JP2014176181A - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014176181A
JP2014176181A JP2013046210A JP2013046210A JP2014176181A JP 2014176181 A JP2014176181 A JP 2014176181A JP 2013046210 A JP2013046210 A JP 2013046210A JP 2013046210 A JP2013046210 A JP 2013046210A JP 2014176181 A JP2014176181 A JP 2014176181A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic pole
value
motor
current
pole position
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013046210A
Other languages
English (en)
Inventor
Yushi Katsumata
雄史 勝又
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2013046210A priority Critical patent/JP2014176181A/ja
Publication of JP2014176181A publication Critical patent/JP2014176181A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Abstract

【課題】駆動方式を限定することなく、車両のモータの磁極の位置を推定可能なモータ制御装置を提供する。
【解決手段】スイッチング素子を備えたインバータ2及び当該インバータ2に接続されたモータ3を制御するモータ制御装置において、モータ3の磁極の位置を検出する磁極位置検出手段と、磁極の位置の補正値を演算する補正値演算手段と、磁極位置検出手段により検出された磁極の位置の検出値と補正値から磁極の位置を推定する磁極位置推定手段と、モータ3の各相の電流を検出する電流検出手段と、外部から入力されるトルク指令値及びモータ3の回転速度に基づきモータの電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、電流指令値、電流検出手段により検出された検出電流値、及び磁極位置推定手段により推定された磁極の位置の推定値に基づき、インバータを制御する制御手段を備え、補正値演算手段は、電流指令値の位相と検出電流値の位相との位相差を演算することで、補正値を演算する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、モータ制御装置に関するものである。
内燃機関、永久磁石モータ、内燃機関と永久磁石モータとの間に介装されたクラッチ、永久磁石モータと動力出力軸との間に設けられた変速機を備えたハイブリッド電気自動車であって、低速用と中・高速用の第1と第2の磁極位置推定手段を備え、クラッチを遮断し永久磁石モータを駆動力源として車両を走行させているときに一時的に停止したインバータを第1の磁極位置推定手段を用いて再起動する場合、クラッチを開放し変速機をニュートラルにした状態でインバータを再起動して永久磁石モータを単独で運転し、その回転状態に基づいて磁極位置を判別するハイブリッド車両が開示されている(特許文献1)。
特開2010−95029号公報
しかしながら、上記の従来技術は、モータと駆動軸との間にクラッチを有するハイブリット車両に限り適用可能なものであり、モータの出力がギア等を介して駆動軸に伝達されるタイプのハイブリッド車両や電気自動車等には適用できないため、駆動方式を限定することなく、車両のモータの磁極の位置を推定することができない、という問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、駆動方式を限定することなく、車両のモータの磁極の位置を推定可能なモータ制御装置を提供することである。
本発明は、モータの各相の電流を検出し、モータの磁極の位置を検出し、モータの電流指令値の位相とモータの検出電流値の位相との位相差を演算することで、磁極の位置の補正値を演算し、磁極の位置の検出値と補正値から磁極の位置を推定することによって上記課題を解決する。
本発明によれば、電流指令値の位相と、実電流の位相との比較から、磁極の位置ずれを推定しているため、駆動軸に動力が伝達可能な状態でも磁極の位置を推定することでき、その結果として、駆動方式を限定することなく、車両のモータの磁極の位置を推定することができる、という効果を奏する。
本発明の実施形態に係るモータ制御装置を搭載した電動車両システムのブロック図である。 図1のモータトルク制御部で参照されるマップを説明するためのグラフであって、アクセル開度毎に設定された、モータ回転数とトルク指令値の相関性を示すグラフである。 図1の電流制御部のブロック図である。 図3の電源位相演算器のブロック図である。 位相差(Δβ)及び磁極の位置ずれを説明するための図である。 図1のモータコントローラの制御手順を示すフローチャートである。 図6のステップS5の制御手順を示すフローチャートである。 比較例に係るモータ制御装置で制御されたモータの電流特性及び補正との特性を示すグラフである。 本発明に係るモータ制御装置で制御されたモータの電流特性及び補正との特性を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係るモータ制御装置を搭載したハイブリッド車両システムのブロック図である。 図10の発電器コントローラのブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明の実施形態に係るモータ制御装置を搭載した電動車両システムの構成を示すブロック図である。以下、本例のモータ制御装置を電気自動車に適用した例を挙げて説明するが、本例のモータ制御装置は、電気自動車以外の車両にも適用可能である。
図1に示すように、本例のモータ制御装置を含む車両は、バッテリ1、インバータ2、モータ3、減速機4、ドライブシャフト(駆動軸)5、車輪6、7、電圧センサ8、電流センサ9、角度センサ10、及びモータコントローラ20を備えている。
バッテリ1は、車両の動力源であって、複数の二次電池を直列又は並列に接続することで構成されている。インバータ2は、IGBTやMOSFET等の複数スイッチング素子を各相毎に2個接続した電力変換回路を有している。インバータ2は、モータコントローラ20からの駆動信号により、当該スイッチング素子のオン、オフを切り替えることで、バッテリ1から出力される直流電力を交流電力に変換しモータ3に出力し、モータ3に対して所望の電流を流すことで、モータ3を駆動させる。またインバータ2は、モータ3の回生により出力された交流電力を逆変換して、バッテリ1に出力する。
モータ3は、車両の駆動源であって、減速機4及びドライブシャフト5を介して駆動輪6、7に駆動力を伝達するための誘導モータである。モータ3は、車両の走行時に、駆動輪6、7に連れ回されて回転し、回生の駆動力を発生することで、車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。これにより、バッテリ1は、モータ3の力行により放電され、モータ3の回生により充電される。
電圧センサ8は、バッテリ1の電圧を検出するセンサであり、バッテリ1とインバータ2の間に接続されている。電圧センサ8の検出電圧は、モータコントローラ20に出力される。なお、バッテリ1の電圧は、電圧センサ8の検出電圧の代わりに、バッテリコントローラ(図示しない)により管理されるバッテリ1の電圧値としてもよい。電流センサ9はモータ3の電流を検出するためのセンサであり、インバータ2とモータ3との間に接続されている。電流センサ9の検出電流は、モータコントローラ20に出力される。角度センサ10は、モータ3の回転数を検出するためのセンサであり、レゾルバ等で構成されている。角度センサ10の検出値はモータコントローラ20に出力される。
モータコントローラ20は、車両の車速(V)、アクセル開度(APO)、モータ3の回転子位相、モータの電流、バッテリ1の電圧等に基づき、インバータ2を動作するためのPWM信号を生成し、インバータ2を動作させるドライブ回路(図示しない)に出力する。そして、当該ドライブ回路が、PWM制御信号に基づき、インバータ2のスイッチング素子の駆動信号を制して、インバータ2に出力する。これにより、モータコントローラ20は、インバータ2を動作させることで、モータ3を駆動させている。
モータコントローラ20は、インバータ2及びモータ3を制御するコントローラである。また、モータコントローラ20は、モータトルク制御部21、制振制御部22及び電流制御部23を有している。
モータトルク制御部21は、モータコントローラ20に入力される車両変数を示す車両情報の信号に基づき、ユーザの操作による要求トルク又はシステム上の要求トルクを、モータ3から出力させるためにトルク指令値(Tm1 )を算出し、制振制御部22に出力する。
モータトルク制御部21には、図2の関係を示すトルクマップが予め記憶されている。図2は、アクセル開度毎に設定された、モータ回転数と基本目標トルク指令値の相関性を示すグラフである。トルクマップは、アクセル開度毎で、モータ3の回転数に対するトルク指令値の関係により予め設定されている。トルクマップは、アクセル開度及びモータ回転数に対して、モータ3から効率よくトルクを出力させるためのトルク指令値で設定されている。
モータの回転数(回転速度)は、角度センサ10の検出値に基づき算出される。アクセル開度は、図示しないアクセル開度センサにより検出される。なおアクセル開度は、車両コントローラ(図示しない)等の他のコントローラから送信されてもよい。
そして、モータトルク制御部21は、トルクマップを参照し、入力されたアクセル開度(APO)及びモータ回転数に対応する基本目標トルク指令値(Tm1 )を演算し、制振制御部22に出力する。
なお、基本目標トルク指令値(Tm1 )は、アクセル開度及びモータ回転数のみに限らず、例えば車速等を加えて演算してもよい。車速V[km/h]は、メータやブレーキコントローラ等の他のコントローラより通信にて取得するか、回転子機械角速度(ωrm)にタイヤ動半径(R)を掛け、ファイナルギヤのギヤ比で割ることにより車両速度v[m/s]を求め、[m/s]から[km/h]への単位変換係数(3600/1000)を乗ずることで求めればよい。
制振制御部22は、基本モータトルク指令値Tm1 及びモータ回転数Nを入力として、駆動軸トルクの応答を犠牲にすることなく、ドライブシャフト5(駆動軸)のねじり振動等により生じる駆動力伝達系の振動を抑制するための制振制御後トルク指令値Tm2 を演算する。制振制御部22の詳細な制御は、例えば特開2001−45613号公報及び特開2003−9559号公報を参照されたい。そして、制振制御部22は、基本目標トルク指令値(Tm1 )に基づき演算した制振制御後トルク指令値(Tm2 )を電流制御部23に出力する。なお、制振制御部22は、必ずしも必要ない。
電流制御部23は、トルク指令値(Tm2 )に基づき、モータ3に流れる電流を制御する制御部である。以下、図3を用いて、電流制御部23の構成について説明する。図3は、電流制御部23及びバッテリ1等のブロック図である。
電流制御部23は、電流指令値演算器40、減算器41、電流FB制御器42、座標変換器43、PWM変換器44、AD変換器45、座標変換器46、パルスカウンタ47、角速度演算器48、モータ回転数演算器49、及び電源位相演算器50を有している。
電流指令値演算器40には、制振制御部22から入力される制振制御後トルク指令値(Tm2 )と、モータ回転数演算器51から入力されるモータ3の回転数(N)、及び、電圧センサ8の検出電圧(Vdc)が入力され、電流指令値演算器40はdq軸電流指令値(I 、I )を演算し出力する。ここで、dq軸は、回転座標系の成分を示している。
減算器41は、dq軸電流指令値(I 、I )とdq軸電流(I、I)との偏差を算出し、電流FB制御器42に出力する。電流FB制御器42は、d軸電流(I)及びq軸電流(I)を、d軸電流指令値(I)及びq軸電流指令値(I )にそれぞれ一致させるようフィードバック制御する制御器である。電流FB制御器42は、dq軸電流指令値(I 、I )に対してdq軸電流(I、I)を、定常的な偏差なく所定の応答性で追随させるよう制御演算を行い、dq軸の電圧指令値(v 、v )を、座標変換器43に出力する。
座標変換器43は、dq軸電圧指令値(v 、v )及び電源位相演算器50で演算される磁極位置の推定値(αcvt)を入力として、dq軸電圧指令値(v 、v )を固定座標系のu、v、w軸の電圧指令値(v 、v 、v )に変換し、PWM制御器44に出力する。
PWM変換器44は、入力される電圧指令値(V 、V 、V )に基づき、インバータ2のスイッチング素子のスイッチング信号(D uu、D ul、D vu、D vl、D wu、D wl)を生成し、インバータ7に出力する。
A/D変換器45は、電流センサ9の検出値である相電流(I、I)をサンプリングし、サンプリングされた相電流(Ius、Ivs)を座標変換器46に出力する。三相の電流値の合計がゼロになることから、w相の電流は、電流センサ9により検出されず、代わりに、座標変換器46は、入力された相電流(Ius、Ivs)に基づき、w相の相電流(Iws)を算出する。なお、w相の相電流について、w相に電流センサ9を設け、当該電流センサ9により検出してもよい。
座標変換器46は、3相2相変換を行う変換器であり、電源位相の推定値(αcvt)を用いて、固定座標系の相電流(Ius、Ivs、Iws)を回転座標系のdq軸電流(Ids、Iqs)に変換し、減算器41に出力する。これにより、電流センサ9により検出される電流値がフィードバックされる。
パルスカウンタ47は、角度センサ10から出力される、位相(90度)の異なるA/Bパルス信号をカウントすることで、モータ3の回転子の位置情報である回転子位相(α)(電気角)を得て、角速度演算器48及び電源位相演算器50に出力する。回転子位相(α)は、モータ3の磁極位置を示している。また回転子位相(α)は、角度センサ10のU/V/W信号を検出することで取得される。
角速度演算器48は、回転子位相(θre)を微分演算することで、回転子角速度(ωre)(電気角)を演算する。また、角速度演算器48は、演算した回転子角速度(ωre)をモータ3の極対数pで割り、モータの機械的な角速度である回転子機械角速度(ωrm)[rad/s]を演算し、モータ回転数演算器49に出力する。
モータ回転数演算器49は、回転子機械角速度(ωrm)に、[rad/s]から[rpm]への単位変換するための係数(60/2π)を乗算することで、モータ回転数(Nm)を演算し、電流指令値演算器40に出力する。
電源位相演算器50は、モータ3の磁極の位置の補正値を演算し、モータ3の磁極の位置の検出値である回転子位相(α)と当該補正値から磁極の位置を推定し、推定値である磁極位置の推定値(αcvt)を座標変換器43、46に出力する。
次に、図4を用いて、電源位相演算器50の構成について、説明する。図4は、電源位相演算器50のブロック図である。図4に示すように、電源位相演算器50は、絶対磁極位置検出部51、補正値演算部52、及び加算器53を有している。
絶対磁極位置検出部51は、dq軸電流(I、I)に基づき磁極の位置ずれを検出することで、磁極の位置の基準点(以下、絶対磁極位置と称す。)を定めている。絶対磁極位置検出部51は、絶対磁極位置を検出していない場合には、パルスカウンタ47から入力される回転子位相(α)を加算器53に出力する。
一方、絶対磁極位置を検出した場合には、絶対磁極位置検出部51は、パルスカウンタ47から入力される回転子位相(α)を、絶対位置磁極位置に基づく位相に補正した上で、位相(α)を加算器53に出力する。また、絶対磁極位置検出部51は、絶対磁極位置を検出したことを示す信号を補正値演算部52に送信する。なお、本例では、絶対磁極位置検出部51を、電源位相演算器50の構成の一部としているが、絶対磁極位置検出部51は、電源位相演算器50に対して、外部の構成としてもよく、あるいは、角度センサ10又はパルスカウンタ47に組み込んでもよい。
補正値演算部52は、dq軸電流(I、I)の位相とdq軸電流指令値(I 、I )との位相差を演算することで、磁極の位置を補正するための補正量(Δα)を演算し、当該補正量を加算器53に出力する。補正値演算部52は、バッテリ1とインバータ2との間のリレーがオンになってから、モータ3が回転し、絶対磁極位置検出部51により絶対磁極位置を検出するまでの、磁極の位置の補正量を演算している。
また、補正値演算部52は、絶対磁極位置検出部51から、絶対磁極位置を検出した旨の信号を受信した場合には、補正値をゼロにして、補正値演算部52による補正を停止する。
加算器53は、磁極の位置の検出値(回転子位相(α)に相当)と、補正値演算部52で演算された補正値(Δα)から、磁極の位置を推定するための演算器である。加算器53は、絶対磁極位置検出部51から入力される回転子位相(α)に、補正値演算部52から入力される補正値(Δα)を加算することで、磁極の位置の推定値(αcvt)を演算している。推定値(αcvt)は、座標変換器46で、電流センサ9の検出である検出電流を、回転座標系に変換する際の回転角として利用され、また、座標変換器43で、dq軸電圧指令値(V 、V )を、直交座標系に変換する際の回転角としても利用される。
次に、図3及び4を参照しつつ、電源位相演算器50の制御及び座標変換器43、46の制御について説明する。
バッテリ1とインバータ2との間のリレー(メインリレー)がオンになると、車両は走行可能な状態となるが、モータ3は駆動していない。次に、モータコントローラ20は、トルク指令値等に基づき、電流指令値(I 、I )を演算し、当該基本電流指令値(I 、I )に基づき、インバータ2にスイッチング信号を送信することで、モータ3を駆動させる。
そして、モータ3の駆動によって、電流センサ9でモータ3の電流を検出できる状態になると、絶対磁極位置検出部51は、磁極の位置を検出する。モータ3が回転した場合に、角度センサ10の零点がずれていると、零点に対するdq軸と、実際の角度センサ10の検出値に基づくdq軸とがずれてしまい、このdq軸のずれは、q軸方向に発生する逆起電力で表れる。そのため、絶対磁極位置検出部51は、d軸方向の誘起電圧がゼロになるように、dq軸をずらすことで、絶対磁極位置を検出している。
しかしながら、バッテリ1とインバータ2との間のリレーオン後で、車両が走行可能な状態となり、絶対磁極位置検出部51により絶対磁極位置を検出するまでには時間を要する。そのため、絶対磁極位置が検出されるまでは、角度センサ10の検出値である位相(α)の初期値が確定していない。本例では、以下に詳述するように、電源位相演算器50により、磁極の位置の補正値を演算しつつ、磁極の位置を推定することで、絶対磁極位置検出部51が絶対磁極位置を検出するまでの間の磁極の位置を補償している。
補正値演算部52は、絶対磁極位置検出部51から、絶対磁極位置を検出した旨の信号を受信するまで、所定の周期で、補正値(Δα)を演算している。また、加算器53も同様に、所定の周期で、推定値(αcvt)を演算している。
まず、加算器53は、式(1)に示すように、補正値演算部52により前回のタイミングで演算した補正値の前回値(Δα_Z)と、磁極位置検出部51から入力される回転子位相(α)を加算することで、前回の推定値(αcvt_z)を演算する。
Figure 2014176181
座標変換器46は、式(2)に示すように、前回の推定値(αcvt_z)により、固定座標系の相電流(I、I、I)を回転座標系のdq軸電流(Ids、Iqs)に変換する。
Figure 2014176181
式(2)において、固定座標系の相電流(I、I、I)は、A/D変換器45の相電流(Ius、Ivs)に相当し、前回の推定値(αcvt_z)の演算後に電流センサ9で検出された検出電流に相当する。
補正値演算部52は、式(2)で座標変換されたdq軸電流(I、I)からdq軸電流位相(β)を、式(3)に従って、演算する。
Figure 2014176181
また、補正値演算部52は、式(4)及び(5)に示すように、dq軸電流指令値(I 、I )に、電流センサ9の検出遅れ(Ls)及び電流指令値に対するモータ電流の応答の遅れを含む関数を乗ずることで、補正後のdq軸電流指令値(I *’、I *’)を演算する。
Figure 2014176181
Figure 2014176181
τは、電流応答の時定数を示しており、電流指令値に対するモータ3の電流の応答遅れに相当する。時定数(τ)及びセンサ検出遅れ(Ls)は、設計又は実験により予め設定される値である。
これにより、補正値演算部52は、dq軸電流の位相に対する、検出遅れ(Ls)分、及び、応答遅れ分、dq軸電流指令値を補正している。
次に、補正値演算部52は、式(4)及び式(5)で演算された補正後dq軸電流指令値(I *’、I *’)からdq軸電流指令値位相(β)を、式(6)に従って、演算する。
Figure 2014176181
そして、補正値演算部52は、式(7)に示すように、dq軸電流位相(β)とdq軸電流指令値位相(β)との位相差(Δβ)を演算する。
Figure 2014176181
さらに、補正値演算部52は、位相差(Δβ)に基づきPI制御により、補正値(Δα)を演算している。具体的には、補正値演算部52は、式(8)に示すように、位相差(Δβ)に比例する比例係数(K:P制御の係数)を位相差に乗じた値、及び、位相差(Δβ)の積分値に比例する積分係数(K:I制御の係数)を位相差の積分値に乗じた値を加算することで、補正値(Δα)を演算する。
Figure 2014176181
なお、比例係数(K)及び積分係数(K)は設計又は実験により予め設定される値である。
これにより、補正値演算部52による補正は、即応性をもたせることができ、実際の磁極の位置に対する偏差(位相差Δβに相当)を、定常的にゼロにすることができる。
そして、加算器53は、式(1)に同様に、補正値演算部52により今回のタイミングで演算した補正値(Δα)と、磁極位置検出部51から入力される回転子位相(α)を加算することで、今回の推定値(αcvt)を演算する。
絶対磁極位置検出部51により絶対磁極位置が検出されるまでは、補正値演算部52は、補正値(Δα)を初期化せずに、上記の演算を所定の周期で繰り返す。そのため、加算器53の演算値(αcvt)は推定値となる。そして、座標変換器46は、推定値(αcvt)により、電流センサ9の検出電流を座標変換している。また座標変換器43は、推定値(αcvt)により、dq軸電圧指令値(V 、V )を座標変換している。
一方、絶対磁極位置検出部51により絶対磁極位置が検出されると、補正部演算部52は、絶対磁極位置を検出した旨の信号を受信したときに、補正値(Δα)をゼロにリセットすることで、補正値(Δα)を初期化する。また、絶縁磁極位置検出部51は、絶対位置磁極位置に基づく位相に補正した位相(α)を加算器53に出力する。加算器53は、回転子位相(α)に、ゼロである補正値を加算することになるため、実質的には、dq軸電流の検出値の位相に相当する回転子位相(α)を出力していることになる。そして、座標変換器46は、回転子位相(α)により、電流センサ9の検出電流を座標変換している。また座標変換器43は、回転子位相(α)により、dq軸電圧指令値(V 、V )を座標変換している。
次に、図5を用いて、磁極の位置ずれ及び位相差(Δβ)について説明する。図5は、dq軸の直交座標系を示しており、位相差(Δβ)及び磁極の位置ずれを説明するための図である。dq軸は基準軸を表し、d’q’軸は、磁極の位置ずれが生じているときの実際のdq軸を示している。
磁極の位置ずれが生じていない場合で、電流指令値どおりに制御が行われている場合には、dq軸電流指令値(I 、I )とdq軸電流の検出値(I、I)は一致する。一方、磁極の位置ずれが生じている場合には、実際のdq軸は、ゼロ点に相当する基準軸(基準のdq軸)に対して、ずれてしまうため、dq軸電流指令値(I 、I )は、dq軸電流の検出値(I、I)に対して、位置ずれを生じてしまう。また、電圧指令値についても、位置ずれが生じてしまう。電流指令値どおりに制御が行われている場合には、dq軸電流指令値(I 、I )とdq軸電流の検出値(I、I)の位相のずれ(Δα)は、磁極の位置ずれに相当するため、位相のずれ(Δα)を、回転子位相(α)に加える。
そして、位相のずれ(Δαに相当)分、加算された回転子位相(α)で、回転座標変換をすることで、電圧指令を位相のずれ(Δα)分進めるように、検出値を補正することができる。
これにより、本例は、絶対磁極位置が検出されていない間は、電流センサ9の検出電流の位相と、電流指令値の位相との位相差から、磁極の位置を推定し、回転座標変換する際の位相を補正することで、過電流や異常トルクの出力を抑制することができる。また、絶対磁極位置が検出された場合には、補正値(Δα)の演算を停止することで、演算処理の負担を軽減させつつ、位相差に基づく補正を継続させた場合に生じる補正誤差を防ぐことができる。
次に、図6を用いて、モータコントローラ20の制御手順について説明する。図6は、モータコントローラ20の制御手順を示すフローチャートである。なお、図6の制御フローは、所定の周期で繰り返し実行される。
ステップS1にて、モータコントローラ20、入力処理として、車速、アクセル開度等を取得する。ステップS2にて、モータトルク制御部21は、入力されたアクセル開度等に基づき、トルク指令値(Tm1 )を演算する。ステップS3にて、制振制御部22は、トルク指令値(Tm1 )等に基づき制振制御を行うことで、制振制御後トルク指令値(Tm2 )を演算する。
ステップS4にて、電流制御部23に含まれる電流指令値演算器40は、制振制御後トルク指令値(Tm2 )等に基づき、dq軸電流指令値(I 、I )を演算する。なお、ステップS4の詳細な制御手順は後述する。
ステップS5にて、電源位相演算器50は、dq軸電流(I、I)の位相とdq軸電流指令値(I 、I )の位相との位相差を演算することで、補正値(Δα)を演算し、さらに、磁極の位置の検出値に相当する回転子位相(α)と、当該補正値とから、磁極の位置を推定する。なお、ステップS5の制御フローの詳細は、後述する。そして、ステップS6にて、dq軸電流指令値(I 、I )及び磁極の位置を推定値(αcvt)に基づき、インバータ2を制御することで、モータ3の電流を制御する。
次に、図7を用いて、ステップS5の磁極位置推定制御について説明する。ステップS51にて、電源位相位相演算器50は、絶対磁極位置検出部51により、絶対磁極位置を検出し、絶対磁極位置が定まったか否かを判定する。絶対磁極位置が定まっていない場合には、絶対磁極位置が確定していないとして、ステップS52に移る。
ステップS52にて、電源位相演算器50は、座標変換器46から、dq軸電流(I、I)を取得する。ステップS53にて、補正値演算部52は、式(3)により、dq軸電流(I、I)に基づきdq軸電流位相(β)を演算する。
ステップS54にて、電源位相演算器50は、電流指令値演算器40からdq軸電流指令値(I 、I )を取得する。ステップS55にて、補正値演算部52は、式(4)〜式(6)により、dq軸電流指令値(I 、I )に基づきdq軸電流指令値位相(β)を演算する。
ステップS56にて、補正値演算部52は、式(7)及び(8)により、dq軸電流位相(β)とdq軸電流指令値位相(β)との位相差を演算することで、補正値(Δα)を演算する。ステップS57にて、加算器57は、回転子位相(α)と補正値(Δα)とを加算することで、磁極位置の推定値(αcvt)を演算する。なお、ステップS51で絶対磁極位置が確定していない場合に、ステップS57の回転子位相(α)は、パルスカウンタ47から入力される位相となる。
ステップS51に戻り、絶対磁極位置が確定している場合には、ステップS58にて、補正値演算部52は、補正値(Δα)をゼロにする。なお、ステップS51で絶対磁極位置が確定している場合に、ステップS57の回転子位相(α)は、絶対磁極位置に基づき、パルスカウンタ47から入力される位相を補正した位相である。
次に、本発明に係るモータ制御装置の効果について、図8及び図9を用いて説明する。図8は比較例の特性、図9は本発明の特性を示す。図8、9の(a)はdq軸電流ベクトルの大きさに相当する電流振幅(Ia)の時間特性を、(b)はdq軸電流の時間特性を、(c)は補正値(Δα)の時間特性を示すグラフである。
バッテリ1とインバータ2との間のリレーオンの後、一度も回転子を回転させずモータ3の停止状態、すなわち、モータコントローラ20が実際の磁極の位置を、確実には把握していない状態から、トルク指令値をステップ的に増加させた場合の電流応答について、図8、9のタイムチャートを用いて説明する。
なお、図8、9に示すように、トルク指令値のステップ的に増加する特性は、例えば、アクセルペダルを大きく踏み込み、発進加速するように、電動モータ(駆動機)を駆動させる場合に発生する。
まず、タイムチャートを説明するための初期条件として、モータ3の停止状態において、実際の磁極は電気角59度の位置に停止している。また、絶対磁極位置を一度も検出していない場合を例にとる。なお、電気角0度は、U相の立ち下がりを0度として定義する。
実際の磁極位置が電気角59度に停止している場合、角度センサ10が出力するU/V/W信号は、U=「−」、V=「−」、W=「+」の関係にあるため、モータコントローラ20は、磁極位置が電気角0度から60度の範囲内であることを検知することは可能である。しかしながら、角度センサ10のU/V/W信号からでは、モータコントローラ20は、磁極位置が電気角59度であることを検知することはできない。この場合に、磁極の位置ずれの幅を最小限するために、モータコントローラ20は、リレーオン時の磁極の位置を、電気角0度から60度のうち30度として認識する。
すなわち、実際の磁極位置(電気角59度)と、モータコントローラ20で認識する磁極位置(電気角30度と認識)との差は29度となっている。この様に、実際の磁極位置とコントローラが認識している磁極位置に大きな差がある場合について、以下、比較例及び本発明を適用した結果を説明する。
まず比較例について説明する。比較例では、リレーオンの後に、絶対磁極位置を検出するまでは、モータコントローラ20は、磁極位置を、リレーオン時の磁極位置のままで認識しているとする。そのため、比較例では、図8(c)に示すように、補正値(Δα)をゼロとしている。
時刻tの時点で、モータ停止状態から、トルク指令値がステップ的に急激に立ち上がり、dq軸電流指令値(I 、I )がステップ的に立ち上がる。実際の磁極位置とモータコントローラ20の認識している磁極位置が大きく異なる(角度差29度)。そのため、比較例では、モータコントローラ20は、dq軸電流指令値に対して、適切な電圧指令を与えることができず、実電流は大きくオーバーシュートを起こしてしまい、電流振幅値(Ia)は過電流レベルを超えてしまう。その結果として、異常トルクが発生する。なお、過電流はインバータ2のスイッチング素子等を保護するための上限電流を示す。
また、比較例では、磁極位置の実際値と認識値とのずれによって、電流制御で見かけ上の電流値と指令値は一致するが、図8(b)に示すように、実際の電流値は目標値に収束していない。
次に本発明について、説明する。本発明でも、同様に、時刻tの時点でトルク指令値がステップ的に急激に立ち上がり、dq軸電流指令値(I 、I )がステップ的に立ち上がる。この際、実際の磁極位置とモータコントローラ20が認識している磁極位置が大きく異なる状態から制御が行われるが、本発明は、時刻tの時点までに、磁極位置の補正を行うことができる。そのため、本発明は、比較例に比べてdq軸電流のオーバーシュートを抑えることができる。その結果として、電流振幅のオーバーシュート量を抑制し、過電流レベル以下に抑えることができる。また、磁極位置を補正することで、実際の電流値を目標値に収束させることができる。
これにより、本発明は、メインリレーのオンの時に、実際の磁極位置とコントローラで認識している磁極位置との間で大きな差があるような場合であっても、電流指令値の位相と電流検出値の位相との位相差を演算し、磁極位置の補正値を演算することで、過電流に至ることを回避することができ、異常トルク等の発生を抑制することができる。さらに、本発明は、車両の駆動方式に限らずに、モータの磁極の位置を推定することができる。
ところで、バッテリ1とインバータ2との間のリレーをオンにした直後は、角度センサ10から出力されるABZ信号又はU/V/W信号を検出するだけでは、磁極の位置を60度の範囲内でしか検出することができない。
そのため、リレーオンの直後は、正確な絶対磁極位置を検出することができないため、リレーオンの直後に急加速した場合には、異常トルクの発生や、過電流の発生の可能性がある(図7の比較例を参照)。そこで、角度センサ10自体の検知性能を高めることが考えられるが、センサのコストアップとなるため、好ましくない。
また、リレーオン後の車両停車時に、微弱な電流をモータ3に流すことで、磁極位置を検出することも考えられる。しかしながら、磁極位置がずれている状態では、微弱な電流を流すための指令値に対して、トルクが高くなる可能性があり、モータ3の振動が発生する可能性もある。
上記のように、本例は、モータの各相の電流を検出し、モータの磁極の位置を検出し、dq軸電流指令値の位相(β)とモータの検出電流値の位相(β’)との位相差(Δβ)を演算することで、磁極の位置の補正値(Δα)を演算し、磁極の位置の検出値に相当する回転子位相(α)と補正値(Δα)から磁極の位置を推定している。
すなわち、リレーオンの直後に、車両を急加速した場合でも、本例は、位相差(Δβ)を演算することで、トルク指令値の立ち上がりに対して、即座に磁極の位置ずれを認識している。そして、磁極の位置の推定値に基づいてインバータ2を制御することで、
磁極の位置ずれにより発生していた、モータ3の検出電流と電流指令値との偏差を補償することができる。その結果として、過電流を防ぎつつ、異常トルクの発生を抑制することができる。さらに、駆動方式を限定することなく、車両のモータの磁極の位置を推定することができる。
また、本発明のモータ制御装置を電気自動車に適用した際について、車両の停車状態における、勾配、パーキングブレーキ操作、及びパークロック操作によって、モータ3のコギングトルク等が発生し、電動モータとして安定して停止できず、磁極の位置が一定の位置に止まるとは限らない。このような状態においても、本発明のモータ制御装置により、過電流を防ぎつつ、異常トルクの発生を抑制することができる。
また本例は、モータ3の電流の応答遅れ分及び電流センサ9の検出遅れ分、dq軸電流指令値を補正し、補正された電流指令値から位相(β’)を演算している。これにより、磁極の位置の推定精度を高めることができる。
また本例は、比例係数(K)を位相差(Δβ)に乗じた値、及び、積分係数(K)を位相差(Δβ)の積分値に乗じた値を加算することで、補正値(Δα)を演算している。これにより、即応性を持たせつつ、演算誤差の影響を排除し、電流指令値の位相と実電流の位相との偏差を定常的にゼロにすることができ、磁極の位置ずれを補償することができる。
また本例は、絶対磁極位置を検出していない場合には、推定値(αcvt)により、電流センサ9の検出電流を座標変換し、絶対磁極位置を検出した場合には、回転子位相(α)により、電流センサ9の検出電流を座標変換している。これにより、絶対磁極位置を検出した後は、推定値(αcvt)による座標変換を行わなくてもよいため、磁極位置の推定誤差が生じた場合でも、電流制御への影響を排除することできる。
また本例は、絶対磁極位置を検出した場合には、補正値(Δα)をゼロにする。これにより、絶対磁極位置を検出した後は、補正量(Δα)の演算を行わなくてもよいため、演算負荷を軽減することができる。また、磁極位置の推定誤差が生じた場合でも、電流制御への影響を排除することできる。
なお、本例では、式(4)及び(5)に示すように、時定数(τ)及びセンサ検出遅れ(Ls)を含む関数を用いて、dq軸電流指令値を補正したが、時定数(τ)真又はセンサ検出遅れ(Ls)のいずれか一方の要素を含む関数を用いて、dq軸電流指令値を補正してもよい。すなわち、本例は、モータ3の電流の応答遅れ、又は、電流センサ9の検出遅れのいずれか一方の遅れ分、dq軸電流指令値を補正し、補正された電流指令値から位相(β’)を演算してもよい。
上記の角度センサ10、パルスカウンタ47、及び絶対磁極位置検出部51が本発明の「磁極位置検出手段」に相当し、補正値演算部52が本発明の「補正値演算手段」に、加算器53が本発明の「磁極位置推定手段」に、加算器41、電流FB制御器42等が「制御手段」に、座標変換器46が本発明の「座標変換手段」に相当する。
《第2実施形態》
図10は、発明の他の実施形態に係るモータ制御装置を搭載したハイブリッド車両のシステム構成を示すブロック図である。以下、本例のインバータ制御装置をシリーズ型のハイブリッド車両に提供した例を挙げて説明するが、本例のインバータ制御装置は、例えばエンジン及びモータを駆動源とするパラレル型のハイブリッド車両にも適用可能である。
図10に示すように、本例のインバータ制御装置を含む車両は、エンジン101と、発電機モータ102と、発電機インバータ103と、バッテリ104と、駆動機インバータ105と、駆動機モータ106と、減速機107と、駆動輪108と、エンジンコントローラ110と、発電機コントローラ120と、バッテリコントローラ130と、駆動機コントローラ140と、システムコントローラ100とを備えている。
エンジン(内燃機関)101は、ガソリン、軽油その他の燃料を燃焼させてエネルギを出力軸に出力し、エンジンコントローラ110からの制御信号に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度や燃料噴射バルブの燃料噴射量等を制御して駆動する。またエンジン101は、発電のための駆動力を発電機モータ102に伝達する。発電機モータ102は、エンジン101の出力軸に連結され、エンジン101により駆動される。また発電機モータ102はエンジン101の始動時にエンジン101をクランキングしたり、また発電機モータ102の駆動力を利用してエンジン101を力行回転させることで電力を消費させたりする。
発電機インバータ103は、発電機モータ102から出力される交流電力を直流電力に変換し、または直流電力から交流電力に逆変換する変換回路である。発電機インバータ103は、バッテリ104及び駆動機インバータ105に接続されている。また発電機インバータ103と発電機モータ102との間に電流センサが設けられて、電流センサなどの検出値は発電機コントローラ120に出力される。発電機モータ103には、角度センサ10が接続され、当該角度センサ10の検出値は発電機コントローラ20に出力される。バッテリ104は、発電機インバータ103と駆動機インバータ105との間に接続され、駆動機インバータ105に電力を供給し、発電機インバータ103からの電力により充電される二次電池である。駆動機インバータ105は、発電機インバータ103あるいはバッテリ104から出力される直流電力を交流電力に変換して、駆動機モータ106に当該交流電力を出力する変換回路である。駆動機インバータ105は、駆動機コントローラ140の制御信号に基づき制御される。また駆動機インバータ105には、電流センサが設けられて、電流センサなどの検出値は駆動機コントローラ140に出力される。
駆動機モータ106は、車両の駆動軸に連結され、駆動機インバータ105からの交流電力により駆動する車両の駆動源である。駆動機モータ106の出力軸は、減速機107及び左右のドライブシャフトを介して、左右の駆動輪108に連結されている。
エンジンコントローラ110は、システムコントローラ100から送信されるエンジントルク指令値を実現するために、エンジン101に設けられた空燃比センサ(図示しない)の検出値及び温度等に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度、点火時期、燃料噴射量等を設定して、エンジン101を制御することで、指令値のトルクをエンジン1から出力させるためのコントローラである。発電機コントローラ120は、システムコントローラ100から送信される発電機回転数指令値及び電流センサの検出値に基づいて、発電機インバータ3を制御することで、指令値の回転数を実現するためのコントローラである。なお、発電機コントローラ120の詳細な構成は後述する。
バッテリコントローラ130は、バッテリ104の電圧を検出する電圧センサ、バッテリ104の電流を検出する電流センサ等の検出値から、バッテリ104の充電状態(SOC:State of Charge)を計測することで、バッテリ104を管理している。駆動機コントローラ140は、システムコントローラ100から指令される駆動トルク及び駆動機モータ106の検出電流や回転数に基づいて、駆動インバータ105をスイッチング制御し、指令値のトルクを実現するためのコントローラである。
システムコントローラ100は、車両全体を管理するコントローラであって、運転者のアクセルペダル操作量と車速、勾配などの車両状態、バッテリコントローラ130からのSOC、充電可能パワー、放電可能パワー、発電機の発電電力などに応じて、駆動モータへ駆動トルクを指令する。さらに、バッテリ104へ充電、モータへ電力を供給するための目標発電電力を演算する。さらに、目標発電電力を実現するために、エンジンへのエンジントルク指令値、発電機コントローラへの発電機回転数指令値等を演算する。
次に、図11を用いて、発電機コントローラ120の構成について説明する。図11は発電機モータ102、発電機インバータ103及び発電機コントローラ120のブロック図である。発電機コントローラ120は、電流指令値演算器40、減算器41、電流FB制御器42、座標変換器43、PWM変換器44、AD変換器45、座標変換器46、パルスカウンタ47、角速度演算器48、モータ回転数演算器49、電源位相演算器50及び発電機トルク指令値演算器60を有している。発電機トルク指令値演算器60以外の構成は、第1実施形態に係る構成と、ほぼ同様であるため、説明を省略する。
発電機トルク指令値演算器60は、モータ回転数演算器49から出力される回転数検出値(N)を、システムコントローラ100から出力される発電機モータ2の回転数指令値(N )に一致させるように、発電機モータ102のトルク指令値(T)を演算するPID制御器である。回転数制御器21は、回転数指令値(N )及び回転数検出値(N)を入力として、以下の式(9)によりトルク指令値(T)を演算し、電流指令値演算器22に出力する。
Figure 2014176181
ただし、Kは比例ゲインを、Kは積分ゲインを、Kは微分ゲインを、Tは近似微分の時定数を、sはラプラス演算子を、Nは回転数検出値を、N は回転数指令値を示す。回転数指令値(N )は、上記のとおり、システムコントローラ100により、本例のハイブリッド車両の状態から、発電機モータ102で発電すべきと判断された場合に、発電機モータ102の目標発電電力に応じて設定される指令値である。
上記のように、本例に係るモータ制御装置は、電気自動車に限らず、ハイブリッド車両にも適用することができる。これにより、駆動方式を限定することなく、車両のモータの磁極の位置を推定することができる。
なお、図10に示すハイブリッド車両において、発電を開始するためエンジンを始動させた場合には、図9に示すような、トルク指令値がステップ的に増加する。また、例えば、車両の停止状態においてエンジンフリクションやコンプレッションは、モータのコギングトルク以上の大きさを持つことで、モータとして安定して停止できず、磁極の位置が一定の位置に止まるとは限らない。すなわち、このようにハイブリッド車両においても、磁極の位置ずれが発生している状態で、発電のためにエンジン始動により、ステップ上のトルク指令値が入力されることが考えられる。
上述したとおり、本例のモータ制御装置はハイブリッド車両に適用することができるため、磁極の位置ずれが生じている状態で、ステップ上のトルク指令値が入力された場合でも、図9で説明した効果と、同様の効果を奏することができる。
1…バッテリ
2…インバータ
3…モータ
9…電流センサ
10…角度センサ
20…モータコントローラ
21…モータ録制御部
22…制振制御部
23…電流制御部
40…電流指令値演算器
41…加算器
42…電流FB制御器
43、46…座標変換器
44…PWM変換器
45…AD変換器
47…パルスカウンタ
48…角速度演算器
49…モータ回転数演算器
50…電源位相演算器
51…絶対磁極位置検出部
52…補正値演算部
53…加算器

Claims (5)

  1. スイッチング素子を備えたインバータ及び当該インバータに接続されたモータを制御するモータ制御装置において、
    前記モータの磁極の位置を検出する磁極位置検出手段と、
    前記磁極の位置の補正値を演算する補正値演算手段と、
    前記磁極位置検出手段により検出された磁極の位置の検出値と前記補正値から前記磁極の位置を推定する磁極位置推定手段と、
    前記モータの各相の電流を検出する電流検出手段と、
    外部から入力されるトルク指令値及び前記モータの回転速度に基づき前記モータの電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、
    前記電流指令値、前記電流検出手段により検出された検出電流値、及び前記磁極位置推定手段により推定された前記磁極の位置の推定値に基づき、前記インバータを制御する制御手段を備え、
    前記補正値演算手段は、
    前記電流指令値の位相と前記検出電流値の位相との位相差を演算することで、前記補正値を演算する
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1記載のモータ制御装置であって、
    前記補正値演算手段は、
    前記電流指令値に対する前記モータの電流の応答遅れ、又は、前記電流検出手段の検出遅れの何れか一方の遅れ分、前記電流指令値を補正し、
    補正された前記電流指令値から前記電流指令値の位相を演算する
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1又は2記載のモータ制御装置であって、
    前記補正値演算手段は、
    前記位相差に比例する比例係数を前記位相差に乗じた値、及び、前記位相差の積分値に比例する積分係数を前記位相差の積分値に乗じた値を加算することで、前記補正値を演算する
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ制御装置であって、
    前記電流検出手段により検出された検出電流値を座標変換する座標変換手段をさらに備え、
    前記磁極位置検出手段は、
    前記磁極の基準となる位置に対する前記磁極の位置ずれを検出し、
    前記位置ずれを加算した値を前記検出値として出力し、
    前記座標変換手段は、
    前記磁極位置検出手段により前記位置ずれを検出していない場合には、前記磁極位置推定手段により推定された前記磁極の位置の推定値で前記検出電流値を座標変換し、
    前記磁極位置検出手段により前記位置ずれを検出した場合には、前記検出値で前記検出電流値を座標変換する
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置であって、
    前記磁極位置検出手段は、
    前記磁極の基準となる位置に対する前記磁極の位置ずれを検出し、
    前記位置ずれを加算した値を前記検出値として出力し、
    前記補正値演算手段は、
    前記磁極位置検出手段により前記位置ずれを検出した場合には、前記補正値をゼロとする
    ことを特徴とするモータ制御装置。
JP2013046210A 2013-03-08 2013-03-08 モータ制御装置 Pending JP2014176181A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013046210A JP2014176181A (ja) 2013-03-08 2013-03-08 モータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013046210A JP2014176181A (ja) 2013-03-08 2013-03-08 モータ制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014176181A true JP2014176181A (ja) 2014-09-22

Family

ID=51696939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013046210A Pending JP2014176181A (ja) 2013-03-08 2013-03-08 モータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014176181A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6211135B1 (ja) * 2016-05-24 2017-10-11 三菱電機株式会社 モータ制御装置
CN108847793A (zh) * 2018-07-20 2018-11-20 张懿 一种自校正的转子位置估算方法
CN108847792A (zh) * 2018-07-20 2018-11-20 张懿 一种霍尔位置传感器估算转子位置的方法
CN108988724A (zh) * 2018-07-20 2018-12-11 张懿 一种霍尔位置传感器变权值复合型转子位置估算方法
RU2719355C1 (ru) * 2018-08-30 2020-04-17 Тойота Дзидося Кабусики Кайся Устройство управления и способ управления
JPWO2021106609A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6211135B1 (ja) * 2016-05-24 2017-10-11 三菱電機株式会社 モータ制御装置
JP2017212783A (ja) * 2016-05-24 2017-11-30 三菱電機株式会社 モータ制御装置
CN108847793A (zh) * 2018-07-20 2018-11-20 张懿 一种自校正的转子位置估算方法
CN108847792A (zh) * 2018-07-20 2018-11-20 张懿 一种霍尔位置传感器估算转子位置的方法
CN108988724A (zh) * 2018-07-20 2018-12-11 张懿 一种霍尔位置传感器变权值复合型转子位置估算方法
RU2719355C1 (ru) * 2018-08-30 2020-04-17 Тойота Дзидося Кабусики Кайся Устройство управления и способ управления
JPWO2021106609A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03
WO2021106609A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 日立Astemo株式会社 電力変換装置
JP7267457B2 (ja) 2019-11-29 2023-05-01 日立Astemo株式会社 電力変換装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6292208B2 (ja) ハイブリッド車両
US6984957B2 (en) Apparatus for controlling permanent-magnet rotary machine
JP4350676B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP3843966B2 (ja) ハイブリッド型車両駆動制御装置、ハイブリッド型車両駆動制御方法及びそのプログラム
US9413281B2 (en) Apparatus for controlling AC motor
US9077278B2 (en) AC motor control apparatus
CN108667368B (zh) 车辆及其控制方法
US9590551B2 (en) Control apparatus for AC motor
JP2014176181A (ja) モータ制御装置
US9120388B2 (en) Rotating electrical machine drive system
JP2014511667A (ja) 直流バス電圧の制御
US9007009B2 (en) Control apparatus for AC motor
JP2014121215A (ja) 負荷駆動制御装置
JP5169797B2 (ja) 永久磁石式回転電機の制御装置
JP4801548B2 (ja) 車両用回転電機を搭載した車両
EP2940858A1 (en) Motor control device and motor control method
JP2013172595A (ja) 交流電動機の制御装置
JP6269328B2 (ja) 同期モータの制御装置、及び、これを備える車両制御システム
JP6128016B2 (ja) 交流電動機の制御装置
US20220077795A1 (en) Motor control device
JP6128017B2 (ja) 交流電動機の制御装置
JP3742582B2 (ja) 電気自動車の制御装置
JP2019068493A (ja) 駆動装置
KR20170032950A (ko) 모터 제어 방법 및 시스템
KR20230011009A (ko) 차량용 모터 제어 시스템