1つまたは複数の特定の実施形態について以下で説明する。これらの実施形態についての簡潔な説明を提供することを目指し、本明細書では、実際の実施の特徴をすべて説明するとは限らない。いずれの工学または設計プロジェクトとも同様に、そうしたどのような実際の実施の開発においても、1つの実施と別の実施とでは変わり得るシステム関連およびビジネス関連の制約の順守など、開発者に固有の目標を達成するために、数々の実施固有の決定を下さなければならないことを理解されたい。さらに、そのような開発上の取り組みは、複雑で時間のかかるものであり得るが、それにも係わらず、本開示から利益を得る当業者にとっては、設計、製作、および製造において常に発生する仕事であることを理解されたい。
本発明の様々な実施形態の要素を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said」は、要素が1つまたは複数存在することを意味することが意図されている。「comprising(含む)」、「including(含む)」、および「having(有する)」という語は、包含的であり、列挙された要素以外の追加の要素も存在し得ることを意味することが意図されている。
本開示の実施形態は、非破壊試験(NDT)または検査システムを含む、様々な検査および試験技法に適用することができる。NDTシステムでは、ボアスコープ検査、溶接検査、遠隔目視検査、x線検査、超音波検査、および渦流探傷検査などの、いくつかの技法を使用して、腐食、機器の摩耗および断裂、亀裂、ならびに漏出などを含むが、それらに限定されない、様々な状態を解析し、検出することができる。本明細書で説明される技法は、ボアスコープ検査、遠隔目視検査、x線検査、超音波検査、および/または渦流探傷検査に適した、データ収集、データ解析、検査/試験プロセス、およびNDT共同技法の強化を可能にする、改良されたNDTシステムを提供する。
本明細書で説明される改良されたNDTシステムは、検査機器を、タブレット、スマートフォン、および拡張現実感メガネなどの、モバイルデバイスに、ノートブック、ラップトップ、ワークステーション、パーソナルコンピュータなどの、コンピューティングデバイスに、ならびにクラウドベースのNDTエコシステム、クラウドアナリティクス(cloud analytics)、クラウドベースの共同およびワークフローシステム、分散コンピューティングシステム、エキスパートシステムおよび/またはナレッジベースシステムなどの、「クラウド」コンピューティングシステムに通信可能に結合するのに適した無線コンジットを使用する、検査機器を含むことができる。実際に、本明細書で説明する技法は、強化されたNDTデータ収集、解析、およびデータ分配を提供することができ、したがって、望ましくない状態の検出を改善し、保守活動を強化し、設備および機器の投資利益率(ROI:return on investment)を高める。
一実施形態では、タブレットを、ニューヨーク州スケネクタディのGeneral Electric,Co.から入手可能なMENTOR(商標)NDT検査デバイスなどの、NDT検査デバイス(例えば、ボアスコープ、可搬パン−チルト−ズームカメラ、渦流探傷デバイス、x線検査デバイス、超音波検査デバイス)に通信可能に結合することができ、例えば、強化されたワイヤレスディスプレイ機能、遠隔制御、データアナリティクス、および/またはNDT検査デバイスへのデータ伝達を提供するために使用することができる。他のモバイルデバイスも使用することができるが、タブレットが、より大きくより解像度の高いディスプレイ、より強力な処理コア、より大容量のメモリ、および改善されたバッテリ寿命を提供できる限り、タブレットを使用するのが適当である。したがって、タブレットは、改善されたデータの視覚化を提供すること、検査デバイスの操作制御を改善すること、ならびに共同シェアリングを複数の外部システムおよびエンティティに拡張することなど、ある種の課題に対処することができる。
上述のことに留意したうえで、本開示は、NDTシステムから獲得したデータの共有、ならびに/またはNDTシステム内のアプリケーションおよび/もしくはデバイスの制御について扱う。一般に、NDTシステムから生成されたデータは、本明細書で開示される技法を使用して、様々な人々および人々のグループに自動的に分配することができる。さらに、NDTシステム内のデバイスを監視および/または制御するために使用されるアプリケーションによって表示される内容を、個人の間で共有して、NDTシステム内のデバイスを監視および制御するための仮想共同環境を生成することができる。
導入として、ここで図1を参照すると、この図は、分散NDTシステム10の一実施形態のブロック図である。示された実施形態では、分散NDTシステム10は、1つまたは複数のNDT検査デバイス12を含むことができる。NDT検査デバイス12は、少なくとも2つのカテゴリに分類することができる。図1に示される1つのカテゴリでは、NDT検査デバイス12は、様々な機器および環境を視覚的に検査するのに適したデバイスを含むことができる。以下の図2に関してより詳細に説明される別のカテゴリでは、NDTデバイス12は、x線検査モダリティ(modality)、渦流探傷検査モダリティ、および/または超音波検査モダリティなど、視覚的検査モダリティに代わるものを提供するデバイスを含むことができる。
図1に示される第1の例示的なカテゴリでは、NDT検査デバイス12は、1つまたは複数のプロセッサ15およびメモリ17を有するボアスコープ14と、1つまたは複数のプロセッサ19およびメモリ21を有する可搬パン−チルト−ズーム(PTZ)カメラ16とを含むことができる。視覚的検査デバイスのこの第1のカテゴリでは、ボアスコープ14およびPTZカメラ16を使用して、例えば、ターボ機械18、および設備またはサイト20を検査することができる。示されるように、ボアスコープ14およびPTZカメラ16は、やはり1つまたは複数のプロセッサ23およびメモリ25を有するモバイルデバイス22に通信可能に結合することができる。モバイルデバイス22は、例えば、タブレット、セルフォン(例えばスマートフォン)、ノートブック、ラップトップ、または他の任意のモバイルコンピューティングデバイスを含むことができる。しかし、タブレットが、画面サイズ、重量、コンピューティング能力、およびバッテリ寿命の間の良好なバランスを提供する限り、タブレットを使用するのが適当である。したがって、一実施形態では、モバイルデバイス22は、タッチスクリーン入力を提供する、上で言及したタブレットとすることができる。モバイルデバイス22は、様々な無線または有線コンジットを介して、ボアスコープ14および/またはPTZカメラ16などの、NDT検査デバイス12に通信可能に結合することができる。例えば、無線コンジットは、WiFi(例えば、電気電子技術者協会[IEEE]802.11X)、セルラコンジット(例えば、高速パケットアクセス[HSPA]、HSPA+、ロングタームエボリューション[LTE]、WiMax)、近距離無線通信(NFC)、Bluetooth(登録商標)、およびパーソナルエリアネットワーク(PAN)などを含むことができる。無線コンジットは、TCP/IP、UDP、SCTP、およびソケットレイヤなどの、様々な通信プロトコルを使用することができる。いくつかの実施形態では、無線または有線コンジットは、セキュアソケットレイヤ(SSL)、仮想プライベートネットワーク(VPN)レイヤ、暗号化レイヤ、チャレンジ鍵認証レイヤ、およびトークン認証レイヤなどの、セキュアなレイヤを含むことができる。有線コンジットは、独自仕様ケーブリング、RJ45ケーブリング、同軸ケーブル、および光ファイバケーブルなどを含むことができる。
加えて、または代替として、モバイルデバイス22は、「クラウド」24を介して、ボアスコープ14および/またはPTZカメラ16などの、NDT検査デバイス12と通信可能に結合することができる。実際に、モバイルデバイス22は、HTTP、HTTPS、TCP/IP、サービス指向アーキテクチャ(SOA)プロトコル(例えば、シンプルオブジェクトアクセスプロトコル[SOAP]、ウェブサービス記述言語(WSDL))を含むが、それらに限定されない、クラウド24コンピューティングおよび通信技法(例えばクラウドコンピューティングネットワーク)を使用して、検査が行われる物理的ロケーションから遠く離れた地理的ロケーションを含む、任意の地理的ロケーションからNDT検査デバイス12とインタフェースを取ることができる。さらに、一実施形態では、モバイルデバイス22は、「ホットスポット」機能を提供することができ、それによって、モバイルデバイス22は、NDT検査デバイス12を、コンピューティングシステム29(例えば、コンピュータ、ラップトップ、仮想マシン[VM]、デスクトップ、ワークステーション)などの、クラウド24内の他のシステムまたはクラウド24に接続された他のシステムに接続するのに適した、ワイヤレスアクセスポイント(WAP)機能を提供することができる。したがって、マルチパーティワークフロー、データ収集、およびデータ解析を提供することによって、共同を強化することができる。
例えば、ボアスコープオペレータ26は、1つのロケーションにおいて、ボアスコープ14を物理的に操作することができ、一方、モバイルデバイスオペレータ28は、第2のロケーションにおいて、モバイルデバイス22を使用し、遠隔制御技法を用いて、ボアスコープ14とインタフェースを取り、物理的に操作することができる。第2のロケーションは、第1のロケーションのすぐ近くでもよく、または第1のロケーションから地理的に遠くてもよい。同様に、カメラオペレータ30は、第3のロケーションにおいて、PTZカメラ16を物理的に操作することができ、モバイルデバイスオペレータ28は、第4のロケーションにおいて、モバイルデバイス22を使用することによって、PTZカメラ16を遠隔制御することができる。第4のロケーションは、第3のロケーションのすぐ近くでもよく、または第3のロケーションから地理的に遠くてもよい。オペレータ26および30によって実行されるありとあらゆる制御アクションは、さらにオペレータ28によっても、モバイルデバイス22を用いて実行することができる。加えて、ボイスオーバIP(VOIP)、仮想ホワイトボーディング、およびテキストメッセージなどの技法を用いて、デバイス14、16、22を使用することによって、オペレータ28は、オペレータ26および/または30と通信することができる。オペレータ28、オペレータ26、およびオペレータ30の間にリモート共同技法を提供することによって、本明細書で説明される技法は、強化されたワークフローを提供し、リソース効率を高めることができる。実際に、非破壊試験プロセスは、クラウド24の、モバイルデバイス22、NDT検査デバイス12、およびクラウド24に結合された外部システムとの通信結合を利用することができる。
操作の1つのモードでは、例えば、より大画面のディスプレイ、より強力なデータ処理のほかに、以下でより詳細に説明されるような、モバイルデバイス22によって提供される様々なインタフェース技法を利用するために、ボアスコープオペレータ26および/またはカメラオペレータ30が、モバイルデバイス22を操作することができる。実際に、デバイス14および16と同時に、または相前後して、それぞれのオペレータ26および30が、モバイルデバイス22を操作することができる。この強化された柔軟性は、人的資源を含むリソースのより良い利用、および改善された検査結果を提供する。
オペレータ28、26、および/または30の誰によって制御されるかに係わらず、ボアスコープ14および/またはPTZカメラ16を使用して、多種多様な機器および設備を視覚的に検査することができる。例えば、ボアスコープ14をターボ機械18の複数のボアスコープポートおよび他の場所に挿入して、ターボ機械18の数々の構成要素を照明し、視覚的な観察結果を提供することができる。示される実施形態では、ターボ機械18は、炭素質燃料を機械力に変換するのに適したガスタービンとして示されている。しかし、コンプレッサ、ポンプ、ターボエキスパンダ、風力タービン、ハイドロタービン、産業機器、および/または住宅機器を含む、他の機器タイプも検査することができる。ターボ機械18(例えばガスタービン)は、本明細書で説明されるNDT検査デバイス12によって検査できる、様々な構成要素を含むことができる。
上述のことに留意すれば、本明細書で開示される実施形態を使用することによって検査され得る、いくつかのターボ機械18構成要素について説明することが役に立ち得る。例えば、図1に示されるターボ機械18のいくつかの構成要素は、腐食、浸食、亀裂、漏出、および溶接検査などのために検査することができる。ターボ機械18などの機械システムは、運転状態中に機械的応力および熱応力を経験し、そのため、いくつかの構成要素の定期的な検査が必要になり得る。ターボ機械18の運転中、天然ガスまたは合成ガスなどの燃料をターボ機械18に送り、1つまたは複数の燃料ノズル32を通して、燃焼器36に入れることができる。空気を、吸気部38を通してターボ機械18に入れることができ、コンプレッサ34によって圧縮することができる。コンプレッサ34は、空気を圧縮する一連のステージ40、42、44を含むことができる。各ステージは、固定ベーン46と圧力を漸進的に高めて圧縮空気を提供するために回転するブレード48とからなる組を1つまたは複数含むことができる。ブレード48は、シャフト52に接続された回転ホイール50に取り付けることができる。コンプレッサ34からの圧縮された放出空気は、ディフューザ部56を通ってコンプレッサ34から出て行くことができ、燃焼器36に送って、燃料と混合することができる。例えば、燃料ノズル32は、最適な燃焼、排気、燃料消費、および出力に適した割合で、燃料と空気の混合物を燃焼器36に注入することができる。いくつかの実施形態では、ターボ機械18は、環状配置をとって並べられた複数の燃焼器36を含むことができる。各燃焼器36は、高温の燃焼ガスをタービン54に送ることができる。
示されるように、タービン54は、ケーシング76によって囲われた、3つの別々のステージ60、62、64を含む。各ステージ60、62、64は、シャフト74に取り付けられたロータホイール68、70、72にそれぞれ結合された、1組のブレードまたはバケット66を含む。高温の燃焼ガスがタービンブレード66の回転を引き起こすと、シャフト74が回転して、コンプレッサ34、および発電機などの他の任意の適切な負荷を駆動する。最終的に、ターボ機械18は、燃焼ガスを排気部80を通して放散および排出する。ノズル32、吸気38、コンプレッサ34、ベーン46、ブレード48、ホイール50、シャフト52、ディフューザ56、ステージ60、62、64、ブレード66、シャフト74、ケーシング76、および排気80などの、タービン構成要素は、NDT検査デバイス12などの、開示される実施形態を使用して、前記構成要素を検査し、保守することができる。
加えて、または代替として、PTZカメラ16は、ターボ機械18の周囲または内部の様々な場所に配置し、これらの場所の視覚的な観察結果を獲得するために使用することができる。加えて、PTZカメラ16は、所望の場所を照明するための1つまたは複数のライトを含むことができ、図4に関して以下でさらに詳細に説明される、様々な到達困難なエリアの周囲において観察結果を得るのに役立つズーム、パン、およびチルト技法をさらに含むことができる。加えて、ボアスコープ14および/またはカメラ16は、石油およびガス設備20などの、設備20を検査するために使用することができる。石油およびガス機器84などの様々な機器は、ボアスコープ14および/またはPTZカメラ16を使用することによって、視覚的に検査することができる。都合が良いことに、モバイルデバイス22を使用し、ボアスコープ14および/またはPTZカメラ16を用いることによって、パイプまたは管の内部などの場所86、水中(または液中)の場所88、および湾曲または屈曲を有する場所90などの観察困難な場所を視覚的に検査することができる。したがって、モバイルデバイスオペレータ28は、機器18、84および場所86、88、90をより安全かつ効率的に検査することができ、検査エリアから地理的に遠く離れたロケーションとリアルタイムまたは準リアルタイムで観察結果を共有することができる。ファイバスコープ(例えば、連接式ファイバスコープ、非連接式ファイバスコープ)、ならびにパイプインスペクタロボットおよびクローラロボットを含む遠隔操作ビークル(ROV:remotely operated vehicle)などの、他のNDT検査デバイス12も、本明細書で説明される実施形態を使用できることを理解されたい。
ここで図2を参照すると、この図は、視覚的検査データに代わる検査データを提供でき得る、NDT検査デバイス12の第2のカテゴリを示す、分散NDTシステム10の一実施形態のブロック図である。例えば、NDT検査デバイス12の第2のカテゴリは、渦流探傷検査デバイス92、超音波探傷器94などの超音波検査デバイス、およびデジタルx線撮影デバイス96などのx線検査デバイスを含むことができる。渦流探傷検査デバイス92は、1つまたは複数のプロセッサ93およびメモリ95を含むことができる。同様に、超音波探傷器94は、1つまたは複数のプロセッサ97およびメモリ99を含むことができる。同様に、デジタルx線撮影デバイス96は、1つまたは複数のプロセッサ101およびメモリ103を含むことができる。操作において、渦流探傷検査デバイス92は、渦流探傷オペレータ98が操作することができ、超音波探傷器94は、超音波デバイスオペレータ100が操作することができ、デジタルx線撮影デバイス96は、x線撮影オペレータ102が操作することができる。
示されるように、渦流探傷検査デバイス92、超音波探傷器94、およびデジタルx線撮影検査デバイス96は、図1に関して上で言及されたコンジットを含む有線または無線コンジットを使用することによって、モバイルデバイス22と通信可能に結合することができる。加えて、または代替として、デバイス92、94、96は、クラウド24を使用することによって、モバイルデバイス22に結合することができ、例えば、ボアスコープ14は、セルラ「ホットスポット」に接続し、ホットスポットを使用して、ボアスコープ検査および解析に関する1人または複数人の専門家に接続することができる。したがって、モバイルデバイスオペレータ28は、モバイルデバイス22を使用することによって、デバイス92、94、96の操作の様々な面を遠隔制御することができ、本明細書でさらに詳細に説明するように、音声(例えばボイスオーバIP[VOIP])、データシェアリング(例えばホワイトボーディング)を通して、またデータアナリティクスおよび専門家サポートなどを提供して、オペレータ98、100、102と共同することができる。
したがって、航空機システム104および設備106など、様々な機器の視覚的観察を、x線観察モダリティ、超音波観察モダリティ、および/または渦流探傷観察モダリティを用いて強化することが可能なことがある。例えば、パイプ108の内部および壁は、腐食または浸食がないかどうか検査することができる。同様に、デバイス92、94、および/または96を使用することによって、パイプ108の内部の障害物または望ましくない成長物を検出することができる。同様に、何らかの鉄または非鉄材料112の内部に生じた割れ目または亀裂110を観察することができる。加えて、構成要素116の内部に挿入された部品114の配置および生存度(viability)を検証することができる。実際に、本明細書で説明される技法を使用することによって、機器および構成要素104、108、112、116の改善された検査を提供することができる。例えば、モバイルデバイス22を使用して、デバイス14、16、92、94、96とインタフェースを取り、それらの遠隔制御を行うことができる。
図3は、モバイルデバイス22およびクラウド24に結合されたボアスコープ14の前面図である。したがって、ボアスコープ14は、クラウド24に接続された、またはクラウド24内の、任意の数のデバイスにデータを提供することができる。上で言及したように、モバイルデバイス22を使用して、ボアスコープ14からデータを受け取ること、ボアスコープ14を遠隔制御すること、またはそれらの組み合わせを行うことができる。実際に、本明細書で説明される技法は、例えば、画像、ビデオ、ならびに温度、圧力、流量、間隔(例えば、固定構成要素と回転構成要素の間の寸法)、および距離測定値などのセンサ測定値を含むが、それらに限定されない、様々なデータを、ボアスコープ14からモバイルデバイス22に伝達することを可能にする。同様に、モバイルデバイス22は、以下でより詳細に説明するように、制御命令、再プログラミング命令、および構成命令などを伝達することができる。
示されるように、ボアスコープ14は、ターボ機械18、機器84、パイプまたは管86、水中の場所88、湾曲または屈曲90の内部など、様々な場所に挿入するのに適した挿入チューブ118を含み、航空機システム104の内部または外部、およびパイプ108の内部などで場所を変化させる。挿入チューブ118は、ヘッドエンド部120と、連接部122と、管部124とを含むことができる。示される実施形態では、ヘッドエンド部120は、カメラ126と、1つまたは複数のライト128(例えばLED)と、センサ130とを含むことができる。上で言及したように、ボアスコープのカメラ126は、検査に適した画像およびビデオを提供することができる。ライト128は、ヘッドエンド120が光の少ないまたは光のない場所に配置された場合に、照明を行うために使用することができる。
使用中、連接部122は、例えば、モバイルデバイス22、および/またはボアスコープ14上に配置された物理的なジョイスティック131によって制御することができる。連接部122は、様々な次元に向きを変えること、または「屈曲」することができる。例えば、連接部122は、示されたXYZ軸133のなすX−Y平面、X−Z平面、および/またはY−Z平面内におけるヘッドエンド120の運動を可能にすることができる。実際に、物理的なジョイスティック131および/またはモバイルデバイス22はともに、角度αで示されるような様々な角度でヘッドエンド120を配置するのに適した制御アクションを提供するために、単独で、または組み合わせて使用することができる。このようにして、ボアスコープヘッドエンド120は、所望の場所を視覚的に検査するように配置することができる。その後、カメラ126は、例えば、ボアスコープ14の画面135およびモバイルデバイス22の画面137に表示でき、ボアスコープ14および/またはモバイルデバイス22によって記録できる、ビデオ134をキャプチャすることができる。一実施形態では、画面135、137は、キャパシタンス法、抵抗法、および赤外線グリッド法などを使用して、タッチペンおよび/または1本もしくは複数本の人の指の接触を検出する、マルチタッチスクリーンとすることができる。加えて、または代替として、画像およびビデオ134は、クラウド24に送信することができる。
加えて、センサ130データを含むが、それに限定されない、他のデータも、ボアスコープ14によって伝達および/または記録することができる。センサ130データは、温度データ、距離データ、間隔データ(例えば、回転構成要素と固定構成要素の間の距離)、および流量データなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、ボアスコープ14は、複数の交換用チップ136を含むことができる。例えば、交換用チップ136は、スネア(snare)、磁石チップ、およびグリッパチップなどの、回収用チップを含むことができる。加えて、交換用チップ136は、ワイヤブラシおよびワイヤカッタなどの、清掃および障害物除去ツールを含むことができる。加えて、チップ136は、焦点距離、立体映像、3次元(3D)位相表示(phase view)、および影表示(shadow view)など、異なる光学特性を有するチップを含むことができる。加えて、または代替として、ヘッドエンド120は、取り外し可能および交換可能なヘッドエンド120を含むことができる。したがって、様々な直径の複数のヘッドエンド120を提供することができ、約1ミリメータから10ミリメータ以上の開口を有する多くの場所に、挿入チューブ118を配置することができる。実際に、多種多様な機器および設備を検査することができ、モバイルデバイス22および/またはクラウド24を介してデータを共有することができる。
図4は、モバイルデバイス22およびクラウド24に通信可能に結合された、可搬PTZカメラ16の一実施形態の斜視図である。上で言及したように、モバイルデバイス22および/またはクラウド24は、所望の機器および場所を見られるように、PTZカメラ16を遠隔操作して、PTZカメラ16を位置付けることができる。示される例では、PTZカメラ16は、首を上下に振ること、およびY軸の周りを回転することができる。例えば、PTZカメラ16は、Y軸の周りを、約0°から180°、0°から270°、0°から360°、またはより広角度の間の角度βだけ回転することができる。同様に、PTZカメラ16は、例えば、Y−X平面内で、Y軸に対して、約0°から100°、0°から120°、0°から150°、またはより広角度の角度γだけ首を上下に振ることができる。同様に、ライト138も、例えば、オンまたはオフにするため、および照明のレベル(例えばルクス)を所望の値まで上げるまたは下げるために制御することができる。ある物体までの距離を測定するのに適した、レーザ測距器などのセンサ140も、PTZカメラ16に取り付けることができる。長距離温度センサ(例えば赤外線温度センサ)、圧力センサ、流量センサ、および間隔センサなどを含む、他のセンサ140も使用することができる。
PTZカメラ16は、例えば、シャフト142を使用することによって、所望のロケーションまで運搬することができる。シャフト142は、カメラオペレータ30が、カメラを動かすこと、ならびに例えば、場所86、108の内部、水中88、および危険な(例えば危険物)場所内に、カメラを配置することを可能にする。加えて、シャフト142は、シャフト142を恒久的または半恒久的な架台上に取り付けることによって、PTZカメラ16をより恒久的に固定するために使用することができる。このようにして、PTZカメラ16は、所望の場所に運搬および/または固定することができる。その後、PTZカメラ16は、例えば、ワイヤレス技法を使用することによって、画像データ、ビデオデータ、およびセンサ140データなどを、モバイルデバイス22および/またはクラウド24に送信することができる。したがって、PTZカメラ16から受け取ったデータは、遠隔で解析することができ、所望の機器および設備の運転の状態および適切性を決定するために使用することができる。実際に、本明細書で説明される技法は、図5に関して以下でより詳細に説明するように、上述のデバイス12、14、16、22、92、94、96、およびクラウド24を使用することによって、計画、検査、解析、および/または様々なデータの共有に適した、総合的な検査および保守プロセスを提供することができる。
図5は、上述のデバイス12、14、16、22、92、94、96、およびクラウド24を使用することによって、計画、検査、解析、および/または様々なデータの共有を行うのに適したプロセス150の一実施形態のフローチャートである。実際に、本明細書で説明される技法は、デバイス12、14、16、22、92、94、96を使用して、示されたプロセス150などのプロセスが、様々な機器をより効率的にサポートし、保守することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、プロセス150またはプロセス150の一部は、非一時的なコンピュータ可読媒体内に含まれること、メモリ17、21、25、95、99、103などのメモリ内に記憶すること、およびプロセッサ15、19、23、93、97、101などの1つまたは複数のプロセッサによって実行可能であることができる。
一例では、プロセス150は、検査および保守活動の計画を立てることができる(ブロック152)。ターボ機械18の一群(fleet)から獲得される一群データなど、デバイス12、14、16、22、42、44、46、およびその他を使用することによって獲得されるデータ、機器ユーザ(例えば、航空機104のサービス会社)および/または機器製造業者から獲得されるデータを使用して、保守および検査活動、機械のためのより効率的な検査スケジュールを計画すること(ブロック152)、より詳細な検査のためにいくつかのエリアにフラグを立てることなどができる。その後、プロセス150は、所望の設備および機器(例えばターボ機械18)に対するシングルモードまたはマルチモード検査の使用を可能にすることができる(ブロック154)。上で言及したように、検査(ブロック154)は、NDT検査デバイス12(例えば、ボアスコープ14、PTZカメラ16、渦流探傷検査デバイス92、超音波探傷器94、デジタルx線撮影デバイス96など)のいずれか1つまたは複数を使用することができ、したがって、検査の1つまたは複数のモード(例えば、視覚、超音波、渦流、x線)を提供する。示される実施形態では、モバイルデバイス22を使用して、とりわけ、NDT検査デバイス12を遠隔制御すること、NDT検査デバイス12によって伝達されたデータを解析すること、本明細書でより詳細に説明されるような、NDT検査デバイス12には含まれない追加の機能を提供すること、NDT検査デバイス12からのデータを記録すること、および例えば、メニュードリブン検査(MDI)技法を使用することによって、検査(ブロック154)を誘導することができる。
その後、例えば、NDTデバイス12を使用することによって、検査データをクラウド24に送信することによって、モバイルデバイス22を使用することによって、またはそれらの組み合わせによって、検査(ブロック154)の結果を解析することができる(ブロック156)。解析は、設備および/または機器の残存寿命、摩耗および断裂、腐食、ならびに浸食などを判断するのに役立つ工学解析を含むことができる。加えて、解析は、より効率的な部品交換スケジュール、保守スケジュール、機器利用スケジュール、人員使用スケジュール、および新規検査スケジュールなどを提供するために使用される、オペレーションズリサーチ(OR)解析を含むことができる。その後、解析(ブロック156)を報告することができ(ブロック158)、実行された検査および解析ならびに獲得された結果を詳述する、クラウド24内で生成される報告書またはクラウド24によって使用される報告書を含む、1つまたは複数の報告書159がもたらされる。その後、例えば、クラウド24、モバイルデバイス22、およびワークフロー共有技法などの他の技法を使用することによって、報告書159を共有することができる(ブロック160)。一実施形態では、プロセス150は、繰り返すことができ、したがって、プロセス150は、報告書159の共有(ブロック160)の後、計画(ブロック152)に戻って繰り返すことができる。本明細書で説明されるデバイス(例えば、12、14、16、22、92、94、96)を使用して、計画、検査、解析、およびデータの共有を行う際に役立つ実施形態を提供することによって、本明細書で説明される技法は、設備20、106および機器18、104のより効率的な検査および保守を可能にすることができる。実際に、図6に関して以下で詳細に説明するように、複数のカテゴリのデータの転送を可能にすることができる。
図6は、NDT検査デバイス12(例えば、デバイス14、16、92、94、96)から発生し、モバイルデバイス22および/またはクラウド24に送信される、様々なデータカテゴリのフローの一実施形態を示すデータフロー図である。上で言及したように、NDT検査デバイス12は、無線コンジット162を使用して、データを送信することができる。一実施形態では、無線コンジット162は、WiFi(例えば802.11X)、セルラコンジット(例えば、HSPA、HSPA+、LTE、WiMax)、NFC、Bluetooth(登録商標)、およびPANなどを含むことができる。無線コンジット162は、TCP/IP、UDP、SCTP、およびソケットレイヤなど、様々な通信プロトコルを使用することができる。いくつかの実施形態では、無線コンジット162は、SSL、VPNレイヤ、暗号化レイヤ、チャレンジ鍵認証レイヤ、およびトークン認証レイヤなどの、セキュアなレイヤを含むことができる。したがって、認可データ164を使用して、NDT検査デバイス12をモバイルデバイス22および/もしくはクラウド24とペアにするのに、または他の方法でNDT検査デバイス12をモバイルデバイス22および/もしくはクラウド24に対して認証するのに適した、任意の数の認証またはログイン情報を提供することができる。加えて、無線コンジット162は、例えば、現在利用可能な帯域幅および待ち時間に応じて、動的にデータを圧縮することができる。その場合、モバイルデバイス22は、データを伸張し、表示することができる。圧縮/伸張技法は、H.261、H.263、H.264、ムービングピクチャエキスパートグループ(MPEG)、MPEG−1、MPEG−2、MPEG−3、MPEG−4、およびDivXなどを含むことができる。
ある種のモダリティ(例えば視覚モダリティ)では、画像およびビデオは、NDT検査デバイス12のあるものを使用することによって伝達することができる。他のモダリティも、それぞれの画面に関連する、またはそれぞれの画面内に含まれる、ビデオおよびセンサデータなどを送信することができる。NDT検査デバイス12は、画像をキャプチャするのに加えて、何らかのデータを画像上にオーバレイして、より情報が豊かな表示をもたらすことができる。例えば、オペレータ26を誘導して、ボアスコープカメラ126をより正確に位置付けるために、ボアスコープチップマップをビデオ上にオーバレイして、挿入中のボアスコープチップの配置の近似を示すことができる。オーバレイチップマップは、4つの象限を有するグリッドを含むことができ、チップ136の配置は、4つの象限の内部のいずれかの部分または位置に点として表示することができる。以下でより詳細に説明するように、測定値オーバレイ、メニューオーバレイ、注釈オーバレイ、および物体識別オーバレイを含む、様々なオーバレイを提供することができる。その場合、ビデオ134などの、画像およびビデオデータを、一般に画像およびビデオデータの上に表示されるオーバレイとともに表示することができる。
一実施形態では、オーバレイ、画像、およびビデオデータは、画面135から「スクリーンスクレイピング(screen scrape)」し、スクリーンスクレイピングデータ166として伝達することができる。その後、スクリーンスクレイピングデータ166は、モバイルデバイス22、およびクラウド24に通信可能に結合された他の表示デバイスに表示することができる。都合の良いことに、スクリーンスクレイピングデータ166は、より容易に表示することができる。実際に、画像またはビデオとオーバレイとはともに同じフレーム内にピクセルとして含まれ得るので、モバイルデバイス22は、上述のピクセルを単純に表示することができる。しかし、スクリーンスクレイピングデータを提供する場合は、画像をオーバレイとともに合併することができるが、データストリームは、2つ(またはより多く)に分割するほうが有益なことがある。例えば、別々のデータストリーム(例えば、画像またはビデオストリーム、オーバレイストリーム)をほぼ同時に送信することができ、それによって、より高速なデータ通信が提供される。加えて、データストリームを別々に解析することができ、それによって、データ検査および解析が改善される。
したがって、一実施形態では、画像データおよびオーバレイは、2つ以上のデータストリーム168および170に分割することができる。データストリーム168は、オーバレイのみを含むことができ、一方、データストリーム170は、画像またはビデオを含むことができる。一実施形態では、画像またはビデオ170は、同期信号172を使用することによって、オーバレイ168と同期することができる。例えば、同期信号は、データストリーム170のフレームをオーバレイストリーム168内に含まれる1つまたは複数のデータ項目と一致させるのに適した、タイミングデータを含むことができる。また別の実施形態では、同期データ172は、使用されないことがある。代わりに、各フレームまたは画像170は、一意的なIDを含むことができ、この一意的なIDを、オーバレイデータ168の1つまたは複数に一致させること、およびオーバレイデータ168と画像データ170とを一緒に表示するために使用することができる。
オーバレイデータ168は、チップマップオーバレイを含むことができる。例えば、4つの正方形を有するグリッド(例えば象限グリッド)を、チップ136の位置を表す点または円とともに表示することができる。したがって、このチップマップは、チップ136が対象物の内部にどのように挿入されているかを表すことができる。第1象限(右上)は、対象物を軸方向に眺めて、チップ136が右上側に挿入されていることを表すことができ、第2象限(左上)は、軸方向に眺めて、チップ136が左上側に挿入されていることを表すことができ、第3象限(左下)は、チップ136が左下側に挿入されていることを表すことができ、第4象限(右下)は、チップ136が右下側に挿入されていることを表すことができる。したがって、ボアスコープオペレータ26は、チップ136の挿入をより容易に誘導することができる。
オーバレイデータ168は、測定値オーバレイも含むことができる。例えば、ユーザが画像の上に1つまたは複数の十字カーソル(例えば「+」)をオーバレイすることを可能にすることによって、長さ、ポイントツーライン(point to line)、深さ、面積、マルチセグメントライン(multi−segment line)、距離、歪み、およびサークルゲージ(circle gauge)などの測定値を提供することができる。一実施形態では、立体視測定および/または対象物上への影の投影を含む、対象物の内部の測定に適した、ステレオプローブ(stereo probe)測定チップ136またはシャドウプローブ(shadow probe)測定チップ136を提供することができる。画像上に複数のカーソルアイコン(例えば十字カーソル)を配置することによって、立体視技法を使用して、測定値を得ることができる。例えば、2つのカーソルアイコンを配置することによって、直線2点間測定値(例えば長さ)を提供することができる。3つのカーソルアイコンを配置することによって、点から直線までの垂直距離(例えばポイントツーライン)を提供することができる。4つのカーソルアイコンを配置することによって、(3つのカーソルを使用することによって得られる)面と面の上方または下方の点(第4のカーソル)との間の垂直距離(例えば深さ)を提供することができる。特徴または欠陥の周りに3つ以上のカーソルを配置することによって、その場合は、カーソルの内部に含まれる面の近似的な面積を与えることができる。3つ以上のカーソルを配置することによって、各カーソルを辿るマルチセグメントラインの長さを可能にすることもできる。
同様に、影を投影することによって、照明およびその結果の影に基づいて、測定値を得ることができる。したがって、測定エリアにわたって影を位置付け、その後、所望の測定の最も遠い点において2つのカーソルを影にできるだけ近く配置することによって、点どうしの間の距離の導出をもたらすことができる。測定エリアにわたって影を配置し、その後、水平影の中央に近づけて、所望の測定エリアのエッジ(例えば照明されたエッジ)にカーソルを配置することによって、他の方法ではプローブ14のビューに垂直ではない面上の直線(2点間)測定として定義される、歪み測定をもたらすことができる。これは、垂直影が獲得可能ではない場合に役立つことがある。
同様に、測定エリアにわたって影を位置付け、その後、一方のカーソルを隆起した面上に、第2のカーソルを窪んだ面上に配置することによって、深さ、または面と面の上方または下方の点との間の距離の導出をもたらすことができる。測定エリア付近に影を位置付け、その後、影に近づけて、欠陥を覆う円(例えば、サークルゲージとも呼ばれる、ユーザが直径を選択可能な円カーソル)を配置することによって、その後、欠陥の近似的な直径、外周、および/または面積を導出することができる。
オーバレイデータ168は、注釈データも含むことができる。例えば、テキストおよびグラフィックス(例えば、矢印ポインタ、十字、幾何学形状)を、画像の上にオーバレイして、いくつかの特徴に「表面の亀裂」などの注釈を付けることができる。加えて、可聴音を、NDT検査デバイス12によってキャプチャし、オーディオオーバレイとして提供することができる。例えば、音声注釈、および検査を行っている機器が発する音などを、オーディオとして画像またはビデオにオーバレイすることができる。その後、モバイルデバイス22および/またはクラウド24によって受け取られたオーバレイデータ168は、様々な技法によって表現することができる。例えば、HTML5または他のマークアップ言語を使用して、オーバレイデータ168を表示することができる。一実施形態では、モバイルデバイス22および/またはクラウド24は、NDTデバイス12によって提供される第2のユーザインタフェースとは異なる、第1のユーザインタフェースを提供することができる。したがって、オーバレイデータ168を簡略化し、基本的な情報のみを送信することができる。例えば、チップマップの場合、オーバレイデータ168は、単純に、チップの位置と相関するXおよびYデータを含むことができ、その場合、第1のユーザインタフェースは、XおよびYデータを使用して、チップをグリッド上に視覚的に表示することができる。
加えて、センサデータ174を伝達することができる。例えば、センサ126、140からのデータ、x線センサデータ、および渦流探傷センサデータなどを伝達することができる。いくつかの実施形態では、センサデータ174は、オーバレイデータ168と同期させることができ、例えば、オーバレイチップマップを、温度情報、圧力情報、流量情報、および間隔などとともに表示することができる。同様に、センサデータ174は、画像またはビデオデータ170とともに表示することもできる。
いくつかの実施形態では、力フィードバックまたは触覚フィードバックデータ176を伝達することができる。力フィードバックデータ176は、例えば、構造に隣接または接触するボアスコープ14のチップ136に関するデータ、チップ136または振動センサ130によって感じ取られた振動、流量、温度、間隔、圧力などに関する力を含むことができる。モバイルデバイス22は、例えば、液体が満たされた微小流路を有する触覚レイヤを含むことができ、微小流路は、力フィードバックデータ176に基づいて、応答として、液圧を変化させ、および/または液体の方向を変えることができる。実際に、本明細書で説明される技法は、センサデータ174およびコンジット162内の他のデータを触覚的な力として表すのに適した、モバイルデバイス22によって発動される応答を提供することができる。
加えて、NDTデバイス12は、位置データ178を伝達することができる。例えば、位置データ178は、機器18、104および/または設備20、106に対するNDTデバイス12の位置を含むことができる。例えば、屋内GPS、RFID、三角測量(例えば、WiFi三角測量、無線三角測量)などの技法を使用して、デバイス12の位置178を決定することができる。対象物データ180は、検査中の対象物に関するデータを含むことができる。例えば、対象物データ180は、識別情報(例えばシリアル番号)、機器状態に関する観察結果、および注釈(テキスト注釈、音声注釈)などを含むことができる。メニュードリブン検査データを含むが、それに限定されない、他のタイプのデータ182も使用することができ、メニュードリブン検査データは、使用されるときに、テキスト注釈およびメタデータとして適用できる1組の事前に定義された「タグ」を提供する。これらのタグは、検査中の対象物に関する、位置情報(例えば、第1ステージのHPコンプレッサ)または表示(例えば異物損傷)を含むことができる。加えて、他のデータ182は、リモートファイルシステムデータを含むことができ、モバイルデバイス22は、NDT検査デバイス12のメモリ25内に置かれたデータのファイルおよびファイル構造(例えば、フォルダ、サブフォルダ)を表示し、操作することができる。したがって、ファイルを、モバイルデバイス22およびクラウド24に転送し、編集し、メモリ25に転送し戻すことができる。データ164〜182をモバイルデバイス22およびクラウド24に伝達することによって、本明細書で説明される技法は、より高速で、より効率的なプロセス150を可能にすることができる。
上述のことに留意したうえで、図7は、図6に関して上で示されたデータなど、NDTシステム10に対応するデータを共有するためのプロセス200の一実施形態を示している。いくつかの実施形態では、プロセス200およびプロセス200の一部は、非一時的なコンピュータ可読媒体内に含まれること、メモリ17、21、25、95、99、103などのメモリ内に記憶すること、およびプロセッサ15、19、23、25、93、97、101などの1つまたは複数のプロセッサによって実行可能であることができる。
一実施形態では、モバイルデバイス22、NDT検査デバイス12、および/またはクラウド24によって実行可能なコンピュータ命令を含むアプリケーションは、NDTシステム10内の1つの機器(例えば、デバイス12、14、16、22、42、44、46)の検査に関連し得るデータを収集するために使用することができ、またはNDTシステム10に関連する報告書159を生成するために使用することができる。プロセス200は、プロセス200を実行できる特定の順序で示されているが、プロセス200は、異なる順序でも実行できることに留意されたい。
ブロック202において、アプリケーションは、共有されるデータまたはデータタイプとしてモバイルデバイスオペレータ28が指定できる、データまたはデータタイプの表示を受け取ることができる。すなわち、モバイルデバイスオペレータ28は、共有されるデータまたはデータタイプを、それが利用可能になったとき、またはアプリケーションによって生成されたときに、選択することができる。いくつかの実施形態では、データまたはデータタイプは、1つの機器のいくつかの非破壊試験結果をもたらす検査154に関連することができる。いくつかの実施形態では、共有されるデータまたはデータタイプの表示は、アプリケーションのための構成の一部として組み込むことができる。すなわち、共有されるデータまたはデータタイプは、1つの機器のそれぞれの検査に関連するワークフローに従って事前に指定することができる。そのため、ワークフローおよびアプリケーション構成を確立し、サーバまたは類似のデバイス内に記憶することができる。
共有されるデータまたは共有されるデータタイプに対応するデータ(例えば、コンジット162を介して提供されるデータ)に加えて、アプリケーションは、ブロック204において、共有プロセス、またはデータもしくはデータタイプを共有する形式を受け取ることができる。データを共有できる形式は、例えば、共有するように指定されたデータを記述または包含する、電子メール(eメール)メッセージ、テキストメッセージ、または報告書159などを、1人または複数人の受取手に送信することを含むことができる。共有プロセスまたは形式とともに、アプリケーションは、データを提示するために使用できるテンプレートの表示を受け取ることができる。この場合、データを送信する前に、アプリケーションは、テンプレートを適用し、テンプレートを使用して報告書を生成し、報告書を送信することができる。テンプレートおよびテンプレートの使用は、上で説明したように、アプリケーションのための構成の一部として組み込むこと、またはワークフローに従って事前に指定することができる。
いくつかの実施形態では、アプリケーションは、共有されるデータをクラウド24にアップロードし、他の個人がそのデータをダウンロードできるようにすることができる。加えて、共有されるデータまたは共有されるデータタイプに対応するデータをアップロードするのと一緒に、アプリケーションは、データがアップロードされたことを知らせるメッセージを、アップロードされたデータに関心がある可能性のある様々な個人に送信することができる。
ブロック206において、アプリケーションは、共有されるデータの1人または複数人の受取手を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、NDTオペレータ28、26、30、98、100、および/または102は、ブロック202において受け取った各データおよび/またはデータタイプの1人または複数人の受取手を指定することができる。受取手は、データまたはデータタイプに対応し得る専門家または管理人員、サードパーティ主体(例えば、保守サービス提供者、製造業者)、規制機関(例えば、連邦航空局[FAA]、環境保護庁[EPA]、運輸省[DOT])、ならびに連邦および州機関などを含むことができる。いくつかの実施形態では、アプリケーションは、共有されるデータまたはデータタイプに基づいて、潜在的な受取手のリストをディスプレイ上に提示することができる。このリストをアプリケーションがどのように提示するかに関するさらなる詳細は、図8を参照して以下で説明される。
各データまたはデータタイプの受取手を受け取った後、ブロック208において、アプリケーションは、ブロック202において指定されたデータに対応し得るデータを、メモリ25などのメモリから取り出すことができる。一実施形態では、アプリケーションは、データが生成されるときに、データを取り出すことができる。すなわち、アプリケーションは、データがメモリ内にセーブされると、ほぼリアルタイムで、または準リアルタイムで、共有されるデータを自動的に取り出すことができる。
ブロック210において、アプリケーションは、ブロック202において共有するように指定されたデータを、それぞれの受取手に送信することができる。データは、ブロック204において指定された共有方法および形式に従って送信することができる。そのため、アプリケーションは、ブロック208において取り出されたデータを修正または変更し、修正されたデータをブロック206において受け取った受取手に送信することができる。
いくつかの実施形態では、各受取手は、共有データを受け取るのに好ましい形式を有することができる。そのため、ブロック206において受取手を受け取ったとき、アプリケーションは、各受取手がデータを受け取ることができる好ましいプロセスまたは形式も受け取ることができる。この場合、アプリケーションは、それぞれの各受取手が指定できるデータを受け取るための好ましい方法に対応する形式で、ブロック202において共有するように指定されたデータをそれぞれの受取手に送信することができる。すなわち、アプリケーションは、ブロック204において受け取った共有方法を無効化または無視し、それぞれの受取手の好ましい方法によってデータを送信することができる。
上で言及したように、ブロック206において、アプリケーションは、図8に示されるプロセス220に従って、潜在的な受取手のリストをディスプレイ上に提示することができる。すなわち、方法220は、共有されるデータの受取手をアプリケーションがどのように受け取ることができるかに関する、さらなる詳細を提供することができる。例えば、ブロック222において、アプリケーションは、ブロック202において共有するように指示されたデータまたはデータタイプを、NDTシステム10に関連し得る個人のリストと相互参照することができる。個人のリストは、非破壊試験手順、技法、または結果などの1つまたは複数の領域において関連する専門知識を有し得る、1つまたは複数の個人または個人のグループを含むことができる。さらに、個人のリストは、各個人の経験および知識を様々なタイプの機器とともに記録することもできる。サードパーティ団体(例えば、保守サービス提供者、製造業者)、規制機関(例えば、連邦航空局[FAA]、環境保護庁[EPA]、運輸省[DOT])、ならびに連邦および州機関などの団体もリストに載せることができる。個人のリストは、データ、データタイプ、アプリケーション、およびアプリケーションタイプなどと、個人のリストとのマッピングを含むことができるデータベースに基づいて、サーバからクラウド24を介して独立して受け取ることができる。
一実施形態では、アプリケーションは、ブロック202において受け取ったデータを、データに関連する機器に対応する問題または課題に関連付けることができる。例えば、ブロック202において受け取ったデータが、航空機104の機体内の亀裂に関連する場合、アプリケーションは、データを、機体の構造的完全性に関連する問題などに関連付けることができる。ここで、アプリケーションは、問題が個人および/または団体のグループと関連または結び付きがあり得ると決定することができる。そのため、アプリケーションは、問題をより良く評価し、問題を解決するためにNDTオペレータを支援できる可能性のある、個人および/または団体のグループに、データを送信することができる。
ブロック224において、アプリケーションは、ブロック222の相互参照結果に基づいて、各データに対する個人を識別することができる。すなわち、各データに対して、アプリケーションは、個々のデータに関して関連する専門知識を有し得る、1つまたは複数の個人または団体を識別することができる。代替として、各データに対して、アプリケーションは、区別または識別された問題(例えば、欠陥または欠陥タイプ)に関して関連する専門知識を有し得る、1つまたは複数の個人または団体を識別することができる。
個人を識別した後、ブロック226において、アプリケーションは、選択されたデータまたはデータタイプに関連する個人のリストをディスプレイ上に提示することができる。そのため、NDTオペレータは、選択されたデータを送信できる1人または複数人の個人を見て選択する機会を有することができる。いくつかの実施形態では、選択されたデータに関する個人の関連する専門知識に従って、個人のリストをランク付けすることができる。加えて、または代替として、個人のリストは、各個人の専門知識に関する詳細、および個人に関する他の様々な特性を含むことができる。例えば、各個人のエントリは、個人の専門知識を詳述する略歴または履歴書を含むことができ、略歴または履歴書は、関連業界における年数、機器習熟度レベル、および特定の技術のついての事前に指定された個人のグループとの関連などを含むことができる。団体エントリは、担当者、専門知識の分野、およびコストデータ(例えば、サービスコストデータ、製造コストデータ)などを含むことができる。一実施形態では、各個人および/または団体のエントリは、それぞれの各個人および/または団体についての、好ましい通信の方法(例えば、eメール、テキストメッセージ)、好ましい通信の方法に関する詳細(例えば、eメールアドレス、電話番号、連絡先情報)も含むことができる。
別の実施形態では、個人または団体のリストは、組織構造に基づいて、組織することができる。例えば、上級検査者は、新任検査者と比べて、リストのより高位に提示することができる。個人または団体のリストは、検査される資産の相手先商標製造会社(OEM)に基づいて、組織することができる。そのため、OEMは、製造部品に関連し得る問題または検査結果に関する情報を受け取ることができる。さらに、個人または団体のリストは、モバイルデバイス22またはNDT検査デバイス12などによって実行されるアプリケーションの作成者に基づいて、組織することができる。すなわち、モバイルデバイス22において使用されるアプリケーションの作成者は、共有されるデータに関連する何らかの表示または共有されるデータ自体を受け取ることを望むことができる。
ブロック228において、アプリケーションは、個人または団体のリスト内の1つまたは複数の個人または団体を受取手として指定できる表示または入力を受け取ることができる。すなわち、NDTオペレータ26、28、30、98、100、および/または102は、どの個人または団体が選択されたデータを受け取る受取手になるべきかを指示する入力を、アプリケーションに提供することができる。個人および/または団体の選択結果を受け取った後、アプリケーションは、図7のブロック210に進み、選択されたデータを選択された個人に送信することができる。データを送信する前に、アプリケーションは、選択されたデータをより読み易いまたはユーザフレンドリな方法で提示できるように、選択されたデータに報告テンプレートなどを適用することができる。さらに、共有されるデータを受信したとき、受取手は、コメントを渡し、データに拒否または承諾のフラグを立てることができ、その後、検査を実行する検査者にデータを返信することができ、それによって、ワークフロー時間を短縮する。
いくつかの実施形態では、NDTオペレータ26、28、30、98、100、および/または102は、以前は共有されるデータとして指定されていないことがあるNDTシステム10に関連するデータを観測または獲得することができる。そのため、NDTオペレータ26、28、30、98、100、および/または102は、データが獲得または検査報告などに記憶された後直ちにリアルタイムで、共有されるデータを指定したいと望むことがある。このことに留意したうえで、図9は、NDTシステムに関連するデータをリアルタイムまたは準リアルタイムで共有するためのプロセス240を示している。プロセス240は、プロセス240を実行できる特定の順序で示されているが、プロセス240は、異なる順序でも実行できることに留意されたい。いくつかの実施形態では、プロセス240またはプロセス240の一部は、非一時的なコンピュータ可読媒体内に含まれること、メモリ17、21、25、95、99、103などのメモリ内に記憶すること、およびプロセッサ15、19、23、25、93、97、101およびクラウド24などの1つまたは複数のプロセッサによって実行可能であることができる。
ブロック242において、アプリケーションは、NDTシステム10内の機器に関連するデータを受け取ることができる。例えば、アプリケーションは、亀裂が機体内に存在する可能性があることを示す、航空機104の機体における渦流探傷試験の結果を受け取ることができる。渦流探傷試験の結果に対応するデータが以前は共有されるデータとして指定されていなかった場合、アプリケーションは、例えばリアルタイムまたは準リアルタイムで、共有されるデータを指定するための選択肢をNDTオペレータ26、28、30、98、100、および/または102に提供することができる。
そのため、ブロック244において、アプリケーションは、ブロック242において受け取ったデータが、あるNDT人員と共有されるべきことを指示する入力を受け取ることができる。一実施形態では、アプリケーションは、モバイルデバイス22の入力デバイス(例えば、ポインティングデバイス、キーボード)を介して、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)上に示されたアイコンまたはイメージにおいて入力を受け取って、入力が共有されるデータを指定できるようにすることができる。
ブロック246において、アプリケーションは、ブロック244に関して上で説明された入力に関連するデータを受け取るように指定される1人または複数人の受取手を受け取ることができる。ブロック244において入力を受け取った後、アプリケーションは、潜在的な受取手のリストをディスプレイ上に提示することができる。受取手を受け取ることに加えて、アプリケーションは、図7のブロック204を参照して上で説明したように、共有方法を受け取ることもできる。いくつかの実施形態では、アプリケーションは、図7のブロック206を参照して上で説明されたのと同様のプロセスを使用して、潜在的な受取手のリストを提示することができる。
受取手を受け取った後、ブロック248において、アプリケーションは、ブロック244の入力に関連するデータを、ブロック246において指定された受取手に送信することができる。一実施形態では、アプリケーションは、ブロック246において受取手を受け取ったら直ちに、データを送信することができる。しかし、いくつかの実施形態では、アプリケーションは、バースト送信を使用して、データを送信することもできる。すなわち、アプリケーションは、接続性信号(例えばインターネット)が利用可能になるまで、データの送信を待つことができる。結果として、プロセス240は、データを共有されるものとして事前に指定せずに、共有されるデータを指定するための方法を提供する。
いくつかの実施形態では、共有されるデータに関連する受取手を受け取った後、ブロック250において、アプリケーションは、共有されるデータに関するコメントを受け取ることができる。例えば、ブロック242において受け取ったデータが、ディスプレイ(例えばディスプレイ135)の画面表示である場合、アプリケーションは、NDTオペレータ26、28、30、98、100、および/または102から、画面表示に示されたデータに関するオペレータのコメント、疑問、または懸念(例えば注釈オーバレイ168)を示すための、描画もしくはテキストまたは他の任意のデータ(コンジット162を介して伝達されるデータ)を画面表示上で受け取ることができる。このようにして、受取手は、データのコンテキストをより良く理解し、しかるべき助言をNDTオペレータ26、28、30、98、100、および/または102に提供することができる。コメントを受け取った後、アプリケーションは、ブロック248において、データを対応するコメントとともに、ブロック246において受け取った受取手に送信することができる。
上述のことに留意したうえで、アプリケーションは、図10に示されるように、NDTシステム10から獲得したデータを自動的に共有するためにプロセス260を利用することもできる。ここで図10を参照すると、ブロック262において、アプリケーションは、アプリケーションにおける1つまたは複数のデータフィールドについて、データフィールド値の1つまたは複数の範囲を受け取ることができる。例えば、データフィールド値の範囲は、対応するデータフィールドの予想値の範囲に対応することができる。予想値の範囲は、データフィールドに関連する経験的もしくは履歴的データに基づいて、または対応するデータフィールドについてのシミュレート結果に基づいて、決定することができる。
ブロック264において、アプリケーションは、それぞれのデータフィールドに入力されたデータフィールド値を受け取ることができる。すなわち、NDTオペレータ26、28、30、98、100、および/または102は、NDTシステム10の1つの機器に対して試験または検査を実行し、示度または測定値をそれぞれのデータフィールドに入力することができる。
ブロック266において、アプリケーションは、入力されたデータフィールド値が、ブロック262において受け取ったデータフィールド値のそれぞれの範囲内にあるかどうかを判定することができる。入力されたデータフィールド値が、データフィールド値のそれぞれの範囲内にある場合、アプリケーションは、ブロック264に返り、入力されたデータフィールド値の受け取りを継続することができる。
しかし、入力されたデータフィールド値が、データフィールド値のそれぞれの範囲内にない場合、アプリケーションは、ブロック268に進むことができる。ブロック268において、アプリケーションは、上で説明したように、個人として指定された、または入力されたデータフィールド値に関連付けられた可能性のある、1人または複数人の受取手に、入力されたデータフィールド値を送信することができる。いくつかの実施形態では、入力されたデータフィールド値に加えて、アプリケーションは、入力されたデータフィールド値のコンテキストに関する情報も送信することができる。例えば、アプリケーションは、入力されたデータフィールド値が存在し得る報告書のタイプに関する情報、入力されたデータフィールド値の予想される値の範囲、入力されたデータフィールド値をいつ受け取ったかに関する日時情報、および入力されたデータフィールド値を受取手が適切に解析できるように、入力されたデータフィールド値のコンテキストを提供できる他の任意の情報を送信することができる。
いくつかの実施形態では、ブロック264において受け取った入力されたデータフィールド値は、関連するデータフィールド値の範囲を有するデータフィールドに対応しないことがある。この場合、NDTオペレータ26、28、30、98、100、および/または102は、アプリケーションが、入力されたデータフィールド値を自動的に送信できるか、それとも入力されたデータフィールド値を送信できないかを、アプリケーションに対して指定することができる。
NDTデータを共有するための技法を提供するのに加えて、いくつかの実施形態では、NDTシステム10は、NDTオペレータが互いに共同できるような、コンピューティング環境を提供することができる。例えば、図11は、NDTオペレータ、NDT検査デバイス12の専門家、および検査される資産の専門家などに、NDTシステム10の様々な面に関して互いに共同するためのコンピューティング環境を提供できる、共同システム270のブロック図を示している。この共同コンピューティング環境を作成するために、共同システム270は、モバイルデバイス22と、データベース272と、クライアントコンピューティングデバイス274とを含むことができる。クライアントコンピューティングデバイス274は、例えば、タブレット、セルフォン(例えばスマートフォン)、ノートブック、ラップトップ、デスクトップ、または他の任意のコンピューティングデバイスを含むことができる。一実施形態では、モバイルデバイス22、データベース272、およびクライアントコンピューティングデバイス274は、互いに直接的に情報を伝達もしくは交換することができ、またはクラウド24を介して互いに通信することができる。
一般に、NDT検査者276(例えば、オペレータ26、28、30、98、100、102)は、モバイルデバイス22を使用して、NDTシステム10内の機器に対する様々なタイプの解析および監視操作を実行することができる。そのため、NDT検査者276は、NDTシステム10内の機器(例えば、デバイス12、14、16、22、42、44、46)に対応するデータを、モバイルデバイス22を介して、アプリケーションに入力することができる。いくつかの実施形態では、アプリケーションは、NDTシステム10内の機器に対応するデータを解析または記録することができる。
NDT検査者276は、データを収集する一方で、NDT検査者276は、データを入力すること、または遠隔のNDT検査者278と共同したいと望むことがある状況に出会うことができる。この場合、NDT検査者276は、NDT共同システム270を使用して、NDT検査者278からのサポートを求める現場要求を開始することができる。すなわち、NDT検査者276は、クラウド24を介して、NDT検査者278との共同セッションを開始することができる。例えば、一実施形態では、NDT検査者278は、クライアントコンピューティングデバイス274を使用して、ステータスをブロードキャストし、NDT共同システム270に接続された各検査者が、ステータスを知ることができるようにすることができる。ステータスは、NDT検査者278に関する利用可能性、専門知識、または他の関連する情報を示すことができる。いくつかの実施形態では、NDT共同システム270は、経験、技術的専門、および証明書などを示すプロファイルなど、NDT検査者278に関連する情報を記憶することができる。
サポートを求める現場要求を開始したとき、NDT検査者276は、NDT共同システム270を介して利用可能であることが示され得た、専門家またはNDT検査者278のリストを検索することができる。どのNDT検査者278から援助を求めたいことがあるかをNDT検査者276が選択すると、NDT検査者276は、情報を含むことができる通知メッセージを介して、または共同セッションを開始できるインタフェースを介して、それぞれのNDT検査者に要求を送信することができる。いくつかの実施形態では、通知メッセージは、eメール、テキストメッセージ、または自動発呼などを介して、NDT検査者278に送信することができる。通知メッセージは、リアルタイムまたは準リアルタイム共同に適した、URLリンクおよびホワイトボーディングセッションリンクなどの、共同セッションを開始するのに適した情報を含むことができる。
NDT検査者276が共同セッションを開始した後、NDT共同システム270は、モバイルデバイス22において示されたデータを、クライアントコンピューティングデバイス274を介して、NDT検査者278とリアルタイムで共有することができる。このリアルタイム共同の間、モバイルデバイス22は、モバイルデバイス22を介してNDT検査者276によって、またはクライアントコンピューティングデバイス274を介してNDT検査者278によって制御することができる。一実施形態では、NDT検査者276は、モバイルデバイス22またはモバイルデバイス22によって制御されるNDT検査デバイスが遠隔制御されるように、モバイルデバイス22に示される画面の制御をNDT検査者278に渡すことができる。NDT検査者278がNDT検査デバイスの遠隔制御を行う場合、NDT検査デバイスのいくつかの機能は、安全上の理由で、使用不可にすることができる。すなわち、モバイルデバイス22は、NDT検査者276を望ましくない状況に陥らせる可能性のある、NDT検査デバイスのいくつかの機能の遠隔制御を、NDT検査者278に許可しないことがある。そのため、これらの場合、モバイルデバイス22は、NDT検査デバイス12のそれぞれの機能を使用不可にすることができる。例えば、モバイルデバイス22は、NDT検査者276の安全性を高めるために、x線検査デバイスまたは物理的な運動を開始することがある他の任意のNDT検査デバイスの機能を使用不可にすることができる。
いくつかの実施形態では、NDT検査者276は、モバイルデバイス22上で実行される、または動作するアプリケーションに入力を提供することによって、モバイルデバイス22をリアルタイムで共用することを可能にすることができる。そのため、NDT検査者276によって入力が行われた場合、アプリケーションは、モバイルデバイス22上に表示された画像およびコントロールに関するデータを、有線または無線インタフェースを使用して直接的に、またはクラウド24を介して間接的に、クライアントコンピューティングデバイス274に送信することができる。さらに、NDT共同システム270は、より多くのコンテキストを画面共有に追加するために、モバイルデバイス22およびクライアントコンピューティングデバイス274上で利用可能な、ビデオストリーム、オーディオストリーム、チャットストリーム、データストリーム、および画面イメージなども共有することができる。データストリームは、モバイルデバイス22またはNDT検査デバイス12などに配置されたセンサを使用して周囲空気から検出できる温度または湿度データなどの、数字データ値または他の外部データを含むことができる。一実施形態では、データストリームは、検査される資産との対話によって、または通信を介して、モバイルデバイス22またはNDT検査デバイス12などによって受信することができる。いずれの場合も、ビデオストリーム、オーディオストリーム、データストリーム、チャットストリーム、および画面イメージなどを追加的に共有することは、NDT検査者276およびNDT検査者278の両方に、リアルタイムデータ共有セッションのコンテキストをより多く提供する助けとなり得る。
加えて、NDT共同システム270は、NDT検査者が、モバイルデバイス22上で動作するNDT測定ツールおよび解析ツールにアクセスし、それらを使用して、NDTデータを診断および/または解析することを可能にすることができる。すなわち、NDT検査者276とNDT検査者278との共同セッションの間、NDT検査者278は、モバイルデバイス22上のNDT測定ツールを使用して、モバイルデバイス22が受け取った検査結果またはNDTデータを診断または解析することができる。例えば、NDT検査者278は、様々な測定ツール、画像処理ツール、および信号処理ツールなどを使用して、NDTデータをさらに解析することができる。
いくつかの実施形態では、測定ツールおよび解析ツールは、仮想ホワイトボーディングツールなどの、共同ツールを含むことができる。仮想ホワイトボーディングツールは、NDT検査者276またはNDT検査者278が、共有データを示す画像上に筆記または描画を重ね合わせることを可能にすることができる。例えば、仮想ホワイトボーディングツールは、NDT検査者276またはNDT検査者278が、円または矢印などを描くために仮想ペンを用いて共有データ上に書くことを可能にすることができる。さらに、仮想ホワイトボーディングツールは、NDT検査者276またはNDT検査者278が、テキスト注釈を共有データ上に追加することも可能にすることができる。結果として、NDT検査者276およびNDT検査者278は、仮想ホワイトボーディングツールを使用して、互いに共同、トラブルシューティング、議論、および解析をより良く行うことができる。
一実施形態では、NDT共同システム270は、データベース272への接続を提供することができ、データベース272は、NDTデータまたはNDTデータの解析などに関連するコンテキスト情報を含むことができる、ナレッジベースシステムを含むことができる。ナレッジベースシステムは、NDTデバイスに関連する検査結果および報告書の履歴アーカイブ、NDTデバイスに関連する文書(図面、ビデオ、仕様書など)、検査手順タイプ(例えば、UT TOFT溶接(UT TOFT Weld)、ET−サーフェス(ET−Surface)など)に関連する文書、ならびに他の任意の関連文書を含むことができる。そのため、ナレッジベースシステムは、NDT検査者276およびNDT検査者278の両方のために、実施される検査に関連するすべての関連文書を作成することができる。一実施形態では、ナレッジベースシステムは、履歴的な検査結果に基づいて、他の解析情報も提供することができる。例えば、ナレッジベースシステムは、航空機システム54の特定のブレードに生じた亀裂が経時的にどのように成長し得たかを示すことができる。
いくつかの実施形態では、データベース272は、NDT検査者276とNDT検査者278の間で行われた共同のセッション全体についての記録も記憶することができる。そのようなセッションの記録は、NDT検査者276もしくはNDT検査者278が手動で開始することができ、または自動記録を行うように構成することができる。記録は、さらなる参照のためにアーカイブすることができ、または新任のNDT検査者をトレーニングするため、もしくは以前に完了した監査などの履歴的な参照のために使用することができる。
上述のことに留意したうえで、図12は、例えばNDT共同システム270を介して、モバイルデバイス22の表示データおよび制御を共有するための方法280を示している。一実施形態では、モバイルデバイス22内のアプリケーションを使用して、本明細書で説明されるプロセスを実行することができる。ブロック282において、アプリケーションは、オンラインサポートを求める要求を受け取ることができる。上で言及したように、アプリケーションは、モバイルデバイス22の画面上に表示される入力インタフェースを介して、要求を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、要求は、検査中の機器のタイプ、現在見つかっている問題のタイプ(例えば、亀裂、腐食)、使用中のNDT検査デバイス12のタイプ、NDT検査者276のレベルおよび専門知識、ならびに検査中の機器の所有者/借主などを含むことができる。
ブロック284において、アプリケーションは、上で説明したように、有線または無線通信を介して、共同システム270に接続することができる。ブロック286において、アプリケーションは、NDT検査者276をサポートするのに利用可能なことがある、専門家または団体などの、個人のリストを受け取ることができる。いくつかの実施形態では、アプリケーションは、共同システム270に接続することなく、個人のリストを受け取ることができる。そのため、アプリケーションは、アプリケーションを実行するデバイス内にローカルに記憶できる連絡先のリストに基づいて、個人のリストを受け取ることができる。
個人のリストは、モバイルデバイス22によって現在実行されているアプリケーションに関連する、NDT手順、技術、または結果などの1つまたは複数の領域において関連する専門知識を有し得る、1つまたは複数の個人または個人のグループを含むことができる。いくつかの実施形態では、個人のリストは、それぞれのアプリケーション、NDT検査プロセス、またはNDTデバイスなどについての専門知識のレベルに基づいて、組織することができる。上で言及したように、NDT検査者278は、共同ネットワーク270を介して、自らのステータス(例えば利用可能性)および専門知識レベルをブロードキャストすることができる。
ブロック288において、アプリケーションは、ブロック286において受け取ったリストから1つまたは複数の個人または団体を選択した結果を受け取ることができる。選択結果を受け取った後、ブロック290において、アプリケーションは、選択された個人にセッション開始または通知メッセージを送信することができる。したがって、1つまたは複数の専門家または専門団体が、検査154および/または解析156の支援に参加することができる。そのため、それぞれのNDT検査者278は、情報を含むことができる通知メッセージ、または共同セッションを開始できるインタフェース(例えばリンク)を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、通知メッセージは、eメール、テキストメッセージ、または自動発呼などを介して、NDT検査者278に送信することができる。
NDT共同システム270を提供することによって、NDT検査者276は、リアルタイムで1人または複数人のNDT検査者278の支援を受けて、検査作業またはデータ解析を実行することができる。そのため、NDT検査者276が作業を実行するのに要し得る時間は、専門家であり得るNDT検査者278とのリアルタイム共同およびサポートを通して短縮することができる。いくつかの例では、NDT検査者278は、人工知能(AI)技法および知識リポジトリに基づいて質問に「答える」ことができる、エキスパートシステムおよびエキスパート論理的推論システムなどの、ソフトウェアまたはハードウェアを含み得ることに留意されたい。さらに、NDT共同システム270は、解析ツールのリアルタイム共有およびNDT検査者278によって提供される助言を通して、NDT検査者276とNDT検査者278の知識ギャップの橋渡しを行うことができる。さらに、ナレッジベースシステムを使用して解析が行われるデータなどに関する情報へのアクセスを提供することによって、NDT検査者276によって実行される解析をより正確にすることができる。加えて、記録された共同セッションを記憶することによって、共同システム270は、履歴的なシナリオに基づいて、改善されたトレーニングを新任の検査者に提供することができる。
NDTデバイスの安全操作を向上させるため、共同セッションの間、モバイルデバイス22が動作しているときに、ある種のNDTデバイスの操作を規制することが有益なことがある。すなわち、x線検査デバイスなど、ある種のNDTデバイスが危険な性質を有する場合、現場で操作するNDT検査者276の存在および場所に係わらず、NDTデバイスを遠隔で操作することを避ける配慮が払われるべきである。したがって、図13は、ある種のNDTデバイスを、共同セッションにおいて操作しながら、安全に操作するために使用できる、方法300を示している。
ブロック302において、それが制御できるNDTデバイスの近傍内に配置できるモバイルデバイス22上のアプリケーションは、クラウド24およびクライアントコンピューティングデバイス274を介して、NDT検査者278などのリモートユーザとの共同セッションに入ることができる。共同セッションにおいて動作中、アプリケーションは、モバイルデバイス22上で実行されるアプリケーションの、NDT検査者276とNDT検査者278の間での、リアルタイム共用を可能にすることができる。そのため、アプリケーションは、モバイルデバイス22の画面に示されるデータ、およびモバイルデバイス22またはそれぞれのNDT検査デバイスの制御などを共有することができる。
ブロック304において、アプリケーションは、モバイルデバイス22またはモバイルデバイス22を介して操作されるそれぞれのNDT検査デバイスの制御を、NDT検査者278などのリモートユーザと共有できるかどうかを判定することができる。制御が実際にリモートユーザと共有される場合、アプリケーションは、ブロック306に進むことができる。
ブロック306において、アプリケーションは、NDT検査デバイスのある種の操作機能、またはモバイルデバイス22を介してNDT検査デバイスを制御するためのある種のオプションを自動的に使用不可にすることができる。いくつかの実施形態では、NDT検査デバイスが安全に操作されることを保証するために、NDT検査者276は、NDT検査デバイスのある種の操作機能、またはNDT検査デバイスを制御するためのある種のオプションを使用不可にして、いつでも制御を取り戻すことができる。x線検査デバイスの例を再び参照すると、ブロック306において、アプリケーションは、疑いをもたない個人へのx線照射が遠隔から実行され得ないことを保証するために、x線検査デバイスからのx線の放射を使用不可にすることができる。NDT検査デバイスのある種の操作機能は使用不可にすることができるが、NDT検査者278は、さらなる解析、トラブルシューティング、またはNDT検査者276の支援を行うために、モバイルデバイス22上の測定ツールおよび解析ツールを依然として使用できてよい。
いくつかの実施形態では、アプリケーションによって制御されるNDT検査デバイスが、危険または潜在的に危険なNDT検査デバイスに対応するという判断が行われた後で、アプリケーションは、ブロック306に進むことができる。例えば、NDT検査デバイスがPTZカメラである場合、PTZカメラの遠隔操作は危険な状況を生み得ないので、アプリケーションは、PTZカメラのある種の機能を使用不可にするために、ブロック306に進まなくてよい。
ブロック304を再び参照すると、制御がリモートユーザと共有されていないとアプリケーションが判断した場合、アプリケーションは、ブロック302に戻って、共同セッションに留まることができる。そのため、NDT検査者276は、モバイルデバイス22の画面に示されたデータを共有し続けることができる。
上で説明された機能に加えて、NDT共同システム270は、NDTデバイス12において示されたデータまたはモバイルデバイス22において生成されたデータを、クライアントコンピューティングデバイス274にストリーミングすることも可能にすることができる。そのため、NDT共同システム270は、NDT検査者276が、アプリケーションまたはメニュードリブンインタフェースなどを実行しながら、NDT検査ライブをNDT検査者278にストリーミングすることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、位置認識技術を使用して、NDT共同システム270は、現在表示または検査されている特定の資産または構成要素に関連する、データベース272に記憶された適用可能な関連情報を、NDT検査者278に提供することもできる。例えば、関連情報は、現在実行されている検査プロセスについての検査報告書に対応するデータフィールドを含むことができる。加えて、または代替として、関連情報は、資産に関連する履歴的なNDTデータ、他の類似資産についてのNDTデータ、それぞれのNDTデバイス12または他の資産に関連する測定情報、それぞれのNDTデバイス12または他の資産に関連する測定限界、それぞれのNDTデバイス12または他の資産に関連するサービスブリテン(service bulletin)、それぞれのNDTデバイス12または他の資産に関連する技術マニュアル、それぞれのNDTデバイス12または他の資産に関連する更新された技術仕様書、それぞれのNDTデバイス12または他の資産に関連する相手先商標製造会社(OEM)の助言、業界標準操作手順書(SOP)、整備工場マニュアルなどを含むことができる。そのため、モバイルデバイス22は、それが検査している資産およびその資産内のそれぞれの場所に関する情報を含む、現在の検査データをライブでストリーミングすることができる。さらに、この情報を使用して、NDT共同システム270は、情報を自動的に取り出して、NDT検査者276およびNDT検査者278に提供することができる。したがって、関連情報は、NDT検査者がデータおよび検査プロセスを解析することをより良く可能にするために、NDT検査者276およびNDT検査者278の両方から利用可能にすることができる。
上述のことを留意したうえで、図14は、NDT検査デバイス12からデータを取り出しながら、位置認識データを提供するためのプロセス310を示している。上で説明されたプロセスと同様に、プロセス310またはプロセス310の一部は、非一時的なコンピュータ可読媒体内に含まれること、メモリ17、21、25、95、99、103などのメモリ内に記憶すること、ならびにプロセッサ15、19、23、93、97、101などの1つまたは複数のプロセッサ、コンピューティングシステム29、およびクラウド24によって実行可能であることができる。
一実施形態では、モバイルデバイス22、NDT検査デバイス12、コンピューティングシステム29、および/またはクラウド24によって実行可能なコンピュータ命令を含むアプリケーションは、NDTシステム10内の1つの機器(例えば、デバイス12、14、16、22、42、44、46)の検査に関連し得るデータを収集するために使用することができ、またはNDTシステム10に関連する報告書159を生成するために使用することができる。プロセス310は、プロセス310を実行できる特定の順序で示されているが、プロセス310は、異なる順序でも実行できることに留意されたい。
ここで図14を参照すると、ブロック312において、アプリケーションは、上で説明したように、リアルタイムで1人または複数人の受取手とデータを共有するモードに入ることができる。データを共有している間、ブロック314において、アプリケーションは、共有データに関連する位置情報を決定することができる。位置情報は、それぞれのNDT検査デバイス12によって検査される機器(例えばターボ機械18)内の物理的な場所を含むことができる。例えば、ターボ機械18などの機器の場合、位置情報は、モバイルデバイス22に表示されたデータまたはモバイルデバイス22によって取り出されたデータが、ターボ機械18の燃焼室に対応するか、それともターボ機械18のコンプレッサに対応するかなどを示すことができる。
いくつかの実施形態では、アプリケーションは、モバイルデバイス22によってNDT検査デバイス12から取り出されたデータ、ならびに検査される機器のタイプ、検査に要している時間、およびNDT検査者276によって利用される検査プロセスに関連する経験的データなどの、検査プロセスに関連する他の情報に基づいて、位置情報を決定することができる。例えば、アプリケーションは、モバイルデバイス22に入力されたデータが、ターボ機械18の燃焼室に関連し得ることを決定することができる。そのため、アプリケーションは、ターボ機械18の燃焼室にモバイルデバイス22を見出し得ると決定することができる。
別の例では、アプリケーションは、NDT検査者276が検査プロセスを開始してから経過した時間を決定し、その時間を、同様の機器に対して検査者が以前行った検査に関連する、検査者の履歴的または経験的データと比較することができる。その比較に基づいて、アプリケーションは、検査者が現在検査プロセスのどの部分にいる可能性があるかを推定すること、または見積もることができ、検査者が現在いる可能性がある検査プロセスの部分に対応し得る、それぞれの機器内の場所を決定することができる。
さらに、経験的データからの場所の決定は、ワークフロー、メニュードリブン検査(MDI)プロセス、またはNDT検査者276を誘導するNDT検査デバイス12もしくはモバイルデバイス22のアプリケーションもしくは機能、すなわち、誘導検査(guided inspection)アプリケーションにおける、NDT検査者276の位置の監視を含むことができる。加えて、NDT検査者276またはNDT検査者278は、位置情報を識別し、区別し、またはさもなければ入力することができる。
モバイルデバイス22は、位置情報を決定するために使用できる、追加の回路またはアプリケーションも含むことができる。例えば、モバイルデバイス22は、屋内全地球測位システム(GPS)技術、画像認識技術、無線周波数識別(RFID)技術、バーコード技術、光学式文字認識(OCR)技術、および三角測量(例えば、WiFi三角測量、無線三角測量)などを使用して、検査される機器内の場所を決定することができる。例を挙げると、ブロック312の共有データが、資産内で実行されている検査のライブビデオフィードバックを含む場合、アプリケーションは、画像認識ソフトウェアを使用して、機器のある部品を識別し、識別された部品に基づいて機器内の場所を決定することができる。同様に、アプリケーションは、屋内GPS技術、RFID技術、バーコード技術、およびOCR技術などから入力を受け取り、入力データを凡例またはキーと比較して、検査されている機器内の場所を決定することができる。いくつかの実施形態では、凡例またはキーは、データベース272などに記憶することができる。
このことに留意したうえで、ブロック316において、アプリケーションは、検査される、またはブロック312において共有されたデータに対応する、1つまたは複数の資産を決定または識別することができる。資産は、検査される機器内の構成要素に対応することができる。例えば、ターボ機械18の資産は、燃焼室またはコンプレッサなどを含むことができる。一実施形態では、アプリケーションは、ブロック314において決定された位置情報に基づいて、資産を決定または識別することができる。加えて、または代替として、アプリケーションは、画像認識技術、屋内GPS技術、RFID技術、バーコード技術、OCR技術、および三角測量などを使用して、検査される資産を識別することができる。すなわち、アプリケーションは、ブロック312において受け取ったデータに関連する資産または資産タイプを示すことができる情報を、画像認識技術、屋内GPS技術、RFID技術、バーコード技術、OCR技術、および三角測量などから受け取ることができる。
ブロック312において共有されたデータに対応する資産を識別した後、ブロック318において、アプリケーションは、それぞれの資産に関連する情報を決定または識別することができる。すなわち、アプリケーションは、ブロック312において共有されたデータに対応する資産内の場所に基づいて、関連する資産情報を識別することができる。関連する資産情報は、NDT検査者276が実行し得る検査プロセスまたは報告の一部であり得る、検査報告書または任意のデータ入力ツールを含むことができる。そのため、NDT検査者276が特定の資産に接近したとき、アプリケーションは、特定の資産に関連する検査報告書のデータフィールドを表示することができる。このようにして、NDT検査者276は、例えば、より僅かなアプリケーションとの対話によって、より効率的にデータを入力することができる。
いくつかの実施形態では、NDT検査者276およびNDT検査者278は、識別された資産に関連する追加の情報も取り出すことができる。そのため、関連する資産情報は、識別された資産についての以前の検査データ、他の類似資産についての検査データ、識別された資産についての測定情報、識別された資産についての測定限界、識別された資産についてのサービスブリテンまたは更新、識別された資産についての技術マニュアルまたは更新された技術マニュアル、および識別された資産についての相手先商標製造会社(OEM)の助言なども含むことができる。
関連情報は、モバイルデバイス22またはクライアントサイドコンピューティングデバイス274などにローカルに記憶することができる。代替として、または加えて、関連情報は、データベース272内のナレッジベースシステムに記憶することができる。そのため、アプリケーションは、クラウド24を介してデータベース272から関連情報を取り出すことができる。一実施形態では、アプリケーションは、共有データに関連する関連情報についてのタグまたは簡潔なテキスト説明を、モバイルデバイス22の画面上に表示することができる。ここで、NDT検査者276またはNDT検査者278は、タグまたはテキスト説明と対話したときに、関連情報を取り出すことができる。
ブロック320において、アプリケーションは、関連情報またはそれについてのプロンプトを、モバイルデバイス22の画面上に、またはブロック312において共有されたデータ上に表示することができる。例えば、共有されたデータがビデオフィードを含む場合、アプリケーションは、関連情報に接続できるリンクまたはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)アイコンもしくはグラフィックを重ね合わせることができ、あるいは情報は、GUIの別のウィンドウまたは画面内に表示することができる。
他の実施形態では、NDT共同システム270を使用して、様々なタイプのデータ解析技法を実行することができる。すなわち、クラウド24は、様々なタイプのアルゴリズムなどを使用してデータを解析できる数々のプロセッサを有する、コンピューティングネットワークを含むことができる。そのため、クラウド24を使用して、計算集約的なことがある、またはモバイルデバイス22もしくはクライアントサイドコンピューティングデバイス274上では効率的に実行できないことがある、様々なタイプの解析を実行することができる。データ解析は、NDT検査デバイス12によって獲得されたデータに対して実行することができ、様々なタイプのアルゴリズム(例えばフィルタ)をデータに適用すること、およびデータを表現する視覚化を生成することなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、データ解析は、予測分析アルゴリズムをデータに適用して、データに関連する資産などの耐用年数を決定することを含むことができる。
データを解析するために、クラウド24内のサーバおよび/またはサービスを利用することによって、NDT検査者276および/またはNDT検査者278は、モバイルデバイス22またはクライアントサイドコンピューティングデバイス274などのローカルマシンの処理能力ではなく、クラウド24の処理能力を使用して、NDT検査デバイス12によってキャプチャされたデータを解析することができる。このようにして、NDT検査者276は、NDTシステム10において検査操作を実行しながら、モバイルデバイス22およびNDT検査デバイス12を介してデータを獲得することができる。データを獲得した後、モバイルデバイス22は、データをクラウド24に自動的に送信することができ、クラウド24は、データに対して1つまたは複数のカスタマイズされたアルゴリズムを実行することができる。アルゴリズムを実行した後、クラウド24は、共同システム270を使用して、結果または解析されたデータをモバイルデバイス22に返すことができる。
クラウド24がデータを受け取ったとき、クラウド24は、データに関するメタデータを識別し、クラウド24内のストレージもしくはメモリ、またはデータベース272などにセーブすることができる。メタデータは、検査される資産、その資産を検査するために使用された方法、その資産から受け取った測定値、およびその資産に関する構成要素識別情報などに対応する情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、クラウド24は、メタデータをカテゴライズし、そのカテゴリに関してメタデータを記憶することができる。他の実施形態では、クラウド24は、ある種の変数に関してデータおよび/またはメタデータを解析することができる。例えば、クラウド24は、NDT検査デバイス12によって獲得されたデータを、それぞれのNDT検査デバイス12によって以前に獲得されたデータ、NDT検査デバイス12の一群によって獲得されたデータ、類似の資産によって獲得されたデータ、および既知の値(例えば測定ゲート(measurement gate))などと比較することができる。
上述のことに留意したうえで、図15は、共同システム270を使用してNDTデータを解析するために、モバイルデバイス22、クライアントサイドコンピューティングデバイス274、またはNDT検査デバイス12などが利用できる、プロセス330のフローチャートを示している。特に、プロセス330は、NDT検査デバイス12によって獲得されたデータを、NDT共同システム270のクラウド24を使用して解析することに関する。
一実施形態では、モバイルデバイス22、クライアントサイドコンピューティングデバイス274、NDT検査デバイス12、コンピューティングシステム29、および/またはクラウド24によって実行可能なコンピュータ命令を含むアプリケーションを使用して、プロセス330を実行することができる。プロセス330は、プロセス330を実行できる特定の順序で示されているが、プロセス330は、異なる順序でも実行できることに留意されたい。
ここで図15を参照すると、ブロック332において、アプリケーションは、NDT検査デバイス12によって獲得できた原データを受け取ることができる。原データは、1つまたは複数のアルゴリズムを使用して解析すべきデータとして、NDT検査者276またはNDT検査者278が、識別または指定することができる。そのため、一実施形態では、アプリケーションは、原データを解析のためにクラウド24に送信することができる。すなわち、クラウド24と同じ処理能力を有さないことがあるモバイルデバイス22またはクライアントサイドコンピューティングデバイス274上でデータを解析する代わりに、クラウド24が、そのプロセッサを利用して、データを解析することができる。例えば、クラウド24は、クラウドコンピューティングアナリティクスを実行するのに適した、1つまたは複数の仮想マシン(VM)、サーバ、ストレージ、ロードバランサ、およびネットワークキャッシュなどを含むことができる。
いくつかの実施形態では、原データがNDT検査デバイス12によって受け取られたとき、NDT検査者276またはNDT検査者278は、クラウド24を使用して原データを処理するための1つまたは複数のアルゴリズムを、アプリケーションに指示することができる。クラウド内のプロセッサを使用して原データを解析することによって、NDT検査者276またはNDT検査者278は、原データをより効率的に解析することができる。すなわち、クラウド24のコンピューティングネットワークは、スケーラブルなコンピューティングシステムまたはプロセッサを含むことができるので、結果として、一般に、モバイルデバイス22またはクライアントサイドコンピューティングデバイス274よりも大きな処理能力を含むことができる。このようにして、モバイルデバイス22またはクライアントサイドコンピューティングデバイス274において利用可能であるよりも大きな処理能力を使用できるクラウド24が、データを処理または解析している間、NDT検査者276またはNDT検査者278は、検査プロセスを継続すること、または他のデータを解析することができる。
プロセス330に留意したうえで、図16は、NDT検査デバイス12を介してモバイルデバイス22によって獲得された原データを解析するときに、クラウド24が利用できるプロセス340を示している。モバイルデバイス22と同様に、クラウド24は、NDT検査デバイス12によって獲得されたデータを解析するためにクラウド24によって実行可能なコンピュータ命令を含むことができる、アプリケーション(例えばクラウドアプリケーション)を含むことができる。そのため、ブロック342において、クラウドアプリケーションは、モバイルデバイス22によって送信された(ブロック334)原データを受け取ることができる。原データに加えて、クラウドアプリケーションは、受け取ったデータを解析するための1つまたは複数のアルゴリズムの表示も受け取ることができる。いくつかの実施形態では、アルゴリズムは、クラウド24にアップロードでき、モバイルデバイス22のためのアプリケーションの開発者、クラウドアプリケーションの開発者、またはサードパーティ開発者などが設計できる、カスタマイズされたアルゴリズムとすることができる。
ブロック344において、クラウドアプリケーションは、それぞれのプロセッサを使用して、ブロック342において受け取ったデータを解析することができる。そのため、クラウドアプリケーションは、上で説明したように、NDT検査者276またはNDT検査者278によって指定されたアルゴリズムを使用して、データを解析することができる。一実施形態では、データ解析は、NDT検査者276が、実行することができ、またはクラウド24に接続された専門家が、クラウド24から利用可能なデータ解析ツールを使用して実行することができる。データ解析ツールは、検査される資産に関連する測定値、検査される資産に対する支援付きおよび/または自動欠陥認識、検査される資産および/または構成要素についての配置情報、ならびに資産および/または構成要素の履歴などのデータを解析することができる。一実施形態では、解析されたデータは、解析の結果に基づいて、追加のデータを獲得すること、またはデータを獲得する方法を見直すことなどをNDT検査者276に命じる、1つまたは複数の命令を含むことができる。
例を挙げると、ブロック342において受け取るデータが、溶接を検査中に獲得される超音波波形またはデータに関連する場合、超音波データを、ブロック342において、クラウド24が受け取ることができ、ブロック344において、専門家が解析することができる。そのため、専門家は、溶接内の欠陥を際立たせること、または超音波データから様々なアーチファクトもしくはノイズを除去することができ、それによって、検査解析を改善する、様々なフィルタを、超音波データに対応する画像に適用することができる。一実施形態では、クラウドアプリケーションは、溶接に関連する超音波データとともに受け取ったメタデータを解析し、溶接内に存在し得る可能なタイプの欠陥(例えば、浸透または融合の不足、亀裂の存在など)を決定することができる。クラウドアプリケーションによって実行される解析は、解析の所見を要約でき、NDT検査デバイス12によって獲得されたデータおよびメタデータの要約を提供でき、所見、データ、またはメタデータなどに関連する結果または助言のリストを提供できる、報告書を生成することも含むことができる。例えば、報告書は、溶接に存在し得る各欠陥をリストアップすることができる。各エントリ内で、報告書は、欠陥のサイズ、位置、およびタイプなど、それぞれの欠陥に関する追加の情報を示すことができる。
別の例では、ブロック342において受け取るデータが、渦流探傷検査データに関連する場合、ブロック344において、クラウド24を使用して、渦流探傷検査データを解析することができる。渦流探傷データ解析は、鉄または非鉄材料中を伝播する渦流の観察結果を得るのに役立つ、様々な精巧な解析アルゴリズムによって実行することができ、アルゴリズムは、クラウド24の処理能力を使用して、より効率的に実行することができる。いくつかの実施形態では、より正確な結果を得るために、複数の反復の間に、様々な解析アルゴリズムを複数回実行することができる。やはり、これらのタイプの計算を、モバイルデバイス22またはクライアントサイドコンピューティングデバイス274の代わりに、クラウド24において実行することによって、NDT検査者276および/またはNDT検査者278は、より正確な解析データをより効率的に獲得することができる。
また別の例では、クラウド24を使用して、x線撮影データも解析することができる。ここでは、NDT検査者276または専門家が、クラウド24を使用して、x線撮影データを解析することができる。例えば、クラウド24を使用して、flash filter(商標)または他の類似の解析ツールをx線撮影データに適用することができる。
いくつかの実施形態では、データがクラウド24にストリーミングされるように、ブロック342において受け取るデータを連続的に受け取ることができる。そのため、ブロック344において、クラウド24は、データがクラウド24にストリーミングされている、またはクラウド24によって受け取られるときに、データを連続的に解析することができる。
原データを解析した後、ブロック346において、クラウドアプリケーションは、ブロック342において受け取ったデータを送信した、それぞれのモバイルデバイス22またはそれぞれのクライアントサイドコンピューティングデバイス274に、解析されたデータを返信することができる。そのため、NDT検査者276またはNDT検査者278は、解析の結果を受け取り、結果に基づいて検査またはデータ収集プロセスを続行することができる。
クラウド24を使用してデータを解析するのに加えて、NDT共同システム270を使用して、NDT検査デバイス12によって獲得されたデータを組織および/またはカテゴライズすることができる。図17は、NDT検査デバイス12によって獲得されたデータおよび/またはメタデータを、モバイルデバイス22を介して、クラウド24に送信するためのプロセス350を示している。
図15のプロセス330と同様に、モバイルデバイス22、クライアントサイドコンピューティングデバイス274、NDT検査デバイス12、コンピューティングシステム29、および/またはクラウド24によって実行可能なコンピュータ命令を含むアプリケーションを使用して、プロセス350を実行することができる。さらに、プロセス350は、プロセス350を実行できる特定の順序で示されているが、プロセス350は、異なる順序でも実行できることに留意されたい。
ここで図17を参照すると、ブロック352において、アプリケーションは、NDT検査デバイス12によって獲得されたデータを受け取ることができる。その後、ブロック354において、アプリケーションは、ブロック352において受け取ったデータに関連するメタデータを識別することができる。メタデータは、検査される資産、資産を検査するために使用される方法および/または検査プロトコル、資産に関連する測定値、ならびに資産の一部であり得る構成要素の識別などに対応する情報を含むことができる。メタデータを識別した後、ブロック356において、アプリケーションは、データおよび/または識別されたメタデータをクラウド24に送信することができ、クラウド24は、図18を参照して以下で説明するように、データおよび/またはメタデータを解析および/または組織することができる。
このことに留意したうえで、図18は、モバイルデバイス22などから受け取ったデータおよび/またはメタデータを組織するために、クラウドアプリケーションによって使用できる、プロセス360のフローチャートを示している。そのため、ブロック362において、クラウドアプリケーションは、モバイルデバイス22またはクラウド24に結合された他の任意のデバイスから、データおよび/またはメタデータを受け取ることができる。ブロック362において受け取るデータは、上で説明したように、NDT検査デバイス12によって獲得することができる。同様に、メタデータは、図17を参照して上で説明したように、モバイルデバイス22において実行されるアプリケーションによって識別することができる。一実施形態では、クラウドアプリケーションは、受け取ったデータからメタデータを識別または抽出することができる。
いずれの場合も、ブロック364において、クラウドアプリケーションは、データおよび/またはメタデータをカテゴライズまたは組織することができる。例えば、クラウドアプリケーションは、検査される資産、検査される資産が一群の資産の一部かどうか、およびそれぞれの資産を検査するために使用される検査プロセスなどに基づいて、データおよび/またはメタデータをカテゴライズすることができる。
一群の資産は、様々な場所で動作中であり得る、特定のタイプ、モデル、またはグループの資産からなるグループを含むことができる。データがその群に従ってカテゴライズされる場合、クラウドアプリケーションは、同じ群の同様の資産から獲得されたデータを使用して、追加のデータ解析を実行することが可能なことがある。例えば、第1の主体は、化学処理プラントのための特定の資産を使用することができ、一方、第2の主体は、梱包プラントのための同じタイプの資産を使用することができる。異なる環境において動作する各資産は、異なる条件下で動作することができる。そのため、第1の主体は、梱包プラントが資産を使用する使い方と同様であり得る条件下で資産がどのように動作し得るかを知ることに関心があることがあり、一方、第2の主体は、梱包プラントが資産を使用する使い方と同様であり得る条件下で資産がどのように動作し得るかを知ることに関心があることがある。同じタイプの資産に関連するデータおよびメタデータを一緒にカテゴライズすることによって、クラウドアプリケーションは、特定の資産に関して、運転、運転寿命、および能力などについてのより多くの詳細を決定するために解析し得る、データのインベントリを作成することができる。
一実施形態では、クラウドアプリケーションは、各資産の所有者が匿名になり得るように、データおよび/またはメタデータを変更または修正することができる。例えば、クラウドアプリケーションは、資産がどこに設置されているか、および誰が資産を購入したかなどを示すことができる、データおよび/またはメタデータ内の任意の情報を削除することができる。このように、資産所有者は、特定のプロセスまたは運転についての慎重に扱うべき詳細を提供することなく、それぞれのデータをそれぞれの群の一部としてカテゴライズすることを、クラウドアプリケーションに許可したいと思うことができる。
ブロック366において、クラウドアプリケーションは、カテゴライズされたデータおよび/またはメタデータをメモリに記憶することができる。一実施形態では、カテゴライズされたデータおよび/またはメタデータは、データベース272などに記憶することができる。そのため、カテゴライズされたデータおよび/またはメタデータは、解析のために、NDT検査者276、NDT検査者278、または専門家などから利用可能にすることができる。すなわち、NDT検査者276、NDT検査者278、または専門家などは、様々なカテゴリ内のデータに関して、それぞれの資産に対応するデータを解析することができる。
いくつかの実施形態では、ブロック368において、クラウドアプリケーションは、カテゴライズされたデータおよび/またはメタデータを解析して、データの各カテゴリに関する、動向、運転寿命、最大および最小パラメータ、ならびに様々な他のタイプの詳細を決定することができる。クラウドアプリケーションは、クラウドアプリケーションによって実行された解析を要約できる報告書も生成することができる。カテゴライズされたデータおよび/またはメタデータを解析した後、クラウドアプリケーションは、解析の結果(例えば報告書)をモバイルデバイス22などに返信することができる。モバイルデバイス22、クライアントサイドコンピューティングデバイス274、またはクラウド24などが、NDT共同システム270内でデータまたは情報を送信する場合、送信されるデータまたは情報のインテグリティを保護するために、送信前にデータを暗号化し、受信後に暗号解除できることに留意されたい。
NDT検査デバイス12によって獲得されたデータを解析するための上で説明されたプロセスに加えて、モバイルデバイス22またはクラウド24は、異なるNDT検査デバイス12から獲得されたデータに対して、様々な検討および解析プロトコルまたはワークフローを実施できる方法を提供することができる。すなわち、モバイルデバイス22、クラウド24、またはクライアントサイドコンピューティングデバイス274などによって実行されるアプリケーションを使用して、NDT検査デバイス12によって獲得されたデータ(NDTデータ)を、解析されるNDTデータのタイプに基づいて、検討または解析するためのワークフローを定義することができる。言い換えると、NDTデータを収集するために、どのタイプのNDT検査デバイス12が使用されたかに係わらず、NDT検査者276は、単一のプラットフォームを使用して、様々なタイプのNDTデータを検討および解析することができる。すなわち、本明細書で説明される技法は、検査される資産において総合的な解析を実行する際に、特定のモードの解析(例えばx線)に限定されない、柔軟でマルチモーダルな手法を提供することができる。
しかし、従来のNDTデータ解析システムでは、利用可能な検討および解析アプリケーションは、すべてのタイプのNDTデータ(例えば、超音波、渦流探傷、x線撮影、目視検査など)に対して、ただ1つの解析プロトコルまたはワークフローを提供する。そのため、従来のNDTデータ解析システムによって提供される、ワークフロー、データ提示レイアウト、およびデータ解析ツールは、固定的で融通性に欠ける。結果として、従来のNDTデータ解析システムのユーザは、様々な検討および解析技法を実行する際に、制約を受けることがある。さらに、従来のNDTデータ解析システムは、解析の選択肢を提供し過ぎる(例えば、渦流探傷NDTデータを受け取ったときに、x線解析ツールを提供する)ことがあるので、あまり経験がないユーザは、従来のNDTデータ解析システムによって提供されるワークフローを使用して、NDTデータを適切に検討および/または解析することが難しく思えることがある。
このことに留意したうえで、本明細書で説明される技法は、モバイルデバイス22、クラウド24、またはクライアントサイドコンピューティングデバイス274などによって実行されるアプリケーションが、検討されるNDTデータのタイプに基づいて、NDTデータを検討および解析するための特定のワークフローを提供することを可能にすることができる。ワークフローは、事前に構成されたレイアウトに従ってNDTデータを表示すること、それぞれのNDTデータを解析するための特定の1組のツールを提供すること、およびビューワの事前設定または他の画像前処理ルールに従ってNDTデータを前処理することなどを含むことができる。ワークフローは、解析されたNDTデータに基づいて報告書を生成すること、検査結果もしくは報告書などを自動的に送信することも含むことができる。加えて、ワークフローは、NDTデータを検討または解析するときに、ユーザに追加のコンテキストを提供するために、実際の検査プロセスをシミュレートできる、参照コード、図面、ユーザインタフェース要素などの、様々なタイプの参考資料を取り出すことを含むことができる。
いくつかの実施形態では、ワークフローは、アプリケーション内で符号化することができ、NDTデータを解析するために使用されるテンプレートに基づいて、アプリケーションによって取り出すことができる。テンプレートは、デスクトップベースの検討ステーション、またはウェブ/クラウドベースの検討ステーション(例えば、モバイルデバイス22、クラウド24、もしくはクライアントベースコンピューティングデバイス274)などの、任意のコンピューティングデバイスにおいて、同じテンプレートを使用できるように、共通の1組のセマンティクスとともに準備することができる。そのようなテンプレートは、ある検査結果に関連するメタデータに関連付けることができる。例えば、アプリケーションは、NDTデータに関連するメタデータに基づいて、NDTデータを検討または解析するためのテンプレートを取り出すことができる。この場合、アプリケーションが適切なテンプレートを取り出すと、テンプレートが、アプリケーションに、NDTデータを検討および解析するためのワークフローを指示することができる。そのため、ワークフローは、アプリケーションに、特定の画面、レイアウト、1組のツール、1組の事前設定などを有する、特定の検討および解析画面を提示するように指示することができる。一実施形態では、ワークフローは、NDT検査デバイス12によって獲得された特定のNDTデータを解析するために使用できる、特定のデータ解析アプリケーションを実行することができる。
他の実施形態では、NDTデータ解析を実行するために使用されるプラットフォームまたはオペレーティングシステムは、現在表示されている、またはNDT検査者276、NDT検査者278、または専門家などによってアクセスされているNDTデータに適したワークフローを決定または識別することができる。この場合、プラットフォームは、現在アクセスされているNDTデータに基づいて、NDTデータを解析するために使用されるアプリケーションを動的に変更すること、提供されるデータ解析ツールを動的に変更することなどができる。例えば、プラットフォームが、渦流探傷データを解析するために使用できるデータ解析ツールを現在提供している場合に、x線データを検討または解析のために受け取ったとき、プラットフォームは、提供されるデータ解析ツールを、x線データを解析するためのデータ解析ツールに動的に変更することができる。すなわち、プラットフォームは、現在見られている、またはアクセスされているのがx線情報であることを認識することができ、結果として、プラットフォームは、x線データ解析ツールをユーザに提供することができる。
上述のことに留意したうえで、図19は、NDT検査デバイス12によって獲得されたNDTデータを検討および/または解析するためのワークフローを実施するためのプロセス370の一実施形態を示している。一実施形態では、モバイルデバイス22、クライアントサイドコンピューティングデバイス274、NDT検査デバイス12、コンピューティングシステム29、および/またはクラウド24によって実行可能なコンピュータ命令を含むアプリケーションを使用して、プロセス370を実行することができる。プロセス370は、プロセス370を実行できる特定の順序で示されているが、プロセス370は、異なる順序でも実行できることに留意されたい。
ブロック372において、アプリケーションは、NDT検査デバイス12によって獲得されたデータ(NDTデータ)を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、NDTデータは、NDTデータの解析をクラウド24において実行できるように、クラウド24によって受け取ることができる。そのため、NDTデータ解析ワークフローおよび/またはツールは、モバイルデバイス22またはクライアントサイドコンピューティングデバイス274などのローカルデバイスの能力によって制限されずにすむ。
いずれの場合も、ブロック374において、アプリケーションは、受け取ったNDTデータを検討および解析するために実施するのに適したユーザワークフローを決定することができる。ユーザワークフローは、NDTデータを検討または解析するときにアプリケーションが実施できる、1組のプロセスまたは方法などを指定することができる。さらに、ユーザワークフローは、NDTデータにアクセスできる、またはNDTデータの検討および/もしくは解析を要求され得る、1つまたは複数の個人(例えば専門家)または主体も定めることができる。加えて、ワークフローは、報告書が生成された後、またはNDTデータが解析された後に、誰が報告書または解析されたNDTデータを受け取ることができるかも定めることができる。
一般に、ユーザワークフローは、NDTデータを検討および解析するときに、アプリケーションのユーザが利用できるプロセスを定義することができる。すなわち、ワークフローは、NDTデータを解析または検討するときに使用する、特定の1組のNDTデータ処理ステップを定義することができる。例えば、x線撮影データを検討する場合、対応するワークフローは、画像内に存在し得るノイズおよび他の望ましくないアーチファクトを除去するために、x線撮影データに対応する画像にある種のフィルタを自動的に適用することができる。いくつかの実施形態では、アプリケーションは、ユーザワークフローを使用して、検討者/解析者(例えばNDT検査者278)が全部のユーザワークフローを辿ることを保証することができる。例えば、アプリケーションは、ある技法またはプロセスが実施されるまで、検討者が様々なタイプの解析などを実行することを禁止することができる。
ユーザワークフローは、画像データからノイズを除去するためにフィルタなどを適用することなど、様々な前処理アルゴリズムをNDTデータに適用することも含むことができる。加えて、ユーザワークフローは、NDTデータを他のデータ処理センタに送信すること、NDTデータまたは解析されたNDTデータに基づいて報告書を生成すること、および報告書をNDTシステム10内の様々な人員に送信することなどの、後処理ステップも定義することができる。これらのユーザワークフロープロセスの各々は、ユーザがNDTデータをより効果的かつ効率的に検討および/または解析することを可能にするのを助けるために、アプリケーションによって自動的に実施することができる。さらに、アプリケーションは、NDTデータを検討および/または解析するときに、ユーザが適切なユーザワークフロープロセスを利用することを保証するのを助けることができる。このようにして、アプリケーションは、NDTデータを指定された手順に従って検討および/または解析することを保証することができる。
ブロック374を再び参照すると、NDTデータに適したユーザワークフローは、アプリケーションを実行できるモード、NDTデータを獲得するために使用されるNDT検査デバイス12のタイプ、およびNDTデータを獲得するために利用されるNDT方法などに基づいて決定することができる。適切なワークフローは、NDTデータに関連するメタデータで定義することもできる。すなわち、メタデータは、受け取ることができるNDTデータのタイプ、またはNDTデータを解析するために実施するのに適したユーザワークフローなどを指示することができる。メタデータによって提供される情報を使用して、その後、アプリケーションは、NDTデータを検討および/または解析するのに適したユーザワークフローを決定することができる。
いくつかの実施形態では、ユーザワークフローは、検討または解析されるNDTデータに基づいてカスタマイズすることができる。すなわち、異なるタイプのNDTデータは、それぞれのNDTデータを解析するときに、異なるユーザワークフローを使用することができる。例えば、渦流探傷データは、x線撮影データとは著しく異なり得る。そのため、それぞれのNDTデータを解析するために使用される検討および/または解析処理ステップおよび/またはツールは、著しく異なり得る。このように、ブロック374において決定されるユーザワークフローは、NDTデータを検討および/または解析するためのプロセスをより効率的に実行できるように、解析されるNDTデータのタイプに対応することができる。
適切なユーザワークフローを決定した後、ブロック376において、アプリケーションは、上で説明したように、適切なワークフローを実施することができる。そのため、アプリケーションは、ユーザがNDTデータを用いてユーザワークフロー内の様々なステップを実行したことを、他のステップに進む前に確認することができる。アプリケーションは、NDTデータをワークフローに従ってどのように解析できるかを指定する、メッセージまたは命令を表示することもできる。いくつかの実施形態では、ブロック376においてユーザワークフローを実施した後、アプリケーションは、検討される(すなわちブロック372において受け取った)NDTデータに基づいて、ユーザワークフローが動的に変化するように、プロセス370を繰り返すことができる。
NDTデータ解析検討のためのワークフローを自動的に実施することによって、アプリケーションは、NDTデータの検討および解析をより効率的にすることができる。すなわち、ワークフローベースのアプリケーションは、検査ワークフロープロセスを改善し、それによって、ユーザがNDTデータを検討または解析する時間を節約するのを助けることができる。さらに、アプリケーションは、ワークフローを符号化して、他のステップが完了するまで、検討者がワークフロー内のあるステップに進むことを防止することによって、特定のプロセスまたはある検討ルールが検討者によって実行されることを保証することもできる。
アプリケーションは、NDTデータおよびNDTデータを解析するために使用できるデータ解析ツールを表示するのに適したレイアウトも生成することができる。図20は、適切なレイアウトおよびツールをユーザに表示するために使用できるプロセス380のフローチャートを示している。ブロック382において、アプリケーションは、ブロック372に関して上で説明したように、NDTデータを受け取ることができる。すなわち、アプリケーションは、NDTデータを検討または解析できるように、NDTデータを受け取ることができる。
NDTデータを受け取った後、ブロック384において、アプリケーションは、NDTデータを表示するのに適したレイアウトを決定することができる。いくつかの実施形態では、アプリケーションは、実行されるアプリケーションに対応するモダリティ(例えば、渦流探傷、x線撮影など)に基づいて、適切なレイアウトを決定することができる。別の実施形態では、アプリケーションは、キーボードまたはキーパッドなどの入力デバイスを介して、ユーザから受け取った指示に基づいて、レイアウトを決定することができる。また別の実施形態では、アプリケーションは、NDTデータが表す資産または構成要素に基づいて、レイアウトを決定することができる。そのため、アプリケーションは、アプリケーションが動作しているモード、アプリケーションのユーザから受け取った入力、または解析、アクセス、もしくは表示されるNDTデータのタイプなどに基づいた、特定のレイアウトを使用して、または特定のグラフィカルモードで、NDTデータを提示することができる。いくつかの実施形態では、この情報は、受け取ったNDTデータに関連するメタデータ内に埋め込むことができる。
場合によっては、レイアウトは、アプリケーションのユーザが、NDTデータの検討および/または解析についてのユーザの選好に従って、事前に決定することができる。代替として、アプリケーションは、NDTデータおよびそれぞれのNDTデータを解析するために使用されたレイアウトに関する履歴的参照に基づいて、特定のレイアウトを決定することができる。レイアウトは、NDTデータを組織し得る方法、またはNDTデータをユーザに提示し得る方法を含むことができる。例えば、NDTデータは、検査される特定の資産、検査が行われた時間および/もしくは日付、または検査に関連する特定の任務などに従って、組織することができる。
ブロック382において、NDTデータを受け取った後、またはブロック384において、NDTデータに適したレイアウトを決定した後、ブロック386において、アプリケーションは、ブロック382において受け取ったNDTデータを解析するために使用できる適切なデータ解析ツールを決定することができる。一実施形態では、図19を参照して上で説明したユーザワークフローにおいて、1組のデータ解析ツールを定義することができる。さもなければ、アプリケーションは、アクセスされるNDTデータ、NDTデータに関連するメタデータ、またはアプリケーションのユーザから受け取った指示などに基づいて、1組のデータ解析ツールを独立に決定することができる。いずれの場合も、1組のデータ解析ツールは、解析されるNDTデータのタイプに応じることができる。すなわち、NDTデータの各タイプ(例えば、渦流探傷、x線撮影、超音波、目視)は、NDTデータを解析および/または検討するために使用できる特定の1組のツールに関連付けることができる。例えば、1組のデータ解析ツールは、NDTデータがx線撮影データに対応する場合は、様々な画像フィルタを含むことができるが、1組のデータ解析ツールは、NDTデータが渦流探傷データに対応する場合は、渦流探傷データはどのような画像も含み得ないので、画像フィルタを含まなくてよい。
NDTデータを表示するのに適したレイアウト、および/またはNDTデータに適した1組のデータ解析ツールを決定した後、ブロック388において、アプリケーションは、ユーザがNDTデータを検討および/または解析できるように、レイアウトおよび/または1組のデータ解析ツールをインポートすることができる。一実施形態では、1組のデータ解析ツールは、レイアウトに従って、モバイルデバイス22またはクライアントサイドコンピューティングデバイス274などの画面上に表示することができる。レイアウトおよび/またはデータ解析ツールをインポートした後、アプリケーションは、アプリケーションがNDTデータを受け取るたびに、プロセス380を繰り返すことができる。そのため、アプリケーションは、現在アクセスまたは解析されているNDTデータに基づいて、レイアウトおよび/またはデータ解析ツールを動的に変更することができる。
いくつかの実施形態では、ユーザワークフローの異なる部分に対して、異なる1組のデータ解析ツールをインポートすることができる。すなわち、ユーザワークフローの異なる部分は、異なるタイプのデータ解析ツールを使用できる、異なるタイプのデータ解析技法を含むことができる。ユーザがユーザワークフローに従ってNDTデータを解析または検討している間、適切なデータ解析ツールを継続的にインポートすることによって、アプリケーションは、ユーザがNDTデータを効率的に解析することを可能にすることができる。さらに、ユーザがユーザワークフローに従ってNDTデータを解析するときに、適切なデータ解析ツールを提供することによって、アプリケーションは、あまり経験のないユーザ(すなわち検討者)に役立ち得るデータ解析ツールを自動的に選択することによって、あまり経験のないユーザを支援することができる。さらに、データ解析ツールの自動的な提供は、アプリケーションのユーザインタフェース内に提供されるデータ解析ツールを単純化することによって、またはユーザからのいかなる入力もなしに、適切なデータ解析ツールを提供することによって、経験のあるユーザも助けることができる。
上で説明されたプロセス370およびプロセス380は、モバイルデバイス22またはクライアントサイドコンピューティングデバイス274などを使用して、NDT検査者276またはNDT検査者278などによって実行できるが、個人(例えば専門家)が、検査手順とは独立にクラウドを介してアプリケーションにログインすることを可能にするために、プロセス370およびプロセス380は、クラウド24に関連して使用できることに留意されたい。すなわち、専門家は、クラウド24を介し、アプリケーションを使用して、NDTデータにアクセスすることができ、次に、アプリケーションは、専門家が、数々のユーザワークフロー、レイアウト、およびデータ解析ツールなどを使用して、すべてのタイプ(例えばモダリティ)のNDTデータを見、解析することを可能にすることができる。そのため、専門家は、検査された資産または構成要素の健全性またはステータスに対する総合的な視野を得る機会が与えられる。
このことに留意したうえで、図21は、専門家がクラウド24を介してNDTデータを解析することを可能にするために使用できるプロセス390を示している。一実施形態では、クラウド24によって実行可能なコンピュータ命令を含むアプリケーションに、モバイルデバイス22、クライアントサイドコンピューティングデバイス274、および/またはコンピューティングシステム29を使用してアクセスし、プロセス390を実行することができる。プロセス390は、プロセス390を実行できる特定の順序で示されているが、プロセス390は、異なる順序でも実行できることに留意されたい。
そのため、ブロック392において、アプリケーションは、ログイン名またはパスワードなどの、ユーザ識別情報を受け取ることができる。受け取ったユーザ識別情報に基づいて、ブロック394において、アプリケーションは、その専門家のためのレイアウトおよび/またはデータ解析ツールを生成する。すなわち、アプリケーションは、専門家によって選好されるものとして指定され得た、レイアウトを生成すること、またはレイアウトに従ってNDTデータを提示することができる。一実施形態では、アプリケーションは、NDTデータのタイプ、受け取った日付、または識別番号などに従ってNDTデータを組織できる、レイアウトを生成することができる。このように、解析を行うために入手可能なNDTデータに対する総合的な視野を専門家に提供することができる。別の実施形態では、アプリケーションは、図20のブロック384に関して上で説明したプロセスに基づいて、レイアウトを生成することができる。
レイアウトを生成するのに加えて、またはそれに代わって、アプリケーションは、ユーザ識別情報に基づいて、1組のデータ解析ツールをインポートすることができる。すなわち、アプリケーションは、ユーザが選好するものとして定めることができる、1組のデータ解析ツールを決定することができる。代替として、図20のブロック386に関して上で説明したプロセスに基づいて、1組のデータ解析ツールを生成すること、またはインポートすることができる。
レイアウトおよび/またはデータ解析ツールを生成し、表示した後、ブロック396において、アプリケーションは、NDTデータの解析を求める要求または指示を専門家から受け取る。そのため、専門家は、解析される特定の1組のNDTデータを指示できる入力デバイスを使用して、入力をアプリケーションに提供することができる。ブロック398において、アプリケーションは、選択されたNDTデータを解析または検討するために使用できるユーザワークフローを実施することができる。
ユーザワークフローは、クラウド24によってアクセス可能とすることができるテンプレートに基づいて決定することができる。クラウド24は、数々のユーザワークフローにアクセスすることができ、アプリケーションは、各ユーザワークフローを専門家に表示することができる。その後、専門家は、NDTデータを解析するために使用するユーザワークフローを選択することができる。いくつかの実施形態では、ユーザワークフローは、専門家が、NDTデータを検討および解析するためのデータ解析ワークフローを生成するように設計され得たアプリケーション構築ツールを使用して、生成することができる。
代替として、ユーザワークフローは、NDTデータを介して、インポートすることができる。すなわち、アプリケーションは、NDTデータの各タイプに対して特定のユーザワークフローを使用することができ、ユーザワークフローは、NDTデータのメタデータにおいて定義することができる。例えば、NDTデータは、検査を実行した際にNDT検査者276を支援できた特定の検査ワークフローを使用して、獲得することができた。検査ワークフローは、NDTシステム10内で検査を実行できるプロセスを定義するために、アプリケーション構築ツールを使用して、専門家などによって生成することができた。検査ワークフローは、NDTデータを解析するために使用できる、特定のユーザワークフローに関連付けることができる。この場合、獲得されたNDTデータのメタデータは、NDTデータが特定の検査ワークフローを使用して獲得されたことを示すことができ、特定の検査ワークフローとそれぞれのユーザワークフローとの間の関連性も示すことができる。
このことに留意したうえで、ユーザワークフローは、検査ワークフローとともに、全体ワークフロー定義の一部とすることができる。そのため、いくつかの実施形態では、全体ワークフロー定義をNDT検査デバイス12に送信することができる。その場合、NDT検査者276は、NDT検査デバイス12を介して検査ワークフローにアクセスし、検査プロセス中、誘導してもらうことができる。NDTデータがNDT検査デバイス12によって獲得されたとき、NDTデータは、獲得されたNDTデータを解析するために使用できる、検査ワークフローおよびユーザワークフローを含む、全体ワークフローを定義するメタデータを含むように変更することができる。検討および/または解析を行うために、後で専門家などがNDTデータにアクセスする場合、アプリケーションは、NDTデータのメタデータにアクセスして、NDTデータの検討および/または解析のために実施する適切なユーザワークフローを決定することができる。上で言及したように、ユーザワークフローは、NDTデータ、1組のデータ解析ツール、および事前に構成されたアルゴリズムなどを表示するためのレイアウトを指定することができる。
NDTデータを解析および/または検討した後、アプリケーションは、解析されたNDTデータを要約できる報告書を生成することができる。報告書は、特定のNDTデータを解析したときに実施されたユーザワークフローの要約、または特定のNDTデータを獲得するために使用した検査ワークフローの要約なども含むことができる。報告書は、ワークフロー内の異なるステージにおける、NDTデータの変更バージョンを含むことができる。報告書を生成した後、アプリケーションは、報告書を1人もしくは複数人の個人に、またはデータベース272に送信することができる。報告書の受取手は、アプリケーションのユーザによって、またはワークフロー内などにおいて、指定することができる。
本明細書で説明されたシステムおよび技法の技術的効果として、NDT検査デバイス12によって獲得されたNDTデータを解析または検討するためのワークフローを自動的に実施することが挙げられる。このようにして、NDTデータの検討者は、NDTデータに関連する特定のワークフローを使用して、NDTデータをより効率的に解析することができる。さらに、あまり経験のない検討者は、適切なデータ解析ツールを使用することができ、適切なワークフロープロセスに従って、NDTデータをより効率的に解析することができる。さらなる技術的効果として、NDTデータを解析のために表示するレイアウトを動的に変更すること、およびNDTデータを解析するために利用可能なデータ解析ツールを動的に変更することが挙げられる。そのため、検討者には、NDTデータをより効率的に解析するための、より総合的な1組のレイアウトおよびツールを提供することができる。
本明細書では、最良の態様を含む本発明を開示するために、また任意のデバイスまたはシステムの作成および使用、ならびに任意の組み込まれた方法の実施を含む、本発明の実施を当業者が行うことを可能にするためにも、例が使用された。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって確定され、当業者が思いつく他の例も含むことができる。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならない構造的要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と実質的に異ならない等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図されている。