JP2014179517A - 配線板、配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造時の環境負荷を大きく低減する配線板およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】樹脂素材の絶縁層と、底面と上面とを有し、底面が絶縁層の第1の主面と段を持たないようにかつ上面が絶縁層の第2の主面と段を持たないように、第1の絶縁層を貫通して設けられた、導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体と、層間接続導体の底面の全領域に接触するように絶縁層の第1の主面上に設けられた、導電性組成物素材でできた、または金属微粒子の凝集で膜形状に至っている、または付着された有機金属ペーストから有機物が除去されて金属膜に至っている配線パターンと、層間接続導体の上面の全領域に接触するように絶縁層の第2の主面上に設けられた、導電性組成物素材でできた、または金属微粒子の凝集で膜形状に至っている、または付着された有機金属ペーストから有機物が除去されて金属膜に至っている配線パターンとを具備する。
【選択図】図1
【解決手段】樹脂素材の絶縁層と、底面と上面とを有し、底面が絶縁層の第1の主面と段を持たないようにかつ上面が絶縁層の第2の主面と段を持たないように、第1の絶縁層を貫通して設けられた、導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体と、層間接続導体の底面の全領域に接触するように絶縁層の第1の主面上に設けられた、導電性組成物素材でできた、または金属微粒子の凝集で膜形状に至っている、または付着された有機金属ペーストから有機物が除去されて金属膜に至っている配線パターンと、層間接続導体の上面の全領域に接触するように絶縁層の第2の主面上に設けられた、導電性組成物素材でできた、または金属微粒子の凝集で膜形状に至っている、または付着された有機金属ペーストから有機物が除去されて金属膜に至っている配線パターンとを具備する。
【選択図】図1
Description
本発明は、導電路がパターン化されて設けられている基板である配線板およびその製造方法に係り、特に、製造で生じる環境負荷の低減に適する配線板およびその製造方法に関する。
今日、高密度実装用の配線板は各種の電子機器の高機能化、小型軽量化などを支える基盤技術として多用されている。配線板における導電路としては、板面の広がる方向(横方向)には、エッチング加工でパターン化された銅箔が主に使用され、板の厚み方向(縦方向)には、スルーホールの内壁にめっきで成長させた銅層が使用されるか、または近年は導電性組成物で構成された密構造の層間接続導体が使用されている。また、横方向の導電路として、めっきで銅などの金属パターンを形成した配線板も存在する。
導電路の形成方法を環境負荷という観点で捉えたとき、銅箔をエッチング加工する場合は、化学薬品や工業用水を大量に必要とする点が大きな負荷になる。使用済みの化学薬品や工業用水を処理するために多大な処理設備を要するためである。また、めっきで銅層や銅パターンを形成する場合は、化学薬品や工業用水を使用することによる負荷のほか、電解めっき法の利用により大量の電気を要する点も環境負荷の要因に挙げられる。
それらの点で、縦方向の導電路として導電性組成物由来の層間接続導体を使用した配線板は、製造時の環境負荷が相対的に非常に小さいと考えられる。しかしながら、このような配線板であっても、横方向の導電路の形成については依然上記のような負荷要因を抱えているのが現状である。近年、環境問題への対応から、配線板の製造工程においても化学薬品や工業用水、電気エネルギーなどをできるだけ節約できる構造や工法が求められている。
本発明は、製造時の環境負荷を大きく低減することができる配線板およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である配線板は、第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面とを有する、樹脂素材の絶縁層と、底面と上面とを有し、該底面が前記絶縁層の前記第1の主面と段を持たないようにかつ該上面が前記絶縁層の前記第2の主面と段を持たないように、前記第1の絶縁層の前記第1の主面から前記第2の主面まで貫通して設けられた、導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体と、前記層間接続導体の前記底面の全領域に接触するように前記絶縁層の前記第1の主面上に設けられた、導電性組成物素材でできた第1の配線パターンと、前記層間接続導体の前記上面の全領域に接触するように前記絶縁層の前記第2の主面上に設けられた、導電性組成物素材でできた第2の配線パターンとを具備する。
この配線板は、板基材として樹脂素材の絶縁層を有し、横方向の導電路として導電性組成物素材でできた第1、第2の配線パターンを有し、縦方向の導電路として導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体を有している。したがって、縦横両方向の導電路とも、エッチングやめっきなどのウエットプロセスで形成されたものでなく、また電解めっきのような電気を大きく消費するプロセスで形成されたものでもない。よって、製造時の環境負荷を大きく低減することができる。
ここで、導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体は、底面と上面とを有し、その底面が絶縁層の一方の(第1の)主面と段を持たず、かつその上面が絶縁層の他方(第2の)主面と段を持たないような形状で設けられている。そして、第1の主面上では、層間接続導体の底面の全領域に接触するように第1の配線パターンが設けられ、第2の主面上では、層間接続導体の上面の全領域に接触するように第2の配線パターンが設けられている。これらの関係は、第1、第2の配線パターンを絶縁層の両面上に設ける際の信頼性確保のためである。
すなわち、絶縁層が層間接続導体の貫通された部位を含めて平坦にされていれば、絶縁層の第1、第2の主面上に導電性組成物素材でできた第1、第2の配線パターンを形成する際に、主面表面に乱れがないので配線パターンを制御性よく良好な形状で描くことができる。もし配線パターンの形状が不整の場合は層間接続導体と配線パターンとの電気的接続の信頼性に影響する。そして、この配線板では、第1(第2)の配線パターンが層間接続導体の底面(上面)の全領域に接触するように形成されることにより、それらの間の電気的接続の信頼性がより高められている。
また、本発明の別の態様である配線板は、第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面とを有する、樹脂素材の絶縁層と、底面と上面を有し、該底面が前記絶縁層の前記第1の主面と段を持たないようにかつ該上面が前記絶縁層の前記第2の主面と段を持たないように、前記第1の絶縁層の前記第1の主面から前記第2の主面まで貫通して設けられた、導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体と、前記層間接続導体の前記底面の全領域に接触するように前記絶縁層の前記第1の主面上に設けられた、金属微粒子の凝集で膜形状に至っている第1の配線パターンと、前記層間接続導体の前記上面の全領域に接触するように前記絶縁層の前記第2の主面上に設けられた、金属微粒子の凝集で膜形状に至っている第2の配線パターンとを具備する。
この配線板においても次の点が言える。すなわち、この配線板は、板基材として樹脂素材の絶縁層を有し、横方向の導電路として金属微粒子の凝集で膜形状に至っている第1、第2の配線パターンを有し、縦方向の導電路として導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体を有している。したがって、縦横両方向の導電路とも、エッチングやめっきなどのウエットプロセスで形成されたものでなく、また電解めっきのような電気を大きく消費するプロセスで形成されたものでもない。よって、製造時の環境負荷を大きく低減することができる。
そして、この配線板においても、次の点が言える。すなわち、絶縁層が層間接続導体の貫通された部位を含めて平坦にされており、絶縁層の第1、第2の主面上に金属微粒子を凝集させて膜形状に第1、第2の配線パターンを形成する際に、主面表面に乱れがないのでそれらの配線パターンを制御性よく良好な形状で描くことができる。そして、この配線板では、第1(第2)の配線パターンが層間接続導体の底面(上面)の全領域に接触するように形成されることにより、それらの間の電気的接続の信頼性がより高められている。
また、本発明のさらに別の態様である配線板は、第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面とを有する、樹脂素材の絶縁層と、底面と上面を有し、該底面が前記絶縁層の前記第1の主面と段を持たないようにかつ該上面が前記絶縁層の前記第2の主面と段を持たないように、前記第1の絶縁層の前記第1の主面から前記第2の主面まで貫通して設けられた、導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体と、前記層間接続導体の前記底面の全領域に接触するように前記絶縁層の前記第1の主面上に設けられた、付着された有機金属ペーストから有機物が除去されて金属膜に至っている第1の配線パターンと、前記層間接続導体の前記上面の全領域に接触するように前記絶縁層の前記第2の主面上に設けられた、付着された有機金属ペーストから有機物が除去されて金属膜に至っている第2の配線パターンとを具備する。
この配線板においても次の点が言える。すなわち、この配線板は、板基材として樹脂素材の絶縁層を有し、横方向の導電路として、付着された有機金属ペーストから有機物が除去されて金属膜に至っている第1、第2の配線パターンを有し、縦方向の導電路として導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体を有している。したがって、縦横両方向の導電路とも、エッチングやめっきなどのウエットプロセスで形成されたものでなく、また電解めっきのような電気を大きく消費するプロセスで形成されたものでもない。よって、製造時の環境負荷を大きく低減することができる。
そして、この配線板においても、次の点が言える。すなわち、絶縁層が層間接続導体の貫通された部位を含めて平坦にされており、絶縁層の第1、第2の主面上に有機金属ペーストを付着しその有機物を除去して金属膜の第1、第2の配線パターンを形成する際に、主面表面に乱れがないので配線パターンを制御性よく良好な形状で描くことができる。そして、この配線板では、第1(第2)の配線パターンが層間接続導体の底面(上面)の全領域に接触するように形成されることにより、それらの間の電気的接続の信頼性がより高められている。
また、本発明のさらに別の態様である配線板の製造方法は、第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面とを有するプリプレグ層に貫通孔を形成する工程と、前記プリプレグ層の前記貫通孔内にペースト状の導電性組成物を充填する工程と、前記貫通孔内に前記導電性組成物が充填された前記プリプレグ層の上下面を挟むように2つの離型シートを積層配置し、積層方向に加圧かつ加熱して、前記貫通孔内の前記導電性組成物が前記プリプレグ層の前記第1の主面と段を持たないようにかつ前記プリプレグ層の前記第2の主面とも段を持たないように前記プリプレグ層および前記導電性組成物を塑性変形させつつ硬化する工程と、前記プリプレグ層が硬化した絶縁層から前記2つの離型シートを剥がす工程と、前記プリプレグ層の前記第1の主面に対応する面である、前記2つの離型シートが剥がされた前記絶縁層の一方の面に現れた前記導電性組成物の領域をすべて覆うように、該一方の面上に導電性組成物ペースト、金属ナノペースト、または有機金属ペーストを由来とする配線パターンを第1の配線パターンとして形成する工程と、前記プリプレグ層の前記第2の主面に対応する面である、前記2つの離型シートが剥がされた前記絶縁層の他方の面に現れた前記導電性組成物の領域をすべて覆うように、該他方の面上に導電性組成物ペースト、金属ナノペースト、または有機金属ペーストを由来とする配線パターンを第2の配線パターンとして形成する工程とを具備する。
この製造方法は、上記の各配線板を製造するためのひとつの方法である。
また、本発明のさらに別の態様である配線板の製造方法は、第1の離型シート上に、ペースト状の導電性組成物をバンプ形状に付着させる工程と、前記第1の離型シート上に付着された前記導電性組成物を乾燥して導電性バンプを形成する工程と、前記第1の離型シートの前記導電性バンプが形成された面上に、第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面とを有するプリプレグ層の該第1の面を向けて積層して、該プリプレグ層に前記導電性バンプを貫通させる工程と、前記第1の離型シートを伴いかつ前記導電性バンプが貫通された前記プリプレグ層の前記第2の主面に対向して第2の離型シートを積層配置し、積層方向に加圧かつ加熱して、前記導電性バンプの頭部が前記プリプレグ層の前記第2の主面と段を持たないように前記プリプレグ層および前記導電性バンプを塑性変形させつつ該プリプレグ層および該導電性バンプを硬化する工程と、前記プリプレグ層が硬化した絶縁層から前記第1、第2の離型シートを剥がす工程と、前記プリプレグ層の前記第1の主面に対応する面である、前記第1、第2の離型シートが剥がされた前記絶縁層の一方の面に現れた前記導電性バンプの領域をすべて覆うように、該一方の面上に導電性組成物ペースト、金属ナノペースト、または有機金属ペーストを由来とする配線パターンを第1の配線パターンとして形成する工程と、前記プリプレグ層の前記第2の主面に対応する面である、前記第1、第2の離型シートが剥がされた前記絶縁層の他方の面に現れた前記導電性バンプの領域をすべて覆うように、該他方の面上に導電性組成物ペースト、金属ナノペースト、または有機金属ペーストを由来とする配線パターンを第2の配線パターンとして形成する工程とを具備する。
この製造方法は、上記の各配線板を製造するための別の方法である。
本発明によれば、製造時の環境負荷を大きく低減することができる配線板およびその製造方法を提供することができる。
本発明の実施態様として、前記層間接続導体が、前記絶縁層の厚み方向に一致する軸を有する形状であり、該軸の方向に径が変化する形状である、とすることができる。このように軸の方向に径が変化する形状の層間接続導体は、例えば、ペースト状に調製された導電性組成物を被印刷物面上にスクリーン印刷して得たバンプを由来として得ることができる。スクリーン印刷による形成ができるので生産効率が非常によい。
また、実施態様として、前記層間接続導体が、前記絶縁層の厚み方向に一致する軸を有する形状であり、該軸の方向に径が変化しない形状である、とすることもできる。このように軸の方向に径が変化しない形状の層間接続導体は、例えば、あらかじめ形成されたプリプレグ層の貫通孔内に、ペースト状に調製された導電性組成物をスクリーン印刷で充填して得られた密構造体を由来として得ることができる。この場合も、プリプレグ層に貫通孔を設ける工程が増加するものの、その後はスクリーン印刷によって形成できるので生産効率がよい。
また、実施態様として、前記第1の配線パターンおよび前記第2の配線パターンが、AgまたはCuを含有している、とすることができる。これは、第1、第2の配線パターンが、導電性組成物素材でできている場合に採用し易い態様である。銀(Ag)の微粒子を含有する導電性組成物は、層間接続導体ではすでに多用されており実績がある。銅(Cu)の微粒子を含有する導電性組成物は、より安価であるためコストダウンに向いている。銀や銅を含有するほかにも、組成物に導電性を与えるために種々の導電微粒子を混ぜることができる。
また、実施態様として、前記第1の配線パターンおよび前記第2の配線パターンが、Ag、Cu、またはAuを含有している、とすることができる。これは、第1、第2の配線パターンが、金属微粒子の凝集で膜形状に至っている場合に採用し易い態様である。特に、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)の場合は、金属ナノペーストを由来として配線パターンが形成された場合の態様として容易に得られる。
また、実施態様として、前記第1の配線パターンおよび前記第2の配線パターンが、Au、Ag、またはPtを含有している、とすることができる。これは、第1、第2の配線パターンが、付着された有機金属ペーストから有機物が除去されて金属膜に至っている場合に採用し易い態様である。金(Au)、銀(Ag)、プラチナ(Pt)の場合は、このように有機金属ペーストを由来として配線パターンが形成された場合の態様として容易に得られる。
また、製造方法としての実施態様として、前記第1の配線パターンを形成する工程および前記第2の配線パターンを形成する工程が、該第1、第2の配線パターンになる素材を前記絶縁層上にスクリーン印刷する工程を含んでいる、とすることができる。このようにスクリーン印刷により配線パターンを形成すれば、生産性の向上につながる。
また、実施態様として、前記第1の配線パターンを形成する工程および前記第2の配線パターンを形成する工程が、該第1、第2の配線パターンになる素材を前記絶縁層上にディスペンスする工程を含んでいる、とすることができる。このようにディスペンスすることにより配線パターンを形成すれば、スクリーン版も不要であり少量多品種生産にも向いている。
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態である配線板の構造を模式的に示す断面図である。図1に示すように、この配線板は、絶縁層11、層間接続導体12、配線パターン13、14、はんだレジスト15、16を有する。この図示された配線板は、両主面上に配線パターン13、14を有するいわゆる両面配線板であり、配線パターン13、14間の電気的導通のために層間接続導体12を有している、配線板として非常に基本的な構造である。後述するが、内層配線層を含む多層配線板として構成することも容易に対応可能である(図3、図4)。
絶縁層11は、第1の主面(図示で下面)とこれに対向する第2の主面(図示で上面)とを有する、典型的には、例えばガラスエポキシ樹脂のような硬質(リジッド)な素材の層である。このような素材に代えて、配線板としての用途によってはポリイミド樹脂のような軟質(フレキシブル)な素材を利用することもできる。絶縁層11の厚さは、配線板としての用途に応じ、例えば数十μmから数百μmとすることができる。
層間接続導体12は、底面と上面とを有し、底面が絶縁層11の第1の主面と段を持たないようにかつ上面が絶縁層11の第2の主面と段を持たないように、絶縁層11の第1の主面から第2の主面まで貫通して設けられた、導電性組成物素材でできた密構造の導体である。この層間接続導体12は、その製造過程に依拠して、絶縁層11の厚み方向に一致する軸を有する形状(例えば横断面が円状)であり、この軸の方向に径が変化しない形状に形成されている。円状の横断面をもつ形状の場合、その直径は、例えば100μm前後(100μmの1/3から3倍程度)とすることができる。
このように軸の方向に径が変化しない形状の層間接続導体12は、後述するが、例えばあらかじめ形成されたプリプレグ層の貫通孔内に、ペースト状に調製された導電性組成物をスクリーン印刷で充填して得られた密構造体を由来として得ることができる。
層間接続導体12の素材となる、このような導電性組成物は、例えば熱硬化性のペースト状樹脂の中に微細な金属粒(銀、金、銅、はんだなど)や炭素粒を分散させ、加えて揮発性の溶剤を混合しておくことによりペースト状に調製することができる。これ自体は周知である。特に金属粒子として銀の微粒子を含有する導電性組成物は、層間接続導体として多用され実績がある。銅の微粒子を含有する導電性組成物は、より安価であるためコストダウンに向いている。
配線パターン13は、例えば導電性組成物素材でできており、層間接続導体12の底面の全領域に接触するように絶縁層11の第1の主面上に設けられている。配線パターン14も、例えば導電性組成物素材でできており、層間接続導体12の上面の全領域に接触するように絶縁層11の第2の主面上に設けられている。その厚さは、例えば数μmから十数μmとすることができる。
配線パターン13、14の素材としては、例えば、層間接続導体12の素材と同じものを使用することができる。すなわち、配線パターン13、14は、あらかじめ層間接続導体12が備えられた絶縁層11の両主面上に、ペースト状に調製された導電性組成物を例えばスクリーン印刷でパターン形成したものを由来として得ることができる。このようなパターン形成は、スクリーン印刷に代えてディスペンサを使用して行うことも可能である。
はんだレジスト15、16は、それぞれ、配線パターン13、14のうちの部品(不図示)が電気的に接続、実装される領域(ランド)を除き絶縁層11の両主面全面に形成された保護膜である。その機能は、はんだ接続時に溶融したはんだをランド部分に留めその後は配線パターン13、14を物理的、化学的に保護することである。その厚さはそれぞれ例えば20μm程度にすることができる。配線パターン13、14が銅を含むなど腐食性を有する場合には、特にランド部分の表層に、必要に応じて耐腐食性の高いNi/Auのめっき層(不図示)を形成するようにしてもよい。
以上説明したように、この配線板は、板基材として樹脂素材の絶縁層11を有し、横方向の導電路として導電性組成物素材でできた配線パターン13、14を有し、縦方向の導電路として導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体12を有している。したがって、縦横両方向の導電路とも、エッチングやめっきなどのウエットプロセスで形成されたものでなく、また電解めっきのような電気を大きく消費するプロセスで形成されたものでもない。よって、製造時の環境負荷を大きく低減することができる。
ここで、導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体12は、底面と上面とを有し、その底面が絶縁層11の第1の主面と段を持たず、かつその上面が絶縁層11の第2の主面と段を持たないような形状で設けられている。そして、第1の主面上では、層間接続導体12の底面の全領域に接触するように配線パターン13が設けられ、第2の主面上では、層間接続導体12の上面の全領域に接触するように配線パターン14が設けられている。よって、これらの関係により、配線パターン13、14を絶縁層11の両面上に設ける際の信頼性が高められている。
すなわち、絶縁層11が層間接続導体12の貫通された部位を含めて平坦にされているので、絶縁層11の第1、第2の主面上に導電性組成物素材でできた配線パターン13、14を形成する際に、主面表面に乱れがなく配線パターン13、14を制御性よく良好な形状で描くことができる。そして、この配線板では、配線パターン13、14が層間接続導体12の底面および上面の全領域に接触するように形成されることにより、それら間の接触面積が大きくされ、電気的接続の信頼性がより高められている。
層間接続導体12の底面および上面が絶縁層11の主面と段を持たない点については、例えば、配線パターン13、14をスクリーン印刷やディスペンサで微細に描く際に、その層間接続導体12との電気的接続の信頼性が十分に確保され得る程度に平坦にするような観点で製造過程を管理すればよい。この平坦さは、配線パターン13、14の膜厚が例えば数μmから十数μmに形成されることを考慮すると、この膜厚から無視できる程度の平坦さである(少なくとも配線パターン13、14の膜厚よりは凹凸の寸法が小さい)と設定することができる。
以上実施形態を説明したが、図1に示した配線板には、配線パターン13、14の素材を変更した以下の変形例が考えられる。そのひとつは、導電性組成物素材に代えて、金属ナノペーストを用いその含有する金属微粒子を凝集させて膜形状に至らせ配線パターン13、14を形成した形態である。このような金属ナノペーストによる配線パターン13、14も、あらかじめ層間接続導体12が備えられた絶縁層11の両主面上に、金属ナノペーストを例えばスクリーン印刷でパターン形成して得ることができる。このパターン形成の場合も、スクリーン印刷に代えてディスペンサを使用することが可能である。
金属ナノペーストとは、被覆剤などを含む溶剤中に粒径数nmの金属微粒子を分散させペースト状に調製したものである。ペースト状であるため、各種印刷におけるインクとして取り扱うことが可能であり、ディスペンサにおけるディスペンス対象物としても向いている。このような粒子サイズになると、量子サイズ効果がはたらき比較的低温度で焼成することができる。焼成で溶剤は除去され、その結果、金属微粒子が凝集して膜形状の配線パターン13、14を得ることができる。金属ナノペースト中の金属微粒子としては、銀、銅、金の微粒子を例示できる。
このような金属ナノペーストによる変形例でも、製造時の環境負荷を大きく低減することができる点は上記説明の配線板と何ら変わらない。また、層間接続導体12と配線パターン13、14との電気的接続の信頼性の点も上記説明の配線板と変わらない。
また、金属ナノペーストを使用するものとは別の変形例として、導電性組成物素材に代えて有機金属ペーストを用い、絶縁層11上に付着されたその有機金属ペーストから有機物を除去して金属膜に至らせ配線パターン13、14を形成した形態を挙げることができる。このような有機金属ペーストによる配線パターン13、14も、あらかじめ層間接続導体12が備えられた絶縁層11の両主面上に、有機金属ペーストを例えばスクリーン印刷でパターン形成して得ることができる。このパターン形成の場合も、スクリーン印刷に代えてディスペンサを使用することが可能である。
有機金属ペーストとは、金属原子と有機分子とを結合させた化合物を含んだペースト状の物体である。金属そののもの粒子は含まれていない。ペースト状であるため、やはり、各種印刷におけるインクとして取り扱うことが可能であり、ディスペンサにおけるディスペンス対象物としても向いている。絶縁層11上に膜状に付着させた有機金属ペーストを焼成することで、化合物から有機物を除去して金属膜に至らせることができる。有機金属ペーストに含まれる金属原子としては、金、銀、プラチナなどを例示することができる。
このような有機金属ペーストによる変形例でも、製造時の環境負荷を大きく低減することができる点は上記説明の配線板と何ら変わらない。また、層間接続導体12と配線パターン13、14との電気的接続の信頼性の点も上記説明の配線板と変わらない。
次に、図1に示した配線板の製造工程について図2を参照して説明する。図2は、図1に示した配線板の製造過程を断面で模式的に示す工程図である。図2中において、図1中に示した構成要素と同一または同一相当のものには同一符号を付してある。
まず、図2(a)に示すように、絶縁層とすべきその前駆体であるプリプレグ層11Aの所定位置(層間接続導体を形成するべき位置)にビアホール(貫通孔)11oを例えばドリリングで形成する。ドリリングに代えてレーザ加工を利用することもできる。レーザ加工を利用した場合、ビアホール11oの縦断面形状は、レーザを照射した手前の側より奥側の径が多少小径になる可能性がある。レーザ光のスポットのエネルギー密度が、通常、周縁より中心でより高いためである。このように、ビアホール11oは、プリプレグ層11Aの厚み方向に径の変化しないもの、するものいずれであってもよい。
次に、図2(b)に示すように、プリプレグ層11Aに形成されたビアホール11o内にペースト状の導電性組成物12Aを、例えばスクリーン印刷を用いて充填する。スクリーン印刷を行うためには、あらかじめ、ビアホール11oの位置に相当した位置にピットを有するスクリーン版を用意しておき、これを利用する。ペースト状の導電性組成物12Aについては、層間接続導体12を形成するための「ペースト状に調製された導電性組成物」としてすでに説明を行った。導電性組成物12Aの充填にスクリーン印刷を用いれば、その効率は非常に高い。
次に、図2(c)に示すように、ビアホール11o内に導電性組成物12Aが充填されたプリプレグ層11Aの上下面を挟むように2つの離型シートS1、S2を積層配置する。そして、その状態で積層方向に加圧かつ加熱して、ビアホール11o内の導電性組成物12Aがプリプレグ層11Aの両主面と段を持たないように、プリプレグ層11Aおよび導電性組成物12Aを塑性変形させつつ硬化する。硬化後、プリプレグ層11Aが硬化して変化した絶縁層11から2つの離型シートS1、S2を剥がす。
これにより、図2(d)に示すように、絶縁層11と層間接続導体12とを有する、貫通導体埋入絶縁板1を得ることができる。この貫通導体埋入絶縁板1は、所定位置に貫通して導体が埋入されている点で特異な構成であるが、その表面(両主面)の平坦性は、単なる絶縁板の場合とほとんど変わらない状態になっている。
次に、図2(e)に示すように、少なくとも、絶縁層11の一方の面に現れた層間接続導体12の領域をすべて覆うように、この一方の面上に導電性組成物ペースト(または金属ナノペーストか有機金属ペースト)のパターン(処理前パターン13A)を、例えばスクリーン印刷で形成する。同様に、少なくとも、絶縁層11の他方の面に現れた層間接続導体12の領域をすべて覆うように、この他方の面上に導電性組成物ペースト(または金属ナノペーストか有機金属ペースト)のパターン(処理前パターン14A)を、例えばスクリーン印刷を用いて形成する。
すでに述べた点であるが、これらのスクリーン印刷によるパターン形成は、ディスペンサによるパターン形成に代えることもできる。以上のようにして処理前パターン13A、14Aを形成後、それらの素材に対応した熱処理を行うことにより、処理前パターン13A、14Aを配線パターン13、14として完成させることができる。その後は図示しないが、さらにはんだレジスト15、16の形成や必要に応じて配線パターン13、14の部品実装用のランド領域部分にNi/Auのめっき層を形成することにより、図1に示した構成の配線板を得ることができる。
なお、補足すると、図2(d)に示した構成の貫通導体埋入絶縁板1は、個別の配線板用ではない汎用品として製造しても有用である。すなわち、汎用品とするため、例えば、層間接続導体12をグリッド状(格子点状)の配置で設ける。このような構成であれば、ユーザは、貫通導体埋入絶縁板1を用いて、その設けられた層間接続導体12のうちの必要なものだけを利用するように、処理前パターン13A、14Aの形成以降の工程を行うことができる。層間接続導体12のうちで配線パターン13、14に電気的に接続されず利用されないものは、電気的にはそのまま残される。
このような汎用品としての貫通導体埋入絶縁板1を用いる場合には、配線パターン13、14の形成にディスペンサを用いると、スクリーン版を一切用いることなく配線板を完成させることも可能であり、少量多品種や一品物の配線板を製造する方法として好適であると考えられる。
次に、図3は、別の実施形態である配線板(多層配線板)の構造を模式的に示す断面図である。図3において、図1中に示した構成要素と同一または同一相当のものには同一符号を付してある。その部分については、付け加えるべき事項がない限り説明を省略する。
この配線板は、図1に示した配線板の構造を基本として、配線層数を増加して多層配線板とした構造のものである。内層配線層として配線パターン14、33を有し、最外の(主面上の)配線パターンとして配線パターン13、34を有する。配線パターン13と同14との間に絶縁層11が位置し、配線パターン14と同33との間に絶縁層21が位置し、配線パターン33と同34との間に絶縁層31が位置している。内層の配線パターン22、33は、それぞれ、絶縁層21の厚み方向に落ち込んで位置している。最外の配線パターン34(13)が設けられた主面上には、はんだレジスト35(15)が形成されている。
そして、配線パターン13と同14との電気的導通に層間接続導体12を利用できるのと同様に、配線パターン14と同33との電気的導通には層間接続導体22を利用することができ、配線パターン33と同34との電気的導通には層間接続導体32を利用することができる。層間接続導体22は、絶縁層21を貫通して設けられており、層間接続導体32は、絶縁層31を貫通して設けられている。この多層配線板は、以上のような構成を有する。
図4は、図3に示した配線板の主要な製造過程を断面で模式的に示す工程図である。具体的に、多層化するための最終的な積層工程を示している。図4において、図3中に示した構成要素と同一または同一相当のものには同一符号を付してある。
図4において、図示もっとも下に示された積層部材は、図2(e)に示した途中構成のものの工程を進行させ、処理前パターン13A、14Aを配線パターン13、14として完成させた構成のものである。図4において、図示もっとも上に示された積層部材は、符号を読み替えれば、図示もっとも下に示されたこの積層部材と同じ構成のものである。そして、図示中間に示された積層部材は、絶縁層21とすべきその前駆体であるプリプレグ層21Aに形成されたビアホールにペースト状の導電性組成物22Aが充填されたものである(図2(b)に示した段階と同じ段階)。
図4に示すように3つの積層部材を配置し、積層方向に加圧かつ加熱して、ビアホール内の導電性組成物22Aが配線パターン14および配線パターン33と接触して電気的導通を確立し、プリプレグ層21Aおよび導電性組成物22Aが塑性変形して間を埋めるように、全体を一体化する。その後は図示しないが、さらにはんだレジスト15、35の形成や必要に応じて配線パターン13、34の部品実装用のランド領域部分にNi/Auのめっき層を形成することにより、図3に示した構成の配線板を得ることができる。以上説明のように、図1で説明の構成上の利点、効果を維持して、多層配線板も容易に製造することができる。
次に、さらに別の実施形態について図5を参照して説明する。図5は、さらに別の実施形態である配線板の構造を模式的に示す断面図である。同図においてすでに説明した図中に示したものと同一または同一相当のものには同一符号を付してある。その部分については加える事項がない限り説明を省略する。
この配線板は、図1に示したものと比較して、層間接続導体12に代えて形状がやや異なる層間接続導体102を有する点が相違点である。構造的にほかは同じである。層間接続体102は、絶縁層11の厚み方向に一致する軸を有する形状であり、軸の方向に径が変化する形状になっている。このような層間接続導体102は、例えば、ペースト状に調製された導電性組成物を被印刷物面上にスクリーン印刷して得たバンプを由来として得ることができる。絶縁層11の前駆体であるプリプレグ層に層間接続導体用の穴あけが不要で、かつスクリーン印刷によって形成できるので生産効率が非常によい。
層間接続導体102は、図示するように例えば円錐台状の形状であり、その直径は太い側で例えば100μm前後とすることができる。層間接続導体102の素材については、図1を参照した層間接続導体12での説明と同じである。
この配線板も、横方向の導電路として導電性組成物素材でできた配線パターン13、14を有し、縦方向の導電路として導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体102を有していることから、以下が言える。すなわち、縦横両方向の導電路とも、エッチングやめっきなどのウエットプロセスで形成されたものでなく、また電解めっきのような電気を大きく消費するプロセスで形成されたものでもない。よって、製造時の環境負荷を大きく低減することができる。
導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体102も、層間接続導体12(図1参照)と同様、底面と上面とを有し、その底面が絶縁層11の第1の主面と段を持たず、かつその上面が絶縁層11の第2の主面と段を持たないような形状で設けられている。そして、第1の主面上では、層間接続導体102の底面の全領域に接触するように配線パターン13が設けられ、第2の主面上では、層間接続導体102の上面の全領域に接触するように配線パターン14が設けられている。したがって、これらの関係により、配線パターン13、14を絶縁層11の両面上に設ける際の信頼性が高められている。
なお、配線パターン13、14については、これを、導電性組成物素材によるものとする代わりに、図1に示した実施形態の変形例として説明した形態と同様に、金属ナノペーストを由来とするもの、有機金属ペーストを由来とするものに変更することができる。
次に、図5に示した配線板の製造工程について図6を参照して説明する。図6は、図5に示した配線板の製造過程を断面で模式的に示す工程図である。図6中において、図5中に示した構成要素と同一または同一相当のものには同一符号を付してある。
まず、図6(a)に示すように、離型シートS1を用意し、その面上に層間接続導体102とすべき円錐形状の導電性バンプ102Aを、ペースト状の導電性組成物をスクリーン印刷で付着させ形成する。付着後、塑性変形可能な程度に乾燥させる。導電性バンプ102Aの形成位置は、配線板として層間接続導体102が必要な位置に相当する位置である。
導電性バンプ102Aの素材については、層間接続導体12(図1)の場合での説明と同じである。導電性バンプ102Aの形成はスクリーン印刷によるので、その効率は非常に高い。導電性バンプ102Aの形成高さは、その後に貫通させるプリプレグ層11A(図6(b))を十分に貫通できる高さにする。そのため、バンプ形状を積み増すように乾燥工程を挟みながらスクリーン印刷を複数回行ってもよい。
次に、図6(b)に示すように、離型シートS1の導電性バンプ102Aが形成された面上にプリプレグ層11Aを積層して、プリプレグ層11Aに導電性バンプ102Aを貫通させる。プリプレグ層11Aにあらかじめ穴あけは不要である。続いて、図6(c)に示すように、プリプレグ層11Aに対向して離型シートS2を積層配置し、積層方向に加圧かつ加熱して、導電性バンプ102Aの頭部がプリプレグ層11Aの離型シートS2側の主面と段を持たないように、プリプレグ層11Aおよび導電性バンプ102Aを塑性変形させつつプリプレグ層11Aおよび導電性バンプ102Aを硬化する。
硬化後、プリプレグ層11Aが硬化して変化した絶縁層11から2つの離型シートS1、S2を剥がす。これにより、図6(d)に示すように、絶縁層11と層間接続導体102とを有する、貫通導体埋入絶縁板1Aを得ることができる。この貫通導体埋入絶縁板1Aも、図2中に示した貫通導体埋入絶縁板1と同様に、所定位置に貫通して導体が埋入されている点で特異な構成であるが、その表面(両主面)の平坦性は、単なる絶縁板の場合とほとんど変わらない状態になっている。貫通導体埋入絶縁板1Aも貫通導体埋入絶縁板1と同様に、汎用品として有用な構成にすることができる。
次に、図6(e)に示すように、少なくとも、絶縁層11の一方の面に現れた層間接続導体102の領域をすべて覆うように、この一方の面上に導電性組成物ペースト(または金属ナノペーストか有機金属ペースト)のパターン(処理前パターン13A)を、例えばスクリーン印刷で形成する。同様に、少なくとも、絶縁層11の他方の面に現れた層間接続導体102の領域をすべて覆うように、この他方の面上に導電性組成物ペースト(または金属ナノペーストか有機金属ペースト)のパターン(処理前パターン14A)を、例えばスクリーン印刷を用いて形成する。
これらのスクリーン印刷は、ディスペンサによって代えることができる点は、図2(e)での説明と同様である。以上のようにして処理前パターン13A、14Aを形成後、それらの素材に対応した熱処理を行うことにより、処理前パターン13A、14Aを配線パターン13、14として完成させることができる。その後は図示しないが、さらにはんだレジスト15、16の形成や必要に応じて配線パターン13、14の部品実装用のランド領域部分にNi/Auのめっき層を形成することにより、図5に示した構成の配線板を得ることができる。
次に、図7は、さらに別の実施形態である配線板(多層配線板)の構造を模式的に示す断面図である。図7において、図5中に示した構成要素と同一または同一相当のものには同一符号を付してある。その部分については、付け加えるべき事項がない限り説明を省略する。
この配線板は、図5に示した配線板の構造を基本として、配線層数を増加して多層配線板とした構造のものである。内層配線層として配線パターン14、33を有し、最外の(主面上の)配線パターンとして配線パターン13、34を有する。配線パターン13と同14との間に絶縁層11が位置し、配線パターン14と同33との間に絶縁層21が位置し、配線パターン33と同34との間に絶縁層31が位置している。内層の配線パターン22、33は、それぞれ、絶縁層21の厚み方向に落ち込んで位置している。最外の配線パターン34(13)が設けられた主面上には、はんだレジスト35(15)が形成されている。
そして、配線パターン13と同14との電気的導通に層間接続導体102を利用できるのと同様に、配線パターン14と同33との電気的導通には層間接続導体202を利用することができ、配線パターン33と同34との電気的導通には層間接続導体302を利用することができる。層間接続導体202は、絶縁層21を貫通して設けられており、層間接続導体302は、絶縁層31を貫通して設けられている。この多層配線板は、以上のような構成を有する。
図8は、図7に示した配線板の主要な製造過程を断面で模式的に示す工程図である。具体的に、多層化するための最終的な積層工程を示している。図8において、図7中に示した構成要素と同一または同一相当のものには同一符号を付してある。
図8において、図示の下側に示された積層部材は、図6(e)に示した途中構成のものの工程を進行させ、処理前パターン13A、14Aを配線パターン13、14として完成させた構成のものである。図4において、図示の上側に示された積層部材は、図示の下側の積層部材と同一構成のものを利用して、その配線パターン33のある側の絶縁層31の面上に、導電性バンプ202およびプリプレグ層21Aを設けたものである。絶縁層31の配線パターン33のある側の面上に導電性バンプ202およびプリプレグ層21Aを設ける工程は、図6(a)、(b)に示された工程を参照すれば理解容易である。
すなわち、図6(a)、(b)においては、離型シートS1上に導電性バンプ102Aを形成し、続いてプリプレグ層11Aを積層したが、この離型シートS1の代わりに図8中の下側に図示されたものと同一構成のもの(絶縁層31、層間接続導体302、配線パターン33、34を有する部材)を利用すれば、図8中の上側に示した積層部材が得られる。
図8に示すように2つの積層部材を配置し、積層方向に加圧かつ加熱して、導電性バンプ202Aが配線パターン14と接触して電気的導通を確立し、プリプレグ層201Aおよび導電性バンプ202Aが塑性変形して間を埋めるように、全体を一体化する。その後は図示しないが、さらにはんだレジスト15、35の形成や必要に応じて配線パターン13、34の部品実装用のランド領域部分にNi/Auのめっき層を形成することにより、図7に示した構成の配線板を得ることができる。
1,1A…貫通導体埋入絶縁板、11…絶縁層、11A…プリプレグ層、11o…ビアホール(貫通孔)、12…層間接続導体(貫通孔に充填の導電性組成物を由来とする)、12A…導電性組成物(硬化前)、13…配線パターン、13A…処理前パターン、14…配線パターン、14A…処理前パターン、15,16…はんだレジスト、21…絶縁層、21A…プリプレグ層、22…層間接続導体、22A…導電性組成物(硬化前)、31…絶縁層、32…層間接続導体、33…配線パターン、34…配線パターン、35…はんだレジスト、102,202,302…層間接続導体(スクリーン印刷された、ペースト状導電性組成物のバンプを由来とする)、102A,202A…導電性バンプ、S1,S2…離型シート。
Claims (12)
- 第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面とを有する、樹脂素材の絶縁層と、
底面と上面とを有し、該底面が前記絶縁層の前記第1の主面と段を持たないようにかつ該上面が前記絶縁層の前記第2の主面と段を持たないように、前記第1の絶縁層の前記第1の主面から前記第2の主面まで貫通して設けられた、導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体と、
前記層間接続導体の前記底面の全領域に接触するように前記絶縁層の前記第1の主面上に設けられた、導電性組成物素材でできた第1の配線パターンと、
前記層間接続導体の前記上面の全領域に接触するように前記絶縁層の前記第2の主面上に設けられた、導電性組成物素材でできた第2の配線パターンと
を具備する配線板。 - 第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面とを有する、樹脂素材の絶縁層と、
底面と上面を有し、該底面が前記絶縁層の前記第1の主面と段を持たないようにかつ該上面が前記絶縁層の前記第2の主面と段を持たないように、前記第1の絶縁層の前記第1の主面から前記第2の主面まで貫通して設けられた、導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体と、
前記層間接続導体の前記底面の全領域に接触するように前記絶縁層の前記第1の主面上に設けられた、金属微粒子の凝集で膜形状に至っている第1の配線パターンと、
前記層間接続導体の前記上面の全領域に接触するように前記絶縁層の前記第2の主面上に設けられた、金属微粒子の凝集で膜形状に至っている第2の配線パターンと
を具備する配線板。 - 第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面とを有する、樹脂素材の絶縁層と、
底面と上面を有し、該底面が前記絶縁層の前記第1の主面と段を持たないようにかつ該上面が前記絶縁層の前記第2の主面と段を持たないように、前記第1の絶縁層の前記第1の主面から前記第2の主面まで貫通して設けられた、導電性組成物素材でできた密構造の層間接続導体と、
前記層間接続導体の前記底面の全領域に接触するように前記絶縁層の前記第1の主面上に設けられた、付着された有機金属ペーストから有機物が除去されて金属膜に至っている第1の配線パターンと、
前記層間接続導体の前記上面の全領域に接触するように前記絶縁層の前記第2の主面上に設けられた、付着された有機金属ペーストから有機物が除去されて金属膜に至っている第2の配線パターンと
を具備する配線板。 - 前記層間接続導体が、前記絶縁層の厚み方向に一致する軸を有する形状であり、該軸の方向に径が変化する形状である請求項1ないし3のいずれか1項記載の配線板。
- 前記層間接続導体が、前記絶縁層の厚み方向に一致する軸を有する形状であり、該軸の方向に径が変化しない形状である請求項1ないし3のいずれか1項記載の配線板。
- 前記第1の配線パターンおよび前記第2の配線パターンが、AgまたはCuを含有している請求項1記載の配線板。
- 前記第1の配線パターンおよび前記第2の配線パターンが、Ag、Cu、またはAuを含有している請求項2記載の配線板。
- 前記第1の配線パターンおよび前記第2の配線パターンが、Au、Ag、またはPtを含有している請求項3記載の配線板。
- 第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面とを有するプリプレグ層に貫通孔を形成する工程と、
前記プリプレグ層の前記貫通孔内にペースト状の導電性組成物を充填する工程と、
前記貫通孔内に前記導電性組成物が充填された前記プリプレグ層の上下面を挟むように2つの離型シートを積層配置し、積層方向に加圧かつ加熱して、前記貫通孔内の前記導電性組成物が前記プリプレグ層の前記第1の主面と段を持たないようにかつ前記プリプレグ層の前記第2の主面とも段を持たないように前記プリプレグ層および前記導電性組成物を塑性変形させつつ硬化する工程と、
前記プリプレグ層が硬化した絶縁層から前記2つの離型シートを剥がす工程と、
前記プリプレグ層の前記第1の主面に対応する面である、前記2つの離型シートが剥がされた前記絶縁層の一方の面に現れた前記導電性組成物の領域をすべて覆うように、該一方の面上に導電性組成物ペースト、金属ナノペースト、または有機金属ペーストを由来とする配線パターンを第1の配線パターンとして形成する工程と、
前記プリプレグ層の前記第2の主面に対応する面である、前記2つの離型シートが剥がされた前記絶縁層の他方の面に現れた前記導電性組成物の領域をすべて覆うように、該他方の面上に導電性組成物ペースト、金属ナノペースト、または有機金属ペーストを由来とする配線パターンを第2の配線パターンとして形成する工程と
を具備する配線板の製造方法。 - 第1の離型シート上に、ペースト状の導電性組成物をバンプ形状に付着させる工程と、
前記第1の離型シート上に付着された前記導電性組成物を乾燥して導電性バンプを形成する工程と、
前記第1の離型シートの前記導電性バンプが形成された面上に、第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面とを有するプリプレグ層の該第1の面を向けて積層して、該プリプレグ層に前記導電性バンプを貫通させる工程と、
前記第1の離型シートを伴いかつ前記導電性バンプが貫通された前記プリプレグ層の前記第2の主面に対向して第2の離型シートを積層配置し、積層方向に加圧かつ加熱して、前記導電性バンプの頭部が前記プリプレグ層の前記第2の主面と段を持たないように前記プリプレグ層および前記導電性バンプを塑性変形させつつ該プリプレグ層および該導電性バンプを硬化する工程と、
前記プリプレグ層が硬化した絶縁層から前記第1、第2の離型シートを剥がす工程と、
前記プリプレグ層の前記第1の主面に対応する面である、前記第1、第2の離型シートが剥がされた前記絶縁層の一方の面に現れた前記導電性バンプの領域をすべて覆うように、該一方の面上に導電性組成物ペースト、金属ナノペースト、または有機金属ペーストを由来とする配線パターンを第1の配線パターンとして形成する工程と、
前記プリプレグ層の前記第2の主面に対応する面である、前記第1、第2の離型シートが剥がされた前記絶縁層の他方の面に現れた前記導電性バンプの領域をすべて覆うように、該他方の面上に導電性組成物ペースト、金属ナノペースト、または有機金属ペーストを由来とする配線パターンを第2の配線パターンとして形成する工程と
を具備する配線板の製造方法。 - 前記第1の配線パターンを形成する工程および前記第2の配線パターンを形成する工程が、該第1、第2の配線パターンになる素材を前記絶縁層上にスクリーン印刷する工程を含んでいる請求項9または10記載の配線板の製造方法。
- 前記第1の配線パターンを形成する工程および前記第2の配線パターンを形成する工程が、該第1、第2の配線パターンになる素材を前記絶縁層上にディスペンスする工程を含んでいる請求項9または10記載の配線板の製造方法。
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