JP2014163488A - 継手の施工治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】一人の作業者が継手を床板等の支持部材に容易かつ的確に、しかも速やかに取付けることができる継手の施工治具を提供する。
【解決手段】施工治具10は、パイプ13が接続された継手12を床板の貫通孔に挿入して床板に固定するためのものである。この施工治具10は、床板の貫通孔に挿通される治具本体11と、該治具本体11の一端部に設けられ、継手12に連結される雄ねじ部17と、治具本体11の他端部に設けられ、床板の貫通孔に挿通可能で、挿通後に床板に係止可能な係止部20とを備えている。この係止部20は、治具本体11の他端部に形成された鉤部19の先端部に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば給水系統や給湯系統において用いられる可撓性のパイプが接続された継手を床板の下から床板の孔に通し、床板の上で継手を床板に固定する作業を一人で行うための継手の施工治具に関する。
この種の可撓性パイプが接続された継手を床板に固定する場合には、まず作業者が床板の下方に入って継手を把持し、その継手を床板の孔を通して床板上に置く。次に、その作業者は床板上に移動し、床板上に置かれた継手にフランジを取付けて、該フランジを床板に固定する。このような一人作業においては、作業者が床板上で作業するとき、継手を床板の孔から下へ落としてしまう場合がある。その場合には、作業者は再度床板の下方へ戻らなければならず、作業が煩雑になり、作業効率が低下する。
この種の施工治具としての引出治具が例えば特許文献1に開示されている。すなわち、引出治具は、給水給湯配管の配管施工をするためのものであって、細長い引出治具本体の一端部に管体の端部内面にねじ込み可能なテーパ雄ねじが設けられ、その雄ねじの近辺に、管体端部に前記テーパ雄ねじをねじ込むためのねじ込み用凸部が形成されたものである。
そして、管体端部に引出治具を取付けておき、床板施工時に床板の挿通孔に引出治具を挿通し、床板施工後に引出治具を引き出して管体端部を継手に接合し、その継手を押し下げて床板面に固定するようになっている。
特開2006−177534号公報
前記特許文献1に記載されている従来構成においては、引出治具本体は床板の挿通孔よりも細く形成され、また挿通孔の下方における管体の立ち上がり部での管体の自重と、管体の可撓性に基づく曲げ力とにより、引出治具に下方への引き下げ力が働く。このため、床板施工時に床板の挿通孔に引出治具を床板下方から挿通し、床板施工後に引出治具を床板上で引き出そうとしたとき、引出治具が床板の挿通孔から下へ落ちるおそれがある。さらに、作業者が床板上で引出治具を一旦把持した後、手を緩めたり、手を滑らせたりすると引出治具は床板の挿通孔から下方へ引き込まれてしまう。このような場合、作業者は再度床板の下方へ戻らなければならず、作業が煩雑になるとともに、作業効率が低下する。
そこで本発明の目的とするところは、一人の作業者が継手を床板等の支持部材に容易かつ的確に、しかも速やかに取付けることができる継手の施工治具を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明の継手の施工治具は、パイプが接続された継手を支持部材の貫通孔に挿入して支持部材に固定するための施工治具であって、前記支持部材の貫通孔に挿通される治具本体と、該治具本体の一端部に設けられ、継手に連結される連結部と、治具本体の他端部に設けられ、前記支持部材の貫通孔に挿通可能で、挿通後に支持部材に係止可能な係止部とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明の継手の施工治具は、請求項1に係る発明において、前記連結部は、継手のねじに螺合される螺合部であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明の継手の施工治具は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記係止部は、治具本体の他端部に形成された鉤部の先端部に設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明の継手の施工治具は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記係止部は、治具本体の他端部に形成された開閉可能部の先端部に設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明の継手の施工治具は、請求項1から請求項4のいずれか一項に係る発明において、前記連結部には、継手と治具本体との間をシールするシール部材が装着され、パイプが接続された継手に治具本体が連結された状態で水圧検査が可能に構成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明の継手の施工治具は、請求項1から請求項5のいずれか一項に係る発明において、前記継手はエルボ継手又はチーズ継手であることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
本発明の継手の施工治具は、支持部材の貫通孔に挿通される治具本体と、該治具本体の一端部に設けられ、継手に連結される連結部と、治具本体の他端部に設けられ、前記支持部材の貫通孔に挿通可能で、挿通後に支持部材に係止可能な係止部とを備えている。そして、パイプが接続された継手を支持部材に取付ける場合には、治具本体の連結部を継手に連結し、治具本体を支持部材の貫通孔に挿通した後、治具本体の係止部を支持部材に係止させることができる。
このため、パイプの自重、可撓性等の原因によって治具本体に引き戻す力が作用しても、治具本体が支持部材の貫通孔から落ちて元の状態へ戻ることが抑制される。その後、作業者は支持部材上へ移動し、そこで継手を支持部材に取付けることができる。従って、一人の作業者は、パイプが接続された継手を支持部材に取付ける作業を円滑に進めることができる。
よって、本発明の継手の施工治具によれば、一人の作業者が継手を床板等の支持部材に容易かつ的確に、しかも速やかに取付けることができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態における継手の施工治具を示し、(a)は施工治具を示す斜視図及び(b)はパイプが接続された継手に連結された施工治具を示す斜視図。 施工治具が連結された継手を示す断面図。 固定用リングを示す斜視図。 締付ナットを示す斜視図。 (a)〜(e)は、施工治具の作用を示す図であって、(a)は床板の下方でパイプの接続された継手が連結された施工治具を示す斜視図、(b)は施工治具本体を床板の貫通孔に挿通し、係止部を床板上に係止した状態を示す斜視図、(c)は施工治具本体に気密用リング及び固定用リングを嵌挿した状態を示す斜視図、(d)は施工治具本体に締付ナットを嵌挿した状態を示す斜視図及び(e)は固定用リングの挿通孔にビスを挿通して施工治具本体を床板に固定する状態を示す斜視図。 第2実施形態の施工治具を示す図であって、(a)は施工治具の正面図及び(b)は施工治具の側面図。 (a)〜(f)は、施工治具の作用を示す図であって、(a)は床板の下方でパイプの接続された継手が連結された施工治具を示す説明図、(b)は施工治具本体を床板の貫通孔に挿通する状態を示す説明図、(c)は施工治具本体を床板の貫通孔に挿通した後、係止部を床板上に係止した状態を示す説明図、(d)は施工治具本体に気密用リング及び固定用リングを嵌挿した状態を示す説明図、(e)は施工治具本体に締付ナットを嵌挿した状態を示す説明図及び(f)は固定用リングの挿通孔にビスを挿通して施工治具本体を床板に固定する状態を示す説明図。 第3実施形態の施工治具が連結されるエルボ継手を示す断面図。 (a)〜(f)は、施工治具の作用を示す図であって、(a)は床板の下方でエルボ継手の接続された継手が連結された施工治具を示す説明図、(b)は施工治具本体を床板の貫通孔に挿通する状態を示す説明図、(c)は施工治具本体を床板の貫通孔に挿通した後、係止部を床板の上面に係止した状態を示す説明図、(d)は施工治具本体に気密用リング及び固定用リングを嵌挿した状態を示す説明図、(e)は施工治具本体に締付ナットを嵌挿した状態を示す説明図及び(f)は固定用リングの挿通孔にビスを挿通して施工治具本体を床板に固定した状態を示す説明図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図5に従って詳細に説明する。
図1(a),(b)及び図2に示すように、第1実施形態の継手12の施工治具10は、可撓性のパイプ13が接続された継手12を支持部材としての床板14の貫通孔15に挿入して床板14に取付けるためのものである。この施工治具10の治具本体11は、合成樹脂により先端側ほど幅狭となる板状に形成されるとともに、その両側面には複数の肉抜き部11aが凹設されている。該治具本体11の基端部には、継手12の雌ねじ部16に連結される連結部としての雄ねじ部17がフランジ18を介して突設されている。
一方、治具本体11の先端部には、床板14の貫通孔15に挿通可能で、正面略逆U字状に形成された鉤部19が設けられ、その先端部が係止部20となっている。この係止部20は、鉤部19が床板14の貫通孔15に挿通された後に床板14面に当って係止され、施工治具10が床板14に保持されるようになっている。
前記治具本体11の基端側には、ドライバー等の工具が挿通されて取付けられる工具取付部としての工具取付孔21が設けられている。そして、工具取付孔21に挿通されて取付けられた図示しない工具を用い、施工治具10の雄ねじ部17を継手12の雌ねじ部16に螺合、締付けしやすくなっている。
前記施工治具10は、ポリプロピレン、ABS樹脂等の合成樹脂で形成されるが、ステンレス鋼等の金属で形成されていてもよい。また、可撓性のパイプ13は、合成樹脂として架橋ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィンで形成されている。
前記雄ねじ部17外周のフランジ18側にはゴム等の弾性材料で形成された環状のシール部材22が装着され、継手12の雌ねじ部16と施工治具10の雄ねじ部17との間のシール性(水密性)が保たれるようになっている。従って、パイプ13が接続された継手12に治具本体11が連結された状態で水圧検査が可能になっている。この水圧検査では、パイプ13内の水圧を0.75〜1.75MPaに保持した状態で、パイプ13や接続部分における水漏れの有無が検査される。
図2及び図3に示すように、前記継手12を床板14に固定するための固定用リング23は、その内周面に雌ねじ24が形成され、継手12外周の雄ねじ25に螺合されるようになっている。この固定用リング23には複数の固定用孔26が設けられ、それらの固定用孔26に後述のビス27を通して床板14にねじ込むようになっている。気密用リング28はゴム等の弾性材料で形成され、固定用リング23と床板14との間に介装され、床板14に設けられた貫通孔15から冷気が室内に入り込むことを防ぐことができるようになっている。この気密用リング28には、前記固定用リング23の固定用孔26に対応するように複数の透孔29が設けられている。
図2及び図4に示すように、前記固定用リング23の緩みを防止するための締付ナット30は、固定用リング23上に配置され、そのめねじ31が継手12の雄ねじ25に螺合されるようになっている。この締付ナット30及び前記固定用リング23は左ねじになっており、施工治具10の雄ねじ部17の右ねじに対して逆に構成され、締付ナット30や固定用リング23を締付けるときに継手12の雌ねじ部16に対する施工治具10の雄ねじ部17の螺合状態が緩まないようになっている。
図2に示すように、前記継手12(ワンプッシュ式継手)について説明すると、継手本体32の一端側の内側にはパイプ13が挿入されるパイプ挿入孔33が形成されるとともに、他端側には前記雌ねじ部16が形成されている。前記パイプ挿入孔33には、一対の第1シールリング34が嵌着されるリング溝35が形成され、これら第1シールリング34によってパイプ挿入孔33に挿入されるパイプ13の外周面と継手本体32の内周面との間の水密性が保たれるようになっている。
これらのリング溝35よりも外端側の継手本体32内には、パイプ13を抜け止めする一対の抜け止めリング36が保持リング37を介して装着されている。これらの抜け止めリング36の内周部には、内端側へ傾斜して延びる複数の抜け止め片38が突設され、継手本体32内に挿入されたパイプ13の外周部に食い込んでパイプ13が抜け止め保持される。なお、パイプ13の端部には金属製のインコア39が装着され、パイプ13の挿入を円滑に行うことができるようになっている。
継手本体32の外端部にはキャップ40が螺合され、前記抜け止めリング36を継手本体32とキャップ40との間で保持するようになっている。継手本体32の内周部とキャップ40の外周部との間には第2シールリング41が装着されている。
以上のように構成された第1実施形態における施工治具10の作用を説明する。
さて、図5(a)に示すように、作業者は床板14下方の地盤上において、パイプ13の端部を継手12に差し込んで接続した後、継手12の雌ねじ部16に施工治具10の雄ねじ部17を螺入して、施工治具10を継手12に連結する。
そして、この状態で水圧検査を行う。すなわち、パイプ13内に0.75〜1.75MPaの範囲で所定の水圧(検査圧力)を加える。検査圧力に達してから、圧力降下を60分間観察し合否判定を行う。このとき、施工治具10の雄ねじ部17にはシール部材22が装着され、雄ねじ部17を継手12の雌ねじ部16に締付けたとき、シール部材22は施工治具10のフランジ18と継手12の端面との間に介在され、施工治具10のフランジ18と継手12の端面との間が水密に保持されていることから、水圧検査を円滑に進めることができる。
続いて、図5(b)に示すように、この水圧検査で漏れがないことを確認した後、施工治具10の治具本体11の鉤部19側を床板14の貫通孔15に向けて、下から上へ挿通させる。そして、治具本体11を少し下ろすようにして、鉤部19の先端部の係止部20を床板14上に載せて係止させる。このとき、施工治具10の係止部20は、継手12やパイプ13の質量で床板14に強く押圧されていることから、施工治具10の移動が抑えられている。そのため、作業者は床板14上へ移動し、次の作業を安心して進めることができる。
次いで、図5(c)に示すように、作業者は床板14上へ移動し、そこで作業者は鉤部19を把持して継手12をパイプ13とともに引き上げる。
図5(c),(d)に示すように、気密用リング28、固定用リング23及び締付ナット30をその順に、施工治具10の鉤部19側から嵌挿する。
次いで、図5(e)に示すように、固定用リング23の雌ねじ24を継手12の雄ねじ25に螺合した後、締付ナット30のめねじ31を継手12の雄ねじ25に螺合して締付ける。その後、複数のビス27を固定用リング23の複数の固定用孔26及び気密用リング28の複数の透孔29に順に通して床板14にねじ込むことにより、継手12を床板14に固定することができる。
以上の第1実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
(1)この第1実施形態における施工治具10は、治具本体11と、その一端側の雄ねじ部17と、他端側の係止部20とを備えている。そして、パイプ13が接続された継手12を床板14に取付ける場合には、治具本体11を継手12に連結し、治具本体11を床板14の貫通孔15に挿通した後、治具本体11の係止部20を床板14に係止させることができる。
このため、治具本体11に引き戻す力が働いても、治具本体11が床板14の貫通孔15から落ちて元の状態へ戻ることが抑制される。その後、作業者は床板14上へ移り、そこで継手12を床板14に固定することができる。従って、一人の作業者は、パイプ13が接続された継手12を床板14に取付ける作業を迅速に進めることができる。
よって、第1実施形態の施工治具10によれば、一人の作業者が継手12を床板14に容易かつ的確に、しかも速やかに取付けることができるという効果を奏する。
(2)前記連結部は、継手12の雌ねじ部16に螺合される螺合部としての雄ねじ部17である。このため、治具本体11の一端部を継手12に対して強固に連結することができる。
(3)前記係止部20は、治具本体11の他端部に形成された鉤部19の先端部に設けられている。そのため、床板14の下方で治具本体11の鉤部19を貫通孔15に挿通し、床板14上に簡単に係止することができ、作業を迅速に進めることができる。
(4)前記治具本体11には、雄ねじ部17を継手12の雌ねじ部16に連結するための工具を取付ける工具取付孔21が設けられている。従って、工具を使用して、継手12の雌ねじ部16に対して治具本体11の雄ねじ部17を十分に締付け固定することができる。
また、通常、締付ナット30を継手12に対して締付ける際には、継手12と締付ナット30の六角部に工具を掛けて締付けるが、継手12を貫通孔15より十分に引っ張り出すことができず、継手12を工具でつかめない場合がある。
このような場合には、前記工具取付孔21に工具を挿通することで、継手12に工具を掛けるのと同様の効果を得ることができ、締付ナット30を継手12に対して十分に締付けることができる。
(5)前記雄ねじ部17にはシール部材22が装着され、パイプ13が接続された継手12に治具本体11が連結された状態で水圧検査が可能に構成されている。このため、パイプ13が接続された継手12に治具本体11を連結することにより、水圧試験を簡単に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。なお、この第2実施形態では、主に前記第1実施形態と相違する部分について説明し、同一部分については説明を省略する。
図6(a),(b)に示すように、第2実施形態の施工治具10の治具本体11は棒状に形成されるとともに、その一端部には連結部としての雄ねじ部17がフランジ18を介して突設されている。一方、治具本体11の他端部には、左右一対の開閉可能部43が正面山形状に形成され、各開閉可能部43の先端部に係止部20が設けられている。開閉可能部43は、熱可塑性樹脂、ゴム状物質、ばね性を有する金属等によって形成された治具本体11の可撓性に基づいて開閉可能に構成されている。そして、開閉可能部43が閉じた状態で床板14の貫通孔15に挿通され、挿通後に開閉可能部43が開いて各係止部20が床板14に係止されるようになっている。また、治具本体11の基端側には工具取付孔21が開口されている。
さて、パイプ13が接続された継手12を床板14に取付ける場合には、図7(a)に示すように、作業者は床板14の下方の地盤上において、パイプ13を継手12に接続した後、継手12の雌ねじ部16に施工治具10の雄ねじ部17を螺入して、施工治具10を継手12に連結する。
続いて、図7(b)に示すように、治具本体11の開閉可能部43側を床板14の貫通孔15に向けて、下から上へ挿通させる。そして、図7(c)に示すように、開閉可能部43が床板14の貫通孔15を抜けると貫通孔15の直径より大きくなるように開き、その状態で治具本体11を少し下ろすようにして、開閉可能部43の先端部の係止部20を床板14上に載せて係止させる。
次いで、図7(d)に示すように、作業者は床板14上へ移動し、そこで作業者は治具本体11を把持して継手12をパイプ13とともに引き上げる。このとき、開閉可能部43が開いた状態の幅は床板14の貫通孔15の直径より長いことから、施工治具10が貫通孔15から下へ落ちることがない。そのため、作業者は床板14上へ移動し、次の作業を安心して進めることができる。
その後、図7(e)に示すように、気密用リング28、固定用リング23及び締付ナット30をその順に、施工治具10の開閉可能部43側から嵌挿する。次いで、固定用リング23の雌ねじ24を継手12の雄ねじ25に螺合した後、締付ナット30のめねじ31を継手12の雄ねじ25に螺合して締付ける。
その後、図7(f)に示すように、複数のビス27を固定用リング23の複数の固定用孔26及び気密用リング28の複数の透孔29に順に通して床板14にねじ込むことにより、継手12を床板14に取付けることができる。
従って、この第2実施形態によれば、施工治具10の開閉可能部43を床板14の貫通孔15に通した後には開閉可能部43が自動的に開き、床板14に対する開閉可能部43先端の係止部20の係止を一層簡単に行うことができ、施工治具10による継手12の取付作業を一層速やかに行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図8及び図9に基づいて説明する。なお、この第3実施形態においても、主に前記第1実施形態と相違する部分について説明し、同一部分については説明を省略する。
この第3実施形態では、施工治具10は第1実施形態と同じであるが、その施工治具10が連結される継手12がエルボ継手12aである点で、第1実施形態と相違する。すなわち、エルボ継手12aは継手本体32がL字状に形成され、施工治具10の雄ねじ部17に連結される側とパイプ13が接続される側とが直交方向に延びている。
さて、図9(a)に示すように、作業者は床板14の下方で、パイプ13の端部をエルボ継手12aに接続した後、エルボ継手12aの雌ねじ部16に施工治具10の雄ねじ部17を螺合して、施工治具10をエルボ継手12aに連結する。
続いて、図9(b)に示すように、治具本体11の鉤部19側を床板14の貫通孔15に向けて、貫通孔15を下から上へ挿通させる。
次いで、図9(c)に示すように、治具本体11を少し下ろすようにして、鉤部19先端部の係止部20を床板14上に係止させる。
図9(d)に示すように、作業者は床板14上へ移動し、鉤部19を把持してエルボ継手12aをパイプ13とともに引き上げる。このとき、エルボ継手12aはL字状に形成されていることから、エルボ継手12aのパイプ13接続側が床板14の下面に係合し、エルボ継手12aの雌ねじ部16側をそれ以上引き上げることができなくなる。しかしながら、施工治具10の鉤部19を持ち上げるようにし把持することにより、その状態を容易に保持することができる。そして、その状態で、治具本体11に気密用リング28及び固定用リング23をその順に、鉤部19側から嵌挿する。
図9(e)に示すように、固定用リング23の雌ねじ24をエルボ継手12aの雄ねじ25に螺合した後、治具本体11に締付ナット30を嵌挿する。
次いで、図9(f)に示すように、締付ナット30のめねじ31をエルボ継手12aの雄ねじ25に螺合して締付ける。その後、複数のビス27を固定用リング23の複数の固定用孔26及び気密用リング28の複数の透孔29に順に通して床板14にねじ込むことにより、エルボ継手12aを床板14に取付けることができる。
従って、この第3実施形態によれば、パイプ13が接続される継手がエルボ継手12aで、そのエルボ継手12aを床板14の貫通孔15から十分に引き上げることができない場合でも、本実施形態の施工治具10を用いることにより、床板14にエルボ継手12aを固定する一人作業を容易かつ迅速に進めることができる。そして、エルボ継手12aを使用することによって床板14と地盤との間が狭くなっても、パイプ13の敷設作業を円滑に進めることができ、本施工治具10は極めて有用である。
なお、前記各実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記第1実施形態において、シール部材22に代えて、施工治具10の雄ねじ部17にシールテープを巻き付けてもよい。この場合であっても、施工治具10の雄ねじ部17と継手12の雌ねじ部16との間が水密に保持され、水圧検査を円滑に行うことができる。
・ 前記第2実施形態の施工治具10を第3実施形態のエルボ継手12aに連結して使用してもよい。
・ 前記第2実施形態において、施工治具10の開閉可能部43は必ずしも一体的な構造でなくともよく、例えば別々の部材を蝶番で連結し、それら部材の間にねじりばねを設ける等して開閉可能としてもよい。
・ 前記第3実施形態において、エルボ継手12aは45度等の方向に延びる構造のものであってもよい。
・ 前記第3実施形態において、エルボ継手12aの代わりにチーズ継手等を用いてもよい。
・ 前記支持部材としては、床板14のほか、建物の天井、壁等であってもよい。
・ 前記水圧検査を、床板14の下方において、治具本体11を床板14の貫通孔15に挿通する前に実施してもよい。
・ 前記施工治具10の鉤部19先端の係止部20に、ゴム、熱可塑性エラストマー等による滑り止め部を設けてもよい。この場合、床板14面に対する係止部20の滑りを防止して、床板14に対する施工治具10の移動を規制することができる。
・ 前記治具本体11の連結部として、クランプ、クリップ等を用いて連結する構成を採用してもよい。
・ 前記工具取付部を、治具本体11に設けられる凹部、凸部等で構成してもよい。
10…施工治具、11…治具本体、12…継手、12a…エルボ継手、13…パイプ、14…支持部材としての床板、15…貫通孔、16…ねじとしての雌ねじ部、17…連結部としての雄ねじ部、19…鉤部、20…係止部、43…開閉可能部、22…シール部材。

Claims (6)

  1. パイプが接続された継手を支持部材の貫通孔に挿入して支持部材に固定するための施工治具であって、
    前記支持部材の貫通孔に挿通される治具本体と、該治具本体の一端部に設けられ、継手に連結される連結部と、治具本体の他端部に設けられ、前記支持部材の貫通孔に挿通可能で、挿通後に支持部材に係止可能な係止部とを備えることを特徴とする継手の施工治具。
  2. 前記連結部は、継手のねじに螺合される螺合部であることを特徴とする請求項1に記載の継手の施工治具。
  3. 前記係止部は、治具本体の他端部に形成された鉤部の先端部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の継手の施工治具。
  4. 前記係止部は、治具本体の他端部に形成された開閉可能部の先端部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の継手の施工治具。
  5. 前記連結部には、継手と治具本体との間をシールするシール部材が装着され、パイプが接続された継手に治具本体が連結された状態で水圧検査が可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の継手の施工治具。
  6. 前記継手はエルボ継手又はチーズ継手であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の継手の施工治具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018100690A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 株式会社オンダ製作所 配管アダプタ及び配管アダプタの施工方法

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