JP2011184575A - 水性インク組成物、インクジェット記録方法及び着色体 - Google Patents

水性インク組成物、インクジェット記録方法及び着色体 Download PDF

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典子 梶浦
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Abstract

【課題】インクジェット記録に適する高い鮮明性をもつ色相を有し、且つ記録物の耐オゾンガス性が強く、又保存安定性が優れた特定のトリアジン化合物とマゼンタ色素を含有するインク組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも1種類の下記式(101)で表される化合物又はその塩、及び、少なくとも1種類の特定のアントラピリドン化合物又はその塩を含有する水性インク組成物、
Figure 2011184575

[式中、Zはスルホ基で置換されたアニリノ基等、Lは2〜6、pは1〜3を表す。]、
【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク組成物、この組成物を用いるインクジェット記録方法及びこの組成物により着色された着色体に関する。
各種カラー記録方法における代表的方法の一つとして、インクジェットプリンタを用いる記録方法、すなわちインクジェット記録方法が挙げられる。このインクジェット記録方法においては、インクの各種吐出方式が開発されている。その吐出方式は、いずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材(紙、フィルム、布帛等)に付着させて記録を行うものである。この方式は、記録ヘッドと被記録材とが接触しないため、音の発生がなく静かである。また小型化、高速化、カラー化が容易という特長のため、近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。
従来、万年筆、フェルトペン等のインク及びインクジェット記録用インクとしては、水溶性色素を水性媒体中に溶解した水性インクが使用されている。これらの水性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく、一般に水溶性有機溶剤が添加されている。これらの従来のインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、長期の保存安定性に優れること等が要求されている。また該インクにより記録された画像には、耐水性、耐湿性、耐光性及び耐ガス性等の各種堅牢性が求められている。
一方、コンピューターのカラーディスプレイ上の画像又は文字情報をインクジェットプリンタによりカラーで記録する方法として、一般にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクによる減法混色が用いられている。CRTディスプレイ等のレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)による加法混色画像を減法混色画像で出きるだけ忠実に再現するためには、Y、M、Cのそれぞれが、標準色に近い色相を有し、且つ鮮明であることが望まれる。
インクジェットプリンタの用途はOA用小型プリンタから産業用の大型プリンタにまで拡大されてきており、耐水性、耐湿性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢性がこれまで以上に求められている。
このうち耐水性ついては、多孔質シリカ、カチオン系ポリマー、アルミナゾル又は特殊セラミック等の、インク中の色素を吸着し得る無機微粒子をPVA樹脂等と共に紙の表面にコーティングすることにより、大幅に改良されてきているが、未だ満足できる状況には無い。
耐湿性とは、記録画像を高湿度の雰囲気下に保存した際に、画像中の色素が滲んでくるという現象に対する耐性のことである。色素の滲みがあると、特に高精細な画質を求められる写真調の画像においては著しく画像品質が低下する。このため、色素の滲みをできるだけ少なくすることは、インクジェット記録における重要な課題の1つである。
耐光性については、これを大幅に改良する技術は未だ確立されていない。特にY、M、C、Kの4原色のうち、マゼンタ色素はもともと耐光性の弱いものが多く、その改良が課題とされている。
また、デジタルカメラの浸透と共に、近年は一般家庭においても、デジタルデータを写真画質で、紙等の各種メディアにインクジェット記録する機会が増している。このような記録物を長期保管した際に、空気中の酸化性ガスにより記録画像が変退色することも問題視されている。酸化性ガスは、記録紙上又は記録紙中で色素と反応することにより、記録画像を変退色させる。酸化性ガスの中でもオゾンガスは、記録画像の変退色現象を促進させる主原因物質とされている。また、この変退色現象はインクジェット記録画像に特徴的なものであるため、酸化性ガスに対する耐性(耐ガス性)、特に耐オゾンガス性の向上も課題の1つである。
インクジェット記録用水性インクに用いられるマゼンタ色素としては、キサンテン系色素と、アゾ系色素が代表的である。このうちキサンテン系色素は、色相及び鮮明性は非常に優れるが、耐光性が非常に劣る。また、アゾ系色素は、色相及び耐水性の点では良いものもあるが、耐光性、耐オゾンガス性、及び鮮明性が劣る。アゾ系色素の中には鮮明性、耐酸化性ガス性及び耐光性を改良したものも開発されている。しかし、銅フタロシアニン系色素に代表されるシアン色素や、イエロー色素等の、他の色相の色素に比べると、その性能は依然として劣る水準である。
鮮明性、耐酸化性ガス性及び耐光性に優れるマゼンタ色素としては、アントラピリドン系色素(例えば、特許文献1〜13参照)が挙げられる。しかし、色相、鮮明性、耐光性、耐水性、耐酸化性ガス性、及び該色素を含有するインク(組成物)の保存安定性の全てを満足させるものは依然として得られていない。
特許文献9、12及び13には、2分子のアントラピリドン化合物を架橋基により架橋した構造を有するマゼンタ色素、及び該色素を含有するインク組成物が開示されている。
特許文献14及び15には、特定のトリアジン化合物と、特定の銅フタロシアニン化合物を含有する、耐オゾン性に優れ、かつブロンズ化しにくいとされるシアン系記録液が開示されている。
特開平10−306221号公報(1−3頁、7−18頁) 特開2000−109464号公報(1−2頁、8−12頁) 特開2000−169776号公報(1−2頁、6−9頁) 特開2000−191660号公報(1−3頁、11−14頁) 特開2000−256587号公報(1−3頁、7−18頁) 特開2001−72884号公報(1−2頁、8−11頁) 特開2001−139836号公報(1−2頁、7−12頁) 国際公開2004/104108号パンフレット(20−36頁) 特開2003−192930号公報(1−4頁、15−18頁) 特開2005−8868号公報(1−3頁、15−22頁) 特開2005−314514号公報(1−3頁、15−20頁) 国際公開2006/075706号パンフレット 国際公開2008/066062号パンフレット 特開2005−179647号公報 特開2005−171240号公報
本発明は、インクジェット記録に適する色相を有し、且つ記録画像の耐オゾンガス性に優れる水性インク組成物、特に水性マゼンタインク組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、少なくとも1種類の下記式(101)で表される化合物又はその塩と、少なくとも1種類の下記式(106)で表されるアントラピリドン化合物又はその塩とを含有するインク組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は、
1)
少なくとも1種類の下記式(101)で表される化合物又はその塩、及び、少なくとも1種類の下記式(106)で表されるアントラピリドン化合物又はその塩を含有する水性インク組成物、
Figure 2011184575
[式(101)中、Zは、アニリノ基;置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ウレイド基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、スルホC1−C6アルコキシ基、カルボキシC1−C6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−C4アルコキシ基より成る群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたアニリノ基;ナフチルアミノ基;又は、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ウレイド基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、スルホC1−C6アルコキシ基、カルボキシC1−C6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−C4アルコキシ基より成る群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたナフチルアミノ基を表し、
Lは2〜6の整数を表し、pは1〜3の整数を表す。]、
Figure 2011184575
[式(106)中、
1060乃至R1064は、水素原子又は置換基を表すが、全てが水素原子となることは無く、且つ、少なくともいずれか1つはスルホ基、カルボキシ基、ホスホ基、及び4級アンモニウム基から選択される基であるか、又はこれらの基を有する置換基を表す。また、式(106)で表される化合物は、架橋基を介して2量体を形成してもよい。但し、R1063がアリールオキシ基である化合物を除く。]、
2)
式(106)で表されるアントラピリドン化合物又はその塩が、下記式(102)乃至(104)で表される化合物又はその塩である、前記1)に記載のインク組成物、
Figure 2011184575
[式(102)中、
1021は、スルホ基で置換されたベンゾイル基を表し、
1022は、C1−C4アルキル基;又は、置換基として、シアノ基、ヒドロキシ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたアルキル基;を表し、
1023乃至R1025は、それぞれ独立に、水素原子;C1−C12アルキルスルホニル基;カルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルアミノ基により置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;を表し、且つR1023乃至R1025の1つ又は2つはスルホ基を表す。]、
Figure 2011184575
[式(103)中、
1031は、水素原子、又はスルホ基で置換されたベンゾイル基を表し、
1032は、C1−C4アルキル基;又は、置換基として、シアノ基、ヒドロキシ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたアルキル基;を表し、
1035は、水素原子又はスルホ基を表し、
103はヒドロキシ基を表し、
103は、カルボキシ基で置換されたアニリノ基、又はスルホ基で置換されたアニリノ基を表す。]、
Figure 2011184575
[式(104)中、
1041は、スルホ基で置換されたベンゾイル基を表し、
1042は、C1−C4アルキル基;置換基として、シアノ基、ヒドロキシ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたアルキル基;を表し、
104は、下記式(2)乃至(8)で表される基を表し、
104は、アミノ基;又は、置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基;を表す。]、
Figure 2011184575
[式(2)中、nは2乃至8であり、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
Figure 2011184575
[式(3)中、R3は水素原子、又はメチル基を表し、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
Figure 2011184575
[式(4)中、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
Figure 2011184575
[式(5)中、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
Figure 2011184575
[式(6)中、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
Figure 2011184575
[式(7)中、mは2乃至4であり、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
Figure 2011184575
[式(8)中、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
3)
水溶性有機溶剤をさらに含有する前記1)又は2)に記載の水性インク組成物、
4)
インクジェット記録用である前記3)に記載の水性インク組成物、
5)
インク組成物中に含有する、前記1)乃至4)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩の総質量に対して、該化合物中に含まれる無機不純物の含有量が1質量%以下である、前記1)乃至4)のいずれか一項に記載の水性インク組成物、
6)
水性インク組成物の総質量に対して、アントラピリドン化合物又はその塩の含有量が、0.1〜20質量%である前記1)乃至5)のいずれか一項に記載の水性インク組成物、
7)
水性インク組成物の総質量に対して、式(101)で表される化合物の含有量が0.1〜10質量%である前記1)乃至6)のいずれか一項に記載の水性インク組成物、
8)
前記1)乃至7)のいずれか一項に記載の水性インク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法、
9)
被記録材が、情報伝達用シートである前記8)に記載のインクジェット記録方法、
10)
情報伝達用シートが、多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシートである前記9)に記載のインクジェット記録方法、
11)
前記1)乃至7)に記載のインク組成物により着色された着色体、
12)
前記8)に記載のインクジェット記録方法により着色された着色体、
13)
前記1)乃至7)のいずれか一項に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンタ、
に関する。
本発明により、インクジェット記録に適する色相を有し、且つ記録画像の耐オゾンガス性に優れるインク組成物、特にマゼンタインク組成物を提供することができた。
本発明を詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、少なくとも1種類の前記式(101)で表される化合物又はその塩、及び、少なくとも1種類の前記式(106)で表されるアントラピリドン化合物又はその塩を含有する、実質的に溶液の水性インク組成物であり、好ましくはマゼンタの色相を有する水性マゼンタインク組成物である。
特に断りの無い限り、本明細書においては煩雑さを避けるため、「化合物又はその塩」の両者を含めて、以下「化合物」と簡略して記載する。一例を挙げると、「アントラピリドン化合物」と記載した場合には、「アントラピリドン化合物又はその塩」の両者を意味する。
本発明の水性インク組成物中、アントラピリドン化合物はマゼンタの色相を有する色素、すなわちマゼンタ色素である。しかし、前記式(101)で表される化合物は色素として用いるのではないため、通常は無色である。該式(101)で表される化合物と、アントラピリドン化合物の両者を含有する本発明のインク組成物により記録された記録物は、アントラピリドン化合物のみを含有する従来のインク組成物により記録されたものと比較して、耐オゾンガス性に優れる。
従って、式(101)で表される化合物は、アントラピリドン化合物に対する耐オゾンガス性向上剤と位置づけることもできる。
式(101)中、Zにおける、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ウレイド基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、スルホC1−C6アルコキシ基、カルボキシC1−C6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−C4アルコキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたアニリノ基としては、通常1〜3つ、好ましくは1〜2つ、より好ましくは1つのこれらの基で置換されたアニリノ基が挙げられる。置換基の種類としては通常1〜3種類、好ましくは1〜2種類、より好ましくは1種類である。
これらの基の置換位置は、特に制限されない。
Zにおけるスルホ基で置換されたアニリノ基としては、通常1〜3つ、好ましくは1〜2つ、より好ましくは1つのスルホ基で置換されたアニリノ基が挙げられる。
具体例としては、2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ、4−スルホアニリノといった1つのスルホ基で置換されたもの;2,4−ジスルホアニリノ、2,5−ジスルホアニリノ等の、2つのスルホ基で置換されたもの;等が挙げられる。
Zにおけるカルボキシ基で置換されたアニリノ基としては、通常1〜3つ、好ましくは1〜2つのカルボキシ基で置換されたアニリノ基が挙げられる。
具体例としては、2−カルボキシアニリノ、3−カルボキシアニリノ、4−カルボキシアニリノといった1つのカルボキシ基で置換されたもの;2,4−ジカルボキシアニリノ、2,5−ジカルボキシアニリノ、3,4−ジカルボキシアニリノ、3,5−ジカルボキシアニリノ等の、2つのカルボキシ基で置換されたもの;等が挙げられる。
Zにおけるヒドロキシ基で置換されたアニリノ基の具体例としては、2−ヒドロキシアニリノ、3−ヒドロキシアニリノ、4−ヒドロキシアニリノといった1つのヒドロキシ基で置換されたものが挙げられる。
Zにおけるアミノ基で置換されたアニリノ基の具体例としては、2−アミノアニリノ、3−アミノアニリノ、4−アミノアニリノといった1つのアミノ基で置換されたものが挙げられる。
Zにおけるウレイド基で置換されたアニリノ基の具体例としては、2−ウレイドアニリノ、3−ウレイドアニリノ、4−ウレイドアニリノといった1つのウレイド基で置換されたものが挙げられる。
Zにおけるニトロ基で置換されたアニリノ基の具体例としては、2−ニトロアニリノ、3−ニトロアニリノ、4−ニトロアニリノといった1つのニトロ基で置換されたものが挙げられる。
Zにおけるハロゲン原子で置換されたアニリノ基中、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子より好ましく、塩素原子がさらに好ましい。
具体例としては、2−クロロアニリノ、3−クロロアニリノ、4−クロロアニリノ、2−フルオロアニリノ、3−フルオロアニリノ、4−フルオロアニリノ、2−ブロモアニリノ、3−ブロモアニリノ、4−ブロモアニリノ等の、1つのハロゲン原子で置換されたもの;2,4−ジクロロアニリノ、2,6−ジクロロアニリノ、3,5−ジクロロアニリノ等の、2つのハロゲン原子で置換されたもの;等が挙げられる。
ZにおけるC1−C6アルキル基で置換されたアニリノ基中、C1−C6アルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられ、直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、直鎖アルキル基がより好ましい。炭素数の範囲としては通常C1−C6、好ましくはC1−C4、より好ましくはC1−C3が挙げられる。該アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルといった直鎖のもの;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、イソヘキシル等の分岐鎖のもの;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルといった環状のもの;等が挙げられる。これらの中ではメチルが好ましい。
ZにおけるC1−C6アルキル基で置換されたアニリノ基の具体例としては、2−メチルアニリノ、3−メチルアニリノ、4−メチルアニリノ等の1つのアルキル基で置換されたもの等が挙げられる。
ZにおけるC1−C6アルコキシ基で置換されたアニリノ基中、C1−C6アルコキシ基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルコキシ基が挙げられ、直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が好ましく、直鎖アルコキシ基がより好ましい。炭素数の範囲としては通常C1−C6、好ましくはC1−C4、より好ましくはC1−C3が挙げられる。該アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキシロキシといった直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、イソアミロキシ、イソヘキシロキシといった分岐鎖のもの;シクロヘキシロキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシロキシといった環状のもの;等が挙げられる。これらの中ではメトキシ及びエトキシが好ましく、メトキシがより好ましい。
ZにおけるC1−C6アルコキシ基で置換されたアニリノ基の具体例としては、2−メトキシアニリノ、3−メトキシアニリノ、4−メトキシアニリノ等の1つのアルコキシ基で置換されたもの等が挙げられる。
ZにおけるスルホC1−C6アルコキシ基で置換されたアニリノ基としては、前記「ZにおけるC1−C6アルコキシ基で置換されたアニリノ基」におけるC1−C6アルコキシ部分の任意の炭素原子が、1つのスルホ基で置換されたものが挙げられる。
具体例としては、2−(2−スルホエトキシ)アニリノ、2−(3−スルホプロポキシ)アニリノ、2−(4−スルホブトキシ)アニリノ等の、スルホC1−C6アルコキシ基で置換されたもの等が挙げられる。
ZにおけるカルボキシC1−C6アルコキシ基で置換されたアニリノ基としては、前記「ZにおけるC1−C6アルコキシ基で置換されたアニリノ基」におけるC1−C6アルコキシ部分の任意の炭素原子が、1つのカルボキシ基で置換されたものが挙げられる。
具体例としては、2−(カルボキシメトキシ)アニリノ、2−(2−カルボキシエトキシ)アニリノ、2−(3−カルボキシプロポキシ)アニリノ、2−(4−カルボキシブトキシ)アニリノ等の、カルボキシC1−C6アルコキシ基で置換されたもの等が挙げられる。
ZにおけるヒドロキシC1−C6アルコキシ基で置換されたアニリノ基としては、前記「ZにおけるC1−C6アルコキシ基で置換されたアニリノ基」におけるC1−C6アルコキシ部分の任意の炭素原子が、1つのヒドロキシ基で置換されたものが挙げられる。
具体例としては、2−(2−ヒドロキシエトキシ)アニリノ、2−(3−ヒドロキシプロポキシ)アニリノ、2−(4−ヒドロキシブトキシ)アニリノ等の、ヒドロキシC1−C6アルコキシ基で置換されたもの等が挙げられる。
Zにおける2種類の基で置換されたアニリノ基としては、2−カルボキシ−4−スルホアニリノ、2−カルボキシ−5−スルホアニリノ、3−アミノ−4−スルホアニリノ、2−クロロ−5−スルホアニリノ、3,5−ジクロロ−4−スルホアニリノ、2−メチル−5−スルホアニリノ、3−メチル−6−スルホアニリノ、4−メトキシ−2−スルホアニリノ、4−エトキシ−2−スルホアニリノ、4−エトキシ−6−スルホアニリノ等の、1種類がスルホ基で、もう1種類がカルボキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、及びC1−C6アルコキシ基から選択される基であるもの;2−スルホプロポキシ−5−メチルアニリノ等の、1種類がスルホC1−C6アルコキシ基で、もう1種類がC1−C6アルキル基であるもの;等が挙げられる。
Zにおける3種類の基で置換されたアニリノ基としては、3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−5−スルホアニリノ、2−ヒドロキシ−5−ニトロ−3−スルホアニリノ、2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホアニリノ、3−メチル−6−メトキシ−4−スルホアニリノ等の、1種類がスルホ基で、残りの2種類がカルボキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、及びC1−C6アルコキシ基から選択される基であるもの;等が挙げられる。
式(101)中、Zにおける、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ウレイド基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、スルホC1−C6アルコキシ基、カルボキシC1−C6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−C4アルコキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたナフチルアミノ基としては、通常1〜3つ、好ましくは2〜3つのこれらの基で置換されたナフチルアミノ基が挙げられる。置換基の種類としては通常1〜3種類、好ましくは1〜2種類である。
これらの基の置換位置は、特に制限されない。
また、ナフチルアミノ基における「アミノ基」の置換位置は、前記の置換基で置換されるか否かにかかわらず、ナフタレン環の1位又は2位、すなわち、ナフタレン−1−イルアミノ基又はナフタレン−2−イルアミノ基であるのが好ましい。
Zにおけるスルホ基で置換されたナフチルアミノ基としては、通常1〜3つ、好ましくは2〜3つのスルホ基で置換されたナフチルアミノ基が挙げられる。
具体例としては、3−スルホナフタレン−1−イルアミノ、6−スルホナフタレン−1−イルアミノ、8−スルホナフタレン−1−イルアミノ、1−スルホ−2−ナフチルアミノ、3−スルホナフタレン−2−イルアミノ、4−スルホ−2−ナフチルアミノ、5−スルホナフタレン−2−イルアミノ、6−スルホナフタレン−2−イルアミノ、7−スルホナフタレン−2−イルアミノ、8−スルホナフタレン−2−イルアミノ等の、1つのスルホ基で置換されたもの;3,6−ジスルホナフタレン−1−イルアミノ、1,5−ジスルホナフタレン−2−イルアミノ、3,8−ジスルホナフタレン−1−イルアミノ、4,8−ジスルホナフタレン−2−イルアミノ、5,7−ジスルホナフタレン−2−イルアミノ、6,8−ジスルホナフタレン−2−イルアミノ等の、2つのスルホ基で置換されたもの;3,6,8−トリスルホナフタレン−1−イルアミノ、3,6,8−トリスルホナフタレン−2−イルアミノ等の、3つのスルホ基で置換されたもの;等が挙げられる。
Zにおけるカルボキシ基で置換されたナフチルアミノ基としては、3−カルボキシ−1−ナフチルアミノ、6−カルボキシ−2−ナフチルアミノ等が挙げられる。
Zにおけるヒドロキシ基で置換されたナフチルアミノ基としては、5−ヒドロキシ−7−スルホ−2−ナフチルアミノ、3,6−ジスルホ−8−ヒドロキシ−1−ナフチルアミノ等が挙げられる。
Zにおけるアミノ基で置換されたナフチルアミノ基としては、1−アミノ−5−ナフチルアミノ、1−アミノ−8−ナフチルアミノ等が挙げられる。
Zにおけるウレイド基で置換されたナフチルアミノ基としては、1−ウレイド−5−ナフチルアミノ等が挙げられる。
Zにおけるニトロ基で置換されたナフチルアミノ基としては、1−ニトロ−5−ナフチルアミノ、1−ニトロ−8−ナフチルアミノ等が挙げられる。
Zにおけるハロゲン原子で置換されたナフチルアミノ基としては、5−クロロ−1−ナフチルアミノ等が挙げられる。
ZにおけるC1−C6アルキル基で置換されたナフチルアミノ基としては、5−メチル−1−ナフチルアミノ、6−エチル−2−ナフチルアミノ等が挙げられる。
ZにおけるC1−C6アルコキシ基で置換されたナフチルアミノ基としては、5−メトキシ−2−ナフチルアミノ、5−エトキシ−2−ナフチルアミノ等が挙げられる。
ZにおけるスルホC1−C6アルコキシ基で置換されたナフチルアミノ基としては、5−(3−スルホプロポキシ)−2−ナフチルアミノ、8−(4−スルホブトキシ)−1−ナフチルアミノ等が挙げられる。
ZにおけるカルボキシC1−C6アルコキシ基で置換されたナフチルアミノ基としては、5−(3−カルボキシプロポキシ)−2−ナフチルアミノ、8−(2−カルボキシプロポキシ)−1−ナフチルアミノ等が挙げられる。
ZにおけるヒドロキシC1−C6アルコキシ基で置換されたナフチルアミノ基としては、5−(3−ヒドロキシプロポキシ)−2−ナフチルアミノ、8−(4−ヒドロキシブトキシ)−1−ナフチルアミノ等が挙げられる。
Zにおける2種類の基で置換されたナフチルアミノ基としては、5−ヒドロキシ−7−スルホ−ナフタレン−2−イルアミノ、3,6−ジスルホ−8−ヒドロキシナフタレン−1−イルアミノ、8−クロロ−3,6−ジスルホナフタレン−1−イルアミノ、6−ニトロ−4,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ等の、1種類がスルホ基で、もう1種類がヒドロキシ基、ニトロ基、及びハロゲン原子から選択される基であるもの等が挙げられる。
前記のうち、Zとしては、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、及びC1−C6アルコキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたアニリノ基;又は、置換基として、
スルホ基、ヒドロキシ基、及びニトロ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたナフチルアミノ基;が好ましい。
より好ましいZとしては、置換基として、スルホ基及びヒドロキシ基から選択される少なくとも1種類の基で置換されたアニリノ基;又は、置換基として、スルホ基及びヒドロキシ基から選択される少なくとも1種類の基で置換されたナフチルアミノ基;が挙げられる。
さらに好ましいZとしては、1又は2つのスルホ基で置換されたアニリノ基;2つのスルホ基で置換されたナフチルアミノ基;又は、2つのスルホ基、及び1つのヒドロキシ基で置換されたナフチルアミノ基;が挙げられる。
特に好ましくは、1つのスルホ基で置換されたアニリノ基が挙げられる。
上記の具体例の中では、2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ、4−スルホアニリノ及び2,5−ジスルホアニリノ、3,8−ジスルホナフタレン−1−イルアミノ、4,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、6,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、及び3,6−ジスルホ−8−ヒドロキシナフタレン−1−イルアミノが好ましく;2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ、4−スルホアニリノ、2,5−ジスルホアニリノ、及び3,6−ジスルホ−8−ヒドロキシナフタレン−1−イルアミノがより好ましく;4−スルホアニリノ、2,5−ジスルホアニリノがさらに好ましく;4−スルホアニリノが特に好ましい。
式(101)で表される化合物中、Lは通常2−6、好ましくは2−4、より好ましくは2−3、さらに好ましくは2である。数字はいずれも整数である。
式(101)中、pは通常1−3、好ましくは1−2、さらに好ましくは1である。数字はいずれも整数である。
式(101)中、置換位置の特定されていないスルホ基の置換位置は特に制限されないが、「−HN−(CH2)p−」の置換位置を1位として、通常2位又は4位、好ましくは4位に置換するのがよい。
前記式(101)における、Z、L、p及び置換位置の特定されていないスルホ基の置換位置について、好ましいもの同士を組み合わせた化合物はより好ましく、より好ましいもの同士を組み合わせた化合物はさらに好ましい。さらに好ましいもの同士、好ましいものとより好ましいものとを組み合わせた化合物等についても同様である。
式(101)で表される本発明のトリアジン化合物の好ましい具体例を、下記表1に示す。
Figure 2011184575
前記式(101)で表される化合物は、公知の方法で製造することができる。
例えば、Zに対応するアニリン化合物又はナフチルアミン化合物0.9〜1.2モルと、2,4,6−トリクロロ−S−トリアジン(シアヌルクロライド)1モルを、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物により、反応液のpHをおおよそ1〜5に調整しながら、温度0〜40℃で、2〜12時間反応させて、1次縮合物を得る。次いで、下記式(105)で表されるアミン0.9〜1.5モルを加え、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物により、反応液をおおよそpH5〜10に調整し、5〜80℃、0.5〜12時間反応させることにより2次縮合物を得る。得られた2次縮合物1モルと、「H2N−(CH2L−NH2」で表されるアミン化合物1〜50モルとを、おおよそpH9〜12、温度5〜90℃で、0.5〜8時間反応させることにより、前記式(101)で表される化合物が得られる。
各縮合反応のpH調整には、通常水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;等が用いられる。なお、縮合の順序はシアヌルクロライドと縮合する各種化合物の反応性に応じて適宜決めるのが良く、前記の順序に限定されない。
Figure 2011184575
本発明の水性インク組成物に含有するアントラピリドン化合物は、下記式(106)で表される水溶性の化合物である。
なお、本明細書において「水溶性の化合物」とは、25℃において、pH6〜9の水1リットルに対して、通常25g以上、好ましくは50g以上、より好ましくは100g以上溶解する化合物を意味する。
Figure 2011184575
前記式(106)中、
1060乃至R1064は、水素原子又は置換基を表すが、全てが水素原子となることは無く、且つ、少なくともいずれか1つは、水溶性を付与するため、スルホ基、カルボキシ基、ホスホ基(本明細書においては、「−PO(OH)2」で表される基を意味する。)、及び4級アンモニウム基から選択される基であるか、又はこれらの基を有する置換基を表す。また、式(106)で表される化合物は、架橋基を介して2量体を形成してもよい。但し、R1063がアリールオキシ基である化合物を除く。
1060乃至R1064における置換基としては、
直鎖、分岐鎖又は環状のC1−C10アルキル基(具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルといった直鎖のもの;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、イソヘキシル、t−ヘキシル、イソヘプチル、t−ヘプチル、イソオクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、イソノニル、イソデシル等の分岐鎖のもの;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
C6−C12のアリール基(具体例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル等が挙げられる。);
環構成因子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択される1乃至3つの原子を含む、5又は6員環の複素環基(具体例としては、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチオフェン−2−イル、テトラヒドロチオフェン−3−イル等の5員脂環式のもの;ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキサン−2−イル、モルホリニル、チオモルホリニル等の6員脂環式のもの;ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、フリル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、オキサゾール、チアゾール等の5員芳香環式のもの;ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン等の6員芳香環式のもの;等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のC1−C10アルコキシ基(具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキシロキシ、n−ヘプトキシ、n−オクチロキシ、n−ノニロキシ、n−デシロキシといった直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、イソアミロキシ、t−アミロキシ、イソヘキシロキシ、t−ヘキシロキシ、イソヘプトキシ、t−ヘプトキシ、イソオクチロキシ、t−オクチロキシ、2−エチルヘキシロキシ、イソノニロキシ、イソデシロキシ等の分岐鎖のもの;シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシロキシ、シクロヘプトキシ等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のものが挙げられる。);
C6−C10アリールオキシ基(具体例としては、フェノキシ、ナフチロキシ、ビフェニロキシ等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のC1−C10アルキルカルボニルアミノ基(具体例としては、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノ、n−ペンチルカルボニルアミノ、n−ヘキシルカルボニルアミノ、n−ヘプチルカルボニルアミノ、n−オクチルカルボニルアミノ、n−ノニルカルボニルアミノ、n−デシルカルボニルアミノといった直鎖のもの;イソプロピルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec−ブチルカルボニルアミノ、t−ブチルカルボニルアミノ、イソアミルカルボニルアミノ、t−アミルカルボニルアミノ、イソヘキシルカルボニルアミノ、t−ヘキシルカルボニルアミノ、イソヘプチルカルボニルアミノ、t−ヘプチルカルボニルアミノ、イソオクチルカルボニルアミノ、t−オクチルカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ、イソノニルカルボニルアミノ、イソデシルカルボニルアミノ等の分岐鎖のもの;シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘプチルカルボニルアミノ等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
C6−C10アリールカルボニルアミノ基(具体例としては、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ、ビフェニルカルボニルアミノ等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のC1−C10アルキルカルボニルオキシ基(具体例としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、n−ヘプチルカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ、n−ノニルカルボニルオキシ、n−デシルカルボニルオキシといった直鎖のもの;イソプロピルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、イソアミルカルボニルオキシ、t−アミルカルボニルオキシ、イソヘキシルカルボニルオキシ、t−ヘキシルカルボニルオキシ、イソヘプチルカルボニルオキシ、t−ヘプチルカルボニルオキシ、イソオクチルカルボニルオキシ、t−オクチルカルボニルオキシ、2−エチルヘキシルカルボニルオキシ、イソノニルカルボニルオキシ、イソデシルカルボニルオキシ等の分岐鎖のもの;シクロプロピルカルボニルオキシ、シクロブチルカルボニルオキシ、シクロペンチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、シクロヘプチルカルボニルオキシ等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
C6−C10アリールカルボニルオキシ基(具体例としては、フェニルカルボニルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ、ビフェニルカルボニルオキシ等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のC1−C10アルキルカルボニル基(具体例としては、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル、n−ヘプチルカルボニル、n−オクチルカルボニル、n−ノニルカルボニル、n−デシルカルボニルといった直鎖のもの;イソプロピルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、t−ブチルカルボニル、イソアミルカルボニル、t−アミルカルボニル、イソヘキシルカルボニル、t−ヘキシルカルボニル、イソヘプチルカルボニル、t−ヘプチルカルボニル、イソオクチルカルボニル、t−オクチルカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル、イソノニルカルボニル、イソデシルカルボニル等の分岐鎖のもの;シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニル等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
C6−C10アリールカルボニル基(具体例としては、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、ナフチルカルボニル、ビフェニルカルボニル等が挙げられる。);
カルバモイル基;
直鎖、分岐鎖又は環状のモノC1−C10アルキルカルバモイル基(具体例としては、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−プロピルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、n−ペンチルカルバモイル、n−ヘキシルカルバモイル、n−ヘプチルカルバモイル、n−オクチルカルバモイル、n−ノニルカルバモイル、n−デシルカルバモイルといった直鎖のもの;イソプロピルカルバモイル、イソブチルカルバモイル、sec−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、イソアミルカルバモイル、t−アミルカルバモイル、イソヘキシルカルバモイル、t−ヘキシルカルバモイル、イソヘプチルカルバモイル、t−ヘプチルカルバモイル、イソオクチルカルバモイル、t−オクチルカルバモイル、2−エチルヘキシルカルバモイル、イソノニルカルバモイル、イソデシルカルバモイル等の分岐鎖のもの;シクロプロピルカルバモイル、シクロブチルカルバモイル、シクロペンチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、シクロヘプチルカルバモイル等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のジC1−C10アルキルカルバモイル基(具体例としては、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジ−n−プロピルカルバモイル、ジ−n−ブチルカルバモイル、ジ−n−ペンチルカルバモイル、ジ−n−ヘキシルカルバモイル、ジ−n−ヘプチルカルバモイル、ジ−n−オクチルカルバモイル、ジ−n−ノニルカルバモイル、ジ−n−デシルカルバモイルといった直鎖のもの;ジイソプロピルカルバモイル、ジイソブチルカルバモイル、ジ−sec−ブチルカルバモイル、ジ−t−ブチルカルバモイル、ジイソアミルカルバモイル、ジ−t−アミルカルバモイル、ジイソヘキシルカルバモイル、ジ−t−ヘキシルカルバモイル、ジイソヘプチルカルバモイル、ジ−t−ヘプチルカルバモイル、ジイソオクチルカルバモイル、ジ−t−オクチルカルバモイル、ジ−(2−エチルヘキシル)カルバモイル、ジイソノニルカルバモイル、ジイソデシルカルバモイル等の分岐鎖のもの;ジシクロプロピルカルバモイル、ジシクロブチルカルバモイル、ジシクロペンチルカルバモイル、ジシクロヘキシルカルバモイル、ジシクロヘプチルカルバモイル等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
モノC6−C10アリールカルバモイル基(具体例としては、フェニルカルバモイル、ナフチルカルバモイル、ビフェニルカルバモイル等が挙げられる。);
ジC6−C10アリールカルバモイル基(具体例としては、ジフェニルカルバモイル、ジナフチルカルバモイル、ジ(ビフェニル)カルバモイル等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のC1−C10アルコキシカルボニル基(具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニル、n−ヘキシロキシカルボニル、n−ヘプトキシカルボニル、n−オクチロキシカルボニル、n−ノニロキシカルボニル、n−デシロキシカルボニルといった直鎖のもの;イソプロポキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソアミロキシカルボニル、t−アミロキシカルボニル、イソヘキシロキシカルボニル、t−ヘキシロキシカルボニル、イソヘプトキシカルボニル、t−ヘプトキシカルボニル、イソオクチロキシカルボニル、t−オクチロキシカルボニル、2−エチルヘキシロキシカルボニル、イソノニロキシカルボニル、イソデシロキシカルボニル等の分岐鎖のもの;シクロプロポキシカルボニル、シクロブトキシカルボニル、シクロペントキシカルボニル、シクロヘキシロキシカルボニル、シクロヘプトキシカルボニル等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
C6−C10アリールオキシカルボニル基(具体例としては、フェノキシカルボニル、ナフチロキシカルボニル、ビフェニロキシカルボニル等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のC1−C10アルキルスルホニルアミノ基(具体例としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、n−プロピルスルホニルアミノ、n−ブチルスルホニルアミノ、n−ペンチルスルホニルアミノ、n−ヘキシルスルホニルアミノ、n−ヘプチルスルホニルアミノ、n−オクチルスルホニルアミノ、n−ノニルスルホニルアミノ、n−デシルスルホニルアミノといった直鎖のもの;イソプロピルスルホニルアミノ、イソブチルスルホニルアミノ、sec−ブチルスルホニルアミノ、t−ブチルスルホニルアミノ、イソアミルスルホニルアミノ、t−アミルスルホニルアミノ、イソヘキシルスルホニルアミノ、t−ヘキシルスルホニルアミノ、イソヘプチルスルホニルアミノ、t−ヘプチルスルホニルアミノ、イソオクチルスルホニルアミノ、t−オクチルスルホニルアミノ、2−エチルヘキシルスルホニルアミノ、イソノニルスルホニルアミノ、イソデシルスルホニルアミノ等の分岐鎖のもの;シクロプロピルスルホニルアミノ、シクロブチルスルホニルアミノ、シクロペンチルスルホニルアミノ、シクロヘキシルスルホニルアミノ、シクロヘプチルスルホニルアミノ等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
C6−C10アリールスルホニルアミノ基(具体例としては、フェニルスルホニルアミノ、ナフチルスルホニルアミノ、ビフェニルスルホニルアミノ等が挙げられる。);
スルファモイル基;
直鎖、分岐鎖又は環状のモノC1−C10アルキルスルファモイル基(具体例としては、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、n−プロピルスルファモイル、n−ブチルスルファモイル、n−ペンチルスルファモイル、n−ヘキシルスルファモイル、n−ヘプチルスルファモイル、n−オクチルスルファモイル、n−ノニルスルファモイル、n−デシルスルファモイルといった直鎖のもの;イソプロピルスルファモイル、イソブチルスルファモイル、sec−ブチルスルファモイル、t−ブチルスルファモイル、イソアミルスルファモイル、t−アミルスルファモイル、イソヘキシルスルファモイル、t−ヘキシルスルファモイル、イソヘプチルスルファモイル、t−ヘプチルスルファモイル、イソオクチルスルファモイル、t−オクチルスルファモイル、2−エチルヘキシルスルファモイル、イソノニルスルファモイル、イソデシルスルファモイル等の分岐鎖のもの;シクロプロピルスルファモイル、シクロブチルスルファモイル、シクロペンチルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル、シクロヘプチルスルファモイル等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のジC1−C10アルキルスルファモイル基(具体例としては、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジ−n−プロピルスルファモイル、ジ−n−ブチルスルファモイル、ジ−n−ペンチルスルファモイル、ジ−n−ヘキシルスルファモイル、ジ−n−ヘプチルスルファモイル、ジ−n−オクチルスルファモイル、ジ−n−ノニルスルファモイル、ジ−n−デシルスルファモイルといった直鎖のもの;ジイソプロピルスルファモイル、ジイソブチルスルファモイル、ジ−sec−ブチルスルファモイル、ジ−t−ブチルスルファモイル、ジイソアミルスルファモイル、ジ−t−アミルスルファモイル、ジイソヘキシルスルファモイル、ジ−t−ヘキシルスルファモイル、ジイソヘプチルスルファモイル、ジ−t−ヘプチルスルファモイル、ジイソオクチルスルファモイル、ジ−t−オクチルスルファモイル、ジ−(2−エチルヘキシル)スルファモイル、ジイソノニルスルファモイル、ジイソデシルスルファモイル等の分岐鎖のもの;ジシクロプロピルスルファモイル、ジシクロブチルスルファモイル、ジシクロペンチルスルファモイル、ジシクロヘキシルスルファモイル、ジシクロヘプチルスルファモイル等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
モノC6−C10アリールスルファモイル基(具体例としては、フェニルスルファモイル、ナフチルスルファモイル、ビフェニルスルファモイル等が挙げられる。);
ジC6−C10アリールスルファモイル基(具体例としては、ジフェニルスルファモイル、ジナフチルスルファモイル、ジ(ビフェニル)スルファモイル等が挙げられる。);
ヒドロキシ基;
直鎖、分岐鎖又は環状のC1−C12アルキルスルホニル基(具体例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル、n−ヘキシルスルホニル、n−ヘプチルスルホニル、n−オクチルスルホニル、n−ノニルスルホニル、n−デシルスルホニル、n−ウンデシルスルホニル、n−ドデシルスルホニルといった直鎖のもの;イソプロピルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、t−ブチルスルホニル、イソアミルスルホニル、t−アミルスルホニル、イソヘキシルスルホニル、t−ヘキシルスルホニル、イソヘプチルスルホニル、t−ヘプチルスルホニル、イソオクチルスルホニル、t−オクチルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、イソノニルスルホニル、イソデシルスルホニル、イソウンデシルスルホニル、t−ウンデシルスルホニル、イソドデシルスルホニル、t−ドデシルスルホニル等の分岐鎖のもの;シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、シクロヘプチルスルホニル等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
C6−C10アリールスルホニル基(具体例としては、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、ビフェニルスルホニル等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のC1−C10アルキルチオ基(具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、n−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、n−ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、n−ノニルチオ、n−デシルチオといった直鎖のもの;イソプロピルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、t−ブチルチオ、イソアミルチオ、t−アミルチオ、イソヘキシルチオ、t−ヘキシルチオ、イソヘプチルチオ、t−ヘプチルチオ、イソオクチルチオ、t−オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ、イソノニルチオ、イソデシルチオ等の分岐鎖のもの;シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、シクロヘプチルチオ等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
C6−C10のアリールチオ基(具体例としては、フェニルチオ、ナフチルチオ、ビフェニルチオ等が挙げられる。);
ウレイド基;
直鎖、分岐鎖又は環状のモノC1−C10アルキルウレイド基(具体例としては、メチルウレイド、エチルウレイド、n−プロピルウレイド、n−ブチルウレイド、n−ペンチルウレイド、n−ヘキシルウレイド、n−ヘプチルウレイド、n−オクチルウレイド、n−ノニルウレイド、n−デシルウレイドといった直鎖のもの;イソプロピルウレイド、イソブチルウレイド、sec−ブチルウレイド、t−ブチルウレイド、イソアミルウレイド、t−アミルウレイド、イソヘキシルウレイド、t−ヘキシルウレイド、イソヘプチルウレイド、t−ヘプチルウレイド、イソオクチルウレイド、t−オクチルウレイド、2−エチルヘキシルウレイド、イソノニルウレイド、イソデシルウレイド等の分岐鎖のもの;シクロプロピルウレイド、シクロブチルウレイド、シクロペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、シクロヘプチルウレイド等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のジC1−C10アルキルウレイド基(具体例としては、ジメチルウレイド、ジエチルウレイド、ジ−n−プロピルウレイド、ジ−n−ブチルウレイド、ジ−n−ペンチルウレイド、ジ−n−ヘキシルウレイド、ジ−n−ヘプチルウレイド、ジ−n−オクチルウレイド、ジ−n−ノニルウレイド、ジ−n−デシルウレイドといった直鎖のもの;ジイソプロピルウレイド、ジイソブチルウレイド、ジ−sec−ブチルウレイド、ジ−t−ブチルウレイド、ジイソアミルウレイド、ジ−t−アミルウレイド、ジイソヘキシルウレイド、ジ−t−ヘキシルウレイド、ジイソヘプチルウレイド、ジ−t−ヘプチルウレイド、ジイソオクチルウレイド、ジ−t−オクチルウレイド、ジ−(2−エチルヘキシル)ウレイド、ジイソノニルウレイド、ジイソデシルウレイド等の分岐鎖のもの;ジシクロプロピルウレイド、ジシクロブチルウレイド、ジシクロペンチルウレイド、ジシクロヘキシルウレイド、ジシクロヘプチルウレイド等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
モノC6−C10アリールウレイド基(具体例としては、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、ビフェニルウレイド等が挙げられる。);
ジC6−C10アリールウレイド基(具体例としては、ジフェニルウレイド、ジナフチルウレイド、ジ(ビフェニル)ウレイド等が挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のC1−C10アルコキシカルボニルアミノ基(具体例としては、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、n−ペントキシカルボニルアミノ、n−ヘキシロキシカルボニルアミノ、n−ヘプトキシカルボニルアミノ、n−オクチロキシカルボニルアミノ、n−ノニロキシカルボニルアミノ、n−デシロキシカルボニルアミノといった直鎖のもの;イソプロポキシカルボニルアミノ、イソブトキシカルボニルアミノ、sec−ブトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、イソアミロキシカルボニルアミノ、t−アミロキシカルボニルアミノ、イソヘキシロキシカルボニルアミノ、t−ヘキシロキシカルボニルアミノ、イソヘプトキシカルボニルアミノ、t−ヘプトキシカルボニルアミノ、イソオクチロキシカルボニルアミノ、t−オクチロキシカルボニルアミノ、2−エチルヘキシロキシカルボニルアミノ、イソノニロキシカルボニルアミノ、イソデシロキシカルボニルアミノ等の分岐鎖のもの;シクロプロポキシカルボニルアミノ、シクロブトキシカルボニルアミノ、シクロペントキシカルボニルアミノ、シクロヘキシロキシカルボニルアミノ、シクロヘプトキシカルボニルアミノ等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
C6−C10アリールオキシカルボニルアミノ基(具体例としては、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ、ビフェニルカルボニルアミノ等が挙げられる。);
シアノ基;
スルホ基;
カルボキシ基;
ホスホ基;
4級アンモニウム基;
ニトロ基;
アミノ基;
直鎖、分岐鎖又は環状のモノC1−C10アルキルアミノ基(具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、n−ヘプチルアミノ、n−オクチルアミノ、n−ノニルアミノ、n−デシルアミノといった直鎖のもの;イソプロピルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、t−ブチルアミノ、イソアミルアミノ、t−アミルアミノ、イソヘキシルアミノ、t−ヘキシルアミノ、イソヘプチルアミノ、t−ヘプチルアミノ、イソオクチルアミノ、t−オクチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、イソノニルアミノ、イソデシルアミノ等の分岐鎖のもの;シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロヘプチルアミノ等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
直鎖、分岐鎖又は環状のジC1−C10アルキルアミノ基(具体例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ、ジ−n−ペンチルアミノ、ジ−n−ヘキシルアミノ、ジ−n−ヘプチルアミノ、ジ−n−オクチルアミノ、ジ−n−ノニルアミノ、ジ−n−デシルアミノといった直鎖のもの;ジイソプロピルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジ−sec−ブチルアミノ、ジ−t−ブチルアミノ、ジイソアミルアミノ、ジ−t−アミルアミノ、ジイソヘキシルアミノ、ジ−t−ヘキシルアミノ、ジイソヘプチルアミノ、ジ−t−ヘプチルアミノ、ジイソオクチルアミノ、ジ−t−オクチルアミノ、ジ−(2−エチルヘキシル)アミノ、ジイソノニルアミノ、ジイソデシルアミノ等の分岐鎖のもの;ジシクロプロピルアミノ、ジシクロブチルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、ジシクロヘプチルアミノ等の環状のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。);
モノC6−C10アリールアミノ基(具体例としては、フェニルアミノ(アニリノ)、ナフチルアミノ、ビフェニルアミノ等が挙げられる。);
ジC6−C10アリールアミノ基(具体例としては、ジフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジ(ビフェニル)アミノ等が挙げられる。);
メルカプト基(本明細書においては、「−SH」で表される基を意味する。);
ハロゲン原子(具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子;好ましくはフッ素原子、塩素原子;より好ましくは塩素原子が挙げられる。);等が挙げられる。
1060乃至R1064における前記の置換基は、これらの置換基から選択される基を1乃至2つ、好ましくは1つさらに有してもよい。
前記のうち、
1060としては、置換基を有してもよいモノC6−C10アリールアミノ基が好ましい。
1061としては、置換基を有してもよいC6−C10アリールカルボニル基が好ましい。
1062としては、直鎖、分岐鎖又は環状の、置換基を有してもよいC1−C10アルキル基が好ましく、直鎖又は環状のものがより好ましく、直鎖のものがさらに好ましい。
1063及びR1064としては、いずれも水素原子が好ましい。
前記式(106)で表される化合物が、架橋基を介して2量体を形成するとき、架橋基としては特に制限されないが、下記式(108)で表される架橋基が好ましい。
Figure 2011184575
前記式(108)中、
104は、N,N’−ヒドラジンジイル、又は下記式(2)乃至(8)で表される基を表し、
108は、ヒドロキシ基;アミノ基;C1−C4アルコキシ基;モノC1−C4アルキルアミノ基;ジC1−C4アルキルアミノ基;置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、及びジC1−C4アルキルアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたモノC1−C4アルキルアミノ基;置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、及びスルホ基よりなる群から選択される基で置換されたジC1−C4アルキルアミノ基;モルホリノ基;置換基として、カルボキシ基、スルホ基、C1−C8アルキル基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基;置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、C1−C8アルキル基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基;を表し、
APは前記式(106)で表される化合物を表す。
Figure 2011184575
[式(2)中、nは2乃至8であり、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
Figure 2011184575
[式(3)中、R3は水素原子、又はメチル基を表し、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
Figure 2011184575
[式(4)中、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
Figure 2011184575
[式(5)中、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
Figure 2011184575
[式(6)中、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
Figure 2011184575
[式(7)中、mは2乃至4であり、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
Figure 2011184575
[式(8)中、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]。
前記式(2)乃至(8)中に記載した「*」は、2つの異なるトリアジン環と結合する部位をそれぞれ表し、その結合様式は直接結合である。すなわち式(2)乃至(8)中に記載した「*」を付した結合手は、各窒素原子の結合手を意味し、各窒素原子と2つの異なるトリアジン環は直接結合している。
104が式(2)で表される基のとき、nは通常2乃至8、好ましくは2乃至6、より好ましくは2乃至4の整数であり、特に好ましくは2である。
104が式(3)で表される基のとき、R3は水素原子又はメチル基を表し、水素原子が好ましい。
104が式(7)で表される基のとき、mは2乃至4の整数が好ましく、より好ましくは3である。
前記のうちX104として好ましいものは、N,N’−ヒドラジンジイル;nが2乃至6である式(2);式(3);式(4);式(5);式(6);mが3である式(7);及び式(8);である。
より好ましくは、nが2乃至4である式(2)、又はR3が水素原子である式(3)であり;さらに好ましくはnが2乃至4である式(2)、又はR3が水素原子である式(3)であり;最も好ましくはnが2である式(2)、又はR3が水素原子である式(3)である。
前記式(108)中、Y108におけるC1−C4アルコキシ基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のものが挙げられ、直鎖又は分岐鎖のものが好ましく、直鎖のものがより好ましい。具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシといった直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシといった分岐鎖のもの;シクロプロポキシ、シクロブトキシといった環状のもの;が挙げられる。
108におけるモノC1−C4アルキルアミノ基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のものが挙げられ、直鎖又は分岐鎖のものが好ましく、直鎖のものがより好ましい。具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、n−ブチルアミノといった直鎖のもの;イソプロピルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、t−ブチルアミノといった分岐鎖のもの;シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノといった環状のもの;が挙げられる。
108におけるジC1−C4アルキルアミノ基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のものが挙げられ、直鎖又は分岐鎖のものが好ましく、直鎖のものがより好ましい。具体例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノといった直鎖のもの;ジイソプロピルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジ−sec−ブチルアミノ等の分岐鎖のもの;ジシクロプロピルアミノ、ジシクロブチルアミノ等の環状のもの;等が挙げられる。
108における、置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、及びジC1−C4アルキルアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたモノC1−C4アルキルアミノ基としては、2−ヒドロキシエチルアミノ、3−ヒドロキシプロピルアミノ、4−ヒドロキシブチルアミノ等のヒドロキシ基で置換されたもの;2−カルボキシエチルアミノ、3−カルボキシプロピルアミノ、4−カルボキシブチルアミノ等のカルボキシ基で置換されたもの;2−スルホエチルアミノ、3−スルホプロピルアミノ、4−スルホブチルアミノ等のスルホ基で置換されたもの;2−ジメチルアミノエチルアミノ、3−ジメチルアミノプロピルアミノ、4−ジメチルアミノブチルアミノ等のジC1−C4アルキルアミノ基で置換されたもの;等が挙げられる。
108における、置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、及びスルホ基よりなる群から選択される基で置換されたジC1−C4アルキルアミノ基としては、2,2’−ジヒドロキシジエチルアミノ、3,3’−ジヒドロキシジプロピルアミノ、4,4’−ジヒドロキシジブチルアミノ等のヒドロキシ基で置換されたもの;2,2’−ジカルボキシジエチルアミノ、3,3’−ジカルボキシジプロピルアミノ、4,4’−ジカルボキシジブチルアミノ等のカルボキシ基で置換されたもの;2,2’−ジスルホジエチルアミノ、3,3’−ジスルホジプロピルアミノ、4,4’−ジスルホジブチルアミノ等のスルホ基で置換されたもの;等が挙げられる。
108における、置換基として、カルボキシ基、スルホ基、C1−C8アルキル基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基としては、2−カルボキシアニリノ、3−カルボキシアニリノ、4−カルボキシアニリノ、2,4−ジカルボキシアニリノ、2,5−ジカルボキシアニリノ、3,4−ジカルボキシアニリノ、3,5−ジカルボキシアニリノ等の、1つ又は2つのカルボキシ基で置換されたもの;2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ、4−スルホアニリノ、2,4−ジスルホアニリノ、2,5−ジスルホアニリノ、3,4−ジスルホアニリノ、3,5−ジスルホアニリノ等の、1つ又は2つのスルホ基で置換されたもの;2−メチルアニリノ、3−メチルアニリノ、4−メチルアニリノ、2,4−ジメチルアニリノ、2,5−ジメチルアニリノ、3,4−ジメチルアニリノ、3,5−ジメチルアニリノ等の、1つ又は2つのC1−C8アルキル基で置換されたもの;等が挙げられる。
108における、置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、C1−C8アルキル基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基としては、2−ヒドロキシフェノキシ、3−ヒドロキシフェノキシ、4−ヒドロキシフェノキシ等のヒドロキシ基で置換されたもの;2−カルボキシフェノキシ、3−カルボキシフェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、2,4−ジカルボキシフェノキシ、2,5−ジカルボキシフェノキシ、3,4−ジカルボキシフェノキシ、3,5−ジカルボキシフェノキシ等の、1つ又は2つのカルボキシ基で置換されたもの;2−スルホフェノキシ、3−スルホフェノキシ、4−スルホフェノキシ、2,4−ジスルホフェノキシ、2,5−ジスルホフェノキシ、3,4−ジスルホフェノキシ、3,5−ジスルホフェノキシ等の、1つ又は2つのスルホ基で置換されたもの;2−メチルフェノキシ、3−メチルフェノキシ、4−メチルフェノキシ、2,4−ジメチルフェノキシ、2,5−ジメチルフェノキシ、3,4−ジメチルフェノキシ、3,5−ジメチルフェノキシ等の、1つ又は2つのC1−C8アルキル基で置換されたもの;3−ヒドロキシ−4−カルボキシフェノキシ、3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェノキシ等の、1つずつのヒドロキシ基及びカルボキシ基で置換されたもの;等が挙げられる。
前記のうち、Y108としては、ヒドロキシ基;アミノ基;置換基として、カルボキシ基、スルホ基、C1−C8アルキル基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基;置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、C1−C8アルキル基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基;が好ましい。
また、アミノ基;置換基として、カルボキシ基、スルホ基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基;置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基;がより好ましい。
さらに好ましくは、アミノ基;置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基;が挙げられる。
104とY108の組み合わせとしては、X104が式(2)のとき、Y108が2つのカルボキシ基で置換されたフェノキシ基、1つのスルホ基で置換されたフェノキシ基、又は1つずつのヒドロキシ基及びカルボキシ基で置換されたフェノキシ基;X104が式(3)のとき、Y108がアミノ基;の組み合わせが好ましく挙げられる。
前記式(106)及び式(108)における、R1060乃至R1064、X104、及びY108において、好ましいもの同士を組み合わせた化合物はより好ましく、より好ましいもの同士を組み合わせた化合物はさらに好ましい。さらに好ましいもの同士、好ましいものとより好ましいものとを組み合わせた化合物等についても同様である。
前記式(106)で表されるアントラピリドン化合物の好ましいものとして、前記式(102)〜式(104)で表される化合物が挙げられる。
前記式(102)〜式(104)中、R1021、R1031、及びR1041におけるスルホ基で置換されたベンゾイル基としては、2−スルホベンゾイル、3−スルホベンゾイル、4−スルホベンゾイルが挙げられ、3−スルホベンゾイルが好ましい。
前記のうち、R1021、R1031、及びR1041としては、水素原子、又はスルホ基で置換されたベンゾイル基が好ましい。
1021及びR1041としてはスルホ基で置換されたベンゾイル基が、また、R1031としては水素原子、又はスルホ基で置換されたベンゾイル基が、それぞれより好ましい。
前記式(102)〜式(104)中、R1022、R1032、及びR1042におけるC1−C4アルキル基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルといった直鎖のもの;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルといった分岐鎖のもの;シクロプロピル、シクロブチルといった環状のもの;が挙げられる。
1022、R1032、及びR1042における、置換基として、シアノ基、ヒドロキシ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたC1−C4アルキル基としては、前記「R1022、R1032、及びR1042におけるC1−C4アルキル基」中の任意の炭素原子が、これらの群から選択される基で置換されたものが挙げられる。置換基の数は1つが好ましく、アルキル基上におけるこれらの基の置換位置は特に制限されないが、同一の炭素原子に2つの窒素原子、又は酸素原子と窒素原子が置換しないものが好ましい。この際のC1−C4アルキル基としては直鎖のものが好ましく、炭素数の範囲としてはC2−C4が好ましい。
具体例としては、シアノメチル、シアノエチル、シアノプロピル、シアノブチル等、好ましくは2−シアノエチル、3−シアノプロピル、4−シアノブチル等のシアノ基で置換されたもの;ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル等、好ましくは2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル等のヒドロキシ基で置換されたもの;メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、プロピルアミノメチル、ブチルアミノメチル等、好ましくは2−エチルアミノメチル、3−プロピルアミノメチル、4−ブチルアミノメチル等のモノC1−C4アルキルアミノ基で置換されたもの;ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジメチルアミノブチル等、好ましくは2−ジメチルアミノエチル、3−ジメチルアミノプロピル、4−ジメチルアミノブチル等のジC1−C4アルキルアミノ基で置換されたもの;等が挙げられる。
前記のうち、R1022、R1032、及びR1042としては、C1−C4アルキル基が好ましく、中でもメチルが特に好ましい。
1023乃至R1025におけるC1−C12アルキルスルホニル基としては、前記R1060乃至R1064における置換基」中、「C1−C12アルキルスルホニル基」に記載のものと同じものが挙げられる。
好ましい炭素数の範囲はC1−C8、より好ましくはC1−C8、さらに好ましくはC1−C6、特に好ましくはC6である。直鎖のものと分岐鎖のものとでは、直鎖のものが好ましい。
これらの中では、n−ヘキシルスルホニルが特に好ましい。
1023乃至R1025中、「カルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルアミノ基により置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基」における、C1−C4アルキル部分の炭素数の範囲としては通常C1−C4、好ましくはC1−C3、より好ましくはC1−C2、特に好ましくはC1である。
その具体例としては、としては、カルボキシメチルアミノメチルカルボニルアミノ、2−カルボキシエチルアミノメチルカルボニルアミノ、3−カルボキシプロピルアミノメチルカルボニルアミノ、4−カルボキシブチルアミノメチルカルボニルアミノ、5−カルボキシペンチルアミノメチルカルボニルアミノ、6−カルボキシヘキシルアミノメチルカルボニルアミノ、7−カルボキシペンチルアミノメチルカルボニルアミノ、8−カルボキシクチルアミノメチルカルボニルアミノ、9−カルボキシノニルアミノメチルカルボニルアミノ、10−カルボキシデシルアミノメチルカルボニルアミノ等の、カルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルアミノ基(好ましくはアルキル部分が直鎖のもの;より好ましくはアルキル部分が直鎖であり、且つ1つのカルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルアミノ基)により置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基が挙げられる。
これらの中では、6−カルボキシヘキシルアミノメチルカルボニルアミノが特に好ましい。
1023乃至R1025の置換位置は特に限定されないが、式(102)における、これらが置換するベンゼン環に結合する窒素原子の置換位置を1位として、R1023が5位、R1024が2位、R1025が4位に、それぞれ置換するのが好ましい。
1023乃至R1025としては、いずれか1つが水素原子で、2つがスルホ基;1つが水素原子、1つがスルホ基、1つがC1−C12アルキルスルホニル基;又は、いずれか2つがスルホ基、1つがカルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルアミノ基により置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;である組み合わせが好ましい。
より好ましくは、R1023が水素原子、R1024及びR1025がスルホ基;R1023が水素原子、R1024がスルホ基、R1025がC1−C12アルキルスルホニル基;R1023がカルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルアミノ基により置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基、R1024及びR1025がスルホ基;である組み合わせが挙げられる。
前記式(102)におけるR1021乃至R1025において、好ましいもの同士を組み合わせた化合物はより好ましく、より好ましいもの同士を組み合わせた化合物はさらに好ましい。さらに好ましいもの同士、好ましいものとより好ましいものとを組み合わせた化合物等についても同様である。
前記式(102)で表される化合物の具体例を、下記表2乃至5に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
表2乃至5中、R1023乃至R1025の置換位置は、前記のように定義した、R1023が5位、R1024が2位、R1025が4位である。また、表2乃至5中の記号(略号)は、以下の意味である。
3−S−Bz:3−スルホベンゾイル。
3−S−4−OMe−Bz:3−スルホ−4−メトキシベンゾイル。
Me:メチル。
H:水素原子。
n−:ノルマル(直鎖を意味する)。
K:カルボキシ。
S:スルホ。
例として、「5−K−n−ペンチル−メチルカルボニルアミノ」は「5−カルボキシ−ノルマルペンチルアミノ」を、また、「2,4−ジ−S−フェニルスルホニル」は「2,4−ジスルホ−フェニルスルホニル」を、それぞれ意味する。
Figure 2011184575
Figure 2011184575
Figure 2011184575
Figure 2011184575
前記式(103)中、R1035としては、R1031が水素原子のときは水素原子が好ましく、R1031がスルホ基で置換されたベンゾイル基のときはスルホ基が好ましい。
1035の置換位置は特に限定されないが、アントラピリドン骨格に結合する窒素原子の置換位置を1位、スルホ基の置換位置を2位、トリアジン環に結合する窒素原子の置換位置を5位として、4位に置換するのが特に好ましい。
前記式(103)中、Y103における、カルボキシ基で置換されたアニリノ基としては、前記「Y108における、置換基として、カルボキシ基、スルホ基、C1−C8アルキル基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基」に挙げたもののうち、「カルボキシ基で置換されたもの」として挙げたものと同じものが挙げられる。これらのうち、1つ又は2つのカルボキシ基で置換されたものが好ましく、1つのカルボキシ基で置換されたものがより好ましく、中でも2−カルボキシアニリノが特に好ましい。
103における、スルホ基で置換されたアニリノ基としては、前記「Y108における、置換基として、カルボキシ基、スルホ基、C1−C8アルキル基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基」に挙げたもののうち、「スルホ基で置換されたもの」として挙げたものと同じものが挙げられる。これらのうち、1つ又は2つのスルホ基で置換されたものが好ましく、2つのスルホ基で置換されたモノがより好ましく、中でも2,5−ジスルホアニリノが特に好ましい。
前記式(103)におけるR1031、R1032、R1035、X103及びY103において、好ましいもの同士を組み合わせた化合物はより好ましく、より好ましいもの同士を組み合わせた化合物はさらに好ましい。好ましいものとより好ましいものとを組み合わせた化合物等についても同様である。
前記式(103)で表される化合物の具体例を、下記表6及び7に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
表6及び7中、R1035の置換位置は、前記のように定義した「4位」である。
また、表6及び7中の記号(略号)は、以下の意味である。
3−S−Bz:3−スルホベンゾイル。
Me:メチル。
H:水素原子。
K:カルボキシ。
S:スルホ。
例として、「2,5−ジ−S−アニリノ」は「2,5−ジスルホアニリノ」を、また、「2−K−4−S−アニリノ」は「2−カルボキシ−4−スルホアニリノ」を、それぞれ意味する。
Figure 2011184575
Figure 2011184575
前記式(104)におけるX104は、前記式(108)におけるX104と同じ意味を表す。すなわち、好ましいもの等を含めて同じである。
また、Y104は、前記式(108)におけるY108のうち、相当するものと好ましいもの等を含めて同じ意味を表す。また、X104とY104の組合せについても同様である。
前記式(104)で表される化合物の具体例を、下記表8乃至11に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
また、表8乃至11中の記号(略号)は、以下の意味である。
3−S−Bz:3−スルホベンゾイル。
Me:メチル。
H:水素原子。
K:カルボキシ。
S:スルホ。
例として、「ジ(K−メチル)アミノ」は「ジ(カルボキシメチル)アミノ」、すなわち「(HOOCCH22NH」を、また、「3,6,8−トリ−S−ナフチル−2−イルアミノ」は「3,6,8−トリスルホナフチル−2−イルアミノ」を、それぞれ意味する。
Figure 2011184575
Figure 2011184575
Figure 2011184575
Figure 2011184575
前記式(102)で表される化合物は、例えば、特開平10−306221号公報、国際公開2009/060654号パンフレット、国際公開2009/093433号パンフレット、国際公開2008/018495号パンフレット等に記載の公知の方法、又はその方法に準じて容易に合成することができる。
前記式(103)で表される化合物は、例えば、特開2000−109464号公報、国際公開2004/104108号パンフレット等に記載の公知の方法、又はその方法に準じて容易に合成することができる。
前記式(104)で表される化合物は、例えば、特開2003−192930号公報、国際公開2008/066062号パンフレット、国際公開2006/075706号パンフレット等に記載の公知の方法、又はその方法に準じて容易に合成することができる。
なお、式(104)で表される化合物のうち、化合物No.104−54乃至104−69については、以下のように合成することができる。すなわち、国際公開2008/066062号パンフレットに記載の方法に準じて、下記式(107)の化合物を得る。得られた式(107)の化合物1モルに対して、Y104に対応する1つずつのヒドロキシ基及びカルボキシ基で置換されたフェノール誘導体2〜2.1モルを、pH7.5〜9、0〜35℃、15分〜3時間反応させた後、得られた反応液に前記式(2)乃至(8)で表される基に対応するジアミノ化合物0.9〜1モルを加え、pH6〜10、60〜90℃、10分〜5時間反応させることにより、式(104)で表される化合物を得ることができる。
Figure 2011184575
前記式(101)又は式(106)で表される化合物は遊離酸として、又はその各種の塩として得ることができる。
これらの化合物の塩は、無機又は有機陽イオンとの塩である。無機陽イオンとしてはアルカリ金属陽イオン等、例えばリチウム、ナトリウム、及びカリウムの各陽イオンとの塩等;又はアンモニウムとの塩;等が挙げられる。有機陽イオンとしては、下記式(11)で表される4級アンモニウムが挙げられる。
Figure 2011184575
前記式(11)中、Z1〜Z4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシアルキル基を表わし、Z1〜Z4の少なくとも1つは水素原子以外の基である。
式(11)中、Z1〜Z4におけるアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル等のC1−C4アルキル基、好ましくはC1−C3アルキル基が挙げられる。同様に、ヒドロキシアルキル基の例としては、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシC1−C4アルキル基が挙げられる。同様に、ヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等のヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基が挙げられる。
好ましい塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等と形成する4級アンモニウム塩;及びアンモニウム塩;等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは、リチウム塩、ナトリウム塩、及びアンモニウム塩である。
前記の塩の製造方法の1例として、次の方法が挙げられる。すなわち、前記式(101)又は式(106)で表される化合物を含有する水溶液;又は、該化合物の合成工程における、最終の反応工程終了後の反応液;等に、塩化ナトリウムを加えて塩析し、析出する固体を濾過分離することによって、該化合物のナトリウム塩をウェットケーキとして得ることができる。一方、得られたウェットケーキを再び水に溶解し、塩酸等の鉱酸を加えて例えばpH1以下のような強酸性に調整して酸析し、析出する固体を濾過分離すれば、式(101)又は式(106)で表される化合物の遊離酸を得ることができる。この際、pHを適宜調整することにより、ナトリウム塩と遊離酸の混合物のウェットケーキを望みの比率で得ること等も可能である。次いで、得られた遊離酸のウェットケーキを水と共に撹拌しながら、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水、又は前記式(11)で表される4級アンモニウムのハロゲン塩等を添加して造塩すれば、各々相当するカリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、又は4級アンモニウム塩が得られる。この際に、式(101)又は式(106)の化合物の遊離酸の代わりに、遊離酸とナトリウム塩との混合物のウェットケーキを使用し、水酸化カリウムを添加すれば、ナトリウムとカリウムの混塩;又はナトリウム、カリウム及び遊離酸の混合物;等を得ることも同様に可能である。
式(101)又は式(106)で表される化合物の塩は、その塩の種類により溶解性等の物理的な性質、あるいはインクとして用いた場合のインクの性能、特に堅牢性に関する性能が変化する場合もある。このため目的とするインク性能等に応じて塩の種類を選択することも好ましく行われる。
本発明のインク組成物の保存安定性等を良好にする目的から、本発明のインク組成物中に含有する前記式(101)及び式(106)で表される化合物それぞれの総質量中に含まれる、金属陽イオンの塩化物及び硫酸塩等の、無機不純物の含有量は少ないものを用いるのが好ましい。その含有量の目安としては、例えば各化合物それぞれの総質量に対して、各々1質量%以下程度である。下限は検出機器の検出限界以下、すなわち0%でよい。無機不純物の含有量の少ない化合物を製造する方法としては、例えば逆浸透膜による通常の方法;各化合物を含むウェットケーキ若しくはその乾燥物を、メタノール等のC1−C4アルコール(必要に応じて含水C1−C4アルコール)等の溶媒中で撹拌して懸濁精製又は晶析し、析出固体を濾過分離し、乾燥する等の方法;等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、少なくとも1種類の前記式(1)で表される化合物と、少なくとも1種類の前記式(106)で表されるアントラピリドン化合物(好ましくは前記式(102)乃至(104)で表される化合物)とを、水、又は水と水溶性有機溶剤との混和液に溶解した水性インク組成物である。
本発明のインク組成物を製造する際、例えば、該インク組成物に含有するそれぞれの化合物の合成工程における、最終の反応工程終了後の反応液等を、本発明のインク組成物の製造に直接使用することができる。一方、前記反応液から目的化合物をウェットケーキ等として単離したもの、又はそのウェットケーキ等を乾燥させたものを使用し、該インク組成物を調製することもできる。本発明のインク組成物の調製に使用する化合物としては、単離したウェットケーキ又はそれを乾燥させたものが好ましく、後者がより好ましい。
本発明の水性インク組成物は、該水性インク組成物の総質量に対して、少なくとも1種類の前記式(106)で表される化合物を通常0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは2〜10質量%含有する。また、少なくとも1種類の前記式(101)で表される化合物の含有量は、該水性インク組成物の総質量に対して0.1%以上であればその効果が認められ、本発明のインク組成物の物性や保存安定性等を阻害しない範囲であればその上限は特に制限されないが、その溶解性等も考慮して、通常0.1〜10質量%、好ましくは0.25〜7質量%、より好ましくは0.5〜7質量%、最も好ましくは0.5〜5質量%程度である。
本発明のインク組成物は必要に応じて、水溶性有機溶剤及びインク調製剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しても良い。一般に水溶性有機溶剤は、色素の溶解;組成物の乾燥防止(湿潤);組成物の粘度の調整;被記録材への色素の浸透促進;組成物の表面張力の調整;組成物の消泡;等の効果を期待して、好ましく使用される。この理由から、本発明のインク組成物は、水溶性有機溶剤を含有するのが好ましく、その含有量の目安としては通常0〜30質量%、好ましくは5〜30質量%である。
また本発明のインク組成物は、インク調製剤を0〜15質量%含有してもよい。
前記の水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1−C4アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール若しくはチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4アルキルエーテル;γーブチロラクトン;又はジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤は、単独もしくは混合して用いられる。
前記のうち好ましい水溶性有機溶剤としては、イソプロパノール;グリセリン;モノ、ジ又はトリエチレングリコール;ジプロピレングリコール;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;ジエチレングリコールモノブチルエーテル;が挙げられる。より好ましくは、イソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。
以下、本発明のインク組成物に含有しても良いインク調製剤について説明する。インク調製剤の具体例としては、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、及び界面活性剤等が挙げられる。
前記の防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリールスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。
ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤として無水酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、さらにはアベシア社製の市販品として、商品名:プロクセルRTMGXL(S)、プロクセルRTMXL−2(S)等が挙げられる。
なお本明細書において、上付きの「RTM」は登録商標を意味する。
前記のpH調整剤としては、調製されるインク組成物に悪影響を及ぼさずに、そのpHを7.5〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);又は炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;等が挙げられる。
前記のキレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
前記の防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
前記の水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホ化されたベンゾフェノン、スルホ化されたベンゾトリアゾール等が挙げられる。
前記の水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
前記の染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。尿素が好ましい。
前記の界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、及びノニオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及び/又はその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、その他のものとしてイミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレンアルコール系;等が挙げられる。また日信化学社製の市販品として、商品名:サーフィノールRTM104E、104PG50、82、465;オルフィンRTMSTG;等が挙げられる。
前記のインク調製剤はいずれも、単独で用いても混合して用いても良い。
本発明の水性インク組成物の製造方法について記載する。
本発明の水性インク組成物は、少なくとも1種類の前記式(101)で表される化合物、及び少なくとも1種類の前記式(106)で表されるアントラピリドン化合物を、必要に応じて水溶性有機溶剤及びインク調製剤と共に、水に溶解させることによって製造できる。
本発明の水性インク組成物が含有する各成分を溶解させる順序は、特に制限されない。例えば、式(101)及び/又は式(106)で表される化合物を水、又は水と水溶性有機溶剤との混和液に溶解させた後、この溶液にインク調製剤等の他の成分を添加しても良い。また、式(101)及び/又は式(106)で表される化合物を水に溶解させた後、この溶液に水溶性有機溶剤、及びインク調製剤等を添加しても良い。また、これらの2例とは添加する成分の順序が異なっても良い。さらに前記の通り、式(101)及び式(106)で表される化合物の合成工程における、それぞれの最終の反応工程終了後の反応液;又は、前記無機不純物の除去のため、逆浸透膜により脱塩処理を行った該化合物を含有する精製された水溶液;等の液体に、水、必要に応じて水溶性有機溶剤及びインク調製剤を添加して、本発明のインク組成物を製造しても良い。
本発明のインク組成物の調製に使用する水は、イオン交換水又は蒸留水等の、不純物の少ないものが好ましい。また必要に応じ、調製したインク組成物中の夾雑物を、メンブランフィルター等を用いる精密濾過により除いても良い。特に、本発明のインク組成物をインクジェット記録用のインクとして使用するときは、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1μm〜0.1μm、好ましくは0.8μm〜0.1μmである。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定の位置に装填し、該インク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に付着させることにより記録を行う方法である。
本発明のインクジェット記録方法で記録を行うことにより、マゼンタの単色からなる記録物を得ることができる。しかし、本発明のインク組成物に加えて、イエロー、シアン、グリーン、オレンジ、ブルー(又はバイオレット)及び必要に応じてブラック等の各色のインクを併用し、フルカラーの記録物を得ることもできる。この際には、本発明のインク組成物を含有する容器と同様に、前記各色のインクをそれぞれ別個に含有する容器をインクジェットプリンタの所定の位置に装填した後、インクジェット記録を行えば良い。
インクジェットプリンタとしては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式;加熱により生じる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式;等のプリンタが挙げられる。本発明のインク組成物は、いずれの方式のプリンタでも使用できる。
本発明のインクジェット記録方法に用いる被記録材(メディア)としては、例えば、紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、及びカラーフィルター用基材等が挙げられ、情報伝達用シートが好ましい。
情報伝達用シートとしては、表面処理されたもの、具体的には該シートを基材としてインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層は、例えば前記シートにカチオンポリマーを含浸あるいは塗工すること;又は、インク中の色素を吸着し得る多孔性白色無機物を親水性ポリマー(例えば、ポリビニルアルコールやポリビニールピロリドン等)と共に前記シート表面に塗工すること;等により設けられる。
前記の多孔性白色無機物としては、例えば、多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等が挙げられる。その材質としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等が挙げられる。
このようなインク受容層を設けたものは、通常インクジェット専用紙(フィルム)や光沢紙(フィルム)等と呼ばれる。市販品として入手できるものとしては、例えば、旭硝子(株)社製、商品名ピクトリコRTM;キャノン(株)社製、商品名プロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー、写真用紙光沢プロ プラチナグレード、写真用紙光沢ゴールド;エプソン(株)社製、商品名クリスピアRTM(高光沢)、写真用紙(光沢)、フォトマット紙、スーパーファイン専用光沢フィルム;日本ヒューレットパッカード(株)社製、商品名アドバンスフォトペーパー、プレミアムプラスフォト用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト用紙;コニカ(株)社製、商品名フォトライクQP;等が挙げられる。なお、プレインペーパーコピー(PPC)紙等のインク受容層を有しない普通紙等の被記録材も、当然本発明のインクジェット記録方法の被記録材として使用できる。
前記被記録材のうち、多孔性白色無機物を表面に塗工した情報伝達用シートにインクジェット記録した画像のオゾンガスによる変退色は、特に大きいことが知られている。しかし、本発明の水性インク組成物はオゾンガスに対する耐性も優れているため、このような被記録材へ記録する際に大きな効果を発揮する。
本発明の着色体は、本発明のインク組成物により着色された物質を意味する。着色される物質には特に制限はなく、例えば前記の被記録材等が挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは前記の被記録材が、該化合物により着色されたものである。
物質への着色方法は特に制限されないが、例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷方法、及び前記本発明のインクジェット記録方法等が挙げられ、本発明のインクジェット記録方法が好ましい。
前記着色体の中でも、本発明のインクジェット記録方法により着色された着色体が好ましい。
本発明のインク組成物は、長期間保存後の固体析出、物性変化(例えば粘度変化等)、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。
本発明のインク組成物をインクジェット記録に使用しても、噴射器(インクヘッド)を閉塞することはなく、連続式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても物理的性質の変化を起こさない。
本発明のインク組成物をインクジェット記録用のマゼンタインクとして使用した記録物は、被記録材(紙、フィルム等)を選択することなく理想的なマゼンタの色相であり、写真調のカラー画像の色相を紙の上に忠実に再現させることも可能である。
また、本発明のインク組成物により記録された画像は、写真画質用のインクジェット専用紙(フィルム)のように、インク受容層を有する被記録材に記録しても、耐光性、耐オゾンガス性、耐湿性、及び耐水性等の各種堅牢性、特に耐オゾンガス性が良好であり、記録画像の長期保存安定性にも優れる。さらに本発明のインク組成物は、人に対する安全性も高い。
従って、本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インクとして極めて有用である。
以下に本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。また、合成反応、縣濁精製、晶析等の各操作は、いずれも特に断りの無い限り攪拌下に行った。
また、実施例にて使用した「商品名 レオコールTD−50」は、ライオン株式会社製の界面活性剤である。
また、実施例中で合成した化合物のうち、λmax(最大吸収波長)を測定したものについては、その実測値を実施例中に記載した。なお、λmaxの測定は、いずれも水溶液中で行った。
[実施例1]
(工程1)
キシレン360部中に、下記式(18)で表される化合物94.8部、炭酸ナトリウム3.0部、ベンゾイル酢酸エチルエステル144.0部を順次加えて加熱し、140〜150℃の温度で8時間反応を行った。その間、反応で生成するエタノールと水を、キシレンと共沸させながら系外へ留出させ、反応を完結させた。得られた反応液を冷却し、30℃にてメタノール240部を添加して30分攪拌後、析出固体を濾過分離した。得られた固体をメタノール360部で洗浄後、乾燥して、下記式(19)で表される化合物124.8部を淡黄色針状固体として得た。
Figure 2011184575
Figure 2011184575
(工程2)
N,N−ジメチルホルムアミド300.0部中に、前記式(19)で表される化合物88.8部、メタアミノアセトアニリド75.0部、酢酸銅1水和物24.0部及び炭酸ナトリウム12.8部を順次加えて120〜130℃に加熱し、3時間反応を行った。得られた反応液を約50℃に冷却し、メタノール120部を添加して30分攪拌した。析出した固体を濾過分離し、メタノール500部、次いで80℃の温水で洗浄した後、乾燥することにより下記式(20)で表される化合物79.2部を青味赤色固体として得た。
Figure 2011184575
(工程3)
98%硫酸130部に、水冷しながら28%発煙硫酸170部を加え、12%発煙硫酸300部を調製した。水冷下、得られた12%発煙硫酸に前記式(20)で表される化合物51.3部を50℃以下の液温を保ちながら加えた。得られた液を85〜90℃に加熱し、4時間反応を行った。得られた反応液を氷水600部中に加え、その間氷を加えながら発熱による液温の上昇を40℃以下に保持した。得られた液にさらに水を加えて液量を1000部とした後、この液を濾過して不溶解物を除去した。得られた母液に温水を加えて1500部とし、液温を60〜65℃に保ちながら、塩化ナトリウム300部を添加して2時間攪拌し、析出した固体を濾過分離した。得られた固体を20%塩化ナトリウム水溶液300部で洗浄し、よく水分を絞って下記式(21)で表される化合物を含むウェットケーキ100.3部を赤色固体として得た。なおこのウェットケーキの総質量における目的化合物の含有量は、ジアゾ分析法により45.9質量%だった。
Figure 2011184575
(工程4)
水60部中に実施例1(工程3)で得た式(21)で表される化合物のウェットケーキ67.7部、25%水酸化ナトリウム水溶液24部を加えた。得られた液のpHを25%水酸化ナトリウム水溶液で3〜4に調整することにより溶液を得た。
一方、氷水60部に商品名リパールRTMOH(アニオン界面活性剤、ライオン株式会社製)0.4部、シアヌルクロライド8.9部を加え、30分攪拌した後、得られた懸濁液を、前記のようにして得た式(21)を含む溶液中に加え、10%水酸化ナトリウム水溶液で液のpHを2.7〜3.0に保ち、25〜30℃で4時間反応を行うことにより、下記式(22)で表される化合物を含有する反応液を得た。
Figure 2011184575
(工程5)
実施例1(工程4)で得た前記式(22)で表される化合物を含有する反応液中に、氷を加えて0〜5℃とし、この液のpHを25%水酸化ナトリウム水溶液で8.8〜9.2に、且つ氷の添加により温度を0〜10℃に保持しながら、3−ヒドロキシ−4−カルボキシ−フェノール6.2部と温水60部及び25%水酸化ナトリウム水溶液9.9部からなる水溶液を加えた。得られた液のpHを25%水酸化ナトリウム水溶液で7.8〜8.2に保持しながら、液温を28〜32℃に加熱し、その温度で1時間反応を行うことにより、下記式(23)で表される化合物を含む反応液を得た。
Figure 2011184575
(工程6)
実施例1(工程5)で得た前記式(23)で表される化合物を含む反応液に、エチレンジアミン1.1部を加えた。80℃まで加熱し、その温度で30分保持した。このとき、反応系内のpHは3.4であった。次いで液のpHを25%水酸化ナトリウム水溶液で9に保持しながら、液温を80℃に加熱し、その温度で1.5時間反応を行った。次いでpHを10に保持しながら、液温を85℃に加熱して3時間反応後、反応液に水を加えて液量を400部に調整した。得られた液を55℃に加熱し、濃塩酸を加えてpHを3とした。55℃を保ったまま塩化ナトリウム40部を添加して15分、更に塩化ナトリウム20部を添加して30分間攪拌して、析出した固体を濾過分離した。得られた固体を20%塩化ナトリウム水溶液200部で洗浄することにより、下記式(9)で表されるアントラピリドン化合物のナトリウム塩を含むウェットケーキ90部を得た。
(工程7:無機不純物を除去する工程)
実施例1(工程6)で得た赤色ウェットケーキ90部を、メタノール400部に加え、液温を60℃に加熱して30分間攪拌した後、析出した固体を濾過分離し、メタノール100部で洗浄後、乾燥することにより、無機不純物が除去された下記式(9)で表されるアントラピリドン化合物のナトリウム塩28.0部を赤色固体として得た。
λmax:509.5nm。
Figure 2011184575
[実施例2]
(工程1:ナトリウム塩からアンモニウム塩に塩交換する工程)
実施例1(工程1)乃至(工程6)と同様にして得た前記式(9)で表される化合物を含む反応液に、水を加えて液量を400部に調整した。55℃に加熱し、濃塩酸を加えてpHを3とした。次いで55℃を保ったまま、塩化アンモニウム20部を添加して30分攪拌後、析出した固体を濾過分離し、20%塩化アンモニウム水溶液200部で洗浄することにより、上記式(9)で表されるアントラピリドン化合物のアンモニウム塩を含むウェットケーキ64部を得た。
(工程2:無機不純物を除去する工程)
実施例2(工程1)で得たウェットケーキをメタノール300部に加え、液温を60℃に加熱して攪拌した後、析出した固体を濾過分離してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを乾燥することにより、無機不純物が除去された上記式(9)で表されるアントラピリドン化合物のアンモニウム塩23.6部を赤色固体として得た。
λmax:508.0nm。
[実施例3]
(工程1)
実施例1(工程4)で得た前記式(22)で表される化合物を含有する反応液中に、氷を加えて0〜5℃とし、この液のpHを25%水酸化ナトリウム水溶液で8.8〜9.2に、且つ氷の添加により温度を0〜10℃に保持しながら、3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−フェノール6.2部と温水40部及び25%水酸化ナトリウム水溶液9.8部からなる水溶液を加えた。得られた液のpHを25%水酸化ナトリウム水溶液で7.8〜8.2に保持しながら、液温を28〜32℃に加熱し、その温度で1時間反応を行うことにより、下記式(24)で表される化合物を含む反応液を得た。
Figure 2011184575
(工程2)
実施例1(工程1)で得た前記式(24)で表される化合物を含む反応液に、エチレンジアミン1.1部を加えた。80℃まで加熱し、その温度で30分保持した。(pHは4となった。)次いで液のpHを25%水酸化ナトリウム水溶液で9に保持しながら、液温を80℃に加熱し、その温度で1.5時間反応を行った。次いでpHを9。5に保持しながら、液温を85℃に加熱して2時間反応後、反応液に水を加えて液量を320部に調整した。60℃に加熱し、濃塩酸を加えてpHを3.2とし、次いで60℃に加熱し、塩化ナトリウム32部を添加して30分攪拌後、析出した固体を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液200部で洗浄することにより、下記式(10)で表されるアントラピリドン化合物のナトリウム塩を含むウェットケーキ70部を得た。
Figure 2011184575
(工程3:無機不純物を除去する工程)
実施例3(工程2)で得た赤色ウェットケーキ70部をメタノール500部に加え、60℃に加熱して30分間攪拌した後、析出した固体を濾過分離し、メタノール100部で洗浄後、乾燥することにより、無機不純物が除去された上記式(10)で表されるアントラピリドン化合物のナトリウム塩28.0部を赤色固体として得た。
λmax:509.5nm。
[実施例4]
(工程1:ナトリウム塩からアンモニウム塩に塩交換する工程)
実施例3(工程2)と同様にして得た前記式(10)で表される化合物を含む反応液に、水を加えて液量を400部に調整した。55℃に加熱し、濃塩酸を加えてpHを3とし、次いで55℃に加熱し、塩化アンモニウム24部を添加して30分、更に塩化アンモニウム16部を添加して30分攪拌後、析出した固体を濾過分離し、20%塩化アンモニウム水溶液200部で洗浄することにより、上記式(10)で表されるアントラピリドン化合物のアンモニウム塩を含むウェットケーキ60部を得た。
(工程2:無機不純物を除去する工程)
実施例3(工程1)で得たウェットケーキ60部をメタノール400部に加え、液温を60℃に加熱して攪拌した後、析出した固体を濾過分離してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを乾燥することにより、無機不純物が除去された上記式(10)で表されるアントラピリドン化合物のアンモニウム塩26.6部を赤色固体として得た。
λmax:509.5nm。
[実施例5]
(工程1)
下記式(222)で表される化合物(ベンジルアミンスルホン酸)の合成。
Figure 2011184575
5%発煙硫酸535.8部(96%硫酸401.9部、31.9%発煙硫酸133.9部にて調整)中に、その液温を40℃以下に保ちながら、ベンジルアミン107.1部を一時間かけて滴下した。滴下後、120℃に昇温し、同温度で1時間反応を行った。反応終了後、30℃まで冷却し、氷水500部中にゆっくりと注ぎ、析出している結晶を濾過分離し、冷水200部、メタノール150部で洗浄し、白色のウェットケーキ116.2部を得た。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、ベンジルアミンスルホン酸57.8部を得た。
(工程2)
下記式(109)で表されるトリアジン化合物[前記式(101)におけるZ101が4−スルホアニリノ、p=1、L=2である化合物]の合成。
Figure 2011184575
氷水100部中に塩化シアヌール18.4部、商品名 レオコールTD−50(0.05部)を加え10℃以下で30分間攪拌した。次に4−スルファニル酸19.5部を加え10%水酸化ナトリウム水溶液でpH2.0〜2.5としながら0〜10℃で2時間、25〜30℃で1時間反応を行った。次に反応液にベンジルアミンスルホン酸21.0部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0〜8.0としながら25〜30℃で一晩反応を行い、2次縮合物を含む反応液を得た。
氷120部にエチレンジアミン60.1部を加えた水溶液に上記のようにして得た二次縮合物を含む反応液を徐々に加え、室温で1時間攪拌した。この溶液に氷150部、濃塩酸210部を加え、pH1.0に調整した。このとき液量は830部であった。この反応液に塩化ナトリウム190部を加え、一晩撹拌し固体を析出させた。析出固体を濾過分離しウェットケーキ70.4部を得た。得られたウェットケーキを水550部に加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0として溶解させた。このとき液量は630部であった。この溶液を濃塩酸でpH1.0に調整し、塩化ナトリウム140部を加え、一晩撹拌し固体を析出させた。析出固体を濾過分離しウェットケーキ27.2部を得た。得られたウェットケーキをメタノール255部、水45部の混合溶媒中に加え、50℃で1時間攪拌した後、析出固体を濾過分離しウェットケーキ42.2部を得た。得られたウェットケーキを乾燥させ、目的とする式(109)で表される化合物のナトリウム塩16.3部の白色粉末を得た。
[実施例6]
下記式(12)で表されるトリアジン化合物[前記式(2)におけるZが2,5−ジスルホアニリノ、p=1、L=2である化合物]の合成。
Figure 2011184575
氷水100部中に塩化シアヌール18.4部、商品名 レオコールTD−50(0.1部)を加え10℃以下で30分間攪拌した。次に2,5−ジスルホアニリン(純度88.4%の市販品を使用)31.7部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH2.0〜3.0としながら0〜10℃で2時間、25〜30℃で1時間反応を行った。次に反応液にベンジルアミンスルホン酸21.0部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0〜8.0としながら25〜30℃で1時間、30〜40℃で1時間反応を行い、2次縮合物を含む反応液を得た。
氷120部にエチレンジアミン60.1部を加えた水溶液に上記のようにして得た2次縮合物を含む反応液を徐々に加え、室温で1時間攪拌した。この溶液に氷200部、濃塩酸200部を加え、pH1.0に調整した。このとき液量は800部であった。この反応液に塩化ナトリウム200部を加え、一晩撹拌し固体を析出させた。析出固体を濾過分離しウェットケーキ153.0部を得た。得られたウェットケーキを水300部に加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0として溶解させた。このとき液量は460部であった。この溶液を濃塩酸でpH1.0に調整し、塩化ナトリウム80部を加え、一晩撹拌し固体を析出させた。析出固体を濾過分離しウェットケーキ61.2部を得た。得られたウェットケーキをメタノール160部、水40部の混合溶媒中に加え、50℃で1時間攪拌した後、析出固体を濾過分離しウェットケーキ134.0部を得た。得られたウェットケーキを乾燥させ、目的とする式(12)で表される化合物のナトリウム塩24.5部の白色粉末を得た。
[実施例6乃至11]
(A)インクの調製
式(101)で表される化合物として実施例5で得た式(109)の化合物、アントラピリドン化合物として実施例1で得た式(9)の化合物を用い、下記表12に示した組成、すなわち、式(109)の化合物の含有量を変化させた本発明のインク組成物を調製した。得られた本発明のインク組成物を、0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により試験用のインクを得た。
インク組成物の調製において、該組成物のpHは25%水酸化ナトリウム水溶液で8〜10に調整し、総量100部になるように水を加えた。
なお、下記表12乃至表17中の「水+25%NaOH」は、このpH調整に用いた25%水酸化ナトリウム水溶液、及び加えた水の総量を意味し、インク組成物の調製に使用した「水」はいずれもイオン交換水である。
表12乃至表17に記載の各実施例及び各比較例については、組成の違いを除き、いずれも前記実施例6乃至11と同様の方法で試験用のインクを調製した。
表12乃至表17中にて使用した略号は、以下の意味である。
NMP:N−メチル−2−ピロリドン。
IPA:イソプロパノール。
BTC:ブチルカルビトール。
また、各表中の「界面活性剤」は、日信化学株式会社製の商品名サーフィノールRTM104PG50を使用した。
[比較例1]
式(101)で表される化合物を含有しない以外は実施例6乃至11と同様にして、下記表12の組成を有する比較用のインクを調製した。これを比較例1とする。
Figure 2011184575
[実施例12乃至16]
式(101)で表される化合物として実施例5で得た式(109)の化合物、アントラピリドン化合物として実施例2で得た式(10)の化合物を用い、下記表13に示した組成、すなわち、式(109)の化合物の含有量を変化させた試験用のインクを得た。
[比較例2]
式(101)で表される化合物を含有しない以外は実施例12乃至16と同様にして、下記表13の組成を有する比較用のインクを調製した。これを比較例2とする。
Figure 2011184575
[実施例17乃至30]
式(101)で表される化合物として実施例5で得た式(109)の化合物、アントラピリドン化合物として前記表2乃至11から選択した7種類のアントラピリドン化合物を用い、下記表14及び表15に示した組成の、実施例17乃至30の試験用のインクを得た。
なお、表14乃至表17中、「AP化合物」は「アントラピリドン化合物」を意味する。また、該「AP化合物」欄の2段の記載のうち、上欄はインク組成物中におけるアントラピリドン化合物の部数を、下欄は用いたアントラピリドン化合物に対応する前記表2乃至11における「化合物No.」、又は、後記する各式で表される比較用化合物を意味する。例えば、表14の実施例17中、「AP化合物」欄における上欄の「3.5」は「3.5部」を、下欄の「(102−1)」は前記表2における「化合物No.102−1」の化合物を、それぞれ意味する。
Figure 2011184575
Figure 2011184575
[比較例3乃至9]
式(101)で表される化合物を含有しない以外は実施例17乃至30と同じ7種類のアントラピリドン化合物を用い、下記表16の組成を有する比較用のインクを調製した。これを比較例3乃至9とする。
Figure 2011184575
[実施例33及び34]
式(101)で表される化合物として実施例5で得た式(109)の化合物、アントラピリドン化合物として前記表2乃至11から選択したアントラピリドン化合物を用い、下記表17に示した組成の、実施例33及び34の試験用のインクを得た。
[比較例10]
式(101)で表される化合物を含有しない以外は実施例33及び34と同じアントラピリドン化合物を用い、下記表17の組成を有する比較用のインクを調製した。これを比較例10とする。
[比較例11乃至16]
式(101)で表される化合物として実施例5で得た式(109)の化合物、アントラピリドン化合物として下記式(13)及び式(14)で表される化合物を用い、下記表17の組成を有する比較用のインクを調製した。これを比較例11乃至16とする。
なお、下記式(13)及び式(14)で表される化合物は、前記式(106)におけるR1063がアリールオキシ基の構成であるため、前記式(106)、式(102)乃至式(104)で表される化合物には含まれない。
Figure 2011184575
Figure 2011184575
Figure 2011184575
実施例で調製したインク組成物及び試験用インクに含有する、それぞれのアントラピリドン化合物は、いずれも塩の形で使用した。用いた各化合物の塩を下記表18にまとめた。表中、「アントラピリドン化合物」の欄は、前記と同様に表2乃至11中の「化合物No.」又は実施例中における式番号を意味する。また、「塩」の欄における「NH4」はアンモニウム塩、「Na」はナトリウム塩、「Na+NH4」は、アンモニウム塩とナトリウム塩の混塩であることを意味する。
Figure 2011184575
(B)インクジェット記録
インクジェットプリンタ(キヤノン社製、PixusRTM iP4100)を用いて、多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有する4種類の光沢紙にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、印字濃度が数段階の階調として得られるように画像パターンを作り、グラデーションの記録物を作成し、これを試験片として評価試験に用いた。
なお使用した光沢紙は以下の通りである。
光沢紙1:キヤノン社製写真用紙光沢プロ プラチナグレード。
光沢紙2:キヤノン社製写真用紙光沢ゴールド。
光沢紙3: エプソン社製写真用紙クリスピア(高光沢)。
光沢紙4: ヒューレットパッカード社製、商品名アドバンスフォトペーパー。
(C)耐オゾンガス性試験
試験片をオゾンウェザーメーター(スガ試験機社製)に設置し、オゾン濃度40ppm、湿度60%RH、温度24℃の環境下に24時間放置した。試験前の試験片における反射濃度D値が1.0に最も近い階調部分について、試験前後のD値を測色システム(GRETAGRTM SPM50:GRETAG社製)を用いて光源D65、視野角2度、濃度基準:DINの条件で測定し、以下の計算式から色素残存率を測定した。
なお、実施例33及び34、比較例11乃至16で使用したアントラピリドン化合物は、前記の試験条件では色素残存率が極めて低く、前記式(101)で表される化合物の添加効果等を確認できなかった。このため、これらについてはオゾン濃度を10ppmに、放置時間を8時間に変更する以外は前記の試験条件と同様にして試験を行い、前記と同様にして色素残存率を測定した。

色素残存率=(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)x100(%)

結果を下記表19乃至表22に示す。
Figure 2011184575
Figure 2011184575
Figure 2011184575
Figure 2011184575
表18は、いずれもアントラピリドン化合物として式(9)の化合物を用いたものの試験結果である。このうち、各実施例は式(101)で表される化合物として式(109)の化合物を併用し、その添加量を変化させたものであり、比較例1は、式(109)の化合物を含有しないものである。
実施例6乃至11における式(109)の添加量は、実施例6が最も多く、実施例番号が大きくなるにつれて減少し、実施例11が最も少ない。
表18より明らかなように、耐オゾンガス性試験において、式(109)の化合物の添加量が最も少ない実施例11であっても、式(109)を併用しない比較例1に対して色素残存率が大きく、式(109)の化合物を併用することによる耐オゾンガス性の向上傾向が見られる。この式(109)を添加することにより得られる耐オゾンガス性の向上効果は、実施例9、すなわち式(109)の添加量が、インクの総質量に対して0.5質量%から、特に顕著に観察された。また、最も式(109)の化合物の添加量が多い実施例6は、比較例1に対して、いずれの光沢紙においても色素残存率が極めて大きく、式(109)の化合物を添加することによるアントラピリドン化合物の耐オゾンガス性の向上効果が明確となった。
表19は、いずれもアントラピリドン化合物として式(10)の化合物を用いたものの試験結果である。このうち、各実施例は式(101)で表される化合物として式(109)の化合物を併用し、その添加量を変化させたものであり、比較例2は、式(109)の化合物を含有しないものである。
実施例12乃至16における式(109)の添加量は、実施例12が最も多く、実施例番号が大きくなるにつれて減少し、実施例16が最も少ない。
表18より明らかなように、耐オゾンガス性試験において、式(109)の化合物の添加量が最も少ない実施例16であっても、式(109)を併用しない比較例2に対して色素残存率の向上傾向が見られる。この式(109)を添加することにより得られる耐オゾンガス性の向上効果は、実施例15、すなわち式(109)の添加量が、インクの総質量に対して0.5質量%から、特に顕著に観察された。また、最も式(109)の化合物の添加量が多い実施例12は、比較例2に対して、いずれの光沢紙においても色素残存率が極めて大きく、式(109)の化合物を添加することによるアントラピリドン化合物の耐オゾンガス性の向上効果が明確となった。
表20は、7種類の異なるアントラピリドン化合物をそれぞれ用いたものの試験結果である。このうち、各実施例は式(101)で表される化合物として式(109)の化合物を併用し、その添加量を変化させたものであり、各比較例は、式(109)の化合物を含有しないものである。
すなわち、1種類のAP化合物に対して、実施例2つ及び比較例1つの合計3つの試験結果が1組であり、例えば、実施例17、実施例18、及び比較例3は、いずれも同一のAP化合物(化合物No.102−1)を用い、実施例17及び18は式(109)の化合物を添加したもの、比較例3は式(109)を併用しないものである。また、同一のAP化合物を用いた場合、実施例番号の小さい方が式(109)の添加量が多い。すなわち、前記の例としては、実施例17の方が実施例18より式(109)の添加量が多いことを意味し、同一のAP化合物を用いた各組の実施例においても同様である。
表20より明らかなように、式(109)の添加量が少ない実施例18、実施例20、実施例22、実施例24、実施例26、実施例28及び実施例30であっても、式(109)を併用しない、これらの実施例にそれぞれ対応する比較例3乃至9より色素残存率が大きい傾向を示した。また、式(109)の添加量が多い実施例17、実施例19、実施例21、実施例23、実施例25、実施例27及び実施例29の色素残存率は、これらの実施例にそれぞれ対応する比較例3乃至9より極めて大きく、式(109)の化合物を添加することによるアントラピリドン化合物の耐オゾンガス性の向上効果が明確となった。
表21は、前記の通り、試験条件を変えて耐オゾンガス性試験を行ったものの結果である。実施例33、実施例34、及び比較例10は、いずれも同一のAP化合物(化合物No.103−1)を用い、実施例33及び34は式(109)の化合物を添加したもの、比較例3は式(109)を併用しないものである。式(109)の化合物の添加量は、実施例33の方が多い。
表21より明らかなように、式(109)の添加量が少ない実施例34であっても、式(109)を併用しない比較例10より色素残存率が大きい傾向を示した。また、式(109)の添加量が多い実施例33の色素残存率は、比較例10より極めて大きく、式(109)の化合物を添加することによるアントラピリドン化合物の耐オゾンガス性の向上効果が明確となった。
一方、表21中、比較例11乃至16は、前記式(106)、式(102)乃至式(104)に相当しないアントラピリドン化合物を用い、式(109)の化合物を添加したものである。
比較例11乃至13は、いずれも同一のAP化合物として式(13)の化合物を用い、式(109)の化合物の添加量を変化させたものである。これらにおける式(109)の添加量は、比較例11が最も多く、比較例番号が大きくなるにつれて減少し、比較例13が最も少ない。
比較例14乃至16は、いずれも同一のAP化合物として式(14)の化合物を用い、式(109)の化合物の添加量を変化させたものである。これらにおける式(109)の添加量は、比較例14が最も多く、比較例番号が大きくなるにつれて減少し、比較例16が最も少ない。
表21より明らかなように、式(13)及び式(14)のAP化合物を用いたものは、式(109)の化合物を添加しても色素残存率の向上が見られなかった。
この結果から、式(109)の化合物を併用することによるアントラピリドン化合物又はこれを含有するインク組成物により記録された記録物(記録画像)の耐オゾンガス性向上効果は、全てのアントラピリドン化合物に対して有効ではなく、特定の式で表されるアントラピリドン化合物、すなわち、前記式(106)で表される化合物、好ましくは前記式(102)乃至式(104)で表される化合物を用いた時に発揮されることが明確となった。
従って、本発明のインク組成物は、特定のアントラピリドン化合物に、特定のトリアジン化合物を添加することで、耐オゾンガス性に優れる記録画像を与えるインク組成物あることが明らかであり、インクジェット記録用のインクとして極めて優れたものであると言える。

Claims (13)

  1. 少なくとも1種類の下記式(101)で表される化合物又はその塩、及び、少なくとも1種類の下記式(106)で表されるアントラピリドン化合物又はその塩を含有する水性インク組成物、
    Figure 2011184575
    [式(101)中、Zは、アニリノ基;置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ウレイド基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、スルホC1−C6アルコキシ基、カルボキシC1−C6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−C4アルコキシ基より成る群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたアニリノ基;ナフチルアミノ基;又は、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ウレイド基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、スルホC1−C6アルコキシ基、カルボキシC1−C6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−C4アルコキシ基より成る群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたナフチルアミノ基を表し、
    Lは2〜6の整数を表し、pは1〜3の整数を表す。]、
    Figure 2011184575
    [式(106)中、
    1060乃至R1064は、水素原子又は置換基を表すが、全てが水素原子となることは無く、且つ、少なくともいずれか1つはスルホ基、カルボキシ基、ホスホ基、及び4級アンモニウム基から選択される基であるか、又はこれらの基を有する置換基を表す。また、式(106)で表される化合物は、架橋基を介して2量体を形成してもよい。但し、R1063がアリールオキシ基である化合物を除く。]。
  2. 式(106)で表されるアントラピリドン化合物又はその塩が、下記式(102)乃至(104)で表される化合物又はその塩である、請求項1に記載のインク組成物。
    Figure 2011184575
    [式(102)中、
    1021は、スルホ基で置換されたベンゾイル基を表し、
    1022は、C1−C4アルキル基;又は、置換基として、シアノ基、ヒドロキシ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたアルキル基;を表し、
    1023乃至R1025は、それぞれ独立に、水素原子;C1−C12アルキルスルホニル基;カルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルアミノ基により置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;を表し、且つR1023乃至R1025の1つ又は2つはスルホ基を表す。]、
    Figure 2011184575
    [式(103)中、
    1031は、水素原子、又はスルホ基で置換されたベンゾイル基を表し、
    1032は、C1−C4アルキル基;又は、置換基として、シアノ基、ヒドロキシ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたアルキル基;を表し、
    1035は、水素原子又はスルホ基を表し、
    103はヒドロキシ基を表し、
    103は、カルボキシ基で置換されたアニリノ基、又はスルホ基で置換されたアニリノ基を表す。]、
    Figure 2011184575
    [式(104)中、
    1041は、スルホ基で置換されたベンゾイル基を表し、
    1042は、C1−C4アルキル基;置換基として、シアノ基、ヒドロキシ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたアルキル基;を表し、
    104は、下記式(2)乃至(8)で表される基を表し、
    104は、アミノ基;又は、置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基;を表す。]、
    Figure 2011184575
    [式(2)中、nは2乃至8であり、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
    Figure 2011184575
    [式(3)中、R3は水素原子、又はメチル基を表し、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
    Figure 2011184575
    [式(4)中、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
    Figure 2011184575
    [式(5)中、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
    Figure 2011184575
    [式(6)中、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
    Figure 2011184575
    [式(7)中、mは2乃至4であり、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]、
    Figure 2011184575
    [式(8)中、*は異なる2つのトリアジン環との結合部位を表す。]。
  3. 水溶性有機溶剤をさらに含有する請求項1又は2に記載の水性インク組成物。
  4. インクジェット記録用である請求項3に記載の水性インク組成物。
  5. インク組成物中に含有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩の総質量に対して、該化合物中に含まれる無機不純物の含有量が1質量%以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水性インク組成物。
  6. 水性インク組成物の総質量に対して、アントラピリドン化合物又はその塩の含有量が、0.1〜20質量%である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水性インク組成物。
  7. 水性インク組成物の総質量に対して、式(101)で表される化合物の含有量が0.1〜10質量%である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の水性インク組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の水性インク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
  9. 被記録材が、情報伝達用シートである請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 情報伝達用シートが、多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシートである請求項9に記載のインクジェット記録方法。
  11. 請求項1乃至7に記載のインク組成物により着色された着色体。
  12. 請求項8に記載のインクジェット記録方法により着色された着色体。
  13. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンタ。
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