JP2014166015A - 定置用蓄電システム及び制御方法 - Google Patents

定置用蓄電システム及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】定置用蓄電池を構成する複数のニッケル水素二次電池間の充電容量のバラツキによる電池性能低下を抑制する。
【解決手段】定置用蓄電システムは、ニッケル水素二次電池からなる定置用蓄電池と、負荷への電力供給のための外部電源による充電と放電とを繰り返し行い、いずれか1つのニッケル水素二次電池のSOCが第1閾値になった場合に負荷への放電を停止し、いずれか1つのニッケル水素二次電池のSOCが第2閾値になった場合に外部電源からの充電を停止するコントローラと、を有する。コントローラは、いずれか1つのニッケル水素二次電池のSOCが第2閾値になった場合に充電を停止させずに、SOCが最も低いニッケル水素二次電池以外の他のニッケル水素二次電池が第2閾値を超えて満充電容量まで充電されることを許容しつつ、SOCが最も低いニッケル水素二次電池のSOCが第2閾値以上となるように、定置用蓄電池全体に対する追加充電を行う。
【選択図】図8

Description

本発明は、定置用蓄電システムの充放電制御に関する。
特許文献1は、組電池を構成する複数の電池の一部を交換用の新しい電池に交換する交換方法が記載されている。新しい電池を、交換対象の単電池以外の電池の充電容量よりも低く充電することで、交換後の均等化処理を施すことなく、組電池を使用できるようにしている。
特開2004−185915号公報
しかしながら、交換された新しい電池及び交換されなかった古い電池間や、古い電池間においては、電池劣化等の相違によりそれらの各充電効率は異なっている。このため、充放電を繰り返すうちに、組電池を構成する電池間で充電容量(SOC)にバラツキが発生する。
特に、定置用蓄電池では、車両走行に用いられるエネルギを出力する組電池とは異なり、充電容量の使用幅(SOC上限値とSOC下限値との差)が大きい。充電容量の使用幅が大きいと、充電効率の差の影響がより大きくなって充電容量のバラツキが拡大し易くなる。そして、一度に大きな出力を許容する車両用電池とは異なり、電力を一定期間安定して供給することに重点が置かれる定置用蓄電池では、充放電を繰り返すうちに各電池の充電容量のバラツキが拡大して充放電可能な使用幅が小さくなると、定置用蓄電池として十分な性能を発揮させることができなくなる。
また、近年では、ハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される組電池を定置用蓄電池に再利用する取り組みがあり、使用済みの組電池は、電池劣化等による充電効率の差が生じていることが多い。このため、定置用蓄電池の性能を十分に引き出せず、かつ使用済み組電池を最後まで使い切るように再利用することができないおそれがある。
そこで、本発明は、定置用蓄電池を構成する複数のニッケル水素二次電池間の充電容量のバラツキによる定置用蓄電池の性能低下を抑制できる定置用蓄電システムを提供することを目的とする。
本願第1の発明は、直列に接続された複数のニッケル水素二次電池からなり、負荷に電力を供給する定置用蓄電池と、負荷への電力供給のための外部電源による充電制御と放電制御とを繰り返し行うコントローラと、を有する。コントローラは、いずれか1つのニッケル水素二次電池のSOCが第1閾値になった場合に負荷への放電を停止し、いずれか1つのニッケル水素二次電池のSOCが第2閾値になった場合に外部電源からの充電を停止する。
コントローラは、外部電源による充電制御において、いずれか1つのニッケル水素二次電池のSOCが第2閾値になった場合に充電を停止させずに、SOCが最も低いニッケル水素二次電池以外の他のニッケル水素二次電池が、第2閾値を超えて満充電容量まで充電されることを許容しつつ、SOCが最も低いニッケル水素二次電池のSOCが第2閾値以上となるように、定置用蓄電池全体に対する追加充電を行う。
本願第1の発明によれば、追加充電によって、定置用蓄電池を構成する複数のニッケル水素二次電池間に生じたSOCバラツキを解消させるように、SOCバラツキ幅を満充電容量と第2閾値との範囲内で低減させることができる。このため、充放電が許容される第1閾値及び第2閾値間のSOC使用幅の減少を抑制でき、SOCバラツキによる定置用蓄電システムの電池性能低下を抑制できる。
コントローラは、SOCが最も低いニッケル水素二次電池が、第2閾値を超えて満充電容量に達するまで定置用蓄電池全体に対する追加充電を行うことができる。このように構成することで、各ニッケル水素二次電池それぞれのSOCを満充電容量(SOCが100%)で均等化することができ、SOCバラツキを解消させることができる。
コントローラは、充電制御において第2閾値までの充電レートを第1充電レートで行うとともに、第2閾値から満充電容量までの充電レートを第1充電レートよりも低い第2充電レートで行うことができる。このように構成することで、例えば、過充電に伴うニッケル水素二次電池の発熱を抑制しながら、第2閾値を超えて満充電容量までの充電を適切に行うことができる。
上記定置用蓄電システムは、ニッケル水素二次電池の電圧値を検出する電圧センサと、ニッケル水素二次電池を流れる電流値を検出する電流センサと、をさらに備えることができる。このとき、コントローラは、予め規定されたニッケル水素二次電池のSOCと電圧値との対応マップに基づいて、第1閾値に対応する電圧値に達した第1ニッケル水素二次電池を判別して放電を停止するとともに、対応マップに基づいて第2閾値に対応する電圧値に達した第2ニッケル水素二次電池を判別して充電を停止することができるとともに、第1ニッケル水素二次電池と第2ニッケル水素二次電池とのSOC差をトリガーとして、SOC差が所定値以上である場合に、定置用蓄電池全体に対する追加充電を行うように構成することができる。SOC差をトリガーに追加充電を行うことで、SOCバラツキによる第1閾値及び第2閾値間のSOC使用幅の低減を定期的に解消させ、定置用蓄電システムの電池性能を適切に維持することができる。
コントローラは、放電制御において第1ニッケル水素二次電池のSOCが第1閾値に達した際の第2ニッケル水素二次電池のSOCを、放電開始から第1閾値に達するまでの充放電電流積算値に基づいて算出することができる。このように構成することで、第2閾値から低下した現在の第2ニッケル水素二次電池のSOCを精度良く算出することができる。
コントローラは、第2ニッケル水素二次電池を第2閾値まで充電した後、SOC差分の電力を第2ニッケル水素二次電池に充電するように、定置用蓄電池全体に対する追加充電を行うことができる。このように構成することで、ニッケル水素二次電池間のSOCバラツキの解消(低減)を図るための電力を過不足なく充電できるとともに、必要以上の充電を抑制し、例えば、過充電に伴うニッケル水素二次電池の温度上昇(発熱)を低減させることができる。
本願第2の発明は、直列に接続された複数のニッケル水素二次電池からなり、負荷に電力を供給する定置用蓄電池の制御方法である。本制御方法では、負荷への放電制御を行い、いずれか1つのニッケル水素二次電池のSOCが第1閾値になった場合に負荷への放電を停止し、外部電源による充電制御を行い、いずれか1つのニッケル水素二次電池のSOCが第2閾値になった場合に外部電源からの充電を停止する。そして、負荷への電力供給のためにこれらの外部電源による充電制御と放電制御とを繰り返し行う。さらに、充電制御において、いずれか1つのニッケル水素二次電池のSOCが第2閾値になった場合に充電を停止させずに、SOCが最も低いニッケル水素二次電池以外の他のニッケル水素二次電池が、第2閾値を超えて満充電容量まで充電されることを許容しつつ、SOCが最も低いニッケル水素二次電池のSOCが第2閾値以上となるように、定置用蓄電池全体に対する追加充電を行う。本願第2の発明によれば、上記本願第1の発明と同様の効果を得ることができる。
定置用蓄電システムのシステム構成を示す図である。 定置用蓄電システムにおける組電池の使用態様と、組電池を構成する複数の単電池間のSOCバラツキの一例を示す図である。 定置用蓄電システムの充放電制御におけるSOC遷移を示す図である。 SOC上限値までの外部充電制御を説明するための図である。 リフレッシュ充電によって各単電池のSOCが均等される態様を説明するための図である。 ニッケル水素二次電池のSOC−OCVマップの一例を示す図である。 定置用蓄電システムのリフレッシュ充電判定処理の制御フローを示す図である。 外部充電処理の制御フローを示す図である。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1である定置用蓄電システムについて、図1から図8を参照して説明する。図1は、定置用蓄電システム1のシステム構成図である。
定置用蓄電システム1は、例えば、店舗、工場、住宅などで使用される定置型電源として用いられ、住宅等の負荷50(電力消費機器)と接続される。また、定置用蓄電システム1は、外部電源と接続され、電力消費機器への電力供給(放電)と共に、外部電源60から供給される電力を充電することができる。
電力消費機器としては、例えば、家電製品やエアコン、設備機器などがある。外部電源60としては、例えば、太陽光発電機(太陽光パネル)や自家発電機、送電線を介して供給される商用電力などがある。
組電池10(蓄電装置に相当する)は、直列に接続された複数の単電池(蓄電素子に相当する)11を有する。単電池11として、ニッケル水素二次電池が用いられる。単電池11の数は、組電池10の要求出力などに基づいて、適宜設定することができる。本実施例の組電池10では、すべての単電池11が直列に接続されているが、組電池10には、並列に接続された複数の単電池11が含まれていてもよい。
また、本実施例の組電池10(単電池11)は、新品の組電池10以外にも、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載されていた使用済み(中古品)の組電池10も含まれる。使用済みの組電池10は、複数の使用済み組電池10から単電池11を寄せ集めて再構成したり、使用済み組電池10の一部の単電池11を、新品や他の使用済み組電池10の単電池11に交換して再構成したリビルト組電池が含まれる。
組電池10は、組電池10の正極端子に接続される正極ラインPL1と組電池10の負極端子に接続される負極ラインNL1とを介して昇圧コンバータ40に接続されている。正極ラインPL1及び負極ラインNL1それぞれには、リレー装置R1a、R2aが設けられている。
また、組電池10は、正極端子に接続される正極ラインPL2と負極端子に接続される負極ラインNL2とを介して外部電源60に接続されている。正極ラインPL2及び負極ラインNL2それぞれには、リレー装置R1b、R2bが設けられている。
昇圧コンバータ40は、負荷50と接続されている。昇圧コンバータ40は、組電池10の出力電圧を昇圧又は降圧し、昇圧後又は降圧後の電力を負荷50に供給することができる。負荷50には、直流又は交流の電力を供給することができる。交流電力を供給する場合には、昇圧コンバータ40と負荷50との間にインバータが設けられる。
外部電源60は、外部電力を組電池10に供給する。図1の例では、組電池10と外部電源60と直接接続されているが、昇圧コンバータ40やインバータ等を介して、外部電源60から組電池10に充電電力が供給されるように構成することができる。
電圧センサ20は、組電池10の端子間電圧及び組電池10を構成する直列に接続された各単電池11それぞれの電圧を検出して検出結果をコントローラ30に出力する。電流センサ21は、充放電を行う組電池10の充放電電流を検出してコントローラ30に検出結果を出力する。
また、電流センサ21は、外部電源60を介して組電池10に流れる外部充電電流を検出し、コントローラ30に検出結果を出力することができる。本実施例の電流センサ21は、外部電源60から組電池10に出力される外部充電電流の電流経路に設けられ、リレー装置R1a,R2aがオフ状態、すなわち、組電池10と負荷50との接続が遮断された状態で、外部充電電流が組電池10に流れる電流経路に設けられる。なお、外部電源60を介して組電池10に流れる外部充電電流を検出する電流センサと、組電池10の充放電制御において組電池10を流れる電流を検出する電流センサとをそれぞれ個別に設けて別々に電流を検出するようにしてもよい。
コントローラ30は、定置用蓄電システム1全体の制御を司る制御部であり、組電池10の充放電制御と共に、SOC推定処理や外部電源60を介した外部充電処理などの充放電制御に必要な各処理を行う制御装置である。電圧センサ20によって検出された電圧値、電流センサ21によって検出された電流値に基づいて、コントローラ30は、組電池10(単電池11)のSOCを算出し、算出されたSOC及び満充電容量に基づいて、組電池10の充放電制御を行うことができる。メモリ31は、各種情報を記憶する記憶手段である。
コントローラ30は、定置用蓄電システム1が充放電制御を開始してから充放電制御が終了するまでの間、電圧センサ20で検出される組電池10の電圧値及び各単電池11の電圧、電流センサ21で検出される電流値を所定のタイミングや所定の時間間隔で取得する。コントローラ30は、取得されたCCVから組電池10(単電池11)のSOC推定処理を遂行する。算出された値や検出値等は、充放電制御に用いられるとともに、メモリ31に記憶される。
なお、コントローラ30は、SOC推定処理及び外部充電処理を行うための各コントローラが個別に構成されたものであってもよい。つまり、定置用蓄電システム1の制御を司る中央制御装置が、各部を制御したり、各部の制御毎の個別のコントローラを設けて中央制御装置が個別の各コントローラと接続される構成であってもよい。
組電池10(単電池11)のSOCは、組電池10の満充電容量に対する現在の充電容量の割合(充電状態)を示すものであり、満充電容量は、満充電の状態(SOCが100%)を示すものである。SOCは、組電池10の開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)から特定することができる。例えば、組電池10のSOCとOCVの対応関係データとしてSOC−OCVマップを予めメモリ31に記憶しておく。コントローラ30は、電圧センサ20によって検出される電圧(CCV:Closed Circuit Voltage)から組電池10のOCVを算出し、SOC−OCVマップからSOCを算出することができる。
なお、組電池10のSOCとOCVの対応関係は、電池温度に応じて変化するので、SOC−OCVマップを電池温度毎にメモリ31に記憶させておき、組電池10のOCVからSOCを推定する際に、不図示の温度センサによって検出される電池温度に応じて、SOC−OCVマップを切り換えて(選択して)、組電池10のSOCを推定するようにしてもよい。
コントローラ30は、充放電中の電圧センサ20によって検出された電圧値(CCV)を監視することにより、組電池10の過充電状態や過放電状態を把握することができる。例えば、算出されたSOCが所定のSOC上限値(例えば、満充電容量に対する充電終止電圧)よりも高くならないように組電池10の充電を制限したり、SOC下限値(例えば、充電容量が空の状態(0%)に対して設定される放電終止電圧)よりも低くならないように放電を制限する充放電制御を行うことができる。
また、コントローラ30は、組電池10(単電池11)のSOCを算出する方法として、上述したSOC−OCVマップを用いた算出方法とは別に、組電池10の充放電電流の積算値を用いたSOC推定処理を行うことができる。
コントローラ30は、充放電制御中の充放電電流を積算する処理を行い、充放電電流積算値を充放電履歴としてメモリ31に記憶する。例えば、電流センサ21によって検出される検出値において、放電電流をプラス、充電電流をマイナスとして積算し、充放電電流積算値を算出することができる。
組電池10(単電池11)のSOCは、満充電容量に対して蓄積されている電力量(Ah)を示すものである。つまり、組電池10に蓄積されている電力量とSOCは、対応関係にあるので、所定のSOCから現在のSOCまでのSOC遷移を、充放電電流積算値から把握することができる。例えば、SOCが90%の状態から放電した場合の放電電流を積算して放電電力量が把握する。SOCが90%時の充電容量(Ah)を予め把握しておき、SOCが90%時の充電容量から電流積算値に対応する放電電力量を差し引くことで、現在の充電容量(Ah)、すなわち、現在のSOCを算出することができる。
次に、本実施例の定置用蓄電システム1の充放電制御について説明する。図2は、定置用蓄電システム1における組電池10の使用態様と、組電池10を構成する複数の単電池11間のSOCバラツキの一例を示す図である。
車両用電池は、例えば、SOCが30〜70%の範囲で使用されるが、定置用蓄電システム1は、基本的にSOCが0〜100%の範囲での使用が許容され、電池保護の観点から過充電状態や過放電状態を考慮してもSOCが10〜90%の使用幅で使用される。つまり、定置用蓄電システム1と車両用電池では、使用目的及び使用方法が相違する。
車両走行用モータに供給される電力を蓄電する車両搭載用に電池は、車両要求に応じて一度に大きな出力を許容するため、充放電時に電流値が時々刻々と変化し、電流値の変動が非常に大きく、電圧変動が相対的に小さい。つまり、使用されるSOCの範囲が30〜70%のように狭い範囲でも十分な電池性能を発揮させることができる使用態様であるため、単電池11間のSOCバラツキによって使用幅が小さくなっても、車両要求に対する電池性能の低下が小さい。
これに対して、定置用蓄電システム1は、負荷50に対して一定期間安定した電力を供給することに重点が置かれるため、定電流で充放電を行う。つまり、10〜90%の広いSOC範囲で定電流による充放電を行うことで、一定期間安定した電力供給を実現し、車両用電池に比べて、電流値の変動が小さく、電圧変動が相対的に大きい。したがって、SOCの範囲を10〜90%のように広い範囲で使用することで安定的な電力供給を実現する定置用蓄電システム1では、単電池11間のSOCバラツキによって使用幅が小さくなると、定置用蓄電システム1として要求される安定的な電力供給に対する電池性能の低下が大きくなってしまう。
図2に示すように、定置用蓄電システム1は、例えば、過充電に対して予め設定されるSOC上限値を90%、過放電に対して予め設定されるSOC下限値を10%として、組電池10の充放電が制御される。SOCが10%に到達するまで放電が許容し、組電池10のSOCが90%に達するまで充電が許容する。組電池10は、車両用電池よりも大きな使用幅でのSOC遷移で、SOC下限値までの定電流放電と、SOC上限値までの外部電源60による定電流充電とが繰り返しなされる。
図3は、定置用蓄電システム1の充放電制御におけるSOC遷移を示す図である。コントローラ30は、組電池10の充電制御及び放電制御において、単電池11のSOCがSOC上限値に達したか、SOC下限値に達したかを各単電池11の電圧値から判定することで、SOC上限値からSOC下限値までの使用幅で充放電制御を行う。
充電制御において、コントローラ30は、いずれか1つの単電池11がSOC上限値(対応する電圧値)に達した場合、充電を停止する。図4は、SOC上限値までの外部充電制御を説明するための図である。図4に示すように、所定の充電レートで充電を行うと、単電池Cが一番最初にSOC上限値に達する。単電池CがSOC上限値に達すると充電が停止されるので、単電池Hを含む他の単電池11は、SOC上限値に達する前に充電が停止し、SOC上限値よりも低いSOCまでしか充電されない。このため、単電池Cと単電池Hとは、SOCバラツキが発生している状態となる。なお、コントローラ30は、単電池Cを最もSOCが高い単電池11として識別することができる。
一方、図3に示すように、放電制御では、コントローラ30は、いずれか1つの単電池11がSOC下限値(対応する電圧値)に達した場合、放電を停止する。例えば、図2の例において、単電池Hが一番最初にSOC下限値に達する。このとき、単電池Hを最もSOCが低い単電池11として識別することができる。
すなわち、単電池Cと単電池Hとの間にSOC差が発生している状態で放電が行われるので、SOCが単電池Cよりも低い単電池Hは、単電池Cよりも先にSOC下限値に達する。単電池HがSOC下限値に達すると、組電池10の放電が停止されるので、単電池Cを含む他の単電池11は、SOC下限値よりも高いSOC(放電可能な電力量を蓄積している)にもかかわらず、放電が停止されてしまう。
このように、10〜90%の広いSOC範囲で使用される定置型蓄電システム1では、車両用電池よりも単電池11間の充電効率差の影響がより大きくなってSOCバラツキが拡大し易くなり、繰り返し行われる充放電の経年によって組電池10のSOC使用幅が小さくなってしまう傾向にある。特に、組電池10に使用される単電池11が、再利用される使用済み単電池11である場合には、単電池11間の充電効率差の影響によるSOCバラツキの拡大を回避し難いため、定置型蓄電システム1の電池性能を十分に発揮させることができないおそれがある。
そこで、本実施例では、定置用蓄電システム1のSOC使用幅の低減を抑制するために、外部充電時においてリフレッシュ充電を行い、単電池11間の充電効率のバラツキによって発生するSOC差を解消させて、SOC使用幅の大きい定置用蓄電システム1の電池性能を十分に発揮できるようにする。
リフレッシュ充電は、外部充電制御において遂行され、上述したSOC上限値(第2閾値に相当する)及びSOC下限値(第1閾値に相当する)の使用幅での充放電制御における通常の外部充電制御に加え、追加充電を行うことで、単電池11間のSOCバラツキを解消させるものである。
本実施例では、上述したように、充放電制御において識別される最も高いSOCの単電池Cと最も低いSOCの単電池HとのSOC差が所定値を超える場合に、リフレッシュ充電を行う態様を一例に説明している。これは、追加充電のトリガーとしてSOC差が所定値以上である場合に行うことで、定置用蓄電システムの電池性能を適切に維持することができるように、SOCバラツキによるSOC使用幅の低減を定期的に解消させるためである。
なお、本実施例の追加充電は、例えば、SOC差を考慮せずに、所定のタイミングで(例えば、月に1回)自動的に行ったり、定置用蓄電システム1のメンテナンス作業等において、ユーザや作業者等による強制的に入力操作(例えば、SOCバラツキ解消ボタンのON操作)に応じて行うように構成することもできる。
まず、コントローラ30は、図4に示すように、通常の外部電源60を介した組電池10の充電制御において、組電池10を構成する各単電池11の電圧を監視しつつ、第1充電レートでいずれかの単電池11のSOCがSOC上限値に達するまで充電を行う。
次に、コントローラ30は、リフレッシュ充電を行う場合(SOC差>所定値)、SOCがSOC上限値に達しても充電を停止させずに、第2充電レートでの充電を継続して行う。全ての単電池11がSOC上限値を超えて満充電容量(100%)となるまで充電されることが許容されて継続される充電がリフレッシュ充電(追加充電)である。
図5に示すように、各単電池11のSOCは、SOC上限値に達した後は、満充電容量(SOC100%)になるまで「100%−SOC上限値」分の電力がさらに充電される。このとき、単電池Cは、SOC上限値に達しても、単電池Hとの間にSOC差があるため、「100%−SOC上限値」分の電力に加えて、SOC差分の電力がさらに充電されることになる。図5の例において、網目ハッチングで示した領域が満充電容量を超えた過充電領域を示している。
単電池C以外の他の単電池11も同様に、「100%−SOC上限値」分の電力に加えて、単電池Hに対するSOC差分の電力がさらに充電され、最も低いSOCの単電池Hが満充電容量に達するまで、追加充電が行われる。
単電池H以外の各単電池11は、満充電容量(100%)を超える電力を充電されて過充電状態となるが、SOCが最も低い単電池Hが満充電容量に達すると、全ての単電池11が満充電容量(100%)で均等化されることになり、単電池11間でのSOCバラツキが解消された状態で次回の放電制御を行うことができる。このため、SOC下限値までの使用幅の低減を抑制できる。さらに、放電制御後の次回の充電制御においてSOCバラツキが解消された状態でSOC上限値まで充電制御が行われるので、SOC上限値までの使用幅の低減を抑制できる。
なお、第2充電レートは、第1充電レートよりも低く設定されている。例えば、第1充電レートを5〜10A、第2充電レートを1〜2Aの低レートとすることができる。第2充電レートは、単電池11として用いられるニッケル水素(Ni−MH)二次電池の過充電時の発熱量に応じて適宜設定することができる。
ニッケル水素二次電池は、充電時は、通常は正極側において「Ni(OH)+OH → NiOOH+HO+e」の反応が発生し、負極側において「MO+e → MH+OH」の反応が発生している。全体として、「Ni(OH)+M → NiOOH+MH」の反応が発生しており、放電時では、充電時とは逆の方向に反応が進む。なお、「M」は、水素吸蔵合金である。
このような化学反応とともに、過充電時には、正極側において「OH → 1/2HO+1/4O2+e」の反応が、負極側で「M+HO+e → MH+OH」の反応と「MH → M+X/2H↑」の反応とが発生している。この過充電時(SOC上限値以上)における反応は、通常の充電時にも一部発生しており、過充電時(SOCが100%以上)では、この過充電時における反応のみが発生している。
SOC上限値以上での過充電では、ニッケル水素二次電池の内部において、水素吸蔵合金中の水素が酸素ガスを還元するとともに、水素吸蔵合金の撥水性により直接水素を吸蔵している。この再結合反応は、全体として、「2H+O → 2HO+Q(発熱)」ように、発熱反応が発生する。
この発熱は、SOCがSOC上限値を越える領域において発生する。すなわち、二次電池を充電するために供給された電気エネルギの一部が充電されずに熱エネルギに変換される。そこで、第2充電レートは、この発熱に応じ、単電池11に対する所定の発熱許容値を超えないように、低レートに設定することができ、各単電池11がそれぞれの満充電容量を超える充電(過充電)が許容されるようにすることができる。このように構成することで、過充電に伴うニッケル水素二次電池の発熱を抑制しながら、SOC上限値を超えた満充電容量までの充電を適切に行うことができる。
また、リフレッシュ充電は、上述したように、放電停止後に、SOC下限値に達した単電池11(SOC下限値の充電容量を有する単電池11)と、前回の充電制御においてSOC上限値に達した単電池11(放電開始時にSOC上限値の充電容量を有する単電池11)とのSOC差を算出し、SOC差が閾値を超える場合に、放電停止後の充電制御において行うことができる。
このとき、本実施例では、SOC差を算出するにあたり、SOC上限値の充電容量を有していた単電池11の現在のSOCを、放電電流積算値を用いて算出する。
図6は、ニッケル水素二次電池のSOC−OCVマップの一例を示す図である。図6に示すように、放電停止のトリガーとなるSOC下限値に達する単電池11は、電圧センサ20の検出値に基づいて、SOC−OCVマップにより、SOC下限値に達したか否かを判別する。つまり、予め設定されたSOC下限値に対応する電圧値となった場合に、放電を停止するので、SOC下限値に達する単電池11のSOCは、SOC下限値となる。
一方、放電を停止した際のSOC上限値の充電容量を有していた単電池11の現在のSOCも、SOC下限値に達する単電池11のSOCと同様に、電圧センサ20の検出値を用いてSOC−OCVマップから算出することもできるが、図6に示すように、SOC−OCVマップでは、SOCの変化量に対する電圧変化が小さい領域(例えば、SOCの変化量に対する電圧変化の割合が0に近い領域)が存在する場合、この領域での正確なSOCを算出できないおそれがある。
そこで、本実施例では、リフレッシュ充電前の放電開始時のSOCがSOC上限値であることを利用し、放電開始前の充電制御において識別されるSOC上限値の充電容量を有していた単電池11の現在のSOC1を、放電開始から放電終了までの放電時間における放電電流積算値を用いて算出する。SOC上限値の充電容量(Ah)は、満充電容量(Ah)から予め算出できるので、SOC上限値の充電容量(Ah)から放電電流積算値(Ah)を差し引き、現在のSOC1を算出することができる。このように構成することで、放電開始前の充電制御において識別されるSOC上限値の充電容量を有していた単電池11の現在のSOC1を精度良く算出することができる。
図7は、定置用蓄電システム1のリフレッシュ充電判定処理の制御フローを示す図である。リフレッシュ充電判定処理は、コントローラ30によって実行され、放電停止時又は放電停止後の所定のタイミングで行うことができる。
図7に示すように、コントローラ30は、自動的に又は手動で入力されるシステムON信号に基づいて、定置用蓄電システム1を起動する(S101)。コントローラ30は、リレー装置R1a,R2aをオフからオンに切り替えて、組電池10と負荷50とを接続する。このとき、リレー装置R1b,R2bは、オフのままである。
コントローラ30は、組電池10と負荷50とが接続された後、放電制御を開始する。コントローラ30は、放電制御の開始に伴って、電流センサ21によって検出される電流値に基づいて、電流積算処理を開始する(S102)。
コントローラ30は、いずれか1つの単電池11がSOC下限値に達したか否かを判別する(S103)。コントローラ30は、電圧センサ20によって検出される電圧値に基づいて、放電停止のトリガーとなるSOC下限値に達する単電池11を監視し、いずれか1つの単電池11が予め設定されたSOC下限値に対応する電圧値となった場合に、放電を停止する(S105)。放電の停止に伴い、コントローラ30は、電流積算処理を終了するとともに、リレー装置R1a,R2aをオンからオフに切り替えて、組電池10と負荷50とを接続を遮断する。また、コントローラ30は、SOC下限値に達した単電池11(第1単電池に相当する)を識別する。
なお、放電停止のトリガーとしては、単電池11のSOCがSOC下限値に達する場合以外にも、例えば、ユーザや作業者が手動で放電を停止したり、システム異常等による強制的な放電停止する場合もある。したがって、図7の例では、ステップS104において、SOC下限値に達しない場合(S103,NO)の場合は、コントローラ30は、放電停止信号の有無を確認し、放電を停止又は継続させることができる。
次に、コントローラ30は、放電制御停止時又は停止後に、リフレッシュ充電判定処理を行う(S106)。コントローラ30は、放電開始前の充電制御において識別されるSOC上限値の充電容量を有していた単電池11の現在のSOC1を、放電開始から放電終了までの放電時間における放電電流積算値を用いて算出する。そして、SOC上限値の充電容量(Ah)から放電電流積算値(Ah)を差し引き、現在のSOC1を算出する。なお、SOC上限値の充電容量を有していた単電池11の識別情報は、放電開始前の充電制御において識別され、メモリ31に記憶されている。
コントローラ30は、第2単電池11の現在のSOC1と、SOC下限値との差分(SOC差)を算出する。SOC差が所定値以上である場合は、リフレッシュ充電フラグをONにして(S107)、メモリ31に記憶する。一方、SOC差が所定値未満である場合は、リフレッシュ充電フラグをOFFにして(S107)、メモリ31に記憶する。なお、リフレッシュ充電判定における所定値は、定置用蓄電システム1の電池性能を十分に発揮させるために必要なSOC使用幅に対して、予め設定しておくことができる。例えば、満充電容量(100%)とSOC上限値(第2閾値)との差分を所定値とすることができる。
図8は、外部充電処理の制御フローを示す図である。外部充電処理は、コントローラ30によって実行され、例えば、外部電源60から深夜電力が供給可能な所定のタイミングで実行される。
図8に示すように、コントローラ30は、外部充電の開始タイミングか否かを判別し、開始タイミングである場合(S301)、ステップS302に進み、外部充電を開始する。例えば、不図示のタイマーにより計時された時刻が、予め設定された深夜電力の供給可能時刻である場合に、外部充電を開始する。
コントローラ30は、リレー装置R1b,R2bをオフからオンに切り替えて、組電池10と外部電源60とを接続する。このとき、リレー装置R1a,R2aは、オフのままである。コントローラ30は、組電池10と外部電源60とが接続された後、充電制御を開始する。コントローラ30は、電流センサ21によって検出される電流値に基づいて、外部充電電流値の積算処理を開始する。
ステップS302において、コントローラ30は、第1充電レートで充電を行う。コントローラ30は、第1充電レートでの充電制御中に、電圧センサ20によって検出される電圧値に基づいて、SOC上限値に達する単電池11を監視し、予め設定されたSOC上限値に対応する電圧値となった単電池11を判別する(S303)。
コントローラ30は、予め設定されたSOC上限値に対応する電圧値となった単電池11が検出されない場合は、第1充電レートでの充電制御を継続して行い、SOC上限値に対応する電圧値となった単電池11が検出された場合は、ステップS304に進み、リフレッシュ充電フラグのON/OFFをチェックする。
コントローラ30は、リフレッシュ充電フラグがOFFである場合、ステップS308に進み、外部充電を終了させる。一方、リフレッシュ充電フラグがONである場合は、充電レートを第1充電レートよりも低い第2充電レートに変更し、第2充電レートでの追加充電を行う(S305)。
このとき、コントローラ30は、第2充電レートでの充電に際して、追加充電に必要な電力を予め算出し、算出された電力を充電するように制御することができる。図5の例のように、今回の放電制御においてSOC下限値に到達した第1単電池11及び今回の放電制御前の充電制御においてSOC上限値に達していた第2単電池11の間のSOC差分に相当する電力と、「100%−SOC上限値」分に相当する電力量とを合計した電力量をリフレッシュ充電に用いられる追加充電量として算出する。コントローラ30は、算出された追加充電量を、第1単電池11と第2単電池11との間のSOC差に基づいて可変に制御し、追加充電量を通常の外部充電量(第1単電池11のSOCがSOC上限値に達するまでの充電量)に対して余分に充電するように制御する。
このように外部充電時に実行されるリフレッシュ充電に必要な電力を可変に制御することで、リフレッシュ充電によって各単電池11のSOC均等化を図るための電力を過不足なく供給しつつ、必要以上の充電を抑制して過充電による単電池11の温度上昇を低減させることができる。
ステップS306において、コントローラ30は、第2充電レートでの充電制御中に、電圧センサ20によって検出される電圧値に基づいて、第1単電池11のSOCが、図6の例で示したような満充電容量(100%)に対応する電圧値となったか否かを監視する。
コントローラ30は、第1単電池11が、満充電容量(100%)に対応する電圧値となっていない場合は、第2充電レートでの充電制御を継続して行い、満充電容量(100%)に対応する電圧値となった場合は、ステップS307に進み、リフレッシュ充電フラグをOFFにし、さらにステップS308に進んで第2充電レートでの外部充電を終了させる。このとき、上述のように、外部充電電流の積算値が、SOC上限値までの外部充電量と算出された追加充電量との合計値の達した場合に、リフレッシュ充電を含む外部充電を終了させるように制御してもよい。
なお、上記説明において、図7に示したリフレッシュ充電判定処理を放電制御終了時に行う一例を示したが、これに限るものではない。例えば、図8に示した外部充電処理において、放電制御において得られた放電電流積算値を用いたSOC差を算出して判定したり、図7において算出されたSOC差を用いて、リフレッシュ充電の必要有無を図8の外部充電処理において判別するように構成してもよい。
本実施例では、所定のタイミングで、外部電源による充電制御において充電を停止させずに、SOC上限値を超えて満充電容量(100%)に達するまで組電池10(定置用蓄電池に相当する)全体に対する追加充電を行うので、ニッケル水素二次電池で構成された単電池11それぞれのSOCを満充電容量で均等化することができ、SOCバラツキを解消させることができる。
なお、上記説明では、全ての単電池11がSOC上限値を超えて満充電容量まで充電されるように追加充電する一例を示しているが、SOCが最も低い単電池11のSOCがSOC上限値以上となるように、組電池10全体に対する追加充電することで、満充電容量とSOC上限値との範囲内でSOCバラツキ幅を低減させることができ、定置用蓄電システム1の電池性能の低下を抑制することができる。
つまり、SOC上限値以上の充電は、例えば、満充電容量に近い過充電領域となるため、SOC上限値以上の充電効率が小さくなる。したがって、SOCが最も低い単電池11がSOC上限値以上となるように組電池10全体に対する追加充電を行うことで、満充電容量とSOC上限値との間の範囲内に各単電池11のSOCが収まることなり、SOCバラツキが解消されるように、SOCバラツキ幅が小さくなる。特に、本実施例のように、SOC使用幅が大きい場合、満充電容量とSOC上限値との差が小さいため、SOCが最も低い単電池11のSOCがSOC上限値以上となるように追加充電すれば、SOCバラツキを解消させるように、SOCバラツキ幅をより低減させることができる。
1 :定置用蓄電システム
10:組電池
11:単電池
20:電圧センサ
21:電流センサ
30:コントローラ
31:メモリ
40:昇圧コンバータ
50:負荷
60:外部電源

Claims (7)

  1. 直列に接続された複数のニッケル水素二次電池からなり、負荷に電力を供給する定置用蓄電池と、
    前記負荷への電力供給のための外部電源による充電制御と放電制御とを繰り返し行い、いずれか1つの前記ニッケル水素二次電池のSOCが第1閾値になった場合に前記負荷への放電を停止し、いずれか1つの前記ニッケル水素二次電池のSOCが第2閾値になった場合に外部電源からの充電を停止するコントローラと、を有し、
    前記コントローラは、外部電源による充電制御において、いずれか1つの前記ニッケル水素二次電池のSOCが前記第2閾値になった場合に充電を停止させずに、SOCが最も低いニッケル水素二次電池以外の他のニッケル水素二次電池が、前記第2閾値を超えて満充電容量まで充電されることを許容しつつ、SOCが最も低いニッケル水素二次電池のSOCが前記第2閾値以上となるように、前記定置用蓄電池全体に対する追加充電を行うことを特徴とする定置用蓄電システム。
  2. 前記コントローラは、SOCが最も低いニッケル水素二次電池が、前記第2閾値を超えて満充電容量に達するまで前記定置用蓄電池全体に対する追加充電を行うことを特徴とする請求項1に記載の定置用蓄電システム。
  3. 前記コントローラは、前記充電制御において前記第2閾値までの充電レートを第1充電レートで行うとともに、前記第2閾値から満充電容量までの充電レートを前記第1充電レートよりも低い第2充電レートで行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の定置用蓄電システム。
  4. 前記ニッケル水素二次電池の電圧値を検出する電圧センサと、
    前記ニッケル水素二次電池を流れる電流値を検出する電流センサと、をさらに備え、
    前記コントローラは、
    予め規定された前記ニッケル水素二次電池のSOCと前記電圧値との対応マップに基づいて、前記第1閾値に対応する電圧値に達した第1ニッケル水素二次電池を判別して放電を停止するとともに、前記対応マップに基づいて前記第2閾値に対応する電圧値に達した第2ニッケル水素二次電池を判別して充電を停止し、
    前記第1ニッケル水素二次電池と前記第2ニッケル水素二次電池とのSOC差が所定値以上である場合に、前記定置用蓄電池全体に対する追加充電を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の定置用蓄電システム。
  5. 前記コントローラは、前記放電制御において前記第1ニッケル水素二次電池のSOCが前記第1閾値に達した際の前記第2ニッケル水素二次電池のSOCを、放電開始から前記第1閾値に達するまでの充放電電流積算値に基づいて算出することを特徴とする請求項4に記載の定置用蓄電システム。
  6. 前記コントローラは、前記第2ニッケル水素二次電池を前記第2閾値まで充電した後、前記SOC差分の電力を前記第2ニッケル水素二次電池に充電するように、前記定置用蓄電池全体に対する追加充電を行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の定置用蓄電システム。
  7. 直列に接続された複数のニッケル水素二次電池からなり、負荷に電力を供給する定置用蓄電池の制御方法であって、
    前記負荷への放電制御を行い、いずれか1つの前記ニッケル水素二次電池のSOCが第1閾値になった場合に前記負荷への放電を停止し、
    外部電源による充電制御を行い、いずれか1つの前記ニッケル水素二次電池のSOCが第2閾値になった場合に外部電源からの充電を停止し、
    前記負荷への電力供給のための外部電源による前記充電制御と前記放電制御とを繰り返し行うとともに、
    前記充電制御において、いずれか1つの前記ニッケル水素二次電池のSOCが前記第2閾値になった場合に充電を停止させずに、SOCが最も低いニッケル水素二次電池以外の他のニッケル水素二次電池が、前記第2閾値を超えて満充電容量まで充電されることを許容しつつ、SOCが最も低いニッケル水素二次電池のSOCが前記第2閾値以上となるように、前記定置用蓄電池全体に対する追加充電を行うことを特徴とする制御方法。
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