JP2014168228A - 放音装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、映像装置の映像面から音が出ているような臨場感ある音像を形成する放音装置を提供することにある。
【解決手段】音声信号は、高域抽出手段により抽出された高域成分の音声信号と、低域抽出手段により抽出された低域成分の音声信号と、に分けられて、それぞれ出力される。低域抽出手段により抽出された音声信号は、所定の時間(例えば5ms)遅延処理手段により遅延されて出力される。よって、低域成分の音は、所定の時間遅延されて放音される。すなわち、高域成分の音は、低域成分より早く放音される。すると、視聴者は、高域成分の音を低域成分からなる音より早く聞く。人間は、高域成分の音を聞くと、実際の音源位置より高い位置から聞こえると感じる。また、低域成分が遅延されて放音されると、高域成分の音像は、明確になり定位感を得るようになる。その結果、視聴者は、音像が実際の放音装置の位置よりも高い位置にあると知覚する。
【選択図】図1

Description

本発明は、映像表示器と一体に用いられる放音装置に関する。
従来、映像表示器(例えばテレビ)の付近に設置され、当該映像表示器で再生されるコンテンツの音声信号を(増幅して)放音する放音装置が知られている(特許文献1を参照。)。
特開2012−195800号公報
放音装置は一般的に音が放音されるスピーカの位置に音像が定位するため、映像表示器の映像が表示される映像面の中心点を通る水平線より下に設置された場合、映像面の水平線より下に音像を形成する。よって、視聴者は、放音装置より放音される音の音像位置と、視聴する映像面の高さが一致しないことから、違和感を覚える。
そこで、本発明は、映像表示器の映像面から音が出ているような臨場感ある音像を形成する放音装置を提供することにある。
本発明の放音装置は、音声の高域成分を抽出して出力する高域抽出手段と、前記音声信号が入力され、音声の低域成分を抽出して出力する低域抽出手段と、前記低域抽出手段から出力された音声の低域成分をエコーが生じない時間範囲で遅延させて出力する遅延処理手段と、前記遅延処理手段および前記高域抽出手段のそれぞれから出力される音声信号に基づいて放音する放音手段と、を備える。
音声信号は、高域抽出手段により抽出された高域成分の音声信号と、低域抽出手段により抽出された低域成分の音声信号と、に分けられて、それぞれ出力される。低域抽出手段により抽出された音声信号は、所定の時間(例えば5ms)遅延処理手段により遅延されて出力される。よって、低域成分の音は、所定の時間(例えば5ms)遅延されて放音される。すなわち、高域成分の音は、低域成分より5ms早く放音される。すると、視聴者は、高域成分の音を低域成分からなる音より早く聞く。人間は、高域成分の音を聞くと、実際の音源位置より高い位置から聞こえると感じる。また、低域成分が遅延されて放音されると、高域成分の音像は、明確になり定位感を得るようになる。その結果、視聴者は、音像が実際の放音装置の位置よりも高い位置にあると知覚する。
そして、人間は、2つの音源からの音の到達時間差が所定範囲内で、かつ、2つの音の音量差が所定範囲内のとき、先に受聴者に到達した音の方向に音像を知覚する(ハース効果)。よって、視聴者は低域成分の音が遅延されて放音されても、このハース効果により、高域成分の音の方向のみに音像を知覚する。すなわち、視聴者は音像が実際の放音装置の位置よりも高い位置にあると知覚する。
以上のように、本発明の放音装置は、高域成分からなる音を低域成分からなる音より早く放音することにより、音像を上方に移動させる。その結果、ユーザは、映像面の高さと音像の高さとの不一致に起因する違和感を覚えることない。
なお、低域成分に与えられる所定の遅延時間は、5msに限らない。遅延時間は、ハース効果が得られる程度(例えば5msから40ms)の時間であればよい。また、この遅延時間の範囲は、言い換えれば、遅延させた低域成分の音と、遅延させない高域成分の音とがエコーとして生じない時間範囲である。本発明の放音装置は、視聴者が1つの音と知覚する音を放音するため、音質への影響を最小限に抑えることができる。
なお、本発明の放音装置に入力される音声信号は、コンテンツ再生装置から出力される音声信号に限らない。例えば、本発明の放音装置は、テレビの放送コンテンツに含まれる音声信号を受信してもよい。
また、放音装置は、前記遅延処理手段から出力される音声信号と、前記高域抽出手段から出力される音声信号とを加算する加算手段、を備え、前記放音手段は、前記加算手段から出力される音声信号に基づいて放音する態様であっても構わない。
高域成分の音声信号と遅延処理された低域成分の音声信号は、加算手段により1つの音声信号となるように加算される。この場合、放音装置は、スピーカユニットが1つであっても、高域成分の音を低域成分の音より早く放音することができる。
また、前記高域抽出手段および前記低域抽出手段のカットオフ周波数は、それぞれ母音のフォルマント周波数付近に設定されていることが望ましい。
それぞれのカットオフ周波数をフォルマント周波数付近に設定すると、音像の上昇効果はより大きくなる。
なお、人間は、フォルマント周波数における音の変化に気付きやすい聴覚特性を持つ。そこで、カットオフ周波数をフォルマント周波数から少し離して設定すると、音質への影響を減らしつつ、音像の上昇効果を得ることもできる。
また、本発明の放音装置は、前記低域抽出手段の前段または後段に、入力された音声信号のピッチを変更するピッチ変更手段を備える態様も可能である。
ピッチ変更手段により、声の周波数帯域は高域側にシフトする。その結果、音声の低域成分は減少する。よって、視聴者は、低域成分が減少した音声を聞くことになり、高域成分の音に比べて、低域成分の音による音像を知覚しにくくなる。その結果、視聴者は、低域成分の音より先に放音される高域成分の音による音像を知覚しやすくなり、実際の放音装置の位置よりも高い位置に音像があると知覚する。
また、前記ピッチ変更手段は、入力された音声信号のうち母音区間の音声信号のピッチを変更することが望ましい。
一般的な音声信号において、音声の母音部分は、子音部分よりも音像の知覚に大きな影響を与える。よって、放音装置は、音声信号の母音区間のみをピッチを変更することにより、音像の上昇の効果をより強調させることができる。
さらに、放音装置は、入力された音声信号に残響成分を付与する残響付与手段を前記低域抽出手段の前段または後段に備えてもよい。
低域抽出手段によって抽出された音声信号の低域成分に残響成分を付与する処理を行うことにより、低域成分の音像は定位感が減少する。その結果、視聴者は、高域成分の音により形成された音像を知覚しやすくなり、音像の上昇の効果は高くなる。また、低域の音像の定位感が減少すると、音像の位置の把握を視覚に頼る割合は大きくなる。その結果、人間は、映像面の位置に音像が定位していると知覚しやすくなる。
本発明によれば、音像をスピーカ位置の上部に定位させる音を出力することができる。
センタースピーカ1の設置環境および信号処理部10のブロック図である。 複数のスピーカユニットを備える、バースピーカ4の設置環境、および信号処理部40のブロック図である。 バースピーカ4の変形例に係るバースピーカ4Aおよび信号処理に係る構成の一部を示したブロック図である。 バースピーカ4の変形例に係るバースピーカ4Cの信号処理に係る構成の一部を示したブロック図である。 ステレオスピーカセット5の設置環境を示す図並びに信号処理部10L及び信号処理部10Rのブロック図である。 ステレオスピーカセット5Aの信号処理部10L及び信号処理部10R1のブロック図、並びにステレオスピーカセット5Bの信号処理部10L2及び信号処理部10R2のブロック図である。 信号処理部10の変形例1に係る信号処理部10Aのブロック図である。 信号処理部10の変形例2に係る信号処理部10Bのブロック図および母音区間を有する音声信号の模式図である。 子音区間の一部を無音化した音声信号の模式図である。 信号処理部10の変形例3に係る信号処理部10Cのブロック図である。 母音強調部19の変形例に係る子音減衰部19Aのブロック図である。
図1(A)は、本実施形態に係るセンタースピーカ1の設置環境を示す図である。センタースピーカ1は、図1(A)に示すように、テレビ3の前方に、かつテレビ3の映像面より下に設置される。センタースピーカ1は、コンテンツのセンターチャネルを含む音声信号に基づき、筐体前面に備えられたスピーカ2から放音する。
本発明の放音装置は、テレビ放送コンテンツやBD(;Blu−Ray Disc(登録商標))プレーヤで再生されたコンテンツの音声信号が入力される。コンテンツの映像信号は、テレビ3に入力され、表示される。
図1(B)は、センタースピーカ1の信号処理に係る構成の一部である信号処理部10を示したブロック図である。信号処理部10は、HPF11、LPF12、遅延処理部13、および加算部14を備える。
HPF11は、入力された音声信号の高域成分(例えば1kHz以上)を通過させるハイパスフィルタである。LPF12は、入力された音声信号の低域成分(例えば1kHz未満)を通過させるローパスフィルタである。遅延処理部13は、LPF12を通過した低域成分の音声信号を、所定の時間(例えば5ms)遅延させる。HPF11を通過した音声信号および遅延処理部13から出力された音声信号は、加算部14で加算される。そして、加算部14から出力された音声信号は、スピーカ2によって放音される。すなわち、高域成分の音は、低域成分の音より早くスピーカ2によって放音される。
人間は、特定の周波数成分(低域成分)が削除(減衰)され、高域成分のみが存在する(または低域成分のレベルに比較して高域成分のレベルが大幅に大きい)音を聞いた場合に、実際に出力された音源(スピーカ2)位置に比べて上方(高い位置)に音像を知覚するという特性がある。本発明ではこの特性を利用し、ハイパスフィルタにより高域成分を濾波した信号を出力することにより、実際の音源(スピーカ2)位置よりも上方に音像を定位させる。
一方、低域成分は、音像定位に影響しにくいように、高域成分に対して遅延され放音される。
人間は、2つの音源からの音の到達時間差が所定範囲内で、かつ、2つの音の音量差が所定範囲内のとき、先に受聴者に到達した音の方向に音像を知覚する(ハース効果)。2つの音源の周波数特性が異なる場合、例えば高音成分のみの音および低音成分のみの音が放音される場合でも、ハース効果は、得られる。よって、視聴者は、遅延されて低域成分の音が放音されても、このハース効果により、高域成分の音の方向に音像を知覚する。すなわち、視聴者は、音像がスピーカ2の実際の位置よりも高い位置にあると知覚する。
また、センタースピーカ1は、1つのスピーカ2だけで簡易に構成されている。よって、センタースピーカ1は、複数のスピーカを複雑に配置する手間を必要としない。
なお、低域成分の遅延時間は、5msに限らない。遅延時間は、ハース効果が得られる程度(例えば5msから40ms)の時間であればよい。また、この遅延時間の範囲は、言い換えれば、遅延させた低域成分の音と、遅延させない高域成分の音とがエコーとして生じない時間範囲である。よって、センタースピーカ1は、視聴者が1つの音と知覚する音を放音するため、音質への影響を最小限に抑えることができる。
また、HPF11のカットオフ周波数は、1kHzに限らず、母音のフォルマント周波数付近に設定されていればよい。例えば、カットオフ周波数は、母音の第2フォルマント周波数より高域の成分を抽出するように、母音の第1フォルマント周波数より少し高く設定されてもよい。また、カットオフ周波数は、母音の第1フォルマント周波数より高域の成分を抽出するように、母音の第1フォルマント周波数より少し低く設定されてもよい。
なお、人間は、母音のフォルマント周波数における音の変化に気付きやすい聴覚特性を持つ。そこで、音質を重視する場合は、カットオフ周波数をフォルマント周波数からさらに離して設定することが望ましい。
本発明の放音装置は、スピーカユニットが1つのスピーカに限らず、テレビ3の下に設置されるスピーカであれば、複数のスピーカユニットを備えていてもよい。
図2(A)は、複数のスピーカユニットを有するバースピーカ4の設置環境を示す図である。バースピーカ4は、左右方向に長く、高さ方向に短い直方体形状である。バースピーカ4は、センターチャネルを含む音声信号に基づき、筐体前面に備えられたウーファ2L、ウーファ2Rおよびスピーカ2から放音する。
スピーカ2は、バースピーカ4の筐体の前面中央に備えられる。ウーファ2Lは、視聴者からバースピーカ4を見て筐体の前面左側に備えられる。ウーファ2Rは、視聴者からバースピーカ4を見て筐体の前面右側に備えられる。
図2(B)は、バースピーカ4の信号処理部40を示したブロック図である。図1(B)に示す信号処理部10の構成と重複する構成について、説明は省略する。
HPF11を通過した音声信号は、スピーカ2によって放音される。すなわち、スピーカ2は、センターチャネルの高域成分を放音する。遅延処理部13を通過した音声信号は、ウーファ2Lおよびウーファ2Rから放音される。すなわち、ウーファ2Lおよびウーファ2Rは、センターチャネルの低域成分を遅延して放音する。
ウーファ2Lおよびウーファ2Rは、バースピーカ4の左側および右側に存在する。すなわち、視聴者は、センターチャネルの音を左側および右側から聞く。その結果、低域成分に基づく音像は、スピーカ2だけで聞くよりも定位感が減少する。すると、視聴者は、バースピーカ4の高さと同じ高さの音像を感じにくくなり、高域成分の音により形成された高い位置の音像を認識しやすくなる。さらに、視聴者は、音像が曖昧になると、聴覚心理上、聴覚に頼るようになる。視聴者は、視覚情報を聴覚情報より優先すると、注視している方向に音像があると感じる。したがって、視聴者は、テレビ3の映像面から音が聞こえると感じやすくなる。
次に、図3(A)は、バースピーカ4の変形例に係るバースピーカ4Aの設置環境を示す図である。バースピーカ4Aは、高域成分の音をアレイスピーカによって放音するものである。
アレイスピーカ2Aは、図3(A)に示すように、アレイ状に配置されたスピーカユニット21〜28からなる。スピーカユニット21〜28は、バースピーカ4Aの筐体の長手方向に沿って一列に配置されている。
図3(B)は、アレイスピーカ2Aに出力する音声信号を生成する構成の一部を示したブロック図である。
HPF11から出力されたセンターチャネルの音声信号は、信号分割部150に入力される。信号分割部150は、入力された音声信号を所定の比率で分割し、ビーム生成部15L、ビーム生成部15R、およびビーム生成部15Cに出力する。例えば、信号分割部150は、分割前の音声信号のレベルの0.5倍のレベルとなるように分割した音声信号をビーム生成部15Cに出力する。また、信号分割部150は、分割前の音声信号のレベルの0.25倍のレベルとなるように分割した音声信号を、ビーム生成部15Lおよびビーム生成部15Rにそれぞれ出力する。
ビーム生成部15Lは、入力された音声信号をアレイスピーカにおけるスピーカユニットの数だけ複製し、設定された音声ビームの方向に基づきそれぞれ所定の遅延を付与する。遅延が付与された各音声信号は、アレイスピーカ2A(スピーカユニット21〜28)に出力されて音声ビームとなって放音される。
ビーム生成部15Lでは、音声ビームが所定の方向に放音されるように遅延値が設定される。音声ビームの方向は、バースピーカ4Aの左側の壁で反射して、視聴者に届けられるように設定される。
ビーム生成部15Rは、ビーム生成部15Lと同様に、バースピーカ4Aの右側の壁で音声ビームが反射するように、信号処理する。
ビーム生成部15Cは、バースピーカ4Aの正面に位置する視聴者に音声ビームが直接届くように、信号処理する。
放音された音声ビームの音波は、壁に衝突する際に、高さ方向に広がる。よって、音像は、アレイスピーカ2Aの位置より高く感じられる。
以上のように、バースピーカ4Aは、人の声が多く含まれるセンターチャネルの音声信号を、バースピーカ4Aの左側および右側からも到達するように放音する。その結果、視聴者は、高い位置から音が聞こえると知覚する。
また、バースピーカ4Aは、視聴者の左右から音を届けるだけでなく、正面からも視聴者に音を直接届ける。視聴者に直接届く音は、壁反射に起因する音質の変化を生じることはない。
なお、アレイスピーカ2Aは、バースピーカ4Aの左側および右側へ音声ビームを出力できればよく、8つのスピーカユニットを備えることに限らない。
次に、図3(C)は、変形例1に係るバースピーカ4Bの信号処理の構成の一部を示すブロック図である。バースピーカ4Bは、図3(C)に示すように、信号分割部150とビーム生成部15Lの間にBPF151Lを備えている。バースピーカ4Bは、信号分割部150とビーム生成部15Rとの間にもBPF151Rを備えている。
音声ビームをスピーカの左右および正面(センターチャネル)に出力する構成では、室内の環境により左右に出力された音声ビームが正面に出力された音声ビームに比べて視聴位置に遅れて到達し、遅れて到達した音声ビームがエコーとして聞こえる場合がある。そこで、本変形例ではこのエコーの効果を低減させるためのバンドパスフィルタを、ビーム生成部15Lおよびビーム生成部15Rの前段にそれぞれ備えている。
BPF151LおよびBPF151Rは、母音の第2フォルマント周波数以降であって、母音の帯域以外を抽出するように、カットオフ周波数が設定されたバンドパスフィルタである。
HPF11を通過した音声信号は、BPF151LおよびBPF151Rにより、母音の帯域が除かれる。そして、母音の帯域が除かれた音声信号は、ビーム生成部15Lおよびビーム生成部15Rに出力される。すると、バースピーカ4Bの左側または右側に出力される音声ビームから、母音の帯域は除かれる。その結果、バースピーカ4Bから出力された音声ビームが壁面反射して、正面に出力された音声ビームに比較して遅れて視聴位置に到達する場合でも、視聴者に対して、エコーの効果を低減させることができる。
さらに、バースピーカ4Bは、ローパスフィルタをそれぞれ備える態様であっても構わない。この場合、ローパスフィルタは、入力された音声信号から耳障りな高い音を除くように、カットオフ周波数が設定される。
次に、図4は、変形例2に係るバースピーカ4Cの信号処理部40Cの構成を示すブロック図である。信号処理部40Cの構成は、逆相生成部101、加算部102、およびビーム生成部15Cを備える点と、信号分割部150、ビーム生成部15Lおよびビーム生成部15Rを備えない点とで、バースピーカ4Aの信号処理部40の構成と異なる。
HPF11を通過した音声信号は、ビーム生成部15Cおよび逆相生成部101に出力される。
ビーム生成部15Cは、アレイスピーカ2Aから壁面反射する音声ビームを出力せず、バースピーカ4Cの正面に位置する視聴者に音声ビームが直接届くように、信号処理する。
逆相生成部101は、入力された音声信号の位相を逆にして加算部102に出力する。逆相となった高域の音声信号は、加算部102により、低域の音声信号に加算される。そして、加算された音声信号は、遅延されてウーファ2Lおよびウーファ2Rから放音される。
アレイスピーカ2Aから出力された音声ビームは、ウーファ2Lおよびウーファ2Lから出力された逆相の音により、指向性が弱くなる。すると、音声ビームによる音像は、ぼやける。以上のように、バースピーカ4Cは、音像をアレイスピーカ2Aのある方向に定位しにくくして、音像の上昇効果を維持することができる。
次に、図5(A)は、ステレオスピーカセット5の設置環境を示す図である。図5(B)は、ステレオスピーカセット5の信号処理部10L及び信号処理部10Rを示したブロック図である。
ステレオスピーカセット5は、ウーファ2L及びウーファ2Rを別体で備える。図5(A)に示すように、ウーファ2Lは、視聴者から視てテレビ3の左方に設置され、ウーファ2Rは、テレビ3の右方に設置されている。ウーファ2L及びウーファ2Rは、テレビ3の表示領域の中心位置より低い位置にそれぞれ設置されている。
このようなステレオスピーカセット5は、センタースピーカで出力すべきセンターチャネルの音を、ウーファ2L及びウーファ2Rで出力する。より具体的には、ステレオスピーカセット5は、センターチャネルの音声信号を等分して、等分した音声信号をそれぞれLチャネル及びRチャネルの音声信号に合成する。
センターチャネルの音声信号が合成されたLチャンネルの音声信号は、信号処理部10Lに入力される。センターチャネルの音声信号が合成されたRチャネルの音声信号は、信号処理部10Rに入力される。
図5(B)に示すように、信号処理部10Lは、センターチャネルの音声信号が合成されたLチャネルの音声信号が入力される点、及び音声信号の出力先がウーファ2Lである点において信号処理部10と相違する。
信号処理部10Rは、センターチャネルの音声信号が合成されたRチャネルの音声信号が入力される点、音声信号の出力先がウーファ2Rである点、及び逆相生成部103を備える点において信号処理部10と相違する。信号処理部10Rは、HPF11から出力された高域成分の音の位相を逆にするものである。
より具体的には、信号処理部10Rにおいて、HPF11から出力された音声信号は、逆相生成部103に入力される。逆相生成部103は、入力された高域成分の音声信号の位相を逆にして加算部14に出力する。
ステレオスピーカセット5は、このような構成により、センターチャネルの音を以下のように出力する。ウーファ2Rから出力される高域成分の音は、ウーファ2Lから出力される高域成分の音と位相が逆となる。人間は、同じ音であっても位相が逆の音を左右方向のそれぞれから聞くと、音像が左右方向に広がっていると知覚する特性がある。
この特性により、ウーファ2L及びウーファ2Rの位置よりも高い位置で知覚された音像は左右方向に広がって、より人間に意識されやすくなる。その結果、ステレオスピーカセット5は、高い位置に音像が存在すると知覚させる効果を高めることができる。
次に、スピーカセット5の変形例に係るスピーカセット5Aについて図6(A)を用いて説明する。図6(A)は、スピーカセット5Aの信号処理部10L及び信号処理部10R1のブロック図である。
信号処理部10R1は、HPF11と逆相生成部103との間に遅延処理部50を備える点において、信号処理部10Rと相違する。ただし、遅延処理部50と逆相生成部103とは、配置が逆であってもかまわない。
遅延処理部50は、遅延処理部13において低域成分の音が遅延する時間よりも短い時間(例えば1ms)で音声信号を遅延させる。換言すれば、遅延処理部50は、高域成分の音を低域成分の音より早く出力してウーファ2Rの位置より高い位置に音像があると知覚させる効果を損なわない範囲で、高域成分の音を遅延させる。
ここで、人間は、音像が左右方向に広がると、利き耳側に音像が存在すると知覚するという特性がある。従って、センターチャネルの高域成分の音像は、単に左右方向に広がるだけでは、例えば右耳側に寄っていると知覚されてしまう場合がある。
そこで、ステレオスピーカセット5Aは、右耳側に寄った高域成分の音像を左側に戻すために、ハース効果を利用している。すなわち、ステレオスピーカセット5Aは、遅延処理部50でRチャネルをLチャネルより遅らせて高域成分の音を出力している。これにより、Lチャネルに含まれるセンターチャネルの高域成分の音は、Rチャネルに含まれるセンターチャネルよりも、例えば1ms早く出力される。これにより、右耳側に寄った音像は、左側に戻り、テレビ3の表示領域の中心位置に戻る。
無論、ステレオスピーカセット5は、利き耳が左耳の視聴者のために、遅延処理部50と逆相生成部103との組を信号処理部10Lに設けても構わない。
図6(A)は、ハース効果を利用して音像を左側に戻す例であるが、Lチャネル及びRチャネル間の音量差を用いて音像を左側に戻してもかまわない。図6(B)は、スピーカセット5Aの変形例に係るステレオスピーカセット5Bの信号処理部10L2及び信号処理部10R2のブロック図を示す。
信号処理部10L2は、HPF11と加算部14との間にレベル調整部104Lを備える点において、信号処理部10Lと相違する。信号処理部10R2は、遅延処理部50の代わりにレベル調整部104Rを備える点において、信号処理部10R1と相違する。
レベル調整部104Lのゲインは、レベル調整部104Rのゲインより高く設定される。例えば、ステレオスピーカセット5Aは、レベル調整部104Lのゲインを0.3に設定し、かつレベル調整部104Rのゲインを−0.3に設定する。すなわち、センターチャネルの高域成分の音について、ウーファ2Lは、ウーファ2Rよりもレベルが高い音を出力する。これにより、右耳側に寄った音像は、テレビ3の表示領域の中心位置に戻る。
次に、信号処理部10の変形例1に係る信号処理部10Aについて、図7を用いて説明する。
信号処理部10Aは、図7に示すように、遅延処理部13の後段にリバーブレータ18を備える点で、図1(B)に示す信号処理部10と異なる。
遅延処理部13から出力された音声信号(低域成分)は、リバーブレータ18に入力される。当該入力された音声信号は、リバーブレータ18によって残響成分が与えられる。リバーブレータ18から出力された音声信号は、加算部14を通じて、スピーカ2により放音される。
以上のように、信号処理部10Aを備えるセンタースピーカ1Aは、音声信号のうち低域成分に残響成分を付与して、放音する。その結果、視聴者は、低域成分によって形成される音像を知覚しにくくなり、高域成分の音により形成された音像を知覚しやすくなる。また、視聴者は、音像がぼやけると映像面から音が聞こえると知覚する聴覚心理により、映像面から音が放音されているような臨場感を覚えることができる。
なお、リバーブレータ18は、遅延処理部13の後段に限らず、LPF12の前段、またはLPF12と遅延処理部13の間に接続される態様であってもよい。
次に、信号処理部10の変形例2に係る信号処理部10Bについて、図8(A)および図8(B)を参照して説明する。図8(A)は、信号処理部10Bを示したブロック図である。図8(B)は、人の発話の音声信号の模式図である。
高域成分の音による音像は、低域成分を減少させると、知覚されやすくなる。低域成分は、音声信号のピッチを上げることにより、減少する。しかし、視聴者は、全ての音声信号のピッチが変更されると、違和感を覚えてしまう。また、母音は、子音よりも音像の知覚に大きな影響を与える。そこで、信号処理部10Bは、音質の変化を防ぎつつ、母音のみピッチを変更することにより、高域域成分の音からなる音像を知覚しやすくするものである。
信号処理部10Bは、図8(A)に示すように、母音検出部16およびピッチ変更部17を備える。
母音検出部16は、入力された音声信号のうち、人の発話の出だしを検出する。母音検出部16は、所定の長さの無音区間(レベルがほとんど検出されない時間)の後に、所定の長さの有音期間(所定の大きさ以上のレベルを検出した時間)を発話の出だしとして検出する。例えば、母音検出部16は、図8(B)に示すように、300msの無音区間に続く、200msの有音期間を発話の出だしとして検出する。
次に、母音検出部16は、検出した発話の出だしにおける母音区間(母音が検出される時間)を検出する。例えば、母音検出部16は、図8(B)に示すように、発話の出だし(有音区間)の始まりから所定の時間(子音区間)経過後の所定の時間を母音区間として検出する。
母音検出部16は、母音の検出結果(母音区間の時間)をピッチ変更部17に出力する。
ピッチ変更部17は、母音検出部16から送られた母音区間の時間を用いて、母音区間のみ音声信号のピッチが上がるように変更する。その結果、音声信号の低域成分は減少する。
ピッチの変更は、例えば、母音区間の一部を短縮することにより行う。図8(C)は、母音区間の一部を短縮する例を示す図である。
図8(C)において、母音区間は、例えば、母音区間1と母音区間2とからなる。ここで、ピッチ変更部17は、母音区間1を短縮する。そして、ピッチ変更部17は、短縮された母音区間1に連続するように母音区間2を移動させる。最後に、ピッチ変更部17は、母音区間1の短縮時間に等しい無音区間を母音区間2の後に挿入する。
以上のように、音声信号のピッチを上げることによって、母音の低域成分が減ることになり、低域成分と比較して高域成分が増加する。よって、視聴者は、信号処理部10Bを備えるセンタースピーカ1Bの位置より高い位置から音が聞こえると感じやすくなる。
なお、母音検出部16およびピッチ変更部17は、LPF12の前段に限らず、LPF12の後段に備えられていてもよい。
また、母音検出部16は、発話の出だし以外の有音期間を検出しない。例えば、母音検出部16は、図8(B)において、発話の出だしとして検出した200msの有音区間の後に連続する有音区間を検出しない。よって、信号処理部10Bは、ピッチを変更する区間を限ることにより、音質の変化を最小限に抑えることができる。
また、ピッチ変更の別の例として、ピッチ変更部17Aは、図9に示すように所定の無音区間の後に始まる子音区間を検出すると、当該子音区間における所定時間の音声信号の立上がり区間および立下がり区間を残し、その間の区間の音声信号を削除する。そして、ピッチ変更部17Aは、音声信号の立上がり区間と立下がり区間とを連結することにより、子音区間を短縮する。さらに、ピッチ変更部17Aは、削除した音声区間に等しい長さの無音区間を、音声信号の立下りの後に挿入する。
以上のように、ピッチ変更部17Aは、高域成分が多く含まれる子音区間を短縮する。その結果、視聴者は、耳ざわりな高域成分が減るため、より自然に視聴することができる。
次に、母音部分の強調について説明する。人の声のうち母音の第2フォルマント周波数は、音像の知覚に大きな影響を与える。そこで、信号処理部10は、母音の第2フォルマント周波数付近のレベルを強調することにより、音声の音像の知覚をより強調させる。
図10(A)は、信号処理部10の変形例3に係る信号処理部10Cを示したブロック図である。信号処理部10Cは、図10(A)に示すように、HPF11およびLPF12の前段に母音を強調する母音強調部19を備える。
図10(B)は、母音強調部19の構成を示したブロック図である。母音強調部19は、抽出部190、検出部191、制御部192、および加算部193からなる。
音声信号は、母音強調部19に入力される。すなわち、音声信号は、抽出部190および検出部191に入力される。
抽出部190は、所定の第1の周波数帯域(例えば1,000Hzから10,000Hz)の音声信号を抽出するバンドパスフィルタである。第1の周波数帯域は、母音の第2フォルマント周波数を含むように設定される。
抽出部190に入力された音声信号は、第1の周波数帯域が抽出された音声信号となる。第1の周波数帯域が抽出された音声信号は、制御部192に入力される。
検出部191は、所定の第2の周波数帯域(例えば300Hzから1,000Hz)の音声信号を抽出するバンドパスフィルタを備える。第2の周波数帯域は、母音の第1フォルマント周波数を含むように設定される。
検出部191は、音声信号の第2の周波数帯域のレベルが所定のレベル以上であると、母音が含まれていることを検出する。検出部191は、検出結果(母音の有無)を制御部192に出力する。
制御部192は、検出部191が母音を検出すると、抽出部190から出力された音声信号を加算部193に出力する。制御部192は、検出部191が母音を検出したと認識しない場合、音声信号を加算部193に向けて出力しない。なお、制御部192は抽出部190から出力された音声信号のレベルを変更して加算部193へ出力してもよい。
加算部193は、制御部192から出力される音声信号と母音強調部19に入力された音声信号とを加算して後段に出力する。
以上のように、母音強調部19は音声信号から母音を検出すると、所定の第2の周波数帯域の音声信号を加算する。すなわち、母音強調部19は音声信号に対し所定の第2の周波数帯域のレベルを増幅することにより、母音部分を強調する。
母音が強調された音声信号は、母音強調部19からHPF11およびLPF12に出力される。そして、音声信号は、HPF11を通過する。すなわち、強調された母音の高域成分は、低域成分より早くスピーカ2より放音される。
その結果、信号処理部10Cを備えるセンタースピーカ1Cは、音像を形成しやすい母音の第2フォルマント付近のレベルを大きくすることにより、音像が高い位置に知覚される効果をより強調することができる。
なお、抽出部190は、一つの帯域だけでなく、それぞれ異なる複数の周波数帯域を抽出するように、複数のフィルタを並列に備え、各フィルタから出力される音声についてレベルを変更してもよい。この場合、母音強調部19は、所定の周波数帯域のレベルを所望通りに上げることができ、音像を強調しやすい周波数特性に音声信号を補正することができる。
また、信号処理部10Cは、母音強調部19に代えて、子音(特にサ行の歯擦音)を弱めるための子音減衰部19Aを備えてもよい。図11は、子音減衰部19Aに係るブロック図である。
子音減衰部19Aは、抽出部190A、検出部191A、加算部193A、および削除部194を備える。
抽出部190Aは、子音の周波数帯域を含むように(例えば3,000Hzから7,000Hz)設定されるバンドパスフィルタである。
検出部191Aは、子音の周波数帯域を含むように設定されるバンドパスフィルタを備えている。検出部191Aは、フィルタ後の音声信号のレベルが所定の大きさ以上の場合、音声信号に子音が含まれていると判断する。
削除部194は、所定の周波数帯域を削除するバンドエリミネートフィルタである。削除部194の所定の周波数帯域は、抽出部190Aに設定される周波数帯域(上述の例では3,000Hzから7,000Hz)と等しくなるように設定される。
削除部194に入力された音声信号は、所定の周波数帯域を除く音声信号となる。所定の周波数帯域を除く音声信号は、加算部193Aに出力される。
音声信号は、抽出部190Aにも入力される。当該音声信号は、所定の周波数帯域からなる音声信号となる。所定の周波数帯域からなる音声信号は、制御部192に入力される。
音声信号は、さらに検出部191Aにも入力される。検出部191Aは、検出結果(音声信号における子音の有無)を制御部192に出力する。
制御部192は、検出部191が子音を検出しない場合、抽出部190Aから出力された音声信号を、加算部193Aに出力する。制御部192は、検出部191が子音を検出した場合、音声信号を加算部193Aに出力しない。
加算部193Aは、削除部194から出力された音声信号と、制御部192から出力された音声信号とを加算して、後段に出力する。加算部193Aは、音声信号に子音が含まれる場合、削除部194から出力される音声信号を後段に出力する。加算部193Aは、音声信号に子音が含まれない場合(母音や、人の声以外の音声)、制御部192および削除部194からそれぞれ出力される音声信号を加算して後段に出力する。すなわち、加算部193Aは、音声信号に子音が含まれない場合、子音減衰部19Aに入力された音声信号と同じ音声信号を後段に出力する。
以上のように、子音減衰部19Aは、子音を検出した場合、音声信号の一部の周波数帯域を除去して後段に出力する。すると、音声の一部の周波数帯域が弱められ、その結果視聴者には、耳障りと感じる子音(特にサ行の歯擦音)の音量が小さくなり、自然に試聴できる。
なお、信号処理部10Cは、母音強調部19および子音減衰部19Aを両方備えてもよい。この場合、母音の強調と子音の減衰が同時に行われる。その結果、相対的に母音のレベルと子音のレベルの差は大きくなり、母音部分の強調と子音の減衰の効果は、より大きくなる。
1…センタースピーカ
2…スピーカ
2A…アレイスピーカ
21〜28…スピーカユニット
2L、2R…ウーファ
3…テレビ
4…バースピーカ
5,5A…ステレオスピーカセット
10…信号処理部
40…信号処理部
11…HPF
12…LPF
13…遅延処理部
14、102…加算部
101…逆相生成部
15C、15R、15L…ビーム生成部
150…信号分割部
151L、151R…BPF
16…母音検出部
17…ピッチ変更部
18…リバーブレータ
19…母音強調部
19A…子音減衰部
190…抽出部
191…検出部
192…制御部
193…加算部
194…削除部

Claims (6)

  1. 音声信号が入力され、音声の高域成分を抽出して出力する高域抽出手段と、
    前記音声信号が入力され、音声の低域成分を抽出して出力する低域抽出手段と、
    前記低域抽出手段から出力された音声の低域成分をエコーが生じない時間範囲で遅延させて出力する遅延処理手段と、
    前記遅延処理手段および前記高域抽出手段のそれぞれから出力される音声信号に基づいて放音する放音手段と、
    を備えた放音装置。
  2. 前記遅延処理手段から出力される音声信号と、前記高域抽出手段から出力される音声信号とを加算して出力する加算手段、
    を備え、
    前記放音手段は、前記加算手段から出力される音声信号に基づいて放音する
    請求項1に記載の放音装置。
  3. 前記高域抽出手段および前記低域抽出手段のカットオフ周波数は、それぞれ母音のフォルマント周波数付近の周波数に設定されている
    請求項1または請求項2に記載の放音装置。
  4. 前記低域抽出手段の前段または後段に、入力された音声信号のピッチを変更するピッチ変更手段を備える
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の放音装置。
  5. 前記ピッチ変更手段は、入力された音声信号のうち母音区間の音声信号のピッチを変更する
    請求項4に記載の放音装置。
  6. 入力された音声信号に残響成分を付与する残響付与手段を前記低域抽出手段の前段または後段に備える
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の放音装置。
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