JP2014168853A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイピングによるノズルプレート全体に亘る撥液膜の劣化が抑制され、インク組成物の吐出がより安定したインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置は、無機顔料を含有するインク組成物を吐出する複数のノズルの吐出口23が並ぶ第1吐出口列と、無機顔料以外の色材を含有するインク組成物を吐出する複数のノズルの吐出口23が並ぶ第2吐出口列と、第1吐出口列と第2吐出口列とを有するノズルプレート22と、ノズルプレート22に設けられた撥液膜と、ノズルプレート22の表面をぬぐう、インク組成物の吸収性を有するワイピング部材31と、ノズルプレート22とワイピング部材31との相対位置を変動させる移動機構と、を備え、ノズルプレート22の表面がワイピング部材31によってぬぐわれる一連の動作において、優先して第2吐出口列がぬぐわれる。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方式を用いた記録は、インクの小滴を吐出・飛翔させて紙などの記録媒体上に付着させることにより行なう。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、これまで写真やオフセット印刷が用いられていた高精細な画像記録の分野においても、インクジェット記録方式を用いたインクジェット記録装置が利用されている。
インクジェット記録装置において、吐出するインクに含まれる水分や他の揮発性成分が蒸発すると、インクの粘度が上昇(増粘)する。近年のインクジェット記録においては、高精細な記録を行なうため、吐出されるインク滴の量は数ピコリットルと極微量であり、インクを吐出するノズルの径は小さく、またインク滴の吐出に要するエネルギーも小さくなっている。ノズル径が小さく、吐出エネルギーも小さいため、ノズルに付着し増粘したインクを排除することができず、ノズルで目詰まりを起こしやすく、その結果、インクの吐出不良を発生させる場合がある。さらに、紙、布帛などの記録媒体から発生する繊維、紙粉や周囲の埃などもノズルの形成面(ノズルプレート表面)に付着することがあり、同様にインクの正常な吐出が妨げられる。
上記のようなインクの増粘やノズルプレート表面への異物付着による吐出不良を防止または軽減するために、ワイパー機構(回復機構)を備えたインクジェット記録装置が提案されている。例えば、特許文献1には、ワイピングブレードを用いたクリーニング機構を備えたインクジェット記録装置が記載されている。特許文献1には、ワイピングブレードとヘッド(ノズルプレート表面)との摩擦係数を少なくし、ノズルプレート表面を保護するように、ワイピングブレードの表面に微粒子を配する技術が開示されている。また、特許文献2には、低コスト、高耐候性、高耐久性と高信頼性を同時に達成できるインクジェット記録装置として、処理液を記録ヘッドまたはワイピング部材に塗布する塗布手段を備え、ヘッドフェイス面(ノズルプレート表面)が乾燥したと判断される場合など必要な時にワイピングを実施するインクジェット記録装置が記載されている。
特開2006−142804号公報 特開2009−101630号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、インクの拭き取り性が悪いという課題があった。具体的には、ワイピングブレードを用いたクリーニングでは、ノズル表面やノズルプレートカバー、またワイピングブレードに付着したインクが増粘し乾いてしまった場合などに除去できなくなってしまうという課題であった。これに対して、特許文献2に記載の方法では、拭き取り性は向上したが、ノズルプレート表面に形成した撥液膜が劣化してしまうという課題があった。具体的には、無機顔料を含有するインク組成物を用いて記録を行なうインクジェット記録装置の場合、クリーニング時(ワイピング時)にワイピング部材とノズルプレート表面との間に介在する無機顔料がノズルプレート表面に作用して撥液膜などを傷つけてしまうという問題であった。無機顔料は、例えばカーボンブラックや二酸化チタンなどに代表されるように、容易に撥液膜(撥液性を有する金属アルコキシドの分子膜など)にダメージを与え得る成分であり、インク吐出口周囲において撥液膜が傷つくとインク吐出が不安定になり、インク滴の着弾位置が乱れるなどの問題が発生した。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例に係るインクジェット記録装置は、無機顔料を含有するインク組成物を吐出する複数のノズルの吐出口が並ぶ第1吐出口列と、無機顔料以外の色材を含有するインク組成物を吐出する複数のノズルの吐出口が並ぶ第2吐出口列と、前記第1吐出口列と前記第2吐出口列とを有するノズルプレートと、前記ノズルプレートに設けられた撥液膜と、前記ノズルプレートの表面をぬぐう、インク組成物の吸収性を有するワイピング部材と、前記ノズルプレートと前記ワイピング部材との相対位置を変動させる移動機構と、を備え、前記ノズルプレートの表面が前記ワイピング部材によってぬぐわれる一連の動作において、前記第1吐出口列よりも優先して前記第2吐出口列がぬぐわれることを特徴とする。
本適用例によれば、ノズルプレートの表面がワイピング部材によってぬぐわれることにより、インク組成物の増粘やノズルプレートへの異物付着による吐出不良が防止または軽減される。また、ノズルプレートの表面がワイピング部材によってぬぐわれる一連のワイピング動作において、第1吐出口列よりも優先して第2吐出口列がぬぐわれることによって、一連のワイピング動作の中で、ワイピング部材とノズルプレート表面との間に無機顔料が介在する状態が少なくなる。第1吐出口列がぬぐわれる際には、無機顔料がワイピング部材によってノズルプレート表面に押し付けられ擦られる場合があるため、第1吐出口列付近においてノズルプレート表面がダメージを受ける場合があるが、第2吐出口列は無機顔料の介在が無い、あるいは少ない状態において優先してぬぐわれるため、ノズルプレート表面が受けるダメージが抑制される。
このように、本適用例によれば、第1吐出口列から吐出されノズルプレートに付着する無機顔料が第2吐出口列に塗り広げられながらノズルプレートの表面全体へダメージを与えるということが無くなり、あるいは少なくなり、ダメージの度合いを低減することができる。その結果、ノズルプレート全体に亘る撥液膜の劣化が抑制されるため、インク組成物の吐出をより安定した状態に維持することができる。
[適用例2] 上記適用例に係るインクジェット記録装置において、前記移動機構が、優先して前記第2吐出口列がぬぐわれるように前記ノズルプレートと前記ワイピング部材との相対位置を変動させることを特徴とする。
本適用例によれば、一連のワイピング動作において、無機顔料を含むインク組成物を吐出する第1吐出口列と、無機顔料以外の色材を含有するインク組成物を吐出する第2吐出口列の配置に合わせて、移動機構が、優先して第2吐出口列がぬぐわれるようにノズルプレートとワイピング部材との相対位置を変動させる。換言すると、第1吐出口列と第2吐出口列の配置によらず、移動機構によって優先して第2吐出口列がぬぐわれる。例えば、高精細の画像を高速に記録できるようにするために、複数の第1吐出口列が、複数の第2吐出口列を挟むように離れた位置に配置されるような構成であっても、あるいは、逆に、第1吐出口列が第2吐出口列に挟まれるような構成であっても、ノズルプレートとワイピング部材との相対位置が変動し、優先して第2吐出口列がぬぐわれるようにワイピングされる。その結果、適用例1と同様の効果を得ることができ、インク組成物の吐出をより安定した状態に維持することができる。
このように、本適用例によれば、ノズルプレートにおけるノズルの吐出口列の配置、つまりは、インクジェットヘッドにおけるノズル列の配置を、ワイピングの順番を意識することなく、記録画像の精度や記録速度などを優先した配置とすることができるため、より高精細の画像を高速に記録でき、より吐出安定性の優れたインクジェット記録装置を提供することができる。
[適用例3] 上記適用例に係るインクジェット記録装置において、前記ノズルプレートと前記ワイピング部材との相対位置が単一の方向に変動し、前記ノズルプレートにおいて、優先して前記第2吐出口列がぬぐわれるように前記第1吐出口列と前記第2吐出口列とが配置されていることを特徴とする。
本適用例によれば、ノズルプレートとワイピング部材との相対位置が単一の方向に変動するワイピング動作において、優先して第2吐出口列がぬぐわれるように第1吐出口列と第2吐出口列とが配置されている。単純なワイピング動作によって、適用例1と同様な効果を得ることができるため、移動機構の構成をより簡略化することができる。その結果、インク組成物の吐出がより安定したインクジェット記録装置を、より簡略化された構成で提供することができる。
[適用例4] 上記適用例に係るインクジェット記録装置において、最初に前記第2吐出口列がぬぐわれることが好ましい。
本適用例のように、ノズルプレートの表面がワイピング部材によってぬぐわれる一連のワイピング動作において、最初に第2吐出口列がぬぐわれるようにすることで、最初にぬぐわれる第2吐出口列は無機顔料が介在しない状態においてぬぐわれるため、ノズルプレート表面が受けるダメージが抑制される。
このように、本適用例によれば、ノズルプレートに付着する無機顔料によるノズルプレートの表面全体へのダメージの度合いを低減することができる。その結果、ノズルプレート全体に亘る撥液膜の劣化が抑制されるため、インク組成物の吐出をより安定した状態に維持することができる。
[適用例5] 上記適用例に係るインクジェット記録装置において、前記第1吐出口列の数をnとし、前記第2吐出口列の数をmとし、n+mが偶数のときはk=(n+m)/2とし、n+mが奇数のときはk=(n+m−1)/2としたときに、前記ワイピング部材が前記ノズルプレートの表面を1番目からn+m番目までの前記第1吐出口列あるいは前記第2吐出口列をぬぐう一連の動作において、1番目からk番目までの範囲において前記第2吐出口列がぬぐわれる率が、k+1番目からn+m番目までの範囲において前記第2吐出口列がぬぐわれる率より大きいことを特徴とする。
本適用例によれば、ノズルプレートの表面がワイピング部材によってぬぐわれる一連のワイピング動作において、ぬぐわれる順番の前半(1番目からk番目までの範囲)に第2吐出口列がぬぐわれる率が、後半(k+1番目からn+m番目までの範囲)に第2吐出口列がぬぐわれる率より大きい。このように、優先して第2吐出口列がぬぐわれることによって、一連のワイピング動作の中で、ワイピング部材とノズルプレート表面との間に無機顔料が介在する状態がより少なくなる。その結果、第1吐出口列から吐出されノズルプレートに付着する無機顔料が第2吐出口列に塗り広げられながらノズルプレートの表面全体へダメージを与えるという状態がより少なくなり、ダメージの度合いを低減することができる。
[適用例6] 上記適用例に係るインクジェット記録装置において、前記無機顔料の平均粒子径が20nm以上200nm以下であることが好ましい。
本適用例のように、インク組成物に含まれる無機顔料の平均粒子径を20nm以上200nm以下とすることにより、インクジェット記録装置として、例えば黒インクや白インクなどを構成するインク組成物の安定した吐出ができる。また、第1吐出口列がぬぐわれる際には、平均粒子径が20nm以上200nmの無機顔料がワイピング部材によってノズルプレート表面に押し付けられ擦られることにより、第1吐出口列付近においてノズルプレート表面がダメージを受ける場合があるが、上述した効果により、このような無機顔料を使用する場合であってもノズルプレート表面が受けるダメージが抑制される。
[適用例7] 上記適用例に係るインクジェット記録装置において、前記無機顔料の針状比率(粒子の最大長/最小幅)が1.5以上3.0以下であることが好ましい。
本適用例のように、インク組成物に含まれる無機顔料の針状比率を1.5以上3.0以下とすることにより、耐擦過性、アルバム保存性、酸化性ガス耐性などに優れた画像が形成できるインクジェット記録装置を提供することができる。また、また、第1吐出口列がぬぐわれる際には、針状比率が1.5以上3.0以下の無機顔料がワイピング部材によってノズルプレート表面に押し付けられ擦られることにより、第1吐出口列付近においてノズルプレート表面がダメージを受ける場合があるが、上述した効果により、このような無機顔料を使用する場合であってもノズルプレート表面が受けるダメージが抑制される。
[適用例8] 上記適用例に係るインクジェット記録装置において、無機顔料を含有するインク組成物において、前記無機顔料の含有濃度が、1.0重量%以上であることが好ましい。
本適用例のように、インク組成物に含まれる無機顔料の含有濃度が、1.0重量%以上であることにより、より高精細でコントラストなどの画質が優れた画像が形成できるインクジェット記録装置を提供することができる。また、また、第1吐出口列がぬぐわれる際には、無機顔料がワイピング部材によってノズルプレート表面に押し付けられ擦られることにより、第1吐出口列付近においてノズルプレート表面がダメージを受ける場合があるが、上述した効果により、このように1.0重量%以上の無機顔料を含有する場合であってもノズルプレート表面が受けるダメージが抑制される。
実施形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図。 (a)ヘッドの一部を示す断面図、(b)ヘッドが備えるノズルプレートの平面図。 (a)ワイパーユニットを示す斜視図、(b)ワイパーユニットの構成を示す側面図、(c)ワイパーユニットと吐出口列との位置関係を示す平面図。 (a)〜(c)実施形態1〜3に係るノズルプレートを、吐出口の側から見た平面図。 (a)〜(c)実施形態4に係るノズルプレートの例を、吐出口の側から見た平面図。 (a),(b)変形例に係るノズルプレートの例を、吐出口の側から見た平面図。
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置1を示す斜視図である。
まず、インクジェット記録装置1の基本的な構成について説明する。
<インクジェット記録装置>
インクジェット記録装置は、インクジェット式記録ヘッドによって、インク(インク組成物)を吐出させ、記録媒体に付着させることにより文字や図面、画像などを記録する装置である。インクジェット式記録ヘッドの方式としては、好適例としてピエゾ方式を用いている。ピエゾ方式は、インクに圧電素子(ピエゾ素子)により記録情報信号に応じた圧力を加え、インク滴を噴射し記録する方式である。
なお、インクジェット式記録ヘッドの方式はこれに限定するものではなく、インクを液滴状に噴射させ、記録媒体上にドット群を形成する他の記録方式であってもよい。例えば、液体噴射ノズル(以下ノズル)とノズルの前方に置いた加速電極間の強電界でノズルからインクを液滴状に連続噴射させ、インク滴が飛翔する間に偏向電極から記録情報信号を与えて記録する方式、またはインク滴を偏向することなく記録情報信号に対応して噴射させる方式(静電吸引方式)、小型ポンプでインクに圧力を加え、ノズルを水晶振動子などで機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式、インクを記録情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射し記録する方式(サーマルジェット方式)などであってもよい。
図1は、実施形態に係る一例としてのインクジェット記録装置1の構成を示す斜視図である。図1において、インクジェット記録装置1は、略水平なX−Y平面に設置されている。
インクジェット記録装置1は、インクジェット式記録ヘッド(以下記録ヘッド20)、キャリッジ3、キャリッジ駆動機構4、コントロールボード5、インクカートリッジ6、記録媒体供給排出機構(図示省略)、プラテン8、ワイパーユニット30などを備えている。
キャリッジ3は、記録ヘッド20、およびインクカートリッジ6を搭載し、キャリッジ駆動機構4によって記録媒体10の表面上を走査(図1におけるX方向の往復動作)しながら略鉛直方向(図1における−Z方向)にインク(インク組成物)を吐出し記録を行なう。
コントロールボード5は、キャリッジ駆動機構4やワイパーユニット30の駆動制御やインク吐出の制御、また記録媒体10の供給排出などの制御を行なう。
インクカートリッジ6は、複数の収容部に分かれ、後述する複数のインク組成物を収容している。
記録媒体供給排出機構は、キャリッジ3の走査方向と交差する方向(図1におけるY方向)に記録媒体10を移動させる。
プラテン8は、記録媒体10を載置し、記録ヘッド20と、記録媒体10との間隔を規定している。
<記録ヘッド>
図2(a)は、記録ヘッド20の一部を示す断面図である。
記録ヘッド20は、インク組成物を吐出するノズル21が複数設けられたノズルプレート22を有し、ノズルプレート22には、ノズル開口部(吐出口23)が形成されている。また、ノズルプレート22の表面には撥液膜24が形成されている。
ノズルプレート22には、ノズルプレート22の少なくとも一部を覆うノズルプレートカバー25が設けられている。ノズルプレートカバー25は、複数のノズルチップ26の組み合わせによって形成される記録ヘッド20において、ノズルチップ26を固定する役割や、記録媒体10が浮き上がってノズル21に記録媒体10が直接接触してしまうのを防止する役割などのために設けられている。ノズルプレートカバー25は、ノズルプレート22の少なくとも一部を覆うことにより、側面から見たときに、ノズルプレート22から突出している状態で設けられる。インク組成物は、この突出部や吐出口23付近に残ることがあるため、後述するワイパーユニット30が備えるワイピング部材31(図3(a),(b))により除去する。
図2(b)は、吐出口23の側から見たノズルプレート22の平面図である。
ノズルプレート22は、無機顔料を含有するインク組成物を吐出する吐出口23が並ぶ第1吐出口列50と、無機顔料以外の色材を含有するインク組成物を吐出する複数のノズルの吐出口23が並ぶ第2吐出口列51とを有している。図2(b)に示す例では、Y方向に並ぶ2つの第1吐出口列50と7つの第2吐出口列51とを有している。
説明が前後するが、図2(a)は、図2(b)におけるA―A断面を示している。
また、図2(b)および以下に示す図において、黒く塗りつぶした吐出口23の列は、第1吐出口列50を表している。
<撥液膜>
撥液膜24は、撥液性を有する膜であれば特に限定されない。撥液膜24は、例えば、撥液性を有する金属アルコキシドの分子膜を成膜し、その後、乾燥処理、アニール処理等を経て形成することができる。金属アルコキシドの分子膜は撥液性を有していればいかなるものでもよいが、フッ素を含む長鎖高分子基(長鎖RF基)を有する金属アルコキシドの単分子膜、または撥液基(例えば、フッ素を含む長鎖高分子基)を有する金属酸塩の単分子膜であることが望ましい。金属アルコキシドとしては、特に限定されないが、その金属種としては、例えば、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウムが一般的に用いられる。長鎖RF基としては、例えば、パーフルオロアルキル鎖、パーフルオロポリエーテル鎖が挙げられる。この長鎖RF基を有するアルコキシシランとして、例えば、長鎖RF基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。また、撥液膜24としては、例えばSCA(Silane Coupling Agent)膜や、特許第4424954号に記載されたものも用いることができる。
また、撥液膜24は、ノズルプレート22の表面に導電膜を形成し、その導電膜上に形成してもよいが、先にシリコン材料をプラズマ重合することにより下地膜(PPSi(Plasma Polymerized Silicone)膜)を成膜し、この下地膜上に形成してもよい。この下地膜を介することによりノズルプレート22のシリコン材料と撥液膜24とを馴染ませることができる。
撥液膜24は、1nm以上30nm以下の厚さを有することが好ましい。このような厚さの範囲であることにより、ノズルプレート22が撥液性により優れる傾向にあり、膜の劣化が比較的遅く、より長期間撥液性を維持できる。また、コスト的にも膜形成の容易さにもより優れる。また、膜の形成容易さの観点から、1nm以上20nm以下の厚さを有することがより好ましく、1nm以上15nm以下の厚さを有することがさらに好ましい。
<ワイパーユニット>
図3(a)は、ワイパーユニット30を示す斜視図、図3(b)は、ワイパーユニット30の構成を示す側面図、図3(c)は、ワイパーユニット30と吐出口列との位置関係を示す平面図である。
ワイパーユニット30は、ワイピング部材31、給材ローラー32、除材ローラー33、押圧ローラー34、筐体35、ワイパーユニット駆動機構などから構成されている。
筐体35の内部には、筐体35の短手方向となるY方向へ水平に延びる軸線を有した一対の給材ローラー32と除材ローラー33が筐体35の長手方向となるX方向に距離をおいて収容されている。この一対の給材ローラー32と除材ローラー33の間には、ノズルプレート22の表面に残ったインクを払拭する吸収部材(ワイピング部材31)が掛装されている。給材ローラー32は、巻装した未使用のワイピング部材31を繰り出す。除材ローラー33は、給材ローラー32から巻き解かれて払拭に使用された使用済みのワイピング部材31を巻き取る。
筐体35の天部には、給材ローラー32、除材ローラー33と略平行した軸を有する押圧ローラー34が筐体35から露出している。給材ローラー32から繰り出されるワイピング部材31は、押圧ローラー34に巻き掛けられ、使用後に除材ローラー33に巻き取られる。
また、ワイパーユニット30は、図3(c)に示すように、押圧ローラー34の軸方向が、第1吐出口列50および第2吐出口列51において吐出口23が並ぶ方向と同じ方向になるように配置されている。
ワイパーユニット駆動機構(図示省略)は、給材ローラー32、除材ローラー33の回転駆動および押圧ローラー34に支えられるワイピング部材31の払拭部Wをノズルプレート22のインク払拭位置(高さ)に移動(上下)させる機能を有しており、これらの機能は、コントロールボード5によって制御される。
<ワイピング部材>
ワイピング部材31は、ノズルの吐出口23およびノズルプレート22に付着した無機顔料含有インク組成物に対して吸収性を有するものであれば特に限定されないが、後述する洗浄液を保持できるものであれば好ましい。ワイピング部材31に洗浄液が含まれていることにより、顔料粒子がワイピング部材31の表面から内部に移動しやすくなり、ワイピング部材31の表面に顔料粒子が残りにくくなるため、撥液膜24が顔料粒子によって傷つけられることが抑制される。
ワイピング部材31としては、特に限定されないが、例えば、布帛、スポンジ、パルプ等が挙げられる。このなかでも、布帛が好ましい。布帛であれば撓みやすく、付着したインクをより拭き取りやすい。また、布帛としては、特に限定されないが、例えば、キュプラ、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、リヨセル、レーヨン等からなるものを挙げることができる。この際、特にワイピング部材31の素材が不織布(ポリエステル)やキュプラであると毛羽立ちが少ないので、ノズルからインクを吸引し難く、よりドット抜けを引き起こしにくいため好ましい。
ワイピング部材31の厚さは0.1mm以上3mm以下であることが好ましい。厚さが0.1mm以上であることにより、より洗浄液を保持しやすくなる。厚さが3mm以下であることにより、コンパクトなワイピング部材31となり、ワイパーユニット30が小型化でき、ワイパーユニット30の駆動もより容易となる。
ワイピング部材31の面密度は、0.005g/cm2以上0.15g/cm2以下が好ましい。より好ましくは、0.02g/cm2以上0.13g/cm2以下である。上記範囲であることにより、洗浄液をより保持しやすくなる。さらに、洗浄液の保持のため、ワイピング部材31は面密度、厚さを設計しやすい不織布を用いることが好ましい。
<洗浄液>
ノズルプレート22に塗布される洗浄液は、浸透剤や保湿剤を含むことが好ましい。これにより、固化した顔料粒子の再分散性が向上しワイピング部材31中により吸収されやすくなる。なお、洗浄液はノズルプレート22に塗布されるものであれば特に限定されず、布帛に含ませて塗布しても良いし、ミスト状、または、塗布部材の上に洗浄液を貯めて、貯めた洗浄液をノズルプレートに接触させても良い。上述の中でも布帛に含ませて塗布する対応が最も好ましい。なお、洗浄液を含浸させる場合、清掃動作を行う際に洗浄液を布帛に含浸させておけば良い。つまり、事前に含浸させた布帛を用いても良く、清掃動作を行う前に布帛に洗浄液を塗布する機構を設けても良い。
洗浄液の表面張力は45mN/m以下であることが好ましく、35N/m以下であることがより好ましい。表面張力が低いと無機顔料の再分散性が向上し吸収部材への無機顔料の浸透性が良好になり、拭き取り性が向上する。表面張力の測定方法としては、一般的に用いられる表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定する方法が例示できる。
洗浄液の含有量は、吸収部材100質量%に対して、10質量%以上200質量%以下であることが好ましく、10質量%〜120質量%以下であることが好ましく、30質量%〜100質量%がより好ましい。10質量%以上であることにより、無機顔料インクを吸収部材の内側へ浸透させやすく、撥液膜24が損傷するのをより抑制できる。また、200質量%以下であることにより、ノズルプレート22における洗浄液の残存をより抑制でき、気泡が洗浄液と共にノズルに浸入することに起因するドット抜けや、洗浄液自体がノズルに浸入することに起因するドット抜けをより抑制できる。
そのほか、洗浄液に含まれ得る添加剤(成分)としては、特に限定されないが、例えば、樹脂、消泡剤、界面活性剤、水、有機溶剤、およびpH調整剤等が挙げられる。上記の各成分は、1種単独で用いても2種以上の併用でもよく、含有量は特に制限されない。
洗浄液が消泡剤を含むと、クリーニング処理後のノズルプレート22に残った洗浄液が泡立つことを効果的に防止することができる。また、洗浄液はポリエチレングリコールやグリセリン等の酸性の保湿剤を多量に含む場合があるが、その場合に洗浄液がpH調整剤を含むと、酸性の洗浄液がインク組成物(通常、pH7.5以上の塩基性)に接触することが回避できる。これにより、インク組成物が酸性側にシフトすることを防止でき、インク組成物の保存安定性がより保たれる。
また、洗浄液に含まれ得る保湿剤としては、一般にインク等に使用可能なものであれば特に制限されることなく使用できる。保湿剤としては、特に限定されないが、1気圧下相当での沸点が、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上の高沸点保湿剤を用いることができる。当該沸点が上記範囲内であると、洗浄液中の揮発成分が揮発することを防止でき、洗浄液と接触する無機顔料含有インク組成物を良好に湿潤させて効果的に払拭することができる。
高沸点保湿剤として、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、およびペンタエリスリトール等が挙げられる。
保湿剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。保湿剤の含有量は、洗浄液の総質量(100質量%)に対して、10〜100質量%が好ましい。なお、保湿剤の含有量が洗浄液の総質量に対して100質量%とは、洗浄液の全成分が保湿剤であることを示す。
洗浄液に含まれ得る添加剤のうち浸透剤について説明する。浸透剤としては、一般にインク等に使用可能なものであれば特に制限されることなく使用できるが、水90質量%、浸透剤10質量%の溶液において、該溶液の表面張力が45mN/m以下となるものを浸透剤として採用することもできる。浸透剤としては、特に限定されないが、例えば、炭素数5〜8のアルカンジオール類、グリコールエーテル類、アセチレングリコール系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤、およびフッ素系界面活性剤からなる群より選択される一種以上が挙げられる。また、表面張力の測定は上述した方法で行なうことができる。
また、洗浄液中の浸透剤の含有量は、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、3質量%以上25質量%以下であることが好ましい。1質量%以上であることにより、拭き取り性により優れる傾向にあり、また、40質量%以下であることにより、浸透剤がノズル近傍のインクに含まれる顔料にアタックをし、分散安定性が壊れ凝集を起こすことを回避できる。
<移動機構>
移動機構は、ワイピング部材31および記録ヘッド20のうち少なくとも一方を、他方に対して相対的に移動させ、ワイピング部材31によってノズルプレート22の表面をぬぐい、ノズルプレート22の表面に付着したインク組成物を除去する清掃動作を行なうものである。具体的には、移動機構は、キャリッジ駆動機構4、ワイパーユニット駆動機構などにより構成され、コントロールボード5によって制御される。
ワイパーユニット駆動機構は、ワイピング部材31とノズルプレート22とを、相対的に移動させることによりワイピング部材31をノズルプレート22の表面に押圧する押圧機能を有する。好ましい押圧荷重は50gf以上700gf以下であり、50gf以上500gf以下がさらに好ましく、75gf以上300gf以下がより一層好ましい。押圧機能はワイピング部材31をノズルプレート22に押し当てる構成であっても、記録ヘッド20を移動させてワイピング部材31に押し当てる構成であっても良い。押圧力が50gf以上であることにより、インク拭き取り性に優れる。更に、ノズルプレート22とノズルプレートカバー25間にできる段差がある場合でも、その隙間に付着したインクが堆積することを防ぐ、または隙間から除去することに優れる。また、押圧力が500gf以下であることにより、撥液膜24の保存性に一層優れる。
なお、ここでいう荷重は、駆動機構全体からノズルプレート22に印加される荷重の総和である。
さらに、移動機構は、押圧後にワイピング部材31および記録ヘッド20を1cm/s以上10cm/s以下の速度で相対的(X方向)に移動させるものであることが好ましい。この速度範囲で移動させることにより、クリーニング性と撥液膜24の保存性がより向上する。
このX方向の移動機構は、キャリッジ駆動機構4、ワイパーユニット駆動機構のいずれに備えても、あるいは両方に備えても良い。
前述した押圧ローラー34は、特に限定されないが、例えば、弾性部材によって被覆されたものが好ましい。弾性部材のショアA硬度は10以上60以下であることが好ましく、10以上50以下であることがより好ましい。これにより、押圧時に押圧ローラー34およびワイピング部材31が撓み、ノズルプレート22の凹凸面に対してワイピング部材31を凹部に押し込むことができる。特に、ノズルプレートカバー25がある場合には、ノズルプレート22とここから突出したノズルプレートカバー25との間の角(隙間)に対してワイピング部材31を奥に押し込むことができ、インクの堆積を抑制できる。そのため、クリーニング性がより向上する。
<インク組成物>
次に、無機顔料を含有するインク組成物(以下、無機顔料含有インク組成物)、および無機顔料以外の色材を含有するインク組成物(以下、無機顔料非含有インク組成物)に含まれるか、または含まれ得る添加剤(成分)について説明する。インク組成物は、色材(無機顔料、有機顔料、染料など)、溶媒(水、有機溶剤など)、樹脂、界面活性剤などから構成される。
<色材>
無機顔料含有インク組成物は、色材として無機顔料を1.0重量%以上20.0質量%以下の範囲で含むものである。特に、無機顔料含有インク組成物が白色インク組成物の場合には、無機顔料濃度は5質量%以上が好ましい。
また、無機顔料非含有インク組成物は、無機顔料以外の顔料および染料から選択される色材を含んでもよい。
<顔料>
無機顔料含有インク組成物に含まれる無機顔料は、平均粒子径が20nm以上250nm以下であることが好ましく、より好ましくは20nm以上200nm以下である。
また、無機顔料の針状比率が3.0以下であることが好ましい。このような針状比率にする事で本願発明は良好に撥液膜を保護する事ができる。針状比率は、各粒子の最大長を最小幅で除した値(針状比率=粒子の最大長/粒子の最小幅)である。針状比率の特定については透過型電子顕微鏡を用いて測定可能である。
また、無機顔料のモース硬度は、2.0超過であり、5以上8以下であることが好ましい。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛等の単体金属;酸化セリウム、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化チタン等の酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩;珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム等の珪酸塩;チッ化ホウ素、チッ化チタン等のチッ化物;炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウム等の炭化物;ホウ化ジルコニウム、ホウ化チタン等のホウ化物等が挙げられる。このなかでも好ましい無機顔料としては、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素等が挙げられる。より好ましくは、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウムが挙げられる。酸化チタンにおいては、ルチル型のものはモース硬度が7〜7.5前後に対して、アナターゼ型は6.6〜6前後である。ルチル型の酸化チタンは製造コストも低く、好ましい結晶系であり良好な白色度も発揮できる。そのため、ルチル型二酸化チタンを用いた場合には、撥液膜保存性を有し、低コストかつ良好な白色度の記録物を作製できるインクジェット記録装置となる。
有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、およびアゾ系顔料等が挙げられる。有機顔料の具体例としては、下記のものが挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、60、65、66、C.I.バットブルー4、60等が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントブルー15:3および15:4のうち少なくともいずれかが好ましい。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、およびC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される一種以上が好ましい。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、167、172、180、185、213等が挙げられる。中でもC.I.ピグメントイエロー74、155、および213からなる群から選択される一種以上が好ましい。
なお、グリーンインクやオレンジインク等、上記以外の色のインクに用いられる顔料としては、従来公知のものが挙げられる。
無機顔料以外の顔料の平均粒子径は、ノズルにおける目詰まりを抑制することができ、かつ、吐出安定性が一層良好となるため、250nm以下であることが好ましい。
なお、本明細書における平均粒子径は、体積基準のものである。測定方法としては、例えば、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、日機装社(Nikkiso Co., Ltd.)製のマイクロトラックUPA)が挙げられる。
<染料>
色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料が使用可能である。
色材の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.4〜12質量%であることが好ましく、2〜5質量%であることがより好ましい。
<樹脂>
樹脂としては、例えば、樹脂分散剤、樹脂エマルジョン、およびワックス等が挙げられる。これらの中でもエマルジョンであれば密着性や耐擦性が良好であり好ましい。
無機顔料含有インク組成物は、組成上、以下の(1)または(2)の特徴を有するものであると好ましい。
(1)インクジェット記録用インク組成物は熱変形温度10℃以下の第1樹脂を含む(以下、「第1のインク」という。)。
(2)インクジェット記録用インク組成物は第2樹脂を含み且つグリセリンを実質的に含有しない(以下、「第2のインク」という。)。
これらのインク組成物はノズル形成面、吸収部材上で固化が起こりやすい性質を有し、撥液膜の損傷も促進しやすい傾向にあるが本願発明であればそれを良好に防止できる。
上記第1のインクは、熱変形温度10℃以下の第1樹脂を含むものである。このような樹脂は、布帛等の柔軟性および吸収性に富んだ材料に対して強固に密着する性質を有する。一方、急速に被膜化および固化が進み、ノズル形成面や吸収材料等に固形物として付着してしまう。
上記第2のインクは、1気圧下での沸点が290℃のグリセリンを実質的に含まない。着色インクがグリセリンを実質的に含むと、インクの乾燥性が大幅に低下してしまう。その結果、種々の被記録媒体、特にインク非吸収性または低吸収性の被記録媒体において、画像の濃淡ムラが目立つだけではなく、インクの定着性も得られない。また、グリセリンが含まれないことで、インク内の主溶媒となる水分等が急速に揮発し、第2のインクは有機溶剤の占める割合が上昇する事になる。この場合、樹脂の熱変形温度(特に増膜温度)は下がる結果となり、一層皮膜による固化が促進される。さらに、1気圧下相当での沸点が280℃以上のアルキルポリオール類(上記のグリセリンを除く。)を実質的に含まないことが好ましい。また、第2のインクの場合は、記録ヘッドに対向する位置に搬送された記録媒体を加熱する加熱機構を有する記録装置の場合、記録ヘッド付近のインクの乾燥が進み、更に課題は顕著となるが、本願発明であれば良好に防止できる。加熱する温度としては30℃以上80℃以下であると、インクの保存安定性、記録画像品質の観点から好ましい。加熱機構については、特に限定されず、発熱ヒーター、熱風ヒーター、および赤外線ヒーター等が挙げられる。
ここで、本明細書における「実質的に含まない」とは、添加する意義を十分に発揮する量以上含有させないことを意味する。これを定量的に言えば、グリセリンが、着色インクの総質量(100質量%)に対して、1.0質量%以上含まないことが好ましく、0.5質量%以上含まないことがより好ましく、0.1質量%以上含まないことがさらに好ましく、0.05質量%以上含まないことがさらにより好ましく、0.01質量%以上含まないことが特に好ましく、0.001質量%以上含まないことが最も好ましい。
第1樹脂の熱変形温度は、熱変形温度は、10℃以下である。さらに、−10℃以下であることが好ましく、−15℃以下であることがより好ましい。定着樹脂のガラス転移温度が上記範囲内である場合、記録物における顔料の定着性が一層優れたものとなる結果、耐擦性が優れたものとなる。なお、熱変形温度の下限については特に限定されないが、−50℃以上であるとよい。
第2樹脂の熱変形温度は、ヘッドの目詰まりを起こしにくく、かつ、記録物の耐擦性を良好にすることができるため、下限は40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。好ましい上限としては100℃以下である。
ここで、本明細書における「熱変形温度」は、ガラス転移温度(Tg)または最低造膜温度(Minimum Film forming Temperature;MFT)で表された温度値とする。つまり、「熱変形温度が40℃以上」とは、TgまたはMFTのいずれかが40℃以上であればよいことを意味する。なお、MFTの方がTgよりも樹脂の再分散性の優劣を把握しやすいため、当該熱変形温度はMFTで表された温度値であることが好ましい。樹脂の再分散性に優れたインク組成物であると、インク組成物が固着しないためヘッドが目詰まりしにくくなる。
本明細書におけるTgは示差走査熱量測定法により測定された値で記載している。また、本明細書におけるMFTは、ISO 2115:1996(標題:プラスチック−ポリマー分散−白色点温度およびフィルム形成最低温度の測定)により測定された値で記載している。
<樹脂分散剤>
インク組成物に上記の顔料を含有させる際、顔料が水中で安定的に分散保持できるようにするため、当該インク組成物は樹脂分散剤を含むとよい。上記インク組成物が水溶性樹脂や水分散性樹脂等の樹脂分散剤を用いて分散された顔料(以下、「樹脂分散顔料」という。)を含むことにより、インク組成物が記録媒体10に付着したときに、記録媒体10とインク組成物との間およびインク組成物中の固化物間のうち少なくともいずれかの密着性を良好なものとすることができる。樹脂分散剤の中でも分散安定性に優れるため、水溶性樹脂が好ましい。
<樹脂エマルジョン>
インク組成物は、樹脂エマルジョンを含んでも良い。樹脂エマルジョンは、樹脂被膜を形成することで、インク組成物を記録媒体10上に十分定着させて画像の耐擦性を良好にする効果を発揮する。上記の効果により樹脂エマルジョンを含有するインク組成物を用いて記録された記録物は、特に布帛、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体10上で密着性、耐擦性に優れたものとなる。一方無機顔料の固化を促進させてしまう傾向にあるが、本願発明であれば固化した付着物を払拭する際によって生じる撥液膜の劣化の課題を良好に防止する事ができる。
また、バインダーとして機能する樹脂エマルジョンはインク組成物中にエマルジョン状態で含有されることが好ましい。バインダーとして機能する樹脂をエマルジョン状態でインク組成物中に含有させることにより、インク組成物の粘度をインクジェット記録方式において適正な範囲に調整しやすく、かつ、インク組成物の保存安定性および吐出安定性に優れたものとなる。
樹脂エマルジョンとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、および塩化ビニリデンの単独重合体または共重合体、フッ素樹脂、および天然樹脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂およびスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系樹脂のうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル系樹脂およびスチレン−アクリル酸共重合体系樹脂のうち少なくともいずれかがより好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂がさらに好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、およびグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
樹脂エマルジョンは、市販品を用いてもよく、以下のように乳化重合法等を利用して作製してもよい。インク組成物中の樹脂をエマルジョンの状態で得る方法としては、重合触媒および乳化剤を存在させた水中で、上述した水溶性樹脂の単量体を乳化重合させることが挙げられる。乳化重合の際に使用される重合開始剤、乳化剤、および分子量調整剤は従来公知の方法に準じて使用できる。
樹脂エマルジョンの平均粒子径は、インクの保存安定性および吐出安定性を一層良好にするため、好ましくは5nm〜400nmの範囲であり、より好ましくは20nm〜300nmの範囲である。
樹脂エマルジョンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂の中でも樹脂エマルジョンの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.5〜15質量%の範囲であることが好ましい。含有量が上記範囲内であると、固形分濃度を低くすることができるため、吐出安定性を一層良好にすることができる。
<ワックス>
インク組成物は、ワックスを含んでもよい。インク組成物がワックスを含むことにより、インク組成物がインク非吸収性および低吸収性の記録媒体10上で定着性により優れたものとなる。ワックスの中でもエマルジョンまたはサスペンジョンタイプのものがより好ましい。上記ワックスとしては、以下に限定されないが、例えばポリエチレンワックス、パラフィンワックス、およびポリプロピレンワックスが挙げられ、中でも後述するポリエチレンワックスが好ましい。
上記インク組成物がポリエチレンワックスを含むことにより、インクの耐擦性を優れたものとすることができる。
ポリエチレンワックスの平均粒子径は、インクの保存安定性および吐出安定性を一層良好にするため、好ましくは5nm〜400nmの範囲であり、より好ましくは50nm〜200nmの範囲である。
ポリエチレンワックスの含有量(固形分換算)は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1〜3質量%の範囲が好ましく、0.3〜3質量%の範囲がより好ましく、0.3〜1.5質量%の範囲がさらに好ましい。含有量が上記範囲内であると、記録媒体10上においても、インク組成物を良好に固化・定着させることができ、かつ、インクの保存安定性および吐出安定性が一層優れたものとなる。
<消泡剤>
インク組成物は、消泡剤を含むことが好ましい。より詳しく言えば、インク組成物またはワイピング部材31が含む洗浄液のうち少なくともいずれかが、消泡剤を含むことが好ましい。インク組成物が消泡剤を含む場合、泡立ちを防止でき、その結果、泡がノズルの中に入り込む不具合を防止できる。
消泡剤としては、以下に限定されないが、例えば、シリコン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、およびアセチレングリコール系消泡剤等が挙げられる。これらの中でも、表面張力および界面張力を適正に保持する能力に優れており、かつ、気泡を殆ど生じさせないため、シリコン系消泡剤、アセチレングリコール系消泡剤が好ましい。また、消泡剤のグリフィン法に基づくHLB値は5以下がより好ましい。
<界面活性剤>
インク組成物は、界面活性剤(上記の消泡剤で挙げたものを除く。つまり、グリフィン法によるHLB値が5を上回るものに限る。)を含んでもよい。界面活性剤として、以下に限定されないが、例えばノニオン系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤は、記録媒体10上でインクを均一に拡げる作用がある。そのため、ノニオン系界面活性剤を含むインクを用いてインクジェット記録を行なった場合、滲みの殆ど無い高精細な画像が得られる。このようなノニオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、シリコン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、多環フェニルエーテル系、ソルビタン誘導体、およびフッ素系の界面活性剤等が挙げられ、中でもシリコン系界面活性剤が好ましい。
シリコン系界面活性剤は、他のノニオン系界面活性剤と比較して、記録媒体10上で滲みを生じないようにインクを均一に拡げる作用に優れる。
界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。界面活性剤の含有量は、インクの保存安定性および吐出安定性が一層良好なものとなるため、インクの総質量(100質量%)に対して、0.1質量%以上3質量%以下の範囲であることが好ましい。
<水>
インク組成物は、水を含有してもよい。特に、インク組成物が水性インクである場合、水は、インクの主となる媒体であり、インクジェット記録において記録媒体10が加熱される際、蒸発飛散する成分となる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、および蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射または過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、顔料分散液およびこれを用いたインクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。
水の含有量は特に制限されず、必要に応じて適宜決定すればよい。
<インク組成物の表面張力>
インク組成物の表面張力は、特に限定されないが、15〜35mN/mであることが好ましい。これによって、インク組成物の吸収部材への浸透性、記録した際のブリード防止性を確保が可能となり、清掃動作時のインク拭き取り性が向上する。インク組成物の表面張力も、上述のように、一般的に用いられる表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z等)を用いて測定する方法が例示できる。また、インク組成物の表面張力と洗浄液の表面張力の差は、10mN/m以内という関係を有することが好ましい。これによって、両者がノズル付近で混じった際に、極端にインク組成物の表面張力が低下することを防止できる。
上述した基本構成のインクジェット記録装置1において、上述したインク組成物を使用した場合の本発明における具体的な実施形態について以下に説明する。
インクジェット記録装置1は、上述したように、ノズルプレート22と、ノズルプレート22の表面をぬぐうワイピング部材31と、ノズルプレート22とワイピング部材31との相対位置を変動させる上述した移動機構とを備えている。また、ノズルプレート22は、無機顔料含有インク組成物を吐出する複数のノズル21の吐出口23が並ぶ第1吐出口列50と、無機顔料非含有インク組成物を吐出する複数のノズル21の吐出口23が並ぶ第2吐出口列51とを有している。
(実施形態1)
実施形態1に係るインクジェット記録装置1は、ノズルプレート22の表面がワイピング部材31によってぬぐわれる一連の動作において、優先して第2吐出口列51がぬぐわれるように第1吐出口列50と第2吐出口列51とが配列されていることを特徴としている。以下、具体的に説明する。
図4(a)は、実施形態1に係るノズルプレート22(以下ノズルプレート22a)を、吐出口23の側から見た平面図である。
ノズルプレート22aは、n個の第1吐出口列50と、m個の第2吐出口列51と備えている。また、第1吐出口列50は、ノズルプレート22aにおいて一方の側(図4(a)において+X側)にn個が連続して(つまり、一方の端部からn個連続して)配置されている。第2吐出口列51は、ノズルプレート22aにおいて他方の側(図4(a)において−X側)にm個が連続して(つまり、他方の端部からm個連続して)配置されている。
<ワイピング動作>
ノズルプレート22a内でのこのような吐出口列の配置において、一連のワイピング動作は以下のように行なわれる。
移動機構は、まず、ワイピング部材31がワイパーユニット30の筐体35から露出している払拭部W(図3(b)参照)をノズルプレート22aの他方の端部(図4(a)の−X側の端部)に来るように、ワイピング部材31とノズルプレート22aとを相対的に移動させる。
次に、ワイパーユニット駆動機構は、払拭部Wがノズルプレート22aの表面に所定の押圧力をもって当接するように移動させる。
次に、ワイピング部材31の払拭部Wがノズルプレート22aに対して、図4(a)に矢印で示す方向(ノズルプレート22aの一方の端部に向かう+X方向)に移動してノズルプレート22aの表面をぬぐうように、ワイパーユニット30とノズルプレート22aとを相対的に移動させる。
その結果、ワイピング部材31の払拭部Wは、最初に第2吐出口列51ぬぐい、また残りの(m−1個の)第2吐出口列51は、その後連続して第1吐出口列50に優先されてぬぐわれる。全ての第2吐出口列51がぬぐわれた後に、n個の第1吐出口列50が連続してぬぐわれる。
全ての(n+m個の)吐出口列がぬぐわれた後に、ワイパーユニット駆動機構は、ワイピング部材31をノズルプレート22aから離し、給材ローラー32および除材ローラー33を駆動してワイピング部材31の新しい面を給材ローラー32側から引き出して露出させ、ぬぐい終わった面を除材ローラー33側に送って巻き取らせる。
この一連のワイピング動作は、インクジェット記録装置1が備えるコントロールボード5によって制御される。
以上述べたように、本実施形態によるインクジェット記録装置1によれば、以下の効果を得ることができる。
ノズルプレート22の表面がワイピング部材31によってぬぐわれることにより、インク組成物の増粘やノズルプレート22への異物付着による吐出不良が防止または軽減される。また、ノズルプレート22の表面がワイピング部材31によってぬぐわれる一連のワイピング動作において、無機顔料以外の色材を含有するインク組成物が吐出される第2吐出口列51が優先してぬぐわれた後に、無機顔料を含有するインク組成物が吐出される第1吐出口列50がぬぐわれる。優先して第2吐出口列51がぬぐわれることによって、一連のワイピング動作の中で、ワイピング部材31とノズルプレート22表面との間に無機顔料が介在する状態が少なくなる。第1吐出口列50がぬぐわれる際には、無機顔料がワイピング部材31によってノズルプレート22表面に押し付けられ擦られる場合があるため、第1吐出口列50付近においてノズルプレート22表面がダメージを受ける場合があるが、第2吐出口列51は無機顔料が介在しない状態において優先してぬぐわれるため、ノズルプレート22表面が受けるダメージが抑制される。
このように、本実施形態によれば、第1吐出口列50から吐出されノズルプレート22に付着する無機顔料が第2吐出口列51に塗り広げられながらノズルプレート22の表面全体へダメージを与えるということが無くなり、ダメージの度合いを低減することができる。その結果、ノズルプレート22の表面に撥液膜24を備えた構成であっても、ノズルプレート22全体に亘る撥液膜24の劣化が抑制されるため、インク組成物の吐出をより安定した状態に維持することができる。
また、ノズルプレート22とワイピング部材31との相対位置が単一の方向に変動するワイピング動作において、優先して第2吐出口列51がぬぐわれるように第1吐出口列50と第2吐出口列51とが配置されているため、単純なワイピング動作によって上記の効果を得ることができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係るインクジェット記録装置1について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
実施形態2は、n個の第1吐出口列50とm個の第2吐出口列51とにおいて、n+mが偶数のときはk=(n+m)/2とし、n+mが奇数のときはk=(n+m−1)/2としたときに、ワイピング部材31がノズルプレート22の表面を1番目からn+m番目までの第1吐出口列50あるいは第2吐出口列51をぬぐう一連の動作において、k+1番目からn+m番目までの範囲においてn列の第1吐出口列50がぬぐわれるように第1吐出口列50と第2吐出口列51とが配列されていることを特徴としている。以下、具体的に説明する。
図4(b)は、実施形態2に係るノズルプレート22(以下ノズルプレート22b)を、吐出口23の側から見た平面図である。
ノズルプレート22bにおける第1吐出口列50と第2吐出口列51の配列が、ノズルプレート22aの場合と異なる点を除き、実施形態2は、実施形態1と同様である。
実施形態1では、第1吐出口列50が、ノズルプレート22aにおいて一方の端部からn個連続して配置されており、第2吐出口列51が、ノズルプレート22aにおいて他方の端部からm個連続して配置されているとして説明した。これに対し、ノズルプレート22bでは、n個の第1吐出口列50およびm個の第2吐出口列51が必ずしも連続して配置されていない。図4(b)に示すように、n個の第1吐出口列50の並びの間にいくつかの第2吐出口列51が入っている。但し、n個の第1吐出口列50は、1番目(ノズルプレート22bの他方の端部の列)からn+m番目(ノズルプレート22bの一方の端部の列)の並びにおいて、k+1番目からn+m番目までの範囲の中にn列分の第1吐出口列50が配置されている。つまり、無機顔料含有インク組成物を吐出する吐出口23が並ぶ第1吐出口列50は、略真ん中(k番目とk+1番目の間、あるいはk+1番目が真ん中)以降の列にn個すべてが配置されている。
本実施形態によるインクジェット記録装置1によれば、以下の効果を得ることができる。
ノズルプレート22の表面がワイピング部材31によってぬぐわれる一連のワイピング動作において、無機顔料を含有するインク組成物が吐出される第1吐出口列50のすべてが、ぬぐわれる順番の後半(k+1番目からn+m番目までの範囲)においてぬぐわれる。後半においてぬぐわれることによって、一連のワイピング動作の中で、ワイピング部材31とノズルプレート22表面との間に無機顔料が介在する状態が少なくなる。
つまり、本実施形態によれば、第1吐出口列50から吐出されノズルプレート22に付着する無機顔料が第2吐出口列51に塗り広げられながらノズルプレート22の表面全体へダメージを与えるということが少なくなり、ダメージの度合いを低減することができる。その結果、ノズルプレート22の表面に撥液膜24などを備えた構成であっても、ノズルプレート全体に亘る撥液膜の劣化が抑制されるため、インク組成物の吐出をより安定した状態に維持することができる。
(実施形態3)
次に、実施形態3に係るインクジェット記録装置1について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
実施形態3は、n個の第1吐出口列50とm個の第2吐出口列51とにおいて、n+mが偶数のときはk=(n+m)/2とし、n+mが奇数のときはk=(n+m−1)/2としたときに、ワイピング部材31がノズルプレート22の表面を1番目からn+m番目までの第1吐出口列50あるいは第2吐出口列51をぬぐう一連の動作において、1番目からk番目までの範囲において第1吐出口列50がぬぐわれる率が、k+1番目からn+m番目までの範囲において第1吐出口列50がぬぐわれる率より小さくなるように第1吐出口列50と第2吐出口列51とが配列されていることを特徴とする
図4(c)は、実施形態3に係るノズルプレート22(以下ノズルプレート22c)を、吐出口23の側から見た平面図である。
ノズルプレート22cにおける第1吐出口列50と第2吐出口列51の配列が、ノズルプレート22aの場合と異なる点を除き、実施形態3は、実施形態1と同様である。
実施形態1では、第1吐出口列50が、ノズルプレート22aにおいて一方の端部からn個連続して配置されており、第2吐出口列51が、ノズルプレート22aにおいて他方の端部からm個連続して配置されているとして説明した。これに対し、ノズルプレート22cでは、n個の第1吐出口列50およびm個の第2吐出口列51が必ずしも連続して配置されていない。図4(c)に示すように、一方の端部から並ぶn個の第1吐出口列50の並びの間にいくつかの第2吐出口列51が入っている。同様に、他方の端部から並ぶm個の第2吐出口列51の並びの間にいくつかの第1吐出口列50が入っている。但し、1番目からk番目までの並びの範囲にある第1吐出口列50の率が、k+1番目からn+m番目までの並びの範囲にある第1吐出口列50の率より小さくなるように配置されている。
本実施形態によるインクジェット記録装置1によれば、以下の効果を得ることができる。
ノズルプレート22の表面がワイピング部材31によってぬぐわれる一連のワイピング動作において、ぬぐわれる順番の前半(1番目からk番目までの範囲)に第1吐出口列50がぬぐわれる率が、後半(k+1番目からn+m番目までの範囲)に第1吐出口列50がぬぐわれる率より小さい。換言すると、前半において第2吐出口列51がぬぐわれる率が高くなるように優先して第2吐出口列51がぬぐわれる。優先して第2吐出口列51がぬぐわれることによって、一連のワイピング動作の中で、ワイピング部材31とノズルプレート22表面との間に無機顔料が介在する状態がより少なくなる。
このように、本実施形態によれば、第1吐出口列50から吐出されノズルプレート22に付着する無機顔料が第2吐出口列51に塗り広げられながらノズルプレートの表面全体へダメージを与えるという状態がより少なくなり、ダメージの度合いを低減することができる。その結果、例えば、ノズルプレート22の表面に撥液膜24などを備えた構成であっても、ノズルプレート22全体に亘る撥液膜の劣化が抑制されるため、インク組成物の吐出をより安定した状態に維持することができる。
(実施形態4)
次に、実施形態4に係るインクジェット記録装置1について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
実施形態4は、ノズルプレート22の表面がワイピング部材31によってぬぐわれる一連の動作において、優先して第2吐出口列51がぬぐわれるようにノズルプレート22とワイピング部材31との相対位置を変動させることを特徴としている。以下、具体的に説明する。
図5(a)〜(c)は、実施形態4に係るノズルプレート22(以下ノズルプレート22d)の例を、吐出口23の側から見た平面図である。
ノズルプレート22dにおける第1吐出口列50と第2吐出口列51の配列が、ノズルプレート22aの場合のように限定されていない点、および移動機構によるワイピング動作が一定の方向に限定されていない点を除き、実施形態4は、実施形態1と同様である。
実施形態1では、第1吐出口列50が、ノズルプレート22aにおいて一方の端部からn個連続して配置されており、第2吐出口列51が、ノズルプレート22aにおいて他方の端部からm個連続して配置されているとして説明した。これに対し、ノズルプレート22dでは、第1吐出口列50と第2吐出口列51の配列を特に限定していない。
例えば、図5(a)に示すノズルプレート22dの例では、第1吐出口列50がノズルプレート22dの両端部に2列ずつ配置されている。第2吐出口列51は、両端領域の第1吐出口列50に挟まれる範囲で連続して配置されている。
<実施形態4におけるワイピング動作>
上記のような配置に対して、一連のワイピング動作は以下のように行なわれる。
移動機構は、まず、ワイピング部材31がワイパーユニット30の筐体35から露出している払拭部W(図3(b)参照)をノズルプレート22dの他方の端部(図5(a)の−X側の端部)に一番近い第2吐出口列51の位置に来るように、ワイピング部材31とノズルプレート22dとを相対的に移動させる。
次に、ワイパーユニット駆動機構は、払拭部Wがノズルプレート22dの表面に所定の押圧力をもって当接するように移動させる。
次に、ワイピング部材31の払拭部Wがノズルプレート22dに対して、図5(a)に矢印Aで示す方向(ノズルプレート22dの一方の端部に向かう+X方向)に移動してノズルプレート22dの表面をぬぐうように、ワイパーユニット30とノズルプレート22dとを相対的に移動させる。
一方の端部に配置される2列の第1吐出口列50がぬぐわれた後に、ワイパーユニット駆動機構は、ワイピング部材31をノズルプレート22dから離し、移動機構は、払拭部Wが他方の端部に配置される2列の第1吐出口列50の内の近いほうの第1吐出口列50の位置に来るように、ワイピング部材31とノズルプレート22dとを相対的に移動させる。
次に、ワイパーユニット駆動機構は、払拭部Wがノズルプレート22dの表面に所定の押圧力をもって当接するように移動させる。
次に、ワイピング部材31の払拭部Wがノズルプレート22dに対して、図5(a)に矢印Bで示す方向(ノズルプレート22dの他方の端部に向かう−X方向)に移動してノズルプレート22dの表面をぬぐうように、ワイパーユニット30とノズルプレート22dとを相対的に移動させる。
他方の端部に配置される2列の第1吐出口列50がぬぐわれた後に、ワイパーユニット駆動機構は、ワイピング部材31をノズルプレート22dから離し、給材ローラー32および除材ローラー33を駆動してワイピング部材31の新しい面を給材ローラー32側から引き出して露出させ、ぬぐい終わった面を除材ローラー33側に送って巻き取らせる。
以上の一連のワイピング動作により、最初に第2吐出口列51が優先されてぬぐわれ、その後連続して第1吐出口列50がぬぐわれる。
また、例えば、図5(b)に示すノズルプレート22dの例では、第1吐出口列50がノズルプレート22dの両端部、および中央部に配置されている。第2吐出口列51は、両端領域の第1吐出口列50と中央部の第1吐出口列50に挟まれる範囲で連続して配置されている。
このような配置に対して、一連のワイピング動作は、図5(b)に示す矢印A〜Dで示すように、ABCDの順に行なわれる。矢印A〜Dは、払拭部Wがノズルプレート22dの表面をぬぐうように移動する領域であり、各矢印の間では、上記と同様に、ワイパーユニット駆動機構によって一旦払拭部Wをノズルプレート22dの表面から離し、移動機構によって移動させている。
また、例えば、図5(c)に示すノズルプレート22dの例では、第1吐出口列50がノズルプレート22dの両端部の領域に配置されている。しかし、第1吐出口列50が第2吐出口列51と交互に配置されている部分も含んでいる。
このような配置に対して、一連のワイピング動作は、例えば、図5(c)に示す矢印A〜Fで示すように、A〜Fの順に行なわれる。矢印A〜Fは、払拭部Wがノズルプレート22dの表面をぬぐうように移動する領域であり、各矢印の間では、上記と同様に、ワイパーユニット駆動機構によって一旦払拭部Wをノズルプレート22dの表面から離し、移動機構によって移動させている。
しかし、このように第2吐出口列51が多くの領域に分断されて配置されている場合には、移動機構やワイパーユニット駆動機構によって制御されるワイピングの動作が複雑になりワイピングが効率的に行なわれない。そのような場合には、例えば、図5(c)に示す矢印H,Iで示すように、簡略化してワイピングを行なっても良い。但し、この場合においては、一連のワイピング動作において、実施形態2のように、k+1番目からn+m番目までの範囲においてn列の第1吐出口列50がぬぐわれるようになっている、あるいは、少なくとも、実施形態3のように、1番目からk番目までの範囲において第1吐出口列50がぬぐわれる率が、k+1番目からn+m番目までの範囲において第1吐出口列50がぬぐわれる率より小さくなるようになっている必要がある。
このように、ノズルプレート22dにおける第1吐出口列50と第2吐出口列51の配列に合わせて、適宜ワイピングの位置と順番を設定する。
本実施形態によれば、一連のワイピング動作において、無機顔料を含むインク組成物を吐出する第1吐出口列50と、無機顔料以外の色材を含有するインク組成物を吐出する第2吐出口列51の配置に合わせて、移動機構が、優先して第2吐出口列51がぬぐわれるようにノズルプレート22とワイピング部材31との相対位置を変動させる。換言すると、第1吐出口列50と第2吐出口列51の配置によらず、優先して第2吐出口列51がぬぐわれる。例えば、高精細の画像を高速に記録できるようにするために、複数の第1吐出口列50が、複数の第2吐出口列51を挟むように離れた位置に配置されるような構成であっても、あるいは、逆に、第1吐出口列50が第2吐出口列51に挟まれるような構成であっても、ノズルプレート22とワイピング部材31との相対位置が変動し、優先して第2吐出口列51がぬぐわれるようにワイピングされる。その結果、上述した実施形態と同様の効果を得ることができ、インク組成物の吐出をより安定した状態に維持することができる。
このように、本実施形態によれば、ノズルプレート22におけるノズルの吐出口23の列の配置、つまりは、記録ヘッド20におけるノズル列の配置を、ワイピングの順番を意識することなく、記録画像の精度や記録速度などを優先した配置とすることができるため、より高精細の画像を高速に記録でき、より吐出安定性の優れたインクジェット記録装置を提供することができる。
(変形例1)
図6(a),(b)は、変形例に係るノズルプレート22dの例を、吐出口23の側から見た平面図である。
実施形態1では、一連の動作によってノズルプレート22のワイピングが完了した後に、ワイパーユニット駆動機構は、給材ローラー32および除材ローラー33を駆動してワイピング部材31の新しい面を給材ローラー32側から引き出して露出させ、ぬぐい終わった面を除材ローラー33側に送って巻き取らせると説明した。つまり、一連のワイピングが完了するまで、ワイピング部材31の払拭部Wは変わらないように説明したが、これに限定するものではなく、ワイピング動作の途中で、払拭部Wのリフレッシュ(ワイピング部材31の新しい面を露出させること)をしても良い。
図6(a)に示すノズルプレート22dは、図5(a)に示すノズルプレート22dの例と同様に、第1吐出口列50がノズルプレート22dの両端部に2列ずつ配置されている例である。第2吐出口列51は、両端領域の第1吐出口列50に挟まれる範囲で連続して配置されている。
このような配列の場合に、ワイピング動作の途中で、払拭部Wのリフレッシュを行なうことにより、効率的にワイピングを行なうことができる。具体的には、第1吐出口列50をワイピングした後に払拭部Wのリフレッシュを行なった場合、引き続き第2吐出口列51に対して良好にワイピングすることができるようになるため、図6(a)に示す矢印A,Bのようにノズルプレート22dの中央部に配置された第2吐出口列51を基点としてノズルプレート22dの両端部に向かうワイピングを行なうことができる。その結果、例えば、図6(a)に示す例の配置によるノズルプレート22dの場合には、中央部から両端部に向かうワイピングがバランス良くできるようになる。また、一連のワイピングのための移動距離(ノズルプレート22とワイピング部材31との相対位置の変動量)も短くすることができるなど、効率的にワイピングを行なうことができる。
図6(b)に示すノズルプレート22dは、図5(c)に示すノズルプレート22dの例と同様に、第1吐出口列50がノズルプレート22dの両端部の領域に配置されている中で、第1吐出口列50が第2吐出口列51と交互に配置されている部分も含んでいる場合の例である。
このような配列の場合においても、上記と同様に、ワイピング動作の途中で、払拭部Wのリフレッシュを行なうことにより、効率的にワイピングを行なうことができる。具体的には、図6(b)に示す矢印E,Fのようにノズルプレート22dの中央部に配置された第2吐出口列51を基点としてノズルプレート22dの両端部に向かうワイピングを行なう。
但し、矢印E方向に向かうワイピングにおいて、na個の第1吐出口列50とma個の第2吐出口列51とがワイピングされる場合において、以下が満たされるものとする。
na+maが偶数のときはka=(na+ma)/2とし、na+maが奇数のときはka=(na+ma−1)/2としたときに、ka+1番目からna+ma番目の範囲においてna列の第1吐出口列50がぬぐわれるように第1吐出口列50と第2吐出口列51とが配列されている。あるいは、少なくとも、1番目からka番目において第1吐出口列50がぬぐわれる率が、ka+1番目からna+ma番目において第1吐出口列50がぬぐわれる率より小さくなるように配列されている。
また、矢印F方向に向かうワイピングにおいて、nb個の第1吐出口列50とmb個の第2吐出口列51とがワイピングされる場合において、以下が満たされるものとする。
nb+mbが偶数のときはkb=(nb+mb)/2とし、nb+mbが奇数のときはkb=(nb+mb−1)/2としたときに、kb+1番目からnb+mb番目の範囲においてnb列の第1吐出口列50がぬぐわれるように第1吐出口列50と第2吐出口列51とが配列されている。あるいは、少なくとも、1番目からkb番目において第1吐出口列50がぬぐわれる率が、kb+1番目からnb+mb番目において第1吐出口列50がぬぐわれる率より小さくなるように配列されている。
以上のように優先して第2吐出口列51がぬぐわれることによって、一連のワイピング動作の中で、ワイピング部材31とノズルプレート22表面との間に無機顔料が介在する状態が少なくなる。その結果、ノズルプレート22表面が受けるダメージが抑制される。
(実験例)
以下に実験例の説明を行なう。なお、本発明は、以下の実験例によって何ら限定されるものではない。
<インク組成物>
インク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔色材〕
・C.I.ピグメントブラック7
(カーボンブラック、平均粒子径100nm、モース硬度1〜2.0)
・C.I.ピグメントブルー15:3(平均粒子径100nm、モース硬度1以下)
・C.I.ピグメントレッド122(平均粒子径120nm、モース硬度1以下)
・C.I.ピグメントイエロー155(平均粒子径200nm、モース硬度1以下)
・二酸化チタン(平均粒子径350nm、モース硬度7.2)
〔有機溶剤〕
・1,2−ヘキサンジオール
・2−ピロリドン
・プロピレングリコール
〔樹脂エマルジョン〕
・スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂エマルジョン
(Tg85℃、平均粒子径140nm)
〔ポリエチレンワックス〕
・AQUACER515(BYK社製商品名)
〔シリコン系界面活性剤〕
・BYK348(BYK社製商品名)
〔アセチレングリコール系消泡剤〕
・サーフィノールDF110D(日信化学工業社製商品名、HLB値=3)
〔pH調整剤〕
・トリエタノールアミン
〔平均粒子径の測定方法〕
上記平均粒子径は、日機装社の商品名「マイクロトラックUPA」に準拠して測定した。
〔Tgの測定方法〕
上記Tgは、エマルジョンの乾燥物をサンプルとし、SIIナノテクノロジーズ株式会社製の商品名「DSC−6200R」を使用して測定した。
<インク組成物用の顔料分散液の調製>
水溶性樹脂(メタクリル酸/ブチルアクリレート/スチレン/ヒドロキシエチルアクリレート=25/50/15/10の質量比で共重合したもの。重量平均分子量12,000)40質量部を、水酸化カリウム7質量部、水23質量部、およびトリエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル30質量部を混合した液に投入し、80℃で撹拌しながら加熱して樹脂水溶液を調製した。
上記の樹脂水溶液(固形分43%)1.75kgに、3.0kgの色材および10.25kgの水をそれぞれ配合し、混合撹拌機で撹拌しプレミキシングを行ない、混合液を得た。0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した1.5リットルの有効容積を有する多ディスク型羽根車を備えた横型のビーズミルを用いて、上記の混合液を多パス方式により分散させた。具体的には、ビーズ周速8m/秒、1時間に30リットルの吐出量で2パス行ない、平均粒子径325nmの顔料分散混合液を得た。次に、0.05mmのジルコニアビーズを95%充填した1.5リットルの有効容積を有する横型のアニュラー型のビーズミルを用いて、上記顔料分散混合液の循環分散を行なった。スクリーンは0.015mmのものを使用し、ビーズ周速10m/秒で、顔料分散混合液量10kgを循環量300リットル/時で4時間分散処理を行ない、色材固形分20%、水溶性樹脂5%の水性の顔料分散液を得た。
<インク組成物の調製>
上記で調製した顔料分散液を色材が2.5質量%となる量用意した。この顔料分散液に、表1(下記)に示す色材以外の各成分を、表1に記載の含有量(単位:質量%)となるよう添加し、無機顔料含有インク組成物(Bk,W)および無機顔料非含有インク組成物(C,M,Y)を調製した。各インク組成物は、各成分を容器に入れてマグネチックスターラーで2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブランフィルターで濾過してゴミや粗大粒子等の異物(不純物)を除去することにより調製した。なお、水溶性樹脂については、各色剤の含有量の4分の1に相当する量がインクに添加されている。
Figure 2014168853
<洗浄液>
洗浄液の主な材料は、以下の通りである。
〔洗浄液の浸透剤〕
・アセチレングリコール系界面活性剤
(日信化学工業社製商品名オルフィンE1010)
〔保湿剤〕
・ポリエチレングリコール(重量平均分子量200)
<洗浄液の調製>
表2(下記)に示す各成分を、表2に記載の含有量(単位:質量%)となるよう添加し、洗浄液を調製した。洗浄液は、各成分を容器に入れてマグネチックスターラーで2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルターで濾過してゴミや粗大粒子等の不純物を除去することにより調製した。
Figure 2014168853
<インクジェット記録装置>
インクジェット記録装置は、プリンターPX−H10000(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製)を改造したもの(以下、「PX−H10000改造機」という)を用いた。改造部分は、ノズルプレート、ヘッド、吸収部材(ワイピング部材)、駆動機構(ワイパーユニット駆動機構)などである。
<ノズルプレート>
ノズルプレートは単結晶シリコンで形成されたものを用いた。ノズルプレートは、化学気相蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)リアクターにSiC14および水蒸気を導入することによって、CVD法により成膜された酸化シリコンの膜(SiO2膜)を形成した。SiO2膜の膜厚は50nmであった。さらに酸素プラズマ処理を行ない、その後、C8F17C2H4SiC13を用いて化学気相蒸着法(CVD)を行なうことでSiO2膜に撥液膜(厚さ10nm)を形成し、撥液膜付きのシリコンノズルプレートを製造した。
吸収部材としては、不織布のキュプラ(密度0.01g/cm2、布厚0.4mm)を用いた。弾性部材としては、ショアA硬度30のローラーを用いた。ショアA硬度の測定は、発泡成形されたローラーの外層または発泡成形前の熱可塑性エラストマーを200℃の温度でプレス成形することでシート状のサンプルを作製し、そのシート状サンプルをATSM D−2240に規定された測定方法に準拠して行なった。なお、各実験例共に洗浄液の含有量は、吸収部材100質量%に対して、40質量%であった。
ワイパーユニット駆動機構は、記録ヘッドのノズルプレートに接する側とは反対の側から、押圧部材を介して、吸収部材を所定の荷重で押圧してインク形成面に接触させ、吸収部材および記録ヘッドを相対的に移動させることで、吸収部材によってノズルプレートに付着したインク組成物を除去する清掃動作を行なう機構とした。
<実験例1〜4>
〔撥液膜保存性試験〕
PX−H10000改造機を用い、表1に示すインク組成物Bk,C,M,Y,またはWを用いて記録した後、吸引ポンプを用いたヘッド内のインクを吸引する吸引動作を行ない、その後に表3の通り清掃動作(ワイピング)を実行した。このサイクルを1回として、100回繰り返した。なお、清掃動作は各ノズル列中のノズル配列方向に沿って行ない、インク組成物ごとの撥液膜に対する影響を評価した。つまり、ワイピングの方向は、本発明における実施形態の方向(図3(c)に示す方向)と異なり、無機顔料含有インク組成物を吐出する複数のノズルの吐出口、および、無機顔料非含有インク組成物を吐出する複数のノズルの吐出口が、それぞれ連続してワイピングされる方向で行なった。
Figure 2014168853
その後、光学顕微鏡(ユニオン光学株式会社の高精度非接触段差測定機“ハイソメットII” DH2)にて、ノズル付近の撥液膜の状態を評価し、表4(下記)の結果を得た。
なお、評価基準を以下とした。
A:撥液膜剥がれが実質的に観察できないレベル
B:撥液膜がわずかに剥がれ変色しているが、吐出に影響がないレベル
C:ノズルふちの撥液膜が剥がれ、吐出に影響があるレベル
D:ノズル全面の撥液膜が剥がれ、吐出に非常に影響があるレベル
Figure 2014168853
表4によると、無機顔料非含有インク組成物を吐出する複数のノズルの吐出口は、ワイピングの荷重、スピード、ワイピング部材への洗浄液の有無に係わらず撥液膜に対するダメージが見られないのに対し、無機顔料含有インク組成物を吐出する複数のノズルの吐出口は、ワイピングの荷重やスピードが大きい場合ほど、また、洗浄液の効果が無い場合ほど撥液膜に対するダメージが大きいのが分かる。
以上の結果により、ワイピング時にワイピング部材とノズルプレート表面との間に介在する無機顔料がノズルプレート表面に作用して撥液膜などを傷つけてしまうことが確認でき、その状態の発生を抑制する本発明の効果が確認できる。
1…インクジェット記録装置、3…キャリッジ、4…キャリッジ駆動機構、5…コントロールボード、6…インクカートリッジ、8…プラテン、10…記録媒体、20…記録ヘッド、21…ノズル、22,22a,22b,22c,22d…ノズルプレート、24…撥液膜、25…ノズルプレートカバー、26…ノズルチップ、30…ワイパーユニット、31…ワイピング部材、32…給材ローラー、33…除材ローラー、34…押圧ローラー、35…筐体、50…第1吐出口列、51…第2吐出口列。

Claims (8)

  1. 無機顔料を含有するインク組成物を吐出する複数のノズルの吐出口が並ぶ第1吐出口列と、
    無機顔料以外の色材を含有するインク組成物を吐出する複数のノズルの吐出口が並ぶ第2吐出口列と、
    前記第1吐出口列と前記第2吐出口列とを有するノズルプレートと、
    前記ノズルプレートに設けられた撥液膜と、
    前記ノズルプレートの表面をぬぐう、インク組成物の吸収性を有するワイピング部材と、
    前記ノズルプレートと前記ワイピング部材との相対位置を変動させる移動機構と、を備え、
    前記ノズルプレートの表面が前記ワイピング部材によってぬぐわれる一連の動作において、前記第1吐出口列よりも優先して前記第2吐出口列がぬぐわれることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記移動機構が、優先して前記第2吐出口列がぬぐわれるように前記ノズルプレートと前記ワイピング部材との相対位置を変動させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記ノズルプレートと前記ワイピング部材との相対位置が単一の方向に変動し、
    前記ノズルプレートにおいて、優先して前記第2吐出口列がぬぐわれるように前記第1吐出口列と前記第2吐出口列とが配置されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 最初に前記第2吐出口列がぬぐわれることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記第1吐出口列の数をnとし、前記第2吐出口列の数をmとし、n+mが偶数のときはk=(n+m)/2とし、n+mが奇数のときはk=(n+m−1)/2としたときに、
    前記ワイピング部材が前記ノズルプレートの表面を1番目からn+m番目までの前記第1吐出口列あるいは前記第2吐出口列をぬぐう一連の動作において、
    1番目からk番目までの範囲において前記第2吐出口列がぬぐわれる率が、k+1番目からn+m番目までの範囲において前記第2吐出口列がぬぐわれる率より大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記無機顔料の平均粒子径が20nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記無機顔料の針状比率(粒子の最大長/最小幅)が1.5以上3.0以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 無機顔料を含有するインク組成物において、前記無機顔料の含有濃度が、1.0重量%以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
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