JP2014168891A - インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法 Download PDF

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実 古谷田
Tomonori Hoshino
友紀 星野
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Abstract

【課題】保護膜の耐久性を高めることができ、長寿命なインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】インクジェットヘッドは、傾斜された一対の側面を有する圧電部材と、圧電部材の裏面が固定された基板4と、を備えている。導電性インクが導入される複数のインク溝23が圧電部材に形成されている。各インク溝23の内側に電極33が形成されている。電極33はフォトリソグラフィー法で形成され、電極33の上に感光性ポジ型レジスト36が残っている。電極33から圧電部材の側面を通って基板の実装面に至る複数の配線パターン34は、電極33と一緒にフォトリソグラフィー法で形成され、配線パターン34の上に感光性ポジ型レジスト36が残っている。圧電部材および基板4の実装面の上に保護膜37が積層されている。保護膜37は、感光性ポジ型レジスト36と一緒に電極33および配線パターン34を覆っている。
【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドを製造する方法に関する。
シェアモードシェアウォール型のインクジェットヘッドは、複数のインク溝を備えている。インク溝は、基板の上に接着された圧電部材にダイヤモンドホイールを用いた切削加工を施すことにより形成されている。
各インク溝の内側に電極が設けられている。電極は、複数の配線パターンを介して駆動回路に電気的に接続されている。電極および配線パターンは、基板および圧電部材を金属膜で覆った後、金属膜の不要な部分をレーザ光で除去する、いわゆるレーザーパターニング法により形成されている。
さらに、従来のインクジェットヘッドでは、電極および配線パターンがパリレンのような保護膜で覆われている。この保護膜の存在により、例えば水溶性あるいは導電性を有する多種多様のインクを用いた場合でも、電極とインクとの接触に基づく不具合を解消することができる。
特開2010−69855号公報 特開2009−202473号公報
圧電部材の一例であるPZTは脆いために、圧電部材に切削加工を施す過程において、インク溝の内面が部分的に欠落する虞があり得る。このため、切削加工されたインク溝の内面は、平滑度が失われた粗面となっている。
さらに、レーザーパターニングにより形成された配線パターンは、その縁部に鋭利なバリが生じるのを避けられない
このため、電極および配線パターンを直接保護膜で覆った場合、保護膜が電極の表面粗さの影響を受けたり、配線パターンのバリの影響を受け易くなる。この結果、保護膜の膜厚が局部的に薄くなり、保護膜の耐久性を低下させる要因となる。
本発明の目的は、保護膜の耐久性を高めることができ、長寿命なインクジェットヘッドを得ることにある。
実施形態によれば、インクジェットヘッドは、表面から裏面に向けて広がるように傾斜された一対の側面を有する圧電部材と、前記圧電部材の前記裏面が固定された基板と、を備えている。導電性インクが導入される複数のインク溝が前記圧電部材に形成されている。各インク溝の内側に電極が形成されている。前記電極は、フォトリソグラフィー法で形成され、当該電極の上に感光性ポジ型レジストが残っている。前記電極から前記圧電部材の前記側面を通って前記基板の前記実装面に至る複数の配線パターンは、前記電極と一緒にフォトリソグラフィー法で形成され、当該配線パターンの上に感光性ポジ型レジストが残っている。保護膜が前記圧電部材および前記基板の実装面の上に積層されている。前記保護膜は、前記感光性ポジレジストと一緒に前記電極および前記配線パターンを覆っている。
実施形態に係るインクジェット装置の斜視図。 実施形態に係るインクジェットヘッドの平面図。 図2のF3−F3線に沿う断面図。 図3のF4−F4線に沿う断面図。 実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図。 実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示すブロック図。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、例えばインクジェットプリンタのような記録装置に搭載されるインクジェット装置1を開示している。インクジェット装置1は、シェアモードシェアウォール方式のインクジェットヘッド2およびマニフォルド3を含んでいる。
図2および図3に示すように、インクジェットヘッド2は、基板4、枠部材5、ノズルプレート6および一対の圧電部材7a,7bを備えている。基板4は、細長いフラットな実装面4aを有する矩形状の要素であって、マニフォルド3の上に取り付けられている。基板4としては、例えばアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウムおよびチタン酸ジルコン酸鉛等を用いることができる。
複数のインク供給口8および複数のインク排出口9が基板4に形成されている。インク供給口8およびインク排出口9は、基板4の実装面4aに開口されている。インク供給口8は、基板4の幅方向に沿う中央部で基板4の長手方向に間隔を存して一列に並んでいる。インク排出口9は、インク供給口8を挟むように基板4の長手方向に間隔を存して二列に並んでいる。インク供給口8およびインク排出口9は、マニフォルド3を介して導電性インクが充填された図示しないインクタンクに接続されている。
枠部材5は、例えば金属製の四角い枠であって、基板4の実装面4aの上に熱硬化性の接着剤10で固定されている。枠部材5は、実装面4aの上でインク供給口8およびインク排出口9を取り囲んでいる。
ノズルプレート6は、例えば矩形状のポリイミドフィルムで構成されている。ノズルプレート6は、枠部材5の上に熱硬化性の接着剤11で固定されて、基板4の実装面4aと向かい合っている。
図2および図3に示すように、一対のノズル列13a,13bがノズルプレート6に形成されている。ノズル列13a,13bは、ノズルプレート6の長手方向に延びるように、ノズルプレート6の幅方向に間隔を存して互いに平行に配置されている。
ノズル列13a,13bは、夫々複数のノズル14を有している。ノズル14は、ノズルプレート6を厚み方向に貫通するミクロン単位に微小な孔である。ノズル14は、ノズル列13a,13b毎にノズルプレート6の長手方向に間隔を存して一列に並んでいる。ノズル14は、一列に並ぶことに特定されず、例えばノズルプレート6の長手方向に沿ってジグザグ状に配列してもよい。
図3に示すように、基板4、枠部材5およびノズルプレート6は、互いに協働して共通インク室15を構成している。インク供給口8およびインク排出口9は、夫々共通インク室15に開口されている。このため、本実施形態では、インクタンクに蓄えられた導電性インクがマニフォルド3からインク供給口8を介して共通インク室15に供給される。共通インク室15に供給された余剰の導電性インクは、インク排出口9からマニフォルド3を経てインクタンクに戻される。
圧電部材7a,7bは、共通インク室15に収容されている。一方の圧電部材7aは、一方のノズル列13aの真下に位置するように基板4の実装面4aの上に接着されている。他方の圧電部材7bは、他方のノズル列13bの真下に位置するように基板4の実装面4aの上に接着されている。
圧電部材7a,7bは、互いに共通の構成を有している。そのため、本実施形態では、一方の圧電部材7aを代表して説明し、他方の圧電部材7bについては同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
圧電部材7aは、ノズル列13aに沿って延びる細長い本体16を備えている。図4および図5に示すように、本体16は、二枚の圧電板17a,17bで構成されている。圧電板17a,17bは、夫々の分極方向が圧電板17a,17bの厚さ方向に沿って逆向きとなるように張り合わされている。
圧電板17a,17bとしては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等を用いることができ、本実施形態では、圧電定数が高いPZTを使用している。
本体16は、表面18、裏面19および一対の側面20a,20bを有している。表面18は、第1の面と言い換えることができ、ノズルプレート6に面している。裏面19は、第2の面と言い換えることができる。裏面19は、表面18の裏側に位置されて基板4の実装面4aの上に熱硬化性の接着剤21で固定されている。
側面20a,20bは、第3の面と言い換えることができる。一方の側面20aは、表面18の幅方向に沿う一端と裏面19の幅方向に沿う一端との間を結んでいる。他方の側面20bは、表面18の幅方向に沿う他端と裏面19の幅方向に沿う他端との間を結んでいる。さらに、側面20a,20bは、表面18から裏面19に向けて互いに離れるように傾斜している。言い換えると、本体16の側面20a,20bは、基板4の実装面4aに対し本体16の側方に広がるように傾いている。
図5に本体16の一方の側面20aの箇所を拡大して示すように、基板4の実装面4aのうち一方の側面20aの麓に位置する部分に研磨部22が形成されている。研磨部22は、本体16の長手方向に延びる溝状に形成されている。研磨部22は、基板4の実装面4aのうち他方の側面20bの麓に位置する部分にも同様に形成されている。
図2ないし図5に示すように、複数のインク溝23が本体16に形成されている。インク溝23は、本体16の長手方向に間隔を存して配列されているとともに、本体16の表面18および側面20a,20bに連続して開口されている。本体16のうちインク溝23の間に位置された部分は、隣り合うインク溝23の間を隔てる隔壁24として機能している。
図4に示すように、各インク溝23は、底面25と、一対の側面26a,26bとで規定されている。底面25および側面26a,26bは、インク溝23の内面を構成している。さらに、インク溝23は、上側の圧電板17aを貫通して下側の圧電板17bの厚み方向に沿う途中まで達している。
本実施形態によると、インク溝23は、本体16に例えばICウェハーの切断に使用するダイシングソーのダイヤモンドホイールを用いた切削加工を施すことにより形成される。そのため、図4に示すように、インク溝23の底面25および側面26a,26bは、数多くのミクロン単位の凹凸28を有している。
加えて、PZT製の本体16は脆いために、本体16に切削加工を施す過程において、インク溝23の底面25および側面26a,26bが部分的に欠落することがあり得る。この結果、ダイヤモンドホイールにより切削加工されたインク溝23の底面25および側面26a,26bは、平滑度が失われた粗面となっている。
図4および図5に示すように、ノズルプレート6は、本体16の表面18の上に重ねられるとともに、本体16に対し熱硬化性の接着剤11で固定されている。ノズルプレート6は、本体16の表面18に開口されたインク溝23の開口端を閉じている。
インク溝23とノズルプレート6とで規定された空間は、複数の圧力室30を構成している。圧力室30は、共通インク室15に供給された導電性インクが流入するように共通インク室15に連通されている。さらに、ノズルプレート6のノズル14は、個々に圧力室30の中央部に開口されている。
圧力室30を規定するインク溝23の内側に電極33が設けられている。電極33は、インク溝23の底面25および側面26a,26bを連続して覆っている。隣り合うインク溝23の電極33は、電気的に独立するように隔壁24によって切り離されている。
電極33は、例えばニッケル薄膜によって形成されている。電極33の厚さは、例えば0.5〜5μmである。電極33は、ニッケル薄膜に限らず、例えば金又は銅の薄膜で形成してもよい。
電極33は、配線パターン34を含んでいる。配線パターン34は、本体16の側面20aと基板4の実装面4aとの間に跨るように電極33から一体に引き出されているとともに、本体16の長手方向と直交する方向に直線状に配列されている。
詳しく述べると、図5に示すように、配線パターン34は、第1の配線領域34a、第2の配線領域34bおよび第3の配線領域34cを備えている。第1の配線領域34aは、本体16の側面20aの上に積層されて、電極33と一体化されている。第2の配線領域34bは、基板4の研磨部22から実装面4aの上に積層されているとともに、共通インク室15の内側に位置されている。第3の配線領域34cは、第2の配線領域34bに連続して実装面4aの上に積層されているとともに、共通インク室15の外側に導かれている。共通インク室15の外に位置された第3の配線領域34cの先端部には、導電パッド35が形成されている。
電極33および配線パターン34は、フォトリソグラフィー法を用いて形成されている。電極33、配線パターン34の第1の配線領域34aおよび第2の配線領域34bは、パターニング後に残った感光性ポジ型レジスト36のレジストパターンで覆われている。感光性ポジ型レジスト36の厚さは、例えば5μmである。感光性ポジ型レジスト36は、インク溝23の底面25および側面26a,26bに生じた凹凸28の影響を受ける電極33の表面粗さを吸収する機能を有している。
このため、感光性ポジ型レジスト36の表面36aの粗さは、インク溝23の底面25および側面26a,26bの粗さよりも小さくなっている。言い換えると、インク溝23の底面25および側面26a,26bから離れた感光性ポジ型レジスト36の表面36aが平坦化されている。感光性ポジ型レジスト36の表面36aの平均的な表面粗さは、例えば0.3μm以下とすることが望ましい。
感光性ポジ型レジスト36のレジストパターンは、共通インク室15の外に導かれた配線パターン34の第3の配線領域34cの上には残っていない。このため、第3の配線領域34cの先端に位置された導電パッド35は、インクジェットヘッド2の外に露出されている。
図4および図5に示すように、圧電部材7a,7bの本体16および基板4の実装面4aの上に有機保護膜37が積層されている。有機保護膜37は、電極33および配線パターン34の上に残った感光性ポジ型レジスト36と一緒に電極33、配線パターン34の第1の配線領域34aおよび第2の配線領域34bを覆っている。有機保護膜37は、感光性ポジ型レジスト36の表面36aに密着している。有機保護膜37の厚さは、例えば3〜10μmである。
有機保護膜37は、例えばパラキシレン系ポリマーによって形成されている。具体的に例示すると、いわゆるパリレンC(ポリクロロパラキシリレン)、パリレンN(ポリパラキシリレン)、およびパリレンD(ポリジクロロパラキシリレン)のようなパラキシリレン系ポリマーが適用される。
有機保護膜14は、パラキシリレン系ポリマーに特定されるものではなく、例えばポリイミドのような他の物質によって形成してもよい。
本実施形態によると、有機保護膜37は、共通インク室15を規定する枠部材5の表面を連続して覆っている。
図1、図3および図5に示すように、配線パターン34の導電パッド35は、例えば異方導電性フィルム40を介して複数のフレキシブルプリント配線板41に接続されている。フレキシブルプリント配線板41は、インクジェットヘッド2を駆動する駆動回路を搭載したプリント回路板42と配線パターン34との間を電気的に接続している。
フレキシブルプリント配線板41は、異方導電性フィルム40を介して導電パッド35に接続することに限らず、例えば異方導電ペースト、非導電性フィルム、あるいは非導電性ペーストのような他の接続手段を用いて導電パッド35に接続するようにしてもよい。
本実施形態によると、プリント回路板42に搭載された駆動回路は、記録装置の制御部から入力される印字信号に基づいて、インクジェットヘッド2の電極33に駆動電圧を印加する。
この結果、隣り合う電極33の間に電位差が生じ、これら電極33に対応する隔壁24に電界が発生する。したがって、圧力室30を間に挟んで隣り合う隔壁24がシェアモード変形により圧力室30の容積を増やす方向に湾曲する。
この後、電極33に対する駆動電圧の印加を遮断すると、隔壁24が初期の形状に復帰するように変位する。隔壁24が変位することで共通インク室15から圧力室30に供給された導電性インクが加圧される。加圧された導電性インクの一部は、インク滴となってノズル14から吐出される。
次に、インクジェットヘッド2を製造する具体的な手順について、図6を加えて説明する。
まず、最初のステップS1において、焼成前のセラミックスシート(セラミックスグリーンシート)で構成される基板4を準備する。基板4にプレス加工を施すことにより、当該基板4にインク供給口8およびインク排出口9を形成する。引き続いて基板4を焼成する。
基板4の成形が完了したら、ステップS2に移行する。ステップS2では、二枚の圧電板17a,17bを重ね合わせて圧電部材7a,7bの本体16を形成する。この後、基板4の実装面4aの上に熱硬化性の接着剤21を介して圧電部材7a,7bの本体16を接着する。本体16は、専用の治具を介して実装面4aの上の予め決められた領域に位置決めされる。
引き続き、基板4に接着された本体16に切削加工を施すことで、本体16の幅方向に沿う両端部を斜めにカットする。この結果、本体16の両端部に基板4の実装面4aに対し傾斜された側面20a,20bが形成される。本体16の両端部に切削加工を施す時に、基板4の実装面4aのうち側面20a,20bの麓に位置する箇所が研磨されて、側面20a,20bに連続する溝状の研磨部22が形成される。
この後、ステップS3に移行する。ステップS3では、ダイヤモンドホイールを用いて本体16に切削加工を施すことで、本体16に複数のインク溝23を形成する。インク溝23の底面25および側面26a,26bは、ダイヤモンドホイールを用いた切削により数多くのミクロン単位の凹凸28を有する粗面となっている。
インク溝23を形成した後、フォトリソグラフィー法により電極33および配線パターン34を形成するステップS4〜ステップS9に移行する。
ステップS4では、最初に本体16および基板4の実装面4aに無電解ニッケルメッキを施す。この結果、本体16の表面18、左右の側面20a,20b、インク溝23の底面25、側面26a,26bならびに基板4の実装面4aがニッケル薄膜によって全面的に被覆される。ニッケル薄膜は、電極33および配線パターン34の基礎となる金属膜の一例である。
ニッケル薄膜を形成する手法としては、無電解ニッケルメッキ法に限らず、例えばイオンビームスパッタ法、CVD法(化学気相成長法)、蒸着法あるいはEB法(電子ビーム共蒸着法)等を用いることができる。
さらに、ニッケル薄膜に電解金メッキを施すことで、ニッケル薄膜の上に金メッキ層を堆積するとよい。ニッケル薄膜を金メッキ層で被覆することにより、ニッケル薄膜の抵抗値を下げることができるとともに、抵抗値のばらつきを軽減することができる。
この後、ステップS5において、無電解ニッケルメッキが施された基板4および本体16の上に感光性ポジ型レジスト36を積層する。感光性ポジ型レジスト36は、例えばスプレー法、スピンナー法あるいは電着法を用いてニッケル薄膜の上に形成される。感光性ポジ型レジスト36は、ニッケル薄膜を全面的に覆っている。
引き続いて、ステップS6では、ニッケル薄膜を覆った感光性ポジ型レジスト36を予備的に乾燥させるために、感光性ポジ型レジスト36をプリベークする。さらに、感光性ポジ型レジスト36を紫外線で露光する。感光性ポジ型レジスト36を露光するに当たっては、感光性ポジ型レジスト36の上にマスクを密着させる。マスクは、感光性ポジ型レジスト36のうち電極33および配線パターン34に対応した領域を被覆する遮光部を有している。
露光機から放射される紫外線は、焦点を本体16の表面18に合わせた平行光となって感光性ポジ型レジスト36に入射される。この結果、感光性ポジ型レジスト36のうちマスクの遮光部で覆われた箇所を外れた領域が紫外線を受けて露光され、当該露光領域に潜像が形成される。
本実施形態では、紫外線が平行光となって感光性ポジ型レジスト36に入射される。このため、感光性ポジ型レジスト36が本体16のインク溝23および傾斜した側面20a,20bに沿うような三次元的な形状を有するにも拘らず、一回の露光で感光性ポジ型レジスト36に所定の潜像を形成することができる。
この後、ステップS7に移行する。ステップS7では、現像液を用いて露光された感光性ポジ型レジスト36を現像する。この現像により、感光性ポジ型レジスト36に形成された潜像が溶けて除去される。この結果、感光性ポジ型レジスト36は、マスクの遮光部で覆われた領域のみが残った状態となる。
言い換えると、感光性ポジ型レジスト36は、形成すべき電極33および配線パターン34に対応した形状を有するレジストパターンを形成する。そのため、レジストパターンを外れた領域では、ニッケル薄膜が基板4および本体16の外に露出している。引き続いて、パターニングされた感光性ポジ型レジスト36をポストベーク工程により乾燥させる。
この後、ステップS8において、レジストパターンの間に残存する感光性ポジ型レジスト36の残渣をプラズマ処理により除去する。
引き続いてステップS9に移行する。ステップS9では、ニッケル薄膜のうち感光性ポジ型レジスト36のレジストパターンで覆われていない箇所をエッチングする。エッチングでは、例えばニッケルを化学的に溶解させることができる酸性のエッチング液を使用する。このエッチングにより、ニッケル薄膜がレジストパターンで被覆された箇所を残して除去される。エッチングの手法としては、例えばドライエッチング法、ウェットエッチング法、イオンミリング法等を用いることができる。
したがって、エッチングが終了した時点では、ニッケル薄膜がレジストパターンに対応するような形状で残っており、このニッケル薄膜により電極33および配線パターン34が形成される。さらに、感光性ポジ型レジスト36のレジストパターンが電極33および配線パターン34の上に残っている。
エッチングが終了した後、レジストパターンのうち配線パターン34の第3の配線領域34cに対応する箇所を例えばドライ法又はウエット法を用いて除去する。この結果、導電パッド35を有する第3の配線領域34cが基板4の実装面4aの上に露出される。
この後、ステップS10において、基板4の実装面4aの上に熱硬化性の接着剤10を用いて枠部材5を固定する。接着剤10は、例えばスクリーン印刷によって枠部材5に塗布することが望ましい。枠部材5は、圧電部材7a,7bおよびインク排出口9を取り囲むように実装面4aの上に配置されて、配線パターン34の第2の配線領域34bの上を横切っている。
引き続いてステップS11に移行する。ステップS11では、電極33が形成された本体16および配線パターン34が形成された基板4の実装面4aの上に有機保護膜37を積層する。有機保護膜37は、電極33および配線パターン34の第1の配線領域34a、第2の配線領域34bの上に残った感光性ポジ型レジスト36のレジストパターンを覆うとともに、枠部材5の表面を覆っている。有機保護膜37は、例えばCVD法(Chemical vapor deposition)あるいは化学気相成長法により形成するとよい。有機保護膜37の厚さは、例えば3〜10μmとする。
有機保護膜37を形成するに当たっては、基板4の実装面4aのうち配線パターン34の第3の配線領域34cが露出された箇所に、例えばポリイミドテープのようなマスキングテープを張り付ける。これにより、導電パッド35を有する第3の配線領域34cが有機保護膜37で覆われることはない。
マスキングテープは、有機保護膜37が形成された後に、基板4の実装面4aから除去される。この結果、導電パッド35が基板4の実装面4aの上に露出された状態となる。
この後、ステップS12において、枠部材5の上から圧電部材7a,7bの本体16の表面18の上に跨るようにノズルプレート6を重ねるとともに、当該ノズルプレート6を熱硬化性の接着剤11を介して枠部材5および圧電部材7a,7bに固定する。
この結果、基板4の実装面4aとノズルプレート6との間に枠部材5で囲まれた共通インク室15が形成される。さらに、本体16のインク溝23とノズルプレート6との間に圧力室30が形成される。
本実施形態では、ノズルプレート6に予めノズル14が形成されている。ノズル14は、ノズルプレート6に例えばバーコータにより撥インク膜を形成した後、当該ノズルプレート6にエキシマレーザのレーザ光を照射することにより形成される。
引き続いてステップS13では、配線パターン34の導電パッド35に異方導電性フィルム40を介してフレキシブルプリント配線板41を熱圧着により接続する。この結果、プリント回路板42に搭載された駆動回路が、フレキシブルプリント配線板41および配線パターン34を介して電極33に電気的に接続される。
最後に、ステップS14において、基板4をマニフォルド3に取り付ける。このことにより、一連のインクジェットヘッド2の製造工程が終了する。
なお、インクジェットヘッド2の製造工程で使用された熱硬化性の接着剤10,11,21は、接着すべき要素を固定する毎に硬化させてもよいし、ある段階で一括して硬化させるようにしてもよい。
本実施形態によると、インクジェットヘッド2の電極33および配線パターン34は、フォトリソグラフィー法により形成され、電極33および配線パターン34のパターニングが完了した状態においても、電極33および配線パターン34の第1の配線領域34a、第2の配線領域34bの上に感光性ポジ型レジスト36のレジストパターンが残っている。
しかも、電極33および配線パターン34を導電性インクから隔離する有機保護膜37は、感光性ポジ型レジスト36のレジストパターンの上から電極33および配線パターン34を覆っている。このため、感光性ポジ型レジスト36が有機保護膜37の下地としての機能を兼ねている。
したがって、電極34の表面がインク溝23の底面25および側面26a,26bの上に生じた凹凸28の影響を受けて粗い面となっていても、感光性ポジ型レジスト36が電極34の表面の粗さを吸収する。よって、電極33から離れた感光性ポジ型レジスト36の表面36aが平滑な面となり、有機保護膜37がインク溝23の凹凸28の影響を受け難くなる。
さらに、配線パターン34をフォトリソグラフィー法で形成したことにより、レーザーパターニング時に避けられなかったバリの発生を防ぐことができる。
この結果、有機保護膜37の下地となる箇所が平坦化され、有機保護膜37が局部的に薄くなるのを防止できる。このため、有機保護膜37の厚さを均等化することができるとともに、有機保護膜37に有害なピンホールが発生し難くなる。よって、有機保護膜37の耐久性が向上し、長寿命なインクジェットヘッド2を得ることができる。
本実施形態によると、感光性ポジ型レジスト36のレジストパターンが有機保護膜37の下地を兼ねるので、有機保護膜37のための専用の下地を不要とすることができる。
さらに、インクジェットヘッド2を製造する過程において、電極33および配線パターン34の第1の配線領域34a、第2の配線領域34bの上の感光性ポジ型レジスト36を除去する工程を省略できるとともに、新たな下地を形成する工程も不要となる。
よって、インクジェットヘッド2を製造する際の作業工数を減らすことができ、その分、インクジェットヘッド2の製造コストを低減して、安価なインクジェットヘッド2を提供することができる。
加えて、有機保護膜37が金属製の枠部材5の表面を全面的に被覆しているので、共通インク室15を規定する枠部材5が導電性インクから隔離されている。このため、枠部材5が導電性インクに接することを要因とする枠部材5の腐食あるいは溶解等を未然に防止することができる。
本実施形態では、有機保護膜が枠部材の表面を全面的に覆っているが、例えば共通インク室に面する枠部材の内面のみを有機保護膜で覆うようにしてもよい。
さらに、枠部材がセラミックあるいは樹脂のような非導電性材料で構成されている場合には、枠部材を有機保護膜で覆う必要はない。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
2…インクジェットヘッド、4…基板、4a…実装面、7a,7b…圧電部材、18…表面、19…裏面、20a,20b…側面、23…インク溝、33…電極、34…配線パターン、36…感光性ポジ型レジスト、37…保護膜(有機保護膜)。

Claims (6)

  1. 表面と裏面との間を結ぶとともに前記表面から前記裏面に向けて広がるように傾斜された一対の側面と、前記表面および前記側面に開口するように互いに間隔を存して配列され、導電性インクが導入される複数のインク溝と、を含む圧電部材と、
    前記圧電部材の前記裏面が固定された実装面を有する基板と、
    前記圧電部材の前記インク溝の内側にフォトリソグラフィー法で形成され、感光性ポジ型レジストが残った電極と、
    前記電極と一緒に前記フォトリソグラフィー法で形成され、前記電極から前記圧電部材の前記側面を通って前記基板の前記実装面に至るとともに、感光性ポジ型レジストが残った複数の配線パターンと、
    前記圧電部材および前記基板の実装面の上に積層され、前記感光性ポジ型レジストと一緒に前記電極および前記配線パターンを覆った保護膜と、
    を具備したインクジェットヘッド。
  2. 請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記感光性ポジ型レジストは、前記保護膜の下地を構成するインクジェットヘッド。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記感光性ポジ型レジストの表面が平滑であるインクジェットヘッド。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記圧電部材を取り囲むように前記基板の前記実装面の上に固定された枠部材と、当該枠部材の上に固定されて前記圧電部材の前記表面を覆ったノズルプレートと、をさらに備え、
    前記基板、前記枠部材および前記ノズルプレートは、互いに協働して前記導電性インクが供給される共通インク室を形成し、前記圧電部材が前記共通インク室に収容されているとともに、前記保護膜が前記電極、前記配線パターンおよび前記感光性ポジ型レジストを前記導電性インクから隔離するように前記共通インク室に露出されたインクジェットヘッド。
  5. 基板の実装面の上に圧電部材を固定し、
    前記圧電部材に前記実装面に対し傾斜された一対の側面を形成した後、当該圧電部材に切削加工を施すことにより、導電性インクが導入される複数のインク溝を前記圧電部材に形成し、
    前記圧電部材の前記側面、前記インク溝の内面および前記基板の前記実装面を金属膜で被覆した後、フィトリソグラフィー法を用いて前記インク溝の内側に電極を形成するとともに、前記電極から前記圧電部材の前記側面を通って前記基板の前記実装面に至る複数の配線パターンを形成し、
    前記電極および前記配線パターンの上に夫々感光性ポジ型レジストを残したまま、前記圧電部材および前記基板の前記実装面の上に保護膜を積層することで、前記感光性ポジレジストと一緒に前記電極および前記配線パターンを前記保護膜で一体的に被覆するようにしたインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法において、前記感光性ポジ型レジストで前記電極の表面粗さを吸収するようにしたインクジェットヘッドの製造方法。
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