JP5314626B2 - 電源システム、放電制御方法および放電制御プログラム - Google Patents

電源システム、放電制御方法および放電制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、電源システム、放電制御方法および放電制御プログラムに関し、より具体的には、複数の蓄電池ユニットからなる電源システムにおける放電動作を制御する電源システム、放電制御方法および放電制御プログラムに関する。
ニッケル水素蓄電池やニッケルカドミウム電池は一般に定電流で充電される。大型の蓄電池では充電に必要な電流が大きくなるため、複数系列が並列に接続された蓄電池システムの場合、充電はすべての蓄電池について一斉に行うのではなく、複数に分かれた系列毎に充電が行われることが多い。充電後は、蓄電池は開回路状態に置かれ、自己放電により充電率(SOC;State of Charge:電気容量に対して、充電している電気量を比率で表したもの)がある限度以下に低下した段階になると、再び満充電になるまで定電流で充電するという充電動作を繰り返す。かくのごとき充電動作を、通常、自己放電分を補うという意味から補充電と呼んでいる。
具体例として、非特許文献1のK.Saitoらによる‘High Performance Backup Power Supply System’(IEICE/IEEE INTELEC’03)に開示されている携帯電話基地局用直流電源システムにおいては、公称電流容量100Ahのニッケル水素蓄電池単セルを10本直列に接続して、蓄電池モジュールを形成し、さらに、4個の蓄電池モジュールを直列に接続して、1系列の蓄電池ユニットを構成している。さらに、この蓄電池ユニットを2系列並列に接続し、補充電は電流10Aで1系列ずつ行う。ここで、補充電は、蓄電池ユニットのSOCが自己放電により約90%まで低下した時点で行うよう設計されている。この時、2つの系列では蓄電池ユニットのSOCは必ずしも一致しない。そして、2系列の蓄電池ユニットのSOCの差は、一方の蓄電池ユニットが補充電した直後で、他方の蓄電池ユニットが補充電の直前の場合に、最大となり、そのSOC差は約10%に及ぶ場合もある。しかし、かかるSOCの差は、蓄電池ユニットのSOCの推定が正しかった場合であって、実際には、2系列の蓄電池ユニット間のSOC差はさらに拡大することがある。
K.Saito,T.Shodai,A.Yamashita, and H.Wakaki;‘High Performance Backup Power Supply System’,IEICE/IEEE INTELEC’03(The 25th International Telecommunications Energy Conference)講演要旨集、第261−266頁(2003)
前述のように、異なる系統の蓄電池ユニット間でSOCに差がある状態のまま、複数の系列の蓄電池ユニットを並列に接続して負荷に接続して放電させた場合、通常、相対的にSOCの高い方の系列の蓄電池ユニットからは大きな電流が流れ、相対的にSOCの低い方の系列の蓄電池ユニットからは小さい電流が流れることになるので、2系列の蓄電池ユニット間のSOC差は次第に縮まり、最終的には、ほぼ同時に放電が終了する状態を得る可能性がある。
ところが、ニッケル水素蓄電池やニッケルカドミウム蓄電池を蓄電池セルとして用いて蓄電池ユニットを構成している場合は、蓄電池ユニットのSOCの違いによる電圧差は小さく、また、内部抵抗もSOCに応じて変化するため、SOCが高い方の系列の蓄電池ユニットの方が、SOCが低い方の系列の蓄電池ユニットよりも常に大きな電流が流れるとは限らず、そのため、放電しても、2系列の蓄電池ユニット間のSOCの差は縮まらないことがある。
SOCの低かった方の系列の蓄電池ユニットからの放電電流が、SOCが高い方の系列の蓄電池ユニットからの放電電流よりも小さくない場合には、SOCの低かった方の系列の蓄電池ユニットが先に放電終止限電圧に達して、電源システムから切り離されてしまうことになり、その場合、残りの系列の蓄電池ユニットに放電が集中してしまい、その結果、電源システムは、最大電流値を超えることにより、または、大きく電圧降下して最低電圧値を下回ることにより、放電動作を停止する。而して、電源システムが放電を停止した時点では、蓄電池ユニットには残存容量がまだ残っている状態が発生する。すなわち、蓄電池の全容量を使い切ることができない状態が発生する。
前記非特許文献1のシステムにおいては、各蓄電池ユニットの系列には、放電器が接続されている。しかし、当該放電器の機能は、昇降圧と電流制限との2つの機能しか有していないものであり、2つの系列の電池ユニット間でSOCに差があった場合に、放電電流を制御して、そのSOC差を縮めるような機能は有していない。
前述のように、定電流で補充電(間欠充電)されるニッケル水素蓄電池やニッケルカドミウム蓄電池を用いた蓄電池ユニットの場合、昇降圧と電流制限との機能のみを有し、放電電流を任意の値に制御するという機能を有していない従来の放電器を使用しても、2系列の蓄電池ユニット間のSOCや蓄電池電圧のばらつきを放電中に解消することは困難であり、2系列の蓄電池ユニット間でSOCや蓄電池電圧を揃えるためには、2系列の蓄電池ユニットを、同時に、一斉に、補充電することが必要である。しかし、そのためには、補充電時しか使用しない充電器をすべての蓄電池ユニットの系列に1台ずつ接続することが必要となり、また、配線も、一斉充電の電流値に対応しなければならないため、経済的にも有利な解決策とはなっていない。
(本発明の目的)
本発明は、前述のような問題を解決するためになされたものであり、本発明は、並列接続された蓄電池ユニットのSOC(充電率)や蓄電池電圧のばらつきを放電中に解消し、すべての系列の蓄電池ユニットを完全に放電させる電源システム、放電制御方法および放電制御プログラムを提供することを、その目的としている。
本発明は、前述の課題を解決するために、以下のごとき各技術手段から構成されている。
第1の技術手段は、複数の蓄電池セルを直列接続してなる蓄電池ユニットを、複数系列並列に接続した構成からなる蓄電部と、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれから負荷に供給するそれぞれの放電電流の電流値を制御することが可能な系列毎の放電器と、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの充電状況を計測した結果に基づいて、前記蓄電池ユニットに接続されている系列毎の前記放電器を制御して、当該蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を制御する制御回路と、を少なくとも備えた電源システムであって、前記制御回路は、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの充電状況に関し、それぞれ、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットの充電状況間の差分を算出して、該差分があらかじめ設定している充電状況閾値以下になっている場合、当該2系列の蓄電池ユニットに接続されている前記系列毎の放電器を制御して、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を等しい値に制御することを特徴とする。
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の電源システムにおいて、前記制御回路が、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの蓄電池電圧を、前記充電状況として計測し、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットの蓄電池電圧間の差分を算出して、該差分が前記充電状況閾値としてあらかじめ設定している蓄電池電圧閾値以下になっている場合、当該2系列の蓄電池ユニットに接続されている前記系列毎の放電器を制御して、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を等しい値に制御することを特徴とする。
第3の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の電源システムにおいて、前記制御回路が、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれのSOC(State of Charge)を、前記充電状況として計測し、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットのSOC間の差分を算出して、該差分が前記充電状況閾値としてあらかじめ設定しているSOC閾値以下になっている場合、当該2系列の蓄電池ユニットに接続されている前記系列毎の放電器を制御して、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を等しい値に制御することを特徴とする。
第4の技術手段は、前記第1ないし第3の技術手段のいずれかに記載の電源システムにおいて、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットの充電状況間の差分が前記充電状況閾値以下になっている場合に、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値として制御する等しい値が、当該2系列の前記蓄電池ユニット双方が出力することが可能な最大放電電流の電流値であることを特徴とする。
第5の技術手段は、複数の蓄電池セルを直列接続してなる蓄電池ユニットを、複数系列並列に接続し、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの充電状況を計測した結果に基づいて、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれに接続した系列毎の放電器を制御して、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれから負荷に供給する放電電流の電流値を制御する電源システムの放電制御方法であって、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの充電状況に関し、それぞれ、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットの充電状況間の差分を算出して、該差分があらかじめ設定している充電状況閾値以下になっている場合、当該2系列の蓄電池ユニットに接続されている前記系列毎の放電器を制御して、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を等しい値に制御することを特徴とする。
第6の技術手段は、前記第5の技術手段に記載の放電制御方法において、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの蓄電池電圧を、前記充電状況として計測し、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットの蓄電池電圧間の差分を算出して、該差分が前記充電状況閾値としてあらかじめ設定している蓄電池電圧閾値以下になっている場合、当該2系列の蓄電池ユニットに接続されている前記系列毎の放電器を制御して、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を等しい値に制御することを特徴とする。
第7の技術手段は、前記第5の技術手段に記載の放電制御方法において、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれのSOC(State of Charge)を、前記充電状況として計測し、互いに隣り合う2系列同士の蓄電池ユニットのSOC間の差分を算出して、該差分が前記充電状況閾値としてあらかじめ設定しているSOC閾値以下になっている場合、当該2系列の蓄電池ユニットに接続されている前記系列毎の放電器を制御して、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を等しい値に制御することを特徴とする。
第8の技術手段は、前記第5ないし第7の技術手段のいずれかに記載の放電制御方法において、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットの前記充電状況間の差分が前記充電状況閾値以下になっている場合に、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値として制御する等しい値が、当該2系列の前記蓄電池ユニットの双方が出力することが可能な最大放電電流の電流値であることを特徴とする。
第9の技術手段は、前記第5ないし第8の技術手段のいずれかに記載の放電制御方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施している放電制御プログラムとすることを特徴とする。
本発明の電源システム、放電制御方法および放電制御プログラムによれば、構造を採用しているので、以下のごとき効果を奏することができる。
すなわち、並列接続された複数の蓄電池ユニットそれぞれの充電状況例えばSOC(充電率)あるいは蓄電池電圧に応じて、複数の蓄電池ユニットそれぞれから負荷に供給する放電電流値を制御する仕組みを実現しているので、複数の蓄電池ユニットそれぞれのSOC(充電率)や蓄電池電圧のばらつきを負荷側への放電動作中に解消させることができ、而して、放電動作の終止時に、複数の蓄電池ユニットの残存容量にばらつきが生じることなく、複数の蓄電池ユニットのすべてを完全に放電させることが可能になる。
本発明に係る電源システムとして、整流器等の直流電源のバックアップ電源として動作する複数系列の蓄電池ユニットからなる電源システムの一例を示すシステム構成図である。 本発明に係る電源システムの放電制御動作の一例を説明するために用いるシステム構成例を示すシステム構成図である。 図1に示す電源システムの放電動作を制御する一例を示すフローチャートである。 図1に示す電源システムの放電動作を制御する他の例を示すフローチャートである。 最大放電電流の切り替えができない従来型の放電器を用いた場合の2系列の蓄電池ユニットから放電される放電電流の時間変化を示すグラフである。 最大放電電流の切り替えができない従来型の放電器を用いた場合の2系列の蓄電池ユニットのSOCの時間変化を示すグラフである。 最大放電電流の切り替えが可能な放電器を用いた図2に示す電源システムの場合の2系列の蓄電池ユニットから放電される放電電流の時間変化を示すグラフである。 最大放電電流の切り替えが可能な放電器を用いた図2に示す電源システムの場合の2系列の蓄電池ユニットのSOCの時間変化を示すグラフである。
以下に、本発明に係る電源システム、放電制御方法および放電制御プログラムの好適な実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、本発明に係る電源システムおよび放電制御方法について説明するが、かかる放電制御方法をコンピュータにより実行可能な放電制御プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、放電制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
(本発明の特徴)
本発明は、蓄電部として複数の蓄電池セル(単セル)を直列接続して構成する蓄電池ユニットを、複数系列、並列に接続した構成からなる電源システムにおいて、隣り合う2系列の蓄電池ユニット間の充電状況の差例えば蓄電池電圧差またはSOCの差が、あらかじめ設定した充電状況閾値例えば蓄電池電圧閾値またはSOC閾値以下になった場合には、当該2系列の蓄電池ユニットの放電電流を等しい電流値に制御する動作を繰り返すことにより、最終的に、全系列の蓄電池ユニット間の充電状況の差例えば蓄電池電圧差またはSOCの差が、あらかじめ設定した充電状況閾値例えば蓄電池電圧閾値またはSOC閾値以下になった場合には、全系列の蓄電池ユニットの放電電流を等しくするように制御することを特徴としている。
その結果、各系列の蓄電池ユニットの充電状況の初期値例えば蓄電池電圧またはSOCの初期値が互いに異なっていて、さらに、たとえ、蓄電池電圧またはSOCが高い方の系列の蓄電池ユニットと低い方の系列の蓄電池ユニットとの放電電流がの大小関係が如何なる関係にあった場合であっても、放電動作中に蓄電池ユニット間の残存容量のアンバランスを解消して、放電終止電圧を揃えることができ、各蓄電池ユニットに蓄積されている蓄電量を使い切ることができる。
(本発明の実施形態)
以下、本発明の実施形態について本発明の一例を詳細に説明するが、本発明は本実施形態にて説明する趣旨を逸脱しない限りに、かかる実施形態のみに限定されないことは言うまでもない。
(本発明に係る電源システムの構成例)
一般に、例えばニッケル水素蓄電池を用いて大出力の電源システムを実現する場合においては、非特許文献1にも記載されているように、定格1.2Vのニッケル水素蓄電池セル(平均電圧1.2V、定格電流容量95Ah)を10本直列接続したものを1蓄電池モジュールとし、さらに、4個の蓄電池モジュールを直列接続して、これを1系統の蓄電池ユニット(出力5kWh)とし、さらに、かかる蓄電池ユニットを、要求される出力が得られるように、N系列(N:正整数。例えば、出力30kWhの場合は、N=6)だけ並列接続した形態で構成される。
図1は、本発明に係る電源システムとして、整流器等の直流電源のバックアップ電源として動作する複数系列の蓄電池ユニットからなる電源システムの一例を示すシステム構成図であり、負荷側へ電力を放電する放電器を各系列の蓄電池ユニット毎に備え、かつ、複数系列の蓄電池ユニットを充電するための充電器を、複数系列の蓄電池ユニットに共通に備え、直流電源としては、商用交流電源を整流する整流器を用いている場合を示している。
図1に示す構成例においては、複数系列の蓄電池ユニットから蓄電池システムとして、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42、…、系列N蓄電池ユニット4N、のN系列の蓄電池ユニットが並列に接続されて、蓄電部を形成している。複数系列の蓄電池ユニットは、複数のニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池の単セルを直列に接続した蓄電池モジュールをさらに複数個直列に接続した構成を採用している。
さらに、N系統の蓄電池ユニットそれぞれから出力される電池電圧が負荷2の許容電圧範囲内に収まり、かつ、負荷2へ供給する放電電流の電流値を制御することができるように、制御回路90からの制御により、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42、…、系列N蓄電池ユニット4Nそれぞれから出力される蓄電池電圧を昇降圧させたり、放電電流の電流値を任意の値に設定したりする(例えば大小2つの最大放電電流に切り替えたりする)制御を行うことが可能な系列毎の放電器として、系列1放電器31、系列2放電器32、…、系列N放電器3Nを各系列の蓄電池ユニットに対応させて備えている。つまり、系列1放電器31、系列2放電器32、…、系列N放電器3Nによって、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42、…、系列N蓄電池ユニット4Nそれぞれから負荷2へ供給する放電電流値が制御される。
さらに、図1においては、整流器1から複数系列の蓄電池ユニットそれぞれに対して充電器切替スイッチ60を介して充電を行うための充電器として1台の共通充電器10が備えられており、制御回路90からの制御により、充電器切替スイッチ60を切り替えることによって、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42、…、系列N蓄電池ユニット4Nのいずれかを共通充電器10により充電することができるような構成となっている。なお、場合によっては、充電器側についても、放電器側と同様、共通充電器10を用いる代わりに、複数の充電器を用いて、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42、…、系列N蓄電池ユニット4Nそれぞれに対応付けて配置するようにしても構わない。
さらに、図1においては、制御回路90において、複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの充電状況を把握するために、例えば、複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの蓄電池電圧を計測するための計測線や、さらに、充電状況の評価尺度の一つになる複数系列の蓄電池ユニットそれぞれのSOCを算出するために、複数系列の蓄電池ユニットそれぞれに直列にシャント抵抗をさらに接続するとともに、それぞれのシャント抵抗の両端電圧を計測するための計測線が、制御回路90に接続されている。
すなわち、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42、…、系列N蓄電池ユニット4Nの蓄電池電圧を計測するため計測線が、系列1蓄電池電圧計測線71、系列2蓄電池電圧計測線72、…、系列N蓄電池電圧計測線7Nとして、各蓄電池ユニットと制御回路90との間に敷設されている。さらには、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42、…、系列N蓄電池ユニット4Nそれぞれに直列に、系列1シャント抵抗51、系列2シャント抵抗52、…、系列Nシャント抵抗5Nとしてシャント抵抗が接続されており、各シャント抵抗の両端電圧を計測するための計測線が、系列1シャント抵抗電圧計測線81、系列2シャント抵抗電圧計測線82、…、系列Nシャント抵抗電圧計測線8Nとして、各シャント抵抗と制御回路90との間に敷設されている。
以上のような構成からなる図1に示す電源システムにおいては、制御回路90の制御に応じて、充電器切替スイッチ60の接続状態を変更させることにより、それぞれの蓄電池ユニット(系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42、…、系列N蓄電池ユニット4N)が、共通充電器10を介して整流器1の出力によって適宜充電され、さらに、それぞれの放電器(系列1放電器31、系列2放電器32、…、系列N放電器3N)を介して、放電電流の電流値を適宜制御した形で負荷2へ電力を供給するように構成されている。ここで、複数の放電器(系列1放電器31、系列2放電器32、…、系列N放電器3N)は、その出力側で電気的に接続されて、負荷2に接続され、また、共通充電器10は、その入力側で電気的に整流器1に接続される構成であり、放電器および蓄電池ユニットを増設することによって、電池システムの拡張が可能となっている。
次に、複数系列の蓄電池ユニットからなる本発明に係る電源システムの放電制御を行う動作についてその一例を、図2のシステム構成図を参照しながら詳細に説明する。図2は、本発明に係る電源システムの放電制御動作の一例を説明するために用いるシステム構成例を示すシステム構成図であり、説明を簡素化するために、図1に示した複数系列の蓄電池ユニットを、N=2の2系列に限定した場合について示している。なお、蓄電池ユニットを構成する単位セル(蓄電池セル)としては、ニッケル水素蓄電池を用いるものとする。
つまり、図2においては、定格電流容量95Ahのニッケル水素蓄電池セルを10本直列に接続してケースに収めることによって蓄電池モジュールを形成した。さらに、該蓄電池モジュールを4つずつ直列に接続して単位ユニットを形成し、図2に示すように、系列1用第1蓄電池モジュール411、系列1用第2蓄電池モジュール412、系列1用第3蓄電池モジュール413、系列1用第4蓄電池モジュール414からなる系列1蓄電池ユニット41と、系列2用第1蓄電池モジュール421、系列2用第2蓄電池モジュール422、系列2用第3蓄電池モジュール423、系列2用第4蓄電池モジュール424からなる系列2蓄電池ユニット42との2系列を構成した。
さらに、2系列の系列1蓄電池ユニット41と系列2蓄電池ユニット42とを並列接続して、各系列の蓄電池ユニットに対応して、それぞれ、負荷2側に適切な放電電流を供給するための系列1放電器31、系列2放電器32を接続するとともに、充電器切替スイッチ60を介して1台の共通充電器10を各系列の蓄電池ユニットに切り替えて接続することによって、整流器(図2には、図1に示した整流器1を省略し、整流器接続端子1a,1bのみを記載している)のバックアップ電源を構成している。
また、図2において、2系列の系列1蓄電池ユニット41と系列2蓄電池ユニット42との蓄電池電圧は、各系列の蓄電池ユニットを構成する各蓄電池モジュールまたは各ニッケル水素蓄電池セル毎に設けられた電圧検知手段によって検知されて、それぞれに対応して接続された蓄電池電圧計測線を介して、制御回路90に転送される。
図2に示す例では、各蓄電池モジュール毎に計測線が敷設されており、系列1蓄電池ユニット41に関しては、系列1用第1蓄電池モジュール411、系列1用第2蓄電池モジュール412、系列1用第3蓄電池モジュール413、系列1用第4蓄電池モジュール414それぞれ毎に電圧検知手段が配置されており、それぞれの電圧検知手段から、系列1用第1蓄電池電圧計測線711、系列1用第2蓄電池電圧計測線712、系列1用第3蓄電池電圧計測線713、系列1用第4蓄電池電圧計測線714を介して、制御回路90に転送される。
一方、系列2蓄電池ユニット42に関しては、系列2用第1蓄電池モジュール421、系列2用第2蓄電池モジュール422、系列2用第3蓄電池モジュール423、系列2用第4蓄電池モジュール424それぞれ毎に電圧検知手段が配置されており、それぞれの電圧検知手段から、系列2用第1蓄電池電圧計測線721、系列2用第2蓄電池電圧計測線722、系列2用第3蓄電池電圧計測線723、系列2用第4蓄電池電圧計測線724を介して、制御回路90に転送される。
制御回路90においては、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42それぞれにおける充電状況の評価尺度の一つとして、各蓄電池電圧計測線によって計測された結果に基づいて、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42それぞれの蓄電池電圧を算出する。
また、図2において、2系列の系列1蓄電池ユニット41と系列2蓄電池ユニット42とのそれぞれに直列接続されている系列1シャント抵抗51と系列2シャント抵抗52とにおける両端電圧(シャント抵抗電圧)は、それぞれに対応して接続された系列1シャント抵抗電圧計測線81、系列2シャント抵抗電圧計測線82を介して、制御回路90に転送される。制御回路90においては、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42それぞれにおける充電状況の評価尺度の一つとして、各蓄電池電圧計測線によって計測された結果から算出された系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42それぞれの蓄電池電圧と、系列1シャント抵抗電圧計測線81、系列2シャント抵抗電圧計測線82によって計測されたシャント抵抗電圧とから、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42それぞれにおけるSOCを算出する。
さらに、制御回路90は、前述のように算出した系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42間の蓄電池電圧の差(蓄電池電圧差)を、隣り合う2系列の蓄電池ユニット41,42間の蓄電池電圧差として求め、当該制御回路90内の内部メモリに充電状況閾値の一例としてあらかじめ設定している蓄電池電圧閾値と比較して、算出した系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42間の蓄電池電圧の電圧差が、前記蓄電池電圧閾値以下に低下していた場合、系列1放電器31、系列2放電器32に対して、系列1放電器制御線91、系列2放電器制御線92を介して、制御信号を送信して、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット双方からの放電電流の電流値を等しい値に設定する。
また、制御回路90は、前述のように算出した系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42間におけるSOCの差(SOC差)を、隣り合う2系列の蓄電池ユニット41,42間のSOC差として求め、当該制御回路90内の内部メモリに充電状況閾値の他の例としてあらかじめ設定しているSOC閾値と比較して、算出した系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42間におけるSOCの差が、前記SOC閾値以下に低下していた場合、系列1放電器31、系列2放電器32に対して、系列1放電器制御線91、系列2放電器制御線92を介して、制御信号を送信して、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット双方からの放電電流の電流値を等しい値に設定する。
ここで、制御回路90は、マイコン(MPU)等から構成されており、該マイコンにおいて実行される制御プログラム(放電制御プログラム)によって、隣り合う2系統の蓄電池ユニットすなわち系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42それぞれの時々刻々変化する充電状況を把握し、把握した充電状況に応じて、2系統の蓄電池ユニット41,42それぞれに接続されている系列1放電器31、系列2放電器32を制御して、2系統の蓄電池ユニット41,42それぞれからの放電電流値を任意の値に変更する(例えば、2系統の蓄電池ユニット41,42それぞれが共通に出力することが可能な最大放電電流値としてあらかじめ定めた大小の2つの電流値の間を任意に切り替える)ようにしても良い。
なお、図2に示す電源システムの構成例においては、系列1蓄電池ユニット41と系列2蓄電池ユニット42との隣り合う2系列の蓄電池ユニットそれぞれは、前述のように、4個ずつの蓄電池モジュール、すなわち、系列1用第1蓄電池モジュール411、系列1用第2蓄電池モジュール412、系列1用第3蓄電池モジュール413、系列1用第4蓄電池モジュール414と系列2用第1蓄電池モジュール421、系列2用第2蓄電池モジュール422、系列2用第3蓄電池モジュール423、系列2用第4蓄電池モジュール424とのそれぞれが直列接続されて構成されているが、それぞれの蓄電池モジュールは、定格電流容量95Ahのニッケル水素蓄電池セルを10本直列接続して、それぞれケースに収められている。
また、かくのごとき2系列の蓄電池ユニット41,42は、並列に接続して、それぞれの一方の端子は、系列1放電器31、系列2放電器32を介して、整流器が接続される一方の整流器接続端子1aに接続されるとともに、充電器切替スイッチ60を介して接続した1台の共通充電器10を介して一方の整流器接続端子1aに接続されている。また、2系列の蓄電池ユニット41,42の他方の端子は、それぞれ、系列1シャント抵抗51、系列2シャント抵抗52を介して、整流器が接続される他方の整流器接続端子1bに接続されており、2系列の蓄電池ユニット41,42は、整流器のバックアップ電源として構成されている。
なお、整流器から、あるいは、バックアップ電源の蓄電部を形成している2系列の蓄電池ユニット41,42それぞれに接続された系列1放電器31、系列2放電器32から、放電電流が供給される負荷2は、本実施形態においては、1.6kWの電力を消費する負荷が接続されている。
ここで、系列1放電器31、系列2放電器32は、制御回路90からの制御により、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42それぞれから負荷2へ供給する放電電流の電流値を任意の値に制御することが可能であり、例えば、制御回路90からの制御に応じて、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42双方が出力することが可能な同一の最大放電電流値に設定することによって、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42それぞれからの放電電流の電流値を互いに相等しい値に制御することができる。
(図1に示す電源システムの放電動作例)
次に、図1、図2に示す電源システムの制御回路90において、複数の蓄電池ユニットの充電状況の如何に応じて負荷2に対する放電動作を制御する一例について、図3および図4に示すフローチャートを用いてさらに詳細に説明する。
図3は、図1に示す電源システムの放電動作を制御する一例を示すフローチャートであり、複数の蓄電池ユニットの充電状況として、複数の蓄電池ユニットのSOCの如何に応じて負荷に対する放電動作を制御する例を示している。また、図4は、図1に示す電源システムの放電動作を制御する他の例を示すフローチャートであり、複数の蓄電池ユニットの充電状況として、複数の蓄電池ユニットの蓄電池電圧の如何に応じて負荷に対する放電動作を制御する例を示している。ここで、図3、図4のフローチャートは、本発明に係る電源システムの放電制御方法の動作例を示すものであり、ニッケル水素蓄電池を用いたバックアップ電源の充電状況の如何に応じて負荷に対する放電電流の電流値を制御する一例を説明している。
(蓄電池ユニット間のSOC差による放電電流の制御方法)
まず、図3のフローチャートを用いて、バックアップ電源を形成する複数の蓄電池ユニットの充電状況として、複数の蓄電池ユニットのSOC(充電率)の如何に応じて、複数の蓄電池ユニットの放電電流を制御する動作について説明する。
図3において、まず、蓄電池ユニット番号を指定するユニットカウンタi、蓄電池ユニット内の蓄電池モジュールの番号を指定するモジュールカウンタjを、それぞれ、‘1’に初期設定する(ステップS1)。しかる後、系列iの蓄電池ユニット4iを構成する第j番目の蓄電池モジュール4ijの蓄電池電圧を、系列i用第j蓄電池電圧計測線7ijを経由して計測する(例えば、系列1蓄電池ユニット41の第1蓄電池モジュール411の蓄電池電圧を、系列1用第1蓄電池電圧計測線711を経由して計測する)(ステップS2)。
さらに、系列iの蓄電池ユニット4iを構成する全蓄電池モジュールの蓄電池電圧を計測したか否かを確認して(ステップS3)、まだ、計測すべき蓄電池モジュールが残っている場合は(ステップS3のNO)、モジュールカウンタjを‘1’更新して(ステップS4)、ステップS2に戻って、系列iの蓄電池ユニット4iを構成する次の蓄電池モジュールの蓄電池電圧を計測する動作を繰り返す。
一方、系列iの蓄電池ユニット4iを構成する全蓄電池モジュールの蓄電池電圧を計測した場合には(ステップS3のYES)、系列iの蓄電池ユニット4iを構成する各蓄電池モジュールの蓄電池電圧を加算することによって、当該系列iの蓄電池ユニット4iの蓄電池電圧を算出する(ステップS5)。
しかる後、系列iの蓄電池ユニット4iに接続されている系列iシャント抵抗5iのシャント抵抗電圧を、系列iシャント抵抗電圧計測線8iを経由して計測する(例えば、系列1蓄電池ユニット41の第1系列シャント抵抗51のシャント抵抗電圧を、系列1用第1蓄電池電圧計測線711を経由して計測する)(ステップS6)。
次に、ステップS5にて算出した系列iの蓄電池ユニット4iの蓄電池電圧と、ステップS6にて計測した系列iのシャント抵抗電圧とに基づいて、系列iの蓄電池ユニット4iのSOC(充電率)を算出する(ステップS7)。
系列iの蓄電池ユニット4iのSOCを算出すると、次に、電源システムを構成する全系列の蓄電池ユニットのSOCを算出したか否かを確認して(ステップS8)、まだ、SOCを算出すべき系列の蓄電池ユニットが残っている場合は(ステップS8のNO)、ユニットカウンタiを‘1’更新するとともに(ステップS9)、モジュールカウンタjを‘1’の初期状態に戻した後(ステップS10)、ステップS2に戻って、次の系列の蓄電池ユニットを構成する次の蓄電池モジュールの蓄電池電圧の計測動作、当該次の系列の蓄電池ユニットの蓄電池電圧の算出、シャント抵抗電圧の計測動作、および、当該次の系列の蓄電池ユニットのSOCの算出動作を繰り返す。
一方、電源システムを構成する全系列の蓄電池ユニットのSOCの算出が終了した場合には(ステップS8のYES)、ユニットカウンタiを‘1’の初期状態に戻した後(ステップS11)、電源システムを構成する各系列の蓄電池ユニットのうち、まず、系列iの蓄電池ユニット4iのSOCと系列(i+1)の蓄電池ユニット4(i+1)のSOCとの差を求めて、隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)間のSOC差を算出する(ステップS12)。
次いで、算出した隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)間のSOC差を、制御回路90内のメモリに、蓄電池ユニットの充電状況閾値を示す情報としてあらかじめ設定されているSOC閾値と比較する(ステップS13)。算出した隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)間のSOC差が、SOC閾値を上回っている場合は(ステップS13のNO)、隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)両者のSOC(充電率)には、まだ開きがあるものと看做して、隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)それぞれが接続されている系列i放電器3i、系列(i+1)放電器3(i+1)を制御することなく、そのまま、負荷2に対する放電動作を継続させる。
一方、算出した隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)間のSOC差が、SOC閾値以下に収まっている場合(ステップS13のYES)、2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)両者のSOC(充電率)は略等しい状態になったものと判断して、隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)それぞれが接続されている系列i放電器3i、系列(i+1)放電器3(i+1)を、系列i放電器制御線9i、系列(i+1)放電器制御線9(i+1)を介して制御して、系列i蓄電池ユニット4i、系列(i+1)蓄電池ユニット4(i+1)それぞれから負荷2に供給する放電電流の電流値を、あらかじめ定めた放電電流値(例えば、隣り合う2系列の系列i蓄電池ユニット4i、系列(i+1)蓄電池ユニット4(i+1)の双方から出力することが可能な最大放電電流値)に等しい電流値に設定する(ステップS14)。
しかる後、電源システムを構成する全系列の蓄電池ユニットに関して、隣り合う2系列の蓄電池ユニット間のSOC差を算出したか否かを確認して(ステップS15)、まだ、SOC差を算出すべき隣り合う系列の蓄電池ユニットが残っている場合は(ステップS15のNO)、ユニットカウンタiを‘1’更新した後(ステップS16)、ステップS12に戻って、次の隣り合う2系列の蓄電池ユニット間のSOC差の算出、当該次の隣り合う2系列の蓄電池ユニット間のSOC差とSOC閾値との比較、比較結果の如何に基づく放電電流の変更動作を繰り返す。
一方、隣り合う全系列の蓄電池ユニットについて、SOC差の算出動作が終了した場合には(ステップS15のYES)、SOC(充電率)の如何に応じて、複数の蓄電池ユニットの放電電流を制御する動作を終了する。
以上のような動作を行うことによって、並列接続された隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)間のSOC(充電率)のばらつきを、さらには、電源システムの蓄電部を構成する全蓄電池ユニット41,42,…,4N間のSOC(充電率)のばらつきを、負荷2に対する放電動作中において解消させ、全系列の蓄電池ユニットを完全に放電させることが可能となる。
(蓄電池ユニット間の蓄電池電圧差による放電電流の制御方法)
次に、図4のフローチャートを用いて、バックアップ電源を形成する複数の蓄電池ユニットの充電状況として、複数の蓄電池ユニットの蓄電池電圧の如何に応じて、複数の蓄電池ユニットの放電電流を制御する動作について説明する。
図4において、まず、図3の場合と同様に、蓄電池ユニット番号を指定するユニットカウンタi、蓄電池ユニット内の蓄電池モジュールの番号を指定するモジュールカウンタjを、それぞれ、‘1’に初期設定する(ステップS21)。しかる後、系列iの蓄電池ユニット4iを構成する第j番目の蓄電池モジュール4ijの蓄電池電圧を、系列i用第j蓄電池電圧計測線7ijを経由して計測する(例えば、系列1蓄電池ユニット41の第1蓄電池モジュール411の蓄電池電圧を、系列1用第1蓄電池電圧計測線711を経由して計測する)(ステップS22)。
さらに、系列iの蓄電池ユニット4iを構成する全蓄電池モジュールの蓄電池電圧を計測したか否かを確認して(ステップS23)、まだ、計測すべき蓄電池モジュールが残っている場合は(ステップS23のNO)、モジュールカウンタjを‘1’更新して(ステップS24)、ステップS2に戻って、系列iの蓄電池ユニット4iを構成する次の蓄電池モジュールの蓄電池電圧を計測する動作を繰り返す。
一方、系列iの蓄電池ユニット4iを構成する全蓄電池モジュールの蓄電池電圧を計測した場合には(ステップS23のYES)、図3の場合と同様、系列iの蓄電池ユニット4iを構成する各蓄電池モジュールの蓄電池電圧を加算することによって、当該系列iの蓄電池ユニット4iの蓄電池電圧を算出する(ステップS25)。
系列iの蓄電池ユニット4iの蓄電池電圧を算出すると、次に、電源システムを構成する全系列の蓄電池ユニットの蓄電池電圧を算出したか否かを確認して(ステップS26)、まだ、蓄電池電圧を算出すべき系列の蓄電池ユニットが残っている場合は(ステップS26のNO)、ユニットカウンタiを‘1’更新するとともに(ステップS27)、モジュールカウンタjを‘1’の初期状態に戻した後(ステップS28)、ステップS22に戻って、次の系列の蓄電池ユニットを構成する次の蓄電池モジュールの蓄電池電圧の計測動作、当該次の系列の蓄電池ユニットの蓄電池電圧の算出動作を繰り返す。
一方、電源システムを構成する全系列の蓄電池ユニットの蓄電池電圧の算出が終了した場合には(ステップS26のYES)、ユニットカウンタiを‘1’の初期状態に戻した後(ステップS29)、電源システムを構成する各系列の蓄電池ユニットのうち、まず、系列iの蓄電池ユニット4iの蓄電池電圧と系列(i+1)の蓄電池ユニット4(i+1)の蓄電池電圧との差を求めて、隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)間の蓄電池電圧差を算出する(ステップS30)。
次いで、算出した隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)間の蓄電池電圧差を、制御回路90内のメモリに、蓄電池ユニットの充電状況閾値を示す情報としてあらかじめ設定されている蓄電池電圧閾値と比較する(ステップS31)。算出した隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)間の蓄電池電圧差が、蓄電池電圧閾値を上回っている場合は(ステップS31のNO)、隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)両者の蓄電池電圧には、まだ開きがあるものと看做して、隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)それぞれが接続されている系列i放電器3i、系列(i+1)放電器3(i+1)を制御することなく、そのまま、負荷2に対する放電動作を継続させる。
一方、算出した隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)間の蓄電池電圧差が、蓄電池電圧閾値以下に収まっている場合(ステップS31のYES)、2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)両者の蓄電池電圧は略等しい状態になったものと判断して、隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)それぞれが接続されている系列i放電器3i、系列(i+1)放電器3(i+1)を、系列i放電器制御線9i、系列(i+1)放電器制御線9(i+1)を介して制御して、系列i蓄電池ユニット4i、系列(i+1)蓄電池ユニット4(i+1)それぞれから負荷2に供給する放電電流の電流値を、あらかじめ定めた放電電流値(例えば、隣り合う2系列の系列i蓄電池ユニット4i、系列(i+1)蓄電池ユニット4(i+1)の双方から出力することが可能な最大放電電流値)に等しい電流値に設定する(ステップS32)。
しかる後、電源システムを構成する全系列の蓄電池ユニットに関して、隣り合う2系列の蓄電池ユニット間の蓄電池電圧差を算出したか否かを確認して(ステップS33)、まだ、蓄電池電圧差を算出すべき隣り合う系列の蓄電池ユニットが残っている場合は(ステップS33のNO)、ユニットカウンタiを‘1’更新した後(ステップS34)、ステップS30に戻って、次の隣り合う2系列の蓄電池ユニット間の蓄電池電圧差の算出、当該次の隣り合う2系列の蓄電池ユニット間の蓄電池電圧差と蓄電池電圧閾値との比較、比較結果の如何に基づく放電電流の変更動作を繰り返す。
一方、隣り合う全系列の蓄電池ユニットについて、蓄電池電圧差の算出動作が終了した場合には(ステップS33のYES)、蓄電池電圧の如何に応じて、複数の蓄電池ユニットの放電電流を制御する動作を終了する。
以上のような動作を行うことによって、並列接続された隣り合う2系列の蓄電池ユニット4i,4(i+1)間の蓄電池電圧のばらつきを、さらには、電源システムの蓄電部を構成する全蓄電池ユニット41,42,…,4N間の蓄電池電圧のばらつきを、負荷2に対する放電動作中において解消させ、全系列の蓄電池ユニットを完全に放電させることが可能となる。
(実施例)
次に、前述したような本実施形態における電源システム、放電制御方法および放電制御プログラムに関して、図2のシステム構成からなる電源システムを用いた場合の実施例について、比較例として示す従来技術の場合と対比した形で詳細に説明する。
(比較例1)
まず、比較例1として、図2と同様の回路構成からなるものの、最大放電電流を制御することが可能な系列1放電器31、系列2放電器32の代わりに、最大放電電流を制御することができない従来型の放電器31A,32Aを用いている場合の放電動作について説明する。
つまり、比較例1においては、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42の2系列に対して、それぞれ、最大電流値30A、降圧電圧50.5Vに固定されて最大放電電流値の切り替えができない従来型の放電器31A、32Aを接続し、かつ、系列1蓄電池ユニット41の最初のSOCを‘1.0’、系列2蓄電池ユニット42の最初のSOCを‘0.9’として、2系列それぞれの蓄電池電圧があらかじめ定めた放電終止電圧40.0Vを下回るまで放電させた。
その結果、放電時間は235分、放電終止時の残存容量は、系列1蓄電池ユニット41が11%、系列2系列2蓄電池ユニット42が4%であった。すなわち、前記放電終止電圧40.0Vに対して、最初のSOC(充電率)が相異なる2系列の蓄電池ユニット41,42間では、残存容量が異なった状態になり、2系列のすべての蓄電池ユニットを完全に放電させることができない。
(比較例2)
次に、比較例2として、図2と同様の回路構成からなるものの、比較例1の場合と同様、最大放電電流を制御することが可能な系列1放電器31、系列2放電器32の代わりに、最大放電電流を制御することができない従来型の放電器31A,32Aを用いている場合の放電動作について、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42との間のSOC差が、比較例1の場合よりも大きい場合の放電動作を説明する。
つまり、比較例2においても、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42の2系列に対して、それぞれ、最大電流値30A、降圧電圧50.5Vに固定されて最大放電電流値の切り替えができない従来型の放電器31A、32Aを接続し、かつ、系列1蓄電池ユニット41の最初のSOCを‘1.0’、系列2蓄電池ユニット42の最初のSOCを‘0.8’と比較例1よりもSOC(充電率)の差が大きくなった場合について、比較例1の場合と同様に、2系列それぞれの蓄電池電圧があらかじめ定めた放電終止電圧40.0Vを下回るまで放電させた。
その結果、放電時間は214分と比較例1に比して短くなり、放電終止時の残存容量は、系列1蓄電池ユニット41が17%、系列2系列2蓄電池ユニット42が3%と比較例1に比して大きくばらついた状態になった。すなわち、前記放電終止電圧40.0Vに対して、最初のSOC(充電率)が比較例1よりさらに大きく異なる2系列の蓄電池ユニット41,42間では、残存容量がさらに大きく異なった状態になり、2系列のすべての蓄電池ユニットを完全に放電させることがさらに困難になっている。
本比較例2における放電電流の時間変化とSOCの時間変化との測定結果を、それぞれ、図5と図6とに示している。すなわち、図5は、最大放電電流の切り替えができない従来型の放電器31A,32Aを用いた場合の2系列の蓄電池ユニット41,42から放電される放電電流の時間変化を示すグラフであり、図6は、最大放電電流の切り替えができない従来型の放電器31A,32Aを用いた場合の2系列の蓄電池ユニット41,42のSOCの時間変化を示すグラフである。最大放電電流を一切制御することができない従来型の放電器31A、32Aを用いている場合、図5に示すように、2系列の蓄電池ユニット41,42から放電される放電電流は、それぞれのSOCに応じて、互いに独立した時間変化を示し、図6に示すように、2系列の蓄電池ユニット41,42の双方のSOCの時間変化は、ほぼ平行して下降していくことになる。
したがって、放電終止電圧40.0Vに達した時点では、最初のSOCが‘0.8’であった系列2蓄電池ユニット42の残存容量が3%まで低下した状態に陥っているにも関わらず、最初のSOCが‘1.0’であった系列1蓄電池ユニット41の残存容量が17%も残った状態になっている。その結果、電源システムを構成する2系統の蓄電池ユニットつまり系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42の平均残存容量は、10%程度となり、全容量の1割が放電し切らずに、残ってしまうことになる。
次に、本発明の実施形態における効果を具体的に確認するために、図2の回路構成において、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42それぞれの放電電流の電流値を任意の値に制御することが可能な系列1放電器31、系列2放電器32として、そのいずれも放電最大電流の電流値を20Aと30Aとの大小2つの値の間で切り替えられるものを用いた場合を例にとって、図2の電源システムにおける放電動作について説明する。
つまり、実施例1においては、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42の2系列に対して、それぞれ、最大電流値20A・30Aとの大小2つの値の間で切替が可能で、かつ、降圧電圧が50.5Vの系列1放電器31、系列2放電器32を接続し、かつ、比較例2の場合と同様、系列1蓄電池ユニット41の最初のSOCを‘1.0’、系列2蓄電池ユニット42の最初のSOCを‘0.8’と、両者のSOC差が大きく開いている場合について、比較例1,2の場合と同様に、2系列それぞれの蓄電池電圧があらかじめ定めた放電終止電圧40.0Vを下回るまで放電させた。
ここで、最初のSOCが‘1.0’と高い方の系列1蓄電池ユニット41の最大放電電流を大きい方の30Aに、また、最初のSOCが‘0.8’と低い方の系列2蓄電池ユニット42の最大放電電流を小さい方の20Aに設定して、負荷2に対する放電動作を行い、放電動作中に2系列の蓄電池ユニット41,42間のSOC差が、蓄電池ユニットの充電状況閾値を示す一つの情報としてあらかじめ設定しているSOC閾値例えば‘0.005’以下に小さくなった場合に、2系列の蓄電池ユニット41,42の充電状況が略同じ状態になったものと看做して、制御回路90によって、系列2放電器制御線92を介して系列2放電器32を制御して、最初のSOCが低い方の系列2蓄電池ユニット42の最大放電電流についても、最初のSOCが高い方の系列1蓄電池ユニット41の最大放電電流と等しい30Aに切り替えるようにした。
なお、2系列の蓄電池ユニット41,42のSOCは、制御回路90により定期的にあらかじめ定めた時間間隔例えば10秒毎に算出している。つまり、図2に示した系列1側の4つの蓄電池電圧計測線711〜714によってそれぞれ10秒毎に計測した結果から算出した系列1蓄電池ユニット41の蓄電池電圧および系列1シャント抵抗電圧計測線81によって10秒毎に計測した系列1シャント抵抗電圧に基づいて、系列1蓄電池ユニット41のSOCを算出し、系列2側の4つの蓄電池電圧計測線721〜724によってそれぞれ10秒毎に計測した結果から算出した系列2蓄電池ユニット42の蓄電池電圧および系列2シャント抵抗電圧計測線82によって10秒毎に計測した系列2シャント抵抗電圧に基づいて、系列2蓄電池ユニット42のSOCを算出している。
本実施例1における放電電流の時間変化とSOCの時間変化との測定結果を、それぞれ、図7と図8とに示している。すなわち、図7は、最大放電電流の切り替えが可能な放電器31,32を用いた図2に示す電源システムの場合の2系列の蓄電池ユニット41,42から放電される放電電流の時間変化を示すグラフであり、図8は、最大放電電流の切り替えが可能な放電器31,32を用いた図2に示す電源システムの場合の2系列の蓄電池ユニット41,42のSOCの時間変化を示すグラフである。
2系列の蓄電池ユニット41,42の充電状況を示す情報としてSOC(充電率)を用いる場合において、2系列の蓄電池ユニット41,42間のSOC差に応じて、最大放電電流を20Aと30Aとの大小2つの値の間で切り替えることが可能な放電器31、32を用いることにより、図7に示すように、2系列の蓄電池ユニット41,42から放電される放電電流は、2系列の蓄電池ユニット41,42間のSOC差が、蓄電池ユニットの充電状況閾値を示す一つの情報としてあらかじめ設定したSOC閾値例えば‘0.0005’を超えている場合は、最初のSOCが低い方の系列2蓄電池ユニット42からの最大放電電流を小さい方の20Aに抑えるとともに、最初のSOCが高い方の系列1蓄電池ユニット41からの最大放電電流を大きい方の30Aとして、それぞれのSOCに応じて、互いに独立した時間変化で、放電動作を継続している。
しかし、2系列の蓄電池ユニット41,42間のSOC差が、SOC閾値例えば‘0.0005’以下になった場合には、2系列の蓄電池ユニット41,42の充電状況が略同じ状態になったものと看做して、系列2蓄電池ユニット42からの最大放電電流も、系列1蓄電池ユニット41からの最大放電電流と等しい30Aに切り替える。この結果、2系列の蓄電池ユニット41,42からの放電電流は、略同様な時間変化を示すことになり、図8に示すように、2系列の蓄電池ユニット41,42のSOCの時間変化も、略同様な状態で下降していくことになる。
したがって、放電終止電圧40.0Vに達した時点では、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42の双方の残存容量は1%未満となり、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42のいずれも略完全に放電し切った状態にすることができ、また、図8に示すように、放電時間も232分となり、放電電流の制御が一切できない比較例2の場合に比して大幅に延伸させることができた。
次に、本発明の実施形態における蓄電池ユニットの充電状況を示す評価尺度として、実施例1に示した蓄電池ユニットのSOC(充電率)の代わりに、蓄電池ユニットの蓄電池電圧を用いた場合の放電動作について説明する。
本実施例2においても、実施例1の場合と同様、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42の2系列に対して、それぞれ、最大電流値20A・30Aとの大小2つの値の間で切替が可能で、かつ、降圧電圧が50.5Vの系列1放電器31、系列2放電器32を接続し、比較例1,2の場合と同様に、2系列それぞれの蓄電池電圧があらかじめ定めた放電終止電圧40.0Vを下回るまで放電させた。
ここで、最初の蓄電池電圧が高い方の系列1蓄電池ユニット41の最大放電電流を大きい方の30Aに、また、最初の蓄電池電圧が低い方の系列2蓄電池ユニット42の最大放電電流を小さい方の20Aに設定して、負荷2に対する放電動作を行い、放電動作中に2系列の蓄電池ユニット41,42間の蓄電池電圧差が、蓄電池ユニットの充電状況閾値を示す別の情報としてあらかじめ設定している蓄電池電圧閾値例えば‘0.01V’以下に小さくなった場合に、2系列の蓄電池ユニット41,42の充電状況が略同じ状態になったものと看做して、制御回路90によって、系列2放電器制御線92を介して系列2放電器32を制御して、最初のSOCが低い方の系列2蓄電池ユニット42の最大放電電流についても、最初のSOCが高い方の系列1蓄電池ユニット41の最大放電電流と等しい30Aに切り替えるようにした。
なお、2系列の蓄電池ユニット41,42の蓄電池電圧は、制御回路90により定期的にあらかじめ定めた時間間隔例えば10秒毎に算出している。つまり、図2に示した系列1側の4つの蓄電池電圧計測線711〜714によってそれぞれ10秒毎に計測した結果から系列1蓄電池ユニット41の蓄電池電圧を算出し、系列2側の4つの蓄電池電圧計測線721〜724によってそれぞれ10秒毎に計測した結果から系列2蓄電池ユニット42の蓄電池電圧を算出している。
2系列の蓄電池ユニット41,42の充電状況を示す別の情報として蓄電池電圧を用いる場合においても、2系列の蓄電池ユニット41,42間の蓄電池電圧差に応じて、最大放電電流を20Aと30Aとの大小2つの値の間で切り替えることが可能な放電器31、32を用いることによって、実施例1の図7に示した場合と同様、2系列の蓄電池ユニット41,42から放電される放電電流は、2系列の蓄電池ユニット41,42間の蓄電池電圧差が、蓄電池ユニットの充電状況閾値を示す別の情報としてあらかじめ設定した蓄電池電圧閾値例えば‘0.01V’を超えている場合は、最初の蓄電池電圧が低い方の系列2蓄電池ユニット42からの最大放電電流を小さい方の20Aに抑えるとともに、最初の蓄電池電圧が高い方の系列1蓄電池ユニット41からの最大放電電流を大きい方の30Aとして、それぞれの蓄電池電圧に応じて、互いに独立した時間変化で放電動作を継続している。
しかし、2系列の蓄電池ユニット41,42間の蓄電池電圧差が、蓄電池電圧閾値例えば‘0.01V’以下になった場合には、2系列の蓄電池ユニット41,42の充電状況が略同じ状態になったものと看做して、系列2蓄電池ユニット42からの最大放電電流も系列1蓄電池ユニット41からの最大放電電流に等しい30Aに切り替える。この結果、2系列の蓄電池ユニット41,42からの放電電流は、略同様な時間変化を示すことになり、2系列の蓄電池ユニット41,42の残存容量の時間変化も、略同様な状態で下降していくことになる。
したがって、放電終止電圧40.0Vに達した時点では、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42の双方の残存容量は、実施例1の場合と同様、1%未満となり、系列1蓄電池ユニット41、系列2蓄電池ユニット42のいずれも略完全に放電し切った状態にすることができ、また、放電時間も230分と、実施例1と同程度になり、放電電流の制御が一切できない比較例2の場合に比して大幅に延伸させることができた。
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、並列接続された複数の蓄電池ユニット41,42,…4Nそれぞれの充電状況例えばSOC(充電率)あるいは蓄電池電圧に応じて、複数の蓄電池ユニット41,42,…4Nそれぞれから負荷2に供給する放電電流値を制御する仕組みを実現しているので、複数の蓄電池ユニット41,42,…4NそれぞれのSOC(充電率)や蓄電池電圧のばらつきを負荷2側への放電動作中に解消させることができ、而して、放電動作の終止時に、複数の蓄電池ユニット41,42,…4Nの残存容量にばらつきが生じることなく、複数の蓄電池ユニット41,42,…4Nのすべてを完全に放電させることが可能になる。
1…整流器、1a,1b…整流器接続端子、2…負荷、10…共通充電器、31…系列1放電器、32…系列2放電器、3N…系列N放電器、41…系列1蓄電池ユニット、42…系列2蓄電池ユニット、4N…系列N蓄電池ユニット、51…系列1シャント抵抗、52…系列2シャント抵抗、5N…系列Nシャント抵抗、60…充電器切替スイッチ、71…系列1蓄電池電圧計測線、72…系列2蓄電池電圧計測線、7N…系列N蓄電池電圧計測線、81…系列1シャント抵抗電圧計測線、82…系列2シャント抵抗電圧計測線、8N…系列Nシャント抵抗電圧計測線、90…制御回路、91…系列1放電器制御線、92…系列2放電器制御線、411…系列1用第1蓄電池モジュール、412…系列1用第2蓄電池モジュール、413…系列1用第3蓄電池モジュール、414…系列1用第4蓄電池モジュール、421…系列2用第1蓄電池モジュール、422…系列2用第2蓄電池モジュール、423…系列2用第3蓄電池モジュール、424…系列2用第4蓄電池モジュール、711…系列1用第1蓄電池電圧計測線、712…系列1用第2蓄電池電圧計測線、713…系列1用第3蓄電池電圧計測線、714…系列1用第4蓄電池電圧計測線、721…系列2用第1蓄電池電圧計測線、722…系列2用第2蓄電池電圧計測線、723…系列2用第3蓄電池電圧計測線、724…系列2用第4蓄電池電圧計測線。

Claims (9)

  1. 複数の蓄電池セルを直列接続してなる蓄電池ユニットを、複数系列並列に接続した構成からなる蓄電部と、
    前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれから負荷に供給するそれぞれの放電電流の電流値を制御することが可能な系列毎の放電器と、
    前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの充電状況を計測した結果に基づいて、前記蓄電池ユニットに接続されている系列毎の前記放電器を制御して、当該蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を制御する制御回路と、
    を少なくとも備えた電源システムであって、
    前記制御回路は、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの充電状況に関し、それぞれ、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットの充電状況間の差分を算出して、該差分があらかじめ設定している充電状況閾値以下になっている場合、当該2系列の蓄電池ユニットに接続されている前記系列毎の放電器を制御して、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を等しい値に制御することを特徴とする電源システム。
  2. 請求項1に記載の電源システムにおいて、前記制御回路が、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの蓄電池電圧を、前記充電状況として計測し、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットの蓄電池電圧間の差分を算出して、該差分が前記充電状況閾値としてあらかじめ設定している蓄電池電圧閾値以下になっている場合、当該2系列の蓄電池ユニットに接続されている前記系列毎の放電器を制御して、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を等しい値に制御することを特徴とする電源システム。
  3. 請求項1に記載の電源システムにおいて、前記制御回路が、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれのSOC(State of Charge)を、前記充電状況として計測し、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットのSOC間の差分を算出して、該差分が前記充電状況閾値としてあらかじめ設定しているSOC閾値以下になっている場合、当該2系列の蓄電池ユニットに接続されている前記系列毎の放電器を制御して、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を等しい値に制御することを特徴とする電源システム。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の電源システムにおいて、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットの充電状況間の差分が前記充電状況閾値以下になっている場合に、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値として制御する等しい値が、当該2系列の前記蓄電池ユニット双方が出力することが可能な最大放電電流の電流値であることを特徴とする電源システム。
  5. 複数の蓄電池セルを直列接続してなる蓄電池ユニットを、複数系列並列に接続し、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの充電状況を計測した結果に基づいて、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれに接続した系列毎の放電器を制御して、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれから負荷に供給する放電電流の電流値を制御する電源システムの放電制御方法であって、
    前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの充電状況に関し、それぞれ、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットの充電状況間の差分を算出して、該差分があらかじめ設定している充電状況閾値以下になっている場合、当該2系列の蓄電池ユニットに接続されている前記系列毎の放電器を制御して、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を等しい値に制御することを特徴とする放電制御方法。
  6. 請求項5に記載の放電制御方法において、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれの蓄電池電圧を、前記充電状況として計測し、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットの蓄電池電圧間の差分を算出して、該差分が前記充電状況閾値としてあらかじめ設定している蓄電池電圧閾値以下になっている場合、当該2系列の蓄電池ユニットに接続されている前記系列毎の放電器を制御して、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を等しい値に制御することを特徴とする放電制御方法。
  7. 請求項5に記載の放電制御方法において、前記複数系列の蓄電池ユニットそれぞれのSOC(State of Charge)を、前記充電状況として計測し、互いに隣り合う2系列同士の蓄電池ユニットのSOC間の差分を算出して、該差分が前記充電状況閾値としてあらかじめ設定しているSOC閾値以下になっている場合、当該2系列の蓄電池ユニットに接続されている前記系列毎の放電器を制御して、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値を等しい値に制御することを特徴とする放電制御方法。
  8. 請求項5ないし7のいずれかに記載の放電制御方法において、互いに隣り合う2系列の蓄電池ユニットの前記充電状況間の差分が前記充電状況閾値以下になっている場合に、当該2系列の蓄電池ユニットからの放電電流の電流値として制御する等しい値が、当該2系列の前記蓄電池ユニットの双方が出力することが可能な最大放電電流の電流値であることを特徴とする放電制御方法。
  9. 請求項5ないし8のいずれかに記載の放電制御方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする放電制御プログラム。
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