JP2014178210A - 速度検出装置、移動部材搬送ユニット、画像形成装置、および速度検出方法 - Google Patents

速度検出装置、移動部材搬送ユニット、画像形成装置、および速度検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】移動部材に特別な加工をすることなく、速度検出の際に検出される信号のS/N比を向上させること。
【解決手段】本発明の速度検出装置は、センサアレイ52の偶数番目のフォトダイオード素子52pと奇数番目のフォトダイオード素子52nのそれぞれについての信号の和をとり、偶数番目の和信号と奇数番目の和信号との差動信号の周期から移動部材の移動速度を演算する信号処理回路54とを備え、フォトダイオード素子52p,52nの幅Lと、フォトダイオード素子52p,52n間の空隙の幅Mと、移動部材の表面による可干渉光の散乱により生じたスペックルの平均径Sとが、条件式:L≦S≦L+2Mを満たすことを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、移動部材の速度を測定する速度検出装置、およびこれを用いる移動部材搬送ユニット、画像形成装置、ならびに速度検出方法に関する。
近年のカラー画像形成装置では、高速化への要求に応えるため、4色(ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー)のトナーに対応した感光体(像担持体)を4つ並列に並べた、いわゆるタンデム方式が主流となってきている。タンデム方式のカラー画像形成装置では、最終的に各色のトナー画像を紙等の記録媒体(定形の用紙、葉書、厚紙、OHPシート等)上で重ね合わせる必要があり、その方式として、記録媒体上で直接重ね合わせる直接転写方式と、中間転写ベルトを用いて、中間転写ベルト上で各色トナー画像を重ね合わせ、記録媒体に一括して転写する中間転写ベルト方式の2方式がある。
直接転写方式および中間転写ベルト方式のいずれの場合でも、各色のトナー画像を紙等の記録媒体上に重ね合わせる際に、色ずれと呼ばれる問題が発生することがある。直接転写方式では、紙等の記録媒体を高精度で駆動しなければ色ずれが発生し、中間転写ベルト方式では、中間転写ベルトを高精度で駆動しなければ色ずれが発生してしまう。そこで、カラー画像形成装置では、紙等の記録媒体または中間転写ベルトの移動速度を高精度に検出する方法が重要となっている。
例えば、中間転写ベルトに直接マークを形成し、そのマークを読み取ることでベルトの移動速度を測定し、それを中間転写ベルトの駆動モータにフィードバックする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、紙等の記録媒体または中間転写ベルトにレーザー光を照射することにより観察されるスペックル像を用いて、紙等の記録媒体または中間転写ベルトの移動速度を測定する方法が知られている(例えば、特許文献2または特許文献3参照)。
しかしながら、従来技術による紙等の記録媒体または中間転写ベルトの移動速度の測定では、解決すべき様々な問題があった。例えば、中間転写ベルトに直接マークを形成する方法は、非常に手間がかかるため量産性が悪い。また、紙等の記録媒体に直接マークを形成することはできないので、紙等の記録媒体の移動速度の測定には適用することができないという問題があった。
また、スペックル像を用いた測定方法においても、観察されるスペックルの大きさとCCD等のフォトダイオード素子との関係を適切に設計しないと、適切なS/N比の信号を得ることができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、移動部材に特別な加工をすることなく、速度検出の際に検出される信号のS/N比を向上させることができる速度検出装置、移動部材搬送ユニット、画像形成装置、および速度検出方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の速度検出装置は、移動部材の表面に可干渉光を照射する照明光学系を有する照明手段と、光を電気信号へ変換する感光素子が空隙を挟んで複数並んだ感光素子アレイを有する光検出手段と、前記移動部材の表面と前記光検出手段とを結像関係にする結像光学系を有する受光手段と、前記感光素子アレイの偶数番目と奇数番目の感光素子それぞれについての信号の和をとり、前記偶数番目の和信号と前記奇数番目の和信号との差動信号の周期から移動部材の移動速度を演算する演算手段とを備え、前記感光素子の幅Lと、前記感光素子間の空隙の幅Mと、前記移動部材の表面による可干渉光の散乱により生じたスペックルの平均径Sとが、条件式:L≦S≦L+2Mを満たすことを特徴とする。ただし、前記スペックルの平均径Sは、前記感光素子アレイ上に結像したスペックル像の自己相関ピークの半値全幅とする。
本発明の速度検出装置、移動部材搬送ユニット、画像形成装置、および速度検出方法によれば、移動部材に特別な加工をすることなく、速度検出の際に検出される信号のS/N比を向上させることができるという効果を奏する。
図1は、中間転写ベルト方式の多色画像形成装置の概略構成図である。 図2は、直接転写方式の多色画像形成装置の概略構成図である。 図3は、移動部材搬送ユニットの模式図である。 図4は、速度検出装置の光学系の構成を示す模式図である。 図5は、センサアレイ上に結像するスペックル像の画像例である。 図6は、速度検出装置による移動部材の速度検出の仕組みを説明する模式図である。 図7は、オペアンプから出力される差動信号の例を示す図である。 図8Aは、S<Lである場合の差動信号を模式的に表した図である。 図8Bは、S=Lである場合の差動信号を模式的に表した図である。 図8Cは、S=L+2M(=3L)である場合の差動信号を模式的に表した図である。 図8Dは、S>L+2M(=3L)である場合の差動信号を模式的に表した図である。 図9Aは、S<Lである場合の差動信号を模式的に表した図である。 図9Bは、S=Lである場合の差動信号を模式的に表した図である。 図9Cは、S=L+2Mである場合の差動信号を模式的に表した図である。 図9Dは、S>L+2Mである場合の差動信号を模式的に表した図である。 図10は、平均スペックル径を変化させた場合のS/N比の変化を調べた実験結果を示すグラフである。
以下に添付図面を参照して、速度検出装置、移動部材搬送ユニット、画像形成装置、および速度検出方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下では、本発明の画像形成装置を複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であるとして実施形態の説明をするが、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に本発明を適用することも可能である。
〔画像形成装置〕
図1は、中間転写ベルト方式の多色画像形成装置10の概略構成図である。図1に示されるように、中間転写ベルト方式の多色画像形成装置10は、像担持体としての感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト20と、潜像形成手段である光走査装置30と、定着手段40などその他必要な構成を備える。
図1に示す多色画像形成装置10は、単色モード、2色モード、3色モード、およびフルカラーモードを有し、これらのモードを指定して画像形成を実行することで単色、多色、またはフルカラーの画像形成が可能である。なお、単色モードとは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、またはブラック(K)のいずれか1色の画像を形成するモードであり、2色モードとは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、またはブラック(K)のいずれか2色の画像を重ねて形成するモードであり、3色モードとは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、またはブラック(K)のいずれか3色の画像を重ねて形成するモードである。そして、フルカラーモードとは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、またはブラック(K)の4色の重ね画像を形成するモードである。
像担持体としての感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kは、図中の矢印方向に回転される。また、各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの周囲には、帯電手段である帯電器2Y,2M,2C,2Kと、現像手段である各色の現像器4Y,4M,4C,4Kと、一次転写手段6Y,6M,6C,6Kと、感光体クリーニング手段5Y,5M,5C,5Kなどが配備されている。
なお、図1では、帯電器2Y,2M,2C,2Kとして帯電ローラによる接触式のものが示されているが、この他、帯電ブラシや、非接触式のコロナチャージャ等が用いられることもある。また、一次転写手段6Y,6M,6C,6Kの具体例として、転写チャージャ、転写ローラ、または転写ブラシ等が用いられる。
各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kは、帯電器2Y,2M,2C,2Kにより均一に帯電され、その後、潜像形成手段である光走査装置30により画像情報に応じて強度変調された光ビーム(例えばレーザ光)が露光され、各感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上に静電潜像が形成される。
各感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)現像器4Y、マゼンタ(M)現像器4M、シアン(C)現像器4C、ブラック(K)現像器4Kによって現像され、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として顕像化される。
各感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上に顕像化されたトナー像は、一次転写手段6Y,6M,6C,6Kにより、中間転写ベルト20上に順次重ね合わせて一次転写される。そして、中間転写ベルト20上で重ね合わされた各色のトナー画像は、二次転写手段21の位置に搬送された紙等の記録媒体に二次転写される。
トナー画像が転写された記録媒体は、搬送ベルト23などの搬送手段により定着手段40に搬送され、定着手段40によりトナー画像が記録媒体に定着されることで多色画像またはフルカラー画像が得られる。定着後の記録媒体は後処理工程等を経て多色画像形成装置10から排紙される。
なお、トナー画像転写後の各感光体1Y,1M,1C,1Kはクリーニング手段5Y,5M,5C,5Kのクリーニング部材(ブレード、ブラシ等)によりクリーニングされて残留トナーが除去される。また、トナー画像転写後の中間転写ベルト20も、ベルトクリーニング手段22によりクリーニングされて残留トナーが除去される。
図2は、直接転写方式の多色画像形成装置10の概略構成図である。図2に示されるように、直接転写方式の多色画像形成装置10は、像担持体としての感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kと、紙等の記録媒体を担持搬送する搬送ベルト23と、潜像形成手段である光走査装置30と、定着手段40などその他必要な構成を備える。
図2に示されるように、直接転写方式の多色画像形成装置10では、搬送ベルト23により紙等の記録媒体が各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに向けて搬送される。各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kは、帯電器2Y,2M,2C,2Kにより均一に帯電され、その後、潜像形成手段である光走査装置30により画像情報に応じて強度変調された光ビーム(例えばレーザ光)が露光され、静電潜像が形成される。
各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに形成された静電潜像は、イエロー(Y)現像器4Y、マゼンタ(M)現像器4M、シアン(C)現像器4C、ブラック(K)現像器4Kによって現像され、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として顕像化される。
そして、この現像工程にタイミングを合わせて給紙部から紙等の記録媒体が給紙され、搬送ベルト23に搬送される。搬送ベルト23に担持された記録媒体は各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに向けて搬送され、転写手段6Y,6M,6C,6Kにより、現像工程で顕像化された各感光体1Y,1M,1C,1K上のトナー像が記録媒体に順次重ね合わせて転写される。
記録媒体上に転写された4色重ね合わせのトナー画像は定着手段40に搬送され、定着手段40によりトナー画像が記録媒体に定着されることで多色またはフルカラー画像が得られる。そして、定着後の記録媒体は後処理工程等を経て多色画像形成装置10から排紙される。
図1または図2に示すような多色画像形成装置10において、記録媒体上に4色のトナー画像が正確に重ね合わさらないという色ずれが発生することがある。この色ずれは、中間転写方式のときは中間転写ベルト20を、直接転写方式のときは搬送ベルト23上の紙等の記録媒体を高精度で駆動しなければ発生してしまう。
ベルトの高精度駆動のためには、全ての構成部品を高精度で作る方法も考えられるが、構成部品が多く、またコストの面からも、現実的には困難である。そこで、ベルトや紙の速度変動を検出する検出手段を設け、その検出結果をベルトの駆動モータにフィードバックする。そのためには、ベルトや紙の速度変動を検出する速度検出装置50が重要である。
図1に示されるように、中間転写ベルト方式の多色画像形成装置10では、速度検出装置50は、中間転写ベルト20の近傍に配置され、中間転写ベルト20の速度を検出する。そして、速度検出装置50により検出された中間転写ベルト20の速度は、中間転写ベルト20を駆動するモータ24の制御に用いられる。また、図2に示されるように、直接転写方式の多色画像形成装置10では、速度検出装置50は、搬送ベルト23の近傍に配置され、搬送ベルト23の速度を検出する。そして、速度検出装置50により検出された搬送ベルト23の速度は、搬送ベルト23を駆動するモータ24の制御に用いられる。
以下では、中間転写ベルト方式の多色画像形成装置10の構成に基づいて、速度検出装置50の説明を行うが、本発明の実施は、中間転写ベルト方式であるか直接転写方式であるかに拘らず、適切に実施可能である。
〔速度検出装置〕
図3は、中間転写ベルト方式の多色画像形成装置10の移動部材搬送ユニット60の模式図である。
図3に示されるように、移動部材搬送ユニット60は、移動部材としての中間転写ベルト20と、中間転写ベルト20の速度を検出する速度検出装置50と、速度検出装置50により検出された速度に基づいて中間転写ベルト20のモータ24を制御する駆動制御部25とを備える。
図3に示される実施形態では、移動部材が無端ベルト状の部材である。移動部材としての中間転写ベルト20は、駆動ローラR1、従動ローラR2、従動ローラR3、および従動ローラR4によって張架されており、駆動ローラR1を駆動するモータ24によって移動する。なお、直接転写方式の多色画像形成装置10では、移動部材が紙等の記録媒体であり、搬送ベルト23の速度が速度検出装置50により検出される。
速度検出装置50は、レーザ光源51と、センサアレイ52と、オペアンプ53と、信号処理回路54とを備える。レーザ光源51は、移動部材としての中間転写ベルト20に可干渉光を照射する光源である。センサアレイ52は、可干渉光を照射された中間転写ベルト20により散乱する光線を検出する撮像手段である。
後に詳述するように、センサアレイ52が検出する検出信号は、2つに分割されてオペアンプ53に送信される。オペアンプ53は、2つに分割された検出信号の差分を増幅する差動増幅器として機能する。信号処理回路54は、オペアンプ53から出力された差動信号を信号処理することにより、中間転写ベルト20の速度を演算する。
速度検出装置50により検出された中間転写ベルト20の速度の情報は、駆動制御部25へ送られる。駆動制御部25は、速度検出装置50により検出された速度に基づいて中間転写ベルト20のモータ24を制御する。なお、駆動制御部25は、図示しない上位の制御部から中間転写ベルト20の目標速度が入力されている。駆動制御部25は、速度検出装置50により検出された中間転写ベルト20の速度の実測値と、中間転写ベルト20の目標速度とに基づいて、駆動ローラR1の回転速度のフィードバック制御を行う。
〔光学系〕
図4は、速度検出装置50の光学系の構成を示す模式図である。図4に示されるように、速度検出装置50の光学系は、照明光学系と結像光学系とからなり、レーザ光源51と、センサアレイ52と、コリメートレンズ55と、アパーチャ(開口)56と、結像レンズ57とを備える。
レーザ光源51は、中間転写ベルト20に照射するための可干渉光を放射する光源である。コリメートレンズ55は、レーザ光源51と中間転写ベルト20との間に配置され、レーザ光源51から放射された可干渉光を略平行光に変換して中間転写ベルト20に照射する光学素子である。コリメートレンズ55を用いて中間転写ベルト20に略平行光を照射することにより、安定なスペックル像が得られる。
中間転写ベルト20に照射された可干渉光は、中間転写ベルト20の表層の凹凸に対応して複雑に干渉し、アパーチャ(開口)56および結像レンズ57を介して、センサアレイ52により検出される。アパーチャ(開口)56は、結像光学系の開口数を定める絞りであり、結像レンズ57は、中間転写ベルト20にて散乱した可干渉光をセンサアレイ52上に結像させる光学素子である。なお、結像レンズ57は、正の屈折力を有する光学素子を少なくとも1枚設ける複数の光学素子によるレンズ系としても良い。また、中間転写ベルト20の表面とセンサアレイ52の受光面とは、結像関係である。
図5は、上記構成の光学系によりセンサアレイ52上に結像するスペックル像の画像例である。図5に示されるように、スペックル像では、ランダム状に輝点が配置された像である。この輝点はスペックルと呼ばれる。
このスペックルの配列パターンは、中間転写ベルト20の表層の凹凸に対応した干渉により発生するので、中間転写ベルト20の移動に応じてスペックルの配列パターンも移動する。また、スペックルパターンの特徴として、撮影位置が、光の進行方向に対して前後してもスペックルパターンが失われることがないということがある。よって、スペックルパターンを用いれば、非常に安定に、移動部材の表面もしくは内部の凹凸形状に対応した画像パターンを得ることができる。
〔移動検知〕
図6は、速度検出装置50による移動部材の速度検出の仕組みを説明する模式図である。図6に示される模式図は、図3におけるセンサアレイ52、オペアンプ53、および信号処理回路54を抜き出して模式化したものである。
中間転写ベルト20が速度vで移動する場合、センサアレイ52上のスペックル像は、速度v´=Mvで移動する。ただし、結像レンズ57の結像倍率をMとしている。例えば、結像レンズ57の結像倍率を0.8倍とし、中間転写ベルト20の速度を500mm/sとすると、センサアレイ52上のスペックル像は速度400mm/sで移動する。
センサアレイ52の受光面を模式的に表すと、図6に示されるように、感光素子としてのフォトダイオード素子52p,52nが空隙を隔てて配列され、感光素子アレイを構成している。なお、説明を容易ならしめるため、図6では、センサアレイ52は、1次元方向にのみ着目して模式化されている。例えば、センサアレイ52は、大きさ200μmx15μmのフォトダイオード素子52p,52nが間隙15μmを隔てて配列される(L=15μm,M=15μm)。
フォトダイオード素子52p,52nの間の空隙は、フォトダイオード素子52p,52nの間における信号の漏れこみ(クロストーク)抑制のために設けられている。一般に、この空隙は、フォトダイオード素子52p,52nの幅と同程度以上が望ましい。一方、空隙が広すぎるとフォトダイオード素子52p,52nが受光できる光量が減るので、本実施形態では、この空隙がフォトダイオード素子52p,52nの幅と同一の幅に設定されている。
図6に示されるように、奇数番目のフォトダイオード素子52pの出力と偶数番目のフォトダイオード素子52nの出力は、それぞれ並列に出力され、オペアンプ53へ接続されている。奇数番目のフォトダイオード素子52pの出力は、すべての出力が加算されたのち、オペアンプ53の+入力端子に入力される。一方、偶数番目のフォトダイオード素子52nの出力は、すべての出力が加算されたのち、オペアンプ53の−入力端子に入力される。
オペアンプ53は、+入力端子と−入力端子との間で信号の差分を増幅する差動増幅回路として用いられている。したがって、オペアンプ53は、奇数番目のフォトダイオード素子52pの出力と偶数番目のフォトダイオード素子52nの出力との間の差分を増幅した差動信号を出力する。
信号処理回路54は、オペアンプ53から出力される差動信号から、中間転写ベルト20の速度または変位を演算する演算手段である。
オペアンプ53から出力される差動信号は、例えば図7に示されるような周期信号である。そして、信号処理回路54は、オペアンプ53から出力される差動信号の時間周期から、中間転写ベルト20の速度または変位を演算する。差動信号の時間周期は、オペアンプ53から出力される差動信号が0レベルをマイナスからプラスへ横断する時刻の間隔を計測することにより得られる。
オペアンプ53から出力される差動信号の時間周期をTとすると、中間転写ベルト20の速度vは、v=2P/(M・T)で表される。ただし、Pは、フォトダイオード素子52p,52nの周期(すなわち、フォトダイオード素子52p,52nの幅L+空隙の幅M)であり、Mは、結像レンズ57の結像倍率である。また、この移動速度を時間積算すれば中間転写ベルト20の変位量が得られる。
〔フォトダイオード素子の周期と平均スペックル径〕
上記のように、中間転写ベルト20の速度vは、フォトダイオード素子52p,52nの周期(以下、PD周期と呼ぶ)に依存して計算される。しかしながら、差動信号のS/N比という観点では、センサアレイ52のPD周期のみならず、平均スペックル径とセンサアレイ52のPD周期の関係が重要な役割を果たすことが見出された。
そこで、以下、平均スペックル径とPD周期との関係について説明する。
なお、平均スペックル径は、スペックル像の自己相関ピークの幅(半値全幅)と定義する。また、スペックル像の自己相関の計算方法は、CCDカメラで撮影したスペックル像をFFTでフーリエ変換し、それ自体とそれの複素共役の各対応要素毎に掛け合わせ、その結果をFFTで逆フーリエ変換し、その結果の値から求める方法が用いられている。
平均スペックル径は、結像レンズ57の開口数に比例し、レーザ光源51から照射される可干渉光の波長に反比例する(山口一郎:“レーザスペックルとその応用”光技術コンタクト46,No.6,245−252 (2008)p.246)。したがって、アパーチャ(開口)56の設定またはレーザ光源51の選択を変更することにより、平均スペックル径の変更が可能である。
ここでは、形状が矩形であるスペックルが1個のみに単純化したモデルによるシミュレーションにより、PD周期と平均スペックル径との関係を検討する。現実のスペックルは2次元に多数個分布し、各スペックルの形状も矩形ではないが、単純化したモデルの重ねあわせとして同様の性質を持つと考えられる。つまり、このモデルでS/N比が高い場合は、実際でも高いS/N比が得られると考えられる。
なお、以下では、フォトダイオード素子52p,52nの幅をLとし、フォトダイオード素子52p,52n間の空隙幅をMとし、平均スペックル径をSとする。
図8Aから図8Dは、フォトダイオード素子52p,52nの幅Lとフォトダイオード素子52p,52n間の空隙幅Mとが同じ場合の差動信号を模式的に表した図である。それぞれ、図8AはS<Lである場合、図8BはS=Lである場合、図8CはS=L+2M(=3L)である場合、図8DはS>L+2M(=3L)である場合の差動信号を表した図である。
図8Aから図8Dにおいて、フォトダイオード素子52pは、オペアンプ53の+入力端子に接続された素子であり、フォトダイオード素子52nは、オペアンプ53の−入力端子に接続された素子である。形状が矩形であるというモデル化したスペックル像(以下、スペックルモデルKと呼ぶ)は、中間転写ベルト20が移動するに対応して紙面左から右へ進んで行くとしている。図8Aから図8Cに示される差動信号のグラフは、スペックルモデルKが紙面左から右へ進んで行くのに対応して、オペアンプ53から出力される差動信号の出力を示している。
S<Lである場合、図8Aに示されるように、平均スペックル径Sがフォトダイオード素子52p,52nの幅Lよりも小さいので、モデルスペックルKが、フォトダイオード素子52p上を移動している間、差動信号の出力はプラスの値で一定となる。その後、モデルスペックルKが、フォトダイオード素子52pから空隙へと移動するにつれて、差動信号の出力は減少し、モデルスペックルKが、空隙を移動している間、差動信号の出力は零値で一定となる。さらに、モデルスペックルKが、空隙からフォトダイオード素子52nへと移動するにつれて、差動信号の出力は減少し、モデルスペックルKが、フォトダイオード素子52n上を移動している間、差動信号の出力はマイナスの値で一定となる。
S=Lである場合、図8Bに示されるように、平均スペックル径Sがフォトダイオード素子52p,52nの幅Lと等しい。従って、差動信号の出力が一定となる期間が存在せず、モデルスペックルKが、フォトダイオード素子52pからフォトダイオード素子52nへと移動するにつれて、差動信号の出力は減少し、フォトダイオード素子52nからフォトダイオード素子52pへと移動するにつれて、差動信号の出力は増加する。
S=L+2M(=3L)である場合、図8Cに示されるように、平均スペックル径Sがフォトダイオード素子52p,52nの幅Lに両側の空隙幅2Mを足した長さと等しい。従って、モデルスペックルKが、フォトダイオード素子52pとその幅Lに両サイドの空隙を覆うときに、差動信号の出力は最大となり、フォトダイオード素子52nとその幅Lに両サイドの空隙を覆うときに、差動信号の出力は最小となる。
S>L+2M(=3L)である場合、図8Dに示されるように、平均スペックル径Sがフォトダイオード素子52p,52nの幅Lに両側の空隙幅2Mを足した長さよりも大きい。従って、モデルスペックルKが、2つのフォトダイオード素子52pを跨いで移動している間、差動信号の出力はマイナスの値で一定となり、一方で、2つのフォトダイオード素子52nを跨いで移動している間、差動信号の出力はプラスの値で一定となる。
以上のように、図8Aから図8Dを比較して理解できるように、図8Aに示されるS<Lである場合および図8Dに示されるS>L+2M(=3L)である場合は、差動信号の出力が一定となる期間が存在する。このことは、差動信号の出力が打ち止めとなり、最大値または最小値へ達することができないということなので、S/N比の低下が発生していることになる。
一方、L≦S≦L+2Mである場合、差動信号の出力が一定となる期間が存在しないので、S/N比の低下が発生しない。
図9Aから図9Dは、フォトダイオード素子52p,52nの幅Lとフォトダイオード素子52p,52n間の空隙幅Mとが異なる場合の差動信号を模式的に表した図である。それぞれ、図9AはS<Lである場合、図9BはS=Lである場合、図9CはS=L+2Mである場合、図9DはS>L+2Mである場合の差動信号を表した図である。
この場合も同様に、図9Aに示されるS<Lである場合および図9Dに示されるS>L+2Mである場合は、差動信号の出力が一定となる期間が存在し、S/N比の低下が発生する。一方、L≦S≦L+2Mである場合、差動信号の出力が一定となる期間が存在しないので、S/N比の低下が発生しない。
図10は、平均スペックル径を変化させた場合のS/N比の変化を調べた実験結果を示すグラフである。図10(a)は、フォトダイオード素子52p,52nの幅L=25μmかつフォトダイオード素子52p,52n間の空隙幅M=25μmの場合(つまりPD周期P=50μm)である。図10(b)は、フォトダイオード素子52p,52nの幅L=15μmかつフォトダイオード素子52p,52n間の空隙幅M=15μmの場合(つまりPD周期P=30μm)である。図10(c)は、フォトダイオード素子52p,52nの幅L=10μmかつフォトダイオード素子52p,52n間の空隙幅M=10μmの場合(つまりPD周期P=20μm)である。また、アパーチャ(開口)56の径を変更させることにより、平均スペックル径を変化させて実験を行った。なお、移動部材の移動速度は等速の500mm/sである。
図10に示されるグラフの横軸は平均スペックル径であり、縦軸は測定した差動信号の時間周期の標準偏差を平均値で割ったものである。この値が小さいほどばらつきが少なく、S/N比が高いといえる。
図10に示されるグラフから読み取れるように、L≦S≦L+2Mの間(図中の矢印の範囲)では、S/N比が高いことが示された。
上述した実施形態は、多色画像形成装置について説明するものであったが、本発明は、これに限定されるものではなく、一方向に移動する移動部材の速度検出が必要な装置、システムなどであれば、本発明を適用することができる。また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
10 多色画像形成装置
20 中間転写ベルト
21 二次転写手段
22 ベルトクリーニング手段
23 搬送ベルト
24 モータ
25 駆動制御部
30 光走査装置
40 定着手段
50 速度検出装置
60 移動部材搬送ユニット
51 レーザ光源
52 センサアレイ
52p,52n フォトダイオード素子
53 オペアンプ
54 信号処理回路
55 コリメートレンズ
56 アパーチャ(開口)
57 結像レンズ
特開2008−65743号公報 特開2003−266828号公報 特表2008−500557号公報

Claims (7)

  1. 移動部材の表面に可干渉光を照射する照明光学系を有する照明手段と、
    光を電気信号へ変換する感光素子が空隙を挟んで複数並んだ感光素子アレイを有する光検出手段と、
    前記移動部材の表面と前記光検出手段とを結像関係にする結像光学系を有する受光手段と、
    前記感光素子アレイの偶数番目と奇数番目の感光素子それぞれについての信号の和をとり、前記偶数番目の和信号と前記奇数番目の和信号との差動信号の周期から移動部材の移動速度を演算する演算手段と、
    を備え、
    前記感光素子の幅Lと、前記感光素子間の空隙の幅Mと、前記移動部材の表面による可干渉光の散乱により生じたスペックルの平均径Sとが、下記条件式を満たすことを特徴とする速度検出装置。
    条件式:L≦S≦L+2M
    ただし、前記スペックルの平均径Sは、前記感光素子アレイ上に結像したスペックル像の自己相関ピークの半値全幅とする。
  2. 前記照明手段の可干渉光の波長および前記受光手段の結像光学系の開口数は、前記スペックルの平均径Sが前記条件式を満たすように選択されていることを特徴とする請求項1に記載の速度検出装置。
  3. 前記空隙の幅は前記感光素子の幅と略等しいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の速度検出装置。
  4. 前記照明手段は、前記移動部材表面に略平行光を照射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の速度検出装置。
  5. 移動部材を移動させるモータと、前記移動部材の速度を検出する速度検出手段と、前記速度検出手段によって検出された前記速度に基づいて前記モータを制御する駆動制御手段と、を有する移動部材搬送ユニットであって、
    前記速度検出手段が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の速度検出装置であることを特徴とする移動部材搬送ユニット。
  6. 無端ベルト状の移動部材と、前記移動部材を周回りに移動させる移動部材搬送手段と、を有する画像形成装置において、
    前記移動部材搬送手段が、請求項5に記載の移動部材搬送ユニットであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 移動部材の表面に可干渉光を照射する照明光学系を有する照明手段と、
    光を電気信号へ変換する感光素子が空隙を挟んで複数並んだ感光素子アレイを有する光検出手段と、
    前記移動部材の表面と前記光検出手段とを結像関係にする結像光学系を有する受光手段と、
    前記感光素子アレイの偶数番目と奇数番目の感光素子それぞれについての信号の和をとり、前記偶数番目の和信号と前記奇数番目の和信号との差動信号の周期から移動部材の移動速度を演算する演算手段と、
    を備える速度検出装置を用いる速度検出方法であって、
    前記前記移動部材表面による可干渉光の散乱により生じたスペックルの平均径Sとが、下記条件式を満たすように、前記照明手段の可干渉光の波長および前記受光手段の結像光学系の開口数を選択して、前記移動部材の表面に可干渉光を照射することを特徴とする速度検出方法。
    条件式:L≦S≦L+2M
    ただし、前記感光素子の幅をLとし、前記感光素子間の空隙の幅をMとし、前記スペックルの平均径Sは、前記感光素子アレイ上に結像したスペックル像の自己相関ピークの半値全幅とする。
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