JP2014125316A - グラブバケット - Google Patents

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Abstract

【課題】一対のシェルを開放してグラブ内の被荷役物を落下させる際に、被荷役物がグラブの内部に付着するなどして排出されず、残留するのを防止したグラブバケットを提供すること。
【解決手段】グラブバケットAは、被荷役物Wを掬うグラブ1を構成する開閉可能な一対のシェル2を備えている。一対のシェル2は、この一対のシェル2の内壁面2aに沿って配置されたライナ21を備えている。各ライナ21は、一対のシェル2を開放してグラブ1内の収容空間1aに収容した被荷役物Wを落下させた際に、収容空間1a側に弾発力を発生させる弾発部材から形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、湾・河川・運河等の底面を浚って土砂等(被荷役物)を取り去る浚渫工事等を行う際や、木材チップ、粉粒状鉱石、土砂等のバラ物からなる被荷役物を移送する際等に用いられるグラブバケットに関し、特に、グラブの内壁面に沿って配置されたライナを備えたグラブバケットに関する。
従来、そのような浚渫工事や、バラ物等の被荷役物の移送に用いられるグラブバケットとしては、例えば、特許文献1に開示されている単索式グラブバケットが知られている。
特許文献1のグラブバケットは、被荷役物を掬うグラブを構成する開閉可能な一対のシェルと、シェルを軸支した下部フレームと、下部フレームの上側に配置され、各シェルと吊りアームを介在して連結された上部フレームと、下部フレームに油圧シリンダを介在して連結された中間可動フレームと、中間可動フレーム及び上部フレームの各滑車に巻き掛けられた吊り下げ兼グラブ開閉用のワイヤロープと、オイル流路を開閉することで油圧シリンダの動作を制御する油圧シリンダ制御手段と、を備えて構成されている。
グラブバケットで被荷役物を搬送する場合は、グラブバケットをクレーンのロープで吊り下げ、一対のシェルで掬い揚げて浚渫船やダンプカーの荷台に積載する。その作業の際には、グラブを開放し、土砂等の被荷役物を掬い揚げてグラブを閉じ、クレーンでグラブバケットを浚渫船あるいはダンプカーまで移動させる。グラブバケットは、浚渫船あるいはダンプカー上でシェルを開放して被荷役物を落下させ、その後、シェルの開放状態を維持した状態でクレーンで吊上げて元の被荷役物がある場所へ戻す、これらの作業を繰り返して搬送作業が行われる。
特許第3398763号公報(段落0041〜0044、図3)
しかし、特許文献1等に開示されている従来のグラブバケットは、付着性の高い粉粒状鉱石類、粘土質土類等の被荷役物を搬送する際、グラブで掬い揚げた被荷役物がシェルの内壁面に付着し、シェルを開放しても、被荷役物の一部がシェルの内壁面に付着したままで落下しないという不具合が発生する場合がある。
シェルの内壁面に被荷役物が付着したままの場合には、付着した被荷役物分だけグラブの掴み容積が減少し、1回当たりの搬送量が減少して荷役効率が低下したり、また、付着した被荷役物が、シェルを開放しながら移動させているときに落下したりするという問題点があった。
そのような場合、作業中に荷役作業を中断してグラブ内を清掃したり、また、落下した被荷役物が荷役作業所に堆積したり、発塵したりすることがあるので、洗浄作業や、洗浄作業後の水処理や、発塵対策等が不可欠となるため、荷役作業以外のコストが増加するという問題点があった。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、一対のシェルを開放してグラブ内の被荷役物を落下させる際に、被荷役物がグラブの内部に付着するなどして排出されず、残留するのを防止したグラブバケットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るグラブバケットは、被荷役物を掬うグラブを構成する開閉可能な一対のシェルを備えたグラブバケットであって、前記一対のシェルは、当該一対のシェルの内壁面に沿って配置されたライナを備え、前記各ライナは、前記一対のシェルを開放して前記グラブ内の収容空間に収容した前記被荷役物を落下させた際に、前記収容空間側に弾発力を発生させる弾発部材から形成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、グラブバケットは、各シェルの内壁面に、この内壁面に沿って可撓性を有するライナがそれぞれ張設され、一対のシェルで被荷役物を掬うと、被荷役物がライナをシェルの内壁面側に押圧して撓む。シェルを開放したときに、ライナは、押圧していた被荷役物から解放された反力で振動すると共に、付着していた被荷役物の自重によって下方向に引っ張られて撓むことにより、ライナの表面がグラブの中側方向へ膨らむように変形して振れるため、ライナの表面に付着した被荷役物を落下させることができる。
これによりグラブバケットは、シェルを開放した際に、シェルの内壁面に被荷役物が付着せず、グラブ内に残留しなくなった分だけ、被荷役物の排出時間を短縮して排出性を向上させることができると共に、グラブの掴み容積を増大させて荷役効率を向上させることができる。また、シェルを開放しながら移動させるときに、シェル内に付着した被荷役物が落下するのを解消することができる。
その結果、作業中に荷役作業を中断してグラブ内を清掃するのを解消したり、また、落下した被荷役物が荷役作業所に堆積したり、発塵したりするのを低減させることができると共に、洗浄作業や、洗浄作業後の水処理や、発塵対策等を簡略化させて、荷役作業以外のコストの低減を図ることができる。
また、前記各内壁面には、前記各ライナを保持する複数の保持手段が突設され、前記各ライナは、前記複数の保持手段によって前記内壁面との間に隙間を介してそれぞれ張設されていることが好ましい。
かかる構成によれば、グラブバケットは、各シェルの内壁面との間に隙間を介してライナが張設されていることにより、その隙間があることで、ライナが撓んだり、揺動したりし易くなるので、シェルを開放した際に、ライナに付着した被荷役物が自重によってライナを引っ張って撓ませることができる。このため、グラブバケットは、そのライナが撓んだときに、その反動で付着していた被荷役物を落下させることができる。
また、前記複数の保持手段は、前記一対のシェルを開放して前記グラブ内の収容空間に収容した前記被荷役物を落下させた際に、前記各ライナが当該各ライナに付着していた前記被荷役物の自重によって引っ張られることで撓む可撓性材料から形成されていることが好ましい。
かかる構成によれば、保持手段は、シェルを開放した際に、ライナが当該ライナに付着していた被荷役物の自重によって引っ張られることで撓む可撓性材料から形成されていることにより、保持手段が撓む分だけライナが撓む撓量を大きくして、被荷役物をライナから落下し易くすることができる。
また、前記各隙間には、前記各ライナを押圧するゴム部材、ばね部材、あるいは、風船体からなる押圧部材が介在されていることが好ましい。
かかる構成によれば、各隙間に介在される押圧部材は、各ライナを押圧するゴム部材、ばね部材、あるいは、風船体からなることにより、ライナに負荷がかかった際に、ライナを変形させる弾性を有するため、その弾性でライナを変形させて付着していた被荷役物を落下させることができる。
また、前記風船体は、当該風船体を膨縮させる圧力媒体を生成する圧力媒体発生装置で生成された圧力媒体が供給される圧力媒体供給管が連通されていることが好ましい。
かかる構成によれば、風船体は、圧力媒体発生装置で生成された圧力媒体を圧力媒体供給管を介して供給したり、停止したりすることにより、ライナを風船体を介在して圧力媒体によって膨縮させることができるため、ライナに付着していた被荷役物を落下させることができる。
また、前記圧力媒体発生装置は、前記圧力媒体を生成するための圧力媒体発生源と、前記圧力媒体発生源から供給された前記圧力媒体を前記圧力媒体供給管を介して前記風船体に供給する供給経路と、前記風船体に供給された前記圧力媒体を排出する排出経路と、を切り換える方向制御弁と、を備えていることが好ましい。
かかる構成によれば、圧力媒体発生装置は、圧力媒体発生源で生成した圧力媒体を、方向制御弁の供給経路と排出経路とに切り換えて供給することにより、風船体を膨張させたり収縮させたりして、ライナを風船体で断続的に押圧して振動させることができるため、ライナに付着していた被荷役物を剥離させて落下させることができる。
また、グラブバケットは、前記一対のシェル内の前記ライナに付着した前記被荷役物を除去する付着物除去装置を備え、付着物除去装置が、圧力媒体発生源からの圧力媒体を方向制御弁によって前記供給経路から前記風船体内に供給して膨張させる膨張工程と、前記方向制御弁によって前記風船体内の圧力媒体を前記排出経路から排出させて前記風船体を収縮させる収縮工程と、を繰り返して前記ライナを振動させることが好ましい。
かかる構成によれば、グラブバケットは、ライナに付着した被荷役物を除去する付着物除去装置を備え、付着物除去装置が風船体内に圧力媒体を供給して膨張させる膨張工程と、風船体を収縮させる収縮工程と、を繰り返してライナを振動させることによって、シェル内のライナに付着した被荷役物を振るい落とすことができる。
本発明に係るグラブバケットは、一対のシェルを開放してグラブ内の被荷役物を落下させた際に、被荷役物がシェルの内壁に付着したままになるのを抑制して落下させることができるので、被荷役物の搬送効率を向上させることができると共に、被荷役物が落下することにより、環境に対して悪影響を及ぼすことを抑制することができる。
本発明の実施形態に係るグラブバケットの一例を示す一部断面を有する概略正面図である。 本発明の実施形態に係るグラブバケットの概略右側面図である。 図1に示すグラブバケットのシェルを開放させて下降させたときの状態を示す一部断面を有する概略正面図である。 本発明の実施形態に係るグラブバケットの吊りロープの一例を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態に係るグラブバケットの滑車に取り付けたエネルギー回生装置の一例を示す図であり、(a)は、滑車の中央部縦断面図、(b)は(a)のX−X断面図である。 本発明の実施形態に係るグラブバケットを開閉させる油圧機構を示す油圧回路図である。 (a)はシェルで被荷役物を掬ったときの状態を示す要部縦拡大断面図、(b)はシェルを開放したときの状態を示す要部拡大縦断面図である。 本発明の実施形態に係るグラブバケットの変形例を示す図であり、シェルを開放したときの状態を示す要部拡大縦断面図である。 本発明の実施形態に係るグラブバケットの変形例を示す図であり、付着物除去装置を示すブロック図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施形態に係るグラブバケットのその他の変形例を示すシェルの要部拡大断面図である。
以下、図1〜図7を参照しながら本発明の実施形態に係るグラブバケットを説明する。なお、本発明のグラブバケットAは、正面視して略左右対称に形成されているため、そのどちらか一方側を説明して他方側の説明を適宜省略する。グラブバケットAを説明する前に、図1及び図7(a)を参照し、そのグラブバケットAによって搬送される被荷役物Wと、クレーンCについて説明する。
≪被荷役物の構成≫
図7(a)に示すように、被荷役物Wは、グラブバケットAのグラブ1によって掬い揚げて搬送される搬送物であって、材質及び形状は特に限定されない。被荷役物Wは、例えば、湾、河川、運河等の底面にある土砂、その他の地上にある土砂、木材チップ、粉粒状鉱石等のバラ物からなる。グラブバケットAで搬送する被荷役物Wは、特に、付着性の高い粉粒状鉱石類、粘土質土類等の付着性を有するものに適している。
≪クレーンの構成≫
図1に示すように、クレーンCは、グラブ1を開放させて被荷役物Wを掬ったグラブバケットAを油圧等の動力手段(図示省略)を用いて吊り上げ、これを水平方向に移動させて運搬する装置であり、その形式等は特に限定されない。つまり、クレーンCは、例えば、浚渫船、クレーン車等に搭載される移動式クレーン、あるいは、固定式クレーンからなり、以下、浚渫船に搭載される場合を例に挙げて説明する。
クレーンCは、浚渫船の上甲板上に旋回可能に設置され、グラブバケットAを吊り揚げる吊りロープ(図示省略)の先端に、グラブバケットAの吊り具81に連結されるフックC1が取り付けられている。
≪グラブバケットの構成≫
図1に示すように、グラブバケットAは、被荷役物Wを掬うグラブ1を構成する開閉可能な一対のシェル2を備えた搬送装置であり、例えば、クレーンCのフックC1に吊り具81を掛止させて、浚渫作業、荷役作業を行うリモコン単索式グラブバケットからなる。
グラブバケットAは、開閉可能な一対のシェル2を有するグラブ1と、一対のシェル2をそれぞれ回動自在に軸支した下部フレーム3と、左右のシェル2の上部にそれぞれ下端部が連結されて上方に延設された吊りアーム4と、左右の吊りアーム4の上端部に連結された上部フレーム5と、シェル2を開閉駆動させるためのシェル開閉駆動装置6と、下部フレーム3及び油圧シリンダ61を介在して連結された中間可動フレーム7と、中間可動フレーム7及び上部フレーム5の各固定滑車51,52及び開閉用滑車71,72に巻き掛けられたワイヤロープ8と、油圧シリンダ61を制御する油圧シリンダ制御部9A(制御装置9)と、エネルギー回生装置Bと、を備えている。
≪グラブの構成≫
図3に示すように、グラブ1は、被荷役物Wを一対のシェル2で掴むようにして掬い揚げるための部材であり、左右一対のシェル2が、下部フレーム3に設けられた軸部2cを軸支して開閉自在に配置されている。グラブ1は、図3に示すように開放したシェル2を、図1に示すシェル2の開口部2dの開口端を互いに当接させた閉塞状態のときに、被荷役物Wをグラブ1の収容空間1a内に収容し、クレーンCで吊り揚げて運搬船上等に搬送するための部材である。
≪シェルの構成≫
図1に示すように、シェル2は、グラブ1の半体を形成する左右一対の略容器形状の部材であり、開口部2dを有する略容器形状に形成されている。シェル2は、縦断面視して略多角形(例えば、六角形)に形成され、内壁面2aに複数(例えば、4つ)の角部2eが形成されている。シェル2の内壁面2aには、各角部2e及び開口部2dの内周縁部に突出形成された枠形状の保持部材22(保持手段)と、保持部材22によって内壁面2aに沿って隙間2bを介し張設されたライナ21と、が設けられている。シェル2は、例えば、ステンレス鋼等によって形成されている。
内壁面2aは、略全面に亘って複数のライナ21が張設されている。内壁面2aの形状は、ライナ21を張設できる形状であれば、特にその形状は限定されない。
隙間2bは、内壁面2aとライナ21との間に形成された空間であり、ライナ21を撓み変形し易くするために形成されている。内壁面2aからライナ21までの隙間2bの距離は、例えば、一対のシェル2を開放してグラブ1内の収容空間1aに収容した被荷役物Wを落下させた際に、収容空間1a側に弾発力を発生させる変形可能な範囲、または、ライナ21に付着した被荷役物Wが自重で落下するときに下方に引っ張られて変形する撓み量程度あればよい。
軸部2cは、シェル2を下部フレーム3に対して回動自在に軸支する部位であり、シェル2の上端部に設けられている。
開口部2dは、略容器形状に形成されたシェル2の開口縁部であり、爪状保持部材22bと、補強部材24とが設けられている。
角部2eは、シェル2の壁部が折曲された部分であり、この角部2eの内壁面2aには、各ライナ21を保持する枠状保持部材22aがそれぞれ突出形成されている。
<ライナの構成>
図1に示すように、ライナ21は、一対のシェル2で被荷役物Wを掬った際に、被荷役物Wに押圧されて撓んだり、一対のシェル2を開放した際に、被荷役物Wが落下することにより、被荷役物Wの荷重で押圧されていたライナ21がその荷重から解放されて振動したり、このとき、ライナ21に付着していた被荷役物Wの自重によって引っ張られて撓んだりする可撓性材料から形成されたライナプレートである。図2に示すように、ライナ21は、例えば、シート状の弾発性を有する耐摩耗性のゴム板からなり、横長の矩形に形成されている。被荷役物Wが当接するライナ21の表面は、摩擦抵抗が小さく形成されて、被荷役物Wが付着し難く形成されていることが好ましい。図1に示すように、ライナ21が、矩形の枠状の保持部材22によって、内壁面2aとの間に隙間2bを介して、外周部が固定されて張設されている。
<保持部材の構成>
保持部材22(保持手段)は、各ライナ21の外周部を保持する枠状部材であり、例えば、シェル2の内壁面2aの角部2eからシェル2内側に向けて突設されている。保持部材22は、例えば、一対のシェル2を開放した際に、各ライナ21が各ライナ21に付着していた被荷役物Wの自重によって引っ張られることで、ライナ21に引っ張られて撓む可撓性材料から形成された保持突起からなる。保持部材22は、例えば、角部2eに配置された枠状保持部材22aと、開口部2dの内縁に配置された爪状保持部材22bと、から形成されている。
≪下部フレームの構成≫
図1に示すように、下部フレーム3は、一対のシェル2及び中間可動フレーム7を保持する部材であり、一対のシェル2の上部に設けられている。下部フレーム3には、シェル2の軸部2cを回動自在に軸支する軸3aが設けられている。下部フレーム3には、油圧シリンダ61と、オイルタンクTと、バッテリBTと、油圧シリンダ制御部9A(制御装置9)と、受信機91と、が設置されている。
≪吊りアームの構成≫
吊りアーム4は、左右のシェル2を回動自在に吊るためのリンク状部材である。吊りアーム4は、下端部が、左右のシェル2の左右上部にそれぞれ回動自在に連結された回動軸4aを有し、上端部に、上部フレーム5の左右下端部に回動自在に連結されている。
≪上部フレームの構成≫
図2に示すように、上部フレーム5は、下部フレーム3の上側に中間可動フレーム7を介在して対向配置された略角筒状部材からなり、ワイヤロープ8が挿通されている。上部フレーム5は、上端部の左右にワイヤロープ8が巻き掛けられてエネルギー回生装置Bを備えた固定滑車51,52が回転自在に配置され、下端部に左右の吊りアーム4が回動自在に連結されている。
図4に示すように、固定滑車51,52(滑車50)は、上部フレーム5内に回転自在に配置された一対のプーリであり、逆U字状に垂れ下がったワイヤロープ8の上端部にそれぞれ巻き掛けられている。固定滑車51,52のうちの少なくとも何れか、または、後記する開閉用滑車71,72の何れかには、エネルギー回生装置Bが設けられている。以下、その一例として、固定滑車51(滑車50)にエネルギー回生装置Bを設けた場合を例に挙げて説明する。
固定滑車51,52は、グラブ1(図2参照)の開閉によりワイヤロープ8の移動に伴って同一回転するプーリであり、上部フレーム5の前後部位に対向配置されている。
図5(a)、(b)に示すように、固定滑車51には、ワイヤロープ8が巻き掛けられた滑車本体50aと、滑車本体50aの中心部に設置された軸部50bと、軸部50bの両側を軸支する筐体50cと、軸部50bの外周部位と滑車本体50aの内周部位との間に設けられたエネルギー回生装置Bと、が設けられている。固定滑車52は、例えば、一般的な滑車であり、エネルギー回生装置Bを備えていない。
軸部50bは、滑車本体50aと、この滑車本体50aと共に回転する磁石B3及びボビンB4と、を回転自在に支持する円柱形状の固定軸からなり、左右両端部が左右一対の筐体50cに軸支されている。
筐体50cは、ワイヤロープ8が巻き掛けられた滑車本体50aの前後左右及び上側を回動自在に覆うカバー部材であり、上部フレーム5に固定されて、下側が開口した金属製箱型部材からなる。筐体50cの前後側面には、軸部50bを軸支するための軸孔が形成されている。
≪エネルギー回生装置の構成≫
図1に示すように、エネルギー回生装置Bは、固定滑車51(滑車50)が回転したときの回転力を利用してグラブバケットAに搭載されたバッテリBT等の動力源を回生させる装置である。エネルギー回生装置Bは、例えば、シェル2及び下部フレーム3の自重を利用してグラブ1を開口させて、下部フレーム3に油圧シリンダ61を介して連結された中間可動フレーム7が下降したときに、中間可動フレーム7に相対的に移動するワイヤロープ8によって回転する固定滑車51の回転エネルギーを利用して、発電機B1を作動させて電気エネルギーに変換してバッテリBTを充電する装置である。
図5(a)、(b)に示すように、エネルギー回生装置Bは、固定滑車51に設けられた発電機B1と、発電機B1(コイルB2)からエネルギー回生制御部9B(図6参照)を介してバッテリBTに接続する電線Dと、バッテリBTの充電を制御するエネルギー回生制御部9B(制御装置9)と、を備えている。エネルギー回生装置Bは、特に、グラブ1(シェル2)の荷重と下部フレーム3の荷重によって固定滑車51を回動させるときの慣性力(位置エネルギー)を利用して発電機B1を駆動させて発電させる装置である。
<制御装置の構成>
図6に示すように、制御装置9は、油圧シリンダ制御部9Aと、エネルギー回生制御部9Bと、を備えている。
油圧シリンダ制御部9Aは、後記する電磁弁66等の各電気機器に電力を供給するのを制御する装置である。
エネルギー回生制御部9Bは、発電機B1のコイルB2の周囲にある磁石B3の回転によってコイルB2に誘導起電力を発生させて、その誘導起電力をバッテリBTに供給して充電させるための蓄電制御装置である。
<発電機の構成>
図5(a)、(b)に示すように、発電機B1は、ワイヤロープ8の移動によって回転する固定滑車51の軸部50bに設けられた磁石式発電機(「ダイナモ」ともいう)からなり、発電した電力をバッテリBTに充電用として供給する。発電機B1は、例えば、軸部50bの外周部のボビンB4に巻回されたコイルB2と、このコイルB2の外周部に隙間を介して対向配置され固定滑車51内に固定された磁石B3と、を主に備えたアウターロータ型発電機からなる。
コイルB2は、軸部50bの外周部に固定されたボビンB5に巻回され、電線Dにより制御装置9を介してバッテリBTに接続されている。
磁石B3は、例えば、コイルB2の外周部に、N極とS極とを交互に円環状に配置したマグネットロータからなり、固定滑車51と同一回転するようにその固定滑車51の中央部側内面に内設させている。
なお、発電機B1は、固定滑車51の回転を利用して発電するものであれば、その構造は特に限定されず、例えば、前記したのとは逆に、コイルが磁石を囲むように配置するインナーロータ型であっても構わない。
≪シェル開閉駆動装置の構成≫
図1に示すように、シェル開閉駆動装置6は、左右一対のシェル2を上端部の軸部2cを中心として回動させて開閉駆動させる装置であり、下部フレーム3から上部フレーム5の上方に亘って配置されている。
図6に示すように、シェル開閉駆動装置6は、グラブ1(図1参照)を開閉させるための油圧シリンダ61と、油圧シリンダ61及び油圧回路に油を供給、または、余剰油を吸収するためのオイルを貯留するオイルタンクTと、オイルタンクTの上部に配置されたエアブリーザ62と、油圧シリンダ61の駆動を制御する油圧回路63と、不図示の運転席の操作盤に配置された信号送信器(図示省略)からの指令信号を受信する受信機91と、この受信機91で受信した指令信号によって駆動する油圧シリンダ制御部9A(制御装置9)と、この油圧シリンダ制御部9Aに接続されたバッテリBTと、前記発電機B1と、を備えて構成されている。
油圧シリンダ61は、シリンダ部61aと、シリンダ部61a内に往復運動可能に収納されたピストン61bと、ピストン61bに連結され、シリンダ部61aの上端から出入り自在に突出したピストンロッド61cと、を備えて構成されている。
図3に示すように、シリンダ部61aの下端部は、下部フレーム3に固定されている。ピストンロッド61cの上端部は、中間可動フレーム7に連結されている。このため、下部フレーム3と中間可動フレーム7とは、油圧シリンダ61を介在して連結されている。
エアブリーザ62は、オイルタンクT内の油面の上下動に伴ってオイルタンクTに侵入する空気をろ過して、オイルにゴミ等が入らないようにするものであり、給油口としての機能も果たす。
オイルタンクTは、オイルを貯留して閉塞されたタンクからなり、配管61fによってシリンダ部61aの下部側に接続されている。
油圧回路63は、シリンダ部61aの上側シリンダ室(ロッド側)に接続された配管61dと、シリンダ部61aの下側シリンダ室(ヘッド側)に接続された配管61eと、配管61d,61eに直列に接続されたパイロットチェック弁64と、パイロットチェック弁64に対して直列に接続された絞り弁65及びパイロットチェック弁64の開閉を制御する電磁弁66と、を備えている。
パイロットチェック弁64は、油圧シリンダ61のピストン61bの上側シリンダ室から下側シリンダ室に向かって流れるオイルの流入を規制するバルブである。
絞り弁65は、グラブ1の開放時に、シリンダ部61aの上側シリンダ室から下側シリンダ室へ流れるオイルの流量を調節することによって、グラブ1の開放速度を調節可能にしている。
また、パイロットチェック弁64は、電磁弁66により開閉され、パイロットチェック弁64の閉弁時に、シリンダ部61a内の上側シリンダ室内のオイルを堰き止めて油圧シリンダ61が下降するのを抑止し、パイロットチェック弁64の開弁時に、油圧シリンダ61内の下側シリンダ室へのオイルの流入が配管61eを介して可能となり、油圧シリンダ61がフリーの状態となる。
≪油圧シリンダ制御部の構成≫
図6に示すように、油圧シリンダ制御部9Aは、電磁弁66の開閉駆動を制御することによって、油圧シリンダ61の動作を制御する制御手段である。油圧シリンダ制御部9Aは、電磁弁66、受信機91及びバッテリBTにそれぞれ電気的に接続されている。
受信機91は、運転室内の無線信号発信器(図示省略)から発信された指令信号を受信する無線信号受信装置であり、その指令信号(無線信号)を受信することで、油圧シリンダ制御部9Aから油圧シリンダ61を駆動させる駆動信号を油圧回路63の電磁弁66に送り、油圧シリンダ61を駆動させてシェル2を開放させる。受信機91は、無線信号発信器(図示省略)からの電波を受信するアンテナ91aを備えている。
バッテリBTは、充電可能な蓄電池からなり、電線Dを介してエネルギー回生装置BのコイルB2(発電機B1)に接続されている。バッテリBTは、シェル2を回動させてグラブ1を開閉させた際に、コイルB2がワイヤロープ8の移動で固定滑車51と共に磁石B3が回転することによって、誘導起電力が発生して電流が流れ、この電流で充電されるように構成されている。
図1に示すように、電線Dは、上端側がコイルB2(図5(b)参照)に接続され、下端側がそのコイルB2から下方に向けて配線されて、下部フレーム3に内設されたバッテリBTに接続されている。
≪中間可動フレームの構成≫
図3に示すように、中間可動フレーム7は、下部フレーム3に対して油圧シリンダ61を介在して連結されて、ピストンロッド61cを一体に上下動する可動部材である。図4に示すように、中間可動フレーム7は、中空部7aを有する角筒形状に形成され、左右側面下方側部位にそれぞれシーブケース73が設置されている。左右のシーブケース73内には、開閉用滑車71,72が回転自在に配置されている。
また、中間可動フレーム7は、上部フレーム5に対し、ワイヤロープ8の移動によって相対的に昇降可能に配置されている。図6に示すように、中間可動フレーム7は、両側部に、ワイヤロープ8の両側の端部8a,8bを固定し、ワイヤロープ8を上部フレーム5の固定滑車51,52を介して開閉用滑車71,72にそれぞれ巻き掛けられている。
≪ワイヤロープの構成≫
ワイヤロープ8は、中間可動フレーム7及び上部フレーム5に配置された固定滑車51,52及び開閉用滑車71,72に巻き掛けられて、上方に延長された吊下げ兼グラブ開閉用のワイヤである。開閉用滑車71,72に巻き掛けられて上方に延長されたワイヤロープ8は、図1に示すように、その上端に、クレーンCのフックC1に吊り下げるための吊り具81が配置されている。
なお、吊り具81とフックC1は、クレーンCの吊りワイヤ(図示省略)と、グラブ1とを連結することが可能なものであれば、その形状及び材質は特に限定されない。
≪作用≫
次に、図1〜図7を参照しながら本発明の実施形態にグラブバケットの作用を浚渫作業を行う場合を例に挙げて作業工程順に説明する。
不図示の運転席の作業者は、制御盤(図示省略)を操作してクレーンCを駆動させ、図1に示すグラブバケットAを汚染防止枠(図示省略)上に配置させる。その後、ウインチ等を駆動させて吊りロープを下降させる。図3に示すように、初期状態のとき、グラブ1は、シェル2が開いた状態で、クレーンCのフックC1に掛止されている。
シェル2が開いた状態でクレーンCの吊りロープを下降させ、グラブ1を被荷役物W上に着床させる。さらに、クレーンCの吊りロープを下降させると、ワイヤロープ8が下げ方向に緩み、中間可動フレーム7の自重により、油圧シリンダ61の、ピストンロッド61c及びピストン61bをヘッド側へ中間可動フレーム7が、下部フレーム3に接触するまで押下する。油圧シリンダ61は、パイロットチェック弁64を、電磁弁66によって開弁させない限りロック状態となる。グラブ1での被荷役物Wの掬い取り動作は、油圧シリンダ61を、前記の状態でロックしたまま、ワイヤロープ8をクレーンCで上昇方向に引き上げると、下部フレーム3が、中間可動フレーム7と共に上部に引き上げられ、下部フレーム3に回転自在に固定されたシェル2の自重によって、シェル2が吊りアーム4の下端の回動軸4aを中心として回転し、シェル2を閉じる方向に回動させ、被荷役物Wを掬い取る。
次に、作業員は、クレーンCで運搬船上までグラブバケットAを移動させ、制御盤(図示省略)を操作して、無線信号発信器からシェル2を開放させる指令信号を発信させる。その開放指令信号は、図6に示すアンテナ91aを介して受信機91によって受信され、油圧シリンダ制御部9Aに送信される。その油圧シリンダ制御部9Aは、電磁弁66に駆動信号を送って、パイロットチェック弁64を開弁させる。すると、油圧シリンダ61の上部側(ロッド側)シリンダ室のオイルが配管61dから絞り弁65を通って配管61e、下側シリンダ室側(ヘッド側)へ流れる。
このため、油圧シリンダ61は、フリーな状態となり、図3に示すように、数トンの重さがあるシェル2、下部フレーム3及び、被荷役物Wの自重によって、シェル2が吊りアーム4の下端の回動軸4aを中心として回動し、油圧シリンダ61のシリンダ部61aがピストン61b及びピストンロッド61cに対して下降し、下部フレーム3に軸支されたシェル2を開放させる。電磁弁66の励磁は、例えば、タイマ、圧力スイッチ等を用いることでシェル2の開放後自動的に切れるよう設定されている。
このように、一連の作業工程では、グラブ1が開閉する際には、ワイヤロープ8が移動する。図5(a)、(b)に示すように、例えば、ワイヤロープ8が下方向(矢印b方向)に送り出されると、固定滑車51,52も同方向(矢印d方向)に回転し、これに伴って、磁石B3が、コイルB2の周囲を固定滑車51と同一回転する。その結果、コイルB2に誘導起電力が発生し、その誘導起電力が、図1に示すように、電線Dから制御装置9を介してバッテリBTに供給されてバッテリBTが充電される。これにより、位置エネルギーを効率よく使用してバッテリTBを充電することができるため、バッテリ切れを解消させることができると共に、バッテリBTを取り外して充電する作業を解消することもできる。
特に、固定滑車51は、中間可動フレーム7が数トンの重さがある自重によって下方向に移動したときに、ワイヤロープ8の固定端側が下方向(矢印a方向)に引き下げられて、右方向(矢印c方向)に回転するので、慣性力(位置エネルギー)を有効活用してバッテリBTを充電させることができる。
掬い取った被荷役物Wは、シェル2を閉じた状態でクレーンCで吊り上げて旋回させることによりグラブバケットAを運搬船上に移動させる。
このとき、被荷役物Wは、図7(a)の二点鎖線で示すように、自重により当接しているライナ21を内壁面2a側に押圧して撓んだ状態にある。
この状態で、前記同様に、グラブバケットAのシェル2を開放させて、グラブ1内の被荷役物Wを運搬船上に落下させる。図7(b)に示すように、シェル2の開放時には、被荷役物Wによって内壁面2a側に押圧されて撓んでいたライナ21が、被荷役物Wの荷重から解放される反力でグラブ1の収容空間1a側に反動するように振動すると共に、ライナ21の収容空間1a側の表面に付着していた被荷役物Wが自重によって落下するときに、二点鎖線で示すように下方向(矢印f方向)に引張られて撓み、振動する。
なお、ライナ21は、このライナ21とシェル2の内壁面2aとの間に隙間2bがあって、振動し易い状態に配置されているため、グラブ1の開放時に振動して被荷役物Wを振り落とし易く設けられている。また、左右のシェル2を回動させてグラブ1を開放させるときの開放角度(内部摩擦角)は、その角度を大きくすることにより、ライナ21に付着した被荷役物Wを自重によって落下し易くすることができるので、角度が大きいことが望ましい。
このため、ライナ21の表面に付着していた被荷役物Wは、粘着性があったとしても、ライナ21の収容空間1a側方向及び外側方向に撓むように振動するので、その振動によって下方向(矢印f方向)に振り落とされる。その結果、グラブ1は、シェル2を開放すると、被荷役物Wがグラブ1の内壁面2aに付着して残留することを解消して、グラブ1内の全ての被荷役物Wを所望位置に落下させて排出させることができる。また、被荷役物Wは、グラブ1内において、ライナ21が振動することによって、ライナ21の表面に付着しないため、流動性が向上されて、グラブ1外へ排出され易くなる。
このようなことから、グラブバケットAは、クレーンCで引き上げて、被荷役物Wがある海底方向側へ移動させて戻す際に、シェル2の内壁面2aやライナ21に被荷役物Wが付着しないので、移動の途中に被荷役物Wが船上やその周辺に落下して散乱するのを抑制することができる。
また、グラブバケットAは、グラブ1内に被荷役物Wが残留しないので、残留した被荷役物Wによって収容空間1aの容積が減少するのを防止することができるため、常に、収容空間1aの容積を最大状態に維持して被荷役物Wの搬送量が低下するのを抑制することができると共に、効率よく搬送することができるので、搬送時間及び荷役作業時間も短縮することができる。
≪変形例≫
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論であり、図8及び図9を主に参照して変形例を説明する。なお、すでに説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
図8は、本発明の実施形態に係るグラブバケットの変形例を示すシェルの要部拡大縦断面図である。図9は、本発明の実施形態に係るグラブバケットの変形例を示す図であり、シェルの内壁面に設けた付着物除去装置を示すブロック図である。
前記実施形態では、ライナ21の一例として、図1に示すように、シェル2の内壁面2aに隙間2bを介して板状の耐摩耗性のゴム部材からなるものを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図8及び図9に示すように、例えば、ライナ21とシェル2Aの内壁面2Aaとの間の隙間2Abに、圧力媒体発生装置11からの圧縮空気の供給及び遮断によって膨張及び収縮する風船体15を設けて、風船体15によってライナ21を振動させたり、撓ませたりして、ライナ21に付着した被荷役物Wを払い落す付着物除去装置10を設けても構わない。
この場合、図9に示すように、付着物除去装置10は、前記風船体15と、圧力媒体を生成する圧力媒体発生装置11と、圧力媒体を風船体15に供給する圧力媒体供給管12と、前記発電機B1とを備え、下部フレーム3(図1参照)に設置されている。なお、圧力媒体とは、例えば、圧縮空気あるいはオイル等の圧力流体であり、以下、圧縮空気の場合を例に挙げて説明する。
図8に示すように、風船体15は、各ライナ21の背面側に配置されてそれぞれのライナ21を押圧する押圧部材23であり、風船形状の厚板状ゴム部材からなる。風船体15は、この風船体15に供給された圧力媒体の供給及び排出が行われる出入口15aを有している。出入口15aは、各ライナ21に対向配置された内壁面2Aaにそれぞれ穿設された貫通孔2Afに内嵌されている。
各貫通孔2Afには、圧力媒体供給管12の供給口12aが連結されている。
図9に示すように、圧力媒体発生装置11は、圧縮空気を生成して風船体15内に供給したり、その供給を停止(または排出)したりする装置である。圧力媒体発生装置11は、圧力媒体の発生源である圧力媒体発生源13と、圧力媒体発生源13を駆動させるモータMと、モータMを制御する制御装置9と、モータMに電力を供給するバッテリBTと、圧力媒体発生源13から第1チェック弁V1を介して配管で接続されたアキュムレータ16と、一方がアキュムレータ16に配管によって接続され、他方が大気中に開放されたリリーフ弁17と、アキュムレータ16から仕切弁V3及び第2チェック弁V2を介して配管で接続された方向制御弁14と、一方が方向制御弁14に接続され、他方に圧力媒体供給管12が接続された調整弁18と、一方が排出経路14b、第3チェック弁V4を介してアキュムレータ16に接続され、他端側が風船体15に連通された圧力媒体供給管12と、を備えている。
圧力媒体発生源13は、例えば、レシプロ式の圧縮機からなり、クラッチ13aを介してモータMに接続されて、モータMの回転を利用して駆動される。
モータMは、例えば、モータ軸にクラッチ13aを有している。
制御装置9は、前記油圧シリンダ制御部9Aと、前記エネルギー回生制御部9Bと、圧力媒体発生装置11を制御する圧力媒体制御部9Cとを備え、グラブバケットA全体を制御する装置である。
圧力媒体制御部9Cは、グラブ1を開閉制御を行う油圧シリンダ制御部9Aからのグラブ開放信号に合わせて、方向制御弁14に電力を供給して起動させて風船体15を膨張・収縮させたり、バッテリBTの電流をモータMに供給して圧力媒体発生源13を起動させる制御を行ったりする制御部である。
アキュムレータ16は、圧力媒体発生源13によって加圧された圧縮空気を貯める空気溜めである。
リリーフ弁17は、アキュムレータ16の圧縮空気を大気中に放出したり、圧縮空気の圧力を調整するための安全弁である。
第1チェック弁V1は、圧縮空気がアキュムレータ16側から圧力媒体発生源13側へ逆流するのを防止する一方向バルブである。
仕切弁V3は、アキュムレータ16と方向制御弁14との間の流路を遮断するための弁である。
第2チェック弁V2は、方向制御弁14側からアキュムレータ16側へ圧縮空気が逆流するのを防止する一方向バルブである。
第3チェック弁V4は、アキュムレータ16側からの圧縮空気が風船体15側へ逆流するのを防止する一方向バルブである。
方向制御弁14は、圧力媒体発生源13から供給された圧縮空気を圧力媒体供給管12を介して風船体15に供給する供給経路14aと、風船体15に供給された圧縮空気を第3チェック弁V4を介してアキュムレータ16に送る排出経路14bと、を切り換える切換用の電磁弁である。
調整弁18は、方向制御弁14から圧力媒体供給管12を介して風船体15に供給される圧縮空気の流量を調整するバルブである。
このように構成されたグラブバケットA1は、ライナ21の背面側に、ライナ21を押圧して撓ませたり、振動させたりする風船体15と、風船体15に圧縮空気を供給及び遮断する圧力媒体発生装置11と、を有する付着物除去装置10を備えていることによって、グラブ1Aの内壁のライナ21に被荷役物Wが付着しても、振り落とすことができる。
≪その他の変形例≫
図10(a)〜(e)は、本発明の実施形態に係るグラブバケットのその他の変形例を示すシェルの要部拡大断面図である。
例えば、図10(a)に示すグラブバケットA2のように、ライナ21Bは、適宜な本数の金属製の補強用芯材21Baを水平方向等に沿って適宜な間隔で内設させたものであっても構わない。このようにすれば、ライナ21Bの強度を向上させることができる。
また、図10(b)に示すグラブバケットA3のように、ライナ21Cは、波状でない平板状のゴム製板材から形成し、保持部材22Cでピンと張った状態に張設したものであってもよい。また、保持部材22Cは、矩形のライナ21Cが載置される矩形の枠状基台22Caと、この枠状基台22Caにライナ21Cを介在して配置される矩形の保持枠22Cbと、保持枠22Cb及び枠状基台22Caをシェル2に固定する締結部材22Ccと、からなるものであっても構わない。
このようにすれば、ライナ21Cをシェル2に容易に取り付けてしっかりと固定することができる。
また、図10(c)に示すグラブバケットA4のように、ライナ21Dは、比較的硬質な材料からなる第1層部材21Daと、この第1層部材21Daのシェル2側に貼設されて第1層部材21Daよりも弾性を有する厚い材料からなる第2層部材21Dbと、で形成してもよい。
この場合、第1層部材21Daは、低摩擦係数で滑性があり、被荷役物Wが付着し難い材料で形成する。第1層部材21Daは、鏡面粗さが密で滑性がある薄板状のステンレス鋼板等の金属製薄板材、あるいは、フッ素樹脂等の滑性の優れた樹脂板材からなる。
第2層部材21Dbは、第1層部材21Daの裏面側に接着されて弾性を有する材料で形成し、裏面側をシェル2の内壁面2aに接着される。第2層部材21Dbは、例えば、特殊ポリオレフィン発泡体、ゴムライクポリエチレン等の高反発性及び高弾性を有し、形状復元性の高い材料から形成され、押圧部材23としての機能を果たす。
このようにすれば、ライナ21Dは、表面の第1層部材21Daに被荷役物Wが付着し難く、第1層部材21Daが被荷役物Wによって押圧されれば、第2層部材21Dbが凹むことに伴って表面側の第1層部材21Daが撓んだり、振動したりするようになる。
また、図10(d)に示すグラブバケットA5のように、ライナ21Eは、シェル2の内壁面2aに隙間2b(間隔)を介して張設してあれば、内壁面2aに対して平行間隔に配置したものでなくてもよい。
また、保持部材22Eは、ねじやボルト等の締結部材であってもよい。保持部材22Eは、ライナ21Eをシェル2の内壁面2aに対して適宜な隙間2bを介して配置してあれば、全ての角部2eの内側に設ける必要はない。図10(d)に示すように、保持部材22Eは、1つ置きの角部2eに設けてもよい。
また、前記隙間2b内には、中空部23Ebを有する押圧部材23Eを、ライナ21Eと内壁面2aとの間に介在させたものでもよい。押圧部材23Eは、例えば、縦断面視して略三角形に形成され、その内部に、圧縮空気によって膨らんだ中空部23Ebを有する密閉状態の袋体23Eaからなる。
また、押圧部材23Eは、ゴムあるいはスポンジ等の弾性体で形成してもよい。
このようにすれば、ライナ21Eが、内壁面2aに平行間隔で沿ってないので、シェル2の形状の自由度を向上させることができる。
また、図10(e)に示すグラブバケットA6のように、シェル2Fは、内壁面2Faが曲面形状のものであっても構わない。また、ライナ21Fは、全体を内壁面2Faに接着して固定したものであっても構わない。
この場合は、ライナ21Fは、第1層部材21Faと第2層部材21Fbとから二層構造に形成して、シェル2Fの内壁面2Faに接着する。このため、ライナ保持部材22Fは、少なくとも、シェル2Fの開口部2Fdの内縁部にあれば、それ以外の場所にはなくても構わない。
このようにすれば、ライナ21Fは、あらゆる形状のシェル2Fの内壁面2Faに対応させて設置させることができる。
また、図10(a)〜(e)に示す変形例以外に次のような変形例も考えられる。
例えば、ライナ21は、少なくとも、シェル2を開放して被荷役物Wを落下した際に、ライナ21の収容空間1a側の表面が振動するものであればよく、その材質、形状、厚さ等は特に限定されない。
また、前記変形例では、各隙間2bに、各ライナ21を押圧する押圧部材23としての風船体15を設けたことを説明したが、押圧部材23は、ゴム部材やばね部材でよい。
また、ライナ21は、被荷役物Wが落下する際に、押し返す弾発性があるもの、あるいは、振動する弾性があるものであれば、弛んだ状態に設けたものであってもよい。
1,1A グラブ
2,2A,2F シェル
2a,2Aa,2Fa 内壁面
2b,2Ab 隙間
10 付着物除去装置
11 圧力媒体発生装置
12 圧力媒体供給管
13 圧力媒体発生源
14 方向制御弁
14a 供給経路
14b 排出経路
15 風船体
21,21B,21C,21D,21E,21F ライナ
22,22C,22E 保持部材(保持手段)
23,23E 押圧部材
A,A1,A2,A3,A4,A5,A6 グラブバケット
W 被荷役物

Claims (7)

  1. 被荷役物を掬うグラブを構成する開閉可能な一対のシェルを備えたグラブバケットであって、
    前記一対のシェルは、当該一対のシェルの内壁面に沿って配置されたライナを備え、
    前記各ライナは、前記一対のシェルを開放して前記グラブ内の収容空間に収容した前記被荷役物を落下させた際に、前記収容空間側に弾発力を発生させる弾発部材から形成されていることを特徴とするグラブバケット。
  2. 前記各内壁面には、前記各ライナを保持する複数の保持手段が突設され、
    前記各ライナは、前記複数の保持手段によって前記内壁面との間に隙間を介してそれぞれ張設されていることを特徴とする請求項1に記載のグラブバケット。
  3. 前記複数の保持手段は、前記一対のシェルを開放して前記グラブ内の収容空間に収容した前記被荷役物を落下させた際に、前記各ライナが当該各ライナに付着していた前記被荷役物の自重によって引っ張られることで撓む可撓性材料から形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のグラブバケット。
  4. 前記各隙間には、前記各ライナを押圧するゴム部材、ばね部材、あるいは、風船体からなる押圧部材が介在されていることを特徴とする請求項2に記載のグラブバケット。
  5. 前記風船体は、当該風船体を膨縮させる圧力媒体を生成する圧力媒体発生装置で生成された圧力媒体が供給される圧力媒体供給管が連通されていることを特徴とする請求項2に記載のグラブバケット。
  6. 前記圧力媒体発生装置は、前記圧力媒体を生成するための圧力媒体発生源と、
    前記圧力媒体発生源から供給された前記圧力媒体を前記圧力媒体供給管を介して前記風船体に供給する供給経路と、前記風船体に供給された前記圧力媒体を排出する排出経路と、を切り換える方向制御弁と、
    を備えていることを特徴とする請求項5に記載のグラブバケット。
  7. 前記一対のシェル内の前記ライナに付着した前記被荷役物を除去する付着物除去装置を備え、
    前記付着物除去装置は、前記圧力媒体発生源で生成した圧力媒体を前記方向制御弁によって前記供給経路から前記風船体内に供給して膨張させる膨張工程と、
    前記方向制御弁によって前記風船体内の圧力媒体を前記排出経路から排出させて前記風船体を収縮させる収縮工程と、
    を繰り返して前記ライナを振動させることを特徴とする請求項6に記載のグラブバケット。
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