JP2014162831A - トリアジン環含有ポリマーを含む組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、トリアジン環含有多分岐状ポリマーを含む組成物、その組成物を用いて得られた膜、光学透明板、レンズ、光ファイバー、及びそれらを含む電子デバイス、発光デバイス又は光学デバイスに関する。
ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル系樹脂や、ポリカーボネート樹脂、透明エポキシ樹脂、透明シリコーン樹脂等の透明樹脂は、ガラスに比較して軽量で、かつ、加工性に優れるため、航空機等の風防樹脂、透明容器、透明コーティング剤等に広く用いられるようになりつつある。
また、近年では、眼鏡等の光学部品の分野でも透明樹脂レンズ等の樹脂製品が多用されている。
さらに、電子材料の分野でも、液晶ディスプレイの反射防止コーティング剤、太陽電池用透明コーティング剤、発光ダイオード、CCDやCMOSセンサーの受光部等の光学電子材料に上述の透明樹脂が多用されている。このような光学電子材料の用途では、透明性ばかりでなく、光取り出し効率の向上や集光性の向上のために高い屈折率が要求される場合も多い。
さらに、電子材料の分野でも、液晶ディスプレイの反射防止コーティング剤、太陽電池用透明コーティング剤、発光ダイオード、CCDやCMOSセンサーの受光部等の光学電子材料に上述の透明樹脂が多用されている。このような光学電子材料の用途では、透明性ばかりでなく、光取り出し効率の向上や集光性の向上のために高い屈折率が要求される場合も多い。
従来の透明樹脂は、架橋等の手法によって、機械的物性を制御することはある程度可能であるものの、光学特性、特に屈折率に関しては、それを高めるために特殊な技術を必要としていた。
特許文献1及び2では、臭素や硫黄等の重原子を多量に結合させた有機樹脂を含む組成物によって屈折率を向上させることが提案されている。また、特許文献3及び4では、高屈折率の無機酸化物微粒子を有機樹脂に分散した組成物を用いることにより、その組成物から得られた膜の屈折率を向上させる手法が提案されている。さらに、重合性トリアジン系樹脂組成物からなる組成物も知られている(特許文献5)。
特許文献6には、線状トリアジン環重合体又はトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーを含む組成物及びフルオレン環構造を有するトリアジン環含有線状ポリマーを含む組成物が記載されている。
特許文献6には、線状トリアジン環重合体又はトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーを含む組成物及びフルオレン環構造を有するトリアジン環含有線状ポリマーを含む組成物が記載されている。
特許文献1及び2の手法では、一般に、得られた有機樹脂が熱や光に対して不安定であるため、長期使用時に変色等の劣化を起こしやすいという問題があるうえ、当該組成物を電子材料部品用途に使用する場合は、電極の腐食等が懸念される。
特許文献3及び4の手法でも、得られた微粒子分散組成物の長期保存安定性等に問題があり、また、無機酸化物微粒子の組成物中での分散安定性を改善するために多量の分散安定剤を必要とするため、屈折率と分散安定性のバランスをとるのが困難となる。
特許文献5に記載の組成物は、組成物に含まれる樹脂構造中のトリアジン環に由来して比較的高屈折率で、高耐熱性を具備するものの、屈折率は十分に高くなく、さらには硬化に寄与する不飽和結合部位が一部反応せず残留するため、長期使用時に変色、変形等の劣化を起こしやすいといった課題があった。
特許文献6では、組成物に含まれるトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの633nmの屈折率が1.70〜1.72と十分には高屈折率とは言えない上に、多分岐高分子であるため、温度、撹拌状態等の重合条件に対して得られるポリマーの物性が安定せず、条件によっては不溶性のゲルになることもあるという問題がある。
また、フルオレン環構造を有するトリアジン環含有線状ポリマーは、沸点が154℃と比較的低いシクロヘキサノンを溶媒として用いる組成物が例示されているが、フルオレン環構造を有さないトリアジン環含有線状ポリマーのほとんどはシクロヘキサノンには溶解せず、200℃以上の高沸点であるNMP等のアミド系溶媒のみにしか溶解しない。高沸点溶媒を含む組成物から膜を作製する場合には、膜中の残留溶媒の低減が難しく、高温又は高真空の条件での除去が必要であった。
また、フルオレン環構造を有するトリアジン環含有線状ポリマーは、沸点が154℃と比較的低いシクロヘキサノンを溶媒として用いる組成物が例示されているが、フルオレン環構造を有さないトリアジン環含有線状ポリマーのほとんどはシクロヘキサノンには溶解せず、200℃以上の高沸点であるNMP等のアミド系溶媒のみにしか溶解しない。高沸点溶媒を含む組成物から膜を作製する場合には、膜中の残留溶媒の低減が難しく、高温又は高真空の条件での除去が必要であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、熱や光に対する不安定性、電極腐食といった問題が内在する重原子を含む樹脂や、長期保存安定性や屈折率の分散安定性のバランスに問題のある無機酸化物微粒子分散樹脂を使用しなくとも屈折率が高く、従来公知の組成物に比べさらに高い屈折率を与える組成物、及び溶媒残留量が低く、かつ屈折率の高い膜を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の組成物等が提供される。
1.下記式(1)で表されるアミド系溶媒、及び下記式(2−1)で表される繰り返し構造を含むトリアジン環含有線状ポリマー又は下記式(2−2)で表される繰り返し構造を含むトリアジン環含有多分岐状ポリマーを含む組成物。
(式中、R及びR’は、それぞれ炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基を表す。R''は、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、1以上の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状アルキル基と1以上の炭素数1〜4のアルコキシル基の組み合わせからなる基、ビニル基、又は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状アルキル基を有するビニル基を表す。)
(式中、Xは、それぞれ−O−、−S−、−NR1−又は−PR1−を表す。
R1は、それぞれ水素原子、アルキル基、単環状又は多環状のシクロアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基、アセチル基、これらのうち1種類以上が複数組み合わさってなる基、又はこれらの基と、単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1種以上が組み合わさってなる基を表す。R1はさらに置換基によって置換されていてもよい。R1が複数存在する場合、それらR1はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
R2は2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、又は1以上の2価の脂肪族炭化水素基及び1以上の2価の芳香族炭化水素基から選択される1以上と、−S−、−S(=O)2−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−、−(CO)−、−O−(CO)−O−及び−NH−CO)−NH−から選択される1以上との組み合わせからなる2価の基を表す。R2はさらに置換基によって置換されていてもよい。
R13は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は1以上の脂肪族炭化水素基及び1以上の芳香族炭化水素基から選択される1以上の組み合わせからなる基である。
nはポリマーにおける繰り返し構造の繰り返し数を表し、2以上10,000以下の整数である。)
2.前記アミド系溶媒が下記式(11)〜(13)のいずれかで表される1に記載の組成物。
(式中、R3、R4及びR5は、それぞれ炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基を表す。R6は炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基を表す。)
3.前記式(2−1)で表されるトリアジン環含有線状ポリマーが、下記式(6)〜(10)のいずれかで表される1又は2に記載の組成物。
(式中、R7は、2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、又は1以上の2価の脂肪族炭化水素基及び1以上の2価の芳香族炭化水素基から選択される1以上と、単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる2価の基を表す。R7はさらに置換基によって置換されていてもよい。
R8は、それぞれ水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は1以上の脂肪族炭化水素基及び1以上の芳香族炭化水素基から選択される1以上と、単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる基を表す。R8はさらに置換基によって置換されていてもよい。
R9は、水素原子、アセチル基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基と単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる基を有する脂肪族炭化水素基を表す。R9はさらに置換基によって置換されていてもよい。
R10は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基と単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる基を有する脂肪族炭化水素基を表す。R10はさらに置換基によって置換されていてもよい。
Arは2価の芳香族炭化水素基を表す。
Yはヘテロ原子含有置換基を表す。mは1〜5の整数を表す。
Zは2価のヘテロ原子含有置換基(ただし、−N(R8)−である場合を除く)である。
R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
R12は置換もしくは無置換の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
R13は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は1以上の脂肪族炭化水素基及び1以上の芳香族炭化水素基から選択される1以上との組み合わせからなる基である。
nはポリマーにおける繰り返し構造の繰り返し数を表し、2以上10,000以下の整数である。)
4.前記式(6)〜(10)において、R9が水素原子、アセチル基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、R10が炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、又は環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を有する炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、Arが環形成炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基であり、Yがシアノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ニトロ基、チオール基、アルキルメルカプト基、アリールメルカプト基、アルコキシカルボニル基又はアルコキシカルボニルオキシ基であり、Zが−S−又は−O−であり、R11が水素原子、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基又は環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、R12がメチル基又はエチル基である3に記載の組成物。
5.紫外線硬化性組成物である1〜4のいずれかに記載の組成物。
6.熱硬化性組成物である1〜4のいずれかに記載の組成物。
7.1〜6のいずれかに記載の組成物を用いて得られた膜。
8.1〜6のいずれかに記載の組成物を用いて得られた光学透明板、レンズ、又は光ファイバー。
9.7に記載の膜、又は8に記載の光学透明板もしくはレンズを含む電子デバイス、発光デバイス又は光学デバイス。
1.下記式(1)で表されるアミド系溶媒、及び下記式(2−1)で表される繰り返し構造を含むトリアジン環含有線状ポリマー又は下記式(2−2)で表される繰り返し構造を含むトリアジン環含有多分岐状ポリマーを含む組成物。
R1は、それぞれ水素原子、アルキル基、単環状又は多環状のシクロアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基、アセチル基、これらのうち1種類以上が複数組み合わさってなる基、又はこれらの基と、単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1種以上が組み合わさってなる基を表す。R1はさらに置換基によって置換されていてもよい。R1が複数存在する場合、それらR1はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
R2は2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、又は1以上の2価の脂肪族炭化水素基及び1以上の2価の芳香族炭化水素基から選択される1以上と、−S−、−S(=O)2−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−、−(CO)−、−O−(CO)−O−及び−NH−CO)−NH−から選択される1以上との組み合わせからなる2価の基を表す。R2はさらに置換基によって置換されていてもよい。
R13は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は1以上の脂肪族炭化水素基及び1以上の芳香族炭化水素基から選択される1以上の組み合わせからなる基である。
nはポリマーにおける繰り返し構造の繰り返し数を表し、2以上10,000以下の整数である。)
2.前記アミド系溶媒が下記式(11)〜(13)のいずれかで表される1に記載の組成物。
3.前記式(2−1)で表されるトリアジン環含有線状ポリマーが、下記式(6)〜(10)のいずれかで表される1又は2に記載の組成物。
R8は、それぞれ水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は1以上の脂肪族炭化水素基及び1以上の芳香族炭化水素基から選択される1以上と、単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる基を表す。R8はさらに置換基によって置換されていてもよい。
R9は、水素原子、アセチル基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基と単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる基を有する脂肪族炭化水素基を表す。R9はさらに置換基によって置換されていてもよい。
R10は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基と単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる基を有する脂肪族炭化水素基を表す。R10はさらに置換基によって置換されていてもよい。
Arは2価の芳香族炭化水素基を表す。
Yはヘテロ原子含有置換基を表す。mは1〜5の整数を表す。
Zは2価のヘテロ原子含有置換基(ただし、−N(R8)−である場合を除く)である。
R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
R12は置換もしくは無置換の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
R13は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は1以上の脂肪族炭化水素基及び1以上の芳香族炭化水素基から選択される1以上との組み合わせからなる基である。
nはポリマーにおける繰り返し構造の繰り返し数を表し、2以上10,000以下の整数である。)
4.前記式(6)〜(10)において、R9が水素原子、アセチル基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、R10が炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、又は環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を有する炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、Arが環形成炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基であり、Yがシアノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ニトロ基、チオール基、アルキルメルカプト基、アリールメルカプト基、アルコキシカルボニル基又はアルコキシカルボニルオキシ基であり、Zが−S−又は−O−であり、R11が水素原子、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基又は環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、R12がメチル基又はエチル基である3に記載の組成物。
5.紫外線硬化性組成物である1〜4のいずれかに記載の組成物。
6.熱硬化性組成物である1〜4のいずれかに記載の組成物。
7.1〜6のいずれかに記載の組成物を用いて得られた膜。
8.1〜6のいずれかに記載の組成物を用いて得られた光学透明板、レンズ、又は光ファイバー。
9.7に記載の膜、又は8に記載の光学透明板もしくはレンズを含む電子デバイス、発光デバイス又は光学デバイス。
本発明によれば、溶媒残留量が低く、かつ高屈折率の膜を得られる組成物が提供できる。
本発明の組成物は、下記式(1)で表されるアミド系溶媒、及び下記式(2−1)で表される繰り返し構造を含むトリアジン環含有線状ポリマー又は下記式(2−2)で表される繰り返し構造を含むトリアジン環含有多分岐状ポリマーを含む。
式中、R及びR’は、それぞれ炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基を表す。R''は、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、1以上の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状アルキル基と1以上の炭素数1〜4のアルコキシル基の組み合わせからなる基、ビニル基、又は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状アルキル基を有するビニル基を表す。
R1は、それぞれ水素原子、アルキル基、単環状又は多環状のシクロアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基、アセチル基、これらのうち1種類以上が複数組み合わさってなる基、又はこれらの基と、単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1種以上が組み合わさってなる基を表す。R1はさらに置換基によって置換されていてもよい。R1が複数存在する場合、それらR1はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
R2は2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、又は1以上の2価の脂肪族炭化水素基及び1以上の2価の芳香族炭化水素基から選択される1以上と、−S−、−S(=O)2−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−、−(CO)−、−O−(CO)−O−及び−NH−CO)−NH−から選択される1以上との組み合わせからなる2価の基を表す。R2はさらに置換基によって置換されていてもよい。
R13は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は1以上の脂肪族炭化水素基及び1以上の芳香族炭化水素基から選択される1以上の組み合わせからなる基である。
上記の置換基としては、ヘテロ原子含有基が挙げられ、例えば、シアノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ニトロ基、チオール基、アルキルメルカプト基、アリールメルカプト基、アルコキシカルボニル基又はアルコキシカルボニルオキシ基等が好ましい。
nはポリマーにおける繰り返し構造の繰り返し数を表し、2以上10,000以下の整数である。
式(1)で表されるアミド系溶媒を用いると、溶媒残留量の低減が容易になる。式(1)で表されるアミド系溶媒において、好ましいアミド系溶媒は下記式(11)〜(13)で表される。
(式中、R3、R4及びR5は、それぞれ炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基を表す。R6は炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基を表す。)
これらアミド系溶媒を用いると、溶媒残留量の低減がさらに容易になるため、好ましい。尚、式(13)で表されるアミド系溶媒の場合、残留溶媒を紫外線照射もしくは加熱により重合させる、又は組成物に含まれるトリアジン環含有ポリマーと結合させることが可能であるため、膜中の残留揮発成分とはならない。
上記のアミド系溶媒において、具体的には下記式(14)〜(18)で表されるアミド系溶媒が特に好ましい。これらアミド系溶媒を用いると、特に溶媒残留量の低減が容易になるため特に好ましい。
これらのうち、式(14)で表されるアミド系溶媒を用いると、本発明の組成物から得られた膜が高屈折率を発現する上に、100nmを超える厚い膜においても温和な乾燥条件で溶媒残留量が無視できる量まで低減することができるため、最も好ましい。
本発明の組成物は上記式(2−1)又は(2−2)で表されるトリアジン環含有ポリマーを用いるため、本発明の組成物及びこの組成物から得られる膜は高い屈折率を発現する。
式中、R7は、2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、又は1以上の2価の脂肪族炭化水素基及び1以上の2価の芳香族炭化水素基から選択される1以上と、単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる2価の基を表す。
2価の脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜20が好ましい。2価の芳香族炭化水素基の環形成炭素数は6〜10が好ましい。
R7は、他の基によってさらに置換されていてもよく、これら置換基は後述する通りである。
2価の脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜20が好ましい。2価の芳香族炭化水素基の環形成炭素数は6〜10が好ましい。
R7は、他の基によってさらに置換されていてもよく、これら置換基は後述する通りである。
R8は、それぞれ水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は1以上の脂肪族炭化水素基及び1以上の芳香族炭化水素基から選択される1以上と、単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる基を表す。
脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜20が好ましい。芳香族炭化水素基の環形成炭素数は6〜10が好ましい。
R8は、他の基によってさらに置換されていてもよく、これら置換基は後述する通りである。
脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜20が好ましい。芳香族炭化水素基の環形成炭素数は6〜10が好ましい。
R8は、他の基によってさらに置換されていてもよく、これら置換基は後述する通りである。
R9は、水素原子、アセチル基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基と単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる基を有する脂肪族炭化水素基を表す。
脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜20が好ましい。芳香族炭化水素基の環形成炭素数は6〜10が好ましい。
R9は好ましくは水素原子、アセチル基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基である。これらの基であると、組成物及び得られる膜がさらに高屈折率となる。
R9は、他の基によってさらに置換されていてもよく、これら置換基は後述する通りである。
脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜20が好ましい。芳香族炭化水素基の環形成炭素数は6〜10が好ましい。
R9は好ましくは水素原子、アセチル基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基である。これらの基であると、組成物及び得られる膜がさらに高屈折率となる。
R9は、他の基によってさらに置換されていてもよく、これら置換基は後述する通りである。
R10は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基と単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる基を有する脂肪族炭化水素基を表す。
脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜20が好ましい。芳香族炭化水素基の環形成炭素数は6〜10が好ましい。
R10は好ましくは炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、又は環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を有する炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基である。これらの基であると、組成物及び得られる膜がさらに高屈折率となる。
R10は、他の基によってさらに置換されていてもよく、これら置換基は後述する通りである。
脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜20が好ましい。芳香族炭化水素基の環形成炭素数は6〜10が好ましい。
R10は好ましくは炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、又は環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を有する炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基である。これらの基であると、組成物及び得られる膜がさらに高屈折率となる。
R10は、他の基によってさらに置換されていてもよく、これら置換基は後述する通りである。
Arは2価の芳香族炭化水素基を表す。2価の芳香族炭化水素基の環形成炭素数は6〜10が好ましい。環形成炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基であると組成物及び得られる膜がさらに高屈折率となる。
Arは、他の基によってさらに置換されていてもよく、これら置換基は後述する通りである。
Arは、他の基によってさらに置換されていてもよく、これら置換基は後述する通りである。
Yはヘテロ原子含有置換基を表す。
Yとしては、シアノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ニトロ基、チオール基、アルキルメルカプト基、アリールメルカプト基、アルコキシカルボニル基又はアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。これらの基であると、組成物及び得られる膜がさらに高屈折率となる。
mは1〜5の整数を表す。
Yとしては、シアノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ニトロ基、チオール基、アルキルメルカプト基、アリールメルカプト基、アルコキシカルボニル基又はアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。これらの基であると、組成物及び得られる膜がさらに高屈折率となる。
mは1〜5の整数を表す。
Zは2価のヘテロ原子含有置換基(ただし、−N(R8)−である場合を除く)であり、好ましくは−S−又は−O−である。これらの基であると、組成物及び得られる膜がさらに高屈折率となる。
R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。R11は、好ましくは水素原子、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基又は環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基である。これらの基であると、組成物及び得られる膜がさらに高屈折率となる。
R12は置換もしくは無置換の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基又はエチル基であると好ましい。これらの基であると、組成物及び得られる膜がさらに高屈折率となる。
R13は、上記と同様、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は1以上の脂肪族炭化水素基及び1以上の芳香族炭化水素基から選択される1以上との組み合わせからなる基である。
上記他の置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の単環又は多環状のシクロアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基、ヘテロ原子含有置換基等が挙げられる。
nはポリマーにおける繰り返し構造の繰り返し数を表し、2以上10,000以下の整数である。
以下、上記式における各基について具体的に説明する。
脂肪族炭化水素基(アルキル基)としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基としては、上記のものから水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基(アルキル基)としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基としては、上記のものから水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、上記炭素数3以上のアルキル基の例が脂肪族環構造となったものが挙げられる。
2価の環状脂肪族炭化水素基としては、上記のものから水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
2価の環状脂肪族炭化水素基としては、上記のものから水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
芳香族炭化水素基(アリール基)としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、ナフタセニル基、クリセニル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、ベンゾ[g]クリセニル基、トリフェニレニル基、1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、9−フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、ターフェニル基、フルオランテニル基等が挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、上記のものから水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、上記のものから水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
アラルキル基としては、上記アルキル基の水素原子が上記アリール基で置換されたものが挙げられる。
複素環基としては、ピロール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、イソキノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、ピロリジン環、ジオキサン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピペラジン環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラン環、ジベンゾフラン環、ベンゾ[c]ジベンゾフラン環、カルバゾール環及びこれらの誘導体から形成される基等が挙げられる。
アルキルアミノ基としては、アミノ基の1又は2つの水素原子を上記アルキル基で置換したものが挙げられ、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等が挙げられる。
アリールアミノ基としては、アミノ基の1又は2つの水素原子を上記アリール基で置換したものが挙げられ、例えば、アニリノ基、トルイジノ基、メシジノ基、又は窒素原子含有基、酸素原子含有基、硫黄原子含有基等のヘテロ原子含有基を有するアニリノ基等が挙げられる。
アルキルメルカプト基としては、メルカプト基の水素原子を上記アルキル基で置換したものが挙げられ、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基等が挙げられる。
アリールメルカプト基としては、メルカプト基の水素原子を上記アリール基で置換したものが挙げられ、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、上記アルキル基、酸素原子及びカルボニル基をこの順に結合してなる基が挙げられ、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、上記アルキル基、カルボニル基及び酸素原子をこの順に結合してなる基が挙げられ、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
本発明の組成物は、上記のアミド系溶媒とトリアジン環含有ポリマーを混合してなるものであり、液体のアミド系溶媒に固体のトリアジン環含有ポリマーを溶解して製造することができる。
トリアジン環含有ポリマーがアミド系溶媒中に固体として残留すると、組成物及び組成物から得られる膜が不均一になるため、特に光学用途に用いる場合は一般的に好ましくない。
本発明の組成物は、通常、固形分が均一に溶解した液体状態である。アミド系溶媒とトリアジン環含有ポリマーの種類や混合比率は、一概に規定することはできないが、混合比率は、好ましくはアミド系溶媒に対してトリアジン環含有ポリマーは0.1〜50重量%である。
また、ろ過、デカンテーション等の従来公知の固形分分離操作により、溶解していない状態のトリアジン環含有ポリマーを除去し、均一の液体状態としてもよい。
本発明の組成物は、通常、固形分が均一に溶解した液体状態である。アミド系溶媒とトリアジン環含有ポリマーの種類や混合比率は、一概に規定することはできないが、混合比率は、好ましくはアミド系溶媒に対してトリアジン環含有ポリマーは0.1〜50重量%である。
また、ろ過、デカンテーション等の従来公知の固形分分離操作により、溶解していない状態のトリアジン環含有ポリマーを除去し、均一の液体状態としてもよい。
また、本発明の目的を逸脱しない範囲において第三成分を添加してもよい。第三成分は、単品の材料、化合物又は組成物でもよい。
例えば、第三成分として紫外線硬化剤を用いて紫外線硬化性組成物としてもよく、又は熱硬化剤を用いて熱硬化性組成物としてもよい。
例えば、第三成分として紫外線硬化剤を用いて紫外線硬化性組成物としてもよく、又は熱硬化剤を用いて熱硬化性組成物としてもよい。
紫外線硬化剤としては、従来公知の過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物、イソブチリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド化合物、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート化合物等が挙げられる。
紫外線硬化剤の使用量は、例えば組成物全体に対して0.001〜10重量%重量%である。
紫外線硬化剤の使用量は、例えば組成物全体に対して0.001〜10重量%重量%である。
熱硬化剤としては、公知のエポキシ樹脂−脂肪族アミン系硬化剤、ポリイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
熱硬化剤の使用量は、例えば組成物全体に対して0.01〜30重量%重量%である。
熱硬化剤の使用量は、例えば組成物全体に対して0.01〜30重量%重量%である。
他の添加剤として、硬化触媒、安定化剤、膜厚調整材、レベリング材、透明性向上材、強度向上材等をさらに加えてもよい。添加剤の種類、使用量としては、アミド系溶媒とトリアジン環含有ポリマーの種類や組成物の使用目的により適宜選択されるため、一概に規定することはできないが、それらに応じて適宜調整すればよい。
本発明の組成物は、実質的に上記式(1)で表されるアミド系溶媒、及び式(2−1)又は式(2−2)で表されるトリアジン環含有ポリマーからなってもよい。
本発明において「実質的」とは、例えば、90%重量以上、95重量%以上、98重量%以上、100重量%が、上記のアミド系溶媒及びトリアジン環含有ポリマーであることを意味する。
上記のように、本発明の組成物は、実質的に上記のアミド系溶媒及びトリアジン環含有ポリマーからなり、本発明の効果を損なわない範囲で他に不可避不純物を含んでいてもよい。
本発明において「実質的」とは、例えば、90%重量以上、95重量%以上、98重量%以上、100重量%が、上記のアミド系溶媒及びトリアジン環含有ポリマーであることを意味する。
上記のように、本発明の組成物は、実質的に上記のアミド系溶媒及びトリアジン環含有ポリマーからなり、本発明の効果を損なわない範囲で他に不可避不純物を含んでいてもよい。
本発明の膜は、上記の組成物を用いて製造することができる。本発明の膜は、溶媒残留量が低く、かつ高屈折率である。
本発明の膜は、液体状態、固体状態、又は液体状態と固体状態が混合した状態であってもよいが、特に光学用途に用いる場合においては、一般的に固体状態であることが好ましい。
膜の形態としては、基板を支持体として形成している膜(薄膜)であっても、単独自立の膜(フィルム)であってもよい。
本発明の膜は、本発明の組成物を用いて従来公知のスピンコート、フローコート、キャスト、延伸等の方法で作製することができる。
本発明の膜は、液体状態、固体状態、又は液体状態と固体状態が混合した状態であってもよいが、特に光学用途に用いる場合においては、一般的に固体状態であることが好ましい。
膜の形態としては、基板を支持体として形成している膜(薄膜)であっても、単独自立の膜(フィルム)であってもよい。
本発明の膜は、本発明の組成物を用いて従来公知のスピンコート、フローコート、キャスト、延伸等の方法で作製することができる。
本発明の組成物から得られる、光学透明板、レンズ、光ファイバーの形態、特性は、用いる組成物の種類、成型方法、用途により様々であるため一概には規定できない。
また、本発明の組成物を用いて、光学透明板、レンズ、光ファイバー等を得ることができる。光学透明板等の形態や特性は、用いる組成物の種類や製造方法によって適宜調整できる。本発明の光学透明板等は溶媒残留量が低く、かつ高屈折率である。
これらは、公知の方法によって製造でき、具体的には延伸、プレス、射出等により製造できる。
また、本発明の組成物を用いて、光学透明板、レンズ、光ファイバー等を得ることができる。光学透明板等の形態や特性は、用いる組成物の種類や製造方法によって適宜調整できる。本発明の光学透明板等は溶媒残留量が低く、かつ高屈折率である。
これらは、公知の方法によって製造でき、具体的には延伸、プレス、射出等により製造できる。
上述したように、本発明の組成物からは多様な形状又は性質の膜、光学透明板、レンズ、光ファイバー等が得られ、これら部材は電子デバイス、発光デバイス、光学デバイス等に用いることができる。これらデバイスは、例えば、LEDデバイス、有機ELデバイス等からなる照明器具、ディスプレイの他、光学情報処理装置等が例示される。
実施例1、2、比較例1、2
アミド系溶媒(A−1)、(A−2)及びNMP、及び固形分としてトリアジン環含有ポリマー(B−1)、(B−2)を用い、固形物含量が表1に記載の濃度になるように、これらを内容量10ミリリットルのガラス瓶中で混合して均一な組成物を作製した。スピンコーターに2cm×2cm、厚さ1mmの合成石英基板を固定し、この基板上に孔径0.2μのフィルターにてろ過した上記組成物を滴下し、表1に記載の回転数で60秒間回転して組成物を基板上に均一に塗布した。その後、予め200℃に設定したホットプレート上に基板を置き、30分加熱乾燥して溶媒を揮発させて薄膜を形成した。
アミド系溶媒(A−1)、(A−2)及びNMP、及び固形分としてトリアジン環含有ポリマー(B−1)、(B−2)を用い、固形物含量が表1に記載の濃度になるように、これらを内容量10ミリリットルのガラス瓶中で混合して均一な組成物を作製した。スピンコーターに2cm×2cm、厚さ1mmの合成石英基板を固定し、この基板上に孔径0.2μのフィルターにてろ過した上記組成物を滴下し、表1に記載の回転数で60秒間回転して組成物を基板上に均一に塗布した。その後、予め200℃に設定したホットプレート上に基板を置き、30分加熱乾燥して溶媒を揮発させて薄膜を形成した。
アミド系溶媒は、市販品のNMP(N−メチル−2−ピロリドン(キシダ化学製、電子工業用グレード))を除き、従来公知の方法(特開第2010−222262号公報、特開第2010−43007号公報、特開第2008−256991号公報)により製造した。
トリアジン環含有ポリマーは、従来公知の方法(特開平7−113009号公報、特開第2009−001658号公報)により製造した。
トリアジン環含有ポリマーは、従来公知の方法(特開平7−113009号公報、特開第2009−001658号公報)により製造した。
評価例1〜4
実施例1、2及び比較例1、2で形成した薄膜について、膜厚、波長190〜1700nmの範囲における屈折率、nD、アッベ数、アミド系溶媒の残留量を測定した。これらの結果を表2及び図1〜4に示す。
実施例1、2及び比較例1、2で形成した薄膜について、膜厚、波長190〜1700nmの範囲における屈折率、nD、アッベ数、アミド系溶媒の残留量を測定した。これらの結果を表2及び図1〜4に示す。
測定方法は以下の通りである。即ち、膜厚、波長190〜1700nmの範囲における屈折率、nD、アッベ数は、まず分光エリプソメトリー装置にて測定し、一般分散式化モデルにて解析して、膜厚、190〜1700nmの波長範囲における屈折率を求め、これらの結果からnD、アッベ数を算出した。アミド系溶媒の残留量は、ヘッドスペース法を用いたガスクロマトグラフィーにより測定した。
尚、アッベ数とは屈折率の波長分散を表す数値であり、(nD−1)/(nF−nC)により算出した。
nD:D線(589.3nm)の屈折率
nF:F線(486.1nm)の屈折率
nC:C線(656.3nm)の屈折率
分光エリプソメトリー装置は、J.A.ウーラム社製高速分光エリプソメーターM−2000D(NIR拡張)を用いた。
nD:D線(589.3nm)の屈折率
nF:F線(486.1nm)の屈折率
nC:C線(656.3nm)の屈折率
分光エリプソメトリー装置は、J.A.ウーラム社製高速分光エリプソメーターM−2000D(NIR拡張)を用いた。
これらの結果より、本発明の組成物は溶媒残留量が低減でき、本発明の組成物から得られた薄膜は高屈折率であることが分かる。
本発明の組成物から得られる薄膜は、電子デバイス、発光デバイス、光学デバイス等に使用できる。
Claims (9)
- 下記式(1)で表されるアミド系溶媒、及び下記式(2−1)で表される繰り返し構造を含むトリアジン環含有線状ポリマー又は下記式(2−2)で表される繰り返し構造を含むトリアジン環含有多分岐状ポリマーを含む組成物。
R1は、それぞれ水素原子、アルキル基、単環状又は多環状のシクロアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基、アセチル基、これらのうち1種類以上が複数組み合わさってなる基、又はこれらの基と、単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1種以上が組み合わさってなる基を表す。R1はさらに置換基によって置換されていてもよい。R1が複数存在する場合、それらR1はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
R2は2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、又は1以上の2価の脂肪族炭化水素基及び1以上の2価の芳香族炭化水素基から選択される1以上と、−S−、−S(=O)2−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−、−(CO)−、−O−(CO)−O−及び−NH−CO)−NH−から選択される1以上との組み合わせからなる2価の基を表す。R2はさらに置換基によって置換されていてもよい。
R13は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は1以上の脂肪族炭化水素基及び1以上の芳香族炭化水素基から選択される1以上の組み合わせからなる基である。
nはポリマーにおける繰り返し構造の繰り返し数を表し、2以上10,000以下の整数である。) - 前記式(2−1)で表されるトリアジン環含有線状ポリマーが、下記式(6)〜(10)のいずれかで表される請求項1又は2に記載の組成物。
R8は、それぞれ水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は1以上の脂肪族炭化水素基及び1以上の芳香族炭化水素基から選択される1以上と、単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる基を表す。R8はさらに置換基によって置換されていてもよい。
R9は、水素原子、アセチル基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基と単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる基を有する脂肪族炭化水素基を表す。R9はさらに置換基によって置換されていてもよい。
R10は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基と単結合、−S−、−O−、−NH−、−NR13−、−(CO)−NH−、−(CO)−O−及び−(CO)−から選択される1以上との組み合わせからなる基を有する脂肪族炭化水素基を表す。R10はさらに置換基によって置換されていてもよい。
Arは2価の芳香族炭化水素基を表す。
Yはヘテロ原子含有置換基を表す。mは1〜5の整数を表す。
Zは2価のヘテロ原子含有置換基(ただし、−N(R8)−である場合を除く)である。
R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
R12は置換もしくは無置換の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
R13は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は1以上の脂肪族炭化水素基及び1以上の芳香族炭化水素基から選択される1以上との組み合わせからなる基である。
nはポリマーにおける繰り返し構造の繰り返し数を表し、2以上10,000以下の整数である。) - 前記式(6)〜(10)において、R9が水素原子、アセチル基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、R10が炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、又は環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を有する炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、Arが環形成炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基であり、Yがシアノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ニトロ基、チオール基、アルキルメルカプト基、アリールメルカプト基、アルコキシカルボニル基又はアルコキシカルボニルオキシ基であり、Zが−S−又は−O−であり、R11が水素原子、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基又は環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、R12がメチル基又はエチル基である請求項3に記載の組成物。
- 紫外線硬化性組成物である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- 熱硬化性組成物である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物を用いて得られた膜。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物を用いて得られた光学透明板、レンズ、又は光ファイバー。
- 請求項7に記載の膜、又は請求項8に記載の光学透明板もしくはレンズを含む電子デバイス、発光デバイス又は光学デバイス。
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