本実施形態に係る複合機1(画像形成装置)は、電子写真方式に基づいて記録紙に画像を形成する画像形成装置であり、図1及び図2に示すように、画像読取装置2、画像形成部4、操作表示部5、制御部6、通信部7及び画像データ記憶部8を備える。複合機1は、制御部6による制御の下、外部から所定の時間指示を受け付けなかった場合に、必要最低限の構成要素にのみ電力を供給するスリープモードに移行する機能を有する。
操作表示部5は、操作表示制御部51、ハードウェアキーである操作キー52及びソフトウェアキーや各種画像を表示するLCDタッチパネル53を備えている。操作表示制御部51は、制御部6による制御の下で、上記操作キー52及びLCDタッチパネル53を制御する制御装置である。
操作キー52は、図3に示すように、ハードウェアキーとして操作表示部5に物理的に備えられたものであり、例えば、電源キー52A、スタートキー52B、ストップ/クリアキー及びテンキー(数値入力キー)等がある。上記電源キー52Aは、複合機1がスリープモードになっている場合に、複合機1をスリープモードから通常モードに復帰させる指示を受け付けるための操作キーである。また、上記スタートキー52Bは、コピー等の実行指示を受け付けるための操作キーである。
画像読取装置2は、図1、図2及び図4(A)に示すようにADF(Automatic document feeder:自動原稿送り装置)20及び読取部30から構成されている。画像読取装置2は、ADF20により搬送される原稿MSまたは読取部30上に載置された原稿MSを、制御部6から入力される制御信号に基づき読み取る。当該読み取りにより得られた原稿画像データは、画像データ記憶部8に記憶される。
ADF20は、読取部30の上面にヒンジ等によって開閉可能に設けられ、原稿給紙トレイ22に載置された複数枚の原稿MSを1枚ずつ繰り出して、原稿画像の読取位置に搬送する。また、ADF20は、読取部30上に載置された原稿MSを読み取る場合に原稿押さえカバーとして機能する。ADF20は、図4(A)に示すようにプラテンカバー21、原稿給紙トレイ22、原稿セット検出部23、ピックアップローラー24、搬送ローラー25、レジストローラー26、排紙ローラー27、原稿排紙トレイ28及びADF開閉検出部29を備える。
原稿セット検出部23は、原稿給紙トレイ22にセットされた原稿MSの先端を検出し、その検出結果を示す検出信号を制御部6に出力する。
レジストローラー26と排紙ローラー27との間には、図4(A)に示すように読取用開口部OPが形成されている。読取用開口部OPは、帯状の開口であって、ADF20の底部、つまり読取部30の流し読みの位置の対向部に副走査方向(原稿搬送方向)に所定幅で設けられている。ADF20によって搬送される原稿MSの表面は、当該読取用開口部OPにおいて読取部30に向けて露出する。
原稿排出トレイ28は、排紙ローラー27から供給された原稿MSを収容する収容部である。ADF開閉検出部29は、ADF20が原稿押さえカバーとして開状態であるか閉状態であるかを検出し、検出信号を制御部6に出力する。
読取部30は、図4(A)、図4(B)及び図5に示すように、第1のプラテンガラス31(原稿台)、第2のプラテンガラス32(原稿台)、白色基準板33、キャリッジ34、集光レンズ36、CCD(Charge Coupled Device)センサー37、キャリッジ検出部38を備えている。読取部30は、ADF20により搬送された原稿MS、またはユーザーにより第2のプラテンガラス32上に載置された原稿MSを読み取る。
白色基準板33は、第1のプラテンガラス31と第2のプラテンガラス32との間に設けられた白色板である。白色基準板33は、シェーディング補正時に読み取られ、読み取られた画像データが白色基準データとしてシェーディング補正に用いられる。
キャリッジ34は、光源であるLED(Light Emitting Diode)34Aと、原稿MSにより反射された読取光をCCDセンサーに向けて反射する複数のミラーとを備えている。また、キャリッジ34は、レールに沿って副走査方向に往復移動可能に設けられている。キャリッジ34には、図4(b)に示すように、主走査方向の一方(奥側)の端に遮光板34Bが設けられている。遮光板34Bは、後述するキャリッジ検出部38(PI(Photo Interrupter)センサー)によってキャリッジ34の位置を検出するために設けられたものである。遮光板34Bは、キャリッジ検出部38において上下方向に対向するように設けられた発光部38Aと受光部38Bとの間をキャリッジ34による移動に伴って通過するように設けられている。
キャリッジ34は、様々な位置に移動する。例えば、キャリッジ34は、スリープモードに移行する際、図5に示すキャリッジ34のホームポジションHPに移動する。
また、キャリッジ34は、第2のプラテンガラス32上に載置された原稿MSを読み取る場合には、原稿MSの主走査方向のサイズを読み取るために、図5に示す原稿サイズ読取位置SPに移動する。原稿サイズ読取位置SPは、ホームポジションHPよりもキャリッジ34の副走査方向における右方向(往動方向)に位置する。
その後、キャリッジ34は、一度ホームポジションHPに戻った後に、原稿MSを読み取るため、第2のプラテンガラス32の下方において副走査方向の右方向に移動しつつ原稿MSに向けて読取光を照射する。この結果、原稿MSから順次得られる読取光は、キャリッジ34の複数のミラーに反射され、集光レンズ36に入射する。
また、キャリッジ34は、ADF20から原稿MSが搬送された場合には、図5に示す流し読み位置RPに移動する。つまり、キャリッジ34は、ADF20により搬送された原稿MSを読み取る場合には、第1のプラテンガラス31の下方に固定される。
集光レンズ36は、上記ミラーから入射する読取光を集光してCCDセンサー37の受光面に結像させる。CCDセンサー37は、受光した読取光を電気信号に光電変換する。
キャリッジ検出部38は、上述したホームポジションHPと原稿サイズ読取位置SPとの間かつキャリッジ34に設けられた遮光板34Bの奥側に設けられている。キャリッジ検出部38は、発光部38Aと受光部38Bとが上下に対向するように設けられたPIセンサーである。キャリッジ検出部38は、キャリッジ34の移動に伴って発光部38Aと受光部38Bとの間を通過する遮光板34Bを検出し、検出結果を示す検出信号を制御部6に出力する。例えば、キャリッジ検出部38は、遮光板34Bが発光部38Aと受光部38Bとの間に位置している場合には、検出信号としてオン状態の信号を出力し、一方、遮光板34Bが発光部38Aと受光部38Bとの間から外れて位置している場合には、オフ状態の信号を出力する。キャリッジ検出部38は、キャリッジ34がホームポジションHPに位置する場合には、オン状態の信号を制御部6に出力する。また、キャリッジ34がホームポジションHPと原稿サイズ読取位置SPとの間の予め定められた位置より原稿サイズ読取位置SP側の位置にあるとき、キャリッジ検出部38は、オフ状態の信号を制御部6に出力する。
図6に示すように、画像形成部4は、給紙カセットから取り出した記録紙Pに画像データに基づくトナー画像を画像形成する。
通信部7は、電話回線を介して外部の複合機1あるいはファクシミリ装置、またLAN(Local Area Network)を介してクライアントコンピューター等と通信を行う。
制御部6は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びインターフェイス回路等から構成されている。この制御部6は、上記ROMに記憶された各種演算制御プログラムに基づいて各種の演算処理を行うと共に各部と通信を行うことにより複合機1の全体動作を制御する。詳細については後述するが、制御部6は、各種の制御処理の一環として、スリープモードからの復帰時にイニシャライズ処理(初期化処理)を行う。
次に、このように構成された複合機1の動作について図7〜図13を参照して説明する。例えば、原稿MSをコピーしようとするユーザーは、複合機1がスリープモードになっている場合、複合機1をスリープモードから通常モードに復帰させるために、電源キー52Aを押下する。
ここで、制御部6は、スリープモードから通常モードに復帰するに際して、以下の特徴的な処理を行う。まず、制御部6は、電源キー52Aが押下されることによって復帰指示を受け付けたか否か判定する(ステップS1)。制御部6は、復帰指示を受け付けていない場合(ステップS1においてNOの場合)、ステップS1の処理に戻る。
一方、制御部6は、復帰指示を受け付けた場合(ステップS1においてYESの場合)、スリープモードから通常モードに復帰するためのイニシャライズ処理を実行するが、キャリッジ34を停止させたままイニシャライズ処理を実行する(ステップS2)。つまり、制御部6は、イニシャライズ処理を実行する際に、キャリッジ34を停止させたままとする。なお、キャリッジ34は、スリープモード中に、振動等によって移動していなければ、図13(A−1)及び(A−2)に示すように、ホームポジションHPに位置している。
このように、本実施形態では、スリープモードからの復帰時のイニシャライズ処理において、キャリッジ34をホームポジションHPに移動する処理(ホーミング)を行わないので、イニシャライズ処理に要する時間を短縮できる。
続いて、上記イニシャライズ処理を完了すると、LCDタッチパネル53にイニシャライズ処理が完了した旨を表示させ、通常モードで待機する(ステップS3)。
そして、制御部6は、スタートキー52Bが押下されることによってコピー指示(読み取り指示)を受け付けたか否か判定する(ステップS4)。制御部6は、コピー指示を受け付けた場合(ステップS4においてYESの場合)、ADF20の原稿セット検出部23から入力される検出信号に基づいてADF20の原稿給紙トレイ22に原稿MSがセットされたか否か判定する(ステップS5)。
制御部6は、ADF20の原稿給紙トレイ22に原稿MSがセットされている場合(ステップS5においてYESの場合)、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態であるか否か判定する(ステップS6)。制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態である場合(ステップS6においてYESの場合)、つまり、キャリッジ34に設けられた遮光板34Bがキャリッジ検出部38によって検出されている場合、キャリッジ34を原稿サイズ読取位置SPに向けて右方向(往動方向)への移動を開始させる(ステップS7)。
キャリッジ34が原稿サイズ読取位置SPに向けて移動すると、やがてキャリッジ検出部38から出力される信号がキャリッジ34の検出信号から不検出信号に切り替わる。このキャリッジ検出部38から出力される信号がキャリッジ34の検出信号から不検出信号に切り替わる時点において、キャリッジ34は、ホームポジションHPと原稿サイズ読取位置SPとの間の予め定められた位置にある。このため、制御部6は、キャリッジ34の位置を特定することができるので、スリープモードからの復帰時のイニシャライズ処理において、キャリッジ34をホームポジションHPに移動(ホーミング)させる処理を省いた場合であっても、キャリッジ34を、原稿サイズ読取位置SPや流し読み位置RPに移動させることができる。
そして、制御部6は、キャリッジ34が予め定められた距離移動したとき、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になった否か判定する(ステップS8)。ここで、予め定められた距離とは、ホームポジションHPから、キャリッジ検出部38から出力される検出信号がオン状態からオフ状態に切り替わる予め定められた位置までの距離である。キャリッジ34は、スリープモード中に振動等によって移動していなければ、ホームポジションHPに位置している。この場合、キャリッジ検出部38からはオフ状態の検出信号が出力される。一方、スリープモード中における振動等により、ホームポジションHPからキャリッジ34が移動している場合、キャリッジ34が予め定められた距離移動したときであっても、キャリッジ検出部38からはオフ状態の検出信号が出力される可能性がある。
制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になった場合(ステップS8においてYESの場合)、つまり、キャリッジ34に設けられた遮光板34Bがキャリッジ検出部38によって検出されない位置まで移動した場合、キャリッジ34を引き続き副走査方向の右方向に移動させて、キャリッジ34の読取ラインRLが原稿サイズ読取位置SPまで移動するとキャリッジ34の移動を停止させる(ステップS9)。制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態からオフ状態になったタイミング(図13(B−1)及び(B−2)参照)を基準として、駆動源であるステッピングモーターのパルス数に基づき、キャリッジ34の読取ラインRLが図13(C−1)及び(C−2)に示す原稿サイズ読取位置SPに到達する時点を特定することができるため、キャリッジ34を原稿サイズ読取位置SPで停止させることができる。
続いて、制御部6は、キャリッジ34を原稿サイズ読取位置SPから流し読み位置RPに向けて左方向(復動方向)への移動を開始させる。キャリッジ34の読取ラインRLが流し読み位置RPまで移動するとキャリッジ34の移動を停止させる(ステップS10)。制御部6は、原稿サイズ読取位置SPを基準として、駆動源であるステッピングモーターのパルス数に基づき、キャリッジ34の読取ラインRLが図13(D−1)及び(D−2)に示す流し読み位置RPに到達する時点を特定することができるため、キャリッジ34を流し読み位置RPで停止させることができる。
そして、制御部6は、ステップS10の処理に続いて、ADF20に順次原稿MSを搬送させるとともに、ADF20によって搬送された原稿MSを読取部30に読み取らせる処理を行う(ステップS11)。制御部6は、全ての原稿MSの読み取りが完了すると、キャリッジ34の読取ラインRLをホームポジションHPに移動させる(ステップS12)。制御部6は、流し読み位置RPを基準として、駆動源であるステッピングモーターのパルス数に基づき、キャリッジ34の読取ラインRLが図13(A−1)及び(A−2)に示すホームポジションHPに到達する時点を特定することができるため、キャリッジ34をホームポジションHPで停止させることができる。
その後、制御部6は、外部から所定の時間指示を受け付けないことでスリープモードに移行するか否か判定する(ステップS13)。制御部6は、スリープモードに移行しないと判断した場合(ステップS13においてNOの場合)、上述したステップS4の処理に戻る。一方、制御部6は、スリープモードに移行すると判断した場合(ステップS13においてYESの場合)、スリープモードに移行して処理を終了する。
一方、制御部6は、上述したステップS6の処理において、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態でない場合(ステップS6においてNOの場合)、つまり、遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間から外れて位置している場合、第1のキャリッジ位置確認処理(図11参照)を実行する。つまり、キャリッジ検出部38によって遮光板34Bが検出されるまで左方向に移動(復動)させることとキャリッジ検出部38によって遮光板34Bが検出されなくなるまで右方向に移動(往動)させることを繰り返して、キャリッジ34の位置情報を補正する。
最初に、制御部6は、上記第1のキャリッジ位置確認処理において、遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間から外れるように位置している(キャリッジ検出部38の右側に位置している)キャリッジ34に副走査方向の左方向への移動を開始させる(ステップS61)。続いて、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態(遮光板34Bが発光部38Aと受光部38Bとの間に位置している状態)になったか否か判定する(ステップS62)。
制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態になっていない(オフ状態のままである)場合(ステップS62においてNOの場合)、ステップS62の処理に戻り、検出信号がオン状態になるまでキャリッジ34を副走査方向の左方向に継続して移動させる。一方、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態になった場合(ステップS62においてYESの場合)、キャリッジ34を副走査方向の右方向に移動を開始させる(ステップS63)。
続いて、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態(遮光板34Bが発光部38Aと受光部38Bとの間から外れて位置している状態)になったか否か判定する(ステップS64)。制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になっていない(オン状態のままである)場合(ステップS64においてNOの場合)、ステップS64の処理に戻り、検出信号がオフ状態になるまでキャリッジ34を副走査方向の右方向に継続して移動させる。一方、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になった場合(ステップS64においてYESの場合)、キャリッジ34を副走査方向の左方向に移動を開始させる(ステップS65)。
続いて、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態になったか否か判定する(ステップS66)。制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態になっていない(オフ状態のままである)場合(ステップS66においてNOの場合)、ステップS66の処理に戻り、検出信号がオン状態になるまでキャリッジ34を副走査方向の左方向に継続して移動させる。一方、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態になった場合(ステップS66においてYESの場合)、キャリッジ34を副走査方向の右方向に移動を開始させる(ステップS67)。
続いて、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になったか否か判定する(ステップS68)。制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になっていない(オン状態のままである)場合(ステップS68においてNOの場合)、ステップS68の処理に戻り、検出信号がオフ状態になるまでキャリッジ34を副走査方向の右方向に移動を継続する。一方、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になった場合(ステップS68においてYESの場合)、キャリッジ34の位置情報を補正する。つまり、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態からオフ状態になったタイミングでの駆動源であるステッピングモーターのパルス数を記憶する(ステップS69)。
一方、制御部6は、上述したステップS8の処理において、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態でない場合(ステップS8においてNOの場合)、つまり、キャリッジ34を所定距離移動させてもキャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態にならなかった場合には、スリープモード復帰時に、キャリッジ34がホームポジションHPにいなかったことになるので、第2のキャリッジ位置確認処理(図12参照)を実行する。つまり、キャリッジ検出部38によってキャリッジ34が検出されなくなるまで右方向に移動(往動)させることとキャリッジ検出部38によって遮光板34Bが検出されるまで左方向に移動(復動)させることとを繰り返して、キャリッジ34の位置情報を補正する。
まず、制御部6は、上記第2のキャリッジ位置確認処理において、遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間に位置しているキャリッジ34を副走査方向の右方向に移動を開始させる(ステップS71)。続いて、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態(遮光板34Bが発光部38Aと受光部38Bとの間から外れて位置している状態)になったか否か判定する(ステップS72)。
制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になっていない(オン状態のままである)場合(ステップS72においてNOの場合)、ステップS72の処理に戻り、検出信号がオフ状態になるまでキャリッジ34を副走査方向の右方向に継続して移動させる。一方、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になった場合(ステップS72においてYESの場合)、キャリッジ34を副走査方向の左方向に移動を開始させる(ステップS73)。
続いて、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態(遮光板34Bが発光部38Aと受光部38Bとの間に位置している状態)になったか否か判定する(ステップS74)。制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態になっていない(オフ状態のままである)場合(ステップS74においてNOの場合)、ステップS74の処理に戻り、検出信号がオン状態になるまでキャリッジ34を副走査方向の左方向に継続して移動させる。一方、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態になった場合(ステップS74においてYESの場合)、キャリッジ34を副走査方向の右方向に移動を開始させる(ステップS75)。
続いて、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になったか否か判定する(ステップS76)。制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になっていない(オン状態のままである)場合(ステップS76においてNOの場合)、ステップS76の処理に戻り、検出信号がオフ状態になるまでキャリッジ34を副走査方向の右方向に移動を継続する。一方、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になった場合(ステップS76においてYESの場合)、キャリッジ34の位置情報を補正、つまり、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態からオフ状態になったタイミングでの駆動源であるステッピングモーターのパルス数を記憶する(ステップS77)。
一方、制御部6は、上述したステップS5の処理において、ADF20の原稿給紙トレイ22に原稿MSがセットされていない場合(ステップ5においてNOの場合)、図8に示すように、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態(遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間に位置している状態)であるか否か判定する(ステップS21)。
制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態である場合(ステップS21においてYESの場合)、キャリッジ34を原稿サイズ読取位置SPに向けて副走査方向の右方向に移動を開始させる(ステップS22)。そして、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態(遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間から外れて位置している状態)になった否か判定する(ステップS23)。
制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になった場合(ステップS23においてYESの場合)、キャリッジ34を引き続き副走査方向の右方向に移動させて、キャリッジ34が原稿サイズ読取位置SPまで移動するとキャリッジ34の移動を停止させる(ステップS24)。例えば、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態からオフ状態になったタイミング(図13(B−1)及び(B−2)参照)を基準に、駆動源であるステッピングモーターのパルス数に基づいて、キャリッジ34が図13(C−1)及び(C−2)に示す原稿サイズ読取位置SPまで移動したことを判断する。
続いて、制御部6は、CCDセンサー37から画像データ記憶部8に出力された画像データに基づいて原稿サイズの検知処理を行う(ステップS25)。制御部6は、原稿サイズの検知処理が完了すると、キャリッジ34をホームポジションHPに移動させる(ステップS26)。例えば、制御部6は、原稿サイズ読取位置SPを基準に、図示しないキャリッジ駆動モーターのパルス数に基づいて、キャリッジ34が図13(A−1)及び(A−2)に示すホームポジションHPまで移動したことを判断する。
制御部6は、上記ステップS26の処理の後に、第2のプラテンガラス32上の原稿MSを読み取る処理を行う(ステップS27)。つまり、キャリッジ34は、原稿MSを読み取るために、第2のプラテンガラス32の下方において副走査方向の右方向に移動しながら原稿MSに向けて光を照射する。
一方、制御部6は、上述したステップS21の処理において、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態でない場合(ステップS21においてNOの場合)、つまり、遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間から外れて位置している場合、第1のキャリッジ位置確認処理(図11参照)を実行する。また、制御部6は、上述したステップS23の処理において、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態でない場合(ステップS23においてNOの場合)、つまり、遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間に位置している場合、第2のキャリッジ位置確認処理(図12参照)を実行する。
一方、制御部6は、上述したステップS4の処理において、コピー指示を受け付けてない場合(ステップ4においてNOの場合)、ADF開閉検出部29からの検出信号に基づいて、図9に示すように、原稿押さえカバーとして機能するADF20が開状態となっているか否か判定する(ステップS31)。制御部6は、原稿押さえカバーとしてADF20が開状態となっている場合(ステップS31においてYESの場合)、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態(遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間に位置している状態)であるか否か判定する(ステップS32)。
制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態である場合(ステップS32においてYESの場合)、キャリッジ34を原稿サイズ読取位置SPに向けて副走査方向の右方向に移動を開始させる(ステップS33)。そして、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態(遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間から外れて位置している状態)になった否か判定する(ステップS34)。
制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になった場合(ステップS34においてYESの場合)、キャリッジ34を引き続き副走査方向の右方向に移動させる。キャリッジ34が原稿サイズ読取位置SPまで移動するとキャリッジ34の移動を停止させる(ステップS35)。例えば、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態からオフ状態になったタイミング(図13(B−1)及び(B−2)参照)を基準に、駆動源であるステッピングモーターのパルス数に基づいて、キャリッジ34が図13(C−1)及び(C−2)に示す原稿サイズ読取位置SPまで移動したことを判断する。
続いて、制御部6は、ADF開閉検出部29からの検出信号に基づいて、原稿押さえカバーとして機能するADF20が閉状態となっているか否か判定する(ステップS36)。制御部6は、原稿押さえカバーとしてADF20が閉状態となっていない(開状態のままである)場合(ステップS36においてNOの場合)、ステップS36の処理に戻り、ADF20が閉状態となるまで待機する。一方、制御部6は、原稿押さえカバーとしてADF20が閉状態となっている場合(ステップS36においてYESの場合)、読み取った画像データに基づいて原稿サイズの検知処理を行う(ステップS37)。
制御部6は、原稿サイズの検知処理が完了すると、キャリッジ34をホームポジションHPに移動させる(ステップS38)。
制御部6は、上記ステップS38の処理の後に、スタートキー52Bが押下されることによってコピー指示(読み取り指示)を受け付けたか否か判定する(ステップS39)。制御部6は、コピー指示を受け付けてない場合(ステップS39においてNOの場合)、ステップS39の処理に戻り、コピー指示を受け付けるまで待機する。一方、制御部6は、コピー指示を受け付けた場合(ステップS39においてYESの場合)、キャリッジ34を現在の位置から副走査方向の右方向に移動させて第2のプラテンガラス32上の原稿MSを読み取る処理を行う(ステップS40)。つまり、制御部6は、第2のプラテンガラス32上の原稿MSを読み取る直前に、キャリッジ34をホームポジションHPに移動する処理を行わない。なお、スリープモード中に振動等によって移動していなければ、キャリッジ34は、第2のプラテンガラス32上の原稿MSを読み取る際、図13(A−1)及び(A−2)に示すように、ホームポジションHPに位置している。
このように、本実施形態では、第2のプラテンガラス32上の原稿MSを読み取る際に、キャリッジ34をホームポジションHPに移動する処理を行わないので、原稿MSの読み取り開始までの時間を短縮できる。
一方、制御部6は、上述したステップS32の処理において、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態でない場合(ステップ32においてNOの場合)、つまり、遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間から外れて位置している場合、第1のキャリッジ位置確認処理(図11参照)を実行する。また、制御部6は、上述したステップS34の処理において、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態でない場合(ステップS34においてNOの場合)、つまり、遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間に位置している場合、第2のキャリッジ位置確認処理(図12参照)を実行する。
一方、制御部6は、原稿押さえカバーとしてADF20が開状態となっていない場合(ステップ31においてNOの場合)、ADF20の原稿セット検出部23から入力される検出信号に基づいてADF20の原稿給紙トレイ22に原稿MSがセットされたか否か判定する(ステップS51)。
制御部6は、ADF20の原稿給紙トレイ22に原稿MSがセットされている場合(ステップS51においてYESの場合)、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態(遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間に位置している状態)であるか否か判定する(ステップS52)。制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態である場合(ステップS52においてYESの場合)、つまり、遮光板34Bがキャリッジ検出部38によって検出されている場合、図示しないステッピングモーター等の駆動源を制御することでキャリッジ34を原稿サイズ読取位置SPに向けて右方向への移動を開始させる(ステップS53)。そして、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態(遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間から外れて位置している状態)になった否か判定する(ステップS54)。
制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態になった場合(ステップS54においてYESの場合)、つまり、遮光板34Bがキャリッジ検出部38によって検出されない位置まで移動した場合、キャリッジ34を引き続き副走査方向の右方向に移動させて、キャリッジ34の読取りラインRLが原稿サイズ読取位置SPまで移動するとキャリッジ34の移動を停止させる(ステップS55)。例えば、制御部6は、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態からオフ状態になったタイミング(図13(B−1)及び(B−2)参照)を基準に、駆動源であるステッピングモーターのパルス数に基づいて、キャリッジ34が図13(C−1)及び(C−2)に示す原稿サイズ読取位置SPまで移動したことを判断する。
続いて、制御部6は、キャリッジ34を原稿サイズ読取位置SPから流し読み位置RPに向けて左方向への移動を開始させ、キャリッジ34の読取ラインRLが流し読み位置RPまで移動するとキャリッジ34の移動を停止させる(ステップS56)。
制御部6は、上記ステップS56の処理の後に、スタートキー52Bが押下されることによってコピー指示(読み取り指示)を受け付けたか否か判定する(ステップS57)。制御部6は、コピー指示を受け付けてない場合(ステップS57においてNOの場合)、ステップS57の処理に戻り、コピー指示を受け付けるまで待機する。一方、制御部6は、コピー指示を受け付けた場合(ステップS57においてYESの場合)、ADF20に順次原稿MSを搬送させると共に、キャリッジ34を現在の位置でADF20によって搬送された原稿MSを読取部30に読み取らせる処理を行う(ステップS58)。
つまり、制御部6は、ADF20によって搬送された原稿MSを読み取る直前に、キャリッジ34をホームポジションHPに移動する処理を行わない。なお、キャリッジ34は、スリープモード中に、振動等によって移動していなければ、ADF20によって搬送された原稿MSを読み取る際、図13(D−1)及び(D−2)に示すように、流し読み位置RPに位置している。
このように、本実施形態では、ADF20によって搬送された原稿MSを読み取る際に、キャリッジ34をホームポジションHPに移動する処理を行わないので、原稿MSの読み取り開始までの時間を短縮できる。
一方、制御部6は、上述したステップS32の処理において、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオン状態でない場合(ステップS32においてNOの場合)、つまり、遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間から外れて位置している場合、第1のキャリッジ位置確認処理(図11参照)を実行する。また、制御部6は、上述したステップS34の処理において、キャリッジ検出部38から入力される検出信号がオフ状態でない場合(ステップS34においてNOの場合)、つまり、遮光板34Bがキャリッジ検出部38の発光部38Aと受光部38Bとの間に位置している場合、第2のキャリッジ位置確認処理(図12参照)を実行する。一方、制御部6は、上述したステップS5の処理において、ADF20の原稿給紙トレイ22に原稿MSがセットされていない場合(ステップS5においてNOの場合)、上述したステップS4の処理に戻る。
本実施形態に係る複合機1は、キャリッジ34がホームポジションHPに位置するときには、オン状態の信号を出力し、キャリッジ34がホームポジションHPと原稿サイズ読取位置SPとの間の予め定められた位置より原稿サイズ読取位置SP側の位置にあるとき、オフ状態の信号を出力するキャリッジ検出部38を備えている。そして、複合機1は、スキャン指示やコピー指示等を受け付けた場合において、キャリッジ検出部38によりキャリッジ34が検出されているときには、原稿サイズ読取位置SPに向けてキャリッジ34を移動させる。
複合機1は、キャリッジ検出部38によりキャリッジ34が検出される状態から検出されない状態に切り替わるときに、キャリッジ34の位置を特定することができるため、スリープモードからの復帰時のイニシャライズ処理において、キャリッジ34をホームポジションHPに移動(ホーミング)させる処理を省いた場合であっても、キャリッジ34を、原稿サイズ読取位置SPや流し読み位置RPに移動させることができる。
また、本実施形態に係る複合機1は、スキャン指示やコピー指示等を受け付けた場合において、キャリッジ検出部38によりキャリッジ34が検出されていないときには、キャリッジ34の位置情報を補正する処理を行う。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)上記実施形態では、スリープモード復帰時にキャリッジ34をホームポジションHPに位置するという仮定でホーミングを省略している。しかし、スリープモード中にキャリッジ34が移動してしまう可能性もある。このため、シェーディング補正における基準画像を読み込む場合に、正しい基準画像が取得できず、シェーディング補正が正常にできない可能性がある。そのため、本実施形態では、シェーディング補正を行う場合、キャリッジ34を原稿サイズ読取位置SPに移動させつつキャリッジ34の位置を確認した上で、キャリッジ34をホームポジションHPに移動させる必要がある。
(2)本実施形態では、キャリッジ34を原稿サイズ読取位置SPに移動させつつキャリッジ34の位置を確認した際、キャリッジ34の位置を正常に確認できなかった場合、LCDタッチパネル13に正常に確認できなかった旨を表示するようにしてもよい。