘導結合方式によってマイコンチップ100の誘導結合送信回路119から信号が伝達される。このようにして、マイコンチップ100とメモリチップ200との間で誘導結合方式により信号の送受信が行われる。
さらに、パッケージ基板40とメモリチップ200とは電源ワイヤ42により接続されており、メモリチップ200の電源電圧は電源ワイヤ42によって供給される。つまり、メモリチップ200はワイヤーボンディングによって電源が供給されている。
マイコンチップ100、メモリチップ200で行われる動作の詳細は実施の形態5に記載した通りである。以上、図13に示した半導体装置4のSiP構造においては、パッケージ内のメモリチップ200において信号伝達のためのワイヤを設けることは不要であり、電源電圧のためのワイヤのみを設ければよい。そのため、半導体装置の組立工程のコスト削減が可能となる。
半導体装置4の他のSiP構造について、以下に例示する。図14は、半導体装置4の他のSiP構造の例を示す断面図である。図14に示した半導体装置4は、図13と同様、BGA(Ball grid array)によるパッケージがなされた半導体装置である。
図14に示した半導体装置4が図13に示した半導体装置4と異なる点は、メモリチップ200だけでなく、マイコンチップ100もface−upで実装されている点である。具体的には、マイコンチップ100の主面123が図14の上方(つまりパッケージ基板40と反対側)を向いており、裏面124が図14の下方(つまりパッケージ基板40側)を向いている。この場合には、パッケージ基板40上に電極を設けても実装面に対して電源を供給することはできないし、パッケージ基板40からマイコンチップ100に送受信される信号も伝達することはできない。そのため、メモリチップ200に対してのワイヤ接続は電源のみでよいが、マイコンチップ100に対しては信号及び電源のワイヤ接続が必要である。図14では、パッケージ基板40とマイコンチップ100との間に電源ワイヤ44が接続されており、マイコンチップ100の電源電圧はその電源ワイヤ44によって供給される。
図14に示した半導体装置4のその他の構成は、図13に示した半導体装置4の構成と同様であるため、説明を省略する。このように、半導体装置4は、メモリチップ200だけでなく、マイコンチップ100もface−upで実装することができる。このように半導体装置4を構成しても、半導体チップ14に対するワイヤ接続は電源のみとできるため、半導体装置4の組立工程のコスト削減が可能となる。
なお、図13、図14において、マイコンチップ100を下層に、メモリチップ200を上層に積層してもよい。マイコンチップ100、メモリチップ200の代わりに、実施の形態1〜3にかかるチップを代わりに積層してもよい。
図13、図14では半導体チップ14への電源供給はワイヤによりなされているが、供給は誘導結合方式によりなされていてもよい。また、半導体装置1のパッケージ構造はBGAを例示したが、QFP(Quad Flat Package)等、他のパッケージ構造でもよい。
図13、図14では半導体チップが2層しかない構造の半導体装置について例示したが、半導体チップが3層以上設けられた半導体装置についても応用することができる。図15は、3層の半導体チップが積層された構造の例を示す断面図である。図15においては、パッケージ基板40上に半導体チップ300、400、500が積層されている。なお、図15において半導体チップ300、400、500は全てface−upで実装されており、各半導体チップにおける電源ワイヤ、パッケージ等の部品は図示を省略している。
半導体チップ300は、誘導結合送信回路301、302、303を備える。誘導結合送信回路301〜303は、誘導結合送信回路119と同様の構成を有する。半導体チップ400は、誘導結合受信回路401、403、誘導結合送信回路402を備える。誘導結合受信回路401、403は、誘導結合送信回路207と同様の構成を有し、誘導結合送信回路402は、誘導結合送信回路119と同様の構成を有する。半導体チップ500は、誘導結合受信回路501、502、503を備える。誘導結合受信回路501〜503は、誘導結合送信回路207と同様の構成を有する。なお、以上の誘導結合送信回路及び誘導結合受信回路各半導体チップにおける実装面に設けられている。
誘導結合送信回路301には、半導体チップ300からシステム制御信号に応じたクロック信号が入力される。誘導結合送信回路301は、そのクロック信号を送信コイルに流すことにより、磁界変化を発生させる。半導体チップ400の誘導結合受信回路401は、その磁界変化に基づいて受信コイルからクロック信号を取得する。このようにして、誘導結合受信回路401は誘導結合送信回路301からシステム制御信号に応じたクロック信号を受信する。以上の動作の詳細は前述の通りである。なお、クロック信号の送受信を、図15中では矢印で示している。
誘導結合送信回路402にも、半導体チップ400から同様のシステム制御信号に応じたクロック信号が入力される。誘導結合受信回路501は、前述と同様にそのシステム制御信号に応じたクロック信号を誘導結合送信回路402から受信する。
誘導結合送信回路302は、半導体チップ300からシステム制御信号に応じたクロック信号が入力される。誘導結合受信回路403、502は前述と同様にそのシステム制御信号に応じたクロック信号を誘導結合送信回路302から受信する。
誘導結合送信回路303は、半導体チップ300からシステム制御信号に応じたクロック信号が入力される。誘導結合受信回路503は前述と同様にそのシステム制御信号に応じたクロック信号を誘導結合送信回路303から受信する。
以上のようにして、半導体チップは、隣に積層されたチップのみならず、他のチップが間に挟まったチップに対しても、信号を送受信することができる。なお、半導体チップ300〜500において、誘導結合送信回路と、当該誘導結合送信回路からの送信信号を受信する誘導結合受信回路とは、上下に重なり合う位置(対向する位置)に配置されている。
マイコンチップ100及びメモリチップ200は、図1にかかる半導体チップ11及び半導体チップ14であってもよいし、図8にかかる送信側チップ21及び半導体チップ25であってもよい。また、マイコンチップ100及びメモリチップ200は、図9にかかる送信側チップ21及び半導体チップ25であってもよい。
実施の形態7
実施の形態7では、実施の形態2を適用した非接触コネクタについて示す。図16は、そのような非接触コネクタにおける送受信回路の一例を示す構成図である。送受信回路5は、1ビット分のデータを送受信する回路であり、半導体装置内に設けられた回路である。送受信回路5は、送信部51、受信部52、基準クロック発振器(発振器)53及び分周器(分周回路)54を備える。なお、送受信回路5は1つのチップ(第一の半導体チップ)上に形成されている。
送受信回路6は、1ビット分のデータを送受信する回路であり、送信部61、受信部62、基準クロック発振器63及び分周器64を備えた、送受信回路5と同様の構成を有する回路である。
送信部51は、コントローラ55及び誘導結合送信回路56を有し、図10にかかる送信部120と同じ構成を有する。コントローラ55は図10にかかるコントローラ110と同じ構成を有し、誘導結合送信回路56は図10にかかる誘導結合送信回路117と同じ構成を有する。送信部51は、基準クロック発振器53から基準クロックCLKを、送受信回路5の外部から送信データINを取得し、送受信回路6の受信部62に対して送信データINに応じた周波数のクロック信号を送信する。
受信部52は、誘導結合受信回路57及びコンパレータ58を有し、図10にかかる受信部121と同じ構成を有する。誘導結合受信回路57は図10にかかる誘導結合受信部118と同じ構成を有し、コンパレータ58は図10にかかるコンパレータ111と同じ構成を有する。受信部52は、送受信回路6の受信部62からクロック信号を受信する。そして、分周器54から出力される参照クロックCLKXに基づいて、受信したクロック信号の所定期間内のクロック数をカウントする。受信部52はカウントしたクロック数に基づいて、受信部62が取得した送信データINを出力信号OUTとして送受信回路5の外部に出力する。
基準クロック発振器53は、基準クロックCLKをコントローラ55及び分周器54に出力する発振器である。ここで基準クロック発振器53と分周器54、基準クロック発振器53とコントローラ55との間はそれぞれ有線接続されている。なお、基準クロックCLKは、図2における入力クロックCLKに対応する。
分周器54は、基準クロック発振器53から出力された基準クロックCLKを分周した参照クロックCLKXを出力する。
送信部61、受信部62、基準クロック発振器63及び分周器64は、送信部51、受信部52、基準クロック発振器53及び分周器54と同様の動作を行うため、説明を省略する。
ここで、送信データINが「H」か「L」の値をとり、基準クロック発振器53の発振周波数として32MHzが用いられる場合の送受信回路5の動作について説明する。基準クロック発振器53は、クロック周波数が32MHzの基準クロックCLKを出力する。コントローラ55内のセレクタには、基準クロックCLKと、分周回路によって基準クロックCLKを2分周したクロック信号(即ち、クロック周波数が16MHzのクロック信号)が入力される。セレクタは、取得した送信データINの値に応じて、両クロック信号を選択して出力する。例えば、取得した送信データINの値が「H」の場合には、セレクタはクロック周波数が32MHzの基準クロックCLKを誘導結合送信回路56に出力する。取得した送信データINの値が「L」の場合には、セレクタは基準クロックCLKを2分周したクロック信号を誘導結合送信回路56に出力する。誘導結合送信回路56は、このようにしてコントローラ55が出力したクロック信号を誘導結合方式により誘導結合受信回路67に送信する。
分周器54は32MHzの基準クロックCLKを32分周し、周波数が1MHzの参照クロックCLKXを出力する。
基準クロック発振器63も、同様に周波数が32MHzのクロック信号を発振する。コントローラ65は、取得した送信データINの値が「H」の場合にクロック周波数が32MHzの基準クロックCLKを誘導結合送信回路66に出力し、取得した送信データINの値が「L」の場合には、基準クロックCLKを2分周したクロック信号を誘導結合送信回路66に出力する。
誘導結合受信回路57は、誘導結合送信回路66からクロック信号を受信し、コンパレータ58にそのクロック信号を伝達する。コンパレータ58は、送信部61から受信したクロック信号のクロック数を、参照クロックCLKXの1周期内でカウントする。参照クロックCLKXの周波数は1MHzであるため、誘導結合送信回路66が32MHzのクロック信号を送信した場合には、コンパレータ58におけるクロック数は「32」となる。また、誘導結合送信回路66が16MHzのクロック信号を送信した場合には、コンパレータ58におけるクロック数は「16」となる。ここで、コンパレータ58の閾値を(32と16との間の)24と設定しておく。
コンパレータ58は、受信したクロック信号のクロック数がその閾値(24)よりも大きいか小さいかを判定することにより、誘導結合送信回路66が取得した送信データINが「H」であるか「L」であるかを判定する。この場合、コンパレータ58は、クロック数が「32」の場合には送信部61が取得した送信データINが「H」であり、クロック数が「16」の場合には送信部61が取得した送信データINが「L」であると判定する。コンパレータ58は判定結果に基づき、送信部61が取得した送信データINを出力信号OUTとして出力する。
なおコンパレータ58の閾値は24に限らず他の値でもよいが、前述の通り、送信データINが「H」の際のクロック数と、送信データINが「L」の際のクロック数との中間値をとることにより、容易に送信データINの判別が可能となる。
送受信回路5及び送受信回路6が、それぞれ以上に示した送信部、受信部、基準クロック発振器及び分周器を備えていることにより、非接触コネクタ(送受信回路)は、誘導結合方式を用いて精度良くデータを伝達することができる。
送受信回路5において分周器54は、基準クロック発振器53が発振した基準クロックCLKに応じて参照クロックCLKXを出力する。このため、基準クロックCLKの発振器と参照クロックCLKXの発振器を1個ずつ設けずにすみ、送受信回路5を備える半導体チップの回路構成をより簡易にすることができる。送受信回路6についても同様の効果がある。
なお、分周器54は32分周の分周回路ではなく、n分周(nは任意の自然数)の分周回路でもよい。さらに、分周器54は基準クロックCLKの周波数を変換して出力する参照クロック出力回路でもよい。ここで、コンパレータ58がクロック数を容易にカウントするためには、周波数変換回路は基準クロックCLKの周波数を下げて出力するのが望ましい。このようにしても、発振器を2個設けなくてすむため、送受信回路5の回路構成を簡易にすることができる。しかし、送受信回路5の回路構成をより簡易にするためには、分周器を設ける方が望ましい。
基準クロック発振器53、63の出力するクロック信号の周波数も、上述の例に限られない。例えば、基準クロック発振器53の出力するクロック信号の周波数を32MHz、基準クロック発振器63の出力するクロック信号の周波数を64MHzとしてもよい。この場合、コントローラ65は、取得した送信データINの値が「H」の場合にクロック周波数が64MHzの基準クロックCLKを誘導結合送信回路66に出力し、取得した送信データINの値が「L」の場合には、基準クロックCLKを2分周したクロック信号を誘導結合送信回路66に出力する。コンパレータ58の閾値を(64と32との間の)48と設定しておくことにより、コンパレータ58は、カウントしたクロック数が「64」の場合には送信部61が取得した送信データINが「H」であり、クロック数が「32」の場合には送信部61が取得した送信データINが「L」であると判定する。
送受信回路5は1ビットのデータを送受信する回路として説明したが、n(nは任意の整数)ビットのデータを送受信する回路であってもよい。この場合には、1個の送信部51が実施の形態3で説明したようにnビットのデータを送信してもよいし、n個の送信部51が1ビットのデータを送信してもよい。受信部52についても同様である。
送信部51は、図2にかかる送信側チップ21の代わりに、図8にかかる送信側チップ21の構成要素を備えていてもよい。この場合、コントローラ55は分周回路22を備えない。あるいは、送信部51は、図9にかかる送信側チップ21の構成要素を備え、受信部62は、図9にかかる受信側チップ25の構成要素を備えていてもよい。この場合、送信部51は、基準クロック発振器53の出力する基準入力クロックと、他の発振器から出力される基準入力クロックと周波数が異なるクロック信号と、をコントローラ55に入力される送信データINに応じて選択して送信回路56に出力するセレクタを有する。
送受信回路5において、送信部51と受信部52とは、設けられる数が異なっていてもよい。
送受信回路5における送信部51、受信部52、基準クロック発振器53及び分周器54は、1つのチップに形成されていてもよいし、送受信回路5内の複数のチップに形成されていてもよい。さらに、送信部51又は受信部52内のコイル、インバータ、セレクタ、カウンタ、判定機といった部品は、ディスクリート部品であってもよい。送受信回路6についても同様である。
図17は、図16にかかる送受信回路5を自動車のワイヤーハーネスのコネクタ部分に適用した場合の一例を示した立体図である。図17では、コネクタ部7及びワイヤーハーネス8、9が示されている。
コネクタ7は、一定の間隔をおいて対向するコネクタ71、72から構成されている。コネクタ71内部には、信号を送受信する送受信回路5が必要なビット数分だけ組み込まれている。コネクタ72内部には、信号を送受信する送受信回路6が、コネクタ71内部の送受信回路5に対応する数だけ設けられている。ここで、コネクタ71に設けられた誘導結合送信回路56(送信コイル)と、コネクタ72に設けられ、当該誘導結合送信回路56からのクロック信号を受信する誘導結合受信回路57(受信コイル)とは、相互インダクタンスが大きくなるように上下に重ねあわされている。
ワイヤーハーネス8は、他の回路からの信号をコネクタ71に伝達し、ワイヤーハーネス9は、コネクタ72が受信した信号を他の回路に伝達する。
以上のようにコネクタ部7を構成することにより、自動車のワイヤーハーネスにおいて非接触による通信を実現することができる。そのため、通信の安定性を、振動に対して強くできるほか、電気的なノイズに対しても強くできるという利点が得られる。
なお、コネクタ71内部に設けられた送信部51と受信部52の数は異なっていてもよい。また、コネクタ71が信号の送信のみを実行するコネクタであり、コネクタ72はコネクタ71から信号の受信のみを実行するコネクタであってもよい。その場合、コネクタ71内部には、送信部51が必要なビット数分だけ組み込まれており、コネクタ72内部には、受信部62が、コネクタ71内部の送信部51に対応する数だけ設けられている。逆に、コネクタ71が信号の受信のみを実行するコネクタであり、コネクタ72はコネクタ71から信号の送信のみを実行するコネクタであってもよい。
実施の形態8
実施の形態8では、実施の形態2を適用した非接触コネクタの他の構成例について示す。なお、実施の形態7で示した構成要素については適宜説明を省略する。
図18は、そのような非接触コネクタにおける送受信回路の一例を示す構成図である。送受信回路5は、1ビット分のデータを送受信する回路であり、半導体装置内に設けられた回路である。送受信回路5は、送信部51、受信部52、基準クロック発振器53及び分周器54を備える。なお、送受信回路5は1つのチップ(第一の半導体チップ)上に形成されている。
送信部51は、コントローラ55(クロック生成回路)及び電流出力回路561を有し、コイル59Aと接続されている。ここでコントローラ55は図10にかかるコントローラ110と同じ構成を有する。具体的には、コントローラ55は図2にかかる分周回路22及び2入力セレクタ23を備える制御論理回路である。電流出力回路561は、図3にかかる電流出力回路241と同じ構成を有する。送信部51は、基準クロック発振器53から基準クロックCLKを、送受信回路5の外部から送信データINを取得し、コイル59Aに対して送信データINに応じた周波数のクロック信号を出力する。
受信部52は、差動増幅回路571(クロック出力回路)及びコンパレータ58(再生回路)を有し、コイル59Bと接続されている。ここで差動増幅回路571は図3にかかる差動増幅回路262と同じ構成を有し、コンパレータ58は図10にかかるコンパレータ111と同じ構成を有する。受信部52には、コイル59Bから、送受信回路6の送信データINに応じた周波数のクロック信号が出力される。そして、分周器54から出力される参照クロックCLKXに基づいて、受信したクロック信号の所定期間内のクロック数をカウントする。受信部52はカウントしたクロック数に基づいて、受信部62が取得した送信データINを出力信号OUTとして送受信回路5の外部に出力する。
コイル59A、59Bは、送受信回路5とは別個のディスクリート部品で構成されたコイルであり、それぞれ図3にかかる送信コイル242、受信コイル261と同じ構成を有する。コイル59Aは送信コイル242と同様にして、コイル69Aに対して送受信回路5の送信データINに応じた周波数のクロック信号を送信する。コイル59Bは受信コイル261と同様にして、コイル69Bから送受信回路6の送信データINに応じた周波数のクロック信号を受信する。
受信部52〜分周器54の説明については、実施の形態7と同様であるため、説明を省略する。
送受信回路6は、1ビット分のデータを送受信する回路であり、送信部61、受信部62、基準クロック発振器63及び分周器64を備えた、送受信回路5と同様の構成を有する回路である。
送信部61は、コントローラ65(クロック生成回路)及び電流出力回路661を有し、コイル69Bと接続されている。コントローラ65及び電流出力回路661の構成及び動作はコントローラ55及び電流出力回路561と同様であるため、説明を省略する。
受信部62は、差動増幅回路671(クロック出力回路)及びコンパレータ68(再生回路)を有し、コイル69Aと接続されている。差動増幅回路671及びコンパレータ68の構成及び動作は差動増幅回路571及びコンパレータ58と同様であるため、説明を省略する。
基準クロック発振器63及び分周器64は、基準クロック発振器53及び分周器54と同様の動作を行うため、説明を省略する。またコイル69A、69Bはそれぞれコイル59B、59Aと同様の動作を行うため、説明を省略する。
以上のように、実施の形態7における送受信回路5及び6において、送信コイル又は受信コイルをディスクリート部品にしても、実施の形態7にかかる送受信回路5及び6と同様の動作を実現することができるため、同様の効果を奏することができる。なおコイル59A、59B、69A、69Bの少なくともいずれかは、回路基板(例えばPCB;Printed Circuit Board)上の配線で形成したコイルであってもよい。また、送受信回路5、6には、実施の形態7と同様の変更をすることができる。
図19は、図18にかかる送受信回路5を自動車のワイヤーハーネスのコネクタ部分に適用した場合の一例を示した断面図である。図19では、コネクタ71、72及びワイヤーハーネス8、9が示されている。
コネクタ71は、回路基板80と、回路基板80に搭載された送受信回路5、コイル59A、59B及び導線82、84、85を内部に有している。送受信回路5、コイル59A、59Bは実施の形態7と同様であるため説明を省略する。
回路基板80は送受信回路等を搭載する基板であり、例えばPCBである。導線82は、ワイヤーハーネス9と送受信回路5とを接続する導線であり、ワイヤーハーネス9と送受信回路5との信号の送受信を行う。導線84は送受信回路5とコイル59Aとを回路基板80上で接続しており、送受信回路5が出力したクロック信号をコイル59Aに伝達する。導線85は送受信回路5とコイル59Bとを回路基板80上で接続しており、送受信回路6がコイル69Bを介して出力したクロック信号をコイル59Bから送受信回路5に伝達する。なお、送受信回路5には図示しない導線により電源電圧が供給されている。
コネクタ72は、回路基板81と、回路基板81に搭載された送受信回路6、コイル69A、69B及び導線83、86、87を内部に有している。導線83は、ワイヤーハーネス8と送受信回路6とを接続する導線であり、ワイヤーハーネス8と送受信回路6との信号の送受信を行う。導線86は送受信回路6とコイル69Aとを回路基板81上で接続しており、送受信回路5がコイル59Aを介して出力したクロック信号をコイル59Bから送受信回路5に伝達する。導線87は送受信回路6とコイル69Bとを回路基板80上で接続しており、送受信回路6が出力したクロック信号をコイル69Bに伝達する。その他の各部の説明についてはコネクタ71と同様であるため説明を省略する。
なお、導線82〜87は例えばワイヤーボンディングである。また、送受信回路5、6には図示しない導線により電源電圧が供給されている。
以上のようにワイヤーハーネスのコネクト部分を構成した場合には、送受信回路5における送信データINの変化によりコイル59Aで誘起された磁界の変化が、コイル69Aに誘導起電力を発生させる。この誘導起電力に基づいて、送受信回路6の受信部62はクロック信号を受信し、受信したクロック信号の所定期間内のクロック数をカウントして、取得した送信データINを出力信号OUTとして送受信回路6の外部に出力する。コイル69B、コイル59B及び送受信回路5においても同様の動作がなされる。このようにして、ワイヤーハーネスのコネクト部分における非接触通信がなされる。
実施の形態8にかかるコネクタ71、72では、信号送受信用のコイルにディスクリート部品を用いている。従って実施の形態8にかかるコネクタ71、72は、半導体チップ上に信号送受信用のコイルが形成された実施の形態7にかかるコネクタ71、72と比較して、送信コイルと受信コイルとの相互インダクタンス値を大きくすることができる。これにより送信コイル及び受信コイルに強い磁界を発生させることができるため、非接触通信の信頼性を向上させることができる。ただし、実施の形態8にかかるコネクタ71、72は外付け部品を使用するため、製造コストは実施の形態7にかかるコネクタ71、72の方が少ない場合がある。
なおコネクタ71及びコネクタ72において、誘導結合方式を用いた通信に使用する送信コイルと、当該送信コイルからの送信信号を受信する受信コイルとは、上下に重なり合う位置(対向する位置)に配置されている。これにより、送信コイルと受信コイルとの相互インダクタンスが大きくなるため、誘導結合通信を安定的に行うことが出来る。
図19において、送受信回路5、コイル59A、59B及び導線12、14、15は回路基板80の下側に搭載されており、送受信回路6、コイル69A、69B及び導線13、16、17は回路基板81の上側に搭載されている。しかし、送受信回路5、コイル59A、59B及び導線12、14、15は回路基板80の上側に搭載されていてもよい。あるいは、送受信回路6、コイル69A、69B及び導線13、16、17は回路基板81の下側に搭載されていてもよい。
なお、図19では、コネクタ71に送受信回路5が1個備えられている例を示したが、送受信回路5はコネクタ71に必要なビット数分だけ組み込むことができる。コイル59A、59Bも送受信回路の数に対応してコネクタ71に組み込むことができる。その他、実施の形態8にかかるコネクタ71、72には、実施の形態7にかかるコネクタ71、72と同様の変更をすることができる。
なお、実施の形態8においては、実施の形態7にかかるコネクタ71、72における送信コイル及び受信コイルをチップとは独立したディスクリート部品にした場合を説明した。しかし、実施の形態2にかかる送信側チップ21及び受信側チップ22についても、その内部に備えられる送信コイル及び受信コイルを、チップとは独立したディスクリート部品にすることができる。これは実施の形態3にかかる送信側チップ21及び受信側チップ25、実施の形態4にかかる送信側チップ21及び受信側チップ25、実施の形態5にかかるマイコンチップ100及びメモリチップ200についても同様である。
ここで、送信コイル及び受信コイルが、それぞれ送信側チップ及び受信側チップとは独立したディスクリート部品である場合に、半導体装置が最低限備えている構成は次の通りである。半導体装置は、送信側チップ(第一の半導体チップ)と、その送信側チップに接続された送信コイルと、その送信コイルから誘導結合方式により送信された信号を受信する受信コイルと、その受信コイルに接続された受信側チップ(第二の半導体チップ)と、を備える。ここで送信側チップは、送信データに応じて異なる周波数のクロック信号を生成するクロック生成回路と、そのクロック信号に応じた電流を出力する電流出力回路と、を有する。送信コイルは、電流出力回路から出力された電流が流れることによって誘導結合方式により受信コイルへ前記クロック信号を送信する。受信コイルには、誘導結合方式により送信コイルに流れた電流に応じて電圧が誘起される。受信側チップは、受信コイルに誘起された電圧に応じて、クロック信号を出力するクロック出力回路と、クロック信号の所定期間内のクロック数に応じて送信側チップの送信データを再生する再生回路と、を有する。以上の構成であっても、半導体装置は実施の形態1に示した効果を奏する。
以上に説明した各実施の形態は、半導体製品全般に適用することができる。特に、電源投入後に論理レベルが確定していなければならない直流的な入力信号が必要な製品に適している。
今後、プロセスの微細化が進み、より多くの論理IPコア(Intellectual property core)を1チップに集積できるようになると、チップのI/O回路がチップ面積の律速要因となってくる。そこで、この問題を解決し、微細化に伴ってチップ間インターフェースバンド幅を増加できる技術として、磁界結合方式(誘導結合方式)を用いたチップ間通信技術の検討が行われている。本願明細書に記載された各実施の形態は、その検討の中で考案されたものである。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
1、2、3、4 半導体装置 5、6 送受信回路
7 コネクタ部 8、9 ワイヤーハーネス
11、14 半導体チップ 12 クロック生成回路
13 送信回路 15 受信回路 16 再生回路
21 送信側チップ 22 分周回路 23 2入力セレクタ
24 送信回路 25 受信側チップ 26 受信回路
27 カウンタ 28 判定機 29 4入力セレクタ
40 パッケージ基板 41 パッケージ
42、44 電源ワイヤ 43 電極 51 送信部
52 受信部 53 基準クロック発振器 54 分周器
55 コントローラ 56 誘導結合送信回路
57 誘導結合受信回路 58 コンパレータ
59A、59B コイル
61 送信部 62 受信部 63 基準クロック発振器
64 分周器 65 コントローラ 66 誘導結合送信回路
67 誘導結合受信回路 68 コンパレータ
69A、69B コイル
71、72 コネクタ
80、81 回路基板 82、83、84、85、86、87 導線
100 マイコンチップ 101 CPUコア
102 オンチップメモリ 103 論理IPコア
104 外部メモリコントローラ 105 バスステートコントローラ
106 システムコントローラ 107 アドレス・データバス
108 周辺モジュール用アドレス・データバス
109 アドレス・データ・コマンドバッファ
110、112 コントローラ 111 コンパレータ
113、115、117、119 誘導結合送信回路
114、116、118 誘導結合受信回路
120、122 送信部 121 受信部 123 主面
124 裏面 200 メモリチップ
201、203、205、207 誘導結合受信回路
202、204、206 誘導結合送信回路 208 バッファ
209 コンパレータ 210 コントローラ
211 コンパレータ 212、214 受信部
213 送信部 215 メモリコア
216 メモリ制御回路 217 主面 218 裏面
221 D−フリップフロップ 222 インバータ
241 電流出力回路 242 送信コイル
243、244、245 インバータ 261 受信コイル
262 差動増幅回路 271、272、273 インバータ
274 ANDゲート
275、276、277、278 非同期リセット付きD−フリップフロップ
279 D−フリップフロップ 281 レジスタ
282 比較器
300、400、500 半導体チップ
301、302、303 誘導結合送信回路
401、403 誘導結合受信回路 402 誘導結合送信回路
501、502、503 誘導結合受信回路
561、661 電流出力回路 571、671 差動増幅回路

Claims (22)

  1. 第一の半導体チップと、前記第一の半導体チップに積層された第二の半導体チップと、を備え、
    前記第一の半導体チップは、
    第一の送信データに応じて異なる周波数のクロック信号を生成するクロック生成回路と、
    生成された前記クロック信号を誘導結合方式により前記第二の半導体チップへ送信する第一の送信回路と、を有し、
    前記第二の半導体チップは、
    前記第一の半導体チップから誘導結合方式により送信された前記クロック信号を受信する第一の受信回路と、
    受信した前記クロック信号の所定期間内のクロック数に応じて前記第一の送信データを再生する再生回路と、を有する、
    半導体装置。
  2. 前記クロック生成回路は、
    入力される入力クロック信号を分周して出力する分周回路と、
    前記入力クロック信号と、前記分周回路が出力するクロック信号と、を前記第一の送信データに応じて選択し、前記第一の送信回路に出力するセレクタと、を有する、
    請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記クロック生成回路には異なる周波数の複数の入力クロック信号が入力され、前記クロック生成回路は前記複数の入力クロック信号のいずれかを出力する、
    請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記第一の送信データは1ビットのデータであり、
    前記クロック生成回路は、前記1ビットのデータに応じて前記クロック信号を前記第一の送信回路に出力するセレクタを備える、
    請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記第一の送信データは複数ビットのデータであり、
    前記クロック生成回路は、前記複数ビットのデータに応じて前記クロック信号を前記第一の送信回路に出力するセレクタを備える、
    請求項1に記載の半導体装置。
  6. 前記再生回路は、
    受信した前記クロック信号の所定期間内のクロック数をカウントするカウンタと、
    前記カウンタがカウントした前記クロック数と所定の閾値との比較結果に基づいて前記第一の送信データを判定する判定機と、を有する、
    請求項1に記載の半導体装置。
  7. 前記第一の半導体チップはマイクロプロセッサ、前記第二の半導体チップはメモリチップであり、前記第一の送信データは前記第二の半導体チップの動作を制御する制御信号である、
    請求項1に記載の半導体装置。
  8. 前記第一の半導体チップはメモリチップ、前記第二の半導体チップはマイクロプロセッサであり、前記第一の送信データは前記第一の半導体チップの動作状態を示す動作モード信号である、
    請求項1に記載の半導体装置。
  9. 前記第一の送信回路は、前記クロック信号に応じた電流を流す第一の送信コイルを有し、前記第一の受信回路は、前記第一の送信コイルに流れた電流に応じて電圧が誘起されることにより前記クロック信号を受信する第一の受信コイルを有する、
    請求項1に記載の半導体装置。
  10. 前記第一の半導体チップは、第二の送信データを誘導結合方式により前記第二の半導体チップへ送信する第二の送信回路を、前記第二の半導体チップは、前記第一の半導体チップから誘導結合方式により送信された前記第二の送信データを受信する第二の受信回路をさらに備え、
    前記第二の送信回路は、前記第二の送信データに応じた電流を流す第二の送信コイルを有し、前記第二の受信回路は、前記第二の送信コイルに流れた電流に応じて電圧が誘起されることにより前記第二の送信データを受信する第二の受信コイルを有する、
    請求項9に記載の半導体装置。
  11. 前記第一の送信データは前記第二の送信データに比較して変化率が少ない、
    請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記第一の半導体チップはマイクロプロセッサ、前記第二の半導体チップはメモリチップであり、
    前記第一の送信データは前記第二の半導体チップの動作を制御する制御信号であり、前記第二の送信データは前記第二の半導体チップに書き込まれるデータである、
    請求項11に記載の半導体装置。
  13. 前記第一の半導体チップはメモリチップ、前記第二の半導体チップはマイクロプロセッサであり、
    前記第一の送信データは前記第一の半導体チップの動作状態を示す動作モード信号であり、前記第二の送信データは前記第一の半導体チップから読み出されたデータである、
    請求項11に記載の半導体装置。
  14. 前記第二の半導体チップは、第三の送信データを誘導結合方式により前記第一の半導体チップへ送信する第三の送信回路を、前記第一の半導体チップは、前記第二の半導体チップから誘導結合方式により送信された前記第三の送信データを受信する第三の受信回路をさらに備え、
    前記第三の送信回路は、前記第三の送信データに応じた電流を流す第三の送信コイルを有し、前記第三の受信回路は、前記第三の送信コイルに流れた電流に応じて電圧が誘起されることにより前記第三の送信データを受信する第三の受信コイルを有する、
    請求項9に記載の半導体装置。
  15. 前記第一の送信データは前記第三の送信データに比較して変化率が少ない、
    請求項14に記載の半導体装置。
  16. 送信データに応じて異なる周波数のクロック信号を生成するクロック生成回路と、
    生成された前記クロック信号を誘導結合方式により受信側の半導体チップへ送信する送信回路と、を備える、
    半導体チップ。
  17. 前記半導体チップは、
    送信側の半導体チップから誘導結合方式により送信されたクロック信号を受信する受信回路と、
    受信した前記クロック信号の所定期間内のクロック数に応じて前記送信側の半導体チップの送信データを再生する再生回路と、をさらに備える、
    請求項16に記載の半導体チップ。
  18. 前記半導体チップは、
    入力クロック信号を発振する発振器と、
    前記入力クロック信号に応じて参照クロックを出力する参照クロック出力回路と、をさらに備え、
    前記クロック生成回路は、前記入力クロック信号と、前記入力クロック信号と周波数が異なるクロック信号と、を前記送信データに応じて選択し前記送信回路に出力するセレクタを有し、
    前記再生回路は、前記参照クロックに基づいて前記クロック数をカウントする、
    請求項17に記載の半導体チップ。
  19. 送信側の半導体チップから誘導結合方式により送信されたクロック信号を受信する受信回路と、
    前記受信したクロック信号の所定期間内のクロック数に応じて前記送信側の半導体チップの送信データを再生する再生回路と、を備える、
    半導体チップ。
  20. 第一の半導体チップと、前記第一の半導体チップに接続された送信コイルと、前記送信コイルから誘導結合方式により送信された信号を受信する受信コイルと、前記受信コイルに接続された第二の半導体チップと、を備え、
    前記第一の半導体チップは、
    送信データに応じて異なる周波数のクロック信号を生成するクロック生成回路と、
    前記クロック信号に応じた電流を出力する電流出力回路と、を有し、
    前記送信コイルは、前記電流出力回路から出力された電流が流れることによって誘導結合方式により前記受信コイルへ前記クロック信号を送信し、
    前記受信コイルには、誘導結合方式により前記送信コイルに流れた電流に応じて電圧が誘起され、
    前記第二の半導体チップは、
    前記受信コイルに誘起された電圧に応じて、前記クロック信号を出力するクロック出力回路と、
    前記クロック信号の所定期間内のクロック数に応じて前記送信データを再生する再生回路と、を有する、
    半導体装置。
  21. 送信データに応じて異なる周波数のクロック信号を生成するクロック生成回路と、
    前記クロック信号に応じた電流を、誘導結合方式により前記クロック信号を送信する送信コイルに出力する電流出力回路と、を備える、
    半導体チップ。
  22. 送信側の半導体チップから誘導結合方式によって送信されたクロック信号により受信コイルに誘起される電圧に応じて、前記クロック信号を出力するクロック出力回路と、
    前記クロック信号の所定期間内のクロック数に応じて前記送信側の半導体チップの送信データを再生する再生回路と、を備える、
    半導体チップ。
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