JP2014172953A - 液晶ポリエステルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度80℃および相対湿度40%における水蒸気透過度が0.05g/m2・24hr・atm以下である液晶ポリエステル。
【選択図】なし
Description
(1)温度80℃および相対湿度40%における水蒸気透過度が0.05g/m2・24hr・atm以下である液晶ポリエステル、
(2)少なくとも2種のジオールに由来する構造単位を有し、ジオールに由来する全構造単位の合計100モル%中、下記構造単位(II)を55〜85モル%含む上記(1)記載の液晶ポリエステル、
(5)ヒドロキシカルボン酸および/またはジオールにアシル化剤を反応させ、水酸基の少なくとも一部をアシル化した後、ジカルボン酸と脱酢酸重縮合反応させる液晶ポリエステルの製造方法であって、窒素原子を2つ以上含む芳香族または脂肪族アミンを少なくとも脱酢酸重縮合反応開始までに添加する、上記(1)〜(3)いずれか記載の液晶ポリエステルの製造方法、
(6)窒素原子を2つ以上含む芳香族または脂肪族アミンの添加量が、ヒドロキシカルボン酸、ジオールおよびジカルボン酸の合計100重量部に対して、0.01重量部以上1重量部以下である上記(5)記載の液晶ポリエステルの製造方法、
(7)窒素原子を2つ以上含む芳香族または脂肪族アミンが、脂肪族アミンである上記(5)または(6)記載の液晶ポリエステルの製造方法、
(8)窒素原子を2つ以上含む芳香族または脂肪族アミンの共役酸の水溶液中における酸解離定数(pKa)が10.5以下である上記(5)〜(7)いずれか記載の液晶ポリエステルの製造方法、
(9)上記(1)〜(3)いずれか記載の液晶ポリエステルまたは上記(4)記載の液晶ポリエステル組成物を成形してなる成形品、
である。
([HBA−HBA]/[オリゴマー中の全ての2連鎖])×100 (1)
(式(1)中、[HBA−HBA]はオリゴマー単位量あたりの構造単位(I)同士の2連鎖の個数(モル)を示し、[オリゴマー中の全ての2連鎖]はオリゴマー単位量あたりの全ての2連鎖の個数(モル)を示す。)
(化合物1分子中の窒素原子の数)/(化合物1分子中の窒素原子、炭素原子および酸素原子の総数)(2)
脱酢酸重縮合反応中、270℃において採取したオリゴマーをNMR試料管に50mg秤量し、ペンタフルオロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(混合比率:50/50w/w%)800μLに溶解して、UNITY INOVA500型NMR装置(バリアン社製)を用いて、観測周波数125MHz、温度80℃の条件で13C−NMR測定を実施した。166〜169ppm付近に観測される全2連鎖のピーク面積のうち、166.5〜167.5ppm付近に観測される構造単位(I)同士の連鎖由来のピーク面積から、下記式(1)の値を算出した。
([HBA−HBA]/[オリゴマー中の全ての2連鎖])×100 (1)
(式(1)中、[HBA−HBA]はオリゴマー単位量あたりの構造単位(I)同士の2連鎖の個数(モル)を示し、[オリゴマー中の全ての2連鎖]はオリゴマー単位量あたりの全ての2連鎖の個数(モル)を示す。)
示差走査熱量計DSC−7(パーキンエルマー製)により、液晶ポリエステルを室温から20℃/分の昇温条件で昇温度した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の高温条件で室温までいったん冷却し、再度20℃/分の昇温条件で昇温度した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)を融点とした。以下の製造例においては、融点(Tm2)をTmと記載する。
高化式フローテスターCFT−500D(オリフィス0.5φ×10mm)(島津製作所製)を用いて、Tm+10℃、せん断速度1000/sの条件で液晶ポリエステルの溶融粘度を測定した。
液晶ポリエステルをNMR試料管に50mg秤量し、ペンタフルオロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(混合比率:65/35w/w%)800μLに溶解して、UNITY INOVA500型NMR装置(バリアン社製)を用いて観測周波数500MHz、温度80℃の条件で1H−NMR測定を実施した。7〜9.5ppm付近に観測される各構造単位由来のピーク面積比から、液晶ポリエステルの組成を分析した。
各実施例および比較例により得られたペレットを、熱風乾燥機を用いて150℃で3時間乾燥した後、ファナック製ファナックα30C射出成形機で射出成形し、70mm長×70mm幅×1mm厚(フィンゲート)の試験片を作製した。射出成形条件は、樹脂温度を融点+20℃、金型温度を130℃に設定し、充填下限圧+1MPaの圧力で行った。得られた試験片について、JISK7129(付属書C,2008年)に準拠し、GTR−30XATK(GTRテック)を用いて、(i)温度80℃および相対湿度40%、(ii)温度40℃および相対湿度90%の2条件で水蒸気透過度を測定した。
各実施例および比較例により得られたペレットを、熱風乾燥機を用いて150℃で3時間乾燥した後、ファナック製ファナックα30C射出成形機で射出成形し、7mm幅×127mm長×3.2mm厚の曲げ試験片を成形した。射出成形条件は、樹脂温度を液晶ポリエステルの融点+20℃、金型温度を130℃に設定し、充填下限圧+1MPaの圧力で行った。この試験片について、ASTMD790に準拠して曲げ強度を測定した。n数は6とし、各測定値から最大値および最小値を除いた4つの値の平均値を湿熱処理前の曲げ強度とした。また、この試験片を温度121℃、湿度100%、2atmの条件下(プレッシャークッカーテスト)で24時間静置して湿熱処理した後、ASTMD790に準拠して同様に曲げ強度を測定した。n数は6とし、各測定値から最大値および最小値を除いた4つの値の平均値を、湿熱処理後の曲げ強度とした。湿熱処理前後の曲げ強度測定値から、湿熱処理前の曲げ強度に対する湿熱処理後の曲げ強度の比を求めた。
各実施例および比較例により得られたペレットを、熱風乾燥機を用いて150℃で3時間乾燥した後、ファナック製ファナックα30C射出成形機で射出成形し、80mm幅×80mm長×2mm厚の試験片を作製した。射出成形条件は上記(6)と同じとした。この試験片を温度121℃、湿度100%、2atmの条件下(プレッシャークッカーテスト)で24時間静置して湿熱処理した。湿熱処理後の試験片について、IEC60112に準拠して、0.1重量%塩化アンモニウム水溶液、白金電極を用い、試験片にトラッキングが生じる印加電圧(V:ボルト)を求めた。n数は6とし、各測定値から最大値および最小値を除いた4つの値の平均値を、この数値を比較トラッキング指数(V)とした。なお、比較トラッキング指数が高いほど、耐トラッキング破壊性能に優れることを示す。
各実施例および比較例に用いた芳香族または脂肪族アミン化合物の水溶液を、塩酸を用いて25℃で滴定し、50%中和された時点におけるpH値からpKaを算出した。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸829重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル223重量部、ハイドロキノン88重量部、テレフタル酸266重量部、イソフタル酸66重量部および無水酢酸1072重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込んだ。同時に、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸およびイソフタル酸の合計100重量部に対して、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン0.1重量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が100分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、38であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に、反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−1)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸829重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル223重量部、ハイドロキノン88重量部、テレフタル酸266重量部、イソフタル酸66重量部、および無水酢酸1072重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が85分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、36であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−2)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸763重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル309重量部、ハイドロキノン79重量部、テレフタル酸255重量部、イソフタル酸136重量部、および無水酢酸1159重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、330℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が88分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、33であった。その後、重合温度を330℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−3)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸1271重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル214重量部、テレフタル酸191重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート221重量部および無水酢酸1280重量部(フェノール性水酸基合計の1.09当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、330℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が90分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、28であった。その後、重合温度を330℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−4)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸829重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル335重量部、ハイドロキノン22重量部、テレフタル酸266重量部、イソフタル酸66重量部、および無水酢酸1140重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が87分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、27であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−5)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸576重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル311重量部、ハイドロキノン122重量部、テレフタル酸439重量部、イソフタル酸23重量部、および無水酢酸1065重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が83分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、38であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−6)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸1037重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル148重量部、ハイドロキノン58重量部、テレフタル酸98重量部、イソフタル酸120重量部、および無水酢酸1072重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が90分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、38であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−7)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸829重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル186重量部、ハイドロキノン110重量部、テレフタル酸266重量部、イソフタル酸66重量部、および無水酢酸1072重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が77分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、26であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−8)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸829重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル223重量部、ハイドロキノン88重量部、テレフタル酸266重量部、イソフタル酸66重量部および無水酢酸1072重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込んだ。同時に、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸およびイソフタル酸の合計100重量部に対して、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン0.1重量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が100分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、37であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−9)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸829重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル223重量部、ハイドロキノン88重量部、テレフタル酸266重量部、イソフタル酸66重量部および無水酢酸1072重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込んだ。同時に、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸およびイソフタル酸の合計100重量部に対して、トリブチルアミン0.1重量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が92分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、26であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−10)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸829重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル223重量部、ハイドロキノン88重量部、テレフタル酸266重量部、イソフタル酸66重量部および無水酢酸1072重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込んだ。同時に、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸およびイソフタル酸の合計100重量部に対して、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン0.1重量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が95分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、27であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−11)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸829重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル223重量部、ハイドロキノン88重量部、テレフタル酸266重量部、イソフタル酸66重量部および無水酢酸1072重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込んだ。同時に、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸およびイソフタル酸の合計100重量部に対して、N−メチルイミダゾール0.1重量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が77分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、48であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−12)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸829重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル223重量部、ハイドロキノン88重量部、テレフタル酸266重量部、イソフタル酸66重量部および無水酢酸1072重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込んだ。同時に、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸およびイソフタル酸の合計100重量部に対して、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン0.001重量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が100分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、28であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−13)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸829重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル223重量部、ハイドロキノン88重量部、テレフタル酸266重量部、イソフタル酸66重量部および無水酢酸1072重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込んだ。同時に、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸およびイソフタル酸の合計100重量部に対して、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン1.1重量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が78分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、49であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−14)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸829重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル223重量部、ハイドロキノン88重量部、テレフタル酸266重量部、イソフタル酸66重量部および無水酢酸1072重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込んだ。同時に、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸およびイソフタル酸の合計100重量部に対して、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノベンゼン0.1重量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が81分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、47であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−15)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸912重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル410重量部、テレフタル酸274重量部、イソフタル酸91重量部および無水酢酸1235重量部(フェノール性水酸基合計の1.1当量)を仕込んだ。同時に、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、テレフタル酸およびイソフタル酸の合計100重量部に対して、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン0.1重量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が90分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、49であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−16)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器に6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸829重量部、ハイドロキノン273重量部、テレフタル酸83重量部、2,6−ナフタレンジカルボン酸378重量部、および無水酢酸1227重量部(フェノール性水酸基合計の1.15当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が93分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−17)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸912重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル410重量部、テレフタル酸274重量部、イソフタル酸91重量部、および無水酢酸1235重量部(フェノール性水酸基合計の1.1当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が90分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、53であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−18)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸1132重量部、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸410重量部、および無水酢酸1169重量部(フェノール性水酸基合計の1.02当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、330℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が87分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、62であった。その後、重合温度を330℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−19)のペレットを得た。
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸829重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル223重量部、ハイドロキノン88重量部、テレフタル酸266重量部、イソフタル酸66重量部、および無水酢酸1072重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させアセチル化を終了した後、350℃まで4時間で昇温した。このとき、200℃から270℃に至るまでの時間が100分間となるように、温度を制御しながら昇温を行った。また、前記方法で270℃におけるオリゴマーの組成分析を行い、前記式(1)の値を求めたところ、23であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして、液晶ポリエステル(a−20)のペレットを得た。
充填材(B)
(b−1) 日本電気硝子製 ミルドファイバー(40M−10A)
(b−2) 日本電気硝子製 ガラスチョップドストランド(ECS03T747H)
(b−3) 山口雲母工業製 マイカ(A−21)
(b−4) 富士タルク工業製 タルク(PKP−80)。
東芝機械製TEM35B型2軸押出機(噛み合い型同方向)に、シリンダーC1(元込めフィーダー側ヒーター)〜C6(ダイ側ヒーター)の、C3部にサイドフィーダーを設置し、C5部に真空ベントを設置した。ニーディングブロックをC2部、C4部に組み込んだスクリューアレンジを用い、液晶ポリエステル(a−1〜a−20)を表3〜4に示す配合量でホッパーから投入し、充填材(b−1〜b−4)を液晶ポリエステル100重量部に対して表3〜4に示す配合量でサイドフィーダーから投入し、シリンダー温度を液晶ポリエステルの融点+20℃に設定して溶融混練した。ダイからストランド状に吐出した液晶ポリエステル組成物を水冷バスにより冷却した後、ストランドカッターでペレタイズして液晶ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたペレットについて、前記(5)〜(7)に記載の方法で、液晶ポリエステル組成物の水蒸気透過度、湿熱処理前後の曲げ強度および湿熱処理後の比較トラッキング指数の評価を行った。
Claims (9)
- 温度80℃および相対湿度40%における水蒸気透過度が0.05g/m2・24hr・atm以下である液晶ポリエステル。
- 請求項1〜3いずれか記載の液晶ポリエステル100重量部に対して、充填材10〜200重量部を含有する液晶ポリエステル組成物。
- ヒドロキシカルボン酸および/またはジオールにアシル化剤を反応させ、水酸基の少なくとも一部をアシル化した後、ジカルボン酸と脱酢酸重縮合反応させる液晶ポリエステルの製造方法であって、窒素原子を2つ以上含む芳香族または脂肪族アミンを少なくとも脱酢酸重縮合反応開始までに添加する、請求項1〜3いずれか記載の液晶ポリエステルの製造方法。
- 窒素原子を2つ以上含む芳香族または脂肪族アミンの添加量が、ヒドロキシカルボン酸、ジオールおよびジカルボン酸の合計100重量部に対して、0.01重量部以上1重量部以下である請求項5記載の液晶ポリエステルの製造方法。
- 窒素原子を2つ以上含む芳香族または脂肪族アミンが、脂肪族アミンである請求項5または6記載の液晶ポリエステルの製造方法。
- 窒素原子を2つ以上含む芳香族または脂肪族アミンの共役酸の水溶液中における酸解離定数(pKa)が10.5以下である請求項5〜7いずれか記載の液晶ポリエステルの製造方法。
- 請求項1〜3いずれか記載の液晶ポリエステルまたは請求項4記載の液晶ポリエステル組成物を成形してなる成形品。
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