JP2018122269A - ダイ及び塗布方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗布する流体をダイ内部の流路の途中で流出または流入させることなく、また、ダイを変形させるような大きな力を必要とせず、塗布後の膜の厚みを、高精度に、容易に短時間で調整するダイを提供する。【解決手段】幅方向に長く流体をためる空間であるマニホールドと、当該幅方向に広いスリットを経由して前記マニホールドと繋がり、前記流体をシート状に吐出する吐出口と、が形成されたダイにおいて、前記スリットの当該幅方向に長い壁面に当該幅方向に複数設けられ、圧力作用で前記スリットの当該幅方向に長い壁面に接する面と反対側の面に変位を生じさせることにより、前記スリットを通る前記流体の流れ方向に垂直な流路断面積を変化させる機能を持つ第1のダイヤフラムを有する。【選択図】 図3

Description

本発明は、エクストルージョン型のダイに関する。
従来より、平板上やロール上に流体を塗布し、シートを生産する場合や、基材等に流体を塗布し、塗膜を形成する場合に、エクストルージョン型のダイが用いられている。
塗布後の膜の厚みを高精度に均一に塗布するために、調整ボルトを使用し、ダイのスリット間隔を調整する方法(特許文献1)が提案されている。
特開2006−346649公報
調整ボルトを使用して、ダイのスリット間隔を実際の塗布後の膜の幅方向の厚み分布に合わせて調整する方法は、ダイのスリット近傍等を部分的に調整ボルトにより変形させるため、所定の調整量が得られるまでの変形に時間を要し、生産ロスが多く発生する問題があった。また、ダイを変形させるために調整ボルトのトルクとして、大きな力が必要であった。
本発明は、上記の問題点や懸念点に鑑み、ダイを変形させるような大きな力を必要とせず、塗布後の膜の厚みを、高精度に、容易に短時間で調整するダイを提供することを目的としている。
本発明のダイは、幅方向に長く流体をためる空間であるマニホールドと、当該幅方向に広いスリットを経由して前記マニホールドと繋がり、前記流体をシート状に吐出する吐出口と、が形成されたダイにおいて、前記スリットの前記幅方向に長い壁面に前記幅方向に複数設けられ、圧力作用で前記スリットの前記幅方向に長い壁面に接する面と反対側の面である変位面が変位するダイヤフラムを有することを特徴とする。
本発明のダイを使用することにより、ダイを変形させるよりも小さい力で、反応が早く、塗布する流体の流路断面形状を調整でき、塗布後の膜の厚みを、高精度に、容易に短時間で調整できる。
これにより、生産ロスを低減できる。
本発明のダイの前記ダイヤフラムは、前記変位面の大きさが異なる第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムを有していてもよい。
これにより、塗布する流体の流路断面形状を更に細かく調整でき、塗布後の膜の厚みを、更に高精度に、容易に短時間で調整できる。
更に、前記ダイヤフラムの前記変位面側に、前記ダイヤフラムを含む、少なくとも一部の前記スリットの前記幅方向に長い壁面をカバーする薄板を設けてもよい。
前記ダイヤフラムの間が、前記薄板にて、つながることにより、前記ダイヤフラムの変位による前記スリットの塗布する流体の流路断面形状の変化が、前記ダイヤフラム間の変位を補間したなめらかな形状となるため、塗布後の膜の厚みを、更に高精度に、容易に短時間で調整できる。
また、複数の圧力調整バルブと、前記圧力調整バルブと1以上の前記ダイヤフラムをつなぐ接続配管を有し、一つの前記圧力調整バルブにつながる、前記ダイヤフラムが占める前記スリットの前記幅方向に長い壁面の前記幅方向の範囲を中央部が広く、端部が狭くしてもよい。
こうすることで、塗布後の膜の前記スリットの幅方向に対する端部の厚みを高精度に制御できる。
本発明の塗布方法は、上記ダイを用いて、前記流体をシート状に吐出して塗布を行う塗布方法において、前記ダイヤフラムへの圧力供給手段にて、前記変位面を変位させ、流体の流路断面形状を調節することを特徴とする。
本塗布方法によれば、ダイを変形させるような大きな力を必要とせず、塗布後の膜の厚みを、高精度に、容易に短時間で調整できる。
本発明により、ダイを変形させるよりも小さい力で、反応が早く、塗布する流体の流路断面形状を調整でき、塗布後の膜の厚みを、高精度に、容易に短時間で調整でき、生産ロスを低減できる。
本発明のダイをロールtoロール方式の塗工設備に用いた一例を説明する図である。 本発明のダイの実施例1の形態を表した図であり、(A)は、図1のa矢視であり、(B)は、図1のb矢視であり、(C)は、図1のc矢視を90度回転させた図である。 実施例1のダイを用いて、塗液3の流路断面形状の調整を伴って塗布する塗布方法を説明する図である。 本発明のダイの実施例1の別の形態を説明する図である。 本発明のダイの実施例2の形態を説明する図である。 本発明のダイの実施例3の形態を説明する図である。
本発明のダイをロールtoロール方式の塗工設備に用いた一例を図1にて説明する。
図1に示す塗工設備1は、基材2の送り方向に直交する方向であり、また、図1におけるY軸方向である、基材2の幅方向に沿って長く構成されたダイ10と、ダイ10に塗液3を供給する塗液供給手段20と、を備え、塗液供給手段20から供給された塗液3をダイ10に設けられた吐出口11から吐出することにより、基材2に塗液3を塗布する。
ダイ10において、その長手方向を本説明では幅方向といい、基材2の幅方向と同じ方向である。本実施例の塗工設備1では、ダイ10に対向するロール5が設置されており、ダイ10の幅方向とロール5の回転中心線の方向とは平行である。基材2は、このロール5に案内され、基材2とダイ10の間隔が一定に保たれ、この状態で塗液3の基材2への塗布が行われる。
ダイ10は、幅方向に長い空間であるマニホールド12を内部に有しており、幅方向に長い空間を持ち、塗液3の流路であるスリット13を経由して、吐出口11と連通している。
本実施例では、便宜上、図1のa矢視図である図2(A)に示すように、マニホールド12の幅方向の長さは、スリット13の幅方向の長さと同じにしている。マニホールド12の幅方向の長さは、塗液3の流動状態の解析結果等を考慮して、基材2に塗布される塗液3の基材2の幅方向の厚み分布が均一となるようにマニホールド12の幅方向の長さを変えてもよい。
塗液供給手段20から供給される塗液3は、マニホールド12に連通する塗液供給口14を通じて、一旦マニホールド12内に貯えられ、スリット13を経由して、幅方向に関し、スリット13と同一の長さである吐出口11から基材2に塗布される。
本発明の実施例1のダイ10の特徴について、図1及び図2(B)、(C)にて説明する。図2(B)は、図1のb矢視図であり、図2(C)は、図1のc矢視を90度回転させた図である。
図2(B)、(C)に示すように、スリット13の幅方向に長い側の内壁面には、圧力作用により変位を生じる複数の第1のダイヤフラム15が幅方向に並ぶように設けられており、ダイ10に複数設けられた圧力供給口16を通じて、複数の第1のダイヤフラム15と連通する圧力供給手段30により、圧力を複数の第1のダイヤフラム15に伝え、それぞれの第1のダイヤフラム15が変位することにより、スリット13の幅方向に長い側の内壁面の形状に変化を与え、スリット13を流れる塗液3の流路断面形状に変化を与える。本実施例では、圧力供給手段30での圧力伝達媒体は圧空を使用しているが、環境に応じて不活性ガス等の他の気体でもよいし、水圧や油圧等の液体でもよい。
本実施例では、図2(B)、(C)に示すように、スリット13の幅方向を、端部(z1)、中間部(z2)、中央部(z3)、中間部(z4)、端部(z5)の5つのゾーンに分けている。圧力供給源36からの圧空配管37を5つのゾーン(z1〜z5)対応する接続配管31〜35に分配し、接続配管31〜35には、圧力供給源36からの圧力を調整する圧力調整バルブ41〜45を設け、5つのゾーン(z1〜z5)に属する第1のダイヤフラム15をそれぞれ変位させている。
本実施例のダイ10を使用した場合の基材2上に塗布される塗液3の幅方向の厚みを調整を伴って塗布する塗布方法について、一例を図3(A)〜(D)を用いて以下に説明する。図3(A)、(B)は、塗液3を塗布後の基材2上の塗液3の幅方向の厚み分布の状態を表した図で、基材2の幅方向の断面図である。図3(C)、(D)は、第1のダイヤフラム15を操作することによるスリット13部の塗液3の流路断面形状の変化を表した図で、ダイ10の図1におけるb矢視の断面図である。
最初に、5つのゾーン(z1〜z5)の第1のダイヤフラム15への圧力を調整しない状態で、塗工設備1を運転し、基材2に塗液3を塗布した場合に、基材2上に塗布された塗液3の基材2の幅方向に対する厚みの分布状態が均一でなかったとする。一例を、図3(A)に表す。本例では、基材2の幅方向に対し、基材2上に塗布された塗液3の厚みが、中央部が厚く、端部に向かって薄くなっている。
この状態は、スリット13を流れる塗液3の幅方向の分布が、中央部(z3)が多く流れ、中間部(z2)および(z4)から端部(z1)および(z5)にかけて、少なく流れていると考えられる。
ここで、基材2上に塗布される塗液3の基材2の幅方向の厚み分布が均一になるように、以下の操作を実施する。先ず、中央部(z3)の第1のダイヤフラム15へ供給する圧力を圧力調整バルブ43を操作して他のゾーンに供給する圧力よりも高くし、端部(z1)および端部(z5)の第1のダイヤフラム15へ供給する圧力を圧力調整バルブ41および45を操作して他のゾーンよりも低くし、中間部(z2)および中間部(z4)の第1のダイヤフラム15へ供給する圧力は、圧力調整バルブ42、44を操作して、中央部(z3)に供給する圧力と、端部(z1)および端部(z5)に供給する圧力との中間の圧力にする。
上記調整により、スリット13内の塗液3が流れる流路断面形状を図3(C)の状態から図3(D)の状態に変化させ、スリット13を流れる塗液3の幅方向の分布を均一にすることにより、基材2上に塗布される塗液3の基材2の幅方向の厚み分布が均一になるように調整する。
このように圧力調整バルブ41〜45を操作して、スリット13を流れる塗液3の幅方向の分布を均一に調整することにより、基材2上に塗布された塗膜の幅方向の厚み分布を図3(A)の状態から図3(B)の状態になるように、ダイ10を変形させるより小さい力で、素早く調整できるため、調整による生産ロスを少なくできる。
また、ダイ10を変形させずに基材2上に塗布された塗膜の幅方向の厚み分布を調整する塗布方法として、特開2015−176822公報にて、塗液3をダイ10内部の流路の途中で流出または流入させる発明が開示されているが、本実施例の塗布方法では、塗液3をダイ10内部の流路の途中で流出または流入させないため、塗液3のロスやコンタミネーションの問題もない。
本実施例では、複数の第1のダイヤフラム15をダイ10の幅方向に対し、5つのゾーンに分け、中央部(z3)より中間部(z2)、(z4)を狭くし、更に端部(z1)、(z5)を中間部(z2)、(z4)より狭くしている。
これにより、基材2上に塗布された塗膜の幅方向の厚み分布において、端部を細かく調整できる。
ダイ10の内部を流れる塗液3は、ダイ10内の流路の幅方向端部の内壁面の壁面抵抗等の影響を受け流れにくくなる場合がある。
この場合、壁面抵抗等の影響を受ける範囲は、塗液3の物性にもよるが、幅方向端部の内壁面から一定の距離であり、それ以上の距離を離れると影響をあまり受けない。スリット13の塗液3の流路は幅方向に長いため、壁面抵抗等の影響をあまり受けない範囲は、壁面抵抗の影響を受ける範囲に比べて広くなる。
また、壁面抵抗等の影響を受ける範囲内でも、壁面抵抗等の影響は幅方向端部の内壁面からの距離が近づくほど顕著に大きくなる。
壁面抵抗等の影響をあまり受けない広い範囲を一つのゾーンとし、中央部(z3)とし、壁面抵抗等の影響を受ける範囲においては、更にゾーンを分け、幅方向端部の内壁面に近い顕著に壁面抵抗等の影響を強く受ける範囲を狭く、端部(z1)、(z5)とし、他方を、端部(z1)、(z5)より広く、中間部(z2)、(z4)とすることで、端部を細かく調整し、基材2上に塗布された塗膜の幅方向の厚み分布をより均一に調整できる。
また、本実施例では、複数の第1のダイヤフラム15をダイ10の幅方向に対し、5つのゾーンに分けて調整したが、調整するゾーンを更に細分化してもよい。
調整するゾーンを更に細分化することにより、基材2上に塗布された塗液3の塗膜の幅方向の厚み分布に対して更に細かい調整ができる。
また、図1において、基材2上に塗布された塗液3の塗膜の厚みを基材2の幅方向に渡って測定するセンサー6を設け、センサー6の測定データを用いて、制御装置7により、調整バルブ41〜45を制御してもよい。
この場合、更に早く、塗膜の幅方向の厚み分布が調整できるので、更に生産ロスが少なくなる。また、例えば、長時間の生産中にダイ10内に塗液3の固形分等が付着していくような経時変化等により、基材2上に塗布された塗液3の、基材2の幅方向に対する厚み分布が変化した場合でも、自動的に調整できる。
また、圧空のみで制御できるので、防爆構造を要求される環境でも対応できる。
図1および図2(B)では、スリット13の幅方向に長い側の内壁面の片側に複数の第1のダイヤフラム15を設けたが、図4(A)に示すようにスリット13の幅方向に長い側の内壁面の両側に設けてもよい。
この場合、同じ変位量を有する第1のダイヤフラム15の場合、片側のみに第1のダイヤフラム15を設置するよりもスリット13を流れる塗液3の流路断面形状を大きく変化させることができる。
本発明の実施例2のダイは、実施例1にて説明したダイ10に、スリット13の幅方向に長い側の内壁面に接する面と反対側の面の面積が、複数の第1のダイヤフラム15よりも小さい、複数の第2のダイヤフラム17を、スリット13の幅方向に長い側の内壁面の幅方向に更に設けたものである。
本発明のダイの実施例2における形態の一例を図5(A)、(B)、(C)および図4(B)に示す。図5(A)、(B)、(C)は、ダイ10の幅方向のスリット13の幅方向に長い側の内壁面における第1のダイヤフラム15と第2のダイヤフラム17の配置を表した図で、図1におけるc矢視を90°回転させた図である。図4(B)は、図1と同じ方向から見たダイ10の断面図である。
図5(A)に示す例では、塗液3の流れる方向に対し、複数の第2のダイヤフラム17の下流側に、複数の第1のダイヤフラム15を設けており、図5(B)に示す例では、図5(A)に示す例と逆の配置としている。
図5(B)に示す例では、例えば、ダイ10のマニホールド12またはスリット13等の形状に起因する塗膜の幅方向の厚み分布を、第1のダイヤフラム15にて、大まかに調整し、第2のダイヤフラム17にて微調整をするようにしても良い。
こうすることで、連続生産時に塗液3の成分がダイ10の内部に付着したり、何らかの影響で塗液3の粘性等に変化が生じ、わずかに塗膜の幅方向の厚み分布に変化が生じた際に容易に微調整ができる。
図5(C)に示す例では、複数の第2のダイヤフラム17と複数の第1のダイヤフラム15を混在させている。
こうすることで、スリット13を流れる塗液3の流路断面形状の調整において、第1のダイヤフラム15の変位と隣り合う他の第1のダイヤフラムの変位の間を第2のダイヤフラム17の変位で補間するような流路断面形状の調整ができる。
複数の第1のダイヤフラム15または複数の第2のダイヤフラム17の配置は、前述の例に限らず、ダイ10にて塗布する塗液3の流動特性等を考慮して自由に配置できる。
また、これらは、図4(A)に示すようにスリット13の幅方向に長い側の内壁面の両側に設けてもよく、また、図4(B)に示すようにスリット13の幅方向に長い側の内壁面の一方の面に複数の第1のダイヤフラム15を設け、もう一方の面に複数の第2のダイヤフラム17を設けてもよい。
それぞれ、2種類の大きさのダイヤフラムを用いることにより、基材2上に塗布された塗液3の、基材2の幅方向に対する厚みを更に細かく調整できる。
本発明の実施例3のダイは、実施例1または実施例2にて説明したダイ10のスリット13の幅方向に長い側の内壁面に設けた複数の第1のダイヤフラム15または第2のダイヤフラム17のスリット13の幅方向に長い側の内壁面に接する面と反対側の面側にスリット13の幅方向に長い側の内壁面をカバーする薄板18を設けたものである。図6(A)、(B)、(C)、(D)に一例を示す。
図6(A)、(B)は、図1と同じ方向から見たダイ10の断面図であり、図6(C)は図6(A)のd矢視を90°回転させた図であり、(D)は図6(B)のe矢視を90°回転させた図である。図6(A)および(C)は、第1のダイヤフラム15または第2のダイヤフラム17の変位がもっとも小さい状態であり、図6(B)および(D)は、図6(A)の状態から第1のダイヤフラム15または第2のダイヤフラム17に圧力を更に与え変位させた状態を表している。
実施例3では、複数の第1のダイヤフラム15または複数の第2のダイヤフラム17を設けたスリット13の幅方向に長い側の内壁面を幅方向に覆うように薄板18が設けられている。薄板18は、複数の第1のダイヤフラム15または複数の第2のダイヤフラム17が変位する力により、変形可能な部材であり、第1のダイヤフラム15または第2のダイヤフラム17の変位に合わせて、伸縮、または、塗液3の流れる方向もしくは幅方向に対し摺動を伴いながら変形する。薄板18の材質は、例えば、樹脂やゴム、金属製の薄板等である。また、薄板18を設けるスリット13の幅方向に長い側の内壁面は、薄板18と吐出口11までの塗液3が流れる内壁面の形状に段差ができないよう、薄板18の厚みまたは、複数の第1のダイヤフラム15または複数の第2のダイヤフラム17の厚みの量だけ、スリット13の幅方向に長い側の内壁面を凹ませた形状としている。
複数の第1のダイヤフラム15または複数の第2のダイヤフラム17の各変位により、変形する薄板18により、第1のダイヤフラム15または第2のダイヤフラム17間の変位が滑らかにつながり、図6(D)に示すように、スリット13の塗液3が流れる流路断面形状の調整を第1のダイヤフラム15または第2のダイヤフラム17間の変位を補間したものにすることができる。これにより、基材2上に塗布された塗液3の、基材2の幅方向に対する厚みを更に滑らかに調整できる。
図6(A)、(B)に示す例では、薄板18は、スリット13の幅方向に長い側の内壁面の片側のみに設けているが、両側に設けてもよい。
この場合、片側のみに第1のダイヤフラム15または第2のダイヤフラム17と薄板18を設置するよりもスリット13を流れる塗液3の流路断面形状を大きく変化させることができる。
以上のダイおよび塗布方法により、ダイを変形させるよりも小さい力で、反応が早く、塗布する流体の流路断面形状を調整でき、塗布後の膜の厚みを、高精度に、容易に短時間で調整でき、生産ロスを低減できる。
ここで、本発明のダイおよび塗布方法は、以上で説明した形態に限らず、本発明の範囲内において他の形態であってもよい。たとえば、枚葉方式の塗布装置に用いられるダイに適用し、シート状の基材に流体を塗布する場合や、溶液製膜装置等に適用し、平板上に流体を塗布し、シートを形成する場合や、ロール上に直接流体を塗布し、シートを形成する場合等に使用されるダイにも適用できる。
1 塗工設備
2 基材
3 塗液
5 ロール
6 センサー
7 制御装置
10 ダイ
11 吐出口
12 マニホールド
13 スリット
14 塗液供給口
15 第1のダイヤフラム
16 圧力供給口
17 第2のダイヤフラム
18 薄板
20 塗液供給手段
30 圧力供給手段
31、32、33、34、35 接続配管
36 圧力供給源
37 圧空配管
41、42、43、44、45 圧力調整バルブ

Claims (5)

  1. 幅方向に長く流体をためる空間であるマニホールドと、
    当該幅方向に広いスリットを経由して前記マニホールドと繋がり、前記流体をシート状に吐出する吐出口と、が形成されたダイにおいて、
    前記スリットの前記幅方向に長い壁面に前記幅方向に複数設けられ、
    圧力作用で前記スリットの前記幅方向に長い壁面に接する面と反対側の面である変位面が変位するダイヤフラムを有することを特徴とするダイ。
  2. 前記ダイヤフラムは、前記変位面の大きさが異なる第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムを有することを特徴とする請求項1に記載のダイ。
  3. 前記ダイヤフラムの前記変位面側に、前記ダイヤフラムを含む、少なくとも一部の前記スリットの前記幅方向に長い壁面をカバーする薄板を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のダイ。
  4. 複数の圧力調整バルブと、
    前記圧力調整バルブと1以上の前記ダイヤフラムをつなぐ接続配管を有し、
    一つの前記圧力調整バルブにつながる、前記ダイヤフラムが占める前記スリットの前記幅方向に長い壁面の前記幅方向の範囲は、
    中央部が広く、端部が狭いことを特徴とする請求項1から3に記載のダイ。
  5. 請求項1のダイを使用し、前記流体をシート状に吐出して塗布を行う塗布方法において、
    前記ダイヤフラムへの圧力供給手段にて、前記変位面を変位させ、
    流体の流路断面形状を調節することを特徴とする塗布方法。
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