JP2014182055A - 有機無機複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な形状に加工し易いと共に、放射線遮蔽性能、機械的強度が高く、しかも環境負荷が低い放射線遮蔽材料を創案する。
【解決手段】本発明の有機無機複合体は、少なくとも無鉛ガラスと樹脂を含む有機無機複合体であって、無鉛ガラスの密度が3.0g/cm以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、放射線遮蔽材に用いられる有機無機複合体に関し、具体的には、放射線を扱う理化学機器周辺、原子力施設、医療施設等の壁材等に好適な有機無機複合体に関する。
X線等を用いる理化学機器や医療機器の周囲、γ線等が発生する原子力施設等では、放射線が漏洩してその近隣に影響を与えないように、放射線を遮蔽する目的で放射線遮蔽材が使用されている。放射線遮蔽材には、一般的に、鉛板、鉄板、コンクリート等が用いられる(例えば、特許文献1参照)。しかし、これらの放射線遮蔽材は、視認性を有しないため、内部の確認が必要な用途(例えば、覗き窓、観察用窓)に使用できない。このため、これらの用途には、高鉛含有のガラスが用いられている(例えば、特許文献2参照)。
更に、鉛板、鉄板、コンクリート等は、複雑な形に加工し難いと共に、表面が無機的であるため、医療現場では患者、理化学機器、原子力施設では作業者にとって、心理的に冷たく感じられるという欠点を有していた。心理的影響を軽減するために、例えば、放射線遮蔽材の表面に装飾を形成することも考えられるが、この方法は、製造コストの高騰を招く虞がある。
特開昭61−235799号公報 特開平2−212331号公報 特開平4−99996号公報 特開平11−133184号公報 特開2002−131474号公報
上記問題を解決するために、鉛化合物の粉末と樹脂を混合して、有機無機複合体(放射線遮蔽材料)に加工する試みが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、高環境負荷の鉛化合物の粉末以外に、バリウム化合物の粉末、或いは酸化スズの粉末と樹脂を混合して、有機無機複合体(放射線遮蔽材料)に加工する試みが提案されている(例えば、特許文献4、5参照)。
これらの粉末と樹脂を混合する際に、粉末の混合質量比率を高めると、放射線遮蔽能が向上するが、樹脂と均一に混ざり難くなったり、また機械的強度が低下したり、更に空隙が発生し易くなる。結果として、放射線遮蔽材料としての機能を十分に発揮できなくなる。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、複雑な形状に加工し易いと共に、放射線遮蔽能、機械的強度が高く、しかも環境負荷が低い放射線遮蔽材料を創案することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、無鉛ガラスと樹脂を混合して、これを放射線遮蔽材に適用することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の有機無機複合体は、少なくとも無鉛ガラスと樹脂を含む有機無機複合体であって、無鉛ガラスの密度が3.0g/cm以上であることを特徴とする。ここで、「無鉛ガラス」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が0.2質量%以下のガラスを指す。なお、有機無機複合体中の無鉛ガラスと樹脂の合量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、特に98質量%以上が好ましい。
本発明の有機無機複合体では、無鉛ガラスを用いる。このようにすれば、樹脂との適合性が向上すると共に、環境負荷が低下するため、作業環境が悪化し難くなり、更に廃棄の際に特別な仕分けが不要になる。
本発明の有機無機複合体では、無鉛ガラスの密度が3.0g/cm以上である。このようにすれば、放射線遮蔽能を高め易くなると共に、無鉛ガラスの混合質量比率を高めても、樹脂と均一に混ぜることが可能になり、結果として、有機無機複合体の機械的強度が低下し難く、更に空隙が発生し難くなる。
第二に、本発明の有機無機複合体は、無鉛ガラスが、ガラスの組成として、質量%で、SiO 15〜55%、Al 0〜10%、B 0〜15%、SrO 0〜30%、BaO 10〜40%、ZnO 0〜10%、ZrO 0〜20%、TiO 0〜15%、SnO 0〜10%を含有することが好ましい。
第三に、本発明の有機無機複合体は、無鉛ガラスの形状が、粉末状又は繊維状であることが好ましい。
第四に、本発明の有機無機複合体は、有機無機複合体の形状が、板状であることが好ましい。
第五に、本発明の有機無機複合体は、厚さ5mmとした時に、厚み方向に管電圧150kVで照射したX線の透過率が10%以下になることが好ましい。「X線の透過率」は、原則として、JIS Z 4501に記載の手順で行うこととし、測定条件として、X線管電圧を150kV、管電流値を12.5mAとする。
第六に、本発明の有機無機複合体は、3点曲げ強度が100MPa以上であることが好ましい。ここで、「3点曲げ強度」は、市販のオートグラフにより測定可能であり、測定スパンを16mmとし、評価試料の寸法を3mm×4mm×20mmとする。
第七に、本発明の有機無機複合体は、放射線遮蔽材に用いることが好ましい。
本発明の有機無機複合体は、種々の形状に加工し易い性質を有し、特に形状は限定されないが、壁材、窓材への適用を考慮すると、板状であることが好ましい。
本発明の有機無機複合体は、厚さ5mmとした場合に、厚み方向に管電圧150kVで照射したX線の透過率が10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、特に6%以下が好ましい。X線の透過率が高過ぎると、放射線遮蔽能が低下して、放射線遮蔽材に使用し難くなる。
本発明の有機無機複合体は、3点曲げ強度が100MPa以上、120MPa以上、135MPa以上、150MPa以上、特に170MPa以上が好ましい。3点曲げ強度が低過ぎると、壁材、窓材等に適用し難くなる。
本発明の有機無機複合体において、無鉛ガラスの密度は3.0g/cm以上であり、好ましくは3.1g/cm以上、3.2g/cm以上、3.3g/cm以上、3.4g/cm以上、3.5g/cm以上、特に3.6g/cm以上である。無鉛ガラスの密度が低過ぎると、放射線遮蔽能を高め難くなると共に、無鉛ガラスの混合質量比率を高めた場合に、有機無機複合体の機械的強度が低下し易くなり、更に空隙が発生し易くなる。
無鉛ガラスの形状は、特に限定されない。例えば、粉末状、ビーズ状、繊維状とすることができる。粉末状とすれば、樹脂中に均一に分散させ易くなる。繊維状とすれば、有機無機複合体の機械的強度が向上し易くなる。
無鉛ガラスのガラス粉末は、例えば、所定量の原料を調合、混合、溶融した上で、得られた溶融ガラスを水砕した後、ボールミルによる粉砕処理、分級処理を行うことにより作製することができる。また、無鉛ガラスのガラス繊維は、例えば、白金ブッシングの細孔から溶融ガラスを引き出した後、巻き取ったり、溶融ガラスを遠心力で引き伸ばしたり、溶融ガラスを高速の火炎で吹き飛ばすこと(スピニング法)により作製することができる。得られたガラス繊維をクロス状に編んでもよいし、ボールミル等で粉砕してもよい。
樹脂と混合する前に、無鉛ガラスの表面をカップリング剤でカップリング処理することが好ましい。このようにすれば、樹脂との濡れ性が向上するため、無鉛ガラスの混合質量比率を高めることができる。結果として、有機無機複合体の放射線遮蔽能が向上すると共に、無鉛ガラスと樹脂の接着界面が多くなるため、有機無機複合体の機械的強度も向上する。カップリング剤として、シラン系、チタニア系、ジルコニア系等が使用可能であり、シラン系として、アミノ基を有するアミノカップリング剤、エポキシ基を有するエポキシカップリング剤、二重結合を有するビニルカップリング剤等が使用可能である。なお、無鉛ガラスは、水酸基が多いため、カップリング処理し易い特徴を有する。
本発明の有機無機複合体において、無鉛ガラスは、ガラスの組成として、質量%で、SiO 15〜55%、Al 0〜10%、B 0〜15%、SrO 0〜30%、BaO 10〜40%、ZnO 0〜10%、ZrO 0〜20%、TiO 0〜15%、SnO 0〜10%を含有することが好ましい。
SiOは、ガラスネットワークを形成する成分である。SiOの含有量は15〜55%が好ましい。SiOの含有量が多くなると、溶融性、成形性が低下し易くなり、また放射線遮蔽能が低下し易くなる。よって、SiOの含有量は50%以下、48%以下、特に45%以下が好ましい。一方、SiOの含有量が少なくなると、ガラスネットワークを形成し難くなり、ガラス化が困難になる。また、ガラスの粘度が低下し過ぎて、高い液相粘度を確保し難くなる。更に、シランカップリング剤により、ガラス中のSiOと樹脂の界面を強固に結合させ難くなり、結果として、有機無機複合体の機械的強度を高め難くなる。よって、SiOの含有量は20%以上、25%以上、特に30%以上が好ましい。
Alは、ガラスネットワークを形成する成分である。Alの含有量は0〜10%が好ましい。Alの含有量が多くなると、ガラスの粘度が上昇したり、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、液相粘度が低下し易くなる。よって、Alの含有量は8%以下、特に5%以下が好ましい。一方、Alの含有量が少なくなると、ガラス組成の成分バランスを欠いて、逆にガラスが失透し易くなる。よって、Alの含有量は0.1%以上、0.5%以上、特に1%以上が好ましい。
は、ガラスネットワークを形成する成分である。Bの含有量は0〜15%が好ましい。Bの含有量が多くなると、ガラスが分相を起こして、耐水性が低下する虞がある。よって、Bの含有量は10%以下、8%以下、特に6%以下が好ましい。
SrOは、アルカリ土類金属酸化物の中では、ガラスの粘度を極端に低下させずに、放射線遮蔽能を高める成分である。SrOの含有量は0〜30%が好ましい。SrOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスを欠いて、ガラスが失透し易くなる。よって、SrOの含有量は26%以下、24%以下、特に20%以下が好ましい。一方、SrOの含有量が少なくなると、所望の放射線遮蔽能を得難くなる。よって、SrOの含有量は1%以上、2%以上、特に4%以上が好ましい。
BaOは、アルカリ土類金属酸化物の中では、ガラスの粘度を極端に低下させずに、放射線遮蔽能を高める成分である。BaOの含有量は10〜40%が好ましい。BaOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスを欠いて、ガラスが失透し易くなる。よって、BaOの含有量は36%以下、32%以下、特に28%以下が好ましい。一方、BaOの含有量が少なくなると、所望の放射線遮蔽能を得難くなる。よって、BaOの含有量は5%以上、10%以上、特に15%以上が好ましい。
ZnOは、ガラスの粘度を極端に低下させずに、放射線遮蔽能を高める成分である。ZnOの含有量は0〜10%が好ましい。ZnOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスを欠いて、ガラスが失透し易くなる。よって、ZnOの含有量は8%以下、6%以下、特に5%以下が好ましい。
ZrOは、放射線遮蔽能を高める成分である。ZrOの含有量は0〜20%が好ましい。ZrOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスを欠いて、ガラスが失透し易くなる。よって、ZrOの含有量は18%以下、16%以下、特に15%以下が好ましい。
TiOは、ガラスの粘度を極端に低下させずに、放射線遮蔽能を高める成分である。TiOの含有量は0〜15%が好ましい。TiOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスを欠いて、ガラスが失透し易くなる。よって、TiOの含有量は13%以下、11%以下、特に10%以下が好ましい。
SnOは、放射線遮蔽能を高める成分である。SnOの含有量は0〜10%が好ましい。SnOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスを欠いて、ガラスが失透し易くなる。よって、SnOの含有量は8%以下、6%以下、特に5%以下が好ましい。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を導入してもよい。
MgOは、放射線遮蔽能を高める成分である。MgOの含有量は0〜10%が好ましい。MgOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスを欠いて、ガラスが失透し易くなる。よって、MgOの含有量は6%以下、4%以下、特に2%以下が好ましい。
CaOは、放射線遮蔽能を高める成分である。CaOの含有量は0〜10%が好ましい。CaOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスを欠いて、ガラスが失透し易くなる。よって、CaOの含有量は8%以下、7%以下、特に6%以下が好ましい。
Laは、放射線遮蔽能を高める成分である。Laの含有量は0〜10%が好ましい。Laの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスを欠いて、ガラスが失透し易くなる。よって、Laの含有量は8%以下、6%以下、特に4%以下が好ましい。
上記の成分以外に他の成分を導入することができる。放射線遮蔽能を高めるために、例えば、Nb、Gd、CeO、WO、Sb、As等を導入することができる。しかし、これら成分は、原料コストが非常に高いため、その使用をなるべく控える方が好ましい(これらの明示成分の合量は5%以下が好ましい)。また、ガラスの粘度を調整するために、種々のアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KO)を導入することができる。
本発明の有機無機複合体において、種々の樹脂が使用可能である。樹脂として、熱可塑性樹脂が使用可能であり、また熱硬化性樹脂も使用可能である。熱可塑性樹脂として、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂等が使用可能であり、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が使用可能であり、また紫外線硬化タイプが使用可能であり、2液混合タイプも使用可能である。
熱可塑性樹脂を用いる場合は、無鉛ガラスと熱可塑性樹脂の混合物に対して、必要に応じて、着色用の顔料等を添加して、樹脂が流動性を有する温度まで加熱しながら混練して、無鉛ガラスを略均一に分散させた後、ペレット化し、そのペレットを種々の成形方法で所望の形状に成形、加工して、有機無機複合体を作製することが好ましい。成形方法として、射出成形、プレス成形、押出成形、引抜成形等を採用することができる。
熱硬化性樹脂を用いる場合は、無鉛ガラスと熱硬化性樹脂の混合物に対して、必要に応じて、着色用の顔料、硬化剤等を添加して、混練器又は3本ローラーにより無鉛ガラスを略均一に分散させた後、脱泡して所定の型(容器)に流し込み、所定の形状に成形、一体加工して、有機無機複合体を作製することが好ましい。成形時に、必要に応じて、加圧したり、加熱したり、紫外線等を照射してもよい。
なお、無鉛ガラスと樹脂は、一体化しなくてもよい。例えば、無鉛ガラスと樹脂の混合物を所定の容器に入れて、使用に供してもよい。
実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1、2は、無鉛ガラスのガラス組成を示している。なお、表2に記載のADは、樹脂強化ガラス繊維に用いられるEガラスである。表3、4は、本発明の実施例(試料No.1〜15)と比較例(試料No.16〜18)を示している。なお、表4に記載の試料No.18は、無鉛ガラスの代わりに、硫酸バリウムの粉末を用いている。
表1、2に記載のガラス組成になるように、所定量の原料を調合、混合し、これを白金るつぼに投入して、1100〜1600℃で2〜4時間溶融した。次に、得られた溶融ガラスの一部を水の入ったバケツに流し出して水砕した後、ボールミルによる粉砕処理、分級処理を行い、所定の粒度のガラス粉末を作製した。なお、試料No.15、17は、得られたガラス粉末を再度溶融し、スピニング法により、繊維径が13μmになるように成形した上で、その表面をエポキシシランカップリング剤でカップリング処理を行い、100℃で乾燥した後、約3mm長に切断したものである。続いて、残りの溶融ガラスをガラス塊に成形した後、特性測定に供した。
密度は、アルキメデス法を用いて測定した値である。
150keVにおける放射線の線吸収係数μは、ガラス組成と密度から算出した値である。なお、各元素の質量吸収係数として、PHOTXのデータを用いた。
表3、4に記載の無鉛ガラスと樹脂(エポキシ樹脂又はポリエチレン樹脂)を表3、4に記載の質量割合で混合、混錬した後、所定形状に成形、一体加工して、所定寸法の有機無機複合体を作製した。なお、表3、4に記載の粒径は、平均粒子径D50であり、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した値である。
オートグラフにより、3点曲げ試験(スパン16mm)を行い、3点曲げ強度を評価した。なお、評価試料の寸法を3mm×4mm×20mmとした。
X線の透過率は、原則として、JIS Z 4501に記載の手順で行った。測定条件として、X線管電圧を150kV、管電流値を12.5mAとし、測定試料の厚みを5mmとした。なお、X線の線質を硬くするために、0.25mm厚の付加フィルターをX線発生装置の出口に装着した。
表3、4から明らかなように、試料No.1〜15は、X線の透過率が低いため、放射線遮蔽能が良好であった。また、曲げ強度が高いため、十分な機械的強度を有していた。一方、試料No.16、17は、機械的強度が高いが、無鉛ガラスの密度が低いため、放射線遮蔽能が低かった。No.18は、放射線遮蔽能が良好であったが、無鉛ガラス(特にSiO)を含んでいないため、機械的強度が低かった。
本発明の有機無機複合体は、複雑な形状に加工し易いと共に、放射線遮蔽能、機械的強度が高く、しかも環境負荷が低い特徴を有している。このため、理化学機器周辺、医療機器周辺、原子力施設等に用いる放射線遮蔽材に好適であり、宇宙線の影響を可及的に低減すべき用途(研究施設の壁、床材等)にも好適である。

Claims (7)

  1. 少なくとも無鉛ガラスと樹脂を含む有機無機複合体であって、無鉛ガラスの密度が3.0g/cm以上であることを特徴とする有機無機複合体。
  2. 無鉛ガラスが、ガラスの組成として、質量%で、SiO 15〜55%、Al 0〜10%、B 0〜15%、SrO 0〜30%、BaO 10〜40%、ZnO 0〜10%、ZrO 0〜20%、TiO 0〜15%、SnO 0〜10%を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機無機複合体。
  3. 無鉛ガラスの形状が、粉末状又は繊維状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機無機複合体。
  4. 有機無機複合体の形状が、板状であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の有機無機複合体。
  5. 厚さ5mmとした時に、厚み方向に管電圧150kVで照射したX線の透過率が10%以下になることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の有機無機複合体。
  6. 3点曲げ強度が100MPa以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の有機無機複合体。
  7. 放射線遮蔽材に用いることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の有機無機複合体。
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