JP2014165107A - 面発光ユニット - Google Patents

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充良 内藤
Yuusuke Hirao
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Abstract

【課題】輝度の不均一性を低減する。
【解決手段】面発光ユニット1は、面発光パネル10A,10Bと、発光部12A,12Bから導光部の光取出面52A,52Bを通して放射された光の一部を正面側に向けて反射する反射面21,22を有する反射部材20と、光取出面および反射部材20に対向する拡散板4とを備える。光取出面52A,52Bの外周部分には、反射部材20に近づくにつれて発光部12A,12Bに接近するように傾斜する傾斜部53A,53Bが設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、発光部で生成された光が光取出面を通して正面側に取り出される面発光ユニットに関する。
近年、面発光パネルを光源として備える面発光ユニットが注目されている。面発光ユニットは、照明装置に限られず、液晶ディスプレイ、計算機モニター、または屋外広告(サイネージ)などのバックライトとしても用いられている。一般的に、面発光パネルには、有機EL(organic electro luminescence)素子などの面発光素子が用いられる。
面発光ユニットが搭載される機器に対する大型化の要請が高まるにつれて、面発光ユニットとしても、より大きな面積を有するものが望まれている。面発光ユニットの面積を大きくするためには、発光光源を構成する面発光パネルの面積を大きくすることが考えられる。しかしながら、面発光パネルを構成する有機EL素子などの面積を大きくすることは、これらを製造する装置が大きくなって製造コストが増大したり、歩留まりが低下したりする。
製造コストの増大および歩留まりの低下などを抑制するため、面積の小さな複数の面発光パネルを配列するという技術が知られている。小さな面発光パネルは、高い生産効率で安価に製造されることができる。しかしながら、一般的な面発光パネルは、面発光パネルの外縁(周囲)に非発光領域が設けられる。面発光パネルを面状に複数配列した面発光ユニットにおいては、互いに隣り合う面発光パネルと面発光パネルとの間に隙間(継ぎ目)が形成される。この隙間を含む非発光領域の輝度を向上させるために、反射部材などの反射手段を非発光領域に対向するように配置することで、輝度の不均一性(輝度ムラ)を低減することが可能となる。
特開2005−266285号公報(特許文献1)は、電気光学装置に関する発明を開示している。この電気光学装置においては、接合部分を挟む2枚の小型基板のうち、一方の小型基板の側端面は上向きの順テーパー形状を有しており、他方の小型基板の側端面は下向きの逆テーパー形状を有している。同公報は、この電気光学装置によれば、接合部分の隙間を目立たなくすることができると述べている。
特開2005−353564号公報(特許文献2)は、面発光装置に関する発明を開示している。この面発光装置は、基板と基板上に形成された面発光素子とを備えるとともに、発光部と非発光部とを有している。基板は、光が入射する光入射面と光が出射する光出射部とを含んでいる。光出射部は、光入射面に対して傾斜する一または複数の傾斜面を有している。傾斜面は、非発光部に対応する部分に設けられている。同公報は、この構成によれば、非発光部による暗部が認識されにくい照明装置を得ることができると述べている。
特開2009−211886号公報(特許文献3)は、有機EL装置に関する発明を開示している。この有機EL装置は、素子基板および封止板を備えている。素子基板または封止板の外側の主面は、有機発光層によって発光された光を取り出すための光取出面である。光取出面は、有機発光層の上下方向の発光領域に形成された平行部と、発光領域の外側の非発光領域に形成され、平行部に対して傾斜した傾斜部とを含んでいる。同公報は、この有機EL装置によれば、光取出面での光の斑を低減できると述べている。
特開2005−266285号公報 特開2005−353564号公報 特開2009−211886号公報
本発明は、輝度の不均一性を低減することが可能な面発光ユニットを提供することを目的とする。
本発明に基づく面発光ユニットは、各々が面状に並ぶように配列された発光部と、光取出面を有し上記発光部に対向する導光部とを含む複数の面発光パネルと、複数の上記面発光パネルのうちの隣り合う上記面発光パネルの上記導光部の外縁に沿って延在するように位置し、上記発光部から上記導光部の上記光取出面を通して放射された光の一部を正面側に向けて反射する反射面を有する反射部材と、上記導光部の上記光取出面および上記反射部材に間隔を隔ててこれらと対向し、上記光取出面を通して放射された光および上記反射部材に反射した光を拡散させる拡散板と、を備え、上記導光部の上記光取出面の外周部分には、上記反射部材に近づくにつれて上記発光部に接近するように傾斜する傾斜部が設けられている。
好ましくは、上記導光部は、錐形状を有している。好ましくは、上記導光部は、錐台形状を有している。
本発明によれば、輝度の不均一性を低減することが可能な面発光ユニットを得ることができる。
実施の形態1における面発光ユニットを示す平面図である。 実施の形態1における面発光ユニットに用いられる面発光パネルおよび反射部材を示す斜視図である。 図1中のIII−III線に沿った矢視断面図である。 実施の形態1における面発光ユニットに用いられる面発光パネルを示す断面図である。 実施の形態1における面発光ユニットに用いられる面発光パネルを示す底面図である(図4中の矢印V方向から面発光パネルを見た図である)。 実施の形態1における面発光ユニットに用いられる導光部材を示す平面図である。 図6中のVII−VII線に沿った矢視断面図である。 実施の形態1における面発光ユニットに用いられる反射部材を示す断面図である。 図3中のIX線で囲まれる領域を拡大して示す断面図である。 実施の形態2における面発光ユニットに用いられる面発光パネルおよび反射部材を示す斜視図である。 実施の形態2における面発光ユニットに用いられる導光部材を示す平面図である。 図11中のXII−XII線に沿った矢視断面図である。 実施例および比較例1,2に係る面発光ユニットの規格化正面輝度プロファイルを示すグラフである。
本発明に基づいた各実施の形態および実施例について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態および実施例の説明において、個数および量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数およびその量などに限定されない。各実施の形態および各実施例の説明において、同一の部品および相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態1]
図1〜図3を参照して、実施の形態1における面発光ユニット1について説明する。図1は、面発光ユニット1を示す平面図である。図1は、面発光ユニット1から後述する拡散板4を取り除いた状態を示している。図2は、面発光ユニット1に用いられる面発光パネル10A,10Bおよび反射部材20を示す斜視図である。図3は、図1中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
(面発光ユニット1)
図1〜図3に示すように、面発光ユニット1は、矩形状の外形を有する。面発光ユニット1は、ベース板2、枠板3、拡散板4(図3参照)、面発光パネル10A〜10Dおよび反射部材20を備える。
ベース板2、枠板3および拡散板4は、面発光ユニット1の筺体を構成している。面発光パネル10A〜10Dおよび反射部材20は、筺体の内部に配置されている。ベース板2は、筺体の背面を構成し、面発光パネル10A〜10Dを保持している。枠板3は、筺体の側面を構成し、面発光ユニット1の外周に沿って配置されている。拡散板4(図3参照)は、筺体の正面を構成し、ベース板2に間隔を隔てて対向配置されている。
(面発光パネル10A〜10D)
面発光パネル10A〜10Dの各々は、面方向に沿って延在する平板状の形状を有している。面発光パネル10A〜10Dは、各々の発光面13A〜13Dが面状に並ぶように配列され、ベース板2上においてこれに固定されている。面発光パネル10A〜10Dは、透明基板11A〜11Dと、有機EL素子を有する発光体12A〜12Dと、導光部材50A〜50Dとを含む積層体にて構成されている。
導光部材50A〜50Dは、透明基板11A〜11Dの正面側に対向するように配置され、透明基板11A〜11Dから見て拡散板4側に位置している。発光体12A〜12Dは、面方向に沿って延在する平板状の形状を有している。発光体12A〜12Dは、透明基板11A〜11Dの背面側に配置され、透明基板11A〜11Dから見てベース板2側に位置している。面発光パネル10A〜10Dは、いわゆるボトムエミッション型の有機EL素子からなる面発光パネルである。
面発光パネル10A〜10Dとしては、トップエミッション型の有機EL素子からなる面発光パネルであってもよいし、複数の発光ダイオードおよびこれら複数の発光ダイオードの出射面側に配置された拡散板とかなる面発光パネルであってもよいし、冷陰極管等を用いた面発光パネルであってもよい。
面発光パネル10A〜10Dは、アレイ状に配置されている。面発光パネル10A〜10Dは、相互に間隔を隔てて配置されており、隣り合う面発光パネル間には、隙間30が形成されている。面発光パネル10A〜10Dのうちの隣り合う面発光パネル間に、合計4つの隙間30が形成されている。隙間30を設けることにより、面発光パネル10A〜10Dを相互に接触させて配置した場合に比べ、少ないパネル枚数にて光源の大面積化を図ることができる。面発光パネル10A〜10Dは、相互に接触させて配置させても構わない。
面発光パネル10A〜10Dは、発光面13A〜13Dを有している。発光面13A〜13Dは、発光体12A〜12Dが位置する側とは反対側に位置する透明基板11A〜11Dの外表面によって構成されている。上述したように、面発光パネル10A〜10Dは、発光面13A〜13Dが面状に並ぶように配列されている。本実施の形態における面発光パネル10A〜10Dは、発光面13A〜13Dが同一平面上に位置するように配列されている。
発光面13A〜13Dは、光を放射する発光領域14A〜14Dと、発光領域14A〜14Dの外周に位置する非発光領域15A〜15Dとを有している。発光領域14A〜14Dは、矩形状の形状を有している。非発光領域15A〜15Dは、矩形環状の形状を有している。非発光領域15A〜15Dは、発光体12A〜12Dに含まれる有機EL素子を封止したり、有機EL素子に配線を接続したりするための部位を設けることで形成される。
面発光ユニット1においては、隣り合う面発光パネル間に形成された隙間30と、隙間30に隣接して位置する面発光パネルの非発光領域とを含む部分が、非発光部40を構成している。非発光部40は、何ら対策を施していない場合に、暗部を生じさせてしまう原因となる部位であり、隣り合う面発光パネル間に合計4つ形成されている。
図4は、面発光パネル10Aを示す断面図である。図4においては、発光面13A上に設けられる導光部材50Aは便宜上のため図示されていない。図5は、面発光パネル10Aを示す底面図である(図4中の矢印V方向から面発光パネル10Aを見た図である)。図5は、面発光パネル10Aの背面17の側から面発光パネル10Aを見たときの様子を示している。図4および図5を参照して、面発光パネル10A〜10Dの詳細について説明する。面発光パネル10A〜10Dは、いずれも同一の構成を有しているため、以下においては、このうちの面発光パネル10Aに着目してその説明を行なう。
図4および図5を参照して、面発光パネル10Aは、透明基板11A(カバー層)、陽極16M、有機層16N、陰極16P、封止部材16Qおよび絶縁層16Rを含む。透明基板11Aは、面発光パネル10Aの表面13A(発光面)を形成し、透明基板11Aの外周端面は、面発光パネル10Aの外周10Eを形成している。陽極16M、有機層16Nおよび陰極16Pは、透明基板11Aの裏面16上に順次積層される。封止部材16Qは、面発光パネル10Aの背面17を形成している。
透明基板11Aは、たとえば各種のガラス基板から構成される。透明基板11Aを構成する部材としては、PET(Polyethylene Terephthalate)またはポリカーボネイト等のフィルム基板が用いられてもよい。陽極16Mは、透明性を有する導電膜である。陽極16Mを形成するためには、スパッタリング法等によって、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)等が透明基板11A上に成膜される。フォトリソグラフィ法等によりITO膜が所定の形状にパターニングされることによって、陽極16Mが形成される。陽極16Mは、電極取出部18(陽極用)および電極取出部19(陰極用)を形成するために、パターニングによって2つの領域に分割されている。
有機層16Nは、電力を供給されることによって光(可視光)を生成することができる。有機層16Nは、単層の発光層から構成されていてもよく、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、および電子輸送層などが順次積層されることによって構成されていてもよい。陰極16Pは、たとえばアルミニウム(AL)である。陰極16Pは、真空蒸着法等によって有機層16Nを覆うように形成される。陰極16Pを所定の形状にパターニングするために、真空蒸着の際にはマスクが用いられるとよい。
陰極16Pと陽極16Mとが短絡しないように、陰極16Pと電極取出部18側の陽極16Mとの間に絶縁層16Rが設けられる。絶縁層16Rは、たとえばスパッタリング法を用いてSiOなどが成膜された後、フォトリソグラフィ法等を用いて陽極16Mと陰極16Pとを互いに絶縁する箇所を覆うように所望のパターンに形成される。陰極16Pの絶縁層16Rが設けられる側とは反対側の部分は、電極取出部19側の陽極16Mに接続される。
封止部材16Qは、絶縁性を有する樹脂またはガラス基板などから構成される。封止部材16Qは、有機層16Nを水分等から保護するために形成される。封止部材16Qは、陽極16M、有機層16N、および陰極16P(面発光パネル10Aの内部に設けられる部材)の略全体を透明基板11A上に封止する。陽極16Mの一部は、電気的な接続のために、封止部材16Qから露出している。
陽極16Mの封止部材16Qから露出している(図4右側の)部分は、電極取出部18(陽極用)を構成する。電極取出部18と陽極16Mとは互いに同じ材料で構成される。電極取出部18は、面発光パネル10Aの外周に位置する。陽極16Mの封止部材16Qから露出している(図4左側の)部分は、電極取出部19(陰極用)を構成する。電極取出部19と陽極16Mとは互いに同じ材料で構成される。電極取出部19も、面発光パネル10Aの外周に位置する。
電極取出部18および電極取出部19は、有機層16Nを挟んで相互に反対側に位置している。隣り合う電極取出部18および電極取出部19同士の間には、分割領域16S(図5参照)が形成されている。電極取出部18および電極取出部19には、はんだ付け(銀ペースト)等を用いて配線パターン(図示せず)が取り付けられる。
以上のように構成される面発光パネル10Aの表面13A(発光面)には、有機層16Nが形成されている領域にほぼ対応するように発光領域14A(図1,図2および図4参照)が形成され、電極取出部18,19が形成されている領域にほぼ対応するように非発光領域15A(図1,図2および図4参照)が形成される。非発光領域15Aは、発光領域14Aの外周に位置し、環状の形状を有している。
(導光部材50A〜50D)
図1を再び参照して、導光部材50A〜50Dは、透明基板11A〜11D(発光面13A〜13D)上において、光学系の透明な接着剤(図示せず)等を用いてこれらに固定されている。本実施の形態における導光部材50A〜50Dは、錐形状を有している(図2参照)。導光部材50A〜50Dは、矩形状の外形を有しており、これらの外形は、発光領域14A〜14Dの外縁に略対応している。導光部材50A〜50Dは、発光領域14A〜14Dの外縁に一致する外形形状を有していてもよいし、発光領域14A〜14Dの外縁よりも大きな外形形状を有していてもよい。
図6は、導光部材50Aを示す平面図である。図6は、面発光ユニット1の正面の側から導光部材50Aを見たときの様子を示している。図7は、図6中のVII−VII線に沿った矢視断面図である。
本実施の形態の導光部材50Aは、いわゆるプリズムからなる部材であり、全体として四角錐形状を有している。導光部材50Aを構成する材料としては、表面11Aと同様の材料を用いることができる。導光部材50Aを構成する材料としては、たとえばガラス、PET、ポリカーボネート等の透明材料であり、空気よりも屈折率が大きい材料を用いることができる。導光部材50Aは、このような形状に限られず、全体として円錐形状を有していてもよいし、全体として多角錐形状を有していてもよい。導光部材50Aの外形寸法(L50A×L50B)は、たとえば80mm×80mmである。
導光部材50Aのうちの中実に形成された部分は、導光部51A(図3および図7参照)として機能する。導光部51Aの外表面は、光取出面52Aおよび入光面58A(図7参照)を形成している。導光部51Aは、入光面58Aから入射した光を透過させ、内部で導光させた光を、光取出面52Aを通して外部に放射させる。
本実施の形態の光取出面52Aは、4つの傾斜部53A〜56Aを有している。傾斜部53A〜56Aは、光取出面52Aの外周部分を含むように形成されている。傾斜部53Aは、後述する反射部材20寄りに配置される部分である(図2参照)。
図7に示すように、本実施の形態の導光部材50Aの断面形状は、二等辺三角形状を有している。発光体12A(図3参照)の法線方向(図3紙面上下方向)において、導光部材50Aの正面(光取出面52A)側の外表面と導光部材50Aの背面(入光面58A)側の表面との間の寸法を厚さという場合、導光部51Aは、導光部材50Aの中央から外周に向かうにつれて徐々に厚さが薄くなる形状を有している。
傾斜部53A〜56Aが交差する頂点部は、導光部材50Aの丁度中央に位置している。傾斜部53Aおよび傾斜部54Aの間に形成される頂点部の内角θ1(図7参照)は、たとえば167.5°である。傾斜部53A〜56Aの発光体12Aの法線方向に沿う断面形状(図7参照)は、導光部材50Aの中心に対して点対称の形状を有している。ここで言う点対称とは、幾何学上の完全な点対称に限られず、全体として概ね点対称であれば表面形状に微細な欠陥が含まれている場合も含む。
傾斜部53A〜56Aは、光取出面52Aの外周部分に近づくにつれて、発光体12A(発光部)に接近するように傾斜している。傾斜部53Aについて換言すると、傾斜部53Aは、後述する反射部材20(図2参照)に近づくにつれて発光体12A(発光部)に接近するように傾斜する形状を有している。
導光部材50B〜50Dは、導光部材50Aと同一の形状を有している。図3中に示している導光部材50Bの導光部51B、光取出面52B、傾斜部53B(図2も参照)および傾斜部54Bは、導光部材50Aの導光部51A、光取出面52A、傾斜部53Aおよび傾斜部54Aにそれぞれ対応している。
図1を再び参照して、本実施の形態においては、透明基板11A〜11Dおよび導光部材50A〜50Dは互いに別部材として形成されている。発光体12A〜12Dは、面方向に沿って延在する形状を有する発光部として機能し、透明基板11A〜11Dおよび導光部材50A〜50Dの導光部(導光部51A,51Bなど)は、発光部に対向する導光部として機能している。
透明基板および導光部材は、一体的に形成されていてもよい。この場合、透明基板の外表面に、反射部材に近づくにつれて発光部に接近するように傾斜する傾斜部(傾斜部53A〜56Aなど)を含む光取出面(光取出面52Aなど)が成形加工等によって直接的に設けられる。この場合、透明基板が、発光部に対向する導光部として機能することとなる。
(拡散板4)
図1〜図3等を再び参照して、発光体12A〜12Dで生成された光は、透明基板11A〜11Dの内部を通過して発光面13A〜13Dから出射された後、導光部材50A〜50Dの内部に入射する。光は、導光部材50A〜50Dの内部(導光部51A,51Bなど)を通過し、光取出面(光取出面52A,52Bなど)をさらに通過して、拡散板4(図3参照)側に向けて放射される。
拡散板4は、面発光パネル10A〜10Dにおける各光取出面(および後述する反射部材20)に対向するようにこれらと間隔を隔てて設けられている。拡散板4と面発光パネル10A〜10Dにおける発光面13A〜13Dとの間の間隔寸法D(図9参照)は、たとえば40mmである。
拡散板4は、面発光パネル10A〜10Dにおける各光取出面を通して放射された光(および反射部材20に反射した光)を拡散させて外部に向けて透過するものである。拡散板4としては、内部に微粒子を含むことで内部散乱作用を利用して光を拡散するもの、または表面に凹凸を有することで界面反射作用を利用して光を拡散するもの等が利用可能である。
(反射部材20)
反射部材20は、面発光パネル10A〜10D(導光部材50A〜50D)における光取出面から放射された光の一部を透過することなく反射するものである。反射部材20は、4つの非発光部40(図1参照)に対応し、面発光ユニット1の中央部から延設された合計4つの棒状に延びる部位を有する十字形状の部材(図1参照)からなる。
反射部材20の棒状に延びる部位の各々は、隣り合う面発光パネルの導光部材(導光部)の外縁に沿って延在するように配置されており、より具体的には、反射部材20は、隣り合う面発光パネルの発光面の外縁に跨りかつこれら外縁に沿って延在するように面発光パネルの発光面上に設けられている。
図8は、反射部材20を示す断面図である。図9は、図3中のIX線で囲まれる領域を拡大して示す断面図である。図2、図8および図9を参照して、反射部材20についてより詳細に説明する。反射部材20の棒状に延びる4つの部位は、いずれも同一の形状を有するものであるため、以下においては、上述した面発光パネル10A〜10Dのうち、面発光パネル10Aと面発光パネル10Bとの間の部分のみに着目してその説明を行なう。
図2、図8および図9に示すように、反射部材20は、非発光部40に対向するように、面発光パネル10Aの発光面13Aおよび面発光パネル10Bの発光面13B上に位置している。より詳細には、反射部材20は、面発光パネル10Aの発光面13A(図2参照)の面発光パネル10B側の外縁に位置する非発光領域15A(図2参照)と、面発光パネル10Bの発光面13B(図2参照)の面発光パネル10A側の外縁に位置する非発光領域15B(図2参照)とに跨り(すなわち、反射部材20は、拡散板4が位置する側から見た場合にこれら部分の非発光領域15A,15Bに重なっている)、かつ、非発光領域15A,15Bに沿って延在するように、面発光パネル10Aおよび面発光パネル10B上に設けられている。
反射部材20の棒状に延びる部位は、その延在方向に沿ってこれを見た場合に、台形形状の外形を有しており、面発光パネル10A側に位置する反射面21(図2,図8,図9参照)と、面発光パネル10B側に位置する反射面22(図2,図8,図9参照)とを含んでいる。反射部材20の棒状に延びる部位は、その延在方向に沿ってこれを見た場合に、三角形状(たとえば直角二等辺三角形状)の外形を有していてもよい。
反射面21,22は、発光面13A,13Bから導光部材50A,50Bの光取出面(傾斜部53A,53B)を通して放射された光の一部を正面側に向けて(すなわち拡散板4が位置する側に向けて)反射するための部位であり、いずれもが平面形状を有しており、それぞれが発光面13A,13Bと交差するように配置されている。
図8を参照して、反射部材20の上底面23の幅寸法L23は、たとえば6mmである。反射部材20の下底面24の幅寸法L24は、たとえば36mmである。反射部材20の上底面23から下底面24までの間の高さ寸法Hは、たとえば27.71mmである。反射面21,22の傾斜角度θ2は、たとえば60°である。
反射部材20としては、Alに代表されるような金属製の部材や、樹脂製の部材にてこれを構成することが好ましい。その場合に、反射面21,22における反射率は、これが高ければ高いだけ好ましいが、少なくとも概ね50%程度以上とすることが好ましい。反射部材20の棒状に延びる部位としては、図示するように中実柱状の形状を有していてもよいし、これに代えて中空筒状の形状を有していてもよい。なお、軽量化の観点からは、反射部材20の上記部位は、中空筒状の形状を有していることが有利である。
反射部材20は、たとえば金属材料を押出し成形してこれを組み合わせたり、金属製の板状部材をプレス加工等によって折り曲げたり、樹脂材料を射出成形したりすることによって製作が可能である。また、ステンレス鋼板の表面を磨いたものや、白色塗装板にてこれを構成してもよい。
図9を参照して、発光体12Aで生成された光のうち、たとえば発光面13Aに対して垂直に射出された光は、傾斜部53Aの存在により、反射部材20の方向に屈折される。この作用により、傾斜部53Aを設けない場合に比べて、反射部材20に向かう光を多くすることができる。
このような構成を有する面発光パネル10A〜10Dを用いることにより、面発光パネル10A〜10Dから発光される光のうちのより多くの光を反射部材20の反射面21,22に反射させることができ、面発光パネル10A〜10Dから発光される光のうちのより多くの光を非発光部およびその周囲部に対応する部分の拡散板4に導くことが可能となる。
非発光部40およびその周囲部に対応する部分の拡散板4に入射された光は、拡散板4によってさらに拡散されて外部に向けて放射されて正面方向における輝度が向上することになり、ひいては輝度の不均一性が低減されて非発光部がより目立たなくなる。したがって、本実施の形態における面発光ユニット1とすることにより、従来に比して非発光部40およびその周囲部に該当する部分の正面方向の輝度が向上した面発光ユニットすることが可能になり、輝度の不均一性が低減されて非発光部がより目立たなくなった面発光ユニットとすることができる。
このような構成を有する面発光パネルは、導光部材の材質、導光部材の傾斜部の傾斜角度、面発光素子を構成する各種部材の特性、および発光面から放射される光の配光分布などに基づき総合的に設計することによって得ることができる。導光部材を用いずに、透明基板の発光面に直接的に傾斜部を設ける場合であっても同様である。
[実施の形態2]
図10〜図12を参照して、実施の形態2における面発光ユニット1Aについて説明する。ここでは、面発光ユニット1Aと面発光ユニット1(図2参照)との相違点について説明する。面発光ユニット1Aにおいては、面発光ユニット1における導光部材50A,50Bの代わりに、導光部材60A,60Bが用いられる。
導光部材60A,60Bは、透明基板11A,11B(発光面13A,13B)上において、光学系の接着剤(図示せず)等を用いてこれらに固定されている。本実施の形態における導光部材60A,60Bは、全体として四錐台形状を有している。導光部材60A,60Bは、このような形状に限られず、全体として錐台形状を有していれば、全体として円錐台形状を有していてもよいし、多角錐台形状を有していてもよい。錐台形状とは、円錐または多角錐を底面に対して平行な平面で二分して得られる立体のうち、円錐または多角錐ではない方の立体形状のことである。
図11および図12を参照して、導光部材60Aのうちの中実に形成された部分は、導光部61A(図12参照)として機能する。導光部61Aの外表面は、光取出面62Aおよび入光面68A(図12参照)を形成している。導光部61Aは、入光面68Aから入射した光を透過させ、内部で導光させた光を、光取出面62Aを通して外部に放射させる。本実施の形態の光取出面62Aは、4つの傾斜部63A〜66Aと、入光面68Aに対して平行な1つの平坦面部67Aを有している。傾斜部63A〜66Aは、光取出面62Aの外周部分を含むように形成されている。傾斜部63Aは、反射部材20(図10参照)寄りに配置される部分である。
図12に示すように、本実施の形態の導光部材60Aの断面形状は、台形状を有している。発光体12A(図10参照)の法線方向(図12紙面上下方向)において、導光部材60Aの正面(光取出面62A)側の外表面と導光部材60Aの背面(入光面68A)側の表面との間の寸法を厚さという場合、導光部61Aの外周部分は、導光部材60Aの中央から外周に向かうにつれて徐々に厚さが薄くなる形状を有している。
傾斜部63A〜66Aの発光体12Aの法線方向に沿う断面形状(図12参照)は、導光部材60Aの中心に対して点対称の形状を有している。ここで言う点対称とは、幾何学上の完全な点対称に限られず、全体として概ね点対称であれば表面形状に微細な欠陥が含まれている場合も含む。
傾斜部63A〜66Aは、光取出面62Aの外周部分に近づくにつれて、発光体12A(発光部)に接近するように傾斜している。傾斜部63Aについて換言すると、傾斜部63Aは、反射部材20(図10参照)に近づくにつれて発光体12A(発光部)に接近するように傾斜する形状を有している。
導光部材60Bは、導光部材60Aと同一の形状を有している。図10中に示している導光部材60Bにおける傾斜部63Bは、導光部材60Aにおける傾斜部63Aに対応している。
発光体12A,12Bで生成された光は、透明基板11A,11Bの内部を通過して発光面13A,13Bから出射された後、導光部材60A,60Bの内部に入射する。光は、導光部材60A,60Bの内部(導光部)を通過し、光取出面をさらに通過して、拡散板4(図3参照)側に向けて放射される。拡散板4は、面発光パネル10A,10Bにおける各光取出面を通して放射された光(および反射部材20に反射した光)を拡散させて外部に向けて透過する。
発光体12Aで生成された光のうち、たとえば発光面13Aに対して垂直に射出され傾斜部63Aを通過する光は、傾斜部63Aの存在により、反射部材20の方向に屈折される。この作用により、傾斜部63Aを設けない場合に比べて、反射部材20に向かう光を多くすることができる。
このような構成を有する面発光パネル10A,10Bを用いることにより、面発光パネル10A,10Bから発光される光のうちのより多くの光を反射部材20の反射面21,22に反射させることができ、面発光パネル10A,10Bから発光される光のうちのより多くの光を非発光部およびその周囲部に対応する部分の拡散板4に導くことが可能となる。
非発光部40およびその周囲部に対応する部分の拡散板4に入射された光は、拡散板4によってさらに拡散されて外部に向けて放射されて正面方向における輝度が向上することになり、ひいては輝度の不均一性が低減されて非発光部がより目立たなくなる。したがって、本実施の形態における面発光ユニット1Aとすることにより、従来に比して非発光部40およびその周囲部に該当する部分の正面方向の輝度が向上した面発光ユニットすることが可能になり、輝度の不均一性が低減されて非発光部がより目立たなくなった面発光ユニットとすることができる。
このような構成を有する面発光パネルは、導光部材の材質、導光部材の傾斜部の傾斜角度、面発光素子を構成する各種部材の特性、および発光面から放射される光の配光分布などに基づき総合的に設計することによって得ることができる。導光部材を用いずに、透明基板の発光面に直接的に傾斜部を設ける場合であっても同様である。
以下、上述した実施の形態1に基づいた実施例に係る面発光ユニットの正面輝度プロファイルをシミュレーションした結果について説明する。比較のために、上述した本発明の実施の形態に基づいていない比較例1,2に係る面発光ユニットの正面輝度プロファイルをシミュレーションした結果についてもあわせて示す。
実施例および比較例1,2に係る面発光ユニットにおいては、いずれも、面発光パネルの幅を90mm×90mmとし、非発光部の幅(図9中に示すW)を35mmとし、面発光パネルと拡散板との間の距離(図9中に示すD)を40mmとし、面発光パネル10A,10Bの発光体12A,12B(発光面13A,13B)から放射される光の配光はランバーシャン分布とした。
(実施例)
実施例に係る面発光ユニットにおいては、いずれも、図8に示す反射部材20を図3に示す構成と同じ構成で用いた。反射部材20においては、上底面23の幅寸法(図8中に示すL23)を6mmとし、下底面24の幅寸法(図8中に示すL24)を36mmとし、高さ寸法(図8中に示すH)を30.02mmとし、反射面21,22の傾斜角度(図8中に示すθ2)を65°とし、反射面21,22における反射率を90%とした。
導光部材50A,50Bとしては、図6および図7に示す導光部材50Aを図3に示す構成と同じ構成で用いた。実施例で用いた2つの導光部材は、全体として四角錐形状を有し、いずれも屈折率1.49を有する材質PMMA(Poly Methyl Methacrylate)からなる部材とした。これらの導光部材においては、外形寸法(図6中に示すL50A×L50B)を80mm×80mmとし、平坦な傾斜部を有するものとし、傾斜部同士の間に形成される頂点部の内角(図7におけるθ1)は、167.5°とした。実施例に係る面発光ユニットの規格化正面輝度プロファイルは、図13において線ENとして図示されている。
(比較例1)
比較例1においては、実施例に係る面発光ユニットから導光部材50A,50Bおよび反射部材20の双方を取り除いたものを用い、その他の条件は実施例と同じとした。比較例1に係る面発光ユニットの規格化正面輝度プロファイルは、図13において線C1として図示されている。
(比較例2)
比較例2においては、実施例に係る面発光ユニットから導光部材50A,50Bのみを取り除いたものを用い、その他の条件は実施例と同じとした。比較例2に係る面発光ユニットの規格化正面輝度プロファイルは、図13において線C2として図示されている。
図13は、実施例および比較例1,2に係る面発光ユニットの規格化正面輝度プロファイルを示すグラフである。線C1に示すように、比較例1に係る面発光ユニットにおいては、その規格化正面輝度が位置に応じて1000〜約750(最低輝度は746)の範囲の値をとるプロファイルとなっている。線C2に示すように、比較例2に係る面発光ユニットにおいては、その規格化正面輝度が位置に応じて1000〜約850(最低輝度は740)の範囲の値をとるプロファイルとなっている。
一方で線ENに示すように、実施例に係る面発光ユニットにおいては、その規格化正面輝度が位置に応じて1000〜約930(最低輝度は919)の範囲の値をとるプロファイルとなっており、図示するように、いずれの位置においても比較例1,2に係る面発光ユニットとすることで得られるプロファイルよりも、輝度の不均一性を低減することが可能となっていることが分かる。
このように、シミュレーション結果からも、上述した本発明の実施の形態における面発光ユニットの如くの構成とすることにより、概して、従来に比して非発光部およびその周囲部に該当する部分の正面方向の輝度が向上した正面輝度プロファイルが得られることになり、輝度の不均一性が低減されて非発光部がより目立たなくなる面発光ユニットとなることが確認された。
上述した本発明の実施の形態においては、隣り合う面発光パネル間に形成される隙間の形状に適合するように、一体化された十字状の形状を有する反射部材を隙間に配置した場合を例示して説明を行なったが、これを棒状に延びる部位の各々が独立して形成された4つの反射部材にて構成することとしてもよい。
上述した本発明の実施の形態においては、非発光部の幅と反射部材の幅とが合致するように構成した場合を例示して説明を行なったが、これらは必ずしも合致している必要はなく、いずれか一方が他方より大きくても構わない。
上述した本発明の実施の形態においては、隣り合う面発光パネルの主表面上に跨るように反射部材を配置した場合を例示して説明を行なったが、隣り合う面発光パネルの間に形成される隙間に納まるように反射部材が配置されていてもよい。ただし、その場合には、反射部材の先端側の少なくとも一部が、面発光パネルの主表面よりも拡散板側に位置するように配置されていることが必要である。
上述した本発明の実施の形態においては、面発光パネルをアレイ状に4つ具備してなる面発光ユニットに本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、面発光パネルの数や面発光パネルのレイアウトはこれに限定されるものではなく、面発光パネルが1つ以上具備された面発光ユニットであれば、どのような構成のものにも本発明の適用が可能である。
本発明が適用される面発光ユニットは、室内や室外における照明の用途に供される狭義の意味の照明装置に限られず、本発明が適用される面発光ユニットには、たとえばディスプレイや表示デバイス、電光表示式の看板や広告等に具備される広義の意味の照明装置が含まれる。
以上、本発明に基づいた各実施の形態および実施例について説明したが、今回開示された各実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A 面発光ユニット、2 ベース板、3 枠板、4 拡散板、10A,10B,10C,10D 面発光パネル、10E 外周、11A,11B,11C,11D 透明基板、12A,12B,12C,12D 発光体(発光部)、13A,13B,13C,13D 発光面(表面)、14A,14B,14C,14D 発光領域、15A,15B,15C,15D 非発光領域、16 裏面、16M 陽極、16N 有機層、16P 陰極、16Q 封止部材、16R 絶縁層、16S 分割領域、17 背面、18,19 電極取出部、20 反射部材、21,22 反射面、23 上底面、24 底面、30 隙間、40 非発光部、50A,50B,50C,50D,60A,60B 導光部材、51A,51B,61A 導光部、52A,52B,62A 光取出面、53A,54A,55A,56A,53B,54B,63A,63B,64A,65A,66A 傾斜部、58A,68A 入光面、67A 平坦面部、AR1,AR2 矢印。

Claims (3)

  1. 各々が面状に並ぶように配列された発光部と、光取出面を有し前記発光部に対向する導光部とを含む複数の面発光パネルと、
    複数の前記面発光パネルのうちの隣り合う前記面発光パネルの前記導光部の外縁に沿って延在するように位置し、前記発光部から前記導光部の前記光取出面を通して放射された光の一部を正面側に向けて反射する反射面を有する反射部材と、
    前記導光部の前記光取出面および前記反射部材に間隔を隔ててこれらと対向し、前記光取出面を通して放射された光および前記反射部材に反射した光を拡散させる拡散板と、を備え、
    前記導光部の前記光取出面の外周部分には、前記反射部材に近づくにつれて前記発光部に接近するように傾斜する傾斜部が設けられている、
    面発光ユニット。
  2. 前記導光部は、錐形状を有している、
    請求項1に記載の面発光ユニット。
  3. 前記導光部は、錐台形状を有している、
    請求項1に記載の面発光ユニット。
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