以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見やすくするために部分的にハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、選択用のゲート電極(以下単に選択ゲート電極という)および記憶用のゲート電極(以下単にメモリゲート電極という)が互いに絶縁膜を介して隣接する不揮発性記憶素子において、各ゲート電極のパターン形状および選択ゲート電極上の絶縁膜の形状を工夫することにより、選択ゲート電極およびメモリゲート電極がショートすることを防ぐことについて説明する。
まず、図1に本実施の形態の半導体装置であるスプリットゲート構造のMONOSメモリの要部平面図を示す。また、図2に、図1のAーA線における要部断面図を示す。なお、図1では選択ゲート電極、メモリゲート電極およびそれらの間に介在する電荷蓄積層を含む絶縁膜、選択ゲート電極上の絶縁膜並びにプラグのみを示している。図1では、図を分かりやすくするため、選択ゲート電極上に形成されたキャップ絶縁膜などの絶縁膜にハッチングを付している。また、平面図において、レジストパターンに覆われたパターンの輪郭を破線で示している。
図1に示すように、平面視において、半導体基板(図示しない)上には、半導体基板の主面に沿う第1方向に延在する選択ゲート電極CG1、CG2が複数形成されている。選択ゲート電極CG1、CG2は、半導体基板の主面に沿う方向であって、第1方向と直交する第2方向に交互に並んで配置されている。また、選択ゲート電極CG1は、第1方向においてパターンが分断されている。つまり、第1方向に延在する選択ゲート電極CG1は、第1方向に並んで複数配置されている。
ここで、選択ゲート電極CG1、CG2の直上には、例えば窒化シリコン膜からなるキャップ絶縁膜CA1、CA2がそれぞれ形成されている。キャップ絶縁膜CA1、CA2は平面視において選択ゲート電極CG1、CG2とそれぞれ重なるように配置されている。つまり、キャップ絶縁膜CA1、CA2の直下には、必ず選択ゲート電極CG1、CG2がそれぞれ形成されている。
また、選択ゲート電極CG1、CG2の上面の一部はキャップ絶縁膜CA1、CA2からそれぞれ露出している。キャップ絶縁膜CA1、CA2から露出している領域の選択ゲート電極CG1、CG2のそれぞれの上面は、選択ゲート電極CG1、CG2のそれぞれに給電を行うためのプラグPCを接続する給電領域、つまりシャント領域である。ここでは、キャップ絶縁膜CA1、CA2から露出している領域の選択ゲート電極CG1、CG2を、それぞれシャント部CS1、CS2と呼ぶ。シャント部CS1、CS2のそれぞれの上面には、平面視において第2方向に延在する形状を有する柱状のプラグPCが接続されている。つまり、平面視において、プラグPCは長方形、または楕円などの形状を有している。
なお、図1では半導体基板および半導体基板の上面に形成された半導体層、および素子分離領域などの絶縁層の図示を省略しているが、図1に示す給電領域A1、つまり第1領域は半導体基板の上面に素子分離領域が形成された不活性領域であり、活性領域B1、つまり第2領域の半導体基板の上面には、ソース・ドレイン領域などの半導体層が形成されている。また、選択ゲート電極CG1、CG2の上面がキャップ絶縁膜CA1、CA2から露出しているシャント部CS1、CS2は、いずれも給電領域A1に形成されており、平面視において半導体基板の上面の素子分離領域と重なる領域に形成されている。
つまり、シャント部CS1、CS2は素子分離領域上に形成されている。したがって、シャント部CS1、CS2の上面に接続されたプラグPCの一部がシャント部CS1、CS2からからはみ出して形成されたとしても、当該プラグPCの一部は素子分離領域の上面に接続されるため、プラグPCおよび選択ゲート電極CG1、CG2が半導体基板に導通することを防ぐことができる。
シャント部CS1は選択ゲート電極CG1の第1方向における端部に設けられている。これに対し、シャント部CS2は、選択ゲート電極CG2の第1方向に延在する側壁から第2方向に突出するような形状で設けられており、選択ゲート電極CG2の第1方向における端部に設けられているわけではない。ここで、第1方向に延在する選択ゲート電極CG1は、第1側壁と、第1側壁の反対側の第2側壁とを有している。また、第1方向に延在する選択ゲート電極CG2は、第3側壁と、第3側壁の反対側の第4側壁とを有している。第1側壁〜第4側壁はいずれも第1方向に沿う方向に延在する側壁である。隣り合う選択ゲート電極CG1の第1側壁と、選択ゲート電極CG2の第3側壁とは互いに対向している。また、隣り合う選択ゲート電極CG1の第2側壁と、選択ゲート電極CG2の第4側壁とは互いに対向している。
シャント部CS1は、選択ゲート電極CG1の第1側壁側から第2方向に突出するように形成されている。つまり、選択ゲート電極CG1のシャント部CS1は、第1方向における選択ゲート電極CG1の端部の第1側壁から、対抗する選択ゲート電極CG2の第3側壁に向かって突出している。
また、シャント部CS2は、第1方向において選択ゲート電極CG1が途切れている箇所、すなわち第1方向において隣り合う二つの選択ゲート電極CG1の間の領域において、選択ゲート電極CG2の第3側壁から第2方向に突出している。すなわち、シャント部CS2は、第1方向において互いに離間して設けられた二つのシャント部CS1の間に配置されている。キャップ絶縁膜CA1が第1方向に延伸され、第2方向においてシャント部CS1と並んで配置されているため、上記のように、シャント部CS1、CS2は、キャップ絶縁膜CA1、CA2に覆われた領域の選択ゲート電極CG1、CG2に比べて、第2方向における幅を広げることで、プラグPCを接続する領域を確保している。
選択ゲート電極CG1の第2側壁、および選択ゲート電極CG2の第4側壁には、第1方向に延びるメモリゲート電極MG1、MG2がそれぞれ隣接して設けられている。選択ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1との間には、選択ゲート電極CG1の第2側壁側からメモリゲート電極MG1に向かって順に絶縁膜XB、電荷蓄積層CSLおよび絶縁膜XTが形成されている。同様に、選択ゲート電極CG2とメモリゲート電極MG2との間には、選択ゲート電極CG2の第4側壁側からメモリゲート電極MG2に向かって順に絶縁膜XB、電荷蓄積層CSLおよび絶縁膜XTが形成されている。
ここでは、絶縁膜XB、電荷蓄積層CSLおよび絶縁膜XTからなる積層膜をONO(Oxide Nitride Oxide)膜CSと呼ぶ。選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1間、並びに選択ゲート電極CG2およびメモリゲート電極MG2間は、ぞれぞれ絶縁膜であるONO膜CSが介在することで電気的に絶縁されている。図1および図2には、半導体基板側、および選択ゲート電極CG1、CG2のそれぞれの側壁側から順に形成された絶縁膜XB、電荷蓄積層CSLおよび絶縁膜XTの符号を、XB/CSL/XTと示している。
メモリゲート電極MG1、MG2は選択ゲート電極CG1の第2側壁および選択ゲート電極CG2の第4側壁にそれぞれ隣接して形成されている。すなわち、メモリゲート電極MG1、MG2は、第2方向において隣り合う選択ゲート電極CG1、CG2間において対向するように配置されている。なお、選択ゲート電極CG1と同様に、メモリゲート電極MG1は第1方向において分断されるように配置されているのに対し、メモリゲート電極MG2は選択ゲート電極CG2に沿って分断されずに延在している。
第1方向において隣り合うシャント部CS1間の領域の近傍において、選択ゲート電極CG2の第4側壁側には、メモリゲート電極MG2の給電領域であるシャント部MS2が形成されている。第2方向において、給電領域A1では、メモリゲート電極MG2の一方の側壁に選択ゲート電極CG2が隣接し、もう一方の側壁に電気的に浮遊状態にある選択ゲート電極FCが形成されている。平面視において、選択ゲート電極FCの周囲はメモリゲート電極MG2により囲まれている。
つまり、選択ゲート電極FCは選択ゲート電極CG1、CG2と同層の導体膜であるが、選択ゲート電極CG1、CG2には接続されていない。なお、本願でいう同層の膜とは、製造工程において同一の工程で形成された膜をいう。つまり、同層の膜同士は互いに離間して一体となっていない場合が考えられる。また、同層の膜同士は、半導体基板の主面からの同一の高さに形成されているとは限らない。また、選択ゲート電極FCと、選択ゲート電極FCに隣接するメモリゲート電極MG2との間にもONO膜CSが介在している。また、選択ゲート電極FCの上面はキャップ絶縁膜CA1、CA2と同層の絶縁膜であるキャップ絶縁膜CAFにより覆われている。
メモリゲート電極MG2は、選択ゲート電極CG2の側壁に自己整合的に形成したサイドウォール状の電極であるため、パターニングにより形成されるシャント部CS1、CS2のように、平面視において広い面積を有する給電領域のパターンを形成することができない。また、メモリゲート電極MG1、MG2は自己整合的に形成されるパターンであることから、メモリゲート電極MG1、MG2の延在方向である第1方向に直交する方向、つまり第2方向におけるメモリゲート電極MG1、MG2の幅は小さい。
したがって、単に選択ゲート電極CG2の第4側壁に沿って延在しているメモリゲート電極MG2の上面にプラグPMを接続しようとすると、フォトマスクずれなどによりプラグPMの形成位置がずれた場合に、メモリゲート電極MG2とプラグPMとの間で接続不良が起きる可能性が高い。
上記のように、シャント部MS2において、選択ゲート電極CG2の第2側壁側には、メモリゲート電極MG2を介して選択ゲート電極FCが形成されている。選択ゲート電極FC上にキャップ絶縁膜CAFが形成されているが、その一部が除去されることにより、メモリゲート電極MG2に接続されるプラグPMは、選択ゲート電極FCに接続されるように形成される。図1の平面図では、プラグPMにより、キャップ絶縁膜CAFの一部が除去されていることが示されていないので、断面の詳細に関しては、後述する。
なお、選択ゲート電極FCは浮遊状態であるため、選択ゲート電極FCがメモリゲート電極MG2と電気的にショートしたとしても、選択ゲート電極CG2とメモリゲート電極MG2とが電気的にショートするわけではないので、問題はない。本実施の形態では、メモリゲート電極MG2に給電を行うためのプラグPMを、選択ゲート電極FCの側壁に沿うメモリゲート電極MG2および選択ゲート電極FCのそれぞれの直上に跨るように形成している。
このように、浮遊状態の選択ゲート電極FCに隣接するメモリゲート電極MG2をシャント部MS2とすることで、シャント部MS2に接続するプラグPMを形成する位置がずれた場合であっても、メモリゲート電極MG2と選択ゲート電極CG2とが短絡することを防いでいる。したがって、プラグPMの形成位置のずれに対するマージンを拡げることができるため、プラグPMとメモリゲート電極MG2との間に導通不良が生じること容易に防ぐことができる。
なお、図1では半導体基板および半導体基板の上面に形成された半導体層および素子分離領域などの絶縁層の図示を省略しているが、プラグPMが接続される領域であるシャント部MS2およびその他のシャント部は、半導体基板の上面に素子分離領域が形成された給電領域A1に形成されている。つまり、シャント部MS2は素子分離領域上に形成されている。したがって、シャント部MS2の上面に接続されたプラグPMの一部がシャント部MS2からからはみ出して形成されても、当該プラグPMの一部は素子分離領域の上面に接続されるため、プラグPMおよびメモリゲート電極MG2が半導体基板に導通することはない。
また、図1には示していない領域において、メモリゲート電極MG1の上面にもプラグPMが接続されている。プラグPMは、シャント部MS2と同様に、半導体基板の上面に層間絶縁膜が形成された不活性領域においてメモリゲート電極MG1の上面にも接続されている。
活性領域B1において、選択ゲート電極CG1の第1側壁側、および選択ゲート電極CG2の第3側壁側の半導体基板(図示しない)の上面にはドレイン領域(図示しない)が形成されている。また、選択ゲート電極CG1の第2側壁側、および選択ゲート電極CG2の第4側壁側の半導体基板(図示しない)の上面にはソース領域(図示しない)が形成されている。
互いに隣接する選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1、並びに、当該選択ゲート電極CG1および当該メモリゲート電極MG1を平面視において挟むように配置されたソース領域およびドレイン領域は、メモリセルMC1を構成している。また、互いに隣接する選択ゲート電極CG2およびメモリゲート電極MG2、並びに、当該選択ゲート電極CG2および当該メモリゲート電極MG2を平面視において挟むように配置されたソース領域およびドレイン領域は、メモリセルMC2を構成している。第2方向においてメモリセルMC1、MC2は交互に複数配置されており、隣り合うメモリセルMC1、MC2同士は、ドレイン領域またはソース領域の何れかを共有している。
なお、図示はしていないが、半導体基板上には、メモリセルMC1、MC2の他に、容量素子、低耐圧MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)、および低耐圧MISFETよりも駆動電圧が高い高耐圧MISFETなどが形成されている。これらの半導体素子の構造は、後に半導体装置の製造工程を説明する際に用いる図32などに示している。
次に、図2に示す断面図を用いて、スプリットゲート構造のMONOSメモリを構成するメモリセルMC1、MC2について説明する。図2は、図1のA−A線における要部断面図である。ここでは、メモリ領域、つまりメモリセルが形成される領域に形成された不揮発性メモリセルの構造について説明する。
図2に示すように、半導体基板SBは、例えばp型の単結晶シリコンからなり、その主面(デバイス形成面)の活性領域にはメモリセルMC1、MC2の選択用のn型のMISFETと、メモリ用のn型のMISFETとが配置されている。以下では、メモリセルMC1、MC2の選択用のn型のMISFETをそれぞれ選択用nMISQC1、QC2と呼ぶ。また、以下ではメモリセルMC1、MC2のメモリ用のn型のMISFETをそれぞれメモリ用nMISQM1、QM2と呼ぶ。
また、図2において、メモリセルMC1およびMC2は互いに線対称な形状を有しているため、以下では主にメモリセルMC1の構造について説明し、メモリセルMC2、選択用nMISQC2、およびメモリ用nMISQM2の構造の説明を省略する場合がある。
メモリセルMC1のドレイン領域DRは、例えば相対的に低濃度のn−型の半導体領域EXDと、そのn−型の半導体領域EXDよりも不純物濃度が高く、相対的に高濃度のn+型の半導体領域DIとを含む、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有している。また、メモリセルMC1、MC2のソース領域SRは、例えば相対的に低濃度のn−型の半導体領域EXSと、そのn−型の半導体領域EXSよりも不純物濃度が高く、相対的に高濃度のn+型の半導体領域DIとを含む、LDD構造を有している。n−型の半導体領域EXD、EXSは、メモリセルMC1、MC2のチャネル領域側に配置され、n+型の半導体領域DIは、メモリセルMC1、MC2のチャネル領域側からn−型の半導体領域EXD、EXS分だけ離れた位置に配置されている。
ドレイン領域DRとソース領域SRとの間の半導体基板SBの主面上には、選択用nMISQC1の選択ゲート電極CG1と、メモリ用nMISQM1のメモリゲート電極MG1とが隣接して第1方向に延在している。第1方向において、複数のメモリセルMC1、MC2は半導体基板SBに形成された、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)構造を有する素子分離領域STIを介して隣接している。選択ゲート電極CG1の上面上には、絶縁膜OXを介してキャップ絶縁膜CA1が形成されている。
メモリゲート電極MG1は、キャップ絶縁膜CA1、絶縁膜OXおよび選択ゲート電極CG1からなる積層膜の片側面にサイドウォール状に形成されている。上述したように、選択ゲート電極CG1の第1側壁にはメモリゲート電極MG1は形成されておらず、選択ゲート電極CG1の第2側壁にメモリゲート電極MG1が隣接して形成されている。選択ゲート電極CG1は例えばn型の低抵抗多結晶シリコンからなり、選択ゲート電極CG1のゲート長は、例えば80〜120nm程度である。また、メモリゲート電極MG1は第2導電膜、例えばn型の低抵抗多結晶シリコンからなり、メモリゲート電極MG1のゲート長は、例えば50〜100nm程度である。
絶縁膜OXは例えば酸化シリコン膜からなる。キャップ絶縁膜CA1は例えば窒化シリコン、酸化シリコン、窒素を含んだ酸化シリコン、または窒素を含んだ炭化シリコンなどの絶縁膜からなり、その厚さは、例えば50nm程度である。また、半導体基板SBの主面から選択ゲート電極CG1の上面までの高さは、例えば140nm程度であり、半導体基板SBの主面からメモリゲート電極MG1の上面までの高さは、選択ゲート電極CG1の上面の高さよりも50nm程度高く形成されている。
さらに、メモリゲート電極MG1の上面には、例えばニッケルシリサイド(NiSi)、またはコバルトシリサイド(CoSi2)などのようなシリサイド層S1が形成されている。シリサイド層S1の厚さは、例えば20nm程度である。スプリットゲート構造の不揮発性メモリセルでは、選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1の双方に電位を供給する必要があり、その動作速度は選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1の抵抗値に大きく依存する。したがってシリサイド層S1を形成することにより選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1の低抵抗化を図ることが望ましい。
活性領域において、シリサイド層S1はメモリゲート電極MG1の上面のみに形成し、選択ゲート電極CG1の上面には形成していない。ただし、選択ゲート電極CG1を構成する導電膜の低抵抗化などにより所望する動作速度を得ることができる。上記シリサイド層S1は、ソース領域SRまたはドレイン領域DRを構成するn+型の半導体領域DIの上面にも形成されている。また、図2に示していないシャント部では、選択ゲート電極CG1の上面にもシリサイド層S1が形成されている。
選択ゲート電極CG1と半導体基板SBの主面との間には、ゲート絶縁膜GFが設けられている。ゲート絶縁膜GFは例えば酸化シリコンからなり、その厚さは、例えば1〜5nm程度である。素子分離領域STI上およびゲート絶縁膜GFを介した半導体基板SB上に選択ゲート電極CG1が配置されている。ゲート絶縁膜GF下の半導体基板SBの主面にはpウエルHPWが形成され、pウエルHPWの主面には、例えばB(ボロン)が導入されてp型の半導体領域P1が形成されている。半導体領域P1は、選択用nMISQC1のチャネル形成用の半導体領域であり、半導体領域P1により選択用nMISQC1のしきい値電圧が所定の値に設定される。
メモリゲート電極MG1は、ゲート絶縁膜、つまりONO膜CSを介して選択ゲート電極CG1の側面に設けられている。選択ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1とを絶縁するONO膜CSは、絶縁膜XB、電荷蓄積層CSLおよび絶縁膜XTからなる積層膜により構成される。また、ONO膜CSを介した半導体基板SB上にメモリゲート電極MG1が配置されている。
電荷蓄積層CSLは、例えば窒化シリコンからなり、その厚さは、例えば5〜20nm程度である。絶縁膜XB、XTは、例えば酸化シリコンからなり、絶縁膜XBの厚さは、例えば1〜10nm程度、絶縁膜XTの厚さは、例えば4〜15nm程度である。絶縁膜XB、XTは窒素を含んだ酸化シリコンで形成することもできる。
本実施の形態では、電荷蓄積層CSLとしてトラップ準位を有する絶縁膜を使用している。このトラップ準位を有する絶縁膜の一例として、上述の窒化シリコン膜が挙げられるが、窒化シリコン膜に限らず、例えば、酸化アルミニウム膜(アルミナ)、酸化ハフニウム膜または酸化タンタル膜など、窒化シリコン膜よりも高い誘電率を有する高誘電率膜を使用してもよい。
選択ゲート電極CG1の第1側壁、つまりメモリゲート電極MG1と反対側の側面であって、ドレイン領域DR側の側面と、メモリゲート電極MG1の片側面、つまり選択ゲート電極CG1に隣接する側に対し反対側の側面であって、ソース領域SR側の側面とには、それぞれサイドウォールSWが形成されている。サイドウォールSWは、例えば酸化シリコン膜OBおよび窒化シリコン膜NTからなる積層膜により構成される。酸化シリコン膜OBの厚さは、例えば20nm、窒化シリコン膜NTの厚さは、例えば25nmである。
絶縁膜XBの下であって、p型の半導体領域P1とソース領域SRとの間の半導体基板SB(pウエルHPW)には、例えばAs(ヒ素)またはP(リン)が導入されてn型の半導体領域HLが形成されている。n型の半導体領域HLは、メモリ用nMISQM1のチャネル形成用の半導体領域であり、n型の半導体領域HLによりメモリ用nMISQM1のしきい値電圧が所定の値に設定されている。
メモリセルMC1は層間絶縁膜ILにより覆われており、層間絶縁膜ILにはドレイン領域DRに達するコンタクトホールCNTが形成されている。層間絶縁膜ILは、例えば窒化シリコン膜ESおよび窒化シリコン膜ES上の酸化シリコン膜IFからなる積層膜によって構成される。
ドレイン領域DRには、コンタクトホールCNTに埋め込まれたプラグPLGを介して、選択ゲート電極CG1が延在する第1方向に対して直交する第2方向に延在する第1層配線M1が接続されている。プラグPLGは、例えばTi(チタン)とTiN(窒化チタン)との積層膜からなる相対的に薄いバリア膜と、当該バリア膜に包まれるように形成されたW(タングステン)またはAl(アルミニウム)などからなる相対的に厚い導電膜とからなる積層膜によって構成される。なお、図2に示していない領域では、ソース領域SRの上面にもプラグPLGが接続されている。
ここで図3(a)および(b)に、シャント部CS1近傍の選択ゲート電極CG1、キャップ絶縁膜CA1およびメモリゲート電極MG1を俯瞰した構造を示す。図3(a)および(b)は本実施の形態の半導体装置を構成するスプリットゲート構造のMONOSメモリの一部を示す要部俯瞰図である。図3(a)および(b)は、図1に示す選択ゲート電極CG1の端部のシャント部CS1近傍のパターンを俯瞰視した図である。
図3(a)に示すように、第1方向に延在する選択ゲート電極CG1の上面は、第1方向の端部においてキャップ絶縁膜CA1から露出するシャント部CS1を有し、シャント部CS1の選択ゲート電極CG1の上面にはシリサイド層S1が形成されている。シャント部CS1は選択ゲート電極CG1の第1側壁側に設けられ、シャント部CS1と、選択ゲート電極CG1の第2側壁に隣接して設けられたメモリゲート電極MG1との間には、キャップ絶縁膜CA1が形成されている。また、キャップ絶縁膜CA1よりも下の領域では、選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1はONO膜CSを介して互いに絶縁されている。
図3(a)に示すように、メモリゲート電極MG1は選択ゲート電極CG1とキャップ絶縁膜CA1とが含まれる積層膜の側壁に対して自己整合的に形成されているため、選択ゲート電極CG1の高さよりも高く形成されている。メモリゲート電極MG1の上面にはシリサイド層S1が形成されている。ここで、図3(b)に示すように、メモリゲート電極MG1上に形成されたシリサイド層S1が異常成長し、ONO膜CSよりも高い位置に形成される場合が考えられる。
しかし、メモリゲート電極MG1上のシリサイド層S1がONO膜CSを超えて形成されても、キャップ絶縁膜CA1から露出しているシャント部CS1と、メモリゲート電極MG1およびメモリゲート電極MG1上のシリサイド層S1との間にはキャップ絶縁膜CA1が形成されているため、シャント部CS1とメモリゲート電極MG1とが短絡することを防ぐことができる。
次に、給電領域に形成されたメモリゲート電極のシャント部(図4参照)および選択ゲート電極のシャント部(図5参照)の構造について説明する。図4は図1のB−B線に沿った要部断面図であって、メモリゲート電極MG2の給電領域の要部断面図である。図5は、図1のC−C線に沿った要部断面図であって、選択ゲート電極CG1の給電領域の要部断面図である。
図4に示すように、給電領域に形成されたメモリゲート電極MG2のシャント部MS2の構造は、メモリゲート電極MG2および選択ゲート電極FCが素子分離領域STI上に形成されている点が、図2に示すメモリ領域に形成された選択用nMISQC1およびメモリ用nMISQM1の構造と異なっている。また、キャップ絶縁膜CA1を含む絶縁膜の構造も異なっている。これらの構造の詳細については後述する。給電領域の層間絶縁膜ILには、選択ゲート電極FCの側面にONO膜CSを介して形成されたメモリゲート電極MG2の上面に形成されたシリサイド層S1に達するコンタクトホールCMが開口されている。
コンタクトホールCMは、給電領域の素子分離領域STI、サイドウォールSW、メモリゲート電極MG2、およびONO膜CSのそれぞれの上に形成されている。給電領域のメモリゲート電極MG2には、コンタクトホールCMに埋め込まれた導電膜からなるプラグPMを介して第1層配線(図示しない)に接続されている。
ここで、コンタクトホールCMは、選択ゲート電極FC上に乗り上げた形状を有しており、コンタクトホールCMが形成された領域において、選択ゲート電極FC上のキャップ絶縁膜CAFおよび絶縁膜OXは除去されている。したがって、選択ゲート電極FCの上面の一部はキャップ絶縁膜CAFおよび絶縁膜OXから露出し、プラグPMと接している。また、除去されたキャップ絶縁膜CAFおよび絶縁膜OXの側壁に形成されていたONO膜CSも除去されている。
これにより、プラグPMがメモリゲート電極MG2上に形成されたシリサイド層S1の選択ゲート電極FC側の側面とも接触するため、プラグPMとシリサイド層S1との接触面積を増加させることができ、プラグPMとメモリゲート電極MG2との接触抵抗を低減させることが可能となる。プラグPMの下に位置する選択ゲート電極FCは選択ゲート電極CG2とは接続されず浮遊状態であるため、上述したように、メモリゲート電極MGに給電するプラグPMが選択ゲート電極FCと接触しても、選択ゲート電極CG2とメモリゲート電極MG2とが電気的にショートすることはない。
また、コンタクトホールCMは、素子分離領域STI上に形成されているため、プラグPMは半導体基板SBと接続することもない。
また、図5に示すように、給電領域に形成された選択ゲート電極CGのシャント部CS1の構造は、メモリ領域に形成された選択用nMISQC1(図2参照)の構造とは異なっている。メモリ領域に形成された選択用nMISQC1では、その選択ゲート電極CG1の上面の全面を覆うようにキャップ絶縁膜CA1が形成されているが、給電領域に形成された選択ゲート電極CG1の上面の一部の上にはキャップ絶縁膜CA1は形成されていない。つまり、選択ゲート電極CG1の上面の一部はキャップ絶縁膜CA1から露出している。
また、キャップ絶縁膜CA1から露出している選択ゲート電極CG1の上面にはシリサイド層S1が形成されている。また、給電領域の層間絶縁膜ILには、選択ゲート電極CG1の上面に形成されたシリサイド層S1に達するコンタクトホールCCが形成されている。給電領域の選択ゲート電極CG1は、コンタクトホールCCに埋め込まれた導電膜からなるプラグPCを介して、層間絶縁膜IL上の第1層配線(図示しない)に接続されている。
また、選択ゲート電極CG1の上面であって、第2側壁側の上面上にはキャップ絶縁膜CA1が形成されおり、選択ゲート電極CG1およびキャップ絶縁膜CA1の側壁であって当該第2側壁側を含む側壁に隣接して、ONO膜CSおよびメモリゲート電極MG1が形成されている。
ここでは、選択ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1とがシリサイド層S1などを介して短絡することを防ぐため、シャント部CS1における選択ゲート電極CG1の上面の一部を覆うキャップ絶縁膜CA1を形成している。シャント部CS1においてキャップ絶縁膜CA1により選択ゲート電極CG1の上面の一部を覆っているのは、選択ゲート電極CG1の上面が絶縁膜から露出する領域と、メモリゲート電極MG1とが近接することで、選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1が短絡することを防ぐためである。したがって、選択ゲート電極CG1の直上においてキャップ絶縁膜CA1が形成されている領域は、メモリゲート電極MG1が形成される側、つまり選択ゲート電極CG1の第2側壁側である。
図4を用いて上述したように、給電領域のシャント部MS2では、層間絶縁膜ILに形成されるコンタクトホールCMを、給電領域のメモリ用nMISQM2(図2参照)のメモリゲート電極MG2に達するように形成し、コンタクトホールCMの内部にプラグPMを埋め込むことによって、メモリゲート電極MG2とプラグPMとを電気的に接続している。
自己整合的に形成されたサイドウォール状のメモリゲート電極MG2は、平面視における幅が狭いため、プラグPMの形成位置がずれた場合にメモリゲート電極MG2およびプラグPM間に接続不良が生じる虞がある。また、プラグPMの形成位置がずれた場合、メモリゲート電極MG2およびプラグPM間の接触面積が小さくなり、接触抵抗が増大する虞がある。
これに対し、上記の構造を用いることにより、メモリゲート電極MG2とプラグPMとの間で良好に電気的な接続を得ることができる。また、不揮発性メモリセルを有する半導体装置の面積の縮小化を図ることができる。また、不揮発性メモリセルを有する半導体装置の製造歩留まりを向上することができる。
図5に示すように、選択ゲート電極CG1の給電領域のシャント部CS1では、選択用nMISQC1(図2参照)の選択ゲート電極CG1の上面はキャップ絶縁膜CA1から露出しており、シリサイド層S1が形成されている。
したがって、上記コンタクトホールCMと同一工程で層間絶縁膜ILに形成されるコンタクトホールCCは、容易に選択ゲート電極CG1の上面のシリサイド層S1に達するので、コンタクトホールCCの内部に埋め込まれるプラグPCと選択ゲート電極CG1との間で良好に電気的な接続が得られる。
また、活性領域B1(図1参照)において選択ゲート電極CG1の上面にはキャップ絶縁膜CA1が形成されているので、シリサイド層S1を形成する際に、メモリゲート電極MG1と選択ゲート電極CG1とがショートするなどの不具合を考慮する必要もない。ここで、上述のように、選択ゲート電極CG1のシャント領域においては、選択ゲート電極CG1の上にシリサイド層S1が形成される。この時、メモリゲート電極MG1と選択ゲート電極CG1の間にはONO膜CSが形成されているので、特に問題にならないが、上述のように、ショートなどの不具合を解消するために、メモリゲート電極MG1の高さを選択ゲート電極CG1の高さよりも低く形成しておくことも可能である。
次に、本実施の形態の半導体装置の効果について、図62および図63に示す比較例を用いて説明する。図62は比較例である半導体装置の要部平面図である。図63は比較例である半導体装置の俯瞰図である。図63は図62に示すパターンを俯瞰視した図である。図62および図63示す選択ゲート電極およびメモリゲート電極は、図1に示した、互いに隣り合う選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1の第1方向における端部、すなわちシャント部CS1の近傍に対応するパターンである。
図62および図63には、比較例の半導体装置であるスプリットゲート構造のMONOSメモリを構成する選択ゲート電極CGEおよびメモリゲート電極MGEのパターンを示している。なお、図62および図63では半導体基板および絶縁膜からなるサイドウォールなどの図示を省略している。また、図62ではシリサイド層S1、および、選択ゲート電極CGE上に乗り上げたメモリゲート電極MGEの図示を省略している。
図63に示すように、選択ゲート電極CGEは、半導体基板(図示しない)上にゲート絶縁膜GFを介して形成され、第1方向に延在しており、メモリゲート電極MGEは、ゲート絶縁膜GFの側壁のうち、第1方向に延びる側壁の一方の側壁に隣接してサイドウォール状に形成され、第1方向に延在している。互いに隣接する選択ゲート電極CGEおよびメモリゲート電極MGE間はONO膜CSにより絶縁され、メモリゲート電極MGEとメモリゲート電極MGEの下の半導体基板とは当該OMO膜CSにより絶縁されている。
選択ゲート電極CGEの上面は、絶縁膜OXを介して、第1方向に延在するキャップ絶縁膜により覆われており、第1方向における選択ゲート電極CGEの端部、つまりシャント部CSEの上面はキャップ絶縁膜CAEおよび絶縁膜OXから露出している。シャント部CSEの選択ゲート電極CGEの上面はシリサイド層S1に覆われ、当該シリサイド層S1の上面には、選択ゲート電極CGEに電位を供給するためのプラグPCEが接続されている。
メモリゲート電極の上面はシリサイド層S1により覆われている。メモリゲート電極MGEは選択ゲート電極CGEおよびキャップ絶縁膜CAEの側壁に自己整合的に形成されたパターンである。このため、メモリゲート電極MGEは、シャント部CSEの選択ゲート電極CGEのパターンの側壁に形成よりも、選択ゲート電極CGEおよびキャップ絶縁膜CAEを含む積層パターンの側壁の方が高さが高い。また、メモリゲート電極MGEは半導体装置の製造工程において、選択ゲート電極CGEがキャップ絶縁膜CAEに覆われた領域と、キャップ絶縁膜CAEから選択ゲート電極CGEの上面が露出している領域との境界の、キャップ絶縁膜CAEの側壁にもサイドウォール状に形成される。つまり、半導体装置の製造工中には、選択ゲート電極CGEの直上にもメモリゲート電極MGEは形成される。
ただし、選択ゲート電極CGE上に乗り上げるように形成されたメモリゲート電極MGEは、選択ゲート電極CGEの第1方向に延在する側壁のうちの一方の側壁に隣接するメモリゲート電極MGEを除去する工程において除去されるべき部分である。しかし、ウェットエッチングなどの等方性エッチングを行う時間などに起因してエッチング量が少なくなると、選択ゲート電極CGE上にメモリゲート電極MGEの一部が残る虞がある。また、このメモリゲート電極MGEの一部の表面にシリサイド層S1が形成されている。
この場合、選択ゲート電極CGEと、その上のメモリゲート電極MGEは、間に介在するONO膜CSによって離間されていることが考えられるが、選択ゲート電極CGEの上面とメモリゲート電極MGEの上面とにシリサイド層S1が形成されると、これらのシリサイド層S1を介して選択ゲート電極CGEおよびメモリゲート電極MGE間に短絡が生じる虞がある。また、選択ゲート電極CGE上に形成されたメモリゲート電極MGEと、シャント部CSE上に接続されたプラグPCEとが接続されて短絡が起こる虞がある。
また、選択ゲート電極CGE上にメモリゲート電極MGEが残らなくても、図62に示すように、キャップ絶縁膜CAEから選択ゲート電極CGEの上面が露出している領域、つまりシャント部CSEとメモリゲート電極MGEとが隣接している場合、選択ゲート電極CGEおよびメモリゲート電極MGE間に短絡が起きる虞がある。つまり、極薄い絶縁膜であるONO膜CSを介して隣り合う各電極の上面にシリサイド層S1(図示しない)が形成されると、各電極の上部においてシリサイド層S1を介して、選択ゲート電極CGEおよびメモリゲート電極MGE間に短絡が起きる虞がある。
上記のように、二通りの経路により、選択ゲート電極CGEの第1方向における端部のシャント部CSEでは、選択ゲート電極CGEおよびメモリゲート電極MGE間に短絡が起きやすい問題がある。これは、1方向に延在する選択ゲート電極CGEの端部をキャップ絶縁膜CAEから露出させ、当該端部にシャント部CSEを設ける場合に、メモリゲート電極MGEがシャント部CS1に隣接して設けられることに起因して生じる問題である。
つまり、図1に示す選択ゲート電極CG2のように、第1方向に延在するパターンの端部ではなく途中の第3側壁にシャント部CS2を設ければ、シャント部CS2と、第4側壁側にのみ形成するメモリゲート電極MG2とを、キャップ絶縁膜CA2を介して容易に絶縁することができる。これに対し、図62に示すように、1方向に延在するパターンの端部にシャント部CSEを設けた場合には、上記のようにメモリゲート電極MGEを除去する際のエッチング量が少ないことなどに起因して、メモリゲート電極MGEが、選択ゲート電極CGEの側壁であってメモリゲート電極MGEを形成しない側壁側に回りこんで形成される場合がある。
なお、上記のようにエッチング量が不十分となることを避けるためにエッチング工程に費やす時間を増やすなどした場合、メモリゲート電極MGEが過剰に除去されて後退し、活性領域のメモリゲート電極MGEが一部除去される場合がある。この場合、メモリセルとして用いることができる領域が小さくなるため、不揮発性記憶素子としての所望の性能を得ることができず、半導体装置の信頼性が低下する問題が生じる。
図2に示すような活性領域では、選択ゲート電極CG1の上面はキャップ絶縁膜CA1により覆われるため、メモリゲート電極MG1の上面のシリサイド層S1がONO膜CSよりも高い位置に形成されたとしても、選択ゲート電極CG1にメモリゲート電極MG1が短絡することを防ぐことができる。しかし、選択ゲート電極CG1に給電を行うためには、いずれかの領域で選択ゲート電極CG1の上面をキャップ絶縁膜CA1から露出させる必要がある。この場合、図62および図63に示す上記比較例のように、第1方向における選択ゲート電極CGEの端部をキャップ絶縁膜CAEから露出させると、シャント部CSEとメモリゲート電極MGEとが隣接した際に、短絡が起きる問題が生じる。
なお、図1に示すように、第1方向において選択ゲート電極CG1を分離し、図62に示すように選択ゲート電極CGEの端部にシャント部CSEを設けているのは、複数のメモリセルを並べたレイアウトを極力小さくし、半導体素子を密に配置するためである。また、選択ゲート電極CG1を分断することによりその間の領域に形成するメモリゲート電極MG2の給電領域であるシャント部に広い面積を確保することができ、メモリゲート電極MG2にプラグPMを接続する際の位置ずれに対するマージンを拡大し、さらに位置ずれによりプラグPMとメモリゲート電極MG2との接触面積が減ることに起因する抵抗値の増加を防ぐ効果を得ることができる。
例えば、ここでは第2方向に延在するプラグPMを二つメモリゲート電極MG2に接続する領域を確保することができる。これに対し、選択ゲート電極CG1を分断せず第1方向に延在させる場合には、レイアウトを最小にするため、図1に示す構造に比べてメモリゲート電極のシャント部の面積を小さくすることとなる。この場合、給電領域A1において第1方向に延在するプラグPMをメモリゲート電極MG2に接続できる箇所は一箇所しか確保できないことが考えられる。
また図62に示すように、比較例では、平面視におけるプラグPCEの形状を正方形、または円形状とし、プラグPCEの第1方向および第2方向の幅を揃えている。つまり、平面視におけるプラグPCEの形状は、例えば長方形または楕円などのように、1方向に延在する形状ではない。
上記のように、キャップ絶縁膜CAEから選択ゲート電極CGEの上面が露出しているシャント部CSEとメモリゲート電極MGEとが隣接することに起因して、選択ゲート電極CGEおよびメモリゲート電極MGE間が短絡すれば、これらの電極を含むメモリセルが正常に動作しなくなるため、半導体装置の信頼性が低下する。
これに対し、本実施の形態の半導体装置であるスプリットゲート構造のMONOSメモリでは、図1に示すように、キャップ絶縁膜CA1を選択ゲート電極CG1の端部までさらに延ばすことで、平面視において、選択ゲート電極CG1の第1側壁側のシャント部CS1と、選択ゲート電極CG1の第2側壁側のメモリゲート電極MG1との間にキャップ絶縁膜CA1を介在させている。
つまり、選択ゲート電極CG1がキャップ絶縁膜CA1に覆われた領域と、キャップ絶縁膜CA1から選択ゲート電極CG1の上面が露出している領域、つまりシャント部CS1との境界よりも、第2側壁側、つまりキャップ絶縁膜CA1側においてメモリゲート電極MG1を終端させることにより、メモリゲート電極MG1とシャント部CS1とが隣接することを防いでいる。すなわち、第1方向においてメモリゲート電極MG1は、上記境界よりも活性領域側、つまりソース領域側で終端している。
また、言い換えれば、第1方向に延在するメモリゲート電極MG1は、平面視においてキャップ絶縁膜CA1と隣接する箇所で終端している。つまり、メモリゲート電極MG1は、上記境界よりもシャント部CS1側には回りこんでいない。
また、言い換えれば、メモリゲート電極MG1は、選択ゲート電極CG1およびキャップ絶縁膜CA1を含む積層膜の側壁のみに隣接し、当該側壁に隣接する領域で終端している。
ここで、本実施の形態では、キャップ絶縁膜CA1の第1方向における端部を上記比較例よりも延ばし、第2方向においてシャント部CS1とキャップ絶縁膜CS1とを並べて配置している。また、キャップ絶縁膜CA1の第1方向における端部を延伸させることにより、選択ゲート電極CG1の第1方向の最端部の直上にまで到達させている。つまり、第1方向において、キャップ絶縁膜CA1は、選択ゲート電極CG1の端部の辺であって、第2方向に沿う辺の直上に達する箇所まで延在している。このようにキャップ絶縁膜CA1を延ばすことで、選択ゲート電極CG1の第2側壁に隣接するメモリゲート電極MG1を、より確実にシャント部CS1に対して絶縁させることができる。
上記のように、シャント部CS1においてキャップ絶縁膜CA1から露出する選択ゲート電極CG1と、選択ゲート電極CG1に隣接するメモリゲート電極MG1との間に、平面視においてキャップ絶縁膜CA1を介在させるパターンを形成することにより、選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1間が短絡することを防ぐことができる。これにより、半導体装置の信頼性を高めることが可能である。
ここで、上記比較例に比べて、第2方向におけるシャント部CS1の幅は狭くなるため、図62に示すように断面積が小さいプラグPCEを図1に示すシャント部CS1に接続させようとした際に、プラグPCEの形成位置にずれが生じると、プラグPCEをシャント部CS1に接続できない場合がある。また、シャント部CS1とプラグPCEとの間で位置合わせにずれが生じると、シャント部CSEに対するプラグPCEの接触面積が縮小し、接触抵抗が増大する虞がある。そこで、本実施の形態では、図1に示すように、プラグPCを第2方向に延びる長方形または楕円状の形状としている。
したがって、キャップ絶縁膜CA1を延ばすことにより第2方向におけるシャント部CS1の幅が狭くなったとしても、シャント部CS1よプラグPC間の所望の接触面積を確保することができ、確実にプラグPCを選択ゲート電極CG1の上面に接続することがでる。このように、パターンおよびプラグの形成工程における合わせずれに対するマージンを拡げることができるため、半導体装置の製造が容易になり、また、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、プラグPCの第2方向の長さを延ばすことで、シャント部CS1における選択ゲート電極CG1の第2方向におけるパターンの幅を延ばさずに済むため、第2方向において選択ゲート電極CG1のレイアウトが大きくなることを防ぐことができる。これにより、半導体装置の微細化を容易にすることができる。
また、図1に示すように、本実施の形態では第2方向においてシャント部CS1に隣接する領域にまでキャップ絶縁膜CA1を延ばしている。平面視においてシャント部CS1にメモリゲート電極MG1が隣接しないようにするために、キャップ絶縁膜CA1に隣接する領域でメモリゲート電極MG1を終端させる構造としては、次のような構造も考えられる。つまり、図62に示す比較例のキャップ絶縁膜CAEと同様に、キャップ絶縁膜CA1を第1方向において選択ゲート電極CG1よりも短く形成し、さらにメモリゲート電極MG1を同方向においてキャップ絶縁膜CA1よりも短く形成することが考えられる。
この場合、メモリゲート電極MG1を終端させる位置が、必ずシャント部CS1よりも活性領域B1側となる。したがって、メモリゲート電極MG1を一部除去する際のエッチング量のばらつきにより活性領域のメモリゲート電極MG1が除去されないように、ある程度シャント部CS1と活性領域B1との間に距離を設けなければならない。したがって、第1方向におけるMONOSメモリのゲート電極のパターンが長くなり、半導体基板上においてMONOSメモリが占める面積が大きくなってしまい、半導体装置の微細化が困難となる問題が生じる。
これに対し本実施の形態では、第2方向においてシャント部CS1に隣接する領域にまでキャップ絶縁膜CA1を延ばすことで、メモリゲート電極MG1をシャント部CS1により近い箇所で終端させることが可能である。したがって、シャント部CS1と活性領域B1との間に距離を設けてマージンを確保しなくても、不活性領域である給電領域A1内でメモリゲート電極MG1をキャップ絶縁膜CA1に隣接する位置で終端させることができる。これにより、半導体装置の面積が増大することを防ぎ、かつ、活性領域B1のメモリゲート電極MG1が除去されることで半導体装置の信頼性が低下することを防ぐことを容易に実現することができる。
次に、本実施の形態による不揮発性メモリセルを有する半導体装置の製造方法を図6〜図32を用いて工程順に説明する。図7〜図9、図11、図14、図16、図19〜図30および図32は半導体装置の製造工程中におけるメモリ領域C1、容量素子領域E1、給電領域F1、低圧系nMIS領域G1、低圧系pMIS領域H1、高圧系nMIS領域I1および高圧系pMIS領域J1の要部断面図である。メモリ領域C1は図2に対応する位置の断面図であり、給電領域F1は図5の選択ゲート電極CG1のシャント部CS1に対応する位置の断面図である。低圧系nMIS領域G1、低圧系pMIS領域H1、高圧系nMIS領域I1および高圧系pMIS領域J1は、それぞれ周辺回路領域の一部の領域である。
また、図6、図10、図12、図13、図15、図17、図18および図31は、製造工程中の本実施の形態の半導体装置の要部平面図である。なお、図6以降の平面図では、選択ゲート電極上に形成されたキャップ絶縁膜などの絶縁膜を、ハッチングを付して示している。
まず、図6および図7に示すように、半導体ウエハと称する平面略円形状の半導体の薄板である半導体基板SBの主面に、例えば溝型の素子分離領域STIおよびこれに取り囲まれるように配置された活性領域B1などを形成する。すなわち半導体基板SBの所定の箇所に分離溝を形成した後、半導体基板SBの主面上に、例えば酸化シリコンなどの絶縁膜を堆積し、さらにその絶縁膜が分離溝内のみに残されるように、絶縁膜をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法などによって研磨することで、分離溝内に絶縁膜を埋め込む。このようにして素子分離領域STIを形成する。この素子分離領域STIは、給電領域および容量素子領域の半導体基板SBにも形成される。
図6に示すように、給電領域A1の半導体基板(図示しない)の上面は素子分離領域STIにより覆われており、その他の領域は活性領域B1となっている。
次に、図8に示すように、周辺回路領域の半導体基板SBにn型不純物を選択的にイオン注入することにより、埋め込みnウエルNISOを形成する。続いてメモリ領域C1および高圧系nMIS領域I1の半導体基板SBにp型不純物を選択的にイオン注入することによりpウエルHPWを形成し、高圧系pMIS領域J1の半導体基板SBにn型不純物を選択的にイオン注入することによりnウエルHNWを形成する。同様に、低圧系nMIS領域G1の半導体基板SBにp型不純物を選択的にイオン注入することによりpウエルPWを形成し、低圧系pMIS領域H1の半導体基板SBにn型不純物を選択的にイオン注入することによりnウエルNWを形成する。
次に、メモリ領域の半導体基板SBにp型不純物、例えばB(ボロン)を選択的にイオン注入する。これによりメモリ領域の半導体基板SBに、選択用nMISQC1、QC2(図2参照)のチャネル形成用のp型の半導体領域P1を形成する。同様に、周辺回路領域の低圧系nMIS領域G1、低圧系pMIS領域H1、高圧系nMIS領域I1および高圧系pMIS領域J1のそれぞれの半導体基板SBに所定の不純物をイオン注入する。これにより、周辺回路領域の低圧系nMIS領域G1、低圧系pMIS領域H1、高圧系nMIS領域I1および高圧系pMIS領域J1のそれぞれの半導体基板SBにチャネル形成用の半導体領域DCを形成する。
次に、半導体基板SBに対して酸化処理を施すことにより、半導体基板SBの主面に、例えば酸化シリコンからなる厚さ20nm程度のゲート絶縁膜GFAを形成する。続いてメモリ領域C1、低圧系nMIS領域G1および低圧系pMIS領域H1のゲート絶縁膜GFAを除去した後、半導体基板SBに対して酸化処理を施す。これにより、メモリ領域C1の半導体基板SBの主面に、例えば酸化シリコンからなる厚さ1〜5nm程度のゲート絶縁膜GFを形成し、同時に、低圧系nMIS領域G1および低圧系pMIS領域H1の半導体基板SBの主面に、例えば酸化シリコンからなる厚さ1〜5nm程度のゲート絶縁膜GFを形成する。
次に、図9に示すように、半導体基板SBの主面上に、例えば非晶質シリコンからなる導電膜PS1をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により堆積した後、メモリ領域C1、容量素子領域E1および給電領域F1の導電膜PS1にn型不純物をイオン注入法などによって導入することにより、n型の導電膜PS2を形成する。導電膜PS2の厚さは、例えば140nm程度である。
続いて、導電膜PS1上および導電膜PS2上に絶縁膜(図示しない)および絶縁膜CAPをCVD法により堆積する。導電膜PS1および導電膜PS2と絶縁膜CAPとの間に形成する当該絶縁膜(図示しない)は例えば酸化シリコン膜からなり、図2に示す絶縁膜OXとなる膜である。絶縁膜CAPは、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、窒素を含んだ酸化シリコン、炭化シリコンであり、その厚さは、例えば50nmである。
次に、図10および図11に示すように、メモリ領域C1、容量素子領域E1、給電領域D1および給電領域F1の絶縁膜CAPおよび導電膜PS2をリソグラフィ技術およびドライエッチング技術により順次パターニングする。これにより、図11に示すように、メモリ領域C1、給電領域D1および給電領域F1に、導電膜PS2からなる選択用nMISQC1、QC2(図2参照)の選択ゲート電極CG1、CG2をそれぞれ形成する。なお、給電領域F1には、選択ゲート電極CG2は示していない。メモリ領域C1の選択ゲート電極CG1、CG2のゲート長は、例えば100nm程度である。同時に、容量素子領域E1に導電膜PS2からなる下部電極PS3を形成する。
図10に示すように、半導体基板(図示しない)上には、選択ゲート電極CG1および選択ゲート電極CG1の上面を覆う絶縁膜CAPとを含む積層膜と、選択ゲート電極CG2および選択ゲート電極CG2の上面を覆う絶縁膜CAPとを含む積層膜と、選択ゲート電極FCおよび選択ゲート電極FCの上面を覆う絶縁膜CAPとが形成される。選択ゲート電極CG1、CG2およびFCのそれぞれの上面はいずれも全て絶縁膜CAPに覆われているため、図10では、選択ゲート電極CG1、CG2およびFCを示さず、その上の絶縁膜CAPの形状を示している。選択ゲート電極CG1、CG2およびFCと、それらの直上の絶縁膜CAPとは平面視において同一のパターンを有している。
選択ゲート電極CG1、CG2は第1方向に延在するパターンを有している。選択ゲート電極CG1、CG2は第2方向に交互に複数配置されており、選択ゲート電極CG1は、第1方向に複数並んで配置されている。つまり、選択ゲート電極CG1は素子分離領域STI上で途切れている。第1方向に延在する選択ゲート電極CG1は、第1方向に延在する第1側壁と、その反対側の第2側壁とを有し、第1方向に延在する選択ゲート電極CG2は、第1方向に延在する第3側壁と、その反対側の第4側壁とを有している。
選択ゲート電極CG1の第1側壁側に配置された選択ゲート電極CG2の第3側壁と当該選択ゲート電極CG1の第1側壁とは対向している。また、当該選択ゲート電極CG1の第2側壁側に配置された選択ゲート電極CG2の第4側壁と当該選択ゲート電極CG1の第2側壁とは対向している。
ここでは、選択ゲート電極CG2の第4側壁側に隣接する領域に、選択ゲート電極CG1、CG2と同層の導体膜からなる選択ゲート電極FCを形成する。選択ゲート電極FCは選択ゲート電極CG1、CG2と接続されておらず、選択ゲート電極CG1、CG2に対して電気的に絶縁されている。
次に、図12に示すように、メモリ領域C1(図11参照)の活性領域B1を覆い、またメモリ領域の給電領域A1の一部を覆うレジストパターンRP1を形成する。レジストパターンRP1は、給電領域A1において選択ゲート電極CG1、CG2のそれぞれの上の絶縁膜CAPの一部をエッチングにより除去するために設けるマスクパターンである。図では、レジストパターンPR1に覆われた領域のパターンの輪郭を破線で示している。レジストパターンRP1は、第1方向における選択ゲート電極CG1の端部の上の絶縁膜CAPと、選択ゲート電極CG2の第3側壁側に突出したパターンの上の絶縁膜CAPとを露出している。このとき、レジストパターンRP1は、選択ゲート電極CG1の端部において、第2側壁側に隣接する領域を覆い、反対側の第1側壁側の領域を露出している。
次に、図13および図14に示すように、給電領域F1のシャント領域の一部、容量素子領域E1および周辺回路領域の絶縁膜CAPを、レジストパターンRP1(図12参照)をマスクとして用いたエッチングにより除去する。その後、レジストパターンRP1(図12参照)を除去する。図13では、給電領域F1(図14参照)の選択ゲート電極CG1、CG2およびFC上に残されたキャップ絶縁膜CA1、CA2およびCAFをそれぞれハッチングを付して示している。ここで、周辺回路領域では、後の工程で形成される低圧系nMIS、低圧系pMIS、高圧系nMISおよび高圧系pMISのそれぞれのゲート電極上にシリサイド層を形成する必要がある。したがって、この工程で周辺回路領域の絶縁膜CAPを除去しておく必要がある。
また、図14に示す容量素子領域E1では、絶縁膜CAPを残しておくと、下部電極PS3と後の工程で形成される上部電極との間の誘電膜が厚くなりすぎて、容量値が減少してしまう。したがって、この工程で容量素子領域E1の絶縁膜CAPを除去しておく必要がある。一方、給電領域D1では、絶縁膜CAPを残す。これは、絶縁膜CAPを除去してしまうと、後の工程で選択ゲート電極FC上にシリサイド層が形成されためである。給電領域D1は、後の工程で形成するメモリゲート電極MG2への給電部を形成する領域であるため、選択ゲートFC上のシリサイド層は不要となる。よって、不要なシリサイド層の形成を防ぐために、絶縁膜CAPを残した方が好ましい。また、この工程により、選択ゲート電極CG1上および選択ゲート電極CG2上にキャップ絶縁膜CA1およびCG2が形成される。
なお、図14において給電領域F1には、選択ゲート電極CG1上のキャップ絶縁膜CA1のみ示している。給電領域F1において、キャップ絶縁膜CA1は選択ゲート電極CG1の第1側壁の反対側の第2側壁側の上面のみを覆っており、選択ゲート電極CG1の第1側壁側の上面はキャップ絶縁膜CA1から露出している。また、この工程では、図11に示す絶縁膜CAPと、その下の選択ゲート電極CG1、CG2、下部電極PS3および導電膜PS1との間に形成した絶縁膜(図示しない)も一部除去する。これにより、選択ゲート電極CG1、CG2のそれぞれの上面の一部と、下部電極PS3および導電膜PS1のそれぞれの上面とを露出させる。
次に、キャップ絶縁膜CA1、CA2、選択ゲート電極CG1、CG2、およびレジストパターンRP1(図12参照)をマスクとして、メモリ領域C1の半導体基板SBの主面にn型不純物、例えばAs(ヒ素)またはP(リン)をイオン注入することにより、メモリ用nMISQM1(図2参照)のチャネル形成用のn型の半導体領域HLを形成する。
図13に示すように、選択ゲート電極CG1の第1方向における端部は給電領域A1にあり、選択ゲート電極CG2は給電領域A1を横切るように配置されている。選択ゲート電極CG1の第1方向における端部には、コンタクトプラグを接続するための幅が広い領域であって、キャップ絶縁膜CA1から露出する領域、つまりシャント部CS1が形成される。
これは、図12を用いて説明したように、レジストパターンRP1が、選択ゲート電極CG1の端部において、第2側壁側に隣接する領域を覆い、反対側の第1側壁側の領域を露出している状態でエッチングを行うことで、第2側壁に沿う領域のキャップ絶縁膜CA1が除去されずに残ったためである。なお、シャント部CS1は第1側壁から第2方向において第2側壁側とは反対の方向に突出するように形成されている。
図14に示す給電領域F1には、シャント部CS1および一部のキャップ絶縁膜CA1を含む領域を第2方向に沿って切断した断面を示している。図14を用いて説明した工程により、選択ゲート電極CG1上には、シャント部CS1を露出するキャップ絶縁膜CA1が形成される。
図13に示すように、キャップ絶縁膜CA1の一部は、シャント部CS1に対して第2側壁側に位置する選択ゲート電極CG1の上面を覆っている。つまり、第1方向における選択ゲート電極CG1の端部の上面であって、第2側壁に隣接する領域は、第1方向に延在して連続的に形成されたキャップ絶縁膜CA1により覆われている。
また、選択ゲート電極CG2は、第1方向において分断されておらず、選択ゲート電極CG2上のキャップ絶縁膜CA2は、選択ゲート電極CG2の上面に沿って第1方向に延在している。給電領域A1では、選択ゲート電極CG2の一部が、選択ゲート電極CG2の側壁であって、第1方向に延在する第3側壁および第4側壁のうち、第3側壁から第2方向に突出している部分、つまりシャント部CS2を構成している。シャント部CS2の上面はキャップ絶縁膜CA2から露出している。
次に、図15および図16に示すように、半導体基板SBの主面上に、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜XB、窒化シリコンからなる電荷蓄積層CSLおよび酸化シリコンからなる絶縁膜XTを順次形成する。絶縁膜XBは、例えば熱酸化法またはISSG酸化法により形成され、その厚さは、例えば1〜10nm程度、電荷蓄積層CSLはCVD法により形成され、その厚さは、例えば5〜20nm程度、絶縁膜XTは、例えばCVD法またはISSG酸化法により形成され、その厚さは、例えば4〜15nm程度を例示することができる。また、絶縁膜XB、XTは窒素を含んだ酸化シリコンで形成してもよい。絶縁膜XB、電荷蓄積層CSLおよび絶縁膜XTはONO膜CSを構成する。
次に、図16に示す半導体基板SBの主面上に低抵抗多結晶シリコンからなるメモリゲート形成用の導電膜を堆積する。この導電膜はCVD法により形成され、その厚さは、例えば50〜100nm程度である。続いて、リソグラフィ技術およびドライエッチング技術により、この導電膜を異方性のドライエッチング法でエッチバックする。
これにより、メモリ領域C1、給電領域D1および給電領域F1では、キャップ絶縁膜CA1および選択ゲート電極CG1を含む積層膜と、キャップ絶縁膜CA2および選択ゲート電極CG2を含む積層膜と、キャップ絶縁膜CAFおよび選択ゲート電極FCを含む積層膜とのそれぞれの両側面にONO膜CSを介して、当該導電膜からなるサイドウォールS2を形成する。同時に、容量素子領域E1では、レジストパターンRP2をマスクとして下部電極PS3を覆うように上部電極PS4を形成する。なお、図16の給電領域D1には、キャップ絶縁膜CAFおよび選択ゲート電極FCを含む積層膜からなるパターンの一方の側壁のみを示しており、もう一方の側壁および当該側壁に隣接するONO膜CSおよびサイドウォールS2は図示していない。
また、図示はしていないが、選択ゲート電極CG1のシャント部CS1の直上の領域であってキャップ絶縁膜CA1の側壁に隣接する領域、および、選択ゲート電極CG2のシャント部CS2の直上の領域であってキャンプ絶縁膜CA2の側壁に隣接する領域にも、ONO膜CSおよびサイドウォールS2が形成されている。
このとき、給電領域F1の選択ゲート電極CG1の第2側壁を含む側壁であって、選択ゲート電極CG1および選択ゲート電極CG1上のキャップ絶縁膜CA1を有する積層膜の側壁に隣接して形成されるサイドウォールS2は、選択ゲート電極CG1の第1側壁に隣接して形成されるサイドウォールS2よりも上面の高さが高い。また、選択ゲート電極CG1上のキャップ絶縁膜CA1の側壁に隣接して、選択ゲート電極CG1の上面の直上にもサイドウォールS2が形成される。
図15に示すように、この工程では、選択ゲート電極CG1、CG2およびFCとキャップ絶縁膜CA1、CA2およびCAFを含むパターンの側壁にONO膜CSおよびサイドウォールS2を形成している。これにより、選択ゲート電極CG1、CG2およびFCとキャップ絶縁膜CA1、CA2およびCAFを含むパターンの周囲は、平面視においてONO膜CSを介してサイドウォールS2により囲まれる。
なお、図15ではシャント部CS1の第1側壁に隣接して形成されたサイドウォールS2と、当該第1側壁に対向する選択ゲート電極CG2の第3側壁に隣接して形成されたサイドウォールS2が一体となっている構造を示している。これに対し、図16の給電領域F1にはシャント部CS1を含む選択ゲート電極CG1を主に示しており、隣り合う選択ゲート電極CG2の図示は省略しているため、シャント部CS1の第1側壁に形成されたサイドウォールS2は、対向する側壁に形成されたサイドウォールS2と接していないものとして図示をしている。
次に、図17に示すように、給電領域A1および活性領域B1において、選択ゲート電極CG1、CG2の一部および選択ゲート電極FCを覆い、サイドウォールS2の一部を覆うレジストパターンRP3を形成する。レジストパターンRP3は、選択ゲート電極CG1の第1側壁に隣接する領域を露出しており、選択ゲート電極CG1の第2側壁に隣接する領域を覆っている。同様に、レジストパターンRP3は、選択ゲート電極CG2の第3側壁に隣接する領域を露出しており、選択ゲート電極CG2の第4側壁に隣接する領域を覆っている。
これにより、第1側壁および第3側壁に沿うサイドウォールS2はレジストパターンRP3から露出し、第2側壁、第4側壁および選択ゲート電極FCの側壁に沿うサイドウォールS2はレジストパターンRP3に覆われる、レジストパターンRP3は、この後の工程で、サイドウォールS2の一部を等方性エッチングにより除去するために設けるマスクパターンである。図では、レジストパターンPR3に覆われた領域のパターンの輪郭を破線で示している。
このとき、シャント部CS1に隣接するサイドウォールS2は、レジストパターンRP3から完全に露出させることが望ましい。これは、図18および図19を用いて説明する後の工程でサイドウォールS2の一部をエッチングにより除去する際、シャント部CS1に隣接するサイドウォールS2が残ることを防ぐためである。なお、当該エッチング工程は等方性エッチングを用いるため、エッチング時間の長さによっては、シャント部CS1の一部がレジストパターンRP3に覆われていても、シャント部CS1に隣接するサイドウォールS2を全て除去することが可能である。
なお、シャント部CS1の近傍のサイドウォールS2であっても、平面視においてシャント部CS1に対しキャップ絶縁膜CA1を介して形成されたサイドウォールS2は、レジストパターンRP3に覆われていなくてもよく、この後のエッチング工程において除去されず残ってもよい。
次に、図18および図19に示すように、レジストパターンRP3(図17参照)をマスクとして、当該マスクから露出するサイドウォールS2を、ウェットエッチングなどの等方性エッチングにより除去する。その後、レジストパターンRP3を除去する。これにより、図19に示すメモリ領域C1および給電領域F1では、キャップ絶縁膜CA1および選択用nMISQC1(図2参照)の選択ゲート電極CG1からなる積層膜の片側面、つまり第2側壁のみにメモリ用nMISQM1(図2参照)のメモリゲート電極MG1を形成する。
同様に、メモリ領域C1では、キャップ絶縁膜CA2および選択用nMISQC2の選択ゲート電極CG2からなる積層膜の片側面、つまり第4側壁のみにメモリ用nMISQM2のメモリゲート電極MG2を形成する。つまり、メモリゲート電極MG1、MG2はサイドウォールS2からなる。メモリゲート電極MG1、MG2のゲート長は、それぞれ例えば65nm程度である。
このとき、給電領域F1では、選択ゲート電極CG1の第1側壁のサイドウォールS2を除去すると共に、選択ゲート電極CG1の直上に形成され、キャップ絶縁膜CA1の側壁に隣接して形成されたサイドウォールS2を除去する。
また、給電領域D1では、メモリゲート電極MG2がキャップ絶縁膜CAFおよび選択ゲート電極FCからなる積層膜を囲むように残される。なお、図19の給電領域D1には、キャップ絶縁膜CAFおよび選択ゲート電極FCを含む積層膜からなるパターンの、第1方向における一方の側壁のみを示しており、もう一方の側壁および当該側壁に隣接するONO膜CSおよびメモリゲート電極MG2は図示していない。
次に、メモリ領域C1では、キャップ絶縁膜CA1および選択ゲート電極CG1からなる積層膜とメモリゲート電極MG1との間、および半導体基板SBとメモリゲート電極MG1との間の領域以外のONO膜CSを、選択的にエッチングして除去する。また、メモリ領域C1では、キャップ絶縁膜CA2および選択ゲート電極CG2からなる積層膜とメモリゲート電極MG2との間、および半導体基板SBとメモリゲート電極MG2との間の領域以外のONO膜CSを、選択的にエッチングして除去する。
同様に、容量素子領域E1では、下部電極PS3と上部電極PS4との間のONO膜CSを残して、給電領域F1では、選択ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1との間、および素子分離領域STIとメモリゲート電極MG1との間のONO膜CSを残して、その他の領域のONO膜CSを選択的にエッチングして除去する。
メモリ領域C1では、キャップ絶縁膜CA1および選択ゲート電極CG1からなる積層膜の両側面にONO膜CSを介してサイドウォール状のメモリゲート電極MG1が形成される。このため、メモリゲート電極MG1の半導体基板SBの主面からの高さは、選択ゲート電極CG1の半導体基板SBの主面からの高さよりも高く、かつキャップ絶縁膜CA1の高さと同じか、またはそれより低く形成される。これは、給電領域F1でも同様である。また同様に、メモリゲート電極MG2の半導体基板SBの主面からの高さは、選択ゲート電極CG2の半導体基板SBの主面からの高さよりも高く、かつキャップ絶縁膜CA2の高さと同じか、またはそれより低く形成される。
また、ONO膜CSは、キャップ絶縁膜CA1および選択ゲート電極CG1からなる積層膜とメモリゲート電極MG1との間に形成されるため、ONO膜CSの高さは、選択ゲート電極CG1の半導体基板SBの主面からの高さよりも高く形成される。これは、選択ゲート電極CG2の側壁に形成されたONO膜CSも同様である。
容量素子領域E1では、ONO膜CSを容量絶縁膜、つまり誘電体膜として、選択用nMISQC1、QC2(図2参照)の選択ゲート電極CG1、CG2と同一層の導電膜からなる下部電極PS3と、メモリ用nMISQM1、QM2(図2参照)のメモリゲート電極MG1、MG2と同一層の導電膜からなる上部電極PS4とからなる容量素子が形成される。容量素子は、例えば入力電圧よりも高い電圧を出力する電源回路に使用されるチャージポンプ回路を構成する。チャージポンプ回路は、複数の容量素子の接続状態をスイッチなどを用いて切り替えることによって電圧を上昇させることができる。
また、容量素子は、半導体基板SBに形成された素子分離領域STI上に形成されており、基板部分と下部電極PS3とからなる寄生容量は無視できる程小さいことから、安定して上記の動作を行うことができる。さらに、後の工程で形成される上部電極PS4に達するコンタクトホールの位置および下部電極PS3に達するコンタクトホールの位置が、フォトマスクずれなどによりずれたとしても、素子分離領域STI上にずれるので、コンタクトホールを介して配線と半導体基板SBとが短絡することもない。
上記したサイドウォールS2のエッチング工程では、図18に示すように、メモリゲート電極MG1を選択ゲート電極CG1の第2側壁側にのみ形成し、第1側壁側のサイドウォールS2は除去する。同様に、メモリゲート電極MG2を選択ゲート電極CG2の第4側壁側にのみ形成し、第3側壁側のサイドウォールS2は除去する。
ここでは、図17においてレジストパターンRP3から露出しているサイドウォールS2は除去される。また、エッチングは等方性エッチングであるため、レジストパターンRP3に覆われている領域のサイドウォールS2であっても、レジストパターンRP3から露出している領域側から掘り進むようにエッチングし、除去することができる。つまり、エッチングの等方性を利用したサイドエッチによりサイドウォールS2を一部除去する。
図18に示すように、選択ゲート電極CG1がキャップ絶縁膜CA1に覆われた領域と、キャップ絶縁膜CA1から選択ゲート電極CG1の上面が露出している領域、つまりシャント部CS1との境界よりも、第2側壁側においてメモリゲート電極MG1を終端させる。これにより、メモリゲート電極MG1と、当該メモリゲート電極MG1に隣接する選択ゲート電極CG1のシャント部CS1との間には、キャップ絶縁膜CA1が形成された構造となる。また、選択ゲート電極CG2の第3側壁側のサイドウォールS2を除去することで、選択ゲート電極CG2に隣接するメモリゲート電極MG2と、当該選択ゲート電極CG2のシャント部CS2との間には、キャップ絶縁膜CA2が形成された構造となる。
また、選択ゲート電極FCは、平面視において、ONO膜CSおよびメモリゲート電極MG2により囲まれている。選択ゲート電極FCに隣接する領域のメモリゲート電極MG2は、メモリゲート電極MG2の給電部として用いられる。
なお、上記のようにメモリゲート電極MG1を一部除去する際には、選択ゲート電極CG1の第1側壁側を露出し、第2側壁側を覆うレジストパターンを用いて等方性エッチングを行う。したがって当該エッチング工程では、メモリゲート電極MG1は上記第1側壁側から、第1方向における選択ゲート電極CG1の端部の周囲を回りこむように第2側壁側へと除去される。
次に、図20に示すように、周辺回路領域の低圧系nMIS領域G1および高圧系nMIS領域I1の導電膜PS1にn型不純物をイオン注入法などによって導入することにより、n型の導電膜PS5を形成する。また、周辺回路領域の低圧系pMIS領域H1および高圧系pMIS領域J1の導電膜PS1にp型不純物をイオン注入法などによって導入することにより、p型の導電膜PS6を形成する。
次に、図21に示すように、周辺回路領域の導電膜PS5、PS6をリソグラフィ技術およびドライエッチング技術によりパターニングすることにより、導電膜PS5からなる低圧系nMISのゲート電極GE1、導電膜PS6からなる低圧系pMISのゲート電極GE2、導電膜PS5からなる高圧系nMISのゲート電極GE3および導電膜PS6からなる高圧系pMISのゲート電極GE4を形成する。活性領域における低圧系nMISのゲート電極GE1および低圧系pMISのゲート電極GE2のゲート長は、例えば100nm程度であり、高圧系nMISのゲート電極GE3および高圧系pMISのゲート電極GE4のゲート長は、例えば400nm程度である。
次に、周辺回路領域の高圧系nMIS領域I1の半導体基板SBの主面に、レジストパターンをマスクとしてn型不純物、例えばAs(ヒ素)を半導体基板SBの主面にイオン注入することにより、周辺回路領域の高圧系nMIS領域I1の半導体基板SBの主面にn−型の半導体領域X3をゲート電極GE3に対して自己整合的に形成する。同様に、周辺回路領域の高圧系pMIS領域J1の半導体基板SBの主面に、レジストパターンをマスクとしてp型不純物、例えばフッ化ボロンを半導体基板SBの主面にイオン注入することにより、周辺回路領域の高圧系pMIS領域J1の半導体基板SBの主面にp−型の半導体領域X4をゲート電極GE4に対して自己整合的に形成する。
次に、図22に示すように、半導体基板SBの主面上に、例えば酸化シリコンからなる厚さ10nm程度の絶縁膜をCVD法により堆積した後、この絶縁膜を異方性のドライエッチング法でエッチバックする。これにより、メモリ領域C1および給電領域F1では、キャップ絶縁膜CA1および選択ゲート電極CG1からなる積層膜のメモリゲート電極MG1と反対側の側面ならびにメモリゲート電極MG1の側面にサイドウォールSWを形成する。同様に、メモリ領域C1では、キャップ絶縁膜CA2および選択ゲート電極CG2からなる積層膜のメモリゲート電極MG2と反対側の側面ならびにメモリゲート電極MG2の側面にサイドウォールOSを形成する。
容量素子領域E1では、上部電極PS4の側面に、周辺回路領域では、低圧系nMISのゲート電極GE1、低圧系pMISのゲート電極GE2、高圧系nMISのゲート電極GE3および高圧系pMISのゲート電極GE4の両側面にそれぞれサイドウォールOSを形成する。サイドウォールOSのスペーサ長は、例えば6nm程度である。
このサイドウォールOSが形成されることによって、後述の周辺回路領域の低圧系nMIS領域G1にn−型の半導体領域を形成する工程および低圧系pMIS領域H1にp−型の半導体領域を形成する工程において、n−型の半導体領域およびp−型の半導体領域の実効チャネル長が大きくなり、低圧系nMISおよび低圧系pMISの短チャネル効果を抑制することができる。なお、図2ではこのサイドウォールOSの形状を示していない。
次に、その端部がメモリ領域C1の選択ゲート電極CG1の上面に位置し、メモリゲート電極MG1側の選択ゲート電極CG1の一部およびメモリゲート電極MG1を覆うレジストパターンRP4を形成する。また、レジストパターンRP4は、他の端部がメモリ領域C1の選択ゲート電極CG2の上面に位置しており、メモリゲート電極MG2側の選択ゲート電極CG2の一部を覆っている。つまり、レジストパターンRP4は、活性領域において、選択ゲート電極CG2の第1側壁と選択ゲート電極CG2の第3側壁との間の領域を開口し、他の領域を覆うパターンである。
その後、選択ゲート電極CG1、CG2およびレジストパターンRP4をマスクとしてn型不純物、例えばAs(ヒ素)を半導体基板SBの主面にイオン注入することにより、半導体基板SBの主面にn−型の半導体領域EXDを選択ゲート電極CGに対して自己整合的に形成する。
次に、図23に示すように、レジストパターンRP4を除去した後、その端部がメモリ領域C1の選択ゲート電極CG1の上面に位置してメモリゲート電極MG1と反対側の選択ゲート電極CG1の一部を覆うレジストパターンRP5を形成する。レジストパターンRP5は、その端部がメモリ領域C1の選択ゲート電極CG2の上面に位置しており、メモリゲート電極MG2と反対側の選択ゲート電極CG2の一部を覆っている。つまり、レジストパターンRP5は選択ゲート電極CG1の第2側壁側、および選択ゲート電極CG2の第4側壁側の活性領域を露出している。
その後、選択ゲート電極CG1、CG2、メモリゲート電極MG1、MG2およびレジストパターンRP5をマスクとしてn型不純物、例えばAs(ヒ素)を半導体基板SBの主面にイオン注入することにより、半導体基板SBの主面にn−型の半導体領域EXSをメモリゲート電極MG1、MG2に対して自己整合的に形成する。
ここでは、先にn−型の半導体領域EXDを形成し、その後n−型の半導体領域EXSを形成したが、先にn−型の半導体領域EXSを形成し、その後n−型の半導体領域EXDを形成してもよい。また、n−型の半導体領域EXDを形成するn型不純物のイオン注入に続いて、p型不純物、例えばB(ボロン)を半導体基板SBの主面にイオン注入し、n−型の半導体領域EXDの下部を囲むようにp型の半導体領域を形成してもよい。
次に、図24に示すように、周辺回路領域の低圧系nMIS領域G1の半導体基板SBの主面に、レジストパターンをマスクとしてn型不純物、例えばAs(ヒ素)を半導体基板SBの主面にイオン注入することにより、周辺回路領域の低圧系nMIS領域G1の半導体基板SBの主面にn−型の半導体領域X1をゲート電極GE1に対して自己整合的に形成する。同様に、周辺回路領域の低圧系pMIS領域H1の半導体基板SBの主面に、レジストパターンをマスクとしてp型不純物、例えばフッ化ボロンを半導体基板SBの主面にイオン注入することにより、周辺回路領域の低圧系pMIS領域H1の半導体基板SBの主面にp−型の半導体領域X2をゲート電極GE2に対して自己整合的に形成する。
次に、図25に示すように、半導体基板SBの主面上に、例えば酸化シリコン膜OB(図2参照)および窒化シリコン膜NT(図2参照)をCVD法により順次堆積し、これらを異方性のドライエッチング法でエッチバックする。これにより、メモリ領域C1および給電領域F1では、キャップ絶縁膜CA1および選択ゲート電極CG1からなる積層膜のメモリゲート電極MG1と反対側の側面ならびにメモリゲート電極MG1の側面に、酸化シリコン膜OBおよび窒化シリコン膜NTからなるサイドウォールSWを形成する。同様に、メモリ領域C1では、キャップ絶縁膜CA2および選択ゲート電極CG2からなる積層膜のメモリゲート電極MG2と反対側の側面ならびにメモリゲート電極MG2の側面に、酸化シリコン膜OBおよび窒化シリコン膜NTからなるサイドウォールSWを形成する。
同様に、容量素子領域E1では上部電極PS4の側面に、周辺回路領域では、ゲート電極GE1〜GE4の両側面にそれぞれサイドウォールSWを形成する。酸化シリコン膜OBの厚さは例えば20nm程度であり、窒化シリコン膜NTの厚さは例えば25nm程度である。なお、ここでは図を分かりやすくするため、酸化シリコン膜OBおよび窒化シリコン膜NTのそれぞれの形状を具体的に示さず、これらの膜の積層膜であるサイドウォールSWの形状を示している。
次に、図26に示すように、周辺回路領域の低圧系pMIS領域H1および高圧系pMIS領域J1の半導体基板SBの主面に、レジストパターンRP6をマスクとしてp型不純物、例えばB(ボロン)を半導体基板SBの主面にイオン注入することにより、低圧系pMISのゲート電極GE2および高圧系pMISのゲート電極GE4に対してp+型の半導体領域Y2を自己整合的に形成する。これにより、p−型の半導体領域X4とp+型の半導体領域Y2とからなる高圧系pMISのソース・ドレイン領域SDが形成され、p−型の半導体領域X2とp+型の半導体領域Y2とからなる低圧系pMISのソース・ドレイン領域SDが形成される。
この工程により、低圧系pMIS領域H1では、ゲート電極GE2およびソース・ドレイン領域SDを含む低圧系nMISが形成される。また、高圧系pMIS領域J1では、ゲート電極GE4およびソース・ドレイン領域SDを含む低圧系nMISが形成される。
次に、図27に示すように、メモリ領域C1、ならびに周辺回路領域の低圧系nMIS領域G1および高圧系nMIS領域I1の半導体基板SBの主面に、レジストパターンRP7をマスクとしてn型不純物、例えばAs(ヒ素)またはP(リン)を半導体基板SBの主面にイオン注入する。これにより、メモリ領域C1では、n+型の半導体領域DIを選択ゲート電極CG1、CG2、メモリゲート電極MG1およびMG2に対して自己整合的に形成し、周辺回路領域では、低圧系nMISのゲート電極GE1および高圧系nMISのゲート電極GE3に対してn+型の半導体領域Y1を自己整合的に形成する。
これにより、メモリ領域C1では、n−型の半導体領域EXDおよびn+型の半導体領域DIからなるドレイン領域DR、n−型の半導体領域EXSおよびn+型の半導体領域DIからなるソース領域SRが形成される。また、周辺回路領域では、n−型の半導体領域X3とn+型の半導体領域Y1とからなる高圧系nMISのソース・ドレイン領域SDが形成され、n−型の半導体領域X1とn+型の半導体領域Y1とからなる低圧系nMISのソース・ドレイン領域SDが形成される。
この工程により、メモリ領域C1では、選択ゲート電極CG1、ソース領域SRおよびドレイン領域DRからなる選択用nMISQC1と、選択ゲート電極CG2、ソース領域SRおよびドレイン領域DRからなる選択用nMISQC2とが形成される。また、メモリ領域C1では、メモリゲート電極MG1、ソース領域SRおよびドレイン領域DRからなるメモリ用nMISQM1と、メモリゲート電極MG2、ソース領域SRおよびドレイン領域DRからなるメモリ用nMISQM2とが形成される。選択用nMISQC1およびメモリ用nMISQM1はスプリットゲート構造のMONOSメモリのメモリセルMC1を構成し、選択用nMISQC2およびメモリ用nMISQM2はスプリットゲート構造のMONOSメモリのメモリセルMC2を構成する。
また、低圧系nMIS領域G1では、ゲート電極GE1およびソース・ドレイン領域SDを含む低圧系nMISが形成される。また、高圧系nMIS領域I1では、ゲート電極GE3およびソース・ドレイン領域SDを含む低圧系nMISが形成される。
次に、図28に示すように、メモリ領域C1では、メモリゲート電極MG1、MG2、n+型の半導体領域DIのそれぞれの上面にシリサイド層S1を形成する。また、給電領域F1では、メモリゲート電極MG1の上面および選択ゲート電極CG1の上面にシリサイド層S1を形成する。また、給電領域D1では、メモリゲート電極MG2の上面にシリサイド層S1を形成する。容量素子領域E1では、サイドウォールSWとは平面的に重ならない領域において、上部電極PS4の上面と、図示していない領域で上部電極PS4から露出する下部電極PS3の上面とに、シリサイド層S1を形成する。
周辺回路領域では、低圧系nMISのゲート電極GE1の上面およびn+型の半導体領域Y1の上面、低圧系pMISのゲート電極GE2の上面およびp+型の半導体領域Y2の上面、高圧系nMISのゲート電極GE3の上面およびn+型の半導体領域Y1の上面、ならびに高圧系pMISのゲート電極GE4の上面およびp+型の半導体領域Y2の上面にシリサイド層S1を形成する。シリサイド層S1は。サリサイド(Salicide:Self Align silicide)プロセスにより形成される。シリサイド層S1の材料としては、例えばニッケルシリサイドまたはコバルトシリサイドなどが使用される。
シリサイド層S1を形成することにより、シリサイド層S1と、その上部に形成されるプラグなどとの接触抵抗を低減することができる。また、メモリ領域C1では、メモリゲート電極MG1、MG2、ソース領域SRおよびドレイン領域DR自身の抵抗を低減することができる。さらに、周辺回路領域では、低圧系nMISのゲート電極GE1、低圧系pMISのゲート電極GE2、高圧系nMISのゲート電極GE3および高圧系pMISのゲート電極GE4自身の抵抗およびソース・ドレイン領域SD自身の抵抗を低減することができる。
次に、図29に示すように、半導体基板SBの主面上に、絶縁膜として窒化シリコン膜ESをCVD法により堆積する。この窒化シリコン膜ESは、後述のコンタクトホールを形成する際に、エッチングストッパとして機能する。
次に、図30に示すように、絶縁膜として酸化シリコン膜IFをCVD法により堆積して、窒化シリコン膜ESおよび酸化シリコン膜IFからなる層間絶縁膜ILを形成する。
次に、図31および図32に示すように、メモリ領域C1では、ドレイン領域DR上のシリサイド層S1に達するコンタクトホールCNTを層間絶縁膜ILに形成する。同時に、給電領域F1では、シャント部である選択ゲート電極CG1上のシリサイド層S1に達するコンタクトホールCCを形成する。また、図示していない領域において、選択ゲート電極CG2のシャント部において、選択ゲート電極CG2の上のシリサイド層S1に達するコンタクトホールを形成し、その内側にプラグを埋め込む。コンタクトホールCNT内、CC内には、プラグPLG、PCをそれぞれ埋込む。
また、給電領域D1において、メモリゲート電極MG2上のシリサイド層S1に達するコンタクトホールCMを層間絶縁膜ILに形成し、その内側にプラグPMを埋め込む。同様に、図示しない領域において、メモリゲート電極MG1上のシリサイド層S1に達するコンタクトホールを層間絶縁膜ILに形成し、その内側にプラグを埋め込む。
給電領域D1においては、メモリゲート電極MG2のシャント部に形成されたコンタクトホールCMは、メモリゲート電極MG2とコンタクトホールCMとの位置合わせマージンおよび寸法ばらつきマージンなどを考慮して、選択ゲート電極FC上に乗り上げた形状となっている。このとき、コンタクトホールCMを形成する工程において、キャップ絶縁膜CAFおよびその下の絶縁膜OX(図4参照)と、除去されるキャップ絶縁膜CAFおよびその下の絶縁膜OXの側壁に形成されていたONO膜CSとが除去される。このため、メモリゲート電極MG2に接続されるプラグPMは、選択ゲート電極FCに接続されるように形成される。したがって、選択ゲート電極FCの上面の一部はキャップ絶縁膜CAFおよび絶縁膜OXから露出し、プラグPMと接している。
また、除去されたキャップ絶縁膜CAFおよび絶縁膜OXの側壁に形成されていたONO膜CSも除去されているため、プラグPMがメモリゲート電極MG2上に形成されたシリサイド層S1の選択ゲート電極FC側の側面とも接触する。このため、プラグPMとシリサイド層S1との接触面積を増加させることができ、プラグPMとメモリゲート電極MG2との接触抵抗を低減させることが可能となる。プラグPMの下に位置する選択ゲート電極FCは選択ゲート電極CG2とは接続されず浮遊状態であるため、上述したように、メモリゲート電極MGに給電するプラグPMが選択ゲート電極FCと接触しても、選択ゲート電極CG2とメモリゲート電極MG2とが電気的にショートすることはない。
また、容量素子領域E1では、上部電極PS4と下部電極PS3とが平面的に重ならない部分において、上部電極PS4および下部電極PS3のそれぞれの上面のシリサイド層S1に達するコンタクトホールCBを形成した後、各コンタクトホールCB内にプラグPBを埋め込む。図32では、説明簡略化のため、上部電極PS4に達するコンタクトホールCBを例示している。
さらに、周辺回路領域では、低圧系nMIS、低圧系pMIS、高圧系nMISおよび高圧系pMISにおいて、それぞれのゲート電極GE1〜GE4上およびソース・ドレイン領域SD上のシリサイド層S1に達するコンタクトホールCAを形成し、それらのコンタクトホールCAのそれぞれの内側をプラグPAにより埋め込む。図32では、説明簡略化のため、低圧系nMISおよび低圧系pMISのソース・ドレイン領域SDに達するコンタクトホールCAおよびプラグPAを例示している。
プラグPLG、PC、PM、PA、PBは、例えばTi(チタン)とTiN(窒化チタン)との積層膜からなる相対的に薄いバリア膜、およびそのバリア膜に包まれるように形成されたW(タングステン)またはAl(アルミニウム)などからなる相対的に厚い導電膜を含む積層膜によって構成される。その後、層間絶縁膜IL上に、例えばCu(銅)またはAl(アルミニウム)を主成分とする第1層配線(図示は省略)を形成することによって、本実施の形態の半導体装置が完成する。これ以降は、通常の半導体装置の製造工程を経て、不揮発性メモリを有する半導体装置を製造する。
図31では、層間絶縁膜などの半導体素子上の絶縁膜およびサイドウォールの図示を省略している。図31に示すように、プラグPLGは、平面視における第1方向および第2方向の辺の長さが略同一である。これに対し、プラグPCは、第2方向に延在する長方形、または楕円形状を有している。また、プラグPMは、第1方向に延在する長方形、または楕円形状を有している。
図31に示すように、平面視において第2方向に延在する長方形の形状を有するプラグPCが、シャント部CS1、CS2に接続されている。また、平面視において第1方向に延在する長方形の形状を有するプラグPMが、メモリゲート電極MG2のシャント部に接続されている。メモリゲート電極MG2のシャント部とは、電気的に浮遊状態にある選択ゲート電極FCおよびその上のキャップ絶縁膜CAFを含む積層膜の側壁に隣接する領域のメモリゲート電極MG2である。
プラグPMは当該シャント部のメモリゲート電極MG2の延在方向に直交する方向に延在する長方形の形状を有し、メモリゲート電極MG2を跨ぐように形成されている。プラグPMは選択ゲート電極FCの上面を覆うキャップ絶縁膜CAFの上面にも接続されている。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法の効果について説明する。図62および図63を用いて説明した比較例のように、選択ゲート電極CGEの上面が露出している領域であるシャント部CSEと、選択ゲート電極CGEに隣接するメモリゲート電極MGEとが隣接し、シャント部CSEとメモリゲート電極MGEとの間に絶縁膜が形成されていない場合が考えられる。この場合、互いに近接する選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MGEは、それぞれの上面に形成されたシリサイド層S1(図63参照)を介して導通する虞がある。
そこで、本実施の形態では、図31に示すように、第2方向においてシャント部CS1に隣接する領域の選択ゲート電極CG1の直上までキャップ絶縁膜CA1を延ばすように形成し、シャント部CS1と、選択ゲート電極CG1の第2側壁側のメモリゲート電極MG1とを分離している。したがって、キャップ絶縁膜CA1を介してシャント部CS1と隣接するメモリゲート電極MG1の上面にシリサイド層S1(図32の給電領域F1参照)が形成されても、メモリゲート電極MG1およびその上のシリサイド層S1とシャント部CS1との間はキャップ絶縁膜CA1により絶縁されているため、短絡が起きることを防ぐことができる。
このように、メモリゲート電極MG1が隣接する領域であって、選択ゲート電極CG1の第2側壁に隣接する領域の選択ゲート電極CG1の上面をキャップ絶縁膜CA1により覆うことで、メモリゲート電極MG1はONO膜CSおよびキャップ絶縁膜CA1により選択ゲート電極CG1と絶縁される。メモリゲート電極MG1の上面のシリサイド層S1がONO膜CSを乗り越えるように膨らんで形成されたとしても、シリサイド層S1と選択ゲート電極CG1の第2側壁に隣接する領域の選択ゲート電極CG1の上面はキャップ絶縁膜CA1により覆われているため、メモリゲート電極MG1がシリサイド層S1を介して選択ゲート電極CG1に導通することを防ぐことができる。
したがって、選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1を含むMONOSメモリが上記導通によって正常に動作しなくなることを防ぎ、当該MONOSメモリを有する半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、図62および図63を用いて説明した比較例において起きる短絡の問題の原因の一つは、図18および図19を用いて説明したメモリゲート電極MG1のエッチング工程におけるエッチング量の不足によるものであった。これに対し本実施の形態では、第1方向におけるキャップ絶縁膜CA1の形成領域を延ばし、選択ゲート電極CG1の第2側壁に隣接する領域の選択ゲート電極CG1の上面を覆う領域を延ばしている。これにより、上記エッチング量の過少または過多に対するマージンを拡げることができる。
つまり、上記エッチング量が少なすぎることにより、図63を用いて説明したようにシャント部CSEとメモリゲート電極MGEとが隣接することを防ぐことができる。また、上記エッチング量が多すぎることにより、活性領域B1のメモリゲート電極MG1が除去され、MONOSメモリが所望の性能を発揮することができなくなることを防ぐことができる。したがって、メモリゲート電極MG1のエッチング量のマージンを拡大することで、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
次に、本実施の形態の変形例として、選択ゲート電極、キャップ絶縁膜またはメモリゲート電極のパターンを変更した構造を有する半導体装置を、図33〜図36を用いて説明する。図33〜図36は、図1に示すシャント部CS1近傍の選択ゲート電極CG1と、選択ゲート電極CG1上のキャップ絶縁膜CA1と、選択ゲート電極CG1に隣接するメモリゲート電極MG1と、これらの選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1間に介在するONO膜CSを含むメモリセルを示す要部平面図である。
まず、図33に示すように、メモリゲート電極MG1およびONO膜CSは、選択ゲート電極CG1の第1方向に延在する側壁のみならず、選択ゲート電極CG1の端部において、選択ゲート電極CG1の第2方向に延在する側壁に隣接する領域にまで回りこんで形成されていることが考えられる。図18および図19を用いて説明したメモリゲート電極MG1およびONO膜CSの除去工程においてエッチングが不十分な場合、このように、メモリゲート電極MG1が第1方向における選択ゲート電極CG1の端部を回りこむように形成される。
このような場合であっても、上面がキャップ絶縁膜CA1から露出している領域の選択ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1との間にキャップ絶縁膜CA1およびONO膜CSが介在しているため、メモリゲート電極MG1および選択ゲート電極CG1間に短絡が起きることを防ぐことができる。
また、図34に示すように、第1方向におけるシャント部CS1、選択ゲート電極CG1、キャップ絶縁膜CA1およびメモリゲート電極MG1の最端部が、第2方向において揃っている場合が考えられる。この場合も図33に示す変形例と同様に、上面がキャップ絶縁膜CA1から露出している領域の選択ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1との間にキャップ絶縁膜CA1およびONO膜CSが介在しているため、メモリゲート電極MG1および選択ゲート電極CG1間に短絡が起きることを防ぐことができる。
また、図35に示すように、第1方向におけるキャップ絶縁膜CA1の端部は、同方向における選択ゲート電極CG1の最端部に達していない場合が考えられる。このような場合であっても、シャント部CS1とメモリゲート電極MG1との間にキャップ絶縁膜CA1およびONO膜CSが介在しているため、メモリゲート電極MG1および選択ゲート電極CG1間に短絡が起きることを防ぐことができる。
また、図36に示すように、選択ゲート電極CG1およびその直上のキャップ絶縁膜CA1の積層膜からなるパターンが、シャント部CS1の近傍において一部第2側壁側に突出していることが考えられる。このように、第2側壁から第2方向に突出する領域を当該積層膜に形成するのは、図18および図19を用いて説明したメモリゲート電極MG1およびONO膜CSの除去工程におけるエッチング量の過少または過多に対するマージンを拡げるためである。
つまり、図36に示すように、選択ゲート電極CG1の側壁に凹凸を形成すれば、メモリゲート電極MG1が給電領域A1において接する選択ゲート電極CG1の側壁の長さを延ばすことができる。したがって、上記エッチング量が少なすぎることにより、図63を用いて説明したようにシャント部CSEとメモリゲート電極MGEとが隣接することを防ぐことができる。また、上記エッチング量が多すぎることにより、活性領域B1のメモリゲート電極MG1が除去され、MONOSメモリが所望の性能を発揮することができなくなることを防ぐことができる。
また、図36に示すようにキャップ絶縁膜CA1の側壁に凸部を形成すれば、第2方向におけるキャップ絶縁膜CA1の幅が一部大きくなるため、シャント部CS1を露出させる際に用いるレジストパターン(図12参照)を形成する位置がずれた場合に、メモリゲート電極MG1とシャント部CS1との間に残すキャップ絶縁膜CA1が全て除去されてしまうことを防ぐことができる。
上記のように、キャップ絶縁膜CA1を加工する際のエッチング、およびメモリゲート電極MG1のエッチングのマージンを拡大することで、半導体装置の信頼性を向上させることができる。このようなパターンの選択ゲート電極CG1およびキャップ絶縁膜CA1を有するメモリセルに対しても、本実施の形態を適用することで、メモリゲート電極MG1および選択ゲート電極CG1間に短絡が起きることを防ぐことができる。
また、以下に本実施の形態の変形例として、図15〜図19を用いて説明したメモリゲート電極MG1、MG2の形成工程において、等方性エッチングを用いず、異方性エッチングを用いてサイドウォールS2(図15参照)を一部除去する方法について、図37および図38を用いて説明する。図37および図38は、それぞれ図17および図18に対応している。つまり、図37および図38は、変形例である製造工程中の半導体装置を示す要部平面図である。
当該変形例は、図6〜図32を用いて説明した半導体装置の製造方法に比べて、図17に示したレジストパターンの形状、およびその後のエッチングにより加工されるメモリゲート電極の形状が異なる。ここではまず、図6〜図16を用いて説明した工程と同様の工程を行う。
次に、図37に示すように、レジストパターンRP8を形成する。レジストパターンRP8は、レジストパターンRP3(図17参照)と同様に、選択ゲート電極CG1の第1側壁、選択ゲート電極CG2の第3側壁、並びに、シャント部CS1の側壁およびCS2の側壁に隣接するサイドウォールS2を露出する膜である。ただし、レジストパターンRP8は、選択ゲート電極CG1の第2側壁側の一部のサイドウォールS2も露出している。
この後の工程では、レジストパターンRP8をマスクとして、レジストパターンRP8から露出するサイドウォールS2を除去する。ただし、この後のサイドウォールS2の除去工程では、図18および図19を用いて説明した方法とは異なり、異方性エッチングを用いてサイドウォールS2を加工する。
つまり、上記のようにしてレジストパターンRP8を形成した後、図38に示すように、レジストパターンRP8をマスクとして、レジストパターンRP8から露出するサイドウォールS2を異方性エッチングにより除去することで、メモリゲート電極MG1、MG2およびFMを形成し、その後レジストパターンRP8を除去する。異方性エッチングを用いるため、この工程ではレジストパターンRP8(図37参照)に覆われていたサイドウォールS2は除去されずに残り、メモリゲート電極MG1、MG2またはFMとなる。
メモリゲート電極と選択ゲート電極CG1との短絡を避けるため、図37を用いて説明した工程では、シャント部CS1に隣接する領域のサイドウォールS2を除去するため、当該領域のサイドウォールS2を全てレジストパターンRP8から露出させなければならないように思えるが、必ずしもシャント部CS1に隣接するサイドウォールS2を全て露出しなくてもよい。つまり、図37に示すように、シャント部CS1に近接するサイドウォールS2がレジストパターンRP8により覆われた状態で図38を用いて説明したエッチング工程を行なったとしても、当該エッチング工程により残ったサイドウォールS2からなるメモリゲート電極FM(図38参照)が、電気的に浮遊状態となればよい。
当該変形例では、浮遊状態のメモリゲート電極FMを形成するため、図37に示すように、シャント部CS1に近接するサイドウォールS2と、活性領域B1においてレジストパターンRP8に覆われたサイドウォールS2との間の第2側壁に沿う一部のサイドウォールS2を、レジストパターンRP8から露出している。このような形状のレジストパターンRP8から露出するサイドウォールS2を異方性エッチングにより除去すれば、当該サイドウォールS2を分断することができる。
つまり、図37に示すレジストパターンRP8は、不活性領域である給電領域A1において第2側壁に隣接する領域のサイドウォールS2を露出しているため、レジストパターンRP8から露出する領域のサイドウォールS2は図38を用いて説明した異方性エッチングにより除去される。このため、第1方向においてレジストパターンRP8から露出する領域を挟むように分断されたサイドウォールS2からなるメモリゲート電極FMは給電領域A1において浮遊状態にあるパターンであるから、シャント部CS1と短絡したとしても問題がない。
上記のようにして分断されたメモリゲート電極FMは、活性領域B1に形成されていないことが重要となる。このため、レジストパターンRP8がサイドウォールS2を露出する領域は、必ず給電領域A1において、平面視においてキャップ絶縁膜CA1の側壁と重なる第2側壁に隣接するサイドウォールS2を露出している必要がある。また、サイドウォールS2を完全に分断するため、当該サイドウォールS2が隣接する側壁、つまり第2側壁に直交する方向、つまり第2方向におけるサイドウォールS2の一方の端部からもう一方の端部に亘ってサイドウォールS2を全てレジストパターンRP8から露出している必要がある。
以上のように説明したレジストパターンをマスクとして異方性エッチングを行い、図38に示すように、活性領域B1に形成され、選択ゲート電極CG1の第2側壁に沿うサイドウォールS2からなるメモリゲート電極MG1と、シャント部CS1に近接するサイドウォールS2からなるメモリゲート電極FMとを分離して形成することができる。メモリゲート電極FMは電気的に浮遊状態にあるため、メモリゲート電極FMがシャント部CS1と導通したとしても問題はない。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、図62および図63に示した比較例に比べてキャップ絶縁膜のパターンを延ばすことで、選択ゲート電極とメモリゲート電極との短絡を防ぐ構造について説明した。本実施の形態では、キャップ絶縁膜の形状は図62および図63に示した比較例と同様とし、メモリゲート電極をより後退させることで、選択ゲート電極とメモリゲート電極とが短絡することを防ぐ技術について説明する。
以下に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図39〜図48を用いて説明する。図39、図40、図42、図44、図45および図47は、製造工程中の本実施の形態の半導体装置の要部平面図である。図41、図43、図46および図48は、製造工程中の本実施の形態の半導体装置の要部断面図である。
図39〜図48を用いて説明する工程は、図12〜図19、図31および図32を用いて説明した工程にそれぞれ対応しているため、これらの工程の詳しい説明は省略する場合がある。前記実施の形態1および本実施の形態の特徴および大きな違いは各パターンの平面視における形状、およびメモリゲート電極を加工する際のエッチング条件などにあり、各半導体素子の製造工程の手順等はそれぞれの実施の形態で共通しているため、断面図を用いて説明する工程については詳細な説明を省略する。
まず、図6〜図11を用いて説明した工程と同様の工程を行う。次に、図39に示すように、半導体基板上にレジストパターンRP9を形成する。レジストパターンRP9は図12に示したレジストパターンRP1と同様にシャント部となる領域、つまり第1方向における選択ゲート電極CG1の端部および給電領域A1において選択ゲート電極CG2の第3側壁から突出するパターンのそれぞれの上に形成された絶縁膜CAPを露出している。
上記構成はレジストパターンRP1と同様であるが、レジストパターンRP9は、第1方向における選択ゲート電極CG1の端部の上の絶縁膜CAPの上面の全面を露出している点で前記実施の形態1と異なる。つまり、第1方向における絶縁膜CAPの端部の上面を、第2方向において一方の端部からもう一方の端部まで全てレジストパターンRP9から露出している。
すなわち、第1方向における絶縁膜CAPの端部の上面は、選択ゲート電極CG1の第1側壁側に隣接する領域から第2側壁側に隣接する領域に亘って全てレジストパターンRP9から露出している。このレジストパターンRP9は、比較例として示した図62および図63に示すキャップ絶縁膜CAEを形成するために用いられるレジストパターンと同じパターンを有するものである。
なお、図39の平面図に示すレイアウトは、図12に示すレイアウトに比べて、選択ゲート電極CG1のシャント部となる領域から活性領域B1までの距離が大きくなっている。
次に、図40および図41に示すように、給電領域F1のシャント領域の一部、容量素子領域E1および周辺回路領域の絶縁膜CAPを、レジストパターンRP9(図39参照)をマスクとして用いたエッチングにより除去する。その後、レジストパターンRP9(図39参照)を除去する。
前記実施の形態1と異なり、図39において選択ゲート電極CG1の端部は全てレジストパターンRP9から露出しているため、レジストパターンRP9から露出する領域の絶縁膜CAPを除去することで、図40に示すように、第1方向における選択ゲート電極CG1の端部に、キャップ絶縁膜CA1から露出するシャント部CS3が形成される。シャント部CS3は、第1方向における選択ゲート電極CG1の端部において、第1側壁から第2側壁に亘ってキャップ絶縁膜CA1から露出している選択ゲート電極CG1の一部である。
図40に示す選択ゲート電極CG1のシャント部CS3のパターンは、比較例として図62および図63に示したシャント部CSEと同様の形状を有している。図41に示す構造は、前記実施の形態1の図14に示す構造と比べて、給電領域F1の選択ゲート電極CG1の直上に、キャップ絶縁膜が形成されていない点が異なっている。
次に、図42および図43に示すように、図15および図16を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、半導体基板上にONO膜CSおよびサイドウォールS2を形成する。図42に示す構造は、図15に示した構造に比べて、キャップ絶縁膜CA1の第1方向における端部が、選択ゲート電極CG1の同方向における端部まで延在しておらず、シャント部CS3がシャント部CS1(図15参照)よりも第2方向において広く形成されている点が異なっている。このとき、図示はしていないが、選択ゲート電極CG1のシャント部CS3の直上の領域であって、キャップ絶縁膜CA1の側壁に隣接する領域にも、ONO膜CSおよびサイドウォールS2が形成されている。
上記のように、キャップ絶縁膜CA1の一部は前記実施の形態1のようにシャント部CS3と第2方向において隣り合う領域に延伸されていない。つまり、シャント部CS3とキャップ絶縁膜CA1との平面視における境界線は、前記第2方向に対して並行に沿っている線である。
図43に示す給電領域F1の選択ゲート電極CG1上にはキャップ絶縁膜が形成されていないため、給電領域F1の断面においては選択ゲート電極CG1の両側の側壁にのみONO膜CSおよびサイドウォールS2が形成されている。
次に、図44に示すように、半導体基板上にレジストパターンRP10を形成する。レジストパターンRP10は、図17に示すレジストパターンRP3と同じ形状のパターンであってもよいが、図44に示すレジストパターンRP10は、選択ゲート電極CG1をレジストパターンRP3よりも大きく覆う形状を有している。なお、レジストパターンRP10は、比較例として図62および図63に示したメモリゲート電極MGEを形成する際に用いられるレジストパターンと同様の形状を有している。
次に、図45および図46に示すように、レジストパターンRP10(図44参照)をマスクとして、当該マスクから露出するサイドウォールS2を、ウェットエッチングなどの等方性エッチングにより除去する。その後、レジストパターンRP10を除去する。これにより、図46に示すメモリ領域C1では、キャップ絶縁膜CA1および選択ゲート電極CG1からなる積層膜の片側面、つまり第2側壁のみにメモリゲート電極MG1を形成する。同様に、メモリ領域C1では、キャップ絶縁膜CA2および選択ゲート電極CG2からなる積層膜の片側面、つまり第4側壁のみにメモリゲート電極MG2を形成する。また、給電領域D1では、キャップ絶縁膜CAFおよび選択ゲート電極FCからなる積層膜の側壁にメモリゲート電極MG1を形成する。このとき、給電領域F1では、選択ゲート電極CG1の側壁のサイドウォールS2は全て除去する。
その後、メモリゲート電極MG1、MG2および上部電極PS4に覆われていないONO膜CSを選択的にエッチングして除去する。
ここでは、図45に示すように、等方性エッチングによりメモリゲート電極MG1およびONO膜CSの第1方向における端部を、同方向におけるシャント部CS3と活性領域B1との間の領域まで後退させる。つまり、第1方向において、メモリゲート電極MG1の端部よりもキャップ絶縁膜CA1の方がシャント部CS3側に延びている。
このように、本実施の形態では、前記実施の形態1において図17に示した構造よりもメモリゲート電極MG1をより活性領域B1側に後退させている。つまり、図17に示す構造に比べ、図45に示すメモリゲート電極MG1の端部は、シャント部CS3から離れた位置で終端している。そのため、本実施の形態では、前記実施の形態1に比べ、サイドウォールS2(図44参照)を加工する等方性エッチングを行う時間を長くして、サイドウォールS2のエッチング量を増やしている。
図46に示すように、ここでは、前記実施の形態1において示した図19とは異なり、給電領域F1において選択ゲート電極CG1上にはキャップ絶縁膜CA1が形成されておらず、また、選択ゲート電極CG1の両側の側壁にはいずれもONO膜CSおよびメモリゲート電極MG1が形成されていない。
次に、図20〜図30を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで各半導体素子を形成し、それらの半導体素子を層間絶縁膜により覆った後、図47および図48に示すように、層間絶縁膜ILを貫通するコンタクトホールCA、CB、CC、CMおよびCNTを埋め込むプラグPA、PB、PS、PMおよびPLGをそれぞれ形成する。また、シャント部CS2を露出するコンタクトホールを埋め込むプラグPC(図47参照)を形成する。ここでは図47に示すように、MONOSメモリの給電領域A1にはプラグPC、PMおよびPSを形成し、MONOSメモリの活性領域B1にはプラグPLGを形成する。
その後、層間絶縁膜IL上に、例えばCu(銅)またはAl(アルミニウム)を主成分とする第1層配線(図示は省略)を形成することによって、本実施の形態の半導体装置が完成する。これ以降は、通常の半導体装置の製造工程を経て、不揮発性メモリを有する半導体装置を製造する。
本実施の形態では、前記実施の形態1と同様に、シャント部CS3にメモリゲート電極MG1を隣接させず、平面視においてキャップ絶縁膜CA1と隣接する箇所でメモリゲート電極MG1を終端させることで、メモリゲート電極MG1と選択ゲート電極CG1とが短絡することを防ぎ、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
プラグPSは前記実施の形態1において図31に示したプラグPCに対応し、選択ゲート電極CG1に給電を行うためにシャント部CS3に接続された柱状の導電体である。図47および図48の給電領域F1に示すように、プラグPSはプラグPC(図31および図32参照)と異なり、平面視において正方形または円形の形状を有しており、半導体基板SBの主面に沿う方向に延在していない。
前記実施の形態1では、図31に示すようにキャップ絶縁膜CA1を、第1方向において選択ゲート電極CG1の最端部の直上にまで延在させたため、シャント部CS1の面積が小さくなっており、プラグ形成の位置ずれに対するマージンが小さくなっている。この対策として前記実施の形態1ではプラグPCの形状を第2方向に延在する形状としている。
これに対し、本実施の形態では図47に示すように、第1方向においてキャップ絶縁膜CA1がシャント部CS3よりも活性領域B1側で終端しているため、前記実施の形態1のシャント部CS1(図31参照)よりもシャント部CS3の面積を大きく確保することができる。したがって、プラグ形成のずれに対するマージンが大きくなり、プラグPSの平面視における形状を前記実施の形態1より小さくしても、位置合わせのずれに起因してプラグPSがシャント部CS3に対し接触面積が小さくなること、またはプラグPSがシャント部CS3に接続されないことを防ぐことができる。したがって、半導体装置の信頼性が低下することを防ぐことができる。
また、上記のようにシャント部CS3の面積が小さくなること防ぎつつ、シャント部CS3にメモリゲート電極MG1を隣接させないことで、選択ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1間の短絡により半導体装置の信頼性が低下することを防いでいる。つまり、当該短絡を防ぐためにシャント部CS3の面積を狭めていないため、プラグPSとシャント部CS3とを接続させる際の位置ずれに対するマージンを拡げることを目的としてシャント部CS3の面積を大きくする必要がない。したがって、半導体装置の面積が増大することを防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、第1方向においてシャント部CS3よりも活性領域B1に近い領域でキャップ絶縁膜CA1を終端させ、キャップ絶縁膜CA1の当該終端部よりもさらに活性領域B1に近い領域で、キャップ絶縁膜CA1に隣接するメモリゲート電極を終端させている。第1方向に延在するメモリゲート電極MG1の終端部の位置は、図45および図46を用いて説明したエッチング工程でのエッチング量により決まる。当該エッチング量はエッチングを行う時間の長さなどにより調整されるが、正確に制御することが困難であるため、ある程度ばらつきが生じることが予想される。
つまり、上記エッチング工程によりメモリゲート電極MG1を終端させる際、メモリゲート電極MG1の端部が上記エッチング量のばらつきに起因して、キャップ絶縁膜CA1の端部よりもシャント部CS3側で終端すると、キャップ絶縁膜CA1に覆われていないシャント部CS3とメモリゲート電極MG1とが隣接することとなる。このため、シャント部CS3およびメモリゲート電極MG1間が短絡する虞が生じる。
また、上記エッチング工程によりメモリゲート電極MG1を終端させる際、メモリゲート電極MG1が活性領域B1において終端すると、当該メモリゲート電極MG1を含むMONOSメモリが正常に動作しなくなる問題が生じる。
そこで、本実施の形態では前記実施の形態1に比べて、第1方向におけるシャント部CS3から、当該シャント部CS3を有する選択ゲート電極CG1が形成された活性領域B1までの距離を延ばすことで、同方向においてキャップ絶縁膜CA1の端部から当該活性領域B1までの間でメモリゲート電極MG1を終端させることを容易にしている。つまり、メモリゲート電極MG1の端部が形成されても問題がない領域を拡げ、上記エッチング量のばらつきに対するマージンを拡大することで、上記したシャント部CS3およびメモリゲート電極MG1間の短絡、またはMONOSメモリの動作不良の発生を防ぐことができる。これにより、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、ここでは図45および図46を用いて説明したエッチング工程でのエッチング量を増やすことによりメモリゲート電極MG1を、図62および図63に示した比較例よりもシャント部CS3から離れた領域であって、キャップ絶縁膜CA1により選択ゲート電極CG1が覆われた領域で終端させている。つまり、上記エッチング量を増やすだけで選択ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1との短絡を防ぐことができるため、上記比較例に対してキャップ絶縁膜CA1、プラグのパターンを変更するためのマスクを新たに用意する必要がない。
同様に、図45および図46を用いて説明したエッチング工程によりメモリゲート電極MG1を形成する際に用いるレジストパターンRP10(図44参照)は、本実施の形態の半導体装置を製造するために特別に用意する必要はなく、上記比較例のメモリゲート電極MGE(図62参照)を形成するために用いたものを利用することができる。以上より、新たにマスクを設計して用意する必要がないため、半導体装置の製造コストを低減することができる。
また、本実施の形態ではエッチング量を増やすことを特徴としているため、図42および図43を用いて説明した工程を行った段階において、上記比較例のように、選択ゲート電極CG1の直上のシャント部CS3近傍において、キャップ絶縁膜CA1の側壁に形成されたONO膜CSおよびサイドウォールS2からなるサイドウォールを容易に除去することができる。つまり、図62および図63を用いて説明した比較例の半導体装置を製造する工程に比べて、メモリゲート電極MG1(図45参照)を形成する際のエッチング量が大きいため、シャント部CS3(図45参照)の直上にメモリゲート電極MG1が残ることに起因して短絡が起きることを防ぐことができる。
なお、本実施の形態においても、変形例として図36に示したように選択ゲート電極CG1の第2側壁側に突出したパターンを形成してもよい。本実施の形態に適用する場合は、例えば図45に示すシャント部CS3と活性領域B1との間において当該突出パターンを形成し、選択ゲート電極CG1およびその上のキャップ絶縁膜CA1を含む当該突出パターンに沿うメモリゲート電極MG1を給電領域A1に形成することが考えられる。これによりメモリゲート電極MG1を形成する際のエッチング量のばらつきに対するマージンを拡大することができる。
また、以下に本実施の形態の変形例として、図42〜図46を用いて説明したメモリゲート電極MG1、MG2の形成工程において、等方性エッチングを用いず、異方性エッチングを用いてサイドウォールS2(図42参照)を一部除去する方法について、図49および図50を用いて説明する。図49および図50は、それぞれ図44および図45に対応している。つまり、図49および図50は、変形例である製造工程中の半導体装置を示す要部平面図である。
当該変形例は、図39〜図46を用いて説明した半導体装置の製造方法に比べて、図44に示したレジストパターンの形状、およびその後のエッチングにより加工されるメモリゲート電極の形状が一部異なる。ここではまず、図6〜図11および図39〜図42を用いて説明した工程と同様の工程を行う。
次に、図49に示すように、レジストパターンRP11を形成する。レジストパターンRP11は、レジストパターンRP10(図44参照)と同様に、選択ゲート電極CG1の第1側壁、選択ゲート電極CG2の第3側壁、並びに、シャント部CS3の側壁およびCS2の側壁に隣接するサイドウォールS2を露出する膜である。ただし、レジストパターンRP11は、選択ゲート電極CG1の第2側壁側の一部のサイドウォールS2も露出している。
この後の工程では、レジストパターンRP11をマスクとして、レジストパターンRP11から露出するサイドウォールS2を除去する。ただし、この後のサイドウォールS2の除去工程では、異方性エッチングを用いてサイドウォールS2を加工する。
つまり、上記のようにしてレジストパターンRP11を形成した後、図50に示すように、レジストパターンRP11をマスクとして、レジストパターンRP11から露出するサイドウォールS2を異方性エッチングにより除去することで、メモリゲート電極MG1、MG2およびFMを形成し、その後レジストパターンRP11を除去する。異方性エッチングを用いるため、この工程ではレジストパターンRP11(図49参照)に覆われていたサイドウォールS2は除去されずに残り、メモリゲート電極MG1、MG2またはFMとなる。
メモリゲート電極と選択ゲート電極CG1との短絡を避けるため、図49を用いて説明した工程では、シャント部CS3に隣接するサイドウォールS2を全てレジストパターンRP11から露出させなければならないように思えるが、必ずしもシャント部CS3に隣接するサイドウォールS2を全て露出しなくてもよい。エッチング工程によりシャント部CS3に隣接して残ったサイドウォールS2の一部からなるメモリゲート電極FM(図50参照)が、電気的に浮遊状態となれば問題はないためである。
当該変形例では、給電領域A1において第2側壁に隣接するサイドウォールS2の一部をレジストパターンRP11から露出させ、レジストパターンRP11をマスクとしてエッチングを行うことにより、浮遊状態のメモリゲート電極FMを形成する。ここでは、メモリゲート電極FMが活性領域B1に形成されていないこと、およびメモリゲート電極FMから分断されて活性領域B1に形成されたメモリゲート電極MG1が、第1方向におけるキャップ絶縁膜CA1の端部よりも活性領域B1側で終端していることが重要である。
このため、レジストパターンRP11がサイドウォールS2を露出する領域は、必ず給電領域A1において、平面視においてキャップ絶縁膜CA1の側壁と重なる第2側壁に隣接するサイドウォールS2を露出している必要がある。また、サイドウォールS2を完全に分断するため、当該サイドウォールS2が隣接する側壁、つまり第2側壁に直交する方向、つまり第2方向におけるサイドウォールS2の一方の端部からもう一方の端部に亘ってサイドウォールS2を全てレジストパターンRP11から露出している必要がある。
以上のように説明したレジストパターンをマスクとして異方性エッチングを行い、図50に示すように、活性領域B1に形成され、選択ゲート電極CG1の第2側壁に沿うサイドウォールS2からなるメモリゲート電極MG1と、シャント部CS3に近接するサイドウォールS2からなるメモリゲート電極FMとを分離して形成することができる。メモリゲート電極FMは電気的に浮遊状態にあるため、メモリゲート電極FMがシャント部CS3と導通したとしても問題はない。
(実施の形態3)
前記実施の形態1および2では、第1方向において選択ゲート電極を分断する場合において、選択ゲート電極とメモリゲート電極との短絡を防ぐ構造について説明した。本実施の形態では、第2方向において交互に配置された選択ゲート電極CG1、CG2の両方が第1方向において分断されずに延在するパターンを有する場合において、選択ゲート電極とメモリゲート電極とが短絡することを防ぐ技術について説明する。
以下に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図51〜図59を用いて説明する。図51〜図56および図58は、製造工程中の本実施の形態の半導体装置の要部平面図である。図57および図59は、製造工程中の本実施の形態の半導体装置の要部断面図である。
図51は図10および図11を用いて説明した工程に対応している。図52〜図57、図58、図59を用いて説明する工程は、図12、図13、図15、図17、図18、図19、図31および図32を用いて説明した工程にそれぞれ対応している。前記実施の形態1および本実施の形態の特徴および大きな違いは各パターンの平面視における形状などにあり、各半導体素子の製造工程の手順等はそれぞれの実施の形態で共通しているため、断面図を用いての説明は一部省略する。また、MONOSメモリ以外の半導体素子の形成工程の詳細な説明は省略する。
まず、図6〜図9を用いて説明した工程と同様の工程を行う。次に、図51に示すように、絶縁膜CAPおよび導電膜PS2(図9参照)をリソグラフィ技術およびドライエッチング技術により順次パターニングすることにより、第1方向に延在する選択ゲート電極CG1、CG2をそれぞれ形成し、また、選択ゲート電極CG1、CG2から離間した選択ゲート電極FCを形成する。選択ゲート電極CG1、CG2およびFCはいずれも導電膜PS2(図9参照)からなる同層の膜である。
図51に示すように、半導体基板(図示しない)上には、選択ゲート電極CG1および選択ゲート電極CG1の上面を覆う絶縁膜CAPとを含む積層膜と、選択ゲート電極CG2および選択ゲート電極CG2の上面を覆う絶縁膜CAPとを含む積層膜と、選択ゲート電極FCおよび選択ゲート電極FCの上面を覆う絶縁膜CAPとが形成される。選択ゲート電極CG1、CG2およびFCのそれぞれの上面はいずれも全て絶縁膜CAPに覆われているため、図51では、選択ゲート電極CG1、CG2およびFCを示さず、その上の絶縁膜CAPの形状を示している。選択ゲート電極CG1、CG2およびFCと、それらの直上の絶縁膜CAPとは平面視において同一のパターンを有している。
選択ゲート電極CG1、CG2は第1方向に延在するパターンを有しており、選択ゲート電極CG1、CG2は第2方向に交互に複数配置されている。ここで、選択ゲート電極CG1は選択ゲート電極CG2と同様に第1方向に延在し、給電領域A1において途切れていない。これは選択ゲート電極CG1上の絶縁膜CAPも同様である。1方向に延在する選択ゲート電極CG1は、第1方向に延在する第1側壁と、その反対側の第2側壁とを有し、第1方向に延在する選択ゲート電極CG2は、第1方向に延在する第3側壁と、その反対側の第4側壁とを有している。
選択ゲート電極CG1の第1側壁側に配置された選択ゲート電極CG2の第3側壁と当該選択ゲート電極CG1の第1側壁とは対向している。また、当該選択ゲート電極CG1の第2側壁側に配置された選択ゲート電極CG2の第4側壁と当該選択ゲート電極CG1の第2側壁とは対向している。
ここでは、選択ゲート電極CG2の第4側壁側に隣接する領域であって、選択ゲート電極CG1の第1側壁と選択ゲート電極CG2の第4側壁との間に、選択ゲート電極CG1、CG2と同層の導体膜からなる選択ゲート電極FCを形成する。選択ゲート電極FCは選択ゲート電極CG1、CG2と接続されておらず、選択ゲート電極CG1、CG2に対して電気的に絶縁されている。選択ゲート電極FCは、前記実施の形態1と同様に、選択ゲート電極CG2に沿って形成するメモリゲート電極の給電部を形成するための浮遊パターンである。
選択ゲート電極CG2は選択ゲート電極CG2の第3側壁から選択ゲート電極CG1の第1側壁に向かって第2方向に突出するような形状のパターンを一部に有し、同様に、選択ゲート電極CG1は選択ゲート電極CG1の第1側壁から選択ゲート電極CG2の第3側壁に向かって第2方向に突出するような形状のパターンを一部に有している。
次に、図52に示すように、半導体基板上にレジストパターンRP12を形成する。レジストパターンRP12は図12に示したレジストパターンRP1と同様にシャント部となる領域、つまり選択ゲート電極CG1の第1側壁および選択ゲート電極CG2の第3側壁において突出するパターンのそれぞれの上に形成された絶縁膜CAPを露出している。また、レジストパターンRP12は第1方向に延在する絶縁膜CAP、選択ゲート電極FC上の絶縁膜CAPおよびメモリ領域の活性領域B1を露出していない。
次に、図53に示すように、給電領域F1のシャント領域の一部、容量素子領域E1および周辺回路領域の絶縁膜CAPを、レジストパターンRP12(図52参照)をマスクとして用いたエッチングにより除去する。その後、レジストパターンRP12(図52参照)を除去する。これにより、選択ゲート電極CG1の第1側壁および選択ゲート電極CG2の第3側壁において突出するパターンの上面が露出する。また、この工程により絶縁膜CAPからなるキャップ絶縁膜CA1、CA2を選択ゲート電極CG1上および選択ゲート電極CG2上にそれぞれ形成する。また、選択ゲート電極FC上の絶縁膜CAPは以下ではキャップ絶縁膜CAFと呼ぶ。
このとき、第1方向に延在する選択ゲート電極CG1、CG2のそれぞれの上のキャップ絶縁膜CA1、CA2のそれぞれは第1方向において分断されず、第1方向に延在する選択ゲート電極CG1、CG2の上面を覆って第1方向に延在している。
また、選択ゲート電極CG2の第3側壁から選択ゲート電極CG1の第1側壁側に向かって突出する選択ゲート電極CG2からなるパターンであって、キャップ絶縁膜CA2から露出する領域をシャント部CS2と呼ぶ。また、選択ゲート電極CG1の第1側壁から選択ゲート電極CG2の第3側壁側に向かって突出する選択ゲート電極CG1からなるパターンであって、キャップ絶縁膜CA1から露出する領域をシャント部CS4と呼ぶ。
次に、図54に示すように、図15および図16を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、半導体基板上にONO膜CSおよびサイドウォールS2を形成する。ONO膜CSおよびサイドウォールS2からなるサイドウォール状の積層膜は、選択ゲート電極CG1、CG2およびFCのそれぞれの全ての側壁に隣接して形成される。つまり選択ゲート電極CG1、CG2およびFCのそれぞれは平面視においてONO膜CSを介してサイドウォールS2に囲まれる。このとき、図示はしていないが、選択ゲート電極CG1のシャント部CS4の直上の領域であってキャップ絶縁膜CA1の側壁に隣接する領域にも、ONO膜CSおよびサイドウォールS2が形成されている。
次に、図55に示すように、半導体基板上にレジストパターンRP13を形成する。レジストパターンRP13は、選択ゲート電極CG1の第1側壁の近傍のサイドウォールS2、選択ゲート電極CG2の第3側壁の近傍のサイドウォールS2、および、選択ゲート電極FCと選択ゲート電極CG1の第2側壁との間の領域を露出している。なお、後述するように選択ゲート電極CG1の第2側壁に形成するメモリゲート電極を選択ゲート電極FCの近傍で分断する必要がない場合は、上記のように、レジストパターンRP13が選択ゲート電極FCと選択ゲート電極CG1の第2側壁との間の領域を露出している必要はない。
レジストパターンRP13は、上記した選択ゲート電極FCおよび選択ゲート電極CG1の第2側壁間の領域を除く選択ゲート電極CG1の第2側壁の近傍、および選択ゲート電極CG2の第4側壁の近傍のそれぞれに形成されたサイドウォールS2を覆っている。
次に、図56および図57に示すように、レジストパターンRP13(図55参照)をマスクとして、当該マスクから露出するサイドウォールS2を、ウェットエッチングなどの等方性エッチングにより除去する。その後、レジストパターンRP13を除去する。これにより、キャップ絶縁膜CA1および選択ゲート電極CG1からなる積層膜の片側面である第2側壁のみに隣接するメモリゲート電極MG1を形成する。同様に、キャップ絶縁膜CA2および選択ゲート電極CG2からなる積層膜の片側面である第4側壁のみにメモリゲート電極MG2を形成する。
このとき、図57に示す給電領域F1では、選択ゲート電極CG1の側壁のサイドウォールS2は全て除去する。メモリ領域C1と異なり給電領域F1において選択ゲート電極CG1の第2側壁側にメモリゲート電極MG1が形成されていないのは、図55に示すレジストパターンRP13が選択ゲート電極FCと選択ゲート電極CG1の第2側壁との間の領域を露出しており、シャント部CS4の第2側壁側のサイドウォールS2を露出していたためである。なお、図57に示す給電領域F1に示す断面は、シャント部CS4を第2方向に沿って切断した場合の断面である。
その後、メモリゲート電極MG1、MG2および上部電極PS4に覆われていないONO膜CSを選択的にエッチングして除去する。
ここで、給電領域D1には、選択ゲート電極FCおよびその上のキャップ絶縁膜CAFからなる積層膜が第1方向において間隔を空けて配置されている。このように第1方向に並ぶ各積層膜の間に形成された溝の内側の側壁および底面はONO膜CSにより覆われ、当該溝はONO膜CS上に形成されたメモリゲート電極MG2により埋め込まれている。
次に、図20〜図30を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで各半導体素子を形成し、それらの半導体素子を層間絶縁膜により覆った後、図58および図59に示すように、層間絶縁膜ILを貫通するコンタクトホールCA、CB、CC、CMおよびCNTを埋め込むプラグPA、PB、PC、PMおよびPLGをそれぞれ形成する。ここでは図58に示すように、MONOSメモリの給電領域A1にはプラグPMおよびプラグPCを形成し、MONOSメモリの活性領域B1にはプラグPLGを形成する。
図59に示すように、本実施の形態は、給電領域F1において選択ゲート電極CG1の第2側壁にONO膜CSおよびメモリゲート電極MG1(図32参照)が形成されていない点が異なる。ただし、後述するようにメモリゲート電極MG1を分断する必要がない場合は、図32に示す構造と同様に給電領域F1の選択ゲート電極CG1の第2側壁にメモリゲート電極MG1が隣接して形成される。
また、給電領域D1において、選択ゲート電極FCおよびキャップ絶縁膜CAFからなる積層膜間に埋め込まれたメモリゲート電極MG2上には、プラグPMが接続され、プラグPMはメモリゲート電極MG2に電気的に接続される。このとき、プラグPMはメモリゲート電極MG2に隣接する領域の窒化シリコン膜ESおよびキャップ絶縁膜CAFを貫通し、選択ゲート電極FCに接触している。このとき、プラグPMはメモリゲート電極MGの側壁に形成されたONO膜CS上においてメモリゲート電極MG2上のシリサイド層S1に接続されている。したがって、プラグPMとシリサイド層S1との接触面積を増加させることができ、プラグPMとメモリゲート電極MG2との接触抵抗を低減させることが可能となる。
図58に示すように、メモリゲート電極MG1が第1方向において選択ゲート電極FCの近傍で分断されてもされなくても、いずれにしても、選択ゲート電極CG1のシャント部CS4と選択ゲート電極CG1に隣接するメモリゲート電極MG1との間には、第1方向に延在するキャップ絶縁膜CA1が形成されている。同様に、選択ゲート電極CG2のシャント部CS2と選択ゲート電極CG2に隣接するメモリゲート電極MG2との間には、第1方向に延在するキャップ絶縁膜CA2が形成されている。
その後、層間絶縁膜IL上に、例えばCu(銅)またはAl(アルミニウム)を主成分とする第1層配線(図示は省略)を形成することによって、本実施の形態の半導体装置が完成する。これ以降は、通常の半導体装置の製造工程を経て、不揮発性メモリを有する半導体装置を製造する。
本実施の形態では、前記実施の形態1と同様に、シャント部CS4にメモリゲート電極MG1を隣接させず、平面視においてシャント部CS4とメモリゲート電極MG1との間にキャップ絶縁膜CA1を介在させることにより、選択ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1とが短絡することを防ぎ、半導体装置の信頼性を向上させることができる。同様に、平面視においてシャント部CS2とメモリゲート電極MG2との間にキャップ絶縁膜CA2を介在させることにより、選択ゲート電極CG2とメモリゲート電極MG2とが短絡することを防ぎ、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
本実施の形態では、第1方向において選択ゲート電極CG1が分断されずに延在しており、第1方向における選択ゲート電極CG1の端部ではなく、延在する選択ゲート電極CG1の一方の側壁側に形成されたシャント部CS4と、もう一方の側壁側に形成されたメモリゲート電極MG1とを電気的に絶縁すればよい。したがって、選択ゲート電極CG1上に第1方向に延在するキャップ絶縁膜CA1を形成することで、容易に短絡を防ぐことができる。
つまり、前記実施の形態1および2において説明した半導体装置では、第1方向に延在する選択ゲート電極の端部にシャント部を設けているため、シャント部とキャップ絶縁膜との境界の近傍でメモリゲート電極を終端させる必要がある。この場合、メモリゲート電極とシャント部が近接しやすくなり、短絡が起きる虞がある。
これに対し、本実施の形態では、第1方向に延在するパターンの両側の側壁に形成されたシャント部CS4とメモリゲート電極MG1を絶縁するものである。この場合、選択ゲート電極CG1上に第1方向に延在するキャップ絶縁膜CA1を形成すれば、メモリゲート電極MG1がシャント部CS4とキャップ絶縁膜CA1との境界の近傍に形成されることを防ぐことができるため、シャント部CS4とメモリゲート電極MG1を絶縁することは容易である。
なお、本実施の形態では、選択ゲート電極CG1の第2側壁に隣接して形成されたメモリゲート電極MG1と、選択ゲート電極FCの側壁に隣接して形成されたメモリゲート電極MG2とが接触するなどして選択ゲート電極CG1と隣り合うメモリゲート電極MG2とが短絡することを防ぐため、給電領域A1において一部の第2側壁の近傍にメモリゲート電極MG1を形成していない。メモリゲート電極MG2のシャント部は、選択ゲート電極CG2の第4側壁側に形成された選択ゲート電極FCに隣接する位置に形成されるため、メモリゲート電極MG2のシャント部は、上記第4側壁に対抗する選択ゲート電極CG1の第2側壁に近接する。
これに対し本実施の形態では、メモリゲート電極MG2のシャント部を設けるために形成された選択ゲート電極FCの近傍において、メモリゲート電極MG1を第1方向において分断している。したがって、選択ゲート電極FCの側壁であって、選択ゲート電極CG1の第2側壁側に対向する側壁にはメモリゲート電極MG2を形成していない。これにより、メモリゲート電極MG2のシャント部の近傍では、メモリゲート電極MG2が隣接する選択ゲート電極CG2の第4側壁に対向する選択ゲート電極CG1の第2側壁が、メモリゲート電極MG1から露出している。
ただし、上記のような構造を採用する必要があるのは、第2方向において選択ゲート電極CG1、CG2間の距離が短く、各ゲート電極などのレイアウトを極力小さくするために選択ゲート電極CG1の第2側壁と選択ゲート電極FCとが近接している場合に限られる。したがって、選択ゲート電極CG1の第2側壁と選択ゲート電極FCとの間の間隔に余裕がある場合は、選択ゲート電極CG1の第2側壁、または選択ゲート電極CG1の第2側壁側に対向する選択ゲート電極FCの側壁のどちらか一方または両方に隣接するメモリゲート電極を形成してもよい。
つまり、メモリゲート電極MG1は第1方向において分断されず、選択ゲート電極CG1の第2側壁に沿って形成されていてもよい。
また、前記実施の形態2では、シャント部CS3(図47参照)とキャップ絶縁膜CA1(図47参照)との境界が第2方向に沿っていた。これに対して本実施の形態では、選択ゲート電極CG1およびその上のキャップ絶縁膜CA1からなる第1方向に延在する積層膜に対し、選択ゲート電極CG1の第1側壁から第2方向に突出するように形成された選択ゲート電極CG1の一部であるシャント部CS4が形成され、シャント部CS4の上面はキャップ絶縁膜CA1から露出している。つまり、シャント部CS4とキャップ絶縁膜CA1との境界は、選択ゲート電極CG1の延在方向、つまり第1方向に並行に沿っている。
本実施の形態では、選択ゲート電極CG1、CG2間の距離は前記実施の形態1および2と同等であっても、選択ゲート電極CG1、CG2の給電部であるシャント部CS4、CS2のそれぞれの第2方向における面積を大きく確保することが、前記実施の形態1および2に比べて困難である。
そこで、本実施の形態では、シャント部CS2、CS4の上面に接続するプラグPCを、平面視において第2方向に延在する長方形または楕円などの形状とすることで、プラグPCを形成する際の位置ずれに対するマージンを拡げ、また、プラグPCの接触面積の縮小に起因する抵抗値の増加を防ぐことを可能としている。
以上に述べたように、本実施の形態では、第1方向に延在する選択ゲート電極の一方の側壁に形成したシャント部と、もう一方の側壁に形成したメモリゲート電極とを絶縁することができるため、選択ゲート電極およびメモリゲート電極間において短絡が生じることを防ぐことができる。このため、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、以下に本実施の形態の変形例として、図54〜図56を用いて説明したメモリゲート電極MG1、MG2の形成工程において、等方性エッチングを用いず、異方性エッチングを用いてサイドウォールS2(図54参照)を一部除去する方法について、図60および図61を用いて説明する。図60および図61は、それぞれ図55および図56に対応している。つまり、図60および図61は、変形例である製造工程中の半導体装置を示す要部平面図である。
当該変形例は、図54〜図56を用いて説明した半導体装置の製造方法に比べて、図55に示したレジストパターンの形状、およびその後のエッチングにより加工されるメモリゲート電極の形状が一部異なる。ここではまず、図6〜図9および図51〜図54を用いて説明した工程と同様の工程を行う。
次に、図60に示すように、レジストパターンRP14を形成する。レジストパターンRP14は、レジストパターンRP13(図55参照)と同様に、選択ゲート電極CG1の第1側壁、選択ゲート電極CG2の第3側壁、並びに、シャント部CS4の側壁およびCS2の側壁に隣接するサイドウォールS2を露出する膜である。ただし、レジストパターンRP14は、選択ゲート電極CG1の第2側壁側のサイドウォールS2をレジストパターンRP13よりも広い領域で露出している。また、レジストパターンRP14は、選択ゲート電極FCの側壁であって、選択ゲート電極CG1の第2側壁に対向する側壁に隣接するサイドウォールS2を、レジストパターンRP13よりも広い領域で露出している。
次に、図61に示すように、レジストパターンRP14をマスクとして、レジストパターンRP14から露出するサイドウォールS2を除去することで、メモリゲート電極MG1、MG2を形成する。ただし、ここでは、異方性エッチングを用いてサイドウォールS2を加工する。これにより得られるパターンは、図56を用いて説明した構造とほぼ同様である。
本変形例は、図38および図50を用いて説明したように、電気的に浮遊状態のメモリゲート電極を形成するのではなく、図55および図56を用いて説明した工程で行う等方性エッチングでサイドウォールS2を除去する領域を露出するレジストパターンRP14を用いて、異方性エッチングを行うものである。
つまり、図55およびず56を用いて説明したサイドウォールS2のエッチング工程では、等方性エッチングを用いることで、レジストパターンRP13に覆われている領域のサイドウォールS2の一部をサイドエッチにより後退させて除去した。ここで説明する変形例では異方性エッチングを用いるため、レジストパターンRP14に覆われているサイドウォールS2は除去されない。
そこで、図60に示すように、給電領域A1においてレジストパターンRP14がサイドウォールS2を露出するサイドウォールの範囲を拡げることで、異方性エッチングによりサイドウォールS2を所望の形状に加工することを可能としている。サイドウォールS2を加工して図61に示すメモリゲート電極MG1、MG2を、選択ゲート電極CG1の第2側壁および選択ゲート電極CG2の第4側壁のそれぞれに隣接させて形成することができる。また、ここでは給電領域A1の選択ゲート電極FCと選択ゲート電極CG1との間のサイドウォールS2を除去することで、メモリゲート電極MG1とメモリゲート電極MG2とが導通することを防いでいる。
なお、上述したように、選択ゲート電極FCと選択ゲート電極CG1との間が十分に離間しており、選択ゲート電極FCと選択ゲート電極CG1のそれぞれの側壁に隣接するサイドウォールS2が接触していなければ、互いに対抗する選択ゲート電極CG1の第2側壁および選択ゲート電極CG2の第4側壁間でサイドウォールS2を除去する必要はない。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
その他、実施の形態に記載された内容の一部を以下に記載する。
(1)(a)半導体基板上に第1ゲート絶縁膜を形成する工程、
(b)前記第1ゲート絶縁膜上に第1導電膜を形成する工程、
(c)前記第1導電膜上に第2絶縁膜を形成する工程、
(d)前記第2絶縁膜および前記第1導電膜を加工することで、前記第1導電膜からなり、半導体基板上の第1領域および第2領域に亘って、前記半導体基板の主面に沿う第1方向に延在する第1選択ゲート電極と、前記第1選択ゲート電極上の前記第2絶縁膜からなり前記第1方向に延在する第1キャップ絶縁膜とを含む第1積層膜を形成する工程、
(e)前記第1方向に延在する前記第1選択ゲート電極上の前記第1キャップ絶縁膜を残し、前記第1領域の、前記第1方向に延在する前記第1選択ゲート電極の第1側壁から、前記第1方向に直交する第2方向に突出する前記第1選択ゲート電極の上の前記第1キャップ絶縁膜を除去することで、前記第1キャップ絶縁膜から露出する前記第1選択ゲート電極からなる第1給電部を形成する工程、
(f)前記(e)工程の後に、前記半導体基板上に電荷蓄積層を含む第2ゲート絶縁膜を形成する工程、
(g)前記第2ゲート絶縁膜上に第2導電膜を形成する工程、
(h)前記第2導電膜に対して異方性エッチングを施すことによって、前記第1選択ゲート電極の側壁に隣接するサイドウォール状の前記第2導電膜を残す工程、
(i)前記(h)工程の後に、前記第1選択ゲート電極の前記第1側壁に隣接する前記第2導電膜を除去することにより、前記第1選択ゲート電極の前記第1側壁の反対側の第2側壁に隣接する前記第2導電膜からなる第1メモリゲート電極を形成する工程、
(j)前記(i)工程の後に、前記第2領域の前記半導体基板に第1ソース領域および第1ドレイン領域を形成する工程、
(k)前記(j)工程の後に、前記第1メモリゲート電極の上面、前記第1給電部の上面、前記第1ソース領域および前記第1ドレイン領域の上面のそれぞれにシリサイド層を形成する工程、
(l)前記(k)工程の後に、前記第1給電部の上面に第1プラグを接続する工程、
を含み、
平面視において、前記第1給電部と前記第1メモリゲート電極との間には前記第1キャップ絶縁膜が形成されている、半導体装置の製造方法。
(2)(1)記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1プラグは、平面視において前記第2方向に延在する形状を有している、半導体装置の製造方法。
(3)(1)記載の半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程では、前記第2絶縁膜および前記第1導電膜を加工することで、前記第1導電膜からなり、半導体基板上の第1領域および第2領域に亘って、前記第1方向に延在する第2選択ゲート電極、および、前記第2選択ゲート電極上の前記第2絶縁膜からなり前記第1方向に延在する第2キャップ絶縁膜からなる第2積層膜を形成し、
前記第2方向において、前記第1選択ゲート電極および前記第2選択ゲート電極を交互に複数並べて配置し、前記第2選択ゲート電極の前記第1方向に延在する第3側壁と前記第1側壁とを対向させ、
前記(e)工程では、前記第1領域および前記第2領域において前記第1方向に延在する前記第2選択ゲート電極上の前記第2キャップ絶縁膜を残し、前記第2選択ゲート電極の前記第3側壁から前記第2方向に突出する前記第2選択ゲート電極上の前記第2キャップ絶縁膜を除去することで、前記第2キャップ絶縁膜から露出する前記第2選択ゲート電極からなる第2給電部を形成し、
前記(h)工程では、前記第2導電膜に対して異方性エッチングを施すことによって、前記第2選択ゲート電極の側壁に隣接するサイドウォール状の前記第2導電膜を残し、
前記(i)工程では、前記第2選択ゲート電極の前記第3側壁に隣接する前記第2導電膜を除去することにより、前記第2選択ゲート電極の前記第3側壁の反対側の第4側壁に隣接する前記第2導電膜からなる第2メモリゲート電極を形成し、
前記(j)工程では、前記第2領域の前記半導体基板に第2ソース領域および第2ドレイン領域を形成し、
前記(k)工程では、前記第2メモリゲート電極の上面、前記第2給電部の上面、前記第2ソース領域および前記第2ドレイン領域の上面のそれぞれにシリサイド層を形成し、
前記(l)工程では、前記第2給電部の上面に第2プラグを接続し、
前記第1領域において、前記第2選択ゲート電極の第4側壁に隣接して前記第2メモリゲート電極の第3給電部を形成し、
前記第3給電部の近傍では、前記第1方向において前記第1メモリゲート電極が分断され、前記第2側壁が前記第1メモリゲート電極から露出している、半導体装置の製造方法。