JP7208798B2 - 電池用極板の製造装置および電池用極板の製造方法 - Google Patents

電池用極板の製造装置および電池用極板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、基材に活物質を含むスラリーを塗布して電池用極板を製造するための製造装置および電池用極板の製造方法に関する。
たとえばリチウムイオンバッテリーなどに用いられる電池用極板は、ロールツーロールで送られる基材に、活物質、バインダー、導電助剤及び溶媒を含むスラリーが塗布され、製造される。このようにして製造された電池用極板において、基材上に形成される活物質を含む層の厚さは、電池の充放電量に直接影響を与えることから、特に高容量型の電池(バッテリ)の場合、基材に塗布するスラリーの膜厚管理は非常に重要となる。つまり、スラリーは、基材の幅方向及び送り方向に沿って均一な厚さで塗布される必要がある。
特許文献1に記載の電池用極板の製造装置では、ダイには基材に対してスラリーを吐出する吐出口に加え、吐出口の手前でスラリーを流出もしくは流入させることによって吐出口からのスラリーの吐出量を調整する調整部がダイの幅方向にわたって複数設けられており、基材に塗工されたスラリーが基材の幅方向に沿って均一な厚さとなるようにダイの幅方向におけるスラリーの吐出量の分布が微調整される。
特開2015-97198号公報
ここで、ダイから吐出されるスラリーには溶媒としてアルコールなどの有機溶剤を多量に含むものもあり、ダイからのスラリーの吐出を続けることによって製造装置の内部および周辺がスラリーから揮発した有機溶剤で充満する可能性がある。このように有機溶剤が充満した環境において、吐出口からのスラリーの吐出量の調整のために調整部が駆動する際、たとえば調整部を構成するバルブの開度調節がモータにより行われる場合では、そのモータが着火源となり、モータの駆動によって生じるわずかな火花によって製造装置内で爆発が生じるおそれがあった。また、それに付随する電装機器類も着火源に相当する。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、有機溶剤を多量に含んだスラリーを使用する場合であっても爆発を起こすこと無く基材上に形成される塗膜層の厚さを均一にすることができる電池用極板の製造装置および電池用極板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電池用極板の製造装置は、幅方向に長くスラリーを溜める空間からなる第1のマニホールドと、当該幅方向に広いスリットを経由して当該第1のマニホールドと繋がり、スラリーを基材に対して吐出する吐出口とが形成されたダイと、前記第1のマニホールドに連通している流入部から前記第1のマニホールドにスラリーを供給する供給手段と、を備え、前記スリットの前記第1のマニホールドと前記吐出口との間には、スラリーを流出させ、もしくは流入させることにより前記吐出口からのスラリーの吐出量を調整する調整バルブが、前記幅方向にわたって複数設けられており、前記調整バルブは、流体の出し入れによる内部圧力の変化により弁の開度が調節され、前記弁の開度が調節されることによって前記調バルブからのスラリーの流出量もしくは流入量が調節されるとともに、前記弁の開度を測定する開度センサが着脱可能に設けられ、前記開度センサは、前記ダイからスラリーを吐出する際には前記調整バルブから取り外されていることを特徴とする。
本発明の電池用極板の製造装置によれば、有機溶剤を多量に含んだスラリーを使用する場合であっても爆発を起こすこと無く基材上に形成される塗膜層の厚さを均一にすることができる。具体的には、調整バルブが幅方向にわたって複数設けられていることによって塗膜層の厚さが均一になるようにダイの吐出口からのスラリーの吐出量の幅方向の分布を調節することができる。また、調整バルブは流体の出し入れによる内部圧力の変化により弁の開度が調節され、弁の開度が調節されることによって調バルブからのスラリーの流出量もしくは流入量が調節されることにより、調整バルブを電装品が無い構成とすることができ、着火源となることを防ぐことができる。また、開度センサは、ダイからスラリーを吐出する際には調整バルブから取り外されていることにより、着火源となりうる開度センサが無い状態で基材へのスラリーの吐出を実施することができる。
また、前記流体は非可燃性気体であっても良い。
また、前記流体は非可燃性液体であっても良い。
また、前記調整バルブは、前記弁の開度の変化とともに移動する移動端部を有し、前記開度センサは、前記移動端部の位置を検知する変位センサであると良い。
こうすることにより、弁の開度を調整バルブの外側から測定することが可能となる。
また、前記開度センサは、各前記調整バルブに設けられていても良い。
こうすることにより、仮に各調整バルブの動作に個体差があったとしても、精度良く各調整バルブの動作の検量線を得ることができる。
また、基材に吐出されたスラリーの塗膜層の膜厚を測定する膜厚センサをさらに有し、前記ダイから基材へのスラリーの吐出時は、前記膜厚センサによる計測結果が常時フィードバックされて前記弁の開度が常時制御されると良い。
この場合、特に調整バルブの動作の精度が必要となるが、着火源となりうる要素がダイの周辺に無い構成で実施することができる。
また、本発明の電池用極板の製造方法は、ダイに形成された幅方向に長い第1のマニホールドに溜められているスラリーを、当該幅方向に広いスリットを経由して当該第1のマニホールドと繋がる吐出口から吐出して、基材へ塗布して行う電池用極板の製造方法であって、前記スリットの前記第1のマニホールドと前記吐出口との間には、スラリーを流出させ、もしくは流入させることにより前記吐出口からのスラリーの吐出量を調整する調整バルブが、前記幅方向にわたって複数設けられており、前記調整バルブは、流体の出し入れによる内部圧力の変化により弁の開度が調節され、前記弁の開度が調節されることによって前記調バルブからのスラリーの流出量もしくは流入量が調節されるとともに、前記弁の開度を測定する開度センサが着脱可能に設けられ、前記ダイからのスラリーの吐出を停止させ、前記調整バルブに前記開度センサを取り付けた状態において、前記調整バルブの前記内部圧力の値と前記開度センサの測定値とによって前記弁の開度の検量線を求め、前記開度センサが前記調整バルブから取り外された状態において、前記ダイの前記吐出口からスラリーを吐出させるとともに、前記検量線を利用することによって各前記調整バルブの前記弁の開度を制御して前記調整バルブからのスラリーの流出量もしくは流入量を調節することを特徴としている。
本発明の電池用極板の製造方法によれば、有機溶剤を多量に含んだスラリーを使用する場合であっても爆発を起こすこと無く基材上に形成される塗膜層の厚さを均一にすることができる。具体的には、調整バルブが幅方向にわたって複数設けられていることによって塗膜層の厚さが均一になるようにダイの吐出口からのスラリーの吐出量の幅方向の分布を調節することができる。また、調整バルブは流体の出し入れによる内部圧力の変化により弁の開度が調節され、弁の開度が調節されることによって調バルブからのスラリーの流出量もしくは流入量が調節されることにより、調整バルブを電装品が無い構成とすることができ、着火源となることを防ぐことができる。また、ダイからのスラリーの吐出を停止させ、調整バルブに開度センサを取り付けた状態において、調整バルブの前記内部圧力の値と開度センサの測定値とによって弁の開度の検量線を求めることにより、着火源となりうる開度センサを用いる工程は揮発した有機溶剤が少ない状態で実施することができる。
本発明によれば、有機溶剤を多量に含んだスラリーを使用する場合であっても爆発を起こすこと無く基材上に形成される塗膜層の厚さを均一にすることが可能となる。
本発明の一実施形態における電池用極板の製造装置の概略構成を示す説明図である。 図1のa矢視の断面図である。 (A)は、図1のb矢視の断面図であり、(B)は、シム板15の平面図である。 第2の実施形態における電池用極板の製造装置の概略構成を示す説明図である。 第3の実施形態における電池用極板の製造装置の概略構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態における調整バルブの概略構成を示す説明図である。 調整バルブの内部圧力と弁の開度との間における検量線を表すグラフである。 (A)は、スラリー吐出時の調整バルブの概略構成を示す説明図であり、(B)は、弁の開度とスラリーの流量との間における検量線を表すグラフである。 調整バルブの変形例の概略構成を示す説明図である。 本発明の電池用極板の製造装置による塗膜層の形成例である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態における電池用極板の製造装置の概略構成を示す説明図である。この製造装置1は、ロールツーロールで送られる金属箔からなる基材2に、活物質、バインダー、導電助剤及び溶媒を含むスラリー3を塗布するための装置である。この製造装置によれば、塗布したスラリー3を乾燥させることで基材2上に活物質を含む塗膜層が形成され、この基材2が所定形状に切断され電池用極板となる。基材2上に形成される活物質を含む塗膜層の厚さは、電池の充放電量に直接影響を与えることから、基材2に塗布するスラリー3によって形成される塗膜層の膜厚管理は非常に重要であり、この製造装置1によれば、以下の実施形態において説明するように、スラリー3は、基材2の送り方向に沿って均一な厚さ(均一な塗膜量)で塗布される。なお、基材2の幅方向は、基材2の送り方向に直交する方向であり、図1におけるY軸方向がこれに相当する。
製造装置1は、基材2の幅方向に沿って長く構成されたダイ10と、このダイ10にスラリー3を供給する供給手段20とを備えている。ダイ10において、その長手方向(図1におけるY軸方向)を幅方向という。この製造装置1では、ダイ10に対向するローラ5が設置されており、ダイ10の幅方向とローラ5の回転中心線の方向とは平行である。基材2は、このローラ5に案内され、基材2とダイ10(後述のスリット12の先端)との間隔(隙間)が一定に保たれ、この状態でスラリー3の塗布が行われる。
本実施形態のダイ10は、先細り形状である第一リップ13aを有する第一分割体13と、先細り形状である第二リップ14aを有する第二分割体14とを、これらの間にシム板15を挟んで、組み合わせた構成からなる。図2は、図1のa矢視の断面図である。図3(A)は、図1のb矢視の断面図であり、シム板15を、図3(B)に示している。ダイ10は、その内部に、幅方向に長い空間からなる第1のマニホールド11と、この第1のマニホールド11と繋がるスリット12とが形成され、また、第一リップ13aと第二リップ14aとの間には、スリット12の解放端である吐出口18が形成されている。すなわち、第1のマニホールド11と吐出口18とは、スリット12を経由して繋がっている。
この構成により、供給手段20により供給されたスラリー3は、先ず第1のマニホールド11に溜められ、次に、スリット12を経由して吐出口18から吐出される。
スリット12は、第1のマニホールド11と同様に幅方向に長く形成されており、スリット12の幅方向寸法は、本体部15a、突出片15b、および突出片15cから構成される略U字状のシム板15の内寸W(図3(B)参照)によって決定され、スリット12の幅方向寸法と略同一の幅方向寸法のスラリー3を、基材2上に塗布することができる。スリット12の隙間寸法(高さ寸法)は、例えば0.4~1.5mmである。本実施形態では、スリット12の隙間方向が上下方向であり、幅方向が水平方向となる姿勢でダイ10は設置されている。つまり、第1のマニホールド11とスリット12とが水平方向に並んで配置される姿勢でダイ10は設置されている。したがって、第1のマニホールド11に溜められているスラリー3をスリット12および吐出口18を通じて基材2へと流す方向は水平方向となる。
なお、シム板15の厚さを変更することにより、第1のマニホールド11内部の圧力(塗工圧力)を調整することができ、この調整によって、様々な特性を有するスラリー3で均一な膜厚の塗工を行うことが可能となる。
ダイ10の幅方向の中央部には、流入部16が設けられており、この流入部16は、ダイ10の外部から第1のマニホールド11へ繋がる貫通孔(流入口)からなる。供給手段20は、この流入部16に一端部が接続されている流入パイプ21と、スラリー3を貯留しているタンク22と、このタンク22内のスラリー3を、パイプ21を通じてダイ10へ供給するためのポンプ23とを有している。以上より、供給手段20は、第1のマニホールド11に流入部16からスラリー3を供給することができる。なお、本実施形態では、図1に示すように、流入部16は、第1のマニホールド11の底部17と繋がっており、この底部17からスラリー3を流入させる構成としている。
そして、第1のマニホールド11は、供給手段20から供給されたスラリー3を溜めることができ、第1のマニホールド11に溜められているスラリー3を、スリット12を通って吐出口18からロールツーロールで送られる基材2に対して吐出し、この基材2に対してスラリー3を連続的に塗布することができる。スリット12の隙間寸法はその幅方向に一定であり、基材2上に塗布されるスラリー3の厚さは幅方向に一定となる。
また、ダイ10には圧力センサ(図示せず)が設けられており、この圧力センサは、第1のマニホールド11のスラリー3の内圧を計測する。そして、この計測結果に基づいて供給手段20によるスラリー3の供給が制御され、第1のマニホールド11のスラリー3の内圧を一定に保つ。第1のマニホールド11で内圧が一定とされるスラリー3は、スリット12から幅方向全長にわたって均等の量で吐出され、また、前記圧力センサの計測結果に基づいて、スリット12から吐出されるスラリー3の量が変動しないように制御され、基材2上に塗布されるスラリー3の送り方向の厚さを一定とする。また、図示しないが、パイプ21の途中にはスラリー3用のフィルタが設けられている。
そして、スリット12には、第1のマニホールド11のスラリー3を吐出口18以外からダイ10の外部へ流出させたり、第1のマニホールド11の流入部16からスラリー3を流入させる調整部31,32,33,34が設けられている。本実施形態では、スリット12の幅方向の両端部12a,12bに、第1と第2の調整部31,32が設けられ、この両端部12a,12bの間の途中部12c,12dに、第3と第4の調整部33,34が設けられている。
調整部31,32,33,34は、スリット12とダイ10の外部とを繋ぐ貫通孔と、貫通孔に接続されているパイプ50と、後述する調整バルブ60とからなる。本実施形態では、パイプ50の一端はタンク22に繋がれており、タンク22に貯留されるスラリー3が流入部16から第1のマニホールド11に流入するのとは別に、調整部31,32,33,34からスリット12に流入する。もしくは、これら調整部31,32,33,34から流出したスラリー3は、タンク22へ戻される。なお、パイプ50の途中に、図示しないがフィルタが設けられているのが好ましい。
このように、ダイ10のスリット12には、第1のマニホールド11のスラリー3を流入部16以外から流入、もしくは吐出口18以外からダイ10の外部へ流出させる調整部31,32,33,34が、スリット12の幅方向に設けられていることから、たとえばマニホールド11の両端部においてスラリー3が流れ難くなる(滞留する)ことによってマニホールド11からスリット12に流入するスラリー3の量が幅方向に不均一になったとしても、調整部31,32,33,34によって吐出口18へ流出するスラリー3の量を調節することにより、吐出口18から吐出されるスラリー3の量が幅方向に不均一になることを防ぐことができる。
なお、第1のマニホールド11の両端部において、スラリー3の固形成分が沈殿や凝集し易くなる理由は、これら両端部には、第1のマニホールド11の幅方向端面を構成する壁が存在していることから、第1のマニホールド11の中央部から供給され幅方向両側へ広がるスラリー3は、両端部において流速が低下しやすく、スラリー3が滞留しやすいためである。特に、スラリー3は粘度(粘性)が高いため、両端部において滞留しやすく固形成分が沈殿や凝集しやすい。
また、本実施形態の製造装置1のダイ10から吐出されるスラリー3として、粘度が数千から数万cP(剪断速度=1の場合)のものを採用することができる。
ここで、本発明では、調整部31,32,33,34は第1のマニホールド11ではなく、スリット12に設けられている。これは、第1のマニホールド11は流入部16から流入したスラリー3を第1のマニホールド11全体に行き渡らせるために幅方向の断面積を大きく、すなわち容積を大きく形成されているためであり、仮に第1のマニホールド11に調整部31,32,33,34を設けた場合、各調整部による局所的なスラリー量の調整を行っても、感度が悪く十分に調整の効果が得られにくい。
これに対し、第1のマニホールド11よりも幅方向の断面積が十分に小さいスリット12に調整部31,32,33,34を設けることにより、各調整部における調整を感度良く吐出口18からの吐出量に反映させることが可能である。
さらに、本実施形態では、この調整部31,32,33,34それぞれには、スリット12に流入もしくはスリット12から流出させるスラリー3の量の調整を行う制御部が設けられている。具体的に説明すると、図2に示すように、調整部31,32,33,34のそれぞれのパイプ50に、前記制御部として調整バルブ60が接続されている。これら調整バルブ60それぞれは、調整部31,32,33,34それぞれから流出するスラリー3の流量を調整する機能を有している。
また、この製造装置1は、基材2上へ塗布したスラリー3の膜厚を測定する膜厚センサ36を備えている(図1参照)。膜厚センサ36は、幅方向に沿って複数設けられていてもよい。膜厚センサ36は、たとえばX線やβ線を用いたものであって非接触式であり、基材2上のスラリー3の膜厚を、幅方向に沿って複数カ所、または、幅方向の全長にわたって計測可能であり、計測結果は、製造装置1が備えている制御装置(コンピュータ)37に出力される。制御装置37は膜厚センサ36からの計測結果に基づくフィードバック制御を行い、調整部31,32,33,34の調整バルブ60の開度を調整する。つまり、スラリー3の膜厚の計測結果に応じて、制御装置37は、調整部31,32,33,34それぞれの調整バルブ60に対して制御信号を出力し、それぞれの調整バルブ60の開度を調整する。これにより、スラリー3の膜厚を幅方向に一定に保つことが可能となる。また、このフィードバック制御をダイ10から基材2へのスラリー3の吐出時に常時実施することにより、ロールツーロールで長時間搬送され続ける長尺の基材2に形成されるスラリー3の塗工膜全体の膜厚を一定に保つことも可能である。
なお、膜厚センサ36の代わりに制御装置37が有するタイマ機能により、調整部31,32,33,34それぞれの調整バルブ60の開度を制御してもよい。つまり、塗布開始からある時間が経過するとスラリー3の固形成分の沈殿や凝集が問題となることから、この時間が経過する前の所定時間をタイマで計測し、その所定時間が経過すると、制御装置37は調整バルブ60の開度を大きくする制御を行ってもよい。
さらに、本実施形態では、スリット12の両端部12a,12bの間の途中部12c,12dにも、調整部33,34が設けられており、両端部12a,12bのみでスラリー3の流量が多くなることを抑えている。そして、この途中部12c,12dに接続されている調整部33,34の調整バルブ60の開度を調整することで、スラリー3の吐出作業を長時間継続して行っていても、基材2上に形成されるスラリー3の膜厚を均一にすることが可能となる。
例えば、このダイ10を用いた塗布作業を開始してからある時間までは、第1のマニホールド11では、両端部を含めて、スラリー3の固形成分の沈殿や凝集は発生しにくく、吐出口18の全幅において均一な吐出量を得ることができる。このため、各調整バルブ60の開度は、すべて同じ程度(開度がゼロであってもよい)とされる。
しかし、ある時間を超え、第1のマニホールド11の両端部において、スラリー3の固形成分の沈殿や凝集が多く発生しそうになると、両端部に対応する調整バルブ60の開度を大きく変更する。これにより、両端部においてスラリー3が補充され、スリット12の両端部において、スラリー3の吐出量が減少してしまうのを抑えることができる。
そして、両端の調整バルブ60の開度を大きく変更した際、吐出口18の幅方向両端部では、スラリー3の吐出量が変化する傾向にあり、これが原因となって、スリット12の幅方向の中央側に隣り合う途中部12c,12dでも、スラリー3の流量が一時的に変化する現象が起こる。
そこで、第1のマニホールド11の両端部において、固形成分の沈殿や凝集が多く発生しそうになると、スリット12の両端部12a,12bに対応する調整バルブ60の開度を(徐々に)大きく変更すると共に、途中部12c,12dに対応する調整バルブ60の開度も(徐々に)大きく変更する制御が行われる。なお、開度変更中の調整部33,34の調整バルブ60の開度を、開度変更中の調整部31,32の調整バルブ60の開度よりも小さくし、途中に設けられている調整部33,34からのスラリー3の流入量を、両端の調整部31,32からのスラリー3の流入量よりも少なくしている。さらに、この際、第1のマニホールド11のスラリー3の内圧も一定となるように制御される。
以上の制御によれば、調整部31,32,33,34を通じてスリット12に流入もしくはスリット12から流出させるスラリー3の流量を調整することにより、吐出口18から吐出させるスラリー3の量の幅方向の分布が調節される。このため、スラリー3を吐出口18から幅方向の全長にわたって均等に吐出させるためのより厳密な制御が可能となり、基材2上に形成されるスラリー3の膜厚を、幅方向及び送り方向について、均一にすることが可能となる。
なお、本実施形態以外の他の実施形態として、図4に示すように、スリット12の途中であり、調整部31,32,33,34が設けられた部分と吐出口18との間に第2のマニホールド24が設けられていても良い(第2の実施形態)。
第2のマニホールド24は、幅方向の長さは第1のマニホールド11およびスリット12と同等であり、幅方向の断面積は第1のマニホールド11よりも小さい。すなわち、第2のマニホールドよりも容積が小さい。
このような第2のマニホールド24が調整部31,32,33,34が設けられた部分と吐出口18との間に設けられることにより、第1のマニホールド11で生じていたスラリー3の流量のばらつきを各調整部において軽減し、さらに第2のマニホールド24で流量を平準化することにより、吐出口18からのスラリー3の吐出量を幅方向にわたって所定の量に維持することが可能である。
たとえば、第1のマニホールド11で幅方向に±10%のスラリー3の流量のばらつき生じていたとして、まず、調整部31,32,33,34でスラリー3の流量を補充することで±1%まで流量のばらつきを軽減できたとする。このように調整部31,32,33,34を通った段階で幅方向にわたるスラリー3の流量のばらつきが若干残っていたとしても、次にスラリー3が第2のマニホールド24に流入して第2のマニホールド24内でスラリー3が幅方向に広がって流量を平準化する働きにより、幅方向にわたるスラリー3の流量が均一となって、吐出口18から吐出する。
また、第3の実施形態として、図5に示すように、スリット12の途中(第1のマニホールド11と吐出口18の間)に第2のマニホールド24が設けられ、この第2のマニホールド24に調整部31,32,33,34が設けられていても良い。
この実施形態においても、上記の通り、第2のマニホールド24は、幅方向の長さは第1のマニホールド11およびスリット12と同等であり、幅方向の断面積は第1のマニホールド11よりも小さい。すなわち、第2のマニホールドよりも容積が小さい。
このような第2のマニホールド24に調整部31,32,33,34が設けられることにより、スリット12に直接調整部31,32,33,34を設ければ調整の感度が良すぎて吐出口18からのスラリー3の吐出量の制御が困難であるときに、適度に調整感度を緩めてスラリー3の吐出量の制御を容易にすることができる。
また、第1のマニホールド11に調整部31,32,33,34を設けるのではなく、第1のマニホールド11よりも容積の小さい第2のマニホールド24に設けることにより、第1のマニホールド11に設けた場合よりも良い感度で調整部31,32,33,34による流量の調整を行うことができる。
次に、本発明の一実施形態における調整バルブの概略構成を図6に示す。なお、以下の説明では、調整バルブ60によってダイ10からスラリー3を流出させる例を記載しているが、スラリー3を流入させる場合であってもスラリー3の流れる方向が反対である以外は以下の説明と同様の動作が行われるものとする。
調整バルブ60は、パイプ50によるスラリー3の流路の途中に設けられており、本体部61および移動部62とを有し、本体部61の内部圧力が変化することによって移動部62が変位する。移動部62が変位することによって、移動部62の先端に設けられた弁66が変位し、調整バルブ60に接続されたパイプ50の開口端に対する弁66の開度が変化する。そして、弁66の開度が変化することにより、調整バルブ60を通過するスラリー3の流量が変化する。
本体部61は、内部に空洞部63および空洞部64を有しており、空洞部63と空洞部64は移動部62のシャフトを通すための貫通孔によって連結されているが、空洞部63と空洞部64との間で流体の行き来が無いよう、移動部62の周辺はシールされている。
空洞部63は、パイプ50と接続される貫通孔を2箇所有し、スラリー3はこの空洞部63を経由してパイプ50による流路を流れる。上記貫通孔のうちの一つの開口端は、移動部62の先端に設けられた弁66の移動方向(図6におけるZ軸方向)に設けられており、弁66によってこの開口端を塞ぐことが可能である。
空洞部64は、略円筒状の空間であり、移動部62が有する間仕切り部67によって2つの空間に分断されており、それぞれの空間に流体供給部65aおよび流体供給部65bとが接続されている。これら流体供給部65aおよび流体供給部65bから流体が供給され、空洞部64の2つの空間にはその流体が充填されている。そして、流体供給部65aおよび流体供給部65bからの流体の出し入れによって、空洞部64の2つの空間の圧力が変化する。すなわち、調整バルブ60の内部圧力が変化する。なお、この流体は、気体でも液体でも良い。特に、空気や窒素などの非可燃性気体や、水などの非可燃性液体が用いられることが好ましい。
移動部62は、弁66と間仕切り部67とがシャフトを介して一体に形成された構成を有し、弁66、間仕切り部67、および移動部62の弁66とは反対側の端部である移動端部68は一体となって移動する。
弁66は略円錐状の形状を有し、移動部62が移動することによって、図6(A)のようにパイプ50と接続される開口を完全に塞ぐ状態にもなり、図6(B)のようにパイプ50と接続される開口との間に隙間が設けられた状態にもなる。このように弁66の位置が変化することにより、所定時間に調整バルブ60を通過することができるスラリー3の量、すなわちスラリー3の流量が変化する。なお、本説明では、このように本体部61に対する弁66の相対位置が変化することを、「弁66の開度が変化する」、もしくは「調整バルブ60の開度が変化する」と言う。
間仕切り部67は略円盤状の形状を有し、上記の通り本体部61の空洞部64を2つの空間に分断する。そして、流体供給部65aおよび流体供給部65bに流体が出し入れされることによって、空洞部64の2つの空間の圧力が変化し、これにともなって本体部61に対する間仕切り部67の相対位置が変化する。すなわち、移動部62全体の本体部61に対する相対位置が変化する。
これを図6(A)、(B)を用いて説明すると、図6(A)のように間仕切り部67を挟む2つの空間の圧力がそれぞれ圧力A1および圧力B1となっている状態では、間仕切り部67を含む移動部62全体は、弁66がパイプ50と接続される開口を完全に塞ぐ位置にあり、図6(B)のように間仕切り部67を挟む2つの空間の圧力がそれぞれ圧力A2および圧力B2となっている状態では、間仕切り部67を含む移動部62全体は、弁66がパイプ50と接続される開口と離間する位置にある。
このように流体の出し入れによって弁66の開度が調節される調整バルブ60では、動作中に火花が発生するおそれが無く、そのため、有機溶剤が充満した環境下でも安全に使用することが可能である。
ここで、移動部62の移動端部68は、本体部61から突き出ている。この移動端部68の位置は、調整バルブ60の外側に取り付けられた開度センサ70により測定可能であり、移動端部68の位置を把握することにより弁66の位置、すなわち弁66の開度を把握することができる。すなわち、調整バルブ60の内部の弁66の開度を調整バルブ60の外側から把握することができる。
開度センサ70は電装品であり、本実施形態では投受光により測定対象物の位置を測定する変位センサである。この開度センサ70から移動端部68に向けて投光し、また、移動端部68からの反射光を受光することにより、図6(A)、(B)に距離d1、d2で示すような開度センサ70と移動端部68との距離を測定することができる。この距離を測定することにより、弁66の開度を算出することが可能である。
ここで、本発明では、開度センサ70は、調整バルブ60の移動端部68の近傍に着脱可能に設けられている。ここで、「着脱可能」とは、調整バルブ60が製造装置1に組み込まれたまま、すなわち、調整バルブ60がパイプ50経由でダイ10に接続された状態のままで容易に開度センサ70が着脱できる形態であることを示しており、たとえば所定の治具に差し込まれるだけの形態であったり、ボルトにより締結される形態を含んでおり、溶接などによって完全に固定される形態は含まない。
図7は、空洞部64の2つの空間の圧力値(図6に示す圧力A、圧力B)と、そのときの開度センサ70の測定値、すなわち弁66の開度から求められる検量線を示すグラフであり、図中の実線は圧力Aと圧力Bとの関係、一点鎖線は圧力Aと弁66の開度との関係を示すものである。圧力Aが大きくなるほど、移動部62はパイプ50から遠ざかる方向に移動させられ、弁66の開度が大きくなる。
このように、流体の出し入れによって圧力Aおよび圧力Bが調節されることにより、単なるオンオフ制御ではなく弁66の開度が細かく調節される。なお、図7では圧力Aと弁66の開度との関係が直線状になっているが、これに限らず、たとえば二次曲線状になる場合もある。
ここで、開度センサ70が本実施形態のように光電センサなどの電装品である場合、図7のような調整バルブ60への供給圧力と弁66の開度の検量線を求める時の環境が有機溶剤が充満した環境であると、爆発する可能性がある。したがって、この検量線を求める工程は、調整バルブ60が製造装置1に組み込まれた状態であってダイ10にスラリー3が供給されていない状態で行われる。
また、この検量線はスラリー3の物性によって変化することは少ないので、スラリー3を交換する毎にこの検量線を求める必要は無く、たとえば定期メンテナンス時などにスラリー3の供給を停止して実施すれば良い。
また、本実施形態では、ダイ10の幅方向に並ぶ各調整バルブ60にそれぞれ設けられている。そのため、仮に各調整バルブ60の動作に個体差があったとしても、精度良く各調整バルブ60の動作の検量線を得ることができる。
スラリー3をダイ10から吐出する時の調整バルブ60の概略構成を図8(A)に示す。
調整バルブ60の構成は、図6(A)および図6(B)に示した構成と同様であり、弁66が空洞部63の開口から離間することにより、パイプ50を経由してダイ10からスラリー3が流入し、その分、ダイ10の吐出口18から吐出されるスラリー3の量が減少する。このように調整バルブ60の弁66の開度を調節することにより、ダイ10の吐出口18から吐出されるスラリー3の量を調節することができる。そして、ダイ10の幅方向に複数並んだ調整バルブ60の弁66の開度を個々に調節することにより、ダイ10の吐出口18から吐出されるスラリー3の量の幅方向の分布を調節することができる。
ここで、スラリー3をダイ10から吐出する時は、図8(A)に示すように開度センサ70は製造装置1から取り外された状態で行われる。そのため、爆発が起こることを防ぐことができる。
図8(B)は、弁66の開度と調整バルブ60を流れるスラリー3の流量との検量線を示すグラフである。電池用極板を製造するために基材2にスラリー3の塗工膜を形成する前に、このような検量線を取得し、どの程度の弁66の開度でどの程度の量のスラリー3が調整バルブ60を経由して流出するのかを制御装置が把握しておくことにより、ダイ10の吐出口18から吐出されるスラリー3の量の精度の高い制御が可能である。
図8(B)のグラフに実線、一点鎖線、二点鎖線で表している直線は、異なる3種のスラリー3における検量線を示している。弁66の開度が同じであっても、たとえばスラリー3の粘度が異なれば、調整バルブ60を流れるスラリー3の流量は異なる。したがって、この検量線は基本的にスラリー3を交換する毎に取得する。したがって、前述の調整バルブ60への供給圧力と弁66の開度との検量線を取得する頻度よりも弁66の開度と調整バルブ60を流れるスラリー3の流量との検量線を取得する頻度は高い。
一方、このような検量線を求めるときには、ダイ10からスラリー3を吐出させることが必要である。しかし、事前に求めた調整バルブ60への供給圧力と弁66の開度の検量線を利用することによって、スラリー3の吐出時に移動部62の位置をセンサで測定しなくとも調整バルブ60への供給圧力値さえ測定できていれば弁66の開度は推定できる。そのため、図8(A)に示すように開度センサ70が無い状態、すなわち開度センサ70が製造装置1から取り外された状態で行うことが可能である。そのため、調整バルブ60が動作することによって爆発が起こることを防ぐことができる。
また、本発明では図7に示す調整バルブ60への供給圧力と弁66の開度との検量線および図8(B)に示す弁66の開度と調整バルブ60内のスラリー3の流量との検量線の2種類の検量線を組合わせてダイ10から吐出されるスラリー3の量を調節する形態としている。これにより、取得の頻度が高い弁66の開度と調整バルブ60を流れるスラリー3の流量との検量線は、1つの調整バルブ60のみで取得し、これを各調整バルブ60における調整バルブ60への供給圧力と弁66の開度との検量線に組合わせることができるため、調整バルブ60の数が比較的多い場合に、検量線の取得にかかる手間を少なくすることができる。
以上の構成の製造装置1による電池用極板の製造方法は、以下の通りになる。
まず、ダイ10からのスラリー3の吐出を停止させ、調整バルブ60に開度センサ70を取り付けた状態において、調整バルブ60の内部圧力の値と開度センサ70の測定値とによって弁66の開度の検量線を求める。なお、この検量線の取得の頻度は、製造装置1の定期メンテナンス毎の頻度で良い。
次に、開度センサ70が前記調整バルブから取り外された状態において、ダイ10の吐出口18からスラリー3を吐出させるとともに、前記検量線を利用することによって各調整バルブ60の弁66の開度を制御して調整バルブ60からのスラリー3の流出量もしくは流入量を調節する。
以上の電池用極板の製造方法により、有機溶剤を多量に含んだスラリーを使用する場合であっても爆発を起こすこと無く基材上に形成される塗膜層の厚さを均一にすることが可能となる。
図9は、調整バルブ60の変形例の概略構成を示す図である。
空洞部64の2つの空間のうち、一方の空間に圧力を与える手段を流体の代わりにばね
69にしたものである。この実施形態だと、流体供給部65aへの流体の供給量を少なくすると、ばね69の反力によって弁66の開度が小さくなり、空洞部63の開口を塞ぐ挙動を示す。なお、ばね69の設置箇所を空洞部64の反対側にしても構わない。
以上の電池用極板の製造装置および電池用極板の製造方法により、有機溶剤を多量に含んだスラリーを使用する場合であっても爆発を起こすこと無く基材上に形成される塗膜層の厚さを均一にすることが可能となる。
また、本発明の製造装置1は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば、本実施形態(図1参照)では、流入部16は、第1のマニホールド11の底部17と繋がっており、この底部17からスラリー3を流入させる構成としているが、流入部16は、第1のマニホールド11の側部(高さ方向の中間部)と繋がった構成であってもよい。
また、前記実施形態では、第1のマニホールド11のスラリー3をスリット12を通じて吐出口18から基材2へと流す方向が水平方向となるようにダイ10が設置されている場合について説明したが、ダイ10の設置姿勢はこれ以外であってもよい。例えば、第1のマニホールド11とスリット12とが鉛直方向に並んで配置される姿勢でダイ10は設置されていてもよく、この場合において、第1のマニホールド11のスラリー3をスリット12を通じて吐出口18から基材2へと流す方向が鉛直方向上向きとなるようにダイ10が設置されていてもよい。
さらに、前記実施形態では、両端部12a,12bの間において、二カ所の途中部12c,12dに調整部33,34が設けられている場合について説明したが、途中部に設ける調整部の数はこれ以外であってもよく、調整部は、両端部12a,12bの間の途中部に少なくとも一カ所設けられていればよい。
また、調整バルブ60の個体差が小さい場合は、一つの調整バルブ60にのみ開度センサ70が着脱可能な構成であり、他の調整バルブ60の近傍には開度センサが無い形態であっても良い。そして、この開度センサ70を有する調整バルブ60にて得られた弁66の開度の検量線が他の調整バルブ60に反映されても良い。
また、上記の説明では、調整バルブ60の形態はニードル弁であるが、これに限らず、流体の出し入れによる内部圧力の変化により弁の開度が調節される形態であれば他の形態であっても良く、たとえばバタフライ弁やダイアフラム弁であっても良い。
なお、本発明の製造装置1は、塗布する塗布液が粘度の高いスラリーである場合に有効であり、粘度の高いスラリーを塗布して製品(例えば、光学フィルム)を製造する場合に適用してもよい。
また、上記の説明では、吐出口18からの吐出量が幅方向にわたって均一になるようにすることで基材2に形成される塗膜層の厚みが幅方向にわたって均一にするようにしているが、吐出口18の吐出量は幅方向にわたって均一に限らない。たとえば図10(A)に示すように基材2に形成された塗膜層の厚みが時間経過によって端部の厚みが減少するように変化する場合、各調整部によってスリット12の両端部におけるスラリー3の流量を多くすると良い。これにより、図10(B)に示すように塗膜層の形状は、吐出直後は幅方向の端部が厚くなるものの、時間経過によって端部の厚みが減少し、結果的に幅方向に厚みが均一な塗膜層を得ることができる。
1 製造装置
2 基材
3 スラリー
5 ローラ
10 ダイ
11 第1のマニホールド
12 スリット
12a 両端部
12b 両端部
12c 途中部
12d 途中部
13 第一分割体
13a 第一リップ
14 第二リップ
14a 第二分割体
15 シム板
15a 本体部
15b 突出片
15c 突出片
16 流入部
17 底部
18 吐出口
20 供給手段
21 流入パイプ
22 タンク
23 ポンプ
31 調整部
32 調整部
33 調整部
34 調整部
36 膜厚センサ
37 制御装置
50 パイプ
60 調整バルブ
61 本体部
62 移動部
63 空洞部
64 空洞部
65a 流体供給部
65b 流体供給部
66 弁
67 間仕切り部
68 移動端部
69 ばね
70 開度センサ

Claims (7)

  1. 幅方向に長くスラリーを溜める空間からなる第1のマニホールドと、当該幅方向に広いスリットを経由して当該第1のマニホールドと繋がり、スラリーを基材に対して吐出する吐出口とが形成されたダイと、
    前記第1のマニホールドに連通している流入部から前記第1のマニホールドにスラリーを供給する供給手段と、を備え、
    前記スリットの前記第1のマニホールドと前記吐出口との間には、スラリーを流出させ、もしくは流入させることにより前記吐出口からのスラリーの吐出量を調整する調整バルブが、前記幅方向にわたって複数設けられており、
    前記調整バルブは、流体の出し入れによる内部圧力の変化により弁の開度が調節され、前記弁の開度が調節されることによって前記調バルブからのスラリーの流出量もしくは流入量が調節されるとともに、前記弁の開度を測定する開度センサが着脱可能に設けられ、
    前記開度センサは、前記ダイからスラリーを吐出する際には前記調整バルブから取り外されていることを特徴とする、電池用極板の製造装置。
  2. 前記流体は非可燃性気体であることを特徴とする、請求項1に記載の電池用極板の製造装置。
  3. 前記流体は非可燃性液体であることを特徴とする、請求項1に記載の電池用極板の製造装置。
  4. 前記調整バルブは、前記弁の開度の変化とともに移動する移動端部を有し、前記開度センサは、前記移動端部の位置を検知する変位センサであることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の電池用極板の製造装置。
  5. 前記開度センサは、各前記調整バルブに設けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の電池用極板の製造装置。
  6. 基材に吐出されたスラリーの塗膜層の膜厚を測定する膜厚センサをさらに有し、前記ダイから基材へのスラリーの吐出時は、前記膜厚センサによる計測結果が常時フィードバックされて前記弁の開度が常時制御されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の電池用極板の製造装置。
  7. ダイに形成された幅方向に長い第1のマニホールドに溜められているスラリーを、当該幅方向に広いスリットを経由して当該第1のマニホールドと繋がる吐出口から吐出して、基材へ塗布して行う電池用極板の製造方法であって、
    前記スリットの前記第1のマニホールドと前記吐出口との間には、スラリーを流出させ、もしくは流入させることにより前記吐出口からのスラリーの吐出量を調整する調整バルブが、前記幅方向にわたって複数設けられており、
    前記調整バルブは、流体の出し入れによる内部圧力の変化により弁の開度が調節され、
    前記弁の開度が調節されることによって前記調バルブからのスラリーの流出量もしくは流入量が調節されるとともに、前記弁の開度を測定する開度センサが着脱可能に設けられ、
    前記ダイからのスラリーの吐出を停止させ、前記調整バルブに前記開度センサを取り付けた状態において、前記調整バルブの前記内部圧力の値と前記開度センサの測定値とによって前記弁の開度の検量線を求め、
    前記開度センサが前記調整バルブから取り外された状態において、前記ダイの前記吐出口からスラリーを吐出させるとともに、前記検量線を利用することによって各前記調整バルブの前記弁の開度を制御して前記調整バルブからのスラリーの流出量もしくは流入量を調節することを特徴とする、電池用極板の製造方法。
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