(A)第1の実施形態
以下では、本発明の現金処理装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態は、店舗のレジスタに対して釣銭出金及び売上入金を管理する現金処理装置に本発明を適用する場合を例示する。
(A−1)実施形態の構成
(A−1−1)現金処理装置10の全体構成
図2は、実施形態に係る現金処理装置10の外観斜視図である。また、図1は、本実施形態に係る現金処理装置10の内部構成を示す内部構成図である。
現金処理装置10は、例えば、ある店舗に設けられたレジスタが取り扱う現金を管理したり、ショッピングセンタ等のように複数のショップからなる大規模な店舗において、各ショップのレジスタが取り扱う現金だけでなく、ショップ毎の現金を管理したりするものである。
図1において、現金処理装置10は、大別して、硬貨処理機1、紙幣処理機2、表示部3、操作部4、カードリーダ5、伝票記録部6、記録部7、主制御部8を少なくとも有して構成される。
表示部3は、例えばLCD等により、現金処理装置10の各種の処理操作の案内、入力画面、入力情報、金種別の入金金額又は出金金額等を表示する表示手段である。
操作部4は、レジスタの現金を入出金するレジスタ担当者や売上の締めを行なう店長等の管理者が操作するものである。また、操作部4は、後述する入出金処理を行なうために、パターン出金の入力、シフト設定の入力、訂正処理の入力等を行なう際に、レジスタ担当者や管理者等が操作するものである。操作部4は、例えば、キーボードやテンキーなどの物理的な入力手段や、表示部3上に配置されたタッチパネル等の入力手段を適用することができる。
カードリーダ5は、現金処理装置10の利用者であるレジスタ担当者や管理者等が使用するIDカードの情報を読み取るものである。ここで、IDカードとしては、管理者が用いる管理カード、レジスタの担当者が用いるレジスタカード、店舗毎に発行された店舗カード等がある。
伝票記録部6は、硬貨処理機1や紙幣処理機2で行われた入金処理又は出金処理の金額、金種別枚数等を伝票に記録して出力するものである。伝票記録部6は、例えば、プリンタ等を適用することができる。
記録部7は、入金・出金処理履歴、回収庫交換履歴、釣銭収納庫入出金履歴、回収庫入金履歴等を格納するカウンタテーブルを有したり、また後述する主制御部8が実行する制御プログラムを格納したり、更に主制御部8による処理結果も記憶するものである。
主制御部8は、記録部7に格納された制御プログラムに基づいて、現金処理装置10全体の処理を制御するものである。主制御部8は、それぞれのレジスタに対して割り当てられているシフトを1つの集計単位として入出金処理を行なう入出金処理機能を有する。
さらに、主制御部8には、繰越処理手段としての機能が格納されている。この繰越処理手段は、営業日毎に行う全レジスタの後述する精算集計処理時に、後述する入出金情報記憶手段としての入出金履歴記憶部109を参照して、出金処理後に入金処理がなされていないレジスタ番号がある場合に、後述する清算出金処理を繰り越す処理手段である。この繰越処理手段としての機能は、精算集計処理が、後述する出金処理部103での出金処理から1回目のとき繰り越し、2回目以降のとき清算出金処理を行う。
なお、精算集計処理とは、「締上げ」と呼ばれる処理で、全レジスタの売上高集計や違算金額などの確認を、営業日毎に行う精算集計業務をいう。清算出金処理とは、“清算出金”欄を追記して、清算出金データを記録すると共に、レシートに清算出金データを印字する処理である。
硬貨処理機1は、レジスタから回収した硬貨を一括して受け入れる硬貨入金口11と、この硬貨入金口11に受け入れた硬貨を1枚ずつ分離して、硬貨の金種等を鑑別すると共に鑑別した硬貨を金種毎に計数する硬貨鑑別部12と、この硬貨鑑別部12で鑑別計数された硬貨を一時保留する一時保留部13と、レジスタ用の釣銭準備金として使用する硬貨を金種別に収納する複数の釣銭用硬貨収納庫(釣銭用現金収納庫)14と、入金硬貨を金種別に収納する硬貨回収庫15と、釣銭用の硬貨を出金するための硬貨出金庫16と、硬貨リジェクト口17と、制御プログラムに基づいて効果処理機1全体の動作制御を行う制御部18とを少なくとも有して構成される。
ここで、一時保留部13、釣銭用硬貨収納庫14、硬貨回収庫15、及び硬貨出金庫16は金種毎に分けて硬貨を集積、収納できるように内部が区切られている。
また、硬貨入金口11と硬貨鑑別部12との間には、分離部により分離された硬貨を搬送する搬送ベルト等による搬送路が設けられている。また、釣銭用硬貨収納庫14と硬貨回収庫15及び硬貨出金庫16との間には、釣銭用硬貨収納庫14から排出される硬貨を硬貨回収庫15と硬貨出金庫16のいずれかに導く振分け手段と、通過する硬貨を金種毎に計数する計数手段とが設けられている。
また、釣銭用硬貨収納庫14に対しては、収納する硬貨の金種毎に保管基準額が設定されており、その保管基準額を保つために入金処理された硬貨を収納するようになっている。また、釣銭用硬貨収納庫14にも硬貨を搬送路に繰り出す繰出し手段が設けられている。
硬貨回収庫15は複数用意され、必要に応じて交換されるものであるが、この実施形態では、硬貨回収庫15には記憶部(識別情報保有部)15aが設けられている。この記憶部15aには硬貨回収庫15を識別するためのID番号等の固有の識別情報が記憶され、制御部18または後述する主制御部がこの識別情報を認識して硬貨回収庫15を特定するものとなっている。
紙幣処理機2は、入金処理時にレジスタから回収した紙幣を一括して受け入れると共に出金処理時に釣銭としての紙幣を排出する紙幣入出金口21と、この紙幣入出金口21に受け入れた紙幣を1枚ずつ分離して、紙幣の金種等を鑑別すると共に鑑別した紙幣を金種毎に計数する紙幣鑑別部22と、この紙幣鑑別部22で鑑別計数された紙幣を集積して一時保留する一時保留部23と、レジスタ用の釣銭準備金として使用する特定金種(例えば、五千円、千円)の紙幣を金種別に収納する釣銭用紙幣収納庫(釣銭用現金収納庫)24と、入金紙幣を金種別に収納する紙幣回収庫(現金回収庫)25と、紙幣リジェクト庫26と、制御プログラムに基づいて紙幣処理機2全体の動作制御を行う制御部27を少なくとも有して構成される。
ここで、一時保留部23には紙幣を繰出す繰出し手段が設けられている。
また、釣銭用紙幣収納庫24に対しては、収納する紙幣の金種毎に保管基準額が設定されており、その保管基準額を保つために入金処理された紙幣を収納するようになっている。釣銭用紙幣収納庫24にも紙幣の集積手段が紙幣を搬送路に繰り出す繰出し手段と共に設けられている。
また、紙幣回収庫25は複数用意され、必要に応じて交換されるものであるが、各紙幣回収庫25には、ニアフルやフルを検知するセンサが設けられており、これらのセンサにより紙幣の有無や、満杯状態を確認できるようになっている。但し、収納量は後述するテーブルに格納される入金履歴からも把握可能である。
更に、紙幣回収庫25には、硬貨回収庫15と同様に記憶部(識別情報保有部)25aが設けられている。この記憶部25aには紙幣回収庫25を識別するためのID番号等の固有の識別情報が記憶され、制御部18がこの識別情報を認識して紙幣回収庫25を特定するものとなっている。
なお、硬貨処理機1の制御部18及び紙幣処理機2の制御部27は主制御部8の指示により硬貨処理機1及び紙幣処理機2を制御する。
(A−1−2)入出金処理機能について
図3は、主制御部8の入出金処理機能を説明する機能ブロック図である。
図3において、入出金処理機能100は、パターン出金登録部101、出金処理部103、入金処理部104、集計処理部105、訂正処理部106、パターン出金記憶部107、シフト記憶部108、入出金履歴記憶部109を少なくとも有して構成される。
パターン出金登録部101は、複数の釣銭出金のパターン出金の設定情報をパターン出金記憶部107に登録するものである。ここで、パターン出金とは、予め設定された、出金に係る金種及び各金種の枚数を出金することをいう。
パターン出金記憶部107は、パターン出金登録部101により登録処理された複数のパターン出金の設定情報を記憶するものである。
図4は、パターン出金記憶部107の構成を示す構成図である。図4に示すように、パターン出金記憶部107は、出金パターン識別情報と、指定された金種及び各金種の枚数とを対応づけた情報を登録情報として記憶する。また、パターン出金記憶部107は、複数のパターン出金の設定情報を登録することができる。
出金処理部103は、出金情報を媒体識別情報に対応付けて入出金情報記憶手段としての入出金履歴記憶部109に記憶させる出金処理手段を構成する。また、出金処理部103は、レジスタ担当者又は管理者の操作を受けて、釣銭出金処理を行なうものである。出金処理部103は、レジスタ担当者等の操作により、レジスタ識別情報、レジスタカードの媒体識別情報、当該レジスタに割り当てられたシフト識別情報の選択入力を受ける。
そして、出金処理部103は、シフト記憶部108を参照して、入力されたレジスタ識別情報について、入力されたシフト識別情報に対応するパターン出金識別情報を検索し、検索されたパターン出金識別情報に対応する金種及び金種枚数を出金するものである。これにより、レジスタ毎に、選択されたシフトに対応付けられたパターン出金を行うことができる。なお、他のパターンで出金してもよい。
また、出金処理部103は、レジスタ識別情報、レジスタカードの媒体識別情報、シフト識別情報、レジスタ担当者識別情報、パターン出金金額を対応付けて、入出金履歴記憶部109に記憶する。これにより、シフトとレジスタカードとを対応付けて管理することができるので、1枚のレジスタカードでシフトのパターン出金を管理することができる。
ここで、後述するように、この実施形態では、同一のレジスタカードについて、パターン出金がなされてから最終入金が行なわれるまでを1つのシフトとし、これを集計単位とする。
従って、同一のレジスタカードについて、パターン出金がなされた後、最終入金がなされていない状態で、別のパターン出金の要求があっても、出金処理部103は取引を行なわない。つまり、この場合、出金処理部103は出金しない。これにより、レジスタ担当者がレジスタカードを間違えて出金処理を行なってしまうことを防止できる。
なお、出金処理部103は、追加的に釣銭を出金する追加出金を行なうことができる。この場合、同一のレジスタカードについて、パターン出金がなされた後に最終入金がなされていない状態に、出金処理部103は追加出金を行なうことができる。追加出金の場合、出金処理部103は、金種及び枚数の入力を受け付け、その入力された金種及び枚数を出金する。
入金処理部104は、入金処理の情報を媒体識別情報に対応付けて入出金情報記憶手段としての入出金履歴記憶部109に記憶させる入金処理手段を構成する。また、入金処理部104は、レジスタ担当者又は管理者の操作を受けて、入金処理を行なうものである。入金処理部104は、レジスタ識別情報、レジスタカードの媒体識別情報、レジスタ担当者識別情報、及び紙幣処理機2による入金された金種及び枚数が入力され、レジスタ識別情報、レジスタカードの媒体識別情報、シフト識別情報、レジスタ担当者識別情報、入金金額を対応付けて入出金履歴記憶部109に記憶するものである。この入出金履歴記憶部109は、少なくともレジスタへの出金又はレジスタからの入金に用いられる媒体であるレジスタカードの媒体識別情報に、出金処理及び入金処理の情報を対応付けて記憶する入出金情報記憶手段を構成する。
ここで、入金処理部104が行なう入金には、少なくとも、最終入金と途中入金とがある。最終入金とは、原則的には、レジスタ担当者の勤務が終了した後に行われる最終的な売上入金である。途中入金とは、レジスタ担当者の勤務が終了する前に行う入金をいう。途中入金は、例えば、防犯の観点から、レジスタに収納される現金を定期的に回収して入金する場合に用いられる。入金処理部104は、最終入金と途中入金とを区別して入出金履歴記憶部109に記憶する。
集計処理部105は、入出金履歴記憶部109に記憶されている入出金履歴を参照して、レジスタ毎に設定されたシフトを集計単位として集計処理を行なうと共に、「締上げ」と呼ばれる処理であって、営業日毎に全レジスタの売上高集計や違算金額などの確認をする上記精算集計処理を行う。
つまり、集計処理部105は、あるレジスタについては、当該レジスタに用いたレジスタカードについて、パターン出金がなされてから最終入金がなされるまでを1つの集計単位として集計する。これは、「パターン出金から最終入金まで」が1シフトに相当するので、「パターン出金から最終入金まで」の集計が当該シフトの集計となる。ここで、1集計単位とする「パターン出金から最終入金まで」の組の作成は、例えば、入出金履歴記憶部109における各取引の日時情報を用いて、今回の最終入金の取引日時情報の直前に行なわれたパターン出金を検索し、このパターン出金と最終入金とを1つの組とする。
さらに、集計処理部105は、上述した精算集計処理も行う。この精算集計処理により、各店舗で、店舗管理者(店長・出納係など)による全レジスタの精算集計業務(売上高集計や違算金額などの確認)が営業日毎に行われる。この精算集計処理では、各レジスタの精算集計結果を画面表示し、レシート印字を行っている。
また、集計処理部105は、入出金履歴記憶部109に記憶されている入出金履歴を参照して、レジスタ識別情報毎、レジスタ担当者識別情報毎に集計するようにしてもよい。
訂正処理部106は、レジスタ担当者が出金処理及び又は入金処理を誤って操作した場合に、正しい出金処理及び又は入金処理に訂正するものである。
なお、図14は、主制御部8の入出金処理機能の変形実施形態を説明する機能ブロック図である。図14は、図3に例示した入出金処理機能の各構成要素に、シフト処理部102を追加したものである。
シフト設定部102は、管理者の操作を受けて、レジスタ担当者のシフトに対して、指定されたパターン出金識別情報を対応付けてシフト記憶部108に記憶させるものである。シフトは各レジスタに割り当てられるのが一般的であるため、各レジスタのそれぞれのシフト毎にパターン出金が割り当てられる。
具体的には、シフト設定部102は、レジスタ毎に、シフトの時間帯が入力され、その時間帯のシフトに対してシフト識別情報を付与する。そして、シフト設定部102は、レジスタ毎に、シフト識別情報と指定されたパターン出金識別情報とを対応付けてシフト記憶部108に記憶する。
このように、予めシフト設定部102によりシフトを設定しておくことで、レジスタ担当者は、釣銭出金を行なうときに、「自身のシフト」のみを選択するだけでよい。その結果、レジスタ担当者によるパターン出金の選択間違いを回避できる。
(A−2)実施形態の動作
次に、本実施形態に係る現金処理装置10における入出金処理の動作について図面を参照しながら詳細に説明する。
(A−2−1)シフト設定処理について
図5は、レジスタ識別情報「1」のレジスタのシフトを示す図である。図5において、「9:00〜12:00」の時間帯を「シフト1」とし、「11:30〜14:00」の時間帯を「シフト2」とし、「13:30〜18:00」の時間帯を「シフト3」とする。
管理者は、管理者カードをカードリーダ5で読み取らせ、操作部4によりシフト設定処理の選択ボタンを選択する。これにより、シフト設定処理が開始する。
次に、管理者は、操作部4を操作してレジスタ識別情報を入力する。例えば、図5のシフト設定を行なう場合、管理者は、レジスタ識別情報「1」を入力する。
そして、管理者が図5の「シフト1」について設定する場合、管理者は時間帯「9:00〜12:00」を入力する。現金処理装置10において、シフト設定部102は、入力された時間帯「9:00〜12:00」に対してシフト識別情報:シフト1」を割り当てる。
次に、管理者は、操作部4を操作して、「シフト1」に対応付けるパターン出金を選択する。例えば、「シフト1」に対して、図4の「パターン1」が選択されると、シフト設定部102は、「シフト1」に対して、選択された「パターン1」を対応付けてシフト記憶部108に記憶する。
このような処理が、他のシフトについてもなされる。また、他のレジスタの各シフトについてもなされる。
図6は、シフト記憶部108に記憶されるシフト設定情報の構成を例示する構成図である。図6に示すように、レジスタ(レジスタ識別情報)毎に、時間帯、シフト識別情報、パターン出金識別情報が対応付けて管理される。例えば、「レジスタ識別情報:1」について、「9:00〜12:00」は「シフト識別情報:シフト1」が付与され、「シフト1」には「パターン出金識別情報:パターン1」が対応付けて記憶される。
なお、ここでは、管理者が、あらかじめ、シフトに対してパターン出金を対応付ける場合を例示した。しかし、レジスタカードについて、パターン出金及び最終入金を対応づけることができればよいので、管理者が上記のシフト設定を行わないようにしてもよい。その場合、レジスタ担当者が、レジスタカードを用いて出金処理を行なう際に、パターン出金を選択することで、レジスタカードとパターン出金とを対応付けることができる。
(A−2−2)出金処理
次に、この実施形態に係る現金処理装置10における出金処理について図面を参照しながら詳細に説明する。
図7は、実施形態に係る現金処理装置10における出金処理の動作を示すフローチャートである。
図7において、レジスタ担当者は、レジスタカードをカードリーダ5に読み取らせ、操作部4を操作して、レジスタ担当者識別情報を入力し、釣銭出金の選択ボタンを選択する。これにより、現金処理装置10において、出金処理部103は、レジスタカード識別情報及びレジスタ担当者識別情報を取得して、釣銭出金処理を開始する(S101、S102)。
次に、レジスタ担当者は、操作部4を操作してレジスタ識別情報を入力する。これにより、出金処理部103は、レジスタ識別情報を取得する(S103)。
なお、レジスタカードがレジスタに対応することが予め設定されている場合(例えば、レジスタカードから読み取った情報にレジスタ識別情報が含まれる等の場合)には、レジスタ識別情報の入力を省略するようにしてもよい。
また、管理者は、管理者カードを用いて、パターン出金や追加出金等の出金処理を行なうこともできる。その場合には、レジスタ識別情報及びシフトの入力が必要となる。
図8及び図9は、釣銭出金に係る表示画面例を示す画面図である。図8(A)に示すように画面には、レジスタ選択ボタン501が表示される。レジスタ担当者は、図8(A)の画面において、担当するレジスタのレジスタ選択ボタン501を選択し、確認ボタン502を選択する。
続いて、出金処理部103は、パターン出金による釣銭出金を行なうために、パターン出金識別情報を取得する(S105)。
ここで、(A−2−1)で説明したシフト設定が予めなされている場合、図8(B)に例示する表示画面において、レジスタ担当者は、担当するシフトのシフト選択ボタン503を選択し、確認ボタン502を押下する。そして、出金処理部103は、図6に例示するシフト設定情報を参照して、選択されたシフト識別情報に対応するパターン出金識別情報を取得することができる。
また別の方法として、(A−2−1)で説明したシフト設定が予めなされていない場合、図9(A)に例示する表示画面において、レジスタ担当者が、「パターン出金」を示す出金種類選択ボタン504を選択する。そうすると、図9(B)に例示する表示画面が表示される。レジスタ担当者は、図9(B)において、パターン出金のタイプが異なるパターン出金選択ボタン505を選択すると、その選択されたパターン出金の金種枚数及び合計金額が表示される。これを見て、レジスタ担当者は、パターン出金のタイプを確認できる。そして、レジスタ担当者は、当該シフトに割り当てられているパターン出金のパターン出金選択ボタン505を選択し、確認ボタン502を押下する。これにより、出金処理部103は、パターン出金識別情報を取得することができる。
S106では、出金処理部103が、同一のレジスタカードを用いてパターン出金が既になされているか否かを確認し(S106)、パターン出金がなされていない場合、出金処理部103は処理をS107に移行し、既にパターン出金がなされている場合、出金処理部103は処理をS110に移行する。
S107において、出金処理部103は、硬貨処理機1及び紙幣処理機2に対して、パターン出金識別情報に対応する金種及び枚数を出金するようにし指示し、硬貨処理機1及び紙幣処理機2が指示された金種及び枚数を出金する(S107)。
そして、出金処理部103は、レジスタ識別情報、レジスタカード識別情報、レジスタ担当者識別情報、パターン出金である旨の区分、出金金額を対応付けて、入出金履歴記憶部109に記憶し(S108)、伝票記録部6が釣銭出金に係る伝票を発行する(S109)。
図10は、入出金履歴記憶部109における入出金履歴を説明する説明図である。図10に示すように、出金処理部103は、例えば、「通番:1」に、「レジスタ識別情報:1」、「レジスタカード識別情報:A」、「レジスタ担当者識別情報:1111」について、「区分:パターン出金」を付与し、当該パターン出金の出金金額及び金種枚数を対応付けて入出金履歴に残す。さらに、精算集計処理のデータも入出金履歴に残す。
一方、S106において、既にパターン出金がなされている場合、出金処理部103は、パターン出金を行なわず、エラーである旨を出力して、処理を終了する(S110)。
(A−2−3)最終入金処理
次に、本実施形態に係る現金処理装置10における最終入金処理について図面を参照しながら詳細に説明する。
図11は、実施形態に係る現金処理装置10における最終入金処理の動作を示すフローチャートである。
図11において、レジスタ担当者は、レジスタカードをカードリーダ5に読み取らせ、操作部4を操作して、レジスタ担当者識別情報を入力し、最終入金の選択ボタンを選択する。これにより、現金処理装置10において、入金処理部104は、レジスタカード識別情報及びレジスタ担当者識別情報を取得して、最終入金処理を開始する(S201、S202)。
次に、レジスタ担当者は、操作部4を操作してレジスタ識別情報を入力する。これにより、入金処理部104は、レジスタ識別情報を取得する(S203)。
続いて、レジスタ担当者によって投入された現金を、硬貨処理機1及び紙幣処理機2が受け入れ、硬貨処理機1及び紙幣処理機2が現金を計数する(S204)。
ここで、入金処理を行なう際、硬貨処理機1及び紙幣処理機2による現金計数だけでなく、レジスタ担当者の手入力による入金処理を行なうようにしてもよい。これは、例えば、商品券や、クレジットカード、ギフトカード等による売上や、また汚損金等もあるため、硬貨処理機1及び紙幣処理機2が計数できない場合もあるからである。このような場合には、レジスタ担当者が手入力により入金処理を行ない、入金金額等を確定する。
そして、入金処理部104は、レジスタ識別情報、レジスタカード識別情報、レジスタ担当者識別情報、最終入金である旨の区分、入金金額を対応付けて、入出金履歴記憶部109に記憶し(S205)、伝票記録部6が最終入金に係る伝票を発行する(S206)。
図10に示すように、入金処理部104は、例えば、「通番:2」に、「レジスタ識別情報:1」、「レジスタカード識別情報:A」、「レジスタ担当者識別情報:1111」について、「区分:最終入金」を付与し、当該最終入金として計数された入金金額及び金種枚数を対応付けて入出金履歴に残す。清算出金処理がなされた場合は、「区分:清算出金」を付与し、その金額を入出金履歴に残す。
(A−2−4)集計処理
次に、実施形態に係る現金処理装置10における集計処理の動作について図面を参照しながら説明する。
図12は、集計処理部105による集計単位を説明する説明図である。図13は、レジスタ識別情報「1」のシフト及び集計を説明する説明図である。
図13では、レジスタ識別情報「1」のレジスタについて、複数のレジスタ担当者が、2枚のレジスタカード「カードA」と「カードB」を用いて操作する場合を示す。
また、シフト1はレジスタ識別情報「1111」の担当者が担当し、シフト2はレジスタ識別情報「2222」の担当者が担当し、シフト3は、レジスタ識別情報「3333」と「1111」の2人の担当者が担当するものとする。
さらに、シフト1及びシフト3では、レジスタ担当者がレジスタカード「カードA」を用いており、シフト2では、レジスタ担当者がレジスタカード「カード」Bを用いているものとする。
上記のような場合、図12に示すように、集計処理部105は、入出金履歴記憶部109に記憶される入出金履歴に基づいて、同一レジスタカードについて、パターン出金がなされてから最終入金がなされるまでを1つの集計単位とする。
すなわち、集計処理部105は、入出金履歴記憶部109を参照して、レジスタカード識別情報に対応する入出金履歴を検索して、同一のレジスタ識別情報において、パターン出金とその後になされた最終入金とを組にし、これを集計単位として集計する。
例えば、図12において、集計処理部105は、レジスタカード識別情報「カードA」について、レジスタ担当者識別情報「1111」による「パターン出金」を読み出し、同一のレジスタカード識別情報「カードA」であって、当該パターン出金直後の「最終入金」を読み出す。そして、この「パターン出金から最終入金まで」がシフト1についての集計となる。
また、「シフト2」についても同様に、レジスタカード識別情報「カードB」について、レジスタ担当者識別情報「2222」による「パターン出金」と、当該パターン出金直後の「最終入金」とを読み出し、これをシフト2の集計とする。
ここで、シフト3では「カードA」が利用されており、利用カードはシフト1のときと同じであるため、集計処理部105がシフトを誤って括ってしまうことが問題となる。しかし、この実施形態では、上記のような誤ったシフトの括りを防止するために、出金処理部103が、パターン出金済み後の再度のパターン出金を選択できないようにしている(図7のS106及びS110参照)。その結果、同一のレジスタカードにおいて、パターン出金後に、別のパターン出金がなされることはないので、集計処理部105は、「パターン出金から最終入金まで」を1つの集計単位として確実に括ることができる。
また、レジスタ担当者が最終入金を忘れてしまうこともあり、レジスタ担当者又は管理者が遅れて最終入金を行なう場合もある。しかし、この実施形態では、図13に示すように、同一のレジスタカード「カードA」について、「シフト1」が終わってから、「シフト3」についての「パターン出金」がなされるまでの間を、「シフト1」の集計最大範囲とする。つまり、「パターン出金から最終入金まで」が1つの集計単位であるから、次のシフトの「パターン出金」がなされるまで、「最終入金」が可能となる。
また、図12において、シフト3では、レジスタ担当者識別情報「3333」が「カードA」を用いてパターン出金を行い、レジスタ担当者識別情報「1111」が「カードA」を用いて最終入金を行なっている。つまり、釣銭出金と最終入金の行為主体がそれぞれ異なる。
この場合でも、集計処理部105は、同一のレジスタカード識別情報について「パターン出金から最終入金まで」を集計単位とするので、問題なく集計処理を行なうことができる。なお、この場合、個人集計については、レジスタ担当者識別情報「3333」又は「1111」のいずれかの売上計上であるとしてもよい。この実施形態では、最終入金を行なったレジスタ担当者識別情報「1111」の売上計上とする。
なお、図12に示すように、集計処理部105は、レジスタ識別情報毎、レジスタ担当者識別情報毎に集計を行なうこともできるので、レジスタ毎、レジスタ担当者毎の売上集計もできる。なお、図12において、点線で括ったものの集計が、レジスタ識別情報「1」の集計である。
集計処理部105は、上記のようにして集計した集計結果を入出金履歴記憶部109に記憶する。
(A−2−5)繰越処理
次に、本実施形態に係る現金処理装置10における繰越処理の動作について図面を参照しながら説明する。図15は繰越処理機能を示すフローチャートである。この繰越処理は、上記シフト単位の集計処理と別の精算集計処理を行うときの処理である。
従来は、不正使用の発覚遅れを回避する為に、営業日毎に精算集計処理を行っていた。精算集計処理時に、出金処理後に入金処理がなされていない、いわゆる出金しっぱなしのレジスタ番号がある場合、該当レジスタの印字項目に警告の意味を込めて、清算出金処理がなされる。即ち、“清算出金”欄を追記して、清算出金データを記録すると共に、レシートに清算出金データを印字する処理がなされていた。それと同時に、該当レジスタからの出金実績データをクリアしていた。
しかし、24時間営業店舗の場合、精算集計処理を契機に、毎回清算出金処理をすると、次の様な問題が発生する。即ち、毎日午前0時に、全レジスタの精算集計処理を実施するが、午前0時以降(深夜〜早朝)に使用するレジスタの釣銭準備金は、午前0時前(例えば、23時30分)に準備(出金)して、運用しなければならない。
この場合、従来の装置では、釣銭準備金をそのまま使用すると、午前0時に、深夜から早朝にかけて使用するレジスタの出金実績データが無条件でクリアされてしまう。このため、不正使用していないのに、翌日午前中にレジ精算(入金)を行うと、出金実績データが無い為、正しい売上金が集計できないという問題が発生する。
そこで、上述の問題を解消するために、精算集計処理時に繰越処理を行う。この繰越処理では、まず、営業日毎に全レジスタの精算集計処理を行う(S301)。この精算集計処理時に、入出金履歴記憶部109を参照して、出金処理後に入金処理がなされていないレジスタ番号があるか否かを判断する(S302)。出金処理後に入金処理がなされていないレジスタ番号がない場合は、処理を終了する。
出金処理後に入金処理がなされていないレジスタ番号がある場合は、上記精算集計処理が、出金処理部103での出金処理から1回目か否かを判断する(S303)。上記精算集計処理が、出金処理部103での出金処理から1回目のときは、清算出金処理を繰り越して、そのまま終了する。上記精算集計処理が、出金処理部103での出金処理から2回目以降のときは、清算出金処理を行う(S304)。
この清算出金処理により、2営業日以上経過している上記レジスタの出金を“清算出金”扱いに移行して、出金実績データをクリアする。
なお、上記清算出金処理は、精算集計処理時に全レジスタに対して行ったが、上述のシフト毎に、各レジスタに対して行ってもよい。
(A−3)効果
以上のように、営業日毎に実施している全レジスタの精算集計処理時に、入出金履歴記憶部109を参照して、出金処理後に入金処理がなされていないレジスタ番号がある場合に、それが出金処理から1回目の精算集計処理のときに清算出金処理を繰り越す。そして、2回目以降のとき上記清算出金処理を行って出金実績データをクリアするようにしたので、翌日に正しい売上金が集計できないという問題が発生するのを防止することができる。これにより、集計処理を滞りなく行うことができる。
また、上記シフト毎に本処理を行うことにより、各レジスタ毎に、売上金を管理することができる。これにより、各レジスタの釣銭準備金の不正使用を予防できるという効果が得られる。即ち、レジスタへの出金又はレジスタからの入金に用いられるレジスタカード毎に出金処理から入金処理までを1集計単位として集計処理ができるため、レジスタ担当者のシフト毎に、売上金を管理することができる。このため、各レジスタ毎に釣銭準備金の不正使用を予防できるという効果が得られる。
また、本実施形態によれば、レジスタカード識別情報に、レジスタ識別情報、レジスタ担当者識別情報を紐付して入出金履歴を記憶することにより、レジスタ識別情報でソートすればレジスタ毎の売上集計を求めることができ、又、レジスタ担当者識別情報でソートすればレジスタ担当者毎の売上集計を求めることができる。このため、レジスタ毎にも、レジスタ担当者毎にも、売上金を管理することができる。このため、各レジスタ毎にも、レジスタ担当者毎にも、釣銭準備金の不正使用を予防できるという効果が得られる。
また、24時間営業店舗での運用にも対応が可能となる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明の第2の実施形態に係る現金処理装置について説明する。本実施形態の現金処理装置の全体構成は、上記第1の実施形態の現金処理装置10と同様であるため、ここでは、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の繰越処理手段は、上記精算集計処理時に、上記出金処理後に上記入金処理がなされていない上記レジスタ番号があるとき、翌営業日分として使い回すか、清算するかを選択させる選択要求処理を行うものである。
さらに、本実施形態の繰越処理手段は、上記精算集計処理時に、上記出金処理後に上記入金処理がなされていない上記レジスタ番号があるとき、アラーム通知を行って、注意を喚起するものである。
本実施形態では、図16に示すように、第1実施形態の図3の入出金処理機能100にアラーム通知部110を追加した。さらに、図17に示すように、翌日送りボタン601と、清算ボタン602と、確認ボタン603とを備えた表示画面を追加した。
(B−2)動作
従来の方式では、2日間ではあるが、出金しっぱなしになっている事実を知るすべが無い。言い換えると、2日後の「精算集計処理を実施して初めて出金しっぱなしで、入金されていない事実に気が付く。また、現金処理装置から出金した現金を、使用せずに金庫にしまっているにも関わらず、2日後、警告も無く勝手に出金実績データをクリアされる。即ち、売上の集計対象から外される。さらに、金庫に保管していた釣銭準備金を2日後に使用すると、売上金の集計結果が予想外の結果に陥る。言い換えると、一度出金した釣銭準備金は、営業日をまたがり繰り越して使用することが出来ない。
この具体例を図18に基づいて説明する。ここでは、10日から12日までの経過を基に説明する。
レジスタ担当者は、10日に、7番レジの釣銭準備の為、10万円を出金する。しかし、レジスタ担当者は、釣銭準備はしたが、7番レジは使用しなかった為、10万円を金庫に保管した。
金庫に保管された10万円は、翌日(11日)も、7番レジを使用しなかった為、金庫に保管したままになっている。
レジスタ担当者または管理者は、12日には、売上の集計対象から7番レジの出金実績データを外す事を意味する“清算出金”として計上し、レシートにも印字したが、気が付かなかった。このため、本日は、金庫に保管していた7番レジの釣銭準備金10万円をそのまま使用した。そして、7番レジのレジ精算を実施する為、釣銭準備金10万円を含めた25万円を入金すると、25万円すべてが売上金として計上されてしまった。つまり、清算出金扱いとなっているため出勤実績データから7番レジの出金実績データである10万円が外されているにもかかわらず、レジスタ担当者は釣銭準備金10万円を含めた25万円を入金してしまっている。これにより、通常であれば釣銭準備金10万円を25万円から差し引き、売上金15万円としなければならないが、出金実績データである10万円が外されているため、入金した25万円全額が売上金として計上されてしまう。
これに対して、本願発明では、図19に示すようになる。
まずレジスタ担当者は、10日に、7番レジの釣銭準備の為、10万円を出金する。しかし、レジスタ担当者は、釣銭準備はしたが、7番レジは使用しなかった為、10万円を金庫に保管した。
レジスタ担当者または管理者は、11日に、選択要求処理を行う。具体的には、アラーム通知部110を作動させて、レジスタ担当者または管理者にアラーム通知して、出金しっぱなしになっているレジスタを一覧表示する。ここでは、7番レジが出金しっぱなしになっている事を通知する。
さらに、図17に示す画面を表示して、[翌営業日分として使い回す]か[ここで清算してしまう]かの選択をするように要求する。レジスタ担当者または管理者は、翌日送りボタン601か、清算ボタン602を押して、確認ボタン603を押す。清算ボタン602を押せば、ここで清算することになる。
ここでは、翌日送りボタン601を押して、[翌営業日分として使い回す]を選択したと想定する。
なお、レジスタが複数表示された場合は、1レジスタずつ[翌営業日分として使い回す]か[ここで清算してしまう]かの選択をするように要求する。そして、すべての末精算レジの選択が終わらない限り、精算集計処理は完了しない。
12日には、11日と同様に選択要求処理を行う。具体的には、アラーム通知部110を作動させて、レジスタ担当者または管理者にアラーム通知して、出金しっぱなしになっているレジスタを一覧表示する。ここでは、7番レジが出金しっぱなしになっている事を通知する。
さらに、図17に示す画面を表示して、[翌営業日分として使い回す]か[ここで清算してしまう]かの選択をするように要求する。レジスタ担当者または管理者は、翌日送りボタン601か、清算ボタン602を押して、確認ボタン603を押す。ここでも11日と同様に、翌日送りボタン601を押して、[翌営業日分として使い回す]を選択したと想定する。つまり、[翌営業日分として使い回す]を選択することにより、出金実績データを外さずに翌営業日分まで出金実績データを残す。
そして、レジスタ担当者は、12日は、金庫に保管していた7番レジの現金を使用した。そして、7番レジのレジ精算を実施する為、釣銭準備金10万円を含めた25万円を入金したら、売上金15万円と正しく計上された。出金実績データである10万円がデータとして残っているため、25万円を入金すると釣銭準備金である10万円を差し引き、売上金15万円を正しく計上する。
なお、未精算レジの対処として選択できる[翌営業日分として使い回す]には、選択実施の回数制限は設けないものとする。しかし、[翌営業日分として使い回す]の選択回数が多いとき、要注意状態として、強い警告を発する。具体的には、レシートに選択回数を記載して、警告文を記載したり、アラーム通知部110で強い警告音を発したりする。さらに、選択回数が増えるに従って警告音を段階的に強めていくようにしてもよい。即ち、不正使用に対する抑止効果を段階的に強めていくようにしてもよい。
(B−3)効果
以上のように、第2の実施例によれば、下記の様な効果が得られる。
24時間営業店舗の運用の場合、即ち、精算集計処理前に翌日分の出金を行う運用の場合にも、最適な対応をとれるようになる。
出金しっぱなしになっているレジスタがあるときは、毎日の精算集計処理時にアラーム通知して選択要求処理を行うため、毎日、未精算レジをチェックすることができる。これにより、不正使用があった場合に、速やかに確認することができるようになる。
この結果、不正使用の発生を効果的に防止することができる。
さらに、一度出金した釣銭準備金を、営業日を跨いで繰り越して使用することができるようになり、利便性が向上する。
(C)変形例
(C−1)上述した各実施形態では、本発明を現金処理装置10として説明したが、当該現金処理装置10の処理機能を有する現金処理プログラムとしてコンピュータにインストールして構成してもよい。
(C−2)上述した各実施形態では、繰越処理手段として、精算集計処理が、出金処理手段での出金処理から1回目のとき繰り越す。そして、2回目以降のとき上記清算出金処理を行う実施形態を第1の実施形態として説明し、精算集計処理時に、出金処理後に入金処理がなされていないレジスタ番号があるとき、翌営業日分として使い回すか、清算するかを選択させる選択要求処理を行う実施形態を第2の実施形態として説明したが、第1の実施形態の構成に第2の実施形態の構成を組み込んでもよい。この場合は、第2の実施形態の選択要求処理を最初に行い、選択しなかった場合に、第1の実施形態の処理を行う。これにより、上記第1及び第2の実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。さらに、この組み合わせにより、利便性が向上すると共に、不正使用の発生をより効果的に防止することができる。
(C−3)上述した各実施形態では、パターン出金登録部101を設けて、複数の釣銭出金のパターン出金の設定情報をパターン出金記憶部107に登録したが、パターン出金でない場合でも、本願発明を適用することができる。
(C−4)上述した各実施形態における現金処理装置は、1店舗に設けられるレジスタへの出金処理及びレジスタからの入金処理を行なうものに限定されるものではなく、例えば、ショッピングセンタ等のように複数のショップからなる大規模店舗において、各ショップを統括的に管理するものにも適用することができる。
(C−5)上述した各実施形態では、レジスタの出金又は入金に用いられる媒体として、レジスタカードを適用する場合を例示した。しかし、シフトに応じてレジスタを利用する際に用いられるものであれば、カードに限定されるものではない。また、レジスタ以外にも、釣銭準備金が必要なすべての装置に適用することができる。
(C−6)上述した各実施形態では、精算集計処理により全レジスタを対象にしたが、レジスタ毎に行う集計処理に各実施形態の発明を適用してもよい。これにより、レジスタ毎に、利便性の向上、不正使用の防止を図れる。
(C−7)なお、本発明の態様は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更、組み合わせおよび部分的削除等が可能である。