JP2014175605A - 受光センサ及び受光センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】互いに接合されたベース部材12及びリッド部材13を有するパッケージ14と、ベース部材12及びリッド部材13との間に形成されたキャビティC内に収納された受光素子15と、リッド部材13のうち、受光素子15と対向する部分に配設され、パッケージ14内に光を透過させるレンズ部31と、を備え、レンズ部31は、リッド部材13の形成材料よりも融点の高い材料により形成されるとともに、リッド部材13に埋設されていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
ベース部材の凹部内には、赤外線を受光する受光素子が収納されている。一方、リッド部材のうち、受光素子と対向する部分には開口部が形成され、この開口部を閉塞するようにレンズ部が配設されている。レンズ部は、例えば平凸状とされ、その外周部分が導電性接着剤等の接合材料によりリッド部材の内面に接合されている。
このように構成された赤外線センサでは、レンズ部に入射した赤外線が、レンズ部で集光された後、受光素子で受光されるようになっている。
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、レンズ部とリッド部材とが別途の接合材料を用いて接合されているため、レンズ部とリッド部材との間を完全に塞ぐのが困難であり、パッケージ内の気密性を長期に亘って確保することが難しい。
(1)本発明に係る受光センサは、互いに接合されたベース部材及びリッド部材を有するパッケージと、前記ベース部材及び前記リッド部材との間に形成されたキャビティ内に収納された受光素子と、前記リッド部材のうち、前記受光素子と対向する部分に配設され、前記パッケージ内に光を透過させる光透過部材と、を備え、前記光透過部材は、前記リッド部材の形成材料よりも融点の高い材料により形成されるとともに、前記リッド部材に埋設されていることを特徴としている。
また、溶融したリッド部材内に光透過部材を埋め込むので、従来のようにリッド部材に対して光透過部材を1つずつ接合する場合と異なり、複数のリッド部材が形成されたリッドウエハに複数の光透過部材を一括して埋め込むことができる。すなわち、ウエハレベルでの作業を実現できるので、低コスト化及び製造効率の向上を図ることができる。
この構成によれば、両凸のレンズ形状とされた光透過部材を採用することで、集光効率(画角)を向上させ、受光センサの更なる感度向上を図ることができる。
この構成によれば、光透過部材をリッド部材内に直接接合することで、従来のように別途の接合材料等を用いて光透過部材とリッド部材とを接合する構成に比べて光透過部材とリッド部材との間の気密性を確実に高めることができる。
この構成によれば、埋め込み工程において、リッド部材の融点以上であって、光透過部材の融点未満の温度範囲でリッド部材を加熱することで、光透過部材を溶融させずにリッド部材のみを溶融させた状態とすることができる。この状態で、光透過部材をリッド部材に向けて押圧することで、リッド部材内に光透過部材を埋め込むことができる。
この場合、光透過部材をリッド部材内に直接固着させることができるので、従来のように別途の接合材料等を用いて光透過部材とリッド部材とを接合する構成に比べて光透過部材とリッド部材との間の気密性を高めることができる。したがって、パッケージ内の気密性を長期に亘って確保することができるとともに、パッケージ内と外部との熱絶縁を行うことができるので、高精度な受光センサを提供することができる。
また、溶融したリッド部材内に光透過部材を埋め込むので、従来のようにリッド部材に対して光透過部材を1つずつ接合する場合と異なり、複数のリッド部材が形成されたリッドウエハに複数の光透過部材を一括して埋め込むことができる。すなわち、ウエハレベルでの作業を実現できるので、低コスト化及び製造効率の向上を図ることができる。
この構成によれば、リッド部材に位置決め部を形成しておくことで、リッド部材に対するレンズ部の位置決めを高精度に行うことができる。その結果、寸法精度に優れた受光センサを提供できる。
[赤外線センサ]
図1は赤外線センサの斜視図、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の赤外線センサ(受光センサ)11は、ベース部材12と及びリッド部材13が接合された箱型のパッケージ14と、パッケージ14のキャビティC内に収納された受光素子15と、を備えている。
次に、上述した赤外線センサの製造方法について説明する。以下には、複数のベース部材12が連なるベースウエハ51(図3参照)と、複数のリッド部材13が連なるリッドウエハ52(図4参照)との間に複数の受光素子15を収納してウエハ接合体53(図5参照)を形成し、このウエハ接合体53を切断することにより、複数の赤外線センサ11を同時に製造する方法について説明する。なお、図3以降に示す鎖線Mは、後述する個片化工程で切断する際の切断線を示している。
本実施形態の赤外線センサ11の製造方法は、ベースウエハ作成工程と、リッドウエハ作成工程と、組立工程と、を主に有している。そのうち、ベースウエハ作成工程と、リッドウエハ作成工程とは並行して行うことが可能である。
図3はベースウエハ作成工程を説明するための工程図であって、図5(a)のB−B線に相当する断面図である。
まず、図3(a)に示すように、ガラス等からなるベースウエハ51を用意する。
次に、図3(b)に示すように、ベースウエハ51のうち、赤外線センサ11(パッケージ14)の形成領域毎に一対の貫通電極26、及び凹部22を形成する(貫通電極及び凹部形成工程)。なお、凹部22は、ベースウエハ51の上面51a側から押し型によりプレス加工を施すことで形成することができる。また、貫通電極26は、凹部形成前に形成しても、凹部形成後に形成しても構わない。
以上により、ベースウエハ作成工程が終了する。
図4はリッドウエハ作成工程を説明するための工程図であって、図5(a)のB−B線に相当する断面図である。
図4(a)に示すように、ガラス等からなるリッドウエハ52を用意する。
次に、図4(b)に示すように、リッドウエハ52のうち、レンズ部31(図4(c)参照)の配置領域毎にレンズ位置決め部55を形成する(位置決め部形成工程)。具体的には、リッドウエハ52を軟化点(融点より低い温度(例えば、融点の半分程度)であって、リッドウエハ52が軟化し始める温度)以上に加熱した状態で、プレス加工等を施すことで、レンズ部31の配置領域に凹状のレンズ位置決め部55を形成することができる。なお、リッドウエハ52として、ソーダ石灰ガラスを採用した場合、軟化点は1000℃程度である。
レンズ組付治具56は、板状とされ、その上面にリッドウエハ52が載置可能となっている。また、レンズ組付治具56のうち、リッドウエハ52におけるレンズ部31の配置領域に対応する部分には、厚さ方向に窪んだ収容凹部57が形成されている。収容凹部57は、リッドウエハ52に埋め込まれるレンズ部31の一部を収容するものである。なお、図示の例では、収容凹部57の平面視外形は、上述したレンズ位置決め部55よりも大きく、かつレンズ部31よりも小さく形成されている。
そして、レンズ部31の光軸方向と、リッドウエハ52の厚さ方向と、を一致させた状態で、レンズ部31の下面中央部がレンズ位置決め部55内に収まるようにレンズ部31をセットする。
その後、リッドウエハ52を冷却して、リッドウエハ52を硬化させることで、レンズ部31が埋設されたリッドウエハ52を作成することができる。
以上により、リッドウエハ作成工程が終了する。
図5(a)は個片化工程前におけるウエハ接合体の斜視図であり、図5(b)は個片化工程中におけるウエハ接合体の斜視図である。また、図6は図5(a)のB−B線に沿う断面図である。
次に、図5(a)、図6に示すように、上述したベースウエハ51及びリッドウエハ52同士を接合する接合工程を行う。具体的には、まず減圧雰囲気下または不活性ガス雰囲気下に保持されたチャンバー内に、上述したベースウエハ51とリッドウエハ52とを搬送する。そして、ベースウエハ51及びリッドウエハ52それぞれに形成された図示しないアライメントマークを指標として、両ウエハ51,52を重ね合わせる。これにより、ベースウエハ51に実装された各受光素子15が、ベースウエハ51の各凹部22とリッドウエハ52とで囲まれるキャビティC内に収納され、かつリッドウエハ52に埋設された各レンズ部31が各受光素子15(凹部22)と対向した状態となる。
そして、各ウエハ51,52を陽極接合やプラズマ活性化接合等により接合することで、ベースウエハ51とリッドウエハ52とが接合したウエハ接合体53を得ることができる。
すると、ウエハ接合体53が赤外線センサ11の形成領域毎に切り出されることで、1枚のウエハ接合体53から複数の赤外線センサ11を同時に作成することができる。
この構成によれば、リッド部材13を、その融点以上であって、レンズ部31の融点未満の温度範囲で加熱して、リッド部材13のみを溶融させた状態とすることで、リッド部材13内にレンズ部31を埋め込むことができる。この場合、レンズ部31をリッド部材13内に直接固着させることができるので、従来のように別途の接合材料等を用いてレンズ部31とリッド部材13とを接合する構成に比べてレンズ部31とリッド部材13との間の気密性を高めることができる。したがって、パッケージ14内の気密性を長期に亘って確保することができるとともに、パッケージ14内と外部との熱絶縁を行うことができるので、高精度な赤外線センサ11を提供することができる。
また、リッドウエハ52にレンズ位置決め部55を形成しておくことで、リッドウエハ52に対するレンズ部31の位置決めを高精度に行うことができる。その結果、寸法精度に優れた赤外線センサ11を提供できる。
例えば、上記実施形態では、本発明の受光センサを赤外線センサ11に適用した場合について説明したが、これに限らず、種々の受光センサに適用することができる。例えば可視光を受光して、その検出結果に基づいて電気信号を出力する照度センサ等に適用することが可能である。
また、上述した実施形態では、ベース部材12に凹部22を形成する構成について説明したが、ベース部材12とリッド部材13との間にキャビティCが形成されていれば、リッド部材13に凹部が形成されていても、ベース部材12及びリッド部材13の両方に凹部が形成されていても構わない。
例えば、単なるマーク等であってもよく、また図7に示すように、リッドウエハ52を貫通する貫通孔60でも構わない。この場合においても、各貫通孔60(レンズ位置決め部)にレンズ部31を配置した後、埋め込み工程を行うことで、上述した作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
なお、貫通孔60は、その開口縁によってレンズ部31の外周部分が保持される程度の内径とすることが好ましい。これにより、貫通孔60からレンズ部31の脱落を防止した上で、リッドウエハ52に対するレンズ部31の位置決めを高精度に行うことができる。
また、レンズ位置決め部55やレンズ組付治具56の収容凹部57はテーパ状としても構わない。
さらに、ベース部材12の凹部22内に複数の受光素子15をアレイ状に配列しても構わない。
Claims (5)
- 互いに接合されたベース部材及びリッド部材を有するパッケージと、
前記ベース部材及び前記リッド部材との間に形成されたキャビティ内に収納された受光素子と、
前記リッド部材のうち、前記受光素子と対向する部分に配設され、前記パッケージ内に光を透過させる光透過部材と、を備え、
前記光透過部材は、前記リッド部材の形成材料よりも融点の高い材料により形成されるとともに、前記リッド部材に埋設されていることを特徴とする受光センサ。 - 前記光透過部材は、両凸のレンズ形状とされていることを特徴とする請求項1記載の受光センサ。
- 前記光透過部材は、前記リッド部材に直接接合されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の受光センサ。
- 互いに接合されたベース部材及びリッド部材を有するパッケージ内に受光素子が収納された受光センサの製造方法であって、
前記リッド部材の形成材料よりも融点の高い材料により形成されるとともに、前記パッケージ内に光を透過させる光透過部材を前記リッド部材に埋設する埋め込み工程を有し、
前記埋め込み工程では、前記リッド部材の融点以上であって、前記光透過部材の融点未満の温度範囲で前記リッド部材を加熱しつつ、前記光透過部材を前記リッド部材に向けて押圧し、前記光透過部材を前記リッド部材内に埋設することを特徴とする受光センサの製造方法。 - 前記埋め込み工程の前に、前記リッド部材に前記光透過部材をセットするための位置決め部を形成する位置決め部形成工程と、
前記位置決め部に前記光透過部材をセットするセット工程と、を有していることを特徴とする請求項4記載の受光センサの製造方法。
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