JP2014177541A - 包装材および包装体 - Google Patents

包装材および包装体 Download PDF

Info

Publication number
JP2014177541A
JP2014177541A JP2013051959A JP2013051959A JP2014177541A JP 2014177541 A JP2014177541 A JP 2014177541A JP 2013051959 A JP2013051959 A JP 2013051959A JP 2013051959 A JP2013051959 A JP 2013051959A JP 2014177541 A JP2014177541 A JP 2014177541A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
containing compound
formula
resin
packaging material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013051959A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Asashige
朝重  直樹
Sunao Nagai
永井  直
Kazumichi Nakai
一宙 中井
Kengo Otsuka
健悟 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2013051959A priority Critical patent/JP2014177541A/ja
Publication of JP2014177541A publication Critical patent/JP2014177541A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Polymers (AREA)
  • Bag Frames (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】本発明の課題は、油性、水性、固体、液体のいずれの粘稠性内容物であっても、液切れ性、身離れ性に優れ、その効果が長期間持続可能な包装材を提供することである。
【解決手段】本発明によれば、粘稠性内容物を包装するための単層または多層の包装材であって、最内層が、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの樹脂と、特定のシリル化ポリオレフィンもしくはその誘導体、またはこれらの混合物と、を特定の割合で含有する組成物から形成される層である、包装材が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、液切れまたは身離れに優れた包装材に関する。より詳細には、所定のシリル化ポリオレフィンと樹脂を含む組成物を含有する包装材に関する。
熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂に代表される樹脂は、安価であることや成形が比較的容易であることから、さまざまな場面で使用されている。しかし樹脂を成形して得られる成形品の、高粘度液体の液切れ、粘稠性固形物の身離れが要求される用途への使用は制限される。
なぜならば、包装材に詰められた粘稠物は、その粘り気により包装体の内面へベタベタと付着して、該包装材内の流動性が悪く、かつ、この包装材の内面に接していた部分の粘稠物は、該内面に残って取り出しにくいからである。また、前記粘稠物を取り出した後の包装材内に残った粘稠物は、この包装材と共に廃棄されてしまうので、粘稠物の取出歩留りを大きく低下させると共に、前記廃棄物の処理にあっても、環境面から問題点を有するからである。
液切れを改善する試みとして、特許文献1には、容器内面にフッ素樹脂をコーティングし、液切れを改善することが記載されている。また特許文献2には、容器内面にスパッタや蒸着によってセラミック薄膜を形成し、表面自由エネルギーを低下させて液切れを改善する試みが記載されている。また、特許文献3、特許文献4には、粘稠物が接するシーラント層に界面活性剤を配合することや、包装材の内面に予め界面活性剤を塗工して膜を形成することが記載されている。
特開2006−111267号公報 特開2006−027712号公報 特開2000−355362号公報 特開2001−048229号公報
特許文献1、2によると包装材表面に種々の剤を塗膜形成する工程が必須である。
特許文献1、2は粘稠性固形物の身離れ性については開示がない。
特許文献2には、油性の内容物の液切れ性については開示がない。
特許文献3、4で使用される界面活性剤は、成形体の表面からブリードアウトしやすいため、その効果が長続きしにくいことが懸念される。
本発明の課題は、油性、水性、固体、液体のいずれの粘稠性内容物であっても、液切れ性、身離れ性に優れ、その効果が長期間持続可能な包装材を提供することである。
即ち、本発明によれば、
粘稠性内容物を包装するための単層または多層の包装材であって、最内層が、
熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの樹脂、100重量部と、
式(1)で表される構造単位を含有するケイ素含有化合物と、GPC法で求めた数平均分子量が100以上500,000以下であるビニル基含有化合物との反応(ただし、前記ケイ素含有化合物として1分子に2個以上のSiH基を有するものを用い、かつ前記ビニル基含有化合物として1分子あたり平均2.0個以上のビニル基を有するものを用いる場合は除く)によって得られる、シリル化ポリオレフィンもしくはその誘導体、またはこれらの混合物、0.01〜10,000重量部と、
を含有する組成物から形成される層である、包装材が提供される。
−Si(R)H−Y− (1)
(式(1)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、
はO、SまたはNR30(R30は、水素原子または炭化水素基である)である。)
また、本発明によれば、粘稠性内容物を前記包装材で包装した包装体が提供される。
本発明の包装材は、油性、水性、固体、液体のいずれの粘稠性内容物であっても、液切れ性、身離れ性に優れており、その効果が長期間持続可能である。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態によってさらに明らかになる。
以下、本発明による包装体の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、「〜」はとくに断りがなければ、以上から以下を表す。
本発明の包装材は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの樹脂、100重量部と、式(1)で表される構造単位を含有するケイ素含有化合物と、GPC法で求めた数平均分子量が100以上500,000以下でありかつビニル基を含有するビニル基含有化合物との反応(ただし、上記ケイ素含有化合物として1分子に2個以上のSiH基を有するものを用い、かつ上記ビニル基含有化合物として1分子あたり平均2.0個以上のビニル基を有するものを用いる場合は除く)によって得られる、シリル化ポリオレフィンもしくはその誘導体、またはこれらの混合物、0.01〜10,000重量部と、を含有する組成物から形成される。
−Si(R)H−Y− (1)
式(1)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、
はO、SまたはNR30(R30は、水素原子または炭化水素基である)である。
上記包装材において、シリル化ポリオレフィンの構造は定かではないが、例えば式(1)の構造単位を含有するケイ素含有化合物中の−Si−Hと、ビニル基含有化合物中の−CH=CH(ビニル基)とが反応して生成する、−Si−C−C−構造を含むのではないかと考えられる。
ただし、上記ケイ素含有化合物として1分子に2個以上のSiH基を有するものを用い、かつ上記ビニル基含有化合物として1分子あたり平均2.0個以上のビニル基を有するものを用いる場合は、得られるシリル化ポリオレフィンは、例えば網目構造を有する可能性が高いと考えられ、本発明ではこのような場合を除いている。
(I)熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂
本発明で用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ乳酸樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。また、本発明で用いられる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリオレフィン樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、それぞれ1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
これらの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂についての定義、製法については、周知であり、たとえば「実用プラスチック事典」(実用プラスチック事典 編集委員会編、株式会社産業調査会発行)等の刊行物に記載されている。なおここでいう「樹脂」とは軟質、硬質いずれであってもよく、特に制限はない。
上記の各熱可塑性樹脂について詳述する。
(Ia)ポリオレフィン樹脂
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂は特に制限はなく、従来公知のポリオレフィン樹脂を使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂(塩素化ポリオレフィン)、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体などが挙げられる。中でも、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン樹脂が好ましく用いられる。
(Ib)ポリカーボネート樹脂
本発明で用いられるポリカーボネート樹脂は、典型的には、芳香族ジオール(例えばビスフェノールA)とホスゲンとを反応することにより得られる樹脂である。
このようなポリカーボネート樹脂は市販されており、例えば商品名NOVAREX(登録商標)(三菱化学社製)、パンライト(登録商標)(帝人化成社製)、レキサン(登録商標)(日本ジーイープラスチックス社製)等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(Ic)熱可塑性ポリエステル樹脂
本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂は、典型的には、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させて得られる樹脂である。本発明においては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート等が好ましく用いられる。
(Id)ABS樹脂
本発明で用いられるABS樹脂は、典型的には、ポリブタジエンにアクリロニトリルおよびスチレンをグラフト重合させて得られる耐衝撃性樹脂である。本発明においては、ポリブタジエン成分が5〜40重量%であって、スチレン成分とアクリロニトリル成分の重量比(スチレン/アクリロニトリル)が70/30〜80/20であるものが好ましい。
(Ie)ポリアセタール樹脂
本発明で用いられるポリアセタール樹脂は、典型的には、ホルマリンあるいはトリオキサンを、所望に応じてエチレンオキサイドと共に、カチオン触媒の存在下に開環重合して得られる樹脂であり、ポリオキシメチレン鎖を主骨格とする樹脂である。本発明においては、コポリマータイプのものが好ましい。
(If)ポリアミド樹脂
本発明で用いられるポリアミド樹脂は、典型的には、ジアミンとジカルボン酸との重縮合、あるいはカプロラクタムの開環重合等により得られる樹脂である。本発明においては、脂肪族ジアミンと脂肪族または芳香族ジカルボン酸の重縮合反応物が好ましい。
(Ig)ポリフェニレンオキシド樹脂
本発明で用いられるポリフェニレンオキシド樹脂は、典型的には、2,6−ジメチルフェノールを銅触媒の存在下に酸化カップリングさせて得られる。さらにこれを変性した変性ポリフェニレンオキシド樹脂も、本発明において用いることができる。
本発明においては、ポリフェニレンオキシド樹脂とスチレン系ポリマーのブレンド変性物が好ましい。
(Ih)ポリイミド樹脂
本発明で用いられるポリイミド樹脂は、典型的には、テトラカルボン酸とジアミンとを重縮合させ、主骨格にイミド結合を生成させて得られる樹脂である。
(Ii)ポリウレタン樹脂
本発明で用いられるポリウレタン樹脂は、好ましくは、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネートとポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリオールとを主原料とし、両者を混合、反応させた樹脂である。
(Ij)ポリ乳酸樹脂
本発明で用いられるポリ乳酸樹脂は、好ましくは、乳酸がエステル結合によって重合した樹脂であり、例えば、ジフェニルエーテルなどの溶媒中で乳酸を減圧下加熱し、水を取り除きながら重合させることによってポリ乳酸が得られる。
(Ik)フラン樹脂
本発明で用いられるフラン樹脂としては、フルフリルアルコールを主成分として含む混合物を重縮合して得られる樹脂が挙げられる。このような樹脂としては、例えば、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類とを重縮合して得られる樹脂がある。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、グリオキザール、フルフラール等の従来公知のアルデヒド化合物を使用することができる。
(Il)シリコーン樹脂
本発明で用いられるシリコーン樹脂としては、ジアルキルジクロロシランをはじめとする各種のシラン類を加水分解させ、生成したシラノールを脱水縮合して得られる重合体などが挙げられる。このような重合体としては、例えば、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシランやテトラクロロシランを加水分解し、脱水縮合するクロロシラン法により得られる重合体、ジメチルジメトキシシラン、トリメトキシシランやテトラメトキシシランを加水分解し、脱水縮合するゾル−ゲル法により得られる重合体が挙げられる。
上記の各熱硬化性樹脂について詳述する。なお、以下の説明は、各樹脂の熱硬化前の状態についてのものである。
(Im)エポキシ樹脂
本発明で用いられるエポキシ樹脂は、典型的には、芳香族ジオール(例えば、ビスフェノールA)とエピクロルヒドリンとをアルカリの存在下に反応させることにより得られる樹脂である。本発明においては、エポキシ当量170〜5000のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂が好ましい。
(In)熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂
本発明で用いられる熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂は、典型的には、脂肪族不飽和ジカルボン酸と脂肪族ジオールとをエステル化反応させることにより得られる樹脂である。本発明においては、マレイン酸やフマル酸等の不飽和ジカルボン酸と、エチレングリコールやジエチレングリコール等のジオールとをエステル化反応して得られる樹脂が好ましい。
(Io)フェノール樹脂
本発明で用いられるフェノール樹脂は、ノボラック型およびレゾール型のいずれをも包含する。本発明において、ヘキサメチレンテトラミンで硬化させるノボラック型やジメチレンエーテル結合を主体とする固形レゾールが好ましい。
(Ip)熱硬化性ポリオレフィン樹脂
本発明で用いられる熱硬化性ポリオレフィンとしては、特に制限はないが、例えば、DCPD(ジシクロペンタジエン)、ポリブタジエン樹脂などを挙げることができる。このような樹脂は市販されており、例えばDCPD樹脂としては、商品名「PENTAM(登録商標)」、「METTON(登録商標)」(リムテック社製)から選ばれる樹脂が挙げられる。
中でも、上記樹脂が熱可塑性樹脂である場合には、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリ乳酸樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。また上記樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、エポキシ樹脂および熱硬化性ポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂であることがさらに好ましく、特にポリプロピレン樹脂およびポリエチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の分子量は、包装材を成形可能な程度であって各種包装材において好適とされる分子量のものであれば特に制限なく用いることができる。
例えばJISK7210記載の方法で測定したMFRが0.01〜200g/10分、好ましくは0.01〜100g/10分のものを挙げることができる。測定条件は樹脂により異なるが、付属書B表1に記載のものを使用することができる。例えばポリオレフィンの場合であって、ポリエチレン樹脂(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)、ポリブテン樹脂の場合、190℃、2.16kg荷重で測定する。ポリプロピレン樹脂の場合、230℃、2.16kg荷重で測定する。エチレン・酢酸ビニル共重合体の場合190℃、2.16kg荷重で測定する。
本発明で用いられるケイ素含有化合物は、式(1)で表される構造単位を有するヒドロシラン化合物である。
−Si(R)H−Y− (1)
式(1)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、
はO、SまたはNR30(R30は、水素原子または炭化水素基である)である。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基等の直鎖状または分岐状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基等のシクロアルキル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアリールアルキル基が挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
また上記の炭化水素基は、1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。具体的には、これらの基の少なくとも一つの水素が、ハロゲン原子、酸素、窒素、ケイ素、リン、イオウを含む基で置換された基が挙げられる。
一実施形態において、ケイ素含有化合物は、式(2)で表される構造を有する。
22−(Si(R21)H−Y21−Z−(Y22−Si(R23)H)−R24 (2)
式(2)中、R21およびR23はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、
22およびR24はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、または炭化水素基であり、
21およびY22はそれぞれ独立して、O、SまたはNR30(R30は、水素原子または炭化水素基である)であり、
mは0または1であり、
nは0または1であり、
21、R23、Y21およびY22が複数存在する場合、各基は同一であっても異なっていてもよく、
Zは、式(3)で表される2価の基である:
−Si(R41)(R41)−(Y23−Si(R41)(R41))− (3)
式(3)中、R41は水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、各R41はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、Y23はそれぞれ独立して、O、SまたはNR30(R30は、水素原子または炭化水素基である)であり、
lは0〜10,000の整数である。
ただし、上記式(2)において、m=n=0の場合、式(3)において、少なくとも1つのR41は水素原子である。
なお、式(2)および式(3)におけるハロゲン原子および炭化水素基の定義は、上記式(1)における定義と同様である。
また、式(1)、(2)、(3)における炭化水素基として、炭素原子と水素原子とのみからなるものであることも1つの典型的な実施態様である。
一実施形態において、ケイ素含有化合物は、好ましくは、3個以上、より好ましくは5個以上、さらに好ましくは10個以上のケイ素原子を有する。またケイ素含有化合物は好ましくは10,000個以下、より好ましくは1,000個以下、特に好ましくは300個以下、さらに好ましくは50個以下のケイ素原子を有することが好ましい。このようなケイ素含有化合物を用いたシリル化ポリオレフィンを用いることにより、得られた包装体は、高粘度液体の液切れ性、粘稠物の身離れ性が発現する。
一実施形態において、上記式(3)におけるlは、0〜10,000の整数であるが、好ましい上限および下限としては、式(2)のmとnの値と上記好ましいケイ素原子の個数とから定まる数を挙げることができる。
一実施形態において、上記式(2)においてm=n=1、すなわち両末端にSiH基を有するケイ素含有化合物が好ましく用いられる。
一実施形態において、上記式(2)においてm=1であり、n=0、すなわち片末端にSiH基を有するケイ素含有化合物が好ましく用いられる。
特に好ましいケイ素含有化合物としては、上記式(2)および式(3)において、m=n=1であり、R21、R23およびR41は全て炭化水素基である化合物が挙げられる。
特に好ましい別のケイ素含有化合物としては、上記式(2)および式(3)において、m=1、n=0であり、R21およびR41は全て炭化水素基である化合物が挙げられる。
本発明で用いられるケイ素含有化合物の具体例を以下に示す。本発明のケイ素含有化合物としては、SiH基を1個有する化合物が挙げられる。
SiH基を1個有するケイ素含有化合物の例としては、例えば、式(2a)で表される化合物、式(2a)においてメチル基の一部または全部がエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換された化合物などが挙げられる。
HSi(CHO−(−Si(CH−O−)−Si(CH (2a)
(式(2a)中、dは1以上の整数であり、上限は例えば1000、好ましくは300、さらに好ましくは50である。)
このような化合物として、より具体的には、以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
−((CHSiO)−(CHSiH
−((CHSiO)65−(CHSiH
SiH基を1個有するケイ素含有化合物の別の例としては、例えば、式(2b)で表されるジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、式(2b)においてメチル基の一部または全部がエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換された化合物などが挙げられる。
Si(CHO−(−Si(CH−O−)−(−SiH(CH)−O−)−Si(CH (2b)
(式(2b)中、eは、0以上の整数であり、上限は例えば1000、好ましくは300、さらに好ましくは50である。)
なお、−Si(CH−O−単位と−SiH(CH)−O−単位とが並ぶ順序には特に制限はなく、ブロック的であっても無秩序であっても統計的ランダム的であっても良い。
このような化合物として、より具体的には、以下に示す化合物が挙げられるが、これに限定されない。
Si(CHO−SiH(CH)−O−Si(CH
本発明のケイ素含有化合物としてはまた、SiH基を2個以上有する化合物が挙げられる。
SiH基を2個以上有するケイ素含有化合物の例としては、例えば、式(2c)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン、式(2c)においてメチル基の一部または全部がエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換されたた化合物などが挙げられる。
(CHSiO−(−SiH(CH)−O−)−Si(CH (2c)
(式(2c)中、fは2以上の整数であり、上限は例えば1000、好ましくは300、さらに好ましくは50である。)
SiH基を2個以上有するケイ素含有化合物の別の例としては、例えば、式(2d)で表されるジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、式(2d)においてメチル基の一部または全部がエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換された化合物などが挙げられる。
(CHSiO−(−Si(CH−O−)−(−SiH(CH)−O−)−Si(CH (2d)
(式(2d)中、gは1以上の整数であり、hは2以上の整数であり、gとhとの合計の上限は、例えば1000、好ましくは300、さらに好ましくは50である。)
また、式(2d)において、−Si(CH−O−単位と−SiH(CH)−O−単位とが並ぶ順序には特に制限はなく、ブロック的であっても無秩序であっても統計的ランダム的であっても良い。
このような化合物として、より具体的には、以下に示す化合物が挙げられるが、これに限定されない。
SiH基を2個以上有するケイ素含有化合物のさらに別の例としては、例えば、式(2e)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン、式(2e)においてメチル基の一部または全部がエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換された化合物などが挙げられる。
HSi(CHO−(−Si(CH−O−)−Si(CHH (2e)
(式(2e)中、iは1以上の整数であり、上限は例えば1000、好ましくは300、さらに好ましくは50である。)
このような化合物として、より具体的には、その数平均分子量に相当する構造が以下に示す構造に該当する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
HSi(CHO−(−Si(CH−O−)−Si(CH
HSi(CHO−(−Si(CH−O−)−Si(CH
HSi(CHO−(−Si(CH−O−)18−Si(CH
HSi(CHO−(−Si(CH−O−)80−Si(CH
HSi(CHO−(−Si(CH−O−)230−Si(CH
SiH基を2個以上有するケイ素含有化合物のさらに別の例としては、例えば、式(2f)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン、式(2f)においてメチル基の一部または全部がエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換された化合物などが挙げられる。
HSi(CHO−(−SiH(CH)−O−)−Si(CHH (2f)
(式(2f)中、jは1以上の整数であり、上限は例えば1000、好ましくは300、さらに好ましくは50である。)
SiH基を2個以上有するケイ素含有化合物のさらに別の例としては、例えば、式(2g)で表されるジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、式(2g)においてメチル基の一部または全部がエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換された化合物などが挙げられる。
HSi(CHO−(−Si(CH−O−)−(−SiH(CH)−O−)−Si(CHH (2g)
(式(2g)中、kおよびlは、それぞれ1以上の整数であり、kとlとの合計の上限は例えば1000、好ましくは300、さらに好ましくは50である。)
また、−Si(CH−O−単位と−SiH(CH)−O−単位とが並ぶ順序には特に制限はなく、ブロック的であっても無秩序であっても統計的ランダム的であっても良い。
本発明のビニル基含有化合物のGPC法により求めた数平均分子量は、100以上500,000以下であり、500以上300,000以下であることがより好ましい。さらに好ましくは1,500以上100,000以下である。数平均分子量が上記下限値より低い場合、得られたシリル化ポリオレフィンが樹脂中よりブリードしてくる場合があり、上記上限値より高い場合、樹脂中におけるシリル化ポリオレフィンの分散性が悪くなり、得られた包装体の取り扱いが困難となる場合がある。なお本発明では後述するように数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)およびMw/Mnはポリエチレン換算の値とした。
以下にビニル基含有化合物について説明する。
ビニル基含有化合物は、通常炭素数2〜50のオレフィンから選ばれる1種以上を重合又は共重合して得られるものである。
炭素数2〜50のオレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ペンテン、3−エチル−4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘプテン、3,4−ジメチル−1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキサンなどのα−オレフィン;シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン、などの内部二重結合を含むオレフィン;イソブテン、2−メチル−1−ペンテン、2,4−ジメチル−1−ペンテン、2,4−ジメチル−1−ヘキセン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、2,4−ジメチル−1−ヘプテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、2−メチル−1−オクテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ペンテン、2,3−ジメチル−1−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−オクテン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、2,3,3−トリメチル−1−ペンテン、2,3,3−トリメチル−1−ヘキセン、2,3,3−トリメチル−1−オクテン、2,3,4−トリメチル−1−ペンテン、2,3,4−トリメチル−1−ヘキセン、2,3,4−トリメチル−1−オクテン、2,4,4−トリメチル−1−ヘキセン、2,4,4−トリメチル−1−オクテン、2−メチル−3−シクロヘキシル−1−プロピレン、ビニリデンシクロペンタン、ビニリデンシクロヘキサン、ビニリデンシクロオクタン、2−メチルビニリデンシクロペンタン、3−メチルビニリデンシクロペンタン、4−メチルビニリデンシクロペンタンなどのビニリデン化合物;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンなどのアリールビニル化合物;α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、2−メチル−3−フェニルプロピレンなどのアリールビニリデン化合物;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−tert−ブチル、2−シアノプロピレン、2−アミノプロピレン、2−ヒドロキシメチルプロピレン、2−フルオロプロピレン、2−クロロプロピレンなどの官能基置換ビニリデン化合物;シクロブテン、シクロペンテン、1−メチル−1−シクロペンテン、3−メチル−1−シクロペンテン、2−メチル−1−シクロペンテン、シクロヘキセン、1−メチル−1−シクロヘキセン、3−メチル−1−シクロヘキセン、2−メチル−1−シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエン、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1Hインデン、トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−4−エン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどの内部二重結合を含む脂肪族環状オレフィン;シクロペンタ−2−エニルベンゼン、シクロペンタ−3−エニルベンゼン、シクロヘキサ−2−エニルベンゼン、シクロヘキサ−3−エニルベンゼン、インデン、1,2−ジヒドロナフタレン、1,4−ジヒドロナフタレン、1,4−メチノ1,4,4a,9aテトラヒドロフルオレンなどの芳香環を含有する環状オレフィン;ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,4−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンなどの、二個以上の二重結合を有する環状ポリエンおよび二個以上の二重結合を有する鎖状ポリエンなどが挙げられる。
また、炭素数2〜50のオレフィンは、酸素、窒素、硫黄等の原子を含んだ官能基を有していてもよい。例えばアクリル酸、フマル酸、イタコン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの不飽和カルボン酸金属塩;無水マレイン酸、無水イタコン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物などの不飽和カルボン酸無水物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、などの不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジルエステル;
塩化ビニル、フッ化ビニル、フッ化アリルなどのハロゲン化オレフィン;アクリロニトリル、2−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エンなどの不飽和シアノ化合物;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどの不飽和エーテル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等の不飽和アミド;
メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
好ましい実施形態において、ビニル基含有化合物は、式(4)で表される構造を有し、数平均分子量が100以上500,000以下の化合物である。
A−CH=CH (4)
ここで、式(4)中、Aは1種以上の炭素数2〜50のαオレフィン由来の構成単位を含む重合鎖である。
式(4)において、好ましくは、ビニル基含有化合物のA部は、エチレン重合鎖、プロピレン重合鎖または炭素数2〜50のα−オレフィンからなる群から選択される2種以上のオレフィンの共重合鎖である。また上記α−オレフィンは、炭素数が2〜20のα−オレフィンであることが好ましい。
好ましい実施形態において、式(4)で表されるビニル基含有化合物のAは、炭素数2〜50のα−オレフィンのみから構成される重合鎖である。さらに好ましくはビニル基含有化合物のAは炭素数2〜20のα−オレフィンのみから構成される重合鎖である。さらに好ましくは、ビニル基含有化合物のAは、エチレン単独重合鎖、プロピレン単独重合鎖、またはエチレン・炭素数3〜20のα−オレフィン共重合鎖である。
式(4)で表されるビニル基含有化合物は、エチレン由来の構成単位が81〜100mol%、炭素原子数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位が0〜19mol%の範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体であることが望ましい。より好ましくは、エチレン由来の構成単位が90〜100mol%、炭素原子数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位が0〜10mol%の範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体であることが望ましい。とりわけエチレン由来の構成単位が100モル%であることが好ましい。
また、式(4)で表されるビニル基含有化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mn)が1.1〜3.0の範囲にあることが好ましい。
また、式(4)で表されるビニル基含有化合物は、数平均分子量(Mn)が100以上500,000以下の範囲にあることが望ましく、500以上300,000以下がより好ましく、1,500以上100,000以下がさらに好ましい。
また、式(4)で表されるビニル基含有化合物は、融点が70℃以上130℃以下であることが好ましい。
さらに好ましくは、式(4)で表されるビニル基含有化合物のビニル基は、主鎖の末端に存在することが好ましく、ビニル基が主鎖の末端のみに存在することがより好ましい。
なお、ビニル基が主鎖の末端に存在することの確認は、例えば13CNMR、HNMRを利用することで可能である。例えばAがエチレン単独重合体である場合、13CNMRにより3級炭素が検出されず、かつHNMRでビニル基の水素が検出されることで確認する方法が挙げられる。HNMRのみにおいても、検出された各プロトンのピークを帰属することにより、構造の確認が可能である。例えば、合成例1で合成した化合物においては、プロトン積分値が3であるケミカルシフト0.81ppmのピークが片末端のメチル基であり、ケミカルシフト1.10−1.45ppmのピークは主鎖のメチレン基、プロトン積分値が2であるケミカルシフト1.93ppmのピークは末端ビニル基に隣接するメチレン基、プロトン積分値がそれぞれ1である4.80、4.86、5.60−5.72ppmのピークが末端ビニル基と帰属され、他に帰属不明のピークが存在しないことから、Aがエチレン単独重合体であり末端のみにビニル基を含有する構造であることを確認することができる。また、別の方法として、主鎖末端に存在するビニル基の水素の方が、側鎖に存在するビニル基の水素よりもHNMR測定における緩和時間が短いことを利用して、例えば側鎖にビニル基を有するポリマーの当該ビニル基の水素と緩和時間を比較する方法で決めることも可能である。
側鎖のビニル基のHNMRにおけるケミカルシフトが、末端に存在するビニル基よりも低磁場シフトすることを利用して判別することができる場合もある。
また、式(4)で表されるビニル基含有化合物が、主鎖の末端のみにビニル基を含有する場合、H−NMRにより計算される末端不飽和率(後述するVE)が60モル%以上100モル%以下であることが望ましい。さらに好ましい態様の一つは、H−NMRにより計算される末端不飽和率が80モル%以上99.5モル%以下、より好ましくは90モル%以上99モル%以下であるものである。
本発明の式(4)で表されるビニル基含有化合物は、公知の方法、例えば特開2003-73412記載の方法で得ることができる。
〔シリル化ポリオレフィンの製造方法〕
本発明で用いられるシリル化ポリオレフィンは、どのような方法によって製造されたものでも使用できるが、好ましくは遷移金属触媒の存在下で、ビニル基含有化合物とケイ素含有化合物とを反応させ(ただし、上記ケイ素含有化合物として1分子に2個以上のSiH基を有するものを用い、かつ上記ビニル基含有化合物として1分子あたり平均2.0個以上のビニル基を有するものを用いる場合は除く)ることにより得られたシリル化ポリオレフィンもしくはその誘導体、またはこれらの混合物である。
以下、上記ビニル基含有化合物とケイ素含有化合物とを反応させる工程について詳述する。
本工程では、遷移金属触媒の存在下で、ビニル基含有化合物とケイ素含有化合物とを反応させ(ただし、上記ケイ素含有化合物として1分子に2個以上のSiH基を有するものを用い、かつ上記ビニル基含有化合物として1分子あたり平均2.0個以上のビニル基を有するものを用いる場合は除く)、シリル化ポリオレフィンを得る。
遷移金属触媒としては、例えば白金の単体(白金黒)、ハロゲン化遷移金属、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、あるいはアルミナ、シリカ等の担体に白金の担体を担持させたものなどが挙げられる。
ハロゲン化遷移金属としては、元素周期表第3族〜第12族の遷移金属のハロゲン化物であり、入手の容易さや経済性の点から好ましくは元素周期表第8族〜第10族の遷移金属のハロゲン化物であり、より好ましくは白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、ニッケル、パラジウムのハロゲン化物である。さらに好ましくは白金のハロゲン化物である。また、二種以上のハロゲン化遷移金属の混合物であっても構わない。
ハロゲン化遷移金属のハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、これらのうちでは取扱いの容易さの点で塩素が好ましい。
また、特開2010−37555号記載の方法に従い、ハロゲン化遷移金属とケイ素含有化合物をあらかじめ混合撹拌して得られる遷移金属触媒組成物を触媒として用いてもよい。このような遷移金属触媒組成物を触媒として用いるとビニル基含有化合物とケイ素化合物との反応が効率よく進行する。このため、ビニル基含有化合物の二重結合の反応率が通常80%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上であり、副生物であるビニレン誘導体の生成量は、シリル化ポリオレフィンに対して、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。
ビニル基含有化合物とケイ素含有化合物とを反応させる際の量比は、目的によって異なるが、ビニル基含有化合物中のビニル基とケイ素含有化合物中のSi−H結合との当量比として0.01〜10当量倍の範囲であり、好ましくは0.1〜2当量倍の範囲である。
ビニル基含有化合物とケイ素含有化合物との反応は、上記遷移金属触媒の存在下で行う。遷移金属触媒とビニル基含有化合物との量比は、ビニル基含有化合物中のビニル基と遷移金属触媒中の遷移金属分との当量比として、10−10〜10−1当量倍の範囲であり、好ましくは10−7〜10−3当量倍の範囲である。
ビニル基含有化合物とケイ素含有化合物との反応における反応方法としては、最終的に反応すればよく、その方法は限定されるものではないが、例えば以下のように行う。反応容器中にビニル基含有化合物を装入し、窒素雰囲気下、ケイ素含有化合物と遷移金属触媒を装入する。予め内温をビニル基含有化合物の融点以上に昇温しておいた油浴中に、上記反応器をセットし攪拌する。反応後油浴を除いて室温に冷却し、得られた反応混合物をメタノールまたはアセトンなどの貧溶媒中に取り出し2時間攪拌する。その後、得られた固体をろ取し、上記貧溶媒で洗浄し、乾燥させ、目的物を得ることができる。
ビニル基含有化合物とケイ素含有化合物との反応は、反応温度を100〜200℃の範囲とすることが好ましく、反応させるビニル基含有化合物の融点より高い温度で行うことがより好ましい。反応温度が100℃より低いと、反応効率が低下することがあるので好ましくない。また圧力は、通常は常圧で行うことができるが、必要に応じて加圧下または減圧下で行うこともできる。
必要に応じて溶媒を使用することもできる。使用する溶媒は、原料のケイ素含有化合物およびビニル基含有化合物に対して不活性なものが使用できる。使用できる溶媒の具体例は、例えばn−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、パークロロエタン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これらのうち、特にトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒を使用する場合は溶媒の使用量は原料の溶解性に作用するが、原料に対し100重量倍以下が好ましく、より好ましくは20重量倍以下である。本発明では、無溶媒で実施することが最も好ましい。
以上のように、遷移金属触媒の存在下、ビニル基含有化合物とケイ素含有化合物とを反応させることにより、式(1)で表される構造単位を含むシリル化ポリオレフィンを含む反応混合物が得られる。
シリル化ポリオレフィンは、上記反応混合物をそのまま乾燥して取りだしても良いが、貧溶媒への再沈殿、またはスラッジングにより取り出すことができる。貧溶媒はシリル化ポリオレフィンの溶解度が小さいものであればよく、適宜選択することができ、好ましくは上記不純物が除けるものが良い。貧溶媒として具体的には、アセトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトニトリル、酢酸エチル、n−ヘキサン、n−ヘプタン等が挙げられ、これらのうちではアセトン、メタノール、n−ヘプタンが好ましい。
本発明で用いられるビニル基含有化合物としては、前述したように具体的には、式(4)で表される化合物が挙げられる。
A−CH=CH (4)
(式(4)中、Aは1種以上の炭素数2〜50のαオレフィン由来の構成単位を含む重合鎖である。)
ビニル基含有化合物が式(4)で表される化合物である場合、Aが炭素数2〜20のα−オレフィンのみからなる構造(構造4−1)が好ましい。
さらに好ましくは、ビニル基含有化合物は、−CH=CHがポリマー主鎖の末端に存在する構造(構造4−2)を有する。
なおさらに好ましくは、ビニル基含有化合物は、−CH=CHがポリマー主鎖の末端のみに存在する構造(構造4−3)を有する。
なおさらに好ましくは、ビニル基含有化合物は、Aが炭素数2〜20のα−オレフィンのみからなり、−CH=CHがポリマー主鎖の末端に存在する構造(構造4−4)(構造4−1と構造4−2との組み合わせ)を有する。
なおさらに好ましくは、ビニル基含有化合物は、Aが炭素数2〜20のα−オレフィンのみからなり、さらに−CH=CHがポリマー主鎖の末端のみに存在する構造(構造4−5)(構造4−1と構造4−3との組み合わせ)を有する。
本発明のケイ素含有化合物は、前述したように、具体的には式(2)の構造を有するものが望ましい。そのうちでもビニル基含有化合物が式(4)で表される場合、ケイ素含有化合物としては、式(2)においてm=n=1である構造(構造2−1)が好ましく、さらには式(2)中のZにおけるR41が全て炭化水素基およびハロゲンから選ばれるものである構造(構造2−2)がより好ましい(すなわちR41はいずれも水素原子ではないことが望ましい。)
また、ビニル基含有化合物が1分子に平均して2個未満のビニル基を有する場合は、ケイ素含有化合物としては、式(2)においてm=1、n=0であり、かつ式(2)中のR41が全て炭化水素基およびハロゲンから選ばれる構造(構造2−3)、式(2)においてm=0、n=0であり、かつ式(2)中のR41のうち1つだけが水素原子である構造(構造2−4)のようなSiH基を1分子に1個有する化合物に加えて、Si−H結合が1分子に2個以上有する化合物を使用することも可能であり、例えば前述の構造2−1、構造2−2をとっても良い。
シリル化ポリオレフィンは、たとえば、式(5)〜(8)で表されるような構造を有していると推定される。もちろんそのケイ素含有化合物やビニル基含有化合物の組合せは、これらの例示になんら限定されるものではない。
(上記各式中のm,n,o,p,qは1以上の整数を表す。)
以下に、特に好ましい態様とその推定理由とを述べる。以下ではビニル基含有化合物由来の部分のことを、「ポリオレフィン鎖」、ケイ素含有化合物由来の部分のことを、「ケイ素含有化合物鎖」ということがある。ビニル基含有化合物が式(4)で表される構造、中でも構造(4−5)をとり、ケイ素含有化合物が構造(2−2)をとる場合、シリル化ポリオレフィンは、(ポリオレフィン鎖)−(ケイ素含有化合物鎖)−(ポリオレフィン鎖)の順に結合したブロック共重合体のような構造をとると考えられる。具体的には上記した式(5)のような推定構造を有する化合物が例示できる。
ビニル基含有化合物が構造(4−5)をとり、ケイ素含有化合物が構造(2−1)をとった場合であって、ケイ素含有化合物がSiH基を3個以上有する場合には、シリル化ポリオレフィンには、(ポリオレフィン鎖)−(ケイ素含有化合物鎖)−(ポリオレフィン鎖)の順に結合しているブロック構造において、さらにケイ素含有化合物鎖からポリオレフィン鎖がグラフト的に結合したような構造が含まれ得ると考えられる。
またビニル基含有化合物が構造(4−5)をとり、ケイ素含有化合物が構造(2−3)、構造(2−4)である場合、シリル化ポリオレフィンは、具体的に例示すれば、上記式(6)、式(8)のような構造をとっているのではないかと考えられる。
またビニル基含有化合物が構造(4−5)をとり、ケイ素含有化合物が、式(2)においてm=0、n=0、Zが(−SiH(CH)O−)−Si(CHO−Si(C−である場合、式(7)のような形をとるのではないか考えられる。
またビニル基含有化合物が(Z)であり、ケイ素含有化合物が構造(2−3)をとる場合、シリル化ポリオレフィンは、(ポリオレフィン鎖)に(ケイ素含有化合物鎖)がグラフトした、式(9)のような構造をとるのではないかと考えられる。
(ポリオレフィン鎖)−(ケイ素含有化合物鎖)−(ポリオレフィン鎖)のブロック共重合体の構造をとると推定されるような、たとえば式(5)の推定構造をとると推定されるようなビニル基含有化合物とケイ素含有化合物との組み合わせから得たシリル化ポリオレフィンが、ケイ素含有化合物鎖からグラフト鎖としてポリオレフィン鎖を有すると推測されるシリル化ポリオレフィンや、ポリオレフィン鎖がグラフト鎖としてケイ素含有化合物鎖を有すると推測されるシリル化ポリオレフィンよりも分子運動をしやすいと考えられ、そのため例えば溶融成形により当該シリル化ポリオレフィンが包装体表面に、より集まりやすいのではないかと考えられる。また、上記構造であれば、ケイ素含有化合物鎖の両末端にポリオレフィン鎖が存在するため、包装材表面からブリードアウトすることが少ないのではないかと考えられる。
(添加剤)
本発明の目的および効果を損なわない範囲で任意の添加剤、たとえばヒンダードフェノール等のような酸化防止剤、耐熱剤、耐候剤、光安定剤、離型剤、流動改質剤、着色剤、顔料、滑剤、帯電防止剤、結晶核剤、可塑剤および発泡剤等を必要に応じてその有効発現量配合してもよい。
(組成物の調製)
樹脂とシリル化オレフィンとを含有する本発明の組成物は、任意の方法を用い製造することができる。例えば熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂、シリル化ポリオレフィン、およびその他の添加剤を融解混練させて得ることができる。あるいは同時にまたは任意の順序で、タンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、単軸或いは二軸の押出機などで溶融混合させて得ることができる。シリル化ポリオレフィンは樹脂100重量部に対し0.01〜10,000重量部含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜1,000重量部、更に好ましくは0.1〜100重量部、特に好ましくは0.5〜50重量部、もっとも好ましくは1〜20重量部である。本発明の包装体は、少量のシリル化ポリオレフィンで、粘稠性内容物の液切れ性、身離れ性を向上させることができる点で、工業的に有利である。特にビニル基含有化合物として前述した式(4)で表され、かつビニル基を主鎖の末端にのみ有する化合物を用いることが好ましく、さらに加えて、ケイ素含有化合物として、上記構造(2−1)をとるもの、とりわけ構造(2−2)をとるものを用いた場合がより望ましい。
融解混練させる場合は、必要に応じて各種溶媒を適宜使用しても良い。使用する溶媒としては、シリル化ポリオレフィンが溶解するものを使用するのが好ましい。使用できる溶媒の具体例は、例えばn−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、パークロロエタン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これらのうち、シリル化ポリオレフィンの溶解性や無機材料との反応性の観点から、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が特に好ましい。また、有機溶媒の使用量は、原料の溶解性に作用するが、シリル化ポリオレフィンの量に対して、100重量倍以下が好ましく、より好ましくは20重量倍以下の範囲である。
組成物を調製する際の反応温度は、シリル化ポリオレフィンと樹脂とが融解または溶解すればよく、特に制限はないが、80〜245℃の範囲が好ましく、更に融解または溶解の時間や混練度の観点から100〜200℃であることが好ましい。また、選択したシリル化ポリオレフィンの融点以上乃至溶媒の沸点以下の温度であることがより好ましい。また混練時間は、混練温度や溶媒量などの条件にもよるが、通常1分〜100時間、好ましくは5分から50時間の範囲である。
混練する装置としては、シリル化ポリオレフィンと樹脂が、均一に混合混練出来ればよく、その形態は問わない。例としては、通常のジャケット式反応器、ニーダー、ミキサー、ホモジナイザー、短軸押出機、二軸押出機等が挙げられる。
溶媒を使用した場合、混練終了後、溶媒を除くことが必要であるが、脱溶媒ができればよく、その形態は問わない。例としては、加熱蒸発、真空脱溶媒、不活性ガスによるストリッピング、或いはそれらの組み合わせ、または、貧溶媒に排出して粉体を沈殿させ、組成物を取り出すことができる。この場合に使用する貧溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、アセトニトリル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の中から、1種以上を適宜選択して用いることができる。また必要に応じて、得られた組成物を適当な溶媒によって洗浄する等の方法により更に精製することもできる。
以上述べた方法により、本発明の組成物は、シリル化ポリオレフィンと樹脂とから形成される。組成物中には必要に応じ他の成分が入っても構わない。例としては、イルガノックス(登録商標)(チバスペシャルティケミカルズ社製)やラスミット(登録商標)(第一工業製薬社製)等の安定剤、クレイ(コープケミカル社製)、タルク(浅田製粉社製)等の物性改善剤等が挙げられる。
タンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、単軸或いは二軸の押出機などで溶融混合させる場合は、樹脂とシリル化ポリオレフィンとを1段階で混合して組成物を得る方法が一般的ではある。しかし、樹脂とシリル化ポリオレフィンとの分子量や成形温度での溶融粘度の差が大きい場合や、シリル化ポリオレフィンの量が少ない場合等に、両成分が十分に分散しない場合がある。さらに、上記のように、樹脂とシリル化ポリオレフィンとを1段階で混合し離型性を有する組成物を得ようとした場合、成形機の吐出量が安定せず、生産性にも問題が生じる場合がある。また、上記の方法ではペレットなどの良形状の原料樹脂が圧送または吸引して配管内を輸送され、混合機、押出機ホッパー等に供給されることがあるが、低分子量成分を用いるとその形状が保持できず、輸送配管部材の内壁部に低分子量成分が融着、固着・付着するという問題が発生することがあった。
このような場合の好ましい製造方法として、組成物に比してシリル化ポリオレフィンの割合が高い第一の樹脂、所謂マスターバッチを予め調製し、その後、第二の樹脂と上記マスターバッチを混合して組成物を得る方法が挙げられる。上記マスターバッチ100重量部に対して、第二の樹脂は1重量部以上900重量部以下の量であることが好ましい。第二の樹脂の量の好ましい下限値は、2重量部、より好ましくは5重量部、特に好ましくは10重量部である。一方、好ましい上限値は700重量部、より好ましくは500重量部、特に好ましくは300重量部である。
本発明のマスターバッチには、勿論、前述した公知の添加剤等の成分が含まれていても良い。
このようなマスターバッチの製法としては上記のタンブラー、ミキサー、ブレンダー、ロール、押し出し機などを用いた公知の混合法を用いることが出来る。また、樹脂と上記マスターバッチとを用いて組成物を調製する場合も同様の方法を用いることが出来る。
また、組成物、またはマスターバッチの形態は使用される用途等によって適宜設計することができ、フィルム状、粉状、粒子状、ペレット状、プレート状等が挙げられる。
(包装材)
本発明の包装材は、上述の組成物を、押出成形法、射出成形法、溶液流延法、インフレーション成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法、注型成形法、等といった公知の成形方法により成形することにより得られる。特に加熱する過程を有する成形法が好ましく、溶融成形法(押出成形法、射出成形法、インフレーション成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法、など)により成形することが特に好ましい。また加熱せずに成形したのち、包装体をアニール等しても良い。溶融成形法の場合、通常は樹脂の融点以上であって成形に適した流動性を持つ程度の温度まで加熱して溶融させて成形することが通常である。
アニール等の熱処理の場合は、包装体が溶融しない程度の温度まで加熱することが通常である。特に溶融成形法により得られるものが高粘度液体の液切れ性、粘稠性固形物の身離れ性発現の点で好ましい。
上記成形法を用いる一次成形で得た成形体を、さらにブロー成形、延伸などの方法で加工してもよい。たとえばTダイ押出成形法などによりシート状に成形し、さらに一軸延伸あるいは二軸延伸して得た包装材も好ましい。
また射出成形等により溶融パリソンを形成し、このパリソンを所望の型で挟み、このパリソンの内部に空気を吹き込んで膨張させた後、冷却固化して包装材を形成することも好ましい。
本発明の包装材としては、フィルム、シート、袋、ボトル、カップ、箱、缶、トレー、チューブ、蓋、樽、壷およびタンクなどが挙げられる。
本発明の包装材は、粘稠性内容物と接する層(最内層)が前記したシリル化ポリオレフィンと樹脂との組成物から得られる層である限り、単層であってもよく、多層であってもよい。
最内層の厚みは特に限定されないが、例えば、1μm〜1mmとすることができる。
積層体の一実施態様として、最内層/他の基材層の構成を挙げることができる。
他の基材層としては、特に限定されるものではなく、例えば前記した熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられるが、好ましくはポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6やナイロン6,6のようなポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体のようなガスバリヤー性のある樹脂が挙げられる。 また、アルミニウム等の金属箔、あるいはアルミニウムやシリカ等を蒸着させた蒸着フィルムや紙等も挙げられる。これらは包装材の使用目的に応じて適宜選択使用される。他の基材層は、1種類のみならず、2種類以上を組み合わせて積層して使用することもできる。
積層する方法としては、基材フィルム上に前記他の基材層樹脂および最内層樹脂を共押出して積層(3層)する共押出ラミネーション法、基材フィルム上に最内層樹脂のみを押出して積層(2層)する押出ラミネーション法、前記他の基材層樹脂および最内層樹脂を共押出して積層(2層)する共押出法、基材フィルムと最内層フィルムとをドライラミネーションする方法等を採用することができる。これらの中で、生産性の点から共押出法または押出ラミネーション法が好ましい。
最内層と他の基材層とをより強固に接着するために、最内層/接着層/他の基材層の構成にすることができる。接着層としては、ウレタン系やイソシアネート系接着剤のようなアンカーコート剤を用いたり、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンのような変性ポリオレフィンを接着性樹脂として用いると、隣接層を強固に接合することができる。
積層体の最内層以外の各層の厚みに特に制限はないが、例えば1μm〜1mmとすることができる。
さらに、最内層の表面に凹凸を形成することにより、粘稠性内容物の液切れ性、身離れ性の向上が期待できる。
凹凸構造は、エンボス加工、ブラスト加工、ローレット加工、しわ加工、縦・横縞加工等により、凹凸パターンを点状、面状、島状、ストライプ状等に施して形成したものである。
(包装体)
本発明の包装体は、前記の包装材で粘稠性内容物を包装したものである。
本発明の粘稠性内容物は、水性でも、油性でもよく、水と油を含有するエマルジョンでもよい。また本発明の粘稠性内容物は液体、固体、スラリー、半固体、半液体、湿体などのいずれの状態であってもよい。
粘稠性内容物としては、例えば食料品、調味料、食品原料、医薬品、血液、栄養剤、農薬、肥料、化粧料、接着剤、塗料などが挙げられる。
本発明の包装材は粘稠性内容物に対する液切れ性、身離れ性が優れているので、例えば、液状の化粧品・食品・農薬・医薬関連用途などの容器または包装フィルムに使用することができる。具体的には、化粧品関連ではジェル・クリーム、化粧水、オイル、パウダー、ワックス、油脂などを内包する容器、ボトルやチューブ等を、
食品関連では練り餡やフラワーペーストを充填する業務用フィルム、
カレー、シチュー、ミートソース、ホワイトソースなどを内包するパウチ、
ケチャップ、マヨネーズ、各種ペースト、食用油、味噌、ジャム、ヨーグルトなどを内包する容器、ボトルやチューブ等を、
農薬関連では、粘性のある薬剤、肥料、油剤、乳剤、水分散剤などを内包する容器、ボトルやチューブ等を、
医薬関連では、粘性のある薬剤、血液などを内包するフィルム、ボトルなどが挙げられる。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(測定および計算方法)
分子量、融点(Tm)、収率、転化率および異性化率、メルトマスフローレイト(MFR)は以下に記載の方法で測定・計算した。
[m1]分子量の測定方法
数平均分子量Mn、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC−150を用い以下のようにして測定した。すなわち、分離カラムは、TSK GNH HTであり、カラムサイズは直径7.5mm、長さ300mmのものを使用した。カラム温度は140℃とし、移動相にはオルトジクロロベンゼン(和光純薬)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025質量%を用い、1.0ml/分で移動させた。試料濃度は0.1質量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとした。検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、常法に従ってポリエチレン換算の値に換算した。
なお、以下の合成例にて、原料ポリマーのモル数はすべてMnに基づいた値で表している。
[m2]融点の測定方法
融点(Tm)はDSCを用い測定して得られたピークトップ温度を採用した。装置は島津製作所製DSC−60Aを使用した。対照セルはアルミナを使用し、窒素流量は50ml/分の設定で行った。また10℃/分で30℃から300℃までの昇温条件で測定した。この昇温測定の前に、一旦、樹脂を200℃程度まで昇温し、5分間保持した後、20℃/分で常温(25℃)まで降温する操作を行い、樹脂の熱履歴を統一することが望ましい。
[m3]NMR解析による収率、転化率、異性化率、末端不飽和率、炭素千個あたりの二重結合数の測定・計算方法
シリル化ポリオレフィンの収率、転化率、異性化率、末端不飽和率、炭素千個あたりの二重結合数はH−NMRによって決定される。収率は原料のビニル基含有化合物のモル数に対して得られたシリル化ポリオレフィンのモル数の割合、転化率は原料のビニル基含有化合物のモル数に対する同消費モル数の割合、異性化率は原料のビニル基含有化合物のモル数に対して生成したビニレン体のモル数の割合、末端不飽和率は原料であるビニル基含有化合物の主鎖末端ビニル基と末端メチル基の合計に対する主鎖末端ビニル基の割合、炭素千個あたりのビニル基数はプロトン数から導き出される炭素数に対するビニル基数の割合を炭素千個あたりのビニル基数に補正したものと定義される。なお、末端不飽和率および炭素千個あたりのビニル基数は一般的には原料であるビニル基含有化合物に対して適用するが、ヒドロシリル化が十分でない場合などには未反応原料の残存量の指標としてシリル化ポリオレフィンにも適用することがある。
例えば、エチレンのみからなる主鎖末端ビニル基含有化合物をトリエトキシシランでヒドロシリル化して得られたシリル化ポリオレフィンのエトキシ基メチレンの6プロトン分のピーク(C)が3.8ppm、異性化したビニレン基の2プロトン分のピーク(D)が5.4ppmに観測される。ヒドロシリル化が十分でない場合は、未反応ビニル基の2プロトン分のピーク(E)が4.8〜5.1ppmに、1プロトン分のピーク(F)が5.6〜5.8ppmに観測される。原料のビニル基含有化合物については、2プロトン分の主鎖メチレン(G)が1.0〜1.5ppmに観測され、主鎖末端にビニル基を持たないものは3プロトン分の末端メチル(H)が0.8ppmに観測される。さらに二重結合に隣接した炭素上の2プロトン分のピーク(I)が1.9ppmに観測される。
各ピーク(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)および(I)のピーク面積を各々SC、SD、SE、SF、SG、SHおよびSIとすれば、収率(YLD(%))、転化率(CVS(%))、異性化率(ISO(%))、末端不飽和率(VE(%))、炭素千個あたりの二重結合数(VN(個/1000C))は下記式にて算出される。
YLD(%)=(SC/3)/(SC/3+SD+SE)×100
CVS(%)={1−SE/(SC/3+SD+SE)}×100
ISO(%)=SD/(SC/3+SD+SE)×100
VE(%)=SE/(SE/2+SH/3)×100
VN(個/1000C)=(SE+SF)/3×1000/{(SD+SE+SF+SG+SH+SI)/2}
[m4]メルトマスフローレイト(MFR)の測定方法
ビニル基含有化合物としてのポリエチレンのメルトマスフローレイト(MFR)は、東京精機社製メルトインデキサー T−111を用い、190℃、2.16kg荷重で測定した。また、熱可塑性樹脂としてのポリプロピレンのMFRは、東京精機社製メルトインデキサー T−111を用い、230℃、2.16kg荷重で測定した。
(液切れ性、身離れ性)
液切れ評価は包装体内面に対象液体が均一に広がるようにしたあと、包装体を立てて液切れの様子を観察した。評価結果はそれぞれの比較例による液切れ性の×評価に対して、極めて改善されている(液切れ速度が比較例の10倍以上);◎、改善されている(液切れ速度が比較例の2倍以上);○、同程度(液切れ速度が比較例の2倍未満);△とした。
身離れ評価は包装体内面に内容物が密着するようにしてシールし、24時間室温で放置した後、開封、逆さにして内容物を取り出して身離れの様子を観察した。評価結果はそれぞれの比較例による残留物量の×評価に対して、改善されている(残留付着物重量が比較例の70%以下);○、同程度(残留付着物重量が比較例の70%を超える);△とした。
[合成例1]
国際公開2012/098865公報の合成例2に記載の方法により合成した。この片末端ビニル基含有エチレン重合体(P−2)(単体)の物性は以下の通りであった。
融点(Tm)123℃
Mw=4770、Mw/Mn=2.25(GPC)
末端不飽和率 97%
[合成例2]
(白金触媒組成物(C−1)の調製)
マグネットスターラーチップを入れた50mlサンプル管中、塩化白金(II)0.50gを、下記構造のヒドロシランA(HS(A)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、品番:XF40−C2195)(10ml)中に懸濁し、窒素気流下、室温で攪拌した。190時間攪拌した後、シリンジにて反応液を約0.4ml採取し、0.45μmPTFEフィルターを用いて濾過して10mlサンプル管中に濾液を採取し、白金濃度が3.8重量%の白金触媒組成物(C−1)を得た。
ヒドロシランA(HS(A)):HSi(CHO−(−Si(CH−O−)18−Si(CH
[合成例3]
(末端ビニル基を有するポリエチレンのヒドロシランへの導入−1)
300mlの2ツ口フラスコに、[合成例1]で得た片末端ビニル基含有エチレン重合体(Mw=4770、Mw/Mn=2.25(GPC)、末端不飽和率 97%)25.1g(11.8mmol)を装入し、窒素雰囲気下、ヒドロシランA(HS(A))8.7g(5.9mmol;Si−H基として11.8mmol相当)と、[合成例2]で調製した白金触媒組成物(C−1)をヒドロシランA(HS(A))で200倍希釈したもの(C−1a)150μl(Pt換算で1.4×10−6mmol)を装入した。予め内温130℃に昇温しておいた油浴中に、上記反応器をセットし、攪拌した。約3分後ポリマーは融解した。次いで6時間後に冷却し、メタノール約200mlを加え、300mlビーカーに内容物を取り出し2時間攪拌した。その後、固体をろ取しメタノールで洗浄し、60℃、2hPa以下の減圧下で乾燥させることにより、白色固体のシリル化ポリオレフィン(A−1)33.1gを得た。NMR解析の結果、得られたシリル化ポリオレフィン(A−1)は収率98%、オレフィン転化率100%、異性化率2%であった。MFRは測定上限値以上(MFR>100g/10min)であり、分子式より計算される(A−1)中のポリオルガノシロキサン含量は26重量%であった。
[実施例1]
ポリプロピレン(プライムポリマー社製ポリプロピレン F107、MFR6.6g/10分)94.4重量部に上記のシリル化ポリオレフィン(A−1)5.6重量部をドライブレンドし、東芝機械製TEM−26SS 2軸押出機(L/D=60)にてシリンダー温度200℃で溶融混合し、樹脂組成物(D−1)を得た。得られた樹脂組成物(D−1)についてサーモ・プラスティックス工業社製3種3層フィルム成形装置を用いてTダイ温度210℃でD−1の単層フィルムを成形した。厚みは50(μm)である。得られた単層フィルムを二つ折にし、内容量約500mlの袋状になるようにヒートシールした後、OilBLACK860(オリエント化学工業社製)0.1g添加で着色した植物油(BOSCO社製 エキストラバージンオリーブオイル)即ち着色油100mlを充填し、窒素で袋を膨らませた後充填口をヒートシールして密封した。得られた包装体内面に植物油が均一に広がるようにしたあと、袋を立てて液切れの様子を観察した。比較例1に用いたポリプロピレンのみの包装体に比較して明らかに良好な液切れ性を示した。結果は表1にまとめて示す。
[実施例2〜5]
実施例1の着色油の代わりに種々の液体を適用して同様に操作した。結果を表1にまとめて示す。
[比較例1]
実施例1の樹脂組成物(D−1)に変えてポリプロピレン(プライムポリマー社製ポリプロピレン F107、MFR6.6g/10分)のみを使用し、同様に操作した。液切れの様子を観察した結果、液切れ性不良だった。結果は表1にまとめて示す。
[比較例2〜5]
比較例1の着色油の代わりに種々の液体を適用して同様に操作した。結果を表1にまとめて示す。
[実施例6]
実施例1と同様に操作し単層フィルムを成形した。得られた単層フィルムを二つ折にし、内容量約500mlの袋状になるようにヒートシールした後、500gの練り餡を充填した。圧迫して、フィルムと内容物を均一に行き渡らせ、充填口をヒートシールした。得られた包装体を室温下24時間放置した後、包装体の前述の充填口を切開して逆さにし、内容物を取り出して観察した。比較例6に用いたポリプロピレンのみの包装体に比較して明らかに包装体への付着物量が少なかった。結果は表2にまとめて示す。
[実施例7〜9]
実施例6の練り餡の代わりに種々の粘性物を適用して同様に操作した。結果を表2にまとめて示す。
[比較例6]
実施例6の樹脂組成物(D−1)に変えてポリプロピレン(プライムポリマー社製ポリプロピレン F107、MFR6.6g/10分)のみを使用し、同様に操作した。身離れの様子を観察した結果、ある程度の包装体への付着量が観察された。結果は表2にまとめて示す。
[比較例7〜9]
比較例6の練り餡の代わりに種々の粘性物を適用して同様に操作した。結果を表2にまとめて示す。
実施例と比較例から明らかなように、本発明の包装材は粘稠性内容物に対する液切れ性および身離れ性に優れている。
また、包装材表面からのブリードアウトもしにくいため、それらの効果が経時的に低減しにくいことが期待される。

Claims (9)

  1. 粘稠性内容物を包装するための単層または多層の包装材であって、最内層が、
    熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの樹脂、100重量部と、
    式(1)で表される構造単位を含有するケイ素含有化合物と、GPC法で求めた数平均分子量が100以上500,000以下であるビニル基含有化合物との反応(ただし、前記ケイ素含有化合物として1分子に2個以上のSiH基を有するものを用い、かつ前記ビニル基含有化合物として1分子あたり平均2.0個以上のビニル基を有するものを用いる場合は除く)によって得られる、シリル化ポリオレフィンもしくはその誘導体、またはこれらの混合物、0.01〜10,000重量部と、
    を含有する組成物から形成される層である、包装材。
    −Si(R)H−Y− (1)
    (式(1)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、
    はO、SまたはNR30(R30は、水素原子または炭化水素基である)である。)
  2. 前記ケイ素含有化合物が、式(2)の構造式で表される、請求項1に記載の包装材。
    22−(Si(R21)H−Y21−Z−(Y22−Si(R23)H)−R24 (2)
    (式(2)中、R21およびR23はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、
    22およびR24はそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭化水素基であり、
    21およびY22はそれぞれ独立して、O、SまたはNR30(R30は、水素原子または炭化水素基である)であり、
    mは0または1であり、
    nは0または1であり、
    21、R23、Y21およびY22が複数存在する場合、各基は同一であっても異なっていてもよく、
    Zは、式(3)で表される2価の基であり、
    −Si(R41)(R41)−(Y23−Si(R41)(R41))− (3)
    (式(3)中、R41は水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、各R41はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、Y23はそれぞれ独立して、O、SまたはNR30(R30は、水素原子または炭化水素基である)であり、
    lは0〜10000の整数である。)
    ただし、前記式(2)において、m=n=0の場合、前記式(3)において、少なくとも1つのR41は水素原子である。)
  3. 前記ビニル基含有化合物が、式(4)で表される構造を有する、請求項1または2に記載の包装材。
    A−CH=CH (4)
    (式(4)中、Aは炭素数2〜50のα−オレフィン由来の構造を含む重合鎖である。)
  4. 最内層の表面に凹凸が施されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装材。
  5. 前記組成物を溶融成形して得られる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装材。
  6. フィルム、シート、袋、ボトル、カップ、箱、缶、トレー、チューブ、蓋、樽、壷およびタンクから選ばれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装材。
  7. 粘稠性内容物を請求項1〜6のいずれか1項に記載の包装材で包装した包装体。
  8. 粘稠性内容物が、食料品、調味料、食品原料、医薬品、血液、栄養剤、農薬、肥料または化粧料である、請求項7に記載の包装体。
  9. 粘稠性内容物が、スラリー、ペーストまたは高粘度液体である、請求項7または8に記載の包装体。
JP2013051959A 2013-03-14 2013-03-14 包装材および包装体 Pending JP2014177541A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013051959A JP2014177541A (ja) 2013-03-14 2013-03-14 包装材および包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013051959A JP2014177541A (ja) 2013-03-14 2013-03-14 包装材および包装体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014177541A true JP2014177541A (ja) 2014-09-25

Family

ID=51697836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013051959A Pending JP2014177541A (ja) 2013-03-14 2013-03-14 包装材および包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014177541A (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015227012A (ja) * 2014-05-30 2015-12-17 東洋製罐グループホールディングス株式会社 ブロー成形容器の製造方法およびブロー成形容器
EP3231584A1 (de) * 2016-04-15 2017-10-18 jura-plast GmbH Verfahren zur herstellung eines beutels mit antihaftschicht und beutel mit antihaftschicht
JP2018094864A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 三井化学株式会社 ナノインプリント方法
JP2019206099A (ja) * 2018-05-28 2019-12-05 凸版印刷株式会社 撥液袋及び撥液フィルム
WO2019240056A1 (ja) * 2018-06-14 2019-12-19 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体、包装材及び容器
WO2020059717A1 (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体、包装材及び容器
JP2020045473A (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体、包装材及び容器
JP2020050856A (ja) * 2018-09-21 2020-04-02 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体、包装材及び容器
WO2020175260A1 (ja) 2019-02-27 2020-09-03 東洋紡株式会社 シーラント用フィルム
JP2020172293A (ja) * 2019-04-10 2020-10-22 出光ユニテック株式会社 シール層、積層体、包装用積層体及び包装袋
JP2020189664A (ja) * 2019-05-22 2020-11-26 凸版印刷株式会社 撥液性樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体および包装材
CN112703224A (zh) * 2018-09-21 2021-04-23 凸版印刷株式会社 疏液层形成用树脂组合物、以及使用了其的疏液性膜、疏液性层叠体、包装材料及容器
JP2021095538A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体および包装材
JP2022035850A (ja) * 2020-08-21 2022-03-04 東洋紡株式会社 シーラント用フィルム
KR20230054387A (ko) 2020-08-21 2023-04-24 도요보 가부시키가이샤 실란트용 필름
WO2023108586A1 (en) * 2021-12-17 2023-06-22 Dow Global Technologies Llc Olefin/silane interpolymer compositions with excellent thermal oxidation resistance

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004284315A (ja) * 2003-03-25 2004-10-14 Toppan Printing Co Ltd 易剥離性包装材料およびその包装材料を用いた易剥離性包装袋
WO2012098865A1 (ja) * 2011-01-21 2012-07-26 三井化学株式会社 成形体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004284315A (ja) * 2003-03-25 2004-10-14 Toppan Printing Co Ltd 易剥離性包装材料およびその包装材料を用いた易剥離性包装袋
WO2012098865A1 (ja) * 2011-01-21 2012-07-26 三井化学株式会社 成形体

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015227012A (ja) * 2014-05-30 2015-12-17 東洋製罐グループホールディングス株式会社 ブロー成形容器の製造方法およびブロー成形容器
EP3231584A1 (de) * 2016-04-15 2017-10-18 jura-plast GmbH Verfahren zur herstellung eines beutels mit antihaftschicht und beutel mit antihaftschicht
WO2017178505A1 (de) * 2016-04-15 2017-10-19 Jura-Plast Gmbh Verfahren zur herstellung eines beutels mit antihaftschicht und beutel mit antihaftschicht
JP2018094864A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 三井化学株式会社 ナノインプリント方法
JP2019206099A (ja) * 2018-05-28 2019-12-05 凸版印刷株式会社 撥液袋及び撥液フィルム
WO2019240056A1 (ja) * 2018-06-14 2019-12-19 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体、包装材及び容器
JP7383233B2 (ja) 2018-06-14 2023-11-20 Toppanホールディングス株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体、包装材及び容器
JPWO2019240056A1 (ja) * 2018-06-14 2021-07-15 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体、包装材及び容器
CN112703224A (zh) * 2018-09-21 2021-04-23 凸版印刷株式会社 疏液层形成用树脂组合物、以及使用了其的疏液性膜、疏液性层叠体、包装材料及容器
JP2020050856A (ja) * 2018-09-21 2020-04-02 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体、包装材及び容器
WO2020059717A1 (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体、包装材及び容器
JP2020045473A (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体、包装材及び容器
CN112703224B (zh) * 2018-09-21 2023-11-03 凸版印刷株式会社 疏液层形成用树脂组合物、以及使用了其的疏液性膜、疏液性层叠体、包装材料及容器
JP7139824B2 (ja) 2018-09-21 2022-09-21 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体、包装材及び容器
JP7225926B2 (ja) 2018-09-21 2023-02-21 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体、包装材及び容器
WO2020175260A1 (ja) 2019-02-27 2020-09-03 東洋紡株式会社 シーラント用フィルム
US11851550B2 (en) 2019-02-27 2023-12-26 Toyobo Co., Ltd. Sealant film
KR20210132106A (ko) 2019-02-27 2021-11-03 도요보 가부시키가이샤 실란트용 필름
JP2020172293A (ja) * 2019-04-10 2020-10-22 出光ユニテック株式会社 シール層、積層体、包装用積層体及び包装袋
JP7331457B2 (ja) 2019-05-22 2023-08-23 凸版印刷株式会社 撥液性樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体および包装材
JP2020189664A (ja) * 2019-05-22 2020-11-26 凸版印刷株式会社 撥液性樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体および包装材
JP2021095538A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 凸版印刷株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体および包装材
JP7456143B2 (ja) 2019-12-19 2024-03-27 Toppanホールディングス株式会社 撥液層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いた撥液性フィルム、撥液性積層体および包装材
KR20230054387A (ko) 2020-08-21 2023-04-24 도요보 가부시키가이샤 실란트용 필름
JP2022035850A (ja) * 2020-08-21 2022-03-04 東洋紡株式会社 シーラント用フィルム
WO2023108586A1 (en) * 2021-12-17 2023-06-22 Dow Global Technologies Llc Olefin/silane interpolymer compositions with excellent thermal oxidation resistance

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014177541A (ja) 包装材および包装体
JP5990131B2 (ja) 包装材用の積層フィルムおよび包装材
JP5575929B2 (ja) 成形体
CN1853599B (zh) 输液袋
KR101096836B1 (ko) 에틸렌계 수지 또는 에틸렌계 수지 조성물로 이루어지는 필름 또는 적층체
JP2015024548A (ja) 撥水性フィルム
WO2017150265A1 (ja) 4-メチル-1-ペンテン系重合体、樹脂組成物および成形体
CN108431122A (zh) 丙烯基聚合物组合物
JP2011026448A (ja) 離型性を有する組成物
JP2015025051A (ja) 撥水性フィルム
JP6310297B2 (ja) 接着体およびガラスランチャンネル
US20230027484A1 (en) Plastic Films
CN110300783A (zh) 电池用叠层体
WO2018179619A1 (ja) 4-メチル-1-ペンテン系重合体、樹脂組成物および成形体
JP2015048384A (ja) ポリオレフィン樹脂組成物およびその用途
JP6829614B2 (ja) 樹脂組成物およびその成形体
CN104837913B (zh) 混合液、混合液的制造方法、及多层结构体
JP6356960B2 (ja) 積層体及びその製造方法
US20230001395A1 (en) Catalysts for Olefin Metathesis, Methods of Preparation, and Processes for the Use Thereof
JP6947535B2 (ja) オレフィン共重合体、及びその製造方法
JP2020172293A (ja) シール層、積層体、包装用積層体及び包装袋
GB2570623A (en) Improved adhesion of polyolefins to polyesters
TW201742886A (zh) 熱塑性樹脂摻合組成物、母料及雙軸延伸聚烯烴類膜成形用組成物
JP7256581B2 (ja) プロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体、プロピレン系重合体組成物およびこれらの用途
JP2017057272A (ja) ガスバリア性樹脂組成物、並びにそれを含む多層構造体及び包装材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150807

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20150807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160726

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170207