JP2014173016A - 有機シリコーン微粒子、有機シリコーン微粒子の製造方法、改質ポリオレフィン微多孔膜、改質ポリオレフィン微多孔膜の製造方法及び非水電解質電池用セパレータ - Google Patents

有機シリコーン微粒子、有機シリコーン微粒子の製造方法、改質ポリオレフィン微多孔膜、改質ポリオレフィン微多孔膜の製造方法及び非水電解質電池用セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】特にリチウムイオン電池用セパレータ用改質ポリオレフィン微多孔膜を製造するのに好適なシリコーン微粒子、及び該微粒子を用いた熱収縮が小さくシャットダウン性にも優れた改質ポリオレフィン微多孔膜、リチウムイオン電池用セパレータを提供する。
【解決手段】ポリシロキサン架橋構造体から成り、表面に複数の凹部を有し、全体として紡錘形状を呈し、紡錘形状の長径(D)の平均値が0.01〜20μm、また紡錘形状の最小短径(R)の平均値が0.005〜15μm(但し、平均値は有機シリコーン微粒子の走査型電子顕微鏡像から抽出した任意の100個についての平均値。)であることを特徴とする中実の有機シリコーン微粒子、及び、ポリオレフィン微多孔膜の片表面又は両表面に、該有機シリコーン微粒子と有機バインダーとから成る耐熱多孔質層を形成した改質ポリオレフィン微多孔膜、該膜を用いたリチウムイオン電池用セパレータ。
【選択図】図2

Description

本発明は有機シリコーン微粒子、有機シリコーン微粒子の製造方法、改質ポリオレフィン微多孔膜、改質ポリオレフィン微多孔膜の製造方法及び非水電解質電池用セパレータに関する。リチウムイオン電池用セパレータ等の非水電解質電池用セパレータ、精密濾過膜、コンデンサー用セパレータ、燃料電池用材料等として、ポリオレフィン微多孔膜が使用されている。なかでも、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ等の小型電子機器及び自動車用蓄電池として使用されるリチウムイオン電池用のセパレータとしての使用が注目されている。本発明は、かかるポリオレフィン微多孔膜の改質に有用な有機シリコーン微粒子、その製造方法、該有機シリコーン微粒子を用いた改質ポリオレフィン微多孔膜、その製造方法及び該改質ポリオレフィン微多孔膜から成る非水電解質電池用セパレータに関する。
従来、前記のようなポリオレフィン微多孔膜として、ポリオレフィン微多孔膜を形成するポリオレフィンのフィルム層中に各種の無機又は有機の微粒子を含有させたものが知られており(例えば特許文献1〜7参照)、またポリオレフィン微多孔膜の表面に各種の無機又は有機の微粒子と有機バインダー等からなる耐熱多孔質層を形成したものも知られている(例えば特許文献8参照)。更に前記のような有機シリコーン微粒子それ自体としては、概ね球状のもの(例えば特許文献9参照)、中空で凹凸のある微粒子(例えば特許文献10参照)、表面に多数の小さい窪みを有する概ね球状の微粒子(例えば特許文献11参照)、ラグビーボール様の微粒子(例えば特許文献12参照)、半球状の微粒子(例えば特許文献13参照)等、各種が知られている。
ところが、特許文献1〜7のような従来手段には、ポリオレフィンのフィルム層の成形工程にて微粒子をフィルム層中に含有させておき、ポリオレフィン微多孔膜を製造することになるため、その製造が誠に厄介という問題があり、特許文献8のような従来手段には、またこの場合に有機の微粒子として特許文献9〜13のような有機シリコーン微粒子を用いてみても、実際のところ、ポリオレフィン微多孔膜の表面に形成した耐熱多孔質層が剥離し易く、依然として熱収縮率も高いという問題がある。
特開昭63−221140号公報 特開平8−182921号公報 特開平10−50287号公報 特開平10−110052号公報 特開2005−171230号公報 WO2006−038532号公報 特開2011−6585号公報 特開2008−123996号公報 特開昭61−159427号公報 特開平7−157672号公報 特開2000−191788号公報 特開2003−171465号公報 特開2003−128788号公報
本発明が解決しようとする課題は、ポリオレフィン微多孔膜が本来的に有しているシャットダウン機能を阻害することなく、またポリオレフィン微多孔膜の表面に形成した耐熱多孔質層が剥離することなく、更に高温時にも熱収縮率が充分に低く、したがってリチウムイオン電池用セパレータ等の非水電解質電池用セパレータとして好適な改質ポリオレフィン微多孔膜を製造することができる新規の有機シリコーン微粒子、これを用いた改質ポリオレフィン微多孔膜等を提供する処にある。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、各種の微粒子のなかでも特定の形状を有する新規の有機シリコーン微粒子を用いることが肝要であり、ポリオレフィン微多孔膜の片表面又は両表面にかかる有機シリコーン微粒子と有機バインダーとから成る耐熱多孔質層を形成させた改質ポリオレフィン微多孔膜が正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、ポリシロキサン架橋構造体から成る中実の有機シリコーン微粒子であって、表面に複数の凹部を有する全体として紡錘形状を呈し、紡錘形状の長径(D)の平均値が0.01〜20μm、また紡錘形状の最小短径(R)の平均値が0.005〜15μmであることを特徴とする有機シリコーン微粒子に係る。また本発明は、かかる有機シリコーン微粒子の製造方法、かかる有機シリコーン微粒子を用いた改質ポリオレフィン微多孔膜、その製造方法及びかかる改質ポリオレフィン微多孔膜から成る非水電解質電池用セパレータに係る。
先ず本発明に係る有機シリコーン微粒子(以下、本発明の微粒子という)について説明する。本発明の微粒子は、ポリシロキサン架橋構造体から成る中実の有機シリコーン微粒子であって、表面に複数の凹部を有する全体として紡錘形状を呈し、紡錘形状の長径(D)の平均値が0.01〜20μm、また紡錘形状の最小短径(R)の平均値が0.005〜15μmであるものである。
但し、紡錘形状の長径(D)の平均値及び紡錘形状の最小短径(R)の平均値は、有機シリコーン微粒子の走査電子顕微鏡像から抽出した任意の100個についての平均値である。
本発明の微粒子の平均粒子径(メジアン径)に特に制限はないが、0.01〜15μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。平均粒子径はレーザー散乱粒度分布計(HORIBA社製のLA−920)を用い、有機シリコーン微粒子を溶解しない媒体に分散させて測定した数平均粒子径(メジアン径)である。
また本発明の微粒子は、下記の化1で示されるシロキサン単位が20〜50モル%、化2で示されるシロキサン単位が20〜70モル%及び化3で示されるシロキサン単位が5〜50モル%(合計100モル%)の割合で構成されたものが好ましい。
Figure 2014173016

Figure 2014173016
Figure 2014173016
化2及び化3において、
,R,R:ケイ素原子に直結した炭素原子を有する有機基
化2中のR、化3中のR及びRとしては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基等の炭素数1〜12の有機基が挙げられるが、なかでもメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基が好ましく、メチル基がより好ましい。化2中のR、化3中のR及びRがかかる有機基である場合、化2や化3で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、メチルシロキサン単位、エチルシロキサン単位、プロピルシロキサン単位、ブチルシロキサン単位、フェニルシロキサン単位等が挙げられる。
本発明の微粒子を前記したようなシロキサン単位で構成する場合、各シロキサン単位の構成割合は、化1で示されるシロキサン単位を20〜50モル%、化2で示されるシロキサン単位を20〜70モル%及び化3で示されるシロキサン単位を5〜50モル%(合計100モル%)の構成割合とする。
次に本発明に係る有機シリコーン微粒子の製造方法(以下、本発明の微粒子の製造方法という)について説明する。本発明の微粒子の製造方法は、下記の化4で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物を20〜50モル%、下記の化5で示されるシラノール基形成性化合物を20〜70モル%及び下記の化6で示されるシラノール基形成性化合物を5〜50モル%(合計100モル%)となる割合で用い、これらを含窒素化合物と水との混合溶媒中にて、触媒存在下に加水分解し、更に縮合反応させて有機シリコーン微粒子を製造する方法である。
Figure 2014173016
Figure 2014173016
Figure 2014173016
化4、化5及び化6において、
,R,R:ケイ素原子に直結した炭素原子を有する有機基
X,Y,Z:炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシエトキシ基、炭素数2〜4のアシロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基を有するN,N−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は水素原子
化5中のR、化6中のR及びRとしては、アルキル基、フェニル基、アルコキシアルキル基等の反応性の無い有機基、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイルアルキル基、メルカプト基等の反応性を有する有機基が挙げられる。
なかでも、化4〜化6のシラノール基形成性ケイ素化合物としては、R、R、Rの各々が炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であるものが好ましく、メチル基であるものがより好ましい。
化4で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物は、結果として化1で示されるシロキサン単位を形成することとなる化合物である。化4中のXは、1)メトキシ基やエトキシ基等の、炭素数1〜4のアルコキシ基、2)メトキシエトキシ基やブトキシエトキシ基等の、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシエトキシ基、3)アセトキシ基やプロピオキシ基等の、炭素数2〜4のアシロキシ基、4)ジメチルアミノ基やジエチルアミノ基等の、炭素数1〜4のアルキル基を有するN,N−ジアルキルアミノ基、5)ヒドロキシル基、6)塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子、又は7)水素原子である。
化4で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシエトキシシシラン、トリブトキシエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラ(ジメチルアミノ)シラン、テトラ(ジエチルアミノ)シラン、シランテトラオール、クロルシラントリオール、ジクロルジシラノール、テトラクロルシラン、クロルトリハイドロジェンシラン等が挙げられるが、なかでもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシランが好ましい。
化5で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物は、結果として化2で示されるシロキサン単位を形成することとなる化合物である。化5中のYは前記した化4中のXと同様である。
化5で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリブトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロピオキシシラン、メチルシラントリオール、メチルクロルジシラノール、メチルトリクロルシラン、メチルトリハイドロジェンシラン等が挙げられるが、なかでも前記したように結果としてメチルシロキサン単位、エチルシロキサン単位、プロピルシロキサン単位、ブチルシロキサン単位又はフェニルシロキサン単位を形成することとなるシラノール基形成性ケイ素化合物が好ましく、メチルシロキサン単位を形成することとなるシラノール基形成性ケイ素化合物がより好ましい。
化6で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物は、結果として化3で示されるシロキサン単位を形成することとなる化合物である。化6中のZは前記した化4中のXと同様である。
化6で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物としては、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、メチルフェニルメトキシエトキシシラン、ジメチルブトキシエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジプロピオキシシラン、ジメチルジ(ジメチルアミノ)シラン、ジメチルジ(ジエチルアミノ)シラン、ジメチルシランジオール、ジメチルクロルシラノール、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジハイドロジェンシラン等が挙げられるが、なかでも前記したように結果としてジメチルシロキサン単位、ジエチルシロキサン単位、ジプロピルシロキサン単位、ジブチルシロキサン単位又はメチルフェニルシロキサン単位を形成することとなるシラノール基形成性ケイ素化合物が好ましく、ジメチルシロキサン単位を形成することとなるシラノール基形成性ケイ素化合物がより好ましい。
混合溶媒に使用される含窒素化合物に特に制限はないが、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミドから選ばれるものが好ましく、アセトニトリルがより好ましい。本発明の微粒子の製造方法では、これらの含窒素化合物と水との混合溶媒を用いるが、更に少量のアルコール、エーテル、ケトン、エステル等を併用することもできる。
混合溶媒中の水の量に特に制限はないが、用いるシラノール基形成性ケイ素化合物の種類及び割合により適宜設定することが好ましく、シラノール基形成性ケイ素化合物の量が多い場合は、水の比率を相対的に上げたほうが好ましい。
含窒素化合物と水との混合溶媒と、シラノール基形成性ケイ素化合物の仕込み割合に特に制限はないが、混合溶媒/シラノール基形成性ケイ素化合物=10/90〜70/30(質量比)とするのが好ましい。
本発明の微粒子の製造方法において、触媒に特に制限はなく、公知のものを用いることができる。これには例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキサイド、カリウムブトシキド、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド等の無機又は有機のアルカリ化合物、テトラメトキシチタン、テトラブトキシチタン、オルトチタン酸ステアレート等のチタン化合物、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジラウレート、トリブチルスズアセテート等のスズ化合物等を挙げられる。
加水分解時における触媒の使用量は、その種類及びシラノール基形成性ケイ素化合物の種類や量等によって適宜設定することが好ましいが、シラノール基形成性ケイ素化合物の合計量に対して1質量%以下とするのが好ましい。また反応温度も特に制限はないが、加水分解反応によって生成させたシラノール化合物の即製的な縮合反応を避けるために0〜30℃の範囲とするのが好ましい。
本発明の微粒子の製造方法において、縮合反応の触媒としては加水分解における前記したような触媒を使用できるので、加水分解により生成させたシラノール化合物を含有する反応液をそのまま縮合反応に供することもできるし、該反応液に更に触媒を加えて縮合反応に供することもできるし、又は該反応液中に残存する触媒や未反応のシラノール基形成性ケイ素化合物を失活又は除去した後に触媒を加えて縮合反応に供することもできる。
縮合反応時における触媒の使用量に特に制限はないが、原料として用いたシラノール基形成性ケイ素化合物の合計量に対して1〜40質量%とするのが好ましく、3〜30質量%とするのがより好ましい。縮合反応時における温度にも特に制限はないが、40℃〜水の沸点の温度で行うことが好ましく、60〜95℃で行うのがより好ましい。
加水分解及び縮合反応の反応系には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、前記したような触媒と共に公知の界面活性剤を使用することもできる。これには例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油等のノニオン界面活性剤、オクチル硫酸塩、セチル硫酸塩、ラウリル硫酸塩、オクチルスルホン酸塩、セチルスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、ステアリルスルホン酸塩、オレイルスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、オレイルベンゼンスルホン酸塩、ナフチルスルホン酸塩、ジイソプロピルナフチルスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤が挙げられる。
次に本発明に係る改質ポリオレフィン微多孔膜(以下、本発明の改質微多孔膜という)について説明する。本発明の改質微多孔膜は、ポリオレフィン微多孔膜の片表面又は両表面に、前記した本発明の微粒子と有機バインダーとから成る耐熱多孔質層を形成したものである。
本発明の改質微多孔膜に供する有機バインダーとしては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のエチレン−アクリル酸共重合体、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂、フッ素系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリN−ビニルアセトアミド、アクリル酸ブチルを主成分とした架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂等が挙げられるが、なかでもエチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)が好ましい。これらの有機バインダーは1種を単独で使用することができ、また2種以上を併用することもできる。
本発明の改質微多孔膜において、ポリオレフィン微多孔膜の片表面又は両表面に形成された耐熱多孔質層は、本発明の微粒子と前記した有機バインダーとから成るものである。耐熱多孔質層中における有機シリコーン微粒子の含有割合は、特に制限されず、通常は60〜98質量%とするが、80〜98質量%とするのが好ましい。有機シリコーン微粒子の含有割合が低くなり過ぎると、耐熱多孔質層の空孔が有機バインダーによって埋められるようになり、非水電解質電池用セパレータとしての機能を低下させるようになる。
本発明の改質微多孔膜に供するポリオレフィン微多孔膜のポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられるが、ポリエチレン又はエチレン−プロピレン共重合体が好ましい。本発明の改質微多孔膜は、100〜140℃において、その孔が閉鎖する非水電解質電池用セパレータとしてのシャットダウン機能を有しており、その機能をより良く発現するためには、前記のポリオレフィンが好ましい。
本発明の改質微多孔膜に供するポリオレフィン微多孔膜それ自体は、一つのフィルム層から成るものでも、又は二つ以上のフィルム層が積層されたものでもよい。かかるポリオレフィン微多孔膜としては、溶剤抽出法、乾式延伸法又は湿式延伸法等の公知の手段により作製されたイオン透過性のポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。
本発明の改質微多孔膜において、ポリオレフィン微多孔膜の厚みA(μm)や、該厚みA(μm)と耐熱多孔質層の厚みB(μm)との比A/Bに特に制限はないが、A=10〜20μmであり、またA/B=1〜5であることが好ましい。ポリオレフィン微多孔膜が二つ以上のフィルム層が積層されたものである場合には、A(μm)はそれらのフィルム層の合計厚みであり、かかるポリオレフィン微多孔膜の両表面に耐熱多孔質層を形成したものである場合には、B(μm)は両表面の耐熱多孔質層の合計厚みである。耐熱多孔質層の厚みB(μm)には特に制限はないが、10〜100μmであることが好ましい。ポリオレフィン微多孔膜の厚みA(μm)が薄すぎると、非水電解質電池、例えばリチウムイオン電池の温度がポリオレフィンの融点以上に達してもその空孔を充分塞ぐことができ難くなり、電気化学反応の進行を抑制するシャットダウン機能が低下する傾向があり、逆にポリオレフィン微多孔膜の厚みA(μm)が厚すぎると、非水電解質電池、例えばリチウムイオン電池の温度が上昇したときの微多孔膜の熱収縮を抑制する効果が低下する傾向がある。また耐熱多孔質層の厚みB(μm)が薄すぎると、熱収縮を抑制する効果が低下する傾向があり、逆に厚すぎると、非水電解質電池用セパレータ、例えばリチウムイオン電池用セパレータ全体の厚みの増大を引き起こしてしまう。
本発明の改質微多孔膜は、下記の第1工程及び第2工程を経ることにより得ることができる。
第1工程:前記した有機シリコーン微粒子と有機バインダーとの混合物を該有機バインダーを溶解する溶媒で希釈してスラリーを調製する工程。
第2工程:ポリオレフィン微多孔膜の片表面又は両表面に、第1工程で調製したスラリーを塗布した後、乾燥し、耐熱多孔質層を形成する工程。
第1工程では通常、有機バインダーの溶媒希釈溶液に有機シリコーン微粒子を加え、高粘度用攪拌機により充分に攪拌し、スラリーを調製する。
有機バインダーを溶解する溶媒の種類に特に制限はないが、有機バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いる場合にはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いるのが好ましく、また有機バインダーとしてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を用いる場合にはイオン交換水を用いるのが好ましい。
第2工程では通常、第1工程で調製したスラリーを、バーコーターを用いてポリオレフィン微多孔膜の基材の片表面又は両表面に塗布した後、乾燥して、耐熱多孔質層を形成する。
本発明に係る非水電解質電池用セパレータは、本発明の改質微多孔膜から成ることを特徴とし、機械的強度及び高温時の熱安定性に優れ、良好なシャットダウン特性を有する。
本発明によれば、新規の有機シリコーン微粒子を提供することができ、これを用いてポリオレフィン微多孔膜が本来的に有しているシャットダウン機能を阻害することなく、またポリオレフィン微多孔膜の表面に形成した耐熱多孔質層が剥離することなく、更に高温時にも熱収縮率が充分に低く、したがって非水電解質電池用セパレータ、なかでもリチウムイオン電池用セパレータとして好適な改質ポリオレフィン微多孔膜を提供することができる。
本発明に係る有機シリコーン微粒子を略示する拡大平面図。 本発明に係る有機シリコーン微粒子の走査電子顕微鏡像(JEOL JSM−T300、倍率:10000倍)
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、%は質量%を意味する。
図1は本発明に係る有機シリコーン微粒子を略示する拡大平面図である。図示した有機シリコーン微粒子(10)は、ポリシロキサン架橋構造体から成る中実の有機シリコーン微粒子であって、表面に複数の凹部(11)を有する全体として紡錘形状を呈し、紡錘形状の長径(D)の平均値が0.01〜20μm、また紡錘形状の最小短径(R)の平均値が0.005〜15μmである有機シリコーン微粒子である。
試験区分1{有機シリコーン微粒子の合成}
・実施例1{有機シリコーン微粒子(P−1)の合成}
反応容器に650mLのアセトニトリル、50mLのイオン交換水及び0.73gの48%水酸化ナトリウム水溶液を仕込み、均一な溶液とした。この均一な溶液を15℃に保ち、これにテトラエトキシシラン56.2g(0.27モル)、メチルトリメトキシシラン85.8g(0.63モル)及びジメチルジメトキシシラン12.0g(0.10モル)の混合液を徐々に添加して、加水分解した。引き続き温度を15℃付近に保ちながら5時間縮合反応を行い、更に温度を30〜80℃に保ちながら5時間縮合反応を行った。得られた水性懸濁液を孔径5μmの高分子メンブランフィルター(アドバンテック社製)に通した後、遠心分離機を用いて白色微粒子を分離した。分離した白色微粒子を水洗し、150℃で5時間熱風乾燥を行って、実施例1の有機シリコーン微粒子(P−1)52.0gを得た。
有機シリコーン微粒子(P−1)について、走査型電子顕微鏡による平面及び断面の観察、以下の元素分析、ICP発行分光分析、FT−IRスペクトル分析、NMRスペクトル分析を行ったところ、この有機シリコーン微粒子(P−1)は、表面に複数の凹部を有する全体として紡錘形状の中実の有機シリコーン微粒子であり、紡錘形状の長径(D)の平均値が2.5μm、紡錘形状の最小短径(R)の平均値が0.8μmである有機シリコーン微粒子であって、化1で示されるシロキサン単位/化2で示されるシロキサン単位/化3で示されるシロキサン単位=27/63/10(モル%)の割合で有するポリシロキサン架橋構造体から成るものであった。
結合シロキサン単位の分析:有機シリコーン微粒子(P−1)5gを精秤し、これを0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液250mlに加え、有機シリコーン微粒子(P−1)中の加水分解性基を抽出処理した。抽出処理液から超遠心分離により有機シリコーン微粒子を分離し、分離した有機シリコーン微粒子を水洗した後、200℃で5時間乾燥したものを元素分析、ICP発光分光分析、FT−IRスペクトル分析に供して、全炭素含有量及びケイ素含有量を測定すると共に、ケイ素−炭素結合、ケイ素−酸素−ケイ素結合を確認した。これらの分析値、固体の29SiについてCP/MASのNMRスペクトルの積分値より化1で示されたシロキサン単位/化2で示されるシロキサン単位/化3で示されるシロキサン単位の割合を算出した。
・実施例2〜4{有機シリコーン微粒子(P−2)〜(P−4)の合成}
実施例1の有機シリコーン微粒子(P−1)と同様にして、実施例2〜4の有機シリコーン微粒子(P−2)〜(P−4)を合成し、同様の観察、測定及び分析を行い、結果を表1及び表2に示した。
・実施例5{有機シリコーン微粒子(P−5)の合成}
反応容器に600mLのジメチルホルムアミド、100mLのイオン交換水、2.9gの48%水酸化ナトリウム水溶液及び0.05gのアルキル基炭素数12〜14の直鎖型第2級アルコールの酸化エチレン付加物(日本触媒社製、商品名ソフタノール90)を仕込み、均一な溶液とした。この均一な溶液を15℃に保ち、これにテトラエトキシシラン60.4g(0.29モル)、メチルトリメトキシシラン89.9g(0.66モル)及びジメチルジメトシシラン6.0g(0.05モル)の混合液を徐々に添加して、加水分解した。引き続き温度を15℃付近に保ちながら5時間縮合反応を行い、更に温度を30〜80℃に保ちながら5時間縮合反応を行った。得られた水性懸濁液を孔径5μmの高分子メンブランフィルター(アドバンテック社製)に通した後、遠心分離機を用いて白色微粒子を分離した。分離した白色微粒子を水洗し、150℃で5時間熱風乾燥を行って、実施例5の有機シリコーン微粒子(P−5)66.5gを得た。有機シリコーン微粒子(P−5)について、有機シリコーン微粒子(P−1)と同様の観察、測定及び分析を行い、結果を表1及び表2に示した。
・実施例6〜8{有機シリコーン微粒子(P−6)〜(P−8)の合成}
実施例5の有機シリコーン微粒子(P−5)と同様にして、実施例6〜8の有機シリコーン微粒子(P−6)〜(P−8)を合成し、同様の観察、測定及び分析を行い結果を表1及び表2に示した。
・比較例1{有機シリコーン微粒子(R−4)の合成}
撹拌翼付きの10リットルのガラス容器に0.15重量%の水酸化ナトリウム水溶液7000gを仕込み、その上層へ1000gのメチルトリメトキシシランを静かに注入して2層を形成した後、10〜15℃の温度、20rpmの回転数で3時間界面反応させ、有機シリコーン微粒子を生成させた。その後、温度を70℃にして4時間熟成し、冷却後、減圧濾過機で濾過し、引き続き3000gの水で洗浄を行い、水分約50%の有機シリコーン微粒子のケーク状物を得た。得られたケーク状物を90℃で15Torrの圧力下に2時間減圧乾燥し、更に150℃で5時間常圧乾燥を行い、比較例1の有機シリコーン微粒子(R−4)を得た。得られた有機シリコーン微粒子(R−4)は不定形粒子を含む中実の概ね球状を呈しており、その平均粒子径は1.2μmであった。
・比較例2{有機シリコーン微粒子(R−5)の合成}
反応容器にイオン交換水2000gを採り、この中に30%水酸化ナトリウム0.11gを加えて溶解した。更にテトラエトキシシラン199.7g(0.96モル)を加え、15℃で60分間、撹拌下に加水分解を行なった。別の反応容器にラウリルトリメチルアンモニウムエトサルフェート0.7g及び30%水酸化ナトリウム2.68gをイオン交換水350gに溶解した水溶液を調製して10℃に冷却し、撹拌下、この中に同温度に調整した前記の加水分解物溶液を徐々に滴下した。更にジメチルジメトキシシラン93.6g(0.78モル)及びメチルトリメトキシシラン267.9g(1.97モル)を加え、全体を30℃以下に保ちながら、1時間静置した。同温度で4時間保持した後、60℃まで加温して同温度で5時間反応させ、白色の懸濁液を得た。得られた懸濁液を一夜静置した後、デカンテーションにより液相を除去して得た白色固体相を常法により水洗し、乾燥して、比較例2の有機シリコーン微粒子(R−5)を得た。有機シリコーン微粒子(R−5)について、走査型電子顕微鏡による微粒子表面の観察及び測定並びに断面の観察、元素分析、ICP発光分光分析、FT−IRスペクトル分析、NMRスペクトル分析を行なったところ、この有機シリコーン微粒子(R−5)は、全体として紡錘形状の中空異型微粒子であって、長径の平均値が1.2μm、短径の平均値/長径の平均値=0.55であった。







Figure 2014173016
表1において、
化1:化1で示されるシロキサン単位
化2:化2で示されるシロキサン単位
化3:化3で示されるシロキサン単位
S−1:テトラエトキシシランから形成されたシロキサン単位
S−2:テトラメトキシシランから形成されたシロキサン単位
S−3:メチルトリメトキシシランから形成されたシロキサン単位
S−4:フェニルトリメトキシシランから形成されたシロキサン単位
S−5:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランから形成されたシロキサン単位
S−6:3−メタクリロキシプロピルトリメトシキシシランから形成されたシロキサン単位
S−7:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランから形成されたシロキサン単位
S−8:ビニルトリメトキシシランから形成されたシロキサン単位
S−9:3−アミノプロピルトリメトキシシランから形成されたシロキサン単位
S−10:ジメチルジメトシキシシランから形成されたシロキサン単位
S−11:3−グリシドキシプロピル−メチル−ジエトキシシランから形成されたシロキサン単位
S−12:3−メタクリロキシプロピル−メチル−ジメトキシシランから形成されたシロキサン単位
S−13:3−アミノプロピル−メチル−ジメトキシシランから形成されたシロキサン単位
S−14:フェニルメチルジメトキシシランから形成されたシロキサン単位






Figure 2014173016
試験区分2(改質ポリオレフィン微多孔膜の製造)
実施例9
有機バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF:アルドリッチ社製、分子量:534000)のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(固形分:15重量%)600gと、NMP1000gとを容器に入れ、均一に溶解するまで室温で攪拌した。この溶液に有機シリコーン微粒子(P−1)500gを加えて、高粘度用攪拌機によりよく攪拌して均一なスラリーを調製した。ポリオレフィン微多孔膜(厚み12μm、空孔率40%、平均孔径0.4μm、150℃での熱収縮率68%のポリエチレン微多孔膜)の両表面に、前記のスラリーをバーコーターによって塗布し、乾燥して、片表面の厚みが4μmの耐熱多孔質層を形成し、全体の厚みが20μmの改質ポリオレフィン微多孔膜を得た。この改質ポリオレフィン微多孔膜の耐熱多孔質層における有機シリコーン微粒子の含有割合は85質量%であった。得られた改質ポリオレフィン微多孔膜の内容を表3に示した。
実施例10
有機バインダーとしてスチレン−ブタジエンゴムのエマルジョン(JSR株式会社製、SBRエマルジョン2108、固形分40%)100gとイオン交換水1500gとを容器に入れ、均一に分散するまで室温で攪拌した。この分散液に有機シリコーン微粒子(P−5)400gを加えて、高粘度用攪拌機によりよく攪拌して均一なスラリーを調製した。ポリオレフィン微多孔膜(厚み12μm、空孔率40%、平均孔径0.4μm、150℃での熱収縮率68%のポリエチレン微多孔膜)の両表面に、前記のスラリーをバーコーターによって塗布し、乾燥して、片表面の厚みが4μmの耐熱多孔質層を形成し、全体の厚みが20μmの改質ポリオレフィン微多孔膜を得た。この改質ポリオレフィン微多孔膜の耐熱多孔質層における有機シリコーン微粒子の含有割合は91質量%であった。得られた改質ポリオレフィン微多孔膜の内容を表3に示した。
・実施例11
有機バインダーとして下記の自己架橋型アクリル樹脂のエマルジョン(固形分40%)100gとイオン交換水1500gとを容器に入れ、均一に分散するまで室温で攪拌した。この分散液に有機シリコーン微粒子(P−8)400gを加えて、高粘度用攪拌機によりよく攪拌して均一なスラリーを調製した。ポリオレフィン微多孔膜(厚み16μm、空孔率40%、平均孔径0.4μm、150℃での熱収縮率68%のポリエチレン微多孔膜)の両表面に、前記のスラリーをバーコーターによって塗布し、乾燥して、片表面の厚みが2μmの耐熱多孔質層を形成し、全体の厚みが20μmの改質ポリオレフィン微多孔膜を得た。この改質ポリオレフィン微多孔膜の耐熱多孔質層における有機シリコーン微粒子の含有割合は91質量%であった。得られた改質ポリオレフィン微多孔膜の内容を表3に示した。
自己架橋型アクリル樹脂のエマルジョン(固形分40%):メチルアクリレート0.5モル、エチルアクリレート0.5モル、N−メチロールアクリルアミド0.01モル及び2−ヒドロキシエチルメタアクリレート0.01モルを用いて乳化重合法により合成したもの。
実施例12
有機バインダーとしてスチレン−ブタジエンゴムのエマルジョン(JSR株式会社製、SBRエマルジョン2108、固形分40%)100gとイオン交換水1500gとを容器に入れ、均一に分散するまで室温で攪拌した。この分散液に有機シリコーン微粒子(P−5)400gを加えて、高粘度用攪拌機によりよく攪拌して均一なスラリーを調製した。ポリオレフィン微多孔膜(厚み12μm、空孔率40%、平均孔径0.4μm、150℃での熱収縮率68%のポリエチレン微多孔膜)の片表面に、前記のスラリーをバーコーターによって塗布し、乾燥して、厚みが8μmの耐熱多孔質層を形成し、全体の厚みが20μmの改質ポリオレフィン微多孔膜を得た。この改質ポリオレフィン微多孔膜の耐熱多孔質層における有機シリコーン微粒子の含有率は91質量%であった。得られた改質ポリオレフィン微多孔膜の内容を表3に示した。
比較例3〜5、7及び8
実施例9と同様にして、適宜に有機シリコーン微粒子の種類等を変更して改質ポリオレフィン微多孔膜を製造し、その内容を表3に示した。
・比較例6
高密度ポリエチレン(プライムポリマー社製、ハイゼックス7000F、JISK7210に基づくメルトフローレートが0.04g/10分、JISK7121に基づく融点が131℃)50重量部(82.2体積%)及び充填剤として中実球状の有機シリコーン微粒子(R−4)50重量部(17.8体積%)を180℃で溶融混練し、得られた樹脂組成物を180℃で熱プレスを行って原反シートを得た。この原反シートの厚みは平均450μmであった。 次に、得られた原反シートに135℃で2×2の同時二軸延伸を行い、更に125℃で3×3の同時二軸延伸を行った。 得られたフィルムは膜厚24μm、空孔率47%、25μm当たりの突き刺し強度は350g(3.43N)であった。














Figure 2014173016
表3において、
P−1,P−5,P−8,R−4,R−5:試験区分1で合成した有機シリコーン微粒子
R−1:ポリメタクリル酸メチル系架橋球状微粒子(日本触媒社製、エポスターMA−1002、平均粒子径2〜3μm)
R−2:アモルファス球状シリカ微粒子(日本触媒社製、シーホスターKE−P30、平均粒子径0.27〜0.36μm)
R−3:ポリスチレン球状微粒子(総研化学社製、SXシリーズ、平均粒子径3.5μm)
試験区分3(改質ポリオレフィン微多孔膜の評価)
試験区分2で製造した改質ポリオレフィン微多孔膜を以下の評価方法で測定乃至評価し、結果を表3及び表4に示した。
・厚み:改質ポリオレフィン微多孔膜の縦断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により測定した。
・ガーレー値(加熱前):JISP−8117に準拠し、ガーレー式透気度計(東洋精機製作所製、G−B2)を用い、室温でポリオレフィン微多孔膜のガーレー値を測定した。
・ガーレー値(3倍上昇時温度、℃):前記した室温下でのガーレー値測定後に、80℃の恒温槽中にポリオレフィン微多孔膜を10分間静置した後、恒温槽から取り出して冷却し、同様に室温下でガーレー値を測定した。以後、5℃刻みで150℃まで恒温槽の温度を上昇させ、加熱後のガーレー値を測定した。加熱後のガーレー値が、加熱前のガーレー値の3倍以上になるときの温度を求めた。
密着性:改質ポリオレフィン微多孔膜の耐熱多孔質層上にセロテープを貼り付けた後、該セロテープを剥離し、ポリオレフィン微多孔膜上に耐熱多孔質層が残留しているかを目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:耐熱多孔質層が全く破損されていない。
△:耐熱多孔質層が一部破損されている。
×:熱多孔質層が完全に破損されている。
熱収縮率:改質ポリオレフィン微多孔膜から120mm×120mm角の試料を切り出し、この試料に100mm間隔の対の印を3箇所、油性ペンでつけた。A4サイズのコピー用紙で試料を挟み、コピー用紙の側辺をホッチキスで綴じた。これを150℃のオーブン中に水平に置き1時間放置した。その後、空冷し、印間の長さ(mm)を測定した。3箇所の平均値より収縮率を以下の数1により算出した。
Figure 2014173016
Figure 2014173016
表4の結果からも明らかなように、本発明の微粒子を用いて製造した本発明の微多孔膜は、低温〜高温にわたって優れたシャットダウン機能と形状安定性とを兼備しており、有機シリコーン微粒子を含有する耐熱微多孔層の機械的強度にも優れていることがわかる。
10 有機シリコーン微粒子
11 凹部
紡錘形状の長径
紡錘形状の最小短径

Claims (12)

  1. ポリシロキサン架橋構造体から成る中実の有機シリコーン微粒子であって、表面に複数の凹部を有する全体として紡錘形状を呈し、紡錘形状の長径(D)の平均値が0.01〜20μm、また紡錘形状の最小短径(R)の平均値が0.005〜15μmであることを特徴とする有機シリコーン微粒子。
    (但し、平均値は有機シリコーン微粒子の走査型電子顕微鏡像から抽出した任意の100個についての平均値。)
  2. 有機シリコーン微粒子が、下記の化1で示されるシロキサン単位が20〜50モル%、下記の化2で示されるシロキサン単位が20〜70モル%及び下記の化3で示されるシロキサン単位が5〜50モル%(合計100モル%)の割合で構成されたものである請求項1記載の有機シリコーン微粒子。
    Figure 2014173016
    Figure 2014173016
    Figure 2014173016
    (化2及び化3において、
    ,R,R:ケイ素原子に直結した炭素原子を有する有機基)
  3. 有機シリコーン微粒子が、化2中のR、化3中のR及びRが炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基である場合のものである請求項2記載の有機シリコーン微粒子。
  4. 請求項2又は3記載の有機シリコーン微粒子の製造方法であって、下記の化4で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物を20〜50モル%、下記の化5で示されるシラノール基形成性化合物を20〜70モル%及び下記の化6で示されるシラノール基形成性化合物を5〜50モル%(合計100モル%)となる割合で用い、これらを含窒素化合物と水との混合溶媒中にて、触媒存在下に加水分解し、更に縮合反応させることを特徴とする有機シリコーン微粒子の製造方法。
    Figure 2014173016
    Figure 2014173016
    Figure 2014173016
    (化4、化5及び化6において、
    ,R,R:ケイ素原子に直結した炭素原子を有する有機基
    X,Y,Z:炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシエトキシ基、炭素数2〜4のアシロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基を有するN,N−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は水素原子)
  5. シラノール基形成性ケイ素化合物が、化5中のR、化6中のR及びRが炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基である場合のものである請求項4記載の有機シリコーン微粒子の製造方法。
  6. 含窒素化合物が、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミドから選ばれるものである請求項4又は5記載の有機シリコーン微粒子の製造方法。
  7. ポリオレフィン微多孔膜の片表面又は両表面に、請求項1〜3のいずれか一つの項記載の有機シリコーン微粒子と有機バインダーとから成る耐熱多孔質層を形成して成ることを特徴とする改質ポリオレフィン微多孔膜。
  8. 有機バインダーが、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン及びスチレン−ブタジエンゴムから選ばれるものである請求項7記載の改質ポリオレフィン微多孔膜。
  9. 耐熱多孔質層中の有機シリコーン微粒子の含有割合が80〜98質量%である請求項7又は8記載の改質ポリオレフィン微多孔膜。
  10. ポリオレフィン微多孔膜の厚みA(μm)が10〜20μmであり、該厚みA(μm)と耐熱多孔質層の厚みB(μm)との比が、A/B=1〜5である請求項7〜9のいずれか一つの項記載の改質ポリオレフィン微多孔膜。
  11. 請求項7〜10のいずれか一つの項記載の改質ポリオレフィン微多孔膜の製造方法であって、下記の第1工程及び下記の第2工程を経ることを特徴とする改質ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
    第1工程:有機シリコーン微粒子と有機バインダーとの混合物を該有機バインダーを溶解する溶媒で希釈してスラリーを調製する工程。
    第2工程:ポリオレフィン微多孔膜基材の片表面又は両表面に、第1工程で調製したスラリーを塗布した後、乾燥し、耐熱多孔質層を形成する工程。
  12. 請求項7〜10のいずれか一つの項記載の改質ポリオレフィン微多孔膜から成ることを特徴とする非水電解質電池用セパレータ。
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