JP2014177061A - 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 - Google Patents
液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014177061A JP2014177061A JP2013053252A JP2013053252A JP2014177061A JP 2014177061 A JP2014177061 A JP 2014177061A JP 2013053252 A JP2013053252 A JP 2013053252A JP 2013053252 A JP2013053252 A JP 2013053252A JP 2014177061 A JP2014177061 A JP 2014177061A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- voltage
- driving
- waveform
- droplet discharge
- discharge head
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
【解決手段】PZTからなるアクチュエータを用いた液滴吐出ヘッドで、正負何れか一方の極性の電圧を出力し、上部電極にパルス形状の電圧を、下部電極に直流電圧を印加する駆動ICを介して圧電素子に駆動波形を印加して液滴を吐出させる。駆動波形と次の駆動波形との間で、回復波形として、上部電極に、下部電極に印加した直流電圧とにより駆動電界とは逆極性の回復用電界を形成する電圧部分し、メニスカス固有周期と共振しないパルス形状の電圧を印加する。
【選択図】図12
Description
特許文献1には、圧電体薄膜の鉛と水分との反応による変位低下を課題として、駆動波形と駆動波形の間で直流電圧を回復波形として印加するものが記載されている。
特許文献2には、駆動波形と駆動波形の間で駆動波形を反転した回復波形を印加するものが記載されている。
特許文献3には、圧電体薄膜の非活性領域の変形による変位低下を課題として、駆動波形中に逆極性の電圧を含むように構成することで、薄膜ピエゾに駆動電界とは逆方向の電界を形成するものが記載されている。
圧電素子を駆動するために印加された電界により、PZT中の鉛欠陥が負電圧側の電極に向かって引き寄せられる。引き寄せられた鉛欠陥は、負電圧側の電極との界面でトラップされることで電極界面に偏在してしまう。この偏在した鉛欠陥が内部電界を生じて駆動波形の実効電圧を低下させ、薄膜ピエゾの変位特性が低下する。
さらに、この鉛欠陥のトラップは非常に深い準位であり、一度トラップされてしまうと容易にデトラップされず、通常の液滴を吐出させる使用条件内ではほぼ不可逆的な変化となる。すなわち、鉛欠陥のトラップという不可逆的な変化に起因する薄膜ピエゾの変位特性の低下は、通常の使用条件内で回復することはできず、経時で変位特性の低下が進行していく。
駆動ICを介して該圧電素子に、該加圧液室内に液滴を吐出させるための圧力変動を発生させるための駆動波形の電圧を印加し、該駆動波形と次の駆動波形との間に該圧電素子の変位特性の低下を抑制するための回復波形の電圧を印加する液滴吐出ヘッドの駆動方法において、
上記駆動ICは、正負何れか一方の極性を有する電圧を出力し、上記一対の電極のうちの一方の電極にパルス形状の電圧を、他方の電極に直流電圧を印加するものであり、
上記駆動波形は、吐出させない状態に対応する第1電界を上記圧電体薄膜に生じさせる電圧部分と、吐出させる状態に対応する第2電界を該圧電体薄膜に生じさせる電圧部分とを有し、
上記回復波形における該パルス形状の電圧は、吐出させない状態に対応する第3電界を該圧電体薄膜に生じさせる電圧部分と、該他方の電極に印加する直流電圧と共に、該第1の電界と第2の電界とのうち、鉛欠陥のトラップを生じさせる電界とは逆向きの回復用電界を該圧電体薄膜に生じさせる所定時間継続の電圧部分とを有し、該所定時間は、メニスカス共振周期よりも長く、且つ、該メニスカス周期の整数倍の以外の時間であることを特徴とするものである。
図1は、本実施形態の液滴吐出ヘッドにおける薄膜ピエゾアクチュエータの基本構成を示す断面図である。この液滴吐出ヘッド51は、ノズル板2と、液室基板4と、振動板55と、圧電素子56とを積層している。ノズル板2には、インク滴を吐出するノズル20が形成されている。ノズル板2、液室基板4、及び振動板55により、ノズル20に連通する加圧液室14(インク流路、加圧室、圧力室、吐出室、液室等とも称される)が形成されている。振動板55は、加圧液室14の一壁面を形成している。
液室基板4としては、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、通常100〜600[μm]の厚みを持つことが好ましい。面方位としては、(100)、(110)、(111)と3種あるが、半導体産業では一般的に(100)、(111)が広く使用されている。本実施形態においては、主に(100)の面方位を持つ単結晶基板を主に使用する。
図3は本実施形態の液滴吐出ヘッドの断面図であり(a)は幅方向断面図、(b)はノズル列方向断面図である。なお、便宜上、(a)では液滴吐出ヘッドの右半分を、(b)では二つの加圧液室14に対応する部分のみ示している。
液室基板4としては、シリコン基板上にシリコン酸化膜を介してシリコンが張り合わされたSOI基板を用いている。また、振動板55は、SOI基板のシリコン層(Si層)表面にパイロ酸化法を適用し、シリコン酸化膜を形成したものである。そして、この振動板55の上に圧電素子56を形成して、薄膜ピエゾアクチュエータ200を構成する。
また、振動板55には、保護基板3に形成された共通液室18から液室基板4に形成された加圧液室14へインクを供給する流路となる部分に個別供給口60が設けられている。液室基板4に薄膜ピエゾアクチュエータ200を形成し、保護基板を接合した基板はアクチュエータ基板1と呼ばれる。
先ず、図4(a)に示すように、厚み400[μm]の<100>シリコン層(シリコン基板)の表面に、0.2[μm]厚のシリコン酸化膜及び2.0[μm]厚のシリコンを張り合わせたSOI基板を用いる。このSOI基板表面にパイロ(Wet)酸化法によりシリコン酸化膜を0.3[μm]形成し、これを振動板55とする。
図4(d)に示す上導通部155bは、次に形成する上配線部材154bと上部電極153との導通部であり、下導通部155aは次に形成する下配線部材154aと下部電極151との導通部である。また、貫通部155dは、共通液室18から各個別インク供給室24へのインク供給孔となる開口部である。
なお、下部電極パッド部157は、上部電極パッド部158と形成工程を分けて形成してもよい。また、上部電極パッド部158及び下部電極パッド部157の材料としては、金に限らず、銅やアルミニウムなどを使用することもできる。しかし、金以外の材料を用いる場合は、その表面が他の層で覆われない上部電極パッド部158に対しては、腐食から保護する保護層が必要となる場合もある。
さらに、液室基板4となる部分の振動板55を挟んで保護基板3を接合した側とは反対側の液室基板4の表面を、液室基板4が所望の厚さとなるまで研磨する。
保護基板3はシリコン製の板状部材にフォトリソグラフィを用いたエッチングで凹部を加工したものでも良く、<100>シリコン製の板状部材をTMAH、KOHなどのアルカリエッチング液を用いたウェットエッチングにより加工したものでも構わない。
また、樹脂モールドやメタルインジェクションモールドなどの成型部品でも構わない。また、駆動ICをアクチュエータ基板上に一体形成する際に、パイロ酸化法で形成した酸化膜をLOCOS酸化法で形成し、酸化膜の形成領域を選択することで、駆動ICを同一基板上に形成することもできる。
図6は、液滴吐出ヘッドで液滴を吐出させる駆動波形の説明図である。駆動波形としては、吐出させない状態に対応する第1電界を圧電体薄膜152に生じさせる電圧部分(V1)と、吐出させる状態に対応する第2電界を圧電体薄膜152に生じさせる電圧部分(V2)とを有するパルス形状の電圧を印加する。具体的には、図6に示すように、吐出させる状態に対応する第2電界の電位が異なる複数のパルス波形を組み合わせて用いることで、吐出させる液滴の体積を、大滴、中滴、小滴のように制御している。なお、図6においてdは、メニスカスの乾燥防止のための微小振動波形である。
図12は、本実施形態の駆動波形と回復波形の説明図である。駆動波形は、下部電極151から直流電圧Vdcを印加し、上部電極153から上述のパルス形状の電圧を印加する。なお、パルス形状で、吐出させない状態に対応する第1電界を圧電体薄膜に生じさせる電圧を中間電位V1とし、吐出させる状態に対応する第2電界を圧電体薄膜に生じさせる電圧をV2としている。これにより、所望の液滴が吐出される。
また、回復波形としては、駆動ICを介して、下部電極151に直流電圧Vdcをバイアス電圧として印加する。これと共に、上部電極153より吐出させない状態に対応する第3電界を圧電体薄膜152に生じさせる電圧部分(V3)と、直流電圧Vdcよりも小さい電圧部分(V4)を有するパルス波形の電圧を印加する。この回復波形では、パルス波形のV4の領域で直流電圧Vdcを印加した下部電極151との間に、駆動波形で形成される鉛欠陥のトラップを生じさせる電界とは逆向きの回復用電界が形成される。この逆電界により、駆動電界を繰り返し形成したことにより発生した、下部電極151との界面におけるPZTの圧電体薄膜152中の鉛欠陥のトラップを解消することができる。
上記駆動波形を500ms印加したあと、上部電極153にパルス波形、下部電極151に直流電圧Vdcを印加して、正極性側の電界強度が150kV/cm、逆極性の電界強度−15kV/cmを持つ回復波形を500ms印加する。この駆動波形と回復波形の組み合わせを1シーケンスとした波形を印加した。図14は、実施例1に係る回復波形の一例の説明図である。回復波形のパルス波形の立上り時間Tf、パルス時間幅Pw,立下り時間Trはメニスカス共振周期より長い。本実施形態の液滴吐出ヘッド51のヘッド構成ではメニスカス共振周期Tc=3.7μsのため、立上り時間Tf=25μs、パルス幅時間=25μs、立下りTr=25μsのパルス波形を印加した。パルス波形の電圧V3は、正極性側が中間電位(図12のV3)で、最小値(図12のV4)が直流電圧Vdcよりも小さく、負極性側での抗電界を超えないよう、V4−Vdc>Ec を満足するものである。本実施例では、−15kV/cmの逆電界を形成するパルス波形を印加した。
図15は、実施例2に係る回復波形の説明図である。実施例1と同様の駆動波形を500ms印加し、回復波形として、正極性側は200kV/cm、負極性側は−15kV/cmとなるパルス波形を500ms印加したものを1シーケンスとする。回復波形のパルス波形は、実施例1と同様、立上り時間Tf=25μs、パルス幅時間=25μs、立下りTr=25μsである。
図16は、実施例3に係る回復波形の説明図である。実施例1と同様の駆動波形を500ms印加し、回復波形として、正極性側は150kV/cm、負極性側は−15kV/cmとなるパルス波形を100ms印加し、その後400ms間は波形を印加しないものを1シーケンスとする。回復波形のパルス波形は、実施例1と同様、立上り時間Tf=25μs、パルス幅時間25μs、立下りTr=25μsである。
図17は、実施例4に係る回復波形の説明図である。実施例1と同様の駆動波形を500ms印加し、400ms間は波形を印加せず、その後回復波形として、正極性側は150kV/cm、負極性側は−15kV/cmとなるパルス波形を100ms印加したものを1シーケンスとする。回復波形のパルス波形は、実施例1と同様、立上り時間Tf=25μs、パルス幅時間25μs、立下りTr=25μsである。
図18は、実施例5に係る回復波形の説明図である。実施例1と同様の駆動波形を500ms印加し、回復波形として正極性側は150kV/cm、負極性側は−15kV/cmとなるパルス波形を100ms印加し、400ms間は波形を印加せず、再び回復波形を100ms印加したものを1シーケンスとする。回復波形のパルス波形は、実施例1と同様、立上り時間Tf=25μs、パルス幅時間25μs、立下りTr=25μsである。
図19は、実施例5に係る回復波形の説明図である。実施例1と同様の方法で、駆動波形を500ms印加し、その後の500msでは波形は印加していない。
プリンタ100は、キャリッジ101と、液滴吐出ヘッド51と、インクカートリッジ102とを含んで構成される印字機構部103を本体内部に有している。キャリッジ101は、プリンタ100本体内部において、用紙Sの搬送方向に対して直交方向である主走査方向(図21中の矢印A方向、図22中の紙面に直交する方向)に移動可能な部材である。液滴吐出ヘッド51は、キャリッジ101に搭載した液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドであり、インクカートリッジ102は液滴吐出ヘッド51にタンク部102a内のインクを供給する。
印字機構部103のキャリッジ101には、液滴吐出ヘッド51に供給するためのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び、ブラック(B)の各色のインクを収容した四つのインクカートリッジ102がそれぞれ交換可能に装着されている。
液滴吐出ヘッド51としては、プリンタ100では、各色に対応した複数のヘッド部を用いる構成となっているが、各色のインクを吐出するノズルを有する一個のヘッド部でもよい。
給紙ローラ113及びフリクションパッド114は、用紙Sを、液滴吐出ヘッド51の下方に搬送するために、給紙トレイ230内にセットした用紙Sの束の最上段の一枚を分離給紙する。ガイド部材115は、給紙トレイ230から分離給紙された用紙Sを搬送ローラ116によって搬送される領域に案内する。
プリンタ100は、パーソナルコンピュータ等の外部装置から画像情報などの信号が送られ、プリント動作を実行する。プリント動作が実行されると、給紙トレイ230から給紙ローラ113によって、または、手差しトレイ105から手差し給紙ローラ105aによって、用紙Sが給紙される。給紙トレイ230から給紙された用紙Sは、ガイド部材115や搬送コロ117に案内されて、搬送ローラ116に搬送されつつ反転し、液滴吐出ヘッド51と対向する位置に搬送される。一方、手差しトレイ105から供給された用紙Sは、搬送コロ117に案内されて、搬送ローラ116に搬送されて液滴吐出ヘッド51と対向する位置に搬送される。
主走査方向に一行分の画像形成が終了したら、搬送ローラ116を所定時間回転させ、用紙Sを一行分、排紙トレイ106方向に移動させて停止する。そして、キャリッジ101が画像信号に応じて主走査方向に往復移動しながら一行分の画像を形成する。
(態様A)
ノズル20に連通する加圧液室14を形成する液室基板4などの基板上に、振動板55と、一般式Pb(Tix,Zry,Mz)O3で表されるペロブスカイト型結晶構造をもつ圧電体薄膜152を下部電極151、上部電極153などの一対の電極で挟んだ圧電素子56とを積層形成した薄膜ピエゾアクチュエータ200などのアクチュエータを用い、駆動ICを介して圧電素子に、加圧液室内に液滴を吐出させるための圧力変動を発生させるための駆動波形の電圧を印加し、駆動波形と次の駆動波形との間に圧電素子の変位特性の低下を抑制するための回復波形の電圧を印加する液滴吐出ヘッドの駆動方法である。駆動ICは、正負何れか一方の極性を有する電圧を出力し、一対の電極のうちの一方の電極にパルス形状の電圧を、他方の電極に直流電圧を印加するものであり、駆動波形は、吐出させない状態に対応する第1電界を上記圧電体薄膜に生じさせる電圧部分と、吐出させる状態に対応する第2電界を圧電体薄膜に生じさせる電圧部分とを有し、回復波形におけるパルス形状の電圧は、吐出させない状態に対応する第3電界を圧電体薄膜に生じさせる電圧部分と、他方の電極に印加する直流電圧と共に、第1の電界とは第2の電界のうち、鉛欠陥のトラップを生じさせる電界とは逆向きの回復用電界を圧電体薄膜に生じさせる所定時間継続の電圧部分とを有し、所定時間は、メニスカス共振周期よりも長く、且つ、メニスカス周期の整数倍の以外の時間である。
(態様A)において、回復用電界は上記圧電素子の抗電界未満である。これによれば、圧電体薄膜の分極状態は長期駆動を実施しても反転を繰り返すことはない。このため、圧電素子にかかる負担が小さく、安定した変位を得ることができるとともに、抗電界での分極反転に伴う電流増大といった問題も回避することができる。
(態様A)または(態様B)において、上記一対の電極のうち下部電極151等の基板側の電極に直流電圧を印加し、上部電極153など反対側の電極に上記パルス電圧を印加する。これによれば、駆動電界を繰り返し形成したことにより基板側の電極との界面に発生した圧電体薄膜中の鉛欠陥のトラップを解消して、経時における変位特性の低下を抑制することができる。
(態様A)、(態様B)または(態様C)の何れかにおいて、駆動波形と次の駆動波形との間で、他方の電極に印加されるパルス波形の電圧の立上り時間Tf、及び、立下り時間Trがメニスカス共振周期よりも長い。メニスカス固有周期よりも短い時間の圧力変動(立上り時間Tf、立下り時間Tr)も、この振動の励起に寄与してしまい、圧力増幅を発生させてしまう。立上り時間Tf、立下り時間Trがメニスカス固有周期よりも短い時間であると、圧力増幅が発生せずに、駆動波形と駆動波形との間で液滴を吐出するような圧力発生が起こらない状態とすることができる。
(態様A)、(態様B)、(態様C)または(態様D)の何れかにおいて、回復波形における回復用電界を生じさせるための電圧を印加するパルス波形の電圧のパルス時間幅Pwはaメニスカス共振周期の半整数倍の時間である。これによれば、圧力増幅が発生せずに、駆動波形と駆動波形との間で液滴を吐出するような圧力発生が起こらない状態とすることができる。
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)または(態様E)の何れかにおいて、駆動波形と次の駆動波形との間で、上記他方の電極に印加されるパルス電圧の最大値V4が、駆動波形として上記他方の電極に印加されるパルス電圧の最大値V1以上である。これによれば、駆動波形以上の電圧幅で圧電体を動かすことで、駆動波形で用いる電圧内での圧電体の変形の仕方を安定化させることができる。
ノズル20に連通する加圧液室を形成する液室基板4上に、振動板55と、一般式Pb(Tix,Zry,Mz)O3で表されるペロブスカイト型結晶構造をもつ圧電体薄膜152を一対の電極で挟んだ圧電素子とを積層形成した液滴吐出ヘッドにおいて、(態様A)乃至(態様F)の何れかの液滴吐出ヘッドの駆動方法により液滴吐出ヘッドを駆動する駆動ICを備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、低コストで、薄膜ピエゾアクチュエータの経時における変位特性の低下を抑えて安定した吐出性能を確保できる。
媒体を搬送しながら、液滴吐出手段により吐出した液滴を媒体に付着させて画像形成を行う画像形成装置において、液滴吐出手段として(態様G)の液滴体吐出ヘッドを採用する。これによれば、低コストで、高品位な画像が得られる画像形成装置を提供できる。
2 ノズル板
4 液室基板
14 加圧液室
18 共通液室
20 ノズル
51 液滴吐出ヘッド
55 振動板
56 圧電素子
151 下部電極(基板側の電極)
152 圧電体薄膜
153 上部電極(表面側の電極)
154 配線部材
154a 下配線部材
154b 上配線部材
157 下部電極パッド部
158 上部電極パッド部
100 プリンタ
200 薄膜ピエゾアクチュエータ
Claims (8)
- ノズルに連通する加圧液室を形成する基板上に、振動板と、一般式Pb(Tix,Zry,Mz)O3で表されるペロブスカイト型結晶構造をもつ圧電体薄膜を一対の電極で挟んだ圧電素子とを積層形成したアクチュエータを用い、
駆動ICを介して該圧電素子に、該加圧液室内に液滴を吐出させるための圧力変動を発生させるための駆動波形の電圧を印加し、該駆動波形と次の駆動波形との間に該圧電素子の変位特性の低下を抑制するための回復波形の電圧を印加する液滴吐出ヘッドの駆動方法において、
上記駆動ICは、正負何れか一方の極性を有する電圧を出力し、上記一対の電極のうちの一方の電極にパルス形状の電圧を、他方の電極に直流電圧を印加するものであり、
上記駆動波形は、吐出させない状態に対応する第1電界を上記圧電体薄膜に生じさせる電圧部分と、吐出させる状態に対応する第2電界を該圧電体薄膜に生じさせる電圧部分とを有し、
上記回復波形における該パルス形状の電圧は、吐出させない状態に対応する第3電界を該圧電体薄膜に生じさせる電圧部分と、該他方の電極に印加する直流電圧と共に、該第1の電界と第2の電界とのうち、鉛欠陥のトラップを生じさせる電界とは逆向きの回復用電界を該圧電体薄膜に生じさせる所定時間継続の電圧部分とを有し、該所定時間は、メニスカス共振周期よりも長く、且つ、該メニスカス周期の整数倍の以外の時間であることを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。 - 請求項1の液滴吐出ヘッドの駆動方法において、上記回復用電界は上記圧電素子の抗電界未満であることを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
- 請求項1または2の液滴吐出ヘッドの駆動方法において、上記駆動ICは、上記一対の電極のうち上記基板側の電極に直流電圧を印加し、反対側の電極に上記パルス形状の電圧を印加することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
- 請求項1、2または3の何れかの液滴吐出ヘッドの駆動方法において、上記回復波形におけるパルス形状の電圧の立上り時間、及び、立下り時間が上記メニスカス共振周期よりも長いことを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
- 請求項1、2、3または4の何れかの液滴吐出ヘッドの駆動方法において、上記回復波形における上記回復用電界を生じさせるための電圧を印加する上記所定時間はメニスカス共振周期の半整数倍の時間であることを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
- 請求項1、2、3、4または5の液滴吐出ヘッドの駆動方法において、上記第3電界は上記第1電界以上の大きさを有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
- ノズルに連通する加圧液室を形成する基板上に、振動板と、一般式Pb(Tix,Zry,Mz)O3で表されるペロブスカイト型結晶構造をもつ圧電体薄膜を一対の電極で挟んだ圧電素子とを積層形成したアクチュエータを用いた液滴吐出ヘッドにおいて、
請求項1乃至7の何れかの液滴吐出ヘッドの駆動方法により上記液滴吐出ヘッドを駆動する駆動ICを備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 媒体を搬送しながら、液滴吐出手段により吐出した液滴を該媒体に付着させて画像形成を行う画像形成装置において、
上記前記液滴吐出手段として請求項7の液滴体吐出ヘッドを採用したことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013053252A JP5915940B2 (ja) | 2013-03-15 | 2013-03-15 | 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013053252A JP5915940B2 (ja) | 2013-03-15 | 2013-03-15 | 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016078612A Division JP6103406B2 (ja) | 2016-04-11 | 2016-04-11 | 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014177061A true JP2014177061A (ja) | 2014-09-25 |
JP2014177061A5 JP2014177061A5 (ja) | 2015-05-07 |
JP5915940B2 JP5915940B2 (ja) | 2016-05-11 |
Family
ID=51697496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013053252A Active JP5915940B2 (ja) | 2013-03-15 | 2013-03-15 | 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5915940B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9925768B2 (en) | 2015-11-25 | 2018-03-27 | Ricoh Company, Ltd. | Liquid discharge head, liquid discharge device, and liquid discharge apparatus |
JP2020196272A (ja) * | 2015-07-06 | 2020-12-10 | 株式会社東芝 | インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6103406B2 (ja) * | 2016-04-11 | 2017-03-29 | 株式会社リコー | 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 |
Citations (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002043641A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-02-08 | Seiko Epson Corp | 圧電体素子及びこれを用いたインクジェット式記録ヘッド |
JP2002355967A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-12-10 | Seiko Epson Corp | 液体吐出ヘッド駆動装置 |
JP2003072069A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-12 | Seiko Epson Corp | インクジェット式プリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法 |
JP2005324446A (ja) * | 2004-05-14 | 2005-11-24 | Seiko Epson Corp | 液滴吐出装置、液滴吐出方法、電気光学装置の製造方法 |
JP2006068970A (ja) * | 2004-08-31 | 2006-03-16 | Kyocera Corp | 圧電素子の再生方法および液体吐出装置 |
JP2006121796A (ja) * | 2004-10-20 | 2006-05-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 圧電体アクチュエータの制御方法および位置制御機構並びにディスク装置 |
JP2006180639A (ja) * | 2004-12-22 | 2006-07-06 | Fujitsu Ltd | 圧電アクチュエータの駆動方法 |
WO2006137528A1 (ja) * | 2005-06-24 | 2006-12-28 | Kyocera Corporation | 液体吐出装置の駆動方法 |
JP2008132657A (ja) * | 2006-11-28 | 2008-06-12 | Fuji Xerox Co Ltd | 圧電素子の駆動方法、圧電素子の駆動回路、液滴吐出ヘッドの駆動装置、及び液滴吐出装置 |
JP2009071113A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-02 | Fujifilm Corp | 圧電素子の駆動方法 |
JP2010028129A (ja) * | 2009-10-26 | 2010-02-04 | Seiko Epson Corp | 複合酸化物積層体、複合酸化物積層体の製造方法、デバイス |
JP2011062821A (ja) * | 2009-09-15 | 2011-03-31 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2014058078A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Ricoh Co Ltd | 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 |
-
2013
- 2013-03-15 JP JP2013053252A patent/JP5915940B2/ja active Active
Patent Citations (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002043641A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-02-08 | Seiko Epson Corp | 圧電体素子及びこれを用いたインクジェット式記録ヘッド |
JP2002355967A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-12-10 | Seiko Epson Corp | 液体吐出ヘッド駆動装置 |
JP2003072069A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-12 | Seiko Epson Corp | インクジェット式プリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法 |
JP2005324446A (ja) * | 2004-05-14 | 2005-11-24 | Seiko Epson Corp | 液滴吐出装置、液滴吐出方法、電気光学装置の製造方法 |
JP2006068970A (ja) * | 2004-08-31 | 2006-03-16 | Kyocera Corp | 圧電素子の再生方法および液体吐出装置 |
JP2006121796A (ja) * | 2004-10-20 | 2006-05-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 圧電体アクチュエータの制御方法および位置制御機構並びにディスク装置 |
JP2006180639A (ja) * | 2004-12-22 | 2006-07-06 | Fujitsu Ltd | 圧電アクチュエータの駆動方法 |
JP4594069B2 (ja) * | 2004-12-22 | 2010-12-08 | 富士通株式会社 | 圧電アクチュエータの駆動方法 |
WO2006137528A1 (ja) * | 2005-06-24 | 2006-12-28 | Kyocera Corporation | 液体吐出装置の駆動方法 |
JP2008132657A (ja) * | 2006-11-28 | 2008-06-12 | Fuji Xerox Co Ltd | 圧電素子の駆動方法、圧電素子の駆動回路、液滴吐出ヘッドの駆動装置、及び液滴吐出装置 |
JP2009071113A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-02 | Fujifilm Corp | 圧電素子の駆動方法 |
JP2011062821A (ja) * | 2009-09-15 | 2011-03-31 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2010028129A (ja) * | 2009-10-26 | 2010-02-04 | Seiko Epson Corp | 複合酸化物積層体、複合酸化物積層体の製造方法、デバイス |
JP2014058078A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Ricoh Co Ltd | 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020196272A (ja) * | 2015-07-06 | 2020-12-10 | 株式会社東芝 | インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ |
JP2022058820A (ja) * | 2015-07-06 | 2022-04-12 | 株式会社東芝 | インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ |
JP7225446B2 (ja) | 2015-07-06 | 2023-02-20 | 株式会社東芝 | インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ |
US9925768B2 (en) | 2015-11-25 | 2018-03-27 | Ricoh Company, Ltd. | Liquid discharge head, liquid discharge device, and liquid discharge apparatus |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5915940B2 (ja) | 2016-05-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5892406B2 (ja) | 電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 | |
US9196821B2 (en) | Electromechanical transducer, droplet ejection head, and method for manufacturing electromechanical transducer | |
JP6551773B2 (ja) | 液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 | |
JP6341446B2 (ja) | 電気機械変換素子の製造方法、電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置 | |
JP6284065B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP6164511B2 (ja) | 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 | |
JP6103406B2 (ja) | 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 | |
JP5915940B2 (ja) | 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置 | |
JP2016062984A (ja) | 圧電アクチュエータ及びその製造方法及び液体カートリッジ及び画像形成装置 | |
JP2012253087A (ja) | 圧電アクチュエータの製造方法、圧電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、画像形成装置、及び、マイクロポンプ | |
JP2017094615A (ja) | 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置 | |
JP6213815B2 (ja) | 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 | |
JP6025052B2 (ja) | 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 | |
JP2015000560A (ja) | 電気機械変換素子及びその電気機械変換素子の製造方法、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、画像形成装置、液滴吐出装置、並びに、ポンプ装置 | |
JP2014151511A (ja) | 液滴吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び画像形成装置 | |
JP6201461B2 (ja) | 分極処理装置 | |
JP5831475B2 (ja) | 液滴吐出ヘッド、電圧制御方法、および、画像形成装置 | |
JP2017001253A (ja) | 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置 | |
JP2014054800A (ja) | 圧電体の駆動方法、液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッド、及び画像記録装置 | |
JP6548098B2 (ja) | 液体吐出ヘッドの駆動方法、液体吐出ヘッド及び画像形成装置 | |
JP6278145B2 (ja) | 液体吐出装置、液体吐出ヘッド及び駆動方法 | |
JP2020025082A (ja) | 電気機械変換素子、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置及び圧電装置 | |
JP2015231726A (ja) | 液滴吐出装置 | |
JP2013184309A (ja) | 電気機械変換素子の駆動方法、液滴吐出ヘッド、インクジェット記録装置 | |
JP6167699B2 (ja) | 液滴吐出ヘッド、および、画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150318 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150601 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20150601 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20150626 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150703 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150806 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150904 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151102 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151127 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160126 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160311 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160324 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5915940 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |