以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
本実施の形態における携帯通信端末1は、開状態と閉状態とに形態を変化する。図1(A)は、閉状態における携帯通信端末の斜視図である。図1(B)は、開状態における携帯通信端末の斜視図である。図1(A)および図1(B)を参照して、携帯通信端末1は、第1表示部2と、第2表示部3と、第1表示部2および第2表示部3とをスライド可能に支持する筐体部5とを含む。第1表示部2と第2表示部3とは、共に略直方体である。筐体部5は、凹部を含み、閉状態の時にその凹部に第1表示部2と第2表示部3とが収納され、携帯通信端末1は略直方体となる。したがって、閉状態における携帯通信端末1は、通話に適した形状である。
スピーカ11と、マイクロフォン13とが筐体部5の第1表示部2および第2表示部3が収納される凹部とは別の位置に配置される。このため、携帯通信端末1が閉状態のときに、スピーカ11とマイクロフォン13とは、表出する。
閉状態において第1表示部2は第2表示部3の上に重なる。第1表示部2は、第2表示部3と重なる面の反対側の面の表側に、第1液晶表示装置(LCD)15を含み、第1LCD15に重畳して第1タッチパネル17が設けられる。第2表示部3は、第1表示部2と重なる面に、第2LCD16を含み、第2LCD16に重畳して第2タッチパネル18が設けられる。
閉状態において、第1表示部2は第2表示部3の上に重なるので、第1LCD15は表出するが、第2LCD16は第1表示部2により覆われる。このため、携帯通信端末1が閉状態のとき、ユーザは第1タッチパネル17に触れることができるが、第2タッチパネル18に触れることができない。
閉状態にある携帯通信端末1の第1表示部2と第2表示部3とがスライドすると携帯通信端末1が開状態になる。第2表示部3は、第1表示部2がスライドする方向とは反対の方向にスライドする。第2表示部3は、筐体部5に設けられたバネにより付勢されており、所定の位置までスライドすると、上方に持ち上げられる。このため、図1(B)に示すように、携帯通信端末1が開状態のとき、第1表示部2が備える第1LCD15の表示面と第2表示部3が備える第2LCD16の表示面とが同一平面に位置する。したがって、携帯通信端末1が開状態のとき、第1LCD15と第2LCD16とは共に表出するので、それらに表示された画像をユーザは見ることができる。携帯通信端末1が閉状態の時よりも画面の面積が倍になるので、多くの情報を表示することができる。さらに、第1LCD15に重畳して設けられた第1第1タッチパネル17と第2LCD16に重畳して設けられた第2タッチパネル18も表出するので、ユーザは広い面積で指示を入力することができる。
また、携帯通信端末1が開状態のとき、スピーカ11とマイクロフォン13とは表出している。このため、通話することが可能であるが、第1表示部2と第2表示部3とが筐体部5からはみ出し、表示面が閉状態の時の表示面に比較して倍なので、ユーザが手で持って通話するのが困難な形状である。このため、携帯通信端末1が開状態の時は、画像を表示したり、ユーザが操作を入力したりするのに適した形状である。
図2は、携帯通信端末のハードウェア構成の概要を示す機能ブロック図である。図2を参照して、携帯通信端末1は、携帯通信端末1の全体を制御するためのCPU21と、それぞれがCPU21に接続された、第1LCD15と、第2LCD16と、アンテナ22Aと接続された無線回路22と、開センサ23と、閉センサ24と、ユーザの操作の入力を受付ける操作部25と、カードインターフェース(I/F)27と、コーデック部28と、コーデック部28に接続されたスピーカ11およびマイクロフォン13と、CPU21で実行するためのプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)31と、CPU21の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)32と、アドレス帳データ等を不揮発的に記憶するEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)33と、を含む。
無線回路22は、アンテナ22Aにより受信された無線信号が入力され、無線信号を復調した信号をCPU21に出力する。無線信号を復調した信号が音声信号の場合、CPU21は、音声信号をコーデック部28に出力する。無線回路22は、CPU21から信号が入力されると、その信号を変調した無線信号をアンテナ22Aに出力する。CPU21は、コーデック部28から音声信号が入力されると、音声信号を無線回路22に出力する。無線回路22は、着呼を受信すると、着呼信号をCPU21に出力する。また、CPU21から発信信号が入力されると、CPU21から入力される電話番号に発信する。
コーデック部28は、CPU21から入力される音声信号を復号し、復号したデジタルの音声信号をアナログに変換し、増幅し、そしてレシーバとしてのスピーカ11に出力する。また、コーデック部28は、マイクロフォン13からアナログの音声信号が入力され、音声信号をデジタルに変換し、符号化し、そして符号化した音声信号をCPU21に出力する。
開センサ23は、携帯通信端末1の状態が開状態のときにONとなり、開状態でないときにOFFとなる。閉センサ24は、携帯通信端末1の状態が閉状態のときにONとなり、閉状態でないときにOFFとなる。開センサ23と閉センサ24とは、CPU21に接続されており、CPU21は開センサ23および閉センサ24それぞれの状態を検出することにより、携帯通信端末1の形態を検出する。ここでは、開センサ23と閉センサ24とは、第1表示部2の位置を検出する。
操作部25は、第1タッチパネル17と、第2タッチパネル18と、を含む。
CPU21は、操作部25から操作が入力されると、入力された操作に応じて処理を実行する。CPU21は、ROM31に記憶されている複数のアプリケーションプログラムを読出して実行する。これらのアプリケーションプログラムは、C言語やJAVA(登録商標)などのプログラム言語で記述されるが、アプリケーションプログラムが記述されるプログラム言語は、これらに限定されることなく、他のいかなるプログラム言語で記述されてもよい。また、複数のアプリケーションプログラムがROM31に記憶されて携帯通信端末1に搭載されるが、複数のアプリケーションプログラムは、単一のプログラム言語で記述されたものであってもよいし、異なるプログラム言語で記述されたものであってもよい。すなわち、複数のプログラム言語で記述されたアプリケーションプログラムが混在してもよい。
第1LCD15と第2LCD16とは、CPU21により制御され、画像を表示する。なお、第1LCD15および第2LCD16に代えて、画像を表示する装置であれば、例えば有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイを用いてもよい。第1タッチパネル17と第2タッチパネル18とは、ユーザが指等によりパネル面に触れると、指等が触れた位置を検出する。第1タッチパネル17と第2タッチパネル18とは、検出した位置を示す位置情報をCPU21にそれぞれ出力する。
EEPROM33は、アドレス帳データを記憶する。アドレス帳データは、発信先となるユーザ毎に、そのユーザを識別するためのユーザ識別情報と、関連情報とを関連付ける。ユーザ識別情報は、ユーザの氏名、略称などの名称、顔を撮像した顔画像を含む。関連情報は、電話番号、電子メールアドレス、分類されたグループ、メモを含む。
カードI/F27には、着脱可能なメモリカード27Aが装着される。メモリカード27Aは、例えば、CompactFlash、SmartMedia(登録商標)、SD(Secure Digital)メモリカード、メモリースティック、MMC(MultiMedia Card)、xDピクチャーカードなどである。
CPU21は、カードI/F27を介して、メモリカード27Aにアクセスが可能である。なお、ここではCPU21で実行するためのプログラムをフラッシュROM31に記憶しておく例を説明するが、プログラムをメモリカード27Aに記憶しておき、メモリカード27Aからプログラムを読み出して、CPU21で実行するようにしてもよい。プログラムを記憶する記録媒体としては、メモリカード27Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、磁気ディスク、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−ROM)/MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROMなどの半導体メモリ等でもよい。また、携帯通信端末1をインターネットに無線回路22を介して接続し、インターネットに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードして、CPU21で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU21により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図3は、携帯通信端末が備えるCPUの機能の概要を示す機能ブロック図である。CPU21は、携帯通信端末1の状態を検出する状態検出部51と、無線回路22を制御する通信制御部53と、通話のための発信先を受け付ける発信先受付部55と、第1LCD15を制御する第1表示制御部57と、第1タッチパネルと接続される第1指示受付部59と、第2LCD16を制御する第2表示制御部61と、第2タッチパネルと接続される第2指示受付部63と、を含む。
状態検出部51は、携帯通信端末1の状態を検出する。状態検出部51は、開センサ23がONであれば開状態を検出する。状態検出部51は、閉センサ24がONであれば閉状態を検出する。状態検出部51は、開センサ23および閉センサ24のいずれもOFFであれば、閉状態あるいは開状態のいずれでもない状態を検出する。状態検出部51は、検出した携帯通信端末1の状態を示す状態信号を通信制御部53および第2表示制御部61に出力する。
第1表示制御部57は、第1LCD15を制御し、第1LCD15に画像を表示させる。第1表示制御部57は、第1LCD15に表示される画像を第1指示受付部59に出力する。
第1指示受付部59は、第1タッチパネル17と接続され、第1タッチパネル17から人の指等が第1タッチパネルに触れた位置を示す位置信号を受け付ける。第1指示受付部59は、第1表示制御部57から入力される画像と、第1タッチパネル17から入力される位置信号とから、画像の所定の位置に割り当てられた指令を検出する。
第2表示制御部61は、第2LCD16を制御し、第2LCD16に画像を表示させる。第2表示制御部61は、第2LCD16に表示される画像を第2指示受付部63に出力する。第2表示制御部61は、第1指示受付部59が出力する指令に従って、第2LCD16に表示する画像を切り換える。このため、第1LCD15に表示されている画像に連動した画像を第2LCD16に表示することができる。
第2指示受付部63は、第2タッチパネル18と接続され、第2タッチパネル18から人の指等が第1タッチパネルに触れた位置を示す位置信号を受け付ける。第2指示受付部63は、第2表示制御部61から入力される画像と、第2タッチパネル18から入力される位置信号とから、画像の所定の位置に割り当てられた指令を検出する。
ここで、第1LCD15に表示されている画像に連動した画像を第2LCD16に表示する一例を、ユーザがアドレス帳を用いて発信する操作をする場合を例に説明する。アドレス帳の表示指示が、第1指示受付部59または第2指示受付部63が受け付けると、第1表示制御部57は、EEPROM33に記憶されたアドレス帳データを読み出し、アドレス帳データに含まれる複数のユーザ識別情報の画像を第1LCD15に表示する。この状態で、第1LCD15に表示された複数のユーザ識別情報の画像を、ユーザが指で指示すれば、第1指示受付部59が指示された位置に表示されている画像からユーザ識別情報を特定し、そのユーザ識別情報を第2表示制御部61および発信先受付部55に出力する。
第2表示制御部61は、第1指示受付部59からユーザ識別情報が入力されると、EEPROM33に記憶されているアドレス帳データを検索し、ユーザ識別情報に関連付けられている関連情報の画像を第2LCD16に表示させる。関連情報は、アドレス帳データに含まれる名称、グループ、電話番号、電子メールアドレス、メモ等である。
図4は、発信操作時に表示されるアドレス帳表示画面の一例を示す図である。図4を参照して、第1表示部2に設けられた第1LCD15に、一覧画面が表示されており、第2表示部3に設けられた第2LCD16に、関連情報を含む関連画面が表示されている。
第1LCD15に表示される一覧画面は、アドレス帳データに含まれる複数のユーザ識別情報の画像が並べて配置される。ここでは、ユーザ識別情報を、ユーザの名称および顔画像としている。
第2LCD16に表示される関連画面は、一覧画面で選択されたユーザ識別情報とアドレス帳データにより関連付けられた関連情報を含む。ここでは、ユーザ識別情報として名称「あい」がユーザにより指示された場合に表示される関連画面を示している。また、一覧画面において、ユーザにより指示されたユーザ識別情報の画像を、他のユーザ識別情報の画像と区別するために、他の画像よりも明るい画像で表示するようにしている。
なお、ここでは、関連情報として、アドレス帳データに含まれる情報を表示するようにしたが、EEPROM33に送受信した電子メール、年月日ごとのスケジュールデータが記憶されている場合には、関連情報は、第1指示受付部59から入力されるユーザ識別情報のユーザに送信した電子メール、またはそのユーザから受信された電子メール、さらに、そのユーザのユーザ識別情報を含むスケジュールデータを含む。第2LCD16に、関連情報が表示されるので、発信する前に通話する予定の相手との最近の取り交わした情報を確認することができ、また、過去または将来のスケジュールを確認することができる。
図3に戻って、発信先受付部55は、第1指示受付部59からユーザ識別情報が入力されると、EEPROM33に記憶されているアドレス帳データを検索し、ユーザ識別情報に関連付けられている電話番号を通信制御部53に出力する。
通信制御部53は、無線回路22を制御する。通信制御部53は、状態検出部51から携帯通信端末1の状態を示す状態信号が入力され、発信先受付部55から発信先の電話番号が入力される。通信制御部11は、開状態を示す状態信号が入力されているときに、発信先受付部55から発信先の電話番号が入力された後、閉状態を示す状態信号が入力されると、無線回路22に発信先受付部55から発信先の電話番号に発信させ、発信先から応呼があると回線を接続させる。通信制御部53は、無線回路22に発信させてから回線を切断するまでの通信状態を示す通信状態信号を第1表示制御部57に出力する。
第1表示制御部57は、無線回路22から通信状態信号が入力されると、通信状態を示す画面を第1LCD15に表示する。通信状態を示す画面は、通信制御部53が発信してから発信先から応呼を受信するまでの発信中に第1LCD15に表示される発信中画面、回線が接続されて通話中であることを示す通話中画面を含む。
図5は、発信中画面の一例を示す図である。発信中画面が表示される場合、携帯通信端末1は閉状態である。図5を参照して、発信中画面は、発信中であることをユーザに知らせるための「発信中」のメッセージと、発信先のユーザ識別情報として名称および顔画像と、電話番号とを含む。このため、ユーザは、携帯通信端末1が名称「あい」のユーザに発信中の状態であることを知ることができる。
図3に戻って、通信制御部53は、状態検出部51から開状態を示す状態信号が入力されているときに、無線回路22が着呼を受信した場合、着信があったことを示す着信信号を第2表示制御部61に出力する。その後、閉状態を示す状態信号が入力されると、無線回路22にオフフックさせ、回線を接続させる。
一方、第2表示制御部61は、開状態の時に通信制御部53から着信信号が入力されると、着信があったことをユーザに通知するために、着信報知画面を第2LCD16に表示する。開状態のとき第2LCD16に既に画像が表示されている場合があるが、第2表示制御部61は、着信報知画面は、既に表示される画像に優先して表示する。例えば、既に表示されている画像に重畳して着信報知画面を表示する。この場合既に表示されている画像を見ることができるように、着信報知画面の下方に画像を見えるように、着信報知画面を透かして表示するのが好ましい。また、既に表示されている画像に代えて着信報知画面を表示するようにしても良い。
図6は、着信報知画面の一例を示す図である。図6を参照して、第1LCD15に、メニュー画面が表示され、第2LCD16にテレビジョン放送の映像が表示されている状態を示している。メニュー画面は、アプリケーションプログラムを選択するため画面である。第2LCD16には、「着信あり」のメッセージを含む着信報知画面が、テレビジョン放送の映像に重畳して表示される。
図7は、開状態時の発信処理の流れの一例を示すフローチャートである。発信処理は、携帯通信端末1が開状態のときに、携帯通信端末1が備えるCPU21が通信プログラムを実行することにより、CPU21により実行される処理である。図7を参照して、CPU21は、アドレス帳の表示を指示する操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。アドレス帳の表示を指示する操作を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、アドレス帳の表示を指示する操作を受け付けたならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。ユーザが第1LCD15に表示されたメニュー画面から、アドレス帳の表示を指示する操作に対応付けられたアイコンに指で触れると、第1タッチパネル17からアドレス帳の表示を指示する操作を受け付ける。
ステップS02においては、第1LCD15に図4に示した一覧画面を表示する。そして、一覧画面に含まれる複数のユーザ識別情報の画像のいずれかが指示されたか否かを判断する(ステップS03)。第1LCD15に表示された複数のユーザ識別情報の画像の位置と、第1タッチパネル17から入力される位置情報とからいずれのユーザ識別情報の画像が指示されたかを判断する。複数のユーザ識別情報の画像のいずれかが指示された場合は、処理をステップS04に進め、そうでなければ処理をステップS02に戻す。
ステップS04においては、指示されたユーザ識別情報に関連する関連情報を抽出する。EEPROM33に記憶されたアドレス帳データを検索し、指示されたユーザ識別情報を含むアドレス帳データを特定し、特定したアドレス帳データに含まれる関連情報を抽出する。ここでは関連情報は、電話番号、電子メールアドレス、分類されたグループ、メモを含む。
ステップS05においては、ステップS04において抽出された関連情報に含まれる電話番号を抽出することにより、発信するための電話番号を特定する。そして、ステップS04において抽出された関連情報を第2LCD16に表示する(ステップS06)。このため、通話しようとしている相手のユーザに関する関連情報を発信する前に確認することができる。また、第1LCD15に一覧画面を表示したまま、第2LCD16に一覧画面から選択されたユーザ識別情報に関連する関連情報が表示されるので、ユーザは発信先を容易に選択することができる。
ステップS07においては、携帯通信端末1の状態として閉状態が検出されたか否を判断する。換言すれば、開状態であった携帯通信端末1が閉状態に状態が変化したか否かを判断する。具体的には、閉センサ24の状態がOFFからONに変化したか否かを判断する。閉状態が検出されたならば処理をステップS08に進め、そうでなければ処理をステップS03に戻す。すなわち、携帯通信端末1が閉状態となるまで、ユーザは発信先のユーザを選択することができる。
ステップS08においては、ステップS05において特定された電話番号に発信する。そして、発信先の電話機から応呼を受信したか否かを判断する(ステップS09)。応呼を受信した場合は、処理をステップS10に進め、そうでなければ処理を終了させる。
ステップS10においては回線を接続し、通話を開始する。そして、通話が終了するまで(ステップS11でNO)通話を継続し、通話が終了すれば(ステップS11でYES)、処理を終了する。回線が切断された場合、または、ユーザが第1タッチパネル17に通話の終了を指示する操作を入力した場合に、通話の終了を検出する。
図8は、着信処理の流れの一例を示すフローチャートである。着信処理は、携帯通信端末1が備えるCPU21が通信プログラムを実行することにより、CPU21により実行される処理である。図8を参照して、CPU21は、着信を検出したか否かを判断する(ステップS21)。無線回路22が着呼を受信すると着信を検出する。着信を検出するまで待機状態となり(ステップS21でNO)、着信を検出したならば(ステップS21でYES)、処理をステップS22に進める。
ステップS22においては、携帯通信端末1の状態として開状態が検出されたか否を判断する。換言すれば、着信した時点における携帯通信端末1の状態を判断する。具体的には、開センサ23がONであれば開状態を検出し、閉センサ24がONであれば閉状態を検出する。開状態が検出されたならば処理をステップS23に進め、そうでなければ処理をステップS39に進める。
ステップS23においては、第2LCD16に着信報知画面を表示する。着信報知画面は、「着信あり」のメッセージを含む。着信報知画面は、既に表示される画像に優先して表示する。これにより、ユーザに着信があったことを確実に報知することができる。既に表示されている画像に重畳してメッセージを表示する。この場合既に表示されている画像を見ることができるように、着信報知画面を透かして表示するのが好ましい。なお、ここでは、第2LCD16に着信報知画面を表示するようにしたが、第1LCD15に表示するようにしても良いし、第1LCD15および第2LCD16の両方に表示するようにしても良い。また、着信画面の表示に加えて、音、振動、光あるいはこれらの組合せ等によって、着信があったことを報知するようにしてもよい。
ステップS24においては、携帯通信端末1の状態として閉状態が検出されたか否を判断する。換言すれば、開状態であった携帯通信端末1が閉状態に状態が変化したか否かを判断する。具体的には、閉センサ24の状態がOFFからONに変化したか否かを判断する。閉状態が検出されたならば処理をステップS25に進め、そうでなければ処理をステップS37に進める。
ステップS37においては、呼びが継続しているか否かを判断する。無線回路22が着呼を受信していれば、呼びが継続していると判断する。呼びが継続していれば処理をステップ24に戻すが、そうでなければ処理をステップ38に進める。すなわち、無線回路22が着呼を受信している間は、携帯通信端末1が閉状態になるまで待機し、携帯通信端末1が閉状態になると、処理をステップS25に進める。
ステップS38においては、第2LCD16に着信履歴を報知する画面を表示し、その後処理を終了する。着信履歴を報知する画面は、「着信あり」のメッセージと発呼してきた相手方の電話番号とを含む。これにより、ユーザに着信があったことを確実に報知することができる。なお、ここでは、第2LCD16に着信履歴を報知する画面を表示するようにしたが、第1LCD15に表示するようにしても良いし、第1LCD15および第2LCD16の両方に表示するようにしても良い。また、着信履歴を報知する画面の表示に加えて、光等によって着信があったことを報知するようにしてもよい。
ステップS25においては、無線回路22にオフフックさせる。これにより、回線が接続され、通話が可能となる。次のステップS26においては、第1LCD15に表示されている第1表示画面をEEPROM33に記憶し、次のステップS27においては、第2LCD16に表示されている第2表示画面をEEPROM33に記憶する。そして、ステップS28において、第1LCD15に発信中画面を表示する。このため、ユーザは、携帯通信端末1が通話中の状態に移行し、通話が可能であることを知ることができる。
そして、接続された回線で通話処理を行う(ステップS29)。携帯通信端末1が開状態のときに着信したとき、ユーザは携帯通信端末1を閉状態に変化させる操作をするだけで、着信に応答し、通話をすることができる。このため、着信に応答する操作が容易となる。
ステップS30においては、携帯通信端末1の状態として開状態が検出されたか否かを判断する。換言すれば、閉状態であった携帯通信端末1が開状態に状態が変化したか否かを判断する。具体的には、開センサ23の状態がOFFからONに変化したか否かを判断する。開状態が検出されたならば処理をステップS31に進め、そうでなければ処理をステップS34に進める。
ステップS34においては、オンフックキーが押下されたか否かを判断する。オンフックキーが押下されたならば処理をステップS35に進め、そうでなければ処理をステップS29に戻す。オンフックキーは、筐体部5に配置されるハードキーであってもよいし、第1LCD15に表示されるソフトキーであっても良い。
すなわち、携帯通信端末1が開状態に状態が変化するか、または、オンフックキーが押下されるまで、通話が継続される。なお、通話中に通話相手が回線を切断した場合には、ステップS34においてオフフックキーが押下された場合と同じように、処理をステップS35に進めるようにすればよい。
ステップS31においては、オンフックする。具体的には、無線回路22に、それまで
通話のために接続していた回線を切断させる。通話中に閉状態であった携帯通信端末1が開状態に状態が変化した場合にオンフックするので、閉状態であった携帯通信端末1を開状態に変化させる簡単な操作で、通話を終了させることができる。
ステップS32においては、ステップS26においてEEPROM33に記憶された第1表示画面を第1LCD15に表示し、次のステップS33においては、ステップS27においてEEPROM33に記憶された第2表示画面を第2LCD16に表示し、その後処理を終了する。これにより、通話前に第1LCD15および第2LCD16にそれぞれ表示されていた画面が表示されるので、ユーザは、通話する前にしていた作業を継続することができる。
ステップS34においてオンフックキーが押下されたと判断する場合、ステップS35において、オンフックする。具体的には、無線回路22に、それまで通話のために接続していた回線を切断させる。オンフックキーを押下すれば、閉状態であった携帯通信端末1を開状態に状態を変化させることなく通話を終了させることができる。
ステップS36においては、携帯通信端末1の状態として開状態が検出されたか否かを判断する。換言すれば、閉状態であった携帯通信端末1が開状態に状態が変化したか否かを判断する。具体的には、開センサ23の状態がOFFからONに変化したか否かを判断する。開状態が検出されるまで待機状態となり(ステップS36でNO)、開状態が検出されたならば(ステップS36でYES)、処理をステップS32に進める。
一方、ステップS21において着信が検出された時点で携帯通信端末1が閉状態の時(ステップS22でNO)は、ステップS39において、第1LCD15に着信報知画面を表示する。着信報知画面は、「着信あり」のメッセージと発呼してきた相手方の電話番号とを含む。
次のステップS40においては、オフフックキーが押下されたか否かを判断する。オフフックキーが押下されたならば処理をステップS41に進め、そうでなければ処理をステップS45に進める。オフフックキーは、筐体部5に配置されるハードキーであってもよいし、第1LCD15に表示されるソフトキーであっても良い。すなわち、無線回路22が着呼を受信している間は、オフフックキーが押下されるまで待機し、オフフックキーが押下されると、処理をステップS41に進める。
ステップS45においては、呼びが継続しているか否かを判断する。呼びが継続していれば処理をステップ40に戻すが、そうでなければ処理をステップ46に進める。ステップS46においては、ステップS38と同様に、第1LCD15に着信履歴を報知する画面を表示し、その後処理を終了する。
ステップS41においては、無線回路22にオフフックさせる。これにより、回線が接続され、通話が可能となる。そして、接続された回線で通話処理を行う(ステップS42)。オフフックキーが押下されると、開状態であった携帯通信端末1が閉状態に状態が変化しなくてもオフフックするので、通話を開始させることができる。
ステップS43においては、オンフックキーが押下されたか否かを判断する。オンフックキーが押下されたならば処理をステップS44に進め、そうでなければ処理をステップS42に戻す。なお、通話中に通話相手が回線を切断した場合には、ステップS43においてオンフックキーが押下された場合と同じように、処理をステップS44に進めるようにすればよい。次のステップS44においては、オンフックする。具体的には、無線回路22に、それまで通話のために接続していた回線を切断させ、その後処理を終了する。
例えば、携帯通信端末1にアプリケーションプログラムを実行させている場合に、着信があった場合、ユーザが携帯通信端末1を閉状態にすると、通話することができる。ユーザが通話終了後に、携帯通信端末1を開状態に変化させる操作をすると、通話前に第1LCD15および第2LCD16に表示されていた元の画面が第1LCD15および第2LCD16にそれぞれ表示される。このため、中断していたアプリケーションプログラムの実行を再開することができる。
以上説明したように、本実施の形態における携帯通信端末1は、開態が検出されているときに、発信先の電話番号が受け付けられ、電話番号が受け付けられた後、閉状態が検出されると、受け付けられた電話番号に発信する。このため、ユーザは、携帯通信端末1の状態を開状態から閉状態に変化させる簡単な操作で発信させることができる。
また、携帯通信端末1は、開状態で、第1LCD15に表示されたユーザ識別情報の一覧画面のうちから選択されたユーザ識別情報に関連する関連情報を第2LCD16に表示するので、発信先の選択が容易となる。
さらに、携帯通信端末1は、開状態のときに着信が検出されると、閉状態が検出されることに応じて、オフフックするので、ユーザは、開状態から閉状態に変化させる簡単な操作でオフフックさせることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。