JP2014172913A - 色素、組成物及び着色体 - Google Patents

色素、組成物及び着色体 Download PDF

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Abstract

【課題】印字濃度、耐湿性、耐オゾン性に優れ、特にインクジェット記録に好適な色素、該色素を含有するインク組成物、該インク組成物を用いる記録方法、及び、該色素又はインク組成物により着色された着色体の提供。
【解決手段】下式で表される色素又はその塩、若しくはそれらの混合物。
Figure 2014172913

(式中、nは0〜5の整数を、R1、R2、及びRは、それぞれ独立に水素原子等を、Xは少なくとも1つのイオン性親水性基を有するアルキルチオ基、又は置換基を有してもよいアリールチオ基を表わす。但し、Xが少なくとも1つのイオン性親水性基として、カルボキシ基を有するアルキルチオ基であるものを除く。)
【選択図】なし

Description

本発明は色素、及び該色素を含有する着色組成物、及びこれらにより着色された着色体に関する。
近年、カラー画像の記録(具体的にはインクジェット記録、感熱転写記録、電子写真記録、転写式ハロゲン化銀感光記録、印刷、記録ペン等)において、色素が盛んに利用されている。また、撮影機器においてもCCDなどの撮像素子、LCD(液晶ディスプレイ)やPDP(プラズマディスプレイパネル)等のディスプレイ等において、フルカラーの画像を記録・再現するためのカラーフィルターに色素が使用されている。
フルカラーの画像を記録・再現する方法としては、加法混色法や減法混色法等が知られており、染料や顔料の中から3原色の色素が選択されて使用されている。しかしながら、目的とする色再現域を表現できる光学特性を有し、且つ様々な使用及び環境等の条件において十分な堅牢性を有する色素はしられていない。このため、色素そのものの改善が依然として強く望まれている。
インクジェット記録に用いるインクの1つとして、水溶性染料を水性媒体に溶解した水性インクが挙げられる。水性インクの性能としては、十分な濃度の記録画像を与えること;吐出ノズルの目詰まりを生じないこと;被記録材上での乾燥性がよいこと;滲みが少ないこと;保存安定性に優れること;等が要求される。
また、コンピューターのカラーディスプレイ上に表現されるフルカラーの画像又は文字情報をインクジェット記録するときは、できるだけ忠実な色調で、被記録材に記録できることが望ましい。その目的で、インクジェット記録に用いるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3原色それぞれのインクは、できるだけそれぞれの標準に近い色相を有し且つ鮮明であることが望まれる。
さらに、インクジェット記録により得られる画像には、耐水性、耐湿性、耐光性及び耐ガス性(SOx、NOx、及び特にオゾンガス等の活性ガスが挙げられる)等の画像の堅牢性が求められている。
特許文献1には、トリフルオロメチルカルボニル基を有する化合物を含有する発光素子が開示されている。
特開2003−317964号公報
本発明は、印字濃度が高く、耐湿性、耐オゾン性に優れ、特にインクジェット記録に好適な色素、該色素を含有するインク組成物、該インク組成物を用いる記録方法、及び、該色素又はインク組成物により着色された着色体の提供を目的とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、下記式(1)で表わされる特定の色素又はその塩、若しくはそれらの混合物を色素として用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、以下の[1]〜[16]に関する。
[1]
下記式(1)で表される色素又はその塩、若しくはそれらの混合物。
Figure 2014172913
(式(1)中、nは0〜5の整数を表わし、
1、R2、及びRは、それぞれ独立に水素原子、又は置換基を表わし、
Xは少なくとも1つのイオン性親水性基を有するアルキルチオ基、又は置換基を有してもよいアリールチオ基を表わす。但し、Xが少なくとも1つのイオン性親水性基として、カルボキシ基を有するアルキルチオ基であるものを除く。)
[2]
上記式(1)におけるR1、R2及びR3が、それぞれ独立に、水素原子;アルキル基;アリールアルキル基;環構成原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択される1乃至3つの原子を含む、5又は6員環の複素環アミノ基;環構成原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択される1乃至3つの原子を含む、5又は6員環の複素環基に、1つのベンゼン環が縮環した縮環型5又は6員環の複素環アミノ基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルキルカルボニルアミノ基;カルバモイル基;ヒドロキシ基;アルキルスルホニル基;アリールチオ基;シアノ基;アミノ基;アリールアミノ基;ハロゲン原子;よりなる群から選択される基である、上記[1]に記載の色素又はその塩、若しくはそれらの混合物。
但し、該式(1)中、R1、R2、R3は、水素原子、カルバモイル基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、及びハロゲン原子であるときを除き、置換基として、イオン性親水性基をさらに有しても良い。
[3]
上記式(1)におけるXが、少なくとも1つのスルホ基を有するC1−C10アルキルチオ基、無置換のアリールチオ基又は少なくとも1つのイオン性親水基を有するアリールチオ基である上記[1]又は[2]に記載の色素又はその塩、若しくはそれらの混合物。
[4]
上記式(1)におけるXが、イオン性親水性基として少なくとも1つのカルボキシ基を有するアリールチオ基である上記[1]乃至[3]に記載の色素又はその塩、若しくはそれらの混合物。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の式(1)で表わされる色素又はその塩、若しくはそれらの混合物、及び水を含有するインク組成物。
[6]
水溶性有機溶剤をさらに含有する上記[5]に記載のインク組成物。
[7]
上記式(1)で表わされる色素又はその塩、若しくはそれらの混合物の総質量中に含有される無機不純物の含有量が、該色素又はその塩、若しくはそれらの混合物の総質量に対して、1質量%以下である上記[5]又は[6]に記載のインク組成物。
[8]
上記式(1)で表わされる色素又はその塩、若しくはそれらの混合物の含有量が、インク組成物の総質量に対して0.1〜20質量%である上記[5]乃至[7]のいずれか一項に記載のインク組成物。
[9]
インクジェット記録に用いる上記[5]乃至[8]のいずれか一項に記載のインク組成物。
[10]
上記[9]に記載のインク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させ、被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
[11]
被記録材が情報伝達用シートである上記[10]に記載のインクジェット記録方法。
[12]
情報伝達用シートが普通紙であるか、又は多孔性白色無機物を含有したインク受容層を有するシートである、上記[11]に記載のインクジェット記録方法。
[13]
上記[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の色素又はその塩、若しくはそれらの混合物により着色された着色体。
[14]
上記[5]乃至[9]のいずれか一項に記載のインク組成物により着色された着色体。
[15]
上記[10]乃至[12]のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法により着色された着色体。
[16]
上記[9]に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンタ。
本発明により、印字濃度が高く、耐湿性、耐オゾン性に優れ、特にインクジェット記録に好適な色素、これを含有するインク組成物、該インク組成物を用いる記録方法、及び該色素又はインク組成物により着色された着色体を提供できた。
本発明を詳細に説明する。
本明細書においては煩雑さを避けるため、以下においては特に断りがない限り、式(1)で表わされる「色素又はその塩、若しくはそれらの混合物」の全てを含めて、式(1)で表わされる「色素」と簡略化して記載し、それらの全てを含めた意味を有するものとする。
また、特に断りのない限り「%」及び「部」数は、実施例も含めて、いずれも質量基準で記載する。
本発明の色素は、置換基の種類等を選択することにより、マゼンタ〜バイオレットの色相を表現することが可能であり、上記式(1)で表される。
式(1)中、nは0〜5の整数を表す。好ましくは0〜4、より好ましくは0〜3、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくは0である。
1、R2及びR3(以下、「R1〜R」と記載することもある)は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
式(1)中、R1、R2、R3は、水素原子、カルバモイル基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、及びハロゲン原子であるときを除き、置換基として、イオン性親水性基をさらに有しても良い。イオン性親水性基としては、スルホ基、カルボキシ基、ホスホ基[−P(O)(OH)2基]、及び4級アンモニウム基よりなる群から選択される基が挙げられる。これらの中ではスルホ基、及び/又はカルボキシ基が好ましい。
但し、Xがアルキルチオ基であるとき、アルキルチオ基の置換基として、カルボキシ基を有するものは含まない。
該イオン性親水性基の数は、式(1)中に記載された2つのスルホ基を除き、通常0〜3つ、好ましくは0〜2つ、より好ましくは0又は1つである。式(1)で表される色素が十分な水溶性(おおよそ水1リットルに対して20g以上の溶解性)を該式(1)で表される色素が有するときは、さらにイオン性親水性基は有しなくても良い。
1〜R3における置換基としては、以下のものが挙げられる。
すなわち、
直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基、好ましくはC1−C10アルキル基(具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルといった直鎖のもの;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、イソヘキシル、t−ヘキシル、イソヘプチル、t−ヘプチル、イソオクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、イソノニル、イソデシル等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
アリールアルキル基、好ましくはC6−C12アリールC1−C10アルキル基、より好ましくはフェニルC1−C6アルキル基、さらに好ましくはフェニルC1−C4アルキル基(具体例としてはフェニルメチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、5−フェニルヘキシル等のアルキル部分が直鎖のもの;α−メチルベンジル等のアルキル部分が分岐鎖のもの;等が挙げられる。);
アリール基、好ましくはC6−C12アリール基(具体例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル等が挙げられる。);
環構成原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択される1乃至3つの原子を含む、5又は6員環の複素環基(好ましくは複素環部分が芳香族のもの。具体例としては、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチオフェン−2−イル、テトラヒドロチオフェン−3−イル等の5員脂環式のもの;ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキサン−2−イル、モルホリニル、チオモルホリニル等の6員脂環式のもの;ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、フリル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、オキサゾール、チアゾール等の芳香族5員環のもの;ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン等の芳香族6員環のもの;等が挙げられる。)、なお、上記のうち環構成原子としては窒素原子、及び硫黄原子から選択されるのが好ましい;
環構成原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択される1乃至3つの原子を含む、5又は6員環の複素環アミノ基(好ましくは複素環部分が芳香族のもの。具体例としては、ピロリジニルアミノ、テトラヒドロフリルアミノ、テトラヒドロチオフェン−2−イルアミノ、テトラヒドロチオフェン−3−イルアミノ等の5員脂環式アミノのもの;ピペリジニルアミノ、ピペラジニルアミノ、ジオキサン−2−イルアミノ、モルホリニルアミノ、チオモルホリニルアミノ等の6員脂環式のもの;ピロールアミノ、ピラゾールアミノ、イミダゾールアミノ、トリアゾールアミノ、フリルアミノ、チオフェン−2−イルアミノ、チオフェン−3−イルアミノ、オキサゾールアミノ、チアゾールアミノ等の芳香族5員環のもの;ピリジルアミノ、ピラジルアミノ、ピリダジニルアミノ、トリアジニルアミノ等の芳香族6員環のもの;等が挙げられる。)、なお、上記のうち環構成原子としては窒素原子、及び硫黄原子から選択されるのが好ましい;
環構成原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択される1乃至3つの原子を含む、5又は6員環の複素環基に、1つのベンゼン環が縮環した縮環型5又は6員環の複素環アミノ基(好ましくは複素環部分が芳香族のもの。具体例としては、フタラニルアミノ等の複素環部分が5員脂環式のもの;ベンゾピラニルアミノ等の複素環部分が6員脂環式のもの;ベンズピロールアミノ、ベンズピラゾールアミノ、ベンズイミダゾールアミノ、ベンゾトリアゾールアミノ、ベンゾフラニルアミノ、ベンゾチオフェン−2−イルアミノ、ベンゾチオフェン−3−イルアミノ、ベンゾキサゾールアミノ、ベンゾチアゾールアミノ等の複素環部分が芳香族5員環のもの;キノリニルアミノ、シンノリニルアミノ、フタラジニルアミノ、キナゾリニルアミノ、キノキサリニルアミノ等の複素環部分が芳香族6員環のもの;等が挙げられる。)、なお、上記のうち環構成原子としては窒素原子、及び硫黄原子から選択されるのが好ましい;
直鎖、分岐鎖又は環状のアルコキシ基、好ましくはC1−C10アルコキシ基(具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキシロキシ、n−ヘプトキシ、n−オクチロキシ、n−ノニロキシ、n−デシロキシといった直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、イソアミロキシ、t−アミロキシ、イソヘキシロキシ、t−ヘキシロキシ、イソヘプトキシ、t−ヘプトキシ、イソオクチロキシ、t−オクチロキシ、2−エチルヘキシロキシ、イソノニロキシ、イソデシロキシ等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシロキシ、シクロヘプトキシ等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のものが挙げられる。);
アリールオキシ基、好ましくはC6−C12アリールオキシ基(具体例としては、フェノキシ、ナフチロキシ、ビフェニロキシ等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルカルボニルアミノ基、好ましくはC1−C10アルキルカルボニルアミノ基(具体例としては、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノ、n−ペンチルカルボニルアミノ、n−ヘキシルカルボニルアミノ、n−ヘプチルカルボニルアミノ、n−オクチルカルボニルアミノ、n−ノニルカルボニルアミノ、n−デシルカルボニルアミノといった直鎖のもの;イソプロピルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec−ブチルカルボニルアミノ、t−ブチルカルボニルアミノ、イソアミルカルボニルアミノ、t−アミルカルボニルアミノ、イソヘキシルカルボニルアミノ、t−ヘキシルカルボニルアミノ、イソヘプチルカルボニルアミノ、t−ヘプチルカルボニルアミノ、イソオクチルカルボニルアミノ、t−オクチルカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ、イソノニルカルボニルアミノ、イソデシルカルボニルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘプチルカルボニルアミノ等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
アリールカルボニルアミノ基、好ましくはC6−C12アリールカルボニルアミノ基(具体例としては、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ、ビフェニルカルボニルアミノ等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、好ましくはC1−C10アルキルカルボニルオキシ基(具体例としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、n−ヘプチルカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ、n−ノニルカルボニルオキシ、n−デシルカルボニルオキシといった直鎖のもの;イソプロピルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、イソアミルカルボニルオキシ、t−アミルカルボニルオキシ、イソヘキシルカルボニルオキシ、t−ヘキシルカルボニルオキシ、イソヘプチルカルボニルオキシ、t−ヘプチルカルボニルオキシ、イソオクチルカルボニルオキシ、t−オクチルカルボニルオキシ、2−エチルヘキシルカルボニルオキシ、イソノニルカルボニルオキシ、イソデシルカルボニルオキシ等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロピルカルボニルオキシ、シクロブチルカルボニルオキシ、シクロペンチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、シクロヘプチルカルボニルオキシ等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
アリールカルボニルオキシ基、好ましくはC6−C12アリールカルボニルオキシ基(具体例としては、フェニルカルボニルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ、ビフェニルカルボニルオキシ等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルカルボニル基、好ましくはC1−C10アルキルカルボニル基(具体例としては、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル、n−ヘプチルカルボニル、n−オクチルカルボニル、n−ノニルカルボニル、n−デシルカルボニルといった直鎖のもの;イソプロピルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、t−ブチルカルボニル、イソアミルカルボニル、t−アミルカルボニル、イソヘキシルカルボニル、t−ヘキシルカルボニル、イソヘプチルカルボニル、t−ヘプチルカルボニル、イソオクチルカルボニル、t−オクチルカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル、イソノニルカルボニル、イソデシルカルボニル等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニル等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
アリールカルボニル基、好ましくはC6−C12アリールカルボニル基(具体例としては、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、ナフチルカルボニル、ビフェニルカルボニル等が挙げられる。);
カルバモイル基;
直鎖、分岐鎖又は環状のモノアルキルカルバモイル基、好ましくはモノC1−C10アルキルカルバモイル基(具体例としては、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−プロピルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、n−ペンチルカルバモイル、n−ヘキシルカルバモイル、n−ヘプチルカルバモイル、n−オクチルカルバモイル、n−ノニルカルバモイル、n−デシルカルバモイルといった直鎖のもの;イソプロピルカルバモイル、イソブチルカルバモイル、sec−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、イソアミルカルバモイル、t−アミルカルバモイル、イソヘキシルカルバモイル、t−ヘキシルカルバモイル、イソヘプチルカルバモイル、t−ヘプチルカルバモイル、イソオクチルカルバモイル、t−オクチルカルバモイル、2−エチルヘキシルカルバモイル、イソノニルカルバモイル、イソデシルカルバモイル等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロピルカルバモイル、シクロブチルカルバモイル、シクロペンチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、シクロヘプチルカルバモイル等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のジアルキルカルバモイル基、好ましくはジC1−C10アルキルカルバモイル基(具体例としては、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジ−n−プロピルカルバモイル、ジ−n−ブチルカルバモイル、ジ−n−ペンチルカルバモイル、ジ−n−ヘキシルカルバモイル、ジ−n−ヘプチルカルバモイル、ジ−n−オクチルカルバモイル、ジ−n−ノニルカルバモイル、ジ−n−デシルカルバモイルといった直鎖のもの;ジイソプロピルカルバモイル、ジイソブチルカルバモイル、ジ−sec−ブチルカルバモイル、ジ−t−ブチルカルバモイル、ジイソアミルカルバモイル、ジ−t−アミルカルバモイル、ジイソヘキシルカルバモイル、ジ−t−ヘキシルカルバモイル、ジイソヘプチルカルバモイル、ジ−t−ヘプチルカルバモイル、ジイソオクチルカルバモイル、ジ−t−オクチルカルバモイル、ジ−(2−エチルヘキシル)カルバモイル、ジイソノニルカルバモイル、ジイソデシルカルバモイル等の分岐鎖(好ましくはC3−C10の分岐鎖を2つ有する)のもの;ジシクロプロピルカルバモイル、ジシクロブチルカルバモイル、ジシクロペンチルカルバモイル、ジシクロヘキシルカルバモイル、ジシクロヘプチルカルバモイル等の環状(好ましくはC3−C7の環状基を2つ有する)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
モノアリールカルバモイル基、好ましくはモノC6−C12アリールカルバモイル基(具体例としては、フェニルカルバモイル、ナフチルカルバモイル、ビフェニルカルバモイル等が挙げられる。);
ジアリールカルバモイル基、好ましくはジC6−C12アリールカルバモイル基(具体例としては、ジフェニルカルバモイル、ジナフチルカルバモイル、ジ(ビフェニル)カルバモイル等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のアルコキシカルボニル基、好ましくはC1−C10アルコキシカルボニル基(具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニル、n−ヘキシロキシカルボニル、n−ヘプトキシカルボニル、n−オクチロキシカルボニル、n−ノニロキシカルボニル、n−デシロキシカルボニルといった直鎖のもの;イソプロポキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソアミロキシカルボニル、t−アミロキシカルボニル、イソヘキシロキシカルボニル、t−ヘキシロキシカルボニル、イソヘプトキシカルボニル、t−ヘプトキシカルボニル、イソオクチロキシカルボニル、t−オクチロキシカルボニル、2−エチルヘキシロキシカルボニル、イソノニロキシカルボニル、イソデシロキシカルボニル等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロポキシカルボニル、シクロブトキシカルボニル、シクロペントキシカルボニル、シクロヘキシロキシカルボニル、シクロヘプトキシカルボニル等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
アリールオキシカルボニル基、好ましくはC6−C12アリールオキシカルボニル基(具体例としては、フェノキシカルボニル、ナフチロキシカルボニル、ビフェニロキシカルボニル等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルスルホニルアミノ基、好ましくはC1−C10アルキルスルホニルアミノ基(具体例としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、n−プロピルスルホニルアミノ、n−ブチルスルホニルアミノ、n−ペンチルスルホニルアミノ、n−ヘキシルスルホニルアミノ、n−ヘプチルスルホニルアミノ、n−オクチルスルホニルアミノ、n−ノニルスルホニルアミノ、n−デシルスルホニルアミノといった直鎖のもの;イソプロピルスルホニルアミノ、イソブチルスルホニルアミノ、sec−ブチルスルホニルアミノ、t−ブチルスルホニルアミノ、イソアミルスルホニルアミノ、t−アミルスルホニルアミノ、イソヘキシルスルホニルアミノ、t−ヘキシルスルホニルアミノ、イソヘプチルスルホニルアミノ、t−ヘプチルスルホニルアミノ、イソオクチルスルホニルアミノ、t−オクチルスルホニルアミノ、2−エチルヘキシルスルホニルアミノ、イソノニルスルホニルアミノ、イソデシルスルホニルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロピルスルホニルアミノ、シクロブチルスルホニルアミノ、シクロペンチルスルホニルアミノ、シクロヘキシルスルホニルアミノ、シクロヘプチルスルホニルアミノ等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
アリールスルホニルアミノ基、好ましくはC6−C12アリールスルホニルアミノ基(具体例としては、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ、ナフチルスルホニルアミノ、ビフェニルスルホニルアミノ等が挙げられる。);
スルファモイル基;
直鎖、分岐鎖又は環状のモノアルキルスルファモイル基、好ましくはモノC1−C10アルキルスルファモイル基(具体例としては、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、n−プロピルスルファモイル、n−ブチルスルファモイル、n−ペンチルスルファモイル、n−ヘキシルスルファモイル、n−ヘプチルスルファモイル、n−オクチルスルファモイル、n−ノニルスルファモイル、n−デシルスルファモイルといった直鎖のもの;イソプロピルスルファモイル、イソブチルスルファモイル、sec−ブチルスルファモイル、t−ブチルスルファモイル、イソアミルスルファモイル、t−アミルスルファモイル、イソヘキシルスルファモイル、t−ヘキシルスルファモイル、イソヘプチルスルファモイル、t−ヘプチルスルファモイル、イソオクチルスルファモイル、t−オクチルスルファモイル、2−エチルヘキシルスルファモイル、イソノニルスルファモイル、イソデシルスルファモイル等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロピルスルファモイル、シクロブチルスルファモイル、シクロペンチルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル、シクロヘプチルスルファモイル等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のジアルキルスルファモイル基、好ましくはジC1−C10アルキルスルファモイル基(具体例としては、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジ−n−プロピルスルファモイル、ジ−n−ブチルスルファモイル、ジ−n−ペンチルスルファモイル、ジ−n−ヘキシルスルファモイル、ジ−n−ヘプチルスルファモイル、ジ−n−オクチルスルファモイル、ジ−n−ノニルスルファモイル、ジ−n−デシルスルファモイルといった直鎖のもの;ジイソプロピルスルファモイル、ジイソブチルスルファモイル、ジ−sec−ブチルスルファモイル、ジ−t−ブチルスルファモイル、ジイソアミルスルファモイル、ジ−t−アミルスルファモイル、ジイソヘキシルスルファモイル、ジ−t−ヘキシルスルファモイル、ジイソヘプチルスルファモイル、ジ−t−ヘプチルスルファモイル、ジイソオクチルスルファモイル、ジ−t−オクチルスルファモイル、ジ−(2−エチルヘキシル)スルファモイル、ジイソノニルスルファモイル、ジイソデシルスルファモイル等の分岐鎖(好ましくはC3−C10の分岐鎖を2つ有する)のもの;ジシクロプロピルスルファモイル、ジシクロブチルスルファモイル、ジシクロペンチルスルファモイル、ジシクロヘキシルスルファモイル、ジシクロヘプチルスルファモイル等の環状(好ましくはC3−C7の環状基を2つ有する)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
モノアリールスルファモイル基、好ましくはモノC6−C12アリールスルファモイル基(具体例としては、フェニルスルファモイル、ナフチルスルファモイル、ビフェニルスルファモイル等が挙げられる。);
ジアリールスルファモイル基、好ましくはジC6−C12アリールスルファモイル基(具体例としては、ジフェニルスルファモイル、ジナフチルスルファモイル、ジ(ビフェニル)スルファモイル等が挙げられる。);
ヒドロキシ基;
直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルスルホニル基、好ましくはC1−C12アルキルスルホニル基(具体例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル、n−ヘキシルスルホニル、n−ヘプチルスルホニル、n−オクチルスルホニル、n−ノニルスルホニル、n−デシルスルホニル、n−ウンデシルスルホニル、n−ドデシルスルホニルといった直鎖のもの;イソプロピルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、t−ブチルスルホニル、イソアミルスルホニル、t−アミルスルホニル、イソヘキシルスルホニル、t−ヘキシルスルホニル、イソヘプチルスルホニル、t−ヘプチルスルホニル、イソオクチルスルホニル、t−オクチルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、イソノニルスルホニル、イソデシルスルホニル、イソウンデシルスルホニル、t−ウンデシルスルホニル、イソドデシルスルホニル、t−ドデシルスルホニル等の分岐鎖(好ましくはC3−C12)のもの;シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、シクロヘプチルスルホニル等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
アリールスルホニル基、C6−C12アリールスルホニル基(具体例としては、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、ビフェニルスルホニル等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルチオ基、好ましくはC1−C10アルキルチオ基(具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、n−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、n−ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、n−ノニルチオ、n−デシルチオといった直鎖のもの;イソプロピルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、t−ブチルチオ、イソアミルチオ、t−アミルチオ、イソヘキシルチオ、t−ヘキシルチオ、イソヘプチルチオ、t−ヘプチルチオ、イソオクチルチオ、t−オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ、イソノニルチオ、イソデシルチオ等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、シクロヘプチルチオ等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
アリールチオ基、好ましくはC6−C12アリールチオ基(具体例としては、フェニルチオ、ナフチルチオ、ビフェニルチオ等が挙げられる。);
ウレイド基;
直鎖、分岐鎖又は環状のモノアルキルウレイド基、好ましくはモノC1−C10アルキルウレイド基(具体例としては、メチルウレイド、エチルウレイド、n−プロピルウレイド、n−ブチルウレイド、n−ペンチルウレイド、n−ヘキシルウレイド、n−ヘプチルウレイド、n−オクチルウレイド、n−ノニルウレイド、n−デシルウレイドといった直鎖のもの;イソプロピルウレイド、イソブチルウレイド、sec−ブチルウレイド、t−ブチルウレイド、イソアミルウレイド、t−アミルウレイド、イソヘキシルウレイド、t−ヘキシルウレイド、イソヘプチルウレイド、t−ヘプチルウレイド、イソオクチルウレイド、t−オクチルウレイド、2−エチルヘキシルウレイド、イソノニルウレイド、イソデシルウレイド等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロピルウレイド、シクロブチルウレイド、シクロペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、シクロヘプチルウレイド等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のジアルキルウレイド基、好ましくはジC1−C10アルキルウレイド基(具体例としては、ジメチルウレイド、ジエチルウレイド、ジ−n−プロピルウレイド、ジ−n−ブチルウレイド、ジ−n−ペンチルウレイド、ジ−n−ヘキシルウレイド、ジ−n−ヘプチルウレイド、ジ−n−オクチルウレイド、ジ−n−ノニルウレイド、ジ−n−デシルウレイドといった直鎖のもの;ジイソプロピルウレイド、ジイソブチルウレイド、ジ−sec−ブチルウレイド、ジ−t−ブチルウレイド、ジイソアミルウレイド、ジ−t−アミルウレイド、ジイソヘキシルウレイド、ジ−t−ヘキシルウレイド、ジイソヘプチルウレイド、ジ−t−ヘプチルウレイド、ジイソオクチルウレイド、ジ−t−オクチルウレイド、ジ−(2−エチルヘキシル)ウレイド、ジイソノニルウレイド、ジイソデシルウレイド等の分岐鎖(好ましくはC3−C10の分岐鎖を2つ有する)のもの;ジシクロプロピルウレイド、ジシクロブチルウレイド、ジシクロペンチルウレイド、ジシクロヘキシルウレイド、ジシクロヘプチルウレイド等の環状(好ましくはC3−C7の環状基を2つ有する)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
モノアリールウレイド基、好ましくはモノC6−C12アリールウレイド基(具体例としては、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、ビフェニルウレイド等が挙げられる。);
ジアリールウレイド基、好ましくはジC6−C12アリールウレイド基(具体例としては、ジフェニルウレイド、ジナフチルウレイド、ジ(ビフェニル)ウレイド等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のアルコキシカルボニルアミノ基、好ましくはC1−C10アルコキシカルボニルアミノ基(具体例としては、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、n−ペントキシカルボニルアミノ、n−ヘキシロキシカルボニルアミノ、n−ヘプトキシカルボニルアミノ、n−オクチロキシカルボニルアミノ、n−ノニロキシカルボニルアミノ、n−デシロキシカルボニルアミノといった直鎖のもの;イソプロポキシカルボニルアミノ、イソブトキシカルボニルアミノ、sec−ブトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、イソアミロキシカルボニルアミノ、t−アミロキシカルボニルアミノ、イソヘキシロキシカルボニルアミノ、t−ヘキシロキシカルボニルアミノ、イソヘプトキシカルボニルアミノ、t−ヘプトキシカルボニルアミノ、イソオクチロキシカルボニルアミノ、t−オクチロキシカルボニルアミノ、2−エチルヘキシロキシカルボニルアミノ、イソノニロキシカルボニルアミノ、イソデシロキシカルボニルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロポキシカルボニルアミノ、シクロブトキシカルボニルアミノ、シクロペントキシカルボニルアミノ、シクロヘキシロキシカルボニルアミノ、シクロヘプトキシカルボニルアミノ等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
アリールオキシカルボニルアミノ基、好ましくはC6−C12アリールオキシカルボニルアミノ基(具体例としては、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ、ビフェニルカルボニルアミノ等が挙げられる。);
シアノ基;
ニトロ基;
アミノ基;
直鎖、分岐鎖又は環状のモノアルキルアミノ基、好ましくはモノC1−C10アルキルアミノ基(具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、n−ヘプチルアミノ、n−オクチルアミノ、n−ノニルアミノ、n−デシルアミノといった直鎖のもの;イソプロピルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、t−ブチルアミノ、イソアミルアミノ、t−アミルアミノ、イソヘキシルアミノ、t−ヘキシルアミノ、イソヘプチルアミノ、t−ヘプチルアミノ、イソオクチルアミノ、t−オクチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、イソノニルアミノ、イソデシルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3−C10)のもの;シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロヘプチルアミノ等の環状(好ましくはC3−C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のジアルキルアミノ基、好ましくはジC1−C10アルキルアミノ基(具体例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ、ジ−n−ペンチルアミノ、ジ−n−ヘキシルアミノ、ジ−n−ヘプチルアミノ、ジ−n−オクチルアミノ、ジ−n−ノニルアミノ、ジ−n−デシルアミノといった直鎖のもの;ジイソプロピルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジ−sec−ブチルアミノ、ジ−t−ブチルアミノ、ジイソアミルアミノ、ジ−t−アミルアミノ、ジイソヘキシルアミノ、ジ−t−ヘキシルアミノ、ジイソヘプチルアミノ、ジ−t−ヘプチルアミノ、ジイソオクチルアミノ、ジ−t−オクチルアミノ、ジ−(2−エチルヘキシル)アミノ、ジイソノニルアミノ、ジイソデシルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3−C10の分岐鎖を2つ有する)のもの;ジシクロプロピルアミノ、ジシクロブチルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、ジシクロヘプチルアミノ等の環状(好ましくはC3−C7の環状基を2つ有する)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
アリールアミノ基(モノアリールアミノ基又はジアリールアミノ基、好ましくはモノC6−C12アリールアミノ基)としてモノC6−C12アリールアミノ基(具体例としては、フェニルアミノ(アニリノ)、ナフチルアミノ、ビフェニルアミノ等が挙げられる。);
同様にアリールアミノ基としてジC6−C12アリールアミノ基(具体例としては、ジフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジ(ビフェニル)アミノ等が挙げられる。);
メルカプト基(本明細書においては、「−SH」で表される基を意味する。);
ハロゲン原子(具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子;好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。);等が挙げられる。
1〜R3における上記の置換基は、これらの置換基から選択される基を1つ又は2つ、好ましくは1つさらに有してもよい。
特に、上記イオン性親水性基については、イオン性親水性基以外のR1〜Rにおける置換基が、さらに有する置換基であるのが好ましい。そのときのイオン性親水性基の数については上記の通りである。
上記のうち、R1〜R3としては、水素原子;アルキル基;アリールアルキル基;環構成原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択される1乃至3つの原子を含む、5又は6員環の複素環アミノ基;環構成原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択される1乃至3つの原子を含む、5又は6員環の複素環基に、1つのベンゼン環が縮環した縮環型5又は6員環の複素環アミノ基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルキルカルボニルアミノ基;カルバモイル基;ヒドロキシ基;アルキルスルホニル基;アリールチオ基;シアノ基;アミノ基;アリールアミノ基;ハロゲン原子;よりなる群から選択される基であるのが好ましい。
1〜R3としてより好ましくは、水素原子;アルキル基;アリールアルキル基;アリールオキシ基;よりなる群から選択される基である。
上記のうち、Rとしては水素原子、アルキル基又はアリールアルキル基が好ましく、水素原子又はアルキル基がより好ましく、アルキル基がさらに好ましく、中でもメチル基が特に好ましい。
上記のうち、Rとしては水素原子が好ましい。
上記のうち、Rとしては、水素原子又はアリールオキシ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
該アリールオキシ基としてはC6−C12、好ましくはC6−C10アリールオキシ基が挙げられる。これらの中ではフェノキシ基が好ましく、置換基として、アルキル基及びイオン性親水性基よりなる群から選択される基を有するフェノキシ基がより好ましい。このときのイオン性親水性基としては、スルホ基又はカルボキシ基が好ましく、カルボキシ基がより好ましい。該アルキル基としては上記「R1〜Rにおける置換基」として挙げたアルキル基と同じものが好ましく、それらの中では分岐鎖のものがより好ましい。
として上記「R1〜Rにおける置換基」、好ましくはアリールオキシ基、を有するとき、その置換位置は特に制限されない。しかし、式(1)において、Rを置換基として有する窒素原子及びRの両者が置換する環の部分において、前者の置換位置を1位、時計回りに後者の置換位置を4位としたとき、Rの置換位置は2位であることが特に好ましい。
Xは、少なくとも1つのイオン性親水性基を有するアルキルチオ基、又は置換基を有してもよいアリールチオ基を表わす。但し、Xが少なくとも1つのイオン性親水性基として、カルボキシ基を有するアルキルチオ基であるものを除く。
Xにおける、少なくとも1つのイオン性親水性基を有するアルキルチオ基としては、直鎖、分岐鎖又は環状アルキルチオ基が挙げられる。該Xは通常C1−C10、好ましくはC1−C6、より好ましくはC2−C4アルキルチオ基である。また、該Xは直鎖又は分岐鎖のものが好ましく、直鎖のものがより好ましい。イオン性親水性基としてはスルホ基が好ましい。該スルホ基の数としては、その数に制限はないが、通常1つ〜4つ、好ましくは1つ〜3つ、より好ましくは1つ又は2つ、特に好ましくは1つである。
Xが、少なくとも1つのイオン性親水性基を有するアルキルチオ基であるとき、該Xは置換基として、さらにアミノ基を有してもよい。該アミノ基の置換数に制限は無いが、通常0乃至4、好ましくは0乃至2、より好ましくは0又は1である。
これらの具体例としては、例えば、スルホメチルチオ、2−スルホエチルチオ、3−スルホプロピルチオ、4−スルホブチルチオ、5−スルホペンチルチオ、6−スルホヘキシルチオ、1,2−ジスルホ−2−エチルチオ、1,3−ジスルホ−3−プロピルチオ等の、スルホ基を1つ又は2つ有する直鎖のもの;1−アミノ−1−スルホ−2−エチルチオ、1−アミノ−1−スルホ−3−プロピルチオ等の、スルホ基とアミノ基とを有するもの;2−スルホ−2−メチルエチルチオ等の分岐鎖のもの;等が挙げられる。
Xにおける、置換基を有してもよいアリールチオ基としては、無置換のアリールチオ基又は少なくとも1つのイオン性親水性基を有するアリールチオ基が好ましい。該イオン性親水性基としては、上記と同じものが挙げられる。Xがアリールチオ基であるときは、該イオン性親水性基のうちスルホ基及び/又はカルボキシ基が好ましく、カルボキシ基がより好ましい。該XとしてはC6−C12アリールチオ基であることが好ましい。イオン性親水性基の数としては、その数に制限はないが、通常1つ〜4つ、好ましくは1つ〜3つ、より好ましくは1つ又は2つ、さらに好ましくは1つである。
その具体例としては、フェニルチオ、α−ナフチルチオ、β−ナフチルチオ、ビフェニルチオ等の無置換のもの;2−カルボキシフェニルチオ、4−カルボキシフェニルチオ、6−カルボキシ−2−ナフチルチオ等のカルボキシ基を有するもの;2−スルホフェニルチオ、4−スルホフェニルチオ、2,4−ジスルホフェニルチオ、7−スルホ−2−ナフチルチオ等のスルホ基を有するもの;等の、イオン性親水性基としてカルボキシ基またはスルホ基を有するもの;等が挙げられる。
上記のうち、Xとしては、無置換のアリールチオ基、又は少なくとも1つのイオン性親水性基を有するアリールチオ基が好ましい。
上記「R1〜R3における置換基」及び、R、R2、R及びXとして個別に挙げた各基、置換位置等において、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものとより好ましいものとの組み合わせ、及び、より好ましいものとさらに好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
上記式(1)で表される色素の塩は、無機又は有機陽イオンと形成する塩を意味する。無機陽イオンと形成する塩としては、アルカリ金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムの各陽イオン;又は、アンモニウム(NH );と形成する塩等が好ましく挙げられる。
有機陽イオンと形成する塩としては、下記式(2)で表される有機アンモニウムと形成する塩等が好ましく挙げられる。
Figure 2014172913
式(2)中、Z1乃至Z4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシアルキル基を表わし、Z1乃至Z4の少なくともいずれか1つは水素原子以外の基である。
式(2)中、Z1乃至Z4における具体例としては、メチル、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1−C6アルキル基(好ましくはC1−C4アルキル基);ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシC1−C6アルキル基(好ましくはヒドロキシC1−C4アルキル基);ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等のヒドロキシC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基(好ましくはヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基);等が挙げられる。
これらのうち、より好ましいものとしては、ナトリウム、カリウム、リチウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アンモニウム等の各陽イオンと形成する塩が挙げられる。これらの中で特に好ましいものとしては、リチウム、アンモニウム及びナトリウムの各塩が挙げられる。
式(1)で表される色素の塩は、単一の塩;複数種類の混塩;又は、遊離酸と塩との混合物;等のいずれであってもよい。式(1)で表される色素は、その塩の種類により溶解性等の物理的な性質;又は、該化合物を含有するインクの性能、特に堅牢性に関する性能;等が変化することもある。このため目的とするインクの性能等に応じて、塩の種類を選択することも好ましく行われる。
遊離酸から各種の塩を造塩する方法;各種の塩から遊離酸を得る方法;特定の塩から他の塩へ塩を交換する方法;等については、いずれも当業者であれば周知の方法が使用できる。
本上記式(1)で表される色素の具体例を下記表1及び表2に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
各表中、n、R〜R3及びXは、式(1)におけるn、R〜R3及びXに対応する。
表中の「Ph」は、「フェニル」を意味する。
Figure 2014172913
Figure 2014172913
以下に、式(1)で表される色素の製造方法を記載する。なお下記式(101)〜(105)、及び式(107)中に適宜記載されたn、R〜R、及びXは、上記式(1)におけるのと同じ意味を表す。
なお、製造方法中に記載の化合物のモル数等については代表的な例であり、当業者であれば必要に応じて適宜増減が可能なことを理解できる。
下記式(101)の化合物1モルに、下記式(102)で表わされる化合物1.1〜3モルを、キシレン等の極性溶媒中、炭酸ナトリウム等の塩基性化合物の存在下、130〜180℃で5〜15時間反応させ、目的とする下記式(103)の化合物を得る。式(101)におけるR4は脱離基を表し、好ましくはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ等)、アリールスルホニルオキシ基(フェニルスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ等)よりなる群から選択される基であり、より好ましくは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、中でも臭素原子が特に好ましい。式(102)におけるR102はアルキル基(好ましくはC1−C6アルキル基、より好ましくはC1−C4アルキル基)を表し、具体的にはメチル又はエチルが好ましい。式(101)及び式(102)の化合物は、市販品として入手できるものもある。
Figure 2014172913
Figure 2014172913
Figure 2014172913
得られた上記式(103)の化合物1モルに、メタアミノアセトアニリド1〜5モルを、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性有機溶媒中、炭酸ナトリウムのような塩基及び酢酸銅のような銅触媒の存在下、110〜150℃、2〜6時間ウルマン反応をおこなって縮合し、下記式(104)の化合物を得る。
Figure 2014172913
得られた式(104)の化合物を5〜30%発煙硫酸中、通常80℃以上、好ましくは80〜150℃、より好ましくは80〜140℃、さらに好ましくは80〜130℃、特に好ましくは80〜120℃で、閉環すると同時にスルホ化及びアセチルアミノ基を加水分解することにより、式(105)で表される化合物を得ることができる。
Figure 2014172913
得られた上記式(105)の化合物1モルと、例えば下記式(106)で表される化合物2〜2.5モルとを水中で、pH2〜9、2〜15℃、30分〜1時間反応させて得られる下記式(107)の化合物に、Xに対応する化合物2〜10モルを、pH7〜10、20〜90℃、10分〜10時間反応させることにより、上記式(1)で表される色素を得ることができる。
なお、式(106)中のR4は上記と同じ意味を表すが、2つのR4は同じでも異なっていてもよく、また上記したものの中では塩素原子が特に好ましい。
Figure 2014172913
Figure 2014172913
上記式(1)で表される色素は、その総質量中に不純物として含有する金属陽イオンの塩化物(例えば塩化ナトリウム等)及び硫酸塩(例えば硫酸ナトリウム等)等の、無機不純物の少ないものを用いるのが好ましい。その目安としては、例えば、式(1)で表される色素の総質量に対して、無機不純物の含有量は1%以下程度である。無機不純物の少ない色素を製造する方法としては、例えば逆浸透膜を用いる公知の方法;C1−C4アルコール(又は場合により含水の該アルコール)等に懸濁させて精製する方法;又は、陰及び陽イオン交換樹脂を適宜用いる公知の方法;等により脱塩処理する方法が挙げられる。
本発明のインク組成物は、上記式(1)で表される色素を色素として含有し、該色素を水又は水性溶媒(後記する水溶性有機溶剤を含有する水)に溶解したものである。
上記インク組成物は、式(1)で表される色素を通常0.1〜20%、好ましくは1〜15%、さらに好ましくは2〜10%含有する。
また、上記インク組成物は色素と水以外の成分として、水溶性有機溶剤を0〜30%、好ましくは5〜20%;及び、インク調製剤を0〜10%;それぞれ含有してもよい。水溶性有機溶剤は色素の溶解、インク組成物の乾燥の防止、粘度の調整、被記録材への浸透の促進、表面張力の調整、消泡等の効果を有することもあるため、インク組成物中には含有する方が好ましい。
上記インク組成物は、例えばインク組成物の色相や印字濃度等を望みのものに(微)調整する目的等により、複数の式(1)で表わされる色素を含有してもよい。また、本発明により得られる効果を阻害しない範囲において、公知の他の色素を含有しても良い。
上記水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1−C4アルカノール(アルコール);N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4アルキルエーテル;γ−ブチロラクトン;又はジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
上記のうち、好ましいものとしては、イソプロパノール、グリセリン、モノ、ジ又はトリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられ、より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤は、単独で使用しても混合しても良い。
上記インク調製剤としては、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤及び界面活性剤等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。
ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤としてはソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、無水酢酸ナトリウム、及びアベシア社製、商品名:プロクセルTMGXL(S)、プロクセルTMXL−2(S)等が挙げられる。
なお、本明細書において上付きの「TM」は商標を意味する。
pH調整剤としては、調製されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを7.5〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホ化されたベンゾフェノン、スルホ化されたベンゾトリアゾール等が挙げられる。
水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、その他としてイミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレンアルコール系;他の具体例として、日信化学社製、商品名サーフィノールTM104E、同104PG50、同82、同465、商品名オルフィンTMSTG等;等が挙げられる。
これらのインク調製剤は、単独で使用しても混合しても良い。
上記インク組成物の製造において、インク組成物に含有する各成分を溶解させる順序には特に制限はない。色素を水又は水性溶媒に溶解させた後、インク調製剤を添加してもよいし、色素を水に溶解させた後、水溶性有機溶剤、インク調製剤を添加してもよい。またこれと順序が異なっていてもよい。
インク組成物に含有する色素としては、例えば、式(1)で表される色素の合成工程における、最終工程終了後の反応液等から晶析;又はスプレー乾燥;等の操作により色素を単離し、これを乾燥等させたものを使用することができる。
また、該最終工程終了後の反応液;又は、該色素を含有する水溶液に対して逆浸透膜による脱塩処理を行うことにより得られた水溶液;等の色素を含有する液に、水溶性有機溶剤、インク調製剤等を添加してインク組成物を製造してもよい。
インク組成物の調製に用いる水は、イオン交換水又は蒸留水等の不純物の少ないものが好ましい。このようにして調製されたインク組成物は、必要に応じてメンブランフィルター等を用いた精密濾過を行って夾雑物を除いてもよい。インク組成物をインクジェット記録に用いるときは、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1μm〜0.1μm、好ましくは0.8μm〜0.1μmである。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定の位置に装填し、該インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させ、記録を行う方法である。
上記インクジェット記録方法は、式(1)で表わされる色素を含有するインク組成物を、その色相に応じてマゼンタ〜バイオレット、好ましくはマゼンタのインクとして単独又はインクセットとして使用することができる。
一方、フルカラーの記録画像を得る目的で、式(1)で表わされる色素を含有するインク組成物の他に、例えば公知のイエロー、シアンの3原色、又はこれにグリーン、オレンジ、レッド、バイオレット、ブルー及びブラック等の各色を加えたインク組成物とのインクセットとしても良い。この際には、上記の各色から適宜選択されるインク組成物をそれぞれ含有する容器を、インクジェットプリンタの所定の位置にそれぞれ装填して使用すればよい。
インクジェットプリンタの吐出方式としては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式;加熱により生じる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式;等が挙げられる。本発明のインク組成物は、これらの方式を含めたいずれの吐出方式においても使用することが可能である。
上記被記録材としては、例えば、紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、及びカラーフィルター用基材等が挙げられる。
情報伝達用シートとしては表面処理されたもの、具体的には基材(例えば上記の被記録材)にインク受容層を設けたもの等が好ましい。インク受容層は、例えば基材にカチオンポリマーを含浸あるいは塗工すること;多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等、インク中の色素を吸着し得る多孔性白色無機物を、ポリビニルアルコールやポリビニールピロリドン等の親水性ポリマーと共に基材表面に塗工すること;等により設けられる。このようなインク受容層を設けたものは、通常インクジェット専用紙(フィルム)や光沢紙(フィルム)等と呼ばれる。市販品としては例えば、(株)ピクトリコ製、商品名ピクトリコTMプロ;キヤノン社製、商品名プロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー;エプソン(株)製、商品名クリスピアTM、写真用紙(光沢)、フォトマット紙、スーパーファイン専用光沢フィルム;日本ヒューレット・パッカード(株)製、商品名アドバンスフォトペーパー、プレミアムプラスフォト用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト用紙;コニカミノルタフォトイメージング(株)製、商品名フォトライクQP;等が挙げられる。
なお、インク受容層を特に設けていない情報伝達用シート、例えばPPC(プレインペーパーコピー)用紙等の普通紙も、好ましく使用できる。
上記多孔性白色無機物としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等が挙げられる。
本発明の着色体とは、本発明の色素又は該色素を含有するインク組成物により着色された物質を意味する。着色される物質には特に制限はない。一例としては、例えば上記の被記録材;感熱記録材料におけるインクシート及びこのインクシートにより着色された被記録材;電子写真用のカラートナー及びこれにより着色された被記録材;LCD、PDP等のディスプレイやCCD等の撮像素子の製造に用いられる着色硬化性樹脂組成物、及びこの樹脂組成物を用いて製造されたカラーフィルター;等が挙げられるが、着色することができる物質であればこれらに限定されない。
着色方法としては、例えば浸染、捺染、スクリーン印刷、インクジェット記録、感熱記録、電子写真記録等が挙げられる。本発明の着色体としては、本発明のインクジェット記録方法により着色された着色体が好ましい。
本発明のインク組成物は鮮明な色相であり、特に光沢紙において鮮明性の高い色相を有し、記録画像の堅牢性も高い。又、人に対する安全性も高い。
上記式(1)で表される色素は、発色性が良く色再現性に優れた吸収特性を有し、且つ光、熱、湿度、及び環境中の活性ガスに対して充分な堅牢性を有する。その用途としては、例えばインクジェットなどの印刷用のインク、感熱記録材料におけるインクシート、電子写真用のカラートナー、LCD、PDPなどのディスプレイやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルター、各種繊維用の染色のための染色液や樹脂着色のためなどの各種着色組成物等が挙げられる。
上記式(1)で表わされる色素を含有するインク組成物は、例えば印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング等の各種の記録や印刷用途に用いることが可能であり、特にインクジェット記録用インクとして好適に用いられる。このインク組成物を用いてインクジェット専用紙や光沢紙に記録した画像は印字濃度が高く、耐水性、耐光性、耐オゾン性、耐摩擦性、及び耐湿性等の各種堅牢性に優れ、インクジェット記録に適した色相を有する。
式(1)で表わされる色素を含有するインク組成物は、その貯蔵中に沈殿、分離することがなく、保存安定性が極めて高い。また、式(1)で表わされ、且つ、イオン性親水性基を上記の範囲で有する色素は水溶解性に優れるため、これを含有する水性インク組成物をインクジェット記録に使用した場合、ノズル付近におけるインク組成物の乾燥による固体析出は非常に起こりにくく、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。さらに、該インク組成物は、連続式インクジェットプリンタにおける比較的長時間の一定の再循環下での使用;又は、オンデマンド式インクジェットプリンタにおける断続的な使用;等の使用環境においても物理的性質の変化を起こさない。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。各反応及び晶析等の操作は、特に断りのない限り攪拌下に行った。
実施例中、最大吸収波長(λmax)としては、pH5〜8の色素の水溶液における、紫外可視分光光度計UV−2550(島津製作所社製)での測定値を記載した。
また、一回の合成反応で目的化合物の必要量が得られなかったときは、必要量が得られるまで同じ合成反応を繰り返し行った。
[実施例1]
(工程1)
キシレン150部中に、式(3)の化合物(市販品として購入できる)63.2部、4,4,4−トリフルオロアセト酢酸エチル82.8部、炭酸水素ナトリウム2.0部、ジアザビシクロウンデセン1.2部を加え、140〜145℃にて生成するエタノールと水とを、キシレンと共沸させて反応系外へ留去させながら14時間反応した。この反応液を80℃まで冷却し、メタノール200部を滴下し、析出した固体を濾過分取、乾燥させることにより下記式(4)で表される化合物の黄色粉末85.5部を得た。
Figure 2014172913
Figure 2014172913
(工程2)
N,N−ジメチルホルムアミド250.0部中に、上記式(4)の化合物120部、メタアミノアセトアニリド180.0部、酢酸銅1水和物25.0部及び炭酸ナトリウム70.0部を順次加えて120〜130℃に昇温し、10時間反応を行った。反応液を約50℃に冷却し、メタノール500部を添加して30分攪拌した。析出固体を濾過分取し、メタノール500部、次いで80℃の温水で洗浄した後、乾燥することにより下記式(5)の化合物55.4部を青味赤色固体として得た。
Figure 2014172913
(工程3)
12.0%発煙硫酸230.0部に実施例1(工程2)で得られた式(5)で表される化合物25.0部を加えた後、90℃で3時間反応した。得られた液を氷水700部中に加え、塩化ナトリウム200部を加え、室温で60分撹拌した。析出した固体を濾過分取し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキをメタノール800部中に加え、60℃で1時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、析出した固体を濾過分取、乾燥することにより、下記式(6)で表される化合物の赤色粉末18.0部を得た。
Figure 2014172913
(工程4)
水500部中に、上記実施例1(工程3)で得た式(6)で表される化合物35.0部を加え、撹拌しながら25%水酸化ナトリウムを加えて溶液とした。この溶液を氷冷し、液温を10℃以下に保ち、クロロアセチルクロリド20部を加えて、pH2.5に保ち30分攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。この反応液を50〜60℃に昇温し、塩化ナトリウム100部を加え、析出した固体を濾過分取し、ウェットケーキを得た。水600部中に、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム40部と得られたウェットケーキ全量を加え、pH9.5に保ち、50〜60℃で3時間撹拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。反応液を室温まで冷却し、塩化ナトリウム200部を加え、析出した固体を濾過分取し、乾燥することにより、下記式(7)で表される本発明の色素の赤色粉末23部(λmax:526nm)を得た。
Figure 2014172913
[実施例2]
実施例1の工程4で使用した3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム40部を、チオサリチル酸36部に代える以外は実施例1と同様にして、下記式(8)で表される本発明の色素の赤色粉末20部(λmax:526nm)を得た。
Figure 2014172913
[実施例3]
実施例1の工程4で使用した3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム40部を、2−ナフタレンチオール30部に代える以外は実施例1と同様にして、下記式(9)で表される本発明の色素の赤色粉末18部(λmax:530nm)を得た。
Figure 2014172913
[実施例4]
[(A)インク組成物の調製]
実施例1で得られた式(7)で表される色素を色素として用い、下記表3に示す各成分を混合溶解して溶液の水性インク組成物を調製した。得られたインク組成物を0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により夾雑物を除き、評価試験用のインクジェットインク組成物を得た。インク組成物の調製に用いた水はイオン交換水であり、インク組成物のpHがおよそ9.0となるように25%水酸化ナトリウム水溶液で調整後、総量が100部になるように水を加えた。このインク組成物の調製を実施例2とする。
なお、下記表2中、「サーフィノール104PG50」は商品名であり、日信化学社製のアセチレングリコール系ノニオン界面活性剤である。
Figure 2014172913
[実施例5〜6]
上記実施例4において使用した式(7)で表される色素の代わりに、実施例2乃至3で得た式(8)乃至(9)で表される色素をそれぞれ用いる以外は実施例4と同様にして、溶液の水性インク組成物を調製した。これらのインク組成物の調製を、それぞれ実施例5乃至6とする。
[比較例1]
上記式(7)で表される色素の代わりに、下記式(10)の化合物を比較用の色素として用いる以外は実施例2と同様にして、比較用の水性インク組成物を調製した。このインク組成物の調製を比較例1とする。
なお、式(10)の化合物は以下のようにして合成した。
[式(10)の化合物の合成]
N−メチル−2−ピロリドン15部中に、実施例1(工程2)で得た式(6)の化合物3.0部、炭酸カリウム0.3部を加え30℃に加熱した。塩化アセチル0.5部を30分かけて滴下した後、10時間反応した。得られた反応液を、25%塩化ナトリウム水溶液100部及び35%塩酸10部の混合液に加え、室温で撹拌した。この液から析出した固体を濾過分取し、20%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、ウェットケーキ4.0gを得た。得られたウェットケーキを、メタノール25部及び2−プロパノール50部の混合液に加えて60℃で1時間撹拌した後、固体を濾過分取、乾燥することにより、下記式(10)の比較用化合物の赤色粉末2.0部(λmax:519nm)を得た。
Figure 2014172913
[(B)インクジェット記録]
実施例2及び比較例1で調製した各インク組成物を、インクジェットプリンタ(キヤノン社製 商品名:PIXUSTMip4500)を用いて2種類の光沢紙にインクジェット記録を行うことにより記録物を得た。インクジェット記録の際、反射濃度が数段階の階調で得られるように画像パターンを作り、グラデーションを有する記録物を得た。得られた記録物を試験片とし、各種の試験を行なった。
インクジェット記録の被記録材である2種類の光沢紙は、以下のものを用いた。
光沢紙1:
キヤノン株式会社製、商品名:キヤノン写真用紙・プラチナグレード。
光沢紙2:
キヤノン株式会社製、商品名:キヤノン写真用紙・光沢ゴールド。
以下の評価試験において、反射濃度の測定には測色システム(商品名SpectroEyeTM、X−right社製)を使用した。測色は、濃度基準にDIN、測定波長510nm〜550nm、視野角2度、光源D50の条件で行った。
[(C)印字濃度試験]
各試験片のうち、印字濃度が最も高い階調部分について、上記測色システムにより印字濃度を測定した。結果を下記表4に示す。
[(D)耐湿性試験]
ヤマト科学(株)社製の恒温恒湿器(IG400)を用いて、30℃、80%RHの条件下に各試験片を168時間放置した。試験前のD値が1.7付近の階調部分について、試験前後の滲みを目視にて判定し、以下A〜Cの3段階で評価した。
A:滲みが認められない
B:わずかに滲みが認められる
C:明らかに滲みが認められる
結果を下記表4に示す。
[(E)耐オゾン性試験]
スガ試験機(株)社製のオゾンウェザーメーター(スガ試験機(株)社製)を用いてオゾン濃度10ppm、湿度60%RH、温度24℃の環境下に8時間放置した。試験前のD値が1.2付近の諧調部分について、試験後のD値を測定し、各試験片の色素の残存率を(試験後の反射濃度)/(試験前の反射濃度)×100(%)として算出した。結果を下記表4に示す。
Figure 2014172913
表4の結果から明らかなように、いずれの評価試験においても、実施例4〜6は比較例1より極めて優れる結果を示した。
本発明の上記式(1)で表わされる色素、及びこれを含有するインク組成物により記録された画像は印字濃度、耐湿性、及び耐オゾン性に極めて優れるため、各種の用途、特にインクジェット記録用として非常に有用である。

Claims (16)

  1. 下記式(1)で表される色素又はその塩、若しくはそれらの混合物。
    Figure 2014172913
    (式(1)中、nは0〜5の整数を表わし、
    1、R2、及びRは、それぞれ独立に水素原子、又は置換基を表わし、
    Xは少なくとも1つのイオン性親水性基を有するアルキルチオ基、又は置換基を有してもよいアリールチオ基を表わす。但し、Xが少なくとも1つのイオン性親水性基として、カルボキシ基を有するアルキルチオ基であるものを除く。)
  2. 上記式(1)におけるR1、R2及びR3が、それぞれ独立に、水素原子;アルキル基;アリールアルキル基;環構成原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択される1乃至3つの原子を含む、5又は6員環の複素環アミノ基;環構成原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択される1乃至3つの原子を含む、5又は6員環の複素環基に、1つのベンゼン環が縮環した縮環型5又は6員環の複素環アミノ基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルキルカルボニルアミノ基;カルバモイル基;ヒドロキシ基;アルキルスルホニル基;アリールチオ基;シアノ基;アミノ基;アリールアミノ基;ハロゲン原子;よりなる群から選択される基である、請求項1に記載の色素又はその塩、若しくはそれらの混合物。
    但し、該式(1)中、R1、R2、R3は、水素原子、カルバモイル基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、及びハロゲン原子であるときを除き、置換基として、イオン性親水性基をさらに有しても良い。
  3. 上記式(1)におけるXが、少なくとも1つのスルホ基を有するC1−C10アルキルチオ基、無置換のアリールチオ基又は少なくとも1つのイオン性親水基を有するアリールチオ基である請求項1又は2に記載の色素又はその塩、若しくはそれらの混合物。
  4. 上記式(1)におけるXが、イオン性親水性基として少なくとも1つのカルボキシ基を有するアリールチオ基である請求項1乃至3に記載の色素又はその塩、若しくはそれらの混合物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の式(1)で表わされる色素又はその塩、若しくはそれらの混合物、及び水を含有するインク組成物。
  6. 水溶性有機溶剤をさらに含有する請求項5に記載のインク組成物。
  7. 上記式(1)で表わされる色素又はその塩、若しくはそれらの混合物の総質量中に含有される無機不純物の含有量が、該色素又はその塩、若しくはそれらの混合物の総質量に対して、1質量%以下である請求項5又は6に記載のインク組成物。
  8. 上記式(1)で表わされる色素又はその塩、若しくはそれらの混合物の含有量が、インク組成物の総質量に対して0.1〜20質量%である請求項5乃至7のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. インクジェット記録に用いる請求項5乃至8のいずれか一項に記載のインク組成物。
  10. 請求項9に記載のインク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させ、被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
  11. 被記録材が情報伝達用シートである請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 情報伝達用シートが普通紙であるか、又は多孔性白色無機物を含有したインク受容層を有するシートである、請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の色素又はその塩、若しくはそれらの混合物により着色された着色体。
  14. 請求項5乃至9のいずれか一項に記載のインク組成物により着色された着色体。
  15. 請求項10乃至12のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法により着色された着色体。
  16. 請求項9に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンタ。
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