JP2014180592A - 塗布工具 - Google Patents

塗布工具 Download PDF

Info

Publication number
JP2014180592A
JP2014180592A JP2013055070A JP2013055070A JP2014180592A JP 2014180592 A JP2014180592 A JP 2014180592A JP 2013055070 A JP2013055070 A JP 2013055070A JP 2013055070 A JP2013055070 A JP 2013055070A JP 2014180592 A JP2014180592 A JP 2014180592A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
manifold
coating
supply port
extending direction
rectifying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013055070A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5983477B2 (ja
Inventor
Eiji Ogura
栄次 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2013055070A priority Critical patent/JP5983477B2/ja
Publication of JP2014180592A publication Critical patent/JP2014180592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5983477B2 publication Critical patent/JP5983477B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】簡単な構造とされ、塗工の初期か安定期かに係わらずマニホールドの内圧を均一にでき、塗布精度を高められるとともに、その精度を安定して維持できること。
【解決手段】隣り合うヘッド部材2同士の間に形成されたマニホールド4内には、該マニホールド4に塗布液を供給する供給口16が開口され、ヘッド部材2同士の間には、マニホールド4内に突出する整流部18を備えた整流板15が挟持され、整流部18は少なくとも供給口16に対応する位置に配置され、ヘッド部材2には、該ヘッド部材2の外面7とマニホールド4とを連通する貫通孔13が形成され、貫通孔13にはピン部材14が挿通され、ピン部材14はマニホールド4内に突出可能とされ、ピン部材14が、貫通孔13内を進退移動するとともに整流部18を押し込み又は引き込んで該整流部18を変形させることにより、整流部18と供給口16との距離が調整可能とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、シート状部材やパネル状部材などの被塗布物の表面に、塗布液を塗布する際に使用される塗布工具に関するものである。
従来、この種の塗布工具として、一対のヘッド部材が隣接配置され、これらヘッド部材同士の間に形成されたマニホールド、及び該マニホールドに連通するとともにヘッド部材の先端側に向けて開口されたスリットを通して、被塗布物に塗布液を塗布する構成のスロットダイが知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。
塗布工具に供給される塗布液は、ヘッド部材内(ヘッド部材同士の突き合わせ面部分)のマニホールドに一時的に保持され、該マニホールドからスリットへと流通し、スリットからヘッド部材の先端部(刃先エッジ)を介して被塗布物に塗布される。このようにマニホールドからスリットを通して塗布液が吐出されることで、被塗布物に塗布液が均一に塗布されるようになされている。
マニホールドは、長尺の矩形板状をなすヘッド部材の延在方向に沿って該ヘッド部材内を延びており、その断面形状は例えば円形や半円形、台形(矩形)等とされている。マニホールド内には、該マニホールドに塗布液を供給する供給口が開口しており、該供給口は、例えばマニホールドの前記延在方向に沿う中央部や端部に配置される。
尚、下記特許文献1の塗布工具では、隣接するヘッド部材同士の間に、マニホールドを囲うように、該マニホールドのスリット側を向く一方以外の三方を塞ぐコ字板状をなすシム部材が配設されており、該シム部材の一部がマニホールド内に突出している。このようなシム部材を用いることで、供給口からマニホールド内に流入する塗布液を該マニホールド全体に均等に分散させて、被塗布物に対して塗布液を均一に吐出するようにしている。
特開2011−240249号公報
しかしながら、前記従来の塗布工具においては、塗布精度を高めることに改善の余地があった。
すなわち、特許文献1の構成では、ヘッド部材同士の間にシム部材を配設して塗工を行った結果、スリットから被塗布物への前記延在方向に沿う塗布量(塗布厚)が不均一であった場合には、該シム部材をヘッド部材から取り外して他の形状のシム部材に交換する必要があり、調整作業が困難で手間がかかっていた。また、形状の異なるシム部材を複数用意しなければならず、部品管理が煩雑であるとともに、これらシム部材の製作費用が嵩んでいた。
また、塗工の初期(塗り始め)と安定期(塗工が安定した状態)とでは、被塗布物への塗布量が該被塗布物の幅方向(つまりスリットの延在する方向)に沿って若干変化することがあり、このような変化に、塗布装置を停止することなく対応することができなかった。
具体的に、例えば供給口がマニホールドの中央部に配置された場合において、特に塗工の初期段階では、前記中央部への塗布液の充填が早く、両端部への塗布液の充填が遅くなるため、この時間差に起因してマニホールドに内圧差が生じることになる。このようにマニホールドに内圧差が生じると、内圧が低い部位に対応するスリット幅に対して、内圧が高い部位に対応するスリット幅が大きくなりやすくなり、塗布精度を確保することが難しかった。すなわち、スリット幅が該スリットの延在する方向に沿う各部で異なることに起因して、被塗布物への塗布量が該被塗布物の幅方向に沿って一定となりにくかった。
尚、前述した塗布量の均一性に係る問題は、塗工の初期段階において生じやすいが、それ以外でも、例えば塗布液の粘度が中/高粘度である場合(粘度が高い場合)に、マニホールドからスリットへ供給される塗布液の流量がやはり不均一になりやすく、塗布精度が確保できなかった。
すなわち、塗布液の粘度が高い場合には、スリットの延在する方向の中央部におけるスリット幅が、該スリットの両端部におけるスリット幅よりも大きくなりやすく、前記中央部から被塗布物に塗布される塗布液の膜厚が、前記両端部から塗布される塗布液の膜厚よりも厚くなりやすかった。
このような現象を抑制して、塗工の初期段階や塗布液の性質(粘度)に係わらず、塗布精度を安定して高めることが要求されていた。
ここで、塗布精度を高める目的で、例えば、ヘッド部材のスリット幅が大きくなりやすい部分(つまりマニホールドの内圧が高くなりやすい部分に対応するスリット部分)について、当該部分を対向する他のヘッド部材側へ向けて押圧可能な構造を用いて、前記スリット幅を強制的に狭くする調整方法が考えられる。
しかしながらこの場合、マニホールドの内圧のバラつきをより増大させることとなり、またスリット幅の変動が広範囲に起こりやすくなるなど、調整が困難になることから好ましくない。また、この調整方法の場合、構造が複雑になり、製造費用が嵩み、ヘッド部材の形状自体についても制約を受けやすくなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡単な構造とされつつも、塗工の初期か安定期かに係わらずマニホールドの内圧を均一にでき、塗布精度を高められるとともに、その精度を安定して維持できる塗布工具を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、複数のヘッド部材が隣接配置され、隣り合う前記ヘッド部材同士の間に形成されたマニホールド、及び該マニホールドに連通するとともに前記ヘッド部材の先端側に向けて開口されたスリットを通して、被塗布物に塗布液を塗布する塗布工具であって、前記マニホールドは、前記ヘッド部材の延在方向に沿って延びており、前記マニホールド内には、該マニホールドに塗布液を供給する供給口が開口され、前記ヘッド部材同士の間には、前記マニホールド内に突出する整流部を備えた整流板が挟持されており、前記整流部は、少なくとも前記供給口に対応する位置に配置され、前記ヘッド部材には、該ヘッド部材の外面と前記マニホールドとを連通する貫通孔が形成され、前記貫通孔には、ピン部材が挿通され、該ピン部材は前記マニホールド内に突出可能とされており、前記ピン部材が、前記貫通孔内を進退移動するとともに、前記整流部を押し込み又は引き込んで該整流部を変形させることにより、前記整流部と前記供給口との距離が調整可能とされていることを特徴とする。
本発明の塗布工具によれば、隣接するヘッド部材同士の間に整流板が挟持されており、該整流板のうちマニホールド内に突出する整流部が、少なくとも供給口に対応して配置されているので、ピン部材を進退移動させてこの整流部を押し込むか、又は引き込むことで、該整流部を変形させるとともに、この整流部と供給口との距離を調整できることから、下記の効果を奏功する。
すなわち、例えば整流部を変形させて供給口に接近移動させることで、この供給口からマニホールド内に流入した塗布液が該整流部に当てられつつ、マニホールド内における供給口以外の部位へ向けても供給されやすくなる。つまり整流部によって、塗布液がマニホールド内の供給口以外の部位に送液されやすくなるので、このマニホールドの内圧を、供給口付近で高めてしまうようなことが抑制されるとともに該マニホールドの延在する方向に沿って均一にすることが可能となる。これにより、マニホールドに連通するスリットの開口幅(スリット幅)が延在方向に沿ってばらつくようなことも抑制されるので、被塗布物への塗布が精度よく均一に行われる。
つまり従来では、例えば供給口がマニホールドの延在方向の中央部に配置された場合に、該中央部への塗布液の充填が早く、両端部への塗布液の充填が遅くなるため、この時間差に起因してマニホールドに内圧差が生じることから、塗布精度を確保することが難しかった。一方、本発明によれば、整流部によってマニホールド内全体に均一に、かつ略同時に塗布液を充填することが可能になり、マニホールドの内圧差を抑制できる。従って、塗工の初期段階(塗り始め)から塗布精度を十分に高めることができる。
さらに、ピン部材により整流部の押し込み量、又は引き込み量を調整することによって、該整流部と供給口との距離を適宜調整できることから、たとえ塗工中においてスリットから被塗布物へ吐出される塗布量が前記延在方向に沿う各部で不均一となった場合であっても(つまり塗布精度が十分に確保できなかった場合でも)、塗布工具の外部からピン部材を進退移動させる簡単な操作によって、塗布精度を高精度に維持できる。
具体的に、例えば、スリットのうち前記延在方向に沿う供給口に対応するスリット部分(例えば前記延在方向の中央部に位置するスリット部分)からの塗布量が、前記延在方向に沿う供給口以外の部位に対応するスリット部分(例えば前記延在方向の両端部に位置するスリット部分)からの塗布量に比べて多かった場合には、ピン部材により整流部を変形させて供給口に接近させることで、前記供給口に対応するスリット部分への送液を妨げることが可能であり、これにより塗布液を前記供給口以外の部位に対応するスリット部分へと流しやすくするように調整できる。また、前記供給口に対応するスリット部分からの塗布量が、前記供給口以外の部位に対応するスリット部分からの塗布量に比べて少ない場合には、ピン部材により整流部を変形させて供給口から離間させることで、前記供給口に対応するスリット部分へ塗布液を流しやすくするように調整できる。
これにより、例えば中/高粘度の塗布液に対しても、前述した整流部の位置調整によって塗布液を供給口付近から前記延在方向に遠ざけるように送液することができ、マニホールドの内圧を前記延在方向に沿って容易に均一にすることが可能である。つまり、塗布液の性質(粘度)に応じて、ピン部材により整流部を変形させる量(変形量)を適宜調整して、マニホールド内に所望の塗布液の流れを作ることが可能であり、各種塗布液に対応して、容易に塗布精度を高めることができる。
具体的に、高い粘度の塗布液の塗工においては、スリットの前記延在方向の中央部での口開き現象を軽減することが可能になり、塗り始めの塗布液の膜厚が均一になる。また、低粘度の塗布液の塗工では、塗り始めまで整流部を供給口に近づけておき、マニホールドの内圧が均一となった後は、整流部を供給口から離間させてもよい。
このように本発明では、塗布液の性質(粘度)に応じてピン部材により整流部を適宜変形させることで、該整流部と供給口との相対位置を調整し、被塗布物への塗布精度を高品位に安定して確保することができる。また塗工中においても、ピン部材により整流部を変形させることができ、つまり塗工の初期又は安定期に係わらず、塗布装置を停止させることなく塗布精度を高品位に維持できることから、生産性が向上する。
以上から、本発明の塗布工具は、塗工の初期か安定期かに係わらずマニホールドの内圧を均一にでき、塗布精度を高められるとともに、その精度を安定して維持できる。また、前述のように顕著な効果を奏功しつつも、構造が簡単であり、製作費用が抑えられ、部品管理も容易である。
また、本発明の塗布工具において、前記整流部が、弾性変形可能であることとしてもよい。
この場合、ピン部材と整流部とを複雑な構成を用いて連結するようなことなく、上述した作用効果を簡単に得ることができる。すなわち、例えばピン部材の突端部(マニホールド内に突出する先端部)を整流部に当接可能とし、該ピン部材により整流部をマニホールド内に押し込んで該整流部を弾性変形させることができる。また、このように整流部が弾性変形した状態から、ピン部材を引き込む(後退させる)ことで該ピン部材による押圧が解除され、該整流部を復元変形させることができる。
従って、簡単な構成によって上述した効果を得ることができる。
また、本発明の塗布工具において、前記整流部が変形することで、該整流部の端縁と、前記マニホールドの内面との距離が調整可能とされていることとしてもよい。
この場合、ピン部材により整流部が変形させられることで、該整流部の端縁と、マニホールドの内面との距離が変化させられて、これらの間を流れる塗布液の流量が調整される。従って、上述した整流部と供給口との距離の調整とあわせて、より迅速に調整を行うことが可能である。
また、本発明の塗布工具において、前記ヘッド部材同士の間における前記延在方向の両端部には、前記スリットの前記延在方向に沿う長さ及び開口幅を設定する端部板がそれぞれ配設されており、前記整流板が、前記端部板と一体に形成されていることとしてもよい。
この場合、整流部を備えた整流板と、端部板とが一体に形成されていることから、部品点数が削減される。またこの場合、例えば、整流板及び端部板からなるコ字状とされた板状部材(シム部材)の外形を、ヘッド部材の外形に合わせて形成することで、ヘッド部材に対するシム部材の位置決めが容易化されるとともに、マニホールド内において整流部を所定位置に高精度に配置できる。
また、本発明の塗布工具において、前記整流部は、前記マニホールド内で前記延在方向に沿って延びており、前記整流部の前記延在方向に直交する高さが、前記供給口から前記延在方向に離間するに従い小さくされていることとしてもよい。
この場合、整流部の高さが、供給口から前記延在方向に離間するに従い小さくなることに伴って、該整流部の端縁とマニホールドの内面との隙間(距離)は、供給口から前記延在方向に離間するに従い大きくなるので、供給口に対応するスリット部分への送液量を抑制しつつ、該供給口以外の部位に対応するスリット部分へと塗布液を送液することが、簡単な構成により実現できる。
また、本発明の塗布工具において、前記整流部は、前記マニホールド内で前記延在方向に分割された複数の羽根部からなり、それぞれの前記羽根部に対応して前記ピン部材が複数設けられるとともに、これらのピン部材によって各羽根部が個別に変形させられることとしてもよい。
この場合、整流部の各羽根部を、対応する各ピン部材により個別に変形させて、該整流部と供給口との距離を微調整できることから、マニホールド内の塗布液の流れをより精細に調整可能である。
また、本発明の塗布工具において、前記ヘッド部材の前記貫通孔と、前記ピン部材とが、螺合されていることとしてもよい。
この場合、ピン部材による整流部の押し込み量又は引き込み量を高精度に設定しやすい。また、マニホールド内において変形させられた整流部の配置位置を、安定して維持しやすい。
本発明の塗布工具によれば、簡単な構造とされつつも、塗工の初期か安定期かに係わらずマニホールドの内圧を均一にでき、塗布精度を高められるとともに、その精度を安定して維持できる。
本発明の一実施形態に係る塗布工具を示す側断面図(縦断面図)である。 図1の塗布工具のシム部材を示す正面図である。 シム部材の変形例を示す正面図である。 シム部材の変形例を示す正面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る塗布工具1について、図面を参照して説明する。
本実施形態の塗布工具1は、例えば可撓性を有するシート状部材やパネル状部材などの被塗布物の表面に、塗布液を所定の膜厚となるように塗布するスロットダイである。この塗布工具1は、低粘度から中/高粘度まで種々の塗布液に適用可能である。
図1に示されるように、本実施形態の塗布工具1は、対向配置される一対のヘッド部材2と、これらヘッド部材2同士の間に形成されたマニホールド4と、該マニホールド4に連通するとともにヘッド部材2の先端側に向けて開口されたスリット3と、を備えている。
ここで、ヘッド部材2は、長尺の矩形板状又はブロック状をなしており、前記一対のヘッド部材2同士は、その厚さ方向に隣接するように対向配置されている。本明細書においては、ヘッド部材2が延在するその長手方向(図1の紙面に垂直な方向)を塗布工具1の延在方向Lといい、ヘッド部材2の厚さ方向を塗布工具1の幅方向Wといい、これら延在方向L及び幅方向Wに垂直な方向を塗布工具1の高さ方向Hという。また、高さ方向Hのうち、ヘッド部材2間からスリット3が外部に開口される向き(被塗布物に塗布液が吐出される向き)を先端側(ヘッド部材2の先端側であり、図1における上側)といい、スリット3が外部に開口される向きとは反対側を基端側(ヘッド部材2の基端側であり、図1における下側)という。
この塗布工具1は、ヘッド部材2の先端(刃先エッジ)を被塗布物に対向配置させるとともに、ヘッド部材2間に開口するスリット3の延在方向(ヘッド部材2の延在方向Lと同一の向き)を被塗布物の幅方向に一致させるようにして不図示の塗布装置に装着される。そして、塗布液タンクから供給ポンプによってマニホールド4内に供給される塗布液が、該マニホールド4からスリット3内を流通してヘッド部材2の先端(スリット3開口部)から吐出されることにより、この塗布工具1の幅方向Wに沿うように移動(走行)する被塗布物の表面に対して、塗布液が所定の膜厚(層厚)となるように塗布される。
ヘッド部材2は、ステンレス鋼等の金属材料からなり、図1に示される縦断面視(側断面視)で、台形状をなしている。ヘッド部材2において、前記台形の上底をなすとともに幅方向Wの外側を向く外面7、及び、前記台形の下底をなすとともに幅方向Wの内側を向く内面(突き合わせ面)8は、それぞれ幅方向Wに垂直な平面状をなしている。隣り合う一対のヘッド部材2の内面8同士は、隙間をあけて対向配置されており、前記隙間にスリット3が画成されている。
スリット3は、一対のヘッド部材2の内面8と、該ヘッド部材2同士の間に挟持されたシム部材11とによって画成された塗布液の流通空間(隙間)であり、ヘッド部材2間においてマニホールド4に対応する部位から先端側の領域に形成されているとともに、ヘッド部材2の先端側に向けて開口されている一方、ヘッド部材2の基端側及び延在方向Lの両側に向けては開口されていない。
図2において、シム部材11は、一対の端部板12と、これら端部板12同士を繋ぐ整流板15と、を備えている。端部板12は、隣接するヘッド部材2同士の間における延在方向Lの両端部にそれぞれ配設されており、スリット3の延在方向Lに沿う長さ及び開口幅(スリット幅)を設定している。整流板15は、ヘッド部材2同士の間において、マニホールド4内及びその基端側(図2における下側)に配置されている。
シム部材11は、全体としてはヘッド部材2の先端側(図2における上側)に向けて開口するコ字状又はU字状の板状をなしている。そして、図2に2点鎖線で示される矩形状のマニホールド4の先端側に位置するとともに、該マニホールド4の延在方向Lに対応する領域(一対の端部板12間に位置する領域)が、スリット3となっている。尚、図示の例では、スリット3の延在方向Lに沿う長さが、マニホールド4の前記長さよりも若干小さくされている。
また、隣接配置された一対のヘッド部材2同士は、スリット3側(先端側)に向けて開口する前記シム部材11を互いの内面8同士の間に挟んだ状態でボルト等により連結されており、これにより、スリット幅が所定値(シム部材11の厚さであり、具体的には端部板12の厚さに相当)となるように設定されている。尚、シム部材11の詳しい構成については後述する。
図1に示されるように、ヘッド部材2において基端側を向く基端面9は、高さ方向Hに垂直な平面となっている。
ヘッド部材2において先端側を向く先端面10は、幅方向Wの内側(つまり幅方向Wの中央側、スリット3側)に向かうに従い漸次先端側に向かって傾斜している。また、先端面10における幅方向Wの内側の端部は、該端部以外の部位よりも先端側に向けて突出するエッジ部6とされており、一対のヘッド部材2のエッジ部6同士はスリット3を画成する隙間をあけて対向配置されている。またエッジ部6は、延在方向Lに長尺とされた矩形板状をなしており、エッジ部6の先端部(刃先エッジ)同士の間に、スリット3の開口部が形成されている。尚、エッジ部6は先端面10に突設されていなくてもよく、この場合、ヘッド部材2において先端面10と内面8とが交差する稜線部分が、該ヘッド部材2の刃先エッジとなる。
また本実施形態では、一対のヘッド部材2の先端部にエッジ部6が一体に形成されているが、これに限らず、例えば超硬合金等の硬質材料からなるエッジ部6を別体として作製し、ヘッド部材2の先端部にろう付けや着脱機構により配設してもよい。
一対のヘッド部材2は、互いに異なる形状を有している。図1において、幅方向Wに対向する一対のヘッド部材2A、2Bのうち、一方のヘッド部材2Aの幅方向Wに沿う長さは、他方のヘッド部材2Bの幅方向Wに沿う長さよりも大きくなっている。
また、一方のヘッド部材2Aの内面8における高さ方向Hの中央部には、該内面8から窪まされるとともに延在方向Lに沿って延びる断面半円形状又は断面半長円形状の溝穴5が形成されており、該溝穴5と、この溝穴5に対応する他方のヘッド部材2Bの平面状をなす内面8部分とが幅方向Wに対向配置されることで、断面円形状又は断面半長円形状のマニホールド4が形成されている。
図2に2点鎖線で示すように、溝穴5は、ヘッド部材2Aの内面8に矩形状に開口されているとともに、延在方向Lに沿って延びており、これによりマニホールド4もヘッド部材2の延在方向Lに沿って延びている。また、マニホールド4内には、該マニホールド4に塗布液を供給する供給口16が開口されている。
図2において、供給口16は、マニホールド4における延在方向Lに沿う両端部同士の間の中間領域に開口しており、図示の例では、供給口16は、マニホールド4の延在方向Lに沿う中央部(前記中間領域の延在方向Lの中央)に開口している。
具体的に、本実施形態では、図1に示される一対のヘッド部材2A、2Bのうち一方のヘッド部材2Aにのみ、基端面9と溝穴5とを連通する液供給路21が形成されており、該液供給路21においてマニホールド4の内周面に開口する部分が前記供給口16となっている。また図示の例では、供給口16は、マニホールド4の高さ方向Hに沿う中央部から基端部に開口している。液供給路21は、不図示の供給ポンプに接続されている。尚、液供給路21は、塗布工具1の外部に設置された前記供給ポンプとマニホールド4内とを連通可能にヘッド部材2に形成されていればよいことから、その形状や配置は本実施形態で示される例に限定されない。
また、図1において、他方のヘッド部材2Bには、該ヘッド部材2Bの外面7とマニホールド4とを連通する貫通孔13が形成されており、図示の例では、該貫通孔13は幅方向Wに沿って延びている。また、この貫通孔13には、ピン部材14が挿通されているとともに、該ピン部材14はマニホールド4内に突出可能とされている。
本実施形態では、ヘッド部材2Bの貫通孔13と、ピン部材14とは、螺合されており、貫通孔13の中心軸回りにピン部材14を回転させることで、該ピン部材14が図1に示される両矢印の向きに進退可能とされている。
そして、図2に示される正面視で(シム部材11を板厚方向から見て)、シム部材11の端部板12は、高さ方向Hに長い矩形状をなしており、整流板15は、延在方向Lに長い概略矩形状又は五角形状をなしている。本実施形態では、シム部材11の端部板12と整流板15とが、一体に形成されており、これら板12、15の板厚が互いに同一とされている。また、図2において符号19で示されるものは、シム部材11を板厚方向に貫通する複数のボルト挿通孔であり、これらのボルト挿通孔19には、ヘッド部材2同士を連結するためのボルトが挿通される。
また、整流板15は、ヘッド部材2同士の間に挟持される支持部17と、該支持部17からマニホールド4内に突出して形成された整流部18と、を備えている。図2に示される正面視で、支持部17は、延在方向Lに沿って延びる矩形状をなしており、ヘッド部材2間においてマニホールド4の基端側に配置される。またこの正面視で、整流部18は、支持部17から先端側(図2における上側であり、スリット3側)へ向かうに従い漸次延在方向Lの長さが短くなる凸V字状又は三角形状をなしている。
整流板15の整流部18は、弾性変形可能であり、マニホールド4内における少なくとも供給口16に対応する位置に配置されている。本実施形態では、シム部材11全体(端部板12及び整流板15)が、弾性変形可能な金属バネや樹脂材料等により形成されている。
また、整流部18は、マニホールド4内で延在方向Lに沿って延びており、該整流部18の延在方向Lに直交する高さ(図2における高さ方向Hに沿う長さ、つまり板幅)が、供給口16から延在方向Lに離間するに従い小さくされている。図2の例では、整流部18の延在方向Lに沿う長さは、マニホールド4の延在方向Lに沿う長さよりも若干小さく設定されている。
また、整流部18において支持部17とは反対側(先端側)を向く端縁に位置する凸状の先端18aは、延在方向Lに沿う供給口16に対応する位置に配置されている。また、整流部18の前記端縁と、マニホールド4の内面との間には、隙間が設けられている。
図1において、ピン部材14のうちマニホールド4内に突出する突端部(マニホールド4側を向く先端部)は、整流部18における延在方向Lに沿う中央部(供給口16に対応する部分)に当接されており、より詳しくは、前記中央部の先端18a近傍に当接されている。そして、ピン部材14が、貫通孔13内を進退移動するとともに、整流部18を押し込み又は引き込んで該整流部18を変形させることにより、整流部18と供給口16との距離が調整可能とされている。
具体的には、前述のように整流部18が変形させられることにより、該整流部18は供給口16に対して接近又は離間されつつ、これとは反対にスリット3に対しては離間又は接近される。また、整流部18が変形することで、該整流部18の先端18aを含む前記端縁と、マニホールド4の内面(内周面)との距離が調整可能とされている。
すなわち、図1において、ピン部材14がマニホールド4内に前進して整流部18が供給口16側へ向けて変形(弾性変形)させられると、該整流部18の先端18aを含む前記端縁は、マニホールド4の内面に接近させられていき、供給口16とスリット3との間における塗布液の流路(つまり流路の断面積)が狭められるようになっている。またこれとは反対に、ピン部材14がマニホールド4内から後退して整流部18が供給口16から離間する向きに変形(復元変形)させられると、該整流部18の前記端縁は、マニホールド4の内面から離間させられていき、供給口16とスリット3との間における塗布液の流路が拡げられるようになっている。
また、ピン部材14が、貫通孔13に対して進退移動する範囲は、整流部18が弾性変形可能な範囲内に設定されている。つまりピン部材14の移動範囲は、整流部18が復元不能に塑性変形する範囲にまでは設定されていない。また本実施形態では、ピン部材14の突端部がマニホールド4内に突出されていない状態においては、整流部18はヘッド部材2Bの内面8に当接可能とされている。尚、図示の例では、ピン部材14の突端部は、整流部18側に向かうに従い縮径するテーパ状又は半球面状とされている。
以上説明した本実施形態の塗布工具1によれば、隣接するヘッド部材2同士の間に整流板15が挟持されており、該整流板15のうちマニホールド4内に突出する整流部18が、少なくとも供給口16に対応して配置されているので、ピン部材14を進退移動させてこの整流部18を押し込むか、又は引き込むことで、該整流部18を変形させるとともに、この整流部18と供給口16との距離を調整できることから、下記の効果を奏功する。
すなわち、例えば整流部18を変形させて供給口16に接近移動させることで、この供給口16からマニホールド4内に流入した塗布液が該整流部18に当てられつつ、マニホールド4内における供給口16以外の部位へ向けても供給されやすくなる。つまり整流部18によって、塗布液がマニホールド4内の供給口16以外の部位に送液されやすくなるので、このマニホールド4の内圧を、供給口16付近で高めてしまうようなことが抑制されるとともに該マニホールド4の延在する方向に沿って均一にすることが可能となる。これにより、マニホールド4に連通するスリット3の開口幅(スリット幅)が延在方向Lに沿ってばらつくようなことも抑制されるので、被塗布物への塗布が精度よく均一に行われる。
つまり従来では、例えば供給口がマニホールドの延在方向の中央部に配置された場合に、該中央部への塗布液の充填が早く、両端部への塗布液の充填が遅くなるため、この時間差に起因してマニホールドに内圧差が生じることから、塗布精度を確保することが難しかった。一方、本実施形態によれば、整流部18によってマニホールド4内全体に均一に、かつ略同時に塗布液を充填することが可能になり、マニホールド4の内圧差を抑制できる。従って、塗工の初期段階(塗り始め)から塗布精度を十分に高めることができる。
さらに、ピン部材14により整流部18の押し込み量、又は引き込み量を調整することによって、該整流部18と供給口16との距離を適宜調整できることから、たとえ塗工中においてスリット3から被塗布物へ吐出される塗布量が延在方向Lに沿う各部で不均一となった場合であっても(つまり塗布精度が十分に確保できなかった場合でも)、塗布工具1の外部からピン部材14を進退移動させる簡単な操作によって、塗布精度を高精度に維持できる。
具体的に、例えば、スリット3のうち延在方向Lに沿う供給口16に対応するスリット3部分(本実施形態では延在方向Lの中央部に位置するスリット3部分)からの塗布量が、延在方向Lに沿う供給口16以外の部位に対応するスリット3部分(例えば延在方向Lの両端部に位置するスリット3部分)からの塗布量に比べて多かった場合には、ピン部材14により整流部18を変形させて供給口16に接近させることで、前記供給口16に対応するスリット3部分への送液を妨げることが可能であり、これにより塗布液を前記供給口16以外の部位に対応するスリット3部分へと流しやすくするように調整できる。また、前記供給口16に対応するスリット3部分からの塗布量が、前記供給口16以外の部位に対応するスリット3部分からの塗布量に比べて少ない場合には、ピン部材14により整流部18を変形させて供給口16から離間させることで、前記供給口16に対応するスリット3部分へ塗布液を流しやすくするように調整できる。
これにより、例えば中/高粘度の塗布液に対しても、前述した整流部18の位置調整によって塗布液を供給口16付近から延在方向Lに遠ざけるように送液することができ、マニホールド4の内圧を延在方向Lに沿って容易に均一にすることが可能である。つまり、塗布液の性質(粘度)に応じて、ピン部材14により整流部18を変形させる量(変形量)を適宜調整して、マニホールド4内に所望の塗布液の流れを作ることが可能であり、各種塗布液に対応して、容易に塗布精度を高めることができる。
具体的に、高い粘度の塗布液の塗工においては、スリット3の延在方向Lの中央部での口開き現象を軽減することが可能になり、塗り始めの塗布液の膜厚が均一になる。また、低粘度の塗布液の塗工では、塗り始めまで整流部18を供給口16に近づけておき、マニホールド4の内圧が均一となった後は、整流部18を供給口16から離間させてもよい。
このように本実施形態では、塗布液の性質(粘度)に応じてピン部材14により整流部18を適宜変形させることで、該整流部18と供給口16との相対位置を調整し、被塗布物への塗布精度を高品位に安定して確保することができる。また塗工中においても、ピン部材14により整流部18を変形させることができ、つまり塗工の初期又は安定期に係わらず、塗布装置を停止させることなく塗布精度を高品位に維持できることから、生産性が向上する。
以上から、本実施形態の塗布工具1は、塗工の初期か安定期かに係わらずマニホールド4の内圧を均一にでき、塗布精度を高められるとともに、その精度を安定して維持できる。また、前述のように顕著な効果を奏功しつつも、構造が簡単であり、製作費用が抑えられ、部品管理も容易である。
また、整流部18が、弾性変形可能とされているので、ピン部材14と整流部18とを複雑な構成を用いて連結するようなことなく、上述した作用効果を簡単に得ることができる。すなわち、本実施形態のようにピン部材14の突端部を整流部18に当接可能とし、該ピン部材14により整流部18をマニホールド4内に押し込んで該整流部18を弾性変形させることができる。また、このように整流部18が弾性変形した状態から、ピン部材14を引き込む(後退させる)ことで該ピン部材14による押圧が解除されて、該整流部18を復元変形させることができる。従って、簡単な構成によって上述した効果を得ることができる。
また、整流部18が変形することで、該整流部18の先端18aを含む前記端縁と、マニホールド4の内面との距離が調整可能とされているので、下記の効果を奏功する。
すなわち、ピン部材14により整流部18が変形させられることで、該整流部18の前記端縁と、マニホールド4の内面との距離が変化させられて、これらの間を流れる塗布液の流量が調整される。従って、上述した整流部18と供給口16との距離の調整とあわせて、より迅速に調整を行うことが可能である。
また、整流部18を備えた整流板15と、端部板12とが一体に形成されていることから、部品点数が削減される。また本実施形態においては、これらの整流板15及び端部板12が一体に形成されてシム部材11とされており、該シム部材11が概略コ字状をなしているので、このシム部材11の外形を、ヘッド部材2の外形に合わせて形成することで、ヘッド部材2に対するシム部材11の位置決めが容易化されているとともに、マニホールド4内において整流部18が所定位置に高精度に配置されることとなる。
また、整流部18の高さが、供給口16から延在方向Lに離間するに従い小さくされていることから、これに伴って、該整流部18において先端側(図2における上側)を向く端縁と、マニホールド4の内面との隙間(距離)は、供給口16から延在方向Lに離間するに従い大きくなるので、供給口16に対応するスリット3部分への送液量を抑制しつつ、該供給口16以外の部位に対応するスリット3部分へと塗布液を送液することが、簡単な構成により実現できる。
尚、本実施形態では、整流部18において先端側を向く端縁が、先端18aを頂点として延在方向Lに向かうに従い漸次基端側へ向けて直線状に延びて形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば整流部18の前記端縁は、先端18aから延在方向Lに向かうに従い段階的に基端側へ向かう階段状や折れ線状とされていてもよい。
また、ヘッド部材2の貫通孔13と、ピン部材14とが、螺合されているので、ピン部材14による整流部18の押し込み量又は引き込み量を高精度に設定しやすい。また、マニホールド4内において変形させられた整流部18の配置位置(弾性変形した状態)を、安定して維持しやすい。
また、供給口16が、マニホールド4の延在方向Lに沿う中央部に開口しているので、該マニホールド4の両端部における内圧差を抑制しやすく、よって前述した塗布精度を高められるという効果が簡単に、安定的に、かつより顕著に得られることになる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、塗布工具1が一対のヘッド部材2を備えているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、塗布工具1は、3つ以上のヘッド部材2を備えるとともに、これらが幅方向Wに並べられて配設されていて、隣り合うヘッド部材2同士の間に、スリット3及びマニホールド4がそれぞれ形成され、各マニホールド4内に整流部18が変形可能とされてそれぞれ配設されていてもよい。
この場合、一度の塗布工程において、被塗布物に対して各スリット3から複数種類の塗布液を吐出可能であり、被塗布物の表面に塗布液が複数の膜(層)をなすように塗布される。
また、前述の実施形態では、ヘッド部材2同士の間に画成されるスリット3が、図1において、塗布工具1の上側に向けて開口されているように記載されているが、これに限定されるものではない。すなわち、被塗布物に対する塗布工具1の設置姿勢は、前述の実施形態で説明したものに限定されるわけではなく、例えば、スリット3が下側に向けて開口されていてもよい。
また、一方のヘッド部材2Aの溝穴5と他方のヘッド部材2Bの平面状の内面8によりマニホールド4が断面半円形状又は断面半長円形状をなしているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、一方のヘッド部材2Aのみならず他方のヘッド部材2Bにも溝穴5が形成されており、これらヘッド部材2A、2Bの溝穴5同士が幅方向Wに対向配置されることで、断面円形状又は断面長円形状のマニホールド4が形成されていてもよい。また、マニホールド4の形状は、上記したもの以外の断面多角形状や断面楕円形状等であってもよい。
また、前述の実施形態では、供給口16が、マニホールド4における延在方向Lに沿う両端部間の中間領域に開口しており、具体的には、マニホールド4の延在方向Lに沿う中央部に開口しているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、供給口16は、例えばマニホールド4の延在方向Lに沿う一端部又は他端部に開口していてもよく、この場合、整流板15の整流部18は、その支持部17から先端側へ向けて突出する高さ(板幅)が、供給口16に対応する部位において最も大きくされるとともに該供給口16から延在方向Lに離間するに従い小さくされて、塗布液を供給口16から延在方向Lに離間させる向きに送液可能に形成されることが好ましい。
また、前述の実施形態では、整流部18の延在方向Lに沿う長さが、マニホールド4の延在方向Lに沿う長さに対応しており、つまり整流部18の延在方向Lの両端が、溝穴5の延在方向Lの両端面に接近して配置されている例を示したが、これに限定されるものではない。
すなわち、整流部18は、マニホールド4内における少なくとも供給口16に対応する位置に配置されて、該供給口16から流入する塗布液をこの供給口16から延在方向Lに離間させる向きに送液可能な整流作用を有していればよいことから、例えば、整流部18の延在方向Lの両端が、マニホールド4の延在方向Lの両端面から延在方向Lの内側(中央側)に大きく離間して配置されていても構わない。
つまり、整流板15の整流部18の形状は、所望の塗布液の整流作用が得られるものであればよいことから、前述の実施形態で説明したものに限定されることはなく、例えば、整流部18が延在方向Lに延びる長尺の矩形状等からなる多角形状や半長円形状とされていてもよい。さらに、整流部18は、延在方向Lに延びていなくてもよい。
また、整流部18において最も板幅が大きくなる先端18a部分が、供給口16に対応して配置されていなくても構わない。
ここで、図3及び図4に示されるものは、前述した実施形態の塗布工具1におけるシム部材11の変形例である。
図3に示される例では、シム部材11は、一対の端部板12と、これら端部板12間に配置される整流板25と、を一体に備えている。整流板25は、支持部17と、該支持部17からマニホールド4内に突出する整流部28と、を備えている。そして、整流部28は、マニホールド4内で延在方向Lに分割された複数の羽根部29からなり、それぞれの羽根部29に対応してピン部材14が複数設けられるとともに、これらのピン部材14によって各羽根部29が個別に変形(弾性変形及び復元変形)させられる構成となっている。
具体的に、図3に示される正面視で(シム部材11を板厚方向から見て)、各羽根部29は、矩形状をなしており、延在方向Lに隣り合う羽根部29同士の間には、高さ方向Hに延びる幅狭の分割スリット30がそれぞれ形成されている。これにより整流部28は、互いに干渉することなく変形可能とされた複数の羽根部29を備えている。
図示の例では、整流部28の羽根部29が5つ設けられており、これら羽根部29のうち、延在方向Lの中央に位置する羽根部29が供給口16に対応して配置されている。また、これら羽根部29のうち、延在方向Lの両端部に位置する羽根部29の延在方向Lに沿う長さは、延在方向Lの両端部以外に配置された羽根部29の延在方向Lに沿う長さよりも短くされている。また、これら羽根部29が、支持部17からスリット3側へ向けて突出する高さは、互いに同一とされている。
また、整流部28の各羽根部29に対応して、ヘッド部材2Bには貫通孔13が延在方向Lに間隔をあけて複数穿設されており、各貫通孔13には、マニホールド4内に突出可能とされてピン部材14がそれぞれ螺合されている。
また、図4に示される例のように、マニホールド4内に延在方向Lに間隔をあけて複数(図示の例では2つ)の供給口16が開口されており、各供給口16に対応して、整流部28の羽根部29がそれぞれ配置されていてもよい。
これら図3及び図4に示される変形例によれば、整流部28の各羽根部29を、対応する各ピン部材14により個別に変形させて、該整流部28と供給口16との距離を微調整できることから、マニホールド4内の塗布液の流れをより精細に調整可能である。
また、整流部18、28が、弾性変形可能であるとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、整流部18、28における支持部17との連結部分にヒンジ部を設けて変形可能とし(つまり整流部18、28をヒンジ部回りに回動させることで変形させ)、かつピン部材14の突端部と整流部18、28とを機械的に連結した構成としてもよい。尚、この場合ピン部材14は、整流部18、28に対して離脱不能とされつつ、該ピン部材14の中心軸回りに回動自在に連結されることが好ましい。この場合も、前述の実施形態で説明したものと同様の効果を得ることができる。
また、ピン部材14が整流部18、28に対して離脱不能に連結される構成の場合には、該ピン部材14及び貫通孔13は、一方のヘッド部材2Aに設けられていてもよい。この場合、ピン部材14がマニホールド4から離間する向きに後退することで、整流部18、28が供給口16側へ向けて引き込まれ、弾性変形させられることになる。
また、前述の実施形態では、貫通孔13が、ヘッド部材2B内において幅方向Wに沿って延びているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、図1に示される縦断面視で、貫通孔13は、幅方向Wに対して傾斜するように延びていてもよい。具体的に、貫通孔13が、ヘッド部材2B内を幅方向Wに沿う内側(中央側)へ向かうに従い漸次基端側へ向けて傾斜して延びていてもよく、この場合、該貫通孔13の中心軸の延長線が、整流部18、28の変形範囲における移動軌跡上から外れにくくなり、整流部18、28をピン部材14により押し込み又は引き込む動作が安定しやすくなる効果が期待できる。
また、ヘッド部材2Bの貫通孔13と、ピン部材14とは、螺合されていなくてもよい。ただし、これらが螺合されている場合には、ピン部材14による整流部18、28の押し込み量や引き込み量を微調整しやすく、かつ安定的に維持しやすいことから、好ましい。
また、前述の実施形態では、整流部18が変形することで、該整流部18の先端18aを含む前記端縁と、マニホールド4の内面との距離が調整可能であるとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、整流部18が変形した前後において、該整流部18の前記端縁と、マニホールド4の内面との距離が一定とされていても構わない。ただし、整流部18の変形により前記距離が調整可能とされた場合には、マニホールド4内における塗布液の流れを大きく変化させやすくなり、該マニホールド4の内圧を迅速に均等にできることから、好ましい。
また、前述の実施形態では、整流板15が、端部板12と一体に形成されているとしたが、これに限定されるものではなく、これら板15、12が別体に設けられていても構わない。ただし、整流板15及び端部板12が一体とされていることにより、部品点数を削減でき、ヘッド部材2間への設置容易性や、供給口16に対する整流部18の位置精度を高めやすくなることから、好ましい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 塗布工具
2 ヘッド部材
3 スリット
4 マニホールド
7 外面
12 端部板
13 貫通孔
14 ピン部材
15、25 整流板
16 供給口
18、28 整流部
18a 先端(端縁)
29 羽根部
L 延在方向

Claims (7)

  1. 複数のヘッド部材が隣接配置され、隣り合う前記ヘッド部材同士の間に形成されたマニホールド、及び該マニホールドに連通するとともに前記ヘッド部材の先端側に向けて開口されたスリットを通して、被塗布物に塗布液を塗布する塗布工具であって、
    前記マニホールドは、前記ヘッド部材の延在方向に沿って延びており、
    前記マニホールド内には、該マニホールドに塗布液を供給する供給口が開口され、
    前記ヘッド部材同士の間には、前記マニホールド内に突出する整流部を備えた整流板が挟持されており、
    前記整流部は、少なくとも前記供給口に対応する位置に配置され、
    前記ヘッド部材には、該ヘッド部材の外面と前記マニホールドとを連通する貫通孔が形成され、
    前記貫通孔には、ピン部材が挿通され、該ピン部材は前記マニホールド内に突出可能とされており、
    前記ピン部材が、前記貫通孔内を進退移動するとともに、前記整流部を押し込み又は引き込んで該整流部を変形させることにより、前記整流部と前記供給口との距離が調整可能とされていることを特徴とする塗布工具。
  2. 請求項1に記載の塗布工具であって、
    前記整流部が、弾性変形可能であることを特徴とする塗布工具。
  3. 請求項1又は2に記載の塗布工具であって、
    前記整流部が変形することで、該整流部の端縁と、前記マニホールドの内面との距離が調整可能とされていることを特徴とする塗布工具。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗布工具であって、
    前記ヘッド部材同士の間における前記延在方向の両端部には、前記スリットの前記延在方向に沿う長さ及び開口幅を設定する端部板がそれぞれ配設されており、
    前記整流板が、前記端部板と一体に形成されていることを特徴とする塗布工具。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗布工具であって、
    前記整流部は、前記マニホールド内で前記延在方向に沿って延びており、
    前記整流部の前記延在方向に直交する高さが、前記供給口から前記延在方向に離間するに従い小さくされていることを特徴とする塗布工具。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗布工具であって、
    前記整流部は、前記マニホールド内で前記延在方向に分割された複数の羽根部からなり、
    それぞれの前記羽根部に対応して前記ピン部材が複数設けられるとともに、これらのピン部材によって各羽根部が個別に変形させられることを特徴とする塗布工具。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗布工具であって、
    前記ヘッド部材の前記貫通孔と、前記ピン部材とが、螺合されていることを特徴とする塗布工具。
JP2013055070A 2013-03-18 2013-03-18 塗布工具 Expired - Fee Related JP5983477B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013055070A JP5983477B2 (ja) 2013-03-18 2013-03-18 塗布工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013055070A JP5983477B2 (ja) 2013-03-18 2013-03-18 塗布工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014180592A true JP2014180592A (ja) 2014-09-29
JP5983477B2 JP5983477B2 (ja) 2016-08-31

Family

ID=51699820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013055070A Expired - Fee Related JP5983477B2 (ja) 2013-03-18 2013-03-18 塗布工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5983477B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017047449A1 (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 Necエナジーデバイス株式会社 塗工装置および塗工方法
KR101841346B1 (ko) * 2016-06-01 2018-03-22 고려대학교 산학협력단 비뉴튼성 코팅액의 균일 분포를 위한 슬롯 다이 내의 심 및 이를 포함하는 슬롯 다이 코터

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09150094A (ja) * 1995-11-28 1997-06-10 Inoue Kinzoku Kogyo Kk 塗布装置
JPH11188301A (ja) * 1997-12-26 1999-07-13 Hirata Corp 流体塗布装置
JP2000070817A (ja) * 1998-09-03 2000-03-07 Tdk Corp 押出し塗布ヘッド
JP2001006663A (ja) * 1999-06-17 2001-01-12 Mitsubishi Chemicals Corp 電極の製造方法
JP2005262084A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Dainippon Screen Mfg Co Ltd スリットノズルおよび基板処理装置
JP2011240249A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Hirano Tecseed Co Ltd スリットダイ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09150094A (ja) * 1995-11-28 1997-06-10 Inoue Kinzoku Kogyo Kk 塗布装置
JPH11188301A (ja) * 1997-12-26 1999-07-13 Hirata Corp 流体塗布装置
JP2000070817A (ja) * 1998-09-03 2000-03-07 Tdk Corp 押出し塗布ヘッド
JP2001006663A (ja) * 1999-06-17 2001-01-12 Mitsubishi Chemicals Corp 電極の製造方法
JP2005262084A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Dainippon Screen Mfg Co Ltd スリットノズルおよび基板処理装置
JP2011240249A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Hirano Tecseed Co Ltd スリットダイ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017047449A1 (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 Necエナジーデバイス株式会社 塗工装置および塗工方法
US10493485B2 (en) 2015-09-18 2019-12-03 Envision Aesc Energy Devices, Ltd. Coating device and coating method
US10906060B2 (en) 2015-09-18 2021-02-02 Envision AESC Enerev Devices Ltd. Coating device and coating method
KR101841346B1 (ko) * 2016-06-01 2018-03-22 고려대학교 산학협력단 비뉴튼성 코팅액의 균일 분포를 위한 슬롯 다이 내의 심 및 이를 포함하는 슬롯 다이 코터

Also Published As

Publication number Publication date
JP5983477B2 (ja) 2016-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102176978B (zh) 用于向基体上施加液体薄膜的涂覆工具
CN108525940B (zh) 多层狭缝模头和方法
JP2011249305A (ja) 活物質コーティング装置およびこれを用いたコーティング方法
JP2009273997A (ja) 塗布装置および塗布方法
JP5983477B2 (ja) 塗布工具
TW201636104A (zh) 細縫噴嘴、塗布方法、及塗布裝置
JP2014160564A (ja) 電池用極板の製造装置及びその製造方法
CN105983511B (zh) 涂布装置和涂布方法
JP2008043875A (ja) ダイヘッド
JP2017183010A (ja) 電池用極板の製造装置
US20110236570A1 (en) Extrusion coating apparatus and coating film forming method
JP6397683B2 (ja) 電池用極板の製造装置
JP2014180598A (ja) 塗布工具
JP2004174489A (ja) エクストルージョン型ノズルおよびそれを用いた塗布装置
JP2002370057A (ja) エクストルージョン型ノズルおよび塗布装置
CN217888498U (zh) 制造电池电极的狭缝式模具涂布机
WO2017221621A1 (ja) 塗布器及び塗布装置
JP2014184351A (ja) ダイヘッド
CN110813633B (zh) 涂布工具
JP2013066853A (ja) 塗工ダイヘッド
JP2007313417A (ja) ダイヘッド及び塗布方法
CN114728301A (zh) 毛坯垫板在防止模具狭缝涂覆中的流涎中的用途
JP6094145B2 (ja) 塗布工具
JP2009028685A (ja) ダイコーティング装置
JP2014168735A (ja) 塗布工具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160718

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5983477

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees