JP2014172694A - グラブバケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】グラブバケットAは、一対のシェル2を有するグラブ1と、シェル2を開閉自在に支持した下部フレーム3と、グラブ1に吊りアーム4を介して連結した上部フレーム5と、上部フレーム5と下部フレーム3との間に配置された中間可動フレーム7と、中間可動フレーム7及び上部フレーム5に配置された滑車50と、各滑車50に巻き掛けられたワイヤロープ8と、下部フレーム3あるいは上部フレーム5等に搭載された流体圧駆動装置10と、流体圧駆動装置10に流体圧を供給する流体圧発生源13と、流体圧駆動装置10に電力を供給するバッテリBTと、を有する。滑車50の少なくとも1つには、滑車50の回転力で駆動されるエネルギー回生装置Bが設けられている。
【選択図】図1
Description
一般に、グラブバケットは、被荷役物を掬うグラブを構成する開閉可能な一対のシェルと、シェルを軸支した下部フレームと、下部フレームの上側に配置され、各シェルと吊りアームを介在して連結された上部フレームと、下部フレームに油圧シリンダを介在して連結された中間可動フレームと、中間可動フレーム及び上部フレームの各滑車に巻き掛けられた吊り下げ兼グラブ開閉用のワイヤロープと、油圧シリンダと、オイル流路を開閉することで油圧シリンダの動作を制御する油圧シリンダ制御手段と、遠隔操作用の無線装置と、電磁バルブ及び無線装置等に電力を供給するバッテリ(蓄電池)と、を備えている。
また、そのバッテリを充電する場合、充電するのに必要な充電時間もかなりかかる。その充電作業中や、または、バッテリ交換作業や、バッテリ切れをした場合は、グラブバケットを使用することができず、浚渫作業を中断しなければならないという問題点があった。
更に、被荷役物の搬送量(掬い取り量)は、被荷役物をシェルで掴む力と、掬い取り時間と、シェルの有効容積とによって決定されるが、シェルの動作は、上述のようにグラブバケットの各構成部品の自重により決定されるため調整できず、また、シェルの有効容積が被荷役物のシェル内付着等により減少したりした場合は、所望の荷役効率が得られないという問題点があった。
図2及び図4(a)に示すように、被荷役物Wは、グラブバケットAのグラブ1によって掬い揚げて搬送される搬送物であって、材質及び形状は特に限定されない。被荷役物Wは、例えば、湾、河川、運河等の底面にある土砂、その他の地上にある土砂、木材チップ、粉粒状鉱石等のバラ物からなる。グラブバケットAで搬送する被荷役物Wは、特に、付着性の高い粉粒状鉱石類、粘土質土類等の付着性を有するものに適している。
図1に示すように、クレーンCは、グラブ1を開放させて被荷役物Wを掬ったグラブバケットAを油圧等の動力手段(図示省略)を用いて吊り上げ、これを水平方向に移動させて運搬する装置であり、その形式等は特に限定されない。つまり、クレーンCは、例えば、浚渫船、クレーン車等に搭載される移動式クレーン、あるいは、固定式クレーンからなり、以下、浚渫船に搭載される場合を例に挙げて説明する。
クレーンCは、浚渫船の上甲板上に旋回可能に設置され、グラブバケットAを吊り揚げる吊りロープ(図示省略)の先端に、グラブバケットAの吊り具81に連結されるフックC1が取り付けられている。
図1に示すように、グラブバケットAは、被荷役物Wを掬うグラブ1を構成する開閉可能な一対のシェル2を備えた搬送装置であり、例えば、クレーンCのフックC1に吊り具81を掛止させて、浚渫作業、荷役作業を行うリモコン単索式グラブバケットからなる。
グラブバケットAは、開閉可能な一対のシェル2を有するグラブ1と、一対のシェル2をそれぞれ回動自在に軸支した下部フレーム3と、左右のシェル2の上部にそれぞれ下端部が連結されて上方に延設された吊りアーム4と、左右の吊りアーム4の上端部に連結された上部フレーム5と、シェル2を開閉駆動させるための油圧シリンダ装置6と、下部フレーム3及び油圧シリンダ61を介在して連結された中間可動フレーム7と、中間可動フレーム7及び上部フレーム5にそれぞれ配置された開閉用滑車71,72及び滑車50と、開閉用滑車71,72及び滑車50に巻き掛けられたワイヤロープ8と、下部フレーム3、上部フレーム5、シェル2あるいは中間可動フレーム7に搭載された流体圧駆動装置10と、流体圧駆動装置10に流体圧を供給する流体圧発生源13と、制御装置9に電力を供給するバッテリBTと、流体圧発生源13及びバッテリBTを駆動及び回生させるエネルギー回生装置Bと、を備えている。
図2に示すように、グラブ1は、被荷役物Wを一対のシェル2で掴むようにして掬い揚げるための部材であり、左右一対のシェル2が、下部フレーム3に設けられた軸部2cを軸支して開閉自在に配置されている。グラブ1は、開放したシェル2を、図1に示すシェル2の開口部2dの開口端を互いに当接させた閉塞状態のときに、被荷役物Wをグラブ1の収容空間1a内に収容し、クレーンCで吊り揚げて運搬船上等に搬送するための部材である。
図1に示すように、シェル2は、グラブ1の半体を形成する左右一対の略容器形状の部材であり、開口部2dを有する略容器形状に形成されている。シェル2は、縦断面視して略多角形(例えば、六角形)に形成され、内壁面2aに複数(例えば、4つ)の角部2eが形成されている。シェル2の内壁面2aには、各角部2e及び開口部2dの内周縁部に突出形成された枠形状の保持部材22と、保持部材22によって内壁面2aに沿って隙間2bを介し張設されたライナ21と、ライナ21とシェル2との間に介在された風船体15とが設けられている。シェル2の上部外面には、下部フレーム3に連結される軸部2cと、吊りアーム4の回動軸4aに連結される軸部(図示省略)と、が設けられている。
隙間2bは、内壁面2aとライナ21との間に形成された風船体設置空間であり、ライナ21を撓み変形し易くするための機能も果たす。内壁面2aからライナ21までの隙間2bの距離は、例えば、風船体15を膨縮させた際に、ライナ21が収容空間1a側及び内壁面2a側に撓んで振動し、ライナ21に付着した被荷役物Wを落下させることができる隙間とする。
軸部2cは、シェル2を下部フレーム3に対して回動自在に軸支する部位であり、シェル2の上端部に設けられている。
開口部2dは、略容器形状に形成されたシェル2の開口縁部であり、爪状保持部材22bと、補強部材24とが設けられている。
角部2eは、シェル2の壁部が折曲形成された部分であり、この角部2eの内壁面2aには、各ライナ21を保持する枠状保持部材22aがそれぞれ突出形成されている。
図1に示すように、流体圧駆動装置10は、圧縮空気または油圧からなる流体圧によって駆動される装置であり、グラブバケットAにおいて、一対のシェル2を開放した際に、グラブ1内のライナ21に付着した被荷役物Wを落下させる付着物除去装置20と、シェル2を開閉駆動させるための油圧シリンダ装置6と、シェル2の開閉速度及びシェル2の掴み力を調整するためのシェル開閉駆動装置100と、からなる。
図5に示すように、付着物除去装置20は、ライナ21とシェル2の内壁面2aとの間の隙間2bに、流体圧発生装置11からの圧縮空気を供給及び遮断することによって膨張及び収縮する風船体15を設け、その風船体15によってライナ21を振動させたり、撓ませたりして、ライナ21に付着した被荷役物Wを払い落す装置である。
この付着物除去装置20は、グラブ1の内壁に沿って配置されたライナ21と、一対のシェル2を開放してグラブ1内の収容空間1aに収容した被荷役物Wを落下させた際に、ライナ21を膨縮あるいは振動させることにより被荷役物Wを払い落す風船体15と、図6に示す流体圧を生成する流体圧発生装置11と、流体圧発生源13で生成した流体圧を風船体15に供給して風船体15を収容空間1a(図4参照)側に膨縮させる流体圧供給管12と、流体圧発生源13から流体圧供給管12を介して風船体15に供給する作動流体を制御する方向制御弁14(制御弁)と、方向制御弁14を制御する制御装置9と、方向制御弁14及び制御装置9に電力を供給する発電機B10と、を備え、下部フレーム3(図1参照)に設置されている。なお、付着物除去装置20で使用する圧力媒体(作動流体)として、以下、圧縮空気を使用した場合を例に挙げて説明する。
各貫通孔2fには、流体圧供給管12の供給口12aが連結されている。
制御装置9は、後記する油圧シリンダ制御部9Aと、エネルギー回生制御部9Bと、流体圧発生装置11を制御する流体制御部9Cとを備え、グラブバケットA全体を制御する装置である。
流体制御部9Cは、受信器91(図1参照)で受信した駆動信号に基づいて、グラブ1の開閉制御を行う油圧シリンダ制御部9Aからのグラブ開閉信号に合わせて、方向制御弁14に電力を供給して起動させ、風船体15に送る作動流体を制御して風船体15を膨張・収縮させる制御部である。
リリーフ弁17は、アキュムレータ16の圧縮空気を大気中に放出したり、圧縮空気の圧力を調整するための安全弁である。
第1チェック弁V1は、圧縮空気がアキュムレータ16側から流体圧発生源13側へ逆流するのを防止する一方向バルブである。
仕切弁V3は、アキュムレータ16と方向制御弁14との間の流路を遮断するための弁である。
方向制御弁14(制御弁)は、流体圧発生源13から供給された圧縮空気を流体圧供給管12を介して風船体15に供給する供給経路14aと、風船体15に供給された圧縮空気を大気中に排出する排出経路14bと、を切り換える切換用の電磁弁である。
調整弁18は、方向制御弁14から流体圧供給管12を介して風船体15に供給される圧縮空気の流量を調整するバルブである。
図6に示すように、シェル開閉駆動装置100は、シェル2の端面上方に延伸された一対のレバー2gに回転自在に軸支されたシリンダ101と、一方がシリンダ101に配管121によって接続され、他方が大気中に開放されたリリーフ弁171と、前記アキュムレータ16から仕切弁V3及び第2チェック弁V2を介して配管141aで接続された方向制御弁141と、一方が方向制御弁141に接続され、他方が配管121を介してシリンダ101に接続された調整弁181と、前記流体圧発生装置11と、前記制御装置9と、を備えている。
図1に示すように、下部フレーム3は、一対のシェル2及び中間可動フレーム7を保持する部材であり、一対のシェル2の上部に設けられている。下部フレーム3には、シェル2の軸部2cを回動自在に軸支する軸3aが設けられている。下部フレーム3には、油圧シリンダ61と、オイルタンクTと、バッテリBTと、油圧シリンダ制御部9A(制御装置9)と、受信器91と、が設置されている。
吊りアーム4は、左右のシェル2を閉閉自在に吊るためのリンク状部材である。吊りアーム4は、下端部に、左右のシェル2の左右上部にそれぞれ回動自在に連結された回動軸4aを有し、上端部に、上部フレーム5の左右下端部に回動自在に連結された上部連結軸4bを有している。
図3に示すように、上部フレーム5は、下部フレーム3の上側に中間可動フレーム7を介在して対向配置された略角筒状部材からなり、ワイヤロープ8が挿通されている。上部フレーム5は、上端部の左右にワイヤロープ8が巻き掛けられてエネルギー回生装置Bを備えた固定滑車51,52が回転自在に配置され、下端部に左右の吊りアーム4が回動自在に連結されている。
図7に示すように、グラブバケットAには、2つの固定滑車51,52と、上下動する2つの開閉用滑車71,72の合計4つの滑車50が設けられている。複数の滑車50のうちの少なくとも1つには、流体圧発生源13またはバッテリBTを(図1参照)回生するエネルギー回生装置Bが設けられている。以下、その一例として、固定滑車51(滑車50)にエネルギー回生装置B(発電機B10及び回転手段B20)を設けた場合を例に挙げて説明する。
図8及び図9に示すように、固定滑車51には、ワイヤロープ8が巻き掛けられた滑車本体50aと、滑車本体50aの中心部に設置された固定軸50bと、固定軸50bの両側を軸支する筐体50cと、滑車本体50aと一体に回転する回転軸50dと、固定軸50bの外周部位と滑車本体50aの内周部位との間に設けられたエネルギー回生装置Bと、が設けられている。固定滑車52は、例えば、一般的な滑車であり、エネルギー回生装置Bを備えていない。
筐体50cは、ワイヤロープ8が巻き掛けられた滑車本体50aの前後左右及び上側を回動自在に覆うカバー部材であり、上部フレーム5に固定されて、下側が開口した金属製箱型部材からなる。筐体50cの前後側面には、固定軸50bを軸支するための軸孔が形成されている。
図9に示すように、回転軸50dは、固定滑車51の回転をクラッチ13b及び回転軸13aを介在して流体圧発生源13に伝達して駆動させる回転伝達軸である。回転軸50dは、一端部側が、滑車本体50a内に固定されると共に筐体50cに回転自在に軸支され、他端側に、クラッチ13bの駆動クラッチ板13dが固定されている。
図1に示すように、エネルギー回生装置Bは、固定滑車51(滑車50)が回転したときの回転力を利用してグラブバケットAに搭載されたバッテリBTと、流体圧発生源13とを回生、駆動させる装置である。
エネルギー回生装置Bは、例えば、シェル2及び下部フレーム3の自重(位置エネルギー)を利用してグラブ1を開口させて、下部フレーム3に油圧シリンダ61を介して連結された中間可動フレーム7が下降したときに、中間可動フレーム7に相対的に移動するワイヤロープ8によって回転する固定滑車51の回転エネルギーを利用して発電機B10及び流体圧発生源13の回転軸13aを駆動させて、バッテリBTを充電すると共に、固定滑車51と一体に回転する回転手段B20(回転軸50d,13a及びクラッチ13b)を介在して回転させて流体圧発生源13を回生、駆動させる装置である。
図6に示すように、制御装置9は、シェル2を開閉させる油圧シリンダ61を制御する油圧シリンダ制御部9Aと、エネルギー回生装置Bを制御するエネルギー回生制御部9Bと、付着物除去装置20及びシェル開閉装置100を制御する流体制御部9Cと、を備えている。
図10に示すように、油圧シリンダ制御部9Aは、受信器91で受信した駆動信号に基づいて、電磁弁66に電力を供給して制御することによりグラブ1の開閉制御を行う制御装置である。
エネルギー回生制御部9Bは、発電機B10のコイルB11の周囲にある磁石B12(図9参照)の回転によってコイルB11に誘導起電力を発生させて、その誘導起電力をバッテリBTに供給して充電させるための蓄電制御装置である。
流体制御部9Cは、図6に示すように、受信器91で受信したグラブ開放信号に基づいて油圧シリンダ制御部9Aによるグラブ1の開放に合わせて、方向制御弁14に電力を供給して起動させて風船体15を膨張・収縮させるのを制御する制御部である。
図8及び図9に示すように、発電機B10は、ワイヤロープ8の移動によって回転する固定滑車51の固定軸50bに設けられた磁石式発電機(「ダイナモ」ともいう)からなり、発電した電力をバッテリBTに充電用として供給する。発電機B10は、例えば、固定軸50bの外周部のボビンB13に巻回されたコイルB11と、このコイルB11の外周部に隙間を介して対向配置され固定滑車51内に固定された磁石B12と、を主に備えたアウターロータ型発電機からなる。
コイルB11は、固定軸50bの外周部に固定されたボビンB13に巻回され、電線Dにより制御装置9を介してバッテリBTに接続されている。
磁石B12は、例えば、コイルB11の外周部に、N極とS極とを交互に円環状に配置したマグネットロータからなり、固定滑車51と同一回転するようにその固定滑車51の中央部側内面に内設させている。
図1に示すように、油圧シリンダ装置6は、左右一対のシェル2を中央側の軸部2cを中心として回動させて開閉駆動させる装置であり、下部フレーム3から上部フレーム5の上方に亘って配置されている。
図10に示すように、油圧シリンダ装置6は、グラブ1(図1参照)を開閉させるための油圧シリンダ61(シリンダ)と、油圧シリンダ61の伸縮によって生じる油圧シリンダ61内の油の増減量を調整するためのオイルタンクTと、オイルタンクTの上部に配置されたエアブリーザ62と、油圧シリンダ61の駆動を制御する油圧回路63と、不図示の運転席の操作盤に配置された信号送信器(図示省略)からの指令信号を受信する受信器91と、この受信器91で受信した指令信号によって駆動する油圧シリンダ制御部9A(制御装置9)と、この油圧シリンダ制御部9Aに接続されたバッテリBTと、前記発電機B10と、を備えている。
図2に示すように、シリンダ部61aの下端部は、下部フレーム3に固定されている。ピストンロッド61cの上端部は、中間可動フレーム7に連結されている。このため、下部フレーム3と中間可動フレーム7とは、油圧シリンダ61を介在して連結されている。
オイルタンクTは、オイルを貯留して閉塞されたタンクからなり、配管61fによってシリンダ部61aの下部側に接続されている。
絞り弁65は、グラブ1の開放時に、シリンダ部61aの上側シリンダ室(ロッド側)から下側シリンダ室(ヘッド側)へ流れるオイルの流量を調節することによって、グラブ1の開放速度を調節可能にしている。
図10に示すように、油圧シリンダ制御部9Aは、電磁弁66の開閉駆動を制御することによって、油圧シリンダ61の動作を制御する制御手段である。油圧シリンダ制御部9Aは、電磁弁66、受信器91及びバッテリBTにそれぞれ電気的に接続されている。
図1に示すように、電線Dは、上端側がコイルB11(図9参照)に接続され、下端側がそのコイルB11から下方に向けて配線されて、下部フレーム3に内設されたバッテリBTに接続されている。
図2に示すように、中間可動フレーム7は、下部フレーム3に対して油圧シリンダ61を介在して連結されて、ピストンロッド61cを一体に上下動する可動部材である。図7に示すように、中間可動フレーム7は、中空部7aを有する角筒形状に形成され、左右側面下方側部位にそれぞれシーブケース73が設置されている。左右のシーブケース73内には、開閉用滑車71,72が回転自在に配置されている。
また、中間可動フレーム7は、上部フレーム5と下部フレーム3との間に配置されて、上部フレーム5に対し、ワイヤロープ8の移動によって相対的に昇降可能に配置されている。図3に示すように、中間可動フレーム7は、両側部に、ワイヤロープ8の両側の端部8a,8bを固定し、ワイヤロープ8を上部フレーム5の固定滑車51,52を介して開閉用滑車71,72にそれぞれ巻き掛けられている。
ワイヤロープ8は、中間可動フレーム7及び上部フレーム5に配置された固定滑車51,52及び開閉用滑車71,72に巻き掛けられて、上方に延長された吊下げ兼グラブ開閉用のワイヤである。開閉用滑車71,72に巻き掛けられて上方に延長されたワイヤロープ8は、図1に示すように、その上端に、クレーンCのフックC1に吊り下げるための吊り具81が配置されている。
なお、吊り具81とフックC1は、クレーンCの吊りワイヤ(図示省略)と、グラブ1とを連結することが可能なものであれば、その形状及び材質は特に限定されない。
次に、図1〜図11を参照しながら本発明の実施形態にグラブバケットの作用を浚渫作業を行う場合を例に挙げて作業工程順に説明する。
下部フレーム3が自重で下降し、シェル2が自重によって回動軸4aを中心として回動して開いた状態で、クレーンCのフックC1に掛止されている。
さらに、作業員は、制御盤(図示省略)を操作して無線信号発信器からシェル2を閉鎖させる指令信号を発信させる。その閉鎖指令信号は、図10に示すアンテナ91aを介して受信器91によって受信されて、油圧シリンダ制御部9A及び流体制御部9Cに送信される。その油圧シリンダ制御部9Aは、電磁弁66に信号を送ってパイロットチェック弁64を閉弁させる。この状態で、油圧シリンダ61はロック状態となり、シリンダ6a、このシリンダ6aの下端に固定された下部フレーム3、及び、中間可動フレーム7はロック状態となる。また、これと同時に、流体制御部9Cは、シェル開閉駆動装置100の方向制御弁141(制御弁)に信号を送って、方向制御弁141を切り換え、アキュムレータ16内の圧縮空気をシリンダ101のヘッド側へ供給する。作業員が、クレーンCを操作して、下部フレーム3、油圧シリンダ61及び中間可動フレーム7を上方に吊り上げると、下部フレーム3に連結したシェル2の軸部2cが上昇し、シェル2の自重に加えてシリンダ101の付勢力によってシェル2が軸部2cを中心として閉鎖方向に回転して、被荷役物Wを掬い揚げて図1及び図4(a)に示す閉塞状態になる。
その結果、コイルB11に誘導起電力が発生し、その誘導起電力が、図1に示すように、電線Dから制御装置9を介してバッテリBTに供給されてバッテリBTが充電される。これにより、位置エネルギーを効率よく使用してバッテリBTを充電することができるため、バッテリ切れを解消させることができると共に、バッテリBTを取り外すなどして充電する作業を解消することもできる。また、流体圧発生源13は、駆動することによって圧縮空気が生成される。
なお、左右のシェル2を回動させてグラブ1を開放させるときの開放角度は、その角度を大きくすることにより、ライナ21に付着した被荷役物Wを自重によって落下し易くすることができる。
このため、被荷役物Wの流動性、粒度等の物性に拘わらず、シェル2の掴み力を調整することで、所定の掬い取り量を、所定の時間内に掬い取ることができる。
また、シェル開閉駆動装置100は、シリンダ101によってシェル2の閉鎖力を増大させることができるので、左右のシェル2をしっかりと完全に閉鎖することができるため、閉鎖したシェル2とシェル2との間から被荷役物Wが落下するのを防止して、被荷役物Wを搬送する搬送効率及び作業効率を向上させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論であり、図12を参照して変形例を説明する。なお、すでに説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
図12は、本発明の実施形態に係るグラブバケットの変形例を示す図であり、シェルの内壁面に設けた付着物除去装置を示すブロック図である。
また、ライナ21は、保持部材をねじやボルト等の締結部材でシェル2の内壁面2aに対して適宜な隙間2bを介して配置してもよい。
また、ライナ21及び風船体15を配置する部位は、シェル2の内壁面2a全体でも、あるいは、被荷役物Wが付着し易い部位のみに設けもよい。
これと同様に、発電機B10は、滑車本体50aと磁石B12との間などに適宜クラッチを介在させて、中間可動フレーム7が上昇したときに駆動、中間可動フレーム7が下降したときに駆動、または、中間可動フレーム7が上昇及び下降したときに充電するようにしてもよい。
1a 収容空間
2 シェル
2a 内壁面
3 下部フレーム
4 吊りアーム
5 上部フレーム
6 油圧シリンダ装置
7 中間可動フレーム
8 ワイヤロープ
9 制御装置
9A 油圧シリンダ制御部
9B エネルギー回生制御部
9C 流体制御部
10 流体圧駆動装置
12 流体圧供給管
13 流体圧発生源(圧縮機)
13a,50d 回転軸
14 方向制御弁14(制御弁)
15 風船体
20,20A 付着物除去装置(流体圧駆動装置)
50 滑車
61 油圧シリンダ(シリンダ)
100 シェル開閉駆動装置(流体圧駆動装置)
101,101A シリンダ
141 方向制御弁(制御弁)
A グラブバケット
B エネルギー回生装置
B10 発電機
B20 回転手段
BT バッテリ
W 被荷役物
Claims (5)
- 開閉可能な一対のシェルを有するグラブと、
前記一対のシェルを開閉自在に支持した下部フレームと、
該下部フレームの上方に配置されて前記グラブに吊りアームを介して連結した上部フレームと、
前記上部フレームと前記下部フレームとの間に配置された中間可動フレームと、
該中間可動フレーム及び前記上部フレームにそれぞれ配置された滑車と、
各滑車に巻き掛けられたワイヤロープと、
前記下部フレーム、前記上部フレーム、前記シェルあるいは前記中間可動フレームに搭載された流体圧駆動装置と、
前記流体圧駆動装置に流体圧を供給する流体圧発生源と、
前記流体圧駆動装置に電力を供給するバッテリと、を備えたグラブバケットであって、
前記複数の滑車のうちの少なくとも1つには、その滑車の回転力を利用して駆動されるエネルギー回生装置が設けられ、
前記エネルギー回生装置は、前記滑車の回転力を利用して駆動されて流体圧を生成する前記流体圧発生源、または、前記滑車の回転力を利用して駆動されて発電された電力で充電される前記バッテリを、回生駆動させることを特徴とするグラブバケット。 - 前記エネルギー回生装置は、前記バッテリを充電する発電機からなり、
前記発電機は、前記中間可動フレームの荷重により、前記ワイヤロープを介して前記滑車が回転されることによって駆動されて発電することを特徴とする請求項1に記載のグラブバケット。 - 前記エネルギー回生装置は、前記流体圧発生源を駆動させる回転手段からなり、
前記回転手段は、前記中間可動フレームの荷重により、前記ワイヤロープを介して前記滑車が回転されることによって駆動される回転軸を備え、
前記流体圧発生源は、前記回転軸によって回転駆動されて流体圧を生成することを特徴とする請求項1に記載のグラブバケット。 - 前記流体圧駆動装置は、前記一対のシェルを開放して前記グラブ内の収容空間に収容した前記被荷役物を落下させる付着物除去装置からなり、
前記付着物除去装置は、前記一対のシェルを開放して前記グラブ内の収容空間に収容した被荷役物を落下させた際に、前記グラブの内壁に沿って配置されて前記被荷役物を払い落すための風船体と、
前記流体圧発生源で生成した流体圧を前記風船体に供給して前記風船体を前記収容空間側に膨縮させる流体圧供給管と、
前記流体圧発生源から前記流体圧供給管を介して前記風船体に供給する流体圧を制御する制御弁と、
前記制御弁を制御する制御装置と、を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のグラブバケット。 - 前記流体圧駆動装置は、前記シェルを開閉駆動させるためのシェル開閉駆動装置からなり、
前記シェル開閉駆動装置は、前記一対のシェルを開閉させるシリンダと、
前記流体圧発生源で生成されて前記シリンダを駆動させる流体圧を制御する制御弁と、
前記制御弁を制御する制御装置と、を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のグラブバケット。
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