以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態の一つにおける携帯電話機の外観を示す斜視図である。図1を参照して、携帯電話機1は、電子機器の一例であり、表示側部2と、操作側部3と、を含む。表示側部2は、その裏面が操作側部3の表面と向かい合うように、操作側部3に長手方向にスライド可能に取り付けられる。図1においては、表示側部2を操作側部3に対してスライドさせて、携帯電話機1が開いた状態を示している。携帯電話機1が閉じた状態においては、表示側部2の裏面は、操作側部3の表面と重なる。
表示側部2の表面は、カメラ24と、液晶表示装置(LCD)15と、LCD15上に重畳されたタッチパネル16と、レシーバとしての第1スピーカ11と、が配置される。タッチパネル16は、透明な部材からなり、LCD15の表示面の全体に渡ってそれに重畳して配置される。なお、ここでは携帯電話機1がLCD15を備える例を示すが、LCD15に代えて、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を用いてもよい。
携帯電話機1が開いた状態において、操作側部3の表面の一部が露出する。操作側部3は、表面の露出する部分に通話キー、通話終了キー、上下左右にカーソルを移動させるための指示キー、テンキーを含む操作キー17と、マイクロホン13とが配置される。また、操作側部3の側面には、サイドキー19が配置される。携帯電話機1が閉じた状態において、操作側部3の表面に設けられた操作キー17が表示側部2により覆い隠される。一方、サイドキー19は、携帯電話機1が閉じた状態において、ユーザが操作可能である。
図2は、本実施の形態における携帯電話機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、携帯電話機1は、携帯電話機1の全体を制御するための制御部21と、アンテナ22Aと接続された無線回路22と、音声データを符号化または復号するためのコーデック部23と、音声データを処理し音声を制御するための音声制御部28と、カメラ24と、ユーザの操作の入力を受付ける操作部25と、着信を報知するための振動部26と、制御部21で実行するプログラム等を記憶するためのフラッシュメモリ31と、制御部21の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)32と、カードインターフェース(I/F)27と、を含む。
無線回路22は、制御部21により制御され、無線基地局と通信する。具体的には、無線回路22は、アンテナ22Aにより受信された無線信号が入力され、無線信号を復調した音声信号をコーデック部23に出力する。また、無線回路22は、コーデック部23から音声信号が入力され、音声信号を変調した無線信号をアンテナ22Aに出力する。コーデック部23は、無線回路22から入力される音声信号を復号し、復号したデジタルの音声信号をアナログに変換し、音声制御部28に出力する。また、コーデック部23は、音声制御部28からアナログの音声信号が入力され、アナログ音声信号をデジタル音声信号に変換し、符号化し、そして符号化した音声信号を無線回路22に出力する。
また、無線回路22は、無線基地局との間でデータ通信が可能である。特に、無線回路22は、無線基地局に接続された電子メールサーバと無線基地局を介して通信することが可能である。無線回路22は、電子メールサーバから送信される電子メールを受信し、制御部21に出力する。また、無線回路22は、制御部21から入力される電子メールを電子メールサーバに送信する。制御部21は、電子メールサーバとの間で送受信した電子メールをフラッシュメモリ31に記憶する。
操作部25は、タッチパネル16と、操作キー17と、サイドキー19とを含む。タッチパネル16は、圧力の変化を感知する感圧式であってもよいし、静電気による電気信号を感知する静電式であってもよい。ここでは静電式を用いている。タッチパネル16は、ユーザがタッチパネル16に指で触れると、ユーザが指で触れた位置を指示位置として検出し、指示位置を制御部21に出力する。操作キー17およびサイドキー19は、ユーザにより押下されると、押下されたことを示す信号を制御部21に出力する。
音声制御部28は、マイクロホン13と接続され、マイクロホン13が集音して出力するアナログの音声信号が入力される。音声制御部28は、マイクロホン13から入力される音声信号をコーデック部23に出力する。また、音声制御部28は、コーデック部23から音声信号が入力され、コーデック部23から入力された音声信号をスピーカ11に出力する。
カードI/F27には、着脱可能なメモリカード27Aが装着される。メモリカード27Aは、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを有し、プログラムを記憶可能である。制御部21は、カードI/F27を介して、メモリカード27Aにアクセスが可能である。なお、ここでは制御部21で実行するためのプログラムをフラッシュメモリ31に記憶しておく例を説明するが、プログラムをメモリカード27Aに記憶しておき、メモリカード27Aからプログラムを読み出して、制御部21で実行するようにしてもよい。プログラムを記憶する記録媒体としては、メモリカード27Aに限らず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)/MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などの半導体メモリ等でもよい。また、制御部21が、無線回路22を介してインターネットに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードし、そのプログラムを実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、制御部21により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
カメラ24は、レンズおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の光電変換素子を備え、レンズで集光した光をCMOSセンサに結像し、CMOSセンサは受光した光を光電変換して画像データを制御部21に出力する。カメラ24は、制御部21により制御され、制御部21からの指示により撮像を開始して、得られる静止画データまたは動画データを制御部21に出力する。制御部21は、カメラ24が出力する静止画データまたは動画データをLCD15に表示する、または、圧縮符号化方式で静止画データまたは動画データを符号化して、フラッシュメモリ31またはカードI/F27に装着されたメモリカード27Aに記憶する。
図3は、制御部の機能の概要の一例をフラッシュメモリに記憶するデータとともに示す機能ブロック図である。図3を参照して、制御部21は、ユーザにより入力される文字を受け付ける文字受付部51と、辞書データおよび履歴データに基づいて変換候補を表示する変換候補表示部53と、文書データの表示を禁止する表示禁止部45と、ユーザにより入力された1文字以上の文字列に基づき変換された文字列を確定文字列に決定する確定文字列決定部59と、確定文字列を含む文書データを記憶する文書データ記憶部73と、文書データを送信する送信部75と、確定文字列を変換候補とするための新たな履歴データを記憶する履歴記憶部67と、文書データに含まれる複写文字列を記憶する文字列記憶部85と、履歴データを消去する履歴消去部77と、登録部83と、を含む。
文字受付部51は、ユーザが操作部25の備える操作キー17またはタッチパネル16を用いて文字を入力すると、ユーザにより入力される文字を操作部25から受け付ける。文字受付部51は、バッファを有し、操作部25から1文字を受け付けるごとにバッファに受け付けられた1文字を順に記憶する。文字受付部51は、後述する確定文字列決定部59により確定文字列が決定されるまで、操作部25から受け付ける文字をバッファに記憶し、確定文字列決定部59により確定文字列が決定されるとバッファをクリアし、バッファに記憶された1文字以上の文字列を消去する。文字受付部51は、バッファに記憶された1文字以上の文字列を確定文字列決定部59および予測変換候補表示部55に出力する。
変換候補表示部53は、予測変換候補表示部55と、連続変換候補表示部57と、を含む。予測変換候補表示部55は、文字受付部51から1文字以上の文字列が入力されると、フラッシュメモリ31に記憶された辞書データ91および履歴データ92に基づいて、文字受付部51から入力される1文字以上の文字列に対応する1以上の変換候補を表示する。連続変換候補表示部57は、後述する確定文字列決定部59により確定文字列が決定されると、フラッシュメモリ31に記憶された辞書データ91および履歴データ92に基づいて、決定された確定文字列に続くことが予測される文字列を連続変換候補として表示する。
辞書データ91は、フラッシュメモリ31に予め記憶されており、1文字以上の複数の文字列それぞれに対して、その文字列で変換される変換候補と、その文字列で始まる別の文字列で変換される予測変換候補と、その文字列に続くことが予測される別の文字列からなる連続変換候補と、を記憶する。具体的には、変換候補は、例えば文字列「ごくひ」で変換される「極秘」、「ゴクヒ」等の文字列であり、この場合、辞書データ91は、文字列「ごくひ」に対応して変換候補「極秘」および「ゴクヒ」を対応付けて記憶する。また、予測変換候補は、例えば文字列「にほ」で始まる別の文字列「日本」、「日本人」、であり、この場合、辞書データ91は、文字列「に」および「にほ」それぞれに対応して予測変換候補「日本」、「日本人」を対応付けて記憶する。さらに、連続変換候補は、例えば文字列「日本」に続くことが予測される「語」、「人」等の別の文字列であり、この場合、辞書データ91は、文字列「日本」に続く連続変換候補「語」、「人」を対応付けて記憶する。
辞書データ91が、変換候補、予測変換候補および連続変換候補を記憶することにより、例えば、文字列「に」を入力することにより予測変換候補として「日本」が選択可能に表示され、予測変換候補「日本」を選択すれば、「日本」に続く連続変換候補「語」および「人」が選択可能に表示される。このため、ユーザの操作として、(1)文字列「に」を入力し、(2)「日本」を選択し、(3)「語」を選択する3つの操作で、文字列「日本語」を入力することができる。なお、(1)文字列「にほん」を入力し、(2)変換候補「日本」を決定し、(3)文字列「ご」を入力し、(4)変換候補「語」を決定するようにしても、同じ文字列「日本語」を入力することができるが、入力する文字数、選択操作の回数が多くなる。
履歴データ92は、後述する履歴記憶部67によりフラッシュメモリ31に記憶され、第1履歴データ93と、第2履歴データ94とを含む。第1履歴データ93および第2履歴データ94については、詳細は後述するが、それぞれ、ユーザが過去にした操作に基づいて記憶され、第1履歴データ93は辞書データ91における予測変換候補に対応し、第2履歴データ94は辞書データ91における連続変換候補に対応する。
予測変換候補表示部55は、文字受付部51から1文字以上の文字列が入力されると、フラッシュメモリ31に記憶された辞書データ91および履歴データ92それぞれに記憶された予測変換候補のうちから、文字受付部51から入力される1文字以上の文字列に対応する予測変換候補を抽出し、抽出した予測変換候補をLCD15に表示するとともに、確定文字列決定部59に出力する。抽出した予測変換候補が複数存在する場合、後述する第1履歴レコードから抽出される予測変換候補は、更新日時が関連付けられているので、現時点に近いものから順に表示する。
連続変換候補表示部57は、確定文字列決定部59により確定文字列が決定されると、フラッシュメモリ31に記憶された辞書データ91および履歴データ92それぞれに記憶された連続文字列のうちから、決定された確定文字列に続く連続変換候補を抽出し、抽出した連続変換候補をLCD15に表示するとともに、確定文字列決定部59に出力する。抽出した連続変換候補が複数存在する場合、後述する第2履歴レコードから抽出される連続変換候補は、更新日時が関連付けられているので、現時点に近いものから順に表示する。
確定文字列決定部59は、1文字以上の文字列を確定文字列に決定する。確定文字列決定部59は、第1決定部61、第2決定部63および第3決定部65を含む。第1決定部61は、予測変換候補表示部55から予測変換候補が入力され、ユーザが操作キー17を操作して、予測変換候補を選択し、決定すると、決定された予測変換候補を確定文字列に決定する。操作キー17は、複数の予測変換候補のうちから1つを選択する操作を入力するためのキーと、選択された予測変換候補を決定する操作を入力するためのキーとを含む。第1決定部61は、確定文字列を決定すると、確定文字列を文書データ記憶部73および連続変換候補表示部57に出力するとともに、文字受付部51から入力される1文字以上の文字列と確定文字列との組を含む第1記憶指示を履歴記憶部67に出力する。
第2決定部63は、連続変換候補表示部57から連続変換候補が入力され、ユーザが操作キー17を操作して、連続変換候補を1つ選択し、決定すると、決定された連続変換候補を確定文字列に決定する。操作キー17は、複数の連続変換候補のうちから1つを選択する操作を入力するためのキーと、選択された連続変換候補を決定する操作を入力するためのキーとを含む。第2決定部63は、確定文字列を決定すると、確定文字列を文書データ記憶部73および連続変換候補表示部57に出力するとともに、確定文字列を含む第2記憶指示を履歴記憶部67に出力する。
第3決定部65は、文字受付部51から1文字以上の文字列が入力され、ユーザが操作キー17を操作して、入力された1文字以上の文字列に決定すると、入力された1文字以上の文字列自体を確定文字列に決定する。また、第3決定部65は、文字受付部51から1文字以上の文字列が入力され、ユーザが操作キー17を操作して、入力された1文字以上の文字列を変換すると、変換された後の文字列を確定文字列に決定する。第3決定部は、確定文字列を決定すると、確定文字列を文書データ記憶部73および連続変換候補表示部57に出力するとともに、文字受付部51から入力される1文字以上の文字列と確定文字列との組を含む第3記憶指示を履歴記憶部67に出力する。
文書データ記憶部73は、確定文字列決定部59から確定文字列が入力されると、入力される確定文字列を含む文書データをフラッシュメモリ31に記憶する。これにより、フラッシュメモリ31に文書データ95が記憶される。文書データ記憶部73は、第1決定部61、第2決定部63および第3決定部65のいずれかから確定文字列が入力されるごとに、文書データに確定文字列を追加する。文書データ記憶部73は、フラッシュメモリ31に記憶した文書データを識別するためのファイル名を、履歴記憶部67、文字列記憶部85および送信部75に出力する。
登録部83は、ユーザが操作部25に禁止文字列または電子メールアドレスを入力すると、それらを受け付ける。登録部83は、禁止文字列を受け付けると、その禁止文字列をフラッシュメモリ31に記憶する。これにより、禁止文字列96がフラッシュメモリ31に記憶される。また、登録部83は、電子メールアドレスを受け付けると、その電子メールアドレスをフラッシュメモリ31に記憶する。これにより、電子メールアドレスが特定アドレス97としてフラッシュメモリ31に記憶される。
履歴記憶部67は、第1履歴データ記憶部69と、第2履歴データ記憶部71とを含む。第1履歴データ記憶部69は、確定文字列決定部59から第1記憶指示または第3記憶指示が入力されると、第1記憶指示または第3記憶指示に含まれる1文字以上の文字列と、確定文字列と、文書データ記憶部73から入力されるファイル名と、を関連付けた第1履歴レコードを生成し、第1履歴データ93に追加して記憶する。
第1履歴データ記憶部69は、第1記憶指示または第3記憶指示に含まれる確定文字列が、フラッシュメモリ31に記憶された禁止文字列96と同じでないことを条件に、第1履歴レコードを生成し、第1履歴データ93に追加して記憶する。フラッシュメモリ31に記憶された禁止文字列96と同じ確定文字列を含む第1履歴データ93が記憶されないので、禁止文字列が予測変換候補として表示されないようにすることができる。
ここで、第1履歴データについて説明する。図4は、第1履歴データの一例を示す図である。図4を参照して、第1履歴データは、9つの第1履歴レコードを含む場合を例に示している。第1履歴レコードは、IDの項目と、入力文字の項目と、確定文字列の項目と、フラグの項目と、ファイル名の項目と、日時の項目と、を含む。IDの項目は、第1履歴レコードを識別するために付された番号が設定される。ここでは、番号は、第1履歴レコードが記憶された順番を示す。入力文字の項目は、第1記憶指示または第3記憶指示に含まれる1文字以上の文字列が設定される。確定文字列の項目は、第1記憶指示または第3記憶指示に含まれる確定文字列が設定される。ファイル名の項目は、文書データ記憶部73から入力されるファイル名が設定される。フラグの項目は、第1履歴データが関連付けられている文書データが単一か複数かの別を示すフラグ値が設定され、ファイル名の項目に単一のファイル名が設定される場合に「1」が設定され、複数のファイル名が設定される場合に「2」が設定される。日時の項目は、第1履歴レコードが追加または更新された日時が設定される。
例えば、図4に示すIDが1〜3の第1履歴レコードは、第1記憶指示または第3記憶指示が2009年1月1日15:30に入力され、文字列「ごくひ」および確定文字列「極秘」を含み、フラッシュメモリ31にファイル名「A」の文書データが記憶される場合に、生成される。IDが「1」の第1履歴レコードは、文字列「ごくひ」に含まれる最初の1文字が入力文字の項目に設定され、IDが「2」の第1履歴レコードは、文字列「ごくひ」に含まれる最初の2文字が入力文字の項目に設定され、IDが「3」の第1履歴レコードは、文字列「ごくひ」に含まれる3つの文字が入力文字の項目に設定されるが、残りの項目には同じ値が設定される。
図3に戻って、第1履歴データ記憶部69は、確定文字列決定部59から第1記憶指示または第3記憶指示が入力されると、第1履歴レコードを生成し、第1履歴データ93に追加して記憶するが、第1記憶指示が入力される場合は、入力文字の項目、確定文字列の項目が同じ第1履歴レコードが第1履歴データ93に既に記憶されている。この場合、第1履歴レコードを新たに追加することなく、既に記憶されている第1履歴レコードを更新する。更新の内容は、文書データ記憶部73から入力されるファイル名が既に記憶されている第1履歴レコードのファイル名の項目に設定されているファイル名と異なるか否かを判断する。ファイル名が同じならば、日時の項目を現在の日時に設定する。ファイル名が異なれば、ファイル名の項目に文書データ記憶部73から入力されるファイル名を追加し、フラグの項目を「2」に設定し、日時の項目を現在の日時に設定する。
再度、図4を参照して、例えば、IDが4および5の第1履歴レコードは、フラッシュメモリ31にファイル名「A」の文書データが記憶され、文字列「プロ」および確定文字列「プロジェクト」を含第1記憶指示または第3記憶指示が2009年1月1日15:30に入力された時点で生成され、その後に、フラッシュメモリ31にファイル名「B」の文書データが記憶され、文字列「プロ」および確定文字列「プロジェクト」を含む第1記憶指示または第3記憶指示が2009年3月3日16:00に入力された場合に更新された第1履歴データを示している。
図3に戻って、第2履歴データ記憶部71は、第1決定部61、第2決定部63および第3決定部65のいずれかから確定文字列が入力されると、確定文字列と、その確定文字列が入力される前に入力された確定文字列と、文書データ記憶部73から入力されるファイル名と、を関連付けた第2履歴レコードを生成し、第2履歴データ94に追加して記憶する。
第2履歴データ記憶部71は、第1決定部61、第2決定部63および第3決定部65のいずれかから入力される確定文字列が、フラッシュメモリ31に記憶された禁止文字列96と同じでないことを条件に、第2履歴レコードを生成し、第2履歴データ94に追加して記憶する。フラッシュメモリ31に記憶された禁止文字列96と同じ確定文字列を含む第2履歴データ94が記憶されないので、禁止文字列が連続変換候補として表示されないようにすることができる。
ここで、第2履歴データについて説明する。図5は、第2履歴データの一例を示す図である。図5を参照して、第2履歴データは、2つの第2履歴レコードを含む場合を例に示している。第2履歴レコードは、IDの項目と、前の確定文字列の項目と、確定文字列の項目と、フラグの項目と、ファイル名の項目と、日時の項目と、を含む。IDの項目は、第2履歴レコードを識別するために付された番号が設定される。ここでは、番号は、第2履歴レコードが記憶された順番を示す。前の確定文字列の項目は、第1決定部61、第2決定部63および第3決定部65のいずれかから確定文字列が入力される直前に入力された確定文字列が設定される。確定文字列の項目は、第1決定部61、第2決定部63および第3決定部65のいずれかから入力される確定文字列が設定される。ファイル名の項目は、文書データ記憶部73から入力されるファイル名が設定される。フラグの項目は、第2履歴データが関連付けられている文書データが単一か複数かの別を示すフラグ値が設定され、ファイル名の項目に単一のファイル名が設定される場合に「1」が設定され、複数のファイル名が設定される場合に「2」が設定される。日時の項目は、第2履歴レコードが追加または更新された日時が設定される。
例えば、図5に示すIDが1の第2履歴レコードは、確定文字列「極秘」が入力された後の2009年1月1日15:30に確定文字列「プロジェクト」が入力され、フラッシュメモリ31にファイル名「A」の文書データが記憶される場合に、生成される。
図3に戻って、第2履歴データ記憶部71は、確定文字列決定部59から確定文字列が入力されると、第2履歴レコードを生成し、第2履歴データ94に追加して記憶するが、前の確定文字列の項目、確定文字列の項目が同じ第2履歴レコードが第2履歴データ94に既に記憶されている場合がある。この場合、第2履歴レコードを新たに追加することなく、既に記憶されている第2履歴レコードを更新する。更新の内容は、文書データ記憶部73から入力されるファイル名が既に記憶されている第2履歴レコードのファイル名の項目に設定されているファイル名と異なるか否かを判断する。ファイル名が同じならば、日時の項目を現在の日時に設定する。ファイル名が異なれば、ファイル名の項目に文書データ記憶部73から入力されるファイル名を追加し、フラグの項目を「2」に設定し、日時の項目を現在の日時に設定する。
再度、図5を参照して、例えば、IDが「2」の第2履歴レコードは、フラッシュメモリ31にファイル名「A」の文書データが記憶され、確定文字列「プロジェ口クト」に続いて確定文字列「特許」が2009年1月1日15:30に入力された時点で生成される。その後、フラッシュメモリ31にファイル名「B」の文書データが記憶され、確定文字列「プロジェ口クト」に続いて確定文字列「特許」が2009年3月3日16:00に入力された場合に更新された第1履歴データを示している。
図3に戻って、表示禁止部45は、表示部15への文書データ95の表示を禁止する。例えば、文書データは、電子メールを含むので、表示禁止部45は、電子メールの表示を禁止するモードに設定する。表示禁止部45は、文書データ95の表示を禁止する間、変換候補表示部53に、変換候補表示禁止指示を出力する。
予測変換候補表示部55は、表示禁止部45から変換候補表示禁止指示が入力されている間、文字受付部51から1文字以上の文字列が入力されると、フラッシュメモリ31に記憶された履歴データ92を用いることなく、辞書データ91に基づいて、文字受付部51から入力される1文字以上の文字列に対応する1以上の変換候補を表示する。連続変換候補表示部57は、表示禁止部45から変換候補表示禁止指示が入力されている間、確定文字列決定部59により確定文字列が決定されると、フラッシュメモリ31に記憶された履歴データ92を用いることなく、辞書データ91およびに基づいて、決定された確定文字列に続くことが予測される文字列を連続変換候補として表示する。文書データの表示を禁止するとともに、履歴データ92に基づく予測変換候補または連続変換候補が表示されないようにして、機密性の高い用語を示す文字列が予測変換候補または連続変換候補として表示されないようにすることができる。
送信部75は、ユーザが操作部25に入力する指示に従って、文書データ記憶部73に記憶された文書データ95を含み、送信先の欄にユーザにより指定された電子メールアドレスを設定した電子メールを生成し、生成した電子メールを無線回路22を介して送信する。送信部75は、電子メールを送信すると、電子メールに含めた文書データ95のファイル名と電子メールアドレスとを履歴消去部77および文字列消去部87に出力する。
履歴消去部77は、送信部75が電子メールを送信する場合、送信部75から文書データのファイル名と電子メールアドレスとが入力され、文書データ95がフラッシュメモリ31から消去されると削除された文書データ95のファイル名を取得する。
履歴消去部77は、送信部75から入力されるファイル名と電子メールアドレスとが入力される場合、入力されるファイル名と関連付けられた第1履歴データ93および第2履歴データ94を消去する。具体的には、第1履歴データ93および第2履歴データ94それぞれに含まれる第1履歴レコードおよび第2履歴レコードのうち、送信部75から入力されるファイル名を含む第1履歴レコードおよび第2履歴レコードを消去する。
また、履歴消去部77は、フラッシュメモリ31から文書データ95が消去される場合、消去された文書データ95と関連付けられた第1履歴データ93および第2履歴データ94を消去する。具体的には、第1履歴データ93および第2履歴データ94それぞれに含まれる第1履歴レコードおよび第2履歴レコードのうち、フラッシュメモリ31から消去された文書データ95のファイル名を含む第1履歴レコードおよび第2履歴レコードを消去する。電子メールを作成すれば文書データ95がフラッシュメモリ31に記憶されるが、送信されない場合があり、その場合においても、第1履歴データ93および第2履歴データ94を消去するためである。
文書データ95を含む電子メールを送信すると、または電子メールを送信することなく文書データ95をフラッシュメモリ31から消去すると、文書データ95のファイル名と関連付けられた第1履歴データ93および第2履歴データ94が消去されるので、文書データ95に含まれる確定文字列が、予測変換候補または連続変換候補として表示されることがない。このため、機密性の高い用語を示す文字列を、予測変換に用いる履歴から容易に削除することができる。
また、文書データ95は、電子メールに限らず、メモ帳、スケジュール帳、電話帳など、他の電子データであってもよく、電子メールのように送信されないが、フラッシュメモリ31に記憶される。そのような文書データ95がフラッシュメモリ31から削除されることによって、その文書データ95のファイル名と関連付けられた第1履歴データ93および第2履歴データ94を消去する。さらに、文書データ95に対する処理は、電子メールの送信または消去に限らず、例えば、コピー、記憶領域の変更(フォルダ移動)、アラーム等他の処理でもよく、予め定めておけばよい。要するに、文書データ95に対して予め定められた処理が実行されることに応じて、その文書データ95のファイル名と関連付けられた第1履歴データ93および第2履歴データ94を削除するようにすればよい。
履歴消去部77は、確認部79と、消去可否判断部81と、を含む。消去可否判断部81は、文書データ95が電子メールに含まれる場合、送信部75から入力される電子メールアドレスまたはフラッシュメモリ31から消去された文書データ(電子メール)の送信先の電子メールアドレスが特定アドレス97と同じならば、消去可能と判断し、送信部75から入力される電子メールアドレスが特定アドレス97に登録されていなければ消去不可と判断する。
履歴消去部77は、消去可否判断部81が消去可能と判断する場合に、第1履歴データ93および第2履歴データ94に記憶されている第1履歴レコードおよび第2履歴レコードのうち送信または消去された文書データ95と関連付けられたおよび第1履歴レコードおよび第2履歴レコードを消去する。換言すれば、履歴消去部77は、送信部75から入力される電子メールアドレスまたはフラッシュメモリ31から消去された文書データ(電子メール)の送信先の電子メールアドレスが特定アドレス97として登録されていることを条件に、第1履歴データ93および第2履歴データ94に記憶されている第1履歴レコードおよび第2履歴レコードのうち文書データのファイル名を含む第1履歴レコードおよび第2履歴レコードを消去する。
特定アドレス97に登録されている電子メールアドレス宛の電子メールに含まれる文書データ95が送信された場合、または、フラッシュメモリ31から消去された場合に限って、その文書データ95に関連付けられた第1履歴レコードおよび第2履歴レコードを消去する。特定アドレス97に記憶される電子メールアドレス宛の電子メールを作成中に入力された確定文字列が、予測変換候補または連続変換候補として表示されるのを防止することができる。また、機密性の高い用語を示す文字列を含む文書データを電子メールで送信する相手は、ある程度特定できるので、第1履歴データ93および第2履歴データ94から削除する第1履歴レコードおよび第2履歴レコードを可能な限り少なくして、予測変換機能を有効に機能させることができる。
確認部79は、第1履歴データ93および第2履歴データ94に記憶されている第1履歴レコードおよび第2履歴レコードのうち削除対象となる第1履歴レコードおよび第2履歴レコードそれぞれのフラグの項目に「2」が設定されているものが1つでも存在するか否かを判断する。削除対象となる第1履歴レコードおよび第2履歴レコードのうちにフラグの項目に「2」が設定されているものが1つでも存在すれば、ユーザにその削除するか否かを確認するための画面をLCD15に表示し、1つも存在しなければ履歴消去部77に削除指示を出力する。確認部79は、ユーザが操作キー17のうち許可する操作が割り当てられたキーを押下すれば、ユーザによる許可を受け付ける。確認部79は、許可を受け付ける場合、履歴消去部77に削除指示を出力するが、許可を受け付けない場合、履歴消去部77に削除不許可指示を出力する。
履歴消去部77は、確認部79から削除指示が入力される場合、第1履歴データ93および第2履歴データ94に記憶されている第1履歴レコードおよび第2履歴レコードのうち文書データのファイル名を含む第1履歴レコードおよび第2履歴レコードのすべてを消去する。履歴消去部77は、確認部79から削除不許可指示が入力される場合、第1履歴データ93および第2履歴データ94に記憶されている第1履歴レコードおよび第2履歴レコードのうち文書データのファイル名を含む第1履歴レコードおよび第2履歴レコードであって、フラグの項目に「1」が設定されているものを消去するが、フラグの項目に「2」が設定されているものは消去しない。
フラグの項目に「2」が設定されている第1履歴レコードまたは第2履歴レコードは、送信または削除の対象とされた文書データ95とは別の文書データ95と関連付けられている。このため、別の文書データ95が送信または削除されるまで、フラグの項目に「2」が設定されている第1履歴レコードまたは第2履歴レコードを記憶しておくようにして、予測変換機能を有効に機能させることができる。なお、フラグの項目に「2」が設定されている第1履歴レコードまたは第2履歴レコードは、文書データ95が送信または削除される場合に、ファイル名の項目からその文書データ95のファイル名が消去され、ファイル名の項目に設定されているファイル名が1つになれば、フラグの項目が「1」に変更される。これにより、機密性の高い用語を示す確定文字列を含む第1履歴レコードおよび第2履歴レコードを確実に消去することができる。
文字列記憶部85は、文書データ記憶部73からファイル名が入力される。文字列記憶部85は、ユーザが操作部25に入力する指示に従って、文書データ記憶部73からファイル名で特定される文書データ95に含まれる文字列のうちから1文字以上の文字列を選択する。そして、文字列記憶部85は、選択された1文字以上の文字列と、文書データ記憶部73から入力されるファイル名とを関連付けた文字列データをフラッシュメモリ31に記憶する。これにより、文字列データ98がフラッシュメモリ31に記憶される。文字列データ98は、いわゆるクリップボードとして機能する。
文字列記憶部85は、ユーザが操作部25に入力する指示に従って、選択された1文字以上の登録文字列が、フラッシュメモリ31に記憶された禁止文字列96と同じでないことを条件に、登録文字列をフラッシュメモリ31に記憶する。これにより、フラッシュメモリ31に登録文字列を含む文字列データ98が記憶される。フラッシュメモリ31に記憶された禁止文字列96と同じ文字列の登録文字列がフラッシュメモリ31(クリップボード)に記憶されないので、禁止文字列の複写を禁止することができる。
図6は、文字列データの一例を示す図である。図6を参照して、文字列データは、2の文字列レコードを含む場合を例に示している。文字列レコードは、IDの項目と、登録文字列の項目と、フラグの項目と、ファイル名の項目と、日時の項目と、を含む。IDの項目は、文字列レコードを識別するために付された番号が設定される。ここでは、番号は、文字列レコードが記憶された順番を示す。登録文字列の項目は、ユーザにより記憶するために選択され、文書データに含まれる1文字以上の登録文字列が設定される。ファイル名の項目は、文書データ記憶部73から入力されるファイル名が設定される。フラグの項目は、文字列レコードが関連付けられている文書データが単一か複数かの別を示すフラグ値が設定され、ファイル名の項目に単一のファイル名が設定される場合に「1」が設定され、複数のファイル名が設定される場合に「2」が設定される。日時の項目は、文字列レコードが追加または更新された日時が設定される。
例えば、図6に示すIDが1の文字列レコードは、ユーザにより記憶するために選択された登録文字列「プロジェクト特許」が2009年1月1日15:30に入力され、フラッシュメモリ31にファイル名「A」の文書データが記憶される場合に、生成される。
図3に戻って、文字列消去部87は、送信部75からファイル名と電子メールアドレスとが入力される場合、入力されるファイル名と関連付けられた文字列データ98を消去する。具体的には、文字列データ98に含まれる文字列レコードのうち、送信部75から入力されるファイル名がファイル名の項目に設定された文字列レコードを消去する。
また、履歴消去部77は、フラッシュメモリ31から文書データ95が消去される場合、消去された文書データ95と関連付けられた文字列データ98を消去する。具体的には、文字列データ98に含まれる文字列レコードのうち、フラッシュメモリ31から消去された文書データ95のファイル名がファイル名の項目に設定された文字列レコードを消去する。電子メールを作成すれば文書データ95がフラッシュメモリ31に記憶されるが、送信されない場合があり、その場合においても、文字列データ98を消去するためである。
文書データ95を含む電子メールを送信すると、または電子メールを送信することなく文書データ95をフラッシュメモリ31から消去すると、文書データ95のファイル名と関連付けられた文字列データ98が消去されるので、文書データ95に含まれる1文字以上の文字列が登録文字列として表示されることがない。このため、機密性の高い用語を示す文字列が登録文字列に登録した場合に、消去し忘れるのを防止することができる。
また、文書データ95は、電子メールに限らず、メモ帳、スケジュール帳、電話帳など、他の電子データであってもよく、電子メールのように送信されることはないが、フラッシュメモリ31に記憶される。そのような文書データ95がフラッシュメモリ31から削除されることによって、その文書データ95のファイル名と関連付けられた第1履歴データ93および第2履歴データ94を消去する。さらに、文書データ95に対する処理は、電子メールの送信または消去に限らず、例えば、コピー、記憶領域の変更(フォルダ移動)、アラーム等他の処理でもよく、予め定めておけばよい。要するに、文書データ95に対して予め定められた処理が実行されることに応じて、その文書データ95のファイル名と関連付けられた文字列データ98を削除するようにすればよい。
文字列消去部87は、送信部75から入力される電子メールアドレスまたはフラッシュメモリ31から消去された文書データ(電子メール)の送信先の電子メールアドレスが特定アドレス97として登録されていることを条件に、文字列データ98に記憶されている文字列レコードのうち文書データのファイル名を含む文字列レコードを消去する。
特定アドレス97に記憶される電子メールアドレス宛の電子メールを作成中に登録された登録文字列が、複写されるのを防止することができる。また、機密性の高い用語を示す文字列を含む文書データを電子メールで送信する相手は、ある程度特定できるので、文字列データ98から削除する文字列レコードを可能な限り少なくして、複写機能を有効に機能させることができる。
文字列消去部87は、文字列データ98に記憶されている文字列レコードのうち削除対象となる文字列レコードそれぞれのフラグの項目に「2」が設定されているものが1つでも存在するか否かを判断する。削除対象となる文字列レコードのうちにフラグの項目に「2」が設定されているものが1つでも存在すれば、ユーザにその削除するか否かを確認するための画面をLCD15に表示する。削除対象となる文字列レコードのうちにフラグの項目に「2」が設定されているものが1つも存在しなければ、文字列データ98に記憶されている文字列レコードのうち文書データのファイル名を含む文字列レコードのすべてを消去する。
操作キー17に割り当てられた文字列レコードの削除を許可するキーを、ユーザが押下した場合、つまり、文字列レコードの削除をユーザが許可した場合は、文字列データ98に記憶されている文字列レコードのうち文書データのファイル名を含む文字列レコードのすべてを消去する。文字列消去部87は、操作キー17のうち文字列レコードの削除を許可するキーをユーザが押下しなければ、文字列データ98に記憶されている文字列レコードのうち文書データのファイル名を含む文字列レコードであって、フラグの項目に「1」が設定されているものを消去するが、フラグの項目に「2」が設定されているものは消去しない。
フラグの項目に「2」が設定されている文字列レコードは、送信または削除の対象とされた文書データ95とは別の文書データ95と関連付けられている。このため、別の文書データ95が送信または削除されるまで、フラグの項目に「2」が設定されている文字列レコードを記憶しておくようにして、複写機能を有効に機能させることができる。なお、フラグの項目に「2」が設定されている文字列レコードは、文書データ95が送信または削除される場合に、ファイル名の項目からその文書データ95のファイル名が消去され、ファイル名の項目に設定されているファイル名が1つになれば、フラグの項目が「1」に変更される。これにより、機密性の高い用語を示す登録文字列を含む文字列レコードを確実に消去することができる。
以下、文書データの一例として電子メールを作成する場合に、制御部21で実行される処理を説明する。図7は、メール送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。メール送信処理は、制御部21がフラッシュメモリ31に記憶された文字変換プログラムを実行することにより、制御部21により実行される処理である。図7を参照して、制御部21は、ファイル名を決定する(ステップS01)。ここでは、文書データの一例として電子メールを示しているので、電子メールのファイル名を決定する。この段階で、フラッシュメモリ31に文書データ95が生成され、以降、確定文字列が決定されるごとに、文書データ95に確定文字列が追加される。次のステップS02においては、ユーザにより操作部25に文字が入力されたか否かを判断する。文字が入力されたならば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に進める。
ステップS03においては、ステップS02において入力された文字をバッファに設定する。バッファは、1文字以上の文字列を入力された順に記憶する。次のステップS04においては、バッファに記憶された1文字以上の文字列に基づいて予測変換処理を実行する。予測変換処理については後述するが、1以上の文字列に基づいて確定文字列を決定する処理である。
ステップS05においては、予測変換処理の結果、確定文字列が決定されたか否かを判断する。確定文字列が決定されたならば処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS06に進める。確定文字列が決定される場合、決定された確定文字列がステップS01において生成された文書データ95に追加される。ステップS06においては、ユーザにより操作部25に変換操作が入力されたか否かを判断する。変換操作が入力されたならば処理をステップS07に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に進める。ステップS07においては、変換処理を実行し、処理をステップS08に進める。変換処理についてはその詳細は後述するが、ステップS03においてバッファに設定された1文字以上の文字列を確定文字列に変換する処理である。変換処理において確定文字列が決定される場合、決定された確定文字列がステップS01において生成された文書データ95に追加される。
ステップS08においては、バッファをクリアし、処理をステップS09に進める。これにより、ステップS03においてバッファに設定された文字列がすべて消去される。ステップS10においては、ステップS04またはステップS07において決定された確定文字列に基づいて連続変換処理を実行し、処理をステップS10に進める。連続変換処理についての詳細は後述するが、ステップS04またはステップS07において決定された確定文字列に続く連続文字列を確定文字列に決定する処理である。
ステップS10においては、連続変換処理の結果、確定文字列が決定されたか否かを判断する。確定文字列が決定されたならば処理をステップS09に戻すが、そうでなければ処理をステップS02に戻す。確定文字列が決定される場合、決定された確定文字列がステップS01において生成された文書データ95に追加される。処理がステップS09に戻る場合、つぎにステップS09が実行される場合には、先にステップS09において連続変換処理が実行された結果、決定された確定文字列に基づいて連続変換処理が実行される。したがって、連続変換処理が実行されることに、確定文字列が決定されたならば、その確定文字列に基づいて連続変換処理が連続して実行される。
一方、ステップS11においては、ユーザにより操作部25に送信指示が入力されたか否かを判断する。送信指示が入力されたならば処理をステップS12に進めるが、そうでなければ処理をステップS14に進める。ステップS12においては、削除処理を実行し、処理をステップS13に進める。削除処理については詳細を後述するが、履歴データ92および文字列データ98を削除する処理である。ステップS13においては、確定文字列が追加された文書データ91を含む電子メールを無線回路22を介して送信し、処理をステップS15に進める。
ステップS14においては、ユーザにより操作部25に終了指示が入力されたか否かを判断する。終了指示が入力されたならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければ処理をステップS02に戻す。ステップS15においては、メールをフラッシュメモリ31に記憶し、処理を終了する。これにより、フラッシュメモリ31に文書データ95を含む電子メールが記憶される。なお、ここでは、送信先アドレスを入力する処理を示していないが、生成されるメールは、送信先アドレスの欄に電子メールアドレスが設定される。
図8は、予測変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。予測変換処理は、図7に示したメール送信処理においてステップS04で実行される処理である。ここで、図7を参照してステップS04において予測変換処理が実行される前のステップS03においてバッファに文字列が記憶されている。予測変換処理は、このバッファに記憶された文字列を用いる。図8を参照して、制御部21は、閲覧禁止設定がONに設定されているか否かを判断する(ステップS21)。閲覧禁止設定は、電子メールである文書データ95の表示を禁止する場合にONに設定され、表示を禁止しない場合にOFFに設定される。閲覧禁止設定がONに設定されているならば処理をステップS23に進めるが、そうでなければ処理をステップS22に進める。
ステップS22においては、フラッシュメモリ31に記憶されている辞書データ91および履歴データ92から予測変換候補を抽出し、処理をステップS24に進める。一方、ステップS23においては、フラッシュメモリ31に記憶されている辞書データ91から予測変換候補を抽出し、処理をステップS24に進める。すなわち、予測変換候補を抽出する場合に、閲覧禁止設定がOFFに設定されているときは履歴データ92が用いられるが、閲覧禁止設定がONに設定されているときは履歴データ92が用いられない。
ステップS24においては、ステップS22またはステップS23において、抽出された予測変換候補をLCD15に表示する。次のステップS25においては、ステップS24においてLCD15に表示された予測変換候補のうちから1つが選択されたか否かを判断する。ユーザにより操作部25にLCD15に表示された予測変換候補のうちから1つが選択されたか否かを判断する。1つの予測変換候補が選択されたならば処理をステップS26に進めるが、そうでなければ処理をメール送信処理に戻す。
ステップS26においては、ステップS25において選択された予測変換候補を、確定文字列に決定する。次のステップS27においては、保存禁止に設定がされているか否かを判断する。具体的には、ステップS25において、決定された確定文字列と同じ文字列が、フラッシュメモリ31に禁止文字列96として記憶されているか否かを判断する。決定された確定文字列と同じ文字列が、フラッシュメモリ31に禁止文字列96として記憶されているならば、保存禁止に設定されていると判断する。保存禁止に設定されているならば処理をメール送信処理に戻すが、保存禁止に設定されていないならば処理をステップS28に進める。確定文字列が禁止文字列96として予め登録されている文字列と同じならば、その確定文字列を含む履歴データ92に記憶しないようにして、予測変換候補または連続変換候補として表示されないようにするためである。
ステップS28においては、第1履歴データをフラッシュメモリ31に記憶する。具体的には、ステップS26において決定された確定文字列と、図7に示したメール送信処理のステップS01において決定されたファイル名とを関連付けた第1履歴レコードを生成し、フラッシュメモリ31に記憶されている第1履歴データ93に追加して記憶する。ここで生成される第1履歴レコードは、IDの項目にシリアル番号が設定され、入力文字の項目にバッファに設定されている文字列が設定され、確定文字列の項目にステップS26において決定された確定文字列が設定され、フラグの項目に「1」を設定され、日時の項目に現在の日時が設定される。
ただし、第1履歴データ93に既に記憶されている第1履歴レコードのうちに入力文字の項目および確定文字列の項目それぞれに、バッファに設定されている文字列およびステップS26において決定された確定文字列が設定されている第1履歴レコードが存在する場合、新たに第1履歴レコードを追加することなく、既に記憶されている第1履歴レコードを更新する。更新の内容は、図7に示したメール送信処理のステップS01において決定されたファイル名が既に記憶されている第1履歴レコードのファイル名の項目に設定されているファイル名と異なるか否かを判断する。ファイル名が同じならば、日時の項目を現在の日時に設定する。ファイル名が異なれば、ファイル名の項目に図7に示したメール送信処理のステップS01において決定されたファイル名を追加し、フラグの項目を「2」に設定し、日時の項目を現在の日時に設定する。
次のステップS29においては、ステップS26において決定された確定文字列が、連続文字列か否かを判断する。具体的には、ステップS26において確定文字列が決定される前に別の確定文字列が決定されているならば、ステップS26において決定された確定文字列が連続文字列と判断する。連続文字列ならば処理をステップS30に進めるが、そうでなければステップS30をスキップして処理をメール送信処理に戻す。
ステップS30においては、第2履歴データをフラッシュメモリ31に記憶する。具体的には、ステップS26において決定された確定文字列と、図7に示したメール送信処理のステップS01において決定されたファイル名とを関連付けた第2履歴レコードを生成し、フラッシュメモリ31に記憶されている第2履歴データ94に追加して記憶する。ここで生成される第2履歴レコードは、IDの項目にシリアル番号が設定され、前の確定文字列の項目にステップS26において確定文字列が決定される前に決定されている別の確定文字列が設定され、確定文字列の項目にステップS26において決定された確定文字列が設定され、フラグの項目に「1」が設定され、日時の項目に現在の日時が設定される。
ただし、第2履歴データ94に既に記憶されている第2履歴レコードのうちに前の確定文字列の項目および確定文字列の項目それぞれに、ステップS26において確定文字列が決定される前に決定されている別の確定文字列およびステップS26において決定された確定文字列が設定されている第2履歴レコードが存在する場合、新たに第2履歴レコードを追加することなく、既に記憶されている第2履歴レコードを更新する。更新の内容は、図7に示したメール送信処理のステップS01において決定されたファイル名が既に記憶されている第2履歴レコードのファイル名の項目に設定されているファイル名と異なるか否かを判断する。ファイル名が同じならば、日時の項目を現在の日時に設定する。ファイル名が異なれば、ファイル名の項目に図7に示したメール送信処理のステップS01において決定されたファイル名を追加し、フラグの項目を「2」に設定し、日時の項目を現在の日時に設定する。
図9は、連続変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。連続変換処理は、図7に示したメール送信処理においてステップS09で実行される処理である。ここで、図7を参照してステップS09において連続変換処理が実行される前のステップS04またはステップS07において確定文字列が決定されている。また、ステップS09において連続変換処理が実行されて確定文字列が決定されると(後述するステップS10でYES)、再度ステップS09において連続変換処理が実行されるが、再度実行される連続変換処理が実行される前の段階で、先に実行された連続変換処理において確定文字列が決定されている。
連続変換処理は、決定された確定文字列を用いる。図9を参照して、制御部21は、閲覧禁止設定がONに設定されているか否かを判断する(ステップS31)。閲覧禁止設定は、電子メールである文書データ95の表示を禁止する場合にONに設定され、表示を禁止しない場合にOFFに設定される。閲覧禁止設定がONに設定されているならば処理をステップS33に進めるが、そうでなければ処理をステップS32に進める。ステップS32においては、フラッシュメモリ31に記憶されている辞書データ91および履歴データ92から連続変換候補を抽出し、処理をステップS34に進める。一方、ステップS33においては、フラッシュメモリ31に記憶されている辞書データ91から連続変換候補を抽出し、処理をステップS34に進める。
すなわち、連続変換候補を抽出する場合に、閲覧禁止設定がOFFに設定されているときは履歴データ92が用いられるが、閲覧禁止設定がONに設定されているときは履歴データ92が用いられない。ステップS34においては、ステップS32またはステップS33において、抽出された連続変換候補をLCD15に表示する。次のステップS35においては、ステップS34においてLCD15に表示された連続変換候補のうちから1つが選択されたか否かを判断する。ユーザにより操作部25にLCD15に表示された連続変換候補のうちから1つが選択されたか否かを判断する。1つの連続変換候補が選択されたならば処理をステップS36に進めるが、そうでなければ処理をメール送信処理に戻す。
ステップS36においては、ステップS25において選択された連続変換候補を確定文字列に決定する。次のステップS37においては、保存禁止に設定されているか否かを判断する。具体的には、ステップS35において、決定された確定文字列と同じ文字列が、フラッシュメモリ31に禁止文字列96として記憶されているか否かを判断する。決定された確定文字列と同じ文字列が、フラッシュメモリ31に禁止文字列96として記憶されているならば、保存禁止に設定されていると判断する。保存禁止に設定されているならば処理をメール送信処理に戻すが、保存禁止に設定されていないならば処理をステップS38に進める。確定文字列が禁止文字列96として予め登録されている文字列と同じならば、その確定文字列を含む履歴データ92に記憶しないようにして、連続変換候補として表示されないようにするためである。
ステップS38においては、第2履歴データをフラッシュメモリ31に記憶する。具体的には、ステップS36において決定された確定文字列と、図7に示したメール送信処理のステップS01において決定されたファイル名とを関連付けた第2履歴レコードを生成し、フラッシュメモリ31に記憶されている第2履歴データ94に追加して記憶する。ここで生成される第2履歴レコードは、IDの項目にシリアル番号が設定され、前の確定文字列の項目にステップS36において確定文字列が決定される前に決定されている別の確定文字列が設定され、確定文字列の項目にステップS36において決定された確定文字列が設定され、フラグの項目に「1」が設定され、日時の項目に現在の日時が設定される。
ただし、第2履歴データ94に既に記憶されている第2履歴レコードのうちに前の確定文字列の項目および確定文字列の項目それぞれに、ステップS36において確定文字列が決定される前に決定されている別の確定文字列およびステップS36において決定された確定文字列が設定されている第2履歴レコードが存在する場合、新たに第2履歴レコードを追加することなく、既に記憶されている第2履歴レコードを更新する。更新の内容は、図7に示したメール送信処理のステップS01において決定されたファイル名が既に記憶されている第2履歴レコードのファイル名の項目に設定されているファイル名と異なるか否かを判断する。ファイル名が同じならば、日時の項目を現在の日時に設定する。ファイル名が異なれば、ファイル名の項目に図7に示したメール送信処理のステップS01において決定されたファイル名を追加し、フラグの項目を「2」に設定し、日時の項目を現在の日時に設定する。
図10は、変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。変換処理は、図7に示したメール送信処理においてステップS07で実行される処理である。ここで、図7を参照してステップS07において変換処理が実行される前のステップS03においてバッファに文字列が記憶されている。変換処理は、このバッファに記憶された文字列を用いる。図10を参照して、ステップS41においては、フラッシュメモリ31に記憶された辞書データ91を用いて、バッファに記憶されている文字列を変換し、変換候補をLCD15に表示する。
次のステップS42においては、ステップS41においてLCD15に表示された変換候補のうちから1つが選択されるまで待機状態となり、1つが選択されたならば処理をステップS43に進める。ステップS43においては、ステップS42において選択された変換候補を確定文字列に決定する。
確定文字列が決定された後に実行されるステップS43〜ステップS47の処理は、図8に示したステップS27〜ステップS30の処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
図11は、文字列記憶処理の流れの一例を示すフローチャートである。文字列記憶処理は、制御部21がフラッシュメモリ31に記憶された文字変換プログラムを実行することにより、制御部21により実行される処理である。図11を参照して、文字列が選択されたか否かを判断する(ステップS51)。ユーザがフラッシュメモリ31に記憶された文書データ95に含まれる1文字以上の文字列を選択する操作を操作部25に入力したならば、文字列が選択されたと判断する。文字列が選択されたならば処理をステップS52に進めてそうでなければ、処理を処理する。ステップS52においては、記憶指示が入力されたか否かを判断する。ユーザが操作部25に入力する記憶指示を検出したならば、記憶指示が入力されたと判断する。記憶指示が入力され、とならば処理をステップS53に進めるが、そうでなければ処理を終了する。
ステップS53においては、ステップS51において選択された文字列が保存禁止に設定されているか否かを判断する。具体的には、ステップS51において選択された文字列と同じ文字列が、フラッシュメモリ31に禁止文字列96として記憶されているか否かを判断する。51において選択された文字列と同じ文字列が、フラッシュメモリ31に禁止文字列96として記憶されているならば、保存禁止に設定されていると判断する。保存禁止に設定がされているならば処理を終了するが、保存禁止に設定がされていないならば処理をステップS54に進める。51においてユーザにより選択された文字列が禁止文字列96として予め登録されている文字列と同じならば、その選択された文字列を文字列データ98として記憶しないようにして、複写を禁止するためである。
ステップS54においては、登録文字列が同じ文字列レコードが存在するか否かを判断する。フラッシュメモリ31に記憶されている文字列データ98に含まれる文字列レコードのうちに、登録文字列の項目にステップS51において選択された文字列と同じ文字列が設定された文字列レコードが存在するか否かを判断する。そのような文字列レコードが存在するならば処理をステップS55に進めるが、そうでなければ処理をステップS57に進める。ステップS57においては、新たな文字列レコードを生成する。具体的には、IDの項目にシリアル番号を設定し、登録文字列の項目にステップS51において選択された文字列を設定し、フラグの項目に「1」を設定し、ファイル名の項目にステップS51においてユーザが文字列を選択した文書データ95のファイル名を設定し、日時の項目に現在の日時を設定することによって、新たな文字列レコードを生成する。
次のステップS58においては、ステップS57において生成された文字列レコードを、フラッシュメモリ31に記憶されている文字列データ98に追加する。
一方、処理がステップS54に進む場合、ステップS51において選択された文字列と同じ文字列が登録文字列に設定されている文字列レコードが、文字列データ98に記憶されている場合である。この場合は、ステップS51において選択された文字列と同じ文字列が登録文字列に設定されている文字列レコードのフラグの項目を「2」に設定し(ステップS55)、日時の項目に現在の時刻を設定し(ステップS56)、処理を終了する。
図12および図13は、削除処理の流れの一例を示すフローチャートである。削除処理は、図7に示したメール送信処理においてステップS12で実行される処理である。図12および図13を参照して、制御部21は、処理対象としている文書データ95、ここでは電子メールのファイル名を取得する(ステップS61)。そして、電子メールの送信先アドレスを取得する(ステップS62)。文書データ95である電子メールの送信先の欄に設定されている電子メールアドレスを取得する。
次のステップS63においては、ステップS62において取得された送信先アドレスが、特定アドレスと同じか否かを判断する。ステップS62において取得された送信先アドレスが、フラッシュメモリ31に特定アドレス97として記憶されているか否かを判断する。取得された送信先アドレスと同じ電子メールアドレスが、フラッシュメモリ31に特定アドレス97として記憶されているならば、送信先アドレスが、特定アドレスと同じと判断する。ステップS62において取得された送信先アドレスが、特定アドレスと同じならば処理をステップS64に進めるが、そうでなければ処理をメール送信処理に戻す。
ステップS64においては、ステップS61において取得されたファイル名が設定された第1履歴レコードを、フラッシュメモリ31に記憶された第1履歴データ93から抽出し、RAM32に一時記憶する。ステップS65においては、ステップS61において取得されたファイル名が設定された第2履歴レコードを、フラッシュメモリ31に記憶された第2履歴データ94から抽出し、RAM32に一時記憶する。ステップS66においては、ステップS61において取得されたファイル名が設定された文字列レコードを、フラッシュメモリ31に記憶された文字列データ98から抽出し、RAM32に一時記憶する。
ステップS67においては、ステップS64において抽出された第1履歴レコードのうちに、フラグの項目に「2」が設定された第1履歴レコードが存在するか否かを判断する。そのような第1履歴レコードが1つでも存在すれば、処理をステップS70に進めるが、そうでなければ処理をステップS68に進める。ステップS68においては、ステップS65において抽出された第2履歴レコードのうちに、フラグの項目に「2」が設定された第2履歴レコードが存在するか否かを判断する。そのような第2履歴レコードが1つでも存在すれば、処理をステップS70に進めるが、そうでなければ処理をステップS69に進める。ステップS69においては、ステップS66において抽出された文字列レコードのうちに、フラグの項目に「2」が設定された文字列レコードが存在するか否かを判断する。そのような文字列レコードが1つでも存在すれば、処理をステップS70に進めるが、そうでなければ処理をステップS73に進める。
換言すれば、ステップS61において取得されたファイル名を含む第1履歴レコード、第2履歴レコードおよび文字列レコードのうちに、1つでもフラグの項目が「2」に設定されている場合に限って、ステップS70〜ステップS72の処理を実行する。
ステップS70においては、確認画面をLCD15に表示する。確認画面は、ユーザに履歴を削除するか否かを問い合わせるための画面であり、例えば「予測変換の履歴を削除します。よろしいですか?」のメッセージを含む。
ステップS71においては、削除指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザが操作部25に削除を許可する操作を入力すれば、削除指示を受け付ける。削除指示を受け付けたならば処理をステップS72に進めるが、そうでなければステップS72をスキップして処理をステップS73に進める。ステップS72においては、削除フラグをONに設定し、処理をステップS73に進める。
ステップS73においては、ステップS64において抽出された第1履歴レコードのうちから1つを処理対象として選択する。次のステップS74においては、選択された第1履歴レコードのフラグの項目が「2」に設定されているか否かを判断する。フラグの項目が「2」に設定されていれば処理をステップS75に進めるが、そうでなければステップS75をスキップして処理をステップS76に進める。
ステップS75においては、削除フラグがONに設定されているか否かを判断する。削除フラグがONに設定されていれば処理をステップS76に進めるが、そうでなければステップS76をスキップして処理をステップS77に進める。ステップS76においては、ステップS73において選択された第1履歴レコードを、フラッシュメモリ31に記憶されている第1履歴データ93から消去し、処理をステップS77に進める。ステップS77においては、ステップS64において抽出された第1履歴レコードのうちに、未だ処理対象として選択されていない第1履歴レコードが存在するか否かを判断する。処理対象として選択されていない第1履歴レコードが存在するならば、処理をステップS73に戻すが、未処理の第1履歴レコードが存在しなければ処理をステップS78に進める。
ステップS78においては、ステップS65において抽出された第2履歴レコードのうちから1つを処理対象として選択する。次のステップS79においては、選択された第2履歴レコードのフラグの項目が「2」に設定されているか否かを判断する。フラグの項目が「2」に設定されていれば処理をステップS80に進めるが、そうでなければステップS80をスキップして処理をステップS81に進める。
ステップS80においては、削除フラグがONに設定されているか否かを判断する。削除フラグがONに設定されていれば処理をステップS81に進めるが、そうでなければステップS81をスキップして処理をステップS82に進める。ステップS81においては、ステップS78において選択された第2履歴レコードを、フラッシュメモリ31に記憶されている第2履歴データ94から消去し、処理をステップS82に進める。ステップS82においては、ステップS65において抽出された第2履歴レコードのうちに、未だ処理対象として選択されていない第2履歴レコードが存在するか否かを判断する。処理対象として選択されていない第2履歴レコードが存在するならば、処理をステップS78に戻すが、未処理の第2履歴レコードが存在しなければ処理をステップS83に進める。
ステップS83においては、ステップS66において抽出された文字列レコードのうちから1つを処理対象として選択する。次のステップS84においては、選択された文字列レコードのフラグの項目が「2」に設定されているか否かを判断する。フラグの項目が「2」に設定されていれば処理をステップS85に進めるが、そうでなければステップS85をスキップして処理をステップS86に進める。
ステップS85においては、削除フラグがONに設定されているか否かを判断する。削除フラグがONに設定されていれば処理をステップS86に進めるが、そうでなければステップS86をスキップして処理をステップS87に進める。ステップS86においては、ステップS83において選択された第2履歴レコードを、フラッシュメモリ31に記憶されている文字列データ98から消去し、処理をステップS87に進める。ステップS87においては、ステップS66において抽出された文字列レコードのうちに、未だ処理対象として選択されていない文字列レコードが存在するか否かを判断する。処理対象として選択されていない文字列レコードが存在するならば、処理をステップS83に戻すが、未処理の第2履歴レコードが存在しなければ処理をメール送信処理に戻す。
図14は、送信メール削除処理の流れの一例を示すフローチャートである。送信メール削除処理は、制御部21がフラッシュメモリ31に記憶された文字変換プログラムを実行することにより、制御部21により実行される処理であり、ユーザが操作部25に、送信メール一覧表示指示を入力することにより実行される。
図14を参照して、制御部21は、送信メール一覧を表示する(ステップS91)。送信メール一覧は、フラッシュメモリ31に文書データ95として記憶されている電子メールのファイル名を並べて配置した画面である。次のステップS92においては、送信メールの選択を受け付ける。送信メール一覧に表示されているファイル名を選択する操作が操作部25に入力されると、その選択されたファイル名を受け付ける。
次のステップS93においては削除指示が入力されたか否かを判断する。操作部25によりユーザが削除指示する操作が検出されたならば、削除指示が入力されたと判断する。削除指示が入力されたならば処理をステップS94に進めるが、そうでなければ処理を終了する。ステップS94においては、図12および図13に示した。削除処理を実行し、処理を終了する。
以上説明したように本実施の形態における携帯電話機1は、1文字以上の文字列に対応して1以上の予測変換候補を表示し、1以上の予測変換候補の1つが選択されると、選択された確定文字列を含む第1履歴データが文書データと関連付けて記憶し、文書データを対象にして電子メール送信または消去等の処理が実行されることに応じて、第1履歴データのうち文書データに関連付けられた第1履歴データを消去する。このため、文書データを作成中に記憶された第1履歴データを文書データに対して電子メール送信または消去等の処理が実行されるタイミングで消去することができる。また、1文字以上の文字列に対応する変換候補は、第1履歴データに基づいて表示されるので、文書データに対する所定の処理が実行された後は、第1履歴データに基づいて変換候補が表示されない。このため、過去に入力した文字列が変換候補として表示されないようにすることができる。
また、携帯電話機1は、確定文字列が決定されることに応じて、確定文字列と、それの前に決定された確定文字列とを関連付けた第2履歴データを記憶し、確定文字列が決定されることに応じて、第2履歴データに基づいて連続変換候補を表示する。このため、連続文字変換に用いられる第2履歴データを文書データに対して電子メール送信または消去等の処理が実行されるタイミングで消去することができる。
また、電子メールの表示が禁止されている場合は、第1履歴データ93および第2履歴データ94を用いることなく辞書データ91に基づいて予測変換候補および連続変換候補を表示するので、簡単な操作で、過去に入力した文字列が変換候補として表示されないようにすることができる。
また、第1履歴レコードまたは第2履歴レコードが複数の文書データ95と関連付けられている場合、ユーザにより許可されることを条件に、第1履歴レコードまたは第2履歴レコードを消去するので、第1履歴レコードまたは第2履歴レコードを記憶しておく期間を長くすることができる。
また、文書データ95を含む電子メールの送信先アドレスに設定された電子メールアドレスが特定アドレス97として登録されていることを条件に、電子メールに含まれる文書データ95に関連付けられた第1履歴レコードおよび第2履歴レコードを消去する。このため、特定の人に送信する電子メールに含まれる文書データ95を作成する際に用いた文字列のみを変換候補として表示しないようにすることができる。
また、確定文字列が登録された禁止文字列96と異なることを条件に、確定文字列を含む第1履歴レコードもよび第2履歴レコードを記憶するので、変換候補として表示しない文字列を予め登録することができる。
また、文書データに含まれる1文字以上の登録文字列が、ユーザにより指定されると、登録文字列を文書データと関連付けて記憶し、文書データに対して所定の処理が実行されることに応じて、登録文字列を消去する。このため、ユーザにより文書データに含まれる文字列が記憶された後に、その文字列を文書データに対して電子メール送信または消去等の処理が実行されるタイミングで消去することができる。
なお、上述した実施の形態においては、電子機器の一例として携帯電話機1を例に説明したが、図7〜図14に示した処理を電子機器に実行させるための文字変換方法、または、その文字変換方法を電子機器を制御するコンピュータに実行させるための文字変換プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。