JP2014160714A - 積層コイル部品及びその製造方法 - Google Patents

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拓也 亀井
Masazumi Arata
正純 荒田
Jun Saito
淳 斎藤
Toshiki Sato
俊樹 佐藤
Sho Chiba
翔 千葉
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Abstract

【課題】製造コストを抑制することが可能な積層コイル部品を提供する。
【解決手段】積層コイル部品1は、積層コイル部品1は、素体10と、素体10内に配置された内部導体20,24により構成されるコイルLと、外部電極12,14とを備える。内部導体20,24はそれぞれ、絶縁体層A12,A13の表面において1ターンにて巻回されており、互いに鏡像対称の形状を呈する。内部導体20,24の両端は共に、平面視において所定の仮想直線X上に位置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、積層コイル部品及びその製造方法に関する。
特許文献1は、少なくとも第1及び第2の絶縁体層が積層されて構成された素体と、素体内に配置された第1及び第2の内部導体が互いに電気的に接続されて構成されたコイルとを備える積層コイル部品を開示している。第1の内部導体は、第1の絶縁体層上に配置されており、1ターンの長さで巻回されている。第2の内部導体は、第2の絶縁体層上に配置されており、1ターンの長さで巻回されている。
第1の内部導体は、この順で接続された第1〜第5の部分を有する。第1の部分は、一対の第1及び第2の長辺と一対の第1及び第2の短辺とにより構成された仮想矩形の第1の短辺上に位置する。第2の部分は、第1の長辺上に位置する。第3の部分は、第2の短辺上に位置する。第4の部分は、第2の長辺上に位置する。第5の部分は、第1の短辺と第2の長辺とがなす第1の角部寄りにおいて第1の部分と対向するように、仮想矩形の内側において第1の部分に沿って延びている。
第2の内部導体は、この順で接続された第1〜第5の部分を有する。第1の部分は、第2の長辺上に位置する。第2の部分は、第2の短辺上に位置する。第3の部分は、第1の長辺上に位置する。第4の部分は、第1の短辺上に位置する。第5の部分は、第1の短辺と第1の長辺とがなす第2の角部寄りにおいて第1の部分と対向するように、仮想矩形の内側において第1の部分に沿って延びている。
特開2010−192715号公報
特許文献1に記載の積層コイル部品の製造方法は、第1の内部導体に対応するパターン溝形状を有する第1の製版(マスク板)を用いて第1のセラミックグリーンシート上に第1の導体パターンを形成する工程と、第2の内部導体に対応するパターン溝形状を有する第2の製版(マスク板)を用いて第2のセラミックグリーンシート上に第2の導体パターンを形成する工程と、第1の導体パターンが形成された第1のセラミックグリーンシートと第2の導体パターンが形成された第2のセラミックグリーンシートとを積層する工程とを含む。すなわち、第1の内部導体と第2の内部導体との形状が異なるため、複数の製版(マスク板)を用意する必要があった。そのため、積層コイル部品の製造コストが高くなる傾向にあった。
本発明の目的は、製造コストを抑制することが可能な積層コイル部品及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一側面に係る積層コイル部品は、絶縁材料により構成されると共に、互いに対向する第1及び第2の主面を有する素体と、素体内に配置された第1及び第2の内部導体により構成されるコイルと、素体の外表面に配置された第1及び第2の外部電極と、一端側が素体内においてコイルの一端側と接続されると共に、他端側が第1の外部電極と接続された第1の引き出し導体と、一端側が素体内においてコイルの他端側と接続されると共に、他端側が第2の外部電極と接続された第2の引き出し導体とを備え、第1の内部導体は、第1及び第2の主面の対向方向に直交する第1の仮想平面上において1ターンにて巻回されており、第1〜第3の部分を有し、第2の部分は、第1及び第2の主面の対向方向から見て仮想直線に関して線対称形状を呈しており、第1の部分は、一端が第2の部分の一端と接続されると共に、対向方向から見て他端が仮想直線上に位置しており、第3の部分は、一端が第2の部分の他端と接続されると共に、対向方向から見て他端が仮想直線上に位置しており、第1の部分の他端は、仮想直線上において第3の部分の他端とは離間しており、第2の内部導体は、対向方向に直交する第2の仮想平面上において1ターンにて巻回されており、第1の内部導体と鏡像対称の形状を呈すると共に、第4〜第6の部分を有し、第5の部分は、対向方向から見て仮想直線に関して線対称形状を呈しており、第4の部分は、一端が第5の部分の一端と接続されると共に、対向方向から見て他端が仮想直線上に位置しており、第6の部分は、一端が第5の部分の他端と接続されると共に、対向方向から見て他端が仮想直線上に位置しており、第4の部分の他端は、仮想直線上において第6の部分の他端とは離間すると共に対向方向から見て第3の部分の他端と重なり合っており、第6の部分の他端は、対向方向から見て第1の部分の他端と重なり合うと共に、対向方向に延びる接続導体によって第1の部分の他端と接続されており、第1及び第2の引き出し導体は、対向方向から見て、仮想直線上を延びるように素体の外表面に引き出されている。
本発明の一側面に係る積層コイル部品では、第1及び第2の内部導体が互いに鏡像対称の形状を呈している。また、第1及び第6の部分の一端が対向方向から見て仮想直線上に位置しており、第3及び第4の部分の他端が対向方向から見て仮想直線上に位置している。そのため、第1の内部導体に対応するパターン溝形状と、第2の内部導体に対応するパターン溝形状とを有する1つの製版を用いて、第1及び第2の内部導体パターンを形成することができる。具体的には、上記製版を用いて第1及び第2の導体パターンを第1及び第2の絶縁体グリーンシートの双方に形成し、第1の内部導体パターンと第2の内部導体パターンとが重なるように第1の絶縁体グリーンシートと第2の絶縁体グリーンシートとをずらした状態で、第1及び第2の絶縁体グリーンシートをこの順に積層することにより、本発明の一側面に係る積層コイル部品を得ることができる。その結果、コイルを形成するための製版として一つの製版を用意すればよいため、製造コストを抑制することが可能となる。
第1の部分は、一対の第1及び第2の長辺と一対の第1及び第2の短辺とにより構成された仮想矩形のうち第1の短辺上を延びており、第2の部分は、第1の長辺、第2の短辺及び第2の長辺上を延びており、第3の部分は、仮想矩形の内側において、第2の長辺と第2の短辺とがなす第1の角部から仮想直線に向けて斜めに延びており、第4の部分は、仮想矩形の内側において、第1の長辺と第2の短辺とがなす第1の角部から仮想直線に向けて斜めに延びており、第5の部分は、第1の長辺、第2の短辺及び第2の長辺上を延びており、第6の部分は、第2の短辺上を延びていてもよい。この場合、第3及び第4の部分が第1及び第6の部分と平行に延びているときと比較して、第1及び第2の内部導体により形成される領域の面積が大きくなる。そのため、より多くの磁束を当該領域に通過させることができるので、積層コイル部品の特性向上を図ることができる。
第1の部分は、一対の第1及び第2の長辺と一対の第1及び第2の短辺とにより構成された仮想矩形のうち第1の短辺上を延びており、第2の部分は、第1の長辺、第2の短辺及び第2の長辺上を延びており、第3の部分は、仮想矩形の内側に位置すると共に、第1の部分における仮想直線側の端部から一定の間隔を保持するように湾曲する部分を有しており、第4の部分は、仮想矩形の内側に位置すると共に、第6の部分における仮想直線側の端部から一定の間隔を保持するように湾曲する部分を有しており、第5の部分は、第1の長辺、第2の短辺及び第2の長辺上を延びており、第6の部分は、第2の短辺上を延びていてもよい。この場合、第3及び第4の部分が第1及び第6の部分と平行に延びているときと比較して、第1及び第2の内部導体により形成される領域の面積が大きくなる。そのため、より多くの磁束を当該領域に通過させることができるので、積層コイル部品の特性向上を図ることができる。加えて、第1の部分と第3の部分とが一定の間隔を有すると共に、第4の部分と第6の部分とが一定の間隔を有するので、積層コイル部品の製造に際し、当該間隔に絶縁体を良好に配置することができる。短絡やクラックの発生を抑制することができる。
本発明の他の側面に係る積層コイル部品の製造方法は、それぞれ1ターンにて巻回されると共に互いに鏡像対称の形状を呈する第1及び第2の内部導体パターンを、第1の絶縁体グリーンシート上に形成する第1の工程と、第1及び第2の内部導体パターンを、第2の絶縁体グリーンシート上に形成する第2の工程と、第1及び第2の絶縁体グリーンシートを積層する第3の工程とを含み、第1及び第2の工程では、第1〜第3の部分を有する第1の内部導体パターンであって、第2の部分は、平面視において仮想直線に関して線対称形状を呈しており、第1の部分は、一端が第2の部分の一端と接続されると共に、平面視において他端が仮想直線上に位置しており、第3の部分は、一端が第2の部分の他端と接続されると共に、平面視において他端が仮想直線上に位置しており、第1の部分の他端は、仮想直線上において第3の部分の他端とは離間している、第1の内部導体パターンを形成し、第4〜第6の部分を有する第2の内部導体パターンであって、第5の部分は、平面視において仮想直線に関して線対称形状を呈しており、第4の部分は、一端が第5の部分の一端と接続されると共に、平面視において他端が仮想直線上に位置しており、第6の部分は、一端が第5の部分の他端と接続されると共に、平面視において他端が仮想直線上に位置しており、第4の部分の他端は、仮想直線上において第6の部分の他端とは離間している、第2の内部導体パターンを形成し、第3の工程では、第2の絶縁体グリーンシート上の第4の部分の他端が平面視において第1の絶縁体グリーンシート上の第3の部分の他端と重なり合うと共に、第2の絶縁体グリーンシート上の第6の部分の他端が平面視において第1の絶縁体グリーンシート上の第1の部分の他端と重なり合うように、第1及び第2の絶縁体グリーンシートをこの順に積層する。
本発明の他の側面に係る積層コイル部品の製造方法では、第1及び第2の内部導体パターンが互いに鏡像対称の形状を呈している。また、第1及び第6の部分の一端が平面視において仮想直線上に位置しており、第3及び第4の部分の他端が平面視において仮想直線上に位置している。そのため、第1の内部導体パターンに対応するパターン溝形状と、第2の内部導体パターンに対応するパターン溝形状とを有する1つの製版を用いて、第1及び第2の内部導体パターンを形成することができる。具体的には、上記製版を用いて第1及び第2の導体パターンを第1及び第2の絶縁体グリーンシートの双方に形成し、第1の内部導体パターンと第2の内部導体パターンとが重なるように第1の絶縁体グリーンシートと第2の絶縁体グリーンシートとをずらした状態で、第1及び第2の絶縁体グリーンシートをこの順に積層することにより、積層コイル部品を得ることができる。その結果、コイルを形成するための製版として一つの製版を用意すればよいため、製造コストを抑制することが可能となる。
第1の部分は、一対の第1及び第2の長辺と一対の第1及び第2の短辺とにより構成された仮想矩形のうち第1の短辺上を延びており、第2の部分は、第1の長辺、第2の短辺及び第2の長辺上を延びており、第3の部分は、仮想矩形の内側において、第2の長辺と第2の短辺とがなす第1の角部から仮想直線に向けて斜めに延びており、第4の部分は、仮想矩形の内側において、第1の長辺と第2の短辺とがなす第1の角部から仮想直線に向けて斜めに延びており、第5の部分は、第1の長辺、第2の短辺及び第2の長辺上を延びており、第6の部分は、第2の短辺上を延びていてもよい。この場合、製造された積層コイル部品において、第3及び第4の部分が第1及び第6の部分と平行に延びているときと比較して、第1の内部導体パターンから構成された第1の内部導体と、第2の内部導体パターンから構成された第2の内部導体とにより形成される領域の面積が大きくなる。そのため、より多くの磁束を当該領域に通過させることができるので、製造された積層コイル部品の特性向上を図ることができる。
第1の部分は、一対の第1及び第2の長辺と一対の第1及び第2の短辺とにより構成された閉じた矩形状の仮想矩形のうち第1の短辺上を延びており、第2の部分は、第1の長辺、第2の短辺及び第2の長辺上を延びており、第3の部分は、仮想矩形の内側に位置すると共に、第1の部分における仮想直線側の端部から一定の間隔を保持するように湾曲する部分を有しており、第4の部分は、仮想矩形の内側に位置すると共に、第6の部分における仮想直線側の端部から一定の間隔を保持するように湾曲する部分を有しており、第5の部分は、第1の長辺、第2の短辺及び第2の長辺上を延びており、第6の部分は、第2の短辺上を延びていてもよい。この場合、製造された積層コイル部品において、第3及び第4の部分が第1及び第6の部分と平行に延びているときと比較して、第1の内部導体パターンから構成された第1の内部導体と、第2の内部導体パターンから構成された第2の内部導体とにより形成される領域の面積が大きくなる。そのため、より多くの磁束を当該領域に通過させることができるので、製造された積層コイル部品の特性向上を図ることができる。加えて、第1の部分と第3の部分とが一定の間隔を有すると共に、第4の部分と第6の部分とが一定の間隔を有するので、積層コイル部品の製造に際し、当該間隔に絶縁体を良好に配置することができる。そのため、短絡やクラックの発生を抑制することができる。
本発明によれば、製造コストを抑制することが可能な積層コイル部品及びその製造方法を提供できる。
図1は、本実施形態に係る積層コイル部品の斜視図である。 図2は、本実施形態に係る積層コイル部品の分解斜視図である。 図3は、本実施形態に係る積層コイル部品の各絶縁体層を示す平面図である。 図4は、本実施形態に係る積層コイル部品の第1の変形例を示す分解斜視図である。 図5は、本実施形態に係る積層コイル部品の第2の変形例を示す分解斜視図である。 図6は、本実施形態に係る積層コイル部品の第3の変形例を示す分解斜視図である。 図7は、グリーンシート上に配置された内部導体のパターンを示す図である。 図8は、内部導体の他の例を示す平面図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
積層コイル部品1は、図1に示されるように、直方体形状を呈する素体10と、素体10の外表面に位置する第1及び第2の外部電極12,14とを備える。
素体10は、互いに対向する一対の主面10a,10bと、互いに対向する一対の側面10c,10dと、互いに対向する一対の端面10e,10fとを有する。これらの外表面10a〜10fは、いずれも長方形状を呈している。
一対の主面10a,10bは、一対の側面10c,10d及び一対の端面10e,10fと隣り合っている。一対の側面10c,10dは、一対の主面10a,10b及び一対の端面10e,10fと隣り合っている。一対の端面10e,10fは、一対の主面10a,10b及び一対の側面10c,10dと隣り合っている。
一対の側面10c,10dは、一対の主面10a,10b及び一対の端面10e,10fと隣り合っている。一対の主面10a,10bの長辺側の部分は、一対の側面10c,10dの長辺側の部分と連結されている。一対の主面10a,10bの短辺側の部分は、一対の端面10e,10fの長辺側の部分と連結されている。一対の側面10c,10dの短辺側の部分は、一対の端面10e,10fの短辺側の部分と連結されている。平面視において、素体10は、側面10cと端面10eとにより形成される角部e1と、側面10dと端面10eとにより形成される角部e2と、側面10cと端面10fとにより形成される角部e3と、側面10dと端面10fとにより形成される角部e4とを有する。
素体10は、図2に示されるように、複数の絶縁体層A10〜A14が積層されることによって、形成されている。各絶縁体層A10〜A14は、矩形状を呈している。各絶縁体層A10〜A14は、電気絶縁性を有する絶縁体であり、絶縁体グリーンシートの焼結体から構成される。実際の素体10においては、各絶縁体層A10〜A14は、焼結によりその間の境界が視認できない程度に一体化されている。
絶縁体層A10〜A14は、この順に並んで積層されている。絶縁体層A10の表面(図2において上面)は、素体10の主面10aに相当する。絶縁体層A14の表面(図2において下面)は、素体10の主面10bに相当する。
絶縁体層A10〜A14は、例えば、フェライト(Ni−Cu−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト、Cu−Zn系フェライト、又はNi−Cu系フェライトなど)等の磁性材料から構成されている。絶縁体層A10〜A14は、非磁性フェライトから構成されていてもよい。一部の絶縁体層がフェライトで構成されており、他の絶縁体層が非磁性フェライトで構成されていてもよい。例えば、後述する内部導体20aが配置される絶縁体層A12が非磁性フェライトで構成され、他の絶縁体層がフェライトで構成されていてもよい。
第1の外部電極12は、端面10eと、主面10a,10b及び側面10c,10dのうち端面10e側の領域に配置されている。第2の外部電極14は、端面10fと、主面10a,10b及び側面10c,10dのうち端面10f側の領域に配置されている。第1及び第2の外部電極12,14は、導電材(例えば、Ag又はPdなど)とガラス成分とを含んでいる。第1及び第2の外部電極12,14は、導電性金属粉末(例えば、Ag粉末又はPd粉末など)とガラスフリットとを含む導電性ペーストが焼結されたものである。この導電性ペーストの表面に電気めっきが施されることにより、めっき層(図示せず)が第1及び第2の外部電極12,14の表面に形成される。当該めっき層は、例えばNiやSnなどにより構成される。
絶縁体層A11の表面には、引き出し導体16が配置されている。引き出し導体16は、図2及び図3に示されるように、平面視にて所定の仮想直線X上を延びており、素体10の端面10fの近傍に位置している。引き出し導体16の一端は、素体10の端面10fに露出するように引き出され、第2の外部電極14と接続されている。
絶縁体層A11には、その厚さ方向に貫通するスルーホール導体18が設けられている。すなわち、スルーホール導体18は、絶縁体層A10〜A14の積層方向(主面10a,10bの対向方向)に延びている。スルーホール導体18は、引き出し導体16の他端と接続されている。
絶縁体層A12の表面には、1ターンにて巻回された第1の内部導体20が配置されている。すなわち、第1の内部導体20は、主面10a,10bの対向方向に直交する仮想平面上に位置している。第1の内部導体20は、第1〜第5の部分20a〜20eを有する。第1〜第5の部分20a〜20eは、この順に連結されている。従って、第1の部分20aは、第1の内部導体20の一方の端部に相当する。第5の部分20eの端部は、第1の内部導体20の他方の端部に相当する。
第1の部分20aは、絶縁体層A12のうち端面10fをなす短辺に沿って延びている。具体的には、第1の部分20aは、図2及び図3に示されるように、絶縁体層A12上において、一対の長辺T1,T2及び一対の短辺T3,T4により構成された仮想矩形Tのうち短辺T3上に位置している。第1の部分20aの一端は、仮想矩形Tの長辺T1と短辺T3とがなす角部c1と、仮想矩形Tの長辺T2と短辺T3とがなす角部c2との間に位置しており、角部c1,c2には位置していない。具体的には、第1の部分20aの一端は、平面視にて仮想直線X上に位置している。第1の部分20aの一端(第1の内部導体20の一端)は、スルーホール導体18と接続されている。第1の部分20aの他端は、仮想矩形Tの角部c1上に位置している。
第2の部分20bは、絶縁体層A12のうち側面10cをなす長辺に沿って延びている。具体的には、第2の部分20bは、図2及び図3に示されるように、絶縁体層A12上において、仮想矩形Tのうち長辺T1上に位置している。第2の部分20bの一端は、仮想矩形Tの角部c1上に位置している。第2の部分20bの他端は、仮想矩形Tの長辺T1と短辺T4とがなす角部c3上に位置している。
第3の部分20cは、絶縁体層A12のうち端面10eをなす短辺に沿って延びている。具体的には、第3の部分20cは、図2及び図3に示されるように、絶縁体層A12上において、仮想矩形Tのうち短辺T4上に位置している。第3の部分20cの一端は、仮想矩形Tの角部c3上に位置している。第3の部分20cの他端は、仮想矩形Tの長辺T2と短辺T4とがなす角部c4上に位置している。
第4の部分20dは、絶縁体層A12のうち側面10dをなす長辺に沿って延びている。具体的には、第4の部分20dは、図2及び図3に示されるように、絶縁体層A12上において、仮想矩形Tのうち長辺T2上に位置している。第4の部分20dの一端は、仮想矩形Tの角部c4上に位置している。第4の部分20dの他端は、仮想矩形Tの角部c2上に位置している。
第2〜第4の部分20b〜20dは、主面10a,10bの対向方向から見て(平面視において)、第3の部分20cの中央を通る仮想直線Xに関して線対称形状を呈している。従って、第2及び第4の部分20b,20dは、仮想直線Xに平行に延びており、第1及び第3の部分20a,20cは、仮想直線Xに直交している。
第5の部分20eは、仮想矩形Tの角部c2から仮想直線X(仮想矩形Tの中心側)に向けて、斜めに延びている。第5の部分20eの一端は、仮想矩形Tの角部c2上に位置している。第5の部分20eの他端は、仮想矩形Tの角部c2の近傍において、仮想矩形Tの内側に位置している。具体的には、第5の部分20eの他端は、平面視にて仮想直線X上に位置すると共に、第1の部分20aの一端とは離間している。
絶縁体層A12には、その厚さ方向に貫通するスルーホール導体22が設けられている。すなわち、スルーホール導体22は、絶縁体層A10〜A14の積層方向(主面10a,10bの対向方向)に延びている。スルーホール導体22は、第5の部分20eの他端(第1の内部導体20の他端)と接続されている。
絶縁体層A13の表面には、1ターンにて巻回された第2の内部導体24が配置されている。すなわち、第2の内部導体24は、主面10a,10bの対向方向に直交する仮想平面上に位置している。第2の内部導体24は、第1〜第5の部分24a〜24eを有する。第1〜第5の部分24a〜24eは、この順に連結されている。従って、第1の部分24aは、第2の内部導体24の一方の端部に相当する。第5の部分24eの端部は、第2の内部導体24の他方の端部に相当する。
第1の部分24aは、絶縁体層A13のうち端面10fをなす短辺に沿って延びている。具体的には、第1の部分24aは、図2及び図3に示されるように、絶縁体層A13上において、仮想矩形Tのうち短辺T3上に位置している。第1の部分24aの一端は、仮想矩形Tの角部c1と角部c2との間に位置しており、角部c1,c2には位置していない。具体的には、第1の部分24aの一端は、平面視にて仮想直線X上に位置している。第1の部分24aの他端は、仮想矩形Tの角部c2上に位置している。
第2の部分24bは、絶縁体層A13のうち側面10dをなす長辺に沿って延びている。具体的には、第2の部分24bは、図2及び図3に示されるように、絶縁体層A13上において、仮想矩形Tのうち長辺T2上に位置している。第2の部分24bの一端は、仮想矩形Tの角部c2上に位置している。第2の部分24bの他端は、仮想矩形Tの角部c4上に位置している。
第3の部分24cは、絶縁体層A13のうち端面10eをなす短辺に沿って延びている。具体的には、第3の部分24cは、図2及び図3に示されるように、絶縁体層A13上において、仮想矩形Tのうち短辺T4上に位置している。第3の部分20cの一端は、仮想矩形Tの角部c4上に位置している。第3の部分24cの他端は、仮想矩形Tの角部c3上に位置している。
第4の部分24dは、絶縁体層A13のうち側面10cをなす長辺に沿って延びている。具体的には、第4の部分24dは、図2及び図3に示されるように、絶縁体層A13上において、仮想矩形Tのうち長辺T1上に位置している。第4の部分24dの一端は、仮想矩形Tの角部c3上に位置している。第4の部分24dの他端は、仮想矩形Tの角部c1上に位置している。
第2〜第4の部分24b〜24dは、主面10a,10bの対向方向から見て(平面視において)、第3の部分24cの中央を通る仮想直線Xに関して線対称形状を呈している。従って、第2及び第4の部分24b,24dは、仮想直線Xに平行に延びており、第1及び第3の部分24a,24cは、仮想直線Xに直交している。
第5の部分24eは、仮想矩形Tの角部c1から仮想直線X(仮想矩形Tの中心側)に向けて、斜めに延びている。第5の部分24eの一端は、仮想矩形Tの角部c1上に位置している。第5の部分20eの他端は、仮想矩形Tの角部c1の近傍において、仮想矩形Tの内側に位置している。具体的には、第5の部分24eの他端は、平面視にて仮想直線X上に位置すると共に、第1の部分24aの一端とは離間している。第5の部分24eの他端(第2の内部導体24の他端)は、スルーホール導体24と接続されている。
絶縁体層A13には、その厚さ方向に貫通するスルーホール導体26が設けられている。すなわち、スルーホール導体26は、絶縁体層A10〜A14の積層方向(主面10a,10bの対向方向)に延びている。スルーホール導体26は、第1の部分24aの一端(第2の内部導体24の一端)と接続されている。
絶縁体層A12,A13にそれぞれ配置された第1及び第2の内部導体20,24が、スルーホール導体22によって順次接続され、コイルLを形成している。コイルLの一端は、スルーホール導体18及び引き出し導体16を介して、第2の外部電極14と接続されている。
絶縁体層A14の表面には、接続導体28と引き出し導体30とが配置されている。接続導体28は、1/2ターンにて巻回されている。接続導体28は、第1〜第3の部分28a〜28cを有している。第1〜第3の部分28a〜28cは、この順に連結されている。
第1の部分28aは、絶縁体層A14のうち端面10fをなす短辺に沿って延びている。具体的には、第1の部分28aは、図2及び図3に示されるように、絶縁体層A14上において、仮想矩形Tのうち短辺T3上に位置している。第1の部分28aの一端は、仮想矩形Tの角部c1と角部c2との間に位置しており、角部c1,c2には位置していない。具体的には、第1の部分28aの一端は、平面視にて仮想直線X上に位置している。第1の部分28aの一端(接続導体28の一端)は、スルーホール導体26と接続されている。第1の部分28aの他端は、仮想矩形Tの角部c1上に位置している。
第2の部分28bは、絶縁体層A14のうち側面10cをなす長辺に沿って延びている。具体的には、第2の部分28bは、図2及び図3に示されるように、絶縁体層A14上において、仮想矩形Tのうち長辺T1上に位置している。第2の部分28bの一端は、仮想矩形Tの角部c1上に位置している。第2の部分28bの他端は、仮想矩形Tの長辺T1と短辺T4とがなす角部c3上に位置している。
第3の部分28cは、絶縁体層A14のうち端面10eをなす短辺に沿って延びている。具体的には、第3の部分28cは、図2及び図3に示されるように、絶縁体層A14上において、仮想矩形Tのうち短辺T4上に位置している。第3の部分28cの一端は、仮想矩形Tの角部c3上に位置している。第3の部分28cの他端は、仮想矩形Tの角部c3,c4との間に位置しており、角部c3,c4には位置していない。具体的には、第3の部分28cの他端は、平面視にて仮想直線X上に位置している。第3の部分28cの一端(接続導体28の他端)は、引き出し導体30と接続されている。
引き出し導体30は、図2及び図3に示されるように、平面視にて所定の仮想直線X上を延びており、素体10の端面10fの近傍に位置している。引き出し導体30の一端は、素体10の端面10fに露出するように引き出され、第1の外部電極12と接続されている。従って、コイルLの他端は、スルーホール導体26、接続導体28及び引き出し導体30を介して、第1の外部電極12と接続されている。
各導体16〜30は、導電材(例えば、Ag又はPdなど)を含んでいる。各導体16〜30は、導電性金属粉末(例えば、Ag粉末又はPd粉末など)を含む導電性ペーストが焼結されたものである。
続いて、第1の変形例に係る積層コイル部品1Aについて説明する。第1の変形例に係る積層コイル部品1Aは、図4に示されるように、素体10が絶縁体層A15をさらに有する点と、絶縁体層A14の表面に第1の内部導体20が配置されている点と、絶縁体層A14の表面に接続導体32及び引き出し導体30が配置されている点とが、積層コイル部品1と相違する。以下では、この相違点を中心に説明する。
絶縁体層A14上に位置する第1の内部導体20のうち第1の部分20aの一端(第1の内部導体20の一端)は、スルーホール導体26と接続されている。絶縁体層A14は、その厚さ方向に貫通するスルーホール導体22が設けられている。スルーホール導体22は、絶縁体層A14上に位置する第1の内部導体20のうち第5の部分20eの他端(第1の内部導体20の他端)と接続されている。
接続導体32は、絶縁体層A15の表面において、1/2ターンにて巻回されている。接続導体32は、第1〜第3の部分32a〜32cを有している。第1〜第3の部分32a〜32cは、この順に連結されている。接続導体32は、接続導体28と同様に、導電材(例えば、Ag又はPdなど)を含んでいる。接続導体32は、導電性金属粉末(例えば、Ag粉末又はPd粉末など)を含む導電性ペーストが焼結されたものである。
第1の部分32aは、図4に示されるように、絶縁体層A14上において、仮想矩形Tの角部c1から仮想直線X(仮想矩形Tの中心側)に向けて、斜めに延びている。第1の部分32aの一端は、仮想矩形Tの角部c1の近傍において、仮想矩形Tの内側で且つ仮想直線X上に位置している。第5の部分32aの他端は、仮想矩形Tの角部c1上に位置している。
第2の部分32bは、絶縁体層A15のうち側面10cをなす長辺に沿って延びている。具体的には、第2の部分32bは、図4に示されるように、絶縁体層A15上において、仮想矩形Tのうち長辺T1上に位置している。第2の部分32bの一端は、仮想矩形Tの角部c1上に位置している。第2の部分32bの他端は、仮想矩形Tの長辺T1と短辺T4とがなす角部c3上に位置している。
第3の部分32cは、絶縁体層A15のうち端面10eをなす短辺に沿って延びている。具体的には、第3の部分32cは、図4に示されるように、絶縁体層A15上において、仮想矩形Tのうち短辺T4上に位置している。第3の部分32cの一端は、仮想矩形Tの角部c3上に位置している。第3の部分32cの他端は、仮想矩形Tの角部c3,c4との間に位置しており、角部c3,c4には位置していない。具体的には、第3の部分32cの他端は、平面視にて仮想直線X上に位置している。第3の部分32cの一端(接続導体28の他端)は、引き出し導体30と接続されている。
続いて、第2の変形例に係る積層コイル部品1Bについて説明する。第2の変形例に係る積層コイル部品1Bでは、図5に示されるように、絶縁体層A12の表面に第2の内部導体24が配置されている点と、絶縁体層A13の表面に第1の内部導体20が配置されている点と、絶縁体層A14の表面に接続導体34が配置されている点とが、積層コイル部品1と相違する。以下では、この相違点を中心に説明する。
絶縁体層A12上に位置する第2の内部導体24のうち第1の部分24aの一端(第2の内部導体24の一端)は、スルーホール導体18と接続されている。絶縁体層A12上に位置する第2の内部導体のうち第5の部分24eの他端(第2の内部導体24の他端)は、スルーホール導体26と接続されている。
絶縁体層A13上に位置する第1の内部導体のうち第1の部分20aの一端(第1の内部導体20の一端)は、スルーホール導体22と接続されている。絶縁体層A13上に位置する第1の内部導体20のうち第5の部分20eの他端(第1の内部導体20の他端)は、スルーホール導体26と接続されている。
接続導体34は、絶縁体層A14の表面において、1/2ターンにて巻回されている。接続導体34は、接続導体28と同様に、導電材(例えば、Ag又はPdなど)を含んでいる。接続導体34は、導電性金属粉末(例えば、Ag粉末又はPd粉末など)を含む導電性ペーストが焼結されたものである。
接続導体34は、積層コイル部品1の接続導体28と鏡像対称の形状を呈し、第1〜第3の部分34a〜34cを有する。第1〜第3の部分34a〜34cは、この順に連結されている。第1の部分34aの一端は、スルーホール導体22と接続されている。第3の部分34cの他端は、引き出し導体30と接続されている。
続いて、第3の変形例に係る積層コイル部品1Cについて説明する。第3の変形例に係る積層コイル部品1Cでは、図6に示されるように、素体10が絶縁体層A15をさらに有する点と、絶縁体層A14の表面に第2の内部導体24が配置されている点と、絶縁体層A15の表面に接続導体36が配置されている点とが、第2の変形例に係る積層コイル部品1Bと相違する。以下では、この相違点を中心に説明する。
絶縁体層A14上に位置する第2の内部導体24のうち第1の部分24aの一端(第2の内部導体24の一端)は、スルーホール導体22と接続されている。絶縁体層A14は、その厚さ方向に貫通するスルーホール導体26が設けられている。スルーホール導体26は、絶縁体層A14上に位置する第2の内部導体24のうち第5の部分20eの他端(第2の内部導体24の他端)と接続されている。
接続導体36は、絶縁体層A15の表面において、1/2ターンにて巻回されている。接続導体36は、接続導体28と同様に、導電材(例えば、Ag又はPdなど)を含んでいる。接続導体36は、導電性金属粉末(例えば、Ag粉末又はPd粉末など)を含む導電性ペーストが焼結されたものである。
接続導体36は、第1変形例に係る積層コイル部品1Aの接続導体32と鏡像対称の形状を呈し、第1〜第3の部分36a〜36cを有する。第1〜第3の部分36a〜36cは、この順に連結されている。第1の部分36aの一端は、スルーホール導体26と接続されている。第3の部分36cの他端は、引き出し導体30と接続されている。
続いて、上記の積層コイル部品1,1A〜1Cの製造方法について説明する。まず、素体10の主成分であるフェライトにバインダ等を混合して、絶縁体層A10〜A15となる絶縁体スラリーを用意する。次に、導電性金属粉末にバインダ等を混合して、各導体16〜36となる第1の導電性ペーストを用意する。次に導電性金属粉末にガラスフリットやバインダ等を混合して、各外部電極12,14となる第2の導電性ペーストを用意する。
次に、絶縁体スラリーを、ドクターブレード法によって基材(例えば、PETフィルムなど)上に塗布して、絶縁体グリーンシートを形成する。次に、所定の絶縁体グリーンシートおけるスルーホール導体の形成予定位置に、レーザ加工によって貫通孔を形成する。次に、第1の導電性ペーストを貫通孔内に充填して、各スルーホール導体18,22,26となるスルーホール導体前駆体18A,20A,26Aを形成する。
次に、図7(a)に示されるように、絶縁体層A11となる絶縁体グリーンシートS1上に、第1の導電性ペーストを塗布して、引き出し導体16となる所定の導体パターン16Aを形成する。このとき、導体パターン16Aは、絶縁体グリーンシートS1に形成されたスルーホール導体前駆体18Aと接続される。図7(a)では、2つの導体パターン16Aが図面横方向に隣り合って並んでいるが、3つ以上の導体パターン16Aが図面横方向に隣り合って並んでいてもよいし、2つ以上の導体パターン16Aが図面縦方向に隣り合って並んでいてもよい。
次に、第1の内部導体20に対応するパターン溝形状と、第2の内部導体24に対応するパターン溝形状とを有する一つの製版(マスク)を用意する。次に、この製版を用いて、絶縁体グリーンシート上に第1の導電性ペーストを塗布して、第1の内部導体20となる所定の導体パターン20Aと、第2の内部導体24となる所定の導体パターン24Aとが絶縁体グリーンシート上において交互に位置するように、導体パターン20A,24Aを絶縁体グリーンシート上に形成する。これにより、図7(b)及び図7(c)に示されるように、互いに鏡像対称の形状を呈する導体パターン20A,24Aが形成された絶縁体グリーンシートS2,S3が複数得られる。
このとき、導体パターン20Aは、絶縁体グリーンシートS2,S3に形成されたスルーホール導体前駆体22Aと接続される。導体パターン24Aは、絶縁体グリーンシートS2,S3に形成されたスルーホール導体前駆体26Aと接続される。図7(b)及び図7(c)では、一対の導体パターン20A,24Aが図面横方向に隣り合うように位置しているが、図面横方向又は図面縦方向において導体パターン20A,24Aが交互に位置していてもよい。
次に、図7(d)に示されるように、絶縁体グリーンシートS4上に、接続導体28,34及び引き出し導体30となる所定の導体パターン28A,30A,34Aを形成する。導体パターン28A,34Aは、互いに鏡像対称の形状を呈する。図7(d)では、一対の導体パターン28A,34Aが図面横方向に隣り合うように位置しているが、図面横方向又は図面縦方向において導体パターン28A,34Aが交互に位置していてもよい。
また、図7(e)に示されるように、絶縁体グリーンシートS5上に、接続導体32,36及び引き出し導体30となる所定の導体パターン30A,32A,36Aを形成する。導体パターン32A,36Aは、互いに鏡像対称の形状を呈する。図7(e)では、一対の導体パターン32A,36Aが図面横方向に隣り合うように位置しているが、図面横方向又は図面縦方向において導体パターン32A,36Aが交互に位置していてもよい。
次に、導体パターンが形成された絶縁体グリーンシートを基材から剥がし、積層する。この際、図7(b)及び図7(c)に示されるように、導体パターン20Aと導体パターン24Aとが積層方向において重なるように、導体パターン20A,24Aが形成された隣り合う絶縁体グリーンシートS2,S3を水平方向にずらした状態で、絶縁体グリーンシートを積層する。またこの際、積層方向において複数の導体パターン20Aと複数の導体パターン24Aとが重なるように、絶縁体グリーンシートを複数積層してもよい。導体パターン20A,24Aが形成された絶縁体グリーンシートの積層数に応じて、接続導体28,34が形成された絶縁体グリーンシート(図7(d)参照)か、又は接続導体32,36が形成された絶縁体グリーンシート(図7(e)参照)が、さらに積層される。
次に、グリーン積層体を切断機で所定の大きさのチップに切断しグリーンチップを得る(切断工程)。得られたグリーンチップをバレル研磨し、グリーンチップの稜部を丸めてもよい。
次に、グリーンチップから、各部に含まれるバインダ樹脂を除去した後、このグリーンチップを焼成する。この焼成により、絶縁体グリーンシートが絶縁体層となると共に、絶縁体グリーンシート上に塗布された導電体ペーストや貫通孔内に充填された導電性ペーストがそれぞれ各導体となり、素体10が得られる。得られた素体10をバレル研磨し、素体10の稜部を丸めてもよい。
次に、素体10の端面10e,10fのそれぞれに対して第2の導電性ペーストを付与して、熱処理を施すことにより導電性ペーストを素体10に焼付けて、第1及び第2の外部電極12,14を形成する。導電性ペーストを焼き付けて形成した電極の上にめっきを施してもよい。金属めっきは、たとえば、NiとSnとで2層以上形成した多層構造としてもよい。
以上の工程により、積層コイル部品1,1A〜1Cが得られる。具体的には、図7において、絶縁体グリーンシートS1〜S4の順で積層された場合には、積層コイル部品1,1Bが同時に得られる。また、図7において、絶縁体グリーンシートS1〜S3,S2,S5の順で積層された場合には、積層コイル部品1A,1Cが同時に得られる。
なお、第1の導電性ペーストを貫通孔内に充填して各スルーホール導体18,22,26となるスルーホール導体前駆体18A,20A,26Aを形成する工程は、第1の導電性ペーストを塗布して各導体16,20,24,28,30となる所定の導体パターン16A,20A,24A,28A,30Aを形成する工程と同時に行われてもよい。
以上のような本実施形態では、第1及び第2の導体パターン20A,24Aが互いに鏡像対称の形状を呈している。また、第1の内部導体20の両端が平面視において仮想直線X上に位置しており、第2の内部導体24の両端が平面視において仮想直線X上に位置している。そのため、第1の内部導体20に対応するパターン溝形状と、第2の内部導体24に対応するパターン溝形状とを有する1つの製版を用いて、第1及び第2の内部導体パターン20A,24Aを形成することができる。具体的には、上記製版を用いて第1及び第2の導体パターンを絶縁体グリーンシートS2,S3に形成し、導体パターン20Aと導体パターン24Aとが重なるように絶縁体グリーンシートS2と絶縁体グリーンシートS3とをずらした状態で、絶縁体グリーンシートS2,S3をこの順に積層することにより、積層コイル部品1,1A〜1Cを得ることができる。その結果、コイルLを形成するための製版として一つの製版を用意すればよいため、製造コストを抑制することが可能となる。
本実施形態では、第1の内部導体20の第5の部分20eが、仮想矩形Tの角部c2から仮想直線X(仮想矩形Tの中心側)に向けて、斜めに延びている。第2の内部導体24の第5の部分24eが、仮想矩形Tの角部c1から仮想直線X(仮想矩形Tの中心側)に向けて、斜めに延びている。そのため、第1の内部導体20のうち第2の部分20bと第4の部分20dとが線対称形状でなく、第5の部分20eが第1の部分20aと平行に延びていると共に、第2の内部導体24のうち第2の部分24bと第4の部分24dとが線対称形状でなく、第5の部分24eが第1の部分24aと平行に延びているときと比較して、第1及び第2の内部導体20,24により形成される領域の面積が大きくなる。そのため、より多くの磁束を当該領域に通過させることができるので、製造された積層コイル部品1,1A〜1Cの特性向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、第1及び第2の内部導体20,24の両端が平面視において仮想直線X上に位置していれば、第1及び第2の内部導体20,24の各部分20a〜20d,24a〜24dは仮想矩形Tの各辺上に位置していなくてもよい。
上記の実施形態では、第5の部分20e,24eが仮想直線X(仮想矩形Tの中心側)に向けて斜めに延びていたが、第5の部分20e,24eの他端が仮想直線X上に位置していれば、第1及び第2の内部導体20,24が他の形状を呈していてもよい。例えば、図8に示されるように、第1の内部導体20が、第6の部分20fをさらに有していてもよい。この場合、第5の部分20eの一端は、仮想矩形Tの角部c2上に位置している。第5の部分20eの他端は、仮想矩形Tの角部c1と角部c2との間に位置しており、角部c1,c2には位置していない。第6の部分20fは、第5の部分20eの他端から仮想直線Xに向けて、第1の部分20aの一端から一定の間隔を有するように湾曲して延びている。図示は省略するが、同様に、第2の内部導体24が湾曲する第6の部分を有していてもよい。このようにすると、第1及び第2の内部導体20,24により形成される領域の面積を大きくしつつ、第1の部分20aと第6の部分20fとの間隔を保持することができる。そのため、積層コイル部品1,1A〜1Cの製造に際し、第1の部分20aと第6の部分20fとの間に絶縁体を良好に配置することができる。第1の部分20aと第6の部分20fとの間に絶縁体を配置する方法としては、絶縁体グリーンシート同士を圧着する方法や、第1の部分20aと第6の部分20fとの間に絶縁体ペーストをスクリーン印刷によって塗布した状態で絶縁体グリーンシート同士を圧着する方法を採用できる。このようにすると、第1の部分20aと第6の部分20fとの間に空隙等が生じ難くなるので、内部導体20の短絡や素体10のクラックの発生を抑制することができる。
1,1A〜1C…積層コイル部品、10…素体、10a,10b…主面、10c,10d…側面、10e,10f…端面、12,14…外部電極、16,30…引き出し導体、18,22,26…スルーホール導体、20,24…内部導体、28,32,34,36…接続導体、A10〜A15…絶縁体層、c1〜c4…角部、L…コイル、T…仮想矩形、T1,T2…長辺、T3,T4…短辺。

Claims (6)

  1. 絶縁材料により構成されると共に、互いに対向する第1及び第2の主面を有する素体と、
    前記素体内に配置された第1及び第2の内部導体により構成されるコイルと、
    前記素体の外表面に配置された第1及び第2の外部電極と、
    一端側が前記素体内において前記コイルの一端側と接続されると共に、他端側が前記第1の外部電極と接続された第1の引き出し導体と、
    一端側が前記素体内において前記コイルの他端側と接続されると共に、他端側が前記第2の外部電極と接続された第2の引き出し導体とを備え、
    前記第1の内部導体は、前記第1及び第2の主面の対向方向に直交する第1の仮想平面上において1ターンにて巻回されており、第1〜第3の部分を有し、
    前記第2の部分は、前記第1及び第2の主面の対向方向から見て仮想直線に関して線対称形状を呈しており、
    前記第1の部分は、一端が前記第2の部分の一端と接続されると共に、前記対向方向から見て他端が前記仮想直線上に位置しており、
    前記第3の部分は、一端が前記第2の部分の他端と接続されると共に、前記対向方向から見て他端が前記仮想直線上に位置しており、
    前記第1の部分の他端は、前記仮想直線上において前記第3の部分の他端とは離間しており、
    前記第2の内部導体は、前記対向方向に直交する第2の仮想平面上において1ターンにて巻回されており、前記第1の内部導体と鏡像対称の形状を呈すると共に、第4〜第6の部分を有し、
    前記第5の部分は、前記対向方向から見て仮想直線に関して線対称形状を呈しており、
    前記第4の部分は、一端が前記第5の部分の一端と接続されると共に、前記対向方向から見て他端が前記仮想直線上に位置しており、
    前記第6の部分は、一端が前記第5の部分の他端と接続されると共に、前記対向方向から見て他端が前記仮想直線上に位置しており、
    前記第4の部分の他端は、前記仮想直線上において前記第6の部分の他端とは離間すると共に前記対向方向から見て前記第3の部分の他端と重なり合っており、
    前記第6の部分の他端は、前記対向方向から見て前記第1の部分の他端と重なり合うと共に、前記対向方向に延びる接続導体によって前記第1の部分の他端と接続されており、
    前記第1及び第2の引き出し導体は、前記対向方向から見て、前記仮想直線上を延びるように前記素体の外表面に引き出されている、積層コイル部品。
  2. 前記第1の部分は、一対の第1及び第2の長辺と一対の第1及び第2の短辺とにより構成された仮想矩形のうち前記第1の短辺上を延びており、
    前記第2の部分は、前記第1の長辺、前記第2の短辺及び前記第2の長辺上を延びており、
    前記第3の部分は、前記仮想矩形の内側において、前記第2の長辺と前記第2の短辺とがなす第1の角部から前記仮想直線に向けて斜めに延びており、
    前記第4の部分は、前記仮想矩形の内側において、前記第1の長辺と前記第2の短辺とがなす第1の角部から前記仮想直線に向けて斜めに延びており、
    前記第5の部分は、前記第1の長辺、前記第2の短辺及び前記第2の長辺上を延びており、
    前記第6の部分は、前記第2の短辺上を延びている、請求項1に記載の積層コイル部品。
  3. 前記第1の部分は、一対の第1及び第2の長辺と一対の第1及び第2の短辺とにより構成された仮想矩形のうち前記第1の短辺上を延びており、
    前記第2の部分は、前記第1の長辺、前記第2の短辺及び前記第2の長辺上を延びており、
    前記第3の部分は、前記仮想矩形の内側に位置すると共に、前記第1の部分における前記仮想直線側の端部から一定の間隔を保持するように湾曲する部分を有しており、
    前記第4の部分は、前記仮想矩形の内側に位置すると共に、前記第6の部分における前記仮想直線側の端部から一定の間隔を保持するように湾曲する部分を有しており、
    前記第5の部分は、前記第1の長辺、前記第2の短辺及び前記第2の長辺上を延びており、
    前記第6の部分は、前記第2の短辺上を延びている、請求項1に記載の積層コイル部品。
  4. それぞれ1ターンにて巻回されると共に互いに鏡像対称の形状を呈する第1及び第2の内部導体パターンを、第1の絶縁体グリーンシート上に形成する第1の工程と、
    前記第1及び前記第2の内部導体パターンを、第2の絶縁体グリーンシート上に形成する第2の工程と、
    前記第1及び第2の絶縁体グリーンシートを積層する第3の工程とを含み、
    前記第1及び第2の工程では、
    第1〜第3の部分を有する前記第1の内部導体パターンであって、
    前記第2の部分は、平面視において仮想直線に関して線対称形状を呈しており、
    前記第1の部分は、一端が前記第2の部分の一端と接続されると共に、平面視において他端が前記仮想直線上に位置しており、
    前記第3の部分は、一端が前記第2の部分の他端と接続されると共に、平面視において他端が前記仮想直線上に位置しており、
    前記第1の部分の他端は、前記仮想直線上において前記第3の部分の他端とは離間している、前記第1の内部導体パターンを形成し、
    第4〜第6の部分を有する前記第2の内部導体パターンであって、
    前記第5の部分は、平面視において仮想直線に関して線対称形状を呈しており、
    前記第4の部分は、一端が前記第5の部分の一端と接続されると共に、平面視において他端が前記仮想直線上に位置しており、
    前記第6の部分は、一端が前記第5の部分の他端と接続されると共に、平面視において他端が前記仮想直線上に位置しており、
    前記第4の部分の他端は、前記仮想直線上において前記第6の部分の他端とは離間している、前記第2の内部導体パターンを形成し、
    前記第3の工程では、前記第2の絶縁体グリーンシート上の前記第4の部分の他端が平面視において前記第1の絶縁体グリーンシート上の前記第3の部分の他端と重なり合うと共に、前記第2の絶縁体グリーンシート上の第6の部分の他端が平面視において前記第1の絶縁体グリーンシート上の前記第1の部分の他端と重なり合うように、前記第1及び第2の絶縁体グリーンシートをこの順に積層する、積層コイル部品の製造方法。
  5. 前記第1の部分は、一対の第1及び第2の長辺と一対の第1及び第2の短辺とにより構成された仮想矩形のうち前記第1の短辺上を延びており、
    前記第2の部分は、前記第1の長辺、前記第2の短辺及び前記第2の長辺上を延びており、
    前記第3の部分は、前記仮想矩形の内側において、前記第2の長辺と前記第2の短辺とがなす第1の角部から前記仮想直線に向けて斜めに延びており、
    前記第4の部分は、前記仮想矩形の内側において、前記第1の長辺と前記第2の短辺とがなす第1の角部から前記仮想直線に向けて斜めに延びており、
    前記第5の部分は、前記第1の長辺、前記第2の短辺及び前記第2の長辺上を延びており、
    前記第6の部分は、前記第2の短辺上を延びている、請求項4に記載の積層コイル部品の製造方法。
  6. 前記第1の部分は、一対の第1及び第2の長辺と一対の第1及び第2の短辺とにより構成された閉じた矩形状の仮想矩形のうち前記第1の短辺上を延びており、
    前記第2の部分は、前記第1の長辺、前記第2の短辺及び前記第2の長辺上を延びており、
    前記第3の部分は、前記仮想矩形の内側に位置すると共に、前記第1の部分における前記仮想直線側の端部から一定の間隔を保持するように湾曲する部分を有しており、
    前記第4の部分は、前記仮想矩形の内側に位置すると共に、前記第6の部分における前記仮想直線側の端部から一定の間隔を保持するように湾曲する部分を有しており、
    前記第5の部分は、前記第1の長辺、前記第2の短辺及び前記第2の長辺上を延びており、
    前記第6の部分は、前記第2の短辺上を延びている、請求項4に記載の積層コイル部品の製造方法。
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