JP6624678B2 - 電池用極板の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基材に活物質を含むスラリーを塗工して電池用極板を製造するための製造装置に関する。
例えば、特許文献1のように、電池用極板は、ロールツーロールで送られる基材に、活物質、バインダー、導電助剤及び溶媒を含むスラリーが塗工され、製造される。このようにして製造された電池用極板において、基材上に形成される活物質を含む層の厚さは、電池の充放電量に直接影響を与えることから、特に高容量型の電池(バッテリ)の場合、基材に塗工するスラリーの膜厚管理は非常に重要となる。つまり、スラリーは、基材の幅方向及び送り方向に沿って均一な厚さで塗工される必要がある。
このようなスラリーを基材に塗工するために、図8に示すように、ダイ90には幅方向に長いマニホールド(液溜め部)91と、このマニホールド91に繋がるスリット92とが形成されており、スラリー93は、マニホールド91に供給され、マニホールド91からスリット92を通じて基材に対して吐出される。スリット92は、基材の幅方向に沿って均一な量でスラリーが吐出されるように、マニホールド91と連結されている側と反対側の端部であり、開放端である吐出口94が略均一な間隙(隙間寸法)で形成されている。
ただし、マニホールド91内においてマニホールド91へのスラリーの供給口に近い部分ではスラリー93の流量は大きくなりやすい。したがって、吐出口94の間隙が幅方向に完全に均一であった場合、図9(a)に示すように基材95に塗工されるスラリー93による塗膜層の形状は、幅方向に関して上記供給口の位置(図9(a)では幅方向中央)の膜厚が大きい形状となる。そのため、吐出口94の間隙を幅方向に関して微妙に差を持たせるように調節することによってスラリー93の膜厚が平坦になるようにする手段が用いられる。吐出口94の間隙を調節する手法として、たとえば図7に示すようにダイ90に調節ボルト96を設け、調節ボルト96を押し込んでダイ90を変形させることによって吐出口94を変形させ、吐出口94の間隙を調節する手法が知られている。
特開平11−233102号公報
しかし、図8に示すような従来の電池用極板の製造装置では、基材に塗工されたスラリーの塗膜層の膜厚が幅方向にわたって均一になりにくいという問題があった。具体的には、ダイ90の幅方向に関して調節ボルト96によって吐出口94の間隙を調節できる範囲は限られており、たとえば幅方向中央部のみに調節ボルト96を設けた場合は吐出口94の中央部分しか間隙を狭めることができず、そのためスラリー93による塗膜層の形状は図9(b)に示すように中央部のみが凹んだ状態となり、塗膜層の平坦度は決して高くならない。そのため、塗膜層を平坦にするためにはダイ90の幅方向に複数の調節ボルト96を並べてそれぞれを調節する必要が生じ、調節に困難をともなっていた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、基材上に平坦度の高い塗膜層を形成することを目的とする。
本発明の電池用極板の製造装置は、幅方向に長くスラリーを溜める空間からなるマニホールドと、当該幅方向に広いスリットを経由して当該マニホールドと繋がり、スラリーを基材に対して吐出する吐出口とが形成されたダイと、前記幅方向に関して前記マニホールドの中央部近傍に連通する流入部を介して前記マニホールドにスラリーを供給する供給手段と、外力を加えることにより前記ダイの前記吐出口近傍を変形させて前記吐出口の一部の間隙を調節する間隙調節機構と、を備え、前記間隙調節機構による力点と前記吐出口の間には、前記ダイよりも変形しにくい材料により構成された拡張部材が設けられ、当該拡張部材は前記幅方向に関して前記吐出口よりも短い寸法であることを特徴とする。
本発明によれば、ダイよりも変形しにくい材料により構成され、幅方向に関して吐出口よりも短い寸法の拡張部材が設けられていることにより、平坦度が高い塗膜層を形成することができる。具体的には、幅方向に関して拡張部材がある部分では間隙調節機構を動作させることによる吐出口の変形がなだらかになり、また、拡張部材の端部近傍の拡張部材が無い部分でも、材質的に変形しやすくなるため吐出口の変形が促進され、幅方向に関して吐出口の間隙が調節できる部分の幅が拡張されて高低差の少ない塗膜層を形成することが可能である。
また、前記力点は、前記幅方向に関して前記ダイの中央部近傍にのみ設けられていることが望ましい。
この場合、幅方向中央部に設けられた少数の間隙調節機構によって幅広く吐出口の間隙を調節することができるため、容易に高い平坦度を実現することができる。
また、前記間隙調節機構は、ねじ込み量を調節することによって前記ダイに加える荷重を調節する調節ボルトであると良い。
この場合、簡易な構成で間隙調節機構を構成することができる。
また、前記間隙調節機構には、温度調節機構が接続されていても良い。
この場合、間隙調節機構を経てダイの温度を局所的に調節することによって、熱膨張効果により平坦度の高い塗膜層を形成することができる吐出口の間隙状態に変形させることができる。
本発明によれば、基材上に平坦度の高い塗膜層を形成することが可能となる。
本発明の一実施形態における電池用極板の製造装置を表す概略図である。 本実施形態のダイの断面図である。 本実施形態のダイの断面図である。 本発明の電池用極板の製造装置によって得られる塗膜層の形状および比較例である。 本発明の他の実施形態におけるダイを表す断面図である。 本発明の他の実施形態におけるダイを表す断面図である。 本発明の他の実施形態における電池用極板の製造装置を表す概略図である。 従来の電池用極板の製造装置を表す概略図である。 従来の電池用極板の製造装置によって得られる塗膜層の形状を表す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、電池用極板の製造装置の概略構成を示す説明図である。この製造装置1は、ロールツーロールで送られる金属箔からなる基材2に、活物質、バインダー、導電助剤及び溶媒を含むスラリー3を塗工するための装置である。この製造装置によれば、塗工したスラリー3を乾燥させることで基材2上に活物質を含む層が形成され、この基材2が所定形状に切断され電池用極板となる。基材2上に形成される活物質を含む層の厚さは、電池の充放電量に直接影響を与えることから、基材2に塗工するスラリー3によって形成される塗膜層の膜厚管理は非常に重要であり、この製造装置1によれば、以下の実施形態において説明するように、スラリー3の塗膜層は、基材2の送り方向に沿って平坦度が高い形状(均一な塗膜量)で塗工される。なお、基材2の幅方向は、基材2の送り方向に直交する方向であり、図1におけるY軸方向がこれに相当する。
製造装置1は、基材2の幅方向に沿って長く構成されたダイ10と、このダイ10にスラリー3を供給する供給手段20とを備えている。ダイ10において、その長手方向(図1におけるY軸方向)を幅方向という。この製造装置1では、ダイ10に対向するローラ5が設置されており、ダイ10の幅方向とローラ5の回転中心線の方向とは平行である。基材2は、このローラ5に案内され、基材2とダイ10との間隔(後述の吐出口18とローラ5との間の隙間)が一定に保たれ、この状態でスラリー3の塗工が行われる。
本実施形態のダイ10は、先細り形状である第一リップ13aを有する第一分割体13と、先細り形状である第二リップ14aを有する第二分割体14とを、これらの間にシム板15を挟んで、組み合わせた構成からなる。
図2は、図1のa矢視の断面図である。ダイ10は、その内部に、幅方向に長い空間からなるマニホールド11と、このマニホールド11と繋がるスリット12とが形成され、また、第一リップ13aと第二リップ14aとの間には、スリット12の解放端である吐出口18が形成されている。すなわち、マニホールド11と吐出口18とは、スリット12を経由して繋がっている。
この構成により、供給手段20により供給されたスラリー3は、先ずマニホールド11に溜められ、次に、スリット12を経由して吐出口18から吐出される。
スリット12は、マニホールド11と同様に幅方向に長く形成されており、スリット12の幅方向寸法は、シム板15の内寸Wによって決定され、スリット12の幅方向寸法と略同一の幅方向寸法のスラリー3を、基材2上に塗工することができる。スリット12の隙間寸法(高さ寸法)は、例えば0.4〜1.5mmである。本実施形態では、スリット12の隙間方向が上下方向であり、幅方向が水平方向となる姿勢でダイ10は設置されている。つまり、マニホールド11とスリット12とが水平方向に並んで配置される姿勢でダイ10は設置されている。したがって、マニホールド11に溜められているスラリー3をスリット12および吐出口18を通じて基材2へと流す方向は水平方向となる。
なお、シム板15の厚さを変更することにより、マニホールド11内部の圧力(塗工圧力)を調整することができ、この調整によって、様々な特性を有するスラリー3で均一な膜厚の塗工を行うことが可能となる。
また、ダイ10の幅方向の中央部であり、スリット12の中心線上にあたる部分には、流入部16が設けられており、この流入部16は、ダイ10の外部からマニホールド11へ繋がる貫通孔(流入口)からなる。供給手段20は、この流入部16に一端部が接続されているパイプ21と、スラリー3を貯留しているタンク22と、このタンク22内のスラリー3を、パイプ21を通じてダイ10へ供給するためのポンプ23とを有している。以上より、供給手段20は、マニホールド11に流入部16からスラリー3を供給することができる。なお、本実施形態では、図1に示すように、流入部16は、マニホールド11の底部17と繋がっており、この底部17からスラリー3を流入させる構成としている。
そして、マニホールド11は、供給手段20から供給されたスラリー3を溜めることができ、マニホールド11に溜められているスラリー3を、スリット12を通って吐出口18からロールツーロールで送られる基材2に対して吐出し、この基材2に対してスラリー3を連続的に塗工することができる。スリット12の隙間寸法はその幅方向に略一定であり、基材2上に塗工されるスラリー3の厚さは幅方向に略一定となる。
また、ダイ10には圧力センサ(図示せず)が設けられており、この圧力センサは、マニホールド11のスラリー3の内圧を計測する。そして、この計測結果に基づいて供給手段20によるスラリー3の供給が制御され、マニホールド11のスラリー3の内圧を一定に保つ。マニホールド11で内圧が一定とされるスラリー3は、スリット12から幅方向全長にわたって略均等の量で吐出され、また、前記圧力センサの計測結果に基づいて、スリット12から吐出されるスラリー3の量が変動しないように制御され、基材2上に塗工されるスラリー3の送り方向の厚さを一定とする。また、図示しないが、パイプ21の途中にはスラリー3用のフィルタが設けられている。
また、ダイ10は、吐出口18の一部の間隙を調節する間隙調節機構として、調節ボルト6を幅方向の中央部に備えている。
ダイ10は一部に幅方向にわたって切り欠き部19を有し、この切り欠き部19に直交するように調節ボルト6が通るねじ穴が設けられている。調節ボルト6の先端部は、ねじ穴を通って切り欠き部19から突き出て、切り欠き部19の反対側の面と当接している。
ここで調節ボルト6をねじ込むことによって調節ボルト6の先端部が移動し、その際調節ボルト6と切り欠き部19の当接点が力点となってダイ10(図1では第一リップ13aの近傍)に荷重を加えて変形させる。これによって第一リップ13aの位置が変化し、第一リップ13aと第二リップ14aの間隔が変化する。すなわち、吐出口18の間隙が変化する。したがって、調節ボルト6を回して調節ボルト6のねじ込み量を調節することにより、吐出口18の一部の間隙を調節することができる。
このように吐出口18の間隙を部分的に調節することにより、吐出口18から吐出されるスラリー3の流量の分布をダイ10の幅方向(Y軸方向)にわたって調節することができ、基材2に形成されるスラリー3の塗工膜の形状を調節することができる。
ここで、仮に吐出口18の間隙がダイ10の幅方向にわたって完全に均一であった場合、図9(a)に示すように中央部が厚い形状になるおそれがある。これはマニホールド11の端部において、吐出口18からのスラリー3の吐出量が流入部16の近傍よりも少なくなるからであり、その理由は、マニホールド11の端部には幅方向端面を構成する壁が存在していることから、流入部16から供給され幅方向両側へ広がるスラリー3は端部において圧力が低くなり、それにしたがって流速が低下するためである。特に、スラリー3は粘度(粘性)が高いため、端部において流速が低下しやすい。
これに対し、間隙調節機構(調節ボルト6)によって吐出口18の一部の間隙を調節し、具体的にはダイ10の幅方向中央部の吐出口18の間隙を狭くすることによって、幅方向中央部のスラリー3の流量を抑制して膜厚が厚くなるのを抑え、塗工膜の形状を平坦に近づけることができる。
なお、本実施形態の製造装置1のダイ10から吐出されるスラリー3として、粘度が数千から数万cP(剪断速度=1の場合)のものを採用することができる。
また、本発明では、間隙調節機構である調節ボルト6による力点と吐出口18との間には、拡張部材7が設けられている。
図3は、図1のb矢視の断面図である。拡張部材7は、ダイ10、特に調節ボルト6が設けられている第一分割体13を構成する材料よりも変形しにくい(たとえば、ヤング率が大きい)材料から構成されており、ダイ10の幅方向(Y軸方向)に関して吐出口18の寸法よりも短い。この拡張部材7は、ダイ10の幅方向に関して第一分割体13の略中央に配置されており、拡張部材7の両端は吐出口18の両端よりも内寄りに位置している。また、本実施形態では、拡張部材7は第一分割体13の中に埋め込まれた形態を有している。
次に、本発明の製造装置1によって基材2上に形成されたスラリー3の塗膜層の形状を図4に示す。図4(a)は本発明による塗膜層を示しており、図4(b)は比較例である。
本発明において、調節ボルト6によって第一分割体13に外力が加えられて第一分割体13が変形する際、その変形は拡張部材7を経由して第一リップ13aに及ぶ。前述の通り拡張部材7は第一分割体13よりも変形しにくい材料により構成されているため、拡張部材7が設けられている部位においては仮に第一分割体13が拡張部材7を備えていない場合と比較すると第一リップ13aの変形量は小さく、ダイ10の幅方向にわたって変形量のプロファイルはなだらかになる。
ここで、拡張部材7は吐出口18よりも寸法は短く、拡張部材7の両端は吐出口18の両端よりも内寄りに位置しているため、拡張部材7の端部から吐出口18の端部までの部位では拡張部材7が存在しない。そのため、その部位は拡張部材7があるダイ10の中央部分よりも変形しやすく、たとえ図3に示すようにダイ10の幅方向に関してダイ10の中央部近傍にのみ調節ボルト6による力点が設けられている場合であっても、特に拡張部材7の端部近傍では力点から離れた箇所であるにも関わらず第一リップ13aの変形を生じさせることが可能となる。
したがって、ダイ10の幅方向に関してダイ10の中央部近傍にのみ調節ボルト6による力点が設けられている場合であっても、調節ボルト6によるダイ10の幅方向に関する吐出口18の間隙の調節領域は広く(すなわち拡張され)、また、調節量のプロファイルも幅方向にわたってなだらかにできるため、図4(a)に示すように基材2上のスラリー3による塗工膜は平坦度の高いものとなる。
一方、仮に第一分割体13全体を拡張部材7の材料で構成した場合の塗工膜の形状を図4(b)に示すが、図9(b)に示した形状と比較すると第一リップ13aの変形量は小さくなるため塗工膜の平坦度は高くなるものの、本発明と比較すると中央部から離れた箇所(吐出口18の端部近傍)での変形は生じないため、吐出口18の間隙の調節が及ぶ幅w2は図4(a)に示す本発明における吐出口18の間隙の調節が及ぶ幅w1よりも狭く、塗工膜表面の高低差d2は図4(a)に示す本発明における塗工膜表面の高低差d1よりも大きくなり、塗膜層の平坦度は本発明には及ばない。
ここで、本発明において調節ボルト6によるダイ10の幅方向に関する吐出口18の間隙の調節領域をできる限り広くとる、すなわち拡張部材7の端部近傍で拡張部材7が無い部分でも吐出口18をしっかり変形させるためには、たとえば第一分割体13の材料がステンレスであり、拡張部材7の材料がタングステンカーバイドであった場合に、ダイ10の幅方向において拡張部材7の寸法は吐出口18の寸法の0.3倍以上0.7倍以下程度であることが望ましい。
また、本実施形態において調節ボルト6に図示しない温度調節機構が接続されていても良い。この場合、間隙調節機構である調節ボルト6を経てダイ10の温度を局所的に調節することによって、熱膨張効果により平坦度の高い塗膜層を形成することができる吐出口の間隙状態に変形させることができる。
また、図3に示す実施形態では調節ボルト6による力点はダイ10の中央に1つのみ設けているが、図5に示すように複数設けても構わない。
次に、本発明のさらに別の実施形態を図6、図7に示す。
図6の実施形態では、拡張部材7は第一分割体13の内部ではなく、切り欠き部19の表面と調節ボルト6の先端部との間に配置されている。このような場合であっても間隙調節機構(調節ボルト6)による力点と吐出口18の間に拡張部材7が設けられる形態を為し、上記と同様に調節ボルト6によるダイ10の幅方向に関する吐出口18の間隙の調節領域を拡張し、また、調節量のプロファイルも幅方向にわたってなだらかにして、図4(a)に示すように平坦度の高い塗工膜を形成することができる。
図7の実施形態では、スラリー3の流れる方向(図1におけるX軸方向)におけるスリット12の途中には、容積がマニホールド11より小さい第2のマニホールド30が設けられており、第2のマニホールド30には、マニホールド11から吐出口18へ流されるスラリー3を吐出口18以外からダイ10の外部へ流出させる調整部31がダイ10の幅方向にわたって1個もしくは複数個設けられている。
調整部31にはバルブ32が設けられており、バルブ61により調整部31から流出するスラリー3の流量を調整することにより、吐出口18からのスラリー3の流量がダイ10の幅方向にわたって均一になるようにしている。この流量調整機構と調節ボルト6とで塗工膜の形状をより平坦にするようにしても良い。
また、この実施形態において製造装置1は、基材2上へ塗工したスラリー3の膜厚を測定するセンサ36(図7参照)を備えていても良い。このセンサ36は非接触式であり、基材2上のスラリー3の膜厚を、幅方向の全長にわたって計測する。計測結果は、製造装置1が備えている制御装置(コンピュータ)37に出力される。制御装置37はセンサ36からの計測結果に基づくフィードバック制御を行い、バルブ32の開度を調整する。つまり、スラリー3の膜厚の計測結果に応じて、制御装置37は、バルブ32に対して制御信号を出力し、バルブ32の開度を調整すると良い。
以上の電池用極板の製造装置により、基材上に平坦度の高い塗膜層を形成することが可能となる。
なお、本発明の製造装置1は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。たとえば、間隙調節機構は調節ボルト以外の機構を用いても構わない。たとえば、ピエゾ素子などを間隙調節機構に採用しても良い。
また、上記の説明ではダイ10は第一分割体13と第二分割体14とを組み合わせて構成しているが、それに限らず1つの部材でダイを構成しても良いし、3つ以上の部材を組み合わせてダイを構成しても良い。
また、本発明の製造装置1は、塗工する液体が粘度の高いスラリーである場合に有効であり、粘度の高いスラリーを塗工して製品(例えば、光学フィルム)を製造する場合に適用してもよい。
1 製造装置
2 基材
3 スラリー
5 ローラ
6 調節ボルト(間隙調節機構)
7 拡張部材
10 ダイ
11 マニホールド
12 スリット
13 第一分割体
13a 第一リップ
14 第二分割体
14a 第二リップ
15 シム板
16 流入部
17 底部
18 吐出口
19 切り欠き部
20 供給手段
21 パイプ
22 タンク
23 ポンプ
30 第2のマニホールド
31 調整部
32 バルブ
36 センサ
37 制御装置

Claims (4)

  1. 幅方向に長くスラリーを溜める空間からなるマニホールドと、当該幅方向に広いスリットを経由して当該マニホールドと繋がり、スラリーを基材に対して吐出する吐出口とが形成されたダイと、
    前記幅方向に関して前記マニホールドの中央部近傍に連通する流入部を介して前記マニホールドにスラリーを供給する供給手段と、
    外力を加えることにより前記ダイの前記吐出口近傍を変形させて前記吐出口の一部の間隙を調節する間隙調節機構と、
    を備え、
    前記間隙調節機構による力点と前記吐出口の間には、前記ダイよりも変形しにくい材料により構成された拡張部材が設けられ、当該拡張部材は前記幅方向に関して前記吐出口よりも短い寸法であることを特徴とする、電池用極板の製造装置。
  2. 前記力点は、前記幅方向に関して前記ダイの中央部近傍にのみ設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の電池用極板の製造装置。
  3. 前記間隙調節機構は、ねじ込み量を調節することによって前記ダイに加える荷重を調節する調節ボルトであること特徴とする、請求項1または2に記載の電池用極板の製造装置。
  4. 前記間隙調節機構には、温度調節機構が接続されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の電池用極板の製造装置。
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