JP2014169479A - 竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法 - Google Patents

竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】竪型溶解炉の炉頂部から、原燃料として、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤を装入し、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解することにより、竪型溶解炉から出湯される際の溶銑温度が1450〜1550℃であり、且つ後工程で転炉精錬される溶銑を製造する方法において、コークスのガス化を効果的に抑制してコークス使用量を削減する。
【解決手段】コークスの少なくとも一部として、SiO含有率が95mass%以上、アルカリ(Na,K)含有率が2mass%以下の物質で表面を被覆したコークスを用いる。被覆材により吸熱反応であるコークスのガス化反応が効果的に抑制され、コークス使用量を削減できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、竪型溶解炉を用い、コークスを主たる熱源として鉄系スクラップを主体とする鉄源を溶解し、溶銑を製造する方法に関する。
キュポラやシャフト炉などの製鉄用竪型溶解炉では、鉄源とコークス等の熱源として働く物質を炉頂部から装入し、炉下部から空気又は酸素富化した空気を常温又は高温にして吹き込んでいる。コークス等の燃焼により発生する熱を鉄源に与え溶解することで溶銑を製造している。
例えば、鋳物工場における竪型溶解炉においては、外部から購入した銑鉄や、自所で発生した銑鉄の屑を鉄源として使用している。一方、主として鉄系スクラップを鉄源として銑鉄を生産する竪型溶解炉も存在している。ここでは便宜上、前者をキュポラ、後者をシャフト炉と呼ぶことにする。
キュポラやシャフト炉では、主として使用する鉄源は異なるが、コークスの燃焼熱を利用して鉄源を溶解することは共通である。
熱源或いは還元材としては、一般にコークスが用いられるが、補助として微粉炭や廃プラスチックを送風に同伴させて吹込むことも実施されている。
また、鉄源の一部として、酸化鉄を主体とした塊状の鉄鉱石、粉状の鉄鉱石を焼結したいわゆる焼結鉱、粉状の鉄鉱石を造粒したペレット、製鉄所で発生する鉄分を含むダストを塊成化したダスト塊成化物などを炉頂部から装入する場合もある。なお、ダストを塊成化する理由は、竪型溶解炉では炉下部から炉頂部に向かうガスの流れがあり、粉体のままでは炉頂装入したダストの一部又は全部がガス流に同伴して炉外に排出されてしまい、溶銑を得ることができないためである。
鉄源である酸化鉄は、炉頂部から装入された後、時間と共に炉下方の高温領域に降下していき、還元性のガス(COガス)またはコークスと接触して還元・溶融反応が進み、溶銑(溶融銑鉄)を得ることが可能である。
熱源として使用されるコークスは8〜13mass%程度の灰分を含有しており、また、鉄源中にも鉄以外の元素が含有されており、これらはいわゆるスラグ(鉱滓)として溶銑とともに竪型溶解炉から排出される必要がある。これら灰分などの鉄以外の物質は一般に融点が高く、そのままでは竪型溶解炉から排出し難いため、石灰石や珪石などの造滓剤(スラグ成分調整用の副原料)を添加して融点を下げることが広く行われている。
一方、コークスは送風中の酸素と反応して燃焼し、二酸化炭素(CO)と熱を発生する(下記(1)式)。発生したCOはコークスをガス化させ一酸化炭素(CO)となるが、この反応は吸熱反応である(下記(2)式)。したがって、吸熱反応を抑制できればコークス比の低減が可能である。高価なコークスの使用量が低減できれば、溶銑製造コストを削減することができる(なお、下記(1),(2)式は非特許文献1による)。
C+O2=CO2 (ΔH0 298=-393.5kJ/mol:発熱) …(1)
C+CO2=2CO (ΔH0 298=172.4kJ/mol:吸熱) …(2)
上記(2)式の反応を抑制するには、炭素(コークス)とCOガスの接触を断てばよいことは容易に理解できる。このことから、特許文献1には、コークスの表面を泥漿又は粉末などのような反応を抑制する物質で被覆することにより、燃料・還元材の反応を抑制する方法が提案されている。特許文献1には、反応を抑制する物質として、石灰、マグネシア系の塩基性物質、アルミナ系の中性無機物、珪石系などの酸性無機物、FeSiなどの合金鉄粉を主材とする粉末や、これらの粉末を液体で溶いた泥漿が挙げられている。
特開2000−328079号公報
日本金属学会編、金属化学入門シリーズ2鉄鋼製錬、丸善株式会社、2000年、p.34
特許文献1の方法では、コークスの表面を被覆するための物質の種類に大きな制限はなく、塩基性、中性又は酸性無機物や合金鉄などのような様々な物質を使用できるとしている。しかしながら、本発明者らが行った試験によれば、コークスのガス化反応はコークスの表面を覆う物質の種類によって大きく異なり、ガス化反応を抑制できるものもあれば、逆にガス化反応を促進してしまうものもあることが判った。つまり、特許文献1に従い竪型溶解炉を操業すると、却ってコークスのガス化反応が促進されてコークス比が上昇し、溶銑の製造コストが増大することがあることが判った。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、竪型溶解炉の炉頂部から、原燃料として、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤を装入し、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解して溶銑を製造する方法において、コークスのガス化を効果的に抑制してコークス使用量を削減することができる溶銑製造方法を提供することにある。
本発明者らは、コークスに様々な物質を被覆してCOによるガス化試験を実施し、その結果、コークスのガス化を抑制する物質と、逆にコークスのガス化を促進する物質があることを見出した。このことから、竪型溶解炉の操業においては、前者の物質を用いてコークスを被覆することで吸熱反応であるコークスのガス化反応(上記(2)式)を抑制することができ、これにより、コークス比を低減した低コストでの溶銑の製造が可能になることを見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]竪型溶解炉の炉頂部から、原燃料として、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤を装入し、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解することにより、竪型溶解炉から出湯される際の溶銑温度が1450〜1550℃であり、且つ後工程で転炉精錬される溶銑を製造する方法であって、
前記コークスの少なくとも一部として、SiO含有率が95mass%以上、アルカリ(Na,K)含有率が2mass%以下の物質で表面を被覆したコークスを用いることを特徴とする竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、SiO含有率が95mass%以上、アルカリ(Na,K)含有率が2mass%以下の物質のコークス被覆量(乾燥質量)は、コークス質量に対して0.1〜5mass%であることを特徴とする竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
本発明によれば、竪型溶解炉の炉頂部から、原燃料として、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤を装入し、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解して溶銑を製造する方法において、吸熱反応であるコークスのガス化反応が効果的に抑制されるため、ガス利用率が高められ、コークス使用量を削減することができる。このため、溶銑を低コストに製造することができる。
被覆なしのコークスと様々な物質で被覆したコークスについて、コークスガス化速度を調べた試験結果を示すグラフ コークスガス化速度を定量するために用いた試験装置を示す説明図 被覆なしのコークス、CaO含有物質で被覆したコークス、SiOで被覆したコークスについて、コークスのガス化が促進され或いは抑制される原理を模式的に示す説明図 コークスを被覆する物質のSiO含有率がコークスのガス化反応速度に及ぼす影響を示すグラフ 本発明の実施に供される竪型溶解炉と、この竪型溶解炉に対する原燃料の装入方法の一実施形態を示す説明図 コークスの表面に被覆材を被覆する方法の一実施形態を示す説明図 原燃料をバケットを用いて竪型溶解炉内に装入する場合において、バケット内での原燃料の装入状態の一例を示す説明図
本発明の溶銑製造法は、竪型溶解炉の炉頂部から、原燃料として、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤を装入し、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解して溶銑を製造するものであり、この溶銑は後工程で転炉精錬されるため、竪型溶解炉から出湯される際の溶銑温度を1450〜1550℃とし、転炉精錬工程で必要な溶鉄温度を確保する。そして、このような溶銑製造方法において、本発明では、前記コークスの少なくとも一部として、SiO含有率が95mass%以上、アルカリ(Na,K)含有率が2mass%以下の物質で表面を被覆したコークスを用いるものである。
本発明者らは、図2に示す試験炉を用い、コークスのCOとの反応性を調査した。竪型の環状管炉内部にルツボを配し、その内部にコークスを充填した。反応温度は上部から挿入した熱電対により測定した。コークス充填層へのガスの均一な分配を達成するため、コークス充填層の下部にはアルミナ球を充填した。この充填部を通じて装置下部から炉内にCOとNの混合ガスを導入し、質量の変化を上皿天秤にて計測した。
試験条件としては、温度は竪型溶解炉内の標準的条件である1300℃とし、雰囲気はCOが35vol%で、残りがNの混合ガスとした。上記(2)式の反応が生じると炭素がガス化して質量が減少していくので、コークス充填層の単位体積当たりの質量減少速度を算出し、これをガス化反応速度とした。
代表的な試験結果を図1に示す。この図1では、被覆なしのコークスのガス化反応速度を“1.0”とし、様々な物質(SiO、CaCO、ポルトランドセメント)で被覆したコークスのガス化反応速度を指数化して示した。
この試験結果では、SiOで被覆したコークスについてはガス化速度の低下が見られ、一方、CaCOやセメントで被覆したコークスについてはガス化反応速度が増大した。
被覆に用いた物質の組成を、コークスの灰分の組成とともに表1に示す。
SiOは単体での融点が1723℃と極めて高い。コークス灰分の主たる成分はSiOとAlであるが、被覆したSiOがコークス灰分と反応してSiOとAlの化合物を造ったとしても、その融点は1600℃程度にしか低下しない。したがって、ガス化反応試験で被覆したSiOはそのままの状態で残存し、COガスとコークス中炭素との接触を阻害する役割を果たした結果、ガス化反応速度が低下したものと考えられる。
一方、ガス化反応速度が増大したもの(CaCOやセメントで被覆したもの)については、被覆した物質のCaO含有量が高いことが特徴的である。CaOは単体での融点は2567℃と極めて高いが、コークス灰分に含まれるSiOやAlと容易に化合物を生成し、融点が低下する。この場合の最低の融点は1170℃程度である。したがって、被覆した物質の亀裂部等から侵入したCOがコークス表面で炭素と反応すると、生成したコークス灰分とCaOが化合物を生成して低融点化するため、被覆した物質が溶融し、コークスの表面を清浄化するため、COと炭素の反応が促進されるものと考えられる。
Figure 2014169479
被覆なしのコークス、CaO含有物質で被覆したコークス、SiOで被覆したコークスについて、コークスのガス化が促進され或いは抑制される原理を図3に模式的に示す。図3(ア)の被覆なしのコークスの場合は、ガス化反応により生成した高融点の灰分(SiOを相当量含む灰分)がコークス表面を覆うことにより、一部反応が抑制される。一方、図3(イ)のCaO含有物質を被覆したコークスの場合には、CaOが生成したコークス灰分を取り込んで低融点化し、それが流れ落ちる際に表面を清浄化するため、被覆なしのコークスと較べてガス化反応速度が増大するものと考えられる。これに対して、図3(ウ)のSiOを被覆したコークスの場合には、さきに述べたようにSiOは高融点であり、コークス灰分と反応しても高融点を維持するため、コークス表面の被覆状態が維持されてコークスのガス化が抑えられ、ガス化反応速度が低下するものと考えられる。
以上のことから、単体での融点が高いSiOを高濃度に含有する物質を粉末状にし、この物質でコークス表面を被覆し(以下、説明の便宜上、コークスを被覆する物質を「被覆材」という)、このコークスを竪型溶解炉に装入することにより、コークスの反応性を抑制できることが判った。
ここで、上述した点を、竪型溶解炉の炉内状況に当てはめてみると、次のようなことが言える。竪型溶解炉の炉頂部から鉄系スクラップとコークスを装入し、炉下部からの送風によりコークスを燃焼させ、その燃焼熱で鉄系スクラップを溶解する場合の炉内状況を考える。炉上部では鉄系スクラップとコークスが混在しているが、炉下部に向かうにしたがい温度は上昇する。純鉄の融点は1536℃であるが、竪型溶解炉内では鉄系スクラップ中に一部炭素が溶け込むことにより融点は低下する。炭素が飽和状態(炭素濃度で4.3mass%)での融点は1147℃に低下する。したがって、1147℃よりも高温側(炉下部側)、特に、1200℃以上の領域では固体の鉄系スクラップは存在せず、コークスの充填層となっている。一方、上記(2)式による反応は、コークスの密度が高いコークスの充填層中で活発に生じる。被覆材によるコークスの被覆により上記(2)式の反応を抑制するには、1200℃以上の炉下部でのコークス反応性を抑制することが重要である。ここで、出湯した溶銑を転炉で精錬する場合には、転炉精錬工程で必要な溶鉄温度を確保するために、出湯する際の溶銑温度を1450〜1550℃と高くし、溶銑中の炭素濃度を4.0mass%以上と高くするのがよい。
このように、出湯する溶銑温度が高い場合には、炉内コークス温度も高くなっている。したがって、1200℃〜1550℃の炉下方領域では被覆材が溶解せずにコークス表面に残留することが望ましい。つまり、被覆材(或いは被覆材とコークス中SiOやAlとの化合物)の融点が1147℃以上、望ましくは1200℃以上のときに、上記(2)式の反応の抑制効果が得られる。CaOを被覆した場合は、コークス灰分に含まれるSiOやAlと容易に化合物を生成し、融点が低下するので被覆効果は1200〜1550℃の炉下部で期待できないが、SiOを被覆した場合は、コークス灰分と反応してSiOとAlの化合物を生成したとしても、その融点は1600℃程度にしか低下しないので、1200〜1550℃の炉下部においても被覆効果が維持されることになる。したがって、単体での融点が高いSiOを高濃度に含有する物質を被覆材とすることにより、コークスの反応性を抑制することができる。
次に、被覆材のSiO含有率の限界値を調べるため、ガス化実験を行った。この試験では、図1に関する試験と同じ方法で、SiO含有率が異なる被覆材で被覆したコークスのCOとの反応性を調査した。その結果を図4に示す。この図4は、被覆材のSiO含有率とコークスのガス化反応速度との関係を示したもので、コークスのガス化反応速度は、被覆なしのコークスのガス化反応速度を“1.0”とし、各SiO含有率の場合のガス化反応速度を指数化して示した。なお、図4(b)は、図4(a)のSiO含有率92〜98mass%の部分を拡大したものである。
このガス化試験の結果、図4に示すように被覆材のSiO含有率が95mass%以上(特に96mass%以上)となると、顕著なガス化抑制効果が得られることが判った。すなわち、コークスの表面をSiO含有率が95mass%以上(特に好ましくは96mass%以上)の物質で被覆することにより、コークスのガス化を効果的に抑制できることが判った。
一方、被覆材としては、SiOを含有するものであっても、相当量のアルカリ分を含むようなものは好ましくない。被覆材にアルカリ分(Na,K)が多く含まれると、コークス灰分中のSiOとの反応により低融点の化合物を生じる。例えば、ケイ酸ナトリウム(NaSiO)の融点は1088℃であり、KSiとKSiの共晶温度は800℃以下と低い。したがって、アルカリ分を多く含むものは被覆材としての使用は望ましくない。例えば、川砂はSiOを含有率は高いが、通常、3〜20mass%程度のアルカリ分(Na,K)を含むので好ましくない。被覆材中のアルカリ分(Na,K)の含有率(Na,Kの合計含有率)は2mass%以下が好ましく、1mass%以下がより好ましい。
このため本発明では、竪型溶解炉の炉頂部から燃料として装入されるコークスの少なくとも一部として、SiO含有率が95mass%以上、好ましくは96mass%以上、アルカリ(Na,K)の含有率(Na,Kの合計含有率)が2mass%以下、好ましくは1mass%以下の物質で表面を被覆したコークスを用いるものである。
また、被覆材に鉄分が多く含まれると、コークス灰分中のSiOとの反応により、低融点の化合物を生じる。例えば、ファイアライト(Fayalite,FeSiO)の融点は1205℃と低く、Alの存在下ではその融点は1100℃程度にまで低下する。これは、上述した被覆材(或いは被覆材とコークス灰分中のSiOやAlとの化合物)の融点として好ましい温度(1147℃以上)と比較して低温である。したがって、鉄分を多く含むもの(例えば、製鉄所で発生するダストなど)は被覆材としての使用は望ましくない。具体的には、被覆材の鉄分含有率は、5mass%以下が好ましい。
被覆材となる物質(SiO含有率が95mass%以上、アルカリ(Na,K)含有率が2mass%以下の物質)の種類に特別な制限はないが、製鉄用の竪型溶解炉に装入する関係で、スラグとして円滑に炉外に排出される物質であることが好ましく、その点では、比較的入手が容易で従来からも造滓剤として用いられている珪石が特に好ましい。
被覆材をコークス表面に被覆する方法は任意であるが、一般には、粉末状の被覆材を水などの液体に分散させ、この被覆材分散液(スラリー)にコークスを浸漬し、或いは被覆材分散液をコークスに噴霧し、その後、乾燥処理(自然乾燥又は温風等による強制乾燥)することにより、被覆材をコークス表面に被覆する。
被覆材は、コークスへの付着性を高めるため粒径が200μm以下の粉末であることが好ましく、このために必要に応じて篩い分けや粉砕を施せばよい。
被覆材分散液の濃度と被覆効果の相関は大きくないが、被覆材量(乾燥質量)は、コークス質量に対して0.1〜5mass%程度とすることが好ましい。被覆材量が少なすぎると十分な効果が得られず、一方、被覆材量が多すぎると剥離しやすくなるので被覆効果が低下する。また、被覆による効果と被覆材を得るための粉砕コストを考慮した場合、より好ましい被覆材量(乾燥質量)は、コークス質量に対して0.3〜1.0mass%である。
本発明において、炉内に装入される主たる原燃料は、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤であり、コークスの少なくとも一部は、SiO含有率が95mass%以上、アルカリ(Na,K)含有率が2mass%以下の物質で表面を被覆したコークスである。
鉄系スクラップには、鉄スクラップや鋳物スクラップなどがあるが、これらの1種以上を用いることができ、鉄源はこのような鉄系スクラップを主体とする(すなわち、鉄系スクラップの割合が50mass%以上)ものである。鉄系スクラップ以外の鉄源としては、鉄含有ダスト及び/又は鉄含有スラッジの塊成化物、塊状の鉄鉱石、焼結鉱(粉状鉄鉱石を焼結したもの)、粉状鉄鉱石の造粒ペレットなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
なお、鉄含有ダスト及び/又は鉄含有スラッジの塊成化物は、鉄含有ダスト、鉄含有スラッジの1種以上又はこれを主体とする原料を塊状に固めたものであればよく、したがって塊成化物の種類や製法を問わないが、一般には、鉄含有ダスト(例えば、鉄鋼製造プロセスで生じる製鋼ダスト、高炉ダスト、圧延ダストなど)、鉄含有スラッジ(例えば、上記各種ダストが湿式集塵機で捕集されることでスラッジ化したもの)の1種以上に水硬性バインダー(例えば、セメント、高炉水砕スラグ微粉末、生石灰など)を配合し、さらに必要に応じて還元用の炭材粉などを配合した原料に水を加えて混合した後、成形し、この成形物を水和硬化させて塊成化物としたものが用いられる。
造滓剤としては、石灰石、珪石などが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
また、以上の原燃料以外に、微粉炭、木炭、廃プラスチックなどの炭材を炉内に装入又は吹き込むようにしてもよい。
少なくとも、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤からなる原燃料は、竪型溶解炉の炉頂部から一定時間毎に装入され、各1回分の原燃料装入により炉内に原燃料層が形成される。原燃料の装入方法は、(I)底部に開放可能なゲートを備えたバケットに原燃料を装入し、炉頂部においてバケット底部のゲートを開放することにより、バケット内の原燃料を炉内に装入する方法、(II)炉頂部に設けられた装入シュートから原燃料を炉内に装入する方法、(III)上記(I)と(II)を併用する方法、などがある。これらのなかでは、(I)の方法が最も一般的である。
原燃料が装入された竪型溶解炉内では、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解して溶銑が製造される。この溶銑は、竪型溶解炉から出湯される際の溶銑温度が1450〜1550℃であり、後工程で転炉精錬される。
なお、ガス化反応を促進する物質(CaO含有量が高い物質)は本来竪型溶解炉に装入しないことが望ましいが、コークスの灰分を滓化して炉内からの排出を容易にするために装入する必要がある。このような物質、例えば石灰石などは、被覆材と混合しないように保管場所などを分離することが好ましい。
図5は、本発明の実施に供される竪型溶解炉と、この竪型溶解炉に対する原燃料の装入方法の一例を示している。炉本体1は通常円筒型をしており、炉頂部から原燃料を重力により装入する。この実施形態では、上記(I)の方法で原燃料の炉内装入を行う。すなわち、原燃料(図5では鉄系スクラップ3、コークス4及び造滓剤5)を入れたバケット2を炉頂部へ移動させ、バケット底部のゲート20を開いて原燃料を落下させ、原燃料を炉内に装入する。バケット2は形状、大きさなど様々であるが、基本的に原燃料を炉本体1に装入する機能があれば、どのような形式のものでもよい。
炉本体1の下部には周方向に複数の羽口7(送風口)が設置されている。送風機(図示しない)により送風される空気又は酸素富化空気は、環状管6(ヘッダー管)を経て各羽口7に導入され、この羽口7から炉本体1内に吹き込まれる。送風される空気又は酸素富化空気は常温でもよいし、昇温(例えば、数百℃)したものでもよい。昇温にはそのための設備が必要で、燃料も必要となるが、その分コークス使用量を低減できるため、適宜、経済性を考慮して選択すればよい。炉本体1内では、空気又は酸素富化空気がコークスを燃焼させ、これにより生じた燃焼熱により鉄源が溶解し、溶銑が生成する。一方、コークス4の灰分は造滓剤5と反応し、溶融してスラグとなる。溶銑及びスラグは出銑口8から溶融状態のまま炉外に排出される。
図6は、コークス4の表面に被覆材を被覆する方法の一実施形態を示している。この実施形態は、コークス4に造滓剤の一つである珪石5a(粉体)を被覆する例を示している。珪石5aは、通常10〜20mm程度の粒径の塊状物で使用されているため、これを搬送コンベア9で粉砕装置10に搬送し、ここで例えば200μmアンダー程度の粒度に粉砕される。この珪石5aの粉砕物は搬送コンベア11で搬送されてスラリー槽12に導入される。スラリー槽12には水注入ライン13から水が供給され、撹拌装置14で撹拌されることで、珪石5aの粉砕物は水スラリー化される。一方、コークス4は搬送コンベア15により運搬され、その搬送途中で噴霧装置16から前記水スラリーを噴霧され、この水スラリーがコークス表面に被覆される。この珪石被覆コークス4xは、ヤードに保管され乾燥される。
原燃料を図5のようにバケット2を用いて竪型溶解炉内に装入する場合において、バケット2内での原燃料の装入状態の一例を図7に示す。この例では、最下層に鉄系スクラップ3、その上層に珪石被覆コークス4x、その上層に石灰石5bと珪石5aが装入されている。なお、珪石5aは、全量コークスの被覆に用いれば別途装入する必要はない。
そして、図5に示すように炉頂部においてバケット底部のゲート20を開放することにより、バケット2内の原燃料を炉内に装入する。この際、バケット2内の原燃料の分布状態はそのまま維持され、炉内に原燃料層が形成される。
炉内径が3.4mの竪型溶解炉を用いて鉄系スクラップをコークスの燃焼熱を用いて溶解し、溶銑(銑鉄)を製造した。この溶銑は、竪型溶解炉から出湯される際の溶銑温度が1450〜1550℃であり、後工程で転炉精錬した。
使用した原燃料の組成を表2に示す。鉄源としては、鉄系スクラップであるスクラップA,Bと、鉄分を含有するダストA,Bを用いた。鉄源は需給及び経済性を考慮して複数の種類のものを混合して用いるのが一般的である。本実施例では、広く一般に用いられている(社)日本鉄源協会が制定する鉄スクラップ規格のうち、H2に相当するものを主として用いた(スクラップA)。この規格はスクラップのサイズに係わるものであり、成分の規格はないが、微量ではあるが付着する土砂などにより鉄以外の不純物を含んでいる。スラグ成分設計のためにはこれら不純物濃度が必要であるため、表2には鉄以外の組成に関して推定値を記載したが、ロットにより成分は変動するため、必ずしも成分が同一である必要はない。また、スクラップBは製鉄所内で発生した銑鉄の屑であり、鉄スクラップ(スクラップA)に比較して炭素の含有量が3〜4mass%程度高いのが特徴である。
また、造滓剤(スラグ成分調整用の副原料)としては、石灰石と珪石を用いた。
コークスの被覆材としては、鉄源であるダストA,Bと、造滓剤である珪石及び石灰石の一部を微粉状にしたものを用いた。また、他の被覆材として川砂A,Bを用いた。
ダストAおよびダストBは製鉄所内で発生するさまざまな粉状物であり、いずれも鉄分を含んでいる。これらは微粉状であるため、コークスの被覆材として用いるために粉砕工程を必要としない場合が多く、本実施例では、ダストAは125μmの篩いで篩い分けしたところ全量篩下となり、ダストBは200μmの篩いで篩い分けしたところ全量篩下となった。ダスト中には鉄分が含まれているため、この鉄源を回収・リサイクルすることは製鉄所内での鉄歩留まり向上にも効果がある。多くの場合ダスト中の鉄分は酸化鉄の形で含有されるが、竪型溶解炉において還元・溶融して溶銑に変えることが可能である。
また、珪石と石灰石は通常15〜30mm程度に篩い分けしたものを使用しているので、その一部を粒径200μm以下に粉砕し、コークスの被覆材として用いた。
また、川砂A,Bは、コンクリートなどの骨材として使用されるものを用いた。川砂はSiO含有量が比較的高いものの、95mass%未満である。また、アルカリ(Na,K)の含有量が高いのも特徴である。
図6に示した方法により、被覆材(ダストA、ダストB、珪石粉、石灰石粉、川砂A、川砂Bのうちの1種以上)をコークスに被覆した。
なお、スラグの流動性を保つために、スラグ塩基度(スラグ中のCaO濃度(mass%)をSiO濃度(mass%)で除した値)が一定値(0.92)となるように、造滓剤の配合量を適宜調整した。
表3及び表4に、本発明例と比較例の操業条件と排ガス組成などを示す。
Figure 2014169479
Figure 2014169479
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本発明例1は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t(tは「溶銑ton」を意味する。以下同様)、スクラップBを120kg/t装入した。珪石の一部1.8kg/tを微粉状にし、これをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の1mass%である。被覆材のSiO含有率は95mass%以上(97.2mass%)、アルカリ(Na,K)の含有率が2mass%以下(0.1mass%)であるため、コークスのガス化が被覆材により抑制され、ガス利用率は比較的高めでコークス比も180kg/tと低位であった。
本発明例2は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。珪石の一部0.18kg/tを微粉状にし、これをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の0.1mass%である。被覆材のSiO含有率は95mass%以上(97.2mass%)、アルカリ(Na,K)の含有率が2mass%以下(0.1mass%)であるため、コークスのガス化が被覆材により抑制され、ガス利用率は比較的高めでコークス比も182kg/tと低位であった。
本発明例3は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。珪石の一部8.6kg/tを微粉状にし、これをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の4.75mass%である。被覆材のSiO含有率は95mass%以上(97.2mass%)、アルカリ(Na,K)の含有率が2mass%以下(0.1mass%)であるため、コークスのガス化が被覆材により抑制され、ガス利用率は比較的高めでコークス比も181kg/tと低位であった。
本発明例4は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。珪石の一部0.6kg/tを微粉状にし、これをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の0.33mass%である。被覆材のSiO含有率は95mass%以上(97.2mass%)、アルカリ(Na,K)の含有率が2mass%以下(0.1mass%)であるため、コークスのガス化が被覆材により抑制され、ガス利用率は比較的高めでコークス比も180kg/tと低位であった。
本発明例5は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。珪石の一部0.1kg/tを微粉状にし、これをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の0.05mass%である。被覆材の量はやや少ないが、被覆材のSiO含有率は95mass%以上(97.2mass%)、アルカリ(Na,K)の含有率が2mass%以下(0.1mass%)であるため、コークスのガス化が被覆材により抑制され、ガス利用率は比較的高めでコークス比も186kg/tと低位であった。
本発明例6は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。珪石の一部13.1kg/tを微粉状にし、これをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の7.04mass%である。被覆材の量はやや多いが、被覆材のSiO含有率は95mass%以上(97.2mass%)、アルカリ(Na,K)の含有率が2mass%以下(0.1mass%)であるため、コークスのガス化が被覆材により抑制され、ガス利用率は比較的高めでコークス比も186kg/tと低位であった。
本発明例7は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを117kg/t、ダストAの塊成化物を3.5kg/t装入した。珪石の一部8.6kg/tを微粉状にし、これをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の4.75mass%である。被覆材のSiO含有率は95mass%以上(97.2mass%)、アルカリ(Na,K)の含有率が2mass%以下(0.1mass%)であるため、コークスのガス化が被覆材により抑制され、ガス利用率は比較的高めでコークス比も181kg/tと低位であった。
本発明例8は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。珪石の一部3kg/tと川砂Bの全量1.2kg/tを混合後に微粉状にし、これをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の2.31mass%である。被覆材のSiO含有率は95mass%以上(95.5mass%)、アルカリ(Na,K)の含有率が2mass%以下(1.7mass%)であるため、コークスのガス化が被覆材により抑制され、ガス利用率は比較的高めでコークス比も182kg/tと低位であった。
本発明例9は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。珪石の一部3kg/tと川砂Bの全量1kg/tを混合後に微粉状にし、これをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の1.94mass%である。被覆材のSiO含有率は95mass%以上(96.3mass%)、アルカリ(Na,K)の含有率が2mass%以下(0.9mass%)であるため、コークスのガス化が被覆材により抑制され、ガス利用率は比較的高めでコークス比も180kg/tと低位であった。
比較例1は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。コークスは被覆材で被覆しないものを用いた。このため、コークスのガス化が被覆材で抑制される効果が得られず、ガス利用率は本発明例に較べて低く、コークス比も201kg/tと高位となった。
比較例2は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。石灰石の一部2.2kg/tを微粉状にし、これをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の1.04mass%である。コークスのガス化が被覆材である石灰石により促進されるため、ガス利用率が低く、コークス比も212kg/tと高位となった。
比較例3は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを118kg/t、さらにダストBを3kg/t、川砂Aを3kg/t装入した。ダストBと川砂Aの各全量を混合したものをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の2.86mass%である。被覆材のSiO含有率は95mass%未満(47.1mass%)であり、コークスのガス化が被覆材により促進されるため、ガス利用率は低く、コークス比も210kg/tと高位となった。
比較例4は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを117kg/t、さらにダストAを3.5kg/t装入した。ダストAの一部1.8kg/tをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の0.9mass%である。被覆材のSiO含有率は95mass%未満(0.9mass%)であり、コークスのガス化が被覆材により促進されるため、ガス利用率は低く、コークス比も201kg/tと高位となった。
比較例5は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを118kg/t、さらにダストBを3.5kg/t装入した。ダストBの全量と珪石の一部2.1kg/tを混合したものをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の2.77mass%である。被覆材のSiO含有率は95mass%未満(41.0mass%)であり、コークスのガス化が被覆材により促進されるため、ガス利用率は低く、コークス比も202kg/tと高位となった。
比較例6は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを118kg/t、さらに川砂Aを0.8kg/t装入した。川砂Aの全量をコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の0.38mass%である。被覆材のSiO含有率は95mass%未満(86.9mass%)であり、且つアルカリ(Na,K)の含有率が2mass%超(3.1mass%)であるため、コークス灰分中のSiOとアルカリが低融点の化合物を生成して、コークスの表面が清浄化され、コークスのガス化が被覆材により促進されるため、ガス利用率は低く、コークス比も210kg/tと高位となった。
比較例7は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを118kg/t、さらに川砂Bを1kg/t装入した。珪石の一部1.8kg/tと川砂Bの全量1kg/tを混合後に微粉状にし、これをコークスに被覆した。この被覆材量は、コークス質量の1.35mass%である。被覆材のSiO含有率は95mass%以上(95.1mass%)であるが、アルカリ(Na,K)の含有率が2mass%超(2.1mass%)であるため、コークス灰分中のSiOとアルカリが低融点の化合物を生成して、コークスの表面が清浄化され、コークスのガス化が被覆材により促進されるため、ガス利用率は低く、コークス比も208kg/tと高位となった。
1 炉本体
2 バケット
3 鉄系スクラップ
4 コークス
4x 珪石被覆コークス
5 造滓剤
5a 珪石
5b 石灰石
6 環状管
7 羽口
8 出銑口
9,11,15 搬送コンベア
10 粉砕装置
12 スラリー槽
13 水注入ライン
14 撹拌装置
16 噴霧装置
20 ゲート

Claims (2)

  1. 竪型溶解炉の炉頂部から、原燃料として、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤を装入し、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解することにより、竪型溶解炉から出湯される際の溶銑温度が1450〜1550℃であり、且つ後工程で転炉精錬される溶銑を製造する方法であって、
    前記コークスの少なくとも一部として、SiO含有率が95mass%以上、アルカリ(Na,K)含有率が2mass%以下の物質で表面を被覆したコークスを用いることを特徴とする竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
  2. SiO含有率が95mass%以上、アルカリ(Na,K)含有率が2mass%以下の物質のコークス被覆量(乾燥質量)は、コークス質量に対して0.1〜5mass%であることを特徴とする請求項1に記載の竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
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