以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図1の情報処理システム1において、一台以上の画像形成装置10a、一台以上のプロジェクタ10b、及び一台以上の携帯端末10c等は、LAN(Local Area Network)又はインターネット等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)を介して、一台以上のWebサーバ装置20、及びポータルサーバ装置30等と通信可能に接続されている。また、ポータルサーバ装置30は、整合性判定装置40と、LAN又はインターネット等のネットワークを介して、通信可能に接続されている。
機器10の第一の例としての画像形成装置10aは、印刷、スキャン、コピー、及びFAX送受信等のうちの二以上の機能を一台の筐体によって実現する複合機である。但し、いずれか一つの機能を単体で有する機器が画像形成装置10aとして用いられてもよい。本実施の形態において、各画像形成装置10aは、操作パネル(後述される、操作パネル15)にWebページの表示等を実行させるプログラムとしてWebブラウザを有する。Webブラウザは、画像形成装置10a用に機能拡張が図られている。そこで、以下、機器10の固有の機能に合わせて機能拡張が図られているWebブラウザを「機器ブラウザ」という。
機器10の第二の例としてのプロジェクタ10bは、画像を投影する機器10である。プロジェクタ10bも、例えば、プロジェクタ10bが備える操作パネルにWebページの表示等を実行させるプログラムとしての機器ブラウザを有するものが有る。
機器10の第三の例としての携帯端末10cは、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ノートPC、又はPDA(Personal Digital Assistance)等、携帯可能な情報処理端末である。携帯端末10cも、例えば、携帯端末が備える表示部にWebページの表示等を実行させるプログラムとしての機器ブラウザを有するものが有る。
なお、画像形成装置10a、プロジェクタ10b、及び携帯端末10cを区別しないで総称する場合、単に、「機器10」という。
画像形成装置10a、プロジェクタ10b、及び携帯端末10cのそれぞれが有する機器ブラウザの機能は、必ずしも一致しない。例えば、各機器ブラウザが解釈及び実行可能なスクリプトは異なりうる。具体的には、画像形成装置10aが有する機器ブラウザは、印刷、スキャン、又はFAX送信等、画像形成処理の実行命令を示すスクリプトについて、処理制御が可能である。プロジェクタ10bが有する機器ブラウザは、画像の投影命令を示すスクリプトについて、処理制御が可能である。携帯端末10cが有する機器ブラウザは、例えば、電話の発信命令又はデジタルカメラによる撮影命令等を示すスクリプトについて、処理制御が可能である。
このように、各機器10の機器ブラウザは、それぞれの機器10に固有な機能の実行命令を示すスクリプトを解釈可能である。機器10に固有な機能の実行命令を示すスクリプトは、いわゆる標準のスクリプト(例えば、Java(登録商標)スクリプト等)には含まれていない。そこで、特に、機器10に固有な機能の実行命令を示すスクリプトに限定して言及する場合、「拡張スクリプト」という。
Webサーバ装置20は、Webページを提供するコンピュータである。本実施の形態において、Webページとは、HTML(HyperText Markup Language)等、所定の形式に基づいて定義された画面情報や、当該画面情報に基づいて表示される画面に対する操作等に応じて発行される処理命令を示すスクリプト等が定義又は記述されているデータをいう。各Webページには、相互に異なるURL(Uniform Resource Locator)が割り当てられている。或るURL宛のHTTPリクエストが機器10から送信された場合、当該HTTPリクエストは、当該URLに対応するWebページを提供するWebサーバ装置20に対して転送される。
ポータルサーバ装置30は、各Webサーバ装置20が提供するWebページ群に対するポータルサイトを実現するコンピュータである。具体的には、ポータルサーバ装置30は、Webサーバ装置20が提供するWebページの一覧画面(以下、「ポータル画面」という。)を表示させるWebページ(以下、「ポータルページ」という。)を各機器10に提供する。ユーザは、ポータルページを参照して、所望のWebページを選択することができる。
整合性判定装置40は、ポータルサーバ装置30に対してポータルページを要求する機器10に関して、ポータルページに表示される各Webページとの整合性の有無の判定等を実行するコンピュータである。機器10とWebページとの整合性とは、当該Webページを当該機器10が処理可能であることをいう。より詳しくは、機器10とWebページとの整合性とは、当該Webページに含まれている拡張スクリプトに応じた動作を、当該機器10が実行可能であることをいう。
なお、本実施の形態では、便宜上、Webサーバ装置20、ポータルサーバ装置30、及び整合性判定装置40は、別個のコンピュータであるが、2以上の装置の機能が一つのコンピュータにおいて実現されてもよい。
または、Webサーバ装置20、ポータルサーバ装置30、及び整合性判定装置40のそれぞれは、分散された複数のコンピュータによって構成されてもよい。
更に、Webサーバ装置20、ポータルサーバ装置30、及び整合性判定装置40は、複数の利用者から利用されうるアプリケーションやサービスを提供するクラウド環境の一部又は全部を構成してもよい。
図2は、本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。図2において、画像形成装置10aは、コントローラ11、スキャナ12、プリンタ13、モデム14、操作パネル15、ネットワークインタフェース16、及びSDカードスロット17等のハードウェアを有する。
コントローラ11は、CPU111、RAM112、ROM113、HDD114、及びNVRAM115等を有する。ROM113には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAM112は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU111は、RAM112にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD114には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記憶される。NVRAM115には、各種の設定情報等が記憶される。
スキャナ12は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェア(画像読取手段)である。プリンタ13は、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェア(印刷手段)である。モデム14は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。操作パネル15は、ユーザからの入力の受け付けを行うためのボタン等の入力手段や、液晶パネル等の表示手段等を備えたハードウェアである。液晶パネルは、タッチパネル機能を有していてもよい。この場合、当該液晶パネルは、入力手段の機能をも兼ねる。ネットワークインタフェース16は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)に接続するためのハードウェアである。SDカードスロット17は、SDカード80に記憶されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、画像形成装置10aでは、ROM113に記憶されたプログラムだけでなく、SDカード80に記憶されたプログラムもRAM112にロードされ、実行されうる。なお、他の記録媒体(例えば、CD−ROM又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等)によってSDカード80が代替されてもよい。すなわち、SDカード80の位置付けに相当する記録媒体の種類は、所定のものに限定されない。この場合、SDカードスロット17は、記録媒体の種類に応じたハードウェアによって代替されればよい。
図3は、本発明の実施の形態におけるポータルサーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。図3のポータルサーバ装置30は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置300、補助記憶装置302、メモリ装置303、CPU304、及びインタフェース装置305等を有する。
ポータルサーバ装置30での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体301によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体301がドライブ装置300にセットされると、プログラムが記録媒体301からドライブ装置300を介して補助記憶装置302にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体301より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置302は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置303は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置302からプログラムを読み出して格納する。CPU304は、メモリ装置303に格納されたプログラムに従ってポータルサーバ装置30に係る機能を実行する。インタフェース装置305は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
なお、Webサーバ装置20及び整合性判定装置40も、図3と同様のハードウェアを有している。
図4は、本発明の実施の形態の画像形成装置のソフトウェア構成例を示す図である。図4において、画像形成装置10aは、標準アプリ151、機器ブラウザ152、機器情報通知部153、機器構成変更部154、SDKアプリ155、VAS156、コントロールサービス157、及びOS158等を有する。
OS158は、いわゆるOS(Operating System)である。画像形成装置10a上の各ソフトウェアは、OS158上においてプロセス又はスレッドとして動作する。
標準アプリ151は、画像形成装置10aに標準的に(出荷時に予め)実装されているアプリケーションプログラムの集合である。同図では、スキャンアプリ1511、印刷アプリ1512、コピーアプリ1513、及びFAXアプリ1514が例示されている。スキャンアプリ1511は、スキャンジョブを実行する。印刷アプリ1512は印刷ジョブを実行する。コピーアプリ1513は、コピージョブを実行する。FAXアプリ1514は、FAXの送信ジョブ又は受信ジョブを実行する。
コントロールサービス157は、各種のハードウェアリソース等を制御するための機能を上位アプリケーション等に対して提供したり、画像形成装置10aの基盤的な機能等を実行したりするプログラムモジュール群である。
VAS(Virtual Application Service)156は、コントロールサービス157のインタフェースをラッピングし、コントロールサービス157のバージョンアップに伴うインタフェースの相違点を吸収する。したがって、VAS156上で動作するプログラムに対しては、コントロールサービス157のパージョン間の互換性が保証される。
SDKアプリ155は、画像形成装置10aに対するプラグインとして、画像形成装置10aの機能拡張を図るために開発されるアプリケーションである。すなわち、画像形成装置10aは、SDKアプリ155の開発用に公開されたAPI(Application Program Interface)を備える。VAS156によって提供されるAPIは、公開されたAPIの一例である。なお、図4において、SDKアプリ155は、破線のブロック(矩形)によって表現されている。これは、複数のSDKアプリ155が一台の画像形成装置10aにインストールされうることを示す。
機器ブラウザ152は、上述した機器ブラウザである。機器情報通知部153は、画像形成装置10aの属性情報(以下、「機器情報」という。)を、所定のタイミングでポータルサーバ装置30に送信する。例えば、機器情報通知部153は、画像形成装置10aが起動されるたびに、機器情報をポータルサーバ装置30に送信する。
機器構成変更部154は、機器構成の変更処理を制御する。機器構成とは、例えば、画像形成装置10aにインストールされているプログラムの構成、及び画像形成装置10aの各設定項目(各パラメータ)に対する設定値の構成等をいう。したがって、機器構成の変更の一例として、画像形成装置10aに対する各種のプログラムのインストールや、画像形成装置10aの設定値の変更等が挙げられる。なお、各種のプログラムには、SDKアプリ155や、コントロールサービス157を構成するプログラムモジュール等が含まれる。また、本実施の形態において、インストールは、新たなプログラムのインストールのみならず、既存のプログラムのバージョンアップをも意味する。
なお、画像形成装置10a以外の各機器10も、図4に示されるようなソフトウェア構成を有していてもよい。標準アプリ151については、機器10ごとに固有の機能に応じたアプリケーションが実装されればよい。
図5は、本発明の実施の形態のWebサーバ装置、ポータルサーバ装置、及び整合性判定装置の機能構成例を示す図である。
図5において、Webサーバ装置20は、Webページ提供部21を有する。Webページ提供部21は、Webページの取得要求(HTTPリクエスト)において指定されたURLに対応するWebページを含む応答(HTTPレスポンス)を、当該HTTPリクエストの送信元に返信する。応答に含められるWebページは、予め生成され、記憶装置に保存されていてもよいし、Webページの取得要求に応じて生成されてもよい。
なお、Webページ提供部21は、Webサーバ装置20にインストールされた、例えば、Webアプリケーション等のプログラムが、Webサーバ装置20のCPUに実行させる処理により実現される。
ポータルサーバ装置30は、機器情報受信部31、整合性判定要求部32、ポータルページ生成部33、及び問い合わせページ生成部34等を有する。これら各部は、ポータルサーバ装置30にインストールされたプログラムが、CPU304に実行させる処理により実現される。ポータルサーバ装置30は、また、機器情報記憶部35及びWebページ一覧記憶部36等を利用する。こられ各記憶部は、補助記憶装置302、又はポータルサーバ装置30とネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現可能である。
Webページ一覧記憶部36は、ポータルページにおいて選択候補とされるWebページの一覧情報を記憶する。当該一覧情報は、ユーザごとに設定されてもよい。なお、Webページの一覧情報とは、Webページの識別情報等の一覧をいう。
機器情報受信部31は、画像形成装置10aより送信される機器情報を受信する。機器情報受信部31は、受信された機器情報を機器情報記憶部35に記憶する。
整合性判定要求部32は、ポータルページの取得を要求する画像形成装置10aに関して、Webページ一覧記憶部36にその識別情報等が記憶されている各Webページとの整合性の有無の判定を、整合性判定装置40に要求する。整合性の有無の判定要求において、ポータルページの取得を要求する画像形成装置10aの機器情報と、Webページ一覧記憶部36に記憶されている、各Webページの識別情報とが指定される。
ポータルページ生成部33は、ポータルページを生成する。ポータルページ生成部33は、整合性判定装置40による判定結果に基づいて、Webページ一覧記憶部36にその識別情報等が登録されているWebページの中で、ポータルページ上において選択候補とするWebページを決定する。
問い合わせページ生成部34は、画像形成装置10aの機器構成の変更に伴う要求又は問い合わせをユーザに対して行う画面(以下、「問い合わせ画面」という。)を表示させるWebページ(以下、「問い合わせページ」という。)を生成する。
整合性判定装置40は、整合性判定部41、プログラム提供部42、及び認証キー管理部43等を有する。これら各部は、整合性判定装置40にインストールされたプログラムが、整合性判定装置40のCPUに実行させる処理により実現される。整合性判定装置40は、また、条件情報記憶部44、プログラム記憶部45、及び認証キー記憶部46等を利用する。これら各記憶部は、整合性判定装置40が有する補助記憶装置、又は整合性判定装置40とネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現可能である。
整合性判定部41は、ポータルサーバ装置30の整合性判定要求部32からの要求に応じ、ポータルページの取得要求元の画像形成装置10aと、各Webページとの整合性の有無を判定する。整合性の有無の判定には、条件情報記憶部44が利用される。整合性判定部41は、判定結果を含む応答を整合性判定要求部32に返信する。
認証キー管理部43は、認証キー及び照合データの生成や、照合データの取得要求に応じた照合データの返信等を行う。認証キーとは、問い合わせページの正当性を検証可能とするために、問い合わせページに付加されて、又は問い合わせページと共に機器ブラウザ152に返信されるデータをいう。照合データとは、認証キーと共に、問い合わせページの正当性の検証に用いられるデータである。すなわち、認証キーと照合データとが所定の関係を満たす場合、当該認証キーに係るWebページは正当であると判定される。なお、認証キー管理部43によって生成された認証キー及び照合データ等は、認証キー記憶部46に記憶される。
条件情報記憶部44は、Webページごとに、当該Webページを処理するために必要な条件を示す情報を記憶する。
プログラム提供部42は、プログラムの取得要求(ダウンロード要求)に応じ、取得要求に係るプログラムを返信する。当該プログラムは、プログラム記憶部45より取得される。プログラム記憶部45は、プログラムの識別情報(プログラムID)とバージョン情報とに関連付けて、プログラムの実体を記憶する。
以下、情報処理システム1において実行される処理手順について説明する。図6は、ポータルページの表示処理の処理手順の一例を説明するための図である。図6では、アクティビティ図の形式で、当該処理手順が示されている。
画像形成装置10aの機器情報通知部153は、当該画像形成装置10aの起動時等、所定のタイミングにおいて、当該画像形成装置10aの機器情報を、ポータルサーバ装置30に送信する(S101)。ポータルサーバ装置30の機器情報受信部31は、機器情報の受信に応じ、当該機器情報を、機器情報記憶部35に記憶する(S102)。
図7は、機器情報記憶部の構成例を示す図である。図7において、機器情報記憶部35は、画像形成装置10aごとに、機体番号、機種ID、操作部サイズ、周辺装置情報、搭載機能情報、オプション情報、メモリ空き容量、ストレージ空き容量、プログラム一覧、及び設定情報等を記憶する。すなわち、本実施の形態では、これらの項目が、機器情報に含まれる。また、ステップS101では、これらの項目を含む機器情報が送信される。
機体番号は、各画像形成装置10aの機体(個体)ごとの識別情報である。機種IDは、画像形成装置10aの機種の識別情報である。操作部サイズは、操作パネル15における液晶パネルのサイズである。周辺装置情報は、ICカードリーダやコインラック等の周辺装置の接続状況を示す情報である。搭載機能情報は、スキャン機能、印刷機能、ファクス機能、又はコピー機能等、画像形成装置10aに固有の機能の搭載状況を示す情報である。オプション情報は、フィニッシャ等、オプションとして設置可能な装置(ハードウェア)の設置状況を示す情報である。メモリ空き容量は、RAM112の空き容量である。ストレージ空き容量は、NVRAM115やHDD114等の不揮発性の記憶装置の空き容量である。プログラム一覧は、画像形成装置10aにインストールされているプログラムの識別情報(プログラムID)及びバージョン情報の一覧である。ここでいうプログラムは、例えば、SDKアプリ155、又はコントロールサービス157に対して追加的にインストール可能なプログラムモジュール等をいう。設定情報は、画像形成装置10aの設定項目(パラメータ)ごとに、設定項目名及び現在の設定値等を含む情報である。
その後、操作パネル15を介して、ユーザによってポータル画面の表示指示が入力されると(S103)、機器ブラウザ152は、ポータルページの取得要求を示すHTTPリクエストをポータルサーバ装置30に送信する(S104)。当該取得要求には、当該画像形成装置10aの機体番号が指定される。又は、当該取得要求に、当該画像形成装置10aの機器情報が指定されてもよい。この場合、ステップS101及びS102は実行されなくてもよい。
ポータルサーバ装置30においてポータルページの取得要求が受信されると、整合性判定要求部32は、Webページ一覧記憶部36より、Webページの一覧情報を取得する(S105)。
図8は、Webページ一覧記憶部の構成例を示す図である。図8において、Webページ一覧記憶部36は、Webページごとに、ページID、バージョン情報、ページ名、及びURL等を記憶する。ページIDは、各WebページのIDある。バージョン情報は、ページIDが同じWebページに関して、バージョンを識別する情報である。ページ名は、Webページの名前である。例えば、Webページのタイトルが、ページ名として利用されてもよい。URLは、Webページに対するURLである。なお、URLが、ページIDとして用いられてもよい。
ステップS105では、少なくとも、各WebページのページID及びバージョン情報が、Webページ一覧記憶部36より取得される。
続いて、整合性判定要求部32は、ポータルページの取得要求元の画像形成装置10a(以下、「対象機器10a」という。)の機器情報と、Webページの一覧情報とを指定して、整合性の判定要求を整合性判定装置40に送信する(S106)。対象機器10aの機器情報は、ポータルページの取得要求に指定されている機体番号に基づいて、機器情報記憶部35より取得される。但し、ポータルページの取得要求に機器情報が指定されている場合、当該機器情報が整合性判定装置40に送信されてもよい。
整合性判定装置40において整合性の判定要求が受信されると、整合性判定部41は、当該判定要求に指定されている機器情報及びWebページの一覧情報と、条件情報記憶部44に記憶されている情報とに基づいて、対象機器10aに関して、Webページ一覧情報に含まれる各Webページとの整合性の有無を判定する(S107)。ステップS107の詳細については後述される。整合性判定部41は、判定結果を示す情報(以下、「判定結果情報」という。)含む応答を整合性判定要求部32に返信する。
図9は、判定結果情報の一例を示す図である。図9において、判定結果情報は、Webページごとに、ページID、バージョン情報、判定結果、及び付加情報等を含む。
ページID及びバージョン情報は、整合性の判定対象とされたWebページのページID又はバージョン情報である。判定結果は、当該Webページに関する判定結果である。「0」は、整合性が無いことを示す。すなわち、判定結果が「0」であるWebページについては、対象機器10aでは正常に処理できない可能性が有ることを示す。「1」は、整合性が有ることを示す。「2」は、整合性を確保するために或るプログラムのインストールが必要であることを示す。換言すれば、「2」は、或るプログラムが対象機器10aにインストールされることにより、整合性が確保されることを示す。「3」は、或る装置(ハードウェア)が対象機器10aに設置されることにより、整合性が確保されることを示す。「4」は、対象機器10aの或る設定項目の設定値が変更されることにより、整合性が確保されることを示す。
付加情報は、判定結果が「2」、「3」、又は「4」であるWebページに関して記録される。付加情報には、例えば、整合性を確保するためにインストールされるべきプログラムのプログラムID及びバージョン情報、設置されるべき装置の識別情報(装置ID)、又は値が変更されるべき設定項目の名前(設定項目名)及び変更後の設定値等が含まれる。付加情報には、更に、対象機器10aのリブート(再起動)の要否を示す情報も含まれる。
なお、判定結果情報には、整合性が無いWebページのページID及びバージョン情報、又は整合性が有るWebページのページID及びバージョン情報のいずれか一方が含まれなくてもよい。いずれか一方の情報によって、他方のWebページを特定することが可能であるからである。
ポータルサーバ装置30において判定結果情報が受信されると、ポータルページ生成部33は、当該判定結果情報と、Webページ一覧記憶部36に記憶されている情報とに基づいて、ポータルページを生成する(S108)。ポータルページ生成部33は、生成されたポータルページを含むHTTPレスポンスを、対象機器10aの機器ブラウザ152に返信する。
対象機器10aの機器ブラウザ152は、ポータルページの定義に基づいて、ポータル画面を操作パネル15に表示させる(S109)。ユーザは、表示されたポータル画面を確認する(S110)。
図10は、ポータル画面の表示例を示す図である。図10に示されるように、ポータル画面には、Webページごとに、当該Webページを表示対象として選択させるためのアイコンが表示される。各アイコンには、対応するWebページのページ名が表示されている。但し、対象機器10aと整合性の有るWebページ、又は整合性の確保が可能なWebページに対応するアイコンのみが選択可能とされている。換言すれば、対象機器10aと整合性の無いWebページに対するアイコンは、グレーアウトされて表示される。すなわち、ポータルページ生成部33は、判定結果情報に基づいて、対象機器10aと整合性の有るWebページ、又は整合性の確保が可能なWebページに対応するアイコンのみが操作可能とされ、対象機器10aと整合性の無いWebページに対するアイコンは、グレーアウトされるように(操作不能となるように)、ポータルページを生成する。整合性の確保が可能であるとは、現時点において整合性は無いが、機器構成を変更することにより、整合性が確保されることをいう。
図10において、グレーアウトは破線によって表現されている。したがって、「ページB」のアイコンについては、ユーザは、選択することはできない。また、整合性の確保が可能であることは、アイコン511が付加されることによって示される。したがって、ユーザは、アイコン511によって、「ページC」については、整合性の確保が可能であることを認識することができる。
ユーザは、このようなポータル画面510を参照することにより、対象機器10aにおいて利用可能なWebページを容易に識別することができる。
続いて、ポータル画面510を介して、ユーザが利用を所望するWebページに対応するアイコンが選択される(S111)。選択されたアイコンが、整合性の確保が可能なWebページに対応する場合(図10では、「ページC」のアイコンが選択された場合)、機器ブラウザ152は、ポータルページの定義に従って、問い合わせページの取得要求を示すHTTPリクエストを選択されたアイコンに関連付けられたURL宛に送信する(S112)。当該URLは、ポータルページが正当であれば、ポータルサーバ装置30の問い合わせページ生成部34に対するURLである。また、当該取得要求には、機体番号と共に、整合性を確保するために必要とされる機器構成の変更内容を示す情報が含まれる。例えば、設置対象の装置の装置ID、インストール対象のプログラムのプログラムID及びバージョン情報、又は変更対象の設定項目名及び値等が含まれる。すなわち、Webページ提供部21は、判定結果が「2」、「3」、又は「4」であるWebページに対応するアイコンが選択された場合に、判定結果情報に基づいて、機器構成の変更内容が指定された問い合わせページの取得要求が送信されるように、ポータルページを生成する。
ポータルサーバ装置30において、問い合わせページの取得要求が受信されると、問い合わせページ生成部34は、当該取得要求に含まれている機器構成の変更内容に応じて処理を分岐させる。当該取得要求に、設置対象の装置の装置IDが含まれている場合、問い合わせページ生成部34は、問い合わせページの一つである装置設置要求ページを生成する(S113)。問い合わせページ生成部34は、生成された装置設置要求ページを含む応答を、機器ブラウザ152に返信する。機器ブラウザ152は、受信された装置設置要求ページの定義に従って、装置設置要求画面を操作パネル15に表示させる(S114)。
図11は、装置設置要求画面の一例を示す図である。装置設置要求画面520は、メッセージ521及びOKボタン522等を含む。
メッセージ521は、選択されたWebページの利用には、ICカードリーダの設置が必要であることを示す。なお、ICカードリーダは、設置対象の装置の一例である。
ユーザによって、OKボタン522が押下されると(S115)。機器ブラウザ152は、ステップS110の状態に戻る。すなわち、機器ブラウザ152は、ポータル画面510を再表示させる。
一方、問い合わせページの取得要求に、インストール対象のプログラムのプログラムID及びバージョン情報、又は変更対象の設定項目名及び設定値が含まれている場合、問い合わせページ生成部34は、整合性判定装置40の認証キー管理部43に対し、認証キーの生成要求を送信する(S116)。当該要求には、機器ブラウザ152からの、問い合わせページの取得要求に含まれている機体番号が指定される。
認証キー管理部43は、認証キーの生成要求に応じ、認証キーを生成する(S117)。認証キーは、例えば、重複した認証キーが生成される可能性の低い方法によって生成されるのが望ましい。例えば、乱数が認証キーとされてもよい。認証キー管理部43は、生成された認証キーに対して有効期限を割り当て、認証キーの生成要求に指定された機体番号、当該認証キー、及び有効期限の組み合わせに対するハッシュ値を、所定のハッシュ関数を用いて算出する。当該ハッシュ値が、照合データの一例である。機体番号に基づいて照合データが生成されることにより、異なる機体に対して、同一の照合データが生成される可能性を低下させることができる。また、乱数等である認証キーに基づいて照合データが生成されることにより、同一の画像形成装置10aに対して、同一の照合データが生成される可能性を低下させることができる。
認証キー管理部43は、認証キーの生成要求に指定された機体番号に対応付けて、当該認証キー、当該有効期限、及び当該照合データを、認証キー記憶部46に記憶する。
図12は、認証キー記憶部の構成例を示す図である。図12示されるように、認証キー記憶部46は、機体番号に対応付けて、認証キー、有効期限、及び照合データ等を記憶する。有効期限は、例えば、認証キーが有効である期限を示す日時である。なお、認証キー管理部43は、定期的に認証キー記憶部46を参照し、有効期限が切れた認証キーに対応するレコードを、認証キー記憶部46より削除してもよい。
認証キー管理部43は、生成された認証キー及び有効期限を、問い合わせページ生成部34に返信する。
続いて、問い合わせページ生成部34は、プログラムのインストール、又は設定値の変更を要求するためのソフトウェア構成変更要求ページを生成する(S118)。ソフトウェア構成変更要求ページは、当該ページが表示させるソフトウェア構成変更要求画面を介して、プログラムのインストール又は設定値の変更指示が入力された場合に、拡張スクリプトが呼び出されるように生成される。当該拡張スクリプトは、問い合わせページの取得要求に指定されているプログラムID及びバージョン情報に該当するプログラムのインストール命令を示す拡張スクリプト、又は当該取得要求に設定項目名及び設定値が指定されている設定項目に対する設定値の変更命令を示す拡張スクリプトである。問い合わせページ生成部34は、生成されたソフトウェア構成変更要求ページと、当該ページに対して生成された認証キー及び有効期限とを含む応答を、機器ブラウザ152に返信する。
機器ブラウザ152は、受信されたソフトウェア構成変更要求ページの定義に従って、ソフトウェア構成変更要求画面を操作パネル15に表示させる(S119)。
図13は、ソフトウェア構成変更要求画面の一例を示す図である。図13に示されるように、ソフトウェア構成変更要求画面530は、メッセージ531、OKボタン532、及びキャンセルボタン533等を含む。
メッセージ531は、選択されたWebページの利用には、プログラムのインストールが必要であること、及び当該プログラムのインストールの許否の問い合わせを示す。メッセージ531において「xxxxx」の部分には、例えば、インストール対象のプログラムのプログラムID及びバージョン情報が表示される。複数のプログラムのインストールが必要である場合、複数のプログラムのプログラムID及びバージョン情報が列記されてもよい。
なお、設定値の変更が必要な場合は、例えば、変更対象の設定項目名及び設定値がメッセージ531に含まれる。
ユーザは、プログラムのインストール又は設定値の変更を許可しない場合、キャンセルボタン533を押下する(S120)。キャンセルボタン533の押下に応じて、機器ブラウザ152は、ステップS110の状態に戻る。すなわち、機器ブラウザ152は、ポータル画面510を再表示させる。
ユーザが、インストール又は設定値の変更を許可すべく、OKボタン532を押下すると(S120)、機器ブラウザ152は、ソフトウェア構成変更要求ページに記述された拡張スクリプト(命令)に従って、機器構成変更要求を、機器構成変更部154に入力する(S121)。当該要求は、ソフトウェア構成変更要求ページに定義されている拡張スクリプトが呼び出されることによって実現される。また、当該要求には、インストール対象のプログラムのプログラムID及びバージョン情報、並びに設定項目名及び設定値の少なくともいずれか一方と、リブートの要否とが指定される。更に、当該要求には、ソフトウェア構成変更要求ページと共に受信された、認証キー及び有効期限が指定される。
機器構成変更部154は、機器ブラウザ152からの機器構成変更要求の正当性を検証するため、対象機器10aの機体番号を指定して、整合性判定装置40の認証キー管理部43宛に、照合データの取得要求を送信する(S122)。なお、機器構成変更部154は、例えば、対象機器10aのHDD114等に予め設定(記憶)されている、信頼されたアドレス情報(IPアドレス及びポート番号等)に基づいて、整合性判定装置40の認証キー管理部43のアドレスを特定する。すなわち、機器構成変更部154による、照合データの取得要求の送信先のアドレスは、機器ブラウザ152とは別の情報に基づいて特定される。したがって、当該照合データの取得要求の送信先が、整合性判定装置40に成りすました他の装置である可能性は低い。
整合性判定装置40の認証キー管理部43は、照合データの取得要求を受信すると、当該取得要求に指定されている機体番号に対応付けられて認証キー記憶部46に記憶されている照合データを、機器構成変更部154に返信する(S123)。なお、該当する照合データが認証キー記憶部46に記憶されていない場合、認証キー管理部43は、該当する照合データが無いことを示す応答を返信する。この場合、対象機器10aにダウンロードされているソフト構成変更要求ページは、不正なものである可能性が高い。
機器構成変更部154は、照合データが受信されると、当該照合データに基づいて、機器構成の変更要求の正当性(すなわち、ソフト構成変更要求ページの正当性)を検証する(S124)。具体的には、機器構成変更部154は、機器構成の変更要求に指定されている認証キー及び有効期限と、対象機器10aの機体番号との組み合わせに対するハッシュ値を、所定のハッシュ関数を用いて算出する。当該所定のハッシュ関数は、整合性判定装置40が照合データを生成する際に用いるハッシュ関数と同じものである。機器構成変更部154は、算出されたハッシュ値と、照合データとを比較する。
比較されたハッシュ値と照合データとが一致しない場合、機器構成変更部154は、機器ブラウザ152に対してエラーを返却する。この場合は、ソフト構成変更要求ページが不正である可能性が高く、そのようなWebページに基づいて機器構成を変更するのは妥当でないからである。
一方、比較されたハッシュ値と照合データとが一致した場合、機器構成変更部154は、プログラムのインストールの要否を判定する(S125)。当該判定は、例えば、機器ブラウザ152からの機器構成変更要求に、インストール対象のプログラムID及びバージョン情報が指定されているか否かに基づいて行われる。インストールが必要な場合、機器構成変更部154は、機器構成変更要求に指定されたプログラムID及びバージョン情報を指定して、当該プログラムID及びバージョン情報に係るプログラムの取得要求(ダウンロード要求)を、整合性判定装置40に送信する(S126)。整合性判定装置40においてプログラムの取得要求が受信されると、プログラム提供部42は、当該取得要求に指定されているプログラムID及びバージョン情報に関連付けられているプログラムをプログラム記憶部45より取得する。プログラム提供部42は、取得されたプログラムを機器構成変更部154に返信する(S127)。
なお、プログラムの取得(ダウンロード)は、整合性判定装置40以外のコンピュータに対して要求されてもよい。例えば、整合性判定装置40とは別にダウンロードサーバが設置され、当該ダウンロードサーバが、プログラム提供部42及びプログラム記憶部45を有していてもよい。
機器構成変更部154は、返信されたプログラムを受信すると、当該プログラムを対象機器10aにインストールする(S128)。続いて、機器構成変更部154は、当該プログラムのプロセス又はスレッドを起動する(S129)。但し、リブートが必要な場合、プログラムの起動は実行されなくてもよい。
続いて、機器構成変更部154は、設定値の変更の要否を判定する(S130)。当該判定は、例えば、機器ブラウザ152からの機器構成変更要求に、変更対象の設定項目名及び設定値が指定されているか否かに基づいて行われる。設定値の変更が必要な場合、機器構成変更部154は、当該設定項目について当該設定値への変更を行う(S131)。
続いて、機器構成変更部154は、リブートの要否を判定する(S132)。当該判定は、例えば、機器ブラウザ152からの機器構成変更要求に指定されているリブートの要否に基づいて行われる。リブートが必要である場合、機器構成変更部154は、リブート許否確認ページをダウンロードすべきことを、機器ブラウザ152に通知する。リブート許否確認ページのURLは、例えば、機器構成変更部154から機器ブラウザ152に通知されてもよいし、機器ブラウザ152がアクセス可能な記憶領域に記憶されていてもよい。または、ソフト構成変更要求ページに記述されていてもよい。
機器ブラウザ152は、当該通知に応じ、リブート許否確認ページの取得要求を示すHTTPリクエストを、リブート許否確認ページのURL宛に送信する(S133)。当該取得要求には、機体番号が指定される。当該URLが正当であれば、当該要求は、ポータルサーバ装置30の問い合わせページ生成部34によって受信される。
問い合わせページ生成部34は、整合性判定装置40の認証キー管理部43に対し、リブート許否確認ページに対する認証キーの生成要求を送信する(S134)。当該要求には、機器ブラウザ152からの、リブート許否確認ページの取得要求に含まれている機体番号が指定される。
認証キー管理部43は、認証キーの生成要求に応じ、認証キーを生成する(S135)。認証キーの生成方法については上述したとおりである。なお、ここで生成される認証キー及び照合データは、ステップS117で生成された認証キー及び照合データと異なる。また、ステップS117において生成され、認証キー記憶部46に記憶されている認証キーのレコードは、ステップS135において生成された認証キーに関する情報によって上書きされてもよい。すなわち、認証キー記憶部46には、一つの機体番号に対して一つのレコードが記憶されるようにしてもよい。本実施の形態の機器ブラウザ152には、同時に一つのWebページしか表示できないからである。但し、機器ブラウザ152が複数のWebページを表示可能である場合、認証キー記憶部46には、一つの機体番号に対して複数のレコードが記憶されてもよい。この場合、各レコードが対応するWebページを区別するために、ページIDが各レコードに記憶されるようにしてもよい。
認証キー管理部43は、生成された認証キー及び有効期限を、問い合わせページ生成部34に返信する。
続いて、問い合わせページ生成部34は、リブート許否確認ページを生成する(S134)。リブート許否確認ページは、当該ページが表示させるリブート許否確認画面を介して、リブートの実行指示が入力された場合に、対象機器10aのリブートの実行命令を示す拡張スクリプトが呼び出されるように生成される。
問い合わせページ生成部34は、生成されたリブート許否確認ページと、ステップS135において生成された認証キー及び有効期限とを含む応答を、機器ブラウザ152に返信する。
機器ブラウザ152は、受信されたリブート許否確認ページの定義に従って、リブート許否確認画面を操作パネル15に表示させる(S137)。
図14は、リブート許否確認画面の一例を示す図である。図14に示されるように、リブート許否確認画面540は、メッセージ541、中止ボタン542、及びOKボタン543等を含む。
メッセージ541は、選択されたWebページの利用には、対象機器10aの再起動が必要であること、及び対象機器10aの再起動の許否の問い合わせを示す。
ユーザは、リブートを許可しない場合、中止ボタン542を押下する(S138)。中止ボタン542の押下に応じて、機器ブラウザ152は、ステップS110の状態に戻る。すなわち、機器ブラウザ152は、ポータル画面510を再表示させる。
ユーザが、リブートを許可すべく、OKボタン543を押下すると(S138)、機器ブラウザ152は、リブート許否確認ページに記述された拡張スクリプト(命令)に従って、リブート要求を、機器構成変更部154に入力する(S139)。当該要求には、リブート許否確認ページと共に受信された、認証キー及び有効期限が指定される。
機器構成変更部154は、リブート要求に応じ、ステップS122〜S124等(図6中、破線の矩形Aによって囲まれた部分)と同様の処理を実行することにより、当該リブート要求の正当性を検証する(S140)。当該リブート要求が正当であることが確認された場合、機器構成変更部154は、対象機器10aのリブートを実行する(S141)。リブートが完了すると、機器構成変更部154は、リブートの完了を機器ブラウザ152に通知する。
機器ブラウザ152は、リブートの完了の通知に応じ、ポータル画面510において選択されたアイコンに関連付けられているURL宛に、Webページの取得要求を示すHTTPリクエストを送信する(S142)。すなわち、ポータルページにおいて、各アイコンには、当該アイコンが対応するWebページに対するURLが関連付けられている。選択されたアイコンに対応するWebページが、整合性の確保が可能なWebページであり、ステップS112以降が実行される場合、選択されたアイコンに関連付けられているURLは、例えば、HDD114に記憶されてもよい。そうすることにより、リブート後であっても、機器ブラウザ152は、取得すべきWebページのURLを特定することができる。
なお、ステップS111において、整合性の有るWebページに対応するアイコンが選択された場合、機器ブラウザ152は、当該アイコンに関連付けられているURL宛に、直ちにWebページの取得要求を送信する(S142)。
Webページの取得要求がWebサーバ装置20において受信されると、Webページ提供部21は、例えば、当該取得要求に指定されているURLに対応するWebページを生成する(S143)。但し、予め生成されているWebページが取得されてもよい。Webページ提供部21は、生成又は取得されたWebページを、取得要求元の機器ブラウザ152に返信する。
対象機器10aの機器ブラウザ152は、返信されたWebページが受信されると、当該Webページが示す画面を操作パネル15に表示させる(S144)。ユーザは、当該画面の操作を開始する(S145)。当該画面の操作に応じて、当該Webページに含まれている拡張スクリプトが実行される。当該拡張スクリプトが対象機器10aにおいて実行可能であることは、整合性判定装置40によって検証済みである。また、必要に応じて当該拡張スクリプトの実行に必要なプログラムは自動的にインストールされている。したがって、対象機器10aは、当該画面に対する操作に応じた処理を、正常に実行できる可能性が高い。
続いて、ステップS107の詳細について説明する。図15は、整合性の判定処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップS201において、整合性判定部41は、整合性の判定要求に指定されたWebページの一覧情報のうちの一つのWebページの情報(ページID及びバージョン情報)を処理対象とする。続いて、整合性判定部41は、処理対象のページID及びバージョン情報に関する条件情報を、条件情報記憶部44より取得する(S202)。
図16は、条件情報記憶部の構成例を示す図である。図16に示されるように、条件情報記憶部44は、ページID及びバージョンによって識別されるWebページごとに、共存可能プログラム一覧、必須プログラム一覧、設定情報、及び環境情報等を含む条件情報を記憶する。
共存可能プログラム一覧は、当該Webページと排他関係にないプログラムのプログラムID及びバージョン情報の一覧である。Webページと排他関係にないプログラムとは、当該プログラムが画像形成装置10aに実行させる処理が、当該Webページに基づいて機器ブラウザ152が実行する処理に対して影響の無いプログラムをいう。換言すれば、Webページと排他関係に有るプログラムとは、当該プログラムが画像形成装置10aに実行させる処理によって、当該Webページに関する処理が正常に行われない可能性の有るプログラムをいう。共存可能プログラム一覧に含まれないプログラムは、当該Webページと排他関係に有るプログラムである。なお、共存可能プログラム一覧の代わりに、当該Webページと排他関係に有るプログラム(共存不可プログラム)の一覧が、条件情報において特定されてもよい。
必須プログラム一覧は、当該Webページが正常に処理されるために画像形成装置10aにインストールされていることが必須であるプログラムのプログラムID及びバージョン情報の一覧である。例えば、当該Webページに含まれる拡張スクリプトが実行された際に、呼び出されるプログラムのプログラムID及びバージョン情報が、必須プログラム一覧に含まれる。
設定情報は、当該Webページが正常に処理されるために、画像形成装置10aの設定項目に設定されているべき設定値の集合である。設定情報には、設定項目名ごとに設定値が含まれる。なお、当該Webページの処理に影響しない設定項目については、設定情報に含まれなくてもよい。
環境情報は、当該Webページが正常に処理されるために必要な環境を示す情報である。本実施の形態において、環境情報は、機種ID、操作部サイズ、周辺装置情報、搭載機能情報、オブション情報、メモリ空き容量、及びストレージ空き容量等の項目を含む。これら各項目の意味は、機器情報を構成する、同一の項目名の項目の意味と同じである。すなわち、機種IDは、当該Webページが正常に処理されうる機種の機種IDである。操作部サイズは、当該Webページが正常に表示されうる液晶パネルのサイズである。周辺装置情報は、当該Webページが正常に処理されるために必要な周辺装置の情報である。当該機能情報は、当該Webページが正常に処理されるために必要な機能の情報である。オプション情報は、当該Webページが正常に処理されるために必要なオプション情報である。メモリ空き容量は、当該Webページが正常に処理されるために必要なメモリの空き容量である。ストレージ空き容量は、当該Webページが正常に処理されるために必要なストレージの空き容量である。
なお、各項目の値は、一つに限定されない。例えば、機種ID、操作部サイズとして、複数の値が設定されてもよい。
以上のように、条件情報は、機器情報に対する条件として設定される。なお、条件情報における共存可能プログラム一覧及び必須プログラム一覧は、機器情報におけるプログラム一覧に対する条件に相当する。
続いて、整合性判定部41は、整合性の判定要求に指定された対象機器10aの機器情報と、ステップS202において取得された条件情報とを照合して、処理対象のWebページに関して、対象機器10aとの整合性の有無を判定する(S203)。具体的には、以下の(1)〜(9)の条件の全てが満たされる場合に、整合性は有ると判定される。
(1)機器情報の機種IDが、条件情報の機種IDに含まれていること。
(2)機器情報のプログラム一覧に含まれている全てのプログラムID及びバージョン情報の組み合わせが、条件情報の共存可能プログラム一覧に含まれていること。
(3)条件情報の必須プログラム一覧に含まれている全てのプログラムID及びバージョン情報の組み合わせが、機器情報のプログラム一覧に含まれていること。
(4)機器情報の設定情報における各設定項目に対する設定値が、条件情報の設定情報に指定されている通りであること。
(5)機器情報の周辺装置情報が、条件情報の環境情報における周辺装置情報を満たしていること。
(6)機器情報の搭載機能情報が、条件情報の環境情報における搭載機能情報を満たしていること。
(7)機器情報のオプション情報が、条件情報の環境情報におけるオプション情報を満たしていること。
(8)機器情報のメモリ空き容量が、条件情報の環境情報におけるメモリ空き容量以上であること。
(9)機器情報のストレージ空き容量が、条件情報の環境情報におけるストレージ空き容量以上であること。
上記の(1)〜(9)の全てが満たされる場合(S204でYes)、整合性判定部41は、処理対象のWebページのページID及びバージョンに関して、判定結果として「1」を判定結果情報(図9)に含める(S205)。
一方、上記(1)〜(9)のいずれかが満たされない場合(S204でNo)、整合性判定部41は、満たされていない条件に応じた処理を実行する。(3)の条件が満たされていない場合(S206でYes)、整合性判定部41は、処理対象のWebページのページID及びバージョンに関して、判定結果として「2」を判定結果情報(図9)に含める(S207)。続いて、整合性判定部41は、条件情報の必須プログラムに含まれているプログラムID及びバージョン情報の組み合わせのうち、機器情報のプログラム一覧に含まれていない組み合わせを、処理対象のWebページのページID及びバージョン情報に対する付加情報として、判定結果情報に含める(S208)。なお、当該組み合わせは、(3)の条件の判定時において、整合性判定部41によって特定される。
(5)の条件又は(7)の条件が満たされない場合(S209でYes)、整合性判定部41は、処理対象のWebページのページID及びバージョンに関して、判定結果として「3」を判定結果情報(図9)に含める(S210)。続いて、整合性判定部41は、条件情報の環境情報を構成する周辺装置情報又はオプション情報に含まれているいずれかの装置IDのうち、機器情報の周辺装置情報又はオプション情報に含まれていない装置IDを、処理対象のWebページのページID及びバージョン情報に対する付加情報として、判定結果情報に含める(S211)。
(4)の条件が満たされない場合(S212でYes)、整合性判定部41は、処理対象のWebページのページID及びバージョンに関して、判定結果として「4」を判定結果情報(図9)に含める(S213)。続いて、整合性判定部41は、条件情報の設定情報に含まれる設定項目のうち、設定値が機器情報の設定情報に含まれる値と異なる設定項目に関して、設定項目名と条件情報の設定情報に含まれる設定値とを、処理対象のWebページのページID及びバージョン情報に対する付加情報として、判定結果情報に含める(S214)。
なお、判定結果情報には、複数の判定結果(「2」、「3」、及び「4」のうちの2以上)が含まれてもよい。
続いて、整合性判定部41は、判定結果情報は空であるか否かを判定する(S215)。すなわち、ステップS206、S209、及びS212の全てにおいてNoであったか否かが判定される。判定結果情報が空である場合(S215でYes)、整合性判定部41は、処理対象のWebページのページID及びバージョンに関して、判定結果として「0」を判定結果情報(図9)に含める(S216)。
一方、判定結果情報が空でない場合(S215でNo)、整合性判定部41は、整合性を確保するための処理に応じて画像形成装置10aのリブートが必要であるか否かを判定する(S217)。すなわち、ステップS208において、プログラムID及びバージョン情報が判定結果情報に含められた場合、当該プログラムID及びバージョン情報によって特定されるプログラムのインストールに応じて画像形成装置10aのリブートが必要であるか否かが判定される。また、ステップS214において、設定項目名及び設定値が判定結果情報に含められた場合、当該設定値の変更によって画像形成装置10aのリブートが必要であるか否かが判定される。斯かる判定は、例えば、プログラムIDごとに、また、設定項目名ごとに、リブートの要否を示す情報に基づいて行われてもよい。当該情報は、整合性判定部41からアクセス可能な記憶装置に記憶されていればよい。
リブートが必要であると判定される場合(S217でYes)、整合性判定部41は、リブートが必要であることを示す情報を、処理対象のWebページのページID及びバージョン情報に対する付加情報として、判定結果情報に含める(S218)。
ステップS201〜S218が、整合性の判定要求に指定されたWebページの一覧情報に含まれる全てのページID及びバージョン情報の組み合わせに関して実行されると(S219でYes)、図15の処理は終了する。
上述したように、本実施の形態によれば、認証キーと照合データとに基づいて、問い合わせページ等の正当性を検証することができる。その結果、成りすましによる被害等を受ける可能性を低減させることができる。
なお、Webページと共に返信されるデータは、認証キーではなく、照合データであってもよい。この場合、機器構成変更部154は、Webページと共に返信された照合データと、機器構成変更部154が取得した照合データとが一致することを確認することで、当該Webページの正当性を検証してもよい。
なお、画像形成装置10a等の機器がダウンロードするWebページは、当該機器用に作成されているWebページに限定される可能性が高い。すなわち、汎用的なPC等におけるWebブラウザと異なり、機器ブラウザ152によるWebページの取得先は、所定のサーバに限定される可能性が高い。本実施の形態では、機器ブラウザ152の斯かる特性を利用して、機器構成変更部154が、予め信頼されている当該所定のサーバより照合データを取得するように構成されている。
また、本実施の形態によれば、ポータルページの取得要求元の画像形成装置10aが処理可能なWebページのアイコンは、そうでないWebページと区別されてポータル画面に表示されるようにポータルページが生成される。したがって、ポータルページの取得要求元の画像形成装置10aに対応したWebページの一覧を、ユーザに提示することができる。
また、本実施の形態によれば、画像形成装置10aの機器構成を変更することで処理が可能となるWebページに関しても、選択候補としてポータル画面に表示される。当該Webページが選択された場合、機器構成の変更が自動的に実行される。したがって、利用可能なWebページを容易に増加させることができる。
なお、本実施の形態では、画像形成装置10aに関して説明を行ったが、プロジェクタ10b又は携帯端末10c等、他の機器10によって画像形成装置10aが置き換えられて、本実施の形態が実施されてもよい。また、デジタルカメラ等、非図示の機器10によって、画像形成装置10aが置き換えられて、本実施の形態が実施されてもよい。
性と各Webページの固有性とを両立させることができる。
また、Webページと異なる形式のデータであって、Webページにおけるスクリプトのような命令を記述可能であって、操作パネル15等の表示部に情報を表示させる表示データが、Webページの代わりに用いられてもよい。
なお、ポータルサーバ装置30及び整合性判定装置40の機能を、Webサーバ装置20に実装する場合、例えば、Webサーバ装置20は、図17に示されるような機能構成を有してもよい。
図17は、本発明の実施の形態のWebサーバ装置の第二の機能構成例を示す図である。図17中、図5と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図17において、Webサーバ装置20のソフトウェアは、サーバアプリ210及びプラットフォーム220等の層に分類されている。
サーバアプリ210は、Webサーバ装置20が提供するサービスを実現するアプリケーションプログラムである。当該サービスは、サーバアプリ210と画像形成装置10a等との連携によって実現されてもよい。また、当該サービスは、オンラインストレージ等、他のクラウドサービス等との連携によって実現されるサービスであってもよい。本実施の形態では、Webページ提供部21が、サーバアプリ210の一例である。
プラットフォーム220は、複数のサーバアプリ210に共通する機能、又は複数のサーバアプリ210から利用される基本機能等を含む。本実施の形態において、機器情報受信部31、整合性判定要求部32、ポータルページ生成部33、問い合わせページ生成部34、整合性判定部41、プログラム提供部42、及び認証キー管理部43等は、プラットフォーム220に属する。プラットフォーム220の各部の機能は、プラットフォームAPI240を介してサーバアプリ210に公開されている。換言すれば、サーバアプリ210は、プラットフォームAPI240によって公開されている範囲においてこれら各部の機能を利用可能である。
なお、図17に示されるように、Webサーバ装置20によって提供されるサービスは、画像形成装置10a、プロジェクタ10b、及び携帯端末10c以外に、PC、会議システム、ICレコーダ、及びデジタルカメラや、その他の新規デバイス等に関して実行されてもよい。
また、図17に示される各ソフトウェア及び各記憶部の分類形態は、一例であり、本実施の形態を実施するために、Webサーバ装置20の各ソフトウェア及び各記憶部が、図17に示されるような階層で分類されていることは必須ではない。すなわち、機器が、サーバアプリ210と連携可能であれば、Webサーバ装置20におけるソフトウェア及び記憶部の階層関係等は、特定のものに限定されない。
なお、本実施の形態において、機器ブラウザ152は、取得部の一例である。機器構成変更部154は、実行部の一例である。照合データは、第一のデータの一例である。認証キーは、第二のデータの一例である。
ポータルサーバ装置30及び整合性判定装置40、又は画像形成装置10a、ポータルサーバ装置30、及び整合性判定装置40は、情報処理システムの一例である。認証キー管理部43は、生成部及び第二の送信部の一例である。認証キー記憶部46は、記憶部の一例である。問い合わせページ生成部34は、第一の送信部の一例である。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。