JP2014164124A - 偏光素子の製造方法および偏光素子、投射型表示装置 - Google Patents

偏光素子の製造方法および偏光素子、投射型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学特性の低下を少なく抑えたワイヤーグリッド型の偏光素子の製造方法および偏光素子、投射型表示装置、液晶装置、電子機器を提供する。
【解決手段】基板と、前記基板の一面に設けられた複数のストライプ状の凸部と、前記複数のストライプ状の凸部のうち一の凸部の頂部に設けられた金属細線と、を備える偏光素子の製造方法であって、前記一の凸部の頂部および側面に金属から成る金属膜を形成する工程と、前記金属膜をハロゲンからなるプラズマにさらすことによって、前記金属と前記ハロゲンとからなるハロゲン化金属を前記一の凸部の頂部に凝集させる工程と、前記ハロゲン化金属を還元することによって前記金属細線を形成する工程と、を有する偏光素子の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光素子の製造方法および偏光素子、投射型表示装置に関するものである。
ワイヤーグリッド型の偏光素子は、透明な基板上(ガラス)に金属から成るグリッド(金属細線)が敷き詰められた構成となっており、その一番の特徴は、グリッドのピッチが用いる光の波長よりも十分短いことである。
一般に、有機材料で形成される偏光素子は、熱により劣化しやすいことから、高い輝度が必要な大出力の液晶プロジェクターの偏光手段として用いる事が困難である。
これに対して、ワイヤーグリッド型の偏光素子は、無機物のみから構成できるため、有機物による偏光素子に比べ、光に対する劣化が著しく少ない。したがって、近年高輝度化が進んでいる液晶プロジェクターにおいては有効なデバイスとして注目されている。このようなワイヤーグリッド型の偏光素子としては、たとえば、特許文献1、2に挙げるような技術が開示されている。
特表2003−519818号公報 特表2005−513547号公報
しかし、特許文献1、2に示されるようなワイヤーグリッド型の偏光素子は、反射型であるため、液晶プロジェクターの射出側の偏光板として用いると、光が液晶ライトバルブへと反射される結果、液晶ライトバルブが発熱し、劣化するという問題があった。
また、Agのような難エッチング材を金属細線の材料として用いる場合においては、基板上への材料の選択的配置が困難であり、ワイヤーグリッド型の偏光素子における金属細線を形成することは困難である。そのため、全体的に均一な光学特性を有する偏光素子を製造することが困難であるという問題もあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、光学特性に優れた吸収型のワイヤーグリッド型の偏光素子およびそのような偏光素子を容易に製造する方法を提供することを目的とする。また、このような偏光素子を備えることにより、表示品質が高く信頼性に優れた投射型表示装置を提供することを目的とする。
本発明の偏光素子の製造方法は、基板と、前記基板の一面に設けられた複数のストライプ状の凸部と、前記複数のストライプ状の凸部のうち一の凸部の頂部に設けられた金属細線と、を備える偏光素子の製造方法であって、前記一の凸部の頂部および側面に金属から成る金属膜を形成する工程と、前記金属膜をハロゲンからなるプラズマにさらすことによって、前記金属と前記ハロゲンとからなるハロゲン化金属を前記一の凸部の頂部に凝集させる工程と、前記ハロゲン化金属を還元することによって前記金属細線を形成する工程と、を有する。
本発明の製造方法によれば、凸部の頂部および側面に金属膜を形成した後に、金属膜をハロゲンからなるプラズマにさらすことにより金属膜を構成する金属をハロゲン化させる。これにより、凸部の側面に形成されている金属膜を構成する金属のハロゲン化物が凸部の頂部に引き寄せられ、凝集する。その結果、凸部の頂部に、略均一な大きさの金属ハロゲン化物の凝集粒子が、凸部の延在方向に沿って連結して形成される。その後、金属ハロゲン化物の凝集粒子を還元することによって、略均一な大きさの金属凝集粒子が連結された金属細線が形成される。このようにして形成された金属細線は、ナノサイズの金属凝集粒子の連結体であることから、プラズモン共鳴による光吸収が発生する。そのため、偏光素子は金属細線に平行な偏光成分の少なくとも一部を吸収する偏光素子となる。したがって、液晶プロジェクターの射出側の偏光素子として用いた際に、液晶ライトバルブに反射する光を抑え、液晶ライトバルブの劣化を抑えることができる偏光素子を製造できる。
また、難エッチング材を金属細線の材料として用いる場合であっても、上述したようにして容易に均一性に優れた金属細線を形成することができ、光学特性に優れた偏光素子を製造できる。
前記一の凸部の延在方向に垂直な断面において、前記一の凸部はテーパー形状を有していてもよい。
この構成によれば、凸部の側面が凸部の頂部に向かって先細りとなるように傾斜しているため、凸部に形成された金属膜を構成する金属をハロゲン化させる際に、凸部の側面に形成された金属膜を構成する金属のハロゲン化物が凸部の頂部に向かって移動しやすく、引き寄せられやすい。その結果、凸部の側面に形成された金属膜を構成する金属は、金属ハロゲン化物となって凸部の頂部に凝集する。したがって、金属ハロゲン化物を還元することで、幅、高さが略均一な金属細線が形成され、光学特性に優れた偏光素子を製造できる。
前記一の凸部の延在方向に垂直な断面において、前記一の凸部は三角形状を有していてもよい。
この構成によれば、凸部の頂部は三角形状の頂点で構成された稜線であるため、凸部に形成された金属膜を構成する金属をハロゲン化させる際に、凸部の各頂部(側面の各位置に対応する頂点)を中心として、凸部の各側面に形成された金属膜を構成する金属のハロゲン化物が引き寄せられ、凝集する。その結果、形成される金属ハロゲン化物の凝集粒子は、略均一な形状、大きさとなる。したがって、金属ハロゲン化物を還元することで、幅、高さが略均一な金属細線が形成され、光学特性に優れた偏光素子を製造できる。
前記一の凸部の延在方向に垂直な断面において、前記複数のストライプ状の凸部が三角波状の表面を形成していてもよい。
この構成によれば、偏光素子の凸部が形成されている側の表面は、基板の一面と略平行な面を有さず、凸部の斜面のみで構成されているため、金属膜は斜面のみに形成される。そのため、金属膜を構成する金属をハロゲン化させて凝集させる際に、凸部の側面(斜面)に形成された金属膜を構成する金属は、凸部の頂部に金属ハロゲン化物となって凝集し、凸部上以外に金属ハロゲン化物が凝集することがない。したがって、金属ハロゲン化物を還元することで、基板上に幅、高さが略均一な金属細線が形成され、光学特性に優れた偏光素子を製造することができる。
本発明の偏光素子は、基板と、前記基板の一面に設けられた複数のストライプ状の凸部と、前記複数のストライプ状の凸部のうち一の凸部の頂部に設けられた金属細線と、を備える偏光素子であって、前記金属細線は、複数の金属凝集粒子が1列に前記延在方向に配列してなることを特徴とする。
本発明の偏光素子によれば、金属細線は、ナノサイズの金属凝集粒子の連結体であることから、プラズモン共鳴による光吸収が発生する。そのため、偏光素子は金属細線に平行な偏光成分の少なくとも一部を吸収する。したがって、液晶プロジェクターの射出側の偏光素子として用いた際に、液晶ライトバルブに反射する光を抑え、液晶ライトバルブの劣化を抑えることができる。また、金属細線のピッチに対して、金属細線の幅が従来のものに比べて短い場合であっても、光を吸収することが可能であり、金属細線のピッチと幅の選択範囲が広くとれる。これにより、所望の光学特性となるように調整することができ、優れた光学特性を有する偏光素子が得られる。
前記複数の金属凝集粒子のうちの一の金属凝集粒子は、略球状であってもよい。
この構成によれば、たとえば、金属細線を構成する金属としてAgを選択した場合に、優れた光学特性を有する偏光素子が得られる。
前記複数の金属凝集粒子のうちの一の金属凝集粒子は、形状異方性を有していてもよい。
この構成によれば、たとえば、金属細線を構成する金属としてAlを選択した場合に、優れた光学特性を有する偏光素子が得られる。この場合において、金属凝集粒子のアスペクト比は3から5程度であることにより、優れた光学特性を得られる。
前記金属凝集粒子の直径を、前記複数のストライプ状の凸部のピッチで除した値が、前記ピッチが140nm以上155nm未満の範囲内において、0.19より大きく、0.32未満であり、前記ピッチが155nm以上185nm未満の範囲内において、0.27より大きく、0.35未満であり、前記ピッチが185nm以上215nm未満の範囲内において、0.27より大きく、0.39未満であり、前記ピッチが215nm以上260nm以下の範囲内において、0.30より大きく、0.45未満であってもよい。
この構成によれば、たとえば、金属細線を構成する金属としてAgを選択した場合に、優れた光学特性を有する偏光素子が得られる。
本発明の投射型表示装置は、光を射出する照明光学系と、前記光を変調する液晶ライトバルブと、前記液晶ライトバルブで変調された光が入射する、上述した偏光素子と、前記偏光素子を透過した偏光光を被投射面に投射する投射光学系と、を備える。
本発明の投射型表示装置によれば、耐熱性の高い偏光素子を備えるため、高出力の光源を用いても偏光素子の熱劣化および加熱により促進される酸化劣化が抑えられる。そのため、信頼性が高く優れた表示特性を有する投射型表示装置とすることができる。
本発明の電子機器によれば、表示品質および信頼性に優れる表示部ないし光変調手段を備えた電子機器を提供することができる。
本実施形態の偏光素子を示す外観斜視図である。 本実施形態の偏光素子を示す図であって、(a)は正面断面図、(b)は図1におけるA−A断面図である。 本実施形態の偏光素子の製造方法を示す図である。 本実施形態の偏光素子を用いた投射型表示装置の一例であるプロジェクターを示す概略図である。 投射型表示装置に用いた場合の本実施形態の偏光素子の作用を示す説明図である。 本発明の実施例1を示す走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例2を示す説明図であって、(a)は光学特性を示すグラフ、(b)は偏光素子の正面模式図、(c)は偏光素子の側面模式図である。 本発明の実施例2を示す説明図であって、(a)は光学特性を示すグラフ、(b)は偏光素子の正面模式図、(c)は偏光素子の側面模式図である。 本発明の実施例2を示す説明図であって、(a)は光学特性を示すグラフ、(b)は偏光素子の正面模式図、(c)は偏光素子の側面模式図である。 本発明の実施例2を示す説明図であって、(a)は光学特性を示すグラフ、(b)は偏光素子の正面模式図、(c)は偏光素子の側面模式図である。 本発明の実施例3の光学特性を示すグラフである。 本発明の実施例3の光学特性を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る偏光素子および偏光素子の製造方法について説明する。
なお、以下の説明においてはXYZ座標系を設定し、このXYZ座標系を参照しつつ各部材の位置関係を説明する。この際、水平面内(基板面内)における所定の方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向とY軸方向のそれぞれの直交する方向をZ軸方向(基板面の法線方向)とする。本実施形態の場合、金属細線の延在方向をX軸方向とし、金属細線の配列軸をY軸方向としている。また、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせている。
(偏光素子)
図1、2は本実施形態の偏光素子1Aを示す図であり、図1は外観斜視図、図2(a)は偏光素子1Aを金属細線14に直交する面(YZ平面)で切った断面図、図2(b)は図1におけるA−A断面図である。
図1、2に示すように、本実施形態の偏光素子1Aは、基板11と、基板11の表面に形成された凸条部(凸部)13と、凸条部13の先端部13cに形成された金属細線14とを備える。先端部13cは、凸条部13の頂部13aと、頂部13a近傍の側面13bとを備える。
基板11は、ガラスや石英、プラスチック等の透光性材料を形成材料としている。偏光素子1Aを適応する用途によっては、偏光素子1Aが蓄熱し高温になるため、基板11は、耐熱性の高いガラスや石英を形成材料とすることが好ましい。
図2(a)に示すように、金属細線14は、凸条部13の幅方向(Y軸方向)において、凸条部13の頂部13aと、頂部13a近傍の両側の側面(傾斜面)13bにまたがって形成されている。また、図2(b)に示すように、金属細線14は、凸条部13の延在方向(X軸方向)に延びて形成されている。金属細線14は、金属凝集粒子14aが連結されて構成されている。凸条部13の稜線を含む垂直面(XZ面)で切った金属細線14の断面形状における外形線は、連続して概略円弧が連なるような線となる。
凸条部13は基板11の表面上に、Y軸方向に沿って隙間なく配列され、凸条部13の延在している方向と直交する面(YZ面)で切った断面の輪郭線は三角波形状である。そのため、偏光素子1Aの凸条部13が形成されている側の面は、凸条部13の側面(斜面)13bのみで構成されている。すなわち、互いに隣り合う2つの凸条部13各々の側面13bは互いに接しており、互いに隣り合う2つの凸条部13の間に平坦部は設けられていない。凸条部13は三角形の断面形状を有しており、側面13bは、基板11の表面から遠ざかる方向に沿ってテーパー状の傾斜を備えて形成されている。凸条部13の寸法は、たとえば、凸条部13の高さh:200nm、周期(ピッチ)p:140nm、である。凸条部13の材質としては、たとえばガラスが用いられる。
金属細線14は、ナノサイズの金属凝集粒子の連結体であることから、プラズモン共鳴による光吸収が発生する。そのため、金属細線14の延在方向(X軸方向)に振動する直線偏光の少なくとも一部が吸収され、金属細線14の延在方向と直交する方向(Y軸方向)に振動する直線偏光の少なくとも一部は透過する。金属細線14の形成材料としては、たとえばAgのような金属材料が用いられる。
(偏光素子の製造方法)
図3は、本実施形態の偏光素子1Aの製造方法を示す図である。
本実施形態の偏光素子の製造方法は、図3に示すように、材料塗布工程S11と、凸条部形成工程S12と、焼成工程S13と、金属膜形成工程S14と、ハロゲン化工程S15と、還元工程S16と、を有する。各工程の説明図は、偏光素子1Aを金属細線14に直交する面(YZ面)で切った断面図である。
下記各工程の詳細な説明は、金属細線14を構成する金属をAgとした場合を例示するものである。
材料塗布工程S11は、図3(a)に示すように、基板11の表面上に凸条部13を形成するための材料を塗布する工程である。この工程により、基板11の表面上に材料膜20が形成される。
材料膜20を形成する材料としては、SOG(Spin On Glass)材料を用いる。
SOG材料を塗布する方法としては、たとえばスピンコート法、スプレーコート法、スリットコート法、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、液体噴射法を用いることができる。
形成される材料膜20の膜厚は、形成する凸条部13の高さhよりも厚ければ特に限定されない。
凸条部形成工程S12は、図3(b)に示すように、形成された材料膜20に、ナノスタンパー24を押し付けて、未硬化の凸条部21を形成する工程である。
ナノスタンパー24は、加工面に、凸条部13の表面形状と逆凹凸の形成された母型である。ナノスタンパー24の加工面には、材料の付着防止、ナノスタンパー24の基板11との剥離性向上を目的として剥離剤が塗布されている。
材料膜20に、ナノスタンパー24を押し付けることにより、材料膜20の表面に、凸条部13の形状を転写する。押し付け方は、特に限定されず、たとえば、直押し方式、ローラー転写方式、Roll to Roll方式等を選択できる。この工程により、未硬化の凸条部21が形成される。未硬化の凸条部21は、三角形の断面形状を有しており、側面は基板11の表面から遠ざかる方向に沿ってテーパー状の傾斜を備えている。
焼成工程S13は、図3(c)に示すように、未硬化の凸条部21を焼成して、凸条部13を形成する工程である。
未硬化の凸条部21を構成するSOG材料は、焼成することにより、ガラス(SiO)となり、硬化する。この工程により、基板11上に凸条部13が形成される。
金属膜形成工程S14は、図3(d)に示すように、凸条部13上に金属膜22を形成する工程である。
金属膜22の形成方法は、特に限定されず、たとえば、気相法を用いることができる。気相法を用いる場合には、物理蒸着法、化学蒸着法のいずれであってもよい。物理蒸着法としては、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等が選択できる。
形成された金属膜22は、各凸条部13の頂部13aおよび側面13bを覆う。
ハロゲン化工程S15は、図3(e)に示すように、金属膜22をハロゲン化する工程である。
金属膜22を構成するAgを、Cl系ガス(Cl、BCl等)のプラズマに曝すことにより、ハロゲン化させる。
このとき、金属膜22を構成する金属がハロゲン化された金属ハロゲン化物は、凸条部13の先端部13cに凝集する。詳細は不明であるが、これは、生成された金属ハロゲン化物(AgClx)と、凸条部13の表面との親和性が低いため、金属ハロゲン化物が粒状に凝集し、金属膜22が最も厚く形成され、先鋭形状で粒子の姿勢が安定しやすい先端部13cに留まるためであると考えられる。
結果として、凸条部13の先端部13cに、金属ハロゲン化物AgClxの凝集粒子が複数形成される。凸条部13の先端部13cに複数形成された凝集粒子は、凸条部13の延在方向(X軸方向)に沿って互いに一列に連結されており、金属ハロゲン化物細線23を形成する。形成された凝集粒子は粒径5〜100nmの略球状である。
還元工程S16は、図3(f)に示すように、金属ハロゲン化物細線23を構成する金属ハロゲン化物を還元する工程である。
化学的な還元表面層を発達せしめるのに十分な期間にわたり、約250℃より高いが、ガラスのアニール点からは約25℃は高くない温度の還元雰囲気に曝露する。
還元性雰囲気としては、水素ガスを用いることが効率的である。アンモニア分解ガス、COとCOの混合物等の他の既知の還元性雰囲気を用いてもよい。
この工程により、ハロゲン化物凝集粒子を構成するAgClxが還元され、粒径5〜100nmの金属凝集粒子14aが連結された金属細線14を得ることができる。
以上の工程により、基板11の表面上に、金属細線14が一様に配向された偏光素子1Aを製造することができる。
以上に詳細に説明した本実施形態の製造方法によれば、凸条部13の頂部13aおよび側面13bに金属膜22を形成した後に、金属膜22をハロゲンからなるプラズマにさらすことにより、金属膜22を構成する金属(Ag)をハロゲン化させる。これにより、凸条部13の側面13bに形成されている金属膜22を構成する金属のハロゲン化物が凸条部13の先端部13cに引き寄せられ、凝集する。その結果、凸条部の先端部13cに、各々が略均一な大きさの複数の金属ハロゲン化物の凝集粒子が、凸条部13が延在する方向(X軸方向)に沿って、互いに一列に連結して形成される。その後、金属ハロゲン化物の凝集粒子を還元することによって、各々が略均一な大きさの複数の金属凝集粒子14aが互いに一列に連結された金属細線14が形成される。
このようにして形成された金属細線14は、ナノサイズの金属凝集粒子14aの連結体であることから、プラズモン共鳴による光吸収が発生する。そのため、偏光素子1Aは金属細線14に平行な偏光成分の少なくとも一部を吸収する偏光素子となる。したがって、本実施形態の偏光素子1Aを液晶プロジェクターの射出側の偏光素子として用いた際に、液晶ライトバルブに反射する光を抑え、液晶ライトバルブの劣化を抑えられる偏光素子1Aを製造できる。
また、難エッチング材であるAgを用いて、容易に均一性に優れた金属細線を形成することができ、光学特性に優れた偏光素子を製造できる。
また、本実施形態の製造方法によれば、凸条部13の頂部13aは三角形状の頂点で構成された稜線であるため、凸条部13に形成された金属膜22を構成する金属をハロゲン化させる際に、凸条部13の頂部13aを中心として、凸条部13の側面13bの各位置に形成された金属膜22を構成する金属のハロゲン化物が引き寄せられる。この際、凸条部13の側面13bは傾斜しているため、側面13bに形成されている金属膜22を構成する金属のハロゲン化物は先端部13cに移動しやすく、引き寄せられやすい。そして、引き寄せられた金属ハロゲン化物は、頂部13aを中心として先端部13cに凝集する。その結果、形成される金属ハロゲン化物の凝集粒子は、略均一な形状、大きさとなる。したがって、金属ハロゲン化物を還元することで、幅、高さが略均一な金属細線14が形成され、光学特性に優れた偏光素子1Aを製造することができる。
また、本実施形態の製造方法によれば、凸条部13の延在している方向と直交する面で切った断面(YZ面)において、凸条部13が三角波状の表面を形成しているため、偏光素子1Aの凸条部13が形成されている側の表面は、凸条部13の側面13bのみで構成されている。すなわち、互いに隣り合う2つの凸条部13各々の側面13bは互いに接しており、互いに隣り合う2つの凸条部13の間に平坦部は設けられていない。そのため、金属膜22は斜面のみに形成される。これにより、金属膜22を構成する金属をハロゲン化させて凝集させる際に、凸条部13の側面13bに形成された金属膜22を構成する金属は、凸条部13の先端部13cに金属ハロゲン化物となって凝集し、凸条部13の先端部13c以外には金属ハロゲン化物は凝集しにくくなる。したがって、金属ハロゲン化物を還元することによって、偏光素子として機能しない金属部分が出来るのを抑制できるため、光学特性に優れた偏光素子1Aを製造することができる。
なお、ハロゲン化工程S15において金属ハロゲン化物の凝集が凸条部13上以外で起こらない範囲内において、互いに隣り合う2つの凸条部13の間に平坦部を有していてもよい。
また、本実施形態の製造方法によれば、形成される金属細線14の幅や、凸条部13のピッチ等を調節することにより、光の透過率、反射率、吸収率を所望の値とすることができる。これにより、後述する液晶プロジェクターに用いるプリ偏光板として適した偏光素子を得ることができる。
なお、本実施形態においては下記方法を選択することも可能である。
金属膜形成工程S14においては、金属としてAlを用いてもよい。この場合においては、ハロゲン化工程S15において、CF系ガス(CF、C等)のプラズマに金属膜22を曝す方法が選択できる。これにより、Alの金属粒子はAlFとなって、凸条部13の先端部13cに凝集する。
凸条部13の頂部上に凸条部13の延在する方向(X軸方向)に沿って凹凸を周期的に設けることもできる。この場合においては、ハロゲン化工程S15において金属ハロゲン化物が凝集する点を任意に設定できる。これにより、金属ハロゲン化物凝集粒子に形状異方性を持たせることができる。たとえば、金属ハロゲン化物凝集粒子(金属粒子)を、短軸直径が5〜100nm、長軸直径が15〜400nmである扁球状にすることもできる。これにより、製造される偏光素子1Aの光学特性を調整することができる。
材料塗布工程S11、凸条部形成工程S12、焼成工程S13において行われるナノインプリントによる凸条部13の形成の代わりに、たとえば、フォトリソプロセスを用いてレジストマスクやメタルマスクを形成した後、基板11をエッチングすることで基板11の表面をパターニングすることにより凸条部13を形成することもできる。
(投射型表示装置)
次に、本発明の投射型表示装置の実施形態について説明する。図4に示すプロジェクター800は、光源810、ダイクロイックミラー813、814、反射ミラー815、816、817、入射レンズ818、リレーレンズ819、射出レンズ820、光変調部822、823、824、クロスダイクロイックプリズム825、投射レンズ826、を有している。
光源810は、メタルハライド等のランプ811と、ランプ811の光を反射するリフレクター812とを備える。なお、光源810としては、メタルハライド以外にも超高圧水銀ランプ、フラッシュ水銀ランプ、高圧水銀ランプ、Deep UVランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ等を用いることも可能である。
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用の光変調部822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された青色光と緑色光のうち、緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調部823に入射される。青色光は、ダイクロイックミラー814を透過し、長い光路による光損失を防ぐために設けられた入射レンズ818、リレーレンズ819および射出レンズ820を含むリレー光学系821を介して、青色光が光変調部824に入射される。
光変調部822から824は、液晶ライトバルブ830を挟んで両側に、入射側偏光素子840と射出側偏光素子部850と、が配置されている。入射側偏光素子840と射出側偏光素子部850とは、互いの透過軸が直交して(クロスニコル配置)配置されている。
入射側偏光素子840は反射型の偏光素子であり、透過軸と直交する振動方向の光を反射させる。
一方、射出側偏光素子部850は、第1偏光素子(プリ偏光板、プリポラライザ)852と、第2偏光素子854と、を備えている。第1偏光素子852には、耐熱性が高い、上述した本実施形態の偏光素子1Aを用いる。また、第2偏光素子854は、有機材料を形成材料とする偏光素子である。射出側偏光素子部850は、いずれも吸収型の偏光素子であり、偏光素子852、854が協働して特定の偏光成分を吸収する。
図5に示すように、第1偏光素子852と第2偏光素子854とからなる射出側偏光素子部850は、液晶ライトバルブ830から射出されるTM光(第1偏光素子852の金属細線14の延在方向と直交する振動方向を有する直線偏光)を透過する一方、液晶ライトバルブ830から射出されるTE光(金属細線14の延在方向と平行な振動方向を有する直線偏光)を遮断する。
プリ偏光板である第1偏光素子852は、TM光を透過光TMtとして透過する一方、TE光のうちの一部の成分を、透過光TEtとして透過し、TE光のうちの一部の成分を反射光TErとして反射し、TE光の残部を吸収する。これにより、第2偏光素子854には、透過光TMt、TEtが入射する。第2偏光素子854は、透過光TMtを透過し、透過光TEtを吸収する。したがって、第2偏光素子854は、液晶ライトバルブ830から射出されたTE光の一部である透過光TEtのみを吸収すればよいため、プリ偏光板を用いない場合と比較して光吸収量が大幅に少なくなる。
第1偏光素子852のようなプリ偏光板には、TM光に対する高い光透過率Tpを有することが求められる一方で、TE光に対しては、ある程度低い光透過率Tcと、低い光反射率Rcと、を有することが求められる。具体的には、TM光の透過率Tpが90%より大きく、TE光の透過率Tcが60%より小さく、TE光の光反射率Rcが20%より小さい、と使用上問題ない。TE光の透過率Tcについては、2枚目の偏光素子への負担を低減するために、50%より小さいとなおよい。
これにより、第2偏光素子854が吸収する光の量が少なくなるため、有機材料で形成された第2偏光素子854の劣化を抑えることができる。また、第1偏光素子852によって反射され、液晶ライトバルブ830に戻る光が少なくなるため、液晶ライトバルブ830の劣化を抑えることもできる。
各光変調部822から824により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投写され、画像が拡大されて表示される。
以上のような構成のプロジェクター800は、射出側偏光素子部850の第1偏光素子852として、上述した実施形態の偏光素子1Aを用いているため、高出力の光源を用いても有機材料で形成される第2偏光素子の劣化が抑えられる。また、第1偏光素子によって反射される光が低減されるため、液晶ライトバルブ830へ戻る光が低減され、液晶ライトバルブ830の劣化も抑えることができる。そのため、信頼性が高く優れた表示特性を有するプロジェクター800とすることができる。
(実施例)
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1は、金属細線14の形成検証実験、実施例2、3は、シミュレーションによる光学特性評価である。
なお、各実施例のグラフにおいて、TpはTM光の光透過率、TcはTE光の光透過率、RcはTE光の光反射率、AcはTE光の光吸収率を示している。
[実施例1]
本実施例においては、水晶基板の表面上に、フォトリソプロセスを用いてレジストマスクを形成した後、水晶基板をエッチングし、水晶基板をパターニングすることで、SiOからなる凸条部(SiOポスト)を形成した。その後、Agをスパッタ法により凸条部の頂部および側面に付着させ、膜厚が10nmの金属膜を形成した。
スパッタは、圧力0.2Pa下において、Agからなるターゲットに直流電源装置で200Wの電力を入力し、15秒間行った。
次に、金属膜を、圧力0.7Pa下でClのプラズマ雰囲気に15秒間曝して、Agをハロゲン化させてAgClxとした。
図6は、金属膜をハロゲン化した後の基板表面を撮影した走査型電子顕微鏡写真である。
図6(a)に示すように、凸条部の頂部に、AgClxからなる複数の凝集粒子が形成されている。また、図6(b)に示すように、AgClxからなる複数の凝集粒子は、凸条部の延在方向に沿って互いに一列に連結されている。
これにより、該凝集粒子を還元することにより、本実施形態における金属細線14が形成できることが確認された。
[実施例2]
本実施例においては、本発明の偏光素子を液晶プロジェクターの液晶ライトバルブ用の偏光素子として適用することを想定してシミュレーションにより評価を行った。本発明の偏光素子は、無機材料で形成されており耐熱性が高いことから、上述した高出力の光源を有する液晶プロジェクターのプリ偏光板として好適に適用できる。
以下の実施例においては、上述したプリ偏光板として好適な光学特性であること、すなわち、TM光の光透過率Tpが90%より大、TE光の光反射率Rcが20%より小、TE光透過率Tcが60%より小、であることを基準として評価を行った。
シミュレーション解析は、モデル化した偏光素子についての形状、屈折率等の各パラメータを用いて、Grating Solver Development社製の解析ソフトであるGSolverを用いて行った。なお、以下の各シミュレーションにおいては、基板11はガラスとした。
まず、金属細線の形状が、本実施形態の偏光素子1Aにおける金属細線14の形状である場合と、従来の金属細線の形状である場合とについて比較を行った。それぞれ、金属細線を構成する金属としてAgを用いる場合と、Alを用いる場合について行った。
図7、8は、金属細線を構成する金属としてAgを用いた場合のシミュレーション結果を示す図である。
図7は、金属細線の形状を本実施形態における形状とした場合の本実施例を示した図であり、(a)は光学特性を示すグラフ、(b)は偏光素子のYZ断面図、(c)は偏光素子のZX断面図である。
図7(b)、(c)に示すように、金属凝集粒子14aは、直径d=40nmの球状とし、凸条部13は高さh=200nm、ピッチp=140nmとした。
図7(a)に示すように、光の波長が450〜480nmの付近でTpが90%程度、Tcが30%程度、Rcが18%程度であり、本実施例の偏光素子が、プリ偏光板として好適な光学特性を有していることがわかる。
波長が450〜480nm程度の光は青色であることから、本実施例の偏光素子は、青色光の光変調部に用いるプリ偏光板として好適な偏光素子である。
図8は、金属細線の稜線が、従来の金属細線のように直線を描く場合のシミュレーション結果を示す図であり、(a)は光学特性を示すグラフ、(b)は偏光素子のYZ断面図、(c)は偏光素子のZX断面図である。
図8(b)、(c)に示すように、金属細線15は断面が一辺30nmの正方形であり、凸条部13は高さh=200nm、ピッチp=140nmとした。
図8(a)に示すように、Tcが60%より小さくなる領域が可視光の範囲で存在せず、本実施例の偏光素子は、プリ偏光板として不適な偏光素子であることがわかる。
図9、10は、金属細線を構成する金属としてAlを用いた場合のシミュレーション結果を示す図である。
図9は、金属細線の形状を本実施形態における形状とした場合の本実施例を示した図であり、(a)は光学特性を示すグラフ、(b)は偏光素子のYZ断面図、(c)は偏光素子のZX断面図である。
図9(b)、(c)に示すように、金属凝集粒子14aは、短軸直径d=40nm、長軸直径l=160nmの扁球状とし、凸条部13は高さh=200nm、ピッチp=140nmとした。
図9(a)に示すように、本実施例の偏光素子は、波長が約460nm以上の可視光線の範囲において、プリ偏光板として好適な光学特性を有していることがわかる。
これより、本実施例の偏光素子は、青色光、緑色光、赤色光、すべての光変調部に用いるプリ偏光板として好適な偏光素子であることが確かめられた。
図10は、金属細線の形状を従来の金属細線のように、稜線が直線を描く場合のシミュレーション結果を示す図である。
図10は、金属細線の形状を本実施形態における形状とした場合の本実施例を示した図であり、(a)は光学特性を示すグラフ、(b)は偏光素子のYZ断面図、(c)は偏光素子のZX断面図である。
図10(b)、(c)に示すように、金属細線15は断面が一辺30nmの正方形であり、凸条部13は高さh=200nm、ピッチp=140nmとした。
図10(a)に示すように、Rcが20%より小さくなる領域が可視光線の範囲で存在せず、プリ偏光板として不適な偏光素子であることがわかる。
以上のことから、金属細線の稜線が直線である従来の偏光素子が、プリ偏光板として不適であるのに対して、本実施例における偏光素子は、プリ偏光板として好適であることが確かめられた。
[実施例3]
次に、金属細線14のピッチpと金属細線14を構成する金属凝集粒子14aの短軸直径dを変化させたときにおける光学特性への影響を検証した。それぞれ、金属細線14を構成する金属としてAgを用いる場合と、Alを用いる場合について行った。
以下の各グラフにおいて、横軸は金属凝集粒子の短軸直径(ナノ粒子直径)dを凸条部13のピッチ(グリッドピッチ)pで除した値(d/p)であり、光学特性は、波長が470nmの青色光のものである。
図11は、金属としてAgを用いたときのシミュレーション結果を示したグラフである。
図11(a)は、ピッチp=140nmとしたときの光学特性を示したグラフである。
図11(b)は、ピッチp=170nmとしたときの光学特性を示したグラフである。
図11(c)は、ピッチp=200nmとしたときの光学特性を示したグラフである。
図11(d)は、ピッチp=260nmとしたときの光学特性を示したグラフである。
凸条部13の高さh=200nm、金属凝集粒子14aは球状とした。
図11(a)から(d)に示すように、それぞれ点線で挟まれた範囲内において、Tpが90%より大きく、Rcが20%より小さく、Tcがおおよそ60%より小さい値となっている。これにより、それぞれプリ偏光板として好適な光学特性の範囲を有する偏光素子1Aを製造できることが確かめられた。
また、ピッチpの変化による光学特性の変化は連続的であると考えられることから、図11(a)から(c)に示された結果より以下のことが確かめられた。すなわち、d/pの値が、ピッチpが140nm以上155nm未満の範囲内において、0.19より大きく、0.32未満であり、ピッチpが155nm以上185nm未満の範囲内において、0.27より大きく、0.35未満であり、ピッチpが185nm以上215nm未満の範囲内において、0.27より大きく、0.39未満であり、ピッチpが215nm以上260nm以下の範囲内において、0.30より大きく、0.45未満であることにより、プリ偏光板として好適な光学特性を有する偏光素子を製造できることが確かめられた。
図12は、金属としてAlを用いたときのシミュレーション結果を示したグラフである。
図12(a)は、ピッチp=140nmとしたときの光学特性を示したグラフである。
図12(b)は、ピッチp=260nmとしたときの光学特性を示したグラフである。
凸条部13の高さh=200nm、金属凝集粒子14aは長軸径:短軸径=4:1の扁球状とした。
図12(a)、(b)に示すように、それぞれ点線で挟まれた範囲内において、Tpが90%より大きく、Rcが20%より小さく、Tcが60%より小さい値となっている。これにより、それぞれプリ偏光板として好適な光学特性の範囲を有していることが確かめられた。
以上より、金属細線14の材料として、それぞれAg、Alを用いた場合について、凸条部13のピッチpを変化させても、金属細線14を構成する金属凝集粒子14aの短軸直径dを調整することによって、プリ偏光板として好適な光学特性を有する偏光素子を製造できることが確かめられた。
また、従来のワイヤーグリッド型偏光素子では、d/p=0.5程度であったのに対して、本実施例の偏光素子では0.2から0.4程度である。すなわち、金属細線14のピッチpに対して、金属凝集粒子14aの短軸直径d(金属細線の幅)が小さい。これにより、金属細線14の幅や、ピッチを調整できる幅が広くなり、所望の光学特性を有する偏光素子を製造できることが確かめられた。
また、金属としてAgを用いた場合においては、金属細線14を構成する金属凝集粒子14aを球状とすることにより、プリ偏光板として好適な光学特性を有する偏光素子を製造できることが確かめられた。
また、金属としてAlを用いた場合においては、金属細線14を構成する金属凝集粒子14aに形状異方性を持たせ、金属凝集粒子14aをアスペクト比が3から5程度の扁球状とすることにより、プリ偏光板として好適な光学特性を有する偏光素子を製造できることが確かめられた。
11…基板、13…凸条部(凸部)、13a…凸条部の頂部(凸部の頂部)、13b…凸条部の側面(凸部の側面)14…金属細線、14a…金属凝集粒子、22…金属膜、800…プロジェクター(投射型表示装置)、810…光源(照明光学系)、826…投射レンズ(投射光学系)、830…液晶ライトバルブ、1A,852…偏光素子

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板の一面に設けられた複数のストライプ状の凸部と、
    前記複数のストライプ状の凸部のうち一の凸部の頂部に設けられた金属細線と、を備える偏光素子の製造方法であって、
    前記一の凸部の頂部および側面に金属から成る金属膜を形成する工程と、
    前記金属膜をハロゲンからなるプラズマにさらすことによって、前記金属と前記ハロゲンとからなるハロゲン化金属を前記一の凸部の頂部に凝集させる工程と、
    前記ハロゲン化金属を還元することによって前記金属細線を形成する工程と、を有する偏光素子の製造方法。
  2. 前記一の凸部の延在方向に垂直な断面において、前記一の凸部はテーパー形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の偏光素子の製造方法。
  3. 前記一の凸部の延在方向に垂直な断面において、前記一の凸部は三角形状を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光素子の製造方法。
  4. 前記一の凸部の延在方向に垂直な断面において、前記複数のストライプ状の凸部が三角波状の表面を形成している、請求項1から3のいずれか1項に記載の偏光素子の製造方法。
  5. 基板と、
    前記基板の一面に設けられた複数のストライプ状の凸部と、
    前記複数のストライプ状の凸部のうち一の凸部の頂部に設けられた金属細線と、を備える偏光素子であって、
    前記金属細線は、複数の金属凝集粒子が1列に前記延在方向に配列してなることを特徴とする偏光素子。
  6. 前記複数の金属凝集粒子のうちの一の金属凝集粒子は、略球状である、請求項5に記載の偏光素子。
  7. 前記複数の金属凝集粒子のうちの一の金属凝集粒子は、形状異方性を有する、請求項5に記載の偏光素子。
  8. 前記金属凝集粒子の直径を、前記複数のストライプ状の凸部のピッチで除した値が、
    前記ピッチが140nm以上155nm未満の範囲内において、0.19より大きく、0.32未満であり、
    前記ピッチが155nm以上185nm未満の範囲内において、0.27より大きく、0.35未満であり、
    前記ピッチが185nm以上215nm未満の範囲内において、0.27より大きく、0.39未満であり、
    前記ピッチが215nm以上260nm以下の範囲内において、0.30より大きく、0.45未満である、請求項5または6に記載の偏光素子。
  9. 光を射出する照明光学系と、
    前記光を変調する液晶ライトバルブと、
    前記液晶ライトバルブで変調された光が入射する、請求項5から8のいずれか1項に記載の偏光素子と、
    前記偏光素子を透過した偏光光を被投射面に投射する投射光学系と、を備える投射型表示装置。
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