JP2014181270A - セルロース微細繊維含有樹脂複合体 - Google Patents

セルロース微細繊維含有樹脂複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】透明度の高いセルロース微細繊維を含有する樹脂複合体を提供する。
【解決手段】平均繊維径が1μm以下のセルロース微細繊維を含有し、窒素ガス吸着法による比表面積が30〜200m2/gであるセルロース微細繊維含有シート、及び樹脂を含有するセルロース微細繊維含有樹脂複合体。前記セルロース微細繊維含有シートの密度が0.50〜0.95g/cm2である。前記セルロース微細繊維複合体のYI値が10以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明度の高いセルロース微細繊維を含有する樹脂複合体に関する。
植物には、セルロース、キシラン、リグニン等が主に含まれており、植物の主要成分であるセルロースは、主に紙の原料として用いられている。近年、セルロース微細繊維を樹脂に混合すると樹脂の強度が高まることが報告されている。セルロース微細繊維を含有する樹脂(セルロース繊維含有樹脂複合体)は、液晶ディスプレイ等に用いられる素材として有用である。しかし、セルロース微細繊維と樹脂を混合する過程で、例えば、加熱処理をすると着色度が上昇するという問題がある。もし、着色度の低い(透明性の高い)セルロース微細繊維含有樹脂複合体を効率的に製造することができれば、セルロース微細繊維含有樹脂複合体の用途が拡大するため望ましい。
透明度の高いセルロース微細繊維含有樹脂複合体に関して、例えば、セルロースを含有する不織布とセルロース以外の樹脂と難燃化剤を含む複合体が報告されている(特許文献1)。もし、樹脂と混合する前のセルロース微細繊維の特性を改変することにより、セルロース微細繊維と樹脂との混合性がさらに良くなれば、セルロース微細繊維含有樹脂複合体の有する特性も向上することが可能となる。
特開2008−106152号公報
本発明は、透明度の高いセルロース微細繊維を含有する樹脂複合体を提供することを課題とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]平均繊維径が1μm以下のセルロース微細繊維を含有し、窒素ガス吸着法による比表面積が30〜200m2/gであるセルロース微細繊維含有シート、及び樹脂を含有することを特徴とするセルロース微細繊維含有樹脂複合体。
[2]前記セルロース微細繊維含有シートの密度が0.50〜0.95g/cm2であることを特徴とする[1]に記載のセルロース微細繊維含有樹脂複合体。
[3]前記セルロース微細繊維複合体のYI値が10以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のセルロース微細繊維含有樹脂複合体。
本発明により、透明度の高いセルロース微細繊維を含有する樹脂複合体を提供することができる。
リグノセルロース原料は、パルプ、または、パルプ以外の、リグノセルロースを含む原料である。リグノセルロース原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
パルプとしては、製紙用パルプ、コットンリンターやコットンリントなどの綿系パルプ、麻、麦わら、バガスなどの非木材系パルプなどが挙げられる。これらの中でも、入手のしやすさという点で、製紙用パルプが好ましい。製紙用パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(LOKP)など)、針葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(NOKP)など)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられる。
パルプ以外のリグノセルロース原料としては、木質系として、製紙用樹木、林地残材、間伐材等のチップ又は樹皮、木本性植物の切株から発生した萌芽、製材工場等から発生する鋸屑又はおがくず、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等が挙げられる。草本系としてケナフ、稲藁、麦わら、コーンコブ、バガス等の農産廃棄物、油用作物やゴム等の工芸作物の残渣及び廃棄物(例えば、EFB: Empty Fruit Bunch)、草本系エネルギー作物のエリアンサス、ミスカンサスやネピアグラス等が挙げられる。
また、パルプ以外のリグノセルロース原料はバイオマスであってもよい。バイオマスとしては、木材由来の紙、古紙、パルプスラッジ、スラッジ、下水汚泥等、食品廃棄物、等が挙げられる。これらのバイオマスは、単独、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。また、バイオマスは、乾燥固形物であっても、水分を含んだ固形物であっても、スラリーであってもよい。
前記木質系のリグノセルロース系原料としては、ユーカリ(Eucalyptus)属植物、ヤナギ(Salix)属植物、ポプラ属植物、アカシア(Acacia)属植物、スギ(Cryptomeria)属植物等が利用できる。これらのうちでも、ユーカリ属植物、アカシア属、ヤナギ属植物が原料として大量に採取し易いため好ましい。
本発明のセルロース微細繊維は、前記リグノセルロース原料から下記の方法により調製する。
[前処理]
前記リグノセルロース原料は、機械的処理、化学的処理、酵素処理等の前処理を施しても良い。前処理を施すことにより、後の工程でセルロースが凝集し易くなるため前処理を施すことが望ましい。
機械的処理としては、破砕、裁断、磨砕、解繊等の任意の機械的手段が挙げられ、機械的処理としては、一軸破砕機、二軸破砕機、ハンマークラッシャー、リファイナー(ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー等)、ニーダー、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミル、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、ビーター等、湿式粉砕する装置等が挙げられる。
化学的処理としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選ばれる1種以上のアルカリ薬品、又は、亜硫酸ナトリウムと前記アルカリ薬品の中から選ばれる1種以上のアルカリ薬品を含有する水溶液、あるいは、塩酸、硫酸、ギ酸等の酸、イオン水等の水溶液に浸漬する化学的処理を含む前処理である。また、オゾン、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシラジカル)、二酸化塩素等の酸化剤による化学的処理も可能である。前記化学的では、過熱しても良い。加熱処理条件(温度、時間)は、後工程でのセルロース繊維の凝集に適した条件であれば特に制限なく用いることができる。
酵素処理としては、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、リグニン分解酵素等の酵素を用いることができる。セルラーゼとしては、セロビオヒドロラーゼ活性、エンドグルカナーゼ活性、ベータグルコシダーゼ活性を有する、所謂セルラーゼと総称される酵素である。
各セルロース分解酵素は、夫々の活性を有する酵素を適宜の量で添加しても良いが、市販のセルラーゼ製剤を用いても良い。リグノセルロース原料に対する酵素の添加量、反応条件は、後工程でのセルロース繊維の凝集に適した条件であれば特に制限なく用いることができる。
前記方法によりリグノセルロース原料からセルロース微細繊維が得られる。
(平均繊維長)
セルロース微細繊維の平均繊維長は、100nm〜200μmであることが好ましく、300nm〜80μmであることがより好ましく、500nm〜70μmであることがさらに好ましい。
(繊維幅)
セルロース微細繊維は、電子顕微鏡で観察して求めた平均繊維幅が0.001〜1μmであることが好ましく、0.002〜0.5μmであることがより好ましく、0.004〜0.1μmであることがさらに好ましい。
本発明のセルロース微細繊維は、化学修飾されていても良い。化学修飾によってセルロース微際繊維に付加する官能基としては、例えば、アセチル基、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
化学修飾の方法としては、化学修飾が可能な方法であれば特に制限なく用いることができ、例えば、溶媒、触媒等を用いることができる。
本発明では、前記方法で得られたセルロース微細繊維を通常のシートの抄紙に用いられる方法によりセルロース微細繊維を含有するシート(以下、「セルロース微細繊維含有シート」という。)を製造する。
抄紙の際には、通常の抄紙で用いられる長網式、円網式、傾斜式等の連続抄紙機のほか、これらを組み合わせた多層抄き合わせ抄紙機を用いてもよいし、手抄きでもよい。
また、抄紙の際には、シートの密度を制御するため脱水の後の湿紙状態のシートに有機溶媒を添加してもよい。得られたシートには水分が含まれていても良いが、乾燥している方が望ましい。
[比表面積]
前記方法により得られたセルロース微細繊維含有シートの比表面積は、30〜200m2/gの範囲が好ましく、50〜200m2/gの範囲がさらに好ましく、70〜200m2/gの範囲が特に好ましい。セルロース微細繊維含有樹脂複合体の比表面積を前記範囲にすることにより、セルロース微細繊維含有シートへの樹脂の吸着効果を高めることができる。比表面積は、下記の方法で測定した。
[比表面積の測定方法]
セルロース微細繊維含有シートを105℃で乾燥して測定用試料を得た。この試料を、105℃の温度で2時間の真空脱気を行って前処理した後、窒素ガス吸着法比表面積・細孔分布測定装置(Coulter社製SA3100plus型)を用いて、比表面積及び細孔容積を測定した。比表面積は、BET多点法(5点法)を用いて測定し、細孔容積は、細孔径200nm以下の全細孔容積の値(窒素相対圧0.991)を用いた。
[密度]
セルロース微細繊維含有シートの密度は、0.50〜0.95g/cm3が好ましく、0.50〜0.9g/cm3がさらに好ましい。密度はJIS P8118:1998に準じて測定した値である。本発明のセルロース微細繊維含有シートは密度が高いほど強度が高くなる。
[坪量]
本発明のセルロース微細繊維含有シートの坪量は、5〜100g/m2であり、10〜80g/m2であることが好ましい。ここで、坪量はJIS P8124:1998に準じて測定した値である。
セルロース微細繊維含有シートの坪量が前記下限値未満では、シート剛度が小さいためハンドリング性が悪く、また厚さが薄いためシートとしての引張破断強度が小さく、加工の際に紙切れを起こしやすい。一方、微細セルロース微細繊維含有シートの坪量が前記上限値を超えると抄紙の際の脱水性が低いため、生産性が不充分になる。
本発明では、前記で得られたセルロース微細繊維含有シートに化学修飾を施しても良い。化学修飾の前にセルロース微細繊維含有シートに含まれる溶媒を有機溶媒で置換しても良い。化学修飾は、セルロース微細繊維含有シートを乾燥してから行う方が化学修飾の反応速度が速くなるため好ましい。乾燥方法としては、減圧乾燥、加熱乾燥等通常用いられる方法が挙げられる。
セルロース微細繊維含有シートに化学修飾を施した場合は、化学修飾後は、反応を終結させるために水で十分に洗浄することが好ましい。未反応の化学修飾剤が残留していると、後で着色の原因になったり、樹脂と複合化する際に問題になったりするので好ましくない。また、水で十分に洗浄した後、さらに残留する水をアルコール等の有機溶媒で置換することが好ましい。この場合、不織布をアルコール等の有機溶媒に浸漬しておくことで容易に置換することができる。
本発明では、前記セルロース微細繊維とセルロース微細繊維以外の繊維を混合して用いることもできる。セルロース微細繊維以外の繊維としては、例えば、無機繊維、有機繊維が挙げられる。無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、岩石繊維、金属繊維等が挙げられるがこれらに限定されない。有機繊維としては、例えば、炭素繊維、キチン、キトサン等の天然物由来の繊維等が挙げられるがこれらに限定されない。前記セルロース微細繊維とセルロース微細繊維以外の繊維を混合して用いる場合、セルロース微細繊維以外の繊維は、必要に応じて化学的処理、解繊処理等の処理を施すことができる。セルロース微細繊維以外の繊維に化学的処理、解繊処理等の処理を施す場合、セルロース微細繊維以外の繊維は、セルロース微細繊維と混合してから化学的処理、解繊処理等の処理を施すこともできるし、セルロース微細繊維以外の繊維に化学的処理、解繊処理等の処理を施してからセルロース微細繊維と混合することもできる。
本発明のセルロース微細繊維含有樹脂複合体は、前記で得られたセルロース微細繊維含有シートを樹脂と混合して製造する。セルロース微細繊維含有シートと樹脂の混合比は、特に制限されないが、1:99〜99:1が好ましく、5:95〜95:5がさらに好ましく、10:90〜90:10が特に好ましい。
セルロース微細繊維含有樹脂複合体の形状は、シート状、立体、球状、粒子状等特に制限なく、曲面を有していても良いし、異形形状であっても良い。また、厚さも特に制限はない。また、セルロース微細繊維含有樹脂複合体がシート状である場合、複数枚のシートを積層することもできる。
前記樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系
樹脂、脂肪族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル
系樹脂、脂肪族ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
フェニレンエーテル系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリス
ルホン系樹脂、非晶性フッ素系樹脂等が挙げられるがこれらに制限されない。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、珪素樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられるがこれらに制限されない。
光硬化性樹脂としては、ラジカル重合可能な化合物を重合又は共重合してなる(メタ)アクリレート系の重合体又は共重合体が挙げられるがこれらに制限されない。
前記樹脂は、単独で用いても良く、2種類以上の異なる樹脂を用いても良い。
熱硬化性樹脂の硬化剤としては、例えば、多官能アミン、ポリアミド、酸無水物、フェノール樹脂等が挙げられるが特にこれらに制限されない。また、熱硬化性樹脂の硬化触媒としては、例えば、イミダゾール等が挙げられるが特にこれらに制限されない。前記硬化剤、硬化触媒は、単独で用いることもできるし、2種類以上を用いることもできる。
前記セルロース微細繊維含有シートと樹脂と混合し、硬化させてセルロース微細繊維含有樹脂複合体を製造する場合に硬化させる方法としては、例えば、熱により硬化させる方法、放射線照射により硬化される方法等が挙げられるが、これらに制限されない。放射線としては、赤外線、可視光線、紫外線、挙げられるが、これらに制限されない。熱により硬化させる方法の場合、例えば、熱重合開始剤を用いても良く、硬化することができる方法であれば特に制限なく用いることができる。
[YI値]
本発明のセルロース微細繊維含有樹脂複合体のYI値は、10以下が好ましく、9以下がさらに好ましく、8以下が特に好ましい。YI値は、スガ試験機製カラーコンピュータを用いて測定した。YI値(着色性の指標)を前記範囲になるようにすることにより透明度の高い(着色性の低い)セルロース微細繊維含有樹脂複合体を得ることができる。
本発明のセルロース微細繊維含有樹脂複合体は、透明性に優れ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイおよびタッチパネルや太陽電池の基板や前面板、カラーフィルター基板等に用いることができる。特に、本発明の複合体を用いたディスプレイ用プラスチック基板によって、これらディスプレイに用いられるガラス用途への本発明の複合体の代替が可能になり、軽量化、柔軟性、割れにくいなどの効果が得られる。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の方法でセルロース微細繊維含有シートを得た。
(セルロース微細繊維含有シート1:製造例1)
針葉樹晒クラフトパルプ(王子ホールディングス株式会社製、水分50%、JIS P8121に準じて測定されるカナダ標準ろ水度(CSF)は550ml)を濃度5.0%になるように水を加え、ディスインテグレーターで離解して、パルプ分散液を得た。このパルプ分散液を長径250mmのグラインダー部を有する増幸産業社製のマスコロイダーを用いて、処理回数3回で解繊処理を行って微細化した。次いで、濃度が約3質量%になるように水を加えて希釈し、ホモミキサーで攪拌して微細繊維分散液Aを得た。
上記微細繊維分散液Aを供給タンクに収容し、攪拌機により攪拌しながらダイヘッドへ供給した。ダイヘッド開口部から出た分散液は、速度0.35m/minで走行するファブリックシートからなるワイヤーへ供給され、吸引手段を用いて搾水することにより含水ウェブを得た。搾水された含水ウェブの上部からエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル(EGtBE)をパルプ固形分100部に対し1000部滴下し、吸引手段を用いて含水ウェブの上面から下面へEGtBEを浸透させた。このEGtBEを含む含水ウェブを乾燥セクションへ送り表面温度130℃に設定したドライヤにて拘束乾燥させセルロース微細繊維含有シートを得た。
このセルロース微細繊維含有シートを100mlの無水酢酸に含浸して90℃にて7時間加熱した。その後、イオン交換水でよく洗浄し、イソプロピルアルコールに10分浸漬した後、120℃、0.14MPaにて5分間プレス乾燥して化学処理されたセルロース微細繊維含有シート1を得た。
(セルロース微細繊維含有シート2)
製造例1にてEGtBEをパルプ固形分100部に対し700部滴下した以外は実施例1と同様の方法でセルロース微細繊維含有シート2を得た。
(セルロース微細繊維含有シート3)
製造例1にてEGtBEをパルプ固形分100部に対し400部滴下した以外は実施例1と同様の方法でセルロース微細繊維含有シート3を得た。
(セルロース微細繊維含有シート4)
製造例1にてEGtBEをパルプ固形分100部に対し100部滴下した以外は実施例1と同様の方法でセルロース微細繊維含有シート4を得た。
(セルロース微細繊維含有シート5)
製造例1にてEGtBEを滴下しなかった以外は実施例1と同様の方法でセルロース微細繊維含有シート5を得た。
セルロース微細繊維含有シート1〜5におけるセルロース微細繊維の平均繊維径は、150nm〜300nmであった。
(セルロース繊維含有シート1)
実施例1にてマスコロイダーによる微細化処理を行わずに繊維分散液Bを得て、繊維分散液Bを供給タンクに収容した以外は実施例2と同様の方法でセルロース繊維含有シート1を得た。
(実施例1)
セルロース微細繊維含有シート1を、1,10−デカンジオールジアクリレート100質量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「ルシリンTPO」)0.02質量部、およびベンゾフェノン0.01質量部を混合した溶液に含浸させ、減圧下で一晩放置した。得られた樹脂溶液を含浸させたセルロース繊維集合体を2枚のガラス板に挟み、無電極水銀灯ランプ(フュージョンUVシステムズ社製「Dバルブ」)を用いて、紫外線硬化させた。紫外線硬化の条件は、波長365nmでの照射強度400mW/cm2、ライン速度7m/minに表裏計2回通して半硬化させ、次いで、波長365nmでの照射強度1900mW/cm2、ライン速度2m/minで表裏各2回(計4回)通して完全硬化させる条件で行った。紫外線照射終了後、ガラス板より硬化した樹脂複合体をはずし、190℃の真空オーブン中で1時間加熱して樹脂複合体(以下、「セルロース微細繊維含有複合体」という。)を得た。
なお、紫外線の放射照度は、オーク製作所製紫外線照度計「UV−M02」で、アタッチメント「UV−35」を用いて、320〜390nmの紫外線の照度を23℃で測定した。
前記セルロース微細繊維含有シート1の坪量、密度、比表面積を下記方法で測定した。また、得られたセルロース微細繊維含有複合体のYI値を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
[坪量の測定方法]
坪量は、JIS P8124:1998に準じて測定した。
[密度の測定方法]
密度は、JIS P8118:1998に準じて測定した。
[比表面積の測定方法]
セルロース微細繊維含有シートを105℃で乾燥して測定用試料を得た。この試料を、105℃の温度で2時間の真空脱気を行って前処理した後、窒素ガス吸着法比表面積・細孔分布測定装置(Coulter社製SA3100plus型)を用いて、比表面積及び細孔容積を測定した。比表面積は、BET多点法(5点法)を用いて測定し、細孔容積は、細孔径200nm以下の全細孔容積の値(窒素相対圧0.991)を用いた。
[YI値の測定方法]
スガ試験機製カラーコンピュータを用いてYI値(黄変度)を測定した。
(実施例2)
実施例1にてセルロース微細繊維含有シート1の代わりにセルロース微細繊維含有シート2を用いた以外は全て実施例1と同様の方法で実施した。前記セルロース微細繊維含有シート2の坪量、密度、比表面積を下記方法で測定した。また、得られたセルロース微細繊維含有複合体のYI値を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1にてセルロース微細繊維含有シート1の代わりにセルロース微細繊維含有シート3を用いた以外は全て実施例1と同様の方法で実施した。前記セルロース微細繊維含有シート3の坪量、密度、比表面積を下記方法で測定した。また、得られたセルロース微細繊維含有複合体のYI値を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1にてセルロース微細繊維含有シート1の代わりにセルロース微細繊維含有シート4を用いた以外は全て実施例1と同様の方法で実施した。前記セルロース微細繊維含有シート4の坪量、密度、比表面積を下記方法で測定した。また、得られたセルロース微細繊維含有複合体のYI値を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1にてセルロース微細繊維含有シート1の代わりにセルロース微細繊維含有シート5を用いた以外は全て実施例1と同様の方法で実施した。前記セルロース微細繊維含有シート5の坪量、密度、比表面積を下記方法で測定した。また、得られたセルロース微細繊維含有複合体のYI値を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1にてセルロース微細繊維含有シート1の代わりにセルロース繊維含有シート1を用いた以外は全て実施例1と同様の方法で実施した。前記セルロース繊維含有シート1の坪量、密度、比表面積を下記方法で測定した。また、得られたセルロース繊維含有複合体のYI値を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
Figure 2014181270
表1に示すように、実施例1〜4の樹脂複合体では、比較例1及び2の樹脂複合体と比較し、YI値(黄変度)が低かった。

Claims (3)

  1. 平均繊維径が1μm以下のセルロース微細繊維を含有し、窒素ガス吸着法による比表面積が30〜200m2/gであるセルロース微細繊維含有シート、及び樹脂を含有することを特徴とするセルロース微細繊維含有樹脂複合体。
  2. 前記セルロース微細繊維含有シートの密度が0.50〜0.95g/cm2であることを特徴とする請求項1に記載のセルロース微細繊維含有樹脂複合体。
  3. 前記セルロース微細繊維複合体のYI値が10以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロース微細繊維含有樹脂複合体。
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