JP2014177089A - フィルムおよびフィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れるフィルムを溶液製膜するときの流延後のフィルム全体の白化の抑制、気泡発生抑制および支持体からの剥離性改善を同時に達成できるフィルムの製造方法の提供。
【解決手段】シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂及びアクリル−スチレン共重合体樹脂のいずれかと溶媒とを含有するドープを支持体上に溶液流延する工程、流延後のドープを40℃未満の雰囲気温度に維持して残留溶媒量を35〜65質量%に制御したドープ膜を形成する第1の乾燥工程、第1の乾燥工程後の前記ドープ膜を残留溶媒量が35〜65質量%であるときにドープ膜を乾燥開始温度40℃以上かつTg−70℃を超える雰囲気温度で乾燥する第2の乾燥工程、第2の乾燥工程後のドープ膜を支持体から剥ぎ取ってフィルムを形成する工程を含み、溶媒の1〜13質量%が平均炭素数1〜4のアルコールであり、フィルムのTgが90℃以上であるフィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィルムおよびフィルムの製造方法に関する。より詳しくは、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂のいずれか1種を含むフィルムおよびフィルムの製造方法に関する。
従来から、様々な光学フィルムが液晶表示装置用途として用いられており、様々な添加剤を添加した光学フィルムが知られている。このような光学フィルムは様々な製膜方法で製造されているが、代表的な方法としてポリマーを溶媒に溶解させたドープを支持体上に流延して製膜する溶液流延法により製造することが広く行われている。
近年、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂などの耐熱性の良好な、高ガラス転移温度(Tg)のポリマーを用いることが検討されてきている。これに対し、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂を用いたフィルムを溶液流延により製造した場合については、支持体からの剥離性を改善する方法についてはいまだ十分に検討されていないのが現状であった。
特許文献1には、塩化メチレンを60重量%以上含有し、ポリアリレート系樹脂を溶解し得る溶媒(a)、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状の脂肪族アルコール(b)、およびポリアリレート系樹脂とからなるポリアリレート系樹脂溶液組成物であって、上記溶媒(a)15〜90重量部に対しポリアリレート系樹脂10重量部を含み、かつ炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状の脂肪族アルコール(b)の量が、上記溶媒(a)と(b)とからなる溶媒系全体の1〜10重量%であることを特徴とするポリアリレート系樹脂溶液組成物を用いることで、光学等方性、均質性に優れ、残留溶媒量の少ないポリアリレート系フィルムを流延法により製造する際、基板からの剥離性を改善する方法が記載されている。
特許文献2には、環状ポリオレフィンを含む固体成分と溶媒とからなるドープを流延ダイから流出させて支持体上に流延膜を形成し、この流延膜を前記支持体からフィルムとして剥ぎ取って乾燥する環状ポリオレフィンフィルムの製造方法において、前記流延ダイから吐出された直後の前記ドープの乾燥速度を、前記固体成分1kgあたり4kg/分以下とすることを特徴とする環状ポリオレフィンフィルムの製造方法により、流延ビードでのカワバリの発生を抑制して、スジ状の欠陥がない環状ポリオレフィンフィルムを製造する方法が記載されている。特許文献2の実施例ではシクロオレフィンポリマーを35℃〜135℃で乾燥しているが、溶剤が沸点の高いトルエン100%であった。
特許文献3には、セルロースアシレートを含む固体成分と溶媒とからなるドープを流延ダイから吐出して支持体上に流延膜を形成し、前記支持体から前記流延膜を剥ぎ取りフィルムとする溶液製膜方法において、前記流延ダイから吐出された直後の前記ドープの乾燥速度を、前記固体成分1kgあたり4kg/min以下とし、前記セルロースアシレートが下記式(I)及び(II)を満たすことを特徴とする溶液製膜方法により、TACフィルムよりも耐湿熱性に優れ、配向しやすいフィルムを、流延工程で品質欠陥が生じないように製造する方法が記載されている(但し、式(I)及び(II)中で、Aはセルロースの水酸基の水素原子に対するアセチル基の置換度を表し、Bはセルロースの水酸基の水素原子に対するプロピオニル基,ブチリル基,ペンタノイル基,ヘキサノイル基の置換度の総和を表す。)。
(I)2.5≦A+B≦3.0
(II)1.25≦B≦3.0
特許文献3の実施例では塩化メチレン/メタノールを溶剤として用いており、乾燥温度も35℃〜135℃だが、ポリマーとしてセルロースアセテートプロピオネート(CAP)またはセルロースアセテートブチレート(CAB)を用いている。
特開平8−302162号公報 特開2007−245687号公報 特開2006−188052号公報
本発明者らが、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂などの耐熱性の良好な、高ガラス転移温度(Tg)のポリマーを用いたフィルムを溶液流延により製造したところ、耐熱性の良好な、高ガラス転移温度(Tg)ポリマーの溶液流延における剥ぎ取り性向上のため特許文献1を参考にアルコールなどの貧溶媒を添加して流延すると、沸点の低い良溶媒は先に蒸発し、沸点の高い貧溶媒が気泡として残ってしまい、それに伴ってフィルムが白化してしまうという新たな課題が生じることがわかった。
本発明者らが特許文献2に記載の方法を検討したところ、特許文献2の各実施例で得られたシクロオレフィンポリマーはTgが78℃程度であり、さらなる高Tgの樹脂を用いることができるか不明であるものであった。
本発明者らが特許文献3に記載の方法を検討したところ、特許文献3の実施例で用いられているCAPやCABなどのポリマーはメタノールとの親和性が高く、乾燥によってメタノールが析出しないため、そもそも白化が起こらないものであり、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂などに応用できるものではなかった。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、耐熱性に優れるフィルムを溶液製膜するときの流延後のフィルム全体の白化の抑制、気泡発生抑制および支持体からの剥離性改善を同時に達成することができるフィルムの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討したところ、溶液製膜するときに、剥離性改善のために特定のアルコールを特定の量比で溶媒としてさらに用い、かつ、特定の残留溶媒量となったドープ膜に対して、特許文献1で使用している塩化メチレンの沸点である40℃以上、かつ、用いるポリマーをフィルム化したときのガラス転移温度(Tg)を基準としてTg−70℃以上の温度にまで乾燥開始温度を高めることにより、後述のWetTg以上の温度となったフィルムが流動的になり、気泡が埋まって消失することで白化が抑制されると同時にアルコールによる剥離性改善効果も得られた結果、耐熱性に優れるフィルムを溶液製膜するときの流延後のフィルム全体の白化の抑制、気泡発生抑制および支持体からの剥離性改善を同時に達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するための具体的な手段は、以下のとおりである。
[1] シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂のいずれか1種と溶媒とを含有するドープを支持体上に溶液流延する工程と、
流延後のドープを40℃未満の雰囲気温度に維持して残留溶媒量を35〜65質量%に制御したドープ膜を形成する第1の乾燥工程と、
第1の乾燥工程後のドープ膜を残留溶媒量が35〜65質量%であるとき(但し、第1の乾燥工程後の残留溶媒量を超えない)にドープ膜を乾燥開始温度40℃以上かつTg−70℃を超える雰囲気温度で乾燥する第2の乾燥工程と、
第2の乾燥工程後のドープ膜を支持体から剥ぎ取ってフィルムを形成する工程を含み、
溶媒の1〜13質量%が平均炭素数1〜4のアルコールであり、
フィルムのTgが90℃以上であることを特徴とするフィルムの製造方法(但し、Tgは乾燥後のフィルムのガラス転移温度(単位:℃)を表す)。
[2] [1]に記載のフィルムの製造方法は、第2の乾燥工程中の乾燥開始温度が40℃以上かつTg−50℃以上、Tg−10℃以下であることが好ましい(但し、Tgは乾燥後のフィルムのガラス転移温度(単位:℃)を表す)。
[3] [1]または[2]に記載のフィルムの製造方法は、フィルムのTgが100〜290℃であることが好ましい(但し、Tgは乾燥後のフィルムのガラス転移温度(単位:℃)を表す)。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載のフィルムの製造方法は、溶媒の4〜10質量%が平均炭素数1〜4のアルコールであることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載のフィルムの製造方法は、溶媒に含まれるアルコールが平均炭素数1〜2のアルコールであることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載のフィルムの製造方法は、フィルムの膜厚が20〜60μmであることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載のフィルムの製造方法は、第2の乾燥工程直前の残留溶媒量が50〜65質量%であることが好ましい。
[8] [1]〜[6]のいずれかに記載のフィルムの製造方法は、前記ドープの1質量%以上が透湿度低減化合物であることが好ましい。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載のフィルムの製造方法で製造されたことを特徴とするフィルム。
本発明によれば、耐熱性に優れるフィルムを溶液製膜するときの流延後のフィルム全体の白化の抑制、気泡発生抑制および支持体からの剥離性改善を同時に達成することができるフィルムの製造方法を提供することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
[フィルムの製造方法]
本発明のフィルムの製造方法(以下、本発明の製造方法とも言う)は、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂のいずれか1種と溶媒とを含有するドープを支持体上に溶液流延する工程と、前記流延後のドープを40℃未満の雰囲気温度に維持して残留溶媒量を35〜65質量%に制御したドープ膜を形成する第1の乾燥工程と、前記第1の乾燥工程後の前記ドープ膜を残留溶媒量が35〜65質量%であるとき(但し、前記第1の乾燥工程後の残留溶媒量を超えない)に前記ドープ膜を乾燥開始温度40℃以上かつTg−70℃を超える雰囲気温度で乾燥する第2の乾燥工程と、前記第2の乾燥工程後の前記ドープ膜を前記支持体から剥ぎ取ってフィルムを形成する工程を含み、前記溶媒の1〜13質量%が平均炭素数1〜4のアルコールであり、前記フィルムのTgが90℃以上であることを特徴とする(但し、Tgは乾燥後のフィルムのガラス転移温度(単位:℃)を表す)。
このような構成のフィルムの製造方法により、耐熱性に優れるフィルムを溶液製膜するときの流延後のフィルム全体の白化の抑制、気泡発生抑制および支持体からの剥離性改善を同時に達成することができる。
ここで、特許文献1に記載の剥ぎ取り前の乾燥工程は、35℃の塩化メチレンの沸点以下である程度乾燥させた後、45〜75℃の第2乾燥を行っており、ポリマーの良溶媒である塩化メチレン(沸点40℃)が、貧溶媒であるメタノール(沸点65℃)より先に蒸発する方法であった。その結果、ドープ膜中のメタノール比率が上昇し、溶けきれなくなった貧溶媒がドープ膜中に析出すると推定される。そのまま乾燥が進行して貧溶媒が蒸発すると、貧溶媒が存在していた空間が3〜5μmほどの空洞として残り、フィルム全体が白化して見えるものであった。
それに対し、本発明の範囲まで乾燥温度を高めることにより白化および気泡発生の解消をすることができる。いかなる理論に拘泥するものでもないが、ドープ膜が溶媒によってWetな状態にあるとき、TgはDryな状態よりも低下していると考えられる(以下溶媒を含んだ状態のTgをWetTgと呼ぶ)。残留溶媒量が多いほどWetTgは低下するので、ドープ膜の乾燥とともにWetTgは上昇してゆく。乾燥温度をWetTg以下から開始すると、膜は形を保ったまま徐々に乾燥されるので、気泡が残ったままのフィルムとなる。これに対し、本発明では、40℃以上かつポリマーのWetTg以上の温度をかけることで、ドープ膜中のメタノール比率が上昇し、溶けきれなくなった貧溶媒がドープ膜中に析出したとしても、貧溶媒が蒸発したときにドープ膜が流動して気泡を埋めるため、白化が解消されると推定される。
以下、本発明の製造方法について説明する。
本発明のフィルムは、溶液製膜法(ソルベントキャスト法)により製造される。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアセテートフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号及び同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号及び同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号等の公報を参考にすることができる。また、本発明のフィルムは、延伸処理を施されることが好ましいが、本明細書中で規定される以外の延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号等の公報を参考にすることができる。
<ドープの調製>
ソルベントキャスト法では、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂のいずれか1種と溶媒とを含有するドープ(溶液)を用いてフィルムを製造することができる。
本発明の製造方法で用いられるドープは、ソルベントキャスト法では、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂のいずれか1種と、溶媒とを含むことを特徴とする。このようなドープを用いることにより、耐熱性の高いフィルムを得ることができる。
以下、本発明のフィルムに用いられるドープおよびドープ中に含まれる各成分について説明する。
(シクロオレフィン樹脂)
前記シクロオレフィン樹脂としては特に制限は無く、公知のシクロオレフィン樹脂を用いることができる。
〔分子内に環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基を有する化合物〕
分子内に環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基を有する化合物はバインダーとして機能する。また、環状脂肪族炭化水素基を有し、不飽和二重結合基を有する化合物は、硬化剤として機能することができ、塗膜の強度や耐擦傷性を向上させることが可能となると同時に低透湿性を付与することができる。
このような化合物を用いることによって、低透湿性と高い膜強度を実現できる。詳細は明らかではないが、分子内に環状脂肪族炭化水素基を有する化合物を用いることで、低透湿層に疎水的な環状脂肪族炭化水素基を導入し、疎水化することで、外部から分子の取り込みを防止し、透湿度を低下させる。また、分子内に不飽和二重結合基を有することで、架橋点密度を上げ、低透湿層中の水分子の拡散経路を制限する。架橋点密度を上げることは、環状脂肪族炭化水素基の密度を相対的に上昇させる効果も有り、低透湿層内をより疎水的にし、水分子の吸着を防止し、透湿度を低下させると考えられる。
架橋点密度を上げるために分子内に有する不飽和二重結合基の数は2以上であることがより好ましい。
環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数7以上の脂環式化合物から誘導される基であり、より好ましくは炭素数10以上の脂環式化合物から誘導される基であり、さらに好ましくは炭素数12以上の脂環式化合物から誘導される基である。
環状脂肪族炭化水素基としては、特に好ましくは、二環式、三環式等の、多環式化合物から誘導される基である。
より好ましくは、特開2006−215096号公報の特許請求の範囲記載の化合物の中心骨格、特開昭2001−10999号公報記載の化合物の中心骨格、あるいは、アダマンタン誘導体の骨格等が挙げられる。
環状脂肪族炭化水素基(連結基含む)としては、下記一般式(I)〜(V)のいずれかで表される基が好ましく、下記一般式(I)、(II)、又は(IV)で表される基がより好ましく、下記一般式(I)で表される基が更に好ましい。
Figure 2014177089
一般式(I)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、同時に二価とはならない。nは1〜3の整数を表す。
Figure 2014177089
一般式(II)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、同時に二価とはならない。nは1〜2の整数を表す。
Figure 2014177089
一般式(III)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、同時に二価とはならない。nは1〜2の整数を表す。
Figure 2014177089
一般式(IV)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、L’’は水素原子または二価以上の連結基を表す。
Figure 2014177089
一般式(V)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、同時に二価とはならない。
環状脂肪族炭化水素基としては具体的には、ノルボルニル、トリシクロデカニル、テトラシクロドデカニル、ペンタシクロペンタデカニル、アダマンチル、ジアマンタニル等が挙げられる。
不飽和二重結合基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の重合性官能基が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基及び−C(O)OCH=CH2が好ましい。特に好ましくは下記の1分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を用いることができる。
環状脂肪族炭化水素基を有し、かつ分子内に3個以上の不飽和二重結合基を有する化合物は、上記の環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合を有する基が連結基を介して結合することにより構成される。
連結基としては、単結合、炭素数1〜6の置換されていてもよいアルキレン基、N位が地置換されていてもよいアミド基、N位が置換されていてもよいカルバモイル基、エステル基、オキシカルボニル基、エーテル基等、及びこれらを組み合わせて得られる基が挙げられる。
これらの化合物は、例えば、上記環状脂肪族炭化水素基を有するジオール、トリオール等のポリオールと、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等を有する化合物のカルボン酸、カルボン酸誘導体、エポキシ誘導体、イソシアナート誘導体等との一段あるいは二段階の反応により容易に合成することができる。
好ましくは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルクロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの化合物や、WO2012/00316A号記載の化合物(例、1、1―ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート)を用いて、上記環状脂肪族炭化水素基を有するポリオールとの反応させることにより合成することができる。
以下環状脂肪族炭化水素基を有し不飽和二重結合基を有する化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2014177089
Figure 2014177089
〔その他のシクロオレフィンポリマー〕
本発明に用いることができるその他のシクロオレフィンポリマーの例には、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィンの重合体、(3)環状共役ジエンの重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及び(1)〜(4)の水素化物などがある。
本発明に好ましい前記シクロオレフィンポリマーは下記一般式(102)で表される繰り返し単位を少なくとも1種以上含む付加(共)重合体環状ポリオレフィン系樹脂及び必要に応じ、一般式(101)で表される繰り返し単位の少なくとも1種以上を更に含んでなる付加(共)重合体環状ポリオレフィン系樹脂である。また、一般式(103)で表される環状繰り返し単位を少なくとも1種含む開環(共)重合体も好適に使用することができる。
Figure 2014177089
Figure 2014177089
Figure 2014177089
式(101)〜(103)中、mは0〜4の整数を表す。R1〜R6は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基、X1〜X3、Y1〜Y3は水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(CH2nCOOR11、−(CH2nOCOR12、−(CH2nNCO、−(CH2nNO2、−(CH2nCN、−(CH2nCONR1314、−(CH2nNR1314、−(CH2nOZ、−(CH2nW、又はX1とY1あるいはX2とY2あるいはX3とY3から構成された(−CO)2O、(−CO)2NR15を示す。なお、R11,R12,R13,R14,R15は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、Zは炭化水素基又はハロゲンで置換された炭化水素基、WはSiR16 p3-p(R16は炭素数1〜10の炭化水素基、Dはハロゲン原子、−OCOR16又は−OR16、pは0〜3の整数を示す)、nは0〜10の整数を示す。
ノルボルネン系重合体水素化物は、特開平1−240517号、特開平7−196736号、特開昭60−26024号、特開昭62−19801号、特開2003−1159767号あるいは特開2004−309979号等に開示されているように、多環状不飽和化合物を付加重合あるいはメタセシス開環重合したのち水素添加することにより作られる。本発明に用いるノルボルネン系重合体において、R5〜R6は水素原子又は−CH3が好ましく、X3、及びY3は水素原子、Cl、−COOCH3が好ましく、その他の基は適宜選択される。このノルボルネン系樹脂は、JSR(株)からアートン(Arton)G(例えば、ARTON G7810など)あるいはアートンFという商品名で発売されており、また日本ゼオン(株)からゼオノア(Zeonor)ZF14、ZF16、ゼオネックス(Zeonex)250あるいはゼオネックス280という商品名で市販されており、これらを使用することができる。
ノルボルネン系付加(共)重合体は、特開平10−7732号、特表2002−504184号、米国公開特許2004229157A1号あるいはWO2004/070463A1号等に開示されている。ノルボルネン系多環状不飽和化合物同士を付加重合する事によって得られる。また、必要に応じ、ノルボルネン系多環状不飽和化合物と、エチレン、プロピレン、ブテン;ブタジエン、イソプレンのような共役ジエン;エチリデンノルボルネンのような非共役ジエン;アクリロニトリル、アクリル酸、メタアクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイミド、酢酸ビニル、塩化ビニルなどの線状ジエン化合物とを付加重合することもできる。このノルボルネン系付加(共)重合体は、三井化学(株)よりアペルの商品名で発売されており、ガラス転移温度(Tg)の異なる例えばAPL8008T(Tg70℃)、APL6013T(Tg125℃)あるいはAPL6015T(Tg145℃)などのグレードがある。ポリプラスチック(株)よりTOPAS8007、同6013、同6015などのペレットが発売されている。更に、Ferrania社よりAppear3000が発売されている。
本発明においては、環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)に制限はないが、例えば200〜400℃というような高いTgの環状ポリオレフィン系樹脂も用いることができる。
シクロオレフィン樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜2,000,000の範囲内、より好ましくは5,000〜1,000,000の範囲内、さらに好ましくは10,000〜500,000の範囲内、特に好ましくは50,000〜500,000の範囲内である。
前記シクロオレフィン樹脂としては、市販のものを用いてもよい。また、合成により入手してもよく、例えば特開2009−42782号公報や、特開2009−138129号公報を参考にしてシクロオレフィン樹脂を合成することができる。
(アクリル樹脂)
前記(メタ)アクリル酸系樹脂の繰り返し構造単位は、特に限定されない。前記(メタ)アクリル酸系樹脂は、繰り返し構造単位として(メタ)アクリル酸エステル単量体由来の繰り返し構造単位を有することが好ましい。
なお、(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル系樹脂とアクリル系樹脂の両方を含む概念である。また、(メタ)アクリル系樹脂には、アクリレート/メタクリレートの誘導体、特にアクリレートエステル/メタクリレートエステルの(共)重合体も含まれる。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸エステル;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、耐熱性、透明性が優れる点から、メタクリル酸メチルが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは10〜100重量%、更に好ましくは40〜100重量%、特に好ましくは50〜100重量%である。
アクリル樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜2,000,000の範囲内、より好ましくは5,000〜1,000,000の範囲内、さらに好ましくは10,000〜500,000の範囲内、特に好ましくは50,000〜500,000の範囲内である。
前記アクリル樹脂としては、市販のものを用いてもよい。また、合成により入手してもよく、例えば特開2011−202012号公報を参考にしてアクリル樹脂を合成することができる。
(アクリル−スチレン共重合体樹脂)
前記アクリル−スチレン共重合体樹脂は、繰り返し構造単位として、(メタ)アクリル酸由来の繰り返し単位と、下記一般式(201)で表される単量体から選ばれる少なくとも1種を重合して構築されるスチレン由来の繰り返し構造単位とを含む。
一般式(201)
CH2=C(X)R201
(式中、R201は水素原子又はメチル基を表し、Xは置換または無置換のフェニルを表す。)
前記一般式(201)で表される単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレンなどが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、スチレンが好ましい。
前記アクリル−スチレン共重合体樹脂に用いることができる(メタ)アクリル酸由来の繰り返し単位としては、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)がより好ましい。
アクリル−スチレン共重合体樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜2,000,000の範囲内、より好ましくは5,000〜1,000,000の範囲内、さらに好ましくは10,000〜500,000の範囲内、特に好ましくは50,000〜500,000の範囲内である。
前記アクリル−スチレン共重合体樹脂としては、市販のものを用いてもよく、新日鉄住金化学社 エスチレンMS−600などを用いることができる。
前記一般式(201)で表される単量体を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは1〜80質量%、より好ましくは1〜60質量%、特に好ましくは1〜40質量%である。
前記単量体成分は重合した後にラクトン環を形成していてもよい。その場合、単量体成分を重合して分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体を得ることが好ましい。
前記単量体成分を重合して分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体を得るための重合反応の形態としては、溶剤を用いた重合形態であることが好ましく、溶液重合が特に好ましい。
たとえば、下記の公報に記載の環状構造を導入したものも好ましい、特開2007−316366号公報、特開2005−189623号公報、WO2007/032304号公報、WO2006/025445号公報に記載のラクトン環構造である。
溶剤を用いた重合形態の場合、重合溶剤は特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;などが挙げられ、これらの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の製造方法では、(メタ)アクリル系樹脂を有機溶媒に溶解させて溶液流延を行って形成するため、(メタ)アクリル系樹脂の合成時における有機溶媒は、溶融製膜を行う場合よりも限定されず、沸点が高い有機溶媒を用いて合成してもよい。
重合反応時には、必要に応じて、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物;2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや反応条件などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。
重合開始剤の量の調整により、重合体の重量平均分子量を調整することができる。
重合を行う際には、反応液のゲル化を抑止するために、重合反応混合物中の生成した重合体の濃度が50重量%以下となるように制御することが好ましい。具体的には、重合反応混合物中の生成した重合体の濃度が50重量%を超える場合には、重合溶剤を重合反応混合物に適宜添加して50重量%以下となるように制御することが好ましい。重合反応混合物中の生成した重合体の濃度は、より好ましくは45重量%以下、更に好ましくは40重量%以下である。
重合溶剤を重合反応混合物に適宜添加する形態としては、特に限定されず、連続的に重合溶剤を添加してもよいし、間欠的に重合溶剤を添加してもよい。このように重合反応混合物中の生成した重合体の濃度を制御することによって、反応液のゲル化をより十分に抑止することができる。添加する重合溶剤としては、重合反応の初期仕込み時に用いた溶剤と同じ種類の溶剤であってもよいし、異なる種類の溶剤であってもよいが、重合反応の初期仕込み時に用いた溶剤と同じ種類の溶剤を用いることが好ましい。また、添加する重合溶剤は、1種のみの溶剤であってもよいし、2種以上の混合溶剤であってもよい。
本発明に用いられるドープにおいて、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂の量は、得られるドープ中に10〜40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースアセテートの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。
(溶媒)
本発明に用いられる溶媒は、溶媒の1〜13質量%が平均炭素数1〜4のアルコールである。
前記溶媒として、さらにハロゲン化炭化水素を含むことが好ましく、塩化メチレンを含むことがより好ましい。前記溶媒は、塩化メチレン以外に、他のハロゲン化炭化水素も用いてもよい。これらの塩化メチレンまたは他のハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることがさらに好ましく、40〜60モル%であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素の例として、塩化メチレン、クロロホルム、塩化メチル、四塩化炭素、トリクロル酢酸、臭化メチル、ウ化メチル、トリ(テトラ)クロロエチレン等が挙げられる。
本発明ではさらに、前記溶媒が貧溶媒であるアルコールを含み、かつ溶媒の1〜13質量%が平均炭素数1〜4のアルコールである。
さらに、貧溶媒の沸点は、120℃以下であることが好ましく、40〜100℃であることがより好ましい。沸点を120℃以下とすることにより、溶媒の乾燥速度をより早くすることができ好ましい。
このような平均炭素数1〜4のアルコールとしては、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール)が好ましい例として挙げられる。その中でも本発明の製造方法では、第1級アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール)を用いることがより好ましく、メタノールが剥離性の観点から最も好ましい。
また、ドープ中に含まれるアルコール平均炭素数が1〜4である限り、前記アルコールを2種以上混合して用いてもよい。さらに、平均炭素数が1〜4である限り、当然炭素数5以上のアルコールを用いてもよい。具体的には、炭素数2のアルコールであるエタノールと炭素数1のメタノールと、エタノール/メタノール=1/1(質量比)以上で混合した溶媒を用いることができる。
前記ドープ中に溶媒として含まれるアルコールの平均炭素数は、1〜4であり、1〜2.5であることがより好ましく、1〜2であることが特に好ましい。
また、前記ドープ中に溶媒として含まれる前記平均炭素数1〜4のアルコールの含有量は、前記溶媒の1〜13質量%であり、4〜10質量%であることが好ましく、6〜8質量%であることが特に好ましい。前記ドープ中に溶媒として含まれる前記平均炭素数1〜4のアルコールの含有量が1質量%以上であると剥離性を改善でき、4質量以上であるとより剥離性を改善することができ、6質量%以上であるとさらに剥離性を改善することができる。前記ドープ中に溶媒として含まれる前記平均炭素数1〜4のアルコールの含有量が13質量%以下であると気泡発生および白化を抑制でき、8質量%以下であるとよりアルコールに起因する気泡発生を抑制し、白化を抑制することができる。
(添加剤)
本発明のフィルム中には、添加剤として、透湿度低減化合物;剥離促進剤;Rth制御剤(非リン酸エステル系の化合物を含む);無機微粒子(マット剤);フタル酸エステル、リン酸エステル系の化合物などの可塑剤;Re発現剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤などの添加剤を加えることもできる。剥離促進剤、Rth制御剤、無機微粒子、可塑剤、Re発現剤としては、特開2011−183584号公報に記載のものを用いることができる。
本発明のフィルムの製造方法では、前記ドープに透湿度低減化合物を用いることが好ましい。前記ドープ中、前記透湿度低減化合物は、前記シクロオレフィン樹脂、前記アクリル樹脂または前記アクリル−スチレン共重合体樹脂に対して、1質量%以上添加することが好ましい。性能上の上限は特に設けないが、フィルム製造上の観点から前記透湿度低減化合物は、前記シクロオレフィン樹脂、前記アクリル樹脂または前記アクリル−スチレン共重合体樹脂に対して、150質量%以下が好ましい。
上記の透湿度低減化合物は、芳香族環を1つ以上含む構造であってもよい。芳香族環によって、疎水的な性質をフィルムに付与でき、水分の透過、脱着を抑制できる。
前記透湿度低減化合物は、芳香族環を3つ以上含む構造であることがより好ましい。
また、前記透湿度低減化合物は、−OH基を1つ以上含むことが好ましく、芳香族環を3つ以上含み、かつ−OH基を1つ以上含むことがより好ましい。
さらにこれらの各透湿度低減化合物の中でも芳香族環を1つ以上含む構造であることが好ましく、芳香族環を3つ以上含む構造であることより好ましい。
本発明の光学フィルムが含む透湿度低減化合物として、下記一般式(B)で表される化合物を好ましく用いることができる。
一般式(B)
Figure 2014177089
一般式(B)中、R12、R13、R14、R15、R16、R21、R23、R24、R25、R32、R33、R34、R35、R36は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、置換基としては後述の置換基Tが適用できる。さらに、一般式(B)中のR12、R13、R14、R15、R16、R21、R23、R24、R25、R32、R33、R34、R35およびR36のうち少なくとも1つはアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基である。
置換基Tとしては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)などが挙げられる。中でも、より好ましくはアルキル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基であり、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基である。
これらの置換基は更に置換基Tで置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
また、一般式(B)中、R12、R13、R14、R15、R16、R21、R23、R24、R25、R32、R33、R34、R35、R36のうち少なくとも1つはアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基であり、より好ましくはアミノ基、ヒドロキシ基であり、特に好ましくはヒドロキシ基である。また、これらの基は置換基によって置換されていてもよい。この場合の置換基として、上述の置換基Tが適用でき、好ましい範囲も同様である。
以下に本発明の一般式(B)で表される化合物の好ましい例を下記に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2014177089
Figure 2014177089
前記透湿度低減化合物として、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂、クマロン樹脂、ホルムアルデヒドを原料とする樹脂(フェノールホルムアルデヒド樹脂およびその誘導体などのフェノール系樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂およびその誘導体など)、並びにそれらの水素化物も好ましく使用できる。
フェノール系樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂としては、一般にフェノールとホルムアルデヒド(ホルマリン)とをシュウ酸などの酸性触媒下で反応し得られる通常のノボラック型フェノール樹脂である。該フェノールの原料として、特に制限はなく、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノールなど及びそれらの混合物が使用できる。前記フェノールの原料としては、p−クレゾールが好ましい。
また、ホルムアルデヒドの原料としては、ホルマリン、パラホルム、アセタールなど及びそれらの混合物が使用できる。
芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂としては、一般に芳香族炭化水素とホルムアルデヒド(ホルマリン)を反応し得られる通常の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂が使用できる。該芳香族炭化水素の原料として、特に制限はなく、例えば、トルエン、キシレンの3異性体、メシチレン、炭素数が10以上の単環芳香族炭化水素化合物など及びそれらの混合物が使用できる。前記芳香族炭化水素の中でも、キシレンであることが好ましく、m−キシレンであることがより好ましい。
また、ホルムアルデヒドの原料としては、ホルマリン、パラホルム、アセタールなど及びそれらの混合物が使用できる。
テルペン樹脂は、水添テルペン樹脂であることが好ましい。
前記透湿度低減化合物としては、バルビツール酸類も用いることができる。
(ドープの製造)
本発明の製造方法では、一般的な方法で前記ドープを調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて実施することができる。ドープは、常温(0〜40℃)で前記シクロオレフィン樹脂、前記アクリル樹脂および前記アクリル−スチレン共重合体樹脂のいずれかと前記溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂と溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器(タンク等)に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶媒中に溶解することが好ましい。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却することが好ましい。
ドープ中に含まれる固形分濃度は、15%〜25%に制御することが乾燥後のフィルム面状の観点から好ましく、16%〜23%に制御することがより好ましく、17%〜22%に制御することが特に好ましい。
<製膜工程>
本発明の製造方法は、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂のいずれか1種と溶媒とを含有するドープを支持体上に溶液流延する工程を含む。
以下、本発明の製造方法における前記製膜工程について好ましい態様を説明する。
シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂を用いてフィルムを製造する方法における製膜工程に用いられる設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供するのと同様の溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。本発明の製造方法では、例えば、特開2004−359379号公報に記載の製造装置を好ましく用いることができる。
ソルベントキャスト法における流延および後述の乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
さらに特開2000−301555号、特開2000−301558号、特開平7−032391号、特開平3−193316号、特開平5−086212号、特開昭62−037113号、特開平2−276607号、特開昭55−014201号、特開平2−111511号、および特開平2−208650号の各公報に記載のセルロースアシレート製膜技術を本発明では応用できる。
以下、より具体的に、前記製膜工程について、好ましい態様を説明する。
流延工程では、ダイから押し出す方法、ドクターブレードによる方法、リバースロールコータによる方法等が用いられる。工業的には、ダイからドープをベルト状もしくはドラム状の支持基板に連続的に押し出す方法が最も一般的である。用いられる支持基板としてはガラス基板、ステンレスやフェロタイプ等の金属基板、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック基板などがある。支持基板の材質、表面状態も流延フィルムの剥離性に大きな影響を与えることは言うまでもない。例えば表面張力の極めて低いテフロン(登録商標)等でコーティングされた基板では、剥離性は良好である。しかしながら高度に表面性、光学均質性の優れたフィルムを工業的に連続製膜するには、ガラス基板や表面を鏡面仕上げした金属基板が最も一般的に用いられており、本発明はそのようなガラス基板や金属基板でも効果が認められるものである。
前記金属基板としては特に制限は無く、公知の移動する帯状の支持体などを挙げることができる。
前記移動する帯状の支持体は、特に制限はないが、バンド状またはベルト上であることが好ましく、無端のバンドまたはベルトであることがより好ましい。このような無端の支持体を用いることで、エンドレスにドープを移動させることができる。さらに、前記帯状の支持体は、どのような態様で移動していてもよいが、2以上のロール(ドラム)間に掛け渡された無端ベルトであることが特に好ましい。
また、前記帯状の支持体の材質については特に制限はないが、金属製であることが好ましく、SUS製(例えば、SUS 316)であることがより好ましい。
前記帯状の支持体の比熱は、0.1〜1.0J/(m3・K)であることが好ましい。
前記帯状の支持体の幅は1〜3mであることが好ましく、1.5〜3mであることがより好ましく、約2mであることが特に好ましい。なお、ここでいう約2mとは、2m±30cmの範囲を言う。
前記帯状の支持体の長さ(いわゆるバンド長)は、80〜100mであることが好ましい。
前記帯状の支持体の表面粗さ(Ra値)は、0.01μm以下であることが好ましい。また、前記帯状の支持体の表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。なお、鏡面仕上げとは、研磨を繰り返して、バンド表面を平滑にすることを言う。さらに、前記バンド表面は、幅方向でのより高い厚み精度を有する、いわゆる超鏡面に仕上げられていることがより好ましい。
前記帯状の支持体の厚みは1.5〜2mmであることが好ましい。
流延時のドープ温度は10〜40℃、好ましくは15〜35℃の範囲で行われる。平滑性の優れたフィルムを得るためにはダイから押し出された溶液が支持体上で流延・平滑化する必要がある。この際流延温度が高すぎると、平滑になる前に表面の乾燥・固化が起きるため好ましくない。また温度が低すぎると、流延溶液が冷却されて粘度が上昇し、平滑性が得られにくいばかりか結露するために好ましくない。
流延工程から乾燥工程に移る前に、ある程度の時間乾燥を抑制しドープの流動性を確保することにより、フィルムの表面性を高度に平滑化(レベリング効果)することが可能である。
<第1の乾燥工程、第2の乾燥工程>
本発明の製造方法は、流延後のドープを40℃未満の雰囲気温度に維持して残留溶媒量を35〜65質量%に制御したドープ膜を形成する第1の乾燥工程と、第1の乾燥工程後のドープ膜を残留溶媒量が35〜65質量%であるとき(但し、第1の乾燥工程後の残留溶媒量を超えない)にドープ膜を乾燥開始温度40℃以上かつTg−70℃を超える雰囲気温度で乾燥する第2の乾燥工程を含む。このような第1の乾燥工程、第2の乾燥工程により、フィルムの白化の抑制、気泡発生抑制を同時に達成することができる。
なお、残留溶媒量は下記の式で表せる。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMを測定したウェブを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
第1の乾燥工程、第2の乾燥工程のような剥ぎ取り前乾燥工程においては、できるだけ短時間に支持体上に流延されたドープから大部分の溶媒を蒸発除去する必要がある。しかしながら、急激な蒸発が起こると発泡による変形を受けるために、乾燥条件は慎重に選択すべきである。
第1の乾燥工程においては、使用する溶媒の中で最も低い溶媒(好ましくは塩化メチレン)の沸点、好適にはその溶媒(好ましくは塩化メチレン)の沸点−5℃を上限とする範囲から乾燥を開始するのがよい。
前記第1の乾燥工程において、残留溶媒量を35〜65質量%に制御する方法としては、例えば、特公平5−17844号公報に記載があり、前記ドープを前記支持体上に流延してから2秒以上風に当てて乾燥する方法などを挙げることができる。また、前記支持体の表面温度を、第2の乾燥工程の乾燥開始まで、40℃未満の雰囲気温度に維持する方法などを挙げることができる。40℃未満の雰囲気温度に維持する方法は、10℃〜40℃の雰囲気温度に維持する方法がより好ましく、15〜35℃の雰囲気温度に維持する方法が特に好ましい。
また、前記第1の乾燥工程において、このような雰囲気温度において残留溶媒量を35〜65質量%に制御する方法としては、第1の乾燥工程の乾燥時間に応じて制御することができる。
前記第2の乾燥工程を開始するときの第2の乾燥工程直前のドープ膜中の残留溶媒量は35〜65質量%(但し、第1の乾燥工程後の残留溶媒量を超えない)であり、50〜65質量%であることがより好ましく、55〜65質量%であることがより特に好ましい。
第2の乾燥工程直前のドープ膜中の残留溶媒量が35質量%以上であることが白化を抑制し、気泡発生を抑制する観点から好ましく、50質量%以上であることが白化を抑制し、気泡発生をより抑制する観点からより好ましい。また、第2の乾燥工程直前のドープ膜中の残留溶媒量が50質量%以上であることが、本発明のフィルムの膜厚を20μm程度まで薄膜化して場合も白化を十分に抑制できる観点から好ましい。
一方、第2の乾燥工程直前のドープ膜中の残留溶媒量が65質量%以下であることが、白化を抑制する観点から好ましい。
前記第2の乾燥工程は乾燥開始温度40℃以上かつTg−70℃を超える雰囲気温度であり、40℃以上かつTg−50℃以上、Tg−10℃以下であることが白化を抑制する観点からより好ましく、40℃以上かつTg−40℃以上、Tg−20℃以下であることが白化を抑制し、さらに気泡発生をより抑制する観点から特に好ましい。
<剥離工程>
本発明の製造方法は、第2の乾燥工程後のドープ膜を支持体から剥ぎ取ってフィルムを形成する工程を含む。
本発明の製造方法では、前記ドープが前記支持体の上に均一に流延されたあと、特定の条件に制御しつつ、前記ドープ膜を前記支持体から剥ぎ取ることが好ましい。本発明の製造方法では、前記ドープを剥ぎ取る領域(以下、剥離点とも言う)については特に制限はない。このように支持体上で溶媒を蒸発させてから、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を支持体から剥離することが、剥離性を改善する観点から好ましい。
剥離工程直前のドープ膜中の残留溶媒量は20質量%未満であることが好ましく、20〜10質量%であることがより好ましい。
<剥ぎ取り後乾燥工程>
前記フィルムの製造方法では、前記剥離工程後にさらにフィルムを乾燥させる剥ぎ取り後乾燥工程を含むことが好ましい。なお、剥ぎ取り後乾燥工程後は、そのままフィルムとして用いてもよいし、公知の方法で延伸工程を行ってもよく、公知の方法で巻き取り工程などを行ってもよい。これらの工程については、特開2011−183584号公報に記載がある。
剥ぎ取り後乾燥工程においては、支持体より剥離したフィルムをさらに乾燥し、残留溶媒量を好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下にする。
前記支持体が帯状の移動する支持体である場合は、前記帯状の支持体が1周する直前の剥離位置で剥離されたウェブは、千鳥状に配置されたロ−ル群に交互に通して搬送する方法や剥離されたウェブの両端をクリップ等で把持させて非接触的に搬送する方法などにより搬送される。乾燥は、搬送中のウェブ(フィルム)両面に所定の温度の風を当てる方法やマイクロウエ−ブなどの加熱手段などを用いる方法によって行われる。急速な乾燥は、形成されるフィルムの平面性を損なう恐れがあるので、乾燥の初期段階では、溶媒が発泡しない程度の温度で乾燥し、乾燥が進んでから高温で乾燥を行うのが好ましい。支持体から剥離した後の剥ぎ取り後乾燥工程では、溶媒の蒸発によってフィルムは長手方向あるいは幅方向に収縮しようとする。収縮は、高温度で乾燥するほど大きくなる。この収縮を可能な限り抑制しながら乾燥することが、でき上がったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。この点から、例えば、特開昭62−46625号公報に示されているように、乾燥の全工程あるいは一部の工程を幅方向にクリップあるいはピンでウェブの幅両端を幅保持しつつ行う方法(テンタ−方式)が好ましい。上記乾燥工程における乾燥温度は、100〜145℃であることが好ましい。使用する溶媒によって乾燥温度、乾燥風量および乾燥時間が異なるが、使用溶媒の種類、組合せに応じて適宜選べばよい。逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶媒を蒸発させることもできる。
[フィルム]
本発明のフィルムは、本発明のフィルムの製造方法で製造されたことを特徴とする
(膜厚)
本発明のフィルムの厚さは、適宜定めることができるが、好ましくは20〜60μmであり、より好ましくは20〜50μmであり、特に好ましくは20〜40μmである。フィルムの厚さを60μm以下とすることにより、コストを下げることができ好ましい。
フィルム厚さの調整は、所望の厚さになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイの口金のスリット間隙、ダイからの押し出し圧力、金属支持体速度等を調節すればよい。
(Tg)
本発明のフィルムはTgが90℃以上であり、100℃以上であることが好ましく、100〜290℃であることがより好ましく、140〜170℃であることが特に好ましい(Tgは乾燥後のフィルムのガラス転移温度(単位:℃)を表す)。
フィルムのガラス転移温度の測定は、乾燥後のフィルム試料24mm×36mmを、25℃、相対湿度60%で2時間以上調湿した後に動的粘弾性測定装置(バイブロン:DVA−225(アイティー計測制御株式会社製))で、つかみ間距離20mm、昇温速度5℃/分、測定温度範囲30℃〜350℃、周波数1Hzで測定した貯蔵弾性率をもとに、縦軸に対数軸で貯蔵弾性率、横軸に線形軸で温度をとり、JIS K7121−1987の図3に記載の方法によりガラス転移温度Tgを求める。
(偏光板)
本発明のフィルムは、偏光板用保護フィルムに好適である。偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に保護フィルムを貼り合わせ積層することによって形成される。偏光子は従来から公知のものを用いることができ、例えば、ポリビニルアルコールフィルムの如き親水性ポリマーフィルムを、沃素のような二色性染料で処理して延伸したものである。フィルムと偏光子との貼り合わせは、特に限定はないが、水溶性ポリマーの水溶液からなる接着剤により行うことができる。この水溶性ポリマー接着剤は完全鹸化型のポリビニルアルコ−ル水溶液が好ましく用いられる。
本発明のフィルムは、偏光板用保護フィルム/偏光子/偏光板用保護フィルム/液晶セル/本発明のフィルム/偏光子/偏光板用保護フィルムの構成、もしくは偏光板用保護フィルム/偏光子/本発明のフィルム/液晶セル/本発明の偏光板用保護フィルム/偏光子/偏光板用保護フィルムの構成で好ましく用いることができる。特に、TN型、VA型、OCB型などの液晶セルに貼り合わせて用いることによって、視野角に優れ、着色が少ない視認性に優れた表示装置を提供することができる。また、本発明のフィルムを用いた偏光板は高温高湿条件下での劣化が少なく、長期間安定した性能を維持することができる。
偏光板の態様は、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用とするためには、上記した通り、偏光板の幅は1470mm以上とすることが好ましい。
偏光板の具体的な構成については、特に制限はなく公知の構成を採用できるが、例えば、特開2008−262161号公報の図6に記載の構成を採用することができる。
(液晶表示装置)
本発明のフィルムは、偏光板を有する液晶表示装置に応用することができる。
液晶表示装置は液晶セルと該液晶セルの両側に配置された一対の偏光板を有する液晶表示装置であって、前記偏光板の少なくとも一方が本発明のフィルムを有する偏光板であることを特徴とするIPS、OCBまたはVAモードの液晶表示装置であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置の具体的な構成としては特に制限はなく公知の構成を採用できる。また、特開2008−262161号公報の図2に記載の構成も好ましく採用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[合成例1]
特開2009−42782号公報を参考に、8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン210部と、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン40部と、1−ヘキセン18部と、トルエン750部とを窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.62部と、t−ブタノール及びメタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環共重合反応させて開環共重合体溶液を得た。
このようにして得られた開環共重合体溶液4000部をオートクレーブに仕込み、この開環共重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C65330.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体をシクロオレフィン1とした。
[合成例2]
特開2009−138129号公報を参考に、1Lのステンレス製反応器に窒素雰囲気下で脱水したトルエンを600g、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.344mol)の乾燥トルエン溶液を49.7ml、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを14g(0.095mol)、4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13.6.02.7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル(0.126mol)の乾燥トルエン溶液を43.1ml仕込み、撹拌しながらエチレンをゲージ圧が0.012MPaとなるまで導入した。容器内を50℃に昇温し、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)(5.01×10-3mmol)のトルエン溶液、及びトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(5.01×10-3mmol)のトルエン溶液を加えて50℃で付加共重合を行った。単量体の総量に対する重合体への転化率が35%に到達した時点で、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.215mol)の乾燥トルエン溶液を31.1ml添加し、同様に転化率が45%に到達した時点で、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを14g(0.095mol)添加し、同様に転化率が60%に到達した時点で、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.183mol)の乾燥トルエン溶液を26.4ml添加し、同様に転化率が80%に到達した時点で、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.094mol)の乾燥トルエン溶液を13.5ml添加し、同様に転化率が90%に到達した時点で、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.064mol)の乾燥トルエン溶液を9.3ml添加し、同様に転化率が95%に到達した時点で、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.048mol)の乾燥トルエン溶液を7.0ml添加し、付加共重合反応を計7時間行った。反応終了後、未反応の単量体を定量し、添加率を求めたところ、転化率は99%であった。トルエンで希釈した反応溶液を4Lのイソプロピルアルコールで凝固し、ついで真空下95℃で20時間乾燥して146gの水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体をシクロオレフィン2とした。
[合成例3]
特開2011−202012号公報を参考に、トルエン100質量部、1−アダマンチルメタクリレート100質量部、および連鎖移動剤としてチオグリコール3質量部を4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を投入し、70℃で2時間反応させ、続いて80℃で2時間反応させた。その後、反応液を130℃の温度雰囲気下に投入し、トルエン、連鎖移動剤、および未反応モノマーを乾燥除去させ、アクリル系重合体を得た。得られたアクリル系重合体をアクリル3とした。
[実施例1]
メタノールを8質量%含む塩化メチレンに、JSR社ARTON G7810(下記表中ではアートン)を25℃で撹拌しながら溶解して、濃度20質量%の透明なドープを得た。このドープをアプリケーターを用いてガラス基板上に流延し、25℃の雰囲気温度で1分間乾燥させた。このフィルムの一部を切り取り、残留溶媒量を測定したところ、50質量%だった。25℃で乾燥後、乾燥開始温度130℃の乾燥ゾーンで6分間乾燥した。フィルムを基板から剥離し、剥離したフィルムを140℃で30分間乾燥させ、実施例1の合成ポリマーフィルムを得た。製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例2]
25℃の雰囲気温度で乾燥させた後に110℃で6分間乾燥させた以外は、実施例1と同様に作成し、実施例2の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例3]
25℃の雰囲気温度で乾燥させた後に150℃で6分間乾燥させた以外は、実施例1と同様に作成し、実施例3の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例4]
メタノールを2質量%含む塩化メチレンを溶剤として使用した以外は、実施例1と同様に作成し、実施例4の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例5]
メタノールを4質量%含む塩化メチレンを溶剤として使用した以外は、実施例1と同様に作成し、実施例5の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例6]
メタノールを6質量%含む塩化メチレンを溶剤として使用した以外は、実施例1と同様に作成し、実施例6の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例7]
メタノールを10質量%含む塩化メチレンを溶剤として使用した以外は、実施例1と同様に作成し、実施例7の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例8]
メタノールを13質量%含む塩化メチレンを溶剤として使用した以外は、実施例1と同様に作成し、実施例8の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例9]
アートンの代わりに合成例1で得た水素添加重合体(シクロオレフィン1)を用いて、25℃の雰囲気温度で1分間乾燥させた後に、乾燥開始温度280℃の乾燥ゾーンで6分間乾燥させた以外は、実施例1と同様に作成し、実施例9の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例10]
実施例1のドープの代わりに合成例2で得た水素添加重合体(シクロオレフィン2)を、エタノールを8質量%含む塩化メチレンに溶解させたドープを流延し、25℃の雰囲気温度で1分間乾燥させた後に、乾燥開始温度80℃の乾燥ゾーンで6分間乾燥させた以外は、実施例1と同様に作成し、実施例10の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例11]
メタノールを8質量%含む塩化メチレンに、JSR社ARTON G7810と、2,6−ジフェニルフェノール(下記表1中では、添加剤1)をARTON G7810に対して30質量%加えた後、25℃で撹拌しながら溶解して、濃度20質量%の透明なドープを得た。このドープをアプリケーターを用いてガラス基板上に流延し、25℃の雰囲気温度で1分間乾燥させ、乾燥開始温度40℃の乾燥ゾーンで6分間乾燥した。フィルムを基板から剥離し、剥離したフィルムを120℃で30分間乾燥させ、実施例11の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例12]
メタノールを13質量%含む塩化メチレンに、合成例3で得たアクリル系重合体(アクリル3)を25℃で撹拌しながら溶解して、濃度16質量%の透明なドープを得た。このドープをアプリケーターを用いてガラス基板上に流延し、25℃の雰囲気温度で1分間乾燥させ、乾燥開始温度110℃の乾燥ゾーンで6分間乾燥した。フィルムを基板から剥離し、剥離したフィルムを120℃で30分間乾燥させ、実施例12の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例13]
メタノールを8質量%含む塩化メチレンに、メタクリル酸メチル−スチレン(60:40)共重合体(新日鉄住金化学社 エスチレンMS−600、下記表中ではアクリル−スチレン)を25℃で撹拌しながら溶解して、濃度20質量%の透明なドープを得た。このドープをアプリケーターを用いてガラス基板上に流延し、25℃の雰囲気温度で1分間乾燥させ、乾燥開始温度70℃の乾燥ゾーンで6分間乾燥した。フィルムを基板から剥離し、剥離したフィルムを120℃で30分間乾燥させ、実施例13の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[比較例1]
塩化メチレンに、JSR社ARTON G7810を25℃で撹拌しながら溶解して、濃度20質量%の透明なドープを得た。このドープをアプリケーターを用いてガラス基板上に流延し、25℃の雰囲気温度で1分間乾燥させ、乾燥開始温度110℃の乾燥ゾーンで6分間乾燥した。フィルムを基板から剥離し、剥離したフィルムを120℃で30分間乾燥させ、比較例1の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[比較例2]
25℃の雰囲気温度で1分間乾燥させた後に、乾燥開始温度95℃の乾燥ゾーンで6分間乾燥させた以外は、実施例1と同様に作成し、比較例2の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[比較例3]
メタノールを20質量%含む塩化メチレンにJSR社ARTON G7810を溶解させたところドープが白化し、溶け残りが生じたため製膜を行わなかった。
[比較例4]
25℃の雰囲気温度で1分間乾燥させた後に、乾燥開始温度40℃の乾燥ゾーンで6分間乾燥させた以外は、実施例9と同様に作成し、比較例4の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[比較例5]
25℃の雰囲気温度で1分間乾燥させた後に、乾燥開始温度40℃の乾燥ゾーンで6分間乾燥させた以外は、実施例12と同様に作成し、比較例5の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[比較例6]
25℃の雰囲気温度で1分間乾燥させた後に、乾燥開始温度30℃の乾燥ゾーンで6分間乾燥させた以外は、実施例13と同様に作成し、比較例6の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
以上の実施例1〜13および比較例1〜6で用いたドープの組成および製造条件を下記表1にまとめた。
[実施例14]
膜厚設定を実施例1の半分にした以外は、実施例1と同様に作成し、実施例14の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は20μmだった。
[実施例15]
膜厚設定を実施例1の1.5倍にした以外は、実施例1と同様に作成し、実施例15の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は50%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は60μmだった。
[実施例16]
25℃での乾燥時間を1分間から45秒間へと短くした以外は、実施例1と同様に作成し、実施例16の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は65%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[実施例17]
25℃での乾燥時間を1分間から2分間へと長くした以外は、実施例1と同様に作成し、実施例17の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は35%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[比較例7]
25℃での乾燥時間を1分間から30秒間へと実施例16よりもさらに短くした以外は、実施例1と同様に作成し、比較例7の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は80%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
[比較例8]
25℃での乾燥時間を1分間から5分間へと実施例17よりもさらに長くした以外は、実施例1と同様に作成し、比較例8の合成ポリマーフィルムを得た。25℃の雰囲気温度で乾燥後のフィルムの残留溶媒量は25%であり、製造されたフィルムの残留溶媒量は0.0%であり、膜厚は40μmだった。
以上の実施例14〜17および比較例7、8で用いたドープの組成および製造条件を、実施例1とあわせて下記表2にまとめた。
[評価]
(合成ポリマーフィルムのガラス転移温度)
ガラス転移温度の測定は、以下の方法により測定した。各実施例および比較例の合成ポリマーフィルム試料24mm×36mmを、25℃、相対湿度60%で2時間以上調湿した後に動的粘弾性測定装置(バイブロン:DVA−225(アイティー計測制御株式会社製))で、つかみ間距離20mm、昇温速度5℃/分、測定温度範囲30℃〜350℃、周波数1Hzで貯蔵弾性率を測定した。縦軸に対数軸で貯蔵弾性率、横軸に線形軸で温度をとり、JIS K7121−1987の図3に記載の方法によりガラス転移温度Tgを求めた。
(合成ポリマーフィルムの白化)
合成ポリマーフィルムの白化は、以下の方法により評価する。
合成ポリマーフィルムの表面を目視で観察し、次の3段階で評価した。A評価であることが、実用上求められる。
A:透明
B:発泡し、面状悪い
C:白色
(合成ポリマーフィルム中の気泡)
気泡は以下の方法により評価する。
合成ポリマーフィルムを厚み方向に垂直に切削し、断面を光学顕微鏡(倍率50倍)、断面画像を幅方向150μmに渡り観察し、気泡の状態を3段階で評価した。AまたはB評価であることが、実用上求められる。
A:気泡なし
B:気泡が潰れた跡が存在する
C:長さ1μm以上の気泡が存在する
(合成ポリマーフィルムの支持体からの剥離)
支持体からの剥離は、以下の方法により測定した。
合成ポリマーフィルムを支持体から手で剥離し、次の5段階で評価した。A〜C評価であることが、実用上求められる。
A:剥離非常に軽い
B:剥離軽い
C:剥離やや重い
D:剥離重い
E:剥離非常に重い
(合成ポリマーフィルム中の残留溶媒量)
フィルム中の残留溶媒量は次式で表される。
残留溶媒量=残存揮発分質量/加熱処理後フィルム質量×100%
なお残存揮発分質量はフィルムを120℃で2時間加熱処理したとき、加熱処理前のフィルム質量から加熱処理後のフィルム質量を引いた値である。
Figure 2014177089
Figure 2014177089
以上の表1および表2の各実施例より、塩化メチレンを用いて溶液製膜するときに、剥離性改善のために特定のアルコールを特定の量比で溶媒としてさらに用い、かつ、特定の残留溶媒量となったドープ膜に対して乾燥開始温度を高めて塩化メチレンがアルコールよりも先に蒸発しないようにすることにより、耐熱性に優れるフィルムを溶液製膜するときの流延後のフィルム全体の白化の抑制、気泡発生抑制および支持体からの剥離性改善を同時に達成することができることがわかった。
一方、比較例1より、ドープにアルコール添加をしないと、支持体からの剥離性が非常に悪いことがわかった。
比較例2、4〜6より、第2の乾燥工程で乾燥開始温度が本発明の下限値を下回る条件で乾燥すると、ドープ膜の流動性が不足し(溶剤含有時のドープ膜のTgに届かず)、白化することがわかった。
比較例3より、塩化メチレンに対するアルコール添加量が本発明の上限値を上回ると、アクリル樹脂などのポリマーが溶解せず製膜不可であることがわかった。
比較例7より、第2の乾燥工程で乾燥開始時の残留溶媒量が本発明の上限値を上回ると、白化は解消されたが、発泡してしまうことがわかった。
比較例8より、第2の乾燥工程で乾燥開始時の残留溶媒量が本発明の下限値を下回ると、ドープ膜の流動性が不足し(残留溶媒量に応じて低下すると予想される溶剤含有時のドープ膜のTgが、第2の乾燥工程の乾燥温度よりも高くなって流動しなくなったと推定される)、流延後のフィルム全体の白化と気泡発生が生じることがわかった。

Claims (9)

  1. シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂およびアクリル−スチレン共重合体樹脂のいずれか1種と溶媒とを含有するドープを支持体上に溶液流延する工程と、
    前記流延後のドープを40℃未満の雰囲気温度に維持して残留溶媒量を35〜65質量%に制御したドープ膜を形成する第1の乾燥工程と、
    前記第1の乾燥工程後の前記ドープ膜を残留溶媒量が35〜65質量%であるとき(但し、前記第1の乾燥工程後の残留溶媒量を超えない)に前記ドープ膜を乾燥開始温度40℃以上かつTg−70℃を超える雰囲気温度で乾燥する第2の乾燥工程と、
    前記第2の乾燥工程後の前記ドープ膜を前記支持体から剥ぎ取ってフィルムを形成する工程を含み、
    前記溶媒の1〜13質量%が平均炭素数1〜4のアルコールであり、
    前記フィルムのTgが90℃以上であることを特徴とするフィルムの製造方法(但し、Tgは乾燥後のフィルムのガラス転移温度(単位:℃)を表す)。
  2. 前記第2の乾燥工程中の前記乾燥開始温度が40℃以上かつTg−50℃以上、Tg−10℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のフィルムの製造方法(但し、Tgは乾燥後のフィルムのガラス転移温度(単位:℃)を表す)。
  3. 前記フィルムのTgが100〜290℃であることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムの製造方法(但し、Tgは乾燥後のフィルムのガラス転移温度(単位:℃)を表す)。
  4. 前記溶媒の4〜10質量%が前記平均炭素数1〜4のアルコールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
  5. 前記溶媒に含まれる前記アルコールが平均炭素数1〜2のアルコールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
  6. 前記フィルムの膜厚が20〜60μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
  7. 前記第2の乾燥工程直前の残留溶媒量が50〜65質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
  8. 前記ドープの1質量%以上が透湿度低減化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法で製造されたことを特徴とするフィルム。
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